44: 2013/10/05(土) 14:32:33.01 ID:hCerHoLT0
第19話・古澤頼子・その2「本当の気持ち」

某県某所

モバP「お疲れ様、頼子、今日も良かったぞ」

頼子「はい、お疲れ様です」

モバP「新しい仕事も板についてきたな」

頼子「うん…Pさんのご指導のおかげですね」

モバP「ははは、照れるな。でも頑張ったのは頼子だから、胸を張ってくれよ」

頼子「うん、ふふふ」


モバP「終電が無くなった…」シリーズ


45: 2013/10/05(土) 14:33:02.25 ID:hCerHoLT0
モバP「ど、どうしたんだ、頼子?」

頼子「Pさんと出会った頃は猫背が癖だったけど…」

頼子「Pさんが『胸を張って、顔を上げろ』って教えてくれたから…」

頼子「ちゃんとアイドル出来るようになったのかなって」

モバP「頼子…ありがとう、俺も頼子のおかげで自信が持てたよ」

頼子「はい?…私が役に立ってますか?嬉しい…」

モバP「…頼子は初めてスカウトしたアイドルだったからな」

モバP「正直手探りだったよ…」

46: 2013/10/05(土) 14:33:32.01 ID:hCerHoLT0
頼子「じゃあ、私達は二人三脚でここまで来たの…?…ふふ」

モバP「そうだな…、なあ、頼子」

頼子「は、はい」

モバP「まだ東京に戻る電車まで時間あるし…二人で食事に行かないか?」

頼子「……えっ」

モバP「結局、あの日の約束も闇鍋パーティーになったしさ」

頼子「あれはあれで楽しかったですよ」

モバP「まあな…途中の記憶ないけど」

47: 2013/10/05(土) 14:33:57.27 ID:hCerHoLT0
モバP「頼子が良かったら是非」

頼子「うん…、断る理由なんてないよ…Pさん」

モバP「そうか、じゃあお店は…」

頼子「ゆっくり…お話出来る所がいいです」

モバP「そうだな、じゃあ……ああ、そうだ、頼子」

頼子「何ですか?」

モバP「闇鍋パーティーの時さ、俺が気を失ってる間、何があった?」

モバP「何だか、ずっと柔らかい感触が頭から離れないんだ」

48: 2013/10/05(土) 14:34:30.81 ID:hCerHoLT0
頼子「え?えっと、うーん、何ででしょう?」

モバP「そっか頼子もわからないか…暖かくていい感触だったんだけどな」

頼子「ッッ……膝枕ならいつでもしますよ」ボソ

モバP「どうした頼子?あの店にしようか」

頼子「あ…はい」

49: 2013/10/05(土) 14:35:06.77 ID:hCerHoLT0
・・・

ある居酒屋

モバP「結局居酒屋ですまんな…はは」

頼子「いえ…個室ですし…この時間ですから…あ、このお料理綺麗……」

モバP「だろ?都内にも店舗があってさ」

頼子「(どちらかと言うと…女性向けのお店…かな?)」ジト

モバP「か、楓さんに教えてもらったけど…一緒に行ったことはないぞ」

50: 2013/10/05(土) 14:35:32.75 ID:hCerHoLT0
頼子「ふぅん…あ、このいちごのデザート、食後に頼んでいいですか?」

モバP「あ、ああ…なあ、その…酒…いいかな?」

頼子「はい…いいですよ、ビールですか?」

モバP「ああ、最初の一杯はそうだな」

頼子「じゃあ、注文しますね」

51: 2013/10/05(土) 14:36:02.69 ID:hCerHoLT0
・・・

モバP「ああーやっぱり美味いなぁ」

頼子「本当に美味しそう、ふふ」

モバP「いつでも美味いってわけじゃないけどな」

頼子「同じお酒でも…ですか?」

モバP「どんな気分で飲むかや、誰と飲むかも大切だな」

頼子「あ、なるほど(それって私と一緒だと美味しいってことだよね)」ポッ

モバP「頼子と一緒だから美味しいのかな、ははは」グイ

52: 2013/10/05(土) 14:36:29.63 ID:hCerHoLT0
頼子「Pさん…あ、どうぞ」

モバP「ありがとう、頼子、お酌上手だな」

頼子「そ、そうかな…(練習した甲斐があったの…)」

頼子「ねえ、Pさん…私が二十歳になったら…お酒教えてください」

モバP「ああ、喜んで」グイ

頼子「でも…もしかしたら引退してるかもしれませんよ」

53: 2013/10/05(土) 14:36:59.10 ID:hCerHoLT0
モバP「頼子なら引退してても教えるよ…あ、変な意味じゃないからな」グビ

頼子「うん…楽しみにしてるね…あ、どうぞ」

モバP「おお、悪いな…」グイ

モバP「ああ、美味いなぁ」

54: 2013/10/05(土) 14:37:56.34 ID:hCerHoLT0
・・・

モバP「でなぁ、頼子ぉ…俺はなぁ…」

頼子「酔ってる…?」

モバP「頼子…聞いてるかぁ」

頼子「はい、聞いてますよ、お酒はこれくらいに…」

モバP「ああ、いい酒は悪酔いしないから、らいじょうぶ」クイ

55: 2013/10/05(土) 14:38:25.01 ID:hCerHoLT0
頼子「は、はぁ…(そんなに良いお酒には…?)」

モバP「頼子、もう一杯お注いでくれ」

頼子「はい…(大丈夫かな…うーん)」

モバP「大体、皆俺がどーいう気持ちでいるかわからっているのら?」

モバP「なぁ、頼子、わかるかぁ?」

頼子「は、はぁ…?(Pさん溜まってるのかな?)」

56: 2013/10/05(土) 14:38:51.26 ID:hCerHoLT0
・・・

ある公園

頼子「Pさん、私疲れました…少し休みましょう」

モバP「う…すまん、肩貸してくれて…‥俺も少し座りたいな…うぷ」

頼子「飲み過ぎです、Pさん」ナデ

モバP「ううう、すまん…うっ」

頼子「私も注ぎすぎたと思うけど」

モバP「うっっ、オエエエエエ」

頼子「あっ、Pさん、ダメッ」

57: 2013/10/05(土) 14:39:44.11 ID:hCerHoLT0
・・・

モバP「ううう、よ、頼子?」

頼子「Pさん、大丈夫ですか?」

モバP「ああ、頼子、その手…」

頼子「……足元に吐いたら服汚れるから」

モバP「いや、頼子の手が…それに袖とか」

頼子「洗ったら平気ですよ…あそこの蛇口でゆすぎますから」

頼子「Pさんも口…きれいにしよ?」

モバP「ああ……」

58: 2013/10/05(土) 14:40:11.12 ID:hCerHoLT0
・・・

頼子「Pさん…楽になりました?」

モバP「ああ…だいぶ……な」

頼子「良かった…」ナデ

モバP「(闇鍋の時も頼子が膝枕しててくれたんだな…)」

モバP「(それにしても…幻滅されただろうな)」

頼子「Pさん…?」

モバP「頼子、俺は…」

59: 2013/10/05(土) 14:40:51.81 ID:hCerHoLT0
頼子「何も言わなくていいです」

頼子「ちょっと嬉しいんです…」

頼子「いつもしっかりしてるPさんが、こんな姿を見せてくれたのが…」

モバP「いや…それは……」

頼子「私、Pさんと出会ってから、ずっと支えてもらってばかりでした」

頼子「デビュー前に…大泣きしたこともあったよね」

モバP「そんなこともあったな…」

頼子「プロデュサーがPさんがじゃなかったら…私、もうここにいません」

60: 2013/10/05(土) 14:41:26.90 ID:hCerHoLT0
頼子「だから…私も貴方を支えたいの……」

モバP「ありがとう…頼子」

モバP「もっと色んな事、話すようにするよ」

頼子「はいっ」

頼子「ところでPさん…早速なんですが……」

モバP「な、何だ?」

頼子「終電が無くなりました…」

モバP「あ……」

61: 2013/10/05(土) 14:42:03.33 ID:hCerHoLT0
・・・

あるビジネスホテル

頼子「やっぱりベッドは一つですね」

モバP「ああ、ダブルベッドの部屋しか無かったからな」

頼子「……」

モバP「……」

頼子「あの…」

モバP「頼子、シャワー浴びてこいよ」

62: 2013/10/05(土) 14:42:34.42 ID:hCerHoLT0
頼子「ええっ」

モバP「ほ、ほら…俺のせいで臭いが…気分良くないだろ」

モバP「すっきりしてきたらどうだ…?」

頼子「ああ、そういう事ですか…じゃあ、お先にいただきます」

モバP「ああ、ははは(こういう状況だと…そうとるよな)」

頼子「うん…(そういう意味…なのかな)」

モバP「アイドルの前で嘔吐して…その上あんなことまで……」

モバP「俺は頼子に何をしてやれるんだ…?

63: 2013/10/05(土) 14:43:17.62 ID:hCerHoLT0
・・・

モバP「ああー、すっきりした…待たせたな、頼子」

頼子「いえ…、私も髪の手入れしてましたから」

頼子「千秋さんに教えてもらったんですよ、ふふふ」

モバP「ああ、千秋に…確かにこのごろ髪綺麗だな」

頼子「ありがとうございます…明日始発ですよね……そろそろ、寝ましょう」

モバP「そ、そうだな…早く寝ないと明日に響くな」

頼子「はい、ではお休みなさい…Pさん」

モバP「お、お休み、頼子」

64: 2013/10/05(土) 14:43:51.69 ID:hCerHoLT0
・・・

モバP「…ね、眠れん」

頼子「……」

モバP「頼子は…寝てるのか」

モバP「(手を伸ばせば届く距離に…薄布一枚の頼子が……うっ)」

頼子「Pさん……?」

モバP「よ、頼子!?お、起きてたのか」

頼子「はい……、ドキドキして眠れなくて…」

65: 2013/10/05(土) 14:44:25.62 ID:hCerHoLT0
モバP「そ、そうだよな、ははは」

頼子「Pさんもですか……?ふふ」

モバP「……(頼子も寝れないってことは…そういう気持ちなんだよな)」

頼子「………?」

モバP「(俺が頼子にしてやれること…それは……)」ガバッ

頼子「……Pさん?キャッ」

モバP「頼子…俺は……頼子と…その…いいか?」

頼子「……うん」

66: 2013/10/05(土) 14:44:54.73 ID:hCerHoLT0
モバP「…頼子?」

頼子「ダメです……Pさん」

モバP「どうしてっ、頼子だって……」

頼子「私…ずっと、貴方の事見てきました……」

頼子「今日のPさんは……無理をしています」

モバP「……ッッ」

頼子「私は…貴方の本当の気持ちが欲しいの」

頼子「だから…無理に私に応えようとしないで」ウル

67: 2013/10/05(土) 14:45:22.32 ID:hCerHoLT0
頼子「私がこんな事言っても…説得力ないかな?」

モバP「ごめん…頼子」

頼子「いいの…でも、ちょっと嬉しかったです」

頼子「ねぇ、Pさん……その、固くなってません?」

モバP「あああッ…い、いや、これは反応であって、その…」

頼子「ふふふふ」

モバP「わ、笑うなよ、頼子」

68: 2013/10/05(土) 14:45:59.09 ID:hCerHoLT0
頼子「お、収まらないなら…その……し、しますか……」

モバP「バカ言うんじゃない…しばらくすれば収まるから」

頼子「そうですか…?お休みなさい、Pさん」

モバP「ああ、今度こそお休み、頼子」

69: 2013/10/05(土) 14:46:24.50 ID:hCerHoLT0
・・・

結局、その夜Pは収まらず、眠れない夜を過ごすのでした

東京に戻ったP達を数名のアイドルが出迎えたのですが

Pの憔悴した様子に勘違いし、またも事務所は荒れに荒れるのでした

おしまい

70: 2013/10/05(土) 14:53:50.49 ID:hCerHoLT0
頼子さん編その2は以上になります
押し倒しておいて何をいまさらという感じではありますが
実際義務感で付き合っても長続きしないと思います
まあ、私なら頼子さんにしてもらったことされたらまず転ぶでしょうけど

引用: モバP「また終電が無くなった…」