777:◆ORDERq/08U 2019/11/09(土) 21:48:44 ID:6NVqcP5Q




前回はこちら


雪美さんといっしょシリーズ


421

モバP「最近”飛び方を忘れた鳥”というフリー称号を貰った僕です」

ちひろ「ペンギンかな? それともダチョウ?」

雪美「……P……飛べない……の?」

モバP「俺はもう飛べないんだ……純粋さを失ってしまったからな」

雪美「……そんな……Pは……純粋……なのに……」

ちひろ「いい大人が純粋なままというのもそれはそれでどうなのか」

モバP「悲しい顔をしないで。代わりに雪美が飛んでくれていれば良い」

モバP「アイドルたちが空中にある限り、私の負けはない」

ちひろ「イエス、ケストレル」

モバP「ちひろさん、エスコン5とかよく知っていますね」

ちひろ「私は04の黄色中隊が好きです」

モバP「とりあえず、飛行機で例えるならパイロットがいないと空は飛べない。そういう意味では俺は飛行機の方かもしれない」

雪美「なら……私が……Pの……パイロットに……なる」 オッ? プロポーズカ?


ちひろ「管制官は誰がやるんですか?」

778: 2019/11/09(土) 21:50:07 ID:6NVqcP5Q
422

モバP「番組ロケで紅葉狩り、良いよなあ」

雪美「お仕事……だから……ね」

モバP「俺も雪美さんと紅葉狩りに行きたいです。でもいろは坂はちょっと苦手です」

雪美「……どうして?」

モバP「あのぐにゃぐにゃ左右に振られる道は、人によっては車酔いしやすいんですよ」

モバP「俺は少年時代にそういう山道で思いっきり車酔いが悪化したことがあって、その時は生きた心地がしなかった」

雪美「……Pも……苦労……している……」ナデナデ

モバP「今は慣れたものだが。……雪美さんは平気なんだ?」

雪美「雪美さんは……平気……です」フンス

モバP「雪美さん強い子。……でも、○○狩りって何かを採りに行くイメージだよな。潮干狩りやキノコ狩り」

モバP「そこに紅葉狩りに行こうと言われたら、紅葉食うのか? って思わないか?」

雪美「……少し……。でも……もみじまんじゅう……」

モバP「食べる紅葉もあるにはあるな。桜狩りなら桜もち。蛍狩りならほた……いやそれはないか」


ちひろ「狩り、には採集だけでなく観賞の意味もあるようですね」

779: 2019/11/09(土) 21:51:55 ID:6NVqcP5Q
423

モバP「佐城雪美さんは、今好きな人とかはいますか?」

雪美「……気になる人は……いる……」

モバP「おっ、これはスクープです!」

ちひろ「取材やトークでアイドルがそういう存在をほのめかすのは、あまり好意的な反応にはならないことが多いですね」

モバP「唐突に聞かれるとついうっかり口が滑って本音が出る、なんてこともありますね。雪美くらいの歳なら微笑ましいですが」

モバP「……それで、その気になる人って、どんな人?」

雪美「……大きくて……優しくて……いつも楽しそうに……している……」ジッ

モバP「……? あらやだ、目が合ったわ。もしかして彼女私に気があるのかしら」

雪美「……どうかな……?」

モバP・雪美「……ふふふっ」

ちひろ「白々しい。年少でも大人・年上が好きと言い出すと、イメージ的には何か危ない感じがしてきます」

モバP「同級生の子が好き、とかなら受け入れられそうですが、そんな場合、自分は間違いなくその男の子に嫉妬します」

ちひろ「大人気ないぞ」

780: 2019/11/09(土) 21:53:25 ID:6NVqcP5Q
モバP「でも普段からこうして練習していれば、いざ好きな人は? と聞かれても上手く躱せるはず」

ちひろ「どうでしょうねえ」

雪美「……Pは……大丈夫……?」

ちひろ「大丈夫。プロデューサーさんには記者から質問なんてそう無いでしょうし」

モバP「応対することもありますがね。それにこう見えてもあたくし口が堅いですよ?」

モバP「外部の人間からは”岩のモバP”と呼ばれ一目置かれています」

ちひろ「個性派刑事の異名かな? 自分で言うな」

雪美「……ん、大丈夫そう……。目を見れば……分かる……」

モバP「雪美さんは話が分かるなあ」

ちひろ「しかし今の時代はSNSで失言多言で炎上というパターンもありますから要注意ですね」

モバP「自分は普段、自己発信はオフラインですから安心です。ブログより日記帳です」

雪美「……でも……アイドルは……えつらん自由……」

ちひろ「そういえばプロデューサーさんの活動日記って、校内通信みたいに事務所内の掲示板に張り出してありますよね」

モバP「読みたい人がいるようなので、印刷して貼ってみたら好評でした」


ちひろ「……この事務所どうなってるんだろう」

781: 2019/11/09(土) 21:55:04 ID:6NVqcP5Q
424

モバP「乃々はどうしていつも目線が泳いでしまうのでしょう」

乃々「うう……」

モバP「そこで私ね、一つ仮説を思いついたんですよ」

雪美「……?」

モバP「……顔って、怖くないですか?」

乃々「えっ……?」

モバP「壁のシミや模様、果てはテレビの提供クレジットなんて、じっと見ると人の顔のように見えたりする」

モバP「それがこっちを監視するように見ている。目が合う……きゃー怖い!」

ちひろ「シミュラクラ現象的な何か?」

モバP「そういうトラウマが深層にあって、相手の顔を真正面から見るのに抵抗感を覚えるのなら、俺も分かる気がする」

乃々「もりくぼは、別に顔恐怖症というわけではない……と思います……」

モバ「違うか……。じゃあこちらからこうして乃々の顔を覗き込むのは問題なさそうだな」 チカインデスケド!?


雪美「……私は……顔より……カメラ目線の方が……慣れない……」 イロイロアルナ

782: 2019/11/09(土) 21:56:53 ID:6NVqcP5Q
425

モバP「今日のステージ、大成功だったな!」

雪美「うん……♪」

モバP「雪美の表情も以前の落ち着いた控えめなそれより、自然体の笑顔が増えたな」

雪美「……変じゃ……ない……?」

モバP「ああ。少し陰のある雰囲気の雪美も良いが、今はとてもアイドルしていると思うぞ」

雪美「……良かった……。アイドル……楽しい……」パアッ

ちひろ「ユキミチャンカワイイヤッター」

モバP「あ、その言葉最近バズっていますよね」

ちひろ「いえ別に。というかバズるってまた今時の言葉を使いますねえ」

モバP「今時入った子たちから教わるんですよね。あきらとか、凪とか、りあむとか」

モバP「新人組では意外にも一番背丈が小さいりあむも、まだちょこちょこやらかしはしますが、少しずつアイドルの顔になってきた気がします」

雪美「……そして……Pの手によって……女の子の……顔にも……」


ちひろ「オトすなオトすな」

783: 2019/11/09(土) 21:59:01 ID:6NVqcP5Q
426

モバP「ドレスにちょっとしたボレロを合わせるととても気品が出るのが雪美さん」

雪美「……」キラキラ

モバP「雪美さんはいろんな格好をじっくりと見せてくれるから……良いよね!」

雪美「……見てほしい……から」

モバP「そんなことを言われたら穴が開くほど見てしまうぞ」

雪美「……穴は……開けないで……?」

モバP「はっはっは、本当に穴が開いてしまったらどうしよう」

ちひろ「オプティックブラストでも出すんですかね」

雪美「……Pは……サイクロップス……だった……?」

モバP「どちらかと言うとウルヴァリンになるのを夢見ていたなあ。また一緒に見ようなX-MEN」 ウン

ちひろ「雪美ちゃんを英才教育するのも程々にしておいてくださいよ? 親御さんびっくりしますから」

モバP「分かりましたー(空返事)。……しかし、もう立冬で暦だけで言うなら冬の始まりだ。やはり上着は無いとな」

雪美「……無い時は……Pの上着……かけてくれても……いい」ヌギヌギ


モバP「俺を試しているのか、雪美? ……でもかけちゃう」パサッ

784: 2019/11/09(土) 22:06:08 ID:6NVqcP5Q
427

紗南「しすたーかわいいよしすたー」ピコピコ

モバP「どうした? クラリスさんがそんなに気になるのか?」

紗南「違うよ。スラもり2のしすたー」コレ

モバP「ああ……一見スライムがシスターの頭巾を被っているだけなのに侮れないキャラよ」

紗南「でしょ? 愛で性能を超えて、出撃メンバーにずっと入れておきたいくらいだね」

バシーン ナニスルスラー

モバP「しかし全体的に伸びたり弾んだりしてぷるぷるどころかゴムゴムしいな。こういう玩具あるよな」

――

雪美「……」ピョコ

紗南「よーし、勇車バトルだ。ここのスライバ戦のBGM好きなんだよねー」

モバP「王者はどちらだ、だっけな? ライバルとの対決はアツいよな」

雪美「……私も……小さくなって……Pの中から……大砲とか……うってみたい……」キラキラ


モバP「カポネ・ベッジかな? でもそんなことできたら面白そうだなあ」

786: 2019/11/16(土) 21:30:32 ID:ynmRYMiw
428

モバP「お仕事する時に後ろをまとめ髪にする雪美さん良いですよねえ」

モバP「上げたり下ろしたりメリハリを付けていると、何だかとても大人に感じてしまいます」

ちひろ「私は特に見ないんですけど、幻視ですか?」

雪美「……一人で……まとめるのは……難しい……」

モバP「窓の向こうに映る少し未来を見ていました。スーツを着て働く雪美さん……麗しい」

ちひろ「ちょっとこのポンコツ叩いてみても良いですかね」ハー

雪美「げんこつ……ダメ……。……私が……やる……」

雪美「……P……かむばっく……」コツ コツ

モバP「おれは しょうきに もどった!」

ちひろ「本当かなあ」

モバP「……雪美さんのノックって絶妙な加減がされていて本当に心地良いですよね。ずっと叩いてほしいくらい」

雪美「……調子に……乗らないっ」ピョン ドスンッ ウッ


ちひろ「しかし膝には乗る」

787: 2019/11/16(土) 21:32:26 ID:ynmRYMiw
429

モバP「アイドルたちの綺麗な髪を見ていたら、髪の毛は大事にしないといけないって思うなあ」

雪美「……どうしたの……? 将来が……不安……?」

ちひろ「プロデューサーという人たちの頭は危険に晒されやすいですからね」

モバP「何でや! まだあるし! フッサフサやし!」

ちひろ「必氏に言い返すほど何か危ないフラグが立っていくような……」

雪美「私は……Pが……どんな頭でも……付いて行く……」

モバP「潔く丸刈りにしたろか」

モバP「でも、歳をとるとボリュームが減る。特に髪を洗った後が……って親が言ってました」

雪美「……今度……シャンプーブラシで……洗ってあげる……」

モバP「ああ、形は剣山みたいなやつだな。あれは好きだ。是非頼む」 ケンザンイウナ

モバP「話は飛躍して、落ちた髪の毛から情報採取してその時点の記憶まで再生してクローンとか作れないものかなとたまに思います」

雪美「一年前に……抜けたかみなら……一年前の……私が……生まれる……?」


ちひろ「髪からクローンって何か孫悟空が分身作るやつを思い出しますね」

788: 2019/11/16(土) 21:36:16 ID:ynmRYMiw
430

モバP『この度はウチの財前と城ヶ崎を使って頂きありがとうございます』

モバP『メロンです』コトッ

モバP『請求書です』ピラッ

『……さ、346万円だって!?』



亜子「――Pちゃんってそんな風にお偉いさんの所に出没してお金貰ってるって本当なん?」

モバP「んな訳ないでしょ。名医紹介所でもブラックジャックでもないです」

モバP「万が一にもそんなことをしていたらちひろさんに背後から撃たれる」

亜子「大袈裟言ってー、ほんまに撃たれたことないやろ?」

モバP「はっはっは」

亜子「いや、そこは否定しや」

モバP「……」

亜子「あっ、ごめん……そこまで沈痛な顔をされるとは思わんかった」

ちひろ「撃つか!」

789: 2019/11/16(土) 21:41:58 ID:ynmRYMiw
亜子「でもPちゃん、サラリーは結構貰ってるでしょ?」

モバP「……まあね。ただこれはさすがに身内にもおいそれと公表出来るものではない」

亜子「えー、聞かして聞かして? アタシだけ! 誰にも言わないからっ♪」

モバP「ダメだ。こういうのは隠し通すのが賢い生き方だ。宝くじの高額当選者のようにな! 当選したことないが」

亜子「ぶー」

雪美「……」テクテク

亜子「あっ、雪美ちゃん!」

雪美「……?」

亜子「ふふふ、雪美ちゃんは案外知っていたりしてな? ねえねえ、聞きたいことあるんやけど!」

カクカクシカジカシカクイニカク

雪美「……私も……知らない」

亜子「えー」

モバP「残念だったな、誰にも教えていないんだ。というか知ってどうするそんなもの」 ソラアレヨ ナンダヨ


ちひろ「私は知っていますよ?」 エッ!?

790: 2019/11/16(土) 21:44:19 ID:ynmRYMiw
431

モバP「唯って赤いリボンでポニーテールにしてもイケてるよな」

唯「えへへっ、ありがとー♪ 確かにこれは、けっこーイケてるね!」

モバP「奏もちょっと粗雑で腕っぷし強いキャラでも意外とマッチする」

奏「そう? でも演技には自信あるし、幅広くこなせるようにはなりたいわね」

ちひろ「アイドルたちでリバーシティガールズでもやる気ですか」

モバP「良いなと思ったらすかさず取り入れて試してみたくなるものです。インスピレーション!」

雪美「……Pは……コーディネート……考えだすと……止まらない……タイプ……ね」

モバP「おっ、雪美……お前――」ジーッ

雪美「……なに……?」

モバP「眉上ぱっつんにしたら似合うかもしれんな」

唯「先駆者の泰葉ちゃん仁奈ちゃんがいるじゃん? 個性は出ると思うけどさー」

奏「ロングの眉上ぱっつんは純朴で愛され系なイメージがあるわ。制服とか合いそうじゃない?」

ちひろ「……吊りスカ? ブレザー? セーラー? スカートは長め? 短め?」モンモン


モバP「何かちひろさんが壊れかけていませんかね?」

791: 2019/11/16(土) 21:49:42 ID:ynmRYMiw
432

モバP「ぶるるる……今日は冷えるなあ」

雪美「冬は……これから……」

モバP「慣れると和らぐが、慣れていない内の寒さ直撃は応える」

法子「こんな日はドーナツでも食べない?」

モバP「寒い日にぴったりのドーナツか……できたてを買うとか?」

法子「それも良いんだけど、あたしはただ何となくドーナツが食べたいのだ」

雪美「……文学的な……セリフ……」

モバP「……まあ、あったかいものでなくても冷えた気分をアゲるには甘い物だな」

法子「そういうことっ!」

雪美「でも……このあたりに……ドーナツの……お店……ある……?」キョロキョロ

モバP「アップルパイのお店ならあるんだが、この前食べたしなあ」

モバP「コンビニドーナツは個性があって良いが、スーパーのドーナツとかはどんな?」

法子「最近はご無沙汰かな。ここは敢えて行ってみますか!」

792: 2019/11/16(土) 21:53:43 ID:ynmRYMiw
――

モバP「マンハッタンにケーキドーナツ、ヤングドーナツと割とあるもんだな」

法子「リョーユー、ヤマザキ、ミヤタの定番商品だね。とりあえず買って帰って来ちゃった」

モバP「ヤングドーナツ……良いよなあ。貧乏なころは時々お世話になった」

雪美「……小さくて……食べやすい……」モクモク

モバP「小さいのに食感が良いよな。一口で食べてしまうと勿体無いくらいだ」

法子「蜂蜜が入っているのがポイントだね。ハニードーナツはもうこのサイズって感じがあるよねっ♪」モクモク

モバP「冷やすと甘さって鈍るものだが、これは冷蔵庫で冷やすとチョコっぽく甘さが凝縮される感じがするんだよな」

法子「変わったことするね? プロデューサーも割とドーナツにこだわりがある?」

モバP「どうかな? こういうのは気になると一通り試し食べをしてみたくなるんだよ」

雪美「……ドーナツ屋さんの……ドーナツも……行くたびに……別のを、買う……、それがP……」

モバP「でもまあ美味しいから週一くらいでなら同じものばかり食べたとしても多分飽きないと思う」

法子「お気に入りはね! でも週一はまだまだ愛が足りないよー」

雪美「…………あれ……? マンハッタンと……ケーキドーナツに……ついては……?」


鈴帆「九州でしか見らんやったマンハッタンがなしてこげんとこに!?」

793: 2019/11/16(土) 21:55:15 ID:ynmRYMiw
433

モバP「雪美ぃ~……えへへへへ」ポワーッ

雪美「P……ふふ……ふふふふっ」ポワーッ

ちひろ「私の知る佐城雪美ちゃんはこんな子じゃなかったような……」

モバP「人は変わりゆくものです。男子三日会わざれば刮目して見よ、ですよ」

ちひろ「女子だろ」

雪美「……女子です……。男子同士……だったら……それは……」 エヅラガアブナイ

ちひろ「はぁ……お二人って喧嘩とかしそうにないくらい仲良しですねえほんと」

モバP「しますよ?」

雪美「する……」

ちひろ「するんですか?」

モバP「人間ですもの。全く衝突しないというのはあり得ません」

雪美「けんかするほど……仲良しに……なる……」

ちひろ「しないとそれも割り切って冷めた感じには見えるでしょうけど、喧嘩する風には見えませんね」

794: 2019/11/16(土) 21:57:05 ID:ynmRYMiw
モバP「この前もちょっとお互いに相手のどこが好きかで山手線ゲームをやっていたら」

ちひろ「はいゲロ甘」

モバP「あ、違った。これはただの自慢です」

ちひろ「しばいたろか」

モバP「本当は、眠そうな雪美のために本を読んであげていた時に、ついイタズラ心で」

ちひろ「……セクハラとかしていませんよね?」

モバP「いえ、ちょっとオーバーな声芸を入れて不真面目に朗読を」

雪美「……笑って……目が、覚めた……」

モバP「睡眠阻害されて機嫌が悪い雪美にポカポカ叩かれました」

モバP「むすっとふくれた顔もそそるなあ、とか思いながらもごめんなさいですね」

雪美「……見事……成敗した」ブイ

モバP「まあ本気の喧嘩と言うには程遠いかもですね。俺も雪美も、相手を傷つけることに臆病ですので」

ちひろ「糖分マシマシなのは理解できました。何だこれ」

雪美「ちひろさんは……Pと……けんか……しないの……?」


ちひろ「もうそういう関係は通り越していますから」ニコ

795: 2019/11/16(土) 21:58:33 ID:ynmRYMiw
434

モバP「さあ、今日も真面目に仕事していきましょう」キリッ

雪美「……行ってきます」キラキラ

ちひろ「いつになくやる気がありますね。何分持つか分かったものじゃないですけど」

――

モバP「……次はこの書類か……」カチャカチャ

雪美「……はっ……はっ……」 ←レッスン中

――

モバP「――そこにウチのアイドルを是非使っていただけませんか?(営業)」

雪美「……」ニコ イイエガオダヨーユキミチャン! パシャパシャ

――

モバP「……今日も一日お疲れ様、雪美。そしてちひろさんにも感謝です。ドリンクまで頂いて……ありがとうございます」ビシッ

ちひろ「お、おう……。何か今日はずっと真面目でしたね。一年に数回ある躁気味の日とかじゃないですよね?」

モバP・雪美「……?」


ちひろ「え、何かオチは無いんですか?」

796: 2019/11/16(土) 22:01:23 ID:ynmRYMiw
435

モバP「ああ、バウムクーヘンが食べたいなあ」

ちひろ「プロデューサーさんは最近法子ちゃんに付き合っていろいろドーナツを食べているそうですね?」

モバP「はい。さすがドナドル、知識も豊富で」

ちひろ「ドナルドみたいに略すな。……バウムクーヘンもそういえばドーナツ型ですね」

モバP「あの形、見ているだけで北欧情緒を感じます。シフォンケーキとかも」

ちひろ「まあ、端を切り落としてより綺麗に見せるんですけどね」

雪美「バウムクーヘン……他のお菓子より……少し……高め……」

モバP「作っている所を見学に行けば分かるが、あれは手間がかかるからな」

ちひろ「基本材料は卵・小麦粉・砂糖・バターなどお菓子にありがちな物ですからね」

モバP「その生地を棒に付け、回しながら焼いてまた付けてを繰り返して大きくしていくんだよ」

ちひろ「それで独特の木の年輪のような層ができるんですね」

雪美「……二人とも……くわしい……。そんなに……好きなの……ね」

ちひろ「いえいえ。でも、プロデューサーさんが変なことを言うから私まで食べたくなったじゃないですか」


モバP「……買いに行こうか雪美。と、堂々とサボりの口実にしてみる」 ダメデス

799: 2019/11/23(土) 21:32:42 ID:/I2nlcIw
436

プロデューサーマタネー タッシャデナ ヨフカシシタラダメダヨー? シュクダイハシタノ?

モバP「おかしいな、俺君たちより年上のはずだよね? ……あったかくして寝ろよー」

パタン

雪美「……P……みんなと……仲良し……」

モバP「それなりに長い道のりがあってどうにかな。俺の第一印象が良かったと言う子は少ないと思う」

雪美「……前は……もっと……真面目……だった……の?」

モバP「雪美が今見たら驚くくらいは真面目だったと思うぞ」

雪美「そう……。でも……今でも……たまに……真面目なのは……好き……」

モバP「たまにはね。ただ一般的に、真面目もプラスに働けば良いんだが真面目の皮を被った単なる無気力とかだと大変だしな」

雪美「……Pは……そんなこと……ない……」ニコ

モバP「自信を持って言うんだな? まあ確かに雪美さんをお迎えしてから無気力になる暇が無いからな。いい女やでほんま」

雪美「……ばか」


ちひろ「まだ初々しかった頃のプロデューサーさんが懐かしいなあ」

800: 2019/11/23(土) 21:34:58 ID:/I2nlcIw
437

モバP「ただいまー」

雪美「お帰りなさいませ……御屋形様……」

モバP「」

雪美「……? 御屋形様……?」

モバP「ふぅ……御屋形様は反則じゃ雪美姫」

モバP「旅館の仲居さんのような和装に負けていない立派な姿だ。何でも頼りたくなってしまう」

雪美「……うれしい」キラキラ

モバP「この前は洋装、いわゆるメイド服の雪美さんもグッドだったな」

モバP「あの日のようにたどたどしくご主人様、なんて呼ばれて側に控えられた日には平常心でいることなぞ不可能」

雪美「……あなたのために……着たから……少しくらい……さわっても……いい……」

モバP「良いのか~? 少しじゃ済まないぞ? しばらくは抜け出せないくらい抱き締めるぞ?」

雪美「……かまわない。……して」(つ゜-゜)つ


ちひろ「プロデューサーさんが感激で悶え転がっていますね」 ウワアアアア!

801: 2019/11/23(土) 21:38:22 ID:/I2nlcIw
438

雪美『赤い……目玉の……さそり……』

こずえ『ひろげたわしのつばさー』

雪美『青い……目玉の……子犬……』

こずえ『ひかりのへびのとぐろー』

雪美・こずえ『おりおんはたかくうたい……つゆとしもとをおとす……』

♪♪♪――

モバP「……浄化されますね」

ちひろ「浄化されます」

千秋「一理あるわ」

アヤ「不覚にも涙が」

モバP「星めぐりの歌って何かロマンチックで切なくて童心を思い出させる感じがします」

ちひろ「少年少女合唱団のあどけなくも純粋な歌声を聞くとああ……ってなるのを思い出しました」

モバP「中学生以降や大人の綺麗なコーラスもうっとり聞き惚れるんですが、これは一回りして神秘的ですよね」

802: 2019/11/23(土) 21:50:36 ID:/I2nlcIw
ちひろ「それにしてもこうしてテレビで歌っている姿を見ると、二人とも高みに行った感じがします」

モバP「普段は身近なのにどこか遠い存在に見えてくるんですね」

千秋「そう? 離れていても繋がっていると思うの。それに、画面越しでも癒されるわ」

アヤ「ま、信頼していても、つい心配になって様子を見たくなるんだよなあ(保護者)」

モバP「一応、お守りとか渡していたりするんだがな」コレデス

ちひろ「フェルトに綿を詰めて作った、パネル状のPマークお守りですか。ボンバーマン4のプッシュみたい」

モバP「あとはこの黄色い三角形を配って、雪美が勇気、こずえが知恵、自分が力を受け持つという形で結束を高めたり」ハイ

ちひろ「三つを揃えると願い事が叶うトライフォースかな?」

アヤ「良いな……シンプルだけど、そういうのもさ」

千秋「……貴方、マスコットの佐城さんを作ったりは出来ないの?」

モバP「一度作ってみたいが、実在人物のマスコットを本人にお守りとして渡すというのは何だし」

モバP「かと言って俺が勝手に個人的に愛でる用に作るのもな」

モバP「あ、だったら雪美とこずえのフェルトマスコット、千秋とアヤに作れば良いのか」

千秋・アヤ「……良いの?」キラキラ


ちひろ「手先が小器用……家庭的な人だなあ」

803: 2019/11/23(土) 21:54:44 ID:/I2nlcIw
439

モバP「世の中にはいろいろなりんごがあると思いませんか、りんこさん」

あかり「りんこさん違うんご! ”り”しか合ってないです!」

モバP「おっと、りんごに気を取られて……あかりちゃんで間違いないな?」

あかり「もー、からかわないでくださいよ? あかりんごですけどあかりはあかりですっ」

モバP「で、名字は紲星でしたっけ?」

あかり「ち・が・い・ま・すぅー! 誰がご飯をいっぱい食べるボイスロイドですか!」

モバP「でもさ、下の名前が分からない芸人とかはよくいるが、上の名字が分からないアイドルって新しくない?」

あかり「失礼だなあ! それはプロデューサーさんだけかと思うんご」

モバP「君もウチでは入って日が浅いとはいえ、他の子のフルネームを度忘れすることが無いとは言えめえ」

あかり「それはまあ……」

モバP「という訳で、えっと……辻野くん」

あかり「思い出してもらえたんご!」

モバP「そうそう辻野だ。辻野らいと」

あかり「せっかく上を思い出したのに下がもう跡形もなくなってるじゃないですか!?」

804: 2019/11/23(土) 21:58:12 ID:/I2nlcIw
モバP・あかり「うぇ~い」 パシン

ちひろ「うぇ~いじゃないです」

雪美「私も……」

モバP・あかり・雪美「うぇ~い」 パシッ

モバP「それにしても秋だねえ。世の中にはいろいろなりんごがあると特に思わされるのがこの季節だ」

あかり「紅玉をよく見かけますね。そのまま食べても良いですけどアップルパイに最適!」

モバP「紅玉をそのまま食べる人はなかなか物好きな感じがするが、とにかく酸味特化型だな」

あかり「逆に甘さ特化は赤りんごではなく青りんごの王林です。辻野あおりんご!」

モバP「煽るな。そうね……香りも良いし、TIMEも増えるしな」

ちひろ「TIMEが増えるのはマリオワールドだけだぞ」

モバP「他にもふじやらジョナやら秋映やら、チャートを見るのが楽しい物の一つだな」

あかり「秋映の黒にすら近い深い赤色はドキッとしますね~」

雪美「二人とも……りんご……好き……ね」


雪美「でも、P……たまには……イチゴの話も……しよう……?」 イチゴンゴ! ナンジャソリャ

805: 2019/11/23(土) 22:00:51 ID:/I2nlcIw
440

モバP「ああ、また外れか」

雪美「P……どうしたの……? SR……当たらなかったの……?」

モバP「いや、ガチャを回したりしている訳じゃないからな。というか雪美でもそういうことは知っているのか」

雪美「うん……。でも……私は……Pと……直接……遊ぶ方が……楽しいから……しない……」

モバP「まあ射幸心課金商売に付き合うよりは昔ながらの遊びの方が心も楽か」

ちひろ「身も蓋も無いことを」

モバP「で、これはチョコボールだよ。エンゼルが居なかった」

雪美「……! 銀なら五枚……金なら一枚で……缶詰が……当たる……?」

モバP「そうそう。おもちゃのカンヅメだな。以前知り合いに中身を見せてもらったことがある」

雪美「……中身は……?」

モバP「言って良いのかな? まあちょくちょく企画が変わっているだろうから、良いか」

モバP「普通に玩具の小物が何個か入っているものや、全体がオルゴールになっているものとかがあったな」

雪美「……」ホー

806: 2019/11/23(土) 22:04:16 ID:/I2nlcIw
モバP「で、俺も欲しいなと思って店で見かける都度、チョコボールを買っているんだが」

モバP「俺の前に幸せのエンゼルは訪れてくれないのだ」

ちひろ「アイドルの中には当てた人や当てるのが上手い人はいそうですね」

モバP「でもやっぱり自力で当てたいじゃないですか」

雪美「……エンゼル」

モバP「エンゼル……そろそろ来てくれても良いのになあ」

雪美「……P……私が……いるじゃない……!」

モバP「雪美……!」

雪美「…………///」

ちひろ「何となく言ってみたら恥ずかしくなったパターン」

モバP「でも、そうだな。俺の幸せのエンゼルは、いつも側にいる雪美だったのかもな」

雪美「……P……」

モバP「エンゼル雪美……やっと見つけたぞ!」ガバッ

雪美「……///」

ちひろ「はいはい茶番」

807: 2019/11/23(土) 22:06:26 ID:/I2nlcIw
モバP「そういえば、エンゼルって大体は裸なんだよな……」

雪美「……」

モバP「……」

ちひろ「……」

モバP「雪美、チョコボール食べる? いちご味」

雪美「うん……!」

ちひろ「何だ今の間は……私にもください」

モバP「どうぞ。……にしても、金一枚と銀五枚が同価値な訳だが、もう少し出やすい銅のエンゼルも欲しい」

ちひろ「金と微妙に判別し辛い上に20枚くらい集めさせられそう」

雪美「……銀行の……両替……みたい」

モバP「銀行は何故金行では無いのかというと、日本で制度が出来た当時銀本位制だったからとか言いますね」

ちひろ「突然の謎知識」

モバP「あと、金行だと禁后みたいで嫌だと思う人はいるかもしれない」

ちひろ「何故そこにオカルト」


雪美「……銅があるなら……プラチナの……エンゼルも……」 フエルナァ

808: 2019/11/23(土) 22:09:13 ID:/I2nlcIw
441

モバP「雪美さんに着せてはいけない服シリーズー」

雪美「おおー……」パチパチパチ

ちひろ「シリーズやめろ。雪美ちゃんも拍手しないの」

モバP「さて、今回取り上げるのは”踊り子の服”」

雪美「……ダンス衣装……?」

ちひろ「……範囲広いですけど、まあそう名の付く特定物は大体はいけない気はしますね」

モバP「ドラゴンクエスト4のマーニャの格好をイメージしたら分かりやすいでしょう」ハイガゾウ

ちひろ「シリーズでデザイン変わっていきますけど特に露出度高くていけないやつですそれは」

雪美「……スタイル……かっこいい」

モバP「褐色でより妖艶に見えますね。でもこれで防御力は高いし装備買い替え時の下取り額も高いという」

ちひろ「下手な防具より強いとか不思議ですねえ。高値で売れるのは……うん」

モバP「これを、経験として一度は着てみたい! と興味をお持ちだったりはしませんか雪美さん」

雪美「……今の私には……似合わない……」フルフル


モバP「それは残念です。……次回に続く」 ツヅクナ

809: 2019/11/23(土) 22:21:23 ID:/I2nlcIw
442

モバP「ああ……諸行無常な気分だ」

雪美「……どうしたの……?」

モバP「さっき車で通った所にさ、以前は松林の私有地があったんだが、もう無くなっていたんだ」

雪美「松の……林……?」

モバP「ああ。日本の三大松原とかと違ってそんなに広い面積ではないが、気になる場所だった」

モバP「ここでかくれんぼとかしたら面白いだろうなって十数年前の自分は思っていた」

雪美「……自分が……どこにいるか……迷いそう……」

モバP「今の日本で、松林や竹林で軽く迷う感覚を味わえるって結構すばらじゃありません?」

雪美「……そう……?」

モバP「360度見回しても松林、でも鬱蒼とした内陸の樹海と違う整然とした木々の間隔」

モバP「細長く伸びた幹に、先の針のような葉。そこから差し込む光の明るさ加減は幽玄の世界」

モバP「ちょっと進めば抜けられそうな所でも、敢えて腰を掛けて途方に暮れてみたいというかね」

雪美「……そんなこと……していると……妖怪に……会いそう……」


ちひろ「……ちょい迷いたい系男子ですか」

811: 2019/11/30(土) 22:04:23 ID:U/9zb.uw
443

モバP「はぁ~あ……」ナデナデ

雪美「……」ムフー

モバP「雪美さんってほんと……ほんともう何て言うか……言葉では言い表しきれない存在」

雪美「……そんなに……?」

モバP「そんなにだよ。一億人から君を見つけ出したみたいな幸運」

ちひろ「こなぁぁぁゆきぃぃぃ」

雪美「……でも……私は……成長して……しまう」

雪美「……心も……体も……変わっていく……」

モバP「大人は、テレビで見る子役が成長してしまった時に複雑な感情を抱いたりするね」

雪美「……Pも……そうなる……?」

モバP「かもな。でも、人間であれば大人だって同じ一年で一歳のペースで歳を取るんだ」

モバP「その上で、本質はきっと、ずっと変わらないさ。大きくなっても、例え生意気になったとしても」

雪美「……なら、良い……。それに……もし変わるなら……Pも……私が……変える」


ちひろ「プロデューサーさんは人間かは怪しいところですけど」 ソレヲイワナイデ

812: 2019/11/30(土) 22:06:02 ID:U/9zb.uw
444

モバP「……」ジーッ

ペロ「……」ジーッ

モバP「……ペロ」

モバP「……あんた、お顔をよう見たら、べっぴんさんやなあ」

ペロ「……」

モバP「……」

ペロ「……」スッ

パシッ!

モバP「ふぉっ!? う……目にも留まらぬ一発を貰ってしまった。何でや!」

ペロ「ふんぎゃーす」

雪美「Pが……変なことを……言うからだ……って」

モバP「お厳しい。心当たりは多いがな」 パシッ イテッ


ちひろ「ツッコミの猫パンチは猫好きにはある意味ご褒美です」

813: 2019/11/30(土) 22:09:53 ID:U/9zb.uw
445

モバP「雪美よ、ちょっとした質問をさせてくれ」

雪美「……分かった……。……どうぞ……?」

モバP「雪美は今から一人で旅に出なくてはいけません」

雪美「……一人は……苦手……」

モバP「そこで知り合いの博士に、火属性のトカゲ、水属性のカメ、草属性のカエル」

モバP「このどれか一匹をお供に付けてあげるから選べと言われました」

ちひろ「ポケモン初代……というかフシギダネってモチーフはカエルだったんですか」

モバP「さあ、どれを選ぶ?」

ポク ポク ポク チーン

雪美「……カメ……?」

モバP「ほほう。何故そう思った?」

雪美「……長生き……しそう……と思ったから……」

ちひろ「結構現実的な理由だった」

814: 2019/11/30(土) 22:14:29 ID:U/9zb.uw
雪美「……電気属性の……ネズミ……は……? ……それか……イーブイ」

ちひろ「イーブイ言っちゃったよ」

モバP「まあまあ。でも偶然にも俺と一緒だな。俺もカメを連れて行く」

モバP「ゲームだとトカゲは序盤が厳しく、カエルだと逆に易しくなる。だからその中間にする」

雪美「……」

モバP「真ん中を選べる人というのは実は強いんだ」

ちひろ「雪美ちゃんにそんな意図は無かったと思いますけどね?」

雪美「……」コク

モバP「……まあ、だから? と言われればそれまでだが、何となく聞いてみたくなったんだよ」

ちひろ「でも、三竦みで一点物の御三家を最初に選択するシステムって良いですよね」

モバP「いきなり運命の選択をさせられるという容赦のなさ」

モバP「それと人間キャラのデザインですね。歴代女主人公とか服装がジュニアモデルみたいで衣装の参考になります」

雪美「……良い意味で……日本っぽくない……感じ」


ちひろ「あ、ちなみに私もゼニガメ派です。アイテム増殖するんで何でも良いですけどね」 オイオイ

815: 2019/11/30(土) 22:17:17 ID:U/9zb.uw
446

モバP「美人を現す四字熟語ってありますよね。羞花閉月」

ちひろ「なかなかマイナーな所を持ち出しますね。閉月羞花と言うのもありますし」

雪美「四字熟語……あまりよく……知らない……」

ちひろ「容姿端麗とか美人薄命とか……傾国美人、とか」

モバP「僕も妲己みたいな美人に破滅させられたいなー」

ちひろ「冗談はPヘッドだけにしといてくださいよ?」

モバP「とにかくいろいろありますね。でも、羞花閉月って何だか卍解っぽくありません?」

ちひろ「天鎖斬月や鏡花水月かな?」

モバP「他にも一部の四字熟語って斬魄刀に出来そう……出来そうじゃない?」

雪美「……例えば……?」

モバP「覚醒(おこ)せ、夙夜夢寐」

ちひろ「解号まで考えるんですか」

雪美「難しい漢字……使うところが……オサレ……」

816: 2019/11/30(土) 22:19:19 ID:U/9zb.uw
モバP「で、羞花閉月だったら美人過ぎて眩しい的な能力になるんでしょうかね?」

モバP「暇があればアイドルたちの斬魄刀を一本一本考えたりしてみたいものです」

ちひろ「蘭子ちゃんや乃々ちゃんでもノートにそんな厨二構想は書いてないと思うなあ」

雪美「……アイデア……ポエム……、思いは……人それぞれ……」

モバP「それにしても、花も恥じらう乙女・美人、良いですよね。雪美さんのような」

雪美「……普通に……そういうこと……言う……///」

ちひろ「何でも雪美ちゃんですねえ」

モバP「まあアイドルの子たち全般に乙女は多いと思います」

ちひろ「私も乙女ですよ?」

モバP「えっ?」

ちひろ「いえ、やっぱり何でもないです」

モバP「失礼しました。いえ、ちひろさんが乙女なのを疑うつもりは無くですね……」

モバP「でも乙女と言うよりは、観世音菩薩みたいというのが先に来ます」

ちひろ「何ですかその参照先を間違ったような言葉の豹変は」


雪美「……ナチュラル……パワーワード……」

817: 2019/11/30(土) 22:22:33 ID:U/9zb.uw
447

雪美「P……っ!」バタンッ!

モバP「雪美、心配して来てくれたのか?」

雪美「Pが……交通事故に……あったって……聞いて……!」

モバP「いや、交通事故ってほどではないが……でもやっぱり交通中の事故なのかなあ」

雪美「……何が……あったの……?」

モバP「ちょっとサイクリングをしていたらバードストライクを受けてしまってな」

雪美「……??」

モバP「信じられないかもしれないが運悪く低空飛行しているカラスと衝突したんだよ」

モバP「大した傷ではなかったが転倒したし、こうして一応病院で診てもらったんだ」

雪美「………………うん……良かった……」

モバP「あ、思考停止したな? 驚いたんだぞ? いきなりガツン、だから一瞬銃撃でも受けたのかと思って」

雪美「……」ギューッ

モバP「心配させてすまなかった」


ちひろ「……巷のカラスの標的になっていたりしませんよね?」

818: 2019/11/30(土) 22:26:23 ID:U/9zb.uw
448

モバP「今日は杏にプレゼントをあげようと思って来ました」

杏「……何かの記念日?」

モバP「いや? 何でもない思いつきの奇襲プレゼント攻勢だ」

杏「まあ、貰える物は貰っておく主義だよ。仕事以外ならね」

モバP「という訳で、お宝オープン!」テレレレレン

雪美「……こちらに……なります」

杏「おっ、これは……カレンダー?」

モバP「それもちょっと立体的でしょう」

雪美「クリスマスまで……カウントダウン……する……アドベント……カレンダー……」

杏「ほう……ちなみに隣の雪美ちゃんもセット?」

モバP「雪美は別売りになります」 コクコク

杏「売ってるんだ……」

819: 2019/11/30(土) 22:28:41 ID:U/9zb.uw
杏「それにしても、どうしてアドベントカレンダー?」

モバP「日付の引き出しを開けると玩具の小物が入っていたりお菓子が入っていたりするが、これは飴なんすよ」

雪美「……キャンディ……バージョン……!」

杏「へぇ。アドベントカレンダーは知っていたけど、そんなのまであるんだねえ」

モバP「ショップで見かけてこれは直感的に杏の元に行かせるべき代物だと思ったので購入した」

モバP「毎日一つ、開ける度に違う、珍しい飴が入っていて楽しめると思うぞ」

杏「プロデューサーはこういうの好きだね。嬉しいけど」

モバP「欲張って先食いするなよ? 一日一個だからな?」

杏「信用無いなあ。そこまで食い意地張っちゃいないって」

杏「……でも、ありがと。使わせてもらうよ」

モバP「おう。しかし、今日の分が無いな。開けられるのは一日からだし……ということで雪美さんから」

雪美「……はい。……これは……サービス……」

杏「あっ、レモン飴だ……いただきます」 ビリッ パクッ


モバP「……食ったな?」 エ? ナニコワインダケド

820: 2019/11/30(土) 22:30:34 ID:U/9zb.uw
449

モバP「外は雨。こういう日はカラッとしている時より気温は下がらないんだよな」

雪美「……でも……ぬれる……」

モバP「そうだな。それに雲がかかっていると日中でも薄暗くて何となく陰鬱な気分になったりする」

ちひろ「明るさで気分は結構変わりますよね」

モバP「秋の日は釣瓶落としと言いますから、ただでさえ明るい時間が少ないですからね」

雪美「てるてるぼうず……でも……作る……?」

モバP「てるてる坊主はなぁ……何か生贄にしているみたいで可哀想に見えるんだよな」

ちひろ「饅頭なんかは元々本当に人の頭を人身御供で捧げていたそうですね」

雪美「孔明……すき」

ちひろ「よく知っていますねえ。教えたのまたプロデューサーさんですか?」 ウン

モバP「あはは……しかしここ何ヶ月か、週末土日ってほとんど雨や曇りばかりらしいですよね」

ちひろ「ここ数年は週末ばかり狙ったかのように雨が多くていつもガッカリしている気がします。もちろん晴れた日もあるはずなんですけどね」

雪美「私は……Pと……いつもいっしょに……いる気がする……」


ちひろ「それは気がするんじゃなくて実際にいます」 イヤァテレルナァ

821: 2019/11/30(土) 22:33:10 ID:U/9zb.uw
450

ちひろ「雪美ちゃんって慣れているとしても、プロデューサーさんを怖がらないですよね」

雪美「……こわがる人は……少ない……」

モバP「わざと脅かしたりしない限り、本気で怖がる子はアイドルたちにはいません。多分」

ちひろ「いたら反省してもらわなきゃいけないわけですけど」

ちひろ「でもちょっと頭を空っぽにして見てみれば、プロデューサーさんって大柄ですし」

雪美「……大きくて……頼もしく……見える…………」

モバP「ほら見なさい、怖くないです」

雪美「……でも……Pのこと……知らなければ……こわいかも……」

ちひろ「とのことですよ?」

モバP「そういえば雪美を放課後の学校に迎えに行った時、周囲の子に引かれたなあ」ショボン

雪美「……しょぼくれるの……かわいい……」

ちひろ「私でも大きいなと思うのに、更に低い視点から見たらそびえ立って見えると思いますよ」

モバP「……怖くないですし」


雪美「……分かってる……。Pは……こわくない……」ヨシヨシ

822: 2019/11/30(土) 22:34:04 ID:U/9zb.uw
今日はここまで
とかく女の好むもの 芝居浄瑠璃芋蛸軟禁

823: 2019/11/30(土) 22:44:18 ID:VI0yepkE

巷のカラスの標的で草生えまくった


to be continued...→


引用: モバP「雪美さんといっしょ」