1: 2016/02/23(火) 23:35:33.57 ID:gv9jFGAz.net
~屋上~

凛「卒業式も終わって、最後のライブも終わって……」

花陽「もう、あの3人と学校では一緒にいられなくなっちゃうね……」

真姫「別に、もう会えなくなる訳じゃないんだから」

凛「じゃあ、真姫ちゃんは寂しくないの?」

真姫「寂しくない、と言えば嘘になるけど」

真姫「ずっと毎日、嫌でも学校で会ってたんだから……」

花陽「やっぱり、真姫ちゃんも寂しいんだね」

真姫「……もー! 私に何を言わせたいの?」

3: 2016/02/23(火) 23:36:54.54 ID:gv9jFGAz.net
花陽「ごめんね。でも、3人が同じ想いなら、何をしたいかもきっと同じだと思うから」

真姫「何をしたいか、って……?」

凛「あの3人がビックリするようなことをするにゃー!!」

真姫「ふふっ、何よそれ。ビックリするようなこと?」

凛「うん。ま、それが何なのかはこれから考えるんだけどね」

花陽「凛ちゃんらしい。でも、私も賛成!」

真姫「私も。仕方ないけど、乗ってあげるわ」

凛「この3人でならきっと、どんなことでもできるにゃ!」

4: 2016/02/23(火) 23:38:20.66 ID:gv9jFGAz.net
~中庭~

海未『卒業式が終わってからも、9人でここまで一緒にいるとは思いませんでしたね』

ことり『NYでライブ。スクールアイドル全体でライブ。それと、μ’s解散ライブ』

ことり『そうだね。まだまだ一緒にいられるみたい』

穂乃果『一緒にいられるよ! ずっとずっと。いつだって……』

穂乃果『でも、学校で毎日のようには、会えなくなっちゃうんだね』

ことり『穂乃果ちゃん……』

穂乃果『……』

海未『……さぁ、穂乃果。今度は、何をしでかすつもりですか?』

穂乃果『しでかす、って……』アハハ

5: 2016/02/23(火) 23:40:27.21 ID:gv9jFGAz.net
海未『でも、何かしてあげるんでしょう? あの3年生3人のために』

海未『何年一緒にいると思っているんですか?』

ことり『穂乃果ちゃんは、こんなところで悲しんでるばかりじゃないもんね!』

穂乃果『海未ちゃん……。ことりちゃん……』

穂乃果『もう、言わなくても分かっちゃうんだね』

穂乃果『よし、やろう! 絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃんのために!』

穂乃果『また会うための! 最高のお別れを!!』

海未『よく聞くと凄いこと言ってますけど、大丈夫ですか?』

ことり『私は、穂乃果ちゃんらしくて良いと思う!』

海未『……そうですね』フフッ

6: 2016/02/23(火) 23:41:50.96 ID:gv9jFGAz.net
~まきハウス~

凛『さぁ! 真姫ちゃん家で何をするかの相談にゃ!』ガチャッ

真姫『ゔぇぇ! だから何で凛は私の家のクローゼットから出てくるの? 何度も何度も!』

花陽『ごめんね、真姫ちゃん。凛ちゃんが、これがお約束だからって聞かなくて』ゴトッ

真姫『花陽はベッドから!?』

真姫『もー、イミワカンナイ!!』

凛『まぁまぁ』

花陽『まぁまぁ』

真姫『むー…! 生絞りシークヮーサージュース取ってくる!』ガタッ

7: 2016/02/23(火) 23:43:30.76 ID:gv9jFGAz.net
凛『ごくごく。ぷはぁっ! 真姫ちゃん家に来たら、やっぱりシークヮーサージュースだね』

真姫『で? 何をするの?』

花陽『凛ちゃんにはもう、何か考えがあるの?』

凛『んー、やっぱりライブが良いと思うにゃ』

真姫『ライブ? 既存の曲とフォーメーションならまだしも、6人での曲なんて無いわよ?』

凛『これからのSomedayは?』

花陽『あれは、にこちゃんもいて、7人での曲だったから』

凛『あぁ! にこちゃんもいたにゃ!』

8: 2016/02/23(火) 23:45:33.43 ID:gv9jFGAz.net
にこ『ふぇっくしょん!』

希『にこっち、風邪?』

絵里『のど飴舐める?』

にこ『大丈夫よ。今のはきっと、誰かが噂してたからね……』

にこ『もぉ、にこってばぁ、有名過ぎて困っちゃ~う!』

絵里『はいはい』

希『にこっちは人気やもんな~』

にこ『失礼よ、あんた達!』

9: 2016/02/23(火) 23:46:22.50 ID:gv9jFGAz.net
凛「既存の曲、かぁ」

真姫「それがどうしたの?」

凛「うん、ちょっとね」

花陽「あ、もしかして何をするか思いついたの?」

凛「えっへんにゃ! でも、今思いついた訳じゃないんだけどね」

凛「ある意味、ずっとやりたいって思ってたから」

真姫「それって?」

凛「それはねぇ……」クイクイ

花陽「何々?」

真姫「もう。勿体ぶらないで早く教えてよ」

10: 2016/02/23(火) 23:47:26.55 ID:gv9jFGAz.net
~ほのハウス~

穂乃果「今日もパンが美味い! 止まらないね!」

ことり「もう1時間くらい経って、まだ何も決めてないけど大丈夫?」

ことり「っていうか、ずっとパンとかおやつを食べてただけのような……」

穂乃果「大丈夫だよ! 真剣に相談したけど煮詰まってた、って言えばいいんだから」

海未「ほう……」ガチャッ

ことり「ひぃっ!」

穂乃果「えっ!?」

11: 2016/02/23(火) 23:49:11.95 ID:gv9jFGAz.net
海未「1時間もあったのです。さぞ素敵なアイデアが出た上での状態なのでしょうねぇ……」

穂乃果「海未ちゃん、怒るのストップ!」

海未「はい? 言い訳ですか? 是非とも聞いてみましょうか……」

穂乃果「違うよ! ホントはもう考えてるんだよ!」

海未「はぁ? あなたはまだ嘘を重ねるのですか?」

海未「凛達のためにも私達で考えよう、と言っておいて!」

穂乃果「嘘じゃない!」

海未「はぁ……。では、何を?」

12: 2016/02/23(火) 23:50:27.68 ID:gv9jFGAz.net
穂乃果『ライブだよ! 私達で!』

ことり『ライブ? でも、私達で、って……』

海未『3人でやるのですか? それじゃあ凛達は……』

穂乃果『6人で何をするかは、まだ決めてないんだけどね』

穂乃果『でも、それとはまた別にこの3人で、あの3人のためにライブをやりたいな、って』

ことり『どうして?』

穂乃果『私達3人が、一番お世話になってる、って思ったから』

13: 2016/02/23(火) 23:51:53.74 ID:gv9jFGAz.net
穂乃果『私達3人で始めた、スクールアイドル……』

穂乃果『にこちゃんからは、過去から続くアイドル研究部のことを教えてもらって』

穂乃果『希ちゃんからもらった、μ’s、っていう名前から現在があって』

穂乃果『絵里ちゃんとの講堂での会話から、未来につながった』

穂乃果『だから伝えたい、って思った。この感謝の想いを! また、あの講堂で!』

海未『穂乃果……』

ことり『穂乃果ちゃん……』

穂乃果『ダメ、かな……?』

14: 2016/02/23(火) 23:54:01.18 ID:gv9jFGAz.net
海未『ダメだなんて、言う訳無いじゃないですか』

ことり『やろう! 3人でライブ!』

穂乃果『2人とも……』

ことり『まだまだこの3人でずっと一緒にいるよ!』

海未『えぇ、そうです。どこまでもお供しますよ』

穂乃果『うわぁーん! 海未ちゃん、ことりちゃん、ありがとぉ!!』ダッ

ことり『穂乃果ちゃん、危ない……、きゃっ!!』ガタン

海未『こら、穂乃果あぶな……、うわっ!!』バタン

海未『はぁ。全くあなたって人は……』

ことり『穂乃果ちゃんったら~』

穂乃果『2人とも、だーいすき!』

15: 2016/02/23(火) 23:54:55.44 ID:gv9jFGAz.net
~のぞハウス~

絵里『3月ももう終わりね……』

希『そうやね』

にこ『何よ急に。しんみりしちゃって』

絵里『いや、ほら、4月で私と希は大学生になって、にこはアイドルになる準備を始めて』

絵里『バラバラになるのかな、って』

絵里『そう考えると、どうしてもね……』スッ

にこ『その写真が気になるの? 9人で、あの講堂で歌った時の』

16: 2016/02/23(火) 23:55:52.12 ID:gv9jFGAz.net
にこ『って! なんでまた顔赤くしてんのよ、希!』

希『なんかもう、まだ飾ってるのか、って思われると思うと……』

にこ『思う訳無いでしょ! 何度来てると思ってんの!』

絵里『にこの言う通りよ。初めてこれを見つけた時以来、私も飾ってるもの』

にこ『え、そうなの?』

絵里『えぇ。この時は、みんなずっと一緒だ、って信じて疑わなかった』

絵里『いつか来る、卒業さえも忘れて……』

にこ『ふん!』ビシッ

希『えい!』ビシッ

絵里『痛いっ!』

17: 2016/02/23(火) 23:56:39.16 ID:gv9jFGAz.net
希『ワンペナやで、えりち』

にこ『もう言わないでよ、そういうこと』

絵里『……ごめんなさい』

にこ『それに、またいつだって会えるわよ。私達3人でだって』

にこ『私達もう……、し、親友でしょ?//』

希『お。今度はにこっちが顔赤くしてるな~! これは、ワシワシチャンス!』

にこ『ちょっ、えっ、のぞ、ダメ……っ! ぎゃぁああああああああ!!』

絵里『μ’sを解散することに後悔は無い。そう話し合って、決めたから』

絵里『でもね。先輩らしくいられたかな、っていう後悔はあるの』クルッ

絵里『……って、どんな状況?』

18: 2016/02/23(火) 23:58:04.09 ID:gv9jFGAz.net
希『ふぅ。スッキリ!』

にこ『』シクシクシクシク……

希『まぁ、仕方無いんやない? μ’sは先輩禁止でやってたんやし』

絵里『それはそうかも知れないけど……』

絵里『でも、私達はあの子達に、何かを残せたのかな、って』

にこ『』シクシク…

にこ『……分かんないわよ、そんなの』

絵里『え?』

にこ『だって、それを判断するのは私達じゃない。あの子達なんだから』

希『にこっち……。……服、乱れたまま……』

にこ『え? あぁっ!!』ババッ

19: 2016/02/23(火) 23:59:18.48 ID:gv9jFGAz.net
絵里『良いこと言ったのに勿体無いわね』

にこ『何よもう……!』

絵里『でも、ありがとう』

希『ええんよ。うちらはいつだって、えりちの味方』

希『将来、どんな辛いことが起きたって、すぐに駆けつけるんやから』

にこ『絵里って将来、何してるのかしら? キャリアウーマンとか?』

希『いや、えりちのことやから、きっと上司と衝突ばっかりしてると思う』

絵里『なっ! 言ったわね~!』

希『わー! 逃げろー!!』

にこ『え? …って、また私!?』ギャァァァァ……

20: 2016/02/24(水) 00:00:15.49 ID:vqjfsrcf.net
~学校~

穂乃果「え? 講堂でパーティー?」

凛「そ。卒業生全員対象の、まぁパーティーみたいなことをできたらな、と思って!」

穂乃果「うん、良いと思う!」

凛「ちなみに、その後、真姫ちゃん家の別荘で2次会もあるにゃ」

穂乃果「え。人数いっぱいになっちゃうけど、大丈夫なの?」

凛「凛も正直無理だと思ってたけど、真姫ちゃんが……」

凛「ってよりかはもう、真姫ちゃんパパとママが、張り切っちゃってる」

凛「むしろ断れなかったにゃ」

穂乃果「あははは……」

21: 2016/02/24(水) 00:01:05.81 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果『あ、そうだ! 丁度良いし、絵里ちゃんにもう、声かけしちゃお!』

凛『え、もう? どんな風にするかとか、具体的なことはまだ……』

穂乃果『まずは声かけておかないと、急に用事入っちゃうかも知れないでしょ?』ガシッ

凛『え? がしっ?』

穂乃果『善は急げだよー!!』ダダッ

凛『だっ、誰か助けてにゃぁあああああああああ!!!』

23: 2016/02/24(水) 00:02:21.27 ID:vqjfsrcf.net
~廊下~

絵里『……それで、凛が珍しくバテてるのね』

凛『いきなりはきついにゃぁ……』グテー

穂乃果『それで、参加してくれる?』

絵里『えぇ。もちろんよ』

穂乃果『凛ちゃん。絵里ちゃん、参加してくれるって!』

凛『や、やったにゃぁぁ……。凛、ちょっと疲れたから、先に戻っちゃうね』トコトコ

絵里『お、お大事に……』

穂乃果『それでね、絵里ちゃん。もう1つだけお願いがあるんだけど……』

24: 2016/02/24(水) 00:03:27.72 ID:vqjfsrcf.net
~中庭~

希『花陽ちゃん達が言った時間より少し前に講堂に来て欲しい?』

ことり『何でそんな説明口調?』

~屋上~

海未『そうです。真姫達には内緒で』

にこ『内緒? どういうことよ』

海未『来年から部長になり、副部長になり、リーダーになる3人に』


ことり『頑張ってもらうためにサプライズをしようと思って!』


穂乃果『ってことにしよう、って海未ちゃんが!』

25: 2016/02/24(水) 00:04:37.25 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果『……って、あぁっ!!? い、今の無し!!』

絵里『はいはい。内緒にしといてあげるわ』

絵里『そうしないと、海未ちゃんにまた、怒られちゃうもんね~?』

穂乃果『うー……。お、お願いします』


希『サプライズ、ってことにしといてあげる!』

ことり『お、お願いね!』


にこ『じゃあ、当日楽しみにしてるわ』

海未『お、お願いします……』

26: 2016/02/24(水) 00:05:52.92 ID:vqjfsrcf.net
~まきハウス~

凛「で、うまくいった?」

花陽「た、多分、大丈夫!」

真姫「さ。さっさと準備しましょ」

凛「真姫ちゃん、張り切ってるにゃー!」

真姫「悪い!?」

凛「わ、悪いだなんてそんなこと……、言ってないにゃぁ……」

花陽「ま、真姫ちゃん、落ち着いて」

真姫「時間は短いけど、だからって中途半端なものにしたくないの」

花陽「うん。そうだね!」

凛「じゃ、始めるにゃ!」

27: 2016/02/24(水) 00:06:59.03 ID:vqjfsrcf.net
~ほのハウス~

海未『しくじることなく伝えられましたか、穂乃果!?』

穂乃果『海未ちゃん、顔怖い……。そして、近い……』

ことり『私の方は、ちょっと不安かな。希ちゃん、全部わかったような顔してたし』

海未『ことりもですか? 私も、にこに見透かされたような態度を取られたんです』

穂乃果『な~んだ! 穂乃果だけじゃないんだ!』

穂乃果『ってことにしよう、ってまで言った時は、どうなることかと思ったけど』

海未『って! やっぱりしくじってるじゃないですか!』

穂乃果『うわ~ん! ごめんなさいぃいいいいい!!』

28: 2016/02/24(水) 00:07:38.03 ID:vqjfsrcf.net
~のぞハウス~

希『明日だっけ? 講堂に呼ばれたのって』

にこ『そうよ。ま、何をするかの検討はついてるけど』

絵里『私達はそれを楽しむだけね』

にこ『ね?』

絵里『? 何が?』

にこ『何かをしてもらえる程度には、私達は何かを残せているのよ』

絵里『そうかも知れないわね』

希『言い方が素直やないなぁ、にこっちは』

絵里『明日、か……』

29: 2016/02/24(水) 00:08:16.78 ID:vqjfsrcf.net
~ほのハウス~

穂乃果「明日、か……」

海未「はい。泣いても笑っても、明日で最後です」

ことり「寂しく、なっちゃうね……」

穂乃果「寂しくないよ。いつだってまた会えるし、それに……」

穂乃果「一緒だって、お供してくれるって、言ってくれたもんね」

穂乃果「だから、離れても、離れてないよ」

海未「そうですね」

ことり「そうだね!」

30: 2016/02/24(水) 00:09:17.08 ID:vqjfsrcf.net
~まきハウス~

凛「明日、か……」

真姫「時間的には、もう今日ね」

花陽「ごめんね。遅くなって、しかも泊めてもらって」

真姫「いいのよ、別に。こんな時間に外に出す訳にもいかないし」

真姫「それに……」

花陽「それに?」

31: 2016/02/24(水) 00:10:35.51 ID:vqjfsrcf.net
真姫「今日は、1人でいたくなかったし…//」

凛「真姫ちゃーん! まきちゃん、まきちゃん、まきちゃーん!!」ダキッ

真姫「ゔぇぇっ。くっつかないでよ、凛!」

凛「凛、この抱きついたまま寝ちゃおー!」

真姫「ちょっと! 暑いって!」

花陽「じゃあ、私も抱きついちゃいます!」ギュッ

真姫「花陽まで……。まったく……!」

真姫「……ほんと。どーしちゃったんだろ……//」ボソッ

32: 2016/02/24(水) 00:12:16.95 ID:vqjfsrcf.net
~学校~

穂乃果「うわー! 遅れたぁぁあああ!!!」

海未「誰のせいだと思ってるんですか!」

ことり「穂乃果ちゃん、全く起きなかったね……」

穂乃果「だって、いよいよ! ってなったら、寝れなくなっちゃって」

海未「……の割には、最終的には、熟睡だったみたいですけどね」

穂乃果「だからごめんってー!!」

ことり「ほら。着いたよ!」

穂乃果「ごめん! 遅れちゃった!!」バァンッ

33: 2016/02/24(水) 00:13:04.48 ID:vqjfsrcf.net
~講堂~

穂乃果「……あれ?」

ことり「誰も、いない……?」

海未「どういう、ことですか……?」

凛「もう! 遅いよ、穂乃果ちゃん!」

花陽「ことりちゃん、こっちだよ!」

真姫「ほら、海未も」

凛「この一番前の、真ん中に座って!」

穂乃果「う、うん……」

海未「これは、どういうことですか?」

ことり「ことりにも、何が何だか……」

34: 2016/02/24(水) 00:14:01.77 ID:vqjfsrcf.net
凛「穂乃果ちゃん!」

花陽「ことりちゃん!」

真姫「海未!」

凛「3人がスクールアイドルを始めて、あの時、手を差し伸べてくれたから!」

花陽「私達は1年の時からずっと、2年間、充実した毎日を過ごせました!」

真姫「だから! その……、あ、ありがとうを、伝えたくて!」

花陽「穂乃果ちゃん達が卒業して、この学校からいなくなるこの日に!」

凛「ライブをすることにしたにゃ!」

35: 2016/02/24(水) 00:16:01.49 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果「ライブ……? それって……!」

海未「穂乃果……!」

ことり「穂乃果ちゃん……!」

穂乃果「私達と、一緒……!」

真姫「聞いてください!」

まきりんぱな「Hello, 星を数えて!」

凛「さぁ、行っくにゃー!!」

36: 2016/02/24(水) 00:17:16.25 ID:vqjfsrcf.net
~1年前~

希『さーて、何するんやろな~?』

穂乃果『もー! 早く座ってよー!!』

にこ『にこ~、何してくれるのか全然分かんなくて~、とっても不安にこ~!』

ことり『あはは……』

海未『さぁ。絵里もこちらへ』

絵里『あら、エスコートありがと』

穂乃果『えー、それでは! ……何て言えばいいんだっけ?』

海未『全く。あなたは最後まで……』

穂乃果『寝坊したので、全部抜けちゃった……』

37: 2016/02/24(水) 00:18:18.71 ID:vqjfsrcf.net
ことり『じゃあ、私から。絵里ちゃん! 希ちゃん! にこちゃん!』

海未『3人が支えてくれたから、私達は今こうして、ここにいて、ここまでやってこれました』

ことり『だから、お別れのために』

穂乃果『私達でライブをするね!』

穂乃果『卒業する3人のためだけの、スペシャルライブだよ!』

ことり『真姫ちゃん達のパーティーがあるから、時間は短いけどね』

海未『それでは聞いてください』

ことほのうみ『Future style!!』

38: 2016/02/24(水) 00:19:54.32 ID:vqjfsrcf.net
~現在~

~♪ ~~♪ ~♪~~♪

穂乃果「そっか。1年前の私達と同じこと考えてたんだ」

海未「そうみたいですね」

ことり「呼び出されて、こうしてここに来るまで、全く気付かなかったね」

穂乃果「うん。私達はすぐ気付かれたのにね。流石だよ、凛ちゃん達……」

~♪ ~~♪ ~♪~~♪

穂乃果「……私達は、凛ちゃん達に何か残せたのかな……」ボソッ

~♪ …~♪… ~……

真姫「ちょっと、凛!」タッ

花陽「大丈夫? 凛ちゃん」タッ

穂乃果「……っ!!」ガタッ

39: 2016/02/24(水) 00:21:25.78 ID:vqjfsrcf.net
凛「明日起きたら……ぐすっ……、どうなっちゃうんだろうね……」

凛「ずっと学校で、一緒にいたんだよ?」

凛「なのに、もう会えなくなるなんて……」

花陽「凛ちゃん……。会えなくなる訳じゃないよ? 休みの日とかになればいつでも……」

真姫「花陽の言う通りよ! だから笑って楽しめるライブにしよう、って決めたんじゃない!」

凛「分かってるよ! 分かってるけど……、涙が……」

花陽「そんなこと言ったら、私だって……!」グスッ

真姫「花陽まで……。もう、止めてよ……!」ポロッ

穂乃果「そっか。絵里ちゃんも、こう思ったんだ……」

41: 2016/02/24(水) 00:22:29.21 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果『あれ? 涙が……』

ことり『穂乃果ちゃん……!』

穂乃果『μ’sを解散するって言った時に、もう泣かないって思ってたのに……!』

海未『穂乃果……』

穂乃果『また会えるって分かってる! 休みとかいつだって!』

穂乃果『でも、もう毎日は会えない。学校では、会えない……。そう考えると……』グスッ

海未『そんなの、私だって……!』グスッ

ことり『私もだよー!』

42: 2016/02/24(水) 00:23:52.42 ID:vqjfsrcf.net
絵里『そっか。ここなのね……』スッ

絵里『穂乃果……!』ダキッ

穂乃果『絵里、ちゃん……?』ギュッ

絵里『もう、泣かないでよ』

穂乃果『だって……』

絵里『んー。穂乃果は、この1年間楽しかった?』

穂乃果『楽しかった! 楽しくない時なんて無いって思える位!』

絵里『海未とことりは?』

海未『楽しかったです……』

ことり『楽しかったよ……』

43: 2016/02/24(水) 00:25:26.79 ID:vqjfsrcf.net
絵里『だったら、この楽しい1年間を、悲しいで締めくくらないで』

絵里『楽しいが続いたこの毎日だったからこそ、最後も楽しいで終わらせて欲しいの』

穂乃果『最後も、楽しい……?』

絵里『そう。そのために、ライブをしてくれたんでしょ?』

穂乃果『う~ん……。そこまで考えたことは……。ただ、最後に笑って欲しい、って思って』

絵里『まぁ、そういうことよ。楽しいで締めくくるためにも』

絵里『私達だけじゃなくて、穂乃果達にも、ずっと、笑っていて欲しいのよ』

絵里『……わがまま、言っちゃったかしら?』

穂乃果『ううん。そんなことないよ』

絵里『そう? でも、私達のライブなんだもん。少しくらい、わがまま言ってもいいわよね?』

44: 2016/02/24(水) 00:27:25.95 ID:vqjfsrcf.net
絵里『それに……、ほら、私の顔見てみて?』

穂乃果『絵里ちゃん、目の周りが真っ赤……』

絵里『私だって泣きそうよ? でも、泣かないわ』

絵里『だって、こんなに楽しめる素敵なライブだったんだから。笑っていたいじゃない?』

絵里『きっと、希もにこも、同じ気持ちよ』

希『ほ~ら、ことりちゃん、おいで~!』

ことり『希ちゃん……!』ギュッ

にこ『ほら、海未も。……にこじゃあ、頼りないかも知れないけど……』

海未『いいえ……。そんなことはありませんよ、にこ』ギュッ

45: 2016/02/24(水) 00:28:26.94 ID:vqjfsrcf.net
絵里『これで私も、ちゃんと何かを残せた、って思えるかな……』

希『えりちは自分に厳しいからなぁ』

穂乃果『何の話?』

絵里『何にも。こっちの話よ』

にこ『さ。真姫ちゃん達がパーティーの準備にそろそろ来るわね。早く片付けちゃいましょ』

海未『……』ギュッ

にこ『ほら、海未』

海未『あの、もう少しだけ……、このまま……//』

ことり『海未ちゃん、にこちゃんと離れたくないんだね』

穂乃果『海未ちゃん、目の周りだけじゃなくて、顔も真っ赤だよ』

にこ『はぁ……。もうちょっとだけよ……』

46: 2016/02/24(水) 00:30:10.76 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果「凛ちゃん……!」ダキッ

凛「穂乃果、ちゃん……?」ギュッ

穂乃果「私達もね、去年、絵里ちゃん達がいなくなっちゃう日にライブをしたんだ」

凛「えっ……?」

穂乃果「楽しくしよう、って決めたのに泣いちゃって……」

凛「えへへ。凛達と、同じだね」

穂乃果「そうだね。そうしたら、絵里ちゃんがこうやって抱き締めてくれたんだ」

凛「うん。落ち着くよ……」

穂乃果「私も落ち着いたよ」

47: 2016/02/24(水) 00:31:29.67 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果「それから、絵里ちゃんはこう続けたんだ」

穂乃果「この楽しかった毎日を、悲しいで締めくくらないで、って」

穂乃果「泣きそうになるかも知れないけど、楽しいが続いた毎日を楽しいで締めて、って」

凛「楽しいで、締める……?」

穂乃果「そう。……ねぇ、凛ちゃん」

穂乃果「明日がどうなるかなんて、私にも分かんないよ」

穂乃果「今は一緒だけど、海未ちゃんとことりちゃんも、いつかはバラバラになっちゃう」

穂乃果「それが、ことりちゃんが留学する時か、海未ちゃんが家を継ぐ時か、」

穂乃果「私がお店を継ぐ時なのかは分からないけど、その日はいつか来ちゃう……」

穂乃果「今みたいに、昔みたいに、みんなで考えて、決めて、ってことができなくなる」

穂乃果「1人で考えて、決めて、自分の道を進んでいかなくちゃいけない」

凛「そんなこと……」

穂乃果「それを考えるだけで、涙が出そうになるんだ……」

48: 2016/02/24(水) 00:32:54.95 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果「でもだよ! そんな時に、この楽しかった毎日を思い出すんだよ!」

穂乃果「明日どうなるかなんて分かんない。未来がどうなるかなんて分かんない」

穂乃果「それでも、もう変わることの無い、この楽しかった毎日がきっと!」

穂乃果「私達の、未来へ進む力になる! ……と思うんだよねぇ……」アハハ

凛「何で最後だけ弱気になっちゃうの?」

穂乃果「あはは……。絵里ちゃんはそう思って、楽しいで締めて、って言ったと思うんだ」

穂乃果「そうすれば、よりみんなにとっての未来への力になるから」

穂乃果「これが、絵里ちゃんが私に残してくれたもの」

穂乃果「そして、私が凛ちゃんに残すもの」

凛「残す、もの……?」

49: 2016/02/24(水) 00:35:49.17 ID:vqjfsrcf.net
絵里「その通りよ、穂乃果!」バァンッ

花陽「えっ……? えぇえええええ!!?」

にこ「さーて。サプライズゲストの登場にこー!」

真姫「なんで……? 来て、くれたの……?」

希「みんなを笑顔にするためなら、どんな時でも駆けつけるんよ!」

絵里「さぁ2人とも、行くわよ!」

のぞにこえり「?←HEARTBEAT!!」

~♪ ~~♪ ~♪~~♪

50: 2016/02/24(水) 00:37:06.86 ID:vqjfsrcf.net
穂乃果「どぉ? 私達からのサプライズ!」

海未「残って頑張る凛達に、楽しくい続けてもらうための」

ことり「サプライズで言えば、先を越されちゃったけどね」

凛「3人とも……、ずるいにゃ……!」グスッ

真姫「だからもう泣かないで、って」

凛「これは嬉し泣きだからいいの!」

海未「ふふっ。物は言いようですね」

凛「よーし! じゃあみんなで歌うにゃ!」

にこ「は? 9人で? μ’sはもう解散したでしょ。歌うのは……」

凛「この9人で歌うだけ! この9人のためだけに。μ’sとしてじゃなければ、いいでしょ?」

51: 2016/02/24(水) 00:38:46.29 ID:vqjfsrcf.net
花陽「私は賛成!」

ことり「私もいいと思う!」

海未「私も構いませんよ」

絵里「ふふっ。もちろん私も!」

真姫「私も賛成」

希「にこっちは1人だけ観客やな」

にこ「ぬぁんでよ! ……私も歌う!」

穂乃果「じゃあ、一緒に歌お。凛ちゃん!」

凛「うん、9人だけで歌うにゃ! じゃあ、行くよ!」

9人「僕たちはひとつの光!!」

52: 2016/02/24(水) 00:39:31.62 ID:vqjfsrcf.net
凛(これから先、どうなっていくのかな?)

凛(次に絵里ちゃん達に、穂乃果ちゃん達に会えるのはいつなのかな?)

凛(それに、凛達が卒業したら……。どうなっちゃうのかな?)

凛(考えるとまた、ちょっとだけ涙が出そうになる)

凛(でも、そんなことよりも今は。今だけは)

凛(この楽しい時間を、ずっと。この光のような時間を、いつまでも)

凛(明日にまた、未来でまた、いつでも思い出せるように)

凛「みんな! 大好きだにゃー!!」

53: 2016/02/24(水) 00:43:36.34 ID:vqjfsrcf.net
これにて、おしまいです。
似たようなSSがいっぱいあるので、違いを出そうとしたのですが、奇を衒いすぎました。

補足になりますが、このSSの全ての文章で「」が現在、『』が1年前です。
9人だけで「僕たちはひとつの光」を歌う、が書けたのでもう満足です。

54: 2016/02/24(水) 00:44:28.12 ID:YQJBCVox.net

57: 2016/02/24(水) 01:51:11.18 ID:nCpenKje.net
全然気づかなかった!>>34でちょっと鳥肌立ったわ!
これは稀に見る感動良SSですわ

63: 2016/02/24(水) 10:31:27.56 ID:rxnEP6bE.net
とても良かった乙

引用: ほのりん「『そつぎょう!』」