305: ◆UCaKi7reYU 2013/07/03(水) 19:57:31.84 ID:ZysAmX1j0



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




 「お会計が7329円になります」

「………」

「一万円お預かりしますー」

とある日の夕方、その日のあはいつもどおりスーパーに買い物に来ていた。

最近は、日菜子やみくだけでは無く愛梨に菜帆とベル、みくの友人だという城ヶ崎美嘉・莉嘉の姉妹まで暇があれば夕飯をいただきに来るため、常に冷蔵庫の中を満タンにしないといけないという事態になっていたりする。

…もっとも、それでもこのうちの大半は菜帆とベルとみくの三人が消化する訳だが。

「あ、おつかれさまでしたー!」

「おつかれー」

アルバイトであろう女の子がすっとレジの店員に声をかけながら歩いていく。

…そういえば、そろそろみくの仕事が終わる時間帯だ。

「2671円のお返しです」

「…はい」

お釣りを受け取って、レジ袋に買った物を詰めていく。

じゃがいも、人参、玉ねぎ、長ネギ、キャベツ、なす、豚バラ肉とベーコンにソーセージ、卵に牛乳にチーズにその他etc…

これだけあればうまくいけば三日は持つだろうと、三日分の献立を考えながらスーパーを出る。







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それは、なんでもないようなとある日のこと。


その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
 
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

 
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。

それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。

その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。

ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。



「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。


・アイドルが宇宙人や人外の設定の場合もありますが、それは作者次第。





シリーズはここからご覧ください
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズ一覧
    




306: 2013/07/03(水) 20:01:19.41 ID:OTp4v02e0
「ねぇ……これ」

「え、これ本当なのか?」

「ちょっと、なによこれ!?こんなのが許されるの!?」

「……………?」

ざわざわと、街中が騒がしい事に気づいたのはそんな時であった。

「町一つ消えたって……」

「おいおい…」

「GDFは守ってくれるんじゃなかったのかよ!?」

「号外!号外だよー!ほらそこのお姉さんも読みなって!」

号外を配り歩いている青年が一冊押し付けてきた。


………『カース大量発生に街一つ消滅!?GDFの新兵器か!!』


「………………」

読み進んでいくと、なぜここまで騒がれているのかがすぐにわかった。

自分たちを守ってくれるはずのGDFが街一つ吹き飛ばしたのだ、次は我が身と思うのは当然だと思う。

307: 2013/07/03(水) 20:05:51.97 ID:zXFxpfkR0





―――ざわめきは、やがて様々な形を成していく。

―――破壊兵器を恐る者、どうしていいかわからず戸惑う者、裏切られたと怒る者、自分には関係ないと決め込む者。

―――様々な感情が振りまかれ、負の感情が高まる中に『ソレ』が現れるのは、ある意味当然であった。


308: 2013/07/03(水) 20:09:56.94 ID:ODkxeHR20
「ウラギリモノガアアアア!!」

「ナンデ!ナンデダヨオオオ!!」

「ミンナオレガケシテヤルヨオオオ!」

「うわああああああああああああ!?」

「出たぞおおおおおお!」

「ッ!」

憤怒が二体に、傲慢が一体。

それぞれ道路、路地裏、そしてスーパー入口の三ヶ所に現れたカースに人々は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。

「…………ターゲット、憤怒2傲慢1」

ドサっとレジ袋を落とし、状況を確認する。

道路と路地裏に居る二体の憤怒はこちらを標的にしたようで、身を震わせながら迫ってくる。

残った、スーパー入口の傲慢は……

「―――オープンコンバット」

《Weapon:高収束型デュアルマシンガン》

即、武装を召喚し無理やりスーパーに入ろうとしていた傲慢に撃ちまくる。

まだ、店内には逃げ遅れた客の姿が多いようで、中に入れさせるわけには行かなかった。

309: 2013/07/03(水) 20:12:25.54 ID:ODkxeHR20
《Leg:特殊機動装甲[白兎]》

「ツブレチマエエエエエ!!」

十分傲慢の注意を引いたところで更に召喚、跳躍力と瞬発力に重点を置いた白い装甲を太ももから下全体に装着。

そしてすぐに跳躍、憤怒のカースによる一撃をかわし頭上を取って銃弾を叩き込む。

「オオオオオオオオオ!」

《Weapon:コロナ・グレネードランチャー》

着地を狙う二体目の攻撃を再び跳躍で回避、マシンガンを返還し小型のグレネードランチャーとチェンジ。

そのまま固まっている二体まとめてグレネードの爆撃を浴びせる。

「ムシスンジャネエエエエエ!!」

「くっ…」

予想外に俊敏な動きで、傲慢がまだ空中にいるのあに飛びかかるが近くの柱を蹴り避けるとともにすかさずグレネードを放つ。

「オラアアアアアアアアア!!」

「しつこい…っ」

だが、爆破によるダメージを受けても構わず追い縋ってくる傲慢に更なる回避行動を余儀なくされ、今度はスーパーの壁を蹴り地上に降りる。

そして、まるでそのタイミングを待っていたかのように二体の憤怒が豪腕を振り上げて突撃してくるが冷静に二体の間を飛び跳ねるようにすり抜けて距離を取る。

310: 2013/07/03(水) 20:13:39.14 ID:ODkxeHR20
「………………」

ランチャーの残弾を確認しながら状況を考えるが、どう戦っても苦戦は免れなかった。

並のカースなら三発強で沈むグレネードに耐える憤怒が二体と、予想外の俊敏性を持った傲慢。

―――この場にみくが居れば、かく乱を任せてその隙に強力な兵装で一体ずつ撃破もできたであろう。

―――この場に日菜子が居れば、圧倒的な手数で翻弄しながら核を狙い撃ちできたであろう。

「………考えても仕方ないわね」

しかし、この場にはのあ一人。ゆっくりとこちらに迫る三体のカースを目に打開策を考える。

その時だった。

「このッ!」

「ギャアアア!?」

ずっとこちらを注視していた傲慢が、突如飛び出した何かに弾かれ吹っ飛ばされる。

「…隙だらけね」

それにより憤怒二体の注意がそちらに逸れた瞬間を逃すのあではなく、主に足元を狙い残弾すべてを撃ち込む。

ちらりと、吹き飛ばされた傲慢を見れば、乱入者であろう黒い翼を生やした何者かに翻弄されていた。

311: 2013/07/03(水) 20:17:40.45 ID:UYVlbnlV0
《Weapon:対魔力障壁弾併用アンチマテリアルライフル[亡牙]》

視線を二体の憤怒に戻し、撃ちきったランチャーを返還し代わりに現在のあが使える兵装の中でも最高クラスの威力を誇る切り札級の一つ、ズシンと重量がある銀色のアンチマテリアルライフルを召喚する。

「テメエエエエエエエエエエ!!」

「…ファイア」

爆煙の中から一体の憤怒が飛び出してくるが時既に遅く、轟音とともに放たれた銃弾が正確に核を撃ち貫きその衝撃でカースの体が四散、その上さらに後ろにあった電柱を中ほどから吹き飛ばす。

「……ガアアアアアアアアアアアアッ!!」

素早く、二体目に照準を合わせるが一瞬早く憤怒が狂ったように地面に腕を叩きつけ、粉塵が巻き起こる。

「…ファイア……ッ!?」

「ゲヒャヒャヒャハハハハ!!」

それでも構わず撃ち込むが、今までとは違う素早い動きで射線から逃れられた上に明らかに狂ったような声を吐き出しながら迫ってきた。

その上厄介なことに直線上にはスーパーの店舗、威力がありすぎるアンチマテリアルライフルでは何が起きるか分からない。

故に取るべき手段は回避であり、振り上げた両腕の一撃をダンッと力強く地面を蹴り後ろに跳ねる。

312: 2013/07/03(水) 20:20:25.47 ID:UYVlbnlV0
そこに、憤怒の背後から先ほどの乱入者が突撃していった。

素早くあたりを見渡せば消えていく泥とキラキラと光る何かがあり、傲慢が片付けられた事が分かる。

「ちょ…なにコイツ!?」

乱入者が困惑の声を挙げながら憤怒から距離をとる。

……黒い翼に、手には槍と盾、さらによく見るとその姿は先ほどスーパーでレジに話しかけてた女の子だった。

「ゲヒャ、ゼンブゼンブゼンブアヒャアア!!」

そして困惑の原因であるカースは、めちゃくちゃに暴れながら体を構成している泥がボコボコと泡立っている異常な状態。

「…あの、えーと……」

「…何かしら?」

と、その女の子が近くに降りて来た。

「その、よかったら協力しませんか?……なんか、あのカースいやな予感がす…しますし」

「…のあよ」

「え?」

「…名前」

「あ、えっと、ほう……うん、北条加蓮です!」

「……注意を引ける?」

「はい!それくらいなら任せて!……ください」

「…そんなに緊張しなくてもいいわ……くる」

313: 2013/07/03(水) 20:22:42.91 ID:UYVlbnlV0
「アヒャヒャヒャ!!」

加蓮と名乗った子にかく乱を頼み、散開。

少し遅れて飛び込んできた憤怒に加蓮が槍を構えて突撃、そのまま突き刺すが構わず暴れまくる憤怒の足を狙い狙撃し、粉砕。

支えを崩して倒れこむ憤怒から離れた加蓮は、今度は体から黒い泥―――幾つもの蛇を作り出して攻撃して押さえつけた。

「くうっ!…なら!」

だが、単純な力では考えるまでもなく劣る加蓮が徐々に引っ張られていくが、すぐに今度は再び槍を片手に突進していく。

それと同時にのあもアンチマテリアルライフルを返還し、一気に地面を滑るように跳ねながら近づく。

「きゃああッ!?」

突進、槍が届くか届かないかの寸前でいきなりボコボコと憤怒の腕が増えて槍を掴み、恐ろしい力で加蓮もろとも投げ飛ばして身を起こそうとする。

「アヒャヒャヒャ、ハハハハ!!」

《Weapon:ミスリル鋼芯使用炸薬式パイルバンカー[憐骸]》

明らかに異常だが、それでも振るわれる腕を紙一重で避け、アンチマテリアルライフルと並び切り札級である赤く大型のパイルバンカーを至近距離で召喚、そのままゼロ距離で、

「ゲハハ……!?」

「…フィニッシュ」

ズドンッと、鈍く重い音と薬莢を排出しながら撃ち込まれた杭の一撃が正確に核を貫いた。

314: 2013/07/03(水) 20:24:16.88 ID:UYVlbnlV0
「……ふぅ」

あたりは爆発とカースの攻撃でボロボロ、しかしなんとか犠牲者は0。

「……多いわね」

しかし、のあの表情は浮かばなかった。

―――最近、妙にカースが複数同時に発生するし、だんだんと強力な個体が増えてきている気がする。

目覚めた、と言うべきあの出会いの日からそんなに日にちは立っていないはずなのに、それでも強力になっているとわかるほど明らかにカースは凶暴性をましていた。

何か、原因があるのだろうか、そもそもカースはどうして生まれるのか……

「あのー、ちょっと…」

「……何かしら?」

と、気づかない内に近づいていた加蓮の声で現実に戻される。

「えっと…ありがとうございます、かな?」

「…?」

「一応、みんな助かったのは………えーと」

「……のあ」

「あはは…のあさんのおかげですから」

「…無理をして堅く話す必要は無いわ」

―――戦いは激化しても、人に感謝されるのは悪い気はしないと思う、のあだった。

315: 2013/07/03(水) 20:27:54.54 ID:UYVlbnlV0





ちなみにこの後、のあは戦いの余波で買ったものが吹っ飛んでいたことに気づいて困惑したり、更にはこの日から加蓮までが料理を食べに来るようになるのだがそれはまた別の話である。





ーーーそして、傲慢の悪魔と魔力を統べる死神の激突により、人々は更に混迷の最中へと陥るのだった。

316: 2013/07/03(水) 20:43:56.02 ID:Yk0RFmAyO
乙かなー?

のあさん家の食費が危ないwwww

317: 2013/07/03(水) 21:17:44.96 ID:NljtLaCR0
乙です
のあさんかっこいいかわいい
自分もちょっと加蓮書きたくなった

318: 2013/07/03(水) 21:20:56.15 ID:9H/cb8eE0
うわ、スミマセン書き込めてなかった;

急用で離れてました、次に設定投下します;

加蓮に友達作りたかったんや…

では度々お目汚し失礼しました

319: 2013/07/03(水) 21:27:01.42 ID:wGNEoBYD0
「のあの武装について」

weapon→手持ち武器
leg→脚部装備
arm→腕部装備
back pack→背部装備
option→自立兵器

と言った感じで分類わけされてます。


・新たに判明した装備

「Leg:特殊機動装甲[白兎]」
→跳躍力と瞬発力を重視した脚部装甲。
軽く地面を蹴っただけで1から2メートル程ジャンプでき、使いこなせば立体的な戦い方ができる。

「Weapon:コロナ・グレネードランチャー」
→小型の灰色のグレネードランチャー。
弾数は12と少ないが取り回しに優れ、並のカースなら三発程度で塵になる威力。

「Weapon:対魔翌力障壁弾併用アンチマテリアルライフル[亡牙]」
→重量はあるが、圧倒的な威力と通常弾のほかにバリア等を破壊・貫通できる計三種類の弾丸を使い分けらる強力な武器。
ただし、威力がありすぎるため射線上には特に注意が必要なのと、ある程度の機動力の低下は避けられないため状況を選ぶ。

「Weapon:ミスリル鋼芯使用炸薬式パイルバンカー[憐骸]」
→魔翌力を遮断する性質のある、現代技術では生成するのが困難なミスリル銀を杭に使用した炸薬式の赤い流線型のパイルバンカー。
それなりの重量もあるが、直撃した時の威力は計り知れない。
また、かなり頑丈で盾としても使える。



【次回に続く・・・】




: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3