1: 23/12/31(日) 02:28:02 ID:VI81
亜美「だー! 終わった~!」

あずさ「ふう……通しでのダンスはやっぱり、疲れるわね……」

伊織「もうヘトヘトよ……」

律子「お疲れさま。みんな、差し入れの時間よ」

亜美「やった! ありがとりっちゃーん!」

伊織「気が利くじゃない!」
アイドルマスター 秋月律子 1/8スケール ABS&PVC製 塗装済み完成品フィギュア
2: 23/12/31(日) 02:28:52 ID:VI81
あずさ「ありがとうございます、律子さん!」

亜美「そんでそんで、何買ってきてくれたの~?」

律子「はい」

あずさ「あら、綺麗な袋」

亜美「ん? 開けるね~……え?」

3: 23/12/31(日) 02:29:36 ID:VI81
伊織「こ、これ何?」

律子「何って、信玄餅だけど」

亜美「信玄餅っ!!」

律子「ちょっ、なによ急に!」

伊織「律子、ちょっとこれは……今はいいわ……」

あずさ「う、うーん……?」

4: 23/12/31(日) 02:30:19 ID:VI81
律子「なんでよ! 信玄餅おいしいでしょう?」

亜美「おいしいけど! レッスンめちゃくちゃやってさ、
   汗だくヘロヘロでいける味じゃないんだよー!!」

あずさ「そのぉ……水分が持っていかれるというか」

律子「あずささん、きなこダメでした?」

あずさ「いえ! 大好きなんですけど~……その、今は大丈夫です……」

5: 23/12/31(日) 02:31:05 ID:VI81
伊織「今食べたらむせるかも……」

亜美「口あかないよ~」

律子「どんだけ体力ないのよ、あんたたちは……。文句言うなら食べなくてよろしい!」

亜美「うん……」

律子「え、本当にいらない?」

あずさ「すみません……レッスンが全部終わって、落ち着いたらいただきますね」

6: 23/12/31(日) 02:31:36 ID:VI81
伊織「レッスン後に和菓子はちょっと合わないわね」

亜美「できたら普通のお水とかがいいな……」

律子「普通のお水って、それじゃ芸がないじゃない」

亜美「なくていいの!」

あずさ「ま、まあまあ……律子さんが買ってきてくださったんだから……」

律子「もう……次の差し入れはちょっと違う方向にしてみるわ」

伊織「大丈夫かしら……」

7: 23/12/31(日) 02:32:26 ID:VI81
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

亜美「も~~~しんどい!」

伊織「立ってるのも、ちょっと無理……」

あずさ「息が……」

律子「お疲れさま、みんな。差し入れ持ってきたわよ」

亜美「おーりっちゃん……ありがとー……」

あずさ「ありがとうございます~……」

8: 23/12/31(日) 02:33:20 ID:VI81
伊織「悪いわねいつも……」

律子「みんな、本当に頑張ってるわね。大丈夫、必ず成長してるから!
   これ食べてパワー蓄えなさい」

亜美「これなに……? お水……?」

律子「ヒントはみんな大好きなスイーツよ」

あずさ「あ、ありがとうございます……あけますね」

9: 23/12/31(日) 02:34:00 ID:VI81
律子「並ばないと買えないお店のなんですよ、これ」

あずさ「これは……?」

律子「チュロスです」

亜美「もーーーー!!」

あずさ「え、ええと……」

伊織「律子……」

10: 23/12/31(日) 02:34:48 ID:VI81
亜美「りっちゃん! 前も言ったけどレッスンのあとはこういうのじゃないよー!」

伊織「前に信玄餅持ってきたときにいろいろ話したわよね……」

律子「だから洋菓子にしたでしょ!」

伊織「そうじゃないのよ!」

あずさ「ま、まあ、いただけるだけでありがたいし、きなこよりは……ね……?」

11: 23/12/31(日) 02:36:35 ID:VI81
亜美「あずさお姉ちゃんにここまで気を遣わせてっ!!」

律子「なんでよ! チュロスおいしいでしょ?」

亜美「おいしいけど!」

伊織「このあともレッスン続くから、ちょっとしんどいわね……」

あずさ「律子さん、すみません……あの、いただいていながら申し訳ないですけど、
    飲み物が嬉しいと思います……」

12: 23/12/31(日) 02:37:43 ID:VI81
律子「飲み物ですか……あんまり芸がないかなと思ってて……」

伊織「なくていいのよ!」

あずさ「本当に、お水とかお茶とかが嬉しいですから……」

亜美「りっちゃん、お願い……」

律子「わかったわよ……ちゃんと次は飲み物にするわ」

伊織「いい? ひねらないでいいのよ!?」

13: 23/12/31(日) 02:38:16 ID:VI81
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あずさ「疲れたわ……」

亜美「ね、へっとへと……」

伊織「でも、アンタたち、これからが本番みたいなもんよ……」

ガチャ

亜美「来た……」

律子「お疲れさま。差し入れの時間よ」

14: 23/12/31(日) 02:38:46 ID:VI81
あずさ「ありがとうございます~……」

律子「なによ、テンション低いじゃない」

亜美「もう気持ちだけで充分かもって思ってきたよ……」

伊織「お疲れさまの言葉で充分かもね……」

律子「いらないの?」

あずさ「まあ、せっかく買ってきてくださったんだし……いただきましょう? ね?」

15: 23/12/31(日) 02:40:09 ID:VI81
律子「今回は飲み物にしたわよ、ちゃんと。リクエスト通りでしょ」

亜美「リクエストはお水だけど……」

律子「はい。選んで買ってきたんだから」コトン

伊織「律子……」

あずさ「律子さん、これは……」

律子「白桃カルピスです」

16: 23/12/31(日) 02:40:50 ID:VI81
亜美「いや……もう文句言う気力もわかないよ……!」

伊織「毎回ちょっと奇をてらおうとしなくていいのよ!」

あずさ「おいしい、ですけど……」

律子「なんで!? 飲み物にしたじゃない!」

あずさ「律子さん、白桃のカルピスにした理由って……?」

17: 23/12/31(日) 02:41:57 ID:VI81
律子「え? いや、普通に美味しそうだなって……」

伊織「クタクタで喉乾ききったときじゃなければね……」

亜美「うん……」

律子「普通のカルピスよりいいでしょ? 桃だし」

伊織「アンタ、フルマラソン走ったあとにこれ飲む?」

18: 23/12/31(日) 02:42:48 ID:VI81
律子「貰えるなら飲むけど」

亜美「いやー絶対口の中さっぱりしないよ……」

あずさ「うーん……」

律子「あずささん、一口どうぞ」

あずさ「えっ? あ、ええと、じゃあ……」

伊織「あずさ……」

19: 23/12/31(日) 02:45:26 ID:lQP1
あずさ「お、美味しいです」

律子「ほら! 聞いた?」

亜美「あっすぐ水飲んだ!!」

律子「まったく、オーバーなのよ、みんな」

伊織「いや、もう……もういいわ……」

20: 23/12/31(日) 10:46:03 ID:lQP1
~~~~~~~~

亜美「ってことがあってさ」

貴音「確かに、独特な差し入れですね」

真「そういえば、律子が現役のときってさ、レッスンのすぐ後にモナカ食べてたよね」

亜美「モナカ!?」

貴音「美味しそうでしたね……」

亜美「りっちゃん、水分とかいらないのかなあ」

21: 23/12/31(日) 10:50:55 ID:lQP1
貴音「どーなつも食べていましたね」

真「あった!」

亜美「もう考えただけで唾液なくなっちゃうよ~!」

真「貴音だったら普通に食べそうだよね」

貴音「ええ、空腹は何よりも耐え難きもの。ありがたく戴きます」

亜美「ええ~? 信玄餅も?」

22: 23/12/31(日) 10:55:02 ID:lQP1
貴音「信玄餅は……食べられますが、あのような場では食べにくいでしょうね」

真「きなこ飛び散るからなぁ」

亜美「そこ!?」

真「レッスン終わった瞬間にお水ガブ飲みするしかないんじゃない?」

亜美「お腹タプタプになっちゃうよ!」

貴音「しかし、水分は重要かと。身体が欲しているわけですから」

23: 23/12/31(日) 11:00:19 ID:lQP1
亜美「でしょ!?」

貴音「わたくしから律子に伝えておきます」

亜美「うわ~! ありがとうお姫ちん!」

貴音「安心してください」

真「大丈夫? 貴音基準になっちゃいそうだけど」

24: 23/12/31(日) 11:06:22 ID:lQP1
貴音「しっかり伝えておきます」

亜美「せっかくの差し入れだし美味しく貰いたいってだけなんだよ、亜美たちは」

貴音「ふふっ。亜美は優しいですね」

亜美「うう~……お姫ち~ん……」

真「大丈夫かな……」

25: 23/12/31(日) 11:10:49 ID:lQP1
~~~~~~~~~~

伊織「レッスン……終わったわね……」

あずさ「ええ……」

亜美「大丈夫……お姫ちんが言ってくれたから!」

あずさ「貴音ちゃんが?」

亜美「普通に水分欲しいって言ったら、代わりにりっちゃんに言ってくれるって」

26: 23/12/31(日) 11:15:51 ID:lQP1
伊織「大丈夫? それ……」

ガチャ

律子「お疲れ様。差し入れ持ってきたけど、いる?」

亜美「いる!」

あずさ「ありがとうございます~」

伊織「ありがと……アンタ、今度こそ大丈夫でしょうね?」

27: 23/12/31(日) 11:22:22 ID:lQP1
律子「貴音からも言われたわ。みんなの気持ちを考えられてなかったわね」

あずさ「そんなことは……」

律子「大丈夫です、あずささん。反省を生かして持ってきました! はいこれ」

亜美「……なにこれ?」

律子「コーンスープよ」

28: 23/12/31(日) 11:28:48 ID:lQP1
伊織「はい?」

律子「貴音が『お腹が満たされる水分が良いでしょう』ってね。確かに盲点だったわ」

あずさ「まあ…………白桃カルピスよりは……」

亜美「いや! 変わんないよ!」

伊織「やっぱり大丈夫じゃなかったわ……」

おわり

引用: 亜美「りっちゃんの差し入れが独特」