190: 2013/10/13(日) 17:24:35.85 ID:Eimo122i0
第21話・脇山珠美「珠けがれなく剣けわし」

シンデレラプロ事務所

モバP「お疲れ様です」

ちひろ「お疲れ様です、Pさん」

モバP「あ、ちひろさん、お疲れ様です」

ちひろ「あ……脚が痛いです、うう」

モバP「あれはちひろさんが悪いです……」

ちひろ「はぁい」プイ


モバP「終電が無くなった…」シリーズ


191: 2013/10/13(日) 17:25:19.26 ID:Eimo122i0
モバP「アイドルはまだ誰か残ってますか?」

ちひろ「ああ…それが……」

モバP「えっと…あ、あの……すごく空気がどんよりしてる場所が…」

ちひろ「珠美ちゃん…部活でまた補欠の補欠だったみたいで」

モバP「…ちょっと、話してきます」

ちひろ「はい、お願いします」

モバP「ははは、大丈夫かな」

192: 2013/10/13(日) 17:25:47.42 ID:Eimo122i0
・・・

珠美「珠美は…珠美は…」

モバP「お、おい珠美、部活で上手くいかなかったらしいな」

珠美「P殿…」ウルウル

モバP「な、なあ、珠美…諦めたら、そこで剣の道は終了だぞ」

珠美「珠美は諦めてなど……」ジュルリ

ちひろ「(Pさんもあの漫画好きなんだ)」

ちひろ「(でも……付き合うならバスケットより野球選手よね)」

193: 2013/10/13(日) 17:26:14.52 ID:Eimo122i0
モバP「事務所の皆を見ろ…一年間まともに仕事が無くても…」

モバP「腐らないで、しっかりレッスンして、大きい仕事にチャレンジしてるぞ」

珠美「珠美は剣道部に入って一年半経ちました……」

モバP「あ………」

ちひろ「(Pさん…それはフォローになってません…しょうがないなぁ)」

ちひろ「珠美ちゃん、Pさん、ちょっといいですか」

モバP「は、はい」

珠美「どうされたのですか、ちひろさん」

194: 2013/10/13(日) 17:27:20.38 ID:Eimo122i0
ちひろ「なんと、倉庫にPさんと珠美ちゃんのサイズにぴったりの防具と竹刀があります」

ちひろ「しかも、レッスンスタジオを貸しきってあるんです」

モバP「えっと…それで何をしろと?」

ちひろ「もちろん、特訓ですよ、特訓」

珠美「……」パァァァ

モバP「ちひろさん……どうして防具があるんです?」ボソ

ちひろ「ふふふ、今度剣道もののドラマのオーディションがあるんですよ」ボソ

195: 2013/10/13(日) 17:27:54.37 ID:Eimo122i0
モバP「俺をアイドルの練習台にするつもりですね」ボソボソ

ちひろ「アイドル同士叩かせるのはちょっと…」ボソボソ

モバP「俺剣道の経験ほとんどありませんよ」ボソボソボソ

ちひろ「ちょっとあれば十分ですよ」ボソボソボソ

珠美「あの、お二人とも、何をお話なのですか?」

珠美「それより、早く特訓を始めましょう、さあ」キラキラ

ちひろ「あんなに期待してる珠美ちゃんを裏切るんですか?」

モバP「う……」

196: 2013/10/13(日) 17:28:34.82 ID:Eimo122i0
ちひろ「それに脚痛いなぁ…カメラ高かったのになぁ」

モバP「カメラの修理は事務所の経費で落としましたよね」

ちひろ「えっーと」

珠美「P殿、まだでありますか?」

ちひろ「ほら、珠美ちゃんが呼んでますよ」

197: 2013/10/13(日) 17:29:12.96 ID:Eimo122i0
モバP「わかりましたよ、じゃあ、行ってきます」

ちひろ「二人共頑張ってね、あ、防具はスタジオに置いて直帰でいいですから」

ちひろ「あ、そうだ、適当に負けてあげてくださいね」ボソ

モバP「はい、わかってます」

珠美「いって参ります、ちひろさん」

198: 2013/10/13(日) 17:30:05.79 ID:Eimo122i0
・・・

レッスンスタジオ

モバP「おお、天井高いからちゃんと竹刀振れるな」ヒュッ

珠美「……」ポカーン

モバP「どうした、珠美…手が止まってるぞ?」

珠美「いえ…P殿の素振りが素晴らしかったもので…」

モバP「そうか!高校の時の体育以来なんだけどな」

199: 2013/10/13(日) 17:30:52.91 ID:Eimo122i0
モバP「結構スポーツや武道が強かったから、体育とはいえしごかれたな」

珠美「そ、そうですか」

モバP「これでも筋が良いって剣道部に誘われたんだからな」

モバP「まあ、入部はしなかったけどな、ははは」

珠美「これはレベルアップのチャンス、よろしくお願いしますP殿!」

モバP「よしっ、始めるか」

200: 2013/10/13(日) 17:31:36.17 ID:Eimo122i0
・・・

モバP「踏み込みが足りん!」バシ

珠美「うわ…」グラ

モバP「もらった」バシーン

珠美「ううっ」

モバP「あ……、し、しまった、つい……」

珠美「さ、流石、P殿です…」フラ

モバP「あ、いや、これは…」

201: 2013/10/13(日) 17:32:10.58 ID:Eimo122i0
珠美「も、もう一本お願いします……」フラ

モバP「もうフラフラじゃないか…そろそろ電車無くなるし、次が最後な」

モバP「(しまった…つい熱くなってしまった)」

モバP「(素人相手にこれじゃ、自信喪失するよな…、どうしよう)」

珠美「行きますよ、P殿、いやぁぁぁぁ」ダン

モバP「お、すごい気迫だ……って飛んだぁ?」

202: 2013/10/13(日) 17:32:41.48 ID:Eimo122i0
モバP「(えっ、剣道って上に飛んでいいのか…い、いや流石にくらうとまずい…)」

珠美「あああああ」スカ

モバP「へっ…?」キーン

モバP「ッッッッッ」バタ

珠美「……ハァ、ハァ、P殿、珠美はやりました」

珠美「……P殿ぉっ」

203: 2013/10/13(日) 17:33:11.63 ID:Eimo122i0
・・・

モバP「俺の息子が、息子がぁ」ウーン

珠美「P殿、大丈夫ですか、P殿」

モバP「ううう、何だ、頭の良い感触が……」

モバP「もう少し、このままでいいかな…ふふふ」

珠美「変な事言ってないで起きてください、P殿」

モバP「う、うう、ああ、珠美か…玉は…ふう、無事か」

204: 2013/10/13(日) 17:34:04.06 ID:Eimo122i0
珠美「P殿…大丈夫でしたか」

モバP「ああ…珠美が膝枕してくれてたのか」

珠美「はい、頼子さんが男性が気を失った時は膝枕が一番だと」

モバP「確かにあれは良かったな…ふふふ」

珠美「やはりはどこか……?」

モバP「ああ、大丈夫だ、ありがとう、珠美(おい、頼子…何教えてるんだ)」

205: 2013/10/13(日) 17:35:10.55 ID:Eimo122i0
珠美「珠美はやりましたッ、ついにP殿から一本取りましたッッ」

モバP「あ、ああ、そうだな(確か面は空振ったよな…)」

モバP「(それで俺の息子が痛むってことは…ああ、床に当たって跳ね上がったのか)」

珠美「珠美もついに必殺剣を身に付けたのですね」キラキラ

モバP「(でも、この喜びようを見ると言えないな…はは)」

モバP「さっきからずっと膝枕されたままだけど、気持ちいいな」

珠美「………」カァァ

206: 2013/10/13(日) 17:36:06.85 ID:Eimo122i0
モバP「あ、声に出しちゃった…アアッ!」

珠美「どうしたのですか、P殿?」

モバP「終電が無くなってる……」

珠美「えっ…」

モバP「どうしよう…」

珠美「どうしようと言われましても…」

モバP「……」

珠美「……」

207: 2013/10/13(日) 17:37:14.23 ID:Eimo122i0
モバP「な、なあ、珠美…いつまで、膝枕してくれるんだ?」

珠美「え、えええ、い、いつまでと言わずいつまででも構いません!」

モバP「バ、バカな事言うんじゃない」

モバP「(この距離で見ると…この距離でも珠美の胸は無いな)」

モバP「(でも、健康的な色気というか…汗と混ざっていい匂いだなぁ…)」

珠美「P殿、どうされたのですか?顔がにやけていますよ」

モバP「ええっ、あははは(いっそ、太ももに顔を埋めてやろうか)」

208: 2013/10/13(日) 17:38:12.60 ID:Eimo122i0
珠美「P殿…珠美は、剣以外の道も……ご指南いただきたいです」

モバP「……アイドルのレッスンのことだよな?」

珠美「……」フルフル

モバP「い、いや、それは…(本人がこう言ってるんだし、お尻くらい…)」そー

珠美「P殿?」

モバP「うわぁ…な、何でもない、何でもないぞ」

209: 2013/10/13(日) 17:39:03.87 ID:Eimo122i0
モバP「な、なあ、珠美、俺は珠美とそういう事は出来ないよ」

珠美「P殿…どうしてですか?」

モバP「俺は……珠美の恋人役にはなれない」

モバP「こういう事はいつか珠美が本当に恋した時に大切にとっておくんだ」

珠美「P殿……珠美は」ウル

モバP「剣士に涙は似合わないぞ、膝枕ありがとうな」

珠美「わかりました、珠美はこれから剣士としてアイドルとして益々精進します!」

モバP「おう、その調子だ」

210: 2013/10/13(日) 17:39:53.63 ID:Eimo122i0
珠美「では、珠美はトレーニングのために寮までランニングします」

モバP「お、おい、こんな時間に一人には…」

珠美「ほら、P殿、珠美を捕まえられますか?」

モバP「ああ、もう……仕方ないやつだな」

珠美「(ふふふ、P殿…いつか珠美があの人の様になった時…)」

珠美「(その時、珠美の本気を受け止めてもらいます)」

211: 2013/10/13(日) 17:40:36.83 ID:Eimo122i0
・・・

この日、Pはスタジオから寮、自宅と走ることになり

かつて無い筋肉痛に襲われるのでした

事務所内ではPは膝枕に弱いという情報が流れ

一部のアイドル達が事ある事に膝枕をしようとするのでした

おしまい

212: 2013/10/13(日) 17:41:44.93 ID:Eimo122i0
以上で珠ちゃん編は終わりです
果たして、珠ちゃんは剣道強くなるのか、背が伸びるのか
まさか、どっちもダメなんてことは…
しかし、Pは1歳しか違わない頼子さんとしようとしたのを覚えてるんでしょうか?
息子が無事で何よりでしたね…実際、気絶するほど痛いんですか?

次は10月17日に頼子さん番外編を投下予定ですが
それまでに、もう一回は投下しておきたいですね
文香さん編その2は誕生日投下を画策中です

なお、1は某国民的バスケット漫画では牧紳一が好きです

引用: モバP「また終電が無くなった…」