757: ◆cKpnvJgP32 2014/07/25(金) 00:02:33.32 ID:sk3VYZTRo
今日は何の日? ふっふー♪
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
投下します
投稿者と投稿日を見てもらえれば大体予想が付くような内容
投稿者と投稿日を見てもらえれば大体予想が付くような内容
758: 2014/07/25(金) 00:03:00.92 ID:sk3VYZTRo
――――あらすじ!!
――俗に『憤怒の街』と呼ばれる悲劇が終息した後。
――多くの氏者、行方不明者、怪我人が公になった。
――その内、怪我人も含め辛くも氏を免れた生存者たちの中には、
――身内や親しい人物を失った、恐ろしい光景を目の当たりにした、危うく命を落としかけた……、
――等々の筆舌に尽くしがたい絶望に遭遇した者も少なくない。
――そういった体験をした人々……特に幼い子供の多くは、
――いわゆる『PTSD”心的外傷後ストレス障害”』を患い、
――事件が終わった今でも、未だに酷いトラウマに悩まされ続けている。
――以後、そんな子供たちを集め、定期的に心のケアを行うための公共のカウンセリングの場がいくらか設けられた。
――そこへ、「藍子の能力は心的治療に対して有用である」と、判断したピィが、
――『プロダクション』から彼女を臨時カウンセラーとして派遣する仕事を取ってきたのであった。
――ちなみに今回の仕事に際して、ピィは藍子の送迎として一日彼女に付き添って行動した。
――――話は、カウンセリングを終えた二人が帰路につく所から始まる。
――俗に『憤怒の街』と呼ばれる悲劇が終息した後。
――多くの氏者、行方不明者、怪我人が公になった。
――その内、怪我人も含め辛くも氏を免れた生存者たちの中には、
――身内や親しい人物を失った、恐ろしい光景を目の当たりにした、危うく命を落としかけた……、
――等々の筆舌に尽くしがたい絶望に遭遇した者も少なくない。
――そういった体験をした人々……特に幼い子供の多くは、
――いわゆる『PTSD”心的外傷後ストレス障害”』を患い、
――事件が終わった今でも、未だに酷いトラウマに悩まされ続けている。
――以後、そんな子供たちを集め、定期的に心のケアを行うための公共のカウンセリングの場がいくらか設けられた。
――そこへ、「藍子の能力は心的治療に対して有用である」と、判断したピィが、
――『プロダクション』から彼女を臨時カウンセラーとして派遣する仕事を取ってきたのであった。
――ちなみに今回の仕事に際して、ピィは藍子の送迎として一日彼女に付き添って行動した。
――――話は、カウンセリングを終えた二人が帰路につく所から始まる。
----------------------------------------
それは、なんでもないようなとある日のこと。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
~中略~
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
759: 2014/07/25(金) 00:03:33.89 ID:sk3VYZTRo
ピィ「いやー、まさかあんなに喜んでもらえるとはな」
藍子「お手紙たくさん貰っちゃいましたね、ふふっ」
ピィ「また今度機会があれば来ようか」
藍子「そうですねっ、またみんなに会いたいです」
ピィ「それに、藍子の先生役も随分と様になってたぞ」
ピィ「小さい子の相手も得意みたいだし、結構向いてるのかもな」
藍子「ええっ!? 私なんてそんな大したこと……」
ピィ「『藍子ちゃん先生ー』ってみんなも懐いてたじゃないか」
藍子「あれは……、ちょっと恥ずかしいというか……」
――
子供『藍子ちゃんって、先生みたい』
子供『藍子ちゃん先生だ』
子供『藍子ちゃん先生ー!』
――
藍子「お手紙たくさん貰っちゃいましたね、ふふっ」
ピィ「また今度機会があれば来ようか」
藍子「そうですねっ、またみんなに会いたいです」
ピィ「それに、藍子の先生役も随分と様になってたぞ」
ピィ「小さい子の相手も得意みたいだし、結構向いてるのかもな」
藍子「ええっ!? 私なんてそんな大したこと……」
ピィ「『藍子ちゃん先生ー』ってみんなも懐いてたじゃないか」
藍子「あれは……、ちょっと恥ずかしいというか……」
――
子供『藍子ちゃんって、先生みたい』
子供『藍子ちゃん先生だ』
子供『藍子ちゃん先生ー!』
――
760: 2014/07/25(金) 00:04:00.60 ID:sk3VYZTRo
ピィ「可愛くて良いと思うけどな」
藍子「か、かわっ……!?」
ピィ「やっぱり子供は純粋だよなぁ」
藍子「あっ、そ、そうですよねっ! みんな可愛かったですねっ!」
ピィ「……」
藍子「ピィさん?」
ピィ「あの子達、普段は……」
藍子「あっ……」
ピィ「あんまり笑ったり元気よく遊びまわったり、しないんだそうだ」
藍子「……」
ピィ「突然泣き出したり、暗闇を怖がったり、全然寝付かなかったり」
ピィ「眠っていても急に目を覚ましては、やっぱり泣き出したり」
ピィ「カウンセリングを始めてからも、症状は良くならなくて」
ピィ「他のカウンセラーの人にもあまり心を開かないらしい」
藍子「か、かわっ……!?」
ピィ「やっぱり子供は純粋だよなぁ」
藍子「あっ、そ、そうですよねっ! みんな可愛かったですねっ!」
ピィ「……」
藍子「ピィさん?」
ピィ「あの子達、普段は……」
藍子「あっ……」
ピィ「あんまり笑ったり元気よく遊びまわったり、しないんだそうだ」
藍子「……」
ピィ「突然泣き出したり、暗闇を怖がったり、全然寝付かなかったり」
ピィ「眠っていても急に目を覚ましては、やっぱり泣き出したり」
ピィ「カウンセリングを始めてからも、症状は良くならなくて」
ピィ「他のカウンセラーの人にもあまり心を開かないらしい」
761: 2014/07/25(金) 00:04:28.41 ID:sk3VYZTRo
藍子「……でも」
ピィ「うん」
――藍子の脳裏に、今日出会った子供達との思い出がよぎる。
藍子「そんな風に、全然見えなかった……」
ピィ「そうだな」
――みんな元気よく遊んでいた。
――みんなとても楽しそうだった。
――みんなぐっすりとお昼寝していた。
――そう、みんな……。
藍子「みんな、笑顔でした」
ピィ「ああ!」
――笑っていた。
藍子「みんなを……、笑顔にできる!」
――藍子の持つ、素敵な能力。
藍子「それが、私の力……!」
ピィ「そうだ!」
ピィ「うん」
――藍子の脳裏に、今日出会った子供達との思い出がよぎる。
藍子「そんな風に、全然見えなかった……」
ピィ「そうだな」
――みんな元気よく遊んでいた。
――みんなとても楽しそうだった。
――みんなぐっすりとお昼寝していた。
――そう、みんな……。
藍子「みんな、笑顔でした」
ピィ「ああ!」
――笑っていた。
藍子「みんなを……、笑顔にできる!」
――藍子の持つ、素敵な能力。
藍子「それが、私の力……!」
ピィ「そうだ!」
762: 2014/07/25(金) 00:04:55.40 ID:sk3VYZTRo
ピィ「あっ!」
藍子「えっ?」
ピィ「いやぁ……、う~ん」
藍子「ど、どうしたんですかピィさん?」
藍子「そこを肯定してもらわないと何だか凄く恥ずかしいんですけど……っ」
ピィ「いやなに、”力”って言い方がな……」
ピィ「藍子のそれは”パワー”って感じじゃ無いだろ?」
藍子「そ、そんな事ですか?」
ピィ「イメージは重要だろう」
藍子「普通に”能力”じゃダメなんですか?」
ピィ「もっと素敵な呼び方が良いな、うん」
藍子(す、素敵な……?)
藍子「えっ?」
ピィ「いやぁ……、う~ん」
藍子「ど、どうしたんですかピィさん?」
藍子「そこを肯定してもらわないと何だか凄く恥ずかしいんですけど……っ」
ピィ「いやなに、”力”って言い方がな……」
ピィ「藍子のそれは”パワー”って感じじゃ無いだろ?」
藍子「そ、そんな事ですか?」
ピィ「イメージは重要だろう」
藍子「普通に”能力”じゃダメなんですか?」
ピィ「もっと素敵な呼び方が良いな、うん」
藍子(す、素敵な……?)
763: 2014/07/25(金) 00:05:27.26 ID:sk3VYZTRo
ピィ「こう……ふんわりとした、柔らかい感じ……」
ピィ「……魔法、とか?」
藍子「でも、魔法使いは既に居るんですよね?」
ピィ「ほら、普通の魔法じゃなくて、……優しい」
ピィ「そう、”やさしい魔法”!」
藍子「……”やさしい魔法”ですか?」
藍子(あ……、でも少し素敵かもしれない)
ピィ「じゃあ、それでリテイクしてみようか」
藍子「…………え?」
ピィ「……魔法、とか?」
藍子「でも、魔法使いは既に居るんですよね?」
ピィ「ほら、普通の魔法じゃなくて、……優しい」
ピィ「そう、”やさしい魔法”!」
藍子「……”やさしい魔法”ですか?」
藍子(あ……、でも少し素敵かもしれない)
ピィ「じゃあ、それでリテイクしてみようか」
藍子「…………え?」
764: 2014/07/25(金) 00:06:02.93 ID:sk3VYZTRo
藍子「みんなを笑顔にできる!」
藍子「それが私の……、っ」
藍子「やっ、やさしい魔法……っ!」
ピィ「うん、無いな」
藍子「ピィさんっ!!」
ピィ「はっはっは、怒るな怒るな」
藍子「もう……っ」
ピィ「まぁ、当面は”能力”呼びかなー、残念だけど」
ピィ「でも、アイデアの一つとしてはいいんじゃないか?」
藍子「そうかもしれないですけど……」
藍子「それが私の……、っ」
藍子「やっ、やさしい魔法……っ!」
ピィ「うん、無いな」
藍子「ピィさんっ!!」
ピィ「はっはっは、怒るな怒るな」
藍子「もう……っ」
ピィ「まぁ、当面は”能力”呼びかなー、残念だけど」
ピィ「でも、アイデアの一つとしてはいいんじゃないか?」
藍子「そうかもしれないですけど……」
765: 2014/07/25(金) 00:06:30.92 ID:sk3VYZTRo
ピィ「それにしても結構歩くなぁ」
ピィ「藍子、疲れてないか?」
藍子「はいっ、私は平気です」
藍子「むしろピィさんこそ、私が無理を言ったせいで……」
――『プロダクション』から現場までは、そこそこの距離があった。
――当初、ピィは車を出そうかとも提案したが、
――藍子が『できれば歩いて行きたい』と申し出たため、こうして二人とも徒歩で帰路についている。
ピィ「んー、疲れてるってほどでもないんだが」
ピィ「ちょっと喉が乾いてきたな……、自販機で何か買うか」
藍子「あっ、それなら――!」
ピィ「藍子、疲れてないか?」
藍子「はいっ、私は平気です」
藍子「むしろピィさんこそ、私が無理を言ったせいで……」
――『プロダクション』から現場までは、そこそこの距離があった。
――当初、ピィは車を出そうかとも提案したが、
――藍子が『できれば歩いて行きたい』と申し出たため、こうして二人とも徒歩で帰路についている。
ピィ「んー、疲れてるってほどでもないんだが」
ピィ「ちょっと喉が乾いてきたな……、自販機で何か買うか」
藍子「あっ、それなら――!」
766: 2014/07/25(金) 00:07:03.47 ID:sk3VYZTRo
――――とある喫茶店。
ピィ「こんな場所に喫茶店が……」
藍子「前にこの近くをお散歩してた時に偶然見つけたんです」
ピィ「へぇ、随分遠出するんだな」
藍子「好きなんです、色々な場所を歩くのが」
ピィ「なるほど、だから今日も」
藍子「はい、ピィさんまで付きあわせてしまいましたけど……」
ピィ「なーに、藍子と一緒にいられるんだからむしろ役得ってもんさ」
藍子「そ、そう言ってもらえると助かります」
――二人が席に着いて軽く談笑を交わしていると、店員が注文を伺いにきた。
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
ピィ「おっとそうだった、……何頼もうかな」
藍子「私は……、カプチーノで」
ピィ「んー、じゃあ俺はアイスカフェラテ」
店員「かしこまりました、カプチーノとアイスカフェラテですね。少々お待ち下さいませ」
ピィ「こんな場所に喫茶店が……」
藍子「前にこの近くをお散歩してた時に偶然見つけたんです」
ピィ「へぇ、随分遠出するんだな」
藍子「好きなんです、色々な場所を歩くのが」
ピィ「なるほど、だから今日も」
藍子「はい、ピィさんまで付きあわせてしまいましたけど……」
ピィ「なーに、藍子と一緒にいられるんだからむしろ役得ってもんさ」
藍子「そ、そう言ってもらえると助かります」
――二人が席に着いて軽く談笑を交わしていると、店員が注文を伺いにきた。
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
ピィ「おっとそうだった、……何頼もうかな」
藍子「私は……、カプチーノで」
ピィ「んー、じゃあ俺はアイスカフェラテ」
店員「かしこまりました、カプチーノとアイスカフェラテですね。少々お待ち下さいませ」
767: 2014/07/25(金) 00:07:36.60 ID:sk3VYZTRo
――程なくして二人のテーブルに、注文したカプチーノとアイスカフェラテが届けられた。
――その内、藍子のカプチーノの方にはサービスで猫のアートが施されており、二人の口から感嘆の声が漏れた。
藍子「可愛いですよね、前に来た時も描いてもらったんですっ」
ピィ「ほー、大したもんだな」
藍子「その時に写真を撮ったんですけど、あんまり上手く撮れてなくて……」
藍子「……」
ピィ「ど、どうした藍子? そんなに落ち込まなくても……」
藍子「いえ、違うんです……、撮れなかった事はいいんですけど……」
――藍子はふと、以前来店した時の事を思い出した。
――……少しばかりメタな発言をすると、具体的には1スレ目の藍子が初登場した回である。
――その回で藍子と麗奈の訪れた店がまさにここだった。
――恐らくお忘れの方も多いかと思うが、藍子はこの時にちゃっかり麗奈とメルアドを交換してたりする。
――で、その麗奈であるが、こんな発言を残している。
麗奈『そういえば』
麗奈『テレビでカメラ好きのお笑い芸人が言ってたわ』
麗奈『カメラにわかは空だの犬だの猫だのおしゃれなカプチーノだのばっかり撮るって』
藍子「思い出し凹みと言うか……、そんな感じです」
ピィ「お、おう……」
――大したことは無いが、少しばかり沈む藍子であった。
――その内、藍子のカプチーノの方にはサービスで猫のアートが施されており、二人の口から感嘆の声が漏れた。
藍子「可愛いですよね、前に来た時も描いてもらったんですっ」
ピィ「ほー、大したもんだな」
藍子「その時に写真を撮ったんですけど、あんまり上手く撮れてなくて……」
藍子「……」
ピィ「ど、どうした藍子? そんなに落ち込まなくても……」
藍子「いえ、違うんです……、撮れなかった事はいいんですけど……」
――藍子はふと、以前来店した時の事を思い出した。
――……少しばかりメタな発言をすると、具体的には1スレ目の藍子が初登場した回である。
――その回で藍子と麗奈の訪れた店がまさにここだった。
――恐らくお忘れの方も多いかと思うが、藍子はこの時にちゃっかり麗奈とメルアドを交換してたりする。
――で、その麗奈であるが、こんな発言を残している。
麗奈『そういえば』
麗奈『テレビでカメラ好きのお笑い芸人が言ってたわ』
麗奈『カメラにわかは空だの犬だの猫だのおしゃれなカプチーノだのばっかり撮るって』
藍子「思い出し凹みと言うか……、そんな感じです」
ピィ「お、おう……」
――大したことは無いが、少しばかり沈む藍子であった。
768: 2014/07/25(金) 00:08:03.66 ID:sk3VYZTRo
ピィ「……」
藍子「……」
――しばらくすると、二人の間に沈黙が訪れた。
――決して気まずいものではなく、落ち着いた静寂。
――藍子が作る、能力とはまた異なった特有のゆるふわ空間である。
――そこへコーヒーのリラックス効果と、能力の相乗効果が合わさり最強に見える。
――つまり……。
ピィ(あー……落ち着く……)
ピィ(やばい、寝そう……)
ピィ(心地いい……)
ピィ(幸せ………だなぁ……)
――ピィの意識は今、ふんわりと狩られようとしていた。
藍子「……」
――しばらくすると、二人の間に沈黙が訪れた。
――決して気まずいものではなく、落ち着いた静寂。
――藍子が作る、能力とはまた異なった特有のゆるふわ空間である。
――そこへコーヒーのリラックス効果と、能力の相乗効果が合わさり最強に見える。
――つまり……。
ピィ(あー……落ち着く……)
ピィ(やばい、寝そう……)
ピィ(心地いい……)
ピィ(幸せ………だなぁ……)
――ピィの意識は今、ふんわりと狩られようとしていた。
769: 2014/07/25(金) 00:08:35.17 ID:sk3VYZTRo
PiPiPiPiPi!!
藍子「っ!?」
ピィ「おわっ!!」
藍子「なっ、何事ですかっ?」
ピィ「いかん、もうそんなに経ったのか……」
藍子「ピィさん、それは……?」
ピィ「アラームだ」
藍子「見ればわかります」
ピィ「うむ、藍子タイマーとでも言おうか」
藍子「えーと、どういう……?」
ピィ「藍子と一緒にいるとあっという間に時間が過ぎてしまうからな」
藍子「そ、そうなんですか?」
ピィ「店に入る前にセットしておいた」
ピィ「ちなみに1時間だ」
藍子「ええっ、そんなに!?」
ピィ「うん、そろそろ出ようか」
藍子「そ、そうですねっ」
藍子「っ!?」
ピィ「おわっ!!」
藍子「なっ、何事ですかっ?」
ピィ「いかん、もうそんなに経ったのか……」
藍子「ピィさん、それは……?」
ピィ「アラームだ」
藍子「見ればわかります」
ピィ「うむ、藍子タイマーとでも言おうか」
藍子「えーと、どういう……?」
ピィ「藍子と一緒にいるとあっという間に時間が過ぎてしまうからな」
藍子「そ、そうなんですか?」
ピィ「店に入る前にセットしておいた」
ピィ「ちなみに1時間だ」
藍子「ええっ、そんなに!?」
ピィ「うん、そろそろ出ようか」
藍子「そ、そうですねっ」
770: 2014/07/25(金) 00:09:11.05 ID:sk3VYZTRo
――ピィは伝票を取り立ち上がると、財布を用意しようとする藍子を手で制した。
藍子「自分の分くらいは出しますっ」
ピィ「そんなの気にしなくていいから」
藍子「でも……」
ピィ「俺は男で大人なんだから、俺に任せなさい」
ピィ「それに藍子には今日頑張ってもらったしな」
藍子「……ありがとうございます」
――といった定番のやりとりの後、二人が店の外に出る。
ピィ「あー、そういや今日はこの後もう仕事無いんだった」
藍子「そうなんですか?」
ピィ「ああ、別にまっすぐ帰ってもいいんだが……」
ピィ「どうせだからもう少しこの辺ブラブラしてこうか」
藍子「いいですねっ!」
ピィ「さっき大きな公園があったし、そこ寄ってみよう」
藍子「はいっ」
ピィ「……」
ピィ(ん? これって……)
藍子「……」
藍子(よく考えると、なんだか……)
藍子「自分の分くらいは出しますっ」
ピィ「そんなの気にしなくていいから」
藍子「でも……」
ピィ「俺は男で大人なんだから、俺に任せなさい」
ピィ「それに藍子には今日頑張ってもらったしな」
藍子「……ありがとうございます」
――といった定番のやりとりの後、二人が店の外に出る。
ピィ「あー、そういや今日はこの後もう仕事無いんだった」
藍子「そうなんですか?」
ピィ「ああ、別にまっすぐ帰ってもいいんだが……」
ピィ「どうせだからもう少しこの辺ブラブラしてこうか」
藍子「いいですねっ!」
ピィ「さっき大きな公園があったし、そこ寄ってみよう」
藍子「はいっ」
ピィ「……」
ピィ(ん? これって……)
藍子「……」
藍子(よく考えると、なんだか……)
771: 2014/07/25(金) 00:09:41.49 ID:sk3VYZTRo
未央(ピ……)
未央(ピィさんと藍子ちゃんがデートしてるーっ!!??)ガビーン
――たまたま近くを通りかかった未央が、
――喫茶店から出てきてそのまま公園へ向かうピィと藍子を目撃していた。
――未央の言うとおり、傍から見ると二人のその行動はまさにデートの様相であった。
ピィ(な、何か意識しだすと無性に照れるぞ……)
藍子(ど、どうしよう……、何か……何か喋らないと……)
――まるでデートのようだ。
――……ということに『一緒に公園を散歩する』という段階になって二人ともようやく気づく。
――すると、途端に空気がギクシャクしだした。
――何せ二人ともデートの経験というものが無かったのだ。
未央(これは面白い事になってきたぞー♪)
――未央は隠れて二人の後をこっそりつける事にした。
未央(ピィさんと藍子ちゃんがデートしてるーっ!!??)ガビーン
――たまたま近くを通りかかった未央が、
――喫茶店から出てきてそのまま公園へ向かうピィと藍子を目撃していた。
――未央の言うとおり、傍から見ると二人のその行動はまさにデートの様相であった。
ピィ(な、何か意識しだすと無性に照れるぞ……)
藍子(ど、どうしよう……、何か……何か喋らないと……)
――まるでデートのようだ。
――……ということに『一緒に公園を散歩する』という段階になって二人ともようやく気づく。
――すると、途端に空気がギクシャクしだした。
――何せ二人ともデートの経験というものが無かったのだ。
未央(これは面白い事になってきたぞー♪)
――未央は隠れて二人の後をこっそりつける事にした。
772: 2014/07/25(金) 00:10:16.01 ID:sk3VYZTRo
ピィ「……」
藍子「……」
未央(ふっふっふ……)
――ぎこちない雰囲気を纏った二人……と未央が、公園に流れる川を渡す橋へ差し掛かった時であった。
藍子「……? あっ! ピィさんっ!」
ピィ「どうした」
藍子「猫さんが流されてますっ!」
ピィ「なにっ!?」
未央(ええーっ!? なんてタイミングだーっ!?)
――まさにこのなんとも言えないタイミングで、猫が川に流され溺れていた。
藍子「……」
未央(ふっふっふ……)
――ぎこちない雰囲気を纏った二人……と未央が、公園に流れる川を渡す橋へ差し掛かった時であった。
藍子「……? あっ! ピィさんっ!」
ピィ「どうした」
藍子「猫さんが流されてますっ!」
ピィ「なにっ!?」
未央(ええーっ!? なんてタイミングだーっ!?)
――まさにこのなんとも言えないタイミングで、猫が川に流され溺れていた。
773: 2014/07/25(金) 00:10:45.03 ID:sk3VYZTRo
藍子「どっ、どうしよう……っ!」
ピィ「悪い藍子、荷物持っててくれ!」
藍子「ピ、ピィさん……っ?」
――藍子に荷物を預けると、次の瞬間ピィは一切の躊躇無く川へ飛び込んだ。
藍子「ピィさんっ!!」
ピィ「うおおおおお!!!! 待ってろぉぉぉおお!!!」
ピィ「悪い藍子、荷物持っててくれ!」
藍子「ピ、ピィさん……っ?」
――藍子に荷物を預けると、次の瞬間ピィは一切の躊躇無く川へ飛び込んだ。
藍子「ピィさんっ!!」
ピィ「うおおおおお!!!! 待ってろぉぉぉおお!!!」
774: 2014/07/25(金) 00:11:16.48 ID:sk3VYZTRo
――――数分後。
ピィ「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
藍子「大丈夫ですか!?」
ピィ「あ、あぁ……、猫は無事だ……」
――ピィの腕の中に、にゃあにゃあと元気に鳴き声をあげる猫がしっかりと抱えられていた。
藍子「良かった……、ピィさんもこの子も平気そうで……」
藍子「でも、あんまり無茶しないで下さい!」
藍子「心配したんですから……っ」
ピィ「ああ、すまない……」
未央(……)
ピィ「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
藍子「大丈夫ですか!?」
ピィ「あ、あぁ……、猫は無事だ……」
――ピィの腕の中に、にゃあにゃあと元気に鳴き声をあげる猫がしっかりと抱えられていた。
藍子「良かった……、ピィさんもこの子も平気そうで……」
藍子「でも、あんまり無茶しないで下さい!」
藍子「心配したんですから……っ」
ピィ「ああ、すまない……」
未央(……)
775: 2014/07/25(金) 00:11:49.88 ID:sk3VYZTRo
未央(うーん、結局デートは台無しかー)
未央(でもまっ、仕方ないよね、あの二人じゃ)
未央(困ってる人とかいると助けずにはいられないんだからもー)
未央(この先もずっとこんな感じなんだろうなぁ)
未央(そこが良いところなんだけど、ね♪)
未央(でもまっ、仕方ないよね、あの二人じゃ)
未央(困ってる人とかいると助けずにはいられないんだからもー)
未央(この先もずっとこんな感じなんだろうなぁ)
未央(そこが良いところなんだけど、ね♪)
776: 2014/07/25(金) 00:13:24.43 ID:sk3VYZTRo
以上です
誕生日おめでとう藍子!
ということで誕生日記念SSです
お祝いじゃなくて記念
なので時系列とかは特に定めていません
この辺きっちり設定している人も多い中、あえてぼかしていくスタイル
やべえ藍子の誕生日もう1週間後じゃん、と
予告編を投下したSSを放って書いてた学園祭の話を放って、慌てて書いたので色々荒い
Q.あまり露骨なラブコメはしたくないってメタネタ没ネタスレで言ってなかった?
A.露骨じゃないからセーーーッ!(言い訳)
誕生日おめでとう藍子!
ということで誕生日記念SSです
お祝いじゃなくて記念
なので時系列とかは特に定めていません
この辺きっちり設定している人も多い中、あえてぼかしていくスタイル
やべえ藍子の誕生日もう1週間後じゃん、と
予告編を投下したSSを放って書いてた学園祭の話を放って、慌てて書いたので色々荒い
Q.あまり露骨なラブコメはしたくないってメタネタ没ネタスレで言ってなかった?
A.露骨じゃないからセーーーッ!(言い訳)
777: 2014/07/25(金) 00:19:44.54 ID:kgnUR6ZBo
乙です
なお直前まで本スレの誕生日祝いムードを眺めてたので、
このスレに新着レスがついた時点で誰が投下をはじめたのかだいたい予想は付いてた模様
誰がどうみてもデートでございますねえ、末永く爆発すればいいのに
とにかく藍子ちゃん誕生日おめでとー
なお直前まで本スレの誕生日祝いムードを眺めてたので、
このスレに新着レスがついた時点で誰が投下をはじめたのかだいたい予想は付いてた模様
誰がどうみてもデートでございますねえ、末永く爆発すればいいのに
とにかく藍子ちゃん誕生日おめでとー
【次回に続く・・・】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります