1: 2013/07/03(水) 00:11:50 ID:ntGNHmSIO
純「なんでしょう?」

紬「私…もうすぐ誕生日でしょ」

純「!」ギクッ

純(もしかしてサプライズパーティーがバレた!)

純「そうですね(棒)」ダラダラ

紬「きっとみんなサプライズで何かしてくれるんじゃないかしら」

純(バレてるー!)ガーン

純「どうでしょうねー…。あははー」

紬「だって去年もそうだったし、何より唯ちゃんが……」

純「唯先輩?」


        ♪


唯「ふんふふーん♪」

紬「唯ちゃんご機嫌ね」

唯「ひょ!」

紬「唯ちゃん?」

唯「やややあ!これはこれはムギちゃんですな!」

紬「え…えぇ…」

唯「何か御用ですかな?」

紬(ですかな?)

紬「ううん。ただ唯ちゃんが何だか楽しそうだったからどうしたのかな?って」

唯「そ!それは!」

紬「それは?」

唯「秘密です!」

紬「そっかぁ」

唯「ごめんね。でも、もうすぐ分かるからね!」フンス

紬「もうすぐ?」

唯「はっ!」

唯「何でもないよ!誕生日なんてぜんぜ「どっせぇぇい!」パコーン

唯「あうち!」

紬「きゃっ」

律「おーすムギ」ゼエハア

紬「お、おはようりっちゃん」

律「今何か聞いたか?」ゼエゼエ

紬「…」

紬「全然!」

律「あはははは~。そっかそっか~」

唯「りっちゃんひどいよ!いきなり何するのさ!」

律「お前はちょっと来い」ガシッ

唯「ほぇ?」

紬「あっ…」

律「あは、あはは~」

紬「うふふ」

律「はははははは~」

紬「ふふふふふふふふ」

唯「え~?なになに?何がおもしろいの?」

律「いーからお前はこっち来い」グイッ

唯「ぐえ」ズルズル

2: 2013/07/03(水) 00:13:09 ID:ntGNHmSIO
紬「って事があってね」

純(唯せんぱぁぁぁぁい!)

紬「それでお願いなんだけど…」

純「ふぁい!」

紬「ふぁい?」

純「…何でもないです」

紬「?」

純「気にしないで下さい…」ズーン

紬「う、うん」

純「それでお願いって何ですか?」

紬「それはズバリ!逆サプライズです!」

純「」

純「はい?」

紬「ドッキリです!」

純「はい?」






律「なるほどね~。やっぱりバレてたか」

純「ええ。本人はやる気満々なんですけど、軽音部の皆さん全員にバレずにやるのは不可能ですし…」

律「そこで部長であるこの私に相談した訳か!」フフーン

純「そう言えば部長でしたね律先輩」

律「ん~?何か言ったか~?」ムニッ

純「いふぁいれふいふぁいれふ」

律「それで?私に何しろって?」

純「え?協力してもらえるんですか?」

律「ったりまえだっつーの。ムギの誕生日なんだしムギがやりたいようにやった方が楽しいだろ?」

純「おぉ…流石部長」

律「だろー!」イバリ

純「意外だー」

律「この口かなー?この口が言っちゃうのかなー?」ムニッ

純「ふぉへんふぁあい」

さわ子「ほら、2人共遊んでないでちゃっちゃと話進めちゃいなさい」

律「さわちゃん!いつの間に?!」

さわ子「失礼ね。最初からいたわよ。扉の向こうに」

律「盗み聞きじゃねーか!」

純「あ、大丈夫です。先生にも協力してもらうので」

律「え~?さわちゃんが~?」

純「はい。もともと先生は部室に向かうムギ先輩を足止めしてもらう予定でしたから、それを逆手にとっちゃうつもりです」

律「ほうほう」

純「だから律先輩は澪先輩を足止めしてもらえませんか?」

律「澪?澪だけでいいの?」

純「いいですか?全員を足止めしようとすれば間違いなく疑われます。だから一度バラバラに足止めしてリスクを避けるんです」

律「おお…純ちゃんすげー…」

純「って、憂が言ってました」

律「憂ちゃんかよ!私のすげー返せ!」

3: 2013/07/03(水) 00:14:41 ID:ntGNHmSIO
純「まあまあ。いいじゃないですか。それでですね、梓はクラスの子に足止めしてもらって私、ムギ先輩、憂と先生で準備をしようかと…」

律「よかねーよ」

律「ん?でも飾りつけは私達が朝と昼休みにやっちゃうから、そんなに足止めしなくていいのか?」

純「いえ、それをちょっといじっちゃおうかと…」

律「随分手がこんでるなー。ところで唯はどうすんだ?」

純「憂が校庭の隅でよく懐く猫を見つけたらしいので、猫に足止めしてもらいますよ」

律「憂ちゃん万能だな。これならさわちゃんがドジっても憂ちゃんがフォローしてくれるってわけだ」ウンウン

さわ子「何か言った?」ユラリ

律「何でもありましぇん」

純「いいですか?これは私達だけの秘密ですからね」

さわ子「私に任せておけば問題ないんじゃないかしら?ふふふ」

律「うわー。すっげー不安」

ゴチン

律「頑張ります…」

純「お…お願いします」




当日!


純「じゃあ先行ってるね」
梓「待って!私も…」

モブ「ちょっといいかな?中野さん」

梓「へ?」

モブ「私最近ギター始めて、聞きたい事があるんだけどいいかな?」

梓「えっと…。今日はちょっと…」

憂「大丈夫だよ梓ちゃん。私達がやっておくから」

梓「でも…」

純「そうそう。私達に任せなさい」

梓「純に言われると…何か不安…」

純「どういう意味?!」

憂「まあまあ。気にしないで梓ちゃん。他の皆さんもいるから大丈夫だよ」

梓「憂がそう言うなら…」

純「ひっど!」

梓「冗談冗談。じゃあよろしくね」

純「任せて!」

憂「慌てなくていいからね」

梓「うん。ありがとう」

モブ「あのね、このFコードのとこなんだけど…」

純「急ぐよ!憂」

憂「うん」




ー校庭ー

唯「にゃんこや~」

猫「ゴロゴロ」

唯「かぁわいいなぁ~」

猫「うにゃ」

唯「おほー。よしよし」


猫「うにゃん」スリスリ

唯「ここか~これがええんか~」サスサス

猫「ゴロゴロゴロゴロ」

唯「よーしよしよし」

4: 2013/07/03(水) 00:16:11 ID:ntGNHmSIO
律「ちょろいな~唯は」

澪「何だって?」

律「何でもなーい」

澪「うん?ならいいけど」

律「ほら、早く行こうぜ」

澪「分かってるって」

律「あ、教室に忘れものしちゃった!澪着いて来て」

澪「おいおい…。急がないとムギが来ちゃうだろ?」

律「すぐ済むからさ~。ね?お願い!」

澪「………」

律「ダメ?」

澪(怪しいな)「上目使いの律が可愛いくてキュンキュンする」

律「何だいきなり」

澪「しまった!本音が!」

律「うん…。それで忘れ物なんだけど…」

澪「こほん。律、お前何か企んでないか?」

律「」

律「ナンノコトヤラ」

澪「いつもの律なら私に先に行くように言うはずだ。ましてや今日はムギの誕生日。小悪魔な性格でありながら優しい私の律がそんな事言うはずない」

律(こいつ無駄に鋭い!)

澪「で?何を企んでるんだ?」ズイッ

律「な、何って…」

律(これ本当に言わなきゃ駄目なのか?)



     ♪

律「澪に疑われたら?」

紬「そう!もし澪ちゃんの足止めに失敗したら、ぜひとも言ってほしい事があるの!ううん、これがメインだと思ってくれて構わないわ」

律「どゆこと?」

紬「これが私への誕生日プレゼントだと思って!ね?」

律「わぁかったって。そんでなんて言えばいいんだ?」

紬(キマシタワー!)

紬(りっちゃんの変化に敏感な澪ちゃんは、きっとりっちゃんの事に気付くはず!間違いなくりっちゃんはこの台詞を口にするわ!)ガッツ!

律「おーい。戻ってこーい」

紬「はっ!ごめんなさいりっちゃん。言ってほしい事なんだけど………」

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー

律「いやあの、ちょぉっと澪と2人きりになりたいなーなんて…」

律(うわぁぁぁぁぁぁぁ!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!)

澪「律…」

澪「ああ…もう…。大好きだ律」

律「ちょっおまっ//////」

澪「嬉しいよ。律がそんな風に言ってくれるなんて」

5: 2013/07/03(水) 00:17:23 ID:ntGNHmSIO
律「ばか…声が…」

澪「ん?」

律「誰かに聞こえちゃうって」

澪「そ、そうだな」

律「それで、なんだけど、ちょっと話でも…」モジモジ

律「澪は2人っきりになるのやだ?」チラッ

澪「」キューン

律(やっぱり駄目か…!?こうなったらあれも言うしか…)

律「あのね?澪にギュッてしてほしいな?」

律(のぉおおおおお!何て罰ゲームだよこれ!)

澪「おぅふ」クラッ

コソッ

純(ごめんなさい。律先輩澪先輩)

純(ムギ先輩たってのお願いなんです)・REC

純(そして見てる方も恥ずかしいです)

澪「おいで律」

律「ん…」ポス

澪「ふふっ」ギュッ

純(わーわーわーわー!律先輩が乙女だ!)

澪(くっ!今日はせっかく体育の授業があったのに制汗シートの匂いが邪魔をして律の香りが損なわれてるじゃないか。もちろん律だから無香料系もしくは石鹸の香り、控えめな柑橘系だけども!律の香りを損なうなんてもったいない律の香がり律の香りが律の香りが律の香りが律の香りが)

純(澪先輩は相変わらず、と…)

律「んぅ…」スリスリ

澪(あ…我慢して私の鼻。今鼻血はマズい)

純(わ、完璧に気まぐれ甘えん坊猫と変態な忠犬だよ…)

律猫「にゃー」

澪犬「わんわん」ハアハア





30分後の部室!

唯「あれ?」

梓「唯先輩?!」

澪「梓…と唯?」

律(もうちょっとだけなら澪にギュッてしてもら…させてもよかっなかな////////)

澪「何してるんだ?」

梓「澪先輩達こそ…」

唯「みんな先に行ってるんじゃなかったの?」

澪「え?」

梓「あ、ああ!早く準備しないと!ムギ先輩が来ちゃいますよ!」

唯「ほわぁ!大変だよ!」

澪「急げ!」

ドア「はいはいガチャッすねガチャッすね」

パン!パンパン!パン!

澪「きゃぁああああ!」

律「おっ。やるな」

梓「ひっ!」

唯「ぬぇ!」

『ハッピーバースデイ&ありがとう』

6: 2013/07/03(水) 00:18:01 ID:ntGNHmSIO
紬「ドッキリ大成功!」

ドア「はあい!」

純「よかったですねムギ先輩」

さわ子「私のおかげね」

紬「うふふふふ」

憂「間にあってよかった~」

唯「え?」

梓「えっ」

澪「えっ」

律「さっすが憂ちゃん!すっげー」

さわ子「ちょっと~。私も誉めてよ~」

律「年下に張り合うなよ。小学生か」

さわ子「私だって頑張ったのよ。邪魔しないように」

律「それ頑張ってねーよ!」

さわ子「えへっ☆」

紬「やった!やった!」クルクル

純「ほら、ムギ先輩。皆さんに説明しないと」

紬「ふふふふふふ」ニコニコ

純(可愛いなぁ)

紬「純ちゃん純ちゃん」

純「はい」

紬「いえい!」ピース

純「いえい!ですね」

紬「ありがとう。みんな大好き!」

律「私もだぞ~」

梓「え?わた私もムギ先輩大好きです」

唯「うん!私もムギちゃん大好きだよ」

澪「私も!いつもムギに感謝してる!私も大好きだ」

澪「で?この状況は一体…」

紬「逆ドッキリです!」フンス

梓「え…えぇ~…」

唯「そうなんだ~。ドッキリした~」

律「ドッキリの使い方あってんのか?」

和「唯だから仕方ないわよ」

律「そっかどわぁあ!」

7: 2013/07/03(水) 00:22:40 ID:ntGNHmSIO
澪「」チーン

唯「和ちゃん!大変だよ!ムギちゃんの逆襲だよ!」

和「逆襲って…」

梓「あーもー!」

梓「何がどうなってるんですかー!」

おしまい。

8: 2013/07/03(水) 00:24:55 ID:ntGNHmSIO
大天使ムギちゃんおめでとうございます。

間に合わなかった…。
自分に残業をさせた某コンビニ店長を恨みます。



書きためしておけばよかった…。

9: 2013/07/03(水) 00:28:07 ID:S3jX/Mls0

みんなかわいくていいな

10: 2013/07/03(水) 01:10:26 ID:ntGNHmSIO
>>9
ありがとうございます。
大天使むぎゅーの誕生日。
20分もの時間がありながら、ラストは焦燥感否めぬ形になり誠に残念です。
しかしながら心ばかりのお祝いをしたい気持ちも山々。
脳内パニック状態で書き上げました。
お目汚しになっていなければ幸いです。

11: 2013/07/03(水) 21:15:55 ID:mMuIsfXYO
乙です!
いつも楽しみにしてます!!
そしてムギちゃん遅くなったけど誕生日おめでとう!!

引用: 純「お願い?」