4: ◆UCaKi7reYU 2014/08/26(火) 18:58:06.49 ID:vmuM46SJO


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ




最初の投稿はもらったぁ!という事で、新田美波ちゃん借りて投下開始します。

時系列は二日目です。

5: 2014/08/26(火) 19:00:38.70 ID:vmuM46SJO
「でこぽぉおおん!」

「きゃ!?……な、なんだろう?」

京華学院、教習棟三階。

その一室に、ちょうど私服に着替えた新田美波の姿があった。

今の今まで宣伝に回っていた彼女なのだが、ちょうど交代の時間になるため一度下がっていたのだ。

「シルシルシルルゥ…」

「ん…ありがとう」

「シルル」

「終わったら、洗わないとね」

「シルシルゥ」

そして、その傍らには学園祭の準備期間あたりから美波に付いて回っている大きな蠍の姿もあった。

……ただ、用にペタペタとシールやらイラストやらでデコレーションされてたりする。

ちなみにだが、このコンビがかなり目立つため売り上げが爆上げしてたりする。

……………大半の客が男なのはご愛嬌である。
----------------------------------------



それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



6: 2014/08/26(火) 19:02:17.50 ID:vmuM46SJO
そんな一人と一体だが、今現在は他に誰も居ない教室に隠れていた。

…と、言うのも、

『カナリマナイタダヨコレェ!』

「!………また来た…」

外部からは容易く入って来れないハズのカースが、何故か教習棟内を闊歩しているからだ。

今も一体、教室の前の廊下を通り過ぎていく。

「……どうしよう」

…普通なら、こういった事態に陥ると多少なりとも平常心が乱れるものなのだが、美波はここ最近トラブルに巻き込まれたり色々人と関わってく内に多少なりとも慣れてしまった感がある。

とはいえ、それでもやっぱり殆ど一般人。

例え教室内が安全なのがわかっていても、多少の心細さと怖さが付きまとうのだ。

そして、その気持ちに拍車をかける事態がもう一つ。

「…大丈夫かな、みんな」

「シルシルシルルゥ…」

7: 2014/08/26(火) 19:03:52.12 ID:vmuM46SJO
一部の友人から返事が返ってこないのだ。

最後に見たのは、教習棟の中だったからきっと避難してるとは思うけど。

それでも教室の外をカースが歩いているのを見ると不安が募る。

「シルル」

「ルピー、どうしたの?」

「シルルシルゥ」

そんな美波の内心を知ってか知らずか、蠍──マキナ・ルピー(尻尾に彫ってあった)は尻尾をぶんぶん動かして教室の外を示す。

「…行こうって事、かな?」

「シルゥ」

コクコクと肯定が返ってくる。

「…そう、だね。うん、ちょっと怖いけど、ルピーも居るもんね」

「シルゥ」

これまた普通であれば、そこにとどまるという選択肢を選ぶ人が多いが、幸か不幸か現在の彼女は自衛手段を手に入れていた。

「…よし、いこっか!」

「シルル」

8: 2014/08/26(火) 19:05:16.29 ID:vmuM46SJO
そして美波が決めた直後。

ガチャッ、と。

ルピーの体が畳まれ、変形し、再構成される。

繋がり、合わさり、分かれ。

「ん…いつ見ても、凄いなぁ」

そして出来上がったのは、濃い蒼紫色の大型二丁拳銃。

見る人が見れば、サブマシンガンっぽい見た目である。

そしてそのグリップの下には片刃の長いブレードが付いており、ナックルガードが付いてたり、更に二丁をつなぐ鎖が背中に回っている。

…実は、美波がこのガイスト形態の事を知ったのはほんの数日前だったりする。

なのでもちろん本人には戦闘の心得など無いのだが、身近にいる人物がことごとく型破りだったり、一日目の騒ぎを経験した事で慣れてしまったのか、多少大胆になっていた。

…ちなみに、初めて使った時の記憶は一部無かったりする。

我に返った時にはカースが蜂の巣になっていたのだ。

9: 2014/08/26(火) 19:06:45.17 ID:vmuM46SJO
「…美波、いきます!…なんて、ね」

まぁそれでも、おっかなびっくりである。

ちょこっと扉を開けて辺りをきょろきょろ、なにも居ないことを確認してから廊下にでる。

「…そういえば、なんでカースが入って来てるんだろう」

と、廊下に出てからその事にふと気づく。

確か、連絡のついた友人の話では入り口はヒーローや能力者が守っている、らしい。

なんか『ヒーローなう』とか『アンティークショップのお姉様超カッコいい』なんて内容と一緒に画像が届いたから間違いない。

「今も守ってる…よね?」

気になって手近な窓から見下ろせば、今もガッチリ守られている事がわかる。

「と、とりあえず人が居る所に行こう」

不気味に思いつつも、自分が考えても仕方ないと思い切り替える。

今いる場所は、どちらかと言えば各出店で使う道具を置いている区画。

なので、とりあえずはこの区画を出ることを目標にする。

「下に行こ────」

『マナイタニシヨウゼェ!』

10: 2014/08/26(火) 19:08:00.43 ID:vmuM46SJO
────いやぁぁぁあああ!!?」

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチッ!!!

『ダレガマナイタヤ…』

「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ」

カースと出会い頭に乱射乱射乱射、弾が切れても乱射。

カースどころか後ろの壁まで蜂の巣である。

もちろんカースは四散した。

「あ………やっちゃったぁ…」

勢い余って残段数もゼロだった。

「うぅ………誰もいない、よね?」

きょろきょろとまた周囲を伺う。

幸い(?)やはり近くに誰も居ないのか、誰かが出てくる事は無かった。

「……り、リロードしなきゃ」

そしておもむろにスパッと壁を斬りつける。

11: 2014/08/26(火) 19:08:59.18 ID:vmuM46SJO
………端から見れば何かの事件現場である。

悲鳴があって弾痕、消えていく黒い泥、仕舞いには切り傷によるマーキング。
 
軽くホラーである。

まぁ実際は、何かを斬ったり削ったりする事でリロードされるという話だが。

とにもかくにも、ひとまずの危機は去り。

「…気をつけない──」

『シマツクロウゼェ!』

「───来ないでぇぇぇ!!」

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンカチカチカチカチカチカチカチッ!!

『ニジュウヨジカッ!?』

「はぁはぁ…はぁ…すぅ、はぁ…」

……まさかの二回目。

『ショクドッ』

『ラメンッ』

『シュッチョッ』

しかも、今度は他のカースまで騒ぎに気づいたらしく廊下の遠くからのそのそと迫ってくるのが見えた。

「ひっ…に、逃げないと!」

…新田美波、どこか運が無かった。

12: 2014/08/26(火) 19:09:57.44 ID:vmuM46SJO
───10分後。

「ちょ、ちょっと休憩…!」

ガチャッ、バタン、カチャン。

逃げ回り、撃ちまくり、床とか壁とか斬りまくり、運動神経も良い美波でも慣れない状況と緊張で消耗が激しかった。

なので、一旦やり過ごそうと開けっ放しの教室に飛び込み、鍵をかける。

もちろんカースも入ってこれない特殊な作りなので安全である。

「ルピー、ちょっと、休も?」

「…………シルル?」

ぺたんと、火照った身体にはちょうど良い冷たさの床に座り込む美波。

そして、ガイスト形態を解除したルピーもぐてっとする。
 
「…ここ、お花屋さんかな?」

「シルゥ…」

息を整えて落ち着くと、ほのかに漂ういい香り。

13: 2014/08/26(火) 19:11:13.61 ID:vmuM46SJO
座った場所から見える範囲でも、向日葵や薔薇、サボテン、百合にと多種多様な花が見える。

扉が開いていた所を考えると、店員は別の場所に逃げたようだった。

「…何か飲み物、無いかな」

「シルル」

ガサガサッ!

「ひっ……だ、誰か居るんですか?」

立ち上がろうとした瞬間、部屋の片隅で何かが動く音がする。

「シルシルシルル…」

「……………………」

ガサガサ…

「……な、なに…?」

恐る恐る近づいてみる美波。

…………………………。

そして、机の陰から音がした所を覗いてみるが。

「………何にも、ない?」

「どーんっ」

「──キャァァアアア!?!」

14: 2014/08/26(火) 19:12:02.61 ID:vmuM46SJO
「いや、なに、離して!?」

何かが上から美波の体にのしかかってきた。

その突然の事にまたもやパニクり始める。

「おねーさんいーからだしてるじゃ「シルル」あ、やめろたたくないたいいたい」

が、その犯人はルピーの反撃をくらい割と簡単に離れた。

「るぴーはかほごです、らうねはちょっとおどろかしただけです」

「こ、子供?」

「まきなです。らうねといーますのでよろしくです」

「え、と…?」

離れた犯人を見れば、小さな女の子のように見えた。

…が、話し方に抑揚が殆ど無かったり、頭になんかメカメカしい花飾りを着けてたり、膝から下が大きな花びらに隠れている所が人間ではないと確信させていた。

「かんたんにいえばそこの、いろかにほいほいされたくされさそりのどーるいです」

「シルルルルッ」

「……え?」

15: 2014/08/26(火) 19:12:39.71 ID:vmuM46SJO
───10分後。

「らうねはきかい、おけー?」

「な、なんとか」

微妙に混乱してる美波に、割と懇切丁寧に自分達のことを説明するらうねこと、マキナ・ラウネ。

「それじゃあおねーさん、らうねもつれてってください」

「…え?」

「ほんとは、ほかのまきなもさがさないといけないよーなきがするんですが、ひとりはさみしーのです」

「シルシルゥ…」

「あー…うん、いいよ!」

……実はあまり立ち直っていない新田美波、流れで了承してしまった。

「ほんとーですか?かんしゃです」

なお、ここまでラウネは抑揚どころか表情もあまり変えていない。

なので凄まじく棒読みである。

「あ、でも今は危ないよ?カースが彷徨いてるし…」

「こーみえてもたたかいはなれてますから、へーきです」

「そ、そっか…」

16: 2014/08/26(火) 19:13:46.34 ID:vmuM46SJO
「ところでおねーさんは、たたかいのこころえはおありで?」

「その……全然、かな?」

「しろーとさんですか。じゃあ、るぴーはあたりでしたね」

「シルルル?」

「うん?」

ラウネの発言に首を傾げる一人と一匹。

「かずうてばあたりますから。とりあえずぷっぱするだけでもいい、おてがるまきなです」

「シルシルゥ!」

「おいたたくなやめろいたい」

………なんというか、一言多いエクス・マキナであった。

「あ、ちなみにらうねはおねーさんにはまだはやいとおもいます」

「どういうことかな?」

「らうねはどりるはんまーなので。いちげきひっさつの、ろまんぶきなのです」

「え、と…そうなの?」

17: 2014/08/26(火) 19:14:25.43 ID:vmuM46SJO
「まあ、さんぱいにもかたあしつっこんでますが」

「えっ」

「シルシルル」

「はいこのはなしはやめやめ。これからどーするかかんがえましょー」

自分で振っておいておざなりに終わらせるエクス・マキナであった。

「ちなみにいまさらですがら、おねーさんはわざわざうごきまわってなにしてたんですか?」

「あ……えっとね、外がカースでいっぱいになって友達から連絡が返ってこなくて…それで、とりあえず人が居る所に行こうと思ってたんだけど……中にまでカースが入ってきてるみたいで、逃げてたんです」

「あぁ、ちかどうでもあいつらしつこかったです。しゃったーあいてなかったらおいつめられてたかもしれなかったです」

「あ、ラウネちゃんも逃げてきたんだね」

「たぜーにぶぜーでしたから」

「…………シルル?」

「ルピー?どうしたの?」

18: 2014/08/26(火) 19:15:06.38 ID:vmuM46SJO
「……シルルシル」

「え?いまなんていったかって?」

「シルル」

「たぜーにぶぜー?」

「シルシルゥ」

「よーじょにびやくぷらぐいんをいんすとーるとかほざいてたかーすに、おいつめられた?」

「びや…っ!?」

「シルルシルル」

何故か勝手に紅くなる美波。

「しゃったーあいてなかったら、あぶなかった?」

「シル、シルシルゥ!」

「それがいったいなんなんで………あっ」

「…………はっ…って、え、ラウネちゃん…今、地下のシャッター開いてるって本当!?」

さらりと、重大な事態に気付いてしまった。

…地下のシャッターとは、学院の地下に張り巡らされた地下通路・地下街と教習棟を隔離するためのシャッターの事だ。

19: 2014/08/26(火) 19:15:41.57 ID:vmuM46SJO
通常なら、教習棟の教室と同じレベルで外敵を遮断できる代物なのだが…

「いっかしょだけです。なんかのおみせのはこにつっかかって、ぎりぎりはっていけばくぐれるくらいあいてました」

「ど、どうしよう……とにかく誰かに知らせた方がいいのかな!?」

「シルシルゥ」

「でんわ、でんわをつかう」

「う、うん………あ、嘘…バッテリー無くなっちゃってる…」

無情にも、スマホの電源は切れていた。

「シルル!?」

「こうなったら、ちょくせついくしかないです。さいあくじぶんたちでふさぐしかないかも」

「そんなぁ…」

「だいじょうぶです。らうねとるぴーもてつだいます」

「シルシルルゥ!」

「……………う、ん。私がやらないと、だもんね」

「おねーさん、いがいとどきょうあります?」

20: 2014/08/26(火) 19:16:22.53 ID:vmuM46SJO
「え?うーん…そう、なのかな?」

確かに、最近は色々あるから…と考える美波。

実際、確かに彼女は多少は耐性がついていた。

……過程とか、幸か不幸かなどは別として。

「まあそれならだいじょうぶですよ、おちついていきましょー」

「シルシルルゥ…」

「…はい!」

そして、だいぶ回復した美波達は一階、ひいては地下を目指して廊下にくりだしたのだった。








 







『ノウドルッ!』

「やぁぁぁぁあああああ!?!!」

「おちついてねらうのです」

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンカチカチカチカチッ!

続く?

21: 2014/08/26(火) 19:18:25.30 ID:vmuM46SJO
情報
・新田ちゃんが教習棟をおっかなびっくり移動してます。
・廊下の至る所に弾痕と斬り傷が残ってる模様
・地下のシャッターの事を知らせるか、塞ぐのが目的の模様
・もしかしたら他にも見落としがあるかも……?

22: 2014/08/26(火) 19:23:29.45 ID:vmuM46SJO
・『マキナ・ルピー』 (改訂ver)
蠍型の、限りなく黒に近い紫色のエクスマキナ。
人一人乗せて歩けるぐらいには大きい。
何故か京華学院に居たところを新田美波が遭遇、そのままついて行ってしまう。
性格は見た目と違い温厚、と言うよりかなりマイペース。
通常の姿のままでも、ハサミや尻尾の針で戦う事もできる。

ガイスト形態
銃と剣が合わさったような、かなり大型の二丁拳銃。
見た目はむしろ小型のサブマシンガンに近い。

・セミオート式
・片方24×2の最大ストック数(通常弾時)
・手元を守るナックルガード
・持ち手の下に伸びる片刃のブレード
・二丁を繋ぐ長い鎖
・種類豊富の弾
・低反動

銃撃による射撃戦はもちろん、逆手に扱う剣のようにブレードによる近接戦も可能。
またリロード方法が特殊であり、ブレードでとにかく何かを切ったり削ったりする事でリロードされる。
対象自体は固体なら本当に何でもよく、それこそ適当なコンクリートから戦闘外殻まで。
弾種は主に、通常弾、貫通弾、炸薬弾、スタン弾、衝撃弾、等があり弾種によって残弾の消費量が変わる。
総じて、扱う事自体は簡単だがフルに性能を引き出すのは難しいタイプ。


・『マキナ・ラウネ』
アルラウネ型のエクス・マキナ。
確認されたエクス・マキナの中でも数少ない会話可能なタイプ。
小さな子供のような容姿だが、頭にはメカメカしい花飾りがあり、膝上からは大きな花びらに隠れている。
無口無表情でわりと毒舌。
通常の姿でも、かなりの勢いで体当たりしたりする。

ガイスト形態
鋭利な鈍器。
わかりやすく言えばドリルがついたハンマー。
インパクトの瞬間に威力が更に跳ね上がる特徴があり、割と非力な人でも高威力を叩き出せる。
ただし、直後に著しい反動がかかるうえに、重量バランスがちょっとおかしく、取り回し辛いため隙が大きい。
本人いわく浪漫武器。

23: 2014/08/26(火) 19:26:14.64 ID:vmuM46SJO
投下終了です。

メインに新田美波、最初のセリフに小日向美穂(ひなたん星人)をお借りしました。

では、お目汚し失礼しました!

24: 2014/08/26(火) 22:39:35.67 ID:jrdyA8Rz0
乙ですー
新田ちゃんが暴走ガンナーになるとは…廊下が大惨事だこれ!?
地下がカース侵入ルート(の一つ?)かぁ…
ラウネは会話できるタイプか、キンより知能高そう…あとドリルハンマー…ドリルはロマン



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part11