399: ◆6osdZ663So 2014/06/19(木) 19:06:01.95 ID:LNT2VAaAo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
さて、将軍がやってきた学園祭2日目
ほーんの少しばかり時間を蒔き戻したところから投下しまーす
ほーんの少しばかり時間を蒔き戻したところから投下しまーす
400: 2014/06/19(木) 19:07:11.35 ID:LNT2VAaAo
前回までのあらすじ
桃華「あらかた出店は回ったでしょうか?」
桃華「このような場所での食事も、それなりの風情があって良いものですわね」
桃華「スタンプカードの方も順調に集まって」
桃華「あら、もう5枚になりましたの?」
桃華「ところでこれは何と引き換えて戴けるのでしょうか?」
菲菲(ふぇいふぇいは別にいいケド、マンモンちゃん本来の目的すっかり忘れてないカナ?)
:櫻井財閥と学園祭
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
401: 2014/06/19(木) 19:08:47.85 ID:LNT2VAaAo
京華学園 運動場 バスケットコート
渚「いやァ、参ったよ。ほんと凄いもんだね」
学園祭の催し物スタンプラリーの『番人』を勤めるバスケ部キャプテンが称賛する。
渚「バスケ部部員との1on1対決、シュートを決められれば2ポイント!」
渚「さらに、部長の私との勝負でのシュートならさらに3ポイントッ!」
渚「真剣勝負だったんだけど、綺麗に負けちゃったね。悔しいなァ」
渚はタオルで汗を拭きながら、あくまで爽やかに相手選手を称えるのだった。
「うっふっふっ!」
桃華「当然ですわっ!!」
桃華「どんな勝負事においても、わたくしは負け知らず!」
桃華「欲しい物を得るためでしたら、桃華は少しも容赦しませんのよっ!」(どやっ)
菲菲「いや、頑張ったのはふぇいふぇいダヨー。桃華ちゃんは見てただけだったネ」
桃華「……」
402: 2014/06/19(木) 19:09:57.65 ID:LNT2VAaAo
渚「フェイフェイさん凄かったよ、実はどっかの選手だったりしない?」
菲菲「ううん、ばすけっとぼーるだっけ?地上に来て初めて触ったヨ」
渚「えッ!ホント!?初心者!?」
菲菲「加減の難しいスポーツだったネー」
渚「才能かなァ……いやァ、世界は広いねッ!」
渚「今日の勝負は久しぶりに燃えたよッ!ありがとッ!」
菲菲「こっちこそ楽しかったヨー」
菲菲「得意なスポーツとは言えふぇいふぇいに迫れるなんて渚ちゃん見所あるネ!」
渚「へへッ、実力者に褒めてもらえるのは悪い気はしないねッ!」
熱く爽やかな勝負を繰り広げたキャプテンと魔神はガッチリと握手を交し合うのであった。
桃華「このわたくしを置いて話が進むなんて、なんだか納得いきませんわね…」
403: 2014/06/19(木) 19:10:32.29 ID:LNT2VAaAo
菲菲「……それにしても桃華ちゃん」
桃華「……なんですの」
菲菲「身体能力部門はからっきしダネー?」
桃華「む……」
菲菲「コイントスもそうだったけれど」
菲菲「陸上部との100m走勝負も」
菲菲「つづくサッカー部、バレー部、テニス部との勝負も」
菲菲「全部ふぇいふぇいがいなかったらスタンプとれてなかったと思うヨー?」
桃華「……」
この運動場で2人が回ってきた、スタンプラリー運動部系『番人』達との勝負。
強欲のお嬢様はと言えば、てんで役に立ってはおらず、
スタンプをかけた勝負は全て菲菲がクリアしていたのであった。
ちなみに、それぞれ部活のエキスパートが相手の勝負であったが、
彼らが人間の身である以上、魔神に敵うわけがない。
404: 2014/06/19(木) 19:11:07.83 ID:LNT2VAaAo
菲菲『でもマンモンちゃんも、完全な悪魔として存在していれば、』
菲菲『人間なんか相手にならないはずなのにネー』
強欲の証を通したテレパシーで、魔神は強欲の悪魔へと語りかける。
桃華「……」
菲菲『もしかしてマンモンちゃん』
菲菲『その身体のせいで本来の力を発揮できてないんじゃないのカナー?』
無邪気な笑みを浮かべて問う魔神。
幼げにも見えるその眼は、意外に本質を見抜いているのであった。
桃華「フェイフェイさん、言いたいことはそれだけですの?」
魔神に煽られたお嬢様は、つかつかと渚の方へと歩み寄る。
405: 2014/06/19(木) 19:11:40.07 ID:LNT2VAaAo
桃華「渚さん、少し…”お借りできるかしら?”」
渚「?」
渚「……あ、バスケットボールか」
渚「はいッ、どうぞ」
桃華「うふっ♪ありがとうございますわ」
渚の手から桃華に、バスケットボールが渡される。
渚「……ん?」
その瞬間、渚はわずかに自身の身体に虚脱感を覚えた。
が、その理由には気づきようがなく。
さて、桃華はバスケットボールを受け取った位置から動かずに、
シュートするための構えをとった。
渚「えっ、この位置から?」
コートのほぼ中心位置センターライン付近に立つ彼女達。
ゴールリングは、当然ハーフコート分離れているのだが……
渚(まァ、私なら入れる自信はあるけれど…)
406: 2014/06/19(木) 19:12:16.12 ID:LNT2VAaAo
桃華「はっ!」
意外にも、綺麗なシュートフォームで、彼女はボールを投げ放つ。
ボールは美しい円弧を描いて――
カラン、とゴールシュートが決まった。
渚「おォ、ナイスシュート」
桃華「……ま、こんなものですわね」
いそいそと、転がるボールを拾いに向かうお嬢様。
意外と律儀である。
桃華「渚さん、”お返ししておきますわ”♪」
渚「うん、綺麗なシュートだったよッ」
桃華の手から、渚にバスケットボールが返還される。
渚「ん……?」
同時に、渚は再び身体の違和感を覚えるのだった。
渚(何だろ、この感覚?)
それが、あるべき物が戻ってきた感覚だとは渚は知らない。
桃華「と、まあこんなものですわ。フェイフェイさん」
「文句ありますの?」と言わんばかりの目で、彼女は菲菲を見つめていた。
菲菲(……そこでムキになっちゃうあたりが……ネー?)
407: 2014/06/19(木) 19:13:54.64 ID:LNT2VAaAo
渚「……んー?そう言えば……」
菲菲「…?」
菲菲「渚ちゃん、どうかしたのカナ?」
渚「いや、大したことじゃないんだけどサ」
渚「前に桃華ちゃんを何処かで見たような気がしてねッ」
桃華「……」
渚「たぶん、初対面なはずなんだけどなァ」
桃華「ウフッ♪わたくし次に向かわなくては行けませんわ」
桃華「渚さん、ご機嫌麗しゅう」
桃華「……行きますわよ、フェイフェイさん」
急いでるのか。スタスタとその場を去ってしまう、桃華。
菲菲「あ、待ってヨ!桃華ちゃんっ!」
菲菲「渚ちゃん、また遊ぼうネー」
渚「うん!また熱い勝負をしようッ!」
爽やかな約束を交わして、2人は渚と別れたのだった。
408: 2014/06/19(木) 19:14:25.92 ID:LNT2VAaAo
――
――
桃華「『正体隠しの眼鏡』、その効力が切れつつあるようですわね」
人気の無い地上通路を歩きながら、桃華は状況を語る。
菲菲「なるほどネー、だから渚ちゃんも桃華ちゃんの正体に気づきかけてた訳だネ」
『正体隠しの眼鏡』、大罪の悪魔としての存在感を極めて薄め、
さらには顔の見た目さえ印象に残らなくするマジックアイテムなのだが……
桃華「いかんせん能力の行使をしすぎましたわ」
能力を使い続ければ、その眼鏡の効力はどんどん失われていく。
『強欲』の悪魔は、此度、学園祭を訪れる他人の記憶を覗くために、
その能力を使い続けていたので、そろそろ限界が来ていたのだろう。
菲菲(渚ちゃんの”バスケットのスキル”の所有権の主張なんてしてる場合じゃなかったヨネ…)
まあ、特に使う必要のない場面でも彼女は能力を使っていたせいでもある。
409: 2014/06/19(木) 19:16:17.57 ID:LNT2VAaAo
桃華『わたくしの正体がバレると少々面倒な方は多いですわ』
桃華『例えば……途中見かけたベルゼちゃまのように、わたくし達以外の魔界関係者』
桃華『さらに言えば氏神ちゃまに見つかるのが一番面倒ですわね……ぷちユズでしたか?使い魔も徘徊しているようですし……』
桃華『おまけに……』
菲菲「……?おまけに何かな?」
桃華「いえ、視線を感じましたのよ」
桃華「まるで人の心の形に触れるかのような視線……」
桃華「誰かの心の影に触れながら……仲間を探すかのような、あるいは助けを求めているかのような」
桃華「そんな哀れな小鳥の視線を感じましたの」
強欲の悪魔が気づいた視線。それは、とある悪魔を騙る少女の目線。
菲菲「ふーん」
魔神は適当に相槌を打つ。
桃華「と言うか、フェイフェイさんも見られていると思いますが気づきませんでしたの?」
菲菲「えっ?うーん……よく分からなかったヨ?」
魔神は細かいことには無頓着であり、興味の無いことにはとことん興味が無い。
410: 2014/06/19(木) 19:17:11.54 ID:LNT2VAaAo
桃華「まあ、とにもかくにもわたくしの欲しい情報はまだ手に入っていませんのに」
桃華「これ以上の能力の行使は難しいとなると、困ったものですわ」
彼女の欲しい情報。それはこの学園祭で消息不明となった『エージェント』の行方。
学園祭を楽しむ一般人達の中には、昨日のカース騒ぎを目撃した者こそいたが、
流石に、『エージェント』を目撃した者は一人も居らず、
手がかりらしき物は…………1つしか掴めなかった。
菲菲「ところで、今はどっちに向かってるのカナー?」
桃華「この学園の裏山ですわ」
桃華「裏山の方で何かが暴れた痕跡があると言う情報を、わたくし掴めましたので」
桃華『財閥の用意したカースはおそらく、そちらの方で倒れたはずですわ』
カース騒ぎのあった時間帯。
学園中どこを探しても、カースの騒ぎの元凶となった本体の目撃情報はなかった。
その一方で、裏山の一角がいつの間にか焼かれて何かが暴れた痕跡はあると言う情報を掴むことができた。
それらが意味する答えは一つである。
菲菲「……今は裏山の方に行くのはやめておいた方がいいと思うヨー?」
桃華「あら?」
珍しく、本当に珍しく、魔神が忠告した。
411: 2014/06/19(木) 19:18:30.62 ID:LNT2VAaAo
桃華「フェイフェイさん、それは一体どう言うことですの?」
菲菲「音楽が聞こえるネ」
裏山の方に目を向けて、魔神は答える。
桃華「……音楽?」
菲菲「心地よいハープの音色、自然に語りかける旋律ダネ」
桃華「…………」
桃華「確かに耳を澄ませば、美しいハープの音色が聞こえるような……?」
桃華「……♪」
桃華「……なるほど、わたくし好みの音ではありますわ。これは……どなたが……」
菲菲「単刀直入に言えば、自然の大精霊が来てるヨー」
桃華「…………この学園祭、まるで超存在のバーゲンセールですわね」
よくもまあ、これほどまでに変わった存在が集まったものである。
桃華「自然の大精霊、少し興味はありますわ……」
桃華「ですが、わたくしの能力が制限されている今は、近づかないほうが良さそうでしょうか…?」
412: 2014/06/19(木) 19:19:07.72 ID:LNT2VAaAo
桃華「ところでフェイフェイさん」
菲菲「…………何カナ?」
桃華『自然の大精霊は、その名の通り。”神霊”に属する存在ですわ』
菲菲「……」
桃華『どうして神霊に対する特攻能力”天使喰い”を持つフェイフェイさんが、それを怖れることがあるのでしょう?』
ニッコリとした笑みを浮かべて、強欲の悪魔は言う。
桃華『まさかフェイフェイさん。それを飲み込みきれるほどまでには、力を取り戻せていないのではありませんの?』
菲菲「……」
桃華「……」
菲菲「……」
桃華「……」
菲菲「……ふっふっふ」
桃華「ウフフフ……」
結局、強欲の悪魔も、強欲の魔神も、
共に行動することはあっても、お互いに完全に心を許せる相手と言う訳ではなく……
行動のアドバンテージを得るためにも、相手の弱みを握っておきたい訳である。
413: 2014/06/19(木) 19:19:50.88 ID:LNT2VAaAo
桃華(フェイフェイさん、かつて魔界最強の一角であった貴方ですが…今は随分と弱体してしまったのでしょう?)
桃華(『計り知れぬ者』の隠蔽能力があるために、貴方の現在の実力をはっきりとは読みきれませんでしたが……)
桃華(”自然の大精霊”に近づく事を、多少なり怖れる様子を見たところ……)
桃華(当時の力を取り戻すのには、まだまだ時間が掛かりそうであると……察しますわ)
桃華(まあ、それでもわたくし程度ならば、今すぐにでも倒せる実力はあるのでしょうが……)
菲菲(マンモンちゃんも、随分と優しいヨネー)
菲菲(いくら強欲の末に、「人間としての生」も求めたカラって)
菲菲(人間の身体や精神を壊さないために、そこまで気を使うなんて…なかなかしない事ダヨー)
菲菲(それだけ桃華ちゃんの身体が大事みたいだけれど、)
菲菲(その僅かな優しさは、悪魔としてはやっぱり致命的な弱点にもなるんじゃないのカナー)
桃華「ウフフフ♪」
菲菲「えへへ♪」
2人は向き合って、笑い合う。
お互い考えていそうな事はだいたいわかっているが、
今はやはりお互いに利用価値があるのだし、手を取り合い共に行動する事に異存は無いのであった。
414: 2014/06/19(木) 19:20:43.09 ID:LNT2VAaAo
桃華「…………しかし、自然の大精霊が居るからと言って」
桃華「裏山を探索しないわけにもいきませんのよね……」
桃華「残る手掛かりは、もはやここくらいしか残っていませんし……」
菲菲「でも、裏山に何かが残ってるとも限らないヨー?ここまで探して見つからなかったんだしネ」
桃華(…………そう、わたくしの能力である記憶の閲覧)
桃華(それを使って学園中探索しても、不自然なまでに手掛かりがなかったのですから……)
桃華(裏山も探索したとして…欲しているモノを見つけられるのかどうか……怪しいものではありますわ……)
桃華(ですが……『エージェント』と、彼が追っていた『失敗作』をここまで綺麗さっぱりに消せる勢力など……)
桃華「!」
菲菲「?」
桃華「……1つ思い当たってしまいましたわ」
桃華「何一つ証拠は無く、わたくしの直感でしかありませんが……」
桃華「この混沌のした世界にあって、どのような場所であっても秘密裏に動くことの出来る勢力」
思考の結果、彼女は、未だ見えざる敵の正体に1つの可能性を思い浮かべた。
証拠はない。しかし、証拠が無さ過ぎるのが証拠であり、その可能性を疑うにはそれで充分であった。
桃華「裏打ちを得る為には……やはり、裏山の探索は不可欠ですわね。」
桃華「たとえもし、そこに踏み入ったことによって自然の大精霊を敵に回すこととなったとしても」
菲菲「うーん……ここまで来たらふぇいふぇいも出来るだけ手伝うケド……どうなっても知らないヨー?」
『強欲』の悪魔は覚悟を決める。
自身の手から奪われた物を、必ずや取り戻すため、
再び、裏山へと向けて歩を進めようと振り向いて、
415: 2014/06/19(木) 19:21:42.74 ID:LNT2VAaAo
次の瞬間
彼女の視界は真っ白に染まり、
全てが吹き飛んだ
416: 2014/06/19(木) 19:22:08.81 ID:LNT2VAaAo
――――
――――
チナミ「ふっ!」 バッ
若者A「おぉっ!チナミさん、グッドっす!超イケイケ!」
若者B「めちゃ決まってるじゃんっ!」
若者C「スーツ姿もセレブレティっすね!」(セレブレティの意味はしらない)
その頃、吸血鬼チナミはと言えば、
暗示で操る若者を従えて衣装の貸し出し屋にやってきていたのでした。
チナミ「当然よ、私はどんな服だって着こなして見せるわ」
チナミ「……ふふふ、それにしても……我ながら完璧な変装よね」
チナミ「これなら、どう見ても」
チナミ「プロデューサーにしか見えないわよね!」(眼鏡装着ー!)
若者C「あ、眼鏡はいらないかもっす」
チナミ「あらそう?」(眼鏡外しーの)
417: 2014/06/19(木) 19:22:35.46 ID:LNT2VAaAo
チナミ「知ってるのよ、私。人間の女子はみんなアイドルに憧れるもので……」
チナミ「そして、プロデューサーはこの世界で最も怪しまれない職業だってね!」
チナミ「アイドルのプロデューサーなら見知らぬ女子に話しかけてもそんなに警戒されないし」
チナミ「アイドルのプロデューサーならどんな場所に不法侵入してもなんとなーく許される」
チナミ「でしょう?」
若者B「な、なるほど……そんな風潮ありますねっ!」
若者A「た、確かに一理あるかもしれないっす!」
チナミ「クールPからの話でアイドルヒーロー同盟の情報は頭に入れてるし、」
チナミ「アイドルの爛ちゃんともプライベートで交流がある証拠があるし、」
チナミ「そしてこの通り、名刺も偽造」
[名刺:プロデューサー小室千奈美]
チナミ「あら、私どう考えてもアイドルヒーローのプロデューサーじゃない?」
若者C「小室Pって名乗るのもなんとなくプロデューサーっぽいっす!」
チナミ「後はPヘッドがあれば完璧だったけれど……」
若者B「……それはやめといた方がいいんじゃないすかね?」
418: 2014/06/19(木) 19:23:27.15 ID:LNT2VAaAo
チナミ「ま、とにかく……これならどんな女子にも怪しまれずに接触して、」
チナミ「都合の良い場所場所に誘い出すのも容易よね」
それがこの度、吸血鬼チナミが気合を入れて変装した理由。
眷族にするのに丁度いい能力者を見つけても、学園内で襲うつもりはない。
それをするにはリスキーであるし、血を啜るならば、別の場所におびき寄せてからだ。
プロデューサーへと変装し、正面から堂々と話しかけ、
「アイドルに興味ない?」と言えば、だいたいの女子はコロッと落ちるはずだ。そう言うものなのだ。
後は適当に、約束を取り付けて、後日好きな場所へと誘い込めば良い。
チナミ「ふふふふふ!さて、待ってなさい、新田美波!」
最初の得物の居場所は既に把握している。後は怪しまれずに近づくのみ!
チナミ「今から私が直々に”スカウト”しに行ってあげ……」
419: 2014/06/19(木) 19:24:13.30 ID:LNT2VAaAo
ちゅどーん
チナミ「…………へ?」
若者A「じ、地響きっ!?」
若者B「な、なんだっ?!今の音っ!近くでなんか爆発したのかっ!?!」
若者C「まさか学園を狙う謎の組織の陰謀!?!」
ざわざわ
ざわざわ
突然の地響きと爆音、学院内の人々がざわつき始める。
チナミ「……ちょ、ちょっとどう言うことよ、この騒ぎは……」
何が起きたのか、彼女はこの時点ではすぐにはわからなかったが、
とりあえず……
彼女の計画が実行前から失敗に終わったことだけは理解したのだった。
チナミ「……」 ワナワナ
チナミ「もうっ!!なんなのよっ!!!もうっ!!!!」
420: 2014/06/19(木) 19:24:46.45 ID:LNT2VAaAo
――――
――――
桃華「……」
桃華「……えっ」
菲菲「危ないところだったネー、桃華ちゃん」
菲菲「フェイフェイが近くに居なかったら、大事なその身体、無傷ではなかったと思うヨー?」
桃華が気づけば、菲菲の両手に抱えられ宙を飛んでいた。
お姫様抱っこの形である。
桃華「な、ななっ…何が起きましたのっ!?」
何やらすぐ近くで巨大な爆音が聞こえたのは覚えているが、それ以降が曖昧であった。
菲菲「んー……説明するより、見てもらったほうが早そうダネ」
桃華「…………なっ」
魔神の指差す先を目にして、『強欲』の少女は絶句する。
なぜならば……先ほどまでそこにあったはずの裏山が、綺麗さっぱりと吹き飛んでいたからだ。
421: 2014/06/19(木) 19:25:21.15 ID:LNT2VAaAo
菲菲「何かが上から振ってきて、それが裏山をこんな風にめちゃくちゃにしちゃったみたいだネー」
そう言いながら
タンッ、と魔神は軽やかに着陸する。
魔神たる彼女は、先ほど上空から迫る砲撃に即座に気づくと、
傍に居た少女を抱えて、すぐさまその場を一足跳びで離脱したのであった。
菲菲「あのままだと桃華ちゃんは、まあ氏にはしなかっただろうケド……結構ダメージ食らってたと思うヨー?」
桃華「……」
裏山のすぐ近く、あの場に居れば爆風の直撃は免れなかったであろう。
しかし菲菲は、魔神の危機察知能力と身体能力を発揮して、見てからの回避も余裕で間に合わせた。
さらに彼女は、着弾地点から飛来してきた木々や土砂でさえ、少女を抱えて両手が塞がった状態で全てを防ぎきってみせたのだった。
腐ってもかつての魔界最強の一角。このくらいの事は目を瞑っていてもやってのけるだろう。
おかげで、桃華もここに無傷で健在と言う訳である。
422: 2014/06/19(木) 19:26:17.20 ID:LNT2VAaAo
桃華「…………フェイフェイさん……下ろしていただけるかしら」
菲菲「オッケーダヨー」
魔神は両手に抱えていた少女を、優しく地に下ろした。
抱えられていた少女は、特に礼も言わず……先ほどまで裏山のあった場所の惨状へと目を向ける。
桃華「……」
菲菲「それにしても桃華ちゃん、いくら久しぶりの外出だからって、ちょっと無警戒だったんじゃないカナー」
桃華「……」
菲菲「流石に不意打ちだったのはわかるケド、これを避けたり防げてなかったら、」
菲菲「この後すぐに氏神に狩られててもおかしくなかったヨー?」
桃華「……」
菲菲「?」
魔神は面白そうに、軽口を叩いてみたが、
『強欲』の悪魔の反応はなく……どこか様子がおかしい。
桃華「……ふふっ」
菲菲「………も、桃華ちゃん?」
桃華「ウフフフフフフ」
そして、突然笑い出した少女の背からは、この世の全ての色が混ざったようなドス黒い翼が現れた。
グ リ ー ド ガ ー
桃華「 『 強 欲 の
菲菲「そ、それだけはダメだヨ!!!桃華ちゃんっ!!」
魔神は慌てて翼を広げた少女の身体をガシッと掴む。
423: 2014/06/19(木) 19:27:03.23 ID:LNT2VAaAo
桃華「フェイフェイさんっ!! 離してくださいましっ!!!」
桃華「今、わたくしの前で何が起きたのかお分かりでしょうっ!!!」
桃華「わたくしの欲していたものを!!すぐ目の前で奪われましたのよっ!!」
桃華「こんなっ……こんな屈辱っ!!!許せませんわっ!!絶対にっ!!」
菲菲「だからってこの場で『強欲の庭』の展開だけは無いヨっ!悪手にも程があるってば!!」
確かにこうなってしまってはもはや、彼女の求めていた手掛かりの一切はこの世に存在しないだろう。
目的への道筋を絶たれたがために、怒り、我を忘れ、翼を広げて今にも飛び出していきそうな少女を魔神は力強く抑える。
幸いにして、周囲に目撃者はおらず、菲菲の方が実力が上であるためその場で抑え付ける事は難しくは無かった。
菲菲「目立つわけにはいかないって桃華ちゃん言ってたヨネっ!?」
桃華「そんな事は既に問題ではありませんのよっ!!」
桃華「それよりもわたくしの誇りを傷つけられて、黙って見過ごすなんて出来るとお思いですのっ?!!」
桃華「このような蛮行を振舞った不埒な輩から全ての権利を……ええっ!自由に生きる権利も正当に氏ぬ権利さえも奪い取って!!」
桃華「わたくしの物を奪ったこと、今すぐ後悔させてあげますわ……っ!!!」
菲菲(な、なんでふぇいふぇいが暴走を抑える側になってるのカナー…?)
菲菲「と、とにかく落ち着いて……」
ぽろんっ♪
菲菲「!」
424: 2014/06/19(木) 19:28:20.29 ID:LNT2VAaAo
♪ ♪
音が聞こえた。
菲菲「……」
それはあまりに美しく、そして心地よく聞くものを惹きつけてやまない音色。
だが同時に、あまりに悲しい音色でもあった。
♪ ♪ ♪
その音は裏山のあった場所、クレーターの内側、
そこに何故か無事に残っていたわずかな緑の方から聞こえていた。
菲菲「自然の大精霊ダネ…」
桃華「……」
ぽつり、ぽつり。と降ってきた水が、抑え付けられて地に這う少女の金色の髪を濡らす。
少女の耳にも、その音は聞こえていた。
♪ ♪ ♪ ♪
痛みと嘆き、悲しみと慰め、怒りと謝罪。
音色の運ぶ思い全てが、少女の心の奥にすとんと落ち込む。
雨は、すぐに大振りとなった。
流れる水が大地を濡らし、破壊された大地に再び生命の息吹を吹き込んでゆく。
桃華「…………離していただけるかしら、フェイフェイさん」
菲菲「頭は冷えたのカナ?」
桃華「ええ、わたくしとした事が……酷い失態でしたわ」
大精霊の奏でた癒しの音色は、クレーターの近くに居た少女の耳にも届き、
その心に燃え上がった怒りを静める結果さえももたらしたようであった。
425: 2014/06/19(木) 19:29:30.17 ID:LNT2VAaAo
桃華「…………状況を整理いたしましょう」
大雨の中立ち上がり、背に生えていた翼を収めて、少女は頭を抱える。
桃華「まず探索は……当然ですが打ち切りですわね……」
菲菲「探索する場所がこうなったらネー……」
桃華「それに『正体隠しの眼鏡』も……今ので壊れてしまったようですし……」
ただでさえ効能が切れ掛けていたところに、『強欲』の悪魔の奥の手『強欲の庭』さえ展開しかけたのだから、
マジックアイテムが壊れるのもやむなしであった。
さっと掛けていたグラスの割れた眼鏡を外して仕舞うと、少女は話を続ける。
桃華「わたくしの正体を隠しての積極的な活動は……これ以降はできませんわね」
桃華「何より、今ので氏神ちゃまに大罪の気配を察された可能性がありますわ……」
桃華「ええ……完全に失態でした……」
菲菲「まあ、やってしまった事は仕方ないヨ。それよりどうするのカナ?」
桃華「……」
桃華「この場に残るにしても、早々に去るにしても、氏神ちゃまの目を誤魔化すことだけはしなくてはなりませんわ」
426: 2014/06/19(木) 19:30:40.76 ID:LNT2VAaAo
桃華「幸いにして、フェイフェイさんの眼鏡はまだ効能を発揮しておりますし」
桃華「何より『計り知れぬ者』として正体の隠蔽能力があるので、そちらは大丈夫でしょう」
菲菲「じゃあ、桃華ちゃんの気配をどうにかしないとネ」
桃華「……」
『強欲』の悪魔は考える。自身の気配を絶つ方法を。
いや、その一手は既に思い浮かんではいるのだが、
その選択をするのは少し、迷ってしまう。
桃華「…………この手だけは出来るだけ使いたくはありませんでしたが」
桃華「とは言え、他に手もありませんわね……」
桃華「フェイフェイさん」
菲菲「何カナ?」
桃華「”櫻井桃華”をよろしくお願いいたしますわ」
菲菲「えっ?」
それだけ言い残すと、『強欲』の悪魔は目を瞑り、
ほんの数秒ほど沈黙した後に、少女が目を開く。
桃華「……」
菲菲「……あれ?」
427: 2014/06/19(木) 19:31:26.37 ID:LNT2VAaAo
すぐにその違和感に気づいた魔神は不思議に思う。
何故ならば、再び目を見開いた少女からは…”悪魔としての気配”が消失していたからである。
菲菲「……桃華ちゃん?」
桃華「ええ。わたくしですわ」
桃華「”はじめまして”でよろしいのでしょうか?フェイフェイさん♪」
話しかけられた少女はニコリと笑った。
菲菲「…………え」
微笑む少女のその瞳には……宿していた野心の炎が存在していなかった。
桃華「……どうやら”マンモンさん”は正体を隠すために一時、”わたくし”の心の内に眠ることにしたようですの」
菲菲「……う、うそー」
『強欲』の悪魔マンモンは、人としての生をも得る為に櫻井桃華の肉体と魂を完全に乗っ取る事をしなかった。
彼女の肉体を、彼女の魂を、彼女の心を、彼女の意志を生かしたままに、悪魔として活動を行う。
それは時折、悪魔にとってはとても不便を強いられたが、
しかし、代わりに『強欲』の悪魔にはこう言う事が可能であった。
菲菲「……入れ替わることなんてできたんダ?」
桃華「ええ、わたくし達は”リバーシブル”なのですわ♪」
少女の身に宿った悪魔が心の内に眠ることで、少女から悪魔としての機能を全て絶つ。
それによって、少女から発せられる悪魔の気配を遮断する技法。
つまり今の少女は、限りなくただの人間に近く。
誰が近づいたとしても、彼女が『強欲』の悪魔を宿している事に気づくことはないだろう。
428: 2014/06/19(木) 19:32:31.19 ID:LNT2VAaAo
菲菲「…………確かにこれなら氏神ちゃんの眼でさえ誤魔化せるかもしれないケド……」
菲菲「その代わり、他の脅威に対して無力すぎるんじゃないのカナ」
悪魔としての機能を絶つとはそう言うことである。
『強欲の庭』はもちろん、固有能力である『搾取』や、さらにはカースを操ることさえ少女には出来ない。
今の少女は、道端のカースに襲われて倒される可能性さえあるのだ。
桃華「あら、お舐めにならないことですわね!」
桃華「うふふ♪わたくしだってほんの少しは基礎魔法を学んでいますので、それを扱うことができますのよ!」
菲菲「うん。それを無力って言うんダヨー?」
菲菲(マンモンちゃん……櫻井桃華をよろしくってこう言う事だったんダネ……)
つまり、『強欲』の悪魔は櫻井桃華の身の安全を、魔神に守らせようとしているらしい。
他に手は打てなかったとは言え、それでも彼女にしては実にリスキーな選択をしたものである。
菲菲(……フェイフェイがちゃんと守ると思ってたのカナ)
桃華「?」
魔神の前では、無垢な少女が首をかしげている。
なんかもう今ならばデコピン一発で倒せそうだ。
菲菲(…………いや、守るけどネ)
そもそも魔神が、『強欲』の悪魔を排除するつもりでいるならば、彼女がこうなる前から既にそうしている。
しかし、人間界では世話になってる身であり、お互いに利用価値がまだある現在、魔神が彼女と敵対する理由なんてなく。
そして魔界一、優しい魔神であった菲菲には、
目の前の一応は知り合いである非力な少女が、危険に晒されるのを見過ごす理由も特にはなかった。
429: 2014/06/19(木) 19:33:45.70 ID:LNT2VAaAo
桃華「くしゅんっ」
桃華「冷えますわね……そう言えば……雨で濡れてしまいましたし、お召し物も汚れてしまっていますわ……」
振り落ちる生命の雨は、傘を持っていなかった2人の身体を濡らす。
また、先ほど菲菲が桃華を地に抑え付けたため、お互いに着ていた服は土で汚れていた。
菲菲「うっ……それはふぇいふぇいのせいだったヨ……ごめんネ?」
桃華「あら、構いませんのよ?これもマンモンさんのためでしたから」
桃華「逆に、お礼を言わせていただきたいほどですのよ!感謝ですわ♪」
菲菲(うわあ……すごく調子狂うヨ)
桃華「ですが…………どこかで、代わりの服を……あと出来れば湯浴みをさせていただきたいですわ…」
雨に濡らされ、ふるふると震える彼女は実に無力そうである。
菲菲「…………財閥の人間を呼べばいいんじゃないカナ?」
桃華「それが……今は、お父様とは連絡ができませんからお迎えに来ていただくことも出来ませんし」
桃華「京華学院は、雪乃さんの母校で彼女の財団の管轄になりますから……」
桃華「そちらに許可を頂きませんと財閥は立ち入ることができないのですわ」
菲菲「……そんな条件下でマンモンちゃんはよくここに乗り込む気になったネ」
桃華「そうですわね……けれど、望む物の為には時に大胆なのがあの方の良さだとは思いますの」
430: 2014/06/19(木) 19:34:57.94 ID:LNT2VAaAo
桃華「……どちらにしても教習棟には一度、戻らせていただいた方が良さそうですわね」
桃華「ですがどうしましょう……わたくしの顔は有名ですし……騒ぎになってしまうかもしれませんわ」
菲菲「既に騒ぎが起きてる今なら、それも別に問題なさそうだけどネ」
菲菲「でも気になるなら、これを渡しておくヨー」
桃華「……これは……フェイフェイさんの分の眼鏡ではありませんの?」
魔神である菲菲は、ここまでその能力の行使をほとんどしていなかったため、
マジックアイテムの眼鏡の効能もまだ発揮されている。これを使えば櫻井桃華の顔を隠すことはできるだろう。
菲菲「一応マンモンちゃんに持たされてはいたケド」
菲菲「ふぇいふぇいには顔見知りなんて、この時代にほとんど居ないからネー」
菲菲「実力を隠すのも自前の能力があるから気にしなくていいヨー」
桃華「……それでは、お言葉に甘えて使わせていただきますわね♪」(眼鏡装着ー!)
丁度その時であった。
『あれー?なんかメガネ居るっぽいよー?』
桃華「!?」
大精霊の忠告に従い、自分達の母への報告のため、
裏山の広場を出てきたAMCがその場所を通りがかったのは。
431: 2014/06/19(木) 19:36:02.46 ID:LNT2VAaAo
桃華「……か、カースですわね」
『ね、外して!ねっ!』
一応彼らAMCには、自分達の母に仲間がたくさんやられた事を報告すると言う使命もあったのだが、
『外して!メガネ外して!絶対かじらないから!』
狂信のカースであるために、このような時であっても優先事項は通行人の眼鏡を外させることであるらしい。
『かじらないから絶対!外して!』
桃華「……っ!」
今にも襲い掛かろうと、人の形をした泥人形が少女へと迫る。
『外っ……』
瞬間、カースの頭が木っ端微塵に弾けた。
432: 2014/06/19(木) 19:36:44.81 ID:LNT2VAaAo
『…………えっ』
いや、弾けてなどはいない。
ただ、ソレは錯覚してしまったのだった。
菲菲「えへっ、次は本当に壊しちゃうヨー?」
『あっ…………』
どうしてだろう?
ただ、人差し指を頭に向けられていただけなのに、
強く、強く……酷くて怖い…自身の嫌な未来を想像してしまった。
『こ……』
『こわいっ!!チャイナこわいっ』
AMCは、慌ててその場を逃げ出した。
もたついて、すっ転びながらも、どうにか足を前へと進める。
『メガネもよくないけどチャイナもよくないと思うよっ!?』
悲鳴をあげながら、AMCは脱兎の如くその場を去っていくのであった。
433: 2014/06/19(木) 19:37:28.61 ID:LNT2VAaAo
菲菲「……」
菲菲「うん!言葉で分かってもらえたみたいで、良かったヨー!」
菲菲「無駄な争いなんてよくないからネ!」
少女に迫った脅威を追い払った魔神は、にっこりと笑った。
彼女は、好んで殺さない。何故ならそれは”無意味”だからである。
競争は嫌いではないし、立ちはだかる敵を頃す事もあるのかもしれない。
しかし、この世の多くは彼女にとって”敵でさえ”なかった。
だから彼女は、好んで壊さない。取るに足りない虫なんて逃がしてしまってもいいのだから。
桃華「……フェイフェイさん、助かりましたわ」
菲菲「まあ、頼まれてたことだからネー」
菲菲「桃華ちゃんにはお世話にもなってるカラ、このくらいの露払いなら引き受けるヨ」
桃華「……うふふ、魔神に守って頂けるなんて、頼もしい限りですわね」
桃華「それでは申し訳ありませんが、しばらくの間よろしくお願いいたしますわ♪」
菲菲「任されたヨー」
と言う訳で、しばし櫻井桃華は、魔神に守られながら行動する事となるのであった。
桃華「……それにしても裏山がこうなってしまって、大精霊さんは無事なのでしょうか」
菲菲「無傷で残ってる部分があるみたいだから大丈夫みたいだけど、消耗はしてるだろうネー?」
菲菲(あ、消耗してる今ならふぇいふぇいが美味しくいただく事もできるカモ……じゅるり)
菲菲(だけど桃華ちゃんから離れられないしネー……今回はお預けカナー?)
桃華「素晴らしい音色を奏でる方ですから無事でいらっしゃるなら良いのですが……心配ですわね」
菲菲(…………しかもこの感じ……ホントに調子狂うヨー!)
おしまい
434: 2014/06/19(木) 19:39:29.59 ID:LNT2VAaAo
『リバーシブル』
憑依の技法。表裏一体となったマンモンの裏返りの裏技。
憑依したマンモン自身の魂を眠らせることで、身体に現れる悪魔としての機能を擬似的に遮断する。
これによって大罪の悪魔としての気配を完全に絶ち、誰から見ても普通の少女にしか見えなくなるが、
悪魔としての能力はほとんど使えなくなる。また、マンモンが眠ってしまっているために、
その身体を動かすのは憑依された少女自身であり、現れる意志は櫻井桃華本来の物となる。
マンモンの魂を起こせば、再び裏返り、マンモンの人格と悪魔としての機能が復活する。
◆方針◆
チナミ … 今日は計画が実行できなさそうなのでぷりぷりと怒ってる。
桃華 … マンモンちゃま不貞寝。とりあえず濡れて汚れたので身体を温めて服を交換できる場所を探している。
菲菲 … お嬢様のボディーガード中。
とりあえず書いてた話のハンドルを切った結果こんな感じのお話に。
マンモンちゃま大失態である。何にしても菲菲がいなきゃやばかった。
じゃけんこのまま、どこか適当な場所で濡れた服を交換して適当に帰りましょうねー。
チナミさんは個人的にとても癒し、ほんと素敵
渚ちゃん、大精霊、AMCお借りしましたー
435: 2014/06/19(木) 20:43:30.83 ID:VzQm96VyO
乙ー
チナミさん多分その作戦自体将軍来なくっても失敗してるかと……
そして、フェイフェイっょぃ…桃華ちゃまマイペースだな…
チナミさん多分その作戦自体将軍来なくっても失敗してるかと……
そして、フェイフェイっょぃ…桃華ちゃまマイペースだな…
【次回に続く・・・】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります