346: 2012/10/22(月) 23:38:35.60 ID:oOOBg9xa0




前回:P「夜の事務所に真を閉じ込めてみよう」


 
P「次のターゲットですが、貴音としましょう」

小鳥「貴音ちゃんですか。正直ドッキリには向かないと思いますが」

P「確かにイメージ的には耐性がありそうですが」

P「賭けてみる価値はありますよ?」

小鳥「貴音ちゃんが怖がる様子……ゴクリ」

P(まるで反省していない)

P「とりあえず迎えに行って来ます。その間にスタンバってください」

小鳥「了解しました!」
第21話 まるで花が咲くように

452: 2012/10/23(火) 01:16:16.71 ID:BIgBSxen0
貴音「あ、あなた様。わざわざご足労いただいて感謝します」

P「ご足労って程じゃないから。後ろ乗ってくれ」

貴音「はい。失礼します」

P「これから事務所に戻ってミーティングをしたいんだが時間は平気か?」

貴音「わたくしのすけじゅーるを管理しているのはあなた様のはずですよ?」クスリ

P「そうだったな。時間ももったいないし少し飛ばすぞ」

455: 2012/10/23(火) 01:18:30.37 ID:BIgBSxen0
貴音「ただいま戻りました」

P「ただいまー。それじゃあ早速……しまった」

貴音「どうかなされましたか?」

P「会議室の蛍光灯が切れたから貴音を迎えにいったついでに買ってくるつもりだった」

貴音「それは困りましたね。わたくしと致しましてはここでも問題ありませんが」

P「いや、やっぱり買ってくる。悪いけど待っててくれるか?」

貴音「あなた様のためなら何時までも」

P「そんな大袈裟な……行ってくる」

貴音「はい。行ってらっしゃいませ」

457: 2012/10/23(火) 01:20:20.36 ID:BIgBSxen0
-別室-

P「首尾はどうですか?」

小鳥「完璧ですよ。ついでにお茶を入れときました」

P「ありがとうございます。様子見としゃれ込みますか」

小鳥「そうですねー」パリパリ

P「俺にも煎餅くださいよ」パリパリ

459: 2012/10/23(火) 01:22:22.93 ID:BIgBSxen0
貴音「ふむ」

貴音「これは……あの方の上着……」

貴音「……」キョロキョロ

貴音「ふふっ」ギュウ

貴音「はっ。わ、わたくしは何を」

貴音「けれどこの安堵感……やはり手放したくないものです」

462: 2012/10/23(火) 01:24:43.59 ID:BIgBSxen0
ピリリリリ

貴音「め、面妖なああああああ!?」

貴音「電話でしたか……」

ガチャ

貴音「はい。こちら765ぷろだくしょんです」

『……』ボソボソ

貴音「申し訳ありませんがもう少し大きな声でお願い致します」

『……』ボソボソ

貴音「?」

463: 2012/10/23(火) 01:26:13.62 ID:BIgBSxen0
『観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色』

貴音「ひっ」

『舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減……』

貴音「し、失礼します!」ガチャン

貴音「悪戯でしょうか? それにしては生々しかったですが」

469: 2012/10/23(火) 01:29:21.28 ID:BIgBSxen0
フッ

貴音「今度は電気が……」

貴音「て、停電でしょうか」

貴音「取り敢えず明かりを。懐中電灯があったはずですが……これですね」パッ

貴音「少しは明るくなりましたが心許ないですね」

バンッ

貴音「!?」

470: 2012/10/23(火) 01:32:10.85 ID:BIgBSxen0
バンッバンッ

貴音「おおお、落ち着きなさい四条貴音。ただの風か何かです」

ガタガタガタ!!

貴音「くせものおおおおおおおおおお!?」

貴音「だ、だだ、大丈夫です。今日は風が強いとてれびで言ってました。それにあの方もすぐに帰ってくるはずです」

貴音「まずは冷静に素数を……いえ、ぶれーかーを上げましょう」

474: 2012/10/23(火) 01:35:16.22 ID:BIgBSxen0
貴音「記憶が正しければこのあたりに……ありましたね」

ガチャガチャ

貴音「ひゃ!?」

貴音「ど、どあのぶを回す音でしたか……」ドキドキ

貴音「……」

貴音「はて? わたしくは鍵を掛けていなかったはず」

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ!!

貴音「だ、誰かが、誰かが扉の前に……」

478: 2012/10/23(火) 01:38:20.32 ID:BIgBSxen0
貴音「あの方にお電話を……」ガチャ

『是故空中、無色、無受想行識、無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法。無眼界、乃至、無意識界』

貴音「きゃああああああ!!」ジュワキナゲル

貴音「うう……あなた様……あなた様……」グスッ

貴音「な、泣いてはなりません。恐怖に飲まれれば冷静な判断が……」

483: 2012/10/23(火) 01:41:02.50 ID:BIgBSxen0
ガチャガチャ……コツコツコツ

貴音「足音が離れていく……?」

貴音「居なくなったのでしょうか」ビクビク

タッタッタ

貴音「ひっ、また近づいて」

タッタッタタタタタ

ガァアアアアアアアアン!!

貴音「――!?」

486: 2012/10/23(火) 01:44:29.95 ID:BIgBSxen0
貴音「何かが扉を叩いて」ガクガク

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!!!

貴音「もう……いやぁ……あなたさまぁ……」ヒッグヒッグ

貴音「上着でもかまいません……温もりを……うぅ……」カオヲウメル

貴音「あぁ……ぐすん……ひぐっ……」ギュウウウ

貴音「あなた様……どうかお助けください……」

493: 2012/10/23(火) 01:49:34.35 ID:BIgBSxen0
貴音「これからも、楽しい日々が送れると思っていたのに……」

ガンガンガン

ガチャリ

貴音(入ってきた……わたくしもここまでですね……)

貴音(出来ることならあなた様にこの思いを伝えたかったのですが……)

ポンポン

貴音(ああ、肩に手が……)

貴音(最後に今一度、あなた様の笑顔が見たかった)

495: 2012/10/23(火) 01:52:25.52 ID:BIgBSxen0
P「あー。だ、大成功?」

貴音「」ポカーン

P「た、貴音さん聞こえてますか?」

貴音「……あなた様?」

P「おう。俺はプロデューサーだが」

貴音「……どっきり?」

P「おう。ドッキリだ……」

貴音「あ、あ、あ」

497: 2012/10/23(火) 01:55:10.81 ID:BIgBSxen0
貴音「あなた様ああああああぁぁぁ!!!!」ギュウウウウウウ

P「うお!?」

貴音「怖かったです……寂しかったです……苦しかったです……あなた様ああああ!!」ギュウウウウウウ

P「スマン、調子に乗りすぎた……」

貴音「いいのです! 傍に居てくれるだけで! うぅ……ぐすっ、えっぐ……」

P「ゴメンな。本当にゴメン」

貴音「謝るのなら……強く抱きしめてください……」

P「お安い御用だ」ギュウウウ

貴音「あなた様……」ジョワアアア

P「こっ、これはまさか……」

508: 2012/10/23(火) 02:00:39.23 ID:BIgBSxen0
貴音「! み、見ないでください……」

P「いや、処理しないと。しかし、まさか貴音がおもらしなんて」

貴音「言わないでください!」

P「最後の最後で……」

貴音「安心して緊張が一気に解けたのです」ボソボソ

P「何か言ったか?」

貴音「何でもありません!」

515: 2012/10/23(火) 02:04:40.53 ID:BIgBSxen0
P「はぁ、風呂入って来い」

貴音「しかし、腰が抜けて……」

P「仕方ないな。ほら」オンブ

貴音「あなた様!? 汚れてしまいます!」

P「気にするな。貴音にした仕打ちを考えれば屁でもない」

貴音「で、ですが……」

P「いいからいいから」

P(それにご褒美ですし)

貴音「判りました……」

517: 2012/10/23(火) 02:07:35.32 ID:BIgBSxen0
P「このことに関しては忘れる。貴音も忘れればいいさ」

貴音「!」ヒラメキ

貴音「忘れなくても構いません。けれど、わたくしの恥ずかしい姿を見たからには……」

貴音「責任取ってもらいますからね?」


後日、貴音さんに頭が上がらない鳥が一羽765プロに迷い込んだとか

短いけどおしり

518: 2012/10/23(火) 02:08:31.80 ID:N1TEniVL0
乙!
さぁ次書く奴いるか

519: 2012/10/23(火) 02:08:41.01 ID:c5zQ9VM20

次回


引用: P「夜の事務所にアイドルを閉じ込めてみよう」