423: ◆q2aLTbrFLA 2014/11/11(火) 00:10:38.13 ID:wXAWqqSm0


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ



なんか勢いに乗って書き上げてしまったのでその勢いのまま投稿します。
初めて書くので温かい目で見てください。

424: 2014/11/11(火) 00:12:12.58 ID:wXAWqqSm0


今井加奈はいわゆる普通の女の子だ。誕生日は3月3日。血液型はO型。趣味は友達とのおしゃべり。

よくメモを取るが、それ以外にはこれと言って目立った特徴のない、ただの16歳の女の子だ。

(そんな彼女の笑顔には妹のように守ってあげたくなる魅力があるが、それについて熱く語ることはここではやめておく事にする)

そんな彼女にも『あの日』以来ちょっとした秘密ができた。

その秘密はアイドルヒーロー達のように人々を助けるような頼もしいものではなかったが、彼女にとっては特別な秘密だった。
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



425: 2014/11/11(火) 00:13:15.81 ID:wXAWqqSm0
加奈「ふー、注文はこれで全部だねっ。重いものが少なくてよかったぁ」

秋炎絢爛祭の真っただ中、両腕に大量のビニール袋をぶら下げた少女、今井加奈は京華学院の構内を歩いている。

クラスの買い出しの一部を任された彼女は、紙皿や割り箸などと言った備品を買いに出かけ、その帰路ついていた。

買い忘れがないかどうか手元のメモ帳を器用に確認しつつ、彼女はクラスへの帰り道を歩く。

・・・ビニール袋の中には、頼まれていないはずの『そばつゆ』が含まれていたが、その理由については深く考えるまい。

加奈「やっぱり盛り上がってるなぁ~。でも、うちのクラスも負けてないよね!かなかなファイファイ、おーっ!」

お祭りの空気に圧倒されないように、自分を鼓舞しつつも、彼女は歩き続けた。

・・・時に、美味しそうな出店の前で立ち止まることもあったが、それは御愛嬌だろう。

426: 2014/11/11(火) 00:14:37.48 ID:wXAWqqSm0

時間は一旦『憤怒の街』事件まで巻き戻る。

『憤怒の街』事件が始まってから数時間が経とうとしているだろうか。

街中には悲鳴や銃声、カースによる破壊音や怒号が響き渡っていた。

阿鼻叫喚の地獄絵図と化した街、その街の外側、後少しで街の外に逃げられるだろうという所。

加奈「ハアッ、ハアッ、ハアッ」

そのような所を、今井加奈は全力で走っていた。

加奈(何?何?なんなの?一体何が起こってるの?)

愛らしい顔は恐怖で引き攣り、抱きしめたくなるような華奢な体は悲鳴を上げていたが、生き延びるため彼女は足を動かし続ける。

427: 2014/11/11(火) 00:15:48.91 ID:wXAWqqSm0
その日、彼女は新しいメモ帳を購入するために街を訪れていた。

加奈(うーん、今度のメモ帳はどんなのにしようかな?)

少しだけ眉をひそめ、頬に指を当て店先に置かれたメモ帳の列を真剣に眺めるしぐさはとてもキュートだ。かわいいよなぁ。

ゴホン。

ともかく、その日は新しいメモ帳を手に入れ、そのメモ帳に何が書かれるのかを楽しみにしつつ彼女の一日は幕を終えるはずだった。

428: 2014/11/11(火) 00:16:29.89 ID:wXAWqqSm0



カリカリカリッ



429: 2014/11/11(火) 00:17:33.88 ID:wXAWqqSm0
その予定を、一つの音が妨げた。

加奈(あれ?どうしたんだろ?)

自身の脳内で響き渡った音に対し、慣れた様子で、彼女は自身が持っているメモ帳を取り出す。

加奈(もしかしてカースが発生したのかな?あまりひどいことにならないといいな)

と軽く考えながらメモ帳に目を通す。

加奈(?何これ?)

そこにはとても乱れた文字が数十行にわたって記されていた。

430: 2014/11/11(火) 00:18:28.45 ID:wXAWqqSm0
[ま、街が大変なことに!]

[何!?何が起こってるの!?]

[カースが、町中にカースがいっぱい!?]

その後も書き手の混乱を表すかのように文字は記されている。

時には読めない文字もあり、支離滅裂の所が多かったが

[助けて・・・怖いよ・・・やだ・・・氏にたく]

と言う最後の分だけはしっかりと読み取れた。

431: 2014/11/11(火) 00:19:07.95 ID:wXAWqqSm0
加奈(え?え?)

今井加奈は混乱した。

加奈(こんな、こんなひどい事なんて今まで一度も書かれなかったのに)

思わずメモ帳を落としそうになる。得体のしれない恐怖が体を駆け巡る。

見なかったことにしたい、その衝動に耐えつつメモをもう一度読もうとした。

その時、事件は始まった。

432: 2014/11/11(火) 00:20:45.24 ID:wXAWqqSm0



カリカリカリカリカリカリカリカリッ

音が鳴り止まない。



433: 2014/11/11(火) 00:21:46.49 ID:wXAWqqSm0
怒りと惨劇に支配された街を彼女は逃げ続けていた。

今井加奈は普通の女の子だ。

年下に対しては自身がしっかりしないとという責任感が空回り気味に発生し、お姉ちゃんぶって少し無理をしてしまう。

そんなところもかわいいと評判の女の子だ。

そんな彼女がたった一人で何時間も逃げ延びていた。

なぜだろうか。

そんなもの、答えは一つしかない。

434: 2014/11/11(火) 00:22:35.23 ID:wXAWqqSm0
加奈「やっと、ここまで、これた。」

息も絶え絶えに彼女はつぶやく。街の外まで目と鼻の先の所にあるT字路に彼女はいた。

今まで見てきたものについては思い出したくはない。そんな中を彼女は走り続けてきた。

足は棒のようになっており、心身共に休息を要求している。

加奈「でも、あと、少し、頑張ろう。かなかな、ファイ、ファイ、おーっ!」

と、かすれた声でカラ元気を振り絞り、メモ帳をしっかりと握りしめ、今井加奈は再び足を動かし始めた。

この辺りは来たことがあった。

ここを左に曲がれば五分もしないうちに街の外に逃れることができるだろう。

右は少し入り組んだ路地につながっている。こちらは左よりは時間がかかるだろう。

彼女は左に曲がろうとした。

435: 2014/11/11(火) 00:23:56.63 ID:wXAWqqSm0


カリカリカリッ

頭の中に音が響く。



436: 2014/11/11(火) 00:27:41.28 ID:wXAWqqSm0
反射的にメモ帳を見る。

[ま、またたくさんのカース!?数え切れないくらいいるよ!?]

[もう少しなのに・・・]

[だめ・・・、逃げ切れない]

そう書かれていたのを確認すると、彼女は右に向かって走り出した。

「ザッケンナコラー!」

「ムカツクンダヨォォォォ!」

彼女が去った一分後、左の道からは大量のカースが流れ出し、街に向うための行軍を開始していった。

437: 2014/11/11(火) 00:29:48.56 ID:wXAWqqSm0
いくつも脇道を抜け、時には隠れながら、今井加奈は逃げ続けていた。

その逃避行にもついに終わりが来た。

限界をとっくに通り越し、あわや意識を失いそうになる直前、周りの空気が変わったことに気がついた。

本能で、あの街から逃げ延びたことを彼女は理解した。

加奈(もう、だめ。一歩も歩けない)

それを理解すると共にビルの壁に体を預け、糸の切れた人形のように彼女は地面へとへたり込んだ。

苦しそうに息を切らせ、体を襲う痛みに耐える。

加奈(でも、助かった)

自分が生き延びた事に対しての感動からか、彼女の目から勝手に涙があふれ出す。

438: 2014/11/11(火) 00:30:33.49 ID:wXAWqqSm0


それゆえに、気付けなかった。

メモ帳の[カ、カースが目の前に]と言う一文に。


439: 2014/11/11(火) 00:34:09.70 ID:wXAWqqSm0
ザリッ

何かが近づいてくる音を聞いて今井加奈は顔を上げる。

加奈(もしかしてGDFの人かもしれない)

その期待は、一瞬にして打ち破られた。

顔を上げた彼女の前にはボロボロのカースが一体にじり寄っていた。

なぜそうなっているのかはわからない。しかし、その全身はとても傷ついており、泥のような体からはひびが入った核がむき出しの状態になっていた。

そんな状態でも一般人の彼女にとっては命にかかわる存在だ。

逃げるために立ち上がろうとするも、足はすでに言うことをきかなくなっている。

加奈(なんで、どうして、ここまで、ここまで頑張ったのに)

絶望が頭を支配する。足掻こうとするが、体は動かない。

頭を支配する恐怖と絶望に導かれるかのように、今井加奈は意識を手放した。

440: 2014/11/11(火) 00:35:18.22 ID:wXAWqqSm0


それゆえに、彼女は再び気付かなかった。

メモ帳の[あれ?なんで生きてるの?]と言う一文に。


441: 2014/11/11(火) 00:36:02.91 ID:wXAWqqSm0


時間は秋炎絢爛祭に帰ってくる。


442: 2014/11/11(火) 00:38:49.66 ID:wXAWqqSm0
加奈(寄り道しすぎたぁ!)

衝動買いしたソーセージマルメターノをほおばり、今井加奈は小走りでクラスに向かっていた。

ついついお祭りに夢中なっていた彼女は、自分に課せられた使命を思い出し、とてもいい笑顔を浮かべるおじさんの声を背に受けて走り出したばかりだった。

??「あれ?加奈ちゃんじゃないですか!」

そんな彼女に声をかける女の子がいた。

加奈「あ、卯月さん!」

自身の先輩である島村卯月に気がつくと、今井加奈は少しだけたたらを踏んで立ち止まる。

島村卯月は今井加奈にとって一つ年上の先輩であり、また同時に大切な友達でもあった。

誰に対しても普通に接する彼女の姿を今井加奈は少し尊敬していた。

443: 2014/11/11(火) 00:40:11.57 ID:wXAWqqSm0
卯月「こんにちは!買い出しの帰り?」

加奈「はい!思っていた以上にお客さんが来てくれて。なくならないうちにって。」

卯月「そうなんだ、うらやましいですね!でも、うちだって負けませんから!」

たわいもない会話を二人は交わす。

そのままおしゃべりに夢中になりそうになるが、今井加奈は寸でのところで自身の使命を思い出す。

加奈「あっ!すみません卯月さん。私、クラスに戻らなきゃ!」

卯月「そうでした、ごめんね引きとめて。」

加奈「いえいえ、良かったら私のクラスに来てくださいね。」

卯月「うん。絶対行くね!」

444: 2014/11/11(火) 00:41:26.58 ID:wXAWqqSm0
はじける笑顔のまま大きく手を振る島村卯月に別れを告げ、彼女は再び走り出した。

加奈(久しぶりに話したけど、やっぱり卯月さんは素敵だなぁ)

今井加奈は考える。

加奈(誰にでも優しくて、憧れの先輩って感じで)

今井加奈は考える。

加奈(私もあんな風になりたいけど、真似できないかも)

考える。

加奈(・・・なんで)

445: 2014/11/11(火) 00:42:21.68 ID:wXAWqqSm0


チクリ


446: 2014/11/11(火) 00:44:32.22 ID:wXAWqqSm0

少しだけ、ほんの少しだけ島村卯月をうらやましいと思ってしまった。

それだけだったのに。

447: 2014/11/11(火) 00:44:59.11 ID:wXAWqqSm0
ガリガリガリッ

頭の中に音が響く。

448: 2014/11/11(火) 00:45:27.11 ID:wXAWqqSm0
加奈(しまった!)

我に返った彼女がメモ帳を見ると自身の買い物メモとは別のところに、新たに文字が記されていた。

[卯月さんが二人の女の子と会い、そのうちの一人にスタンプを押した]

[三人の近くに動くクマのぬいぐるみがあった。かわいいな]

その文字はまるで機械で書いたように角ばっており、何処となく不気味な印象を見る人に与える。

加奈(またやっちゃった・・・)

449: 2014/11/11(火) 00:46:34.09 ID:wXAWqqSm0


・・・今井加奈は『あの日』から自分の未来が少しだけ知ることができた。

よくわからないことが多いし、ちょっとしたことですぐに変わってしまうものだったが、彼女にとって特別な秘密だった。

けれど、『憤怒の街』の事件から、彼女には秘密がもう一つ増えていた。

それはあまり人には言いたくない秘密。彼女にとって少し怖い秘密だった。

450: 2014/11/11(火) 00:47:03.44 ID:wXAWqqSm0
加奈(気をつけないとなぁ)

書かれてしまった文章を眺めつつも、今井加奈は歩みを止めない。

加奈(だけど、かわいいクマかぁ。私も見てみたいかも)

そんなことを考えながらも、彼女はクラスに戻っていく。

451: 2014/11/11(火) 00:47:40.60 ID:wXAWqqSm0


カリカリカリッ

また音が鳴った。


452: 2014/11/11(火) 00:48:15.68 ID:wXAWqqSm0
加奈(今度はなんだろう?)

いつものようにメモ帳に目を向ける。

しかし

加奈(?何これ?)

書かれていた文章によって彼女は頭に可愛いらしくハテナマークを浮かべる羽目になった。

453: 2014/11/11(火) 00:49:01.70 ID:wXAWqqSm0





[裏山が消えちゃった!]





454: 2014/11/11(火) 00:50:05.27 ID:wXAWqqSm0
今井加奈

職業

高校生

属性

無理をしがちなお姉ちゃん見習い?

能力

未来日記

詳細説明

「加奈メモ日記」

もともと加奈が持っていた能力。『あの日』以降に手に入れた。

加奈自身に起こる未来の出来事がメモ帳に記される能力。

未来の加奈の主観による文章なので、現在の加奈にとって意味のわからない文も多い。

約半日先の未来が記されている。

自身より強い力や能力の予知は行えず、一般人の加奈はカースよりも弱いため、カースの存在を前もって予知する事は出来ない。

元々の内容が書き変わった時は頭の中で「カリカリカリッ」という音がする。


「負の感情日記(仮)」

新たに手に入れた能力。『憤怒の街』事件以降手に入れた。

加奈自身が怒り、嫉妬などといった「負の感情」を向けてしまった相手の未来の出来事がメモ帳に記される能力。

こちらも未来の加奈の主観による文章なので、現在の加奈にとって意味のわからない文章が多い。

どのくらい記されるかは向けた感情の量による。

日記が書かれる時は頭の中で「ガリガリガリッ」という音がする。

発動する時に何となく嫌な気分になるため、加奈はこの能力を怖がっている。

関連アイドル

島村卯月(大切な友人であり尊敬する先輩)

関連設定

なし

455: 2014/11/11(火) 00:52:10.41 ID:wXAWqqSm0
こんな文章ですみません。何か矛盾点があったら教えてください。

島村卯月、マルメターノおじさんをお借りしました。

ありがとうございました。

457: 2014/11/11(火) 14:23:00.61 ID:wXAWqqSm0
すみません。
それと、存在だけですが謎のひなたん星人と謎の鬼っ娘と謎のプロデューサーくんをお借りしました。

456: 2014/11/11(火) 01:16:57.12 ID:4qYNkmq10
乙ですー
未来日記…メモ帳日記…ヤンデレちゃんが来ちゃうのかな?(すっとぼけ)
加奈ちゃんかわいい



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part11