1:◆E9ISW1p5PY 2011/02/13(日) 17:00:45.21 ID:pYxAGNBY0
―砂原<夜>―

モンジロウ 「ニャ! そういうことならあっしにお任せあれですニャ!」
モンジロウ 「足も治療してもらえたし、一足先にポッケ村の奥に行って、助けを呼んできますぜ」
モンジロウ 「モンスターと猫は、本来あんまり仲は良くねぇが、あんたさんの話が本当なら……」
モンジロウ 「こてっちゃんを助けることが出来るかもしれねぇニャ!」
カプコン モンスターハンター カプコンフィギュアビルダー 本体 クリエイターズモデル 雷狼竜 ジンオウガ 復刻版 約H180×W220×D120mm
2: 2011/02/13(日) 17:01:43.24 ID:pYxAGNBY0
4.今そこにある恐怖
イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」 シリーズ

イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第一章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第二章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第三章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第四章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第五章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第六章
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」最終章

イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その1】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その2】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【その3】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」第2部【最終話】


イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その1】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その2】

イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その3】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その4】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その5】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【その6】
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」外伝~砦ドラゴンと少女~【最終話】

ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」第1話.~縄張りに侵入するべからず~
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」第2話.~轟竜迎撃戦~
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」第3話.戦慄の進軍
4: 2011/02/13(日) 17:03:37.23 ID:pYxAGNBY0
ハンマー 「すまない、頼めるだろうか?」
モンジロウ 「こてっちゃんは親友だニャ。頼まれるまでもねぇニャ!(シュババババババ)」
ハンマー 「は……速い……!!」
太刀 「大丈夫なの、あの猫……? 見たことないアイルーなんだけど……それに、樽の上に乗ってるし……」
ハンマー 「モンジロウとかいう、このあたりでは有名な、モンスターや人間の荷物配達を担当している運び屋らしい」
ハンマー 「そうだろう? 弓」

7: 2011/02/13(日) 17:05:38.87 ID:pYxAGNBY0
弓 「………………ええ。あの子は、確実に手紙を配達してくれることで有名な猫」
弓 「小鉄と同じく、モンスターとも話が出来るから、信用して問題ない……と思う」
ハンマー 「だ、そうだ」
太刀 「このガーグァ便を追い越していくなんて、とんでもない猫ねぇ……」
弓 「あなた……」
ハンマー 「……?」
弓 「小鉄を、助けてくれたの?」

9: 2011/02/13(日) 17:06:45.27 ID:pYxAGNBY0
ハンマー 「ああ。そうだ」
小鉄 「………………」
弓 「どうしてそこまで小鉄を気にするの? あなたにとっては他人事でしょう……?」
ハンマー 「…………どうして……と言われてもな……」
弓 「…………」
ハンマー 「あえて言うなら……俺にも、小鉄のような時期があったからかな……」
太刀 「……!」

11: 2011/02/13(日) 17:07:48.96 ID:pYxAGNBY0
ハンマー 「無鉄砲で、自分がこの世で一番強いと錯覚していた。誰かのために何かをすれば、それが必ずかなうと心の底から信じていた」
ハンマー 「そんな時期があった」
ハンマー 「だからかな……」
ハンマー 「だから、小鉄を見て、他人とは思えなかったんだ」
ハンマー 「そいつは、昔の俺によく似てるんだよ」
太刀 「…………」

12: 2011/02/13(日) 17:08:40.08 ID:pYxAGNBY0
弓 「そんなことのために、ハプルボッカの前に飛び出していったの?」
ハンマー 「言っておくが、小鉄が一人で向かっていったジンオウガと、黒いティガレックスの方が、よほど凄かったぞ」
ハンマー 「まったく……俺にもそいつの勇気を、半分で良いから分けて欲しいものだ」
弓 「………………」
ハンマー 「…………」
ハンマー 「君個人のコトに口を出すつもりはないが、小鉄のことくらいは信用してやっても良いんじゃないか?」

14: 2011/02/13(日) 17:09:36.44 ID:pYxAGNBY0
弓 「!」
ハンマー 「小鉄は、多分君にいいところを見せようとして、あの大きな口のモンスターに向かって行ったんだ」
ハンマー 「俺達に助けを求めることもなく、一匹でな」
ハンマー 「その気持ちくらいは、汲んでやってもいいと思うぞ」
弓 「あなたに言われなくたって……(ギュ……)」
小鉄 「………………」

15: 2011/02/13(日) 17:10:28.44 ID:pYxAGNBY0
ハンマー (それにしても、ハプルボッカとかいうあのモンスター、様子がおかしかった……)
ハンマー (突然古龍の大宝玉が振動し始めたから、小鉄の危機に間に合うことが出来たが……)
ハンマー (あんな振動は、砦蟹に遭遇した時以来だった……)
ハンマー (どこか不吉さを感じさせる……いい感じがしない反応だ)
ハンマー (ハプルボッカというか、もっと別の何かに対して反応していたような……)
ハンマー (……考えていても仕方がない)
ハンマー (モンジロウが、少女に早く救援を頼んでくれることを祈るしかない……)

16: 2011/02/13(日) 17:11:38.16 ID:pYxAGNBY0
―シュレイド地方、樹海<朝>―

ジンオウガ妻 「…………そ、それでは、ここは、私の暮らしていた地方とは違う場所だと……?」
テオ・テスカトル 「そうとしか考えられぬ。何らかの現象により、あなたと子供さんは海を超え、流されてしまったのではないだろうか?」
テオ・テスカトル 「話を聞くに、その『渓流』という場所は、私と妻が、幼い頃に行ったことがある場所に酷似している」
ナナ・テスカトリ 「ええ、その可能性は高いですね」
ジンオウガ妻 「何ということ……別の地方にまで流されてきてしまうなんて……」

17: 2011/02/13(日) 17:12:30.55 ID:pYxAGNBY0
金リオレイア 「しっがし、ほんどなら沈んぢまっでるどこを、無事に流れできたんだァ」
金リオレイア 「いいでねぇが」
銀リオレウス 「んだァ」
ジンオウガ妻 「……私の他に、流れてきている者はいませんでしたか?」
金リオレイア 「いんねがったなぁ」
銀リオレウス 「あんだだぢだけだっだど」
ジンオウガ妻 「そうですか…………」

18: 2011/02/13(日) 17:13:24.31 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 (あなた…………)
金リオレイア 「しって、あんだよぉ、そんの子…………」
ティガレックス兄 「何だ人違いかァ!! へっへ! まったく迷惑なおばさんだぜ!!」
ティガレックス弟 「略してめわオバってな!! 勘弁してくれよォ」
ティガレックス弟 「悪いことは沢山してきたけどよ、外見だけで襲われたのは初めてだぜ。ケケッ」
ジンオウガ妻 「す……すみません。あなた方があまりにも……その、私の知っているティガレックスにそっくりだったもので……」

19: 2011/02/13(日) 17:14:16.60 ID:pYxAGNBY0
金リオレイア 「…………」
銀リオレウス 「…………」
ティガレックス弟 「おい兄者、他の地方にもティガレックスがいるらしいぞ」
ティガレックス兄 「マジかよ。半端ねぇな世界」
ジンオウガ妻 「そちらがお兄様ですか? 私の知っている者に匹敵する大きさですね……」
ティガレックス弟 「いや、これはただデブってるだけで……」
ティガレックス兄 「マジかよ。そんな褒めるなよ。てれるぜオバさん~」
ティガレックス弟 「…………」

21: 2011/02/13(日) 17:15:21.01 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「ええい、黙っていなさいお前達。話が進まぬ」
ティガレックス兄 「ケッ」
ティガレックス弟 「ペッ」
ナナ・テスカトリ 「コラ!」
ティガレックス兄&弟 「へい……」
イャンガルルガ 「しかし、勘違いで電撃喰らってちゃ洒落にならねぇぜ。もうちょっとで氏ぬとこだったじゃねぇか」
ジンオウガ妻 「申し訳ありません……私も動転していて、何がなんだか……」

22: 2011/02/13(日) 17:16:13.45 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「でも、この子だけでも無事でよかった……」
ジンオウガ妻 「流された時、必氏に掴んでいたのです」
仔ジンオウガ 「…………キュゥーン…………」
ジンオウガ妻 「? 何に怯えているの? ここにいる方々は皆さん、いい方達のよう。安心して……」
仔ジンオウガ 「………………」
仔ジンオウガ (ドクン、ドクン、ドクン)
仔ジンオウガ 「!!!」

23: 2011/02/13(日) 17:17:12.27 ID:pYxAGNBY0
 >ドクンッ

 >逃げて! 坊や、早く!!!!
 >ヒャハハハハハハ!! 逃げろ! 逃げろォォォォォ!!!
 >もっと楽しませろよ、もっと、もっとよぉォォォォ!!!!
 
 >ザンッ!!!
 >ジンオウガさん――!!!!!
 >坊…………や………………逃げ……………………て……………………
 
 >ザンッ!!!
 
 >ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!

24: 2011/02/13(日) 17:18:05.39 ID:pYxAGNBY0
仔ジンオウガ 「!! ……!!!!!!」
ジンオウガ妻 「坊や? どうしたの、坊や?」
仔ジンオウガ 「キュウ!! キュゥゥゥ!!!!」
テオ・テスカトル 「どうしたのだろう? 何かを怖がっているようだが……」
ティガレックス弟 「兄者の顔がでっかくてビビってるんじゃねぇか?」
ティガレックス兄 「マジでか? ほ~れほ~れ」
ティガレックス弟 「やめろよ~ヘッヘ」

26: 2011/02/13(日) 17:18:57.06 ID:pYxAGNBY0
ナナ・テスカトリ 「(ピシィッ! ピシイッ!)コラ、貴方達!」
ティガレックス兄 「痛ェ!!」
ティガレックス弟 「尻尾で叩くなよ先生!!」
ナナ・テスカトリ 「悪ふざけも大概にしなさい。子供を怖がらせてどうするんですか」
ティガレックス兄&弟 「へい…………」
仔ジンオウガ 「………………!!!」

28: 2011/02/13(日) 17:20:02.56 ID:pYxAGNBY0
 >ドクンッ
 
 >ドクンッ、ドクンッ
 
 >ゴポゴポ…………
 >ゴポポ…………
 >ナバルデウス 「……………………」
 >ナバルデウス 「Usted……………………」
 >ナバルデウス 「Un……mawashi……del……luto………………viene………………」
 >ナバルデウス 「Soy………………interesante………………!!!」
 >ナバルデウス 「Lo…………protejo………………」
 >ナバルデウス 「Sobreviva…………」

29: 2011/02/13(日) 17:21:02.94 ID:pYxAGNBY0
仔ジンオウガ 「キュ…………キュゥゥ………………!!!!(ギュ)」
ジンオウガ妻 「坊や? 坊やどうしたの……?(ギュ)」
ジンオウガ妻 「……申し訳ありません、坊やがどこか不調なようで……」
テオ・テスカトル 「どれ。私に診せてください」
ジンオウガ妻 「…………世話になります」
テオ・テスカトル 「私の血をもう少し与えておこう。子供には刺激が強すぎるかもしれないが、元気は出る(ポタポタ)」
仔ジンオウガ 「…………」
仔ジンオウガ 「キュゥ……キュゥゥゥ…………」
仔ジンオウガ (スゥ……スゥ…………)

30: 2011/02/13(日) 17:21:57.78 ID:pYxAGNBY0
少女 「その……ジンオウガさん、さっきは叩いちゃってごめんなさい……」
ジンオウガ妻 「こちらこそ……本当に申し訳ありませんでした。しかし……モンスターの言葉を介する人間も存在していたのですね」
ジンオウガ妻 「人間とはハンターのことばかりだと思い込んでいました。衝撃です」
少女 「私もどうしてモンスターの言葉が喋れるのか分からないんだけれど……」
少女 「ここにいるみんなと一緒に、暮らしてるの」
イャンクック 「ああ。先程、雷を跳ね返したのも、少女の不思議な力のひとつなんだろう」

31: 2011/02/13(日) 17:22:49.92 ID:pYxAGNBY0
キリン 「少女ちゃん、いつの間にあんな力を身につけたの? すごいわ!」
イャンクック 「………………」
少女 「わかんない……夢中だったから……」
ジンオウガ妻 「まるで古龍様の力のようですね。あなたには、不思議な加護が宿っているのかもしれません」
少女 「そう……なのかな? よく分からないよ」
少女 「でも、私は細かいことはいいから、これからもみんなと一緒に暮らせれば、それでいいかな」
テオ・テスカトル 「………………」
ナナ・テスカトリ 「………………」

33: 2011/02/13(日) 17:23:44.85 ID:pYxAGNBY0
 >ズゥンッ!
少女 「!!」
 >ズシン、ズシン
ナルガクルガ 「何だ? こちらの方から凄まじい雷の音が聞こえたが……」
ジンオウガ妻 「ナルガクルガ……?」
ナルガクルガ 「? どうした? 雁首そろえて」
イャンガルルガ 「チッ。ビッグボスまで出てきやがった……」

35: 2011/02/13(日) 17:25:06.48 ID:pYxAGNBY0
紫ガミザミ 「少女、大丈夫かの!?」
少女 「紫ちゃん! 久しぶり!!」
紫ガミザミ 「(カサササッ)ナルガと途中で会って、背中に乗せてもらったのじゃ」
イャンガルルガ (このチビ蟹、ビッグボスを呼び捨てかよ……)
テオ・テスカトル 「やあ、ナルガ君。君の目にも見えていたか」
ナルガクルガ 「ああ。尋常ではない様子だったが……少女は無事か?」
少女 「私ならここにいるよー」

36: 2011/02/13(日) 17:25:58.00 ID:pYxAGNBY0
ナルガクルガ 「うむ。無事なら良いのだ」
紫ガミザミ 「全く、心配かけおって」
少女 「ごめんね。でも、誤解だったから心配しないで(撫で撫で)」
ティガレックス兄 「ケッ、何しにきやがった」
ティガレックス弟 「そろそろこのエリアも狭いぜ」
ナルガクルガ 「そっちのモンスターは誰だ? 見かけない顔だな……」
ジンオウガ妻 「…………」
テオ・テスカトル 「事情を話そう。とりあえず話を聞いてくれ」

38: 2011/02/13(日) 17:26:58.89 ID:pYxAGNBY0
ナルガクルガ 「………………ふむ。そんなことが実際にあるものなのだな」
ナルガクルガ 「しかし、ウラガンキンの一件もある。あながち現実離れした話でもなさそうだ」
紫ガミザミ 「そういえばウラちゃんはどうしておるかのぅ」
紫ガミザミ 「最近はラギアクルスも全然便りをよこさん。薄情なものよ」
ジンオウガ妻 「こちらの地方にもナルガクルガがいるのですね……」
ナルガクルガ 「? どういうことだ?」

39: 2011/02/13(日) 17:28:10.58 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「私達が元棲んでいた旧砂原地方にもナルガクルガがいました」
ジンオウガ妻 「あなたは、おそらくその血を引いているのではないでしょうか?」
ナルガクルガ 「残念ながら俺は、その旧砂漠とやらは全く知らぬ。俺の父はベリオロスだ。母はずっと昔に氏んだ」
ナルガクルガ 「父とも随分前に別れたきり会っていない」
ジンオウガ妻 「ベリオロス……? そう、そうなのですね……」
ナルガクルガ 「……?」
ティガレックス兄 「………………」
ティガレックス弟 「………………」

40: 2011/02/13(日) 17:29:04.70 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス兄 「(ひそひそ)おい、他の地方にもティガレックスがいるとか言ってたよな、あのおばさん」
ティガレックス弟 「(ひそひそ)ああ。そういえば言ってたな。どうも気になるぜ」
ティガレックス兄 「(ひそひそ)俺達って、チビの頃、フルフルババァに拾われたんだよな、確か」
ティガレックス弟 「(ひそひそ)そう言われてるぜ?」
ティガレックス兄 「(ひそひそ)もしかしたら、俺達の家族かもしれんぜ?」
ティガレックス弟 「(ひそひそ)マジかよ。半端ねぇな世界」

42: 2011/02/13(日) 17:30:05.70 ID:pYxAGNBY0
紫ガミザミ 「ああ、元気じゃ。今度また遊びに来ておくれな」
金リオレイア 「わがっておるじゃ」
銀リオレウス 「んだ。今度まだいくだ」
テオ・テスカトル 「…………」
テオ・テスカトル 「そうだな……ナルガ君の言うとおり、これからどうするかだ」
テオ・テスカトル 「できることなら、貴女達を本来の場所……つまり渓流に帰して差し上げたいが……」
テオ・テスカトル 「記憶しているだけでも、飛んでいてもここからおよそ五日ほどもかかる距離だ」
テオ・テスカトル 「泳いでいければもっと近いのだろうが……詳しい地理は、私も良くは知らぬ」
ナナ・テスカトリ 「わたくしもです。申し訳ありません……」

44: 2011/02/13(日) 17:32:24.09 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「いえ、気に病まないでください」
ジンオウガ妻 「ここでこうして会えたのも何かの縁かもしれません」
ジンオウガ妻 「そうだとしたら、何かしらの意味があるのでしょう」
少女 「そうだよ。折角会えたんだから、仲良くしようよ」
少女 「流されたかもしれない旦那さんのことは、心配だねぇ……」
少女 「無事だと良いけど……」
ジンオウガ妻 「…………」
ジンオウガ妻 「そうですね……」

45: 2011/02/13(日) 17:33:15.51 ID:pYxAGNBY0
―シュレイド地方、崖―

モンジロウ (シュババババババババ)
モンジロウ (こてっちゃん、氏ぬんじゃないニャ!!)
モンジロウ (でも、ポッケ村について、誰に何を言ったらいいのかさっぱり分からんニャ……)
モンジロウ (ええい、あたって砕けろニャ。親友の危機に何もしないでいるよりはましニャ!)
モンジロウ (ンニャ……?)
モンジロウ (ニャンだニャ、アレは……?)

46: 2011/02/13(日) 17:34:06.74 ID:pYxAGNBY0
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

モンジロウ (ゾゾゾゾゾゾゾ)
モンジロウ (何ニャ、この怖気は……!!!)
モンジロウ (いきなり暗くなってきたニャ…………)
モンジロウ (か……風が強くなってきたニャ! 樽が吹き飛ばされる……!!!)
モンジロウ (岩陰の間に隠れるニャ!!)
モンジロウ (シュバッ)

47: 2011/02/13(日) 17:34:58.77 ID:pYxAGNBY0
モンジロウ 「はぁ……はぁ……」
モンジロウ (い……一体何ニャ……? 今は昼のはずなのに、太陽が完全に隠れちまったニャ……)
モンジロウ (いつの間にか空が真っ黒な雲で覆われてるニャ……)
モンジロウ (雨が降りそうな天気でもないのに……風がものすげぇニャ……!!!)
モンジロウ (あ……嵐……!?)
 >ヒュゴォォォォォォォォォォ!!!!!!
モンジロウ (吹っ飛ばされるニャ――!!!!!)

49: 2011/02/13(日) 17:35:53.65 ID:pYxAGNBY0
モンジロウ (ニャ!?)
モンジロウ (あの、雲の隙間に何かいるニャ!!!)
モンジロウ (!!!!!)
モンジロウ (何ニャ!? あの……)
モンジロウ (禍々しい竜は!!!!!)
××××××× 「…………………………」

50: 2011/02/13(日) 17:36:52.07 ID:pYxAGNBY0
モンジロウ 「……………………」
 >ヒュゥゥゥゥゥ………………ゥゥゥ………………
モンジロウ 「風が……やんできたニャ…………」
モンジロウ (あの竜は、もういニャい……)
モンジロウ (見たことねぇくらい変で……何というか、胸の奥が腐っちまうような異様な雰囲気だったニャ…………)
モンジロウ (あの竜が向かった方向……)
モンジロウ (ポッケ村の方じゃニャいかニャ!!!)
モンジロウ (こ……これはうかうかしてらんねぇニャ!!!!)

51: 2011/02/13(日) 17:37:47.00 ID:pYxAGNBY0
―樹海<夜>―

ジンオウガ妻 「………………」
イャンクック 「そんなところにいても体を壊すだけですよ。今は、とりあえず中に入ってお休みになったらどうですか?」
ジンオウガ妻 「ありがとうございます。しかし……」
ジンオウガ妻 「夫のことが、とても心配なのです……」
イャンクック 「…………お気持ちは分かりますが、ここで気をもんでいても仕方がないでしょう」
イャンクック 「さ、どうぞ中に…………」
ジンオウガ妻 「……はい……」

54: 2011/02/13(日) 17:38:43.07 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス兄 「グガァァ…………Zzz…………」
ティガレックス弟 「グァアア…………Zzzzz………………」
少女 「ティガさんたち、寝ちゃった」
イャンクック 「全く、自分達の巣で寝ればいいものを……」
テオ・テスカトル 「とりあえずあ奴らは放っておいて、今後の対策を立てましょう」
ナナ・テスカトリ 「そうですね。何とか渓流にジンオウガさんたちをお送りしてあげたいものです」

55: 2011/02/13(日) 17:39:34.56 ID:pYxAGNBY0
ナルガクルガ 「金さんと銀さんは他に流された者がいないか、海岸を探してくれると言っていたが……」
紫ガミザミ 「何か見つかるといいのぅ」
ジンオウガ妻 「ええ、本当に…………」
仔ジンオウガ 「……………………Zzzz……………………」
ジンオウガ妻 「坊や……震えてるわ……何を恐れてるのかしら……?」
少女 「…………」
少女 (金さんと銀さんが、去り際に気になることを言ってたなぁ…………)

56: 2011/02/13(日) 17:40:28.21 ID:pYxAGNBY0
 >金リオレイア 「(ひそひそ)少女ぢゃん、あの子供にぁ気ィづけんじゃい」
 >銀リオレウス 「(ひそひそ)なーんが、嫌ァな気ィずっがらよ」
 >少女 「嫌な気?」
 >金リオレイア 「『忌み子』っづっでな。生まれながらに、なーんがしで不幸をもっぢまうもんすたぁがいるんだァ」
 >銀リオレウス 「ラージャンどかが、そうだなぁ」
 >少女 「………………不幸を………………」
 >金リオレイア 「んだがら、近けぇうぢに何が起こっがもしんねぇ」
 >銀リオレウス 「ちいっどばかし、気ィづけどきなァ」

57: 2011/02/13(日) 17:41:26.05 ID:pYxAGNBY0
少女 (そうは見えないけど…………)
仔ジンオウガ 「スゥ…………スゥ………………」
少女 「うーん……」
キリン 「どうしたの? 少女ちゃん?」
少女 「え? うぅん、何でもないよ」
イャンクック 「……………………」
イャンクック (少女の体の問題に加え、このモンスター達が現れて……)
イャンクック (また一騒動起きなければ良いが……)

58: 2011/02/13(日) 17:42:25.13 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「で、これからどうすんだ?」
ナルガクルガ 「どうするもこうするも、やはり渓流とかいうところまで送り届けてやるべきだろう」
イャンガルルガ 「(ボソッ)ケッ。偽善者が」
ナルガクルガ 「………………」
紫ガミザミ 「またウラちゃんのときみたいに、みんなで行こうぞ。むろんわしも行くぞえ」
少女 「そうだね。私も、その別の土地に行ってみたいな」
イャンガルルガ 「………………」

59: 2011/02/13(日) 17:43:15.86 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「俺は降りるぜ。そんな義理はねぇ」
イャンガルルガ 「第一、殺されかけてるしな」
ジンオウガ妻 「申し訳ありません……」
ナルガクルガ 「誰にでも間違いというものがある。気にしない方がいいだろう」
イャンガルルガ (ケッ…………)
ナルガクルガ 「ここから五日ほどというならば、飛べない貴女方では一週間から十日ほどはかかる」
ナルガクルガ 「体が治り次第出発した方がいい」

61: 2011/02/13(日) 17:44:07.34 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「そう……ですね……」
テオ・テスカトル 「私達が先行して様子を見てくることも出来ます」
ナナ・テスカトリ 「出来る限り協力をさせていただきます」
キリン 「私も、何か出来ることがありましたらお手伝いします」
ジンオウガ妻 「ありがとうございます……みなさん、本当に……」
イャンガルルガ (偽善者共が……! やってらんねぇぜ……)
少女 「私も手伝うよ。ガルルガさんも、一緒に行こう」
イャンガルルガ 「!?」

62: 2011/02/13(日) 17:45:00.61 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「いや、俺は……」
少女 「私達が力を合わせれば、すぐに旦那さんを見つけることができるよ」
少女 「やっぱり、家族は一緒にいなきゃ悲しいよ」
イャンガルルガ 「………………」
イャンガルルガ 「それはまぁ……そうだが…………」
ナルガクルガ 「して、その渓流で何があった?」
紫ガミザミ 「そうじゃな。その話を聞いてみたいものじゃ」
ジンオウガ妻 「それは…………」

64: 2011/02/13(日) 17:45:53.90 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「……………………ふむ。人間とモンスターのいざこざは、どの地方でも同じなのだな……」
少女 「そうだねぇ…………」
ナナ・テスカトリ 「しかし、未来予知のお守りとは。世の中には不思議なモノがあるものですね……」
イャンガルルガ 「ケッ。どこまで本当かわかんねぇぜ」
ジンオウガ妻 「………………」
イャンガルルガ 「第一、そんな便利なものがありながら、何であんたの旦那さんは猫ごときに目をやられたんだ?」
イャンガルルガ 「自分がやられる未来が見えたなら、回避すりゃいいことだろうが」
ジンオウガ妻 「それは……私にもわからないことなのですが……」

66: 2011/02/13(日) 17:47:16.71 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「でも、妙な胸騒ぎがするのです……」
ジンオウガ妻 「何か夫の身に起きているような……」
ジンオウガ妻 「そんな不安が胸の中で大きくなっていくのです……」
イャンクック 「………………」
少女 (スッ)
少女 「はい。バクレツアロワナの干物を使ったスープだよ。凄く体があったまるよ」
ジンオウガ妻 「あ……ありがとうございます……」
ジンオウガ妻 「(ズズッ)…………おいしい…………」

67: 2011/02/13(日) 17:48:12.21 ID:pYxAGNBY0
イャンクック 「とりあえず今日のところは休んでください。ここなら外敵の心配も比較的少ない」
テオ・テスカトル 「私達も今日は帰らずにここにいることにしましょう。良いか? イャンクック殿」
イャンクック 「かまいません。少々狭いですが……」
キリン 「私も、この子のことが気になりますわ」
仔ジンオウガ 「Zzz…………」
少女 「じゃあ今日は一緒に寝よう、お姉ちゃん」
キリン 「ええ、そうしましょう」
テオ・テスカトル 「………………」
テオ・テスカトル (お姉ちゃん、か……)
テオ・テスカトル (やはり少女は、自分のことを人間だと意識していない……)

68: 2011/02/13(日) 17:51:31.06 ID:pYxAGNBY0
―少女の夢の中―

少女 「ここは…………」
少女 「いつかの、夢の中…………」
少女 「…………? 何だか、周りが薄暗い…………」
白アイルー 「………………」
少女 「!! 白猫さん!!(バッ)」
白アイルー 「(ニコニコ)…………」
少女 「久しぶりだね、元気だった?」

69: 2011/02/13(日) 17:52:26.75 ID:pYxAGNBY0
白アイルー 「……………………(にこにこ)」
少女 「え? これを私に?」
白アイルー (こくり)
少女 「綺麗……」
 >キラッ
白アイルー 「…………(にこにこ)」
少女 「え……? 『幸運をもたらすお守り』……?」
少女 「これをわたしにくれるの?」
白アイルー (こくり)

70: 2011/02/13(日) 17:53:23.93 ID:pYxAGNBY0
少女 「待って、まだもう少しお話したいの!!」
白アイルー 「………………」
白アイルー 「(ブンブン)…………」
少女 「待って! 白猫さん!!!」
赤アイルー 「………………」
黒アイルー 「………………」
少女 「あ……お父さんに、お母さん…………」
白アイルー 「(にこにこ)…………」
少女 「………………」
少女 「うん、またね……」

71: 2011/02/13(日) 17:54:15.15 ID:pYxAGNBY0
―樹海、イャンクックの巣<朝>―

少女 「(ハッ)…………」
少女 「私、泣いて…………」
少女 「………………」
 >キラッ
少女 「これは……」
少女 (夢の中で、白猫さんがくれたお守り…………)
少女 (ヒモが付いてる……)
少女 (首にかけておこう……)

73: 2011/02/13(日) 17:55:19.95 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス兄 「グガァアアアアアアア!!!! ZZzzzzz!!!!」
ティガレックス弟 「グアアアアアァアアアアアア!!!! ZZzzzz!!!」
テオ・テスカトル 「………………Zzz」
ナナ・テスカトリ 「………………Zzz」
ナルガクルガ 「…………Zzz…………」
紫ガミザミ 「ZZz…………」
キリン 「Zzz…………」
イャンクック 「グガァ…………Zzz…………」
少女 (もぞもぞ…………)

74: 2011/02/13(日) 17:56:18.08 ID:pYxAGNBY0
―樹海、イャンクックの巣の外<朝>―

イャンガルルガ (ゴクゴク)
少女 「ガルルガさん!! 水飲んでたんだ!」
イャンガルルガ 「…………おお、少女か…………」
少女 「どうしたの? 凄く具合が悪そう」
イャンガルルガ 「お前ら……あの馬鹿兄弟達のいびきのなかで、よく寝れるな……」
少女 「私達はもう慣れちゃったから……」
少女 「ひょっとして寝不足?」

75: 2011/02/13(日) 17:57:11.52 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「ああ……」
イャンガルルガ 「俺はもう、金輪際お前の家には泊まらねぇぞ……」
少女 「待ってね。頭がすっきりする薬を、トウガラシから作ったの」
少女 「(ごそごそ)これだよ」
イャンガルルガ 「(ゴクリ)…………~~~~!!!!」
イャンガルルガ 「カァ!! 何だこれ! 辛ェ!!!」
少女 「目が覚めたでしょ?」
イャンガルルガ 「(ガブガブ)なんてモノ飲ませやがる!!」

76: 2011/02/13(日) 17:58:12.18 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「………………」
イャンガルルガ 「それはそうと……少女、あの親子にはあまり関わらない方がいい気がするぜ」
少女 「? どうして?」
イャンガルルガ 「どうしてって……どうしてもだ」
少女 「それじゃ理由にならないよ」
イャンガルルガ 「うるせぇ! 俺が関わるなって言うんだ、やめとけよ」
少女 「でも……気の毒だよ? 旦那さんを見つけてあげなきゃ……」

77: 2011/02/13(日) 17:59:10.76 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「………………あの子供の方から、何か妙な気配がすんだよ」
少女 「!!」
イャンガルルガ 「? どうした?」
少女 「金さんと銀さんも、同じことを言ってた」
イャンガルルガ 「やっぱりか……」
イャンガルルガ 「感じているのは俺だけかと思ったがな」
イャンガルルガ 「ラージャンに似たような感じだ。ありゃ、不幸を呼んでくるぜ」
少女 「………………」

78: 2011/02/13(日) 18:00:09.31 ID:pYxAGNBY0
少女 「それでも……見捨てることは出来ないよ」
少女 「ね、ガルルガさん。一緒に助けてあげようよ」
イャンガルルガ 「…………チィ」
イャンガルルガ 「そんな目で俺を見るな……!!」
少女 「ガルルガさんも手伝ってくれたら、私凄く嬉しい」
イャンガルルガ 「…………はぁ…………」
イャンガルルガ 「……分かったよ…………」

79: 2011/02/13(日) 18:01:03.14 ID:pYxAGNBY0
少女 「それにね、私こんなものも持ってるんだ」
 >キラッ
イャンガルルガ 「? 何だそりゃ」
少女 「お友達にもらったの。いいでしょ?」
イャンガルルガ 「よくわからねぇが……何かの力があるのか?」
少女 「うん、幸運を呼ぶお守りだって言ってた」
イャンガルルガ 「誰だよ、そのお友達って奴は」
少女 「ガルルガさんの知らない人だよ?」
イャンガルルガ 「………………(ケッ)」

81: 2011/02/13(日) 18:02:00.00 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「…………?」
少女 「ガルルガさん?」
イャンガルルガ 「少女、巣の中に隠れてろ!!」
少女 「どうしたの? 何が……」
イャンガルルガ 「こっちに来るんじゃねぇ!!!」
少女 「??」

  >ヒュガッ……!!! ガガガガガガガガガガ!!!!

82: 2011/02/13(日) 18:03:02.22 ID:pYxAGNBY0
少女 「きゃあ!!」
イャンガルルガ 「何だ……? 俺達を覆うように、氷の壁が現れたぞ!!」
少女 「ガルルガさん……(ギュッ)」
イャンガルルガ 「飛んで逃げるぞ。俺に乗れ!!」
 >ヒュンッ!!!
イャンガルルガ 「!!! (ザンッ!!)」
イャンガルルガ 「ガァ!!!」
少女 「ガルルガさん!!!」

83: 2011/02/13(日) 18:03:56.12 ID:pYxAGNBY0
×××××× 「ヘヘ……ケケ……どこに逃げようって言うんだ? 鳥がァ……」
少女 「だ……誰!?」
デュラガウア 「この地方のモンスターのことがちっと知りたくてな。先に来させてもらったぜ」
少女 「また……見たことない……モンスター……?」
少女 「!!!(ゾクッ)」
少女 (な……何? この感じ………………)
少女 (凄い悪寒…………何か、雲の上にいる!!)
少女 (うっ……霧が濃くてよく分からないけど…………大きな何かが…………!!!)

85: 2011/02/13(日) 18:04:47.84 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「……チィィ! いきなり何しやがる!!」
デュラガウア 「おいおい、ガッカリさせるぜ? 挨拶にもみたねぇ一撃でそんな状態かよ」
デュラガウア 「兄貴の、気をつけろって話、大して信用できねぇみたいだな」
イャンガルルガ 「何だと?」
デュラガウア 「雑魚だって言ってんだよ!! 鳥は鳥らしくピーチク喚いてな!!!」
イャンガルルガ 「言ったな……出来損ないの崩れ顔しやがって……」
デュラガウア 「キャハッ!! 口だけは一丁前だな!!!」

87: 2011/02/13(日) 18:05:39.46 ID:pYxAGNBY0
少女 「やめて! いきなり戦うなんて、そんなのおかしいよ、まずは話を……」
デュラガウア 「シャァ!!(ヒュバ!!!)」
少女 「!!!」
イャンガルルガ 「少女、あぶねぇ!!!(バッ)」
 >ザクッ!!
イャンガルルガ 「グアアアア!!!」
少女 「ガルルガさん! ガルルガさん!!!」
イャンガルルガ 「(ドクドク)な……何だこのモンスター……強ェ…………」
デュラガウア 「(ヘラヘラ)何だァその人間? 話せるのか、俺達の言葉……」
デュラガウア 「……お前、モンスターのくせに人間なんて飼ってんのか?」
デュラガウア 「(ニマァ)………………それブッ壊せば、少しは本気が出るか?」

88: 2011/02/13(日) 18:06:43.75 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「何ィ?」
デュラガウア 「叩いてェ……すりつぶしてェ……土に混ぜてェ……」
デュラガウア 「その上にションベンでもしてやれば、本気が出てくるかって聞いてんだよ!!!」
少女 「………………」
少女 「こ……この人…………怖い…………(ガクガク)」
イャンガルルガ 「おかしいぞ……妙に生気を感じねぇ……」
デュラガウア 「なぁ!? 本気中の本気でかかってこいよ!!! じゃなけりゃ面白くねぇだろ!? そうだろォ!?」
デュラガウア 「シャアアアアア!!!(シュバ!! シュバ!!!!)」

90: 2011/02/13(日) 18:07:36.33 ID:pYxAGNBY0
 >ザンッ! ザンッ!!
イャンガルルガ 「グゥゥゥゥゥゥ!!!!」
少女 「ガルルガさん!! 私の盾になって……」
イャンガルルガ 「いいか、一、二の三で氷を飛び越して、巣に入れ。分かったか!?」
少女 「そんな……でも、ガルルガさんが!!!」
イャンガルルガ 「ぐちゃぐちゃ抜かすな!! てめえがいると邪魔なんだよ!!!」
デュラガウア 「何だ……期待はずれか」
デュラガウア 「もう氏んでいいよ。鳥」
 >シュッ!!!
 >ドスッ!!!!!

91: 2011/02/13(日) 18:08:28.13 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「カ……ガ……………………」
少女 「嫌ぁああ!!」
イャンガルルガ (少女は動けねえか……妙なプレッシャーがありやがるから仕方ねぇ……!!)
イャンガルルガ 「キエェエエエ!!!(ゴゥッ!!!)」
 >ボウゥゥゥゥゥ!!!!
デュラガウア 「!!!(ジュッ!)」
デュラガウア 「面白くなってきたな!! ヒャハ!! そうだよ、それでいいんだよ!!!」
デュラガウア 「でも俺はこっちの人間を殺そうーっと!!!」
少女 「!!!」

92: 2011/02/13(日) 18:09:20.21 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「(バッ)少女ー!!!」
デュラガウア 「チ……邪魔だよ、鳥(ヒュンヒュンヒュン)」
 >ザンッ! ザンッ! ザンッ!!!
イャンガルルガ 「ぐあああああああ!!!!」
少女 「やめてー!!! ガルルガさんが氏んじゃう!!!」
少女 「どうして!? どうしてこんな酷いこと……」
デュラガウア 「酷い? 俺はただ『狩り』をしてるだけだぜ!!!」
デュラガウア 「雑魚のなぁ!!!!(ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン)」
 >ザンッ!! ザンッ!!! ザンッ!!! ザンッ!!!! ザンッ!!!!!!
イャンガルルガ 「ガアアアアアア!!!!」

94: 2011/02/13(日) 18:10:11.93 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ (ふら……ふら…………)
イャンガルルガ (ドサリ)
少女 「ガルルガさん!!! そんな…………そんな!!!!」
デュラガウア 「さーて、それじゃ人間の方の調理から行きましょうかねぇ」
デュラガウア 「お前はそこで黙って、あの人間が潰されてくところを見てな(ガシッ)」
少女 「は……離して!!!」
イャンガルルガ 「しょ……少女…………」
デュラガウア 「ほーれまずは少しだけ力を混めまーす」
少女 「うあああああ!!」
イャンガルルガ 「少女――!!!!」

95: 2011/02/13(日) 18:11:57.07 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「畜生ガァ!!!(ドッ!!!)」
デュラガウア 「(ゴキャァ!!)……ッぐ………………」
デュラガウア 「雑魚がああああ!!!(ヒュンッ!!!)」
 >ドスッ
イャンガルルガ 「カ………………ア……………………」
少女 「ガルルガさ――」
デュラガウア 「おっと、そこでもうちょっと力を込めまーす」
少女 「ああああ!!!!」
イャンガルルガ 「ぐ……少女を……離しやがれ………………」

97: 2011/02/13(日) 18:12:58.14 ID:pYxAGNBY0
デュラガウア 「だーかーら、本気でかかってこいってさぁ」
デュラガウア 「つぶれちゃうよ? この人間(ギュ)」
少女 「痛い!! 痛いよ!!!! 助けてガルルガさん!!!!」
イャンガルルガ 「待ってろ、今降ろしてやる!!!(よろよろ)」
少女 「あああああ!!!」
イャンガルルガ 「ウオオオオオ!!!!!(ボゥゥゥゥゥゥゥ!!!!)」
デュラガウア 「!!!」
デュラガウア 「へぇ。やればできるじゃん。ここら一帯を炎の海にするなんてさぁ」

98: 2011/02/13(日) 18:13:52.10 ID:pYxAGNBY0
デュラガウア 「でも痛くも痒くもないんだなぁ(グゥゥゥ)」
少女 「きゃああああ!!!!」
イャンガルルガ 「はぁ……はぁ………………」
イャンガルルガ (くそ……俺はこんなに弱いのか!?)
イャンガルルガ (俺は…………こんなにも弱かったのか!?)
イャンガルルガ (少女を守れないくらいに!!!!)
デュラガウア 「さーて、お待ちかねのぶっ潰しタイムで~す。これをこうひねって、もうちょっと力を込めると……」
少女 「ガルルガさ――」

99: 2011/02/13(日) 18:14:43.90 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「ゴォォォォォォォオオ!!!」
 >ドスゥッ!!!
デュラガウア 「!!!!!!」
イャンガルルガ 「少女!!(バッ!!)」
 >ガシッ
イャンガルルガ 「少女、大丈夫か!?」
少女 「ガルルガ……さん…………?」
少女 「う……体が……痛いよ…………」

100: 2011/02/13(日) 18:15:34.93 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「何者だ? どうやってここまで入り込んだ!?」
デュラガウア 「……………………」
デュラガウア 「テオ・テスカトルかァ?」
テオ・テスカトル 「!!?」
テオ・テスカトル 「お前は……デュラガウア!!!!」
テオ・テスカトル 「何だ!? 別種か!?」
デュラガウア 「いいーや違うね。お前の知ってるデュラガウアさんです~。お前のだいっ嫌いなデュラガウアさんで……」
デュラガウア 「(ニマァァリ)ごめんなさいねぇー(ニタニタ)」

102: 2011/02/13(日) 18:16:26.36 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「何だと……?」
テオ・テスカトル 「デュラガウアは確かに氏んだはずだ……」
テオ・テスカトル 「また砦ドラゴンが見せている幻影か!?」
デュラガウア 「幻影? 幻影だと思うならこれを受けてみな!!(ヒュゥゥゥゥゥゥ)」
 >ゴゥッッッ!!!!!
テオ・テスカトル 「くっ……吹雪か!!! ならば!!!(ゴォォォォォォォオオオ!!!!)」
デュラガウア 「炎か!! ヒャァ! さすが本場の古龍は違うぜ!!! シビれるなぁ!!!」
デュラガウア 「俺!!! お前、食べたいなぁああああああ!!!!!」

103: 2011/02/13(日) 18:17:20.17 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「ガルルガ君、少女を連れて、巣の中に退避するんだ、早く!!!」
イャンガルルガ 「ふっざけんな……俺はまだ……戦え…………」
テオ・テスカトル 「少女を守れるのは君だけだ、逃げろ!!!!」
デュラガウア 「なぁによそ見してるんですかァ~~!?」
 >ドドドドドドド
 >ガンッ!!!
テオ・テスカトル 「……ッ!!!」
デュラガウア 「ヒェハハ!! 頭固ェ!!! 強いナァ!! 相変わらず!!」
デュラガウア 「食べたいナァア!!!!」

104: 2011/02/13(日) 18:18:11.40 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「こいつはかなり強力なモンスターだ! 少女の治療を、早く!!」
イャンガルルガ 「………………チッ!!!」
イャンガルルガ 「分かったよ!!(バッ)」
少女 「う……うう………………」
イャンガルルガ 「!!!」
 >ビュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
 >ドドドドドドドッ!!!
イャンガルルガ 「ギャアアアアアア!!!!!」
 >ドサッ………………
少女 「う…………うう……」
テオ・テスカトル 「少女!!! ガルルガ君!!!」

105: 2011/02/13(日) 18:19:05.89 ID:pYxAGNBY0
ドラギュロス 「(バサッ、バサッ)どこ、お前ら、逃げようとしてる?」
ドラギュロス 「お前ら、血、全部置いていく」
ドラギュロス 「俺達、朝飯、まだ食べてない」
ドラギュロス 「飲ませろ。食わせろ」
イャンガルルガ 「…………グ…………もう一匹いたのか…………」
イャンガルルガ 「やらせるかよォ!!!(ボゥッ!! ボウッ!!)」
ドラギュロス 「(ヒュン、ヒュン)遅い、す、凄く遅い」
ドラギュロス 「お前、弱い」
 >ドドドドドドドドド
イャンガルルガ 「ウガアアアアアア!!!!」

106: 2011/02/13(日) 18:19:56.20 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「もう一匹だと!? どうやってこの森の奥深くまで……」
デュラガウア 「よそ見してる暇あるんですかァ~~~??」
 >ヒュンヒュンヒュン
テオ・テスカトル 「(ガンッ! ガンッ! ガンッ!!)グ…………」
テオ・テスカトル 「何故貴様が生きている!? あの時確かに――」
デュラガウア 「イィヒヒヒ!! 聞こえねぇなああ!!」
テオ・テスカトル 「良かろう! ならばその躯に聞くしかあるまい!!(ドッ!!!)」
デュラガウア 「いいねぇいいねぇ!! かかって来いよ!!! もっと、もっとォ!!!!」

107: 2011/02/13(日) 18:20:46.87 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「………………ガ………………」
ドラギュロス 「弱い。雑魚。すごく、ムカつく」
ドラギュロス 「判決、氏刑。お前、氏刑」
イャンガルルガ 「俺は………………」
イャンガルルガ 「俺は弱くねぇ…………」
イャンガルルガ 「俺は!! 弱くねぇ!!!!」
 >ギンッ!!
イャンガルルガ 「(ゴゥッツ!!)氏ねえええ!!!」
ドラギュロス 「!!!(ボンッ!!!)」
ドラギュロス 「ギャアアア!!!」

108: 2011/02/13(日) 18:21:39.21 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ (至近距離から炎を叩き込んでやった!!!)
イャンガルルガ (これで、ひとたまりも…………)
ドラギュロス 「……………………」
イャンガルルガ 「!!!!?」
イャンガルルガ (何だ!? 顔の肉がはがれて……骨が見えても、平然としてやがる…………)
イャンガルルガ (何が起こってる!?)
ドラギュロス 「氏ぬのは、お前(ギリギリギリ)」
イャンガルルガ 「グゥォオオオオ!!!! 離せぇえええ!!!!」

109: 2011/02/13(日) 18:22:30.00 ID:pYxAGNBY0
ナナ・テスカトリ 「ゴォッォォォォォォ!!!!」
ドラギュロス 「!!!!(サッ)」
イャンガルルガ (ドサッ)
イャンガルルガ 「グ…………うう…………」
ナナ・テスカトリ 「ガルルガ君! あなた!!!」
テオ・テスカトル 「(ギンッ! ギンッ!!)ナナ! 少女とガルルガ君を連れて退避するんだ!!」
テオ・テスカトル 「デュラガウアだ!!!!」
ナナ・テスカトリ 「何ですって!?」

110: 2011/02/13(日) 18:23:25.27 ID:pYxAGNBY0
デュラガウア 「アァァア~~~~!!!! 奥さん見ぃぃぃっけ!!!!」
デュラガウア 「見てるゥゥ!? 奥さん、俺だよ俺ェェ!!!」
ナナ・テスカトリ 「そ……そんな…………」
ナナ・テスカトリ 「デュラガウア…………!!!!」
イャンガルルガ 「ウオオオ!!(ゴウッ!!)」
 >ドンッ!!!
ドラギュロス 「!!!!!」
ナナ・テスカトリ 「………………!!」
イャンガルルガ 「せ、先生……少女を…………!!!!」

111: 2011/02/13(日) 18:24:16.66 ID:pYxAGNBY0
少女 「う…………うう………………」
ナナ・テスカトリ 「うっ……酷い怪我……!!! デュラガウアにやられたの!?」
ドラギュロス 「モンスター……増えた。問題、ない…………」
ドラギュロス 「全部……朝飯にする…………!!」
ナルガクルガ 「シャァ!!!」
 >ズバッ!!!
ドラギュロス 「!!!!!」
イャンガルルガ 「ビッグボス!!!」

112: 2011/02/13(日) 18:25:51.73 ID:pYxAGNBY0
ナルガクルガ 「何事だ!? 見たことがないモンスターがいるが……」
紫ガミザミ 「ナルガ、どうしたのじゃ!?」
ナルガクルガ 「来るな! 巣に入っていろ!!!!」
ドラギュロス 「キキ……ナルガクルガか…………」
ドラギュロス 「面白い、実に面白い…………」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃん…………」
ナナ・テスカトリ (これ以上少女ちゃんに血を与えたら、何が起こるか…………)
ナナ・テスカトリ (でも、この傷は…………!!!)

113: 2011/02/13(日) 18:26:47.14 ID:pYxAGNBY0
ナナ・テスカトリ (ガブッ!!)
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃん、早くこの血を飲んで!!!」
少女 「(ポタ……ポタ……)う……うう…………」
ナナ・テスカトリ 「ガルルガ君も!!」
イャンガルルガ 「あ……ありがてぇ…………」
少女 「(ハッ)…………ガルルガさん!!!!」
イャンガルルガ 「ッハ………………うう……クラクラするぜ………………」

114: 2011/02/13(日) 18:27:38.01 ID:pYxAGNBY0
イャンクック 「少女!! う!! 一面火の海だ!!」
キリン 「消火しないと、樹海が焼けてしまいますわ!!」
テオ・テスカトル 「気をつけろ! この二匹は手ごわいぞ!!」
ナルガクルガ 「何だ……? 痛みを感じていないのか!?」
ドラギュロス 「キキ…………!!」
ナルガクルガ 「それなら……これならどうだ!!」
 >ヒュンッ!!!
ドラギュロス 「!!! (ズバッ!!!)」
ナルガクルガ 「落下させるか!!!!(ヒュンヒュンヒュンヒュン)」
ドラギュロス 「グアアアアア!!!!!(ズバッ! ズバッ! ズバッ! ズバッ!!!)」

115: 2011/02/13(日) 18:28:40.84 ID:pYxAGNBY0
ドラギュロス 「(ドサッ)………………?」
ジンオウガ妻 「…………」
仔ジンオウガ 「…………」
ドラギュロス 「キキ……見つけた! ジンオウガ……!!!」
ドラギュロス 「キィィィィィィィィィィィ!!!!!!」
ジンオウガ妻 「!!!!」
ナルガクルガ 「やかましい奴め!!!(ドシュッ!!)」
ドラギュロス 「ギャア!! ア…………アア………………(ドサッ)」
ナルガクルガ 「! 何だ……? そんなに強くやった覚えはないが…………」
ドラギュロス 「………………」

116: 2011/02/13(日) 18:29:31.06 ID:pYxAGNBY0
デュラガウア 「おいおい何氏んでるんよドラギュロスさんよぉぉぉ~~」
デュラガウア 「しかしジンオウガがこんなところにもいるとはな!!!」
デュラガウア 「兄貴が喜ぶぜ!!」
テオ・テスカトル 「ジンオウガ殿達を狙ってか!」
デュラガウア 「いいや違うね! 言ったろ? 挨拶代わりだってなぁああ!!(ギュンギュン)」
テオ・テスカトル 「!!!(ガキィィンッ! ガキィィィンッ!!!)」
 >ギャォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
 >ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ
テオ・テスカトル 「!!!!!?」
ナナ・テスカトリ 「!!!!!!」

117: 2011/02/13(日) 18:30:26.33 ID:pYxAGNBY0
イャンクック 「な……何だ、あの咆哮は……」
キリン 「聞いたことのない吼え声です!!!」
ジンオウガ妻 「あれは……ティガレックス亜種!!!」
ジンオウガ妻 「私達を、追ってきたんだわ!!!!」
ティガレックス兄 「何だァ……?(ヌッ)」
ティガレックス弟 「何か聞こえたぜ(ヌッ)」
 >ズゥゥン…………ズゥゥン………………

119: 2011/02/13(日) 18:31:16.97 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス兄 「…………?」
ティガレックス弟 「…………?」
 >ズゥン………………
ティガレックス亜種 「…………………………」
ティガレックス亜種 「(コキ……コキ……)」
ティガレックス亜種 「ブフゥ~~………………」
ティガレックス兄 「…………ヤんのかコラァ? 弟者と同じ顔しやがって……」
ティガレックス弟 「…………ナメんなよ……兄者と同じ顔しやがって……」
ティガレックス兄&弟 「「まぎらわしいんだよ!!!!!」」

120: 2011/02/13(日) 18:32:15.08 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「坊や、私の後ろに隠れて……!! あなた方も下がってください!!」
ティガレックス亜種 「………………」
イャンクック (何だ……? 黒いティガレックス……それに凄まじい大きさだが……)
イャンクック (気配も何もなかった……どこから現れた……?)
イャンクック (それに、妙に生気を感じない顔をしているが……)
ティガレックス兄 「あ~ぁ~、何かイラつくなぁ、その顔……」
ティガレックス弟 「兄者と同じ顔なんてイラつくぜぇ……」
 >ズン、ズン

123: 2011/02/13(日) 18:33:11.40 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス亜種 「…………ここにもティガレックスがいたのか…………ケケ………………」
ティガレックス兄 「あぁ!? 何とか言ったらどうなんだコラァ!!!」
ティガレックス弟 「トサカにくるぜてめぇのその雰囲気よぉぉぉ!!!」
ティガレックス兄 「やっちまえ弟者!!」
ティガレックス弟 「マジか!? 兄者、そりゃ半端ねぇぜ!!!」
ティガレックス亜種 「ゴォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
 >ビリビリビリビリビリビリビリビリ
ジンオウガ妻 「…………くっ…………」
仔ジンオウガ (ブルブル)

125: 2011/02/13(日) 18:34:07.42 ID:pYxAGNBY0
>>122
4話目です

127: 2011/02/13(日) 18:35:01.15 ID:pYxAGNBY0
イャンクック 「いかん! 何か危険な雰囲気だ!! 下がるんだティガ君達!!!」
キリン 「助太刀します!!(バッ)」
ティガレックス兄 「ヤっちまっていいのか? おい、ヤっちまっていいのかこれ!?」
ティガレックス弟 「ヤっちまおうぜ! きっと敵だこいつ、ヤるぞ!!!!」
ティガレックス亜種 (ニタニタ)
ティガレックス亜種 「あぁ? 坊や達、ひょっとしてビビってんのかなァ?」
ティガレックス兄 (カチン)
ティガレックス弟 (カチン)
ティガレックス兄&弟 「「ギャオォォォォオオオオオオ!!!!(ズシンズシンズシンズシンズシン)」」

131: 2011/02/13(日) 18:35:52.29 ID:pYxAGNBY0
キリン 「きゃぁ!! お二人とも、待って!!」
ティガレックス亜種 「ガァ!!!!(ドンッ!!)」
ティガレックス弟 「グッ…………!!!」
ティガレックス兄 「ガァ……!!」
ティガレックス兄 「何だこいつ!? 強ェぞ!!!」
ティガレックス弟 「兄者と同じ顔してるくせによぉぉぉぉぉ!!!!」
ティガレックス兄 「てんめぇ弟者と同じ顔しくさってナメてんのかオラァアアア!!!!」
ティガレックス亜種 (ニタニタ)

133: 2011/02/13(日) 18:37:06.41 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「ティガ君達……!!!」
デュラガウア 「おっと、兄貴の邪魔はさせねぇよ(ヒュンッ!!!)」
テオ・テスカトル 「!!!!(ガッ)」
デュラガウア 「お前にはここで、俺達の仲間になってもらおうか!!!」
テオ・テスカトル 「貴様らは何者だ!? 何が目的だ!!!」
デュラガウア 「お前の良く知ってるデュラガウアさんですよ~。忘れちまったのかい?」
テオ・テスカトル 「悪魔の使いか!! ならばこちらにも考えがある!!!」

136: 2011/02/13(日) 18:37:57.96 ID:pYxAGNBY0
ナルガクルガ 「……何だったんだこいつは……」
ドラギュロス 「………………」
紫ガミザミ 「危ない! ナルガ!!!」
ドラギュロス 「(グググ)………………」
ドラギュロス 「氏ね」
ナルガクルガ 「!!!」
 >ザンッ!!
ナルガクルガ 「グッ……(バッ)」
ナルガクルガ 「何ィ? 顔の骨がむき出しになってるのに、まだ生きているのか!?」

138: 2011/02/13(日) 18:38:50.61 ID:pYxAGNBY0
ドラギュロス 「痛ェ…………すげぇ痛ェよ………………」
ドラギュロス 「ヒィッヘヘヘヘ!! 痛いよぉぉぉ!!!」
ナルガクルガ (何だこの怖気は……)
ナルガクルガ (このモンスターは、異常だ!!!)
ナルガクルガ 「紫、絶対に巣から出るな!!」
紫ガミザミ 「ナルガ、集中せよ、避けるのじゃ!!」
ドラギュロス 「シャァ!!!(シュバッ)」
ナルガクルガ 「(サッ)…………フン! ならば、何度でも頃すまでよ!!!」

140: 2011/02/13(日) 18:39:42.48 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス亜種 「ケケケ……ジンオウガよ……こんなところにいやがったんだな……」
ティガレックス亜種 「あながち『あのお方』の言うことも間違っちゃいねぇな……」
ジンオウガ妻 「あのお方……?」
ジンオウガ妻 「どういうこと? 何故貴様までもがここに……」
ティガレックス亜種 「氏んだぜ」
ジンオウガ妻 「!!」
ティガレックス亜種 「ドロドロに溶けてよぉ。氏んだぜ?」
ティガレックス亜種 「氏んだよ」
ティガレックス亜種 「お前の旦那」

142: 2011/02/13(日) 18:40:41.25 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「!!!!!」
ティガレックス亜種 「ヒャハ!!! ヒャハハハハハハハハハハハハ!!!!」
ティガレックス亜種 「そうだその顔だ! その顔を見たかったんだよ!!!」
ティガレックス亜種 「『あのお方』に、ここまで『飛ばして』もらった甲斐があるってもんだ!!!!」
ティガレックス兄 「てめぇ何余所見してやがる!!!」
ティガレックス弟 「ナメんなよコラァアアア!!!」
ティガレックス亜種 「まァ待て。俺はお前らには用はねえ」
ティガレックス兄 「あァ!?」
ティガレックス弟 「ンだとォ!?」
キリン 「お二人とも、下がった方が良いです!!(スタッ)」

145: 2011/02/13(日) 18:41:34.29 ID:pYxAGNBY0
キリン 「異様な雰囲気を感じます。普通のモンスターではありません!!!」
ティガレックス亜種 「何だてめぇ? 目障りだな……」
ジンオウガ妻 「夫が……夫が氏んだって……」
ジンオウガ妻 「(バリ……バリ………………)どういう意味だ!!!!!」
ティガレックス亜種 「(ニヤァ)そういう意味だよ」
ジンオウガ妻 「!!! ウォォォォォォォォオオオオオオ――ンッ!!!!!!!!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「(バリ……バリ…………)どういうことか、詳しく吐いてもらう……」
ティガレックス亜種 「ヒャハ! 面白ェ。面白ェが、お前じゃ無理だ」
ティガレックス亜種 「ゴォォォッォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
 >ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

147: 2011/02/13(日) 18:42:27.38 ID:pYxAGNBY0
イャンクック 「な……何という叫び声だ……!!!」
イャンクック 「巣が崩れる!!!!」
紫ガミザミ 「巣どころか、大地が揺れておるぞ!!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「(シュバッ!!!)貴様は生かしてはおけない!! 絶対に頃す!!」
ティガレックス亜種 「やってみろよ。やれるもんならなアァ!!!!(シュンッ!)」
ティガレックス亜種 「喰らえやァァァ!!!」
 >ザンッ!!!
ジンオウガ妻(超帯電) 「グアァアア!!!」
イャンクック 「ジンオウガ殿!!!」
 >ドッシャァアアア!!!
ジンオウガ妻(超帯電) 「…………グ…………ウウ…………」

149: 2011/02/13(日) 18:43:21.86 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス亜種 「おいおい、一撃でそのザマかァ? いくらなんでももうちょっと楽しませてくれよォ」
ジンオウガ妻(超帯電) 「ナメるなァア!!!」
ティガレックス兄 「下がってろおばさん!」
ティガレックス弟 「俺らに任せろ。こいつムカつくぜ!!!」
ティガレックス兄 「行くぜ弟者!!」
ティガレックス弟 「おう!!! やっとやる気になったか!!!」
ティガレックス亜種 「………………」
ティガレックス亜種 「(シュバッ! シュバッ!)…………ゴォゥ!!!」
ティガレックス兄 「(ガッ!!!)」
ティガレックス弟 「(ガッ!!!)」

151: 2011/02/13(日) 18:44:14.71 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス亜種 「へぇ。俺の攻撃を受け止めるとはね……」
キリン 「ティガさん達だけではないですよ(バッ)」
 >チュッドォォォ――ンッ!!!!!
ティガレックス亜種 「ガ………………カ………………」
ティガレックス亜種 「(プスプス)雷……か……」
キリン 「ここから立ち去りなさい!! さむなくばもう一撃雷を落とし……」
ティガレックス亜種 「ガァ!!!(ドォォンッ!!!)」
キリン 「(ドゴォッ!!)きゃぁあああ!!!」
イャンクック 「キリンちゃんー!!!!」

153: 2011/02/13(日) 18:45:11.92 ID:pYxAGNBY0
 >ドスッ
ナルガクルガ 「………………」
ドラギュロス 「………………」
ドラギュロス (ガクリ)
ナルガクルガ 「ハァ……ハァ………………」
 >ドサリ
ナルガクルガ 「何だったんだ……こいつは…………」
ナルガクルガ 「それにあのモンスターたちは…………」
ナルガクルガ 「…………うっ!!!」

155: 2011/02/13(日) 18:46:04.33 ID:pYxAGNBY0
 >シュゥゥゥゥゥゥ
ナルガクルガ (今倒したモンスターが、土くれに変わっていく……!!!)
ナルガクルガ (何の呪術だ!?)
ナルガクルガ (俺は今まで、土くれと戦っていたのか!?)
ナルガクルガ (!! まさか……)
ナルガクルガ (まさか、あの時感じた怖気の正体は……!!!)

158: 2011/02/13(日) 18:47:07.63 ID:pYxAGNBY0
テオ・テスカトル 「シャアア!!!(ゴゥゥゥゥゥ!!!!)」
デュラガウア 「!!!(ボッ!!!)」
デュラガウア 「チィ! 避けきれねぇ……!!!」
テオ・テスカトル 「喰らえ!!!(ガブッ!!!!)」
デュラガウア 「!!!!!!」
デュラガウア 「ギャアアアアアアア!!!!!」
テオ・テスカトル 「答えろ! お前は何者だ!!! 何故デュラガウアのことを知っている!?」
テオ・テスカトル 「あ奴は確かに氏んだはず……私が頃したはずだ!!!!」

160: 2011/02/13(日) 18:48:01.73 ID:pYxAGNBY0
デュラガウア 「ケケ…………ヘヘヘ………………」
デュラガウア 「ナァ~、地獄って信じますかァ?」
テオ・テスカトル 「!!」
デュラガウア 「魂って信じますかァ?」
テオ・テスカトル 「まさか…………!!!」
デュラガウア 「ウキャキャキャ!!! 俺は氏なねぇ!! 絶対に氏なねえ!!!」
デュラガウア 「テオ・テスカトル!! お前をまた頃しに来るぜ!!!」
テオ・テスカトル 「強がりを……!!!(ゴゥッ!!!!!)」
 >ボウッ!!!!!!!

162: 2011/02/13(日) 18:48:52.52 ID:pYxAGNBY0
デュラガウア 「ギャアアアアア…………ア………………(ボロ………………)」
 >ボロボロボロボロ
テオ・テスカトル 「何だ!?」
テオ・テスカトル (土……!? デュラガウアの体が、土に変わっていく……!!!)
テオ・テスカトル 「答えろ!!! 何者だ!!!!!!」
デュラガウア 「ヘヘ……俺は俺さ………………」
デュラガウア 「俺は……………………(ボロッ)」
デュラガウア 「…………………………(サラサラサラサラ)」
テオ・テスカトル 「………………」

164: 2011/02/13(日) 18:49:46.49 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス兄 「……ガァ!!!(ドォォンッ!!!)」
ティガレックス弟 「……ッガアア!!!(ドォンッ!!!)」
キリン 「きゃぁああああ!!!(ドォン!!!)」
ティガレックス亜種 「(コキ……コキ…………)」
ティガレックス亜種 「(ニタニタ)おいおい、何氏んどるんだお前ら~~~~……」
ティガレックス兄 「チィ…………こいつ半端ねぇぞ…………」
ティガレックス弟 「ヤベェな……何だこの半端なさ……」

166: 2011/02/13(日) 18:50:36.94 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻(超帯電) 「グ…………奴は、私がこの手で…………」
ティガレックス亜種 「来いよォ。早く来いよォ。頃してやるからさ!」
ティガレックス亜種 「旦那のようになぁ!!!」
ジンオウガ妻(超帯電) 「!!!!!! シャアアアア!!!!!(バッ)」
ティガレックス亜種 「(ニマァ)」
イャンクック 「いけない! ジンオウガ殿!!!」
少女 「ジンオウガさん――!!!!」
ティガレックス亜種 「(スッ)」
ジンオウガ妻(超帯電) (スカッ)
ジンオウガ妻(超帯電) 「!? 土の中に溶けるように消えた!?」

168: 2011/02/13(日) 18:51:29.37 ID:pYxAGNBY0
ナナ・テスカトリ 「ジンオウガさん、後ろです!!!」
 >ズズズズズズ
イャンクック (つ……土が競りあがって、ティガレックスの形に…………)
ティガレックス兄 「はぁ!? 何だァ!!!」
ティガレックス弟 「おばさん、逃げろ!!!」
 >ドォォォォォンッ!!!!
ジンオウガ妻 「グアアアアア!!!!!」
ティガレックス亜種 「(ニタニタ)ケケケ………………」
仔ジンオウガ 「(ビクッ)」

170: 2011/02/13(日) 18:52:21.16 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「い…………いけ……ない、坊や………………逃げて!!!!」
仔ジンオウガ (バッ)
ナナ・テスカトリ 「ダメよ! こっちに来て!!!!」
ティガレックス亜種 「(ドドドドドドド)ヒャハハハ逃げろ!!! 逃げてもっと楽しませろ!!!!」
テオ・テスカトル 「いかん!!!(バッ)」
ナルガクルガ 「(シュバッ)」
ティガレックス兄 「ンなろォォォ!!!!(ドドドド)」
ティガレックス弟 「しゃらあああ!!!(ドドドド)」
キリン 「逃げてー!!!!」

173: 2011/02/13(日) 18:53:21.54 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 (シュバッ!!!!)
 >ドスッ!!!!!
 >ドドドドドドドドドドドドドド
ジンオウガ妻 「カ………………ア……………………」
仔ジンオウガ 「……………………!!!!!!」
テオ・テスカトル (黒いティガレックスの腕が……ジンオウガ殿の体に突き刺さった……!!!!)
ティガレックス兄 「畜生が!! 倒れろォォ!!!(ドドド!!)」
ティガレックス弟 「くたばれあああ!!!(ドドド!!!)」

175: 2011/02/13(日) 18:54:13.76 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス亜種 「ケケ………………ジンオウガ二匹目ェ………………」
ティガレックス亜種 「二匹………………(ギ口リ)」
仔ジンオウガ (ビクッ)
ティガレックス亜種 「次は……お前だ…………(ボロボロボロ)」
テオ・テスカトル (黒いティガレックスが、土くれに変わっていく…………)
 >サラサラサラサラ………………
ティガレックス兄 「ア……あぁ!? ペッ! ペッ!! 土ィ!?」
ティガレックス弟 「ペペ!! ペッ!!!」

177: 2011/02/13(日) 18:55:05.57 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 (グラリ…………)
 >ドサッ
少女 「ジンオウガさん!!!!!(ダダッ!!!)」
ジンオウガ妻 「………………カ…………ア………………」
少女 「ジンオウガさん、待ってて! 今、いにしえの秘薬をつけてあげるから……」
テオ・テスカトル 「…………うっ……これは…………」
ナナ・テスカトリ 「…………!!!」
少女 「テオ先生、ナナ先生、早く血をあげて!!!」
テオ・テスカトル 「………………(カブリ)………………(ポタポタ)」

179: 2011/02/13(日) 18:56:02.29 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「……………………」
少女 「!! どうして治らないの!?(バシャッ!!)」
ジンオウガ妻 「はぁ……はぁ…………」
テオ・テスカトル 「少女……古龍の血とは、万能薬ではない……」
テオ・テスカトル 「生命力を活発にさせる力を持つだけなのだ」
テオ・テスカトル 「活発にさせて、治る範囲の怪我だったら良いが……」
少女 「そんなの……そんなの酷いよ!!!」
少女 「テオ先生は凄いんでしょう!? だったら助けてあげられるはずだよ!!」
テオ・テスカトル 「………………」

181: 2011/02/13(日) 18:56:54.55 ID:pYxAGNBY0
少女 「ナナ先生!!」
ナナ・テスカトリ 「少女ちゃん……残念ですが、この傷では……」
ジンオウガ妻 「はぁ……はぁ……」
少女 「……………………」
少女 「そんな………………」
少女 「いにしえの秘薬も効かない…………」
少女 「………………どうして!? 何も出来ないの!!?」
イャンクック 「少女、落ち着くんだ」
少女 「………………おじさん………………」

183: 2011/02/13(日) 18:57:46.88 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「………………」
ジンオウガ妻 「坊や……こっちに…………」
仔ジンオウガ 「キュゥゥーン………………」
少女 「ジンオウガさん!!」
ジンオウガ妻 「皆さん……ありがとうございます……」
ジンオウガ妻 「しかし……私はもう、駄目なようです……」
少女 「そんな……そんなこといわないで! 頑張って!!」

185: 2011/02/13(日) 18:58:46.52 ID:pYxAGNBY0
ジンオウガ妻 「貴女は人間なのに優しいのですね……」
ジンオウガ妻 「けれど、貴女にももはやどうしようもない……これは、私達の天命なのでしょう……」
少女 「ジンオウガさん…………」
ジンオウガ妻 「坊やに……渡したいものがあるのです……」
仔ジンオウガ 「!!」
ジンオウガ妻 「本当なら…………もっと成長してから渡したかった…………(キラッ……)」
キリン 「あれは……」
ジンオウガ妻 「私達の記憶と知識……全ての心が詰まった、この碧玉を…………」
ジンオウガ妻 「お前に………………」

187: 2011/02/13(日) 18:59:46.10 ID:pYxAGNBY0
仔ジンオウガ 「…………キュゥゥゥ…………(パシッ)」
仔ジンオウガ (ビクンッ!!!)
ジンオウガ妻 「強く……誰よりも強く生きるのですよ…………」
ジンオウガ妻 「強く……………………」
ジンオウガ妻 「……………………」
仔ジンオウガ 「………………」
仔ジンオウガ 「か……か………………」
仔ジンオウガ 「かあさん…………!!!!」

190: 2011/02/13(日) 19:00:37.31 ID:pYxAGNBY0
仔ジンオウガ 「か………………」
仔ジンオウガ 「………………かあさ…………ん………………?」
ジンオウガ妻 「……………………」
 >ポツッ……ポツッ…………
イャンクック (逝ってしまった………………)
イャンクック (雨………………)
イャンクック (これで、燃えている木々も消火されるが…………)
イャンクック (あのモンスター達は……一体…………)

192: 2011/02/13(日) 19:01:34.35 ID:pYxAGNBY0
―樹海、入り口―

モンジロウ 「はぁ……はぁ……はぁ…………」
モンジロウ 「ぜぇ…………ぜぇ…………」
モンジロウ 「やっと……ついた……ニャ……………………」
モンジロウ 「!! あれは…………」

テオ・テスカトル 「……………………」
ナナ・テスカトリ 「……………………」
 >ゴッシュ、ゴッシュ
ジンオウガ妻(亡骸) 「……………………」

モンジロウ (あれは……テオ・テスカトルに、ナナ・テスカトリ!! それに、ジンオウガ!!)
モンジロウ (ジンオウガを埋めてるニャ!! 何があったんだニャ!?)

194: 2011/02/13(日) 19:02:28.00 ID:pYxAGNBY0
仔ジンオウガ 「………………かあさん………………」
少女 「(ひっく……ひっく……)…………」
イャンクック 「少女、もう泣くんじゃない……」
キリン 「少女ちゃん……」
ティガレックス兄 「ケェ…………胸くそ悪ィ………………」
ティガレックス弟 「本当だぜ……何だこの胸くその悪さ…………」
ナルガクルガ 「………………」
紫ガミザミ 「いい気分はしないのぉ…………」

イャンガルルガ 「……………………」
イャンガルルガ (ジンオウガか……)
イャンガルルガ (今回は……俺は、少女を守れなかった……)
イャンガルルガ (テオ先生が来なければ、少女は氏んでいた……)
イャンガルルガ (俺の……俺がいながら………………!!!)
イャンガルルガ (チィ…………!!!!!)

196: 2011/02/13(日) 19:03:20.26 ID:pYxAGNBY0
モンジロウ (テオ・テスカトルとナナ・テスカトリはうわさに聞いただけだけど、多分アレに間違いないニャ!)
モンジロウ (…………)
モンジロウ (ええい! あたって砕けろニャ!!)
モンジロウ 「…………あ……あの~、ちょっとお尋ねしたいんですがね」
テオ・テスカトル 「何者だ!?(ゴゥッ!!)」
モンジロウ 「ひぃぃぃ!!!」
ナナ・テスカトリ 「あなたさま、落ち着いてくださいまし。猫ですわ」
モンジロウ 「あ……あっしは流れの運び屋をやってるモンジロウっつぅしがねぇ猫ですニャ」
モンジロウ 「ここに、モンスターと話が出来る人間がいるって聞いて、駆けつけたんでやんすニャ」

198: 2011/02/13(日) 19:04:03.54 ID:pYxAGNBY0
モンジロウ 「……というより、一体何があったんでぇ?」
少女 「それって……もしかして私のことかな……?」
モンジロウ 「!! 本当にモンスターの言葉をしゃべってらっしゃいやがるニャ!!」
イャンクック 「何だ……? 風変わりな猫だな……」
モンジロウ 「助けておくんなましニャ。あんたの友達が、救援を呼んでるニャ!!」
少女 「お友達……?」
少女 「ハンマーさんのこと!?(ググ……)」
モンジロウ 「た……多分そうだと思いますニャ……首を絞めねぇでくんなましニャ………………」

200: 2011/02/13(日) 19:04:48.98 ID:pYxAGNBY0
―数時間後、樹海の入り口<夜>―

ハンマー 「……凄まじい顔ぶれだな。一体何があった?」
テオ・テスカトル 「グルルルルル……」
ナナ・テスカトリ 「グルルルル…………」
ティガレックス兄 「…………」
ティガレックス弟 「…………」
イャンガルルガ 「ガルル…………」
イャンクック 「…………」
キリン 「…………」
仔ジンオウガ 「………………グルルル…………」
ナルガクルガ 「………………」
紫ガミザミ 「………………」

202: 2011/02/13(日) 19:05:33.06 ID:pYxAGNBY0
少女 「うん…………それは後で話すよ。それより、怪我をしてるっていう猫ちゃんを見せて」
太刀 「少女ちゃん、お久しぶり! って……すごいところにあたしらいるわね……相変わらず素晴らしい取り巻きの皆さんね……」
太刀 「これ、戦ったら間違いなく嬲り頃しね……」
少女 「太刀さん、久しぶり! 大丈夫だよ。みんなそんなことしないよ」
弓 「………………」
少女 「? はじめまして!」
弓 「…………本当に……モンスターを手なずけている…………」
少女 「……手なずけて?」
ハンマー 「紹介するよ。こっちは弓。ユクモ村からきたハンターだ」

205: 2011/02/13(日) 19:06:28.15 ID:pYxAGNBY0
ハンマー 「取り急ぎ頼みたい。この猫に、古龍の血を与えてやってくれないか?」
少女 「う……酷い怪我…………」
小鉄 「……………………」
少女 (助けてあげたい……)
ハンマー 「俺の親友のようなものだ。戦いの中で、モンスターにやられてしまった」
少女 「うん、頼んでみるね!」
弓 「!?」
少女 「……………………」
弓 (何を話しているのか分からないが……本当に、モンスターとしゃべっているのだろうか……?)

207: 2011/02/13(日) 19:07:18.33 ID:pYxAGNBY0
少女 「テオ先生、この猫さんを助けて欲しいんだって」
テオ・テスカトル 「………………その義理はないが………………」
ナナ・テスカトリ 「あなたさま……」
テオ・テスカトル 「うむ……先ほどの件もある。助けられる命は助けよう(ガブッ)」
テオ・テスカトル 「(ポタポタ)…………」
弓 (巨大なモンスターが……小鉄に血を与えてる!!!!)
弓 「小鉄!!!」
小鉄 「ん…………んニャ…………??」
小鉄 「旦那さん……?」
弓 「小鉄!!!(抱きっ!!)」
小鉄 「!!!?? 旦那さん、ど、どうしたニャ!?」

208: 2011/02/13(日) 19:08:03.39 ID:pYxAGNBY0
ハンマー 「(ほっ)…………礼を言う。炎帝」
テオ・テスカトル 「グルルルルル」
少女 「気にするなって言ってるよ」
ハンマー 「分かった。気にしないようにしよう。貸し借りはなしだ」
少女 「良かった……(ボロボロ)」
少女 「氏なないで…………」
ハンマー 「? お前、様子がおかしいぞ。大丈夫か?」
少女 「うん…………とりあえず私の家に行こう? そこで色々お話したいの」

210: 2011/02/13(日) 19:08:53.61 ID:pYxAGNBY0
ハンマー 「!!?」
小鉄 「ニャ!! ジンオウガだニャ!!!!!!!!」
仔ジンオウガ 「グル!?」
小鉄 「オイラのビッグブーメランを喰らうニャ!!(ガシャコン)」
ハンマー 「やめろ(ゴスッ)」
小鉄 「痛~~~ッ!!! 頭を叩くなニャ!! バカになったらどうするんだニャ!!」
ハンマー 「安心しろ。お前は既に世界一の馬鹿だ」
弓 「(サッ)…………」
弓 「小鉄を叩かないで……」
ハンマー 「……あ、ああ。悪かった」

213: 2011/02/13(日) 19:09:53.30 ID:pYxAGNBY0
ハンマー (あれはジンオウガ……?)
ハンマー (この地方にもジンオウガがいたのか……? 何だか見覚えがあるような気もするが…………)
ハンマー (渓流からここまで流されてきたのか……? いや、ありえん……)
ハンマー (後で、少女に聞いてみるとするか……)
少女 「ここは寒いよ。早く奥に行こう。みんなも戻るって言ってるよ」
弓 「……ハンマー。本当に信用していいの?」
ハンマー 「問題ない。この子の言うことは、全面的に俺が責任を持つ(ズン、ズン)」
小鉄 「あ、馬鹿ハンマー! 待つニャ! あのジンオウガを…………ってひぃ!! 何だニャこのモンスター軍は!!」
小鉄 「ティガレックスもいるニャー!!!!!!」

214: 2011/02/13(日) 19:10:55.10 ID:pYxAGNBY0
ティガレックス兄 「………………なんだ? うるせぇ猫だな?」
ティガレックス弟 「食っちまおうぜ、ヘヘッ」
小鉄 (ビクビクッ!!!)
仔ジンオウガ (……………………)
仔ジンオウガ (碧玉をうけとったとき、かあさんととおさんの意識が頭にながれこんできた……)
仔ジンオウガ (ボクの意識も、はっきりして……これは、成長したってことなのかな…………)
仔ジンオウガ (かあさん………………)
仔ジンオウガ (…………許せない…………)
仔ジンオウガ (黒いティガレックス……!!!!!!)

216: 2011/02/13(日) 19:11:37.68 ID:pYxAGNBY0
―樹海、イャンクックの巣<夜>―

小鉄 (状況が良くわかんねぇニャ)
小鉄 (旦那さんたちは、旅の疲れで寝ちまうしニャ…………)
小鉄 (良くこんなところで寝れるニャ……)
小鉄 (ゲシッ)
ハンマー 「グガァ…………グガァ…………」
太刀 「すぅ……すぅ…………」
弓 「くぅ…………くぅ………………」

220: 2011/02/13(日) 19:12:32.37 ID:pYxAGNBY0
小鉄 「…………ってゆうかうるさいニャ!! ティガレックスのいびき、パねぇニャ!!」
ティガレックス兄 「グガァアアアアアア!!!!! ゴォオオオオオオ!!!!」
ティガレックス弟 「ゴォオオオアアアアアア!!! ガアアアアアアアア!!!!」
小鉄 「こんなところで寝てはいられんニャ! 外で寝るニャ!!」
小鉄 (ゴソゴソ)
少女 「すぅ……すぅ…………」
小鉄 (この人間、モンスターと話してたニャ)
小鉄 (そのおかげでオイラは救われたのかニャ…………)
小鉄 (フンッ、変な人間……)

222: 2011/02/13(日) 19:13:22.46 ID:pYxAGNBY0
―樹海、イャンクックの巣の外<夜>―

小鉄 「酷ェ焼け野原ニャ……」
小鉄 (それにしても、話が本当なら、あの黒いティガレックスがここにも現われことになるニャ……)
小鉄 (ブルルッ)
小鉄 (あ、あれはお化けだったのかニャ…………)
小鉄 (そういえば、砂原で戦ったハプルボッカもおかしかったニャ…………)
小鉄 (うーん…………)

イャンガルルガ 「………………」
小鉄 「ひぃ!!!!」
イャンガルルガ 「何だ猫? うるせぇな……氏にてぇのか?」
小鉄 「氏にたくはないニャ! お前こそ何だニャ! こんなところで寝てたりして!!」
イャンガルルガ 「中がうるせぇんだよ……」
小鉄 「……………………分かるニャ……………………」

225: 2011/02/13(日) 19:14:09.24 ID:pYxAGNBY0
イャンガルルガ 「…………………………へぇ。お前がやったのか?」
小鉄 「この英猫、小鉄をたたえるといいニャ!!(バッ)」
イャンガルルガ 「……とてもじゃねぇが今は、お前の冗談に付き合ってる気分じゃねぇ。うせろ」
小鉄 「!! ニャニャ!! 失礼な鳥だニャ!!」
イャンガルルガ 「俺は猫は殺さねぇ主義なんだよ。静かにしててくれ」
小鉄 「~~~~!!!」
小鉄 「??」
仔ジンオウガ 「………………(こそこそ)」

イャンガルルガ 「ジンオウガの子供だな。どこに行くつもりだ?」
小鉄 「………………(バッ)」
小鉄 「そこのジンオウガ! どこに行くつもりだニャ!!」
仔ジンオウガ 「(ビクッ)……な…………なんだよ……?」
小鉄 「お前……もしかして、黒いティガレックスを探しに行くつもりじゃねぇかニャ?」
仔ジンオウガ 「……………………」
小鉄 「あいつにはオイラも苦戦したニャ。お前ごときじゃかなわんニャ」
イャンガルルガ (よく言うぜ…………)

229: 2011/02/13(日) 19:14:56.21 ID:pYxAGNBY0
小鉄 「……………………」
小鉄 「オイラの母ちゃんも父ちゃんも、モンスターにやられたニャ!」
イャンガルルガ 「!!」
小鉄 「話を聞いただけだけど、お前の気持ちは何となく分かるニャ」
仔ジンオウガ 「ボクの気持ち……?」
仔ジンオウガ 「ボクの気持ちが、お前なんかにわかるもんか!!」
仔ジンオウガ 「母さんが氏んだ!! 父さんも氏んだっていう話じゃないか!!」
仔ジンオウガ 「それなのに! ボクは……ジンオウガなのに!! 何も出来なかった!!!」
イャンガルルガ 「……………………」

231: 2011/02/13(日) 19:15:51.64 ID:pYxAGNBY0
仔ジンオウガ 「だからボクは……せめて一匹で…………」
イャンガルルガ 「やめときな。足が震えてるぜ」
仔ジンオウガ 「!!!!」
イャンガルルガ 「いくら碧玉を受け継いだっつっても、お前さんはまだ赤ん坊のままだ。そんなひ弱な力で行っても、氏ぬだけだ」
仔ジンオウガ 「ならどうすれば……!!!」
小鉄 「オイラを見るニャ!!」
仔ジンオウガ 「!」
小鉄 「ここに、その黒いティガレックスを一匹やっつけたすんげぇ猫がいるニャ!!」

233: 2011/02/13(日) 19:16:34.14 ID:pYxAGNBY0
小鉄 「お前、オイラの弟分にしてやるニャ!」
仔ジンオウガ 「!!!?」
小鉄 「オイラの元で修行を積めば、黒いティガレックスなんて目じゃねぇニャ!!」
小鉄 「強くなるニャ!!」
イャンガルルガ (こいつ……猫のくせに妙な説得力を持ってやがる……)
仔ジンオウガ 「弟……分?」
仔ジンオウガ 「ボクが……あんたの、弟……?」
小鉄 「そうだニャ!! こうして、コブシとコブシをあわせるニャ!!!(ガシッ!!)」

235: 2011/02/13(日) 19:17:17.71 ID:pYxAGNBY0
小鉄 「月に誓って、オイラとお前はこれで兄弟ニャ!!」
小鉄 「だから妙な気を起こさずに、オイラの元で修行をするニャ!!」
小鉄 「無論、お前の仇は、オイラもとることに全面協力するニャ!!!」
仔ジンオウガ 「兄貴……? あんた、ボクの兄貴になってくれるの……?」
小鉄 「今誓いを交わしたんだから、もうオイラたちは兄弟ニャ!!!」
イャンガルルガ 「………………兄弟、か………………」
イャンガルルガ 「カカ……猫がジンオウガの兄貴ね……」
小鉄 「そうと決まったら、お前に名前をやらねばならんニャ」

237: 2011/02/13(日) 19:17:58.94 ID:pYxAGNBY0
小鉄 「迅雷……ジンライというのはどうニャ!!」
仔ジンオウガ 「迅雷……?」
イャンガルルガ 「まぁ……いいんじゃねぇのか? モンスターに名前をつけるなんて、聞いたこともねぇがな」
小鉄 「猫の世界では常識ニャ! お前はこれから、迅雷と名乗るがいいニャ!!」
迅雷 「ボクの……名前……」
小鉄 「オイラのことは、兄貴と呼ぶニャ!」
迅雷 「………………」
迅雷 「うん……兄貴!!!」

240: 2011/02/13(日) 19:18:55.65 ID:pYxAGNBY0
お疲れ様でした。次回へ続かせていただきます

no title


次回更新日や場所などは、ブログTOPにて告知させていただきます
それでは、失礼します

251: 2011/02/13(日) 19:47:01.85 ID:uUrP0jc50

引用: ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」