72: ◆zvY2y1UzWw 2013/07/02(火) 00:55:35.39 ID:6Xl0CNgo0



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




 「姫様に見つかったぁ!?そんでもって呼び出し食らった!?…どういうことなの…」

「ごめんなさーい!」

ユズが引きこm…籠城を初めて一日目。使い魔から送られた連絡は全くもって予想以上に酷い物だった。







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それは、なんでもないようなとある日のこと。


その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
 
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

 
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。

それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。

その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。

ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。



「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。


・アイドルが宇宙人や人外の設定の場合もありますが、それは作者次第。





シリーズはここからご覧ください
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズ一覧
    




73: 2013/07/02(火) 00:56:06.97 ID:6Xl0CNgo0
朝の神崎家。今日も学校へ行く姉妹が朝食をとっていた。

しかし、その平穏もニュースの音で破られる。

『死神の格好をした謎の少女!強力な能力でカースを生み出し、我々を恐怖の渦へ…!彼女の目的はなんなのか!GDF、アイドルヒーロー同盟は彼女の目撃情報を…』

バギャ!ドン!という音でニュースが途絶えた。

「…あ、あれ!?テレビが壊れた!?お、おかーさーん!」

蘭子が二階で掃除中の母親を呼びに行ったが、昼子ことブリュンヒルデは激怒していた。

「…ユズの紛い物だと…!」

ニュースの一部の映像が偽物であることはすぐに見抜けた。…それよりもだ。

自らの…悪姫の魔術教師が犯罪者扱いとはどういうことだ。

その怒りが魔力を暴走させ、テレビを破壊したのだった。

「…ユズ、どうして人間界に…?」

74: 2013/07/02(火) 00:57:10.42 ID:6Xl0CNgo0
学校帰り。昼子はいつもよりイライラしていたが、学校生活に支障が出るほどではない。

父からの教えだ。怒りは抑えなくては。…朝あんなことをして言うことではないと思うが。

他の友人と別れ、家へあと少しというところだろうか。ふと、気配を感じた。

「「げげぇ!」」

さっと隠れたが、見逃す程甘くもない。

「…ユズの使い魔か。こっちへ来い。」

「へ?何あれ?」

「どうする?」「どーしよ?」

「「逃げるんだよぉー♪」」

空中へ楽しそうに高速で飛び出したそれに向かって連続で呪文を唱える。攻撃魔法ではないから蘭子の補助はいらない。

『大いなる精霊よ、我が力を代償に汝の潜む魔の霧の力を分け与たまえ!ミスティマジック!』

『この広大なる地球よ、大いなる我が力に従い、その万能なる拘束を強めたまえ!グラビティ!』

「「ぐえー!」」

昼子が指定した空間の重力が強くなり、二体の使い魔が落下する。

そして、辺りはいつの間にか尋常ではない量の霧に覆われていた。

「なにこれ…昼子ちゃん、一体何をしたの…?」

「ありとあらゆる物を遮断し、敵意を持ってこちらへ向かう愚か者を永久に迷わせる魔の霧だ。さぁ安心して話せ。ユズはどこだ!」

「「ご主人様はショックで引きこもりましたー!」」

「今すぐ連れて来い!一人は人質だ!いいな!」

「「は、はいー!」」

蘭子は久々に昼子の魔族らしさを見た気がした。

75: 2013/07/02(火) 00:57:52.22 ID:6Xl0CNgo0
「…姫様。お久しぶりですね。いろいろ考えて魔の霧を使えるとは…。成長なさいましたね…痛っ!」

しみじみと言うユズに昼子はでこピンを食らわせる。

「フン、狙われているお前と話せば割れまで狙われるのが不都合なだけだ…蘭子、コイツは我の魔術教師のユズだ。」

「ああ、姫様の契約者様。アタシは魔力管理人のユズです。」

「あ、はい神崎蘭子です!」

霧の中、3人の会話が始まる。使い魔は一度クリスタルに戻してある。

「…父上に監視とカースの調査を命令されたとは…なんとも忙しいな。」

「あはは、この位死神時代よりはマシですよー。」

ユズはあえて大罪の悪魔の事は話さなかった。姫様を戦いに巻き込むわけにはいかない。

「それで、あんな映像、なぜ作られた?」

「…」

…巻き込むわけには…

「我に話してみよ…。で き ぬ の か ?」


76: 2013/07/02(火) 00:58:41.85 ID:6Xl0CNgo0
「…大罪の悪魔に目を付けられまして…」

ユズは今の身の安全を優先した。

そもそも魔術教師一日目で思い切り大怪我してから姫様には少しばかり苦手意識がないこともない。…結構ある。

(姫様とアタシの○○一日目って相性が悪いんじゃ…?)

もはや隠している事はサタンの呪いの事だけだった。

「…そんなことがあったなんて…!」

「大罪の悪魔め、父上が忙しい身でなければ一瞬で灰になっているほどレベル差があるというのに…ユズにまで手を出すとは…。そうだ!」

昼子がユズの手を取る。正直爪が食い込んで痛い。

「ユズ!蘭子にも魔術を教えてやれ!そうすれば我らの防衛策にもなるし、匿ってやれるぞ!」

「「ええ!?」」

蘭子とユズが驚きの声を上げる。

「姫様!ただでさえ洗脳範囲がギリギリセーフラインだっていうのにまた何かする気ですか!」

「知ったことか!大罪の悪魔の方がよっぽど悪いのだ!それに匿う程度なら、家の二人の洗脳を変更するだけで何とかなる!」

「塔がありますから!アタシには塔がありますから!」

「…駄目か?」

急にしょんぼりとする。これにはユズも慌てる。

「あー!大丈夫っぽいなー!塔じゃなくても大丈夫っぽいなー!」

「そうか!じゃあうちに来い!」

(…わかりやすい騙し方の昼子ちゃんもそれに騙されるユズさんも何なのこれ…?)

77: 2013/07/02(火) 00:59:56.50 ID:6Xl0CNgo0
ユズこと喜多見柚が神崎家に居候することになりました。

それと同時に周辺(家のある住宅街~学校辺りまで)に魔の霧が頻繁に発生するようになりました。

祝・脱引きこもり!(一日目で終了)

前回を含めたサブタイトル
ユズ引きこもるよ!→ユズお外に出たよ!

魔の霧(ミスティマジック)
本来は精霊などが自らの潜む地域に起こす異常に濃い霧。
高度な技術の魔術なので、使用できる魔族はかなり少ない。その分性能も高いが。
発動対象に僅かでも敵意、悪意等を抱いた場合、この霧に精神を犯され、長時間霧の中にいると二度と発動者に出会えなくなる。
人払いの魔法よりも上位の魔術と思って貰えれば大丈夫です

78: 2013/07/02(火) 01:01:15.02 ID:6Xl0CNgo0
以上です
ユズちゃんと昼子ちゃんの話を書こうとしたらこうなった。どうしてこうなった!
昼子ちゃん、久々に魔界の知り合いに会えてうれしいようです

81: 2013/07/02(火) 01:10:30.18 ID:6zf7nlVj0
乙です
川島さんまで祓える気がするな…柚ちゃん目的のヒーロー対策だと思うのに弊害がw
精霊が使えるってことは夕美ちゃんも使えるのかな

82: 2013/07/02(火) 01:19:01.04 ID:BXdQXBXWo
乙です

神崎家は大家族だなあ(棒)




【次回に続く・・・】



: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3