617:◆ORDERq/08U 2021/04/24(土) 23:17:51 ID:a1P7gd9E




前回はこちら


雪美さんといっしょシリーズ


991

モバP「最近はボタン目のキャラクターがひっそりと流行っていますね」

ちひろ「いますかね?」

雪美「……ボタン目……?」

モバP「中心に二つ穴や四つ穴が開いているポピュラーな洋服のボタンを目にしたものだ」

雪美「イメージすると……少し……怖い……」

モバP「普通は人形に目を付ける時、裏穴や足つきのボタンを付けた方が見映えしやすいんだよな」

雪美「つぶらな……目になる……」

ちひろ「そこを敢えて四つ穴ボタンを使うと、独特のゴシックな怖さが出ますよね」

モバP「そういうマスコットでも作ってあげるとみんなは喜ぶものなんでしょうか?」

ちひろ「作るんですか? ダークファンタジーよりはホラーコメディっぽい方が良いでしょうね」

モバP「この前、自分の作った物がアイドルの写真で取り上げられて話題になっていたんですよ」

雪美「……私にも……作ってくれたら……うれしい……」

モバP「よし! 昔から集めてきた水牛調とかの綺麗な四つ穴ボタンをこれを機に使ってしまうか」


雪美「……マーブルカラーのボタン……集めたくなるの……分かる……」

618: 2021/04/24(土) 23:19:18 ID:a1P7gd9E
992

モバP「暖かくなってきたのでこたつを撤去するか」

雪美「……」ゴロン

ペロ「……」ゴロン

モバP「無言の抗議だな」

雪美「片づけるの……?」

モバP「もう5月も近いしな。そんなに未練があるか」

雪美「……」ゴロン

ペロ「……」ゴロン

モバP「電源を入れなくても布団があるだけで気持ち良いのは分かる」

ペロ「……ウウウ」

雪美「……敷き布団……だけでも……って言ってる……」

モバP「猫はラグマットなんかが好きだよな」

モバP「……敷き布団だけ保留にするかなあ」ゴロン


千秋「雪美さんの実家のような素の表情と寛ぎ様、いつまでも見ていられるわね」ウットリ

619: 2021/04/24(土) 23:21:00 ID:a1P7gd9E
993

ポフポフポフ

モバP「ペロも」

ポフポフポフ

モバP「雪美も」

ポフポフポフポフポフポフポフ

モバP「木魚を叩くようなリズムで甘く叩いてくるのは何ですか」

チーン

モバP「何の音!?」

雪美「……?」

モバP「幻聴ですか」

雪美「……P……良い弾力……してるから……」

ペロ「ンギャア」

雪美「それと……体……大きいから……多少のことでは……動じないのも……魅力……」

モバP「動じていない訳じゃないぞ? 力加減がマッサージみたいで心地良い」

620: 2021/04/24(土) 23:23:31 ID:a1P7gd9E
雪美「……」ポフ

モバP「あぁ……」

ペロ「……」パタパタパタ

モバP「ああ、尻尾で叩かれるのも……快感だな」

雪美「…………私も……頑張って……尻尾……生やそう……」

モバP「ヒトに尻尾が生えたとしても、器用に動かせるかどうか」

モバP「猫の尻尾は尾椎が通っているからそれが出来るんだがな」

雪美「……Pは……尻尾を動かす……感覚……分かる……?」

モバP「ああ。何かヒトには無い物があると変な感じだが、本能的に動くよ」

ペロ「……」スタスタスタ

モバP「あ、飽きたのか行ってしまわれた」

モバP「しかし雪美は肩もみ肩たたきがプロみたいに上手だよな。俺の親も俺にそう言ってくれたが、人にやってもらうとやっぱり違うもんだ」

雪美「Pの方が……上手……。でも……喜んでくれると……嬉しい……」

雪美「……P……最近……肩……凝っている……みたいだから……はい、これ……」つ□


モバP「肩たたき券をくれるのか? ……勿体無くていつまでも使えなさそうだこれ」

621: 2021/04/24(土) 23:35:44 ID:a1P7gd9E
994

モバP「わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」

ちひろ「宮沢賢治ですか」

モバP「長すぎず短すぎない、言葉に出して読みたい一節ですよね」

ちひろ「そうでせうか」

モバP「はい、おぜうさま」

ちひろ「私はおぜうさまではありません」

雪美「……いにしへの……奈良の都のやへ桜……けふここのへににほひぬるかな……」

モバP「歴史的仮名遣いは実にレトロだな」

加奈「歴史的加奈遣い、ですか? プロデューサーに呼ばれたような気がしました」

モバP「なるほど、聞こえは変わらないが仮名を加奈に置き換える……そういう考えもアリか」

モバP「旧加奈、現代加奈、平加奈、片加奈、変体加奈、異体加奈……」

加奈「いろんなわたしが出てきますね。後で使うかもしれないアイデアなのでメモっておきます!」

モバP「良さげな発想は活動中や何気ない時に生まれるからメモ癖は役に立つよな」


ちひろ「変体加奈なんて言葉を出してきたのは故意ですか?」 ラブデス

622: 2021/04/24(土) 23:39:30 ID:a1P7gd9E
995

モバP「ちひろさん、元気が出るドリンクを一本お願いします」

ちひろ「はい、どうぞ」

モバP「お代はこれで頼みます」

ちひろ「あ、桃缶」

ちひろ「って物々交換ですか。それも変に高級なやつを」

モバP「風邪など体調不良時に食べる缶詰の桃の美味しいこと」

モバP「具合が悪い時の味方と言えば経口補水液というのもありますが、これは元気な時にはなかなか飲めたものじゃなかったり」

雪美「……味見……したこと……ある……。……あれは……うん……」

ちひろ「それはいいんですけど、ギャグとかでなく本当に桃缶で換えるんですか?」

雪美「……桃缶……Pの家には……いっぱい……ある」

ちひろ「ほう……良い生活しているんですね」

モバP「パントリー、というほどでもない収納棚にいくつかあります」

雪美「……でも……何でもない時でも……食べる……ね」

モバP「缶詰は賞味期限が長く非常食として優秀だが、それでも永久には保たないからな」

623: 2021/04/24(土) 23:41:22 ID:a1P7gd9E
モバP「古い方から少しずつ消費して新しいのを補充する、ローリングストックというやつだ」

ちひろ「そのストックの余分を私にくれた訳じゃないですよね?」

モバP「……どうして在庫処分だとばれたんだろう」 コラ

モバP「しかし桃と言えば缶詰で見かけるのは黄桃、青果物として見かける機会が多いのは白桃」

雪美「……ただし……すもももももももものうち……ではない……」

モバP「もう一回言って?」

雪美「……すもももももももものうち……ではない……」

モバP「雪美さんが“も”を連続で発音する所、軽快で聞き惚れますね」

雪美「……早口言葉……私だって……言えない、わけではない……」

モバP「では俺も。隣の柿はよく客食う柿だ」

ちひろ「人を襲う柿の木か何か?」

モバP「失礼、噛んだだけです。それにしても雪美さんその通りでスモモは桃の仲間とは違うんだよな」

雪美「……うん。……私は……白桃……好き……。ミックスジュースに……欠かせない……」

モバP「あれが入ると風味が上品になるよな。ネクターなんかも一度飲むと忘れられない味だし」


ちひろ「この桃缶どうしようかな……」

624: 2021/04/24(土) 23:43:29 ID:a1P7gd9E
996

モバP「今日は近所の家の庭のフェンスにカラスが止まっていて、結構近くまで接近してもじっとしていたんだ」

雪美「……ふんふん」

モバP「普段、自分の目線の高さで全身を近くで見る機会がなかったから、ちょっと観察してやった」

雪美「……ふむふむ」

モバP「そして思ったんだが、よく見ると格好良いよな、カラスって」

ペロ「……」

雪美「……そうね……。ペロは……カラス……いけ好かない奴……って言ってる……けど」

モバP「真っ黒い体同士通じ合うようなことはないか」

モバP「というかペロは人間の話がしっかり理解できるんだな。そして声を発しなくても雪美に伝わる」

ペロ「……ミィ」スッ

モバP「ん、ペロが自分から俺の膝に乗ってくるということは、俺に何かを求めている時だな」

雪美「……ふふ……Pも充分……ペロのこと……分かってきている……」

モバP「何となくで分かってきていると言って良いのかな? 猫の秘密はまだ奥深いと思うが……」ナデナデ


ペロ「ンナーゴ♪」

625: 2021/04/24(土) 23:52:31 ID:a1P7gd9E
997

モバP「雪美さんはジュークボックスって知っている?」

雪美「……? ……19の……箱……?」

モバP「主にボウリング場とかにある、その場に流す音楽をリクエストできる洒落た自販機――と言えば」

雪美「……ティンと……こない……」

ちひろ「もう無いんじゃないですかね? 古いものは当然ですけど、デジタルの方も」

モバP「……あのちょっとした自己顕示欲を満たせそうな、でも恥ずかしくて手を出せない距離感が好きだったんですが」

ちひろ「プロデューサーさんのような人ばかりだったかは分かりませんけど、使う人がそんなにいなかったと思います」

モバP「確かに……でも古いタイプとか、事務所の片隅に一つくらい置いてみたいですね。ステイタスになりますよ」

ちひろ「何のステイタスやら」

モバP「今は調べると画像がすぐ出てくるのは便利だ。ほれ雪美さん、これですよ」

雪美「……ん、見たことは……ある……。……音楽を……流すもの……だったの……」

モバP「幼心には一見何なのかよく分からないが興味の湧く物ってあるよな」

雪美「……うん。……そして……何だったか……忘れる……」


ちひろ「そしてある時、何かの拍子に急に思い出したりする」 ソシテマタワスレル イヤオボエトケ

627: 2021/05/01(土) 23:31:30 ID:w9WNstGI
998

ガチャッ

凛「プロデューサー、おはよう」

雪美(一日プロデューサー)「……凛、おはよう」

凛「って、えっ雪美? 一日プロデューサーって何?」

雪美「P……今日は……ペロと……海外出張……。だから……私が……代理……」

凛「ペロと出張って業務じゃないと思うんだけど……雪美が本当に代理をやるんだ?」

雪美「……」コク

凛「……よく見るとしっかりスーツまで着てる。今の雪美、かっこいいよ」

雪美「……ありがとう……。今日のスケジュール……確認から……」キラキラ

――

凛「しばらく付いて来たけど、応対や付き添いと本格的にやるんだね……手伝おうか?」

雪美「大丈夫……。前に……Pと……中身だけ……入れ替わったこと……あって……そこで……お仕事……体で……理解したから……」

凛「……相変わらずオカルトみたいな関係だね」


ちひろ「あの日は普段開いていない雪美ちゃんのブラウスのボタンが開いていましたよ」 ……ゴクリ

628: 2021/05/01(土) 23:34:18 ID:w9WNstGI
999

モバP「……」

ちひろ「プロデューサーさん、魂が抜けていませんか?」

ペロ「……」コツ

モバP「おうっ!? ……そうだ、もう日本に戻って来たんだった」

ちひろ「一日だけ休みを取って海外に行くとか言い出した時は何かと思いましたけど」

モバP「ヴァルプルギスの夜に行ってきましたよ。ペロと共に、猫の抜け道を使って」

モバP「表のパレード、お祭りも賑やかでしたが、何より裏の夜宴ですね。現代にも本物の魔女っているんですよ」

モバP「猫の姿で参加しましたが、現地のウィッチの方と話が弾みまして、何とわたあめを作り出す魔法まで教えてもらいましたよ!」

ちひろ「魔法って……夢オチじゃないですよね?」

モバP「披露したいんですけど残念ですが霧が出ていないと作れないんですよね、フォグキャンディ」

雪美「……クセノファネス……エッセンティア……ドドラ……ゴンゴ……」

ちひろ「それはきりのカーニバルに出てくる呪文ですね」

モバP「あ、そういえば何故かちとせとヘレンも来ていて、普通に居るのを見つけた時は心臓が飛び出るかと思いました」


ちひろ「話を集約すると、本当は一体どこに行っていたんですか? 国内?」 コクガイデスヨ!

629: 2021/05/01(土) 23:35:30 ID:w9WNstGI
1000

モバP「雪美さん」

雪美「……?」

モバP「ありがとう」

雪美「……? 私……まだ……何も……してない……」

モバP「いや、これまでのことだよ」

雪美「……P……消えるの……?」

モバP「氏亡フラグじゃないです」

雪美「……」ホッ

モバP「一緒にいてくれて、歩いてくれて、いつも感謝しているよ」

雪美「……P……終わるの……?」

モバP「締めの挨拶でもないです」

雪美「……」ホッ

モバP「うん、まあそれだけだ。これからもよろしく」

雪美「……」(つ゜-゜)つ

630: 2021/05/01(土) 23:36:27 ID:w9WNstGI
ヒョイ ポスン

モバP「雪美ってもしかしなくても、俺のことが好きなのか?」

雪美「……ん……何……?」

モバP「こうして近くにいてくれるし、膝を要求するからさ」

雪美「…………そうかも……しれない……」

モバP「じゃあ、それを受け入れるまでよ」

雪美「……二人で……そして……ペロや……ちひろさんや……みんなで……いると……」

モバP「おう?」

雪美「……どんなことでも……楽しいだけで……特別に……好きとか……ないんだから……」

モバP「ほうかほうか、こやつ、変わらず愛いのう」ナデナデ

雪美「……ふふ」


ちひろ「こやつらこれからも遊び続けるつもりですね」

631: 2021/05/01(土) 23:39:44 ID:w9WNstGI
1001

ペロ「……」ジーッ

モバP「あ、ペロ。来てくれたんだ」

モバP「ん、分かっているよ。ここはこうして片づけて……よし、今行く」

ニャーウ マッテオイテカナイデー

ちひろ「……プロデューサーさんは最近、ペロと仲良くなりましたね」

雪美「……P……引っ張ってくれる……タイプの……仲間に……弱い……から」

雪美「この前も……ピンチの時……ペロに……助けてもらって……段々と……惹かれ始めてる……みたい」

ちひろ「……雪美ちゃんは、ペロに対しても嫉妬とかするものですか?」

雪美「……Pには……誰とでも……仲良くなってほしい……から……しない……」

ちひろ「でも少しは独占欲もあるでしょう? ある一線を超えて手を出されたら何となく嫌だ、とか」

雪美「……その時は……私も……同じように……手を出してもらう……だけ……」

ちひろ「私としては手を出させるのを黙って見過ごすわけにはいきませんけども、腰が据わっていますね」

モバP「おっと忘れ物忘れ物。……では行って来ます」


雪美「……二人とも……あまり……遠くに……行かないように……ねー……」 ホゴシャダコレ

632: 2021/05/01(土) 23:47:41 ID:w9WNstGI
1002

モバP「以前雪美には太ももにレッグシースを隠してもらったことがあったな」

雪美「……あれは……普段……見えないのが……残念……」

モバP「まあな。スカートの下に武器を隠すのもまず実用性がイマイチに感じられる」

モバP「横スリットとかでないと、ナイフを取り出すのに一々捲らないといけないし」

ちひろ「武器を使う前提の危険な日常が当たり前みたいに言わない」

モバP「そこで、もっと普通にアイドルが衣装で着用するような物を用意しました」

モバP「今回! 何と! 雪美さんが! 着けて……くれた?」

雪美「……///」コク

モバP「おお、ミニスカートだけでも雪美さんの本気な感じがして良いが、そこにガーターリングまで!」

ちひろ「ストッキング留めですね。何かセクシーアイテムみたいに扱われがちですけど」

モバP「これがチラ見えしただけで体温が1℃くらいは上昇します」

雪美「……P……微熱……?」ピトッ アッ、オテテツメタイ

モバP「たまに見かける、手首にシュシュを引っかけている女の子も何か良いなと感じるものがあります」フレンチクルーラータベタイ


ちひろ「何ですか最後の漏れ出た食欲的本音は」

633: 2021/05/01(土) 23:50:02 ID:w9WNstGI
1003

雪美「……♪」

ありす「あっ、そんなショートカット方法があるなんて聞いていません――っ」

モバP「楽しそうだな」

紗南「Pさん家でマリオカートしようって提案した甲斐があったよ」

モバP「それも今回はマリオカートライブホームサーキットで家自体がコースだからな」

紗南「これ、やってみたかったんだよね! こういう広い家で!」

モバP「いやあ、大変だったよ。ジオラマとかを作るのにこだわるタイプなもんだから」

モバP「こうして障害物や背景を置いて道を作るセッティングで時間がかかった」

紗南「準備で既に力尽きている感じ? 後であたしともレースするんだから、回復しといてよ?」

モバP「ああ。遊ぶために何度も試走して作ったんだからな」

モバP「しかし、レースゲームで自分でコースを作れるのってなかなかないよな」

紗南「これまでマリオカートメーカーみたいなゲームってありそうで無かったよね」

モバP「これも画期的だが発展途上という感じだな。立体コースが作れるようになったら大したものだが」


雪美「……これ……Pが寝そべったら……背中の上も……走れる……?」 ソレハチョットムリダナ

634: 2021/05/01(土) 23:51:08 ID:w9WNstGI
1004

モバP「ちひろさん」

ちひろ「はい、プロデューサーさん?」

モバP「……普段あまり意識していなくて、今改めて思ったことがあります」

ちひろ「何でしょう?」

モバP「ちひろさんって154cmと意外と小柄な方なんですよね」

ちひろ「意外とって何ですか。それもアバウトじゃなくてはっきり言うか」

モバP「こうして話しているイメージよりは思ったより開きがないですか?」

ちひろ「プロデューサーさんが大きいんですよ」

モバP「自分の身長が高いのは自覚しています」

雪美「……私には……ちひろさんも……高く見える……」

ちひろ「ほら、おかしくはないんです」

モバP「……そうですね。女性にこんな、身長のことを……失礼しました」

モバP「…………」ホワア


ちひろ「小動物を愛でるような目で見るな」

635: 2021/05/01(土) 23:53:17 ID:w9WNstGI
1005

モバP「日中は過ごしやすい陽気、なんてものを通り越し」

モバP「もう初夏の暑さが感じられる日もある5月の始め」

雪美「……暑くなるのが……急だと……五月病にも……なれない……」

モバP「過ごしやすい時期が無いと五月病になる暇さえ無いかもしれないな」

ちひろ「どうなんでしょうね」

モバP「そんな最近は、俺は早起きをする」

モバP「早起きをして明け方に少し外に出てみるんだ。まあ早起きはいつもしているんだがな」

モバP「すると都会にいながらも山の朝のような静けさと、澄んだ冷たい空気を感じられてこれ以上なく気持ち良い」

雪美「……薄着で……少し……寒く感じる……朝……。……良いかも……」

ちひろ「寒い季節の最後の名残的な……理想の条件が成り立つ日はそんなにないでしょうけどね」

モバP「今以上に暑くなっても寒くなってもこのちょうど良さには出会えない気がします」

雪美「私も……してみよう……。そして……Pに……おはようって……心で……呼びかける……」

モバP「パジャマ雪美からモーニングコールが来るのなら俺は例え嵐の朝でも外に出るぞ」


ちひろ「それはやめとけ」

637: 2021/05/08(土) 23:12:24 ID:IG2Unr1A
1006

ピッ ガチャコッ

カシュッ

ゴクゴク

モバP「ふう、今日の謎のコラーゲンドリンクは当たりだな。美味い」

雪美「謎……?」

モバP「見たことがなかったメーカーのだな。自販機で珍しい物を見るとつい買う癖が」

雪美「……レトルトカレーや……お弁当の……自販機……とかも……ある……」

モバP「今は無人・自動で何でも売る時代になってきたな。自販機ブームが来るかもだ」

雪美「……P……自販機……好き……ね」

モバP「ああ。俺は引退したらビルを買って、上に住みつつ一階を自販機コーナーに改造するのが夢だ」

雪美「前は……駄菓子屋になりたい……って……」

モバP「駄菓子屋も入れるか。後はアーケードゲームも置きたいし、休憩用のイス・テーブルも……採算が取れるのかは分からないがな」

モバP「そうやって限られたスペースにだが、悩んで夢を詰め込んで、一国一城の主になれたら、世界も変わって見えるだろうか」


晶葉「既にシンデレラの城の主みたいなものじゃないか?」

638: 2021/05/08(土) 23:14:36 ID:IG2Unr1A
1007

モバP「皆さんは買い物時に、買うつもりは無いのにふと足を止めてカップラーメンを見ることがありませんか?」

みく「いや別に? Pチャンは袋ラーメンは好きだけどカップラーメンは食べないなとは思うにゃ」

モバP「ただ一回食べるためだけに容器を使い捨てにするのは勿体無い気がいつもするんだよな」

みく「環境には良くないかもね。一食あたりも高くなるし」

モバP「だがアウトドア、特に山で食べるカップラーメンの美味さたるや家で食べる時とは比ぶべくもない」

雪美「……ラーメン……寒い所で……食べると……おいしくなる……」

モバP「更に見晴らしの良い所で景色を見ながらとか最高だよな」

みく「Pチャン、ソロキャンプに行きたいって顔してるね」

モバP「というかカップラーメンを見ると、『あ、山に行きたいな』と誰しも思うんじゃないか?」

みく「いや別に? 飛躍し過ぎだと思うにゃ」

雪美「低い……チェアに座って……シングルバーナーと……片手鍋で……料理を作るのも……好き……」

みく「雪美チャンも行きたそうだにゃ。でも二人だとソロじゃなくなるね」

モバP「山ではソロとソロで隣人さ」


みく「何か行き慣れてる風だにゃあ?」 ショシンシャデスガナニカ?

639: 2021/05/08(土) 23:15:57 ID:IG2Unr1A
1008

雪美「……P……ここに……座って……?」

モバP「お、何かするつもりか? このマットに胡坐で良いかな?」

雪美「うん……。そのまま……」

ダキッ

モバP「ああ、雪美さんの感触が後頭部に押しつけられる……」

雪美「……もう少し……高め……」

モバP「あぁ~」

雪美「……」ギュッ

モバP「あっ」

ちひろ「雪美ちゃんは何をやっているんですかね」

雪美「本に乗っていた……胸を……頭に乗せるの……やってみたかった……」

ちひろ「どたぷーんなお姉さんが気のある男性に対してやる(?)スキンシップですね」

モバP「あっあっあっ」

ちひろ「プロデューサーさんがおかしくなっているのは放置するとして」

640: 2021/05/08(土) 23:17:38 ID:IG2Unr1A
ちひろ「まあ普段から雪美ちゃんは割とその……押しつけていますね」

雪美「……これくらいは……普通……」

ちひろ「プロデューサーさんからするとかなり意識していると思います」

雪美「……P……そうなの……?」

モバP「意識しますよ。というか体が触れると極端な話、男友達でも姉でも親でも猫でも」

ちひろ「そういう言い方されると見境なしに見えてきますね」

雪美「……大きい胸が……当たると……もっと……ドキドキ……する……?」

モバP「どうだろう。以前、寝惚けた姉貴に横からギュッとされたことがあるんだが」

ちひろ「“プロデューサーさんの姉”とかいう存在するらしいのに誰も見たことがない人、もしくは猫」

雪美「P……猫が……お姉さん……だったの……」ヤッパリ……

モバP「違わい。さすがに人だから」

モバP「それで、当たっている弾力の感触は無視できない。これは生物の性だ」

雪美「……ドキドキ……私じゃ……足りない……?」ギュギュッ

モバP「いいや。まず、雪美にぱふぱふされて俺がまともでいられるはずがないだろう」ウットリ


ちひろ「誰かまともな人はいないのか」

641: 2021/05/08(土) 23:19:00 ID:IG2Unr1A
1009

モバP「俺はアイドルにいろんな呼ばれ方をされている」

モバP「P(名前)、プロデューサー、さん、くん、ちゃん、殿、様付け、あなた、キミなど」

雪美「……私は……Pと……呼ぶ……」

モバP「雪美はそうだな。基本的に俺のことをプロデューサーと呼ぶことがない」

雪美「……Pは……P……」

モバP「……ちょっと試しに呼んでみない?」

雪美「…………プロデューサー……」

雪美「…………何だか……違和感……」

モバP「役職呼びだと少し他人行儀になる感じがするのかもな」

モバP「佐城」

雪美「……雪美……」

モバP「雪美……うん、やっぱり俺も名前で呼び慣れてしまっている」

モバP「それに佐城、と言うと雪美のご両親も同時に呼び捨てしているような気になる」

ちひろ「慣れって怖いものですね」

642: 2021/05/08(土) 23:20:56 ID:IG2Unr1A
雪美「……P」

モバP「……雪美」

モバP・雪美『……ちひろさん』

ちひろ「声を揃えないでください」

モバP「雪美はちひろさんを呼び捨てにしないんだよな」

雪美「……それは……」

ちひろ「え、何か理由でもあるんですかね?」

雪美「……ちひろさんは……ちひろさん……。……ただ……そう……決まってる……」

ちひろ「……まあ今のままがしっくりは来ますけど」

ちひろ「プロデューサーさんは様々な呼ばれ方をされるのに、私はここだと大抵“ちひろさん”なんですよね」

モバP「ちひろさんを呼び捨てにできるアイドルはナターリアくらいですかね」

ちひろ「……やっぱりみんなと距離があるんでしょうか? それとも怖がられている?」

モバP「初見で直感的に、『あ、この人は怒らせてはいけない人だ』と認識されるタイプなのかもしれません」

ちひろ「実際に怒らせてもないのにそんなことを思われても困ります……」

モバP「まあ呼び捨ては相当親しくないとですし、“千川さん”じゃなくて“ちひろさん”と呼ばれるだけでも充分慕われていると思いますよ」

643: 2021/05/08(土) 23:22:24 ID:IG2Unr1A
雪美「……ちひろさんは……Pを……名前で……呼ばないの……?」

ちひろ「……呼びませんね」

ちひろ「プロデューサーさんの名前って「」にあなたの好きな名前を入れてください、みたいなものですから」

モバP「由緒正しき名前なんですがねえ」

ちひろ「仮に名前をPではなく新一としましょう。仕事中に新一さんって呼びますかと」

雪美「……新一」

モバP「ん、何だい?」

雪美「……やっぱり……私も……プロデューサーで……良いかも……」

モバP「それは嫌だ」

雪美「……ふふ……冗談……。……これからも……Pと……呼ぶ……」

ちひろ「拒否反応がやたら早かったですね。そんなに名前呼びが気に入っているんですか」

モバP「はい。しかし、名前呼びと役職呼びの両方あるタイプも決して嫌いじゃないです」

ちひろ「そこに更に“あなた”みたいな二人称呼びも入ってきたりして」

モバP「意識して使い分けてくれるのが嬉しいんですよね。あ、雪美には名前と別におじさまと呼ばれてみたい」


雪美「……おじさま」ニコ クラリスカナ?

644: 2021/05/08(土) 23:32:25 ID:IG2Unr1A
1010

楓「あら……ふふふ」

――

拓海「おっ、Pに雪美。またペアルックか」

――

まゆ「……よくお似合いですねぇ」

――

モバP・雪美「……♪」

ちひろ「今日はお揃いの眼鏡ですか」

モバP「伊達直人ですがね」

ちひろ「孤児院に寄付でもするんですか」

雪美「……みんなに……褒められて……うれしい……」

ちひろ「服装もフレンチカジュアルで良いですね」

モバP「でしょう? いやあ、たまにはイメチェンするものですな」


ちひろ「プロデューサーさんはスーツを着てください」

645: 2021/05/08(土) 23:35:11 ID:IG2Unr1A
1011

モバP「……」タソガレー

杏「あ、プロデューサーがBOSSおじさんみたいな顔してる」

モバP「そいつァ随分と老けて見られたもんだ」

雪美「目を細めて……ハードボイルド……かっこいい……」

モバP「フッ、雪美にそう言われちゃあ、LINEスタンプにでもするしかねェな」

杏「自分を積極的に商業利用するスタイル」

モバP「……ふーっ」

杏「いや、煙草っぽく見せかけてるけど飴じゃん」

モバP「飴で良いのさ。ココアシガレットや葉巻風シガーチョコは時間をかけて味わうものじゃないからな」

モバP「最近はどうも飴を咥えたり葉っぱを咥えたり魚の骨を咥えたりしないと口寂しいもので」

杏「そういうキャラクターよくいるよね」

モバP「杏もどうだ? この飴は綺麗な鼈甲色をしているんだが、カレー味だ」

杏「またプロデューサーが変な飴食べてる……」


雪美「まP変飴……」 リャクスナ

646: 2021/05/08(土) 23:36:57 ID:IG2Unr1A
1012

ゴロン

モバP(……今日は何故だか寝付けんな)

モバP(……よし、目を閉じて、頭の中で雪美でも数えてみるか)

モバP(雪美が1人……)

雪美(……P……呼んだ……?) (゜-゜)

モバP(雪美が2人……)

雪美2(P……遊ぼう……。ここなら……何でも……できる……) (゜-゜)(゜-゜)

モバP(雪美が3人……)

雪美3(P……聞いてる……?) (゜-゜)(゜-゜)(゜-゜)

モバP(聞こえています。ちょっと夢に入りきるまで待っていてくれないか?)

雪美たち(((……分かった……)))

――

モバP「……そして最終的に夢の中に346人もの雪美を召喚した俺は、代償として彼女たちが全員満足するまで遊んであげなくてはならなくなったんだ」


雪美「……今日も……お邪魔します……」

648: 2021/05/15(土) 23:16:40 ID:KHP5yfE2
1013

モバP「さて、少し暇な時間が出来たので、誰にも告げずにプレイルームでこっそりテレビゲームでもしよう」

モバP「何にしようか……やっぱりファミコンかなあ。収納ラックに整列したカセットが実にカラフルで思わず手が伸びてしまうんだよな」

モバP「では今日はこのマリオUSAでもやるか」

ガチャ

雪美「……P……?」

サササッ ストッ

雪美「……隣……座る……」

モバP「駆け寄る雪美さんにほのぼのする暇もないくらい速かったな」

モバP「そんなに一緒にやりたいか? ……ん、見ているだけ? 別に良いが」

雪美「Pが……何かやっているのを……じっと……見ているの……好き……」

モバP「プレイを見に来たんじゃなくて俺を見に来たのか? まあ良い、俺がカメーンや四角い鯨といった昔のトラウマを乗り越える様をじっくり見ておけ」

紗南「Pさんが実況プレイやると聞いて見物に来たよー」 ガヤガヤ

杏「面白そうなことやってるじゃん。あ、杏は窓際の席キープね」 ゾロゾロ


モバP「君たちも君たちでそんなに暇なのか」

649: 2021/05/15(土) 23:24:28 ID:KHP5yfE2
1014

モバP「346プロはデパートみたいなものである」

モバP「吹き抜けで眺めが良い広場に、これも当然のように置いてある」

雪美「……これ……何……?」

モバP「これはガムボールマシーンだな。つまりこのカラフルなボールはガムだ」

雪美「……」ホー

モバP「光沢のある綺麗な球形をしているが、これは普通のガムの上に糖衣をしてある」

チャリン ガチャガチャ

コロコロコロコロコロ コンッ

雪美「……何か……良い……」

モバP「カプセルトイのようなワクワク感だな。それも欧米の街角にありそうな簡易な物と違ってボールコースターを転がって出てくる演出もニクい」

雪美「……食べて……良いの……?」

モバP「ああ。衛生面は問題ないように設計してある」

モバP「ただ、ガムボールでピンボールをしてターゲットに当てるともう一個貰えるターゲットマシンくらいになると、食べ物で遊び過ぎな気がしてくるが」


雪美「……糖衣が……厚い……」パリパリ

650: 2021/05/15(土) 23:25:36 ID:KHP5yfE2
1015

雪美「……」トコトコ

雪美「……!」

タッタッタッ

トコトコ トコトコ

モバP「346の連絡通路もとい渡り廊下を歩いていたら、足の音が二重になった」

モバP「雪美さんのステップだな、分かる」

雪美「……見ないでも……分かった……?」

モバP「ああ。気づくと並んで歩いているのがとても自然で違和感が無かった」

雪美「……偶然……Pを……見つけたから……」

モバP「本当に偶然か? そう言って道端に待ち伏せする子も時々いるが」

雪美「……待ち伏せ……するなら……自分から……会いに行く……」

モバP「そりゃそうか。雪美さんは日々行動的になっていくな」

雪美「……でも……P……デスクワーク……していない時は……一つの所に……留まらない……」

モバP「直接の用事がある場合はオフィスで待つ方が確実に会えると思うぞ」

651: 2021/05/15(土) 23:27:26 ID:KHP5yfE2
雪美「……あっ……未央と……卯月が……見える」

モバP「どれ……あ、あそこにいるな」

……!

モバP「こっちに気づいたようだ」ノシ

雪美「……」ノシ

ノシ

雪美「……手を……振ってくれた……」

モバP「二人とも、良い笑顔をしやがって」

モバP「時々、この渡り廊下で少し立ち止まって、窓から外を眺めてみるのも乙よな」

モバP「商業施設だったら人通りが眼下に見えるし、学校なら中庭が見渡せたりして」

雪美「学校の……形にも……よる……」

雪美「でも……この景色……好きやわあ……」

モバP「良いよな。しかしこう窓が大きいと、ここにいる子を下から見上げたら、短いスカートとかは……今度検証しておこう」

雪美「……P」ペシッ


外の未央「ゆきみんとプロデューサーイチャついてる……今そこに行くからな!」 イクンデスカ?

652: 2021/05/15(土) 23:29:10 ID:KHP5yfE2
1016

モバP「予告なしに始めます雪美さんに着せてはいけない服シリーズ」

ちひろ「てっきりもう忘れているかと」

モバP「今回は何と、ご本人登場ですよ」

ちひろ「いや、本人は毎回いますよね? ものまね歌合戦のように言わないでください」

モバP「それでは佐城雪美さんです! どうぞ」ガラッ

雪美「……///」キラキラ

モバP「ぐはっ!」

ちひろ「自分で呼んでおいて膝をつきましたよこの人」

ちひろ「さて、それは制服……というにはスカートは短いですし胸元はビキニ? が見えていますし」

モバP「アメスクですね。普通のそれを雪美さんに着せるとアウトになりますのでマイルドにしていますが」

ちひろ「いや、マイルドにしても着せてはいけない物を堂々と着せるようになったらダメでしょ」

雪美「……これ……美嘉に……協力……してもらった……」

モバP「ちなみに美嘉はそこに転がっています」


美嘉「コーデしたのアタシなのにセクシーすぎるっしょ……」

653: 2021/05/15(土) 23:38:20 ID:KHP5yfE2
1017

モバP「346プロの午後――俺の膝の上には毎日様々なアイドルたちが悩みを抱えてやってくる」

モバP「その悩みを解決! は出来ないが聞くことですっきりくらいはさせてあげたいものだ」

美玲「やる気ないな」

モバP「というわけで美玲、何か悩みごと・相談でもあるのか?」

美玲「ないぞ」

モバP「ないんかーい」

美玲「今更オマエにそんなことを求めて来る奴なんていないんじゃないか?」

美玲「ウチはただここが居心地良いと思ったから座ってるだけだ」

モバP「そうやって素で心を掴むようなことを言うのが美玲よな。天然ジゴロが顔を出すというか」

美玲「なんだよッ、ショーコやノノにも似たようなこと言われたぞ!」

美玲「ふん、じゃあ相談、考えてやる……そうだ、仲間の服の色を褒める時、色の名前が分からないから本人に訊くのって良いと思う?」

モバP「良いぞ。人から教えられても、美玲が自分で選んだ言葉で褒めてくれたら、相手は嬉しいと思う」

モバP「まあ相手次第だな」 ソコジュウヨウダロ


雪美「また今日も……解決に導かない……Pであった……」

654: 2021/05/15(土) 23:39:54 ID:KHP5yfE2
1018

雪美「……P……」

モバP「ん?」

雪美「何か……悩んでいること……ある……? ……顔に……書いてある……気がする……」

モバP「そうだな、例えば今雪美さんが膝の上で対面座位でいることへの心の昂りをどうしようかとか?」

ちひろ「雪美ちゃんの前で使うべき言葉じゃないですよそれ」

モバP「そりゃアイドル雪美さんがこんな間近で密着してしかもほんのり上気したような顔で見つめてくれていたらね?」

モバP「これでも自分の中のオスの部分とか、出さないように抑えている方です」

雪美「……本能に……忠実に……なったら……大変な……ことに……?」ドキドキ

ちひろ「警察に捕まるタイプの本能解放はくれぐれもやめてくださいね」

モバP「ある意味で、オブラートに包まずに言うと工口トークで気兼ねなく盛り上がれる男の友達、同志が欲しいのが悩みですかね」

モバP「そうすれば日頃の溜まった思いもぶつけ合って発散できるのかなと。世代や性格が合う人が周りになかなかいないですが」

ちひろ「ぶつけ合って発散……あっ」

雪美「……P……男性も……攻略対象……みたいに……聞こえる……」


モバP「ちゃうわ。でも新田くんなら良いかも……あ、男の同志的な意味の方だぞ?」

655: 2021/05/15(土) 23:43:13 ID:KHP5yfE2
1019

雪美「P……今日も……お仕事……おつかれさま……」

モバP「巡業に随伴したり衣装合わせをしたり書類を作ったり大変だったよ」

雪美「……」サスサス

モバP「こっちにもお願いします」

雪美「ふふ……よしよし……」ナデナデ

ちひろ「膝を抱えてしゃがんで、小学生に撫でてもらうって結構参ってます?」

モバP「ガソリンスタンドアイコンが点滅するような所までは行ってないので、まだ余裕はあります」

ちひろ「車か。……働きすぎじゃないかとみんなから心配の声が出ていますからね」

雪美「……」コクコク

ちひろ「でもプロデューサーさんのことですから拘束でもしないと休みませんよね?」

モバP「鎖に繋がれたり鉄格子部屋に入れられる程度の拘束であれば容易く抜け出せますので無駄です」

ちひろ「ケンシロウか」

モバP「まあ休めと言われれば素直に休みますよ。でも休み癖が付くかもしれないのが怖いんですよね。プロデューサーとは車でありケンシロウでありマグロです」 モウワケワカラン


雪美「……こういう癖なら……健全……」ナデナデ

656: 2021/05/15(土) 23:47:10 ID:KHP5yfE2
1020

モバP「……」カタカタ

凛「……プロデューサー」ズイ

モバP「近い近い。凛、どうした」

凛「何でもないよ。顔を見に近くまで寄っただけ」

凛「様子見ついでにネクタイでも直してあげようかって思ってさ」

モバP「悪いな、お願いするよ」

凛「あとこれ、ネクタイピンだけどさ、付けるついでにそのままあげるよ」

モバP「何から何まで……日々の貰い物だけで生活できそうだ」

凛「プロデューサーにはいつも貰ってばかりだからね」

雪美「それに……誕生日……非公開だから……祝ってあげられないのは……悲しい……」

凛「そうだよ。公開してくれればみんなに祝ってもらえるのに」シュルシュル キュッキュ

モバP「決まった誕生日があるとそれ以外の日が特別じゃなくなって損をした気になりそうだ」

凛「変な所で貪欲だよね、プロデューサーって」ハイオワリ


雪美「……凛……あとで……ネクタイの締め方……教えてほしい……」 ユキミモヤルノ?

657: 2021/05/15(土) 23:48:16 ID:KHP5yfE2
今日はここまで
気になるあの子はお菓子系


to be continued...→


引用: モバP「雪美様がゆく」