514:◆ORDERq/08U 2019/06/22(土) 19:48:20 ID:76AtLpUU




前回はこちら


雪美さんといっしょシリーズ


271

雪美「……」

雪美「……ほっ」

カコン

雪美「……」キラキラ

モバP「雪美さんはけん玉もお上手ですことね」パチパチ

雪美「……///」テレテレ

モバP「自分が雪美くらいの時はとめけんも出来なかったよ」

ちひろ「それは根気が足りなかったのでは」

モバP「皿に乗せるのは出来たんだがなあ」

雪美「……もし、もし、かめ、よ……かめ、さん、よ……」コン コン コン

モバP「おお……この子、コツを掴むとあっという間に上達していくのねえ」


ちひろ「アイドルの成長を見ている時が一番嬉しそうですね?」

515: 2019/06/22(土) 19:49:52 ID:76AtLpUU
272

スッ

グルン

シュタッ

雪美「……できた」

モバP「雪美さんは鉄棒もお茶の子さいさいなんですのね」パチパチ

雪美「……そうでもない……」ドヤッ

モバP「自分が雪美くらいの時は逆上がりが苦手でねえ。出来るようにはなったが」

モバP「でもアイドルやる子はみんなそれなりに運動神経良いよなあ。時々羨ましいくらい」

雪美「アイドルは……ダンス、やっている……から……」

モバP「ダンス万能説か」

モバP「しかしこうなると運動神経にはそれなりに自信あったこのモバP、男の闘争心に火がつくな」

モバP「次は俺にやらせてくれ」


ちひろ「小学生と張り合うのはどうなんですかね」

516: 2019/06/22(土) 19:52:32 ID:76AtLpUU
273

モバP「足つぼボードは手に入っていないんだが、代わりに面白い物を買った」

雪美「……おもしろい……もの……?」

モバP「健康サンダルです」

雪美「おお……でこぼこ……」

モバP「今日はこれを履いて仕事してみようかな」

ちひろ「どんな自由すぎる職場ですか。何か言われても知りませんよ?」

モバP「冗談ですって。でも、せっかくなんで少しだけ」

――

モバP「靴下まで脱いでから履いてみましたが、気持ち良いですねこれ」

雪美「P……はだし……なかなか見ない……」

モバP「雪美も黒タイツ脱いじゃえーしてみる?」

雪美「……それは……恥ずかしい……///」

ちひろ「何で脱ぐ必要があるんですか?」

517: 2019/06/22(土) 19:54:00 ID:76AtLpUU
ちひろ「しかしスーツにサンダルっておかしな姿ですよねえ。間が抜けていると言いますか」

モバP「これが何か革命でも起きて当たり前になればそうは思わなくなるんでしょうがね」

ちひろ「そうでしょうか?」

雪美「……P……、サンダル……もう一つ……ある……」

モバP「ああこれはな、すごく痛い健康サンダルといってね。ツボを押す石が尖ってるでしょ?」

モバP「今履いている方を中辛カレーとするならこっちは激辛、ビターチョコだとするとカカオ86%くらい痛いのです、たぶん」

ちひろ「ややこしいな」

雪美「…………はいてみて?」

モバP「……分かった」

スッ

モバP「つっ! 痛たたたた!! 痛い痛い! 何これになこれ!」

ちひろ「じゃあ、それ履いてぶら~り近所に買い物にでも行ってきてくださいな」

モバP「行けるかあ!」


雪美「私は……そんなに痛く……なかったのに……」 エッ

518: 2019/06/22(土) 19:55:41 ID:76AtLpUU
274

ソヨソヨソヨ

雪美「……♪」

モバP「ちょっと暑い時には良いですな、扇風機」

雪美「すずしくて……きもち……いい……」

モバP「そりゃ良かった。俺も俺で眼福なのですよ」

雪美「……?」

モバP「等間隔に雪美さんの長い髪がね、いかにも柔らかそうに靡くものだから」

雪美「……変なの」

雪美「……」

雪美「…………」スッ

モバP「おっと、今意識して髪を押さえてみましたね?」

雪美「……あまり……見られると……こまる……」

519: 2019/06/22(土) 19:58:41 ID:76AtLpUU
モバP「でも雪美さん、普段はよく俺のことをじぃっと見てくるじゃないですか」

雪美「……」プイ

モバP「やっぱり気になる人っていうのはついつい見ちゃうものなんでしょうな」

雪美「……Pは……私が……気になる……?」

モバP「気になるよ」

雪美「……そう」

モバP「好きだからね」

雪美「…………」

モバP「あら、つれないのね」

雪美「……そういうこと……さらっと……言わないで……」

モバP「こりゃ失礼。もっとねっとり言ってみましょうか?」

雪美「もう……ふふっ」


ちひろ「隙だらけですね」

520: 2019/06/22(土) 20:01:04 ID:76AtLpUU
275

モバP「やぁ、雪美」

雪美「! ……P……美玲……みたい……」

モバP「はっはっはっ、オシャレ眼帯だ。どうだ良いだろう?」

雪美「……」ポーッ

モバP「雪美も着けてみるか? こういう時の為にいくつか数があるぞ」

雪美「……」コク

モバP「では俺がクラブ柄だから、雪美はダイヤにしとく?」

雪美「……」コク

少女装着中……

雪美「……」キラキラ

モバP「ん、よく似合うぞー。ではせっかくだから仲間集めに行くか」

雪美「……仲間……?」

521: 2019/06/22(土) 20:03:45 ID:76AtLpUU
モバP「眼帯はあと二種類ある。スペードとハートだ。これの持ち主に値する子を探しに北へ!」

雪美「……いざゆかん」

ちひろ「……何か、着けたらビジュアルが大人びて剣士になりそうですね」

モバP「十兵衛ちゃんみたいな成長変身ヒロインは男子の性癖を少なからず歪めそうですが」

モバP「雪美さんが大人化する眼帯なんてあればごはん三杯は食べられてお話が一本書けますよ」

雪美「……晶葉なら……作れそう……こなみかん……」

ちひろ「いやあなた小学生ですから」

モバP「ところで、眼帯ですが」

雪美「……ちひろさんも……着ける……?」

ちひろ「いえ、遠慮しておきますよ」

ちひろ「というかプロデューサーさんが眼帯をしているとオシャレというかものもらいに見えます」

モバP「私だって中二病でオシャレしたいんです!」

雪美「……Pは……大人だから……ね」

522: 2019/06/22(土) 20:06:30 ID:76AtLpUU
ちひろ「それはそうと、トランプの柄って職業を現しているとも言いますね」

モバP「ダイヤが商人、クラブは農民、スペードは騎士、ハートは僧侶――でしたっけ」

雪美「私は……商人……?」

モバP「俺は農民か。でも、勇者パーティの職業でなりたいものを考えるのも良いものですな」

雪美「……武道家」

モバP「あの中華風コスチュームが雪美に……ぐはっ!」

雪美「……戦士」

モバP「あのビキニアーマーが雪美に……ぐはっ!」

雪美「……遊び人」

モバP「あのバニースーツが雪美に……ぐはっ!」

雪美「……賢者」

モバP「あのさとりのワンピースが雪美に……ぐはっ!」

雪美「……P……しっかりー……」 チーン


ちひろ「パリピですねえ」

523: 2019/06/22(土) 20:10:36 ID:76AtLpUU
276

ちひろ「プロデューサーさんはこの前、やけにプレゼントを貰っていましたけど誕生日か何かだったんですか?」

モバP「自分は可変誕生日なんで違います」

ちひろ「可変? 2月29日生まれ的なやつですか」

モバP「四年に一回しか歳を取らないって良いですよね」

ちひろ「そんなことある訳ないでしょう。で、何があったんですか?」

モバP「父の日ですね」

ちひろ「え」

モバP「事務所の中で紅一点ならぬ黒一点的な存在だからか、父性を感じてしまうアイドルも多いようで」

ちひろ「……プロデューサーさんに父性か……ぷぷ……あっ、笑っちゃいけませんね」

モバP「いえ、割と自分でも意外ですよ。マネージャー的な役割で慕われやすいのもあるんですかね?」

ちひろ「さあ、どうでしょうね……雪美ちゃんからも何か貰ったんですか?」

モバP「はい、下着を頂きました」 シタギ!?


雪美「……サイズ……合ってた……?」

524: 2019/06/22(土) 20:13:07 ID:76AtLpUU
277

モバP「雪美さんって箱入り娘というか、親御さんから大切に育てられているんだなと見て取れる」

雪美「……うん。……パパと……ママ……やさしい……」

雪美「今は……少し……忙しい……だけ」

モバP「なるべく寂しくはさせないよ」

雪美「……ありがとう……Pに……心……通じてる……」

モバP「でも、良い所のお嬢様なんかは正直、どう接したものかと思うことがある」

モバP「例えば、NHKしか見たことがない、なんて純粋培養な子が来たら話が合うのか心配だ」

雪美「……NHKも……楽しい……」

モバP「確かに教養・ドキュメンタリー系の番組をぼんやり見るのは何か満たされますが」

雪美「……大丈夫……こまったときは……いっしょ……。二人で……悩もう……」

モバP「そうだな。二人で……ん?」 ポスン

雪美「ここなら……もっと深く……分かり合える……ね」ニコ


ちひろ「三人寄れば文殊の知恵、私も混ぜてくださいよ~」

527: 2019/06/29(土) 23:14:44 ID:f9jzPPCs
278

モバP「小腹が空いたのでチーズトーストでも食べよう」

雪美「……うん」

ジリリリリリ チーン

モバP「焼けたのでいただきます」

雪美「……いただきます」

ハムッ

ミョーン

モバP「チーズが伸びるなあ」

雪美「……ん。……P……食べずに……私を見て……どこか、変……?」

モバP「いや、食べるのも好きだけど人の食べっぷりを眺めるのも好きなだけさ」

雪美「あまり……見られると……食べづらい……」

モバP「おうすまない。じゃあ俺も食べるとするか」


ちひろ「ナチュラルに朝食も一緒とはプロセスどこ行った……チーズだけに」

528: 2019/06/29(土) 23:15:58 ID:f9jzPPCs
279

モバP「競泳水着の奈緒、ブルマの美玲……こういう仕事をやっていると常々思いますが」

モバP「頭沸騰しそうです」

ちひろ「許容量オーバーしている感じですか? 私がコスプレしても平気そうなのに」

モバP「大人がそういう格好をするのは切り離して見ることができますからね」

モバP「瑞樹さんの水着マフラーも至って冷静にグッドを出しました。しかし高校生以下は何かいけないことをしているような」

ちひろ「良心の呵責がありますか。意外と常識的な所もありますねプロデューサーさん」

ちひろ「冗談で露出を促すようなことは言うのにいざ脱がれると臆しちゃうなんて」

雪美「……」キラキラ

ちひろ「ただ、薄着の雪美ちゃん抱えながら言われても説得力が吹き飛ぶんですよねえ」

モバP「……自制心と耐性をつけるべく修行中です。雪美の誘惑に打ち勝つんだ!」

雪美「……というか……いっしょに……いたいだけ……」


ちひろ「常識と非常識、いや真面目と不真面目が同居してますね」

529: 2019/06/29(土) 23:17:20 ID:f9jzPPCs
280

雪美「昨日は……仁奈と……お泊まり……した……」

仁奈「楽しかったでごぜーます!」

モバP「おお、良かったじゃないか。道理で今日は二人の距離が近いと思ったよ」

仁奈「えへへ……みんなと過ごすのも良いですけど、二人きりも新鮮でやがります!」

雪美「今度は……三人で……」キラキラ

モバP「考えておくよ」

ちひろ「考えておくな」

仁奈「そして雪美ちゃんに分身の仕方を教えてもらったので、これでひとりでもさびしくねーです!」

モバP「あれは教えられるものだったのか」

仁奈「でも、もし分身を愛してしまったらどうなるのでやがりましょうか?」

ちひろ「ナルキッソスかな?」

モバP「可視化できるようになったとはいえ自分は自分だ。それを他人のように隔てて依存すると分身が可哀想だぞ」

仁奈「自分は自分、ですか……」

530: 2019/06/29(土) 23:23:22 ID:f9jzPPCs
モバP「まあ自分の世界にこもるようではいけないが、セルフトークはメンタルトレーニングとも捉えられる」

モバP「自分を好きになる、自己肯定は過ぎなければ悪いことではないと思う」

仁奈「やっぱり自分だけじゃ生きていけねーんですね。Pやみんながいて良かったですよ」

雪美「Pは……いいお兄ちゃん……」

モバP「お兄ちゃん気取るにはちょっと歳が離れているがな」

仁奈「アニキと呼ばせてくだせー!」

モバP「うむ、良かろう」

ちひろ「良いのかい」

モバP「そういや自分が小さい時には近所によく遊んでくれる兄ちゃんがいたな」

ちひろ「男女で少し感じ方も変わるでしょうけど、そういうのは良いですね」

モバP「自分には兄も従兄もいなかったから、身近な兄貴分を知る良い機会になった」

仁奈「仁奈は昨日、雪美ちゃんがお姉ちゃんみたいに感じましたですよ!」

雪美「……仁奈ったら……ふふっ」


ちひろ「人間、無いものを求めてしまうものですね」

531: 2019/06/29(土) 23:24:53 ID:f9jzPPCs
281

ちひろ「”MISSION”惰眠を貪るプロデューサーさんを起動せよ」

雪美「……らじゃー」(゜-゜)ゞ

トコトコ ガチャッ

雪美「P……まだねてる……?」

モバP「……」スヤスヤ

雪美「……起きて」ユサユサ

モバP「……」スヤスヤ

雪美「……P……どうすれば……。…………あっ……!」ピコーン

雪美「……分身のじゅちゅ!」 アッカンダ

ボンッ!

雪美×7「……起きないなら……こうする……! とつげきー」 ワアアアー!

雪美雪美雪美
雪美モバP雪美 ドン!
  雪美雪美


ちひろ「スズメバチを撃退するミツバチかな?」

532: 2019/06/29(土) 23:26:43 ID:f9jzPPCs
282

ナターリア「ムウ、Que lastima……今日はエレベーター、使えないみたいダ」

モバP「点検中だな。安全の為だ仕方ない、階段で行くか」

ライラ「ライラさんは階段を使う人、頑張り屋さんだと思いますですよー」

モバP「ライラに頑張り屋さんと褒めてもらえるなら喜んで階段使うよ」

ナターリア「じゃあワタシたちモ、がんばってPについてくゾ!」

モバP「でも超高層ビルなんかはエレベーターが使えないと大変な苦労だろうな」

ライラ「ブルジュ・ハリファのエレベーターが止まったら大変でございますですよ」

モバP「見てきたかのような口ぶりだが、そこは敢えて突っ込まないでおこう」

モバP「だが、160階建てビルを階段で登ろうとか気が遠くなるのは間違いない」

ナターリア「上に取り残されても大変だナ! スライダーでもあれば良いケド!」

モバP「高さ828mの滑り台ってどんな絶叫アトラクションより怖いわ。お尻も痛いじゃ済まない」

ライラ「この前、大きな公園で初体験したローラースライダーもお尻が痛くなりましたですねー」

モバP「貴重なシーンを見逃した気がする」

533: 2019/06/29(土) 23:28:56 ID:f9jzPPCs
ナターリア「ウォータースライダーならオシリも痛くならないのにナ!」

モバP「これからの季節、良いですな。人間流し素麺のように無心になって流されて」

ライラ「一人よりはボートでみんなで流れるのが好きかもしれませんですねー」

ナターリア「いいナ! ヨシ、やりたいことリストに付け加えておくゾ!」

モバP「仕事以外でナターリアとライラを連れてプールに行ったら嫌でも目立ちそうだ」

モバP「話はエレベーターに戻るが、じゃあもし俺たちがエレベーターに閉じ込められたら?」

ライラ「それは助けを待ちますですよ」

ナターリア「助けがいつ来るカ、分からないとこわいナ」

モバP「あの空間で何時間も、となるとな」

ナターリア「こわいからPに元気をもらうんダ!」ギュッ

モバP「ナターリアと極限状態に置かれたら一線超えてしまいそうだ」

ライラ「ライラさんもー」ギュッ

モバP「そんな形でライラと一線超えたら後で罪悪感で鬱になりそうだ」

534: 2019/06/29(土) 23:31:06 ID:f9jzPPCs
モバP「……しかしこの346プロは広いな」

ナターリア「何でもアル! アイビキ部屋だってネ!」

ライラ「あらびき部屋? とは何でございますですか? ソーセージが食べられるのですか?」

ナターリア「……///」

モバP「ナターリア、耳年増でもそれで変なものを連想したらいかんぞ」

ライラ「???」

モバP「後でバナナアイスパフェを食べに連れて行ってあげるから、この話はやめよう」

ナターリア「エ? いいのカ? ワーイ!」コロッ

ライラ「豪華なアイス……! プロデューサー殿は太っ腹でございますですねー」キラキラ

モバP「よし、じゃあ行きますか……って……うん?」 シュコー

雪美「……」トコトコ

ライラ「……作業服のユキミさんが、点検中のエレベーターから出てきましたねー」


モバP「雪美さんは神出鬼没だなあ」

535: 2019/06/29(土) 23:33:15 ID:f9jzPPCs
283

モバP「夢を打ち砕くような話を敢えてするのならば」

モバP「みんなの願いは同時には叶わないように世の中は出来ているのだと思う」

モバP「調和、バランスというものがあるからな」

モバP「極端な話が、Aが不老不氏になりたいと願い、BがAに氏んでほしいと願う」

モバP「一方の願いを叶えれば一方の願いが反故になる」

飛鳥「……ジレンマに塗れたセカイ、か」

飛鳥「それでもボクは、進める処まで進みたい。その先が袋小路だったとしても……」

グウウウウゥゥウ

「「「……」」」

雪美「……今のは……P……」

モバP「……すまん、俺はどうやらハラペコのようだ」

飛鳥「……フフッ。そんなに自己主張されちゃ、続きは後日にお預けだね」


ちひろ「今すごい腹時計が聞こえたなあ」

536: 2019/06/29(土) 23:34:41 ID:f9jzPPCs
284

モバP「雨の季節は手持ちがかさばるな。徒歩なら傘が要るし、自転車に乗るならレインコートが要る」

雪美「……ながぐつ……も」

モバP「長靴か……歳を重ねるに連れ、全然履くことがなくなったな」

雪美「Pが……魚屋さん……とかなら……」

モバP「それなら履くかもな。ただサラリーマン的な仕事では使わないし」

モバP「プライベートでも女性ならブーツの感覚で履けるかもしれないが、男はねえ」

雪美「……そういう……もの……?」

モバP「ちなみに先日のキッズモデルの仕事で洒落乙なレインコートと長靴を着ていた雪美さんは素晴らしかった」

雪美「……本当……?」

モバP「ああ。ただレインコートは着ても外出先で結局脱ぐことになるのが勿体無いな。濡れているから置き場にも困るし」

雪美「うん……。……それは……ある」

ちひろ「何よりこの時期レインコートを服の上に着て自転車移動って結構暑いんですよね」


モバP「レインコートの下に下着だけって訳にはいかんですものね」 ソレハヘンタイデスネ

537: 2019/06/29(土) 23:36:16 ID:f9jzPPCs
285

モバP「……」イイコイイコ

雪美「……♪」ムフー

ちひろ「おや、また雪美ちゃんを撫でてあげているんですね」

モバP「気持ち良さそうにしているでしょう? 雪美鳥は警戒心が強い分、慣れるとよく懐くのが特徴です」

ちひろ「何を仰っていますやら」

ちひろ「……雪美ちゃんはそんなに撫でられるの、好き?」

雪美「……うん……やさしい、手……。……それに……大きくて……形も……」

ちひろ「まさかの手フェチ!? まあ分からなくもないですね……この血管の浮き方やゴツゴツとした甲が」スッ

モバP「ちひろさんも男の手には一家言ありますねえ」

雪美「指を絡めて……手をつなぐと……ドキドキ……する……。ちひろさんも……やる……?」

ちひろ「やりませんよ。でも、良い手ですね」

モバP「ちひろ様はこの手を好きだと言うてくれる、働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい」


ちひろ「そこまでは言ってません」

540: 2019/07/06(土) 22:24:22 ID:oB2ZBOao
286

ガタンゴトン ガタンゴトン

雪美「……」スヤスヤ

モバP「俺にもたれかかり、眠る雪美さん」

モバP「ここは海辺の単線を走るローカル線」

モバP「座席はロングシート型で通路が広いが、二両編成で乗客はほとんどいない」

雪美「……」スヤスヤ

モバP「……静かだ」

雪美「…………ん……? ……P……?」

モバP「お、瞼が少しは軽くなったかい?」

雪美「……私を……置いて……行かないで……」ギュッ

モバP「安心おし。行き先が例え沼の底駅でもお前さんを一人にはしないさ」ナデナデ

モバP「しかし、海原電鉄を思い出すくらいだ。何かとても遠くへと行く感じがするね」


天の声ちひろ「プロデューサーさんがちょうどカオナシのポジションですね」

541: 2019/07/06(土) 22:29:09 ID:oB2ZBOao
287

モバP(雪美さんは肝が据わっている、いや、場数を踏んで据わってきたと言えようか)

雪美「……」

モバP(だが今日は規模の大きな会場で、重要なイベント。さすがに気圧されているか……?)

雪美「……」

モバP(自分の弱みをあまり周りには見せたがらない所はあるので、一見はそんな雰囲気も出さない)

雪美「……」

モバP(集中力を高めているのかもしれないし、緊張を解そうと話しかけては却って良くないか)

雪美「……」ジーッ

モバP(でもこの子、目の前で俺のことを観察しているんだよなあ)

雪美「……Pと……私は……鏡……。Pが……不安だと……私も……不安……」

モバP「! ……心配させてごめんな。俺が思い詰めた顔をしていたらダメだな」


雪美「……うん……いい顔……」ニコ

542: 2019/07/06(土) 22:35:17 ID:oB2ZBOao
288

モバP「アイドルは恋愛禁止なんて昔から言いますが」

雪美「……」チョコン

ちひろ「………………そうですね」

モバP「その長い間は何ですか」

ちひろ「別に」

モバP「気を取り直して、ここって自分以外は基本男っ気がないじゃないですか」

雪美「……P……ハーレム……だね……」

モバP「どこでそんな言葉を覚えたんだ……それでみんな異性と接点を持つのはなかなか大変だろうなと」

ちひろ「出会いは無いですね。もっとも同性で話は結構合いますから良いですけど」

モバP「そこです。自分だけは逆に異性としか接点がないんです。男子トークが出来る人がいないんです」

モバP「同性同僚の親友ポジション的な人が欲しいです」

ちひろ「いろいろと諦めてください」

モバP「(´・ω・`)」

543: 2019/07/06(土) 22:39:46 ID:oB2ZBOao
ちひろ「私が思うに、プロデューサーさんが仮に315プロの人だったら、もっと周りに女子が欲しいとか言ってますよ」

モバP「……言いそう」

ちひろ「ヒトとは無い物ほど欲しくなり、美味しい物に恵まれてもそればかり食べていると飽きてしまう因果な生き物です」

モバP「で、水嶋咲ちゃんに癒しを求めたりしてしまう訳ですか」

雪美「……満更でも……なさそう……」

モバP「でもこの仕事に就いてから普段周りは女の子ばかりで、自分まで女子に染まりつつある感じがするんです」

ちひろ「あまり変に拗らせてプロデューサーさんがオネエみたいになってしまったら困りますねえ」

雪美「大丈夫……、Pは……頼もしい……男性……」

雪美「それに……他の男性が、入ると……たぶん……嫉妬する……」

ちひろ「あらあら」

モバP「妹や弟が生まれて構ってもらえなくなったお兄ちゃんじゃあるまいし……まあ嫉妬はするが」

ちひろ「するのかよ」


ちひろ「……プロデューサーさんって実は独占欲強くてめんどくさい系?」 ギクッ

544: 2019/07/06(土) 22:42:48 ID:oB2ZBOao
289

モバP「多くの音を聞きながら過ごしていると、時に静けさが恋しくなる」

モバP「車の走る音、工事の音、民放番組のBGM、賑やかな人々の会話……それらから離れて、例えば丘の上」

雪美「……」

モバP「雪美と二人で、その声と息遣いまでよく聞こえる場所で、座って景色を眺める」

雪美「……」

モバP「……いいねぇ」

雪美「……少しは……賑やかな方が……楽しいのも……ある」

モバP「それもそうか」コロッ

雪美「でも……Pと……二人きりも……好き……」

モバP「せやろせやろ」コロッ

モバP「まあ、何しに来たかと言うと写真集の撮影なんですがね。そろそろ次行こうか」

雪美「……うん」

545: 2019/07/06(土) 22:45:31 ID:oB2ZBOao
――

雪美「……たくさん……階段……上ったね……」

モバP「そうだな」

ソヨソヨ

雪美「ん……涼しい……」

モバP「そびえ立つ、ではオーバーかもしれないが見上げるほどの階段の先にある、木造のお堂」

モバP「高い木々に周りを囲まれて鬱蒼としてさえある場所にポツンと目立たずに在る」

モバP「過去、確か幼稚園の頃に似たような場所に遠足に行った記憶があるが、ここ自体は来たことのない場所だ」

モバP「にも関わらず、懐かしさを感じるな」

雪美「……ふしぎ」

モバP「雪美はこういうロケーションにも綺麗に溶け込むなあ」

モバP「さあ、良い写真を撮ろうか」

雪美「……うん」


事務所のちひろ「スタッフ無しの個人撮影とかこれもうデートでしょ」

546: 2019/07/06(土) 22:49:37 ID:oB2ZBOao
290

プクプクプク

モバP「……」

ツン

モバP「?」

七海「よっ」

モバP「おう七海か。今日もマーメイドのような瑞々しさだな」

七海「七海はいつも新鮮ピチピチれすよ~。こんな所で何をやってるんれすか?」

モバP「たまたま入った店にアクアリウムがあったものだからつい眺めていました」

七海「そうれすかそうれすか~、プロデューサーも分かってきましたね~♪」

七海「水槽を見ていると癒されるんれすよね~。そこに小さな世界があります」

モバP「水族館のスケールと比べると小さいが、こだわりが出るよな」

七海「オブジェの配置一つにもセンスが……いえ、主役はお魚れすけど!」

547: 2019/07/06(土) 22:52:24 ID:oB2ZBOao
――

ゴクゴク

モバP「ふう……暑い日差しが照りつける夏は、涼しい所でアイスコーヒーを一杯」

モバP「たまらんですな」

七海「プロデューサーはコーヒー豆を買いに来ていたんれすね~」

モバP「ああ。志保にコーヒーミルを貰ったから最近は家でも淹れるんだ」

モバP「コーヒー豆のレーダーチャートは見ていて飽きない。……これ見る? チラシだが」ハイ

七海「ふんふむ……イラストや図にすると分かりやすいれすね。で、プロデューサーの好みは?」

モバP「酸味のあるモカが好きだな。まあいろいろ飲み比べてフードペアリングを考えるのも楽しい」

七海「すっかり影響されていますね~。……プロデューサー、海釣りに興味は?」

モバP「今の所は……しかし七海は髪のボリュームがすごくて目立つな。見惚れちまうぜ」

七海「羨ましいれすか? ウェーブしていてしかも長いれすからね~、えへ♪」

七海「って、魚じゃなくて七海を釣る気れすかっ!?」


雪美「……Pに釣られた……アイドル……数知れず……」

548: 2019/07/06(土) 22:54:33 ID:oB2ZBOao
291

モバP「食堂で食べるカレーライスと納豆は何故あんなに美味しいのだろうか」

ちひろ「どこの食堂ですか」

モバP「一般開放されている近くの社員食堂ですね。しかも安い」

ちひろ「プロデューサーさんはどこにでも出没するんですね」

モバP「想像してみてください。シンプルな内装に折り畳みテーブルとイス」

ちひろ「はい」

モバP「具がゴロゴロとしていないサラッとしたカレーライスに鮮やかな赤い福神漬け、コップの水」

ちひろ「(赤い福神漬けは着色料的にどうなのかな)はい」

モバP「陶器の小鉢に控えめに盛ってある納豆に、刻みネギ」

ちひろ「(今時の社食って納豆を器で出すんですかね?)はい」

モバP「いやあ、侘び寂びの風情がありますね。でも家で食べるより何故か美味しいんです」

ちひろ「そもそも食堂に行くなら定食とか食べましょうよ」


雪美「……学校の、給食のカレーも……とてもおいしい……」

549: 2019/07/06(土) 22:56:11 ID:oB2ZBOao
292

雪美「……」ジーッ

モバP「雪美さんに対面で膝の上に座られていると不覚にも鼓動が高まりますね」

雪美「……」スッ

サワサワ

モバP「んふっ……」

ちひろ「!」

モバP「あぁっ……何か、変な、感じがする、から……そこは、やめっ」

ちひろ「雪美ちゃん、プロデューサーさんの一体どこを触っているんですか?」

雪美「……のどぼとけ……大人の……男性にだけ……ある……ふしぎ……」サワサワ

モバP「ああぁぁぁ」

ちひろ「私がもし男性ならそこ(喉仏)はあまり触られたくないと思いますよ?」

雪美「……本当……? P……」


モバP「……いや、意外と気持ち良いですこれ」 エェ…

552: 2019/07/13(土) 22:14:05 ID:9rAg3Qkw
293

モバP「七夕も無事に終わったな。イベントというのは来るまでは今か今かだが過ぎればあっという間だ」

雪美「……うん……。……織姫と……彦星が……一年に一日だけ……会える日……」

雪美「……今年は……会えた……?」

モバP「会えたことだろうよ。年一ルールなのに中止ありとかやってられん。俺なら天女連盟に異議を申し立てる」

雪美「ふふ……。一年も……会えないと……話したいこと……いっぱい、あるはず……」

モバP「ああ。俺なんて雪美と一日会わないだけでも話したいネタがどんどん湧いてしまうのに」

雪美「それに……二人……黙って、繋がっているだけでも……幸せ……」

ちひろ「しかし障害は恋する二人の思いを熱くすれば良いですけど、逆に冷ましてしまうかもしれません」

モバP「遠距離恋愛で自然消滅はきつい……お互いに吹っ切れるなら良いんでしょうが」

モバP「願い事を書いた短冊を吊るした笹の葉も七夕過ぎれば撤去ですから、この世は無常でもありますね」

雪美「……使った笹の葉は……どこに行く……?」

モバP「公園に持ち寄って供養するように焼くんだろうか?」


ちひろ「どんど焼きのしめ縄じゃないんですから」

553: 2019/07/13(土) 22:20:02 ID:9rAg3Qkw
294

雪美「……」

ムニムニ

ペタペタ

モバP「雪美さん、俺の顔に何か好奇心をそそられるような発見でも?」

雪美「P……おひげ……ない……」

モバP「ああ、しっかり剃ってケアしているからな。ご要望であればオシャレに髭を蓄えてみるが」

ちひろ「貫禄は出そうですよね」

雪美「……いい。……このままで……気持ちいい……から」

サワサワ

雪美「……♪」

モバP「最近他の子も何かこの顎を頻りに撫でてくるが、別に御利益なんて無いんだぞ?」


ちひろ「ビリケンさんの足の裏みたいな扱いですかね」

554: 2019/07/13(土) 22:23:21 ID:9rAg3Qkw
295

モバP「麦わら帽子に白いワンピースの女の子と言えば何をイメージしますか?」

ちひろ「夏の田舎の田園風景ですね。気が付けばこう刷り込まれていました」

モバP「ほぼ同じです。理想の美少女の一つの形なんでしょうかね」

モバP「さて、今日はそんな格好を雪美さんにしてもらいました!」

雪美「……どう……?」キラキラ

ちひろ「あらかわいい」

モバP「パーフェクトだ、ウォルター。よく似合ってるな。つまり雪美は理想の美少女。Q.E.D.」

雪美「……///」クイッ

モバP「麦わら帽子のつばで顔を隠そうとする恥じらいが初々しい」

ちひろ「ちなみにこれはどこで」

モバP「ワンピースは今日の仕事に使った衣装を借りてきました。麦わら帽子は……ホームセンターで購入」

モバP「という訳で帽子の方は雪美にそのままプレゼントだ。日差しが強い時に被ると良い」

雪美「……ありがとう……。大事に……する……」

555: 2019/07/13(土) 22:26:59 ID:9rAg3Qkw
ちひろ「何故にホームセンター」

モバP「ちょっと工作用に板を探しに行ったところ、見かけてティンときたものですからね」

モバP「この帽子は何か他とは違う。雪美にぴったり合うんじゃないか? と」

ちひろ「その発想力を別の方面に活かせないものですか?」

雪美「Pは……自由人……だね……」

モバP「せやで。で、ワンピースはミニ丈の物もあったのですが、このゆったりした長さのを選びました」

モバP「肌の露出控えめなイメージの雪美が薄めの白ワンピにノースリーブでミニスカートだとオーバーキルですからね」

ちひろ「プロデューサーさんのHP、頻繁にマイナスになってませんかね?」

雪美「……Pは……自由人で……むっつり……」

モバP「はい、むっつりはん」のヮの

ちひろ「その顔やめい」

雪美「……ちょっと……たくしあげて……みる……」ソーッ


モバP「雪美さんが魔性の女に……でも感じちゃう」 カンジルナ

556: 2019/07/13(土) 22:37:32 ID:9rAg3Qkw
296 

モバP「……」

こずえ「……」チョコン

ちひろ「ありそうであまりない膝ペアですね」

モバP「そんなことはないでしょう? 本日は雪美さんはオフでいませんからね」

ちひろ「プロデューサーさんの膝占有率は雪美ちゃん八割で他二割という印象ですよ」

こずえ「こずえ、あんず、になもー……よくのるよー?」

ちひろ「サイズが小さい子ばかりですねえ」

モバP「大きい子は恥ずかしがると言いますか、作業中とかは邪魔になるから遠慮する感じですね」

ちひろ「頭で視界が遮られたら仕事は出来ませんしね」

モバP「我々大人の懐に収まる子なんて、普通は幼稚園児くらいまでです」

こずえ「ぷろでゅーさー、おっきいからねえー」

モバP「膝の上と言いつつ股の間に座らせるならもう少し身長あっても大丈夫ですね」

ちひろ「アイドルの子を乗せない、という選択肢はそもそも無いのか」

557: 2019/07/13(土) 22:39:43 ID:9rAg3Qkw
こずえ「ぷろでゅーさー……もっと、ぎゅーってしてー……しろー」

モバP「はいよ」ギューッ

こずえ「ふわぁ……」

ちひろ「うわぁ……」

ちひろ「……雪美ちゃんと抱き心地はやっぱり違うものですか?」

モバP「はい。感触とか匂いとかで目を閉じていても誰だか分かりますよ」

ちひろ「ある意味ソムリエですね。ワインとかと違って利用方法が無さそうですけど」

こずえ「……こずえもぷろでゅーさーに……ていすてぃんぐされるのー?」

モバP「何かやらしい」

ちひろ「こずえちゃんをテイスティングなんてとんだ変態ソムリエもあったものです」

こずえ「ぷろでゅーさーなら……なにしても……いいよー?」

モバP「そーかい。そんな天然で際どいことを言う子はこうしたるわー」ワシャワシャ

こずえ「えへへー……」

558: 2019/07/13(土) 22:44:12 ID:9rAg3Qkw
ちひろ「雪美ちゃんも最近は垢抜けてきましたけど、こずえちゃんは結構アプローチが大胆ですよね」

こずえ「そうかなー?」

モバP「あざとい。でも憎めない。目に入れても痛くない」

ちひろ「そういえば紅葉温泉の時、浴衣が少し着崩れ、というかはだけたのが映っていましたね」

モバP「あれは後で直してあげたんですが、何故か直す前のが使われていましたねえ」

ちひろ「プロデューサーさんが直したんですか?」

モバP「はい。普段から服を着せてとか言われますし、その時はスタイリストになりきります」

こずえ「いつもありがとうー……えらいぞー」

モバP「わーい、こずえは優しいなあ」

ちひろ「……」

ちひろ「……ところでプロデューサーさんって雪美ちゃん以外にはさん付け混ぜたりしませんよね」

雪美(そこは……私の……絶対特権……)


ちひろ「何かテレパシーが飛んできたなあ」

559: 2019/07/13(土) 22:49:54 ID:9rAg3Qkw
297 

柚「Pサンって巴チャンと相性良いよね?」

モバP「良き友人とは思っているが、どうしてそう思うんだい?」

柚「だっていちごパスタをうめーうめーって食べるでしょー?」

モバP「ああ。……そのくらいで相性良かったら人類皆家族だよ。ワッハッハ」

モバP「いや、癖はあるかもしれないが常識に囚われなければ美味しいと思うよ」

柚「いつか髪がイチゴ色になりそうだよね」

モバP「オラのPちゃんが不良になっちまっただ! って親から言われそうだ」

柚「Pサンのお母さまはチチだったのかあ……ってそんな訳あるかいっ!」

モバP「でも、家族は顔が似るっていうのが食べ物によるそれだとしたらさ」

モバP「例えば俺が柚と同じものをずっと食べていたら、俺の髪が柚みたいな色になっていく可能性も……?」

柚「……もしそうなったら、髪型もおそろでいきたいねっ♪」

モバP「男のぱっつんはちょっと憧れるが、平子真子みたいにそれなりに美形でないとなあ」


雪美「……Pは……きれい系よりは……かわいい系……」 エッ

560: 2019/07/13(土) 22:53:29 ID:9rAg3Qkw
298

モバP「今年は梅雨入りも明けも遅いですね。雪美さんの髪も湿気でやや跳ねてます」

雪美「……」チョコン

ちひろ「それでも膝の上には乗るんですね」

ちひろ「梅雨は、偏西風が蛇行しているせいで季節進行が遅いんでしょうかね? 知りませんけど」

モバP「梅雨の花と言えば紫陽花。しようか、と書いてアジサイです」

モバP「雪美……しようか」

雪美「……うん。……して……」

ちひろ「何をおっぱじめるんですかね」

モバP「男女が密着してすることと言えば決まっているでしょう」

モバP「髪を梳かすんですよ」

ちひろ「あっはい」

561: 2019/07/13(土) 22:56:17 ID:9rAg3Qkw
モバP「今日の雪美には、そうだなあ……三番櫛を使おうか」

ちひろ「ここは3番アイアンで打とうかみたいに言うんですね」

モバP「髪は繊細ですからね。状況・状態に合わせて歯数やヘアブラシを使い分けています」

――

サラサラ

雪美「……♪」

ちひろ「気持ち良さそう」

モバP「凛に聞きましたが、紫陽花の花言葉は”家族の結びつき”や”移り気”とかあるそうで」

モバP「色によっても変わるらしいですが、とにかく良くも悪くも様々です」

ちひろ「プロデューサーさんは変な所で知識が豊富ですね」

モバP「アイドルに教えてもらうことはいろいろとありますが、頭に残りやすいものとそうでないものはあります」

モバP「紫陽花は、ポガティブな曲を聴くのと似ているかもしれません。何か好きなんですよね」


雪美「……私も……好き……」

562: 2019/07/13(土) 22:58:18 ID:9rAg3Qkw
299

モバP「エレベーターで異世界に行く方法なるものがあるらしいな」

小梅「そういうのはね……それに興味を持った時点で、引き込まれやすくなるんだよ……」

モバP「やだこわい」

モバP「まあ一人でエレベーターで遊ぶなんていい大人失格なので、やりませんがね」

小梅「今、私たち……三人だから、ね……」

モバP「もう一人はどの辺にいるのかな?」

小梅「ここ、だよ」

モバP「あ、どうも。こんちゃっす」

小梅「……ふふ……こんにちは、だって」

モバP「でもこういう狭い空間で下を押しているのにどんどん上がっていったり、行けない階に行ってしまうのは怖い」

小梅「う、後ろの張り紙が、書き変わっていたり……三階までしかないのに、四階に行ったり……?」

モバP「ライトを消すだけの高時給な宿直かな?」

563: 2019/07/13(土) 23:01:51 ID:9rAg3Qkw
チーン ゴカイデス プシュー

雪美「……」テクテク

モバP「お、雪美が乗ってきたな」

小梅「……?」

シュー ガタン

モバP「さあ、このまま一階まで止まらずに行けるかどうか……って、あれ? 何か上昇し始めてない?」

小梅「惨劇の、予感……」ドキドキ

チーン &%$カイデス プシュー

モバP「……!!」 …ン?

モバP「これは……丸くて青い、地球……なんてことだこれは軌道エレベーターだったのか!」

晶葉『あー、すまない。雪美だけだと思って誤ってM8階への停止許可を出してしまった』

モバP「晶葉か? これ……マルチディスプレイか」

晶葉『そうだ。そこはちょうど良い空間があるので私の実験に使わせてもらっている』


雪美「……私も……お手伝い……してる……」

564: 2019/07/13(土) 23:03:41 ID:9rAg3Qkw
300

モバP「最近ズボンを履き忘れる夢をよく見るんですよ」

雪美「……夢じゃなくても……ある……?」

モバP「そこまでうっかりはしない。昔草履で小学校まで行って気づいたことはある」

ちひろ「いや充分うっかりでしょうそれ」

モバP「で、その道の専門家にお尋ねしたところ」

朋『自分を見失っているんじゃないの?』

モバP「と言われました」

ちひろ「朋ちゃんは夢占いの専門家だったのか……」

雪美「服……着てなかったら……すぐに……気づく……」

モバP「やっぱりそんなもんなのかな?」

モバP「夢では何か、家から遠くまで来てしまって、取り返しのつかない段階で気づくんだよね」

ちひろ「で、衆目に晒される訳ですね」 ハイ

565: 2019/07/13(土) 23:05:52 ID:9rAg3Qkw
雪美「…………P……そういうことが……したいの……?」

モバP「したくないよ。さすがの俺もある程度の恥の概念は持っているからな」

モバP「でも潜在的な露出願望があるとすれば洒落にならないから不安だな」

雪美「……良かった……。……ならたぶん……大丈夫……」

ちひろ「人に見られたい願望くらいはあるかもしれませんね?」

雪美「……だったら……いっしょに……アイドル……やればいい……!」

モバP「プロデューサーであるだけで精一杯だよ。やりたいとほんの少しも思わない訳じゃないがさ」

ちひろ「ほんの少しはやりたいのか……」

モバP「女性の場合は、スカート忘れても気づかないことってあるものですか?」

ちひろ「下にレギンスやショートパンツを穿く用のミニスカートをそのまま素で穿いてしまうことはあるかもですね」

モバP「アンダースコートを忘れてスコートしたり、サポーターを忘れて水着着たり、裸エプロンするようなものですかね」

ちひろ「最後の! ……とにかくスカート部分が全く無いのに気づかないことは普通は無いと思いますけど」

雪美「……裸エプロンは……忘れただけで……本当は、上に……何か……着る……?」


ちひろ「それ普通のエプロンとしての役目ですね」

566: 2019/07/13(土) 23:07:19 ID:9rAg3Qkw
今日はここまで
そら(いきなりPC落ちて書き溜め消えたら)そう(やる気無くなる)よ

567: 2019/07/13(土) 23:46:27 ID:Nf4lJVYU

つば広帽+ロングヘア+ゆったりした長さのワンピース とかいう数え役満


to be continued...→


引用: モバP「雪美さんといっしょ」