196: 2012/09/27(木) 23:07:25.04 ID:55JO476b0

前回:ちひろ「え……プロデューサーさんが、事故……?」南条光「なっ……!?」

 神崎蘭子(14)


ガチャッ…

蘭子「煩わしい太陽ね……(おはようございます!)」

ちひろ「……らんこ……ちゃん……」

蘭子「暗黒の化身よ……如何なる事態が……?(いったい、どうしたんですかちひろさん……?)」

ちひろ「……実は……プロデューサーさんがね……」

蘭子「我が下僕が、如何がしたのか……?(え、プロデューサーさんがどうしたんですか……?)」

ちひろ「プロデューサーさんが、事故に……!」

蘭子「……!?」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(8) (電撃コミックスEX)
199: 2012/09/27(木) 23:17:12.63 ID:55JO476b0
蘭子「事故……!? いったい、何故……!?(事故って、どうしてですか……!?)」

ちひろ「蘭子ちゃん……この前、プロデューサーさんに……絵を、見せる約束をしたでしょう……?」

蘭子「はっ……なんで、知って……!?」

ちひろ「……すごく楽しみだって、言ってたから……それで……」

蘭子「ま……まさか……」

ちひろ「欲しがってた、絵の具セット……買いに行ったんです……すぐに戻ってくるって……!」

蘭子「あ……あぁ……!」

ちひろ「帰りに、事故にあうなんて……!」

蘭子「そんな……そんなのって……」

ちひろ「蘭子ちゃん……これ、悲しいけれど現実なの……!」

202: 2012/09/27(木) 23:21:05.82 ID:55JO476b0
蘭子「わ、我が下僕たるものが、その程度……!(プ、プロデューサーさんのケガは……!?)」

ちひろ「……」フルフル

蘭子「あ……」

ちひろ「ごめんなさい……」

蘭子「偽りは……我が眼によって暴かれる……通じは、しないぞ……?(嘘、ですよね……? ドッキリなんですよね……)」

ちひろ「……」

蘭子「な……なにか……」

ちひろ「……」

蘭子「なにか、言ってください……ちひろさん……!」

ちひろ「蘭子ちゃん……」

205: 2012/09/27(木) 23:28:49.48 ID:55JO476b0
蘭子「なんで……なんでそんな……!」

ちひろ「蘭子ちゃん……」

蘭子「私っ……まだ、自分の言葉でお話できてないのに……!」

ちひろ「……」

蘭子「なんでぇ……やだよぉ……」

ちひろ「……蘭子ちゃん……よしよし……」

蘭子「プロデューサーさんに、お礼言いたかったのに……私、いつも素直じゃなくて……」

ちひろ「きっと、プロデューサーさんには伝わってたわ……」

蘭子「でも、でも……うぅ……ちゃんと、いいたかったんです……つたえたかったんです……!」

ちひろ「蘭子ちゃん……」

蘭子「もう……遅いんですか……? 私、まだ、返せてないのに……」

ちひろ(……ううん、素直におしゃべりする蘭子ちゃんかわいいわ……)

206: 2012/09/27(木) 23:33:36.14 ID:55JO476b0
ちひろ「……蘭子ちゃんが望むなら、まだ間に合うかもしれないですね」

蘭子「……ふぇ?」

ちひろ「きっと、また会えると信じるんです。あなたの眼に、あなたの力にかけましょう」

蘭子「そ、そんなの……」

ちひろ「嘘だと思いますか? 無理だと諦めますか?」

蘭子「……」

ちひろ「私達は、夢を売る仕事なんです。不可能を、可能にすることだって求められます」

蘭子「ちひろさん……」

ちひろ「さぁ、信じて祈りましょう……プロデューサーさんに、会いたいと!」

蘭子「……は、はい」

ちひろ「……」

蘭子「プロデューサーさん……プロデューサーさん……!」

ちひろ(一生懸命祈る蘭子ちゃんかわいい……)

207: 2012/09/27(木) 23:35:45.59 ID:55JO476b0
蘭子「会いたい、会いたい……」

ちひろ(うーん、藁にもすがる思いってきっとこういうことをいうんでしょうね……)

ちひろ「さ、そろそろ……」

ガチャッ

P「おはようございま……あれ、ちひろさん?」

ちひろ「げっ」

蘭子「あ……」

P「お、蘭子おはよう……いやぁ、朝から災難だったよ……」

蘭子「ぷろ、でゅ……」ウルッ…

P「え?」

212: 2012/09/27(木) 23:41:39.08 ID:55JO476b0
蘭子「プロデューサーさん……!」ギュッ

P「わ、わわっ……蘭子……?」

蘭子「あいたかった……あいたかったよぉ……」ギュゥゥ…

P「ちょっ……え? なにこれ? え?」

蘭子「あえないかもって、あいたいって、いのって……」

P「あ、うん……?」

蘭子「ぷろでゅぅさぁさん、おかえりなさいぃぃ……(けんぞくよ、わがよびごえによくぞこたえたぁぁ……)」

P「蘭子、よくわからないけど逆になってる!」

蘭子「あぅ……でも、よかったぁ……」

P「……えーっと? よくわからないけど……」

P「まず、逃げないで話を聞かせてもらえますか。ちひろさん?」

ちひろ「あ、あはは……」

213: 2012/09/27(木) 23:47:54.36 ID:55JO476b0
P「つまり俺が事故を起こしたという話を、蘭子にしたと」

ちひろ「はい」

P「なんで自転車にぶつかられたのが氏ぬか生きるかの話になってるんですか?」

ちひろ「……言語での情報の伝達は齟齬が生じる場合が」

P「しゃべる必要のない身体になりますか?」

ちひろ「ごめんなさい」

P「まったく、なんて悪質な……」

蘭子「ふ、ふん……私を偽りの言葉に流そうなどと、百年早いわ!」

P「蘭子も思いっきり騙されて、流されてたんだよな?」

蘭子「あぅ……」

P「……まぁ、心配のあまり気が動転したんだよな。ありがとう蘭子」

蘭子「ふ……フフッ、眷族の心配をするもまた、長の勤めよ……(だ、だってプロデューサーさんのこと心配で……)」

214: 2012/09/27(木) 23:53:25.32 ID:55JO476b0
P「ははは……あれ?」

蘭子「如何した、我が眷族よ(どうしたんですか、プロデューサーさん?)」

P「眷族? 下僕じゃなくて?」

蘭子「あ……」

P「……ランクアップだな、ありがとう蘭子」

蘭子「フ、フフッ。捨て置けぬ存在と認めたまでのこと……(だ、だって私の中でのプロデューサーさんが……)」

P「……?」

蘭子「き、気にする程のことでもないわっ! フゥーハハハハ!」

P「いや、でもなぁ」

蘭子「そのような些事よりも、今はすべきことがあるであろう!(そ、そんなことよりも……プロデューサーさん!)」

P「するべきこと……?」

蘭子「そう……こ、これだっ!」

P「これって……スケッチブックじゃないか。どうしてまた」

216: 2012/09/28(金) 00:04:04.56 ID:WbnD9pqV0
蘭子「だって……その……」

P「うん……?」

蘭子「……」

P「蘭子……」

蘭子「わ、我が紡ぎし咎の紋……見せるのは選ばれし者のみ!(わ、私の絵、あんまり他の人に見せたことはないですけれど!)」

蘭子「しかし、我が眷族にならば特別に見せることも吝かではないわ!(プロデューサーさんには、見てもらいたいって、思えて……!)」

P「そうか……ありがとう、蘭子。そういえば前欲しがってた絵の具セット買ってきたんだよ」

蘭子「感謝するぞ……我が眷族よ。そなたに我が咎を刻み込もう(ありがとうございます、プロデューサーさん! じゃあ、プロデューサーさんのことを描いてもいいですか?)」

P「俺のことを? ……別にいいけど……」

蘭子「うむ……任せよっ!(よーし、がんばります!)」

P「蘭子に描いてもらえるなんて光栄だなぁ……かっこよく描いてくれよ?」

蘭子「はいっ! ……あ、あとっ」

P「どうした?」

蘭子「こ、これからも……いっしょ、ですよ……?」

P「……もちろんだとも!」

217: 2012/09/28(金) 00:05:56.30 ID:WbnD9pqV0
ちひろ「うん、2人の絆が深まりましたね」

ちひろ「これもまた、私の作戦のうち……」

P「ちょっと黙ってもらっていいですか」

ちひろ「あ、はい」

蘭子「……漆黒の使いよ、その罪は重いぞ(……ちひろさん、もう二度とあぁいうドッキリはやめてくださいね?)」

ちひろ「ら、蘭子ちゃんからの呼び名がさらに毒々しくなってる……!?」


おわり

218: 2012/09/28(金) 00:06:39.13 ID:WbnD9pqV0
蘭子はPと絡めると難しいのう
明日は早いし、あとはおにゃーしゃー☆

長々占拠してごめんなさい


次回:千早「…」千川ちひろ「あれは765プロの如月千早さん」



引用: ちひろ「え……プロデューサーさんが、事故……?」渋谷凛「!?」