1: 2009/11/14(土) 21:09:00.13 ID:fluDvt3b0

黒子「ジャッジメントですの。おとなしくこのボールに……」

ケーシィ「!」 ――ブゥン
黒子「……って聞くわけありませんわね。でも逃げられると、」 ――ヴゥン

ケーシィ「!!」

黒子「思ってますの?」
ケーシィ「……」

黒子「さ、このボールに入って頂けます?
まぁそう怯えずに。悪いようには致しませんわ」


ケーシィ「……」
黒子「いい子ね」

――
とある魔術の禁書目録 4巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

7: 2009/11/14(土) 21:12:03.60 ID:fluDvt3b0


ぐるるるるるる……

ケーシィ「……」

黒子「お腹空いてますの?」
ケーシィ「……」

黒子「といってもポケモンの食べる物など……ん?」
ケーシィ「……」

黒子「パフェ?」
ケーシィ「……」 

黒子「また随分と乙女な物を……まぁいいですわ。すみませんこのストロベリーサンデーを一つ下さいな」
店員「はーい、少々お待ちください」

ケーシィ「……」
黒子「マイスプーン……」

――

12: 2009/11/14(土) 21:14:41.98 ID:fluDvt3b0
【ジャッジメント第117支部】

黒子「初春、捕まえてきましたわ」
初春「さすがテレポーターですね白井さん、ケーシィは他の支部でも捕まえられずに手こずってたんですよ」

黒子「まぁ確かに難しいかも知れませんわね。この子の使うテレポートは11次元を用いたものではないようですし」
ケーシィ「……」

初春「なんかものすごく白井さんになついてません?」
黒子「甘いものが気に入った様ですわね」

初春「甘いもの?」

13: 2009/11/14(土) 21:17:05.42 ID:fluDvt3b0
黒子「何でもありませんわ。それで、この後はどうすればよろしいのです?」

初春「警備員(アンチスキル)の準備が整い次第、協力して街に入り込んだ黒ずくめの集団の捕縛、
及び、散らばったポケモンの保護だそうです」

黒子「集団ねぇ……学園都市の警備は一体どうなっているのやら」
初春「気をつけてくださいね。『スリーパー事件』なんてものも起こってるみたいですし」


黒子「……全く。厄介な事になりましたわね」

――

16: 2009/11/14(土) 21:21:03.56 ID:fluDvt3b0

学園都市。
能力者が集うこの街に突如として現れた謎の生物。

炎、電気、水、氷……
能力開発を受けた学生達にさえ劣らない現象を引き起こすその生物達を前に、少なからず被害も出始めていた。

さらに現れる、黒ずくめの衣装を身に纏う謎の集団。


黒子が捕獲したテレポーター。
美琴の元で開花する一匹の超電磁砲。
インデックスの元に舞い降りるもう一人の禁書目録。


少女と野生が交差する時、物語は始まる。

――

18: 2009/11/14(土) 21:26:30.63 ID:fluDvt3b0
【???】

「な……なんなんだよそのバケモンは……!!」

?「バケモンじゃなくてポケモンなんだがね。……しかし拍子抜けだな。この程度か、学園都市」
??「あせるな。おい、お前レベルいくつだ」

「……レベル3だけど……」

??「という事は……強能力者か」
?「はぁ、5段階ってのが分かりにくいな。100で表してくれると有難いが……まぁいい」


??「お前はここで、さよならだ」


「え?や、やめ……」

??「ゲンガー、シャドーボール」


「ぎっ……がぁぁぁぁぁあああっっ!!!!」

――

20: 2009/11/14(土) 21:30:22.07 ID:fluDvt3b0
黒子「えぇとニドリーノ……なになに、体調0.9m、19.5キロ、
ダイヤより硬い角、棘に毒……冗談じゃありませんわ……。ん?」

ケーシィ「……」
黒子「ひょっとして……手伝ってくれますの?」

ケーシィ「……」
黒子「お気持ちはうれしいですけど……、――!」

ニドリーノ「グルル……」

黒子「……噂をすれば、ですわね」

21: 2009/11/14(土) 21:34:41.30 ID:fluDvt3b0

黒子「さて、どう攻めて……って、あっ!」
ケーシィ「……」

黒子「待ちなさい!!貴方が勝てる相手じゃ……」
ケーシィ「……!」

黒子(!!テレキネシス……!)

ニドリーノ「グ……ァ……」 ――パタン

ケーシィ「……」
黒子「全く……。ご褒美はパフェでいいのかしら?」

ケーシィ「……」 パァァ

―――

23: 2009/11/14(土) 21:40:08.86 ID:fluDvt3b0
―――

黒子「サンド捕獲、と。これで7匹目ですわね」

ケーシィ「……」 ――ドクン
黒子「?……どうしましたの?」

ケーシィ「……」 ――ドクン、ドクン
黒子(ま、まさか戦闘中のダメージが……!)

ケーシィ「……」 ――ドクン、ドクン、ドクン
黒子「しっかりしなさい!!すぐ病院に……いやポケモンを診る医者など……」

ケーシィ「……」
――ドクン、ドクン、ドクン………

黒子「あぁ……どうすれば……」

ユンゲラー「……」



黒子「……は?」

――

25: 2009/11/14(土) 21:45:45.41 ID:fluDvt3b0
初春「オーキド博士って方の論文によるとですね、戦闘経験を積むことで姿を変えるポケモンもいるみたいです」

黒子「私としては進化前の姿の方が好みなのですけれど。
……というか今回の騒動もその博士を呼べば良いのでは?捕獲チームなり専門家へのツテもあるでしょうし」

初春「統括理事会の方から断ったって話ですよ。捕獲用のボールだけもらえれば学園都市で処理する、って事みたいです」

黒子「はた迷惑な……仕事が増えるのは末端の私達だといいますのに」

初春「あ、でも白井さんこれ見てください。最近更新された学園都市の都市伝説なんですけど」

黒子「またそんなものを……なになに、『高レベルポケモンを駆る謎の少年』?」

28: 2009/11/14(土) 21:52:00.61 ID:fluDvt3b0
初春「『暴走ポケモンや例の黒ずくめの集団から守ってくれる』
『何も言わずに去ってしまうので会話できた人はいない』
それにここ、『赤いキャップをかぶってる』って書きこみが何件も。ちょっと気になりませんか?」

黒子「所詮は噂でしょう。興味ありませんわ」
初春「もー、ちょっとくらい乗ってくれても……」

prrrrrr

初春「はい……はい、白井さんもいます。……はい、17学区ですね。わかりました」
黒子「事件ですの?」

初春「17学区で学生が襲われました。被害者はレベル3認定の念動力者、ポケモン被害の可能性もあるそうです」

黒子「念動力……」
ユンゲラー「……」


黒子(能力的にはこの子もおそらくレベル3程度……危険かもしれませんわね)

――

29: 2009/11/14(土) 22:03:05.02 ID:fluDvt3b0
初春「置いてかれちゃったね」
ユンゲラー「……」
初春「心配なんですよきっと。襲われたのは君と同じ能力の人だし」

ユンゲラー「…………」

―――

初春『監視カメラの映像が来ました。
犯人はポケモンと例の黒づくめの人間が二人。学生を襲うところが映っています。
ポケモン名ゲンガー。シャドーポケモン、ゴーストタイプ。
現在13学区を移動中。座標送ります』

黒子「了解」 ――ヴゥン

―――

ブゥン

初春「これでよし、と。……あれ?」


初春「……おヒゲちゃん?」

―――

30: 2009/11/14(土) 22:14:33.29 ID:fluDvt3b0

黒子「――いた!待ちなさい!!」
??「ん?」

黒子「ジャッジメントですの。傷害及び器物損壊の容疑で拘束します」
?「ジャッジメント?……よく分からんが警察の様なものか?」

黒子「そう考えて頂いて構いませんわ」

?「見たところ丸腰のようだが、お前も能力者か。レベルは?」
黒子「レベル4認定ですの。能力は……実際に体験なさいます?」

?「4!楽しめそうだ!!」
黒子「!」

?「出ろ、ゲンガー!」

――

32: 2009/11/14(土) 22:24:38.03 ID:fluDvt3b0
黒子「醜悪な……」
?「先に名乗っておこう。俺がカール、こいつがハインツ。お前は?」

黒子「ルンメニゲですの」 ――ヴゥン

ハインツ「っ!テレポーターか!!」

黒子(まずは――、)

黒子「ちぇいさーーっっ!!」
――ブン

34: 2009/11/14(土) 22:32:02.40 ID:fluDvt3b0

ゲンガー「?」
カール「……?」
ハインツ「……なんだそれは」

黒子「直伝の対自販機用ハイキックですけど?……無傷みたいですわね」

黒子(すり抜けた……?)

――『ポケモン名ゲンガー。シャドーポケモン、ゴーストタイプ』――

黒子(……まさか本当に幽霊だとでも?)


黒子「……。まぁ、それならそれで」
カール「能力者なら能力者らしく、能力で戦ったらどうだ」

黒子「――えぇ、そうさせて頂きますわ」

――

35: 2009/11/14(土) 22:41:46.11 ID:fluDvt3b0
黒子「プレゼントですの」 ――ぽい 

ハインツ「……スプレー缶?」

黒子「もう一つ」 ――ヴゥン


カール「――!!伏せろっ!!」
ハインツ「!?」

――ボンッッッ!!!!

ゲンガー「グアァッ!!」

――

36: 2009/11/14(土) 22:50:40.78 ID:fluDvt3b0

黒子「なるほど。火は効くようですわね」

カール「……やってくれる」
黒子「こういう手もあるという事ですわ」

ハインツ「こいつ何を……」
カール「帯電させた金属矢をスプレー缶の中にテレポートさせたんだ」

黒子「どうします?瀕氏とまではいかずとも、それなりのダメージは負ったようですけれど」

カール「……そうだな。なら、」

カール「回復させてもらおうか」

39: 2009/11/14(土) 23:02:17.33 ID:fluDvt3b0
黒子「回復?」
カール「ゲンガー、催眠術」

黒子(っ!!しまっ……)


カール「こんなに可愛らしいお嬢さんだ。さぞいい夢が喰えるだろうな」

――パタン

黒子「……」

ハインツ「……寝たか」
カール「終わりだ。ゲンガー、夢喰い」

黒子「……っ!?いっ、いやあぁぁぁぁぁっっ!!!!」

44: 2009/11/14(土) 23:50:12.34 ID:fluDvt3b0
ごめんなさい寝てました


カール「夢では誰しも無防備だ。ゲンガー、頃すなよ?」

黒子「いや……あ……こないで……ぁ……ぁ……」


――ブゥン

ハインツ「ん?」

ユンゲラー「……」

カール「ユンゲラー?ひょっとして……こいつの手持ちか?」

ユンゲラー「……!」
ゲンガー「!」

―――

45: 2009/11/14(土) 23:55:46.47 ID:fluDvt3b0
ユンゲラー「っ……」 ――ドサ

ハインツ「忠誠心は立派だが、進化前のお前じゃあ相手にはならない」

カール「仲良く揃って氏ぬといい!!」

ゲンガー「ガァッ!!」
ユンゲラー「……っ」


『ピカチュウ、光の壁』


ユンゲラー「!?」
ゲンガー「!?」
ハインツ「……あ?」
カール「!?」


『――高速移動、十万ボルト』

ハインツ「!!潜れゲンガーっっ!!」

―――

49: 2009/11/15(日) 00:06:26.54 ID:fluDvt3b0
――

ハインツ「クッ……今のは……」
カール(……消えた、か)


黒子「……ぅ……ん………」
ユンゲラー「!」

黒子「!!貴方……待機してなさいと言ったでしょう……!」
カール「チッ、目覚めたか」

黒子(……この子が庇ってくれたのね、こんなにボロボロになってまで)

カール「まぁいい。やれ、ゲンガー」
黒子(私もこの子も戦う力など残っていない。だとすれば、私が取るべき方法は……)

51: 2009/11/15(日) 00:15:33.05 ID:gdoIyt910
―――――――――――――――――

ピカチュウ「ぴか……」

レッド「あの女の子なら大丈夫だよ」
ピカチュウ「?」

レッド「白井黒子、レベル4認定の空間移動能力者。
あの子は、自分を犠牲にしてでもユンゲラーを逃がそうとするだろう。そうなれば、勝つのはあの子だ」

ピカチュウ「??」

―――――――――――――――――

52: 2009/11/15(日) 00:22:17.69 ID:gdoIyt910
ユンゲラー「!?」
黒子「先に……戻ってなさい……」

――ヴゥン

カール「逃がしてどうする?」

黒子「こう見えて……それなりに愛着を持ってますの。
道具扱いの貴方達には分からないでしょうけど。それに人間だろうとポケモンだろうと……、」

カール「ほう」

黒子「目の前の命を見捨てる様な真似をしては、お姉様のお傍にいる資格はありませんのっ!」


カール「そうか……では、さよならだ」

黒子「っ!!」

――ブゥン

56: 2009/11/15(日) 00:35:13.30 ID:gdoIyt910
ユンゲラー「……」
黒子「!?どうして……どうして戻って……っ!!」

ユンゲラー「……」 ――ドクン
黒子「……?」

ユンゲラー「……」 ――ドクン、ドクン
カール(まさか……)

――――――――――――――――――――――
レッド「知ってるかいピカチュウ。曽根崎マサキの開発したポケモン転送システムはね、」
ピカチュウ「?」
――――――――――――――――――――――

ユンゲラー「……」 ――ドクン、ドクン、ドクン……

カール「仕留めろゲンガーっ!!」

――――――――――――――――――――――
レッド「空間移動能力者と同じ、11次元を用いてるんだよ」
――――――――――――――――――――――


フーディン「……」

61: 2009/11/15(日) 00:39:29.05 ID:gdoIyt910

カール「遅かったか……!!」
黒子「進化……?どうして……」

フーディン「黒子」
黒子「へ?」


フーディン「――パフェの準備だ」


66: 2009/11/15(日) 00:45:28.55 ID:gdoIyt910

黒子(しゃ、しゃしゃ喋ーーーーっ!!??)

カール「まぁいい。ゲンガーとフーディンなら能力的には五分だ。じっくり仕留めてやるさ」

フーディン「五分?」
――ブゥン………、ブゥン、ブゥン、ブゥンブゥン、ブゥンブゥンブゥン

カール「ゲンガー、見破る」
ゲンガー「!」

カール「シャドーボール!!」
フーディン「一度見たぞ」

――ドォオンッッ

黒子(相頃した……いえ、こちらの威力が上……!)

68: 2009/11/15(日) 00:51:19.04 ID:gdoIyt910

フーディン「そこの黒服」
ハインツ「!?」
カール「……何だ」

フーディン「こいつを今すぐ引っ込めろ。瀕氏で済ませる自信はないぞ」

カール「馬鹿を言え。ゲンガー、薬だ」
ゲンガー「グル……」

ハインツ「一撃で倒せなければ無尽蔵に回復するってワケだ。どうする?」


フーディン「一撃で倒す」 ――ブゥン

70: 2009/11/15(日) 00:58:49.60 ID:gdoIyt910

カール「!?」
ハインツ「は、速……っ」

フーディン「主人に恵まれなかったな」
ゲンガー「!?」

フーディン「お前は一生ボールの中で、」



フーディン「――自分の夢でも喰っていろ」

――

76: 2009/11/15(日) 01:07:07.10 ID:gdoIyt910
黒子「ゴーストポケモン・ゲンガー及び黒服の二人、拘束しましたわ」
初春『お疲れ様です。あ、それと、おひげちゃん途中でいなくなっちゃったんですけど白井さんの方にいきましたか?』
黒子「えぇ、こちらにいますわ。それでは今から帰ります」

黒子「……」
フーディン「……」

黒子「また老けましたわね」
フーディン「糖が足りていないせいだな」

黒子「いつから喋れましたの?」
フーディン「黒子に捕まった時にはもう話せた」

82: 2009/11/15(日) 01:14:46.97 ID:gdoIyt910
黒子「はぁぁ!?」
フーディン「話せない方がカワイイだろう?」
黒子「その姿でなーにが「カワイイ」、ですの」

フーディン「ケーシィの姿が良ければそうする」
黒子「そんなこと出来ますの?」
フーディン「できるさ。超能力者だからな」

黒子「ふぅん、ならそうして頂戴な。黄色い中年と歩いているなんて噂が立ったら退学になってしまいますので」

フーディン「中年……。それで、パフェなんだが」


黒子「ふふ、吐くまで食べさせてあげますわ!」


とある野生の空間移動能力者(テレポーター)  終

83: 2009/11/15(日) 01:16:37.32 ID:Gajisb5+O
え?

84: 2009/11/15(日) 01:16:44.12 ID:AQ0uUTTCO
オワタ\(^0^)/ >>1

85: 2009/11/15(日) 01:16:48.18 ID:po92cLsIO
終わり?乙!
フーディンさんいれば黒子もレベル5の仲間入りだな

87: 2009/11/15(日) 01:19:35.77 ID:gdoIyt910
上の方で書いたけどホントは
美琴とインデックスの話も考えてたんだ。
でも遅筆過ぎて断念した。
他の黒服集団とかスリーパー事件とか投げっぱなしだ、ごめん。

88: 2009/11/15(日) 01:22:48.54 ID:vqwGHRoMO
>>87

謝ることはない
今から書けば無問題

89: 2009/11/15(日) 01:23:11.29 ID:8La7pwPHO

インデックスはミュウだな

引用: 黒子「えぇとケーシィケーシィ、……あれですわね」