1: 2012/04/21(土) 01:35:06.65 ID:YfTU7LcDO
咲「えへへ、いつもごめんね? 来月にはちゃんと返すからさ!」

和「…………」

咲「原村さん?」

和「……いえ、どうぞ」

咲「ありがと! じゃまたね!」

和「…………はぁ」



7: 2012/04/21(土) 01:46:03.06 ID:YfTU7LcDO
和(いつからでしょうか……咲さんが私のことを昔のように名字で呼ぶようになったのは……)

和(県大会が終わった後は、あんなに通じあっていたと思っていたのに──)

和(今、あなたのことが何も分かりません……)

和「……はぁ」トボトボ

久「……和?」

14: 2012/04/21(土) 01:53:54.88 ID:YfTU7LcDO
和「部長……」

久「どうしたの? 元気ないけど」

和「いえ、その……」

久「……もしかして、また宮永さん?」

和「…………」

久「……はぁ。和? もうあの子にお金貸しちゃ駄目って言ったわよね?」

和「……すみません」

久「これで何度目よ? 今まで一度も返ってきてないのに、よく貸す気になるわね」

和「…………」

16: 2012/04/21(土) 01:58:47.17 ID:YfTU7LcDO
久「……ねぇ、貴女たち、今は少し距離をおいた方が──」

和「大丈夫ですっ!!」

和「……あ」

久「……そう。じゃあまぁいいわ」プイッ

久「何にしろ、程々にね」スタスタ

和「…………はぁ」

18: 2012/04/21(土) 01:59:39.05 ID:0AhWyl3T0
完全に付き合ってる感じの会話だなwww

23: 2012/04/21(土) 02:12:19.01 ID:YfTU7LcDO
桃子「うわっ、うわぁっ!?」キョロキョロ

桃子「ちょっと咲さん!? ホントにこんなとこ来て良かったんすか!?」

咲「うん? 何が? 大丈夫だよ。ここのお料理すっごく美味しいから」

桃子「や、そうじゃなくて! 無茶苦茶高そうなんすけどっ!? こんなとこ普通に制服で来ていいんすか!?」

咲「大丈夫大丈夫。桃子ちゃん可愛いし、そのままでも全然浮いてないよ」

桃子「な、何言ってんすか!」カァ

桃子「そんな、こと、平気な顔で言わないで下さい」ドキドキ

咲「えへへ」

28: 2012/04/21(土) 02:24:59.10 ID:YfTU7LcDO
桃子「それでですね──」

咲「──ふふ」

桃子「? どうしました?」

咲「いや、桃子ちゃんって本当に加治木さんが好きなんだね」

桃子「いやそんな、まぁ好きっすけど、でも──」テレテレ

咲「ちょっと妬けちゃうな」

桃子「いやいや、咲さんだっておっOいさんと仲良しじゃないっすかー」

咲「……うん」

桃子「あれ?」キョトン

33: 2012/04/21(土) 02:32:28.93 ID:YfTU7LcDO
咲「和さん、ね」

桃子「……もしかして、最近上手く行ってないとか?」

咲「最近……っていうか、うんまぁ、あんまり話せてないんだ……」

桃子「……」

咲「確証はないんだけど、何となく、でさ。分かるんだ」








咲「和さん、他に好きな人が出来たみたいなんだ」

桃子「え……?」

36: 2012/04/21(土) 02:40:35.63 ID:YfTU7LcDO
桃子「そんな……」

咲「和さん優しいから、そういうの私に言いにくいんだろうね」

咲「私もそれに甘えちゃってさ……へへ、ズルいよね」

桃子「そんなことないっすよ! もしそうなら、ズルいのはおっOいさんの方っす!」プンプン

桃子「咲さん泣かすなんて、いくらおっOいさんでも許さないっすよ!」

39: 2012/04/21(土) 02:50:23.38 ID:YfTU7LcDO
咲「……うん、ありがとう」ニコッ
桃子「!?」キュン

桃子(い、いやいや、私には先輩がいるんだから。あ、あり得ないっす)ブンブン

咲「まぁ、それはともかくさ。この後ちょっといい?」

桃子「え? 大丈夫っすけど、何かあるんすか?」

咲「うん、ちょっとね。えへへー、見てのお楽しみだよ」

42: 2012/04/21(土) 03:01:54.30 ID:YfTU7LcDO
 ────

桃子「エレベーター……っすか?」

咲「透……私の友達がここのオーナーさんと親戚らしくてさ。普段は開放してないんだけど、頼めば屋上に通してくれるようになったんだ」

桃子「へぇ、屋上……ここって結構高いっすよね」

咲「うんまぁ。あ、もしかして桃子ちゃん高いところ苦手だった?」

桃子「へ、平気っすよ? そんな、うちの元部長の車の運転に比べれば、屋上くらい──」

咲「……ふふっ」

43: 2012/04/21(土) 03:11:48.03 ID:YfTU7LcDO
ガタン

咲「ささっ、桃子ちゃんこっちこっち!」タッタッ

桃子「さ、咲さんちょっと待って、わわっ!」ズルッ

咲「おっとっと」ダキッ

桃子「あ……」

咲「あはは、ごめんごめん。ちょっとはしゃいじゃったね」

桃子「い、いえ、こちらこそ、どうもっす……」ドキドキ

咲「へへ、じゃあ開けるね?」

ガチャン

46: 2012/04/21(土) 03:21:47.93 ID:YfTU7LcDO
桃子「────!!」

桃子(これは──星? 空っすか?)

咲「ここら辺だと平地でもしっかり夜空見えるからさ。夜景なんてありがたみないと思ってたんだけど……」

咲「初めて透華に見せてもらった時、本当に目を疑ったよ」

桃子(すごい……この景色──)

咲「ね? 綺麗でしょ?」

桃子「はい……すごいっす……」ボー

47: 2012/04/21(土) 03:27:52.91 ID:YfTU7LcDO
咲「────」

咲「さっき、ここは普段は開放してないって言ったよね」

桃子「」ボー

咲「実は下でご飯食べる人が予約するものでさ」

咲「基本、恋人専用の場所なんだ」スッ

桃子「──えっ?」

48: 2012/04/21(土) 03:39:11.36 ID:YfTU7LcDO
咲「いや、別に桃子ちゃんがそういう風ってことはなくてさ」

咲「今私は、和さんとは来れないから……」

桃子「咲さん……」

咲「相談しようにも、うちはみんな距離近いし、それが逆に踏み込んだ話をしにくくて──」シュン

咲「だから桃子ちゃんに話聞いて欲しかったんだ」

咲「この景色はそのお礼! ……勝手してごめんね?」ニコッ

桃子「…………」

50: 2012/04/21(土) 03:49:01.24 ID:YfTU7LcDO
桃子(今、咲さんは傷付いてる……)

桃子(恋人に捨てられそうで、なのに味方が少なくて──)

桃子(誰かの支えを必要としているっす……)

桃子「──ぁの……」

咲「……うん? どうしたの?」

桃子(この人は私を頼ってくれた。私を必要としてくれた……)

桃子(私ならこの人の──!)グッ

桃子「咲さん──」ギュッ

53: 2012/04/21(土) 03:57:51.41 ID:YfTU7LcDO
咲「桃子……ちゃん?」

桃子「大丈夫ですから。私はいつだって咲さんの味方ですから、だから──」

桃子(先輩ごめんなさい! でも、でも──っ!)

桃子「今だはけ、今夜だけは私のことを恋人と思ってください……!」

咲「──だ、駄目だよそんな……加治木さんに」

桃子「咲さん──!!」

チュ

54: 2012/04/21(土) 04:01:23.15 ID:YfTU7LcDO
咲「!!」

桃子「今は、先輩の名前は出さないでください……」スッ

咲「……うん」

咲「ありがとう……桃子──」ギュ

桃子「……はい」ギュー













咲「」ニヤリ

55: 2012/04/21(土) 04:01:52.69 ID:YfTU7LcDO
おやすみなさい

58: 2012/04/21(土) 04:04:07.59 ID:KZgGQdlP0
>>55
ハハッ、冗談きついよー






え?

60: 2012/04/21(土) 04:08:21.24 ID:KNPtLzWR0
ここで終わらせるとかどんな焦らしプレイ

68: 2012/04/21(土) 08:26:54.66 ID:tGGO/UfZ0
桃ちゃんをチョイスしたことを高く評価する

引用: 咲「原村さん、お金貸してくれないかな?」和「またですか……」