235: ◆Y9olc2i80M 2012/07/16(月) 19:46:05 ID:0duoY54M0
投下開始します

◯梓「ムギわん!」

236: 2012/07/16(月) 19:46:49 ID:0duoY54M0
>琴吹宅
梓「こうやってムギ先輩と一緒にお茶を飲むひととき」

梓「平和だなぁ…」

梓(幸せってこういうことなのかな)

紬「平和→日常→退屈→閉塞感→行き場のない感情→暴力→不良」ブツブツ

梓「えっ?」

紬「…! たいへんっ! 梓ちゃんが不良になっちゃう」

梓「えっえっ?」

紬「そうだ! 非日常を演出すればいいのね」

梓「ムギ先輩、どうしちゃったんですか?」

紬「おらっ! 中野ぉ! お茶かってこいや!!!」

梓「ええーーーーっ!!!!」
けいおん!Shuffle 3巻 (まんがタイムKRコミックス)
237: 2012/07/16(月) 19:47:40 ID:0duoY54M0
紬「ごめんなさい、中野。私、後輩をパシらせるのが夢だったの~」

梓「まぁ、夢なら仕方ない…ってそんな夢ありえません。ムギ先輩に限って」

紬「そう言ってくれるのは嬉しいけど、マンガで読んで一度やってみたいな~って……」

梓「むぅ…そういう事情なら仕方ありませんね。何を買ってくればいいでしょうか?」

紬「お~いお茶をお願い」

梓「わかりました。じゃあちょっと行ってきますね」

紬「あっ、待って。私も一緒に行くから」

梓「えっ?」

>少女たち買い物中

紬「伊藤園中野のミニフィギュア!」

梓「伊藤園ムギ先輩のミニフィギュア!」

紬「これは立派なステマね!」

梓「ステマですね」

紬「でもかわいいからよしとしましょう」

238: 2012/07/16(月) 19:48:06 ID:0duoY54M0
梓「ところで、いつまで中野って呼びつづけるんですか」

紬「えっ?」

梓「えっ? じゃありません!」

紬「…わかった! もっと親しく呼べってことね」

梓「まぁ、そういうことです」

紬「中野ちゃん」

梓「…わざとやってますか?」

紬「不満?」

梓「不満です。もっといつもみたいに親しげに」

紬「中野にゃん!」ダキッ

梓「中野にゃん! ってなんですか、それは///」

紬「唯ちゃんみたいに、親愛の情を込めてみたの」

239: 2012/07/16(月) 19:49:06 ID:0duoY54M0
梓「もっといつもどおりにに呼んでくださいよ」

紬「中野キャット?」

梓「なんで疑問形なんですか! いつもどおりに、って言ってるのに」

紬「いつも言ってるけど」

梓「えっ?」

紬「心の中で」

紬(中野キャットはなんでこんなに怒ってるのかしら…?)

梓「嘘です! 絶対に嘘です!!」

紬「……じゃあ嘘ってことにしておきましょう」

梓「なんで目を逸らしたんですか!? 本当にそう思ってたんですか!?」

240: 2012/07/16(月) 19:49:51 ID:0duoY54M0
紬「じゃあなんて呼べばいいの梓ち……中野キャット」

梓「あっ! 今『梓ちゃん』って言いかけましたよね!!」

紬「…?」

梓「とぼけたって駄目です!!」

紬「そんなに怒らないで、あず」

梓「あず?」

紬「うん。あず。この呼び方は嫌?」

梓「わるく…ないかもしれません」

紬「じゃあ私達『むぎとあず』だね」

梓「後編がそろそろ出るらしいですね」

紬「ステマだね」

梓「ステマですね」

紬「でもあずがかわいいからよしとしましょう」

梓「むぎもかわいいですし」

241: 2012/07/16(月) 19:50:18 ID:0duoY54M0
梓「あっ、紅茶のおかわり頂けますか、ムギ先輩」

紬「ちょっと待ってね、あず」

>少女紅茶中

紬「ねぇ、あず…私のことも、いつもと違う風に呼んでくれない?」

梓「わかりました。琴吹」

紬「……」

梓「……ムギ先輩?」

紬「……ひっ…ぐすっ…………うぇーーーーん……」

梓「わっ……泣かないでください」ヨシヨシ

紬「ぐすっ……ひぐっ……」

梓「あわあわ……どうすれば…」

紬「なーんてね」ニコッ

梓「えっ、嘘泣き!?」

紬「女はみんな女優なの」

紬(本当に悲しくなってしまったのは、秘密にしておきましょうか…)

242: 2012/07/16(月) 19:50:51 ID:0duoY54M0
梓「じゃあ…ムギちゃん」

紬「うん」

梓「あれ、あまり反応しませんね」

紬「うん。唯ちゃんと同じ呼び方だから」

梓「唯先輩と同じ……それはなんだか面白くありません」

紬「そうなの?」

梓「ムギ……でも和先輩と被っちゃいますし」

紬(りっちゃんと澪ちゃんはスルーなんだ……)

梓「じゃあ、ムギにゃん」

紬「にゃっ!?」

梓「これもあずにゃんのパクリっぽいですよね」

紬「悪くないと思うんだにゃん」

243: 2012/07/16(月) 19:51:47 ID:0duoY54M0
梓「確かににゃんにゃん言うムギ先輩はかわいいですが、二番煎じは頂けません」

紬「あずなりの拘りがあるのね!」

梓「……ムギわん」

紬「わんっ!」

梓「ムギわん……ムギわん……これです。私が猫なら、ムギ先輩は犬。完璧な組み合わせです」

紬「私はわんちゃん?」

紬(ネコのペアならタチだと思うけど……)

梓「ええ。賢いイメージがありますし、ムギ先輩にぴったりです」

紬「わんちゃんかぁ…」

紬「でも私、おしOこでマーキングなんてしないよ」

梓「あたりまえです!!」

紬「…! わかった。あずは私に首輪をつけて、四つん這いにして連れ回したいのねっ!」

梓「えっ」

紬「ちょっと待ってね」

>少女退席中

244: 2012/07/16(月) 19:52:17 ID:0duoY54M0
紬「あった。首輪とリードよ」

梓「でも犬用の首輪なんて使ったら痛いんじゃ」

紬「大丈夫。これは御父様と御母様が昔使ってたものだから」

梓「えっ」

紬「『つむぎに大切な人ができたら使いなさい』って言って渡されたの~」

梓(あの御両親が……どっちが犬役だったんだろう……)

紬「さっそく繋ぐね」

梓(ムギ先輩を這いつくばらせて散歩……ちょっとだけやってみたいような……)

紬「はい」カチッ

梓「……えっ。なんで私の首に」

紬「私、後輩の女の子に首輪つけて散歩するのが夢だったの~」

梓「そんな夢あるわけないです! すぐに首輪をとってください」

紬「……ごめんなさい。悪ふざけが過ぎたわ」

梓(あれっ……あっさり引き下がっちゃった)

245: 2012/07/16(月) 19:52:55 ID:0duoY54M0
梓「まぁいいです。今度はこっちの番ですね」

紬「えっ?」

梓「散々いじられた鬱憤を晴らしてやるです」カチッ

紬「あず……?」

梓「ほらムギわん、這いつくばって歩くです」

紬「キャッ」

梓「キャッとは何ですか、犬なら「ワン」と泣いてください」

紬「…わん」

梓「よしよし、よくできました」ナデナデ

紬「わんわん!」

246: 2012/07/16(月) 19:53:28 ID:0duoY54M0
梓「お手」

紬「わんっ!」トン

梓「おかわり」

紬「わんっ!」トン

梓「ふーせっ!」

紬「…わん!」シュッ

梓「ちOちん」

紬「……わん///」

梓「わっわっ…はやくしまってください///」

紬「わぅーん……」

梓「なんでそんなに悲しそうな顔してるんですか」

紬「わんわん」

247: 2012/07/16(月) 19:54:39 ID:0duoY54M0
梓「そろそろプレイはやめにしましょうか」

紬「わん」

梓「ふぅ……たまにはこうやってふざけて遊ぶのも悪くないですね」

紬「そうね、非日常って感じがして」

梓「私はムギ先輩とお茶を飲む静かな午後も好きですけど」

紬「梓ちゃん、まだ午前中だよ」

梓「……」

紬「午後からどこかに出かけましょうか」

梓「デートですね」

紬「…だけど、中野キャットの言いたいこともわかるわ。私、二人でいるときの落ち着いた空気も好きだよ」

梓「……中野キャット?」

紬「…ごめんなさい。思ってたことが声に出ちゃったみたい」

梓「…ムギ先輩!!」

紬「わんっ!」

おしまいっ!

248: 2012/07/16(月) 20:44:55 ID:xuANfJ.o0
おつ

引用: 唯「お日様が出ていても全部が明るいわけじゃないんだよ」