1: 2023/12/05(火) 11:55:17 ID:2sg0/zBg00
こずかほです

2: 2023/12/05(火) 11:55:47 ID:2sg0/zBg00
授業中、ふと、窓の外を見る。
外は、雨。
今日はスクールアイドルクラブの練習は休みの日。
放課後の予定は何もないのだけれども。

「花帆さんは午後何をするのかしら」

つい、花帆さんのことを考えてしまう。
毎日、クラブで顔を合わせているのだけれども…

3: 2023/12/05(火) 11:56:47 ID:2sg0/zBg00
―――――――――――――――――

放課後 部室

私は部室に来ていた。
理由は何となく花帆さんがいるような気がしたから。

梢「…」

誰もいない。
当たり前である。今日はクラブがお休みの日なのだから。
私も部屋に戻りましょう。

そう思って後ろを振り返ったら、

花帆「あ、梢センパイ!こんにちは~」ニコニコ

花帆さんが満面の笑みで立っていた。

梢「花帆さん?ええ、こんにちは。どうしたの?今日は練習はお休みよ。」

花帆「練習がお休みだったこと忘れていてつい。」アハハ

4: 2023/12/05(火) 11:58:00 ID:2sg0/zBg00
そう言って少し照れくさそうに笑う花帆さん。
ああ、この子はなんて可愛らしいのだろうか・・・

(花帆さん・・・)

梢「花帆さん。この後、予定は空いているかしら?」

花帆「え。あ、はい。夜まで何もありませんよ~」

梢「私とお出かけでもしてみない?」

花帆「本当にっ!やったあ~。行きます行きますっ」パアッ

心から嬉しそうな顔を向けてくる花帆さん。
本当に可愛い。

5: 2023/12/05(火) 11:59:18 ID:2sg0/zBg00
花帆「あっ、でも外出許可・・・」ショボン

外出許可を取っていないことに気が付き、急に曇る花帆さん。
表情がコロコロ変わってとても可愛い。
ずっと見ていることが出来る。
眼福とは、このことなのかしらね。
とは言え、ずっと曇らせておくのも可哀そうだから。

梢「そのことなのだけれど、大丈夫よ。私が事前に2人分申請しておいたわ。だから、ね?」

そう言って安心させる。

花帆「梢センパイ用意周到ですね」ニコ

また笑顔に戻る。

(花帆さん、あなたの笑顔を見ていると私もとても幸せな気持ちになるのよ)



そう、心の中で言っておいた。

6: 2023/12/05(火) 12:00:18 ID:2sg0/zBg00
上司が思いのほか早く帰ってきてしまったので続きは16時以降にします。

18: 2023/12/05(火) 15:54:41 ID:2sg0/zBg00
梢「では、行きましょうか?」

花帆「はいっ。あ、でも部屋に傘を取りに戻らないと。朝晴れていたから持ってきていないんです。」

梢「花帆さん。もし、花帆さんさえ良ければの話なのだけれども。私の傘に入っていくのはどうかしら。傘1本のほうが荷物も少なくてすむから、ね?どうかしら?」

花帆「気持ちはすごく嬉しいですけど。悪いですよ~」

梢「遠慮しないで?ほら」

花帆「では、お言葉に甘えさせていただきます」ニコッ

梢「ええ、どうぞ」

花帆さんが私の傘の中に入ってくる。
自然と身体が密着する。

花帆「それで、梢センパイ。どこに行くんですか?」

梢「そうね。今日は寒いし、金沢の喫茶店でお茶でもどうかしら?私この間とても美味しいお店を見つけたのよ」

花帆「いいですね!行きましょう行きましょう」

花帆さんと同じ傘の中。
密着した身体に、花帆さんの体温を感じる。
私の心の中の炎は燃え上がる。

嗚呼、花帆さん、あなたはどうしてそんなにも可愛いのかしら・・・

19: 2023/12/05(火) 15:56:34 ID:2sg0/zBg00
――――――――――――
喫茶店内

花帆「わあ~。梢センパイ!ここお洒落ですね!」キラキラ

梢「ふふぅ。そうでしょ。この間このお店を見つけた時に、ぜひ花帆さんと一緒に来たいと思っていたの。気に入ってもらえて嬉しいわ」

そう言って私は向かい合って座る花帆さんを見つめる。
さっきからずっと花帆さんを見てしまう。
本当にいつまでも見ていられる。

花帆「梢センパイ?」

花帆さんが話しかけてくる。
うっかり見つめすぎてしまったようだ。
花帆さんにそのことを悟られると流石の私も恥ずかしいのだけれども。

花帆「ここの紅茶、美味しいですねっ」ニコッ

どうやら花帆さんには気づかれなかったようで、一安心。

梢「ええ、そうね。とても美味しいわね」

20: 2023/12/05(火) 15:58:27 ID:2sg0/zBg00
梢「ねえ、花帆さん」

花帆「何でしょうか?」

梢「私ね、花帆さんといる時間がとても大好きなの。」

そう、花帆さんと過ごすこのひと時がとても愛おしい。
この時間が永遠に続けばいいのに・・・

花帆「あたしも、梢センパイと過ごす時間は大好きですっ」ニコッ

満面の笑みでそう返してくれる花帆さん。
嗚呼、私はどうかなってしまうのかしら。

窓の外を眺める。
相変わらず雨はシトシトと降り続けている。
帰りも相合傘のチャンスはあるかしらね。

21: 2023/12/05(火) 16:00:09 ID:2sg0/zBg00
~1時間後~

梢「ずいぶんと寛いでしまったわね」

花帆「はい。とっても素敵な時間でしたっ」キラキラ

梢「ふふっ。気に入ってもらえてよかったわ。そろそろ出ましょうか」

花帆「はい!」

再び私の傘に入ってくる花帆さん。
密着する身体。
私の心の中の炎も再び燃え上がる。

ふと空を見上げると雲がだいぶ薄くなっている。
雨脚もだいぶ弱くなってきていて、もうすぐ止むのだろう。

だけれども・・・
神様、お願い。もう少しだけ、もう少しだけ雨を降らせていて頂戴。
せめて帰りのバス停に着くまでの間だけでいいから。

22: 2023/12/05(火) 16:02:05 ID:2sg0/zBg00
私の願いが通じたのか、バス停に着くまでは雨が降っていた。
私たちがバス停に着くと同時に帰りのバスがやってくる。
バスに乗り込む。

バスの中では、花帆さんは寝てしまっていた。
すやすやと眠る花帆さんの横顔。
やはり可愛い・・・

気が付いたら人目もはばからずに花帆さんの身体を自分のほうへ抱き寄せていた。
といっても、天候のせいかバスの乗客はとても少なかったのだけれども。

花帆さんの体温を感じる。
とても心地よい時間・・・


花帆「こ…せん…い、梢センパーイ!」

花帆さんの声が聞こえる。

花帆「梢センパイ!起きてください!着きましたよ~」

どうやら私も眠ってしまっていたようだ。
気が付いたら蓮ノ空女学院の最寄りのバス停に着いていた。

梢「私としたことが//降りましょう花帆さん」

花帆「はい」ニコッ

23: 2023/12/05(火) 16:03:21 ID:2sg0/zBg00
バスを降りたら雨は上がっていた。
辺りはすっかり暗くなっていた。

梢「遅くなってしまったわね」

花帆「梢センパイとお出かけ出来てあたしとっても楽しかったですよ。」ニコニコ

花帆「それに」

そう言って花帆さんは私の耳元に顔を寄せ囁いた。

花帆「梢センパイの寝顔、とっても可愛かったですっ」

梢「なっ/////」

24: 2023/12/05(火) 16:05:01 ID:2sg0/zBg00
花帆「あははは。照れてる梢センパイも可愛いです。梢センパイの新しい一面が知れて楽しいなあっ」ニコニコ

梢「か、花帆さん///」

花帆「梢センパイ、今日は誘っていただき、ありがとうございました」ペコリ

急に真顔になり頭を下げる花帆さん。

花帆「あたし、今までも梢センパイのこと好きだったんですけど、今日でもっともっともーーーっと好きになっちゃいましたっ」テヘ

照れくさそうに笑う花帆さん。
今日一日で私の脳内の花帆さんフォルダーにいったいどれだけの花帆さんの姿が収納されただろうか。

梢「私こそ、急な誘いに付き合ってくれてありがとうね。とっても楽しかったわ」

花帆「また一緒にお出かけしましょう!あ、でも次は朝からがいいです!」

梢「ふふっ。そうね。そうしましょう」

25: 2023/12/05(火) 16:07:43 ID:2sg0/zBg00
雨の日は時に憂鬱になりがちだ。
傘を持ち歩くのも正直億劫だし、濡れると気持ちも悪い。

だけれども・・・

たまには雨の日も悪くないと思う。

なぜならば・・・

こんなにも可愛らしい後輩とより親密になることが出来るのだから・・・




おしまい

26: 2023/12/05(火) 16:09:17 ID:2sg0/zBg00

27: 2023/12/05(火) 16:10:45 ID:2sg0/zBg00
前作までより少し作風を変えてみました
蓮ノ空最高!!

29: 2023/12/05(火) 16:42:53 ID:/vbMmhnwSp

良かった

引用: SS 梢「花帆さんと相合傘がしたいのだけれど…」