822:◆ORDERq/08U 2021/10/09(土) 23:25:44 ID:KF2Ys/vs




前回はこちら


雪美さんといっしょシリーズ


1141

雪美「……にゃー」

モバP「猫やなあ」

雪美「……にゃー」

モバP「……」 ナデナデ

雪美「……ん」

モバP「スイッチが入っていると本当に気持ち良さそうに撫でられるね」

モバP「それにしてもいつもより毛深い猫耳だな」

雪美「……ファー……素材……」

モバP「手が喜ぶ柔らかさだ」

モバP「……だが雪美のふさふさな髪の方もまた良い」

モバP「雪美は時々丸まって寝ていることがあるが、あれを見ると触りたくなる」

雪美「……髪を……?」

モバP「ああ。猫が丸まって毛玉化しているのを触りたくなる感覚に近いのかな」


ちひろ「胎児型の寝相は依存心が強く甘えん坊だと言われるそうな」

823: 2021/10/09(土) 23:31:51 ID:KF2Ys/vs
1142

モバP「ラーメン屋やうどん屋で食事をするのが最近好きになりつつある僕です」

ちひろ「プロデューサーさんってそういう所にも結構行くんですね」

モバP「そんなに行かないイメージです?」

ちひろ「誰かの一緒の時はメニューにバリエーションがあるレストラン」

ちひろ「そうでない時はお腹を空かせながら隠れた良い店とかを探し歩いていると思っていました」

モバP「井之頭五郎みたいなことはしませんよ。憧れますがね」

雪美「P……ごぼ天うどん……好きね……」

モバP「ああ、あのサクサクなごぼうの天ぷらにちょっとつゆを染み込ませて食べるのとかな」

モバP「更にセットで頼むかしわおにぎりもちょうど良い甘さをしていてうどんと合う」

ちひろ「福岡の仕事でふらっと立ち寄った店で食べるようなメニューですね」

モバP「というかたまごふりかけでも塩むすびでも、とにかくおにぎりとのセットが好きでラーメン屋やうどん屋に行くまであります」

モバP「あの小皿に乗ってやってくるおにぎりが何であんなに美味しそうに見えるのか……。照明のせいかな?」

雪美「たまに……お漬物も……付いてる……。あれも……意外と……侮れない……」


ちひろ「サラリーマンみたいな会話」

824: 2021/10/09(土) 23:33:15 ID:KF2Ys/vs
1143

ライラ「~♪」

モバP「おや、ちょうど良い所にライラさん」

ライラ「おやおやプロデューサー殿。わたくしに用事でございますか?」

モバP「用事というか、アイスでもいかが?」

ライラ「アイス……!」キュピーン

モバP「ほら、ちょうどチョコモナカジャンボとバニラモナカジャンボが一個ずつある」

ライラ「いただいても良いのですか?」

モバP「ああ、今日のお仕事で使う機会があってその余りがちょうどこの二つ」

モバP「せっかくなので保冷剤つきで貰ってきた」

雪美「この場には……三人……」

モバP「俺は良いから二人で食べてくれ」

雪美「……私に……一個は……多いから……Pと……分ける……」

ライラ「やさしさですねー」

モバP「雪美さんは時々優しすぎて甘えてしまう」

825: 2021/10/09(土) 23:38:39 ID:KF2Ys/vs
モバP「それで、この二つ。どちらを食べるか選んでくれ」

ライラ「どちらか……迷いますですねー」

モバP「チョコが入っている分、チョコモナカジャンボにした方がお得だろうか?」

モバP「でも実はバニラモナカジャンボの方にもチョコレートが入っているんだよね」

ライラ「知ってますですよー。端に薄くホワイトチョコレートの層がございます」

雪美「……!」

雪美「……じゃあ……こっちも……本当は……チョコモナカジャンボ……だった……?」

モバP「知らないと、えっそうなの? という事実だな」

モバP「ついでにバニラの方はアイスクリーム、チョコの方はアイスミルクで乳固形分と乳脂肪分の含有率が違う」

ライラ「一度、食べ比べてみたら違いが分かるかもしれませんです。でも、そんな贅沢、なかなかできませんねー」

モバP「……お金のこともだが、アイスを食べたい気分でも一度に2個もとなると最後まで美味しく食べきれない感じだしな」

ライラ「これを半分を割って交換すれば、1つで2つ分の幸せになれますでしょうか」

雪美「……それ……良いアイデア……」

モバP「とりあえず早く食べないと溶け始めそうだな」


ちひろ「事務所に保冷剤がたくさん余ってますね……」

826: 2021/10/09(土) 23:42:27 ID:KF2Ys/vs
1144

モバP「……」パタパタ

雪美「……」パタパタ

ちひろ「おや、扇子ですか」

モバP「センスあるでしょう?」

ちひろ「聞かなかったことにしてあげます」

雪美「……ふふっ」スッ

モバP「扇子で口元を隠す仕草がとても艶やかですねえ、はい」

モバP「これで扇いだからとそう涼しくなるわけじゃないんですが、少し雅やかな気持ちになれますね」

ちひろ「雪美ちゃんでもMy扇子を持っているって良いですね」

雪美「これ……Pと……買った……扇子……」

モバP「雪美はステージで扇子を持つことがありましたが、どうせなら普段から何か持つようにした方が馴染むかなと」

モバP「しかしどれか一つを選んで買おうとしたら、結構悩むんですよね」

雪美「……紗枝でも……悩むって……言ってたから……じっくり……悩んで……決めた……」


紗枝「大事なことどす」 ←悩みだすと結構長い方

827: 2021/10/09(土) 23:44:03 ID:KF2Ys/vs
1145

モバP「ここにボールがあります」

雪美「……」ジーッ

モバP「これにカップを被せます」

雪美「……」ジーッ

モバP「他に二つ、逆さに置いた同じカップを用意します」

シュババババババ

モバP「はぁ……はぁ……さあ! どのカップの下にボールがあるか当ててみよ」

雪美「……右の……これ……」

モバP「……当たり」

モバP「当てずっぽう……ではないよな」

雪美「……うん……目で……追えた……」

モバP「大した動体視力だ。雪美さんはスリーシェルゲームでも負けないんですのね」パチパチ

雪美「Pだって……こういう……ミニゲーム……強い……」


モバP「意識して集中すればな。やる気がない時は全然ダメなタイプだ」 ワカリヤスイ……

828: 2021/10/09(土) 23:46:31 ID:KF2Ys/vs
1146

モバP「こんな雪美さんはイヤじゃない」

モバP「異世界ファンタジー系コスプレをしつつ――」

雪美「……軽装……女騎士……」キラキラ

モバP「得物が大真面目にピコピコハンマー」

雪美「……」ドヤッ

ちひろ「えぇ……笑美ちゃんかな?」

モバP「こういう何か一ヶ所だけ場違いな感じがするものを装備しているとギャップで親しみが湧きません?」

雪美「……」ジーッ

ちひろ「湧きますね」

雪美「……♪」

モバP「こっちの世界ではお馴染みのピコピコハンマーというところがまたポイントを高くする」

ちひろ「可愛いんですけど、もう少し貫禄のあるお馴染みって無いんですかね?」

モバP「ピコピコハンマー、良いじゃありませんか。一部界隈では最強武器の呼び声も高い」

ちひろ「それはギャグでそうなってるだけな気がします」

829: 2021/10/09(土) 23:50:24 ID:KF2Ys/vs
雪美「……普通の、ピコピコハンマーより……強そうに……見える……」

モバP「格好の補正もあるだろうな。ああ、黒タイツミニスカの騎士……実にあざとい!」

雪美「……」ピコッ

モバP「ぐはっ!」

雪美「……あざとくない……」

モバP「……とても似合っています、お嬢様」

雪美「……よし」

ちひろ「それで良いのか君たちは」

モバP「ちなみにこの……マジックハンドに持ち替えても良いかもしれない」

雪美「おお……かっこいい……」カションカション

ちひろ「もう玩具コレクションじゃないですか」

モバP「玩具と侮るなかれ、マジックハンドは通行券や駐車券を取るのにも役に立ちます」

ちひろ「車の窓からね……っていつの時代の発想ですか」

雪美「……マジックハンド……伸びる方だと……思ってた……」ビヨーン……ッテ


ちひろ「そっちの方が更に古いですね」

830: 2021/10/09(土) 23:53:54 ID:KF2Ys/vs
1147

モバP「今日の偏見『桃華の寝間着は透けてそう』」

桃華「うふふ、そう思いまして?」

モバP「着ていても違和感は無いなというか似合いそうだなという、世間知らずの妄想だがな」

桃華「残念ですけれど、透けてはいませんわ。……見たこともあるのではなくて?」

モバP「普段使いはそうでも、そうでない一人の時にだけこっそり着る用とか、別にあるのかなと」

桃華「さあ、どうかしら」

モバP「でも、シンプルなセパレートタイプだけでなくワンピースタイプも一着や二着は持っているだろう?」

桃華「そんなに見たいのでしたら……わたくしの家にこっそり忍び込んでみてもよろしくてよ?」

モバP「えー、ジョジョのスタンドみたいなBGが出てきそう」

桃華「Pちゃまはわたくしを何だと思っていますの? 程々に、手配しておきますわ」

モバP「桃華とランデブーするまでにちょっとした運動もさせてもらえるわけか。燃えてくるね」

桃華「……さて、ベビードールを出しておくよう家の者に連絡を――」

モバP「俺の前でそんな情報を漏らしていくな。サプライズにしろ、そこは」


雪美「Pと……桃華の……やりとり……、時々……本気か……冗談か……分からない……」

832: 2021/10/16(土) 23:40:15 ID:j0yymIRY
1148

モバP「しぶとい高気圧が去って一気に気温が下がるようになってきたな」

雪美「ん……」スリ

こずえ「ふわぁ……」スリ

モバP「こうなると温もりが欲しい女性の皆様が寄ってくる」

ちひろ「女性(女子小学生)」

雪美「……Pは……みんな……レディーとして……扱って……くれる……」

こずえ「こずえもー……れいでぃー……。えへー」

モバP「しかしそんなに熱源として良い塩梅なんだろうか」

雪美「……Pの……スーツ……これが……良い……」

こずえ「くせに……なるねー……」

モバP「俺に寄って来ているのではなくスーツに寄って来ているのか」

雪美「……そうとも……言える……?」

モバP「そんな……まあオーダーメイドの特に良い一着だからな。仕方ないか」


ちひろ「アイドル寄せ効果があるなんて何で出来ているんですかねそのスーツ」

833: 2021/10/16(土) 23:41:16 ID:j0yymIRY
1149

雪美「……のど……渇いた……」

モバP「よくお喋りしたからな。お茶でも飲むか?」

雪美「……」コク

モバP「少し待っていてな」

――

モバP「はい、お茶ですよ」

雪美「……ありがとう」スッ

モバP(湯呑を両手で受け取る仕草は良いものだ)

雪美「……」ゴクゴク

モバP「…………」

雪美「………………」

モバP(一頻り喋った後のこのクールダウン的な無言タイムも好きなんだよな)

雪美(……私も……)


ちひろ「急に静かになると調子が狂いますねえ」

834: 2021/10/16(土) 23:42:36 ID:j0yymIRY
1150

モバP「藍子って髪を下ろすとゆるふわ度が上がるよな」

雪美「……」コク

藍子「そうですか?」

モバP「ああ、何と言うか普段は女の子として一回変身を残している感じだ」

藍子「その変身を見せること、あまりないですけどね」

パサッ

モバP「と言いつつすぐに見せてくれるサービス精神」

雪美「……かわいい」

藍子「特別ですよ? 代わりに、あとで結び直してくださいね」

モバP「任せろ。Youtubeを見て学習したヘアメイク技術が俺の手にはある」

藍子「元通りにするだけで良いですからね?」

雪美「……P……アレンジ……加えるの……好きだから……」

モバP「しないしない。しっかりデフォルトの藍子に戻すよ」

藍子「ふふっ」

835: 2021/10/16(土) 23:43:58 ID:j0yymIRY
モバP「それにしても藍子、普段から髪を下ろしていても充分見映えするよな」

藍子「そうですか? これだと誰だか分からない女の子に見えませんか?」

モバP「そんなことはない。見る側としては新鮮でドキドキするがそれでもしっかり藍子だ」

モバP「オーソドックスな髪型だからって個性が消えるわけじゃないんだよな。むしろ増えるというか」

雪美「……」コクコク

モバP「あと、藍子の髪を下ろした姿は普段から結構想像できる方なんだよ」

モバP「ただ実際に見ると毎度想像以上で驚かされるんだがな」

雪美「……柔らかそう……」

藍子「嬉しいな……未央ちゃんとかからは触りたい髪だってよく言われます」

モバP「絶妙な加減にウェーブした髪が手を誘うのかな。あとは色も優しい」

モバP「だから緑や黄色の入った服や衣装や水着が馴染むのかもな」

雪美「黄色いビキニと……緑のパーカー……」

モバP「髪を下ろした状態でその水着姿を披露というのも……楽しみだな」

藍子「期待されてもそれはさすがにダメですよ? 持って来てないですから」


ちひろ「持って来ていれば着たのだろうか」

836: 2021/10/16(土) 23:49:05 ID:j0yymIRY
1151

雪美「……何か……良い香りが……する……」

モバP「……本当だ」

モバP「これは金木犀じゃな?」

雪美「……詳しいの……?」

モバP「植物の知識は正直に言ってそんなにない。素人だ」

凛「またまた。謙遜するね」

夕美「金木犀の花言葉の一つだね、謙遜」

モバP「その辺の引き出しは凛や夕美につい頼ってしまうな」

モバP「以前、凛に貰った鉢のヘデラがゴールデンチャイルドとかいう名前だったのは覚えているんだが」

雪美「何それ……カッコいい……」

凛「当たり。しっかり名前を覚えておいてあげてね」

モバP「金木犀も、これだけ特徴的な匂いを出していると分かる。秋を感じさせる象徴みたいなものだからな」

夕美「それにしてもPさんにヘデラ、か。凛ちゃんらしいかも」


凛「プロデューサー、ちょっとした壁面緑化に憧れているらしくて」 アア、ソウイウ

837: 2021/10/16(土) 23:50:18 ID:j0yymIRY
1152

モバP「生活情報番組でよく見かける納豆の効果的な食べ方」

モバP「食べる前に冷蔵庫から出してしばらく置く」

雪美「……」

モバP「タレやカラシはかき混ぜた後に入れる」

雪美「……」シャカシャカ

モバP「ナットウキナーゼが壊れるので熱いご飯の上には乗せない」

雪美「……」 ←元々乗せない派

モバP・雪美「……いただきます」

――

ちひろ「食べ方くらい好きにさせてと思いますけどね」

モバP「まあそうですが、順序次第で味や食感が変わると気分に合わせて使い分けられますから」

ちひろ「食パンにスプレッドを塗って焼くか、焼いてから塗るかみたいなものですか」

モバP「個人的には焼いてから塗った方が風味が出て好きですね」


雪美「……焼く前……パンが柔らかくて……塗りにくい……」

838: 2021/10/16(土) 23:51:46 ID:j0yymIRY
1153

モバP「もう食パンはしばらく見たくないなあ」

ちひろ「何があったんです?」

モバP「アイドルたちとカフェで甘い物を食べに行こうという話になって」

雪美「……なった……」

モバP「それでとある有名な店に行って頼んだハニートーストが、多少大きいくらいなら行けるだろうという程度で胃を準備していたらそれよりも大きくてですね」

雪美「ブロック……サイズに……圧倒……!」

ちひろ「ああ、あの一斤ほとんどを使いましたみたいなのを勢いで頼んでしまったんですか」

モバP「はい。運ばれてきた時は盛り上がるんですが食べきるとなると大変です」

ちひろ「スライス一枚分でも結構カ口リーがありそうなものですからね」

モバP「あれだけの量だとハチミツの香りも甘ったるくなります」

モバP「その後、これじゃいかんとカ口リーを消費しようとなって、皆で入ったのが初めてのパセラ」

モバP「あの部屋に置いてあるメニュー……あれ……初めて見た時……なんていうか……その……満腹なんですが……フフ……グルトーに興味……湧いちゃいましてね」

ちひろ「グルトーはパセラくらいにしかないですから、それはそれでどうしても食べたかったんですね」


雪美「……無茶……しやがって……」 ホントダヨ

839: 2021/10/16(土) 23:53:00 ID:j0yymIRY
1154

雪美「……P」

モバP「何だい? 雪美」

モバP「! それは……ウェイトレスの衣装か……!」

雪美「うん……」キラキラ

雪美「……私……コーヒー……淹れた……。飲んで……」

モバP「何、雪美の淹れたコーヒーだと? これは直ちに仕事を中断せざるを得ない」

雪美「……はい」コト

雪美「熱い内に……どうぞ……」

モバP「トレーを胸に抱えて控える雪美さんをじっくり見たいと思いつつも」

モバP「うーん、実に良い香りだ。……いただきます」ズズ

モバP「……見事だよ。雪美の気持ちがこもった一杯……一緒に喫茶店を開かないか?」

ちひろ「何言ってるんですか。……それにしてもこのカリタの陶器ドリッパーに三角形の耐熱ガラスサーバー、様になりますね」

モバP「いろいろ試すんですが、やっぱり自分でやるならこれで淹れるのが一番美味しく出来る気がします」


雪美「ハンドドリップ……やるの……楽しい……」

840: 2021/10/16(土) 23:55:48 ID:j0yymIRY
1155

モバP「事務所のアイドルのステージを一番後ろの通路に立って」

モバP「ああ、皆は俺が育てたんだな――と思いながら眺める優越感」

ちひろ「見てください雪美ちゃん、これが後方彼氏面というやつです」

雪美「なるほど……」

モバP「やってみせようとすると恥ずかしくなりますねこれ」

雪美「ふふ……Pは……前の方で……見るタイプ……ね」

モバP「純粋にお客さん側で見るとしたら前過ぎない前が良いかな」

雪美「……そう……?」

モバP「たまに客上げや客弄りがあったりするじゃない? あれに突然選ばれたらアガる自信があるので」

雪美「……それは……私も……緊張……する……」

ちひろ「プロデューサーさんは予期しないことが起こるとエラーを吐きますからね」

モバP「しかし後方彼氏面、ですか。前方後円墳、或いは前門の虎後門の狼なら知っていますが」

モバP「この用語を教えてくれたりあむって物知りなんだなと思うと俺も鼻が高いよ」


りあむ「Pサマ微妙に間違った使い方してる気がするけどまぁいっか」

842: 2021/10/23(土) 23:30:21 ID:HWWcOf6k
1156

モバP「……」ホー

美世「Pさん、あたしの車に興味津々?」

モバP「ああ。このフロントグリルのデザインが、改めて見るとなかなか好みだ」

美世「おっ、分かるー?」

雪美「……フロントグリル……?」

モバP「ほら、車の正面を見てみよう」

雪美「……こうして……見ると……顔……みたい……」

モバP「ヘッドライトが目でな」

モバP「それはそうとここ、網目の隙間があるだろう? この部分がイカすんですわ」

雪美「……」ウーン

美世「雪美ちゃんの好きな車にもあるんじゃないかな?」

雪美「……私の……好き…………ルパン三世の……フィアット500……」

美世「先代か。あれはフロントグリルないなあ」


ちひろ「そういえば美世ちゃんもグリル、もといメッシュの衣装を着てましたね」

843: 2021/10/23(土) 23:33:24 ID:HWWcOf6k
1157

モバP「まゆが着けているリボンのカチューシャがふと欲しくなる」

ちひろ「コレクターですか」

モバP「というか着けてみたいんですよね、あの手のカチューシャ」

ちひろ「えぇ……」

モバP「まゆがカチューシャを着けていない場面にそう出くわさないわけですが」

モバP「着け心地が良いからこそ着け続けられると思うんですよ」

雪美「……Pも……カチューシャ……着ける……?」ネコミミ……

モバP「雪美も頻度はそこそこだが着けるよな」

モバP「俺は頭を締め付けられるのはあまり好きじゃないので合うサイズ、ある?」

ちひろ「拘束具じゃないですけど、たまに締め付け感が苦手な人はいますよね」

雪美「はい……これなら……Pも……着けられる……」カポッ
Λ Λ
モバP「おお、なかなかゆったりとして良いフィット感だ」ニアウ? ……ウン
Λ Λ
モバP「でもご主人様に逆らうと自動で締め付けてイテテなことになるような特殊なカチューシャとかも世にはありそう」


ちひろ「カチューシャを緊箍児と一緒にするな」

844: 2021/10/23(土) 23:34:28 ID:HWWcOf6k
1158

ズズ

モバP「ふぅ」

モバP「……食後の一杯がこんなに嬉しいとは」

雪美「……それ……イチゴの匂い……する……?」

モバP「ああ、強すぎない程度にフルーティーで好みだな」

雪美「……私も……飲もう……かな……?」

モバP「ミルクや砂糖は入れなくて良いかい?」

雪美「……一口は……そのまま……飲んでみる……」

雪美「……」オソルオソル

コク

雪美「……」

モバP「そのままのコーヒーの味はどうだ?」

雪美「……複雑……」

モバP「そうか。俺も実は気取って飲んでいるだけでミルクと砂糖を入れた方が飲みやすいとは思っているんだ」サーッ

845: 2021/10/23(土) 23:35:56 ID:HWWcOf6k
雪美「……Pったら……ふふ……」サーッ

モバP「しかし香りはすごくイチゴです。よく見つけてきたな」

雪美「……パパから……貰った……」

モバP「へぇ……というかコーヒーを淹れるのが上手いのは」

雪美「……家で……パパとママに……淹れてあげる……から……」

モバP「それで心得があるんだな。コーヒードームを綺麗に作るしタイミングもばっちし」

雪美「……パパとママの……喜ぶ顔……好きだから……」

モバP「娘が上手に淹れてくれるコーヒーなんて喜ばない両親はいないな」

モバP「……今度パパさんに会ったら根掘り葉掘り詳しい話を聞いてみよう」

雪美「……私のこと……根掘り葉掘りは……ダメ……」

モバP「いや、根掘り葉掘りというのはコーヒー豆についてだが」

雪美「……いけず」

モバP「雪美のパパさんも時々混じる京言葉が色っぽいんだよな」

モバP「ええ手つきしてはりますな、とか、よろしおすな、とか、おおきに、とか」


雪美「……P……パパ……狙ってる……?」 ネラッテナイヨ!?

846: 2021/10/23(土) 23:36:57 ID:HWWcOf6k
1159

モバP「雪美さん」

雪美「P……」

モバP「……いくよ?」

雪美「……来て」

モバP・雪美「……」ダキッ

ちひろ「……」

モバP・雪美「……」ギューッ

ちひろ「……」

モバP・雪美「……」ギューッ

ちひろ「いや、何をやっているんですかね」

モバP(これは競技です)

ちひろ(脳内ジャックしないでください)

ちひろ(……競技って何ですか)

モバP(ずばり、雪美さん抱き締め耐久! 何分照れずにいられるか! です)

847: 2021/10/23(土) 23:46:51 ID:HWWcOf6k
ちひろ「……」

モバP(ちひろさんが受信拒否モードになった)

ちひろ(あら、また迷惑メールが)

モバP(馬鹿げているとお思いですか?)

ちひろ(一点の曇りもなく馬鹿げていると思います)

まゆ(プロデューサーさん、今日の夕飯はまゆが作りますけど、希望はありますか?)

モバP(お、そうだな……ハンバーグが良いな。パン粉ありのトマト煮込みで)

まゆ(了解です。それと……今度まゆにもしてくださいね? 見ていますから)

モバP(分かったよ。それとお風呂で待ち伏せはするなよ?)

ちひろ(普通にまゆちゃんが割り込んでくるという)

雪美(Pだけ……他のこと……考えているの……ずるい……。これは……一対一の……勝負……)

ちひろ(今度こそブロックしときましょう)

――

雪美「記録……3分46秒……自己ベスト……」ツヤツヤ


ちひろ「プロデューサーさんのコミュニケーションはいろいろとおかしいと思います。今更ですけど」

848: 2021/10/23(土) 23:48:15 ID:HWWcOf6k
1160

モバP「街路樹の葉が落ちる秋」

雪美「……落ち葉のじゅうたん……もうすぐ……見られる……」

モバP「あれを見ると秋深まれりって感じがするよな」

ちひろ「公園なんかでそういう並木道を一人で歩いているとしみじみとしますね」

雪美「もうすぐ寒い……冬が来る……」

モバP「……」

ちひろ「……」

雪美「……?」

モバP「恋人が欲しいですか?」

ちひろ「何を言う」

モバP「まあ、物寂しさを紛らわせるわけじゃないですが、みんなで並んで、綺麗な並木道をドラマみたいに歩いてみたいですね」

雪美「……HERO……」

ちひろ「懐かしいですね」


モバP「BGMはGメン75が良いですね」 ソレハフルスギ

849: 2021/10/23(土) 23:50:19 ID:HWWcOf6k
1161

モバP「麻婆豆腐が食べたい」

雪美「……いいね……」

モバP「だが麻婆茄子も捨てがたい」

雪美「ナスも……油に馴染んで……合う……」

モバP「さあどっちを作ろうか。どっちも作ろうか」

雪美「豆腐と……ナス……いっしょに……する……?」

モバP「一緒にしてしまうか。今日のおかずは豪華だ」

ちひろ「ついでに春雨とかまで入れるようになりそう」

モバP「麻婆茄子豆腐春雨なんて思いつくのは自分だけでなく、世の中には結構作る人がいるんですよね」

モバP「自分もものぐさで、一つ一つ別に作るよりまとめられる物はまとめて作っちゃえば良い、ってところはあります」

雪美「昨日も……一つのフライパンで……きんぴらごぼうと……レンコンのきんぴら……作っていた……」

ちひろ「美味しそうですね。私、きんぴらは結構好きですけどそれは特に邪道でもないと思います」

モバP「まあものぐさ過ぎて麻婆豆腐に片栗粉をそのまま投入して失敗したこともありますが」


ちひろ「良い子はちゃんと水で溶いてから入れましょう」

850: 2021/10/23(土) 23:53:14 ID:HWWcOf6k
1162

モバP「樹木葬……か」

ちひろ「おや、もう終活を考えておいでになるんです?」

モバP「しばらく氏ぬ予定はないです」

ちひろ「その割には何か心に響くものでもありそうですけど」

モバP「石のお墓に入れて、ではなくて植物の根元に、というのが素敵だなと」

ちひろ「プロデューサーさんは自分をピラミッドや古墳のような所に葬ってほしいものかと思っていました」

モバP「王族じゃないんですから」

モバP「しかし自分の骨を埋めた地面にはどんな花が咲くんでしょうか」

ちひろ「予め何の花か樹かは決まった場所に埋められるんじゃないんですか?」

モバP「皮肉にも悪人の骨を埋めた土の方が綺麗な花が咲く、なんてことがあると面白いんですが」

ちひろ「蔵馬かな? 不気味でどこか毒々しいような美しさを湛えて咲きそうな気が」

雪美「……P……何の話……してるの……?」

モバP「転生するなら植物になるのも良いかなって話」


ちひろ「Floweyみたいなのが生まれそう」

852: 2021/10/30(土) 23:30:46 ID:03tTWLNk
1163

モバP「雪美さんに着せてはいけない服シリーズー」

奈緒「Pさんの性癖が窺い知れるやつだ」

モバP「たまには羽目を外したい時もあるんだ」

雪美「……この人……外し過ぎ……」ツンツン

モバP「それに後で実際に着せてみました、なんてことはやっていないんだから。想像するだけならフリーだよ」

モバP「奈緒だって例えばアニメ由来の、これはちょっと人前では見せられないって服を着てみたくなる時が全く無いわけではなかろう?」

奈緒「そりゃそうだけど、あくまで自分で着る場合だろ? 着せたい、しかもそれを面と向かって言うとなると話が変わってくるって」

雪美「大丈夫……慣れてる……。それで……今日は……何を……着せたいの……?」

モバP「今日は奈緒もいるし、アニメのキャラを名指しでいこうか」

モバP「ずばり、ジャヒー様」

奈緒「えっ、シャツ一枚かよ」

モバP「いや、それも良いんだが大人姿の方の格好。クロスストリングとショートパンツ的な」

奈緒「あの格好で深夜の良心みたいなコメディアニメやってるのはシュールだよな」


雪美「……そういう衣装……あったら……着てみたい……?」 Pサンノマエデハゼッタイニキナイ

853: 2021/10/30(土) 23:33:07 ID:03tTWLNk
1164

モバP「デレぽは見ていて飽きないな」

雪美「うん……」

モバP「雪美も参加しているからな。あの空間に入れるのは少し羨ましい」

雪美「よく……お世話に……なる……」

ちひろ「やり取りを見ているだけで癒されますよね」

モバP「アイコンも名前も本人なので分かりやすいですよね」

モバP「今時一般のSNSだとプロフィール画像、アイコンを自分の顔にしている人なんてあまりいないですから」

ちひろ「ニックネームとかもですけど、その辺は自由で良いと何にするか結構センスが問われますよね」

雪美「……私だったら……ペロの画像に……するかも……」

モバP「ペロか……俺はやるならPヘッドにでもするかな」

雪美「……Pヘッドアイコン……既に……使われてそう……」

ちひろ「世にはアニメアイコンでいろいろ拗らせたことを言う人たちもいますけど、Pヘッドアイコン勢は大丈夫でしょうか」

モバP「ネットだけでなく我々のこうした世間話だって今は発言がしっかり記録として残りますからね」


ちひろ「誰に記録されているんですかね……」

854: 2021/10/30(土) 23:34:45 ID:03tTWLNk
1165

モバP「ハロウィンって割とバレンタインデーやホワイトデー並にオサレなお菓子が多いな」

雪美「……」コク

モバP「ということでちひろさんにもお一つ」

ちひろ「ありがとうございます。これはラ・メゾン白金のタブレットショコラですか」

モバP「よくご存じで。それのハロウィン版ですね。ハロウィンタブレットです」

雪美「……お菓子に……見えない……。可愛い……」

モバP「こういうのは食べるのが勿体無くなるな」

雪美「……」パクッ

雪美「……ん……イチゴ味……おいしい……」

ちひろ「私のはピスタチオ……そういえばプロデューサーさんからはアルフォートのピスタチオも頂きましたね」

モバP「好きでしょう?」

ちひろ「いや、ピスタチオ味が好きだなんてことを言った覚えは特にないですよ?」

モバP「でも緑色ですし」

ちひろ「色の問題ですか」

855: 2021/10/30(土) 23:39:00 ID:03tTWLNk
雪美「……」

雪美「……!」ピコン

モバP「さて、ブルーベリーとオレンジとマロンとパンプキンのどれにしようかな」

雪美「……P……」

モバP「ん?」

ハムッ

雪美「……」

モバP「雪美が何かを口に咥えている状態ってとてもそそるな」

雪美「……んー」

モバP「えっ、口移し? しょうがねぇなぁ」

パキッ

モバP「美味いじゃん。サンキュー」

雪美「……///」

ちひろ「少しは躊躇というものをですね……止める暇も無かった」


雪美「……ハッピー……ハロウィン……♪」

856: 2021/10/30(土) 23:45:00 ID:03tTWLNk
1166

モバP「塩釜焼ってありますよね」

ちひろ「ありますね」

雪美「……あまり……見ない……」

モバP「それもそうだと思うんだ」

モバP「あれって冷静に考えると塩が勿体無いと感じませんか」

ちひろ「叩いて割って中身だけを食べるわけですからね」

雪美「塩……捨てる……?」

モバP「卵白とか混ざっていて再利用も考えにくいからな」

雪美「……勿体無い……ね」

ちひろ「ポットパイやパイの包み焼きなんかはどうです?」

モバP「あれも崩して中身をメインとして食べるもので、出された時の見た目は良いですが……」

ちひろ「でも、そんな頻繁に作る物でもないですし、特別な日の御馳走に、くらいなら良いんじゃないですか?」

モバP「そう言われてしまうと……それまでですよね」


ちひろ「……で、何か良い話のオチは見つかりました?」 ソウイワレテシマウト(ry

857: 2021/10/30(土) 23:49:17 ID:03tTWLNk
1167

モバP「個性を出すのって難しいですね」

ちひろ「アイドルのプロデュースのことで悩んでいるんですか?」

モバP「いえ、自分の」

ちひろ「プロデューサーさんが個性を出すことに全力を挙げても仕方ないでしょう」

雪美「P……そもそも……個性……強すぎる……くらい……」

モバP「いや、もう少し分かりやすい、誰が見てもプロデューサーだという個性があった方が仕事にも活きませんかね?」

ちひろ「目立ち過ぎて仕事にならないと思いますよ?」

ちひろ「というかこれ以上個性を出すって、カラーリングを派手にでもするんですか? 金髪赤スーツとか」

モバP「誰の真似ですかそれは……特徴的な語尾でも付けるとかどうです?」

ちひろ「極めて初歩的ですね」

雪美「語尾……何を付ける……? ……なのだ……とか……?」

モバP「僕はプロデューサーなのだ」

ちひろ「ずんだもんかな?」


プロデューサー雪美「……とりあえず……今日一日……それで……行こう……」 ソッケツ!?

858: 2021/10/30(土) 23:50:46 ID:03tTWLNk
1168

モバP「タイムトラベルものでよくあること」

モバP「今は亡き家族に会いに過去に行くが、その人にとって未来から来た自分は見知らぬ他人である」

雪美「……それは……とても……切ない……」

モバP「その時代にはその時代の自分がいて、愛を注がれるのはその時代の自分である」

ちひろ「私は未来から来たあなたの子どもですとか言ってもまず信じてもらうのが難しいでしょうね」

モバP「私は信じますがね」

雪美「……でないと……可哀想……」

モバP「しかし、もし未来から例えば未亡人で一児の母親の雪美さんがやってきたとして」

ちひろ「何故そんな設定を盛る」

モバP「その人に世話を焼いて親しくしたら雪美さん的には浮気になると思う?」

雪美「……私は……私……。みんな……平等に……愛してくれれば……良い……」

ちひろ「何を聞いているんですか。……でも、実際は過去を観測することはできても過去に干渉するのは人類には無理なんじゃないですかね」

モバP「宇宙に巨大な鏡を置いたら理論で過去を見ることは出来たとしてもそれはあくまで過去の映像ですからね」


ちひろ「まあ我々のいる世界は別のようですけど」

859: 2021/10/30(土) 23:54:16 ID:03tTWLNk
1169

モバP「最近、階段の夢をよく見るんだ」

朋「どんな階段?」

モバP「身近な階段だな。そこが崩れていて通れなくなっている夢が多い」

朋「一般的な夢占いの見地では、それは人生の転機を表しているのかもしれないわね」

モバP「それと階段を登っていたと思ったらいつの間にか降りていた、というのもよくある」

朋「ポルナレフか」

雪美「騙し絵……みたいで……面白そう……」

モバP「ポップでシュールな世界観はあるな。やたら速かったりアクロバティックな角度のエスカレーターや歩く歩道も出てくる」

モバP「もしくは手すりがなくて幅が狭い空中歩道……自分視点だとやたら緊迫感があるよ」

朋「Pは寝ている時間も楽しそうね」

モバP「足元が不安な夢は嫌だよ。特に高所恐怖症なんだからそういうのは」

朋「と言いつつ怖いもの見たさでたまにそういう動画とか見ているの知ってるんだから。そりゃあ夢にも出るってもんでしょ」

モバP「うっ、確かに。……とりあえずまとめると、目的地、つまり目標に辿り着けないでやきもきしているような心理の表れかな」


朋「夢の中で困ったらあたしを呼んでみなさいよ。出てくるんじゃない?」 カモナ ワタシハ……ヨクデル

860: 2021/10/30(土) 23:55:31 ID:03tTWLNk
1170

モバP「こんな世の中、テレビで不意に見かけると安心する番組ってありますよね」

ちひろ「例えば?」

モバP「トムとジェリーですね」

ちひろ「ああ、最近は見かけませんね」

雪美「チキチキマシン猛レースも……」

ちひろ「なかなかハンナ・バーベラ好きですね?」

雪美「……ちひろさんも……?」

ちひろ「はい。以前はホテルとかのラウンジや修学旅行のバスなんかで流れているのを見ていました」

モバP「良いですね。自分は専ら家で、民放の再放送で見かけたら嬉しいタイプです」

ちひろ「カートゥーンネットワークのようなアニメ専門チャンネルでは今でもやるんでしょうけどね」

モバP「何せトムとジェリーは結構容赦ないコミカルな暴力が、日本では作られないテイストで面白いんですよね」

モバP「アウアウオッホホホホゥ! みたいな悲鳴でいつも笑ってしまう」

雪美「ふふふふふ……似てる……」


ちひろ「足の小指でもぶつけたら自然にそういう声が出るんでしょうかね?」 イタイデスカラネアレハ

861: 2021/10/30(土) 23:56:31 ID:03tTWLNk
今日はここまで
行くは破壊、来るは破壊、すべて、破壊


to be continued...→


引用: モバP「雪美様がゆく」