480: ◆mtvycQN0i6 2013/07/07(日) 00:43:13.90 ID:6d43xwjlo



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




 渚いきまーす

481: 2013/07/07(日) 00:43:41.36 ID:6d43xwjlo
「へい、パスッ!!」

「キャプテンにボールがいったよ!」

「あー、無理だ」


一人の女の子にボールが渡る。誰も近寄ることはできない。

その女の子はそのまま素早いドリブルでゴールを決めた。

彼女の名前は愛野 渚。この高校のバスケ部キャプテンである。



パスッ


ビーッ


「よし、今日はここまで!みんなもっと私の邪魔しなきゃダメだよッ」

「だってー、キャプテン強いんですよ」

「あとキャプテンじゃなくて渚って呼んで欲しいなァ。敬語もいらないよ」


彼女は困っていた。

チームメイトとの距離が遠いのだ。

もちろん、嫌われているわけではなく、渚のバスケの上手さに尊敬してのことだ。

だが、渚とチームメイトたちの間には一種の境界があった。







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それは、なんでもないようなとある日のこと。


その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
 
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

 
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。

それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。

その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。

ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。



「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。


・アイドルが宇宙人や人外の設定の場合もありますが、それは作者次第。





シリーズはここからご覧ください
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズ一覧
    




482: 2013/07/07(日) 00:44:23.03 ID:6d43xwjlo
「よし、じゃあみんな着替えよッか」

「あれ、キャプテンどこいくんですか?」

「水飲んでから行くよ」


もともと、ほかの人との境界はあった。渚は「できる子」だったから。

だが、とある日を境にして、その境界が遠くなった気がした。


そんな渚の悩みを、悲鳴がかき消した。


「どうしたのッ!!」


更衣室はひどい有様だった。

チームメイトは全員倒れ、その真ん中に何かが立っていた。

人間ではない。


「だ、誰...?それはウサ耳?」


「オレか?オレはウサミン星からやってきた」


「う、宇宙人?なんのためにきたの?その子たちになにをしたァ!!」


「一度に質問するなっ!」


「...その子たちに何をしたの」


「奴隷商人に売りつけるんだ」


「な、なにを言って...」

483: 2013/07/07(日) 00:45:37.40 ID:6d43xwjlo
「オレは、母星じゃ虐げられてたんだ。だが、今回この地球にいくってんで密航してきた」

「んで、オレは独立しなきゃなんねえから、資金が必要なんだ」

「お前らは体を鍛えているから労働力にもなるし、奴隷にはうってつけなんだよ」

「それに、女だ。女は高く売れる!おっと、安心しろ、まだなんにもしちゃいねえ。ちょっと気絶してるだけだ」


「え...な、なに...なんなのォ...」


「それじゃ、お前も眠ってな!」


ウサミン星人は銃型のなにかを取り出すと、渚に向けて撃った。


「うわァッ!!」


思わず渚は目を閉じた。

484: 2013/07/07(日) 00:48:23.37 ID:6d43xwjlo

「な、なんだ?当たってねぇのか?」


恐る恐る目を開けてみると、ウサミン星人は困惑していた。


「今確かに撃ったはずなんだが...調子が悪いのか?」


再び銃口を渚に向け、撃つ。

だが、そこからでた光線は渚の手前で消滅した。

まるで、そこが消える境界線であるみたいに。


「な、なにが起きてるのォ...?」


渚も困惑していた。


「ちっ、こいつも能力者なのか...仕方ない、ちょっと手荒だが...」


ウサミン星人は別の銃を取り出すと、渚に向けて撃った。

だが、その弾は、渚の手前で失速し、地面に落ちた。それ以上は届かないみたいに。

渚は気がついた。これが自分の能力なのだ、と。

最近、不思議な能力を持った人が増えてきている、と耳にしていたので、自分も能力を持っていたのだと。


「帰るなら今のうちだよッ!」


「くそっ、能力持ってるからっていい気になるなよ...!」


ウサミン星人は女の子の一人に銃口を向ける。

485: 2013/07/07(日) 00:50:30.96 ID:6d43xwjlo
「その子を離してッ!!」


「うるせえ!!おとなしくつかまんねぇとこいつを[ピーーー]ぞ」


今、渚には自信があった。絶対に誰も氏なさせないという自信が。


「お、おい、近づくな!撃つぞ!」


「撃てるなら撃ってみろォ!!」


「ぶ、ぶっ[ピーーー]!!」


引き金を引くが、やはり手前で弾丸は落ちる。

そして、渚は思いっきりウサミン星人を殴り飛ばした。


「な、なんじゃこりゃあ!!」


ウサミン星人の長い耳は、顔に張り付いて片目を塞いでいた。まるで、もともとそこにあったみたいに、境目はなく。


「う、うわああああああ!!」


「大丈夫?」


叫ぶウサミン星人を尻目に、渚はチームメイトたちに駆け寄った。


「キャ、キャプテン...」

「良かった、大きな怪我もないみたいだし...」

「キャプテン危ないっ!!」

「え━━━━━━━」

486: 2013/07/07(日) 00:52:06.23 ID:6d43xwjlo
ド口リ

渚の背中から血が流れる。


「フハハ、刃物は効くようだな...!」


「ぐ...み、みんな...」

「「「キャプテン!!」」」


「氏んじまったか...まあいい、10人もいれば一財産になる」



私はここで氏ぬのかァ...



「い、いや...」

「やめて!」


「おらおとなしくしろっ!!」



いや、仲間を置いていくわけにはいかないッ!!




「あ...」

「う、うそ...」


「ん?どこ見てやがる...」


「お、お前はたった今頃したはずじゃ...う、うわああああああああああああああああああああああああああ」


━━━━━━━━━

487: 2013/07/07(日) 00:52:31.82 ID:6d43xwjlo
後日

「ねえ、大会の日程どうだったァ?」

「それが...」

「あちゃー、この日は私『あの日』じゃん」

「キャプ...渚、どうにかならない?能力とか使っちゃおうよ!」

「そ、それは流石にずるいと思うよッ」

「えー、そんなー」


オーイ、ナギサハ『アノヒ』ダッテサ!

シンジャヤダヨナギサ!

オ、オオゲサダナァ...

488: 2013/07/07(日) 00:53:47.57 ID:6d43xwjlo
おとなしく一人称視点にすればよかった


愛野 渚(18)

とある高校のバスケ部キャプテン。ウサミン星人との一件で、人との境界の原因に気がつく。
能力は、『境界線を操作する』銃弾の届く、届かない境界を作ったり、物体どうしの境界をなくしたりできる。
某妖怪のむらさきさんとはなんの関係もございません。
ウサミン星人に刺され、命を落としかけるが、生と氏の境界線に残った。『あの日』とは氏に近づいてる状態のこと。
約一月の周期で生と氏の間をいったりきたりする。
生:普通の人間となんら変わらない
氏:動きが鈍くなる、存在が認識されにくくなる等

バスケの腕も生氏の状態によって変わるため、チームメイトはなによりも大会の日程決めを神に祈る。

489: 2013/07/07(日) 00:55:49.06 ID:Z8lDXpr0O
乙ー

つまり、半死人状態?

……柚ちゃんとあったらマズイ?

494: 2013/07/07(日) 01:45:10.71 ID:g+Df2CSTo
おつおつ
人間とソンビのハーフ…って言ったらなんか変だな…

次から松尾ちゃん投下します




【次回に続く・・・】



: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3