1: 2016/05/29(日) 00:10:55.30 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…これは?」

穂乃果「アイドル部設立の申請書ですっ!」

絵里「それは見ればわかります…」

穂乃果「では認めていただけますね!?」

絵里「いえ…認められないわ」

穂乃果「そ、そんな…どうしてですか!?」

絵里「だって、ほら…」

絵里「申請する部活動の名称が『音ノ木坂学院アイドル部部』になっているじゃない」

絵里「名称欄の端に『部』と記載されているので、部活動名を『音ノ木坂学院アイドル部』と書くと『部』が重複するでしょう?」

絵里「誤字脱字がある書類を先生方に通すわけにはいかないわ」

穂乃果「ご、ごめんなさいっ!」ウッ..

ことり「穂乃果ちゃぁん…私も似たようなのしたことあるから、そんなに謝らないで、ね?」

6: 2016/05/29(日) 00:13:37.93 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…これは?」

ことり「アイドル部設立の申請書、ですっ!」

絵里「それは見ればわかります…」

ことり「それじゃあ、認めていただけるでしょうかぁ…?」

絵里「いえ…認められないわ」

ことり「えぇっ!?」ガーン..

絵里「だって、ほら…」

絵里「申請日が平成27年になっているもの…」

絵里「貴女、二年生のリボンをつけているのにいまだに一年生気分が抜けていないのかしら…」

ことり「あぅぅ~…///」

海未「ことり…よくある間違いですから、気を落とさずに…」

9: 2016/05/29(日) 00:16:49.68 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…これは?」

海未「アイドル部設立の申請書です」

絵里「それは見ればわかります…」

海未「それでは、部活動の設立を認めていただけますね?」

絵里「いえ…認められないわ」

海未「そんな…なぜです」

絵里「だって、ほら…」

絵里「この書類は去年までの書式です」

絵里「各申請書類は2016年度から新しいものになっています」

海未「そうだったのですね…」ガクッ..

穂乃果「海未ちゃん、右下の方にちっちゃく書式が書かれてるのなんて誰も見ないから仕方ないよ…」

10: 2016/05/29(日) 00:20:01.63 ID:FZGKNRJn.net
絵里「朝から何…?」

穂乃果「講堂の使用許可をいただきたいと思いまして!」

絵里「何をするつもり…?」

穂乃果「ライブです!三人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂でやることにしたんです!」

絵里「認められないわ…」

穂乃果「どうしてですか!?」

絵里「どうしても何も…」

絵里「活動時間の欄に『課外活動!』と書かれた書類なんて受け取っても、どうすればいいのかわからないでしょ?」

穂乃果「あぁっ、またやっちゃったぁ…」シュン..

ことり「書類はちゃんと落ち着いて書かなきゃだめだよぉ~」

11: 2016/05/29(日) 00:23:07.01 ID:FZGKNRJn.net
絵里「朝から何…?」

ことり「講堂の使用許可をいただきたいと思ってましてぇ」

絵里「何をするつもり…?」

ことり「えっとぉ、三人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂でやっちゃいますっ!!」

絵里「認められないわ…」

ことり「そ、そんなぁ!?」ガ-ン..

ことり「どうしてでしょうか…」

絵里「どうしても何も…」

絵里「高坂さんが自分の名前を間違えて、すぐ傍に書き直しているでしょう?」

絵里「訂正する場合は二重線で描き直した上、ハンコの押印が必要なのよ」

ことり「うぅ…」

海未「すみません、ことり。私もそこまで要求されるとは思っていませんでした…」

12: 2016/05/29(日) 00:26:00.48 ID:FZGKNRJn.net
絵里「朝から何…?」

海未「講堂の使用許可をいただきたいと思い、書類を持ってきました」

絵里「何をするつもり…?」

海未「はい、三人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂で行う予定です」

絵里「ええ、構わないわ」

三人「やったぁー!」モギュッ

穂乃果「さっすが海未ちゃんだね!」

ことり「そうだねぇ、こういうところはきちんと仕上げて来るのが海未ちゃんだよねっ」

海未「そ、そんなっ…あんまり褒めないでくださいっ!」//

絵里「土曜日に講堂で何をするのかわからないけれど…」

三人「…えっ」

希「申請日は…っと、新入生歓迎会の翌日やなぁ…」

海未「えっ」

13: 2016/05/29(日) 00:29:07.57 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…入部届け?」

穂乃果「はい!現行のアイドル研究部に6人入ることになりました」

希(にこっち…よかったなぁ…)

絵里「認められないわ…」

穂乃果「そんなぁ!?入部もできないんですか!?」

絵里「そういうわけじゃなくて…」

絵里「住所はちゃんと東京都から書いてもらわないと困るのよ…」

絵里「運動部は都外の施設を使う場合があるでしょう?都外の場合は、区や市から住所を書いた書類は出せないのよ」

絵里「だから全ての部活動で都道府県からの記入をお願いしているの」

穂乃果「そうだったんですね…」ショボン..

ことり「仕方ないよぉ~、必要ないって思っちゃうもんねぇ…」

14: 2016/05/29(日) 00:32:24.11 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…入部届け?」

ことり「はいっ!にこ先輩のアイドル研究部に6人入ることになりました♪」

希(にこっち…これからもアイドル続けられるんやね…)

絵里「認められないわ…」

ことり「そ、そんなっ!入部することもできないんですか…」

絵里「そういうわけじゃなくて…」

絵里「名字と名前の振り仮名の間は1マス開けてもらわないと困るのよ…」

ことり「そういえば…ごめんなさい」ウゥ..

海未「六人とも気が付かなかったのですから…連帯責任ですよ、ことり」

16: 2016/05/29(日) 00:34:27.75 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…入部届け?」

海未「はい。そちらの書類の六名がアイドル研究部に入部することとなりました」

希(にこっち…ようやく夢が叶うんやね…)

絵里「認められないわ…」

海未「な、なぜですか!?アイドル研究部への入部が出来ない理由があるのですか!?」

絵里「そういうわけじゃなくて…」

絵里「電話番号が携帯電話で許されるのは、自宅に固定電話がない場合に限る、って書かれているはずよ?」

絵里「それとも…親御さんに連絡されてはいけない事情でもあるのかしら?」

海未「い…いえ、そういうわけでは」グッ..

凛「仕方ないよ海未先輩…最近は電話って言ったら携帯の電話になるし…」

19: 2016/05/29(日) 00:37:30.86 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…入部届け?」

凛「はい。にこ先輩がやってるアイドル研究部にみんなで入部することになりましたー」

希(にこっち…今日がにこっちの再スタートの日になるんやね…)

絵里「認められないわ…」

凛「どうしてー?書類はちゃんと言われたとおりのやり方で書いてると思うのに」

凛「まさか凛達がアイドルやるのが嫌なんですかー?」

絵里「そういうわけじゃなくて…」

絵里「名前の誤字が多すぎるのよ…」

絵里「高"阪"穂乃果さん、園田海"末"さん?…誰かしらこれは」

絵里「一体…誰が書いたの?」

凛「うぅっ…失礼しましたにゃー!」//

真姫「凛…やっぱり、あんたが書類を書くなんて柄にもないことしたがるから…」

21: 2016/05/29(日) 00:38:58.53 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…入部届け?」

真姫「はい。にこ先輩がやってるアイドル研究部に私達6人が入部します」

希(にこっち…うちはこれから、もっともっとにこっちのこと応援するで…)

絵里「認められないわ…」

真姫「そ、そんな!?書類もきちんとした書式に則って記入しています!」

真姫「そんなに私達がアイドル活動することが嫌なんですか!?」

絵里「西木野さん、誤字もないし特に問題ないのだけれど…」

絵里「こういった書類は折れ曲がっていたり皺になっていると受け取れない場合があるのよ…」

真姫(そういえば穂乃果先輩に名前を書いてもらった後、書類に折り目や皺がたくさん…)ハァ..

真姫「出直してきます…」

花陽「書類っていろいろと面倒だから、しかたないよね…」

23: 2016/05/29(日) 00:44:02.81 ID:FZGKNRJn.net
絵里「…入部届け?」

花陽「は、はい。…にこ先輩がやってる、アイドル研究部に…」

花陽「提出した書類に書かれている私達6人が、その…入部、します」

希(にこっち…またにこっちの笑顔が見られると思うとうちは…うちは…)

絵里「分かったわ、理事長から承認のハンコをいただいたら正式に入部ということになります」

花陽「ありがとうございます!」

花陽「みんな、やったよぉ~~」ダッシュ!!


……

絵里「失礼します」

絵里「…あら、良い香りがしますね」

理事長「気付いた?今日はコーヒーを豆から淹れてみたのよ」

理事長「あっ、もちろんコーヒーは私物だから安心してね」

理事長「ごめんなさい、ところで何か用事?」

絵里「はい、アイドル研究部への入部届けが生徒会へ提出されたので、理事長へ報告にまいりました」

理事長「後でハンコを押しておくわ。そこに置いてもらえるかしら?」

絵里「はい、よろしくお願いします」

理事長「あっ」ガッ

バシャッ..

理事長「…綾瀬さん、申し訳ないのだけれどもう一度書類をいただくことは可能かしら…」

絵里「」

24: 2016/05/29(日) 00:47:48.10 ID:FZGKNRJn.net
花陽「みんな、やったよぉ!」

花陽「…というわけで、生徒会長が理事長からハンコをもらったら正式に入部になるみたい、ですっ!」

にこ「さすが花陽ね」

真姫「そうね」

凛「かよちんやったにゃー!」

穂乃果「いやぁ面目ない」

ことり「あはは…」

海未「しかし、これでようやく部としての活動が出来ますね」

コンコン

にこ「ふふん、噂をしていたらさっそく生徒会長のお出ましの様ね?」

にこ「どうぞー」

ガチャ

絵里「小泉さん…申し訳ないのだけれど、もう一度書類をいただけるかしら…」

七人「えっ」

27: 2016/05/29(日) 00:53:34.63 ID:FZGKNRJn.net
花陽「い、いよいよです…」

ことり「緊張するね…」

穂乃果「はうー、心臓が飛び出しちゃいそうだよー」

海未「うぅ…終わりましたか?終わりましたか…?」

絵里「まだよ…」

真姫「それじゃ聞こえないでしょ?って、この声も聞こえないじゃない…」

にこ「よよ、よ…予選くらいで、何そんなに緊張しているのよ!」

希「そうやね…カードによると…」

凛「どうなの~?」

花陽「来ました!」

花陽「最終予選進出、1チーム目は…A-RISE」

花陽「2チーム目はEAST HEART…」

花陽「3チーム目は…みっ…」

八人「みっ!?」

花陽「…Midnight cats」

八人「はぁ…」

花陽「4チーム目は…みゅー…」

八人「みゅー…?」

花陽「…ータントガールズ…」

穂乃果「そ、そんなぁー!!」

28: 2016/05/29(日) 00:57:49.43 ID:FZGKNRJn.net
絵里「ねぇ…私達は、何位だったのかしら…?」

にこ「別に何位だっていいじゃない、もう…」グス..

真姫「そうね、5位でも6位でも予選の決勝には出られないもの…」

海未「ですが…」

希「もういいんよ…うちらは楽しかったんよ」

凛「希ちゃん…」

穂乃果「うわーん!」

花陽「あ、あれっ…」

ことり「どうしたの、花陽ちゃん?」

花陽「わ、私達がどこにも載っていないんです…」

29: 2016/05/29(日) 01:02:15.90 ID:FZGKNRJn.net
穂乃果「どこにも、って?」

花陽「言葉の通りです…1位から最下位の38位まで全部見ましたが…」

花陽「μ'sの名前がどこにも載っていないんですっ!」

絵里「どういうことなの…?」

真姫「まさか、予選にすら出られなかったってこと…?」

花陽「ラブライブ!の運営に問い合わせてみましょうか…?」

にこ「…」カタカタッ..ターン

にこ「結構前にメールが1通きてたみたいね。なになに…」

『こちらはラブライブ!運営委員です。申し訳ございませんが、μ's 音ノ木坂学院高校スクールアイドル様より
送付いただきました書類に不備がございましたので、改めて書類を既定の日時までお送りいただきますようお願いします。』

にこ「えっ」

『書類の印鑑については、注意事項に記載されております通りシャチハタは不可とさせていただいております』

九人「えっ」


おしまい

30: 2016/05/29(日) 01:03:51.09 ID:H1KpPNA6.net

テンポの良いコント見てるみたいで面白かった

引用: 絵里「アイドル部設立の申請?認められないわ」 穂乃果「どうしてですか!?」