絵里「どう？ハナビの様子は」

希「２人ともマイナスやねえ」

にこ「誰よハナビに行けば負けないって言い出したのは！」

絵里「パチスロの結果は一朝一夕にはついてこないわ」

希「でもうちらが大きく取り返さないと学校の存続が・・・やね」

絵里「というわけで私たちはゴッド待ち戦法よ、３人いれば誰かはゴッドを引けるはず！」

にこ「そんなこと言いながら３人でもう１万枚投資してるわよ」

希「ゴッドお願いしますゴッドお願いします」ｷｭｯｷｭｯ

にこ「ちょっと、恥ずかしいから筐体をこすらないでよ」

希「ああ～！？今遅れたで！！」ｷﾝｯ

７　３　５

真姫「なぁんで私たちがハイエナなんかしなくちゃいけないわけ！？」

凜「パチスロ常勝軍団ミューズに先輩後輩の上下関係はなしって言ったの絵里ちゃんにゃー」

花陽「見て二人とも！またメダル拾ったよ～～！」

凜「かよちん、それはやっちゃ駄目なハイエナだよ・・・」

真姫「あ、これMBじゃない？」

花陽「任せて！」ﾁｬﾘﾝ　ﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞ　ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

凜「あっちにロゴつきジャギステ落ちてたにゃ！」

花陽「お願い！」ｽｲｶ　ﾃﾞｰﾃﾞｰﾃﾞｰ　激闘乱舞ｹﾞｪ~ｯﾄ

真姫「私は沖ドキの島でジジババを見張っとくから」

凜「凜は適当にペナ仕込んで食べごろになったら収穫していくにゃ」

花陽「ねじねじ」ﾈｼﾞﾈｼﾞ・・・ﾋｬｸﾚﾂｳ~

花陽「お、おっほう・・・」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

海未「私たちがマイナス２０００枚です・・・」

希「うちらはマイナス１万７０００枚やね」

花陽「よ、よんせんまいでましたぁ～～！！」

ことり「えっと・・・じゃあ３０万円のマイナスってこと・・？」

穂乃果「ごめんね、明日はもっと頑張るから・・・」

ことり「こんなの・・・お母さんになんて報告したらいいの・・・」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

絵里「気持ちはわかるけど今はもう負けた分を取り返さないことには始まらないの」

にこ「明日も校長室の金庫から軍資金調達頼むわ団長」

花陽「じゃあご飯でも食べて帰りましょう～！」

海未「明日は並びの店なので朝５時に現地集合お願いします」

穂乃果「え、ええぇ～！！？今２３時だよ！！？」

海未「パチスロで稼ぐというのはそういうことですよ穂乃果」

真姫（バイトでもしたほうがましね）

絵里「あら、私たちより早く並んでる連中がいるわね」

ツバサ「もぐもぐ」

花陽「サンドイッチを食べていますね」ｺﾞｸﾘ

穂乃果「あれ？もしかして私たちと同じパチスロ常勝軍団のツバサさん・・・？」

にこ「軍団の二人を引き連れてパチ屋の入り口でサンドイッチを頬張る姿は底辺そのものね」

絵里「私たちも朝食にしましょう、列から外れると店員に注意される可能性があるから買出しは一人」

ことり「凜ちゃんお願い」

凜「え～！また凜～！？カチカチくんを地面に置きたくないにゃ」

真姫「フリーペーパーだと問答無用で捨てられるしね」

店員「入場開始しまーす」

ツバサ「」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

えれな「」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

あんじゅ「」ｼｭﾝｯ　ｼｭﾝｯ　ｼｭﾝｯ

穂乃果「うわぁ、すごいダッシュ」

絵里「！！　穂乃果、急いで後を追って！整理券を挿そうとした台を抑えるのよ！！」

穂乃果「だめだ～、穂乃果が２階に上がったときにはもう皆番長に座ってたよ」

真姫（やられたわね・・・）

あんじゅ「最高にフルハウス」ｸｸｯ

花陽「番長ボーナス７０Gで終わりましたよ～あんな振り分けあるんですね～」

希「どうやら今日はパチスロ常勝軍団アライズプロデュース企画のイベントみたいやね」

海未「各機種ちらほら出ていますが全は番長で間違いなさそうです」

真姫「どうするの？店の割りがあの子たちに食われちゃってるけど」

絵里「仕方ないわね、私たちも同じ手段で対抗するのよ」

穂乃果「結成して二日目のパチスロ軍団にそんなことできないよ～」

絵里「まず自前で収録機材と放送チャンネルを用意するわ、次に取材店舗の確保」

凜「ライター業は反感を買うから無理にゃ～」

絵里「そうね・・・まずお店からお金をいただかないことを公約するガチ実戦」

絵里「借金２０万円でAOデビュー、これなら面白くなるんじゃないかしら」

穂乃果「そんなの誰がやるんですか・・・？」

皆「・・・・」

花陽「今日は９人で９０万近く負けましたね」

凜「パチスロの機械割りって下でも９６％なのにこんなのおかしいよ」

絵里「パチスロには爆裂契機がある分長期的に見ないと結果はついてこないわ」

真姫「ツイッターにこんなのがあったけど」

ISの設定１機械割り93％「ﾃﾞﾃﾞﾄﾞﾝ」

絵里「え・・・」

海未「サイトセブンの集計では93をはるかに下回る数字をたたき出していますね」

絵里「じゃ、じゃあ今後は三共の機種には触れない縛りを設けましょう」

穂乃果「今更こんなことを三共一社がやってるだけだと思ってるの？」

絵里「・・・・それは・・・・」

こうしてミューズの頭脳、海未・真姫は軍団を去った

穂乃果もバーが見えないという理由で解雇された

絵里「花陽と凜はコインを拾って歩いて、特に灰皿の裏側は重点的に探して」

絵里「ことり、難易度低を選んでは駄目！目押しが出来ないなら氏ぬ気でチェリーを引いて！」

絵里「希、占いで台を選ぶのはやめて、にこ、あなたはなぜそんなに引き弱なの！」

残された絵里は苦悩を強いられていた

才色兼備の彼女にとってパチスロとは人生で初めての壁でもあった

誰にでも平等に不平等、そんなパチスロの本質に絵里は一人取り残されていったのである

絵里「にこが・・・自殺・・・？」

音乃木坂廃校後、中卒で路頭に迷っていた彼女たちにはもうパチスロしか道は残されていなかった

資金も自腹、その中でもっとも早くケツがついたのがにこであった

家庭を巻き込んでの借金、そして心中

まだ幼い弟たちの瞳には何が映っていたのか、海岸に打ち上げられたとき家族はまるで寄り添うように眠っていたといわれる

そしてことりもまた親の抱えた多額の負債に苦悩の末自殺を選んだ

絵里「パチスロは・・・私たちからこれ以上何を奪うというの・・・」

デーデーデレレレッデー♪

絵里「はい始まりました！エリチの回胴日記！今回お邪魔するホールはですね、つかさ音乃木坂店ですね」

絵里「ガチ実戦、借金20万円でAOデビューということで頑張っていきたいと思いますｴｲｴｲ！」

絵里「あ～これは、直撃ATですね、設定差があるところだと思われます」

絵里「ランクSSいただきやした！マウスへの挑戦です！」

絵里「万枚でました！！ありがとうございます！1,2,3パチスロ最高～！」

凜「撮れ高ばっちりにゃ」

花陽「でも本当にいいのかなあ、私たちでガルパンの６を占拠しちゃって」

絵里「何を言ってるの花陽」

絵里「食われるほうが間抜けなのよ」

絵里「店の中でも外でもその法則は唯一絶対・・・そんなことを見落としているようでは駄目よ」

パチスロ一撃1500枚規制から2年後

凜「パチOコ屋さん、取り壊されちゃった・・・」

花陽「もうライター呼ぶ体力もなくなって最後は私たちもジャグしか打ててませんでしたね」

凜「これからどうするにゃ？」

絵里「私も来年31歳、就職は・・・ﾌｯ」

あまりの絶望を前にして意に反して笑みを溢してしまう絵里であった

穂乃果「あれ？もしかして絵里ちゃん？」

絵里「ほ、穂乃果・・・」

穂乃果「まだ、やってたんだね・・・スロプロ」

絵里「・・・・」

穂乃果「あのさ、うちの和菓子屋さん今店舗拡大してて新しい店長さん募集してるんだよね」

絵里「・・・！」

花陽凜「穂乃果ちゃん雇ってくだざい～～！！」

穂乃果「絵里ちゃんも来なよ！」

それは絵里にとって初めての就職を意味するものではなかった

パチスロで失った時間と友人たちへの償い、戒めの意を込めて書いた履歴書

それはパチOコ玉よりはるかに価値のある大粒の涙でしわしわになっていたという



完結

にこを頃した罪は許さない

穂乃果有能説