141:◆58jPV91aG. 2009/05/08(金) 21:04:48.77 ID:6D2y6zU0
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第一章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第二章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第三章

イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」 第4章

副題:あっしには関わり合いのねぇことでござんす その1

―旧密林、昼―

クック 「…………はぁ……はぁ……」
ティガ兄 「おぉいおっさん。バテてんのか?」
ティガ弟 「ったくしっかりしてくれよォ。いい加減つきあいきれねぇぜ、俺らも」
クック 「君たちには……迷惑をかける。これしきの傷、なんということはない」
モンハン イャンクック ペン画 原画
142: 2009/05/08(金) 21:06:04.05 ID:6D2y6zU0
ティガ兄 「はぁ……なァ弟者。俺らァ、もう帰っていいんじゃねェのか?」
ティガ弟 「だなァ。パパさんもいるしよ、俺らァ、もうあんたらに任せて消えていい?」
リオレウス 「へェ!? な、何を言ってるんだい君達!? 俺を置いて、我が家に先に行くつもりなのかい!?」
ティガ兄 「心配すんなよ。じきに俺の家になる」
リオレウス 「どーいう意味だ!?」

144: 2009/05/08(金) 21:07:17.70 ID:6D2y6zU0
クック 「…………キング、すまない。わざわざご足労願ってしまって……」
キングチャチャブー 「礼なんざァ、腹の足しにはならねェ……俺ァ無駄が嫌いでな……(ズンズン)」
クック 「あァ。酒だな。約束は、忘れんよ」
キングチャチャブー 「…………先遣隊は?」
チャチャブーA 「ビィ! 先ほど戻って参りました!」

145: 2009/05/08(金) 21:08:24.50 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「報告しろ」
チャチャブーA 「蜂族は、クイーンの洞窟の周辺に、いつものざっと五、六倍ほどの数が配置されているようです」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「五、六倍……? 黒グラビさんが侵入したせいか……」

146: 2009/05/08(金) 21:08:58.41 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「…………」
クック 「キング、どうする?」
キングチャチャブー 「問題なんざァ……ねェ。食料がいくら寄ろうが、所詮食料だ……」
チャチャブーA 「ゴッドファーザー、ご指示を」

147: 2009/05/08(金) 21:09:45.18 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「北から進入するぞ……全ての蜂を撃ち落とせ。殺さずに、進入の足跡も残すな……」
チャチャブーA 「ビィ! ビッ! ビィ!」
クック 「そんなことができるのか……?」
キングチャチャブー 「ナメてんのか……? 黙ってろ……」

149: 2009/05/08(金) 21:12:23.98 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「道が開けたら、俺を呼べ……」
チャチャブーA 「了解であります(ササササッ)」
キングチャチャブー 「…………あの五月蝿いカスどもは何なんだ……耳障りだ……」
クック 「…………まぁ、地獄兄弟は昔からああなんだ。気にしないでくれ」

150: 2009/05/08(金) 21:13:08.28 ID:6D2y6zU0
ティガ兄 「あァ? あの家にあんたはいらねェっつってんだよ!」
ティガ弟 「あんたの席はどこにもねェぜ。俺達がとっちまったからな!!」
リオレウス 「ぐぅぅぅ! 苦節二十年でやっと手に入れた我が家を、君たちのようなバカ二人に乗っ取られてたまるかよぉぉ!」

151: 2009/05/08(金) 21:13:57.66 ID:6D2y6zU0
ティガ兄 「バカ!? バカっつったな! バカって言う奴がバカなんだぜ!!」
ティガ弟 「ゲッヘッヘッヘッヘ、バーカバーカ!!」
リオレウス 「こ……このガキども……!!」

152: 2009/05/08(金) 21:14:43.42 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「……低レベルな会話は他所でやれ……空気が不味くなる……」
ティガ兄 「あァァァァ!? やんのかコルァ!」
ティガ弟 「上等だァかかってこいやぁぁ!」
キングチャチャブー 「…………」

153: 2009/05/08(金) 21:15:32.22 ID:6D2y6zU0
クック 「地獄兄弟、もうじきランゴスタの巣に到着する。声を落としてくれ」
ティガ兄 「ゲッ……いつの間にかこんなとこまで来ちまった。パパさんのせいだぞ!」
リオレウス 「俺がなにをしたってんだ!」
ティガ弟 「俺らにあの家を明け渡さねェからこんなことになんだよ!」
ティガ兄 「バーカバーカ!」
リオレウス 「……ちぃぃぃ!!」

154: 2009/05/08(金) 21:17:56.56 ID:6D2y6zU0
チャチャブーA 「……(スッ)ゴッドファーザー、一番隊、洞窟入り口付近を鎮圧いたしました」
クック 「(……何!? もう終わったのか!)」
クック 「(……よく見れば、周りの森に、沢山のチャチャブー達が潜んでいる……)」
クック 「(あ……! 今、右の方に、気絶したランゴスタを引きずって行くのが見えた……!)」
クック 「(早い……チャチャブー達とは、ここまでの敏捷性を持っているのか……!)」

155: 2009/05/08(金) 21:18:33.69 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「(くんくん)……ふむ。蜂どもは?」
チャチャブーA 「洞窟周辺に配置されていた兵隊蜂は、全て痺れ薬で眠らせてから、少し離れた谷へ」
キングチャチャブー 「……ゆくぞ」
チャチャブーA 「ビィ!」
チャチャブー達 「ビィ!!」

156: 2009/05/08(金) 21:21:10.34 ID:6D2y6zU0
クック 「(隠れていたチャチャブー達が、一斉に出てきた……!)」
ティガ兄 「ちっ……薄気味悪ィ奴らだぜ……」
ティガ弟 「どいつもこいつも目の焦点が合ってねェ……気にくわねェ」
リオレウス 「な……なぁ、もしかして俺も行かなきゃいけないのか?」
キングチャチャブー 「……包囲網が解けるのァ、一時的なモンだ。すぐに新しい蜂が、後ろを塞いでいる……」

157: 2009/05/08(金) 21:23:15.63 ID:6D2y6zU0
リオレウス 「ひぃぇっ! 何てこった! 俺は道案内をするだけの予定だったのに!」
ティガ弟 「俺らも行かなきゃァなんねェみてェだな……ちっ……面倒なのに巻き込まれちまった」
ティガ兄 「しゃぁねぇな……おい、パパさんは、何ならここで一人お留守番してたっていいんだぜ。邪魔」
ティガ弟 「迎えには来てやんねェけどな!!」
リオレウス 「じょ……冗談じゃない! 俺も行くよ。こんなとこに一人で置いていくなんて、頃す気か!」

158: 2009/05/08(金) 21:23:48.15 ID:6D2y6zU0
クック 「(ここが、クイーンランゴスタの洞窟の中か……私も、入るのは初めてだ……)」
キングチャチャブー 「……生臭ェな……ヤクの臭いで、鼻が曲がりそうだ……」
クック 「ヤク……? くすりか?」
キングチャチャブー 「クイーンは昔ィから、ヤクの常用者だ。だから奴のガキぁ、みんな脳が足りねェのよ……」

160: 2009/05/08(金) 21:26:32.09 ID:6D2y6zU0
クック 「何ということだ……くすりは、ラオシャンロンが全面的に禁止をしているではないか……!」
キングチャチャブー 「奴が……この密林奥まで事細かに監視できてるならよ……そもそもアンダーグラウンドはねェさな……」
クック 「…………」
キングチャチャブー 「……ガキか? てめェよ……いい歳こいて、潔癖症は恥じィよ……」

161: 2009/05/08(金) 21:27:41.59 ID:6D2y6zU0
ティガ兄 「……前々から気に食わねェジャンキーどもだとは思ってたが、これほどとはな……」
ティガ弟 「ちぃぃぃぃ! 鼻が曲がりそうだ!!」
リオレウス 「へェ!? お、俺は何も感じないけど……」
ティガ兄 「パパさんには、何一つとしてリアクションは期待してねェよ」

162: 2009/05/08(金) 21:29:15.33 ID:6D2y6zU0
ティガ弟 「……クスリを大量に混ぜて発酵させた臭いだ。まるでドブ溜めだぜ……っ!! マンドラゴラかこりゃ!?」
キングチャチャブー 「……ほォ……ただのクズどもかと思ったが……マンドラゴラの臭いを嗅ぎ分けるか……」
クック 「…………くすりの存在を許すことはできん」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「まだ若いというのに、エスピナスも犠牲になったと聞く。更正させるために、テオさんとナナさんが大変な思いをした」

164: 2009/05/08(金) 21:31:06.16 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「…………」
クック 「くすりを作るモトが悪い……若者や、傷を負った者の心に入り込む、許容できるものではない」
キングチャチャブー 「溺れるのァ、弱ェからよ……」
クック 「…………」
キングチャチャブー 「頭がな…………」

165: 2009/05/08(金) 21:32:01.16 ID:6D2y6zU0
クック 「……しかし……」
キングチャチャブー 「じゃァ何だ? ……てめェ、ランゴどもを皆頃しにでもするか……」
クック 「そんなことは言っていない。争いによって解決できる問題など、どこにもありはしない」

166: 2009/05/08(金) 21:33:43.37 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「…………カスが……オレァ、潔癖は好かねぇ…………」
クック 「…………」
キングチャチャブー 「だが…………奇面の民も、最近、ランゴのヤクにやられる阿呆も、出てきてはいる……」
クック 「…………!!」

167: 2009/05/08(金) 21:35:28.51 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「クイーンには、オレも言いてェことがある……」
クック 「……エスピナスは、まだ禁断症状から回復できないと聞く。幻覚を見るようになるらしい……他の者と同じ症状か?」
キングチャチャブー 「幸せな夢をみるッつゥがな…………一時的なモンだ……切れりゃァ、神経が焼ける」
クック 「…………何という、残酷な…………」

168: 2009/05/08(金) 21:36:26.72 ID:6D2y6zU0
チャチャブーA 「……ゴッドファーザー、ここでお待ちください」
キングチャチャブー 「…………広間か……うるせぇ羽音がブンブンと…………」
チャチャブーA 「先遣隊から、報告がありました。警戒が予想以上に厳しいとのことです」
キングチャチャブー 「……オレァ、待つのが嫌いだ」
チャチャブーA 「心得ております」
キングチャチャブー 「なら、分かるな…………」
チャチャブーA 「ビィ!」

169: 2009/05/08(金) 21:37:33.00 ID:6D2y6zU0
クック 「何をする気だ、キング」
キングチャチャブー 「…………」
ティガ兄 「進めねェのか? じゃあ俺らの出番だな!」
ティガ弟 「皆頃しにしてやるぜぇぇ!!」
チャチャブーB 「(ジャキィィン)」
チャチャブーC 「(ジャキィィン)」

170: 2009/05/08(金) 21:38:31.17 ID:6D2y6zU0
ティガ兄 「っァぁぁ!? やんのかぁぁ!?」
ティガ弟 「誰に刃物向けてッか分かってンのかぁぁ!」
リオレウス 「ひぃぃ! 俺はもとから抵抗する気はないよ!」
クック 「やめるんだ、二人とも。ランゴスタの巣のド真ん中だぞ」

171: 2009/05/08(金) 21:39:16.38 ID:6D2y6zU0
ティガ兄 「知るか! 俺らにァ怖ェもんは何もねェ!!」
ティガ弟 「やってやるぜ!!」
キングチャチャブー 「………………黙ってろ………………」
リオレウス 「……ん? チャチャブーが一匹、広場に出て行くぞ!」

172: 2009/05/08(金) 21:40:00.21 ID:6D2y6zU0
クック 「何だって!? な……何をしているんだ、あのチャチャブーは!!」
チャチャブーD 「…………(ふらふら)」
クック 「酔っているのか!? キング、早く止めないと!」
キングチャチャブー 「………………」

173: 2009/05/08(金) 21:40:51.96 ID:6D2y6zU0
チャチャブーD 「(ふらふら)」
ランゴスタA 「……! シンニュウシャ発見! シンニュウシャ発見!」
ランゴスタB 「非常ケイホウ、非常ケイホウ」
ランゴスタC 「待テ、猫ダ。一匹ダ」
ランゴスタD 「シンニュウシャ! シンニュウシャ!(ブンブン)」
ランゴスタE 「殺セ! 殺セ!(ブンブン)」
ランゴスタF 「敵勢力一匹。殺レル。我ラで殺レル(ブンブン)」
チャチャブーD 「(ふらふら……ばたん)」

174: 2009/05/08(金) 21:41:50.36 ID:6D2y6zU0
クック 「……! 倒れたぞ! 助けなくては……!!」
リオレウス 「ひぃ! 何十匹もの蜂達の、真ん中で……! 彼はもう駄目だ!!」
チャチャブーB 「(ジャキィィン)」
クック 「何!? 何故止める! 君たちの仲間が危険なんだぞ!」

175: 2009/05/08(金) 21:42:20.47 ID:6D2y6zU0
キングチャチャブー 「……黙ってろ……カスどもが……」
クック 「…………! キング、何を……」
キングチャチャブー 「………………」

176: 2009/05/08(金) 21:43:07.14 ID:6D2y6zU0
ランゴスタ達 「殺セ! 殺セ!(ブンブン)」
ランゴスタ達 「肉! 猫肉!(ブンブン)」
ランゴスタ達 「刺セ! 刺シ殺セ!(ブンブン)」
チャチャブーD 「………………(バッ)」
ランゴスタ達 「……!!!!!」
チャチャブーD 「ビィィィ!(ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ)」

177: 2009/05/08(金) 21:44:22.69 ID:6D2y6zU0
クック 「あれは…………煙玉!」
ティガ兄 「ゲホッ! ……ゲホッ! 煙てェ!!」
チャチャブーD 「ビィィィ!!(ポイッ、ポイッ!)」
ランゴスタ達 「ガ……カ……ケ、ケムリ…………」
ランゴスタ達 「息……ガ…………ゲ…………」
ランゴスタ達 「目ガ……見エ………………」
ランゴスタ達 「ガ……」

178: 2009/05/08(金) 21:47:11.49 ID:6D2y6zU0
チャチャブー達 「ビィィ!(バッ!)」
ランゴスタ達 「ナ……何ダ!? ガッ(ドゴッ)」
ランゴスタ達 「グギャァ!(ドゴッ)」
クック 「(煙の中正確に、他のチャチャブー達が、ランゴスタを気絶させていく……)」
ティガ弟 「へェ、やるな……蜂ァ、煙にゃァ弱ェ。ああやって、油断させてから襲ってたのか」
ティガ兄 「気にくわねェな……男の戦いじゃねェ」
キングチャチャブー 「………………」
リオレウス 「ゲホァ! ゲホァ!!」

204: 2009/05/09(土) 22:41:12.26 ID:mR0nZ/20
チャチャブーA 「ゴッドファーザー! 片付きました。どうぞ」
キングチャチャブー 「……うむ……(すたすた)」
クック 「……素晴らしい。統率された、迅速な動きだ……」
キングチャチャブー 「……無駄口叩く暇ァあったら、とっとと足ィ動かせ……」
クック 「ああ。行こう、みんな」
ティガ兄 「……ち……全部片付けやがった」
ティガ弟 「でもよ、何かスッキリしねェな……」

205: 2009/05/09(土) 22:42:10.77 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「……何がだ?」
ティガ弟 「あァ? ……いやさ、よく分かんねェけど、何か変じゃね?」
ティガ兄 「だな。よくわかんねェけど」
キングチャチャブー 「…………(ザッ)」
チャチャブーA 「ゴッドファーザー? どうかされましたか。立ち止まったりして……」
キングチャチャブー 「(くんくん)…………」
クック 「キング?」

206: 2009/05/09(土) 22:42:46.17 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「……女王の間に向かった戦士達を、全員呼び戻せ……俺の後ろに陣を組め……」
チャチャブーA 「ビィィ!(ササササッ)」
クック 「キング、どうしたんだ?」
ティガ兄 「……いや、おっさんよ。よくわかんねェけど、俺らァ、ちょっと進みたくねェな」
ティガ弟 「つぅかよ、進まねェ方がいいような、そんなような」
クック 「地獄兄弟? どうした、君たちにしては、随分と消極的だな……」
ティガ兄 「なーんかよ、気乗りがしねェっつぅかさ」
リオレウス 「何だ何だァ? ビビったのかい?」
ティガ弟 「俺らの後ろに隠れてるくせに、こーいう時だけは態度でけぇのな!」

207: 2009/05/09(土) 22:43:35.79 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「……いや、そのカスどもの言うことは正しいな……」
ティガ兄 「ン何だとォ!? カスって言う奴がカスなんだぜ!」
ティガ弟 「ゲッヘッヘッヘ! カース! カース!」
キングチャチャブー 「…………女王の間に立ち込めてる、ヤクの濃度が尋常じゃァねェ」
クック 「何!? ……そういえば、私の鼻にも、先ほどから異様な臭いが……」
リオレウス 「ヘェァ! 何だこれ! 生臭いぞ……は、鼻がむずむずする……!」
キングチャチャブー 「後ろのカスどもは、本能的に察知したようだがな……」
クック 「くすりの霧か……これでは、前に進めないじゃないか!」

208: 2009/05/09(土) 22:44:13.63 ID:mR0nZ/20
チャチャブー達 「ビィ! ゴッドファーザー、戻りました!」
キングチャチャブー 「整列」
チャチャブー達 「ビィ! ビッ! ビィィ!」
チャチャブーA 「点呼ォ!」
チャチャブー一番隊 「ビッ! 配置完了ォ!」
チャチャブー二番隊 「ビッ! 配置完了ォ!」
チャチャブーA 「全軍待機ィィ!」
チャチャブー達 「ビィィ!」

210: 2009/05/09(土) 22:45:12.71 ID:mR0nZ/20
リオレウス 「す……すごい。こんなにいたのか……広間に全員、綺麗に整列してる……」
クック 「キング、何をするつもりだ? 説明してくれ」
キングチャチャブー 「愚図愚図してッと、ここに蜂が雪崩れ込んでくるからな……」
リオレウス 「ちょっ……今襲われたら、ひとたまりもないぞ!!」
キングチャチャブー 「少々荒っぽいが……クイーンをいぶりだすとする……」
クック 「キング、手荒な真似は……」
キングチャチャブー 「……やれ」
チャチャブー達 「ビィィィ!(バッ)」

211: 2009/05/09(土) 22:46:04.62 ID:mR0nZ/20
ティガ兄 「お……おい。こいつら、いくつ煙玉もってやがるんだ……」
ティガ弟 「こんな洞窟で、そんだけの煙爆発させたら……」
チャチャブー達 「ビィィッィイ!(ポイ、ポイ、ポイ、ポイ、ポイ)」
クック 「(くっ……一斉に、女王の間に向かって、大量の煙玉を……)」
キングチャチャブー 「…………」
リオレウス 「ゲホァ! ガホァ! ま、前が見えない!!」

212: 2009/05/09(土) 22:47:01.36 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「……来るぞ。迎撃の陣を組め」
チャチャブー達 「ビィィェァ!(ザッ)」
クック 「……な……何だ、このものすごい羽音は!!」
ティガ兄 「うっぇぇ! 投げすぎだ! 煙が目に染みるゥゥゥ!」
ティガ弟 「ブッ殺されてぇのか、キチOイ猫!」
クイーンランゴスタ 「(ブンブンブンブンブン)」
クック 「(…………あ、あれは、クイーン! 大きい……私も、久しぶりに見る……)」

213: 2009/05/09(土) 22:47:59.47 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「キィィィィィィィ!!」
クック 「な……何だ!? 滅茶苦茶に、酸をぶちまけているぞ!」
キングチャチャブー 「……やはりな……あの馬鹿女、完璧にラリってやがる……」
クック 「くすりか……! 前後の見境がなくなっている……? どうするんだ、キング!」
キングチャチャブー 「…………俺が出る……カスどもは下がっていろ……(スタスタ)」
ティガ兄 「(ピクッ)あァん? 下がれつったのかてめェ」
ティガ弟 「(ピクッ)俺らに下がってろだァ? ゲッヘッヘッヘ!」
ティガ兄 「ナメんなよ(ズンズン)」
ティガ弟 「てめェこそ下がってろや……くそじじい(ズンズン)」
キングチャチャブー 「………………」

214: 2009/05/09(土) 22:49:01.77 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「キィィィィ! キィェェェェ!」
ティガ兄 「弟者、取り押さえるぞ」
ティガ弟 「合点だ」
ティガ兄 「グォォォォォ!(ズンズンズンズン)」
クイーンランゴスタ 「……!!」
ティガ兄 「ブンブンうるせぇんだよ! くそ蜂が!(ブン!)」
クイーンランゴスタ 「キィィィィィ!(スカッ)」
ティガ弟 「兄者の尻尾がかわされた……危ねェ!」
ティガ兄 「…………!」
クイーンランゴスタ 「シャァァァ!(ドスッ)」
ティガ兄 「ぐぁっ!」

215: 2009/05/09(土) 22:50:18.84 ID:mR0nZ/20
ティガ弟 「兄者!」
ティガ兄 「(ズザッ)ちっ……背中の鱗が剥がれた。何だあいつ、ラリってんじゃねェのか!?」
キングチャチャブー 「……クイーンは天性のジャンキーよ。狂っている時が、一番恐ろしい……」
クイーンランゴスタ 「キィィ!」
ティガ弟 「ちぃぃ! こっちに向かってくるぞ!」
ティガ兄 「弟者、右に回れ!」
クイーンランゴスタ 「シャァァ!(ブンッ)」
ティガ弟 「(ドスッ)ぐぅぅ! 兄者、やれ!」
ティガ兄 「っおっしゃぁぁ!(ブンッ)」
クイーンランゴスタ 「……!! ギャァ!(ズゥン)」
キングチャチャブー 「…………ほォ」

216: 2009/05/09(土) 22:51:06.02 ID:mR0nZ/20
ティガ兄 「弟者、やられたか!?」
ティガ弟 「背中の鱗が持っていかれた……あのババァ、ケツに刃物でも仕込んでんのか!?」
ティガ兄 「……頭揺らしてやった。しばらくは起き上がれね……」
クイーンランゴスタ 「シャァァァ!」
ティガ兄 「何だァ!?」
ティガ弟 「効いてねェのか!?」

217: 2009/05/09(土) 22:51:52.05 ID:mR0nZ/20
リオレウス 「あぁぁぁ…………あぁ……何でこんなことに……」
クック 「何だ……クイーンは、痛みを感じていないのか!?」
キングチャチャブー 「ヤクってのァ、そういうモンだ……(すたすた)」
クイーンランゴスタ 「キャラァァ!」
ティガ兄 「ガッ……酸が……!」
ティガ弟 「痛ェェェ! 腕が焼ける!!」
キングチャチャブー 「…………(スッ……ポイッ)」
クイーンランゴスタ 「(パシャァァァ!)シャァァ!?(ズゥゥゥン)」
ティガ兄 「ぐぁぁ! 閃光玉!?」
ティガ弟 「目がぁぁ!!」

218: 2009/05/09(土) 22:53:01.44 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「(サササササッ)」
クイーンランゴスタ 「……!!」
キングチャチャブー 「(ズザッ)…………押し入って悪ィが……仕事でな……」
クイーンランゴスタ 「(ドガッ!)……!! ……! …………」
キングチャチャブー 「…………二番隊、入り口を固めろ……」
チャチャブー達 「ビィィ!」
クック 「……す……すごい。地獄兄弟の攻撃でも駄目だったのに、一撃で昏倒させるとは……」
リオレウス 「目が……目がァァア!」

219: 2009/05/09(土) 22:53:51.70 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「…………(ビクンッ)! ガ…………(ブンッ)」
キングチャチャブー 「……!?」
クック 「(まだ意識が……いや、違う。あれは体が硬直したんだ……くすりの副作用か!)」
クック 「キング! 危ない!」
リオレウス 「は……は……ぶえぇっくしょぃ!(ゴゥッ)」
クイーンランゴスタ 「(ドズゥゥゥッ!)ギャァ!」
キングチャチャブー 「…………」
クイーンランゴスタ 「……ガ……ガ…………(ガクリ)」

220: 2009/05/09(土) 22:54:35.46 ID:mR0nZ/20
リオレウス 「…………は……鼻がむずむずする……ぶえっくしょ!」
キングチャチャブー 「(すたすた)」
ティガ兄 「あァ……痛ぅ……脳天に響いたぜ……」
ティガ弟 「どこの馬鹿だ……閃光玉なんて、目の前に投げやがって……」
クック 「(リオさんの吐いた火球が、クイーンを直撃した……)」
クック 「(焦げているようだが、彼女は大丈夫なのか…………?)」
キングチャチャブー 「……一番隊、取り押さえろ」
チャチャブー達 「ビィ!(ササササササッ)」

221: 2009/05/09(土) 22:55:17.79 ID:mR0nZ/20
―数分後―

キングチャチャブー 「……クイーンには、解毒草の蒸留水をブチこんだ。もうじき目を醒ますはずだ……」
クック 「……こんなに手荒な真似をするつもりはなかったんだが……」
クイーンランゴスタ 「………………」
クック 「(クイーンが目を醒ました……!)」
クック 「(チャチャブー達が閃光玉とナタを構えているが……)」
クック 「(何だ? 視線が虚ろだ……周りに気づいた風がない……)」
クイーンランゴスタ 「…………喉が…………喉が渇いたわァ……」

223: 2009/05/09(土) 22:56:09.03 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「(スッ)……久しぶりだな、ヤク中」
クイーンランゴスタ 「…………水はどこ…………喉が渇いたわ…………(ゆらゆらゆら)」
クック 「(体全体を前後に揺らしている……)」
クック 「(まだ、意識がはっきりしないのか……)」
キングチャチャブー 「(くいっ)」
チャチャブーA 「ビィッ! (ススススッ)……水筒を出せ」
チャチャブーB 「(スッ)ビィ!」
チャチャブーA 「飲め。水だ」
クイーンランゴスタ 「…………(ごくごく)」

225: 2009/05/09(土) 22:58:06.94 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「(ゆらゆらゆら)…………はぁ。頭が痛い……」
クック 「(どうやら、リオレウスさんの火の玉では、そんなに深刻な怪我をしなかったようだ……良かった)」
キングチャチャブー 「キメすぎだ……てめェ、氏ぬぜ?」
クイーンランゴスタ 「………………あァらァ……ブ男…………(ゆらゆら)ひゃは……?(きょろきょろ)」
キングチャチャブー 「…………」
クイーンランゴスタ 「あひゃ……ひゃひゃは! 不細工が雁首揃えてさァ! 襲いにきたってかい、坊や達!」
チャチャブー達 「…………」
リオレウス 「……な……何だか怖いな……目つきが正気じゃないよ……」
クック 「あ……ああ……」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「……ちぃ」

226: 2009/05/09(土) 22:59:07.36 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「何してんのさ! 服ゥ脱いで、とっととこっちに来な! ひゃはは! 全員仲良く昇天させてやんよ!」
キングチャチャブー 「……生憎と、ゲテモノ趣味は持ち合わせていねェからな……」
クイーンランゴスタ 「ひゃっひゃっひゃっひゃ! ブ男が色気づいて! 鏡ィ見てみなよ! ね、そこにあるからさ!!」
キングチャチャブー 「…………口がヤク臭ェ。わめくな……下衆女……」
クイーンランゴスタ 「女の寝床に押し入っといてよォく言うわ。下衆男」

227: 2009/05/09(土) 22:59:51.60 ID:mR0nZ/20
クック 「……キング、刃物をしまってくれ。私に話をさせてくれないか?」
キングチャチャブー 「…………」
クイーンランゴスタ 「……? ヒャハ……こっちの方がまだマシかね……男が寄り集まってか弱い女を取り囲む! 好きよォそれ」
クック 「突然お邪魔してしまって、申し訳ない。今日は、一刻を要するお願いで、あなたのところに来たんだ。他意はない」

229: 2009/05/09(土) 23:00:53.80 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「はァァ? つまんないことはやぁぁよ。早く、早くかかってきなさいよ!!」
クック 「……落ち着いてくれ。私は、あなたの子供の毒にやられてしまった仲間を救いたいんだ。解毒の薬を分けて欲しい」
クイーンランゴスタ 「………………? 解毒ゥ? 救いたいィィ? ケケッ……ヒャハ! 何それ! ヒャハハ!」
クック 「な……何だ? 本当のことだ。頭に神経毒が回ってしまって、急を要するんだ」
クイーンランゴスタ 「(ゆらゆら)…………いいわよォ」
クック 「……! 本当か! このお礼は……」
クイーンランゴスタ 「アンタの目玉と交換ってどぉ? きょろきょろしてて美味しそう」
クック 「……!? な、何を言っている!?」

230: 2009/05/09(土) 23:01:35.68 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「じゃあ耳。尻尾でもいいわ」
クック 「…………」
クイーンランゴスタ 「あらあらあらあらどうしたのぉ? ほら、早く抉って見せてよ。早く、早く」
ティガ兄 「……駄目だこりゃ。完全にイッちまってる」
ティガ弟 「話すだけ無駄だな。ブチのめして奪うのが、一番手っ取り早ェ」
クック 「…………目か。それで、解毒の薬をくれるのか?」
リオレウス 「イャンクックさん!?」
クイーンランゴスタ 「考えてあげてもいいわねぇ……考えても、ね」

231: 2009/05/09(土) 23:02:16.02 ID:mR0nZ/20
クック 「…………」
リオレウス 「何をしているんだ! やめろ!」
クック 「離してくれ、しかし……!」
リオレウス 「そんな馬鹿な条件を聞くことはない! 彼女は狂っているよ!」
クイーンランゴスタ 「ね、やらないの? 抉らないの? もがないの? それってつまんないねェ。なっちゃいないよ」
クック 「…………」
クイーンランゴスタ 「何しに来たよ? あたいを愉しませに来たんだろぉ?」
リオレウス 「イャンクックさん!」

232: 2009/05/09(土) 23:03:24.74 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「…………(すたすた)」
クイーンランゴスタ 「あァら? あんたが相手してくれんのかい?」
キングチャチャブー 「あァ(ブン……ドガッ)」
クイーンランゴスタ 「ギャァ!」
キングチャチャブー 「気乗りはしねェがな(ドガッ! ドガッ!)」
クイーンランゴスタ 「ギャ! ヒャハハ! ギャア! 痛い! 痛いわ! 最高ォォォ! ひゃははは!」
クック 「キング! 乱暴は……」
キングチャチャブー 「(ぐいっ)解毒剤出せ……」
クイーンランゴスタ 「……はぁ……はぁ……」
キングチャチャブー 「…………てめェのヤクにゃぁ、ウチはちっとばかし迷惑してんでな」
クイーンランゴスタ 「はぁ……何? もう終わり?」
キングチャチャブー 「触覚もがれたくねェだろ? いいんだぜ、俺ァ……今ここで、てめェを抉り頃してもよ……」

233: 2009/05/09(土) 23:04:35.32 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「もいでくれるのォ? やってくれるのォ? どうぞどうぞ、さ、早く。どうしたの? 早く」
キングチャチャブー 「…………」
クイーンランゴスタ 「……やらないの。なら離しな。臆病モンに用はないんだよ」
チャチャブー達 「ビィ!(ザッ)」
キングチャチャブー 「…………」
リオレウス 「……あぁ……何か不穏な雰囲気だ……帰りたい……」
クック 「…………」

234: 2009/05/09(土) 23:08:29.77 ID:mR0nZ/20
ティガ兄 「……ちっ。後ろから蜂どもが追いついてきやがった……」
ティガ弟 「どうすんだよコレ。やっぱ皆頃ししかねェんじゃねぇか?」
ランゴスタ達 「(ブンブンブン)」
チャチャブー達 「………………(チャキチャキ)」
クック 「…………クイーン。私の家族を、覚えているか?」
キングチャチャブー 「…………」
クイーンランゴスタ 「…………?」
クック 「あなたは、三年前のことを覚えているか?」

235: 2009/05/09(土) 23:09:18.08 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「……三年前…………ハッ。いきなり……」
クック 「忘れてしまったのか? あなたは、私の家族の葬儀に、子供達と共に花を持ってきてくれたじゃないか……」
クイーンランゴスタ 「…………」
クック 「あなたは、随分と気に病んでいた。戦いで、自分達が兵を出さなかったから、あそこまで悪化したと、あの時に言っていた」
クイーンランゴスタ 「……」
キングチャチャブー 「……」
クック 「そうは思わない。どちらにせよ、私たちがあそこまで人間を追い詰めてしまったこと。それが問題だったのだから」
クイーンランゴスタ 「…………あァ、氏んだんだっけ? あんたの奥さんと子供」
クック 「ああ。火事の時、逃げ遅れて氏んだ。あなたの昔の巣も、あの時に焼けてしまったな」

236: 2009/05/09(土) 23:09:52.76 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「……(ゆらゆら)」
クック 「分かるよ。私はくすりは許せん。しかし……だからといって、私にはあなたを責めることはできないし、そのつもりもない」
クイーンランゴスタ 「……じゃあ何しに来たのさ」
クック 「解毒剤を調合してくれ。仲間が一人、また氏にかかっている」
クイーンランゴスタ 「……」
クック 「頼めるだろうか。それで、仲間が助かるんだ。一人、確実に助かる。あなたのおかげで」
クイーンランゴスタ 「……」

237: 2009/05/09(土) 23:10:33.40 ID:mR0nZ/20
リオレウス 「だ……黙っちゃったぞ。おい、どうすればいいんだよ」
ティガ兄 「俺らに聞くなよ」
ティガ弟 「とにかく、こんなんじゃ外には出れねェし……」
クック 「…………」
クイーンランゴスタ 「(ゆらゆら)」
クック 「キング、彼女を離してやってくれ」
キングチャチャブー 「…………(すっ)」

238: 2009/05/09(土) 23:11:45.29 ID:mR0nZ/20
クイーンランゴスタ 「…………(ぽいっ)」
クック 「…………! これは……!」
クイーンランゴスタ 「出て行きな……あたいは忙しいんだ。ガキの相手ェしてる暇はないんだよ」
キングチャチャブー 「…………」
クック 「木の実の中に、何か入っている……解毒剤なのか!?」
クイーンランゴスタ 「(ゆらゆら)」
クック 「クイーン、すまない……ありがとう!」
クイーンランゴスタ 「とっとと出ていきな……出て行けって言ってんのが分からないのかい!!」
クック 「……分かった。このお返しには、必ずまた、後程お伺いする」
クイーンランゴスタ 「(ゆらゆら)」

239: 2009/05/09(土) 23:12:55.33 ID:mR0nZ/20
キングチャチャブー 「…………出るぞ。戦士達よ、陣を組め」
チャチャブー達 「ビィ!!」
キングチャチャブー 「(すたすた)」
クイーンランゴスタ 「…………」
クック 「出るぞ、みんな」
リオレウス 「ヘェ!? もういいのかい!?」
クック 「ああ。目的のものなら、クイーンにもらった」
ティガ兄 「……まぁおっさんがいいならいいけどよ」
ティガ弟 「(ガルルル)」
クイーンランゴスタ 「…………」

240: 2009/05/09(土) 23:14:34.12 ID:mR0nZ/20
―ランゴスタの巣、入り口―

クック 「……無事に外に出れたな。それじゃ、私は急いで雪山に戻ることにするよ」
ティガ兄 「ぶっふぁ~~ッ! あ゛ぁぁー! 最悪だ!」
ティガ弟 「ちぃぃぃ! 腕の鱗も溶けやがった!」
クック 「すまない。君たち……随分と傷を負わせてしまった……」
ティガ兄 「いーよいーよもう。黙って解放してくれ! んじゃ、俺らはもう消えッかんな」
ティガ弟 「あとはもう一人で帰れるだろさすがに!」
クック 「あァ。長い時間つきあってくれて、ありがとう。また、お礼にいくよ」

241: 2009/05/09(土) 23:15:46.97 ID:mR0nZ/20
ティガ弟 「……ぐぇぇ、気持ち悪。体から変な臭いがしやがる」
ティガ兄 「こんなんじゃ桜レイアちゃんに嫌われちまう! 弟者、泉に入ってくぞ!」
ティガ弟 「だなァ。ママさんに締め落とされちまうぜ」
リオレウス 「ちょ……君たち、俺を置いて俺の家に帰るつもりか!」
ティガ兄 「じゃーなおっさん! 生きてたらまたいつか会うこともあるだろうさ!」
ティガ弟 「生きてたらな!!」
リオレウス 「ちょっ……待てって!」
ティガ兄 「ここらあたりの崖なんて良さそうだ……デュワッ!(シュバッ)」
ティガ弟 「デュワッ!(シュバッ)」

243: 2009/05/09(土) 23:17:25.57 ID:mR0nZ/20
リオレウス 「あいつら……! 飛んでっちまった! イャンクックさん、俺も家に帰るよ……傷は大丈夫かい?」
クック 「これしき何ということはないよ。リオレウスさんも、色々とありがとう。助かったよ」
リオレウス 「そうか。いや、気にしないでくれ。これはハチミツの血止めだよ。もう少し持っておくといい(ゴソゴソ)」
クック 「色々と世話をかける。今度、お宅にお伺いさせていただくよ」
リオレウス 「いやいや。レイアが怖いから、来ない方がいいと思う」
クック 「そ……そうなのか」
リオレウス 「それじゃ、あいつらに家の鍵を閉められる前に俺も戻る! じゃあ、また。黒グラビさんにもよろしく!(バサァッ)」

244: 2009/05/09(土) 23:18:44.20 ID:mR0nZ/20
クック 「……よし、私もフルフルさんの洞窟に戻るとするか……」
キングチャチャブー 「…………撤収だ。ゆくぞ」
チャチャブー達 「ビィッ!」
クック 「キング、すまなかった」
キングチャチャブー 「……ヤク中ブン殴れただけで、よしってことよ……」
クック 「このお礼は、必ずする」
キングチャチャブー 「礼なんざ……腹の足しになんねェ。何度も言わせンな……(スタスタ)」
クック 「あぁ。そうだな……それじゃ、行くとするよ!(バサァ)」
キングチャチャブー 「…………」

245: 2009/05/09(土) 23:20:12.04 ID:mR0nZ/20
―雪山、フルフルの洞窟―

クック 「はぁ……はぁ……」
クック 「(……随分と時間が経ってしまった……黒グラビさんは、まだ大丈夫だろうか……)」
クック 「(女児……何もなければいいのだが……)」
クック 「(フルフルさんもついているから、問題はないと思うが……)」
クック 「(何だ……妙な胸騒ぎがする……)」

246: 2009/05/09(土) 23:21:08.25 ID:mR0nZ/20
クック 「(雪が強い……止んだのは朝だけか……)」
クック 「(見えた……! よし、何とか帰ってこれたぞ)」
クック 「女児ー! フルフルさん、キリンちゃんも、戻ったぞ!」
クック 「女児ー!」
クック 「(何だ……? 返事がない……)」

247: 2009/05/09(土) 23:22:16.71 ID:mR0nZ/20
クック 「(これは……キリンちゃんが倒れている!)」
クック 「キリンちゃん! どうしたんだ!!」
キリン 「ん……んん……お……おじさま…………」
クック 「こんなところで倒れて……誰かにやられたのか!?」
キリン 「わ……私、いきなり眠くなって……」
クック 「眠く? まさか……」
キリン 「何だか、甘い匂いがして……入り口に、誰かいたような……」

248: 2009/05/09(土) 23:23:09.24 ID:mR0nZ/20
クック 「甘い匂い……まさか!(バッ)」
クック 「女児ー!」
クック 「! (フルフルさんと、黒グラビさんが眠っている……! やはり、これは……)」
クック 「(ヒプノックの催眠ガスか……!!)」
クック 「(女児がいない……連れされられたのか!?)」
キリン 「お婆ちゃん!? お婆ちゃん、しっかりして!」
フルフル 「……ウ……ン? 何だい……寝ちまってたのかい…………」
キリン 「女児ちゃん? あら……女児ちゃんが……」

250: 2009/05/09(土) 23:24:54.48 ID:mR0nZ/20
クック 「しくじった……どこにもいない。連れ去られたんだ……!」
キリン 「何ですって!? だ、誰に……」
クック 「甘い匂いというのは、おそらくヒプノックの催眠ガスだ……」
キリン 「催眠……ガス?」
フルフル 「……頭がガンガンするねェ……ぬ? クック、戻ってきたのかい……」
×××× 「ばーさん! ばーさんよー!」
クック 「メラルーじゃないか!」

252: 2009/05/09(土) 23:26:04.90 ID:mR0nZ/20
メラルー 「うぉっ、クックさんじゃねェっスか。お久しぶりっス」
メラルー 「そんな場合じゃねェ! 大変なんでさァ。火山に人間が攻め込んできやがった!」
クック 「何だって!?」
キリン 「ハンターが!?」
メラルー 「グラビモスが暴れてて、危険だから近づかねェようにって立ち入り禁止になってたんですがねィ」
メラルー 「間が悪くあいつ、人間にやられちまったらしいんでさァ!」
フルフル 「ちょ……ちょっと待っておくれや。まだ頭が痛うて……」

253: 2009/05/09(土) 23:27:31.56 ID:mR0nZ/20
メラルー 「ッと、あれェ!? 何でこんなトコに、グラビの奥さんがいんでさァ!?」
クック 「…………グラビモスが暴れていて、立ち入り禁止令……? まさか…………」
キリン 「おじさま! どこに行くの!?」
クック 「火山だ! 随分前にもこういうことがあった。眠らせた、気に入らない相手を火山に置き去りにするという事件が!」
キリン 「まさか……女児ちゃんが、火山に!?」
メラルー 「ちょっ、クックさん!」
キリン 「おじさま、私も行くわ!!(ダッ)」
フルフル 「キリン、クック! 何がどうしたんだい!」
クック 「女児がさらわれた! フルフルさんはこの解毒剤で、黒グラビさんを治療してやってくれ!(ポイッ)」
クック 「(女児……くそっ……あの子は……あの子は、何も悪いことをしていないのに!)」

271: 2009/05/11(月) 21:16:39.50 ID:84DmyPo0
女児 「…………」
女児 「(お父さん……お母さん……)」
女児 「(私……今日、たくさんおべんきょうしたよ……)」
女児 「(お父さん、今日、おかえりはいつごろになるの?)」
女児 「(お母さん、今日はおしろにいくの?)」

272: 2009/05/11(月) 21:17:13.27 ID:84DmyPo0
女児 「(……どうして、私も行っちゃいけないの?)」
女児 「(私もいっしょにいく……)」
女児 「(おいていかないで)」
女児 「(お父さん……お母さん…………)」
女児 「(…………)」

273: 2009/05/11(月) 21:18:18.73 ID:84DmyPo0
―火山―

女児 「…………」
女児 「…………あつい…………」
女児 「……ここ、どこ……?」
女児 「(きょろきょろ)お姉ちゃん……? おばあちゃん?」
女児 「…………」

274: 2009/05/11(月) 21:19:06.07 ID:84DmyPo0
女児 「(火が、もえてる……目がやけそう……)」
女児 「(雪山じゃないの? ……どうして、私こんなところに……)」
女児 「…………」
女児 「おじさん……おじさーん!」

275: 2009/05/11(月) 21:19:38.15 ID:84DmyPo0
女児 「…………」
女児 「(だれもいない……)」
女児 「(どうして、わたしここに……)」
女児 「(黒い竜さんをみてたら、ねむくなって……)」

276: 2009/05/11(月) 21:21:06.86 ID:84DmyPo0
女児 「(おじさんが、どこかに……)」
女児 「…………」
女児 「(……だれのけはいも、ないや)」
女児 「(おじさんは、どこにもいない……)」

277: 2009/05/11(月) 21:22:38.09 ID:84DmyPo0
女児 「(お姉ちゃんも、お婆ちゃんもいない……)」
女児 「(わたし、一人で……)」
女児 「(でもわたし、こんなところ、しらない……)」
女児 「(…………)」
女児 「(あの時とおなじ……)」

278: 2009/05/11(月) 21:23:43.08 ID:84DmyPo0
女児 「(目がさめたら、だれもいない……)」
女児 「(いらないから)」
女児 「(わたしのことがいらないから)」
女児 「(おじさんが……私を……)」
女児 「(ここに、捨てたのかな…………)」
女児 「…………」

280: 2009/05/11(月) 21:26:14.59 ID:84DmyPo0
―火山、少し離れたエリア―

ヒプノック 「YO、ブラザー。あのガキ、気がついたようだぜ」
ガルルガ 「あん? ……ヘヘヘッ、見てろ。じきにいーい泣き声を出すぜ」
ヒプノック 「そいつぁ楽しみだ! 人間の泣き声ほど、胸がすくもんはねェ!」
ガルルガ 「……ヤク中グラビを呼び出して、潰されろ。人間なんざ、俺達と生きてくことはできやしねェんだよ……」

282: 2009/05/11(月) 21:27:36.59 ID:84DmyPo0
ヒプノック 「あれ? いや……でもよ、あのガキ、何か様子がおかしくねェか?」
ガルルガ 「? まだてめーの睡眠ガスが効いてやがんだろ」
ヒプノック 「いや……それにしちゃァ、なーんかボーッとしてるっつーかよ。今にもダイ(氏亡)しちまいそうだ」
ガルルガ 「はァ? いくら人間でも、そこまで脆くはねぇだろ。ここで氏なれたら、潰れる決定的瞬間が見れねェじゃねーか」
ヒプノック 「俺に言われてもよ。ほら、座りこんじまった。泣かねェぞ」

283: 2009/05/11(月) 21:30:00.53 ID:84DmyPo0
ガルルガ 「……ちぃぃ。何だァあのガキ。放りだされて、怖くねェのか?」
ヒプノック 「さぁーな。どっちにしろ、ふつーの人間っぽくはねェんだろ? どっかおかしくなってるのかもな。ヘッヘ」
ガルルガ 「…………」
ヒプノック 「つぅか暑ィィな。ベルィ・ホット。耐え切れねェ。どーせここに放り出しゃァ、勝手に氏ぬだろ。もう帰ろうぜ」

284: 2009/05/11(月) 21:30:46.97 ID:84DmyPo0
ガルルガ 「バカ野郎! わざわざ手間ァかけてさらってきた意味がねェだろ! この目で見なきゃァ気が済まねェ!」
ヒプノック 「お……大声出すなよ。分かったよ」
ガルルガ 「…………チッ」
ヒプノック 「……それにしても、誰もいねェな。猫くらいいてもいいんじゃね?」
ガルルガ 「…………そういや、今日は火山に人影がねェな」

285: 2009/05/11(月) 21:32:17.52 ID:84DmyPo0
ヒプノック 「んまァ、グラビが暴れてんだろ? そのせいだと思うけどよ、それにしちゃァ静かだな。サイレントすぎる」
ガルルガ 「…………」

女児 「…………」

ガルルガ 「(何してんだあのガキは……)」
ガルルガ 「(座り込んで動かねェ……)」
ガルルガ 「(……早く怯えて泣き叫べ……助けを呼べ! 俺に無様で下品な泣き顔を見せろ!)」
ガルルガ 「(…………人間め…………!!)」

286: 2009/05/11(月) 21:33:20.15 ID:84DmyPo0
女児 「(……私、おじさんにも捨てられちゃったんだ……)」
女児 「(なにがわるかったんだろう……)」
女児 「(…………でも、私、人間だった……)」
女児 「(モンスターといっしょにくらすの、やっぱりいけないことだったんだ)」

287: 2009/05/11(月) 21:34:01.74 ID:84DmyPo0
女児 「(おじさんは、私のことがきらいになったんだ……)」
女児 「(めいわくだったんだ……)」
女児 「…………」
女児 「(これから、どこにいこう……)」

288: 2009/05/11(月) 21:36:24.16 ID:84DmyPo0
女児 「(どこにも、いくところなんてないよ……)」
女児 「(里にもどるの……?)」
女児 「(また、捨てられるんだろうな……)」
女児 「(それに、わたしなにもできないから……)」
女児 「(だれも、わたしのことは、いらないよ……)」

289: 2009/05/11(月) 21:38:41.00 ID:84DmyPo0
女児 「(おじさん……)」
女児 「(お父さんと、お母さんがしんじゃってから……)」
女児 「(はじめて、わたしといっしょに寝てくれた……)」
女児 「(うれしかった……)」

290: 2009/05/11(月) 21:40:01.99 ID:84DmyPo0
女児 「(いらないのに……)」
女児 「(わがままいったら、めいわくがかかるよ)」
女児 「(きっとそう……)」
女児 「(たぶん……)」

291: 2009/05/11(月) 21:41:12.18 ID:84DmyPo0
女児 「…………」
女児 「(とおくにいこう……)」
女児 「(ここじゃない、もっととおくにいこう)」
女児 「(もっと、とおくのばしょに、いこう)」

292: 2009/05/11(月) 21:42:24.59 ID:84DmyPo0
ヒプノック 「お、立ち上がったぞ。でも面白みがねェなぁ。全然泣かねぇ」
ガルルガ 「…………」
ヒプノック 「このままじゃ、グラビを呼び寄せるどころじゃねェぜ?」
ガルルガ 「…………」

293: 2009/05/11(月) 21:43:05.07 ID:84DmyPo0
ヒプノック 「…………WHAT? 何か羽音と、地響きが聞こえねェか?」
ガルルガ 「誰かが近づいてきやがる……」
ヒプノック 「グラビか! ヒュゥ! 待たせやがって!」
ガルルガ 「いや、地響きが軽い。奴じゃねェ」

294: 2009/05/11(月) 21:45:43.79 ID:84DmyPo0
ヒプノック 「あァ? じゃ、誰だよ」
ガルルガ 「…………」
ガルルガ 「(何だ? 何か違和感を感じるな……)」
ガルルガ 「(それに、風下から妙に生臭ェ臭いが……)」
ガルルガ 「…………俺らがここにいることが誰かに知られちゃァまずい。頭ァ引っ込めろ」
ヒプノック 「あ……あぁ。分かってるよ」

295: 2009/05/11(月) 21:47:06.70 ID:84DmyPo0
銀レウス 「(バサァ! バサァ!)バサルゥ、もうちっとだかんなァ。気張りィ!」
バサルモス 「(ズンズンズンズン)はぁ……はぁ……うん……じいちゃん!」
女児 「!! 銀色の竜さんと……灰色の竜さん……!」
銀レウス 「……? ン何だァ? こっだらとこに人間がおっぞぃ」
バサルモス 「じいちゃん! 人間だ! こいつもハンター!?」

296: 2009/05/11(月) 21:49:14.47 ID:84DmyPo0
女児 「ひ……ひぇ……(ぺたり)」
バサルモス 「パパを返せ! お前達のせいで!!」
女児 「きゃぁあ! おじさん、たすけ……」
銀レウス 「待ちぃ坊主。こん娘子はァ、ハンターじゃねぇだ」

297: 2009/05/11(月) 21:50:48.28 ID:84DmyPo0
女児 「あ……あぁ……(ぶるぶる)」
バサルモス 「でも爺ちゃん、人間だ! やっつけないと!」
銀レウス 「アホだらァ。こりゃぁ人間の子供だっぺや。おめ、子供にゃぁ手ぇ出しちゃあかんぇ」
バサルモス 「何で!」
銀レウス 「おめもこん子も、おんなじぃ子供だがらだぁ」

298: 2009/05/11(月) 21:51:45.26 ID:84DmyPo0
バサルモス 「それは……そうだけど……」
銀レウス 「すっでも、何でこの子供さ、オオナズチの皮ぁ着てんだ? あいづぁ、密林の奥の奥にすかおらねぇっでのに」
女児 「あ……こ…………こんにちは…………」
銀レウス 「あんれまァ。たまげたァ。おらの姿ァみでも喋りおるわ」

301: 2009/05/11(月) 21:53:32.76 ID:84DmyPo0
女児 「これ…………キリンのお姉ちゃんから、もらったの……クックのおじさんと、いっしょに……」
銀レウス 「はんだらか!? ほんだば、おめ、もすがすでクックが育てでるづぅ人間の子供がぁ? ヤマツカミに聞いたでぁ」
女児 「…………う……うん」
銀レウス 「なしてこんなどこにおんだ? クックはどこさいっだ?」

302: 2009/05/11(月) 21:55:36.56 ID:84DmyPo0
バサルモス 「ばあちゃんも話してた、クックおじさんが連れてきた、人間の子?」
銀レウス 「そなんだべ?」
女児 「うん…………気がついたら、ここにいたの。おじさん……どこにもいない……」
銀レウス 「なしてだぁ? 森からこごまで、かなりの距離あっぞ。おめ、どうやっでこごまで来だぁ?」
女児 「…………分からないの……ごめんなさい…………きゅうに……眠くなって……」

303: 2009/05/11(月) 21:56:34.05 ID:84DmyPo0
バサルモス 「あ……泣かないで。怒鳴ったりして、悪かったよ」
女児 「(ひっく……ひっく……)」
銀レウス 「ふぅむぅ。クックは、考えもねェで置き去りにすっとは思えねぇげどなぁ」

304: 2009/05/11(月) 21:57:02.90 ID:84DmyPo0
女児 「おじさんは…………わたしがいらなくなったから…………」
女児 「だから…………」
銀レウス 「……まさがなァ(きょろきょろ)」

306: 2009/05/11(月) 21:58:07.63 ID:84DmyPo0
ヒプノック 「……ちぃ。ありゃ、銀さんじゃねェか。何でこんなとこに!?」
ガルルガ 「くそっ…………じじいがでしゃばっちゃ、保護されちまう!! 何てこった……ッ!」
ヒプノック 「あのじじい、何か探してるぜ。もしかして、俺らのことばれたんじゃ……」

307: 2009/05/11(月) 21:59:29.31 ID:84DmyPo0
ガルルガ 「頭ァ出すな! ……随分前にも、一度ドドの孫置き去りにしたことあったよな……銀じじいじゃ気づくかも……」
ヒプノック 「ここまでやったのに……シット!」
ガルルガ 「ちぃぃぃぃ! ヒプノック、隙を見て逃げるぞ」
ヒプノック 「Oh,Yes! サノバビXチが!」

308: 2009/05/11(月) 22:02:00.95 ID:84DmyPo0
銀レウス 「とっかく、おら達ァ急いでんだぁ。おめ、ここさぁめっちゃ危険だがらない。ついでこい」
女児 「え……で……でも、わたし……」
銀レウス 「クックがおめさ置き去りにすたんなら、爺ちゃんが理由きいでやっがら。せながに乗れぇ」
女児 「いいの……? わたし、いっしょにいって……」
銀レウス 「ちょっつ話ぃすてる暇ぁねんだ。やりながら話ィすてやっがら、はよせぇ」

310: 2009/05/11(月) 22:03:32.87 ID:84DmyPo0
女児 「う…………うん(よじよじ)」
バサルモス 「爺ちゃん、早くしないと、パパが!」
銀レウス 「わがっとる。その角だ。そこの溶岩のなが、少しィ下がったどこに、出っ張りがあるだ。抜いでこいさ」
バサルモス 「分かった!(ドボンッ)」

312: 2009/05/11(月) 22:04:50.58 ID:84DmyPo0
女児 「……は……灰色の竜さんが、溶岩のなかにはいっちゃった!!」
銀レウス 「あいづは大丈夫だぁ。すっでも、おめらにはこの熱気はきづいべぇ」
女児 「……う……うん……息が、うまくできない……」
銀レウス 「オオナズチの皮があんだったららっきぃだ。もっど深ぐ被っでみぃ」

313: 2009/05/11(月) 22:05:39.27 ID:84DmyPo0
女児 「(ごそごそ)あ……息が、少し楽になった……」
銀レウス 「古龍の体ぁ、便利なもんだがんなぁ。すっがし、おめ、あの地面さもうぢっといだら氏んでたぞい」
女児 「…………」
銀レウス 「クックはそげなこどしねぇど思うけんどもなぁ」

315: 2009/05/11(月) 22:07:06.18 ID:84DmyPo0
女児 「…………おじいさんは、なにをそんなに急いでるの?」
銀レウス 「ちっと下で、おめら人間に、仲間が一匹捕まっただ。助けるだめの戦力を連れにきたんだぁ」
女児 「…………!! ハンターが!!?」

317: 2009/05/11(月) 22:18:25.59 ID:84DmyPo0
銀レウス 「……! おっし。溶岩が脇さ流れでぐだ。すばらく待ぢゃぁ、向こう側に行けるだ」
女児 「あ……熱い……」
バサルモス 「(ぶはぁっ)じいちゃん、抜いたよ!」
銀レウス 「おっけぃだぁ。おめは、そのまんまそごにいろぉ」
バサルモス 「分かったよ!」

318: 2009/05/11(月) 22:21:33.10 ID:84DmyPo0
女児 「あ……あの灰色の竜さん、だいじょうぶなの……?」
銀レウス 「心配ねぇだ。あいづら火山の竜はぁ、溶岩は問題ねんだァ」
女児 「火山の竜……? あ! わたし、しってる!」
銀レウス 「何をだぁ?」

319: 2009/05/11(月) 22:22:09.24 ID:84DmyPo0
女児 「フルフルのお婆ちゃんのところに、黒い火山の竜さんがいるの!」
銀レウス 「はんだぁ? 黒グラビががぃ。ほんでば……な、なしてそげなとこにおるだ?」
女児 「それは…………」

320: 2009/05/11(月) 22:24:35.34 ID:84DmyPo0
銀レウス 「…………ランゴスタにやられだが……ほんに馬鹿なごとを……」
女児 「わたし、お姉ちゃんたちといっしょうけんめいみてたんだけど……」
銀レウス 「……ますます、なしておめがこごにいっがはよぉ分がらんなァ」
女児 「…………」
銀レウス 「……グラビの坊主めがぁ……まったぐ、人騒がせな。妻までまきごんでどうすんだ」

321: 2009/05/11(月) 22:27:28.61 ID:84DmyPo0
女児 「おじいさん、黒い竜さん、大丈夫かな…………」
銀レウス 「…………心配すんでねェ。竜はァ、体力だげはやたらめっだらあっがんの」
女児 「…………(ほっ)」
銀レウス 「おめ、人間だっつのに、モンスターの心配すんのがぁ」
女児 「え? …………う、うん」
銀レウス 「変わっどるなァ」

322: 2009/05/11(月) 22:30:58.12 ID:84DmyPo0
バサルモス 「じいちゃん、溶岩が別の道に流れたよ!」
女児 「あ……さっきまでふさがってたのに、道ができてる……」
銀レウス 「おっし行ぐぞい。人間の娘ッ子ぉ、おめを別のどこにおいでる暇ァねんだァ。おらの背中に潜っとげェ」
女児 「う、うん……(もぞもぞ)」

324: 2009/05/11(月) 22:34:53.92 ID:84DmyPo0
バサルモス 「じいちゃん、こっちでいいの?」
銀レウス 「んだ。そこらへんに、地下に行ぐ道さあるべ」
バサルモス 「本当だ……少し下に、大きな洞窟がある……こんなところ、俺知らなかった」
銀レウス 「キバ代は変人で変態だがんなァ。この隠れ家ァ、おら達しか知らねんだ」

329: 2009/05/11(月) 22:44:39.91 ID:84DmyPo0
バサルモス 「お……俺、大丈夫かな……?」
銀レウス 「何がだァ?」
バサルモス 「ずいぶん怖い人だって聞くけど……」
銀レウス 「なーにオットコの子のくせに怖がっどんだぁ。じいちゃんがいっがら、とっとど進めェ」
バサルモス 「う……」
銀レウス 「女の子も見でっぞぉ」
女児 「……?」
バサルモス 「わ……分かった。俺行くよ!(バッ)」

332: 2009/05/11(月) 22:52:25.36 ID:84DmyPo0
―アカムトルムの洞窟―

バサルモス 「げほっ……げほっ。何だよこれ……何か、変な匂いがする……!」
銀レウス 「キバ代の香水だなァ。鼻がひんまがるわ」
女児 「お花のにおいがする……火山の中なのに……」
バサルモス 「頭が痛くなる……じいちゃん、アカムトルムさんって、男の人なんでしょ?」
銀レウス 「バカたれ。聞こえてっがもしんねェ。あいづの前で、絶対ンなこと言うんでねェぞ」
バサルモス 「う……うん」
女児 「(男の人……? でも、すごい香水の匂い…………)」

333: 2009/05/11(月) 22:53:30.21 ID:84DmyPo0
女児 「(あ……! 何か、すごく大きないびきが聞こえる……!)」
女児 「(空気が震えてる……)」
バサルモス 「よっ……と。何だろう……広間かな? じいちゃん、出たけど誰もいないよ。すごいいびきは聞こえるけど」
銀レウス 「寝てんのがいあいづ。この火山の一大事に……」
女児 「(すごく近くから、いびきがきこえるけど……)」
女児 「(何もいないよね……)」

335: 2009/05/11(月) 22:55:01.93 ID:84DmyPo0
銀レウス 「なーに言っでんだぁ。目の前にいるじゃねぇが」
バサルモス 「目の前って……どこさ?」
女児 「(あれ……? よく見ると、これ……壁じゃない……?)」
女児 「(うごいてる……!)」
女児 「(こ、これ……この広間、もしかして……)」
女児 「(床全部、モンスター!?)」
バサルモス 「うわっ……こ、これ……尻尾!?」

338: 2009/05/11(月) 23:00:02.42 ID:84DmyPo0
銀レウス 「こんれェェ! 起きろぃ、キバ代!」
アカムトルム 「Zzz……」
銀レウス 「起ぎろっつって(ヒュゥゥゥ)るんじゃろうが!(ゴウッ)」
アカムトルム 「(ズドォォォン)…………」
女児 「きゃぁぁ!」
バサルモス 「じいちゃん、そんないきなり、火の玉なんて……!」
アカムトルム 「Zzz……」

339: 2009/05/11(月) 23:01:06.84 ID:84DmyPo0
バサルモス 「寝てる……!」
銀レウス 「すっがたねぇなぁ。バサルゥ、キバ代の鼻の穴ァ開げろィ」
バサルモス 「え? これかな……こ、こう?」
女児 「(鼻だけで、わたしの体くらいある……」
アカムトルム 「Zzz……」
銀レウス 「(ひゅぅぅぅ)ちぇすと!(ゴウッ)」
アカムトルム 「(ズボッ)…………」
女児 「(鼻の中に、火の玉が……!!)」

340: 2009/05/11(月) 23:05:31.19 ID:84DmyPo0
アカムトルム 「…………(ビクゥッ!)ひぃ! 加齢臭が……加齢臭が!!」
バサルモス 「うわぁぁあ!」
女児 「きゃあああ!!」
アカムトルム 「キャァァァァ!!!」
銀レウス 「やかまっし!」

342: 2009/05/11(月) 23:21:03.33 ID:kIYLAhM0
アカムトルム 「はぁ……はぁ……な……何か、と、とても嫌な夢を見たわ……」
女児 「(お……おっきい……何、これ……)」
女児 「(これ、ぜんぶ竜さんなの……?)」
女児 「(それに、声がすごく太いのに……)」
女児 「(男の人……なんだよね……)」
アカムトルム 「……あらまぁ、グランパ! なーにやってるのぅ! ここは乙女の寝室よぅ!(くねくね)」
銀レウス 「やかましわ! 何が乙女じゃ。それより、おめ、火山にハンターさ攻めてぎてんのになーにゆったり寝でるだ」

343: 2009/05/11(月) 23:22:10.38 ID:kIYLAhM0
アカムトルム 「はァ!? 人間? 冗談言っちゃやぁーよ。ここ最近、人間なんてだーれも来ないじゃない」
女児 「…………」
アカムトルム 「……って人間!? キャァァ! 人間よぉぉぉ!!」
女児 「!! きゃあああぁ!!」
アカムトルム 「キャァァァァァ!!」
銀レウス 「チェストォ!(ゴウッ)」
アカムトルム 「(ズボッ)ひぃ! 加齢臭! ものすごい加齢臭がするわ!!」

344: 2009/05/11(月) 23:23:22.11 ID:kIYLAhM0
バサルモス 「ア……アカムのおじ……お姉ちゃん! この子は、クックおじさんの子だよ」
女児 「灰色の竜さん……」
アカムトルム 「はぁ……はぁ……アタシ疲れてるのかしら……あら、バサルちゃん」
バサルモス 「ど……どうも……」
アカムトルム 「なーんだか、そんなこと聞いたような聞かなかったような。でも、ま、アタシ女の子には興味ないから、別にいいか」
女児 「…………」
バサルモス 「おじ……お姉ちゃん!」
アカムトルム 「なぁに? 坊やだったら大歓迎よ(くねくね)」
バサルモス 「え……ええと……違うんだよ! 本当にハンターが来てて、パパが連れて行かれちゃうんだ!」

345: 2009/05/11(月) 23:24:22.67 ID:kIYLAhM0
アカムトルム 「ふへぇ? 何よそれ。ね、マジにハンターが来てるって感じなのぉ? マジ系?」
銀レウス 「だからそうじゃと言っておる。とっどと支度をせい。おめ、火山の管理責任だべさな」
アカムトルム 「えぇぇ~折角お風呂に入ったのにぃ」
バサルモス 「おじさ……お姉ちゃん、お願いだよ。パパを助けてあげて!」
アカムトルム 「……う~ん……純情ボウイに頼まれたら、そりゃま、行かないわけにはいけないけどねェ」
バサルモス 「ほんと!?」
アカムトルム 「あぁ駄目! そんな綺麗な瞳でアタシを見つめないで!」
バサルモス 「へ!? 何!?」
銀レウス 「馬鹿なごど言っでんじゃね! 行くぞい!(バサァ)」
アカムトルム 「あぁん! んもう、仕方ないわねーぃ!」

378: 2009/05/14(木) 21:05:28.49 ID:ii/eXkg0
―火山、崖―

ガルルガ 「……ちぃぃ。何だよクソッ。じじいのせいで台無しだ!」
ヒプノック 「でもブラザー、仕方ねぇぜこりゃ。銀さんはナルガの野郎の育ての親だ。下手に手ェ出せねーよ。ドントタッチヒム」
ガルルガ 「…………(ガッ)」
ヒプノック 「おいおい、八つ当たりするなよ。アンタの言う通り、俺ァちゃんとビジネスしたぜ? OK?」
ガルルガ 「……むしゃくしゃが収まらねェだけだ。ここまで来た意味がねェ」

379: 2009/05/14(木) 21:06:24.56 ID:ii/eXkg0
ヒプノック 「メラルーでも虐めてくか?」
ガルルガ 「いや…………つか、マジで猫がいねェな。いくらグラビが暴れてるつっても、いつものこった。警戒しすぎだろ」
ヒプノック 「言われてみりゃァな……ま、猫の考えることなんざ知らねーけど。俺帰るぜ? 妹が怒る。ブラザーは?」
ガルルガ 「……銀レウスがあのガキ保護しちまったんなら、下手に見つからねェ方がいいだろうな……帰るしかねェ(ズンズン)」

380: 2009/05/14(木) 21:07:00.94 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(ズンズン)……? 何か、下の方が騒がしくねェか?」
ヒプノック 「(ズンズン)そういや……崖の下がざわついてるな。何だ? 猫が集まってカーニバルでもやってんのか?」
ガルルガ 「それにしちゃァ、鉄の音がするな……ここから覗けるか……(ずいっ)」
ヒプノック 「ヘヘッ。祭やってんなら邪魔してやろうぜ(ずいっ)」

381: 2009/05/14(木) 21:08:42.19 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「…………いや、違う! ありゃ、ハンターの武器の音だ!!」
ヒプノック 「何ィ!? ……お……おい。今チラッと見えたぞ……何でハンターが!」
ガルルガ 「分からねェ……分からねェが、尋常じゃねェ数だ。何十人もいる……」
ヒプノック 「ちょっ、ちょっ、ちょっ。俺ァ御免だぜ! もう二度と人間は相手したくねェ!」
ガルルガ 「…………」

382: 2009/05/14(木) 21:11:30.86 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(何だ……やっぱ人間だ……)」
ガルルガ 「(ちぃぃ! 溶岩の臭いと音で、気づかなかった!)」
ガルルガ 「(だから猫が一匹もいなかったのか……)」
ガルルガ 「(だが、この辺の鉱石はもう、奴らに採り尽くされてるはずじゃ……)」
ガルルガ 「……!!」

384: 2009/05/14(木) 21:16:58.58 ID:ii/eXkg0
ヒプノック 「ヘイブラザー……ありゃ……」
ガルルガ 「チッ……!! グラビのバカ野郎だ! あのカス、人間にとっつかまりやがった!!」
ヒプノック 「ひでぇ……縛り付けて引きずってくぞ。あいつ、意識がねぇのか!」

385: 2009/05/14(木) 21:17:19.15 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(あのヤク中は、ここ最近、ずいぶんと弱ってた……)」
ガルルガ 「(ラリってる途中で、つけこまれたんだ……!!)」
ガルルガ 「(どうする……? まだ、アカムトルムも気づいてない……?)」
ガルルガ 「(待てよ……さっき銀レウスと一緒にバサルモスもいた……)」

386: 2009/05/14(木) 21:18:03.66 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(……! 応援を呼びに行ったのか! なら、アカムトルムがじきにここに来る……)」
ガルルガ 「…………」
ガルルガ 「…………? (笑い声……?)」
ガルルガ 「(笑ってんのか? ……これは、人間の笑い声か……?)」

387: 2009/05/14(木) 21:19:11.25 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(何だ……? 何だこの楽しそうな声……)」
ガルルガ 「(何がそんなに嬉しい……? 何がそんなに楽しい……?)」
ガルルガ 「(俺から全てを、かかさまを奪ったてめぇらが、何で笑ってンだ?)」
ガルルガ 「(笑ってやがる……これは笑い声だ!!)」

388: 2009/05/14(木) 21:19:37.23 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(楽しいのか……楽しいのか!? 人間! てめぇらは今、楽しいのか!?)」
ヒプノック 「ど、どうするブラザー? 助けを呼んだほうがいいんじゃねぇか? それとも逃げるか?」
ガルルガ 「……今ここに俺らがいんのは秘密だ。助けを呼ぶなんて論外だ……てめぇ一人で逃げろ」
ヒプノック 「いや、俺は逃げるけどよ、ブラザーは?」
ガルルガ 「…………人間どもが…………くそが……」

390: 2009/05/14(木) 21:20:50.97 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「俺の目の前で、群れて堂々と…………」
ガルルガ 「(ギリ……)」
ガルルガ 「(かかさまのカタキどもだ……)」
ガルルガ 「(頃してやる……)」
ガルルガ 「(どいつもこいつも皆頃しだ……!!)」
ガルルガ 「俺は……奴らを頃してくる」
ヒプノック 「WHAT!? やめろよ!! グラビにゃぁ、むしろ迷惑してんだ! ほっとけって。あんな数相手にしたら氏ぬぞ!」

392: 2009/05/14(木) 21:23:04.49 ID:ii/eXkg0
>>391
すみません、明日ルーターなどが届くことになっておりますので、時間などはまだ分からないです
設定などができましたら、書き込ませていただきます
その時はよろしくお願いします

393: 2009/05/14(木) 21:23:31.31 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「俺は氏なねェ。俺は戦士だ。一人でやれる……臆病者は消えろ……(ゴルルルル)」
ヒプノック 「(ブラザーの目がイッちまってる……!)」
ヒプノック 「(キレてるぜ……こりゃやべェ)」
ヒプノック 「で……でもよ……」

394: 2009/05/14(木) 21:23:49.76 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「人間は一匹も許さねェ。土足で上がりこみやがって。許さねェ。一人残さず頃してやる……」
ヒプノック 「無茶だ! 待てよブラザー!」
ガルルガ 「アカムが来る前に、俺一人でカタァつけたらァ! グラビなんざどうでもいい!」
ガルルガ 「人間が……俺の目の前で……笑ってやがる……(ギリギリギリ)」
ガルルガ 「絶対に許さねェ!(バサァ!) 絶ッ対ッに許さねェッェ!」

395: 2009/05/14(木) 21:26:15.84 ID:ii/eXkg0
―火山、中央エリア―

キリン 「はぁ……はぁ……暑い……」
クック 「キリンちゃん、無理をするな。君は雪山から出たことがないんだろう?」
キリン 「でも……女児ちゃんが、ここにいるかもしれないんですよね……私、迎えにいってあげなくちゃ……」
クック 「…………」
キリン 「人間でも、あんなに優しい子がいるんですもの……みんな……みんな仲良くできるはずだわ」
クック 「ああ……そうだな……」
キリン 「本当にヒプノックさん達が、こんなところに……? あの方達、女児ちゃんのことを誤解してる!」

396: 2009/05/14(木) 21:28:09.51 ID:ii/eXkg0
クック 「……彼らの気持ちは分かるんだ。特に、リーダー格のガルルガさんの気持ちは、よく……」
キリン 「おじさま……?」
クック 「君は、三年前のシュレイド城に参加していなかっただろう。なら、知らないと思うが」
キリン 「ええ……悲惨な戦いだったって、聞いたわ」
クック 「ガルルガさんも、ヒプノックさんもその戦いで大切なものを失くしている。家族も、友人も」
キリン 「…………」

397: 2009/05/14(木) 21:29:01.96 ID:ii/eXkg0
クック 「誰よりも私は、それを知っている。だから、彼に強く言うことができなかった。人間を認めろとは、私は言えなかった……」
キリン 「おじさまは、何も悪くないわ……」
クック 「いや……私の弱さだ。口ではどんな奇麗事を言っていても、本当に人を許せないのは、私の方かもしれない……」
キリン 「おじさま……」

398: 2009/05/14(木) 21:30:27.62 ID:ii/eXkg0
クック 「溶岩の暑さが尋常ではないな……飛ぶことができん。私は比較的暑さは気にならないが、本当に大丈夫か?」
キリン 「雷の力を薄く周りに張ってみました……少し楽になったわ」
クック 「そんなこともできるようになったのか。頼もしい」
キリン 「おじさま、グラビモスさんって、私お会いしたことがないのだけれど……大丈夫かしら。心配だわ」

400: 2009/05/14(木) 21:31:15.09 ID:ii/eXkg0
クック 「火山には、覇竜アカムトルムがいる。彼がいれば、問題はないと思う」
キリン 「なら、いいのだけれど……」
クック 「それより、問題は火山に取り残された女児が、この高温に耐え切れるかということだ。人間は、長くはもたない」
キリン 「……早く見つけてあげなきゃ……」

401: 2009/05/14(木) 21:32:08.30 ID:ii/eXkg0
クック 「(猫もガブラス君たちも避難したのか……これでは、どうやって探したらいいのか……)」
クック 「(私の傷も開いてきた……)」
クック 「(しかし、キリンちゃん一人に任せるのは危険すぎる……)」
クック 「(それに、女児は……)」
クック 「(私が行かなければ、また、取り返しのつかない傷を負うことになってしまう)」

402: 2009/05/14(木) 21:32:30.91 ID:ii/eXkg0
クック 「(やはり、熱気で危険だが、空から探すしかないか……)」
クック 「……? どうした、キリンちゃん。先に進むぞ」
キリン 「おじさま、あれ、何かしら……?」
クック 「あれ?」

403: 2009/05/14(木) 21:33:04.22 ID:ii/eXkg0
×××××× 「……………………」
クック 「…………」
キリン 「…………」
クック 「あれは……ヴォルガノスさんじゃないか!」
キリン 「溶岩の中から、首だけ出してこっちを見てる……」
ヴォルガノス 「………………」
クック 「ヴォルガノスさん! 久しぶりだな、私だ。イャンクックだよ! 力を借りたい。少しこちらに寄ってもらえないか?」
ヴォルガノス 「………………(ズズズ)」

405: 2009/05/14(木) 21:34:03.51 ID:ii/eXkg0
クック 「何年ぶりだ? いやぁ、久しぶりだ」
キリン 「お……おじさま、この方は?」
クック 「あぁ、こちらは溶岩竜のヴォルガノスさん。ガノトトスさんのお兄さんだ。彼女はキリンさんだ」
キリン 「ガノス兄様の? お兄様がいらっしゃったの!? こんにちは、私雪山の……」
ヴォルガノス 「……知っていやす。愚弟から話を聞いたことがありやすんで」

406: 2009/05/14(木) 21:36:08.74 ID:ii/eXkg0
キリン 「あ……そ、そう、ですか……」
ヴォルガノス 「聞きなれねェ声がすると思ったら、クックの旦那かい……ここいらは今、ちょっくら不穏だ。帰るが吉よ」
クック 「そうはいかないんだ。頼む、私は溶岩の中を通って別エリアには行けない。手伝ってくれ」
ヴォルガノス 「…………話だけは聞かせてもらいやしょうか…………」

407: 2009/05/14(木) 21:37:10.08 ID:ii/eXkg0
クック 「…………そういうわけなんだ。熱気がすさまじすぎて、私では飛び立つことが困難なんだ」
キリン 「お兄様、私からもお願いします。女児ちゃんを探してください!」
ヴォルガノス 「…………気にいらねェこってすな…………」
キリン 「……!?」

408: 2009/05/14(木) 21:37:46.98 ID:ii/eXkg0
ヴォルガノス 「お二人仲良ォ、人間のお味方ですかぃ。童とぁ言えど、あっしはとてもとても、助ける気になんざぁなりやせん」
クック 「そこを曲げて頼めないか」
ヴォルガノス 「勝手にやんなせぇ。あっしには関わり合いのねぇことでござんす(くるっ)」
キリン 「そんな……! あの子は、人間だけれど、とてもいい子で……」

409: 2009/05/14(木) 21:38:33.56 ID:ii/eXkg0
ヴォルガノス 「お嬢さん……あんたが幻獣であるように、あっしが魚竜であるように、人間は人間さァ」
キリン 「……!!」
ヴォルガノス 「面ァいくら取り繕って、カエルの子はカエルってな……」
キリン 「でも……」

410: 2009/05/14(木) 21:39:16.78 ID:ii/eXkg0
ヴォルガノス 「会ったばかりのあっしが言うのもおかしな話だが、情をかければかけるほど、後々辛くなりやすぜぃ」
キリン 「…………」
ヴォルガノス 「本当なら、わらしべにァ、人生の先輩がそう、教えてやらにゃぁいけんと思いやすがね……」
クック 「……分かっている。そこを、曲げて頼んでいるんだ」
ヴォルガノス 「…………」

411: 2009/05/14(木) 21:40:47.60 ID:ii/eXkg0
ヴォルガノス 「…………(ズズズ)」
キリン 「あぁ! 待ってください!」
ヴォルガノス 「(トプン)」
キリン 「行ってしまった……」
クック 「キリンちゃん、私達も歩き回って探そう。早く」
キリン 「……あんな方だったとは思わなかったわ。トトスさんとは全然違う……!」

412: 2009/05/14(木) 21:41:54.30 ID:ii/eXkg0
クック 「ヴォルガノスさんは、損得で動くような男ではないよ」
キリン 「え……?」
クック 「彼は義理人情を最も大切としている。私からの頼みだ。無碍にしたりはしないと思う」
キリン 「それじゃ……」
クック 「ああ。しかし私達も時間を無駄にはできない。女児が待っているからな」
キリン 「……はい!」

413: 2009/05/14(木) 21:43:58.81 ID:ii/eXkg0
―火山、西エリア―

アカムトルム 「ふぁぁぁあ……やぁねぇ。メイクの時間くらいとってくれないのォ? こんなんじゃアタシ恥ずかしい! 最悪よ!」
銀レウス 「ガタガタ抜がすなぃ! くっちゃべってる暇ァあっだら、とっどと足動がせや!」
アカムトルム 「ひぃっ、やめて、顔近づけないで。老人の臭いが美肌に移っちゃう!」
銀レウス 「やかまし!」

414: 2009/05/14(木) 21:48:07.34 ID:ii/eXkg0
バサルモス 「……俺達は危険だから下がってろってことだけど……女児ちゃん、だっけ。大丈夫?」
女児 「うん。頭に乗せてくれて、ありがとう」
バサルモス 「俺、人間の女の子って初めて見たよ。女の子って、鱗がないんだね」
女児 「うろこ?」
バサルモス 「ママが、人間は大きくなると鱗が生えるって言ってた。君もそうなの?」
女児 「(よろいのことかな……)どうだろ……」

415: 2009/05/14(木) 21:50:07.51 ID:ii/eXkg0
銀レウス 「……ぬっ。ここで止まれぃ」
アカムトルム 「…………人間の臭いね。やぁねぇ。何この数」
バサルモス 「おじさ……お姉ちゃん。臭いだけで分かるの?」
アカムトルム 「アタシを誰だと思ってるのーぅ! 夜の女王って呼ばれてたのよ!」
バサルモス 「女王……?」

416: 2009/05/14(木) 21:50:57.34 ID:ii/eXkg0
アカムトルム 「火薬の臭いも多いわねぃ。あら、血の臭い。グラビちゃん、やられちゃったのねェ。だらしないわぁ」
バサルモス 「パパが!? おじさん、パパは大丈夫なの!?」
アカムトルム 「ええ。まだ息はあ、おじさん!?」
銀レウス 「アカム。おめ、手っ取り早ぐ突っ込んで、グラビだけ奪い返じで来い。人間はなるべく頃すでねぞ。おらが援護するだ」

417: 2009/05/14(木) 21:54:56.45 ID:ii/eXkg0
アカムトルム 「……えぇ? やぁだぁ、めんどくさいぃ(くねくね)」
銀レウス 「じゃかしわ。とっとど帰りでんなら、言う通りにせ」
アカムトルム 「奇襲は嫌いじゃないけどぉ。突撃したら、お肌が汚れちゃうじゃない」
銀レウス 「ええがら行け」

418: 2009/05/14(木) 21:56:04.66 ID:ii/eXkg0
アカムトルム 「やぁよ。アナタ、アタシのつるんつるんの肌を何だと思ってるの!」
銀レウス 「全力でささくれ立っどるでねが」
アカムトルム 「なっ……きぃぃ! 誰であろうと、アタシのお肌を馬鹿にするのは許さないわ!」
銀レウス 「おめの特徴なんざ無駄に長ェ牙だけなんだがら、四の五言うんじゃね!」
アカムトルム 「人が気にしてることをォォ!」

419: 2009/05/14(木) 21:57:23.88 ID:ii/eXkg0
バサルモス 「……あぁ……本当だ。人間達が、あんなに沢山列を作って出てきた……」
女児 「ハンターが…………」
女児 「(ぶるぶる)」
バサルモス 「どうしたの? ハンターが怖いの?」
女児 「(こくり)」

420: 2009/05/14(木) 21:58:37.40 ID:ii/eXkg0
バサルモス 「えぇ? だって、君同じ人間だろ……何で………………あっ! パパだ!!」
女児 「……! (本当。黒い竜さんにそっくり……)」
バサルモス 「あんなに縛られて、杭を打ち込まれて……パパは確かに乱暴者だけど、時々俺に優しくしてくれるんだ……」
女児 「…………」
バサルモス 「ママも俺も、優しいパパが大好きなんだ……なのに、あんな風に!!」

421: 2009/05/14(木) 21:59:46.51 ID:ii/eXkg0
アカムトルム 「あぁ……何かヤル気なくしちゃったなぁ……」
銀レウス 「おめそごに直れ。引っぱたいてやっがら」
アカムトルム 「脱力系って感じ? 気分が乗らないっていうかぁ?」
バサルモス 「火山を出ちゃうよ……! お……姉ちゃん、早く!!」

422: 2009/05/14(木) 22:01:30.38 ID:ii/eXkg0
アカムトルム 「純情ボウイ……深く傷ついたアタシの心に、容赦なく鞭を入れようとするのね……でも、嫌いじゃないわそういうの」
バサルモス 「早く!!」
アカムトルム 「あぁん! そんなに必氏な目でアタシを見ないで! 我慢が……我慢ができなくなっちゃう!!」
バサルモス 「さっきから何言ってるの!?」

423: 2009/05/14(木) 22:02:59.73 ID:ii/eXkg0
バサルモス 「じいちゃん、この人駄目だよ! 何か別の世界の人だよ!」
銀レウス 「ちぃ。しがたねな。じいちゃん一人でやってみっが……」
バサルモス 「でも、あの人数のハンター相手に……」

425: 2009/05/14(木) 22:05:54.64 ID:ii/eXkg0
銀レウス 「ナメんでねぇ。じいちゃんは、昔ィばあちゃんと『悪運の踊り子(バッドラックダンサー)』て呼ばれてだぐれぇだ」
バサルモス 「じいちゃん、無理だよ!」
銀レウス 「氏んだらそごまで、悪運(バッドラック)と踊る(ダンス)っちまっだっでこどよ! まだおらの運は尽きでねェ!」
バサルモス 「俺も行く。じいちゃん、俺も……」

426: 2009/05/14(木) 22:07:37.70 ID:ii/eXkg0
×××× 「(ヒュオォォォ!)ギャオオオオオオ!」
女児 「ひっ……」
バサルモス 「うわっ! 何か頭の上を飛んでった!」
銀レウス 「ありゃ……ガルルガの小僧でねか! 何すでんだあいづ!」
アカムトルム 「(ピクッ)ガルルガ……?」
ガルルガ 「がぁぁああ! 氏ね! 氏ねぇぇえ! くそ人間どもぉっぉお!(ゴウッ! ゴウッ!)」
銀レウス 「……あんのバカ! めたらやっだら暴れ始めおった! 奇襲作戦が台無しじゃい!」

427: 2009/05/14(木) 22:09:27.47 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(人間……)」
ガルルガ 「(……人間……)」
ガルルガ 「(どいつもこいつもくたばれ……)」
ガルルガ 「(くたばれ!!)」
ガルルガ 「(かかさまの墓前で笑うか……! てめぇらのその汚く下品な声を響かせるか!!)」

428: 2009/05/14(木) 22:11:31.25 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(許せねェ許せねェ絶ッ対に許せねェ!!)」
ガルルガ 「ガァァアア! (ゴウッ! ゴウッ!)」
ガルルガ 「(皆頃しだ! こいつら一匹たりとも、生かして帰すものか!)」
ガルルガ 「(一人残らず皆頃しだ!!)」

429: 2009/05/14(木) 22:13:54.89 ID:ii/eXkg0
初心者ハンター達 「(ズドォォォン!)うわああ!」
初心者ハンター達 「(ズゥゥゥン)ひぃいい! 何だ!? ただの獲物の運搬じゃなかったのかよ!」
初心者ハンター達 「(ドォン!)ぎゃああ!」
オトモアイルー達 「ギニャァア! このガルルガ尋常じゃねェニャァァ!!」
オトモアイルー達 「パねェ! マジパねェニャァアア! ギニャアア!(ズドォォン)」
初心者ハンター達 「何だこいつ!? 早ェ! うわああ!」
初心者ハンター達 「くそっ! 撃て! ありったけ撃ちこめ!!」

430: 2009/05/14(木) 22:17:20.24 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「!!」
初心者ハンター達 「構えろォォ! 撃て!!(ズドドドドドド)」
ガルルガ 「ギャオオオオ!!」
初心者ハンター達 「! 効いてる!」
初心者ハンター達 「この数で集中砲火すりゃ、俺達だって!!」
ガルルガ 「ギャァア! グ……ガアア!(ドドドドド)」

431: 2009/05/14(木) 22:21:16.73 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(ちぃぃぃ! こいつら、弱ェくせに!)」
ガルルガ 「(群れねェと何もできねェくせに!! 弱くて卑怯なゲス野郎どものくせに!!)」
ガルルガ 「(俺はやれる……俺は違う! 独りでもやれる!)」
ガルルガ 「(人間は許さねェ……やつらを庇うクズどもも許さねェ! 全部敵だ!)」

432: 2009/05/14(木) 22:22:26.94 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(敵だ! 俺は一人で殺れる! 敵なんだ!! 敵を殺せる!)」
ガルルガ 「(そうだろォ……俺は強いんだ……)」
ガルルガ 「(俺は強いはずなんだ!! 強いはず……)」
ガルルガ 「(強い……)」

433: 2009/05/14(木) 22:23:19.70 ID:ii/eXkg0
初心者ハンター達 「氏ねぇ!!(ドォォォン!)」
ガルルガ 「!!? (ズッ……ドォォォ!)ギャアアア!」
初心者ハンター達 「手甲榴弾がモロに入ったぞ! 畳みかけろ!!」
初心者ハンター達 「(ズドドドドドド)」
ガルルガ 「ガガ……ガ……(よろ……)」

434: 2009/05/14(木) 22:25:11.93 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(倒れねェ……俺は倒れねェぞ……)」
ガルルガ 「(ここで倒れたら、あの時と同じだ……)」
ガルルガ 「(卑怯で下衆な手で、また……)」
ガルルガ 「(俺はやられねェ……こいつらなんかに……このちっぽけなクズどもになんて負けねェ……)」
ガルルガ 「(俺は……)」
ガルルガ 「(ズゥゥゥン)……!! …………ッ」
初心者ハンター達 「が……顔面ド真ん中だ! どうだ!!」

435: 2009/05/14(木) 22:25:47.78 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(ガクガク)」
初心者ハンター達 「こ……こいつ、これだけ撃たれて、まだ倒れねェ……!!」
初心者ハンター達 「どうなってんだ! この数でやれねェ相手じゃねぇはずだろ!!」
ガルルガ 「…………」

436: 2009/05/14(木) 22:27:54.65 ID:ii/eXkg0
ガルルガ 「(あァ……前にもこんなことが……)」
ガルルガ 「(奴らが、遅れて助けに来て……)」
ガルルガ 「(そのせいで、かかさまは……)」
ガルルガ 「(そうだ、奴らが遅れてきて……こいつらが下衆すぎたから……)」
ガルルガ 「(俺は弱くない……俺は独りでも……)」

437: 2009/05/14(木) 22:28:30.93 ID:ii/eXkg0
アカムトルム 「ギャオォォォォオオ!(ズンズンズンズン)」
ガルルガ 「……(何だ……赤い、でっけェ……)」
ガルルガ 「(あの……役立たず……)」
アカムトルム 「シャァァアア!」
初心者ハンター達 「…………な……何だアアッァ!?」
オトモアイルー達 「ビィェアアアア!!」
初心者ハンター達 「覇竜!? 何でこんな、里の近くに!!!」
アカムトルム 「ガァアアア!(ズゥゥゥン)」
初心者ハンター達 「ぎゃああああ!」

443: 2009/05/14(木) 22:56:03.51 ID:ii/eXkg0
>>439
すみません、少し脳が停止しておりました
ご心配痛み入ります

フロンティアはあまりやっていないのですが、2ndGならやっています
ソロが多いので、ハンターランクはG★2で止まっています
3もやりたいのですが、ウィーをどうしようか考えています。くるぺっこは倒したいですね

Xlinkのことも良く分からないのですが、設定ができたら書き込ませていただきます
何かありましたら、教えていただけると嬉しいです

明日で一週間が終わりますね。かなり寒いですが、みなさんも体調にお気をつけください
それでは、おやすみなさい

468: 2009/05/17(日) 21:02:40.41 ID:IOvjNss0
―火山、中央エリア―

ハンマー 「!? 何だ、前が随分と騒がしいな……」
ヘビィ 「(ダダダダ)ハンマー、大変だ! 覇竜が出た!! 初心者達じゃ太刀打ちできねぇ!」
ハンマー 「何だと!? シュレイド城の時に出た、あの赤い竜か! どうしてこんなところに!」
ヘビィ 「分からねぇが、この戦力で相手にするのは危険すぎる。獲物を置いて逃げるぞ!」

469: 2009/05/17(日) 21:03:15.34 ID:IOvjNss0
ハンマー 「……!(ダッ)」
ガンランス 「ハンマー! てめぇどこに行くつもりだ!」
ハンマー 「襲われた初心者達を助けに行く。お前達は、他の初心者達を連れて、早く村に避難するんだ!」
ヘビィ 「お前一人じゃ無茶だ!」

472: 2009/05/17(日) 21:04:44.93 ID:IOvjNss0
初心者ハンター達 「ぎゃあああ!(ズドォォォン)」
オトモアイルー達 「ギニャァァァ!!(ドォォォン)」
ハンマー 「(こ……これは……)」
アカムトルム 「ギャォォォォォォ!」
ハンマー 「(大きい……この道具と装備では、戦うのは無理だ……!)」
ハンマー 「(初心者達を、何とか逃がさなければ)」

473: 2009/05/17(日) 21:08:28.64 ID:IOvjNss0
アカムトルム 「(ググ……)ゴォォォォォオ!」
ハンマー 「ぐっ……!!(すさまじい吼え声だ……)」
初心者ハンター達 「う……うわぁ……(ガクガク)」
アカムトルム 「(ズン、ズン、ズン)」
ハンマー 「! 何をしている、逃げるんだ!」

474: 2009/05/17(日) 21:10:28.93 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(ダッ)うぉぉぉぉおお!(ズンッ)」
アカムトルム 「…………(ズン、ズン)」
ハンマー 「くそ……効いていない!? やはりこれでは……うおおお! っぉらあ!(ズンッ、ズンッ)」
アカムトルム 「(ぎょろ)…………(グググ)」

475: 2009/05/17(日) 21:11:40.11 ID:IOvjNss0
ハンマー 「! (あれは、突進の構えだ……まずいぞ!)」
初心者ハンター達 「ハンマーさん!!」
ハンマー 「逃げろ!」
アカムトルム 「(ズンズンズンズンズン)」
ハンマー 「(ドゴォォ!)ぐぁあああ!」

476: 2009/05/17(日) 21:12:48.83 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(ズシンッ)…………が…………」
アカムトルム 「…………(ぎょろ)」
ハンマー 「(ま……まずい。直撃してしまった……)」
ハンマー 「(次に踏まれたらお終いだ……!!)」

477: 2009/05/17(日) 21:13:37.57 ID:IOvjNss0
アカムトルム 「…………(くるっ)……(ズンズンズン)」
ハンマー 「(何……?)」
ハンマー 「(俺を無視した……? 何故……)」

478: 2009/05/17(日) 21:14:20.96 ID:IOvjNss0
アカムトルム 「(はぁ、何かめんどくさいのがいっぱいいるわ……)」
アカムトルム 「(いちいち相手してもらんないわ。とっととグラビちゃんを連れて帰りましょ)」
アカムトルム 「(………………)」
アカムトルム 「(……ガルルガちゃんはどこかしら……)」

479: 2009/05/17(日) 21:16:36.74 ID:IOvjNss0
アカムトルム 「(……いた……)」
アカムトルム 「(随分痛めつけられたようだけど、命に別状はないみたいね……)」
アカムトルム 「(弱いハンター達だったからかしら……)」
アカムトルム 「…………」

480: 2009/05/17(日) 21:17:47.61 ID:IOvjNss0
ガルルガ 「…………はぁ……はぁ……」
アカムトルム 「…………」
ガルルガ 「…………」
アカムトルム 「そう睨まないで欲しいわよーぅ。折角助けてあげたんじゃなーぃ?」
ガルルガ 「…………」

481: 2009/05/17(日) 21:18:11.42 ID:IOvjNss0
アカムトルム 「……(ボリボリ)んま、別に恩を売る気はないけどねぃ。それじゃ、アタシはもう戻るわ(グイッ)」
グラビモス 「………………」
ガルルガ 「…………」
アカムトルム 「気をつけて戻んなさいよぅ」

482: 2009/05/17(日) 21:19:04.54 ID:IOvjNss0
ガルルガ 「…………誰が、助けてくれと頼んだ……?」
アカムトルム 「…………」
ガルルガ 「……何してくれてんだてめェ……? あの時も……」
アカムトルム 「…………」
ガルルガ 「てめぇらが、もう少し早く来てりゃ…………」

483: 2009/05/17(日) 21:20:45.17 ID:IOvjNss0
ガルルガ 「助けたつもりか……恩着せたつもりか……? 誰が頼んだよ……てめぇらみてえな役立たずに……」
アカムトルム 「…………」
ガルルガ 「助けらんなかった、てめぇらみてぇなくそ野郎に誰が何を頼んだァァ! 余計なことしてんじゃねぇぞ!!」
アカムトルム 「……別にィ。アタシはこの子回収に来ただけだしぃ(ぐい)」
グラビモス 「…………」

484: 2009/05/17(日) 21:22:16.16 ID:IOvjNss0
ガルルガ 「…………」
アカムトルム 「氏にたいンなら、勝手に氏ねばァ? ほら、人間残しといてあげたわよぅ?」
初心者ハンター達 「うう……ぐぅ……」
オトモアイルー達 「ニャ……ガ……」
ガルルガ 「…………ふざけんなよ…………」

485: 2009/05/17(日) 21:24:00.42 ID:IOvjNss0
ガルルガ 「強いつもりか……? いつでも殺れるってか!? 何だその余裕……役立たずのくせに、何だその顔はァ!!」
アカムトルム 「…………」
ガルルガ 「はぁ……はぁ……」
アカムトルム 「……背中、乗ってく?」

486: 2009/05/17(日) 21:24:37.52 ID:IOvjNss0
ガルルガ 「…………」
アカムトルム 「あっそ。じゃ、またどこかで生きてたら会いましょ。アタシ帰る」
ガルルガ 「(ペッ)」
アカムトルム 「……(ズンズンズン)」

487: 2009/05/17(日) 21:26:42.51 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(何だ……? 覇竜と、あの黒狼鳥、何か吼え合っていたようだが……)」
ハンマー 「(戦うわけではないのか……?)」
ハンマー 「(覇竜が、捕まえた鎧竜をくわえている……)」
ハンマー 「(くそっ……折角捕獲したのに……!)」
ハンマー 「(あれだけの肉と素材があれば、村もしばらくは……)」

488: 2009/05/17(日) 21:28:20.55 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(………………)」
ハンマー 「(……いや、引き上げてくれたのなら、良かった……)」
ハンマー 「(初心者達を、早く避難させなければ……)」
初心者ハンター達 「うう……痛ェよ……」
オトモアイルー達 「…………ニ゛ャァ…………」
ハンマー 「(初心者では仕方がないが……覇竜一匹で、ここまで……ほとんど壊滅じゃないか……)」

489: 2009/05/17(日) 21:29:20.84 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(黒狼鳥は……動かない)」
ガルルガ 「………………」
ハンマー 「(奴一匹だけなら、俺でもやれるかもしれない……しかし……)」
ハンマー 「(今は、初心者達の避難が先だ……)」

490: 2009/05/17(日) 21:30:44.21 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(また覇竜が襲ってくるかもしれない……)」
ハンマー 「(それに、ここは天井が低い洞窟だ……)」
ハンマー 「(崩落してしまったら大変だ)」
ハンマー 「(刺激しないように、離れるべきだ……)」

491: 2009/05/17(日) 21:31:50.46 ID:IOvjNss0
―火山、中央エリア、崖の上―

銀レウス 「はぁ……はぁ……キバ代め、一体いきなりどうしたんだいの……」
バサルモス 「見て、爺ちゃん! 人間達が沢山倒れてる!」
銀レウス 「! キバ代がやっだんか!」

492: 2009/05/17(日) 21:32:41.03 ID:IOvjNss0
バサルモス 「!! パパだぁぁ!! おじさんが、パパをくわえてる!!」
銀レウス 「よっしゃ。まだ息はあるみでぇだな。ガルルガも……随分怪我をしでおるが……」
女児 「(ぶるぶる)」
バサルモス 「女児、大丈夫だよ! おじさんが、悪いハンターをやっつけてくれたよ!!」

493: 2009/05/17(日) 21:33:44.05 ID:IOvjNss0
女児 「う…………うん…………」
バサルモス 「強いんだね、あの人!! ただの変態じゃなかったんだ! よかった!」
銀レウス 「キバ代め……はよ戻ってごいっつの……バサル、じいちゃんがガルルガのバカ坊主のどこに行ぐがら、おめはこごにいろ」
バサルモス 「爺ちゃん、俺も行くよ。もう人間なんて怖くないよ!」

494: 2009/05/17(日) 21:35:47.65 ID:IOvjNss0
銀レウス 「あほだら。女児もいんだ。おめは女の子守っでろ。それに、人間は何すっがわがんねがらな」
女児 「…………」
バサルモス 「わ……分かった。爺ちゃん、大丈夫?」
銀レウス 「バッドラック(悪運)の申し子をナメんでねぇぞ(バサァ)」
バサルモス 「(…………婆ちゃんはハードラック(不運)の踊り子って言ってたんだけど、どっちが本当なんだろう……)」

495: 2009/05/17(日) 21:36:59.99 ID:IOvjNss0
―火山、中央エリア―

銀レウス 「(バサァ、バサァ)」
ハンマー 「! あれは、銀火竜だと!?」
ハンマー 「(ま……まずいぞ。こんな状況では、相手にするどころの話ではない……!)」
ハンマー 「お前達、早く起きろ! ここから避難するんだ!!」

496: 2009/05/17(日) 21:37:50.00 ID:IOvjNss0
初心者ハンター達 「うう……(よろよろ)」
オトモアイルー達 「ご主人様たち……しっかりするニャ……(よろよろ)」
ハンマー 「(仕方ない……ここは、俺が時間を稼ぐしか……)」
ガンランス 「(ダダダ)ハンマー! まだなのか! ……!! あ、あれは……銀火竜!? それにまだ覇竜もいやがる!」

497: 2009/05/17(日) 21:42:13.69 ID:IOvjNss0
ガンランス 「ハンマー! 何してる!? 早くそこから離れろ!!」
ハンマー 「しかし、まだ初心者達の避難ができていない!」
ガンランス 「ちぃぃぃ! (バッ)撃つぞ、伏せろ!」
ハンマー 「(あれは、打ち上げ樽爆弾G……!)やめろ、ここでそんなものを使うな!!」
ガンランス 「くたばれぇえ!(ドドドドド)」

498: 2009/05/17(日) 21:42:51.25 ID:IOvjNss0
銀レウス 「!(サッ)」
ハンマー 「(崖に……)」
ガンランス 「くそっ、全部避けられた……! ? ……何だ? 地震か……?」
ハンマー 「崖が崩れるぞ! 早く避難を!」
初心者ハンター達 「ひぃぃぃぃ!!」

500: 2009/05/17(日) 21:43:32.91 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(ズゥゥゥン)くっ……岩がどんどん落ちてくる……!」
ハンマー 「ガンランス、初心者達を誘導してやってくれ!」
ガンランス 「あ……ああ!」
ハンマー 「(俺もここを離れなければ……)」

501: 2009/05/17(日) 21:44:29.40 ID:IOvjNss0
ハンマー 「……!?」
ハンマー 「(何だ!?)」
ハンマー 「(崩れていく崖の上に、何かいる……)」
ハンマー 「(あれは、岩竜の子供……!?)」

502: 2009/05/17(日) 21:45:18.43 ID:IOvjNss0
ハンマー 「(何か、背中から下に落ちた……)」
ハンマー 「(!! 人間だ!!)」
ハンマー 「(子供!? どうしてこんなところに!!)」
ハンマー 「(下は溶岩だぞ!! それに、ここからでは間に合わない……!!)」

504: 2009/05/17(日) 21:48:46.81 ID:IOvjNss0
―火山、中央エリア、崖の上―

バサルモス 「うわあああ! 崖が、爆発した!!」
女児 「きゃあああ!」
バサルモス 「お……落ちる! (ガシッ)ひぃぃぃい!」
女児 「(ズルッ)えっ……」

505: 2009/05/17(日) 21:52:04.29 ID:IOvjNss0
バサルモス 「女児!? ちゃんとつかまって!!」
女児 「(グラグラ)きゃああ!」
バサルモス 「女児! 女児ー!!」
バサルモス 「女児が! うわああ!」

506: 2009/05/17(日) 21:53:48.79 ID:IOvjNss0
―火山、中央エリア、入り口―

クック 「な……何だ、この揺れは……!」
キリン 「地震……!? 洞窟が崩れているんだわ!」
クック 「くそっ(バサッ)女児ー!」
キリン 「おじさま! 私も行くわ!(ダダッ)」

507: 2009/05/17(日) 21:54:40.32 ID:IOvjNss0
クック 「……アカムトルムだ! それに、ガルルガさんもいるぞ! あそこにいるのは銀さんか……!」
キリン 「ガルルガさん……女児ちゃんを、ここに連れてきた人ね!」
クック 「人間達が沢山避難していく……この崩落は、アカムトルムのせいなのか……?」

508: 2009/05/17(日) 21:55:18.32 ID:IOvjNss0
クック 「(いや、違う……火山で暮らす竜が、住処を壊すことなど考えられない……)」
クック 「(人間達か……!)」
クック 「(もしかして、こんな場所で爆弾を使ったのか……!!)」
キリン 「おじさま、あそこ!!」

509: 2009/05/17(日) 21:56:44.66 ID:IOvjNss0
クック 「! あれは……バサルモス君! それに……」
キリン 「背中に、女児ちゃんが!」
クック 「助けなければ……!(バサッ)」
キリン 「女児ちゃん! 今……」

510: 2009/05/17(日) 21:58:25.91 ID:IOvjNss0
キリン 「……!!」
クック 「何ィィ! 落ちた!!」
キリン 「そんな……きゃああああ!」

511: 2009/05/17(日) 21:59:25.56 ID:IOvjNss0
クック 「(ヒュゥゥゥゥ)女児ぃぃ!」
女児 「……! (おじさんの声が……)」
女児 「(だめ……おちて……)」
女児 「(熱くて……目が……)」

513: 2009/05/17(日) 22:00:25.81 ID:IOvjNss0
クック 「(ジュウウウ)ぐあああ! (溶岩の熱が……)」
クック 「(前が……前が見えん!)」
クック 「女児ー!!!」

514: 2009/05/17(日) 22:01:36.90 ID:IOvjNss0
クック 「あ……!」
クック 「…………!!!」
クック 「(どこにもいない……!!)」
クック 「(女児……!)」
クック 「(女児! まさか……)」

515: 2009/05/17(日) 22:02:28.81 ID:IOvjNss0
クック 「(間に合わなかったのか……!!)」
クック 「(目の前で……見えていたのに! この目に、落ちる姿が見えていたのに!)」
クック 「(そんな、そんなバカな!)」
クック 「(そんな……!!)」

516: 2009/05/17(日) 22:03:45.46 ID:IOvjNss0
クック 「(私は、一度ならず二度までも……)」
クック 「(目の前で、子供を助けられなかったのか!)」
クック 「(助けられた……)」
クック 「(もう少し早く来ていれば、助けることができた……!)」
クック 「(私は……!)」
クック 「(…………)」

517: 2009/05/17(日) 22:04:53.46 ID:IOvjNss0
クック 「(グルルルルル……)」
クック 「人間……!」
クック 「何故だ……! 何故こんなことを……」
クック 「何故こんなことをしたぁぁ!」
クック 「私たちが何かをしたか!? 女児が何かをしたか!!」
クック 「何故だぁぁ!(バサァッ)」

518: 2009/05/17(日) 22:07:11.67 ID:IOvjNss0
ハンマー 「……! 怪鳥が、こっちに突っ込んでくる!」
クック 「ガァァアァ!(ヒュゥゥゥ)」
ハンマー 「くそ……!」
初心者ハンター達 「はぁ……はぁ……」
ハンマー 「(まだ避難が……)」
ハンマー 「(迎え撃つしかない!!)」

519: 2009/05/17(日) 22:08:49.87 ID:IOvjNss0
クック 「グォォォォォ!!」
ハンマー 「(ガチャコン)…………っおおお!(ブゥン)」
クック 「(ドゴォ)ッ…………ガァァ!」
ハンマー 「何ッ!? 頭に直撃したはずなのに……」

520: 2009/05/17(日) 22:10:18.83 ID:IOvjNss0
クック 「ゴォォォォ!」
ハンマー 「……!」
ヘビィ 「ハンマー! 何してる! 伏せろ!(ガチャコン)」
ハンマー 「(バッ)」
ヘビィ 「取っておきの拡散弾を食らわしてやる! てめぇらに一泡吹かせなきゃ帰れねェ!(ドォン!!)」
キリン 「おじさまぁぁ! よけてぇぇ!(ダダダッ)」

521: 2009/05/17(日) 22:14:03.32 ID:IOvjNss0
クック 「……! キリンちゃん!?」
キリン 「(ドゴォォォッ)きゃあああああ!」
キリン 「(ズゥン)…………! …………」
クック 「あ……あぁ……キリンちゃん!?」
ヘビィ 「ざまあみろ化け物め! ハンマー、早く来い!(ガシャコン)」

522: 2009/05/17(日) 22:15:38.59 ID:IOvjNss0
キリン 「…………ゲホ……ゲホ…………」
クック 「許さん……貴様ら……貴様らああ!(ギャォォォォォ!!)」
ハンマー 「(あれは、キリン……?)」
ハンマー 「(確か、先日……村の道具屋に、キリンのたてがみが……)」
ハンマー 「(俺は、あの時女の子を見た……)」
ハンマー 「(まさか、さっき溶岩に落ちていったのは、あの子か!?)」

523: 2009/05/17(日) 22:16:09.30 ID:IOvjNss0
ハンマー 「……!! 天井が!」
初心者ハンター達 「うわあああ!」
ハンマー 「早く行くんだ!(ドンッ)」
初心者ハンター達 「ハンマーさん!」
ヘビィ 「ハンマー!!」
ハンマー 「(くそっ……頭上から、大きな岩が……)」
ハンマー 「(よけられない……)」

524: 2009/05/17(日) 22:17:19.66 ID:IOvjNss0
―旧火山、入り口―

ナナ・テスカトリ 「……あなた様、急いで。火山の溶岩が揺れております。人間が何かを……」
テオ・テスカトル 「ああ……しかし、クシャル姉妹を呼びに猫を走らせたが……今からではとても……」
ナナ・テスカトリ 「溶岩の中から、急行するしかありませぬ」

525: 2009/05/17(日) 22:18:31.51 ID:IOvjNss0
テオ・テスカトル 「待て、妻よ(ザザッ)」
ナナ・テスカトリ 「……!! これは……火山方角からの、溶岩川のかさが増えて、あふれ出している……!」
テオ・テスカトリ 「火山の溶岩川に何かがあったのだ」
ナナ・テスカトリ 「道が、塞がってしまっていますわ……大きな岩が流れてきて……」

526: 2009/05/17(日) 22:19:44.56 ID:IOvjNss0
テオ・テスカトリ 「遠回りをするしかあるまい。急ぐぞ!」
ナナ・テスカトリ 「あなた様、お待ちください。あそこに何か……」
テオ・テスカトリ 「ぬ……あれは、ヴォルガノス君ではないか!」
ナナ・テスカトリ 「(ダダダッ)ヴォル君! どうしたのですか、こんなところに打ち上げられて……!!」

527: 2009/05/17(日) 22:21:22.14 ID:IOvjNss0
ヴォルガノス 「………………」
テオ・テスカトル 「頭を、岩でひどく打っている……火山のマグマ層の中を、押し流されてきたのか……?」
ナナ・テスカトリ 「まだ息がある……あなた様、先に火山に向かわれてくださいまし。わたくしは、この子の手当てをいたします」
テオ・テスカトル 「うむ。あい分かった。よろしく頼む、妻よ(バッ)」

528: 2009/05/17(日) 22:22:08.06 ID:IOvjNss0
ナナ・テスカトリ 「ヴォル君、聞こえますか? しっかりしてください、ヴォル君?」
ヴォルガノス 「ウウ……ヴ……」
ナナ・テスカトリ 「……良かった。呼吸もちゃんとしている……」
ナナ・テスカトリ 「しかし、溶岩から引き上げて、ちゃんと打撲の手当てをしなくては……」

529: 2009/05/17(日) 22:23:08.94 ID:IOvjNss0
ナナ・テスカトリ 「……ん? ヴォル君の口から、何か……」
ナナ・テスカトリ 「皮……? 牙に引っかかっているわ……」
ナナ・テスカトリ 「(ごそごそ)……!! これは……!」
ナナ・テスカトリ 「人間の子供……!?」

第五章に続きます

530: 2009/05/17(日) 22:29:23.06 ID:fO8PSEko
乙!
いい所で止めやがってぇぇぇ

531: 2009/05/17(日) 22:29:32.27 ID:iwfUA2Qo
お、今日はここまでか。
三毛猫さん乙~、。

しかし、ナズチの皮便利だなww

533: 2009/05/17(日) 22:31:40.18 ID:UyHvvSko
乙!
毎日見てるよ

534: 2009/05/17(日) 22:35:34.08 ID:IOvjNss0
お疲れ様でした。書き溜めはここまでになります

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次回は火曜日19日の21:00から投稿をさせていただきます
長い時間ありがとうございました

X-linkにも繋ぎましたので、HRフリーの初心者部屋にいることがあるかもしれません
MikenekoMilkというIDですので、お時間が合えば一緒に遊びましょう

それでは、おやすみなさい

引用: イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」