93: ◆zvY2y1UzWw 2014/09/02(火) 01:59:35.68 ID:EGN1Tnc40


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


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 ギャグなんだから細かいことは気にしないスタイル

94: 2014/09/02(火) 02:00:11.62 ID:EGN1Tnc40
涼と加蓮がバイトの時間を終えて帰ろうとしていたその時、雨が降ってきた。

涼「雨かー…傘持ってきてないんだけど…」

加蓮「降って来ちゃった…どうしよう、このコンビニで傘を買っても良いと思うけど、それほどでもないかな?」

涼「ビニール傘なんて買ってもそれっきりだろうしなぁ…」

加蓮「小雨だもんね、ちょっと濡れても大丈夫だしこのまま途中まで一緒に帰ろっか?」

涼「だな、アタシもそれでいいよ。同じように雨の中元気に走ってる子供も多いし」

加蓮「途中で雨宿りしてもいいしね」

その雨は浴びた者を幼くさせるという事を、二人は知らなかった。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



95: 2014/09/02(火) 02:01:01.32 ID:EGN1Tnc40
涼「雨宿りか、どこかでコーヒーでも飲むか?」

加蓮「そうだね、私はポテトが食べたいなー♪」

涼「…一発でバーガー店に決まったな」

加蓮「しかも期間限定でLサイズでも値段は同じなんだよ~!」

涼「ああ…」

涼(これはLを頼む気だな…小食っぽいけど全部食えるのか?)

そのまま飛び出すように加蓮が外に出た。

加蓮「…あれ?なんだろ…これ…」

涼「うん?どうしたんだよ…って!?」

雨を浴びた加蓮の体が、少しずつ小さくなっていくことに涼は気づいた。

涼「か、加蓮!?大丈夫か!」

小さくなった加蓮に驚いた涼は、思わず駆け寄った。

かれん「?」

りょう「どうなってんだよ…まるで子供…ってアタシもだー!?ま、まさかさっきまで子供だと思ってたのって…!?」

かれん「…ふぇ?」

りょう「と、とりあえず加蓮!この雨はやばい!」

かれん「えっ、え?」

涼は加蓮の手を引いて、慌てて近くの街路樹の下へ逃げ込んだ。

96: 2014/09/02(火) 02:03:10.36 ID:EGN1Tnc40
暫く雨に当たらないように気を張り詰めていたが、そのうちに雨は止んだ。

りょう「…雨が、止んだ?ゲリラ豪雨にしては勢いが無いような…というかこんな雨がまともなはずが無いかぁ」

かれん「…あの、えっと…」

余りにも非常すぎるこの事態に思考を巡らせる涼の袖を加蓮が引く。

りょう「どうした?」

かれん「びょ、びょういんにもどらなきゃ…おくすりのまなきゃ…でも、ここどこかわかんなくて、それで…えっと…コホッ、コホッ」

りょう「…は?……はあっ!?」

りょう(まさか、頭の中まで子供に戻ってるのか!?)

涙目で聞いてくる加蓮に、涼は驚くしかなかった。

涼自身の精神が無事なのは、眠り草とシンクロしたことがあるからなのか、それとも髪を結っているシュシュが仮にも最強クラスの妖怪の体の一部だからか…それは定かではない。

かれん「えっ、あっ…ごめんなさい…」

りょう「あっ…違うんだ、怒った訳じゃないんだ。ちょっとびっくりしただけで」

かれん「…ホント?」

りょう「ホントだって。だから泣くなよ。…とは言っても今病院に連れていくことはできないよな…体温めようにも荷物にタオルも無いし…」

それでも最低限のことはしようと今の体には少々大きいバッグの中身を確認し、中に入れていたハンカチで加蓮の濡れた体を拭いた。

97: 2014/09/02(火) 02:06:06.04 ID:EGN1Tnc40
かれん「あ、ありがとう…」

りょう「風邪気味なのか?一応は健康そうに見えるけど…って体温低いな」

肉体年齢が戻っても、究極生命体の生命力が消えると言う訳ではないようだ。加蓮の記憶でもここまで健康ではなく、本人も若干違和感を感じている。

かれん「おねえちゃんは、あったかいね?」

りょう「まぁ、子供体温なんだろうなぁ…加蓮の体温はアタシより低いみたいだけど」

かれん「…でもコンコンってなっても、くちからちがでないし、あるけるんだー!…きょうはちょうしがいいみたい!」ニコニコ

りょう「そ、そうなのか…」

りょう(病弱?…それとも体や記憶の戻った時代が偶然入院の時ってだけなのか?)

かれん「おねえちゃんなんだかぽかぽかするね…」

りょう「おいちょ、ちょっと待て!ナチュラルに抱き着いてくるなって!」

かれん「んー?あのね、ぎゅーってするとねーなんだかふわふわ~ってきもちになるんだよ」

りょう「そ、そんな事言われてもだな…ん?」

何者かの視線を感じる。そして声が聞こえるような気がした。

98: 2014/09/02(火) 02:06:59.03 ID:EGN1Tnc40
――オネエチャン…オネエチャン…チッチャイオネエチャン…イチャイチャ…

――ウラヤマシイ…ネタマシイ…ネタマシイ…ウラヤマシイ………グスン

りょう「加蓮、命の危険を感じる。離れて」

かれん「ふぇ?…そうなの?」

りょう(…今建物の影に小さいカースみたいなのがいたような…赤い目があったから違うのか?)

かれん「あ、そういえば…おねえちゃんとわたしって、まえにどこかであったかな?」

りょう「どういうことだ?」

かれん「だってわたしはおねえちゃんのおなまえしらないのに、おねえちゃんはわたしのおなまえをしってたよ?それに、ちょっとあんしんするんだもん」

りょう「あー…それはな…」

何と答えようか、上手く誤魔化せる言葉をなかなか思いつかない。

かれん「おねえちゃんのおなまえ、おしえて?」

りょう「えっ?…ああ、アタシは涼だよ」

かれん「りょうおねえちゃん…うん、おぼえたよ!」

りょう「そ、そうか」

だが加蓮はもはやそれもあまり気にしていないようである。ほんの少し前の疑問すら好奇心や興味には勝てないようだった。

99: 2014/09/02(火) 02:12:53.04 ID:EGN1Tnc40
かれん「あ!みてみて、あそこにねこさん!ちっちゃい!」

りょう「あーホントだ、小猫だ…まさか野良猫もちっちゃくなってるんじゃないだろうな…」

かれん「わぁ…ねこさん、はじめてみた!ちょっとなでなでしてくる!」

りょう「ちょっ!?どこに行くんだよ!多分道に迷うから行くなー!!」

加蓮が子猫のもとに駆け寄ったが子猫はすぐに逃げてしまう。そして加蓮は逃げる子猫を追いかけ始めた。

涼は自分と加蓮の持っていたバッグを持ちながら、見失わないように追いかける。

りょう「…『浮け』…チッ、能力も使えなくなってる…面倒だな…!」

建物の隙間の道を抜けて公園が向こうに見える道路に出ると、息切れ状態の加蓮が道端のベンチに座っていた。

すぐに近くに駆け寄ると、加蓮も顔を上げてフリフリと手を振る。

かれん「はぁ…はぁ…ねこさんいっちゃった…コホッ、ゴホッ…」

りょう「おいおい、無茶するなよ…アタシだって結構疲れたし…はぁ…」

そう言って加蓮の隣に座る。

かれん「ちょっとつかれちゃった…」

りょう「そうか…無茶するなよ?さっきも咳してたし」

かれん「は~い…ねぇねぇ、おねえちゃん?あっちでみんながあそんでるんだね、とってもたのしそう」

りょう「そうだなー…行くとしてもちょっと休んでからな」

かれん「うん、なにしてるんだろう?見たことないおもちゃとかあるね」

りょう「公園で、アイツらみたいに遊びたいのか?」

かれん「うん!公園って、見てても楽しいけどね、やっぱり一緒に遊びたいなーって思うんだ~」

りょう(…スケボーとかしてる奴らはどこから持ってきたんだとか、気になる所ではあるな…あ、元々子供だった子もいるか)

遊ぶ子供たちを眺めながらベンチで休む二人の耳に、楽しそうな音楽が流れてきた。

かれん「?」

バス『♪♪♪~♪♪♪』

りょう「これって…バス?」

かれん「わ~かわいい…」

目を引くカラーのファンシーな動物型バスが、この子供だらけの公園の近くに停まった。

100: 2014/09/02(火) 02:14:29.32 ID:EGN1Tnc40
りょう「…こんなバスいつもは見かけないんだけど…なんか、怪しいな」

バス『あそんでいるよいこのみんな~!あつまれ~!』

「「「「わー!!」」」」

「なにこれー!」「すごーい!」

かれん「わ~!ちょっといってくるね!」トテテテテ

りょう「ああっ待て!行くのかよ!?回復早いな!」

再び走り出した加蓮に、涼は再び二人分の荷物を持って追いかけるが、運が悪いことに横断歩道を加蓮が渡った瞬間赤に変わってしまう。

りょう「か、かれええええええん!!」

叫び声も空しく好奇心に駆られた加蓮はどんどんバスの方へ行ってしまう。

公園の子供たちも殆どが乗り込んでしまっている。最悪、加蓮が乗ったら発車してしまうかもしれない。

そもそもあのバスがどこに行くのかさえ分かっていない。子供たちは無警戒で乗り込んでいくが怪しすぎるのだ。

りょう「…車通って無いし…行けるか…?」

左右を見渡して車が来てない事を確認してから全力ダッシュし、バスへ向かう。

りょう「っわ!?」

しかし、焦ってしまっていたのと体の感覚の違いからか、足がもつれて転んでしまった。

101: 2014/09/02(火) 02:16:01.77 ID:EGN1Tnc40
りょう「いったぁ…」

荷物は何とか手放さないでいたが、子供になって髪量が少なくなったせいでもともと不安定だったシュシュもスルリと取れてしまう。

急いでシュシュを拾って再び走ろうとしたが転んだ時に怪我をしてしまった足の痛みでなかなか走れない。涙が出そうになる。

バス『みんな乗ってくれたかな~♪これからみんなで楽しいところにいくんだよ~♪』

りょう「やばっ…!」

バスのアナウンスが聞こえてくる。今にも発車してしまいそうだ。

りょう「クソ…こういう時こそ、こういう時だけでいい…能力が使えれば…」

その時、手に持っていたシュシュから、何か妙な気配を感じた。

りょう「…あずき?」

視線を向ければ目の錯覚かと思う程の微かな光のようなオーラを纏っているように見えた。

りょう「…なんだこれ、あずきがたまに使う妖力に似てる…まさか、使えって事か?」

考えている暇もない。右腕にシュシュを通し、再び走り出す。

りょう「どっちにしろ…賭けるしかないっ!」

距離はまだある。もうすぐ発車する。幼い体では間に合う事は無いだろう。

だから、一筋の望みに賭ける。

102: 2014/09/02(火) 02:18:32.34 ID:EGN1Tnc40
涼は放置されたままのスケボーに乗って、右手で触れる。

りょう「『アタシをバスの中に連れて行け』!!」

その瞬間シュシュを付けた右手から妖力が送り込まれ、飛ぶように高速で動き出す。

その姿は車内からも見えていた。

かれん「あ、おねえちゃんだ!」

「なんだー?」「すごーい!」「はやーい!」

バスの扉がゆっくりと閉まっていく。

りょう「だあああああああああああああああっ!?予想より速すぎるんだよおおおおおおおおお!!」

涼は必氏に高速で動くスケボーにしがみつきながら突っ込む。

りょう(これ氏ぬんじゃないかな…)

走馬灯が一瞬の中に圧縮されて流れ始める。

だが、いきなりかかったブレーキと、己の体が飛ぶ感覚によってそれは中断された。

…スケボーは急ブレーキをかけて涼をバスの中にぶち込んだのだった。

りょう「うわああああっ!?」

ゆっくりと閉まる扉をすり抜けて、向う側の窓にぶつかる前にぶら下がっている吊革に思い切り捕まる。

殺せない勢いのままブランコのように動くが天井を蹴って勢いを落とす。

吊革から手を離して着地すると、加蓮が駆け寄ってきた。

かれん「おねえちゃんすごーい!まほうつかいさんみたいだったよ!」

「すごい!」「まほうつかい?」「かっこよかった!」

りょう「そ、そうか…アタシは…し…氏ぬかと思った…あはははははは…」ガクリ

かれん「いやー!?おねえちゃん!?りょうおねえちゃんしっかりしてー!?」

このバスがどこに向かうのかとか、このバスから降りなきゃいけないとか、そういう事を考える暇もなく、涼は気絶した。

103: 2014/09/02(火) 02:20:04.55 ID:EGN1Tnc40
情報
・涼と加蓮が口リ化。アクアランド行きのバスに乗ってしまいました。涼は恐らく到着する頃には目を覚ましてる筈。
・加蓮は記憶まで口リ化、涼さんは見た目は子供、頭脳は大人。
・口リ化の影響か涼の能力が弱体化。命令する時に妖力を持ったシュシュを装備している方の手で触れないとモノを操作できない模様。

和柄シュシュ
あずきから誕生日にプレゼントされたモノ。あずきの体の一部である為当然それなりの妖力が宿っている。
今回、その妖力が涼の能力のサポートに使われた。今後、何かに影響する可能性がある。

104: 2014/09/02(火) 02:21:14.52 ID:EGN1Tnc40
以上です。涼さんが苦労するだけのお話になった気がする。
ちなみに、口リ加蓮は記憶と現在の肉体に違いがある為本人が思っている以上に丈夫で回復力があるようです。
途中でナニカいたような気がするのはギャグだからそこまで気にする必要は無い。…筈。



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part11