570:◆3QM4YFmpGw 2015/12/21(月) 22:32:30.91 ID:eySw0Tzh0


モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


前回はコチラ


 時系列は学園祭三日目、ピィと千枝ちゃんが出かけるよりわりと前

いつもと投下方法が異なるのでちょっと手間取るかも

571: 2015/12/21(月) 22:34:08.65 ID:eySw0Tzh0
マリナ「やっぱり、不安なのよね」

アパート◯◯の一室で、マリナが不意に口を開く。

若神P「不安って……みりあちゃんの事ですか?」

マリナ「そうよ、全くあなたがついていながら……」

マリナはねっとりとした口調で若神Pをなじりながら、手頃な雑誌を丸めてそれで彼の頭をポコポコ叩いた。

若神P「す、すみません……」

事は、学園祭初日。

色欲のカースドヒューマンに、みりあが攫われてしまった件だ。

あの時はマキノ、そして春菜の協力で無事に救出出来たが……。

マリナ「念のため今日は外出させなかったけど、いつもそういうわけにはいかないじゃない?」

若神P「そう、ですね……」

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それは、なんでもないようなとある日のこと。

~中略~

「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。



572: 2015/12/21(月) 22:35:46.35 ID:eySw0Tzh0
そこで会話が途切れ、2人は既に眠りについているみりあを眺める。

みりあ「……すぅ……ぇへへ…………」

よほど楽しい夢を見ているのであろう、幸せそうな寝顔だ。

若神P「天使」

マリナ「ホントよ。で、話を戻すけれど。あたしがいない間どこかでみりあちゃんを預かってもらえないかなって思ったのよ」

若神P「そうですね。僕が四六時中一緒にいるわけにも……」

若神P(まあ、正直『先代』さんがいる限りここが安全だと思うけどね)

シャイターン……依田芳乃。

彼女に保護を頼めば、まあ間違いなくみりあの身は安心だろう。

だが……

若神P(表向きはただの管理人さん、頼めるわけもないよね)

マリナ「そこで、ある所にお願いしようと思ってるの」

若神P「ある所? どこですか?」

マリナはにっこりと笑みを浮かべ、その名を口にした。

マリナ「能力者支援団体『プロダクション』よ」

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573: 2015/12/21(月) 22:37:41.84 ID:eySw0Tzh0
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翌朝、プロダクション。

マリナ「ここがプロダクションね……お邪魔しまーす」

マリナ達がプロダクション施設内に入ると、すぐそこに白衣の少女が立っていた。

晶葉「よし、早速起動テストを……む? 客人か?」

マリナ「え、ええ。昨日連絡を入れた沢田という者だけど……」

晶葉「そうか、ならピィかちひろだろうな。よし、この天才発明少女池袋晶葉が案内してやろう」

晶葉は自慢げに胸を張った。

若神P「いいの? 何か始めるみたいだったけど……」

晶葉「お、気になるか? 気になるだろう? これこそ私が造り出した傑作、その名も……」

574: 2015/12/21(月) 22:38:43.23 ID:eySw0Tzh0
美玲「あれっ、晶葉。その人達何だ?」

晶葉の演説めいた言葉を、ひょっこり現れたフードと眼帯の少女が遮った。

晶葉「おっと、本題を忘れる所だった。すまんな美玲、どうやらピィかちひろに客人らしい」

みりあ「赤城みりあです、こんにちはー!」

美玲「お、おう! 元気だな、ウチは美玲だ!」

みりあにあいさつを返した美玲は、思い出したように晶葉の方を向く。

美玲「……って、ピィはさっきお客に会ってたぞ?」

晶葉「何? あのピィがダブルブッキングなんてヘマをするとは思えないが……」

晶葉が怪訝そうな顔で顎に手を当てた、ちょうどその時。

575: 2015/12/21(月) 22:39:51.43 ID:eySw0Tzh0

「 そ ぉ ー な ん で す っ ! ! ! 是 非 、 ア コ ち ゃ ん を 探 し て ほ し い ん で す っ ! ! ! ! 」


若神P「うわっ!?」

地を割らんばかりの大声が、プロダクションを物理的に震撼させた。

マリナ「な、何今の……?」

美玲「応接室の方だな……行ってくる!」

晶葉「あ、おい待て美玲!」

返事を聞く前に美玲が駆け出し、晶葉達も急いでそれに続いた。

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576: 2015/12/21(月) 22:40:37.55 ID:eySw0Tzh0
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応接室。

ピィ「~ッ……」

ちひろ「ぅ……」

苦悶の表情で耳を抑えるピィとちひろ。

目の前には、事態を理解していない笑顔で座り続ける少女。

ピィ「え、えーと……日野茜さん、だったね? アコちゃんっていうのは……?」

茜「はいっ!! お友達ですっっ!!!」

ピィ「…………ッ!!」

ちひろ「はぐっ……!?」

茜が口を開くと、爆発音にも似た大声が応接室に響き渡った。

ピィ「な、なるほど……それで、アポも無くウチに突入してきたと……」

茜「アポって何ですか!? あっ!! リンゴ! リンゴですか!?!?」

ちひろ「そ、それはApple……ぐふっ」

ついにちひろが倒れた。

ピィ「ちっ、ちひろさぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

茜「大丈夫ですか!? 病気ですか!? それともお腹が空いたんですかぁっ!!?!?」

ピィ「君は一度口を閉じよう! マジで!」

577: 2015/12/21(月) 22:41:31.55 ID:eySw0Tzh0
茜に負けじとピィが声を荒げたその時。

美玲「どうしたっ、ピィ! 何かあったのか!?」

マリナ「ずいぶん大声だったわね……まさかあの子の声?」

みりあ「あーっ! あそこ、誰か倒れてるよ!」

美玲達が次々応接室になだれ込んで来た。

ピィ「美玲! 晶葉! ……その人達は?」

晶葉「沢田さんだ。昨日連絡したらしいが……」

マリナ「ど、どうも……お取り込み中?」

晶葉に紹介され、マリナが軽く会釈する。

ピィ「あ、あぁー。どうも、昨日お電話預かりましたピィと申します」

若神P「…………」

マリナ「あら、どうしたの若神Pくん?」

ふと、若神Pが応接室の外をジッと見つめている事にマリナが気付いた。

若神P「マリナさんすいません、僕ちょっと向こう行ってきます」

言うが早いか、若神Pは早足でその場を去っていった。

578: 2015/12/21(月) 22:42:47.80 ID:eySw0Tzh0
マリナ「迷子になっちゃダメよー? ……さて、これはどういう状況かしら?」

晶葉「その前にちひろだ。よく分からんがとりあえず診察ロボを……」

みりあ「あっ、みりあがやーる! みりあがやーる!」

みりあが元気良く手を振って晶葉の言葉を遮った。

そして倒れているちひろの前に立ち、ゆっくりとしゃがみこむ。

ピィ「……あの、何を?」

マリナ「まあ見てて」

みりあ「……《チュウ》ッ」

みりあがちひろに向けて投げキッスのようなポーズを取ると、口元に『注』と書かれた方陣が現れた。

方陣から流れ出る光の粒子がちひろを取り囲むと、程なくしてちひろが立ち上がる。

579: 2015/12/21(月) 22:44:11.87 ID:eySw0Tzh0
ちひろ「うう、ひどい目にあった……」

美玲「おお!? ちひろが起きたぞ!」

ピィ「治癒能力、ですか?」

マリナ「それ一辺倒じゃないけどね。じゃ、早速で悪いんだけど……」

ピィ「ああ、そうですね」

ピィがマリナに向かって頷き、茜の方に向き直った。

ピィ「悪いけど、こっちの人達は昨日会うと約束してた人達なんだ。こっちを先にさせてもらっていいかな?」

茜「そうだったんですね! 分かりました! じゃあ別の場所で待ってます!!」

茜は元気良く立ち上がり、部屋を出て行った。

ピィ「ふう……すみません、お待たせしました」

マリナ「今の子は……飛入りだったの?」

ピィ「ええ、そんな所です。さ、お掛けください」

ピィに促され、マリナとみりあがソファに腰掛ける。

ピィ「では、改めてお話をお伺いします……」

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580: 2015/12/21(月) 22:45:30.09 ID:eySw0Tzh0
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プロダクションの通路を、やたらキョロキョロしながら突き進む若神P。

若神P「確かにこっちの方からだよね……この『気配』……」

気配を頼りに『何か』を探しながら、やがてある部屋の前に立った。

コンコン、と軽くノックする。

??「はーい、どうぞー」

部屋の中からの底抜けに明るい声を聞き、若神Pはドアを開けて中に入る。

未央「いらっしゃー……」

沙理奈「あら、どちらさ……」

中にいたのは、本田未央と松本沙理奈。

2人とも若神Pの顔を見るなり硬直した。

若神P「……何してんのさ、ラファエル。それにアスモダイまで……」

未央「……こっちの台詞だよ、若」

沙理奈「は、ハァイ若。何かご用?」

若神P「ちょっとね。まさか熾天使と大罪の悪魔が仲良く煎餅食べながらリバーシで遊んでるとは……」

呆れた様子で2人の手元を見やる若神P。

白の未央側がだいぶ劣勢なようだ。

581: 2015/12/21(月) 22:46:23.30 ID:eySw0Tzh0
未央「いやー、もう3連敗中でさー」

沙理奈「1回勝負のハズだったのに、ずいぶん食い下がってきてね。って、それよりも」

未央「あぁあー!?」

投じた一石で未央の白石を全滅させ、沙理奈は表情を引き締めた。

沙理奈「あんた、『ヤツ』は見つけたの? 確かそれの為に降りて来たんでしょ?」

若神P「……見つけてたらもう地上にいないよ」

未央「ちょっ、それってまずくない?」

若神P「分かってるよそれくらい……」

若神Pはギッと歯を食いしばって俯いた。

沙理奈「まあ、そう簡単に見つかれば苦労は無いわよね」

未央「でも『ヤツ』を野放しにしたら何が起こるか……」

582: 2015/12/21(月) 22:47:20.09 ID:eySw0Tzh0
茜「お邪魔しまぁーっす!!!」

部屋のドアが勢い良く開け放たれ、茜が弾丸のように飛び込んできた。

未央「うぉわぁっ!?」

若神P「あ、さっきの……」

茜「はい!! 日野茜です!! お話が終わるまで別の場所で待っているように言われました!!!」

茜は大音量で自己紹介し、経緯を説明する。

未央「あ、茜ちゃんね……本田未央ですっ、よろしくね」

沙理奈「松本沙理奈よ、よろしく」

若神P「(2人はそう名乗ってるんだ…)あ、僕は若神P。まあ、僕もプロダクションに来るのは今日が初めてなんだけどね」

茜「よろしくお願いしますっ!!」

3人の自己紹介を受け、茜は勢い良く頭を下げた。

若神P「……ところで、茜ちゃんはここに何の用だったの? 確か、アコちゃん? がどうとか……」

茜「聞いてくれるんですか! ありがとうございます!! 実は……」

583: 2015/12/21(月) 22:49:00.61 ID:eySw0Tzh0
茜の話をまとめると。

茜にはアコという友人がいる。

彼女は妖精界の秘宝というものを探していて、茜はそれを手伝っている。

しかしある日、突然アコが姿を消し、連絡も取れなくなった。

聞けばアコが姿を消したのは、あの忌まわしい大事件の当日だった……。

未央「GDFが戦略兵器で街ごとカースの群れを焼き払った日かー……」

未央が顎に手を当て唸る一方、

沙理奈(私その時地上にいなかったから知らないのよねー……)

若神P(僕その時地上にいなかったから以下略……)

2人はそんな事を考えながら、未央と同じ様に手を顎に当てていた。

未央「もしあの爆発に巻き込まれてたらまず助からないよねー……」

茜「で、でも! 私はアコちゃんが生きてるって信じたいんです!!」

584: 2015/12/21(月) 22:50:04.81 ID:eySw0Tzh0
未央「うん、私も信じるよ、日野っち!」

未央が明るい笑顔で茜の肩を叩く。

茜「おお!! ……日野っち、ですか?」

未央「そう、アダ名! んー……茜ちん、の方がいいかな? どっちかなー……」

沙理奈「いや、どっちでもいいでしょ」

未央「それもそうだね。とにかく茜ちん! アコちゃんの事は私からピィさんに伝えとくよ!」

茜「おお!! ありがとうございます未央ちゃん!!」

感激した茜は力一杯未央に抱きついた。

未央「ぐえぇ……日野っちブリーカー……ちゃんみお幻人が全滅してしまう……」

若神P「……あ、そうそう。気付いてる?」

若神Pがそっと沙理奈に耳打ちする。

沙理奈「何が?」

若神P「今この街に、『先代』が来てる事」

沙理奈「せっ……!? し、シャイターンが来てるの……?」

若神P「うん、僕が暮らしてるアパートの管理人さん」

沙理奈「うわー、会いたくなーい。私あの人苦手なのよね、マジメすぎて」

茜の熱すぎる抱擁を受け続ける未央をよそに、2人ヒソヒソと話を続けていた。

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585: 2015/12/21(月) 22:51:22.65 ID:eySw0Tzh0
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一方、プロダクションの一室。

ピィ「では、マリナさんが一緒にいられない時のみりあちゃんは、我々が責任をもってお預かりします」

マリナ「ありがとう、よろしくお願いするわ」

2人はそこで言葉を切り、みりあの方へ目を向ける。

薫「わー! すごいすごーい!」

メアリー「ヘンシンするなんて、やるワネ!」

千枝「とっても可愛いお洋服ですね」

みりあ「えへへー!」

みりあは歳の近い子達とすっかり仲良くなっていた。

マリナ「……楽園かしらね」

ピィ「楽園と書いてエデンですね」

2人が固い握手を交わした瞬間、部屋の戸が開いた。

586: 2015/12/21(月) 22:52:34.18 ID:eySw0Tzh0
藍子「へえ、茜ちゃんって言うんだ。よろしくね」

茜「はい!! よろしくお願いします藍子ちゃん!!」

未央と藍子が、茜を連れて入ってきた。

ピィ「お、未央に藍子」

未央「ピィさんピィさん、カクカクシカジカハシレミツボシ……」

ピィ「ふんふん、コレコレウマウマアイコマジテンシ……なるほど、そういう事か。分かった、おーい茜ちゃんや」

未央から事情を聞いたピィが、茜に呼びかける。

茜「はいっ!! 何でしょう!!」

ピィ「事情は分かった。アコちゃんの情報が入ったら報せるから、今後も気軽に遊びに来てくれ」

そこで一度言葉を切り、未央と藍子の方へ視線を移す。

587: 2015/12/21(月) 22:53:30.28 ID:eySw0Tzh0
ピィ「仲の良い子も出来たみたいだしね」

茜「はい!! ありがとうございますピィさん!!!」

感極まった茜は、ピィに向かってまるでラグビーのタックルのような弾丸めいたハグを繰り出した。

ピィ「ごばぁっ!!?」

勢いのまま宙を舞うピィの体は、偶然にも全開だった窓をすり抜け、建物の外へと放り出されていく。

ピィ「ぁぃこぉぉぉぉぉぉぉぉ……」

藍子「ピィさぁぁぁぁん!?」

その後ピィは落下寸前のところでアビストラトスに変身したマリナに助けられ、

マリナがウェンディ族である事と現在の海底都市の事情をほぼ知らない事が、プロダクション全員に知られる事となった。

続く

588: 2015/12/21(月) 22:56:27.99 ID:eySw0Tzh0
○イベント情報追加
マリナ、みりあ、若神P、茜がプロダクションに出入りするようになりました(マリナはみりあの迎えのみなのであまり長居しない)

プロダクションがアコの情報について集め出しました

以上です
主にポジパを揃えたかったの巻
古賀家は4日目以降に予定変更って事で…
晶葉、美玲、ピィ、ちひろ、茜、未央、沙理奈、薫、メアリー、千枝、藍子、名前だけ亜子お借りしました

589: 2015/12/22(火) 02:42:46.27 ID:qVJFbF4S0
おつでしてーポジパそろった!やったぜ!!!
こうして改めて思うけどプロダクションメンバーの安心感よ(口リ楽園と絶対的保護者的な意味も含む)



【次回に続く・・・】




引用: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12