781:◆ORDERq/08U 2021/09/04(土) 23:14:43 ID:CoFqRwRs




前回はこちら


雪美さんといっしょシリーズ


1111

モバP「不安な時、誰かに声をかけてもらうだけでも励ましになる」

モバP「ちひろさんやアイドルたちがいるって恵まれているな、と思う」

雪美「……♪」チョコン

モバP「特に雪美にはいつも、大いなる元気を貰っているなあ」

ちひろ「見ていて分かります」

モバP「言葉を交わしたり、手を繋いだり、膝の上に乗せたりと、一つ一つはちょっとしたことなんですがね」

ちひろ「現役アイドルを日常的に膝の上に乗せるのをちょっとしたことと言い張れる人」

モバP「……」

ちひろ「どうしました?」

モバP「よく考えたら膝の上に乗せるのは結構大それたことですかね……?」

ちひろ「今更気づいたんですか」

モバP「まあ、止めませんがね。互いに合意の上でやっていますし」

雪美「……誓約書も……ある」ピラッ


ちひろ「危険なアトラクションか何か?」

782: 2021/09/04(土) 23:16:34 ID:CoFqRwRs
1112

~♪

モバP「夏の終わりに聴く6番目の駅はノスタルジーを感じるな」

雪美「……よく分からない……でも……すき……」

ちひろ「千と千尋の神隠しを見ずに聴いたとしても、良い雰囲気の曲ですよね」

モバP「幻想的で良いんですが、乗り過ごしたらきさらぎ駅みたいな所に着きそうで怖い」

ちひろ「そこまで行くとひぐらしのBGMとかが流れ始めそうですね」

モバP「……さて、9月に入ったらまだ暑くても何か気分はもう秋です」

モバP「そういえば今年は、夏野菜のカレーを一度も作らなかった……」

ちひろ「ナスとかカボチャとか入れてカレーを作るのは夏の風物詩ですね」

モバP「はい。普段はルウのパッケージ裏の作り方に忠実に、肉とメークインと玉ねぎと人参で作るんですが」

雪美「男爵より……荷崩れしにくい……メークイン……」

ちひろ「私は無理して作るくらいならスパイスカレーの店とかに食べに行くくらいでも良いと思いますけど」

モバP「それも検討ですかね。とりあえず夏らしいカレーを食べたい……気分はもう秋だと言いながら」


雪美「夏……もう少し……延長……ね」

783: 2021/09/04(土) 23:18:49 ID:CoFqRwRs
1113

『コーヒーにスジャータを入れたくなりませんか? 凪はなりません』

『久川凪が何となく午後3時くらいをお知らせします。ぴっぴっぴっ……ぽーん』

ちひろ「おや、もう3時ですか」

モバP「アイドルたちの自由な時報ボイスが流れる事務所、良いですね」

ちひろ「セリフは全部アドリブですからね」

雪美「……ちひろさん……」

ちひろ「どうしました雪美ちゃん?」

雪美「これが……今日のおやつ……。……じゃーん……」

ちひろ「わぁ、綺麗ですねえ」

ちひろ「清涼感があって種類も豊富で……どこで買ったんです?」

雪美「……」フルフル

ちひろ「では、雪美ちゃんの手作りですか?」

雪美「……」コクコク

ちひろ「雪美ちゃんの手作りお菓子……これは早速いただきましょう」

784: 2021/09/04(土) 23:20:31 ID:CoFqRwRs
――

ちひろ「美味しい……」

ちひろ「ちょうどフルーツが食べたいと思っていたところだったんですよ」

雪美「……これ……何て言うか……知ってる……?」

ちひろ「九龍球ですね」ドヤ

雪美「…………私が……言おうと……思ったのに……」

ちひろ「!?」

雪美「……冗談……。作り方……菲菲に……教えてもらった……」

ちひろ「あはは、冗談ですか……。これ、とても上手ですよ」

ちひろ「ビー玉みたいでありながらアイスじゃなくて柔らかい寒天ゼリーなのが良いですね」

モバP「“溶けないアイスキャンディー”なんかも葛や寒天で作ったりしますからね」

モバP「というか最近はフルーツサンドやフルーツ大福もですが、具材を中に閉じ込めて断面や透かしで美しく見せるスイーツが話題ですね」モグモグ

ちひろ「思えば多いですよね」

雪美「Pヘッドも……断面や……透明で……美しく……見える……?」


ちひろ「それはちょっとグロテスクかと」

785: 2021/09/04(土) 23:21:56 ID:CoFqRwRs
1114

モバP「8月は終わったとはいえ、まだ通り雨ですごいのが降ったりするな」

雪美「傘は……欠かせない……」

モバP「しかしこういうアンブレラを持ち歩いているとついチャンバラ心が」

雪美「……アバンストラッシュ……?」

モバP「リメイクが放送されているとはいえ、ダイ大なんてよく知っているな」

雪美「……」ザッ

モバP「雪美さんの逆手持ちかっこいいです」

モバP「そうだ、アバンストラッシュって逆手持ちから斬りつける技なんだっけ」

モバP「ラッシュとあるからか、自分の中では何故か連続突きでずっとイメージされていてな」

奈緒「それは秋沙雨だろ」

モバP「なるほど、最初の“あ”しか合ってなかったか。他には……?」

雪美「牙突も……できる……」ザッ

奈緒「じゃああたしは九頭龍閃を……って出来るか!」


モバP「君たちは妙に古い所を突くよな」

786: 2021/09/04(土) 23:26:15 ID:CoFqRwRs
1115

紗南「Pさんって結構クール系に一目惚れするタイプかな?」

モバP「えー? そうかぁ?」

雪美「……何の話……?」

モバP「あら雪美さん」

モバP「いやね、パワポケのヒロインで一番好きなのは誰かという話で」

モバP「神条紫杏と答えたんだが」

雪美「……生徒会長……キャラ……?」

モバP「というか、パワポケをそんなにやったことがないのでな」

モバP「よく知らない人でもこの子だけは知っているという代表的な存在のしあーんにした」

紗南「あたしの中でも好きなランキング上位だけどさ、言うほど紫杏知られてるかな?」

モバP「まあ結構偏見が入っているかもな……雪美もこっちにおいで。膝に座る?」

雪美「うん……」トコトコ ポフッ

モバP「雪美で思い出したが、見た目は若干千夜で属性はちょっぴり雪美な芹沢真央も好きだな」


紗南「クールにだいぶ毒されているねこれは」

787: 2021/09/04(土) 23:30:42 ID:CoFqRwRs
1116

モバP「無邪気なとか子がよく口を開けている時に見える尖った一本の歯」

雪美「……よく見る……」

ちひろ「八重歯ですね」

モバP「八重歯……ふむ、癒しが欲しい時の検索ワードがまた増えた」

ちひろ「普段からどんなものに癒しを求めているんですか」

ちひろ「というかみちるちゃんやみくちゃんが八重歯じゃないですか?」

モバP「あっ、確かに。そういえばりあむもでした」

雪美「ユニット……作れそう……」

モバP「それも3人とも名前が平仮名じゃないか……。これは“346で名前が平仮名の子は八重歯”説が浮上しますね」

雪美「そこは……盲点……だった……」

ちひろ「私は八重歯じゃないです」

雪美「……あっ」

モバP「意外と早く沈んだなこの新説」

ちひろ「呼吸しに来ただけの鯨のようでしたね」

788: 2021/09/04(土) 23:32:32 ID:CoFqRwRs
モバP「……本当はちひろさん、矯正しただけで本来は八重歯だったのでは……」

ちひろ「変なことを根拠にして疑うのはやめましょう」

雪美「……八重歯の……ちひろさん……。……良いかも……」

モバP「しかし八重歯を見ると、ちひろさんも雪美さんも、こうは思いませんか?」

ちひろ「何でしょう?」

モバP「――噛まれてみたい、と」

ちひろ「ちょうどよく尖っていますしね……思わんわ」

雪美「……P……私の歯は……八重歯……?」アーッ

モバP「いや、八重歯には見えないかな」

雪美「……」シュン

モバP「噛まれてみたい、より噛みたかったか」

雪美「……」コク

雪美「……Pの思い……私では……どうしても……叶えられないことも……ある……」

モバP「俺のために何でもしてくれようと……雪美さん、あなたという人は……」


ちひろ「そもそも雪美ちゃんはこんなもん噛んじゃいけませんよ?」

789: 2021/09/04(土) 23:36:50 ID:CoFqRwRs
1117

モバP「動物番組を見ているとたまに出て来る、青い海を優雅に泳ぐウミガメ」

雪美「いっしょに……泳ぎたく……なるね……」

モバP「なるなる。……実は泳いだことがあるんだがな」

雪美「……本当……?」

モバP「結構前だが、沖縄でスキューバダイビングをやった時にウミガメと泳いだよ」

雪美「……すごい……」キラキラ

モバP「ちなみにマリオに出て来るノコノコを亀と認識してしまうと稀に勘違いしたまま大人になるが」

モバP「亀の甲羅は体の一部だから、着脱はできないんだよな」

ちひろ「そんな人、世の中にどれだけいるんでしょうね」

ちひろ「あ、私もスキューバダイビングはやったことがあります」

雪美「……いいな……。……アイドルにも……経験者……意外と……多い……?」

モバP「そういう体験が出来る仕事がちょうどよく舞い込んで来れば良いが、アイドルで経験者はまだそう多くないと思うぞ」

雪美「……Pと……ちひろさん……、二人が……特に……活動的な……だけ……?」


モバP・ちひろ「言われてみるとそうですね」

791: 2021/09/11(土) 22:51:18 ID:YX5/aDzo
1118

モバP「たまに点滴が欲しくなる時があります」

ちひろ「はい」

モバP「あの有効そうな成分の腕から体に染み渡る感覚」

ちひろ「はい」

モバP「あれを知ってしまうと本当に辛い時は飲み薬より注射の方が効くような気がしてきて」

ちひろ「はい次の方ー」

モバP「あれー?」

ちひろ「吸収効率的なものを考えれば点滴の方が確かに良いのかもしれませんけどね」

ちひろ「というか私にどうしろと? スタドリ点滴でも作ってほしいんですか?」

モバP「あったら利用するでしょうね。ただ点滴依存症になりそうです」

雪美「……」チョコン

モバP「こうして雪美さんを膝に乗せる、というのも充分なセラピー効果があるんですがね。しかも依存性がない」

ちひろ「要出典」


雪美「……P……個人の……感想……です……」 ※効果には個人差があります

792: 2021/09/11(土) 22:52:31 ID:YX5/aDzo
1119

雪美「……P……夕食……できた……」

モバP「……それは、スパゲティ?」

雪美「……隅っこで……警戒してる……。どうしたの……?」

モバP「……もしかして、辛い? アラビアータ?」

雪美「大丈夫……辛くない……。……至って……普通の……ペスカトーレ……」

モバP「なら、安心だ」

雪美「……スパゲティに……トラウマ……?」

モバP「最近、山わさびのスパゲティソースを試したんだが、匂いの割に口に入れると結構ツンと来てな」

モバP「それで喉が受け付けず盛大にむせてしまって涙目になったくらいかな」

雪美「ふふ……P……わさび……苦手……? 私と……いっしょ……」

モバP「苦手は卒業したと思っていたのにな……それにしても、美味しそうだ」

雪美「……地中海料理は……お皿が……賑やか……」

モバP「ボンゴレロッソやボンゴレビアンコ、パエリアとかもだが、こうして貝を殻ごと盛り付けてあると不思議と食欲をそそられる」


雪美「さあ……いただきます……しよう……」 オカアサンミタイダ

793: 2021/09/11(土) 22:54:43 ID:YX5/aDzo
1120

モバP「ふぅー……」チャプ

モバP「あぁぁ~……」

モバP「やっぱり家のお風呂の安心感は違うな」

雪美「……そんなに……気持ち良い……?」

モバP「ああ、ちょうど良いサイズだ」

雪美「広すぎても……ダメ……?」

モバP「例えばホテルの大浴場の大きな湯船なんかはな」

モバP「広くて足を伸ばせるがどうも浸かっていてふわふわするというか」

モバP「何だろう? 利用者気分になってしまって心からリラックスはしにくい」

雪美「……通い慣れたら……お家みたいに……感じられるかも……」

モバP「まあ、風呂は人間が裸という、ある意味一番無防備にされる空間だからな」

モバP「以前、友人の家や親戚の家に泊まりに行った時も、あまり落ち着かなかった」

モバP「独特なタイルの形だったり、足場の高さがいつもと違ったり、もっと言うとバスタブがステンレスだったり檜だったりすると違和感が凄くて」

雪美「檜だと……確かに……落ち着かないと……思う……」

794: 2021/09/11(土) 23:00:42 ID:YX5/aDzo
モバP「雪美さんはこの家のお風呂にはもう慣れた様子だな」

雪美「……うん」

雪美「……まるで……いっしょに……入っている……みたい……」

モバP「実は一緒じゃないんだよな」

モバP「給湯器リモコンのインターホンで通話をしているだけという」

雪美「……湯加減……どう……?」

モバP「良い塩梅だよ。……この機能、結構前からあるが、便利だよな」

モバP「以前は入浴中の人と話をしようと思ったら一緒に入るか、でなければ脱衣所まで来てドア越しに話しかけるしかなかった」

雪美「……本当に……いっしょに……入ろうか……?」プツッ

モバP「えっ」

モバP「……」ドキドキ

モバP「……まさか、雪美さんが服を脱ぐ影がすりガラスに映……らない」

雪美「……冗談」

モバP「ちょっと期待してしまった自分の愚かさよ」


雪美「ご飯……できるから……そろそろ……上がっておいで……」 オカアサンミタイダ

795: 2021/09/11(土) 23:04:30 ID:YX5/aDzo
1121

モバP「……」ゴロン

モバP「普段ベッドで寝ていると、たまに畳に布団を敷いて寝そべる感覚が恋しくなる」

雪美「……」トコトコ

モバP「雪美さん? スカートでそんな近くに来たら」

モバP「……みえ」

ポスン

雪美「……」ジッ

モバP「雪美さんの下目遣い、良いよね」

モバP「ダンスのポーズでたまに見られるが、それを直接見るにはこちらの視点を低くしないといけない」

モバP「それかボア・ハンコック並の上体反らしをしてもらうか」

雪美「……見下されるの……好き……?」

モバP「いつもの雪美と違う表情を見られるから好きかな」

雪美「……そう……。……ふふっ……」


モバP「人形じゃないが、角度が違うだけでより恍惚とした表情に見えてくるなあ」

796: 2021/09/11(土) 23:15:07 ID:YX5/aDzo
1122

雪美「……」ジッ

モバP「……」ドキドキ

ちひろ「雪美ちゃんが膝上に乗ってプロデューサーさんとまた至近距離で見つめ合っている」

雪美「……P」

モバP「はい?」

クイッ

モバP「!」

雪美「……ん、今日も……いい顔……」

ちひろ「顎クイとはやりますね」

雪美「……奏の……得意技……教えてもらった……」

ちひろ「男性アイドルのバク転並にLiPPSではみんな得意そうですけども」

雪美「……P」

モバP「……え?」ポカーン


雪美「……さっきの反応……可愛かった……」b フツウハギャクジャナイカ?

797: 2021/09/11(土) 23:17:54 ID:YX5/aDzo
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雪美「……そういえば……Pは……バク転……できる……?」

モバP「……バク転か。……側転よりかは得意かな」

ちひろ「たまにいますよね、マスターする順序がおかしい人」

モバP「舞空術が使えないのに超サイヤ人になれるみたいな」

モバP「とりあえずやり方を思い出すから体操ができる場所に行こうか」

――

モバP「すー、はー……よし、イメージではばっちし。行くぞ」

シュッ トッ タッ

モバP「――おお、割とすぐ出来た。自分でも意外だった」

雪美「……かっこいい……!」キラキラ

モバP「でも俺だけじゃなくて智香とかも出来るんだよな」

雪美「……もう一回……もう一回……!」キラキラ

モバP「えー、もうしょうがないなー」デレデレ


ちひろ「その後盛大に失敗しましたけど無事でした」

798: 2021/09/11(土) 23:19:51 ID:YX5/aDzo
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モバP「小銭小銭……あっ、これじゃない」

ちひろ「それ、5セント硬貨じゃないですか?」

モバP「目敏いですねちひろさん」

ちひろ「ふふふ、渡米した記念に持ち歩いているとかですか?」

モバP「そんなところですね。あと、お守りになるかなと」

雪美「……お守り……」

モバP「雪美はお財布に何かお守りとか入れているのか?」

雪美「……入れてない……。……みんな……入れるの……?」

モバP「どうだろうな。人の財布の中身を調査する機会なんて無いから……入れるにしても薄くて小さいものでないと嵩張るからなあ」

モバP「ただ金運が上がることを信じて蛇の抜け殻とかコン……コンパチブルなゴムとか入れるという話は結構聞く」

ちひろ「……コンパチブル?」

雪美「……ゴム……? ……髪ゴム……?」

モバP「ああ、まあそういう物だな」(危ない、コンドームとか口に出さなくて良かった)


ちひろ(とか考えているんでしょうね)

799: 2021/09/11(土) 23:26:36 ID:YX5/aDzo
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モバP「テーブルの上に大皿が一つ」

モバP「そこに鎮座するのは一房数千円はするのが当たり前の高級ブドウ」

雪美「……シャインマスカット……」

モバP「こういうのは贈答品やふるさと納税の返礼品とかで貰えたりもするようだが」

モバP「値段が値段だけに食べるのを躊躇してしまうよな」

雪美「……うん」

雪美「イチゴでも……そういうこと……ある……」

モバP「ということで、これを今二人で一緒に食べてしまわないか雪美」

雪美「……良いの……?」

モバP「ああ。このままいつまでもまだその時ではないと避けていたら腐ってしまうし」

モバP「二人で食べれば罪の意識も半分になる……ならない?」

雪美「……それが……目的……?」

唯「あ、おいしそうなブドウ! 一粒貰ってもいーい? ありがとー☆」パクッ


モバP「唯は迷わず行くなぁ……さて、あと何粒ある?(貧乏性)」

802: 2021/09/25(土) 23:18:36 ID:aO4vQuJE
1126

モバP「346プロは広い」

モバP「これだけ広いと蜂にも遭遇する」

雪美「どこかに……巣……ある……?」

ちひろ「蜂も種類によりけりですけど、刺されるかもと思うと怖いですね」

仁奈(着ぐるみ)「ミツバチの気持ちになるですよ!」

モバP「先ほど遭遇した蜂です」

ちひろ「これは安全な蜂ですね」

モバP「しかし、せっかく広い庭があるのでここで養蜂とかやってみたいと思うことはあります」

ちひろ「事務所で養蜂とな?」

モバP「都会のビルで屋上養蜂、なんて最近はよく耳にしますからね」

雪美「裏山とか……ないと……お花の蜜……集めるの……大変そう……」

ちひろ「花の蜜の代わりにこれだとどうなるんでしょうね」ハイ

仁奈「スタドリでやがりますか。ありがとうごぜーます!」ブーン


モバP「スタドリを凝縮して作ったハチミツ……食べてみたいな」

803: 2021/09/25(土) 23:28:21 ID:aO4vQuJE
1127

リーリーリーリーリー

モバP「……」

雪美「……」

モバP「秋だねえ」

雪美「……良い声……」

モバP「ああ、何か作業をしていても思わず聞き入ってしまうな」

モバP「これはツヅレサセコオロギだな」

雪美「……ツヅレ……?」

モバP「ああ。エンマコオロギのヒヒヒヒヒみたいな音と比べると違いが分かる」

雪美「……ふふ、似てる……。Pも……良い声……」

モバP「それにコオロギの鳴き声のテンポは気温が高いと早くなり、低くなると遅くなるそうだ」

雪美「……コオロギ……小さくても……大きな声……出るね……」

モバP「静かな夜にしっかり響くくらいだからな。虫のポテンシャルは凄い」


雪美「……もう少し……ここで……耳を澄ませて……いよう……」

804: 2021/09/25(土) 23:29:24 ID:aO4vQuJE
1128

雪美「……」チョコン

モバP「えへへ……雪美さんが膝の上に居るの、猫が乗って来る時みたいな嬉しさがある」

ちひろ「何をニヤニヤしているんですかねえ」

雪美「P……手……借りる……」スッ

モバP「お、何に使うんだ?」

ペタッ

モバP「っ!?」

ちひろ「雪美ちゃんのお腹を……」

雪美「……」モマセモマセ

モバP「ゆ、」雪美さん……?

ちひろ「動揺で変な所から声が出ていますよ」

雪美「……P……私……少し……太ったと……思う……?」

モバP「え? ……うーん……」モミモミ

モバP「いや、そんなことはないな」キリッ

805: 2021/09/25(土) 23:31:02 ID:aO4vQuJE
ちひろ「自発的に確認するな」

モバP「すぐに手を退かそうと思ったのですが雪美の手が俺に催促するもので」

モバP「……しかしいつまでも触っていたくなる」

雪美「……んっ」

ちひろ「その辺にしといてもらいましょうか」

モバP「はい。……しかし気になってしまうものか?」

雪美「……ん」コク

雪美「……Pの膝……あまり……負担に……ならないように……したい……」

モバP「俺の膝を心配してのことか……感激だなあ」

ちひろ「プロデューサーさんは普段から力石でも乗せていれば良いと思います」

モバP「江戸時代の拷問か何かですかそれは」

モバP「あ、大丈夫だぞ? 俺の膝はそんなに柔じゃないさ」

雪美「……なら……いい……。……ちなみに……お腹……触ってみて……どうだった……?」

モバP「面妖な感触だった。雪美のそれは世に言うイカ腹にあたるのか気になるのでもう一回」


ちひろ「小学生のお腹の感触に夢中になるな」

806: 2021/09/25(土) 23:33:45 ID:aO4vQuJE
1129

モバP「……Zzz」

ガチャッ

早苗「P君?」

雪美「……P……ここに……、……!」ビクッ

雪美「……」ジロジロ

雪美「……すごい」

早苗「これは……直立姿勢でうつ伏せ寝しているわね。いつも器用と言うか何と言うか」

雪美「……氏んでいる……みたい……」

早苗「変氏体ね」

早苗「でも、P君って疲れている時はたまにこういう寝方をするのよね。逆に疲れそうだわぁ」

雪美「……早苗……Pと……寝たこと……あるの……?」

早苗「ないわね。寝顔を見る機会なら何度かあったなー」

雪美「それは……心を許している……証……」


早苗「目の前で警戒なく寝られるってちょっぴり複雑なのよね」 ……ソウ?

807: 2021/09/25(土) 23:37:42 ID:aO4vQuJE
1130

モバP「ちひろさんはピザとピッツァの違いって何だか分かります?」

ちひろ「ピザがアメリカ、ピッツァがイタリアって感じだったかと」

ちひろ「それも確か、イタリアの方は石窯で焼く」

モバP「よくご存じで」

雪美「……正解は……?」

モバP「ちひろさんのが模範解答だと思います。というかそれ以上は知りません」

ちひろ「知らんのかい」

モバP「でも石窯ピッツァ、本場の焼き立てを食べてみたいものです」

ちひろ「イタリア国旗と同じカラーリングのマルゲリータなんて、シンプルにして王道で良いと思いますね」

モバP「まあ自分はペパロニとかどっさり乗っているピザの方が好きですがね」

ちひろ「具材を楽しむのがアメリカ流、生地を楽しむのがイタリア流とも聞きますけど」

雪美「Pは……アメリカ派……」

モバP「いやいや。生地だって好きですよ? ただピザはコーラと一緒にメジャーリーグでも見ながら食べたいくらいで」


ちひろ「骨の髄までアメリカ」

808: 2021/09/25(土) 23:47:18 ID:aO4vQuJE
1131

モバP「さて、今日も元気に出社ですよ」ウィーン

雪美「……止まりなさい……」

こずえ「とまれー……」

モバP「おや、雪美とこずえ。警察官みたいな格好だな。これは止まってよく見なければ」

雪美「……帽子……おススメ……」

こずえ「てじょうも、あるよー……」

モバP「うん、何だろう? この妙な色っぽさは」

こずえ「ぷろでゅーさー……あぶないものを、もちこもうとしてないか……けんさ、するよー……」

モバP「え、ボディチェックをするのか?」

雪美「……そう。……覚悟……して」

――

雪美「……異常……なし……」ツヤツヤ

こずえ「とおって、いいよー……」ツヤツヤ


モバP「……健全だったがよく考えたらボディチェックはおかしくないか?」

809: 2021/09/25(土) 23:48:20 ID:aO4vQuJE
1132

グッグン

雪美「……」( ゜-゜)

グッグン

雪美「……」(゜-゜ )

雪美「……?」

雪美「……うん……ワイパー……見ていた……」

雪美「……」( ゜-゜)

雪美「雨……拭いても……拭いても……降ってくる……ね」

雪美「……」(゜-゜ )

雪美「…………運転……大変……?」

雪美「……」( ゜-゜)

雪美「……雨の日でも……車を出して……」

雪美「……」(゜-゜ )

雪美「……Pは……えらいね……」

810: 2021/09/25(土) 23:52:35 ID:aO4vQuJE
雪美「……」

雪美「……疲れた時は……言って……」

雪美「……うん」

雪美「……私に……運転は……代われない……。でも……」

雪美「……あっ」

雪美「雨……強く……なってきた……」

雪美「……」

雪美「……視界が……悪いね……」

雪美「……?」

雪美「……このままで……いい……」

雪美「……気が散ったり……しないなら……」

雪美「……私は……言葉で……Pを……助ける……」

雪美「……」

雪美「……ふふ……私も……テンション……上がってきた……」


グッグングッグン

812: 2021/10/02(土) 23:26:28 ID:INDbsgLw
1133

ちひろ「プロデューサーさんってタバコは吸いませんよね」

モバP「すいません」ペコリ

ちひろ「吸わないんですね。何か謝られているような」

モバP「レトロなたばこ屋さんは消えゆく遺産として好きなんですがね」

雪美「……発券所……みたいなスペース……座っていたい……。落ち着きそう……」

ちひろ「吸わない割には本当、妙なものが好きですね」

モバP「もし子どもの頃に身近にいる好きな大人が愛煙家だったりしたら、プルースト現象で煙草好きに目覚めそうです」

雪美「Pは……そういうこと……なかったの……?」

モバP「俺の親は子どもが生まれたのをきっかけに禁煙してそのままらしいから、特にそういう匂いに思い出すものはないな」

雪美「……でも……お香や……お線香は……好き……ね……?」

モバP「それはおばあちゃん子だったからかなあ」

モバP「ちなみに誰に影響されたのかは覚えていませんが、レモンをかじるのも好きです」

雪美「……想像するだけで……酸っぱい……」


ちひろ「東野圭吾の分身みたく生き別れの双子でもいるんですか?」 イマセンシ

813: 2021/10/02(土) 23:28:26 ID:INDbsgLw
1134

モバP「やっぱり俺はどうも昔から振り切れないタイプなんだよな」

小梅「そうかな……?」

モバP「人の理解を超えた奇跡はあると思うけど、完全には信じきれないというか」

小梅「じゃあ、幽霊の存在も……?」

モバP「そうだな。知覚できているわけではないし」 ゴソッ

モバP「ん、誰かいるのかな?」

モバP「……って誰もいない。気のせいかなあ」

小梅「……」

モバP「まあいいや。何か変な条件を満たして起きた未知の現象かもしれないしな」

小梅「適当だね……」

モバP「幽霊と言えば、幽霊と話が出来たら聞きたいことがあるんだが、幽霊の寿命が400年って本当なんだろうか」

小梅「最近の噂……かな。うーん……それなら思ったより、長いね……」

モバP「人よりは長いが、存在し続けられる時間には限りがある――って本当なら何だか夢がないというか現実を知らされるというか」


物陰の雪美(……Pに悟られず……接近するの……ドキドキする……)

814: 2021/10/02(土) 23:30:35 ID:INDbsgLw
1135

ちひろ「9月28日は雪美ちゃんの誕生日でしたね」

モバP「いかにも」

雪美「たこにも……」

ちひろ「緩いな」

雪美「……ふふ……、今年は……私の……初めて……貰って……もらった……」

ちひろ「へぇ」

モバP「……」

雪美「……」

ちひろ「……」

ちひろ「……えっ」

モバP「何ですか?」

ちひろ「一体初めての何を貰ってもらったんです?」

モバP「それはバージンですよ」

ちひろ「だから何のバージン」

815: 2021/10/02(土) 23:33:32 ID:INDbsgLw
モバP「いやだなぁ、比喩か何かで言っている訳じゃないですよ?」

ちひろ「比喩でなければ大問題なんですけど」

雪美「……お泊まりで……Pと……一つに……なった……///」

ちひろ「えぇ……いつかやると思わなくもなかったですけど本当にやるやつがありますか!」

モバP「雪美も20歳になったことですし、初めては……その、自分が良いと」

ちひろ「雪美ちゃんは10歳ですよ!?」

雪美「ちひろさん……どうしたの……? 私は……もう……成人……」

ちひろ「……悪い冗談はやめてくださいよ」

ちひろ「そりゃサービス開始から10年経っているかもしれませんけどそれはあくまで人間界の話で」

雪美「……身長……こんなに……伸びたのに……」ズオッ

ちひろ「うおっ! いつの間に姉帯豊音並に!?」

――

ちひろ「プロデューサーさん、私に悪夢を見せた責任を取ってドリンクを買ってください」

モバP「何で責任を取らなきゃいけないんですかね……」


雪美「……♪」 ←誕生日プレゼントにイチゴクッションを貰ってご機嫌

816: 2021/10/02(土) 23:37:13 ID:INDbsgLw
1136

モバP「……いただきます」

モバP「……」

ハムッ

モバP「~~~っ!」

ちひろ「どうしました? 手作り弁当を食べるや否や凄い形相で」

モバP「うあぁ! やっぱり家で浸けた梅干しは酸っぱいわ」

ちひろ「は?」

雪美「P……家で……梅干し……作ってる……」

雪美「ちひろさんも……どう……? とても……酸っぱい……」

ちひろ「いえ、結構です。実家の梅干しってそんな感じですよね。容赦ないというか」

モバP「市販の小粒で上品で下手するとハチミツで甘くなっているような梅干しを食べるのが当たり前になっていると、効きますよーこれは」

ちひろ「というか雪美ちゃんも知っているような酸っぱさなんですか」

モバP「親から教わった作り方を持ち寄って一緒に作っていますからね」


雪美「……Pので……作った方が……酸っぱい……。でも……癖になる……」 ナカイイデスネホント

817: 2021/10/02(土) 23:40:08 ID:INDbsgLw
1137

モバP「10月だというのにまだ暑いね」

雪美「……うん」

モバP「どうした? 今日はいつもの膝の上じゃなくて隣から俺の仕事を眺めて」

雪美「……」ジーッ

モバP「……?」

モバP「もしかして、これか?」

雪美「……」コク

ちひろ「雪美ちゃんは何に感動しているんです?」

モバP「ワイシャツの腕まくりが何か男っぽくてカッコいい、だそうです」

雪美「……///」コク

ちひろ「無言からよくそこまで読み取れますね」

モバP「半袖だと特にそうは思わないんだろうな? 前腕をわざと露出させるのが決め手と」

雪美「……私も……腕まくり……似合うように……なりたい……」


モバP「雪美さんの腕まくりか……次の仕事は決まったな」 ナニヲスルキダ

818: 2021/10/02(土) 23:45:42 ID:INDbsgLw
1138

モバP「フンフーン♪」

ちひろ「プロデューサーさんが上機嫌ですね……どうしたんでしょう」

モバP「あ、ちひろさん! これ、良かったらどうぞ。お土産です」

ちひろ「? これ、昭栄堂の神戸のクッキーですね。いただいても良いんですか?」

モバP「どうぞどうぞ。今日はとても嬉しい気分なので」

ちひろ「何か祝い事でもありましたっけ?」

モバP「いえ、実は外で男性アイドル事務所からスカウトされまして」コトワリマシタガ

ちひろ「えっ?」

雪美「P……アイドルにならないかって……ね……?」トナリニ……イタ……

ちひろ「ええっ!?」

雪美「……Pの良さ……見抜いてもらえて……鼻が高い……」ムフー

ちひろ「一体どこのプロダクションですかねえ……名刺見せてください」

モバP「はい、ここです」つ□


ちひろ「……実は315のI川さんだったとかそういうオチじゃなくて良かった」

819: 2021/10/02(土) 23:47:41 ID:INDbsgLw
1139

モバP「346プロに足りないものがあります」

ちひろ「足りないもの、ですか?」

モバP「はい。それはズバリ、小川ですね」

ちひろ「以前行った765プロが入っていたビルの居酒屋さんの店員さん」

モバP「その小川さんじゃないです」

ちひろ「無理ですよ」

モバP「無理でしょうか」

モバP「夏場の納涼スポット――川床を346に作るというか、再現してみたいんですよね」

雪美「……貴船の……川床……、京都の……名所……」

ちひろ「京都の奥座敷ですか。行ったことがありますけど緑に囲まれて気持ち良い所でしたね」

モバP「貴船神社も緑の中の鳥居の朱が映える良い場所です。というか木も足りないですね」

雪美「いっしょに……川のせせらぎ……聞きながら……流しそうめん……食べたい……」

モバP「こう言われちゃあ作りたくなりませんか?」


ちひろ「どう考えても再現するより直接行った方が早いです」

820: 2021/10/02(土) 23:51:47 ID:INDbsgLw
1140

モバP「雪美はドア・イン・ザ・フェイス・テクニックって知っているか?」

雪美「……知らない……。……壁ドン……みたいな……こと……?」

モバP「壁ドンか……今から例を実践するよ」

ドン

モバP「なあ雪美、俺と結婚してくれ」

ちひろ(壁ドンはするんですね)

雪美「! ……いきなり……それは……待って……」

モバP「じゃあまずは友達としてお付き合いから始めませんか」

雪美「…………うん……分かった……」

モバP「……というように最初に法外な要求をして断らせてからハードルを下げることで目的のOKを相手から引き出そうという交渉テクニックです」

雪美「……結婚は……法外……? 私……びっくりした……だけで……ダメとは……言ってない……」

モバP「えっ……いやあ、そう言われてしまってはこのテクニックも形無しですな」

モバP・雪美「……」テレテレ


ちひろ「お二人は好意の返報性の良い例でもある気がします」

821: 2021/10/02(土) 23:52:39 ID:INDbsgLw
今日はここまで
私は、にわかです(命乞い)


to be continued...→


引用: モバP「雪美様がゆく」