1:◆UoIACtoViU/N   2018/08/12(日) 18:54:23.22 ID:RWqSmRVe0

2: 2018/08/12(日) 19:11:58.58 ID:RWqSmRVe0
香澄「今日からここ、花咲川女子学園の一年生!とりあえず、クラス見よっと」

ドン!

香澄「いった!」

沙綾「っ!」

香澄「ちょっと!どこ見てるのさ!」

沙綾「、、、なにそれ?そっちがぶつかってきたんじゃない」

5: 2018/08/13(月) 05:39:24.07 ID:Jyzta+rG0
香澄(はっ!ダメダメ!こんなけんか腰じゃ!もっと仲良くしないと)

香澄「ご、ごめーん。そうだ、、、

沙綾「ふん!」シュッ!

香澄「うわ!」バキ、ズタ

沙綾「まったく、朝から不快な思いさせないでよね」スタスタ

6: 2018/08/13(月) 05:48:11.23 ID:Jyzta+rG0
香澄「いったーー!あのちょっとパンのいい香りがするポニーテールの子め!今度会ったら絶対やり返す!」

ケンカ? カカワラナイデオコ ガヤガヤ

りみ(あの子、、もしかして)

香澄(うわ、悪目立ちしてるよね。早く教室に行こっと)

香澄「あはは、どーも、どーも、」タッタッタ


教室

先生「では自己紹介から順番にお願いしますね」


モブ「~~です。よろしくお願いします」

パチパチ

香澄(よし、次は私だ!)

7: 2018/08/13(月) 06:07:47.54 ID:Jyzta+rG0
先生「では次の方」

香澄「はい!」

香澄「私、戸山香澄です!中高一貫のこの学校ですが、高校からこの学校に入ることになりました!目標は普通の友達をたくさん作ることです!
   よろしくお願いします!」

パチパチ

モブ「普通の友達だって」

モブ「戸山さん、おもしろーい」

香澄(そう、普通の友達。私のことを、戸山の姉御!やら、『星のカリスマ』、とか呼ばない普通の友達。そのために知り合いのいないであろう
   この学校に来たんだから)

りみ(やっぱり、だよね?)

沙綾(げ、あの子。同じクラスじゃん。最悪)

たえ(あー、喧嘩したい)

9: 2018/08/13(月) 09:24:38.20 ID:Jyzta+rG0
モブ「戸山さん、一緒にご飯行かない?」

香澄「え?ほんと?行く行く!」

香澄(これだよ!こういう友達を待ってたんだよ!)

沙綾「、、、、」スタスタ

香澄「!?」

香澄(あの子は、朝の!)

モブ「それでー、どこ行こうかって話を、

香澄「ごめん!私やっぱり用事が!明日!明日ね!」タッタッタ

モブ「あ、え?、、、行っちゃった」

10: 2018/08/13(月) 09:32:23.53 ID:Jyzta+rG0
沙綾(帰ったら、えーと、)

香澄「ちょっと!そこのあなた!」

沙綾「ん?、、げっ!」ダッダッダ

香澄「ああ!逃げないでよ!」

沙綾「もう!めんどくさい!」



香澄「、、、、逃げられちゃった。途中ほかの人にぶつかりさえしなければ」

香澄「はぁ、せっかくのお誘いだったのに」

香澄(けど!やられっぱなしは嫌だしね!)

香澄「明日こそは!」

香澄「今日は帰ろっと、」


りみ「あ、あの!」

香澄「うん?私?」

りみ「えっと、『星のカリスマ』、戸山香澄だよね?」

香澄「、、、え?」

11: 2018/08/13(月) 09:45:38.22 ID:Jyzta+rG0
羽沢珈琲店

りみ「私、牛込りみ、って教室で自己紹介したよね?えっと、よ、よろしく」

香澄(まさか、私のことを知らない人がいるところに来たはずなのに)

りみ「それで、その、『星のカリスマ』であってる、よね?」

香澄「、、、、、違う」

りみ「え?だって戸山香澄って」

香澄「、、、人違いじゃないかな?」

りみ「そ、そんな、」

香澄「だ、だいたい私喧嘩なんて、」

りみ「え、でも朝に『発酵少女』山吹沙綾ちゃんともめてたよね?」

香澄「ん?『発酵少女』?」

りみ「うん。戸山さんがさっきまで追いかけてた人のこと」

13: 2018/08/13(月) 09:53:51.11 ID:Jyzta+rG0
香澄「香澄、でいいよ。私もりみりん、って呼ぶから」ゴクゴク

りみ「りみりん、、、うん!かすみちゃん!」

香澄「それにしても、そっか、あの子さーや、って言うんだね。明日にでも一発仕返しを、」

りみ「、、、、」

香澄「、、一発仕返しに、、、コーヒーでも奢らないと、なんてね!」アハハ

りみ「あの、さーやちゃんはね、中学の頃からなかなかでね。昔はグループでつるんでたらしんだけど、今は一人なんだ」

香澄「へ、へー」

りみ「だから基本的あまりだれも近寄らないの。ましてや追いかけたりなんて、」

香澄「、、、」ゴクゴクゴク

14: 2018/08/13(月) 10:10:37.72 ID:Jyzta+rG0
りみ「『星のカリスマ』」ボソ

香澄「!?」ビック

りみ「打たれ強く、どんなに殴られても何度も立ち上がり向かっていく。そして、戦った相手をどんどん仲間、舎弟にしていくカリスマ」

香澄「、、、、」ダラダラ

りみ「相手の悲鳴を『星の鼓童が聞こえる!』と言って、喜々として相手に襲いかかっていくこともあり、ついた二つ名が『星のカリスマ』」

香澄「ぶぅー!]コーヒーブシャー

りみ「しかし、ある日突然グループ『スタービート』を解散させ、『アタシ、世界をとってくるから』という言葉を残して消えてしまった、と言われてるよね」

香澄「ちょ、ちょっとまって!スタービートは私の必殺キックで、てか、グループに名前なんてないよ!それに悲鳴を星の鼓動って言ったわけじゃないし、喜々として襲いかかっ、、、、たかな?けど!世界をとってくる、なんて言ってないし!」

りみ「、、やっぱり」

香澄「あ、、」

15: 2018/08/13(月) 10:20:30.82 ID:Jyzta+rG0
香澄「、、、策士だね、りみりん」ゴクゴク

りみ「いや、確認しただけなんだけど、」

香澄「それで?りみりんは私がそういう人だとわかって、どうするのさ。友達やめる?」

りみ「友達?」

香澄「だってそうでしょ?普通の友達はよくわからないけど一緒にカフェに行ってるんだから、もう友達じゃん」

りみ「とも、だち、」

香澄「けれど、もう友達関係は終了?」

りみ「う、ううん。そんなことないよ!だいたい、うちの学校に不良なんていっぱいいるよ!」

香澄「そ、そうなんだ。、、え?いっぱい?」

りみ「うん!全部の学年にいると思うよ。中学校の時から一緒だからね。だいたいの人間関係はできてるんだよ」

香澄「そ、そそ、そっか」

りみ「ただ、香澄ちゃんは高校からだからみんな話しかけてるんじゃないかな?」

16: 2018/08/13(月) 10:34:02.78 ID:Jyzta+rG0
香澄「あーそういうことか!なら全然チャンスあるじゃん!」

りみ「ね、ねえ。なんでこの花咲川に来たの?それに『星のカリスマ』ってことも隠してるっぽいし。隠してる、のかな?」

香澄「隠してるよ!私ね、自己紹介でも言ってように普通の友達が欲しいの。不良とかじゃない、普通の、ね」

りみ「普通、の、」

香澄「そう、ふつうの、」


中学

スタビモブ「おら、おら!」バン、グキ

相手モブ「ぐ、ぐはぁ、」ドン

スタビモブ「へへ、これでわかったろ?あたいらに手出すとどうなるかってよ!」ケリ

相手モブ「く、くそ、、」グッタリ

スタビモブ「終わりました、戸山さん」

香澄「う、うん」

香澄(私殴れ、なんて言ってないよね?私が勝負したかったのに。それも大人数で一方的に、)

香澄(それに最近、なぜか周りに人が増えていってるし。と、友達、なのかな?)

香澄「ね、ねえ。貴方たちは私と、その、」

スタビモブ「はい!あたいら戸山の姉御の舎弟です!」

スタビモブ「どこまでもついていきやす!」

香澄「あ、、、う、うん」

スタビモブ「いやー、戸山さんについていけば、楽勝っしょ」

スタビモブ「なんたって、『星のカリスマ』だからね」

アハハハ

17: 2018/08/13(月) 10:44:17.91 ID:Jyzta+rG0
今に戻る

香澄「、、、」

りみ「あの、かすみ、ちゃん?」

香澄「え?、、あ、ごめん。なんでも、」

りみ「そ、そっか。ならかすみちゃんはもう不良として喧嘩とかはしない、のかな?」

香澄「できれば、ね。ただ、その『発酵少女』さんのようにあっちから仕掛けてこられたら、流石に対応するかもだけど、」

りみ「そっか」

香澄「そういうりみりんは?不良、なの?」

りみ「私?私は、その、どっちつかず、っていうか、」

香澄「ん?どういうこと?」

りみ「お姉ちゃんも不良でね、だから私も不良になったというか。けれど私弱くて、グループにも入れず、一般の生徒からも疎遠されてて」

香澄「そ、そっか。なんか、大変だね」

りみ「一応不良について色々情報は集めてるけど、それだけ、なんだ」

18: 2018/08/13(月) 11:14:13.82 ID:Jyzta+rG0
香澄「なら、お姉ちゃんのグループに入ればいいじゃん!ってそんなうまくいかないか」

りみ「うん。姉妹とかあまり関係ないから。それにお姉ちゃんのグループは私たちの学校の実質トップだし、私みたいな弱い人なんか邪魔になるだけだよ」

香澄「ん?りみりんのお姉ちゃん、学校のトップなの!?」

りみ「今の花咲川にいる不良の中でもトップと言われてるのが二つあるんだ。一つがお姉ちゃん達がいるグリッターグリーン、っていう三年生の四人組のグループ。一人一人が強いのはもちろん、連携とかもすごくて、四人いれば絶対に負けない、とまでいわれてるの」

香澄「もう一つは?」

りみ「『狂犬』『花咲川の番長』『サッドネスメトロノーム』色々な二つ名がある二年生、氷川紗夜、さん」

香澄「もしかして、その紗夜さんって人は一人?」

りみ「うん。しかも二年生でね。人と組む事を嫌ってずっと一人。けどものすごく強くて気づけばお姉ちゃん達と争う位の強さになってて」

香澄「へー、そのひとすごいね!」

りみ「噂じゃ、因縁の相手、羽丘女子学園の人達とも喧嘩してる、とか。とにかく、強いんだ」

香澄「なるほど、けどついていく人がいない、みたいな?」

りみ「う、うん。下につこうとしても拒否されるどころか、理由もなくぼこぼこにされるらしいよ」

香澄「それは、、嫌だね」

19: 2018/08/13(月) 11:26:55.63 ID:Jyzta+rG0
香澄「、、、なるほど、そんなかんじ、なんだね」

りみ「うん、」チュー

香澄「あ!ていうか、なんでりみりんは私に話しかけたの?」

りみ「あ、そ、それは、、その、」

香澄「うん?」

りみ「かすみちゃんにき、鍛えて欲しくて!」

香澄「、、、へ?」




ホシノカリスマ ケンカ トップ

はぐみ(、、、、、)

はぐみ(星のカリスマ、、、中学時代、蘭ちゃんと互角だったのに、しばらくしたらまったく聞かなくなった子。けどまさか花咲川に入学してた、なんてね)

カランカラン

はぐみ「あ、いらっしゃいませ!」

25: 2018/08/13(月) 15:55:19.14 ID:Jyzta+rG0
》22,23
本当にすみません!はぐみ、ではなく、つぐみでした!

26: 2018/08/13(月) 16:02:05.30 ID:Jyzta+rG0
ホシノカリスマ ケンカ トップ

つぐみ(、、、、)

つぐみ(星のカリスマ、、、中学時代、蘭ちゃんと互角だったのに、しばらくしたらまったく効かなくなった子。けれどまさか花咲川に入学してた、なんてね)

カランカラン

つぐみ「あ、いらっしゃいませ!」

27: 2018/08/13(月) 16:11:58.51 ID:Jyzta+rG0
数日後

りみ「てりゃ!はっ!」シュ!

香澄「あー、だめだめ。こう、、はっ!!、、って感じだよ」

りみ「んーこう?てりゃ!」

香澄「うーーん、鋭いんだけどな~、力が伝わってない、っというか。うまく力を使えるようになればすごくなると思うよ」

りみ「ほんと!?よーし、がんばるよ!」

香澄(って、こんなつもりじゃなかったんだけどね。『星のカリスマ』のこと黙ってもらうためにも、しかたない)

りみ「たぁ!ほりゃ!」

香澄(それに、、頑張る人は応援したいし)


キーンコーンカーンコーン

香澄「あ、時間だね」

りみ「もうかぁ、」

香澄「それじゃ今日はここまで、ね」

りみ「うん!ありがとうね!かすみちゃん!」

28: 2018/08/13(月) 16:19:46.14 ID:Jyzta+rG0
香澄「いのる~そらに~」

香澄「って!普通の友達全然つくれてないよ!」

香澄「どーしよー!」



有咲「あ~イライラする!」

有咲(けど、ばあちゃんとの約束で喧嘩はだめだし、ストレス溜まるなー)

ナンパA[そこのお嬢ちゃん、」

ナンパB「ちょっと、いいかな?」

有咲「はぁ?誰?」

ナンパC「いいから、気持ちいいこといない?」

ナンパD[そこの路地裏でさ」

有咲(はぁー、きも)

有咲(けど、ちょうどいい。こいつらでストレス発散させてもらうか)

有咲「ま、いいですよ」

29: 2018/08/13(月) 16:24:46.29 ID:Jyzta+rG0
香澄「大丈夫、私、結構話しかけていけるから、明日こそは!」

香澄「ん?」


ナンパA「ラッキー」

ナンパB「ほら、こっちこっち」

有咲「はい、はい、」


香澄「あれは!同じ制服の子が!いけない人達と!」

香澄「これは、、」ポワポワ



香澄「やめろ!」バキ、バシ

ナンパC「くそ!」

ナンパD[おぼえてろー」

??「ありがとう!お強いのね!」

香澄「いやいや、無事で良かったですよ。お嬢さん」キラ

??「はっ!」キュン


香澄「よし!待っててね!」ダッダダ

30: 2018/08/13(月) 16:32:31.61 ID:Jyzta+rG0
ナンパA[へへ、じゃあさっそく」ガシ

有咲「触んな、クズ」シッシ

ナンパB「へー強気だ、、」クル、ドン

ナンパC「お、おい!しっかりし、、、」ドシ、チーン

有咲「はん、よっわ」

ナンパD「こ、こいつ!」

ナンパA「ふ、ふざけんな!」



香澄「大丈夫!?」

オラ! オッセー クソ!アタラネー

香澄「こら!やめろー!」ダッタ

有咲「くらえ!」パンチ!

ナンパA[うお!」スカ

香澄「へ?、、うわぁ!」バシ!


有咲「ん?仲間がまだいたのか?」

ナンパA「だ、誰だ、こいつ?」

ナンパD[わ、わからん」

有咲「隙あり!」シュ、シュ

ナンパA「ぐはぁ!」

ナンパD[ぐほぉ!」

31: 2018/08/13(月) 16:39:55.20 ID:Jyzta+rG0
香澄「いったぁ~、もう!」

ナンパA[、、、」バタ

香澄「うわ、上にのしかかって、」モギュ

ナンパD「、、、」バタ

香澄「うげぇ」モギュ



有咲「さーて、スッキリー、スッキリー」

有咲「帰ろっと」テクテク


香澄「んっしょ!、ふぅー」

香澄「邪魔だな~」ポイ

香澄「それより、なに!?あの子!」

香澄「せっかく助けようとしたのに!花咲川の不良は初対面の人には殴るの!?」

香澄「暗いけど、目はいいから覚えてるよ!あの巨Oのツインテール!」

香澄「確か、あっち方向だったはず!」ダッダッダ

32: 2018/08/13(月) 16:46:11.51 ID:Jyzta+rG0
流星堂

有咲「ただいま~」

ばあちゃん「おかえり、有咲」

有咲「うん」

ばあちゃん「学校、どうだった?」

有咲「、、、いつもどおり、だよ」

ばあちゃん「そうかい?」

有咲「うん、先に風呂、入るな」

ばあちゃん「わかったよ。あ、もちろん喧嘩してないだろうね?」

有咲「あ、当たり前じゃ、、、


香澄「いたぁ!」

有咲「んん!?」

ばあちゃん「あら?有咲のお友達?」

有咲「い、いや、ちが、、、


香澄「よくも殴ったね!!」


有咲「、、、はぁ!?」

ばあちゃん「、、、」

33: 2018/08/13(月) 16:52:52.12 ID:Jyzta+rG0
有咲「ちょまま、」

香澄「助けようとしただけなのに!」

有咲「ちょまま、、」

香澄「いきなり殴るなんてさ!」

有咲「ちょっとまって!」

香澄「それに謝りもしないなんて!」

有咲「ちょっと!」

ばあちゃん「、、、、有咲、本当かい?」

有咲「ばあちゃん!ち、違うんだよ!」

香澄「何が違うのさ!他の人を殴ったのはともかく!私を殴ることないじゃん!」

有咲「お前ー!いったん、黙ってくれ!」


ばあちゃん「有咲!!!」


有咲「!!」

香澄「!!」

ばあちゃん「もう喧嘩しない、約束したね?」

有咲「それは、その、あっちから仕掛けてきたから、」

香澄「私は違うよ?」

有咲「お前ぇぇー!」

34: 2018/08/13(月) 16:58:26.02 ID:Jyzta+rG0
ばあちゃん「理由はどうあれ、約束を破って、嘘までついた。そうだね?」

有咲「あ、、その、、」

ばあちゃん「そうだね!?」

有咲「!!、、、はい」

ばあちゃん「、、、しばらく家に入れない。いいね!?」

有咲「、、、、、は、い」

ばあちゃん「、ふん!」イリグチ、ピシャ




香澄(、、、え?なにこれ?)

有咲「、、、」

香澄(とりあえず、、)

香澄「あ、あの、」

有咲「、、、なんだよ?」

香澄「とりあえす、お返しに一発殴っていい?」

35: 2018/08/13(月) 17:06:57.11 ID:Jyzta+rG0
とある公園

有咲「お前なぁ!お前のせいで私は!」

香澄「何さ!そっちが勝手に喧嘩してたんじゃん!」

有咲「あー!もう!うるせえ!」パンチ

香澄「うげ!」バシ

有咲「くそ!、あー、もう!」

香澄「な、何すんのさ!」イタタ

有咲「!!」

有咲(な!?こいつ!不意打ちで、完全にはいったろ!)

香澄「なんなの!?不意打ちばっか!さすがにやり返すよ!?」

有咲「なっ、く!上等だ!お前のせいで私はな!家に帰れないんだよ!」シュ

香澄「知らない、、よ!」スカ、、、シュ!

有咲「ぐっ!」ズコ

香澄「うりゃ!」シュ、グッ

有咲「がはっ!」ドン

有咲(ちょ、こいつ!つ、つえ!)

有咲「う、ら!」パンチ

香澄「ふん!」バシ

36: 2018/08/13(月) 17:11:05.78 ID:Jyzta+rG0
有咲「止めた!?」

香澄「不意打ちじゃなきゃ、こんなのどうってことないよ」

有咲「な!おまえ!」

香澄「さっきから、お前お前って、私は戸山香澄!じゃーね、ありさ、、ちゃん!」シュ!

有咲「うっ!、、、」バタン

香澄「ふふーん、勝利!」

有咲「、、、、」チーン

香澄「、、どうしよう、この子」

39: 2018/08/14(火) 12:27:18.10 ID:5/mKhcOS0
有咲「う、うーん、」

香澄「あ、起きた?」

有咲「あ、ああ、、、って!ここは!?」

香澄「私の部屋。貴方、気を失ってたからね」

有咲「それは、、お前の、、、いや、なんでもねえ」

香澄「それに家に帰れないんでしょ?」

有咲「、、まあな」

香澄「よくわからないけど、私のせいでも少しあるし、今日泊まっていけば?」

有咲「はぁ!?ま、マジかよ、」

香澄「ああ、けど普通に友達の家に泊まればいいよね」

有咲「え、、、」

40: 2018/08/14(火) 12:32:50.56 ID:5/mKhcOS0
香澄「おせっかいだったかな?」

有咲「あ、、いや、、」

香澄「道具、そこにまとめてあるから、連絡つき次第でてってもいいよ」

有咲「えっと、その、」


香澄母「香澄ー!ご飯よ!」


香澄「はーい!今行く!」

香澄「あなた、、じゃなくて有咲も食べる?」

有咲「いや、迷惑、だろ?それよりなんで私の名前を、」グー

有咲「///」

有咲「い、今のは///」

香澄「名前を知ってたのはおばちゃんとの会話を聞いてたから。いいからご飯食べよ?」

41: 2018/08/14(火) 12:50:20.42 ID:5/mKhcOS0
香澄「いただきまーす」

有咲「い、いただきます」ペコ

香澄母「どーぞ、どーぞ」

香澄「はむ、」モグモグ

有咲「、、、おいしい、です」モグ

香澄母「それは良かったわ」

香澄「母さん、あっちゃんは?」

香澄母「まだ部活よ」

香澄「うへ、大変だね」

香澄母「あんたもなんか入りなさい。どーせまた喧嘩とかしてるだけでしょ?」

香澄「相手からくるんだから仕方なく、だよ」

有咲(へー、)モグモグ

42: 2018/08/14(火) 12:56:49.81 ID:5/mKhcOS0
香澄母「それで有咲ちゃん、だったわよね?今日は泊まっていくのかしら?」

有咲「えっ、そ、それは、」

香澄「友達いるだろうし、その人たちに頼めば、、

有咲「と、泊まります!」

香澄「え?」

有咲「実は、ほ、他の友達は皆予定あって、」

香澄「いつの間に、」

香澄母「そういうことなら、香澄。あんたの部屋の泊めなさい」

香澄「はーい。ま、仕方ないよね」

有咲「よ、よろしく///」

香澄「うーん、お風呂上がりは、牛乳派?コーヒー牛乳派?」

有咲「、、、なんだそりゃ」

43: 2018/08/14(火) 13:00:31.74 ID:5/mKhcOS0
香澄部屋

香澄「よっと、」ファサ

香澄「これでよし、」

有咲「あ、ありがとな」

香澄「いいって、いいって。制服とかは洗濯してあるから」

有咲「ああ、ありがとう」

香澄「ん、じゃあ、おやすみ」

有咲「あ、ああ」

香澄「、、、、」スースー

有咲「、、、、」



有咲「って、ちょっと待て!!」

44: 2018/08/14(火) 18:27:39.74 ID:5/mKhcOS0
香澄「ん?何?」

有咲「いやいや、ちょっと急展開すぎるだろ!少しは説明しろ!」

香澄「説明、したじゃん」

有咲「足りねー!!」



有咲「つまりお前はあの路地裏で私がたまたま殴ちまってのを怒って追いかけてきた、ってことだよな?」

香澄「まあ、ざっくり言うとそうだね」

有咲「追ってきたお前は私の家まで来て、ばあちゃんの前で暴露。おかげで私は家に帰れなくなっちまった、と」

香澄「いや、あれは有紗の自業自得だよね?」

有咲「ぐっ、け、けど!お前が言わなかったら!」

香澄「だから!私は戸山香澄!お前呼びはやめてよね」

有咲「わかったよ。か、香澄///」

香澄「なんで照れてるの?」

有咲「う、うるせえ!///」

45: 2018/08/14(火) 19:03:53.77 ID:5/mKhcOS0
香澄「それにしても、喧嘩したら家に入れてくれない、なんておばあちゃん厳しいね」

有咲「、、、、ばあちゃんは私の為を思っていってくれてんだよ」

香澄「有咲のため?家を追い出すことが?」

有咲「それは、、罰というか、」

有咲「、、、、うちはばあちゃんと二人暮らしなんだよ。だからばあちゃんは私のこととても大事にしてくれて。けど、小、中と喧嘩して傷ついて帰ってくる私を見て『高校生になったらそういうことはもう禁止だ!』って」

香澄「そういうことか。って、ならなんであんな人たちと喧嘩したのさ」

有咲「それは、、イライラして、つい」

香澄「あー、まあ、わからなくもないや」

有咲「そういうおま、、香澄はどうなんだよ!」

香澄「私?どう?って?」

有咲「お前明らかに喧嘩強いじゃん。それに中学の頃に見かけたことないし、高校からこの花咲川に来たんだろ?目的はなんだよ」

47: 2018/08/14(火) 19:14:18.78 ID:5/mKhcOS0
香澄「目的ってなにさ」

有咲「この学校のトップになることか?」

香澄「あー!、もう!違う、違う!私はね、この学校で普通の友達を作るの!」

有咲「普通の友達?」

香澄「そう!普通の!そのために今までの地域の学校はやめてこの学校に来たの!」

有咲「つまり、友達をつくるため、か?くだらねーな」

香澄「はぁ?何さ!」

有咲「だってそうだろ?そんなに強いのに友達作りって、何考えてんだか、」

香澄「有咲にどうこう言われる筋合いはないよ!」


香澄母「うるさいよ!!」


有咲「!!」ビク

香澄「あーあ、怒られちゃったじゃん。さ、もういいでしょ。今度こそ寝るね」

有咲「あ、ああ。わかった」

有咲「、、、」

有咲「な、なあ、」

48: 2018/08/14(火) 19:18:58.45 ID:5/mKhcOS0
香澄「なに?」

有咲「そ、そのだな。泊めてくれて、あ、ありがとう///」

香澄「、、、え?」

有咲「って、あくまで泊めてくれたことに対して、だからな!勘違いすんなよ!」

香澄「、、、有紗ってさ、言葉遣い荒いよね」

有咲「な、なんだよ!」

香澄「それで、、ツンデレって言われない?」

有咲「うるせー!もう寝ろ!」

49: 2018/08/14(火) 19:25:54.00 ID:5/mKhcOS0
次の日

りみ「かすみちゃん、おはよう、、って市ヶ谷さん!?」

香澄「おはよう、りみりん」

有咲(なんだよ、普通に友達いんじゃねーか)

りみ「なんでかすみちゃんが『甘辛パーソナリティ』市ヶ谷有咲、と一緒にいるの!?」

香澄「甘辛パーソナリティ?」

有咲「なぁ!なんだよそれ!///」

りみ「なにって、市ヶ谷さんの二つ名、というか、通り名、というか」

香澄「甘、、辛、、はっ!なるほど!」

有咲「な、なんだよ」

香澄「いや、やっぱり有咲は口が悪いけど、ツンデレなんだね」ニヤニヤ

有咲「う、うるせーぞ!香澄!」

50: 2018/08/14(火) 19:39:09.10 ID:5/mKhcOS0
りみ「二人とも知り合い、なの?」

香澄「知り合い、というか、、なんなんだろうね」

有咲「うーん、昨日初めてあったんだけどな」

りみ「それでそんなに仲良く?しかも市ヶ谷さんってあんまり他人とつるんでない、よね?」

有咲「ああ、いや、そうだな」

りみ「それなのに一日でそんな仲良く、、さすがかすみちゃん!相変わらずすごいカリスマだね!」

香澄「ちょ、やめてよ、りみりん!」

りみ「あ、ご、ごめんね」

有咲(カリスマ?なんのことだ?)

香澄「それより行こうよ。学校に、」

52: 2018/08/15(水) 01:46:24.67 ID:yhXoOQy90
学校

香澄(うーん、未だに他の人とクラスで少しは話すけど友達、とは言い難いしな~)

香澄(正直、普通の友達ってもっとあっさりできるもんだと思ってたのに、)


お昼

りみ「かすみちゃん、お昼食べよ?」

香澄「勿論、と言いたいけどちょっと先生に呼ばれてるから、先食べてて。すぐに戻ってくるから」

りみ「うん。わかったよ」



香澄「うーん、家庭科室ってどこさ」キョロキョロ

香澄「はぁー、日直ってついてないなぁ」

香澄「だいたい、場所わかんないよ」

キャアーーーー


香澄「!!あっちから!」ダッダッダ



二年不良「うっ、」バタ

二年不良「くそ、丸山、なんかに、」バタ


二年生「ありがとう、彩ちゃん!」

二年生「ほんと、ほんと、もうダメかと思ったよ!」

53: 2018/08/15(水) 02:01:09.17 ID:yhXoOQy90
彩「ううん、二人が無事でよかったよ」

二年生「や、やさしい~」

二年生「ほんとに!」


香澄「悲鳴が聞こえたから来てみたら、もう終わってるし、」

香澄「あのピンク髪のツインテールの人がやったのかな?」

二年生「いや~、やっぱり彩ちゃんはすごいね」

二年生「ほんとにね」

香澄「あ、あの、」

二年生「ん?ってあなた一年生じゃない。どうして二年生の階に?」

香澄「ちょっと教室探してて、ところであの二年生の方は?」

二年生「彩ちゃんのこと?そっか、一年生はわからなよね」

二年生「彼女は丸山彩ちゃん。噂じゃアイドルをやってるって話だよ」

香澄「アイドル?」

二年生「そうそう。けれどみんなから慕われてる理由は不良でもないのに不良に絡まれてる人たち為に戦ってるところ、なんだ」

香澄「はあ、」

二年生「アイドルは顔が命、にも関わらず、困ってる子のために戦う、もうすごいの!綾ちゃんは!」

香澄「それは、すごいですね」

54: 2018/08/15(水) 02:11:28.55 ID:yhXoOQy90
香澄(それがほんとだったらすごい。けどなんでだろ、あの人から強そうな感じというか、オーラというか、そそういうのが全然感じない。まるで一般人だよ。もしかして、喧嘩の時一気に解放する、ってかんじかな?)


彩「ん?そこの一年生の子、どうしたの?」

香澄「はい!えっと、えっと、私ですよね?」

彩「うん!」

香澄「その、家庭科室がわからなくて、それで、」

彩「あー、なるほど。うん!私が案内するよ!」

香澄「本当ですか!?」

香澄(この人、いい人だ!)



彩「ここだよ」

香澄「ありがとうございます!彩先輩!」

彩「先輩、か。ふふ、どういたしまして!名前は?」

香澄「はい!戸山香澄です!」

彩「香澄ちゃん、ね。わかった。それじゃあね、香澄ちゃん」フリフリ

香澄「はい!」

香澄(やった!これぞ正に普通の先輩、後輩、だよね!)

55: 2018/08/15(水) 02:17:21.36 ID:yhXoOQy90
香澄「りみりーん、おまたせ、、、

有咲「へー、りみはあの三年生のゆりさんの妹なのか」

りみ「うん、そうなんだ。あ、香澄ちゃん」

香澄「うん、ところでなんで有咲?」

りみ「その、私が呼んどいたんだ。ご飯一緒の方がいいかなって」

有咲「ちなみにもう友達になったぞ」ドヤ

香澄(なんでドヤ顔?)

りみ「それよりどこで食べよっか?」

香澄「それなら屋上で食べようよ!」

有咲「まあ、いんじゃね?」

56: 2018/08/15(水) 02:27:22.53 ID:yhXoOQy90
屋上

りみ「けど気をつけてね。屋上ってたまに不良が」ガチャ

香澄「大丈夫、大丈夫~」ガチャ


沙綾「、、、」パクパク

香澄「、、、」

沙綾「、、、」チラ、パクパク

香澄「、、、」

有咲「先客いたか。けど一人だし、あっちの方で食おうぜ」

りみ「う、うん。かすみちゃん、いこ」

香澄「うん、そうだね」スタスタ


有咲「なあ、りみ。香澄とあの子、なんかあったのか?」ボソ

りみ「うん、それがね、、、、、、ってなかんじで」ボソ

有咲「そ、そういうことか。それにしても、あいつが『発酵少女』」

りみ「それより、かすみちゃんとありさちゃん弁当同じじゃない?」

有咲「そ、そそれは、だな、、」

香澄「、、、」パクパク

57: 2018/08/15(水) 02:46:02.59 ID:yhXoOQy90
りみ「ところで、二人は昨日どうやって知り合ったの?」

有咲「それは、」

香澄「なんというか、」

有咲「私が間違って香澄を殴っちまって、」

香澄「有咲、、、」


沙綾「プッ、、、」

香澄「、、、」カタ

有咲「お、おい!」

りみ「かすみちゃん!」


香澄「ねえ、今笑ったよね?」

沙綾「、、、べつに」

香澄「私まだこの前のこと許してないんだけど」

沙綾「そ、だから?」

香澄「今からこの前の続き、やってもいんだよ?」

沙綾「めんどくさい、」

香澄「、、、そうだね。貴方は逃げないといけないもんね。それはめんどくさいよね」

沙綾「はぁ?なにそれ」

香澄「、、、」

沙綾「、、いいよ。正直めんどくさいのは本当だし、ここで私が勝ったらもうつかかって来ないでよね」

58: 2018/08/15(水) 03:03:33.62 ID:yhXoOQy90
香澄「いいよ、私もやられっぱなしが嫌なだけだし、」

りみ「ふ、二人共、」

有咲「あーあ、ああなっちまったら仕方ねーよ。二人の気の済むまでやらせてやろーぜ」

りみ「ありさちゃん」

有咲「それに香澄と発酵少女のどっちが強いか、興味あるしな、」

りみ「それは、そうだけど、」


香澄「、、、」

沙綾「、、、」

香澄「!!」ザッ!

沙綾「!!」シュッ!

香澄「っと」サッ

沙綾「ふん!」シュア、ガッ

香澄「よっと」スッ、バシ


りみ「さすがかすみちゃん、山吹さんの攻撃を全部防いでる」

有咲「その山吹さんもいい動きだけどな」


沙綾「ふーん、口だけじゃなかったんだね」

香澄「有咲にも言ったけど不意打ちじゃなきゃなんてことないよ」

沙綾「いうね、けどあんたも防いでばっかじゃ勝てないよ?」

香澄「こっからだよ」グッ

沙綾「そうこなくっちゃ」グッ

59: 2018/08/15(水) 03:12:09.52 ID:yhXoOQy90
キーンコーンカーンコーン

香澄「お昼も終わりか、関係ないけ、、、


沙綾「やば、次数学だった。今日はここまでで、」

香澄「は、はぁ!?何言って、、、

有咲「私も急がねーと!」

りみ「かすみちゃん!先行ってるね!」

香澄「ちょ、二人まで!」


先生「こら!戸山!授業には遅れ、課題はやってこない。なんなんだ貴様は!」

香澄「いや、その、、」

先生「立ってろ!」


りみ「かすみちゃん、、」アワワ

沙綾(戸山さん、か。、、馬鹿なの?)

60: 2018/08/15(水) 03:22:03.80 ID:yhXoOQy90
放課後

香澄「はぁー、ひどい目にあった」

りみ「お疲れ様、かすみちゃん。今日も、その、いい?」

香澄「うん。けど少し待ってね」


有咲「おーい、香澄、帰ろーぜ」

香澄「ええー、りみりんに付き合うからむりー」

有咲「はぁ!?お前が帰らねーと私も帰れねーだろ!」

香澄「なら、家の鍵渡しておくから、はい」

有咲「それはだめだろ」

香澄「だいたい、他の子の家に泊まればいいじゃん」

有咲「それは、、、ほら!道具!とかまだお前の家だし!」

香澄「、、それもそうか」

りみ「二人って、仲いいね」

61: 2018/08/15(水) 03:33:17.17 ID:yhXoOQy90
香澄「そんなことは、、あっ、そうだ。有咲、今日も泊まるなら静かにしてよね。昨日はうるさくて注意されたし」

有咲「わかってるよ、もっと静かに、だろ?」

香澄「そうそう。よしっと、じゃあ行こう、りみりん」

りみ「うん」ガタ

有咲「あ、待てよ!」タッタ



クラスメイト達「、、」

モブ「戸山さんって」

モブ「ああいう人たちとつるむんだ」

モブ「しかも、」

モブ「付き合う?」

モブ「昨晩はうるさい?」

モブ「今日は静かに?」

62: 2018/08/15(水) 03:38:58.24 ID:yhXoOQy90
帰り道

りみ「じゃあね、二人共」

有咲「おう、じゃあな」

香澄「またあしたね


有咲「にしても、特訓ね」

香澄「りみりんが言い出したんだけどね」

有咲「なるほどな」

香澄「ん?、、パンのいい匂い。お腹空いたな」グー

有咲「少し寄ってくか?」

香澄「賛成!」

63: 2018/08/15(水) 03:42:57.17 ID:yhXoOQy90
山吹ベーカリー

カランカラン   シーン

香澄「よっと、」

有咲(ん?店員、いねーのか?)

香澄「何食べよっかな~」

有咲「、、ま、そのうち来るだろ」


香澄「よし決定!」

有咲「私はこれだけでいいかな」

香澄「チョココロネだけ?もしかしてりみりんの影響?」

有咲「ま、まーな///」

香澄「それにしても来ないな~。あの!すみません!」

64: 2018/08/15(水) 03:57:45.30 ID:yhXoOQy90
沙南「あ、あの!」

有咲「うん?」

香澄「子供?」

沙南「そ、その、今お姉ちゃんとパパが忙しくて、もう少し待ってもらって、いいですか?」

有咲「へー、えらいな」

香澄「そうか、そうか、なら!」



沙綾父「よし、一段落だ、ひと段落だ。沙綾、会計に方に、」

沙綾「うん、わかった」

沙綾(沙南、大丈夫かな、、、ってガラス越しに見えるあの人は、、戸山さん!?)

沙綾「まさか、家まで喧嘩しに、、」

キャアアアーーーー

沙綾「!?あいつ!!」ダッダ

65: 2018/08/15(水) 04:04:43.95 ID:yhXoOQy90
沙綾「ちょっと、あんた!沙南に手出し、、、、


香澄「ほれほれ~~」クスグリ

沙南「アハハハ、やめ、やめてよ~」

有咲「ふふ、、」


沙綾「あ、あれ?」

有咲「お、店員が、、ってお前は!?」

香澄「ん?ああ!?」

沙南「あ、おねえちゃん」

有咲「お姉ちゃん、そう言われれば、似てるな」

香澄「何しに来たのさ!」

沙綾「はぁ、それはこっちのセリフだよ。私の店に何か用?」

有咲「マジか、、、」

沙南「お姉ちゃん達、知り合いなの?」キョトン

香澄「知り合いというか、、喧嘩相手というか、、」

66: 2018/08/15(水) 04:14:03.57 ID:yhXoOQy90
沙綾「ちょっ、勝手に言わないでよ!」

香澄「何さ、そっちから殴ってきたんじゃん!」

沙南「そうなの?お姉ちゃん?」

沙綾「そ、それは、、」

有咲「あれ?何かデジャブ、」


沙南「お姉ちゃん、もう不良やめたって、」

香澄「いきなり殴ってきたんだよ?痛かったな~」

沙綾「あんた、、、」

有咲「香澄、楽しそうだな」

香澄「あ、それより会計いい?お腹空いちゃって」

有咲「自由すぎだろ!」


沙綾「ところであんたたち沙南に変なことしてないでしょうね?」

有咲「してねーよ」

香澄「遊んでただけだよ、ね!」

沙南「うん!」

沙綾「そっか、それは、、ありがとう」

香澄「ふ、普通にお礼言われると、、な、なんというか、」

沙南「お姉ちゃん達、仲良しなんだね!」

有咲「そ、そうか?」

67: 2018/08/15(水) 04:20:12.97 ID:yhXoOQy90
香澄 家

香澄「ふぅー、今日も終わったね」

有咲「にしても、お前も妹いんのかいんのか」

香澄「まーね~、自慢の妹だよ」

有咲「そっか、、、明日、家に帰ってばあちゃんと話してみるよ」

香澄「そっか、、」

有咲「何日も悪いしな、」

香澄「うまく理解してもらえるといいね」

有咲「そ、それでなんだが///」

香澄「ん?」

有咲「お前言ってただろ?友達が欲しいって」

香澄「普通の友達、ね」

有咲「だ、だから、そ、その、私が!お前と、と、友達に!////」


香澄「え?いいよ、別に」

有咲「」

68: 2018/08/15(水) 04:28:18.40 ID:yhXoOQy90
香澄「私が欲しいのは普通(不良じゃない)の友達なの」

有咲「、、、、、っそっか」

香澄「だいたい私と有咲はもう友達じゃん」

有咲「、、、へ?」

香澄「だってそうでしょ?有咲は私にとって特別(不良)な友達だし」

有咲「とくべつ、、、、特別///」

香澄(なんで顔赤くなってんの?)

有咲「そっか、、、特別、か//」

香澄「そういうこと。だから今更普通の友達に、、って言われてもね」

有咲「そ、そうだな///その通りだ!」

香澄「そういうこと、それじゃ、おやすみ」

有咲「お、おう///おやすみ」

69: 2018/08/15(水) 04:44:41.23 ID:yhXoOQy90
お昼 屋上

香澄「よっと、、あ、」

沙綾「あんたたち、また、」

りみ「えっと、どうも」

有咲「昨日ぶり、だな」

香澄「いいから食べよう?」


りみ「その、ちなみに、昨日の続きとか、いいの?」モグモグ

香澄「あーー、うん、その、」

沙綾「気分が乗らない、というか、」

香澄「パン、安くしてもらったしね。今回はもういいかなって」

沙綾「沙南と遊んでもらったし、私も喧嘩する理由がない、かな」

りみ「そ、そっか?」

有咲「あとでおしえてやるよ」ボソ



校舎 2階

夏希「、、、」チラ

70: 2018/08/15(水) 04:50:31.64 ID:yhXoOQy90
香澄「そっか、おばあちゃんと仲直りできたんだね」

有咲「まあ、なんとかな」

りみ「よかったね」

沙綾「、、、」モグモグ

香澄「、、、ねえ、こっちにくれば?もうお互いにいがみあってないし、知らない仲でもないし」

沙綾「、、、結構です」

香澄「そうですか、」

りみ「あはは、」

有咲「素直じゃなねーな」

香澄「有咲がいう?」

有咲「どういう意味だよ!」

りみ「ふふ、そうだね、」グー

りみ「うっ、やっぱりパン一個じゃ足りないよね」

有咲「それは足りないだろ」

沙綾「、、、」

71: 2018/08/15(水) 04:57:02.97 ID:yhXoOQy90
沙綾「これ」チョココロネ

りみ「え!?くれるの!?」

沙綾「私もう行くから」

りみ「本当!?ありがとう!!」

香澄「さーや、やっさしい~」

有咲「つんでれ、だな」

香澄「有咲がいう?」

有咲「だからなんでだよ!?」

沙綾「ふふ、、、じゃあ」スタスタ




沙綾「、、、」テクテク

夏希「沙綾、」

沙綾「!?、、ナツ、」

里美「、、、」

真結「、、、」

文華「、、、」

沙綾「チスパのみんな、、、」

72: 2018/08/15(水) 05:13:11.82 ID:yhXoOQy90
夏希「楽しそうだったね、屋上では、」

沙綾「、、そんなことはないけど」

夏希「わかってるの?あんたのせいで私たちは大事な喧嘩に、アフターグロウに負けて、この花咲川でどんな扱いを受けてるか」

沙綾「だから、私はグループを抜けて、、」

真結「それだけ?」

文華「自分は楽しんで私たちはもう知りません、って?」

里美「この裏切り者!」

沙綾「っ!!」

夏希「そんなの私たちが許さないよ」

沙綾「、、、ごめん」

夏希「放課後、校舎の裏側に一人で来な一人できな。屋上の友達はなしで」

沙綾「、、彼女達は友達なんかじゃ、」

夏希「言い訳とかいいから、必ず来なさいよね。来なかったらあんたの家族は、」

沙綾「!?行く!必ず行くから!だから!」

夏希「なら放課後、ね」

76: 2018/08/16(木) 03:10:08.99 ID:Lf0NdEbS0
放課後

香澄「はぁー、今日も終わったな~」


沙綾「.....」スタスタ

香澄「ん? 沙綾?」

香澄(やけにシリアスそうな顔だけど)

りみ「香澄ちゃん、おつかれ~」

香澄「あ、うん」

りみ「どうかしたの?」

香澄「いや...なんでもないや」

りみ「そう?」

香澄「うん。さ、行こ」

77: 2018/08/16(木) 03:20:33.14 ID:Lf0NdEbS0
香澄「そろそろりみりんも誰かと喧嘩してみれば?意外と勝負になるかもよ?」

りみ「ええ!? そうかな?」

香澄「そうだよ。だいたい喧嘩なんて慣れだしね」

りみ「そ、そっか。うん! あ、けど誰と喧嘩すればいいかな?」

香澄「うーん、有咲とか?」

りみ「ええ!? 有咲ちゃんと?」

香澄「いや、そこらへんの人に喧嘩吹っかけるのもなんかね。知ってる人同士なら指摘し合えるし」

りみ「そっか、き、聞いてみるね」


有咲「......」


香澄「お、いたいた」

りみ「おーい!有咲ちゃん!」

有咲「ん? あ、お前らか」

78: 2018/08/16(木) 03:30:27.34 ID:Lf0NdEbS0
りみ「どうかしたの?」

香澄「なんか考え事?」

有咲「いや、その...沙綾のやつを見かけたんだけどなんか雰囲気が、な」

香澄「....」

りみ「雰囲気? 暗かったの?」

有咲「なんというか、真剣な顔つきで四人くらいと一緒に校舎の裏の方へ向かってたな」

香澄「四人くらい? なら呼び出しでも食らったんじゃないの? 『オラオラ~、顔貸せ~』みたいな?」

有咲「なんだよ、その声」

りみ「だ、大丈夫かな? 沙綾ちゃん」

香澄「うーん、まあ本人の問題でしょ」

有咲「..なんだ、意外とあっさりしてんだな」

香澄「『4対1なんて卑怯だよ!私たちも行って4対4で戦おう!』なんて言うと思ったの?」

79: 2018/08/16(木) 03:42:33.39 ID:Lf0NdEbS0
有咲「だからその芝居がかった声はなんなんだよ」

りみ「え? 助けに行かない、の?」

香澄「りみりん、私達と沙綾はまだ友達じゃないんだよ? ただ一緒に同じ場所でお昼を食べてるだけ」

有咲「.....まあ、そうかもな」

香澄「りみりんは今日のお昼分けてもらったから、恩を返したいっていうのも分からなくはないよ? けれどさっきも言ったようにこれは本人の問題。変に首を突っ込んでも本人からしたらいい迷惑かもしれないし、それこそ余計なお世話、かもね」

りみ「そう、なんだ」

香澄「現に私は誰かさんを助けようとして、痛い思いしたしね」チラ

有咲「あ、謝っただろ///」

りみ「そっか....」

香澄「それにもしそれで負けてもいいじゃん。いい経験になるはずだよ。沙綾の」

有咲「お前何様だよ」

80: 2018/08/16(木) 03:50:13.52 ID:Lf0NdEbS0
香澄「あ、でもそこにりみりんが行って喧嘩に混ざってくれば?」

りみ「ええ!? そ、それは...」

有咲「なんだ、りみもついに喧嘩デビューか?」

香澄「ホントは有咲でデビューするつもりだったんだけどね」

有咲「はぁ!? なんで私がりみと喧嘩しないといけないんだよ!」

香澄「いや~、有咲しか頼める人がいなくて」

有咲(私、しか?)

有咲「し、仕方ねーな///」

香澄(あれ?もしかして有咲ってちょろい?)

りみ(沙綾ちゃん....)

82: 2018/08/16(木) 04:01:17.09 ID:Lf0NdEbS0
校舎裏

夏希「.......」

沙綾「.....こんなところで、何する気? 土下座ならやめる時したよね?」

夏希「そうだね。あの時の私達はその後一人一発ずつ殴ってそれで終わりにした。沙綾の事情はほんの少しだけ理解できたし」

沙綾「...ならなんで今更?」

文華「決まってんじゃん!」

真結「沙綾が! あんたが私たちの気も知らず、呑気に学校生活を送ってるからだよ!」

里美「言ってる意味わかるでしょ!?」

沙綾「......」

夏希「なんとか、、言いなさいよ!」シュ!

沙綾「うっ!」ドゴ

83: 2018/08/16(木) 04:01:52.98 ID:Lf0NdEbS0
>>81
嬉しいです!

84: 2018/08/16(木) 04:10:08.61 ID:Lf0NdEbS0
有咲「あ、思い出した」

香澄「なにを?」

有咲「沙綾と一緒に校舎裏に行った奴らのこと。たしか一人が同じクラスの.....海野夏希、だったっけな?」

りみ「!? ってことはその人たちは...チスパの人達、かも」

香澄「りみりん、知ってるの?その人たちのこと」

りみ「う、うん。チスパっていう今は四人組のグループがあるんだ」

香澄「へー」

有咲「今は?」

りみ「そう、昔は五人組だったんだ」

香澄「昔は....」

有咲「もしかして」

りみ「うん。その一人は沙綾ちゃん、だよ」

85: 2018/08/16(木) 04:31:36.00 ID:Lf0NdEbS0
有咲「やめたってことか?」

りみ「一年くらい前だった気がするけど」

香澄「そうなんだ。辞めた理由、とかわかる?」

りみ「それはわからないけど、思い当たる出来事なら一つあるんだ」

有咲「それは?」

りみ「チスパとアフターグローのグループ対決だよ」




里美「五人対五人の形式での真剣勝負、ってことになったあの喧嘩は私たちにとって、とても意味があった」バシ!

沙綾「ぐっ!」バン

文華「私達は必氏に特訓した。勝つために、私たちが最強のグループになるために!」キック!

沙綾「っ!」ダン!

真結「それなのに! あんたは来なかった! 時間になっても! 仕方なく私たちは四人で挑んだけど、結果は惨敗!」ハラパン!

沙綾「がはっ!」ドゴ

夏希「全部終わった後、事情を聞いた私たちは納得した。いや、しようとしていた。けど、けどね! 許せるはずないんだよ! 理屈では正しいってわかっていても! だいたい、理屈で気持ちを抑えれるなら、不良なんてやってない!」シュッ、ザッ、バシン

沙綾「うっ、ぐふっ、うあ!」バシ、シュ、ダン!

86: 2018/08/16(木) 04:39:22.22 ID:Lf0NdEbS0
一年前

沙綾「集合は11時半、勝負開始が12時。このペースで歩いても余裕で間に合うね」テクテク

沙綾(大丈夫、この時のために必氏に特訓したんだから! 皆と!)

沙綾「大丈夫、勝てる。きっと勝てる!」

プルルル、ガチャ

沙綾『もしもし?』

夏希『もしもーし、沙綾、今どのへん?』

沙綾『もう少しで付くよ』

夏希『オッケイ、待ってるね』ピィ

沙綾「さて、と」

プルルル

沙綾「ん? また?」ガチャ

沙南『お、お姉ちゃん!お母さんが!お母さんが!』ウエエエエン


沙綾「え?......」

87: 2018/08/16(木) 04:50:15.14 ID:Lf0NdEbS0
沙綾(ど、どうしよう....)

沙綾(お父さんは出張、純は学校。行けるのは私しか! けど! 今ここで引き返したら勝負にはいけない! アフターグローは強い。正直勝てるかわからない。それなのに私がいかない、なんてなったら....)

沙綾(確実に負ける。そしてこの勝負に負けるってことは.....)

沙綾(けど!お母さんの命には変えられない!)



夏希『明日、絶対勝とうね!』

里美『頼りにしてるよ!さーや!』

真結『これで勝ったら私達やばくない?』

文華『やばい、いまから緊張してきた』

アハハハ



沙綾(みんな!!)ギュッ


沙南『お姉ちゃん!!お母さんを助けて!』ウエエン


沙綾(私は!!)

88: 2018/08/16(木) 05:00:49.33 ID:Lf0NdEbS0
12時

里美「時間になっちゃったね」

真結「沙綾...」

文華「どうして」

夏希「そんな...」



蘭「時間、だね」



夏希「!!」

蘭「見たところ、一人足りないけど?」

夏希「そ、それは」

蘭「もしかして逃げたの?情けないやつ」

夏希「くっ!」

蘭「勝負は?時間になっても来ないやつなんて待たないよ」

夏希「そ、それは...」


モカ「これはモカちゃん達の不戦勝かな~?」

巴「なんだよ、沙綾とやるの楽しみにしてたのによ」

ひまり「私の大号令も火を吹けない、かあ」

つぐみ「あはは...」

90: 2018/08/16(木) 12:35:11.38 ID:Lf0NdEbS0
里美「どうしよう」

夏希「やるしかないよ、私たちだけで」

真結「そう、だね。ここで逃げたら」

文華「それこそとんでもないことに」



蘭「それで?やるの?やらないの?」

夏希「わ、私たち四人でやるよ!」

モカ「こっちも合わせてあげようか~?」

巴「そうするか、数で勝ってもだしな」

ひまり「わたしやりたーい!」

つぐみ「なら、私はいいかな」

蘭「なら、始めよっか」

91: 2018/08/16(木) 12:38:49.19 ID:Lf0NdEbS0
後日

沙綾「みんな、本当にごめん!」ペコ

文華「......親が倒れたんでしょ?」

夏希「....なら仕方ない、よ」

真結「ただ私たちはもう....」

里美「ごめん、しばらく休むね」



沙綾「みんな.....]

92: 2018/08/16(木) 12:48:24.68 ID:Lf0NdEbS0
今に戻る

香澄「へー、そんなことが」

有咲「聞いたことあるような、ないような」

香澄「確かにグループの一大勝負に駆けつけなかった、となれば他の人も怒るだろうね」

りみ「それにあの喧嘩にはもう一つ別の意味もあってね」

香澄「別の意味?」

りみ「私達花咲川女子学園とライバル関係にある高校、羽丘女子学園って知ってる?」

香澄「ごめん、わからないや」

有咲「意外とここから近いところにあるよな。確かそこも中高一貫だったはずだけど」

りみ「うん。その中学3年生たちが高校に上がる前に大勝負をする、って話になって、不良の中だとそこそこな注目を集めたんだよね」

香澄「あ、そっか。そのまま一年生に上がるわけだから」

有咲「勝った方が高校でも注目される、か?」

93: 2018/08/16(木) 12:53:39.45 ID:Lf0NdEbS0
りみ「そうだね。それにその大勝負はつまりその代の花咲川と羽丘、どっちが強いか、っていう話に直結するんだ」

有咲「なるほど、勝てば周りからの評価はだだ上がり」

香澄「負ければ一転、学校の名前に泥を塗ったことになる、か」

りみ「それで結果は」

有咲「いかなかった沙綾達の負け」

香澄「チスパの人たちは花咲川の不良から当たりが強くなったと」

94: 2018/08/17(金) 05:45:50.06 ID:X7RsPF610
夏希「あの後すぐにやめた沙綾にはわからないでしょう!私達チスパがどれだけ虐げられたか!」バン

沙綾「ぐふっ!」ガッ

夏希「はぁ、はぁ」

沙綾(あー、痛い。顔を殴らないでくれてるけど体中アザだらけどよ、これ)

夏希「高校に入って先輩の不良に挨拶に行ってもいい顔されず、憧れのグリッターグリーンの人たちには無視されて」

里美「私たちの高校生活は始まる前から終わっちゃったんだよ!」

沙綾(.....今日は沙南と一緒にお風呂はいれないや)

95: 2018/08/17(金) 05:58:53.42 ID:X7RsPF610
香澄「....沙綾にもいろいろあったんだね」

有咲「みたいだな」

りみ「それ以来、沙綾ちゃんは一人でいるようになった、て」

香澄「.....」

有咲「あれ?けどよ、沙綾が辞めたのって中学の頃なんだろ?」

りみ「う、うん。そうだけど」

有咲「だったらなんで今呼び出されてるんだ?」

香澄「確かに...」

りみ「あれ?そうだね」

有咲「まさか、定期的にボコられてるのか!?」

香澄「いや、だいたい抜けたやつには関わらないようになる、はずだけど」

有咲「そう、か」

りみ「沙綾ちゃんが、またなにか怒りを買うような事しちゃったのかな?」

96: 2018/08/17(金) 06:08:59.23 ID:X7RsPF610
香澄「うーん、けど私達最近何かと沙綾とつるむけど」

有咲「なんかしてたか?」

りみ「だよね。一緒にご飯食べてるだけだし」

有咲「香澄と追いかけっこしたりしてなかったか?」

香澄「あはは、私たちもしたね、有咲!」

りみ「私たちと少し話したくらい、だと思うけど」

香澄「....いいや、それかもね」

有咲「どういう.....あ、そうか」

香澄「自分たちから抜けて一人だった奴が他の奴らとつるんでる、と」

有咲「チスパの奴らから見たら気に入らないよな」

りみ「そうなんだ...なら!」


りみ「今呼び出されたのは私たちと話したから、なの?」

97: 2018/08/17(金) 06:15:15.65 ID:X7RsPF610
有咲「そういうこと、かもな」

香澄「そうだね。もちろん確証はないけど」

りみ「.....」

有咲「.....」

香澄「.....」



香澄「あー!もう!」

りみ、有咲「「!?」」

香澄(グループとか、不良とか、ほんと!)

香澄「ほんと、めんどくさい!」ダッダッダ

りみ「あ!かすみちゃん!」

有咲「ふふ、行こうぜ、りみ!」

98: 2018/08/17(金) 06:43:32.58 ID:X7RsPF610
里美「私達は花咲川の不良たちから虐げられ」

真結「沙綾は一人」

文華「ずっとそうだと思ってた」

夏希「けど!沙綾!アンタは他のやつとつるみだした!」

沙綾「あいつらはそんなんじゃ」

里美「言い訳なんて聞きたくないよ!」バシ

沙綾「うっ!」ドゴ

文華「これに懲りたらもうあいつらとつるまないでよね」

沙綾「.....わかったよ」

真結「もっと自分がしたことを考えな」

沙綾「.....」


沙綾(仕方ない、ことだよね。私はどんな理由があれみんなを...)


ザッ!


香澄「沙綾!」

99: 2018/08/17(金) 14:37:49.17 ID:X7RsPF610
沙綾「!?」

夏希「! こ、こいつは」

文華「屋上にいたやつ!?」



香澄「くらえ!」パンチ


沙綾「へ?....うぐっ!!」バシン



夏希「え?」

有咲「おま! 沙綾を!?」

りみ「沙綾ちゃんを助けに来たんじゃ....」

里美「なんなの、こいつ...」

100: 2018/08/17(金) 15:02:32.19 ID:X7RsPF610
香澄「ふふーん!」

真結「ちょ、ちょっとあんた!」

香澄「ん?」

真結「なんのつもりよ!」

香澄「なんのって」

真結「まさか!沙綾を助けに!」

香澄「いや、ちが...

真結「ふざけんじゃないわよ!」シュ

香澄「うわ、っと」スカ

真結「なっ!?」

香澄「悪いけど、少し寝てて!」バシン

真結「がはっ!」ガツン、、バタ

101: 2018/08/17(金) 15:14:19.17 ID:X7RsPF610
里美「な! こいつ!」

文華「やったね!」


有咲「お、面白くなってきたな。私たちも混ざろうぜ」ザッ

りみ「え、ええ!? だ、大丈夫!?」

バシ、シュッ、ダシ、バッ


夏希「な、なんなのさ..」

沙綾「いっった、この...」ギロ

夏希「さ、沙綾! 私たちを...」

沙綾「香澄!!」

香澄「悪いね、沙綾。この前のやつこれでチャラでいいよ」

沙綾「もういいって言ったくせに、ふざけないでよ!」シュ

香澄「よっと、はぁ!」スカ、バシ

沙綾「ぐっ、この!」グ、ズバ

102: 2018/08/17(金) 15:23:31.38 ID:X7RsPF610
有咲「おら!」ケリ

里美「うっ...この!」チッ、バッ!

有咲「うおっと、へへ、ら!」シュバシ

里美「ぐっ!こ、こいつ!」

有咲「へへ、やっぱいいな...あっ!」

有咲(やっべ、ばあちゃんに喧嘩のことなんて言おう)


りみ「え、えい!」ヒョロヒョロ

文華「.....やる気ある?」

りみ「あ、あります!」

文華「いや、殴る時、目瞑ってるし」

りみ「うう~、香澄ちゃんに教えてもらったのに...」

文華「......どうしよ」

103: 2018/08/17(金) 15:38:30.48 ID:X7RsPF610
夏希「な、なんなのさ! この状況...」


香澄「たりゃ!」シュ!!

沙綾「ぐっ!」ドゴ!

沙綾(くっ、チスパの皆にやられたのを抜きにしても香澄、強い!)

香澄「へへーん、おりゃ!」シュ、ケリ!

沙綾「うわ!」バシ、、バタ



夏希「沙綾!」

香澄「うーん、やっぱけっこうやられてたのかな?」

夏希「あ、あんた!」

香澄「なにさ?」

夏希「一体何のつもりなの!?」

香澄「だから、沙綾に前の借りを返しに来ただけだよ。屋上の決着もついてないし」

夏希「なんで今なのさ!」

香澄「貴方たちが沙綾をボコってたのが見えたからね。便乗しよかな、って」

104: 2018/08/17(金) 15:58:47.55 ID:X7RsPF610
夏希「そ、それは...わ、私たちには理由があって...」

香澄「理由、ね。どうでもいいけど反撃しない相手にいきがってる人達なんて知ったことじゃないよ」

夏希「この!!何も知らないくせに!」シュ!

香澄「おっと」スカ

沙綾「う...な、ナツ?」ヨロヨロ

香澄「ちょうどいい、二人で来なよ。沙綾だけじゃ物足りなかったしね」

夏希「あんた!生意気だよ!」ザッ!



有咲「ほっ」スカ、ヒョイ

里美「この!逃げんな!」シュ、シュ

有咲「そんなこと言われても、よっと」ヒョイ

有咲(顔とか殴られたら、言い訳できないし)

105: 2018/08/17(金) 16:10:04.11 ID:X7RsPF610
有咲「ほっと」スカ

里美「この!の!」シュ、ザ

有咲(にしてもこのままじゃ)ヒョイ、チッ

有咲「私も攻撃.....あれ?壁?」

里美「へへ、めんどいから校舎の壁際まで追い込ませてもらったよ」

有咲「やべ、まじか。しっくたな」

里美「これでやっと殴れるよ、ほら」パンチ

有咲「ちょまま、顔はやめてくれ!」チッ、チッ

里美「何!言ってんのさ!」シュ、バシ

有咲「うお!あぶね!」ジ、シュ

里美「これで!」シュ、パンチ

有咲「わ!...ぐは!」ス、バシ!

106: 2018/08/17(金) 16:15:23.92 ID:X7RsPF610
里美「へへ、やっとだよ」

有咲「.....いって」

里美「顔を殴って欲しそうだったから殴ってあげたよ」

有咲「てめー」ギロ

里美「なに? そっちからしかけて....

有咲「おら!」シュ!

里美「うぐ!」バシン!

有咲「この! やろ!」シュ、シュ

里美「うっ! ぐふ!」ガッ、バッ

有咲「最悪、だよ!」パンチ

里美「ぐう! こ、この!」バシ!、、、シュウ!

有咲「うぐ! この!」ガ、ザ!

里美「がは、く、くそ!」ドゴ、シュ

107: 2018/08/17(金) 16:24:20.46 ID:X7RsPF610
有咲「よっと」ガシ

里美「な!?」

有咲「へへ、これで終わり、だ!」シュウ!!

里美「がはぁ!あ、ああ」グラ、バタン

有咲「はぁ、はぁ、ったく、顔殴りやがって。いてて」

有咲「香澄は大丈夫だろ。りみのところに!」ダッダ



文華「は! や!」シュ、シュ

りみ「うっ! いた!」バシ、バシ

文華「あんたは不良、向いてないよ。今すぐやめたら?」

りみ「そ、それは....」

文華「今帰るならここまでにするけど?」

りみ「.....ううん!や、やめない!かすみちゃんやありさちゃんと一緒にいたいもん!」

文華「そ。じゃあ悪いけど寝ててもらうよ」シュ、シュ

りみ「う! っつ!」バシ、バシ

108: 2018/08/17(金) 16:31:48.68 ID:X7RsPF610
りみ(せっかくかすみちゃんとありさちゃんと特訓したんだもん!せめて一発くらい!)

文華「ほ、それ」シュ、バシ

りみ「うっ! ぐっ!」バシ、ドゴ

文華「ほら! ほら!」シュ、シュ

りみ(かわす、なんてできない!こうなったらあっちが攻撃しようとした瞬間こっちも!)

文華「頑張るじゃない、けどこれで!」ザッ!


有咲「りみ!だいじょう....


りみ(今だ! 当たって!)

りみ「や、やあ!」シュ!!!


ドゴ!!

109: 2018/08/17(金) 16:36:57.45 ID:X7RsPF610
有咲「!?」

文華「なあ!?」

りみ「いった、い」バタ



文華「うそ、でしょ」バタ


有咲「りみ!」ダッダ

有咲「大丈夫か?」ユサユサ

りみ「あ、ありさちゃん。喧嘩って痛い、ね」

有咲「ああ、まあな。けど」チラ


文華「.....」チーン


有咲「お前の勝ちだぜ、りみ」

りみ「ほ、ほんと? よかった~」

110: 2018/08/17(金) 16:42:58.04 ID:X7RsPF610
沙綾「はあ!」シュ!

香澄「ん、よっと」ガシ、クル

沙綾「な!?」クル

香澄「だ!」バシ!

沙綾「ぐう!」ドゴ!


夏希「やあ!」ザ!

香澄「....」ヒョイ、シュ!

夏希「ぐ、がは!」スカ、バシ

香澄「とりゃ!」シュ、シュ

夏希「うっ、うう!」バシ、バシ



沙綾(嘘でしょ)

夏希(沙綾が手負いっていうのもあるけど)

沙綾(二人がかりでも)

夏希(全く通じない、なんて)

111: 2018/08/17(金) 16:47:11.86 ID:X7RsPF610
香澄「大丈夫? 二人共息上がってるけど」

夏希「この!」ハァ、ハァ

沙綾「なんなのさ、香澄。あんたは」ハァ、ハァ

香澄「なんなのさ、っと言われても」

夏希「ほんと、ふざけないでよ!なんで、なんで!」

沙綾「ナツ...」

夏希「なんで、なんで私達ばっかりこんな辛い目にあってんのさ!」

香澄「....」

夏希「どうして、どうして」ウルウル



香澄「偉そうなこと言えないけどさ」

112: 2018/08/17(金) 16:54:56.80 ID:X7RsPF610
夏希「....なに」

香澄「けっきょく、あなたたちも悪いんじゃないの?」

夏希「はぁ!?なにが!」

香澄「うまく言えないけど、貴方たちは負けた理由を沙綾のせいにしてない?」

夏希「そ、そんなことは!だいたい、沙綾がこなっかたことは本当で!」

香澄「だったら、別の日にもう一回リベンジしに行けばよかったじゃん」

夏希「そ、それは....」

沙綾「....」

香澄「沙綾がいて勝てる自信があったんならいったはず。行かなかったってことは、完全に敵わないとわかったから、かな?」

夏希「ち、違う!」

香澄「そして、負けて周りから当たりが強くなった貴方たちは逆に沙綾にあたりを強くした、違う?」

夏希「そんなことは.....」

113: 2018/08/17(金) 17:03:47.69 ID:X7RsPF610
香澄「なーんて、あなたたちの話を聞いた私の感想」

沙綾「....」

香澄「真実とか、本当はどうとか、そんなの正直どうでもいいよね。もう終わったことだし」

夏希「だったらなんでここにきたのさ」

香澄「さっきも言ったじゃん。沙綾を殴るためだって」

夏希「....」

香澄「それと」

沙綾「?」

香澄「私が理由で誰かがボコられるのは嫌だったから、かな」

沙綾「香澄....」

香澄「ま、それはいいんだよ。うん。それよりこの喧嘩私の勝ちでいい?」

114: 2018/08/17(金) 17:08:40.03 ID:X7RsPF610
夏希「....」

沙綾「....何言ってんの?まだ終わってないけど?」

夏希「沙綾...」

香澄「ふふ、ならもう終わらせるよ」

沙綾「やってみな、よ!」ザ!

夏希「ぐ、この!」ザ!



有咲「っと駆けつけてみたが、大丈夫そうだな」

りみ「だね。いたた」

有咲「おっと、大丈夫か? それにしても香澄の強さはなんなんだ?」

りみ「ふふ、なんて言ったて『星のカリスマ』だからね」

有咲「な!? マジか!?」

115: 2018/08/17(金) 17:13:32.64 ID:X7RsPF610
沙綾「はっ!」シュ

香澄「よっと、ほい」スカ、ダッ!

沙綾「うわ!」ダ、ズズズ

夏希「うりゃあ!」ザ!

香澄「よっ」ヒョイ

香澄(久しぶりにやろうかな)

香澄「ひっさーつ!」

夏希「はあ!」ザ!


香澄「スタービート!!」 回し蹴り!!



夏希「がぁ、はっ!」ダン!、、バタ

116: 2018/08/17(金) 17:18:05.04 ID:X7RsPF610
沙綾「ナツ!?」


有咲「うわ、今のすご」

りみ「やっぱりかすみちゃんすごいね!」


香澄「ふっ、峰打ちじゃ。...なんてね。ちゃんと蹴る場所は考えたし、勢いも抑えたから」

沙綾「香澄、マジで何者なの?」

香澄「何者って、大げさな」

沙綾「中学までいなかったでしょ、どうして花咲川に?」

香澄「自己紹介で言ったじゃん。普通の友達を作るためだって」

沙綾「....話す気はない、と?」

香澄「いや、本当だって」

117: 2018/08/17(金) 17:23:41.39 ID:X7RsPF610
沙綾「...まあいいや。それよりなんで私をかばったの?」

香澄「だから!それもさっき言ったじゃん!沙綾がボコられるのはどうでもいいけど!私が理由っていうのが気に入らなかったの!」

沙綾「....」

香澄「まあそれが一割。沙綾に借りをかえすのが九割、だけどね」

沙綾「そっか」

香澄「そう。だから私はもう満足です」

沙綾「...悪いけど私はまだ満足してないから」

香澄「なに?まだやる気?」

沙綾「当然」

香澄「諦め悪いね。ま、いいけどさ」


沙綾「一発くらい!」ダッダ!

香澄「決まるといいね!」ザ!

118: 2018/08/17(金) 17:29:44.98 ID:X7RsPF610
後日

りみ「いたた」

香澄「大丈夫、りみりん?」

りみ「なんとか」

香澄「けどやったじゃん!初喧嘩で勝利!」

りみ「う、うん。むこうが油断してたってのもあるけど」

有咲「気にすんな。そんなの油断する方が悪い」

香澄「そういえば有咲はおばあちゃんの言い訳、何とかなったの?」

有咲「あー、それがと、友達との喧嘩っていったら、それなら、って」

香澄「そっか。なんかアバウトだね」

有咲「けどこれで言い訳はなんとか...



沙綾「....あ」テクテク


香澄「あ、沙綾」



チスパの面々「....げ」テクテク


有咲「げっ、てなんだよ」

121: 2018/08/18(土) 01:56:35.53 ID:O8g9pui20
香澄達「「....」」

沙綾「.....」

チスパ「.....」



香澄達((気まずい...))

夏希「私たちは」

有咲「!?」

里美「今でもまだ、沙綾のことを素直に許せないよ」

沙綾「....だろうね」

真結「ただ、その」

文華「沙綾だけが悪いわけじゃない、というか」

沙綾「え?」

夏希「....私たちも一回の負けでビビりすぎてる、っていうか」

りみ「!!」

里美「とにかく絶対リベンジする!」

香澄「....」ウンウン

122: 2018/08/18(土) 02:01:54.29 ID:O8g9pui20
夏希「言っとくけど、あんたらもだかんね」

香澄「ええ!? 私達!?」

里美「当たり前でしょ!」

真結「私なんて気づいたら気失ってたし!」

文華「私だってあんな負け方認めてないからな!」

りみ「は、はい!」

有咲「へへ、いつでも相手してやるよ」

香澄「.....まあ、いいけどさ。あまり目立たないように呼び出してよね」

夏希「はぁ? なにそれ」

沙綾「....ふふ」

夏希「とにかく、その....ごめん」ボソ

沙綾「....え?」

夏希「それだけ! じゃ!」スタスタ

123: 2018/08/18(土) 02:07:23.23 ID:O8g9pui20
チスパ「....」スタスタ



有咲「一件落着、じゃね?」

りみ「多分ね!」

香澄「よし、教室に行こう」

沙綾「あ、あのさ!」

香澄「ん?」

沙綾「その、理由はどうであれ昨日は来てくれて......あ、ありが、とう///」

りみ「さーやちゃん。ふふ」

有咲「へへ、なんか照れくさいな///」

香澄「あ!さーや、顔真っ赤!」

沙綾「う、うるさいよ//// それじゃ」スタスタ

香澄「どうせ教室で会うのにね」

りみ「そうだね」

有咲「んじゃ、昼にな」

124: 2018/08/18(土) 02:15:17.61 ID:O8g9pui20
教室 お昼休み

たえ「....」モグモグ

たえ(あー、喧嘩したい。だれか喧嘩しかけても大丈夫な人、いないかな~?)モグモグ

ヒソヒソヒソ

たえ(ん?)


モブ「ねえ、みた?」

モブ「うん。山吹さんと話してる戸山さん」

マブ「なんか対等に話してたよね」

ミブ「ってことはやっぱり戸山さんって....」

メブ「なんでも他のクラスの子とも喧嘩したとか」

ムブ「とあるグループを壊滅させたとか」

モブ「やばくない? このクラスも治める気なんじゃ」


たえ(戸山,,,香澄、か。よし!)

125: 2018/08/18(土) 02:25:08.88 ID:O8g9pui20
お昼

沙綾「ええ!? 香澄って、あの『星のカリスマ』だったの!? 強いわけだよ」

香澄「あはは.......なんでみんな知ってるのさ」

有咲「そりゃ、お前、私でも知ってるくらいだしな」

沙綾「隣町だから見たことはなかったけどいずれこの地区にも進出するって恐れられてたね」

香澄「いやいや、そんなことは......昔の私ならワンチャンしたかも」

沙綾「ま、香澄がなんであろうとナツ達じゃないけどリベンジはさせてもらうよ」

りみ「さーやちゃん」

沙綾「だいたい、昨日は手負いだったし」

香澄「.....」



スタビモブ『いやいや、戸山さんにはかなわないっすよ!』

スタビマブ『ほんとほんと! あ、舎弟になってもいいですか?』

スタビメブ『お前ら、戸山さんを怒らせるよなことするなよ!』

香澄(違うよ、私は....)

126: 2018/08/18(土) 02:31:04.34 ID:O8g9pui20



沙綾「だから昨日のやつだけで勝ったなんて思わないでよね」

香澄「....」

有咲「香澄?]

香澄「....喧嘩するなら誰もいない場所にしてね」

沙綾「何それ?」

りみ「ふふ」

香澄「さ、いいから食べよう!」

127: 2018/08/18(土) 02:34:05.37 ID:O8g9pui20
放課後 こ

有咲「香澄~、帰っぞ~」スタスタ



香澄「、で?」

沙綾「何?」

有咲「今日から四人、か」

りみ「やったね!」

沙綾「帰り道、途中まで一緒だし」

香澄「.....なら仕方ないね」



たえ「戸山香澄!!」ダッダ

128: 2018/08/18(土) 02:38:33.52 ID:O8g9pui20
香澄「ん?」

有咲「なんだ!?」


たえ「しょう、ぶ!」パンチ!


香澄「はぁ? なにいっ...ぐふ!」バシ!


有咲「香澄!?」

りみ「かすみちゃん!?」

沙綾「え? ちょ、大丈夫!?」


たえ「ふふーん、勝った」(^-^)V


香澄「いっった...」ムク

129: 2018/08/18(土) 02:47:59.78 ID:O8g9pui20
たえ「!? けっこう強めに殴ったのに、さすがだね」


りみ「よかった~」

有咲「ふう、やっぱタフだな」

沙綾「っと言っても油断しすぎでしょ」


香澄「うるさいなぁ。それよりあなた! いきなり殴って来るってどういうことさ!」

たえ「私は一年一組、花園たえ! 戸山香澄! いざ、真剣に勝負!」

香澄「はぁ!? 何言ってんの?」


有咲「おいおい、なんかヤベー奴にからまれてねーか?」

沙綾「一年一組? 同じクラスじゃん。けどなんで?」

りみ「花園、たえ。....もしかして『鬼追いし花園』!?」

有咲「りみってほんとそういうの詳しいよな」

沙綾「それよりその物騒な二つ名はなに?」

りみ「他にも『うさみみサンダーボルト』っていうのもあった気がする」

130: 2018/08/18(土) 02:54:23.35 ID:O8g9pui20
香澄「こいつ、真剣勝負とかいいながら不意打ちしてきてるし」

たえ「一組を制覇しよったってそうはいかない!」

香澄「....ごめん。本当に何言ってるの?」

たえ「あなたは今、ここで倒す!」

香澄「どうしよう、話全く通じてないや」



有咲「やべえ、あいつマジでやばいって!」

沙綾「会話が成立してない」

りみ「なんでも花園さんの二つ名は全部自分で考えた、とか」

有咲「自分で、かよ」

沙綾(私も変えたい。三刀流の沙綾!とか///)

131: 2018/08/18(土) 02:59:54.07 ID:O8g9pui20
たえ「さあ、勝負!」

香澄「あなたみたいな人、関わりたくないけど。売られた喧嘩は買うしか....


ナニアレ、ケンカ? ウッソー、ヤダー コレダカラフリョウハ

香澄「!?」

香澄(やばい! そういえばここは校庭のど真ん中、しかも下校時間!)


りみ「かすみちゃん、今喧嘩したら!」


香澄(そう。私の本当の目標の普通の友達が....)

たえ「よーし!いっくよ!」ザ!






紗夜「あなたたち、一体何をしているんですか?」

132: 2018/08/18(土) 03:09:26.94 ID:O8g9pui20
香澄「!?」ビク!

香澄(う、そ。なに? こ、この人....)


有咲「あ、あの人は!」

沙綾「花咲川の、ば、番長....」

りみ「ひ、氷川紗夜、さん」プルプル



たえ「何って、喧嘩です!」

香澄「ちょ!」

紗夜「そうですか。この下校時間のタイミングで。他の生徒の迷惑です。今すぐやめなさい」

たえ「いやです!私は喧嘩がしたいんです!」

紗夜「....なるほど。では、私が相手をしましょう」

たえ「え!? 本当ですか!」

香澄(この人、馬鹿なの!?)



有咲「あいつ」

沙綾「終わったね」

りみ「や、やばいよ」アセアセ

133: 2018/08/18(土) 03:15:05.74 ID:O8g9pui20
たえ「いきます!」

紗夜「いつでも」ポキポキ

たえ「やあ!」ザア!

紗夜「.....」フッ


ダダダン!


たえ「うっ、」グル、、バタン


有咲「うそ、だろ」

りみ「い、一撃で?」

沙綾(いや、一撃じゃない)



香澄(あの一瞬で顔、肩、脇腹の三ヶ所に。なんて速くて正確な攻撃。私にはあんなの....)


紗夜「そこのあなた」

134: 2018/08/18(土) 03:19:35.06 ID:O8g9pui20
香澄「!? は、はい!」

紗夜「あなたは? やりたいの?」

香澄「い、いえ! 私はただ喧嘩を売られただけで....」

紗夜「....」ジー

香澄「うっ」

紗夜「...なるほど、確かにそのようですね」

香澄「ほっ..」

紗夜「では帰るつもりだったのでしょう? なら帰りなさい」

香澄「は、はい!」

紗夜「ああ、それと、この子もお願いしてもいいかしら」

たえ「....」チーン

香澄「えー、いやー、その」

135: 2018/08/18(土) 03:24:49.16 ID:O8g9pui20
紗夜「私はやることがあるの。ただあなた達が他の生徒の迷惑になっていたから来た」

香澄(私たちの、いや、この子のせい、と)

香澄「わかりました。処分します」

紗夜「い、いえ、連れて帰るだけでいいわ」

香澄「そうですか、了解です」

紗夜「あなたは巻き込まれただけかもしれないけど、もうこのようなことはやめるようその子にも言っておいてくれるかしら?」

香澄「伝えておきます」

紗夜「ありがとう、それでは」スタスタ


香澄「ふぅー」

136: 2018/08/18(土) 03:34:39.74 ID:O8g9pui20
有咲「香澄!」タッタ

りみ「大丈夫だった?」

沙綾「災難だったね」

香澄「みんな、ほんとだよ」

たえ「....」チーン

香澄「りみりん、あの人は?」

りみ「前に言った花咲川の番長、『サッドネスメトロノーム』氷川紗夜先輩、だよ」

香澄「あの人が、なるほど」

有咲「この花園って人も違う意味でやばいけど、あの氷川先輩はすげーヤバイな」

沙綾「有咲、やばいしかいってなくない?」

香澄「それにしてもなんで私たちの喧嘩を止めたんだろ?他の生徒の邪魔になるからって」

りみ「氷川先輩は風紀委員でもあるんだ」

沙綾「なるほど、それで」

137: 2018/08/18(土) 03:58:36.90 ID:O8g9pui20
香澄「とりあえず移動しよう」


とある公園

たえ「....」チーン

りみ「....」ウチワ、パタパタ

香澄「風紀委員で表側から、不良として裏側から学校を治める、みたいな?」

有咲「そんな面倒なことするか? あの強さ、普通にてっぺんとれるだろ」

沙綾「それにもう花咲川の番長、って呼ばれてるくらいだし」

香澄「うーん、ならなんで風紀委員なんて」

沙綾「根が真面目だから、とか?」

有咲「まさかな」

香澄「それにしても、あんな強さの人、初めてかも」

有咲「マジか」

沙綾「もし、ガチでやりあって、勝てる?」

香澄「.....どうだろ」

138: 2018/08/18(土) 04:22:09.54 ID:O8g9pui20
香澄「まあ、けど別に悪いことしなきゃ目つけられないでしょ。それに堂々喧嘩する気ないし」

有咲「おまえ、そういってなかなか喧嘩してる気がするんだが」


たえ「う、ううん?」パチリ

りみ「あ、よかった~」

たえ「....お母さん?」

有咲「なんでだよ!?」



たえ「そっか、わたし負けたんだ。くやしい」

有咲「いやいや、相手を考えろよ」

沙綾「ほんと、ハラハラした」

香澄「それで? あなたは何のために私を殴ったの? 殴り返していい?」

たえ「それは喧嘩したかったから」

香澄「それでなんで私なのさ」

たえ「香澄がクラスを征服しようとしてるって」

香澄「なにそれ!?」

139: 2018/08/18(土) 04:27:36.98 ID:O8g9pui20
たえ「だから喧嘩してもいいかなって」

香澄「そんな」

有咲「喧嘩なら他の不良にいえばすぐにやれるだろ」

たえ「.....他の不良、わからない」

沙綾「雰囲気とかは?」

たえ「? みんな同じでしょ?」

りみ「だから氷川先輩に向かっていけたんだね」

香澄「はぁ、いい迷惑だよ」

たえ「よっ...っと」フラフラ

りみ「だ、大丈夫?」

有咲「まだ氷川先輩のダメージが残ってんだろ」

沙綾「そう考えるとなおさらすごいね」

香澄「おそろしい」

140: 2018/08/18(土) 04:33:26.68 ID:O8g9pui20
香澄「とにかく、もうああいうことはやめてね」

たえ「はい」シュン

香澄「うっ...」

りみ「かすみちゃん...」

沙綾「けどいいの? 香澄殴られっぱなしはいやだって」

香澄「今日はやらないよ、さすがに」

有咲「まあ、そうだな」

香澄「だからそのかりも返したいし、近いうち回復したらかんかしてあげるから」

たえ「ほんと?」

香澄「ほんと、ほんと」

たえ「わかった、約束」ユビキリ

香澄「はいはい」

141: 2018/08/18(土) 04:38:25.59 ID:O8g9pui20
りみ「家どこ?近くまで送っていくよ?」

たえ「ほんとう!? 一緒に帰ってくれるの?」

有咲「近くまでだけどな」

たえ「全然いいよ!」

沙綾(なんか)

香澄(有咲と似た感じ)

たえ「えっとね」



香澄「じゃあね」

たえ「ばいばーい」フリフリ


有咲「おう、またあした」

りみ「またね」

沙綾「それじゃ」


デッシャガハッシンシマス


香澄(まさか私と同じ電車通いとは)

142: 2018/08/18(土) 04:42:25.89 ID:O8g9pui20
たえ「かがーやけ、はーなーぞーの」

香澄(嬉しそうだし)

香澄「ねえ」

たえ「なに?」

香澄「おたえはさ....

たえ「おたえ?」

香澄「あ、うん。こっちのほうが呼びやすいから」

たえ「おたえ......いい!」

香澄「そ、そう? ならよかったけど」

たえ「うん! それで? どうしたの?」

香澄「なんでそんなに喧嘩したいの?」

たえ「喧嘩、強くなりたいから」

143: 2018/08/18(土) 04:47:20.67 ID:O8g9pui20
香澄「それは、どうして?」

たえ「私の母さんね、元ヤンなの。今はさすがに違うけど」

香澄「それで?」

たえ「けど小さい頃に少しだけ母さんのヤンキーの頃の姿、見ることができてね。かっこよかったなー」

香澄「そっか、それで」

たえ「それで私もなりたい! って思ったの。そのためにも喧嘩をいっぱいして強くならないと」

香澄「そういうこと」

香澄(憧れ、か。そういうのもいいよね)

たえ「ただ、うさぎも好きだから将来うさぎの飼育員かヤンキーかで悩んでて」

香澄(悩む必要ないと思うけど)

香澄「どっちもやれば?」

144: 2018/08/18(土) 04:51:40.76 ID:O8g9pui20
香澄(なんて)

たえ「香澄、天才なの?」

香澄(マジか)

たえ「両方、その発想はなかった。うん」

香澄「そ、そっか」

たえ「ありがとう! 私頑張ってみるよ!」

香澄「う、うん。がんばって」


プシュー


たえ「あ、私ここだ。じゃあね」フリフリ

香澄「そっか。うん、またね」

たえ「よっと」テクテク



香澄「おたえ、個性強すぎ」

148: 2018/08/18(土) 16:24:58.35 ID:O8g9pui20
後日 校舎裏


香澄「はぁ!」シュ!

たえ「ぐっ、とりゃ!」バシ、ザ!

香澄「っと、この!」スカ、ダシ!

たえ「むむ! ほりゃ!」ヒュ、ガッ!


有咲「おお、なんだかんだ、おたえやるじゃん」

沙綾「確かに、普通に強いね」

りみ「二人共、すごい」


たえ「今だ!」ガシ!

香澄「へえ、ならこっちも!」ガシ!

たえ「ぐぬぬ!」グググ

香澄「まけ、るか!」グググ

たえ「う、ぐぐ」グググ

香澄「うっ、りゃ!」ググ、ザン!

たえ「うわぁ!」グルリン

149: 2018/08/18(土) 16:31:04.53 ID:O8g9pui20
有咲「おお、力勝負は香澄の勝ちか」

沙綾「マジで香澄、なんか弱点ないの?」

りみ「うーん、先制パンチに弱い、とか」アハハ

有咲「あー、それあるな。あいつ油断してる時マジで油断してっから」

沙綾「確かに。でも所詮不意打ち、なんだよね」



香澄「ふう。やるね、おたえ」

たえ「いたた、香澄すごいね」

香澄「まあ、私も負けるのやだし」

たえ「私も! だから、負けない!」ダッダ

香澄「上等じゃん」ザッ!

150: 2018/08/18(土) 16:37:10.05 ID:O8g9pui20
たえ「りゃ! りゃ!」シュ、シュ

香澄「ほ、よっと」ヒョイ、スカ

たえ「あたらない!」ダシ

香澄「おっと! へへ、1発1発は重いけど、少し動きが単純だよ」ガシ、ダン!

たえ「うっ!」ドゴ

香澄(今だ!)スッ!

たえ(懐に!?)

香澄「ひっさーつ!」


香澄「夏のドーン!!」アッパー!


たえ「ぐふっ!」バシン!

151: 2018/08/18(土) 16:42:05.20 ID:O8g9pui20
沙綾「ただの」

有咲「アッパー、じゃん」

りみ「必殺技、いいなぁ」



たえ「.....いたい」チーン

香澄「ん...」スッ

たえ「.....次は勝つから」ガシ

香澄「はいはい、よっと」ヨイショ

たえ「隙有り! えい!」シュ!

香澄「なっ! うっ!」バシ

たえ「へへーん、どうだ!」バタ



沙綾「あーあ、香澄。また油断して」

沙綾(私もやろっと)

有咲「いやいや、今のは」

りみ「ああ! かすみちゃんが!」

152: 2018/08/18(土) 16:46:51.75 ID:O8g9pui20
香澄「....おたえ」ゴゴゴ

たえ「待って香澄。立てないの。いいアッパーだったよ。うん。だから...」

香澄「立たなくていいよ? しばらく私のサンドバックになってもらうから」

たえ「ちょ、やばいよ。りみ! 有咲! 沙綾! 誰かたす....

香澄「とっりゃ!」ガツン!


有咲「おお~」

沙綾「すごいパワー」

りみ「お、おたえちゃん!?」

153: 2018/08/18(土) 16:51:20.35 ID:O8g9pui20
マッ○

彩「いらっしゃいませ! あっ、香澄ちゃん?」

香澄「ああ! 彩先輩!」

彩「いらっしゃい! お友達と?」

香澄「はい! 彩先輩はここでバイトですか?」

彩「うん。そうだ」

香澄「そうなんですね!」


沙綾「へー、不良じゃない人とも話すんだ」

りみ「一応、かすみちゃんの目標だからね」

たえ「......」チーン

有咲「おい! おたえ! しっかりしてくれ!」

154: 2018/08/18(土) 16:57:35.83 ID:O8g9pui20
香澄「よっと」

沙綾「んしょ」

りみ「ここにしよっと」

たえ「.....」ボロボロ

有咲「誰か代わってくれない?」



香澄(んん~、普通の友達と来るような場所だよ!)パクパク

香澄(ただし)チラ


沙綾「その時はこう、はっ! ってかんじで」

有咲「あー、なるほど。くそ~、私ももっと動けたらな~」

たえ「はっ! こ、ここは?」

りみ「お店の中だよ。おたえちゃん」


香澄「メンバーが特別、だからなぁ」

有咲「ん? どうかしたか?」

香澄「別に」チュー

155: 2018/08/18(土) 17:05:56.74 ID:O8g9pui20
香澄「んで? どうしてここに集まったんだっけ?」

有咲「た、たまには皆でこういうところもいいだろ///」

りみ「うん! すごくいい!」

たえ「そうだ! そうだ!」

沙綾「....まあ、悪くないね」

香澄「......別にいいけどさ」



りみ「はぁ」

たえ「どうしたの、りみ?」

有咲「今更だけど、滅茶苦茶馴染んでんな、おまえ」

りみ「実はね、私だけ二つ名がないんだ。仕方ないんだけどね」

有咲「ああ、そっか」

香澄「けど、りみりんがちゃんと喧嘩したの、この前が初めてなんでしょ? だったら仕方ないよ」

りみ「うん。だよね」

たえ「....わかった。今からりみの二つ名を考えるね」

156: 2018/08/18(土) 17:17:37.21 ID:O8g9pui20
りみ「いいの!?」

有咲「二つ名って自分たちで考えていいもんなのか?」

沙綾「基本は第三者が客観的に見て、つけるって感じだよね」

香澄「りみりんの二つ名、か」

たえ「私は自分でつけてるから、大丈夫だよ!」

有咲「それが大丈夫なのかよ」

沙綾「っていっても二つ名ってどんな感じなのさ」


皆「「うーん」」


たえ「自分のならポンポンでてくるのに」

有咲「たとえば?」

たえ「『花園電気ギター』花園たえ」

沙綾「ギターどこからでたの?」

香澄「りみりんのチョココロネ好きも入れてあげたいよね」

有咲「そうか?」

たえ「『私の心はチョココロネ』牛込りみ」

沙綾「流石にまんまじゃない?」

157: 2018/08/18(土) 17:28:52.11 ID:O8g9pui20
りみ「ふふ」

有咲「りみ?」

りみ「いや! おたえちゃんのが可笑しくて笑った訳じゃなくて。なんか嬉しくてね。皆が私の二つ名を考えてくれてることが」

沙綾「りみ....」


香澄「わかった!」


有咲「お前、この空気を」

香澄「確かりみりん、一発で倒したんだよね? チスパの人を!」

りみ「え? そう、らしいけど、よく覚えてなくて」

香澄「それにチョココロネを合わせて、『これでいちコロネ』牛込りみ! なんてどう!?」

沙綾「香澄....」

有咲「誰がうまいことを言えと....」



りみ「それ、すごくいいよ! かすみちゃん!」

158: 2018/08/18(土) 17:33:37.52 ID:O8g9pui20
沙綾、有咲「「え?」」


たえ「うん、いい。悔しいけど」

香澄「でしょ?」

りみ「ありがとね! かすみちゃん!」

香澄「いやいや」


沙綾「りみがいいなら」

有咲「それでいい、のか?」


たえ「ちなみに他のみんなの二つ名は?」

りみ「えーと、まず、かすみちゃんが...」

159: 2018/08/18(土) 17:47:29.03 ID:O8g9pui20


たえ「そっか、皆二つ名持ちか」ゴクゴク

有咲「なんかそうやって聞くと、すごく聞こえるな///」

沙綾「た、たしかに」


たえ「なら、私たちでグループ組まない?」


りみ、有咲「「え?」」


沙綾「....」

香澄「....」

たえ「どうかな? グループ、入ってみたくて」

りみ「私は賛成!」

有咲「わ、私も///」


沙綾「私は...その」

有咲「チスパのこと、か?」

沙綾「...まあね」

りみ「それは...」

有咲「沙綾はどうしたいんだよ」

沙綾「わ、私は、は、入りたい」

たえ「なら!」

沙綾「け、けど! もう、ナツ達を裏切りたくない」

りみ「....」


香澄「沙綾ってそういうとこあるよね」


有咲「香澄?」

沙綾「そういうとこ、って?」

香澄「自分がやりたいのに、他の人のために我慢するところ、かな?」

沙綾「..なにそれ? なんで香澄がそんなことしてんのさ」

160: 2018/08/18(土) 17:55:55.81 ID:O8g9pui20
香澄「さーなとじゅんじゅんが教えてくれたよ」

沙綾「はぁ!? なんでそこで二人が出てくるの!?」

有咲「えーと、沙綾の家に買い物に行くと、よく会って、それで色々聞いたというか」

沙綾「....マジか」

香澄「さーな、言ってたよ。中学校の頃のお姉ちゃんに戻ってほしいって」

沙綾「....」

香澄「まあ、あまり家庭の問題に深く踏み込むのもね」

沙綾「いや、かなり踏み込んでますけど」

有咲「間違いないな」


沙綾「....はぁ」

りみ「さーやちゃん?」

沙綾「わかった、入る」

たえ「やった」

沙綾「ただし! 条件!」

有咲「な、なんだよ」

161: 2018/08/18(土) 18:01:16.69 ID:O8g9pui20
沙綾「私は家族を優先させてもらう!」

有咲「なんだ、そんあの当たり前だろ」

りみ「うん。勿論だよ」

沙綾「.....それともう一つ。チスパのことに関して可能な限りわがままを許してもらいたい」

たえ「さっきから出てくるチスパって?」

有咲「あとで説明してやるから」

香澄「....それって、もしあの子達が戻ってきて、って言ったらそっちに戻るかもってこと?」

沙綾「......そうなる、かも」

香澄「優柔不断だね」

りみ「かすみちゃん!」

沙綾「.....」

162: 2018/08/18(土) 18:11:13.55 ID:O8g9pui20
有咲「....いいんじゃねーの?」

りみ「ありさちゃん...」

有咲「やりたいようにやる、そうだろ?」

沙綾「有咲...」

たえ「私もいいと思う!」

りみ「おたえちゃん、うん! いいよね!」

沙綾「二人共」

有咲「んで? 香澄は?」

香澄「...私は反対、なんて言ってないけど」

沙綾「香澄、あんたはどうなの? グループに入るの? 入らないの?」


香澄「....」

163: 2018/08/18(土) 18:16:38.81 ID:O8g9pui20
中学時代

モブヤン「あ、あの!」

香澄「ん? ああ! あなたはこの前の!」

モブヤン「その節はどうも」ペコ

香澄「何しに来たの!? さてはリベンジに!?、」

モブヤン「ち、ちがいやす! そ、その舎弟にしてください!」

香澄「へ? なにそれ?」



モブ子「戸山さんの強さに惚れました!」


モブ美「どこまでもついていきます!」


モブ乃「いっちょ、やっちゃいましょう!」

164: 2018/08/18(土) 18:27:32.52 ID:O8g9pui20
香澄「なんかよくわからないけど、周りに人が増えたや」

香澄(仲間、でいんだよね?)



スタビモブ「おらおら、あたいらに手を出すとどうなるかわかったろ!?」


スタビモブ「軽く喧嘩しよう? いやいや、とんでもないですよ! 戸山さんの練習相手なんて! そーだ、あの地区のやつら叩きに行きましょう! ね!」


香澄(違うんだよ、私はそんなこと望んでないのに)

香澄「仲間ってこんなもんなのかな?」



香澄「ねえ」

スタビモブ「は、はい!」

香澄「私達の関係って?」

スタビモブ「何言ってんスか!」


スタビモブ「姉貴とその舎弟、に決まってるじゃないですか!」


香澄「.....そっか」

165: 2018/08/18(土) 18:34:16.31 ID:O8g9pui20
スタビモブ「おい、聞いたか」

スタビモブ「ああ、ここらの最大勢力、クラフト卵さんたちと喧嘩すんだろ?」

モブ「勝ってこないって!」

モブ「あっちは100人。こっちはたった30人だぞ!?」

モブ「無理だ」

モブ「ばっくれる?」

モブ「それしかなくね? ボコられたくないよ、私」

モブ「痛い思いしないためにスタビに入ったのにさ」

モブ「けど、戸山さんにあとで」

モブ「大丈夫だって! あの人、私たちにそんな関心ないし!」

166: 2018/08/18(土) 18:43:58.63 ID:O8g9pui20
香澄「....」

卵社長「哀れだね、『星のカリスマ』。仲間に見捨てられるとは」

香澄「....別に、仲間じゃないし」

卵社長「そうか。それで? まさか一人でやろってか?」

香澄「だったら?」

卵社長「土下座して、アタイらの下に入るんだったら許してやるぜ?」

香澄「誰が」

卵社長「残念だよ。アタイはけっこうあんたの喧嘩、好きなのにね」

香澄「いいから早くやろうよ。時間がもったいない」

卵社長「はは、そうか。おまえら! やっちまいな!」


卵集団「「はい!」」



香澄「別に一人でもいいよ、だって」ドックン、ドックン


香澄「『星の鼓動』が聞こえてるしね」ドックン、ドックン


ドガ! ベキ! バシン! ズドン!

167: 2018/08/18(土) 18:47:50.44 ID:O8g9pui20
モブ「おいおい! ほんとなの?」

モブ「間違いないって!」

モブ「本当に一人で100人倒したのか!?」

モブ「ま、まさか!」

モブ「け、けど クラフト卵も戸山さんの傘下に入ったって」

モブ「嘘でしょ」

モブ「私達、一人一人、やられるんじゃ」

モブ「ひぃ! い、嫌だ!」

168: 2018/08/18(土) 18:52:55.71 ID:O8g9pui20
香澄 家

香澄「はぁー」

香澄(最近つまんないや)


明日香「たっだいま~、あ! お姉ちゃん! またごろごろして!」

香澄「いいじゃん、別に」

明日香「だめ! ほら、動いて!」

香澄「ねえ、あっちゃん。今楽しい?」

明日香「へ? なに? いきなり」

香澄「んー、なんとなくね」

明日香「そりゃ、楽しいよ。友達とどっか行くの面白いし」

香澄「友達....」

明日香「お姉ちゃんも、喧嘩仲間じゃなくて、普通の友達作れば?」

香澄「普通の、友達、か。.....いいかも」

169: 2018/08/18(土) 19:00:19.77 ID:O8g9pui20
現在に戻る

香澄「....ねえ、みんな」

りみ「?」

香澄「もし私たちがグループになったら、私たちの関係って?」

沙綾「はぁ?なにそれ」

香澄「なんでもいいから答えて」


有咲「そんなもん、な、仲間に決まってんだろ///」


香澄「!?」


りみ「うん! 一緒に困難に立ち向かってく仲間!」

たえ「一緒にご飯食べに行く仲間!」

沙綾「.....どんな困難も互いに助け合っていく仲間、なんてね」


香澄「そっか」

有咲「香澄はどう考えてるんだ?」

香澄「私? 私は、そうだね」

170: 2018/08/18(土) 19:08:35.21 ID:O8g9pui20
香澄「私は...今まで皆のことを特別な友達だと思ってた」

りみ「ええ!///」

有咲「きゅ、急になんだよ///」

沙綾「え? うそ、ま、マジ?///」

たえ「.....うれしい」

香澄「そして同じグループになったら皆は.....絶対に守りたい相手、になるのかな?」

香澄(なんて、私、重すぎでしょ)チラ


りみ「...///」

有咲「...///」

沙綾「...///」

たえ「私も!!」



香澄(え? 何この反応?)

171: 2018/08/18(土) 19:15:45.54 ID:O8g9pui20
りみ「かすみちゃん、卑怯だよぉ///」

有咲「いや、いやー、だめだろ。今のは///」

沙綾「ね、狙いすぎ///」

香澄「は? いや、なにが?」

たえ「香澄! 私も香澄のこと守りたい!」

香澄「だったら私より強くなってね」

たえ「なる!」


香澄「それにしても....」

香澄(皆のこと、信じて...)

香澄「いい、かな。うん! いいよ! よし!」

香澄「私もはいるよ! グループに!」


たえ「ほんと!? やった!」

りみ「こ、これでいいの、かな?///」

有咲「いいんじゃね///」

沙綾「....私も入っていい?///」

香澄「当たり前じゃん! さっきは酷いこと言ってごめんね!」

沙綾「いや、もういいよ///」

172: 2018/08/18(土) 19:22:42.73 ID:O8g9pui20
たえ「それじゃあ、グループ名決めないとね!」

りみ「う、うん。そうだね///」

香澄(もう一回、頑張ってみようかな)

たえ「ポッピンパーティー、なんてどう?」

有咲「よ、よくわかんねーけどいんじゃね?///」

香澄(今度は自分から)

たえ「掛け声は...ポピパ! ピポパ! ポピパパピポパ! でどう!?」

沙綾「多分いいと思う///」

香澄(このグループで!)


たえ「よし、なら決定!!」





香澄「いやいやいや!! ちょっと待って!!!」

180: 2018/08/19(日) 05:51:13.66 ID:FITOF7gj0
羽丘女子学園 

蘭「ふん!」シュバ!

羽モブ「ぎゃ!」ズドン

丘モブ「くそ!」バタ

モブモブ「やっぱり、つよ、い」バタリ


巴「よっと、へへ、いっちょ上がり」

モカ「だいたい片付いたかな~」

ひまり「だね!」

蘭「手応えなさすぎ」

つぐみ「まあまあ、蘭ちゃん」

モカ「何はともあれ、これでモカちゃん達が一年のトップですなあ~」

巴「だな! 順調、順調」

蘭「それじゃ、そろそろ挨拶に行くよ」

ひまり「ええ~、行かないとダメ?」

つぐみ「ひまりちゃん、流石にそろそろ行かないとね」

蘭「軽く顔を合わせるだけだよ、この学校のトップにね」

181: 2018/08/19(日) 06:04:17.27 ID:FITOF7gj0
アフロ「「....」」テクテク


巴「この学校のトップって三年生の人だっけ?」

つぐみ「うん。学年全員を仲間にしてる、なんて話もあるしね」

ひまり「行ったら即リンチ、とかないよね?」

モカ「そうなったら、リーダーのひーちゃんを差し出して許してもらおう~」

ひまり「モカ! そんなこと言わないでよ!」

蘭「三年生、ね」

つぐみ「蘭ちゃん?」

蘭「つぐのなら知ってるんじゃない? この学校の本当のトップ」

つぐみ「え? それは」

ひまり「ええ!? 三年生の人じゃないの!?」

巴「ひまり! 声がでかい!」

モカ「まあ、あくまで二年生が言ってるだけらしいけどね~」

蘭「それでも、私はもう一人の方がトップだと思ってる。あのプレッシャー、本物だよ」

ひまり「会ったのは蘭とつぐだけなんでしょ? どんな人? 名前は?」

つぐ「.....」

蘭「二年生、湊友希那。私が知る限り、多分最強」

182: 2018/08/19(日) 06:12:10.86 ID:FITOF7gj0
ひまり「!?」

巴「蘭がそこまで言うか」

モカ「....」

蘭「正直、今の私なら勝てない」

つぐみ「蘭ちゃん....」

モカ「今は、でしょ~?」

蘭「....まあね」

モカ「喧嘩はね最後に勝てば良かろう、なのだよ」

蘭「ふふ、なにそれ。けどモカの言うとおりいつか必ず....



リサ「!? おっと!」ヒョイ


蘭「!? っと」ヒョイ

183: 2018/08/19(日) 06:20:05.61 ID:FITOF7gj0
リサ「ごめんね、そこ曲がり角で見えづらくて」

蘭「....いえ、こちらこそ」

蘭(この人、ってことはもしかしてあの人も)




友希那「リサ? どうかしたの?」



アフロ「!?」

巴(この人が)

モカ(なるほど~)

ひまり(やば、こわい!)


友希那「.....なにかしら?」


巴「い、いえ! なにも!」

リサ「友希那~、ごめんごめん、私がぶつかりそうになっちゃってさ」

友希那「そう、気をつけて」

リサ「わかってるって」

リサ「それじゃあね、一年生ちゃん。お待ちかねの先輩はこの上だよ。頑張ってね~」フリフリ

友希那「....」チラ

蘭「?」

友希那「....」クル、、スタスタ

184: 2018/08/19(日) 06:27:31.02 ID:FITOF7gj0
リサ「どう? 期待の一年生は?」

友希那「悪くないわ。あれなら花咲川との喧嘩でしっかり役立ってくれそうね」

リサ「...花咲川、とね。勿論喧嘩はするけど、その、紗夜や燐子、とも?」

友希那「.....」





中3のころ

雨 ザア!


紗夜「すみません、湊さん。私は、あなたと同じ学校にはいけません」

雷 ピカ!

友希那「紗夜、どうして!」


あこ「りんりん!」ウルウル

燐子「ごめんね、あこちゃん。けど私、紗夜さんを一人にさせてあげたくないの」

リサ「どうして....」ウルウル

185: 2018/08/19(日) 06:37:15.41 ID:FITOF7gj0
友希那「....私たちの前に立ちふさがるのなら、容赦はしないわ」

リサ「友希那....」

友希那「私の目標は変わらない。頂点に立つためにも、紗夜を倒し、そして花咲川を潰す!」




三年TOP「まあ、最低限のことを守れば後は自由だ。好きにしな」

蘭「どうも」

三年TOP[ふふ、どう? 私たちの下に入る気は?」

蘭「失礼します」クル

三年TOP[けっ、つれないね」

アフロ「....」スタスタ

三年TOP[あんたらも知ってるだろうけど」

アフロ「「?」」

三年TOP「そう遠くないうちに、花咲川との全面対決になる。せいぜい腕みがいときな」

186: 2018/08/19(日) 06:44:58.79 ID:FITOF7gj0
花咲川

りみ「挨拶、いつ行こっか?」

たえ「?」

香澄「誰に? 何の話?」

りみ「えーと、お姉ちゃん達、グリッターグリーンに」

沙綾「そういえばお姉ちゃんって言ってたっけ」

有咲「挨拶? 必要か? 別に喧嘩するわけでもないだろ」

りみ「けど、お姉ちゃん言いたいこともあるし、挨拶に来な、って」

たえ「ご指名とあらば、行かないと」

香澄「まー、そういうのしっかりしたがるよね。この学校のトップも気になるし挨拶くらいは行ってもいいかな」

有咲「じゃあ、決まりだな」

りみ「あ、でも今日はいないから別の日ね」

187: 2018/08/19(日) 06:54:17.64 ID:FITOF7gj0
たえ「じゃあ、次の目標を決めよう」

りみ「次の目標?」

たえ「そう! まずは一年生制覇! その次は二年生、最後に三年生! そしてこの学校のトップになる!」

有咲「大層な目標だな」

沙綾「弱音をいう気はないけどさ」

香澄「キツくない?」

たえ「大丈夫だよ、私たちなら」

有咲「どこからそんな自信が」

りみ「そういえばかすみちゃんは?」

香澄「私?」

りみ「かすみちゃん、普通の友達つくるって」

香澄「ああ、それね。実は」

188: 2018/08/19(日) 07:01:44.71 ID:FITOF7gj0
教室

香澄(よし! 今日こそ!)

香澄「ねえ! あのさ...」


クラスメイト「え、えーと、私、用事が!」

クラス子「うんうん、私も!」

クラ子「じゃ、じゃあ!」


香澄「....なんでさ」ポツーン




香澄「みたいなね、まあ、諦めたわけじゃないけどさ」

沙綾「まあ、もう広がってるんじゃない?」

有咲「香澄が不良だって」

香澄「そっか...」

189: 2018/08/19(日) 07:18:52.10 ID:FITOF7gj0
香澄「部活もいいのなかったしね」

たえ「部活?」

沙綾「いつの間に」

香澄「春先、りみりんの特訓の合間に部活の見学に行ってたんだよね」

有咲「マジか、それで?」

香澄「それが....」



テニス部

香澄「はぁぁ! おら!」シュッ! バシン!

美咲「え!? ちょ、ちょっとま....ぐへ!」ベシ!

香澄「へへ、完璧なストローク!」

美咲「う、うう。こころ、じゃん」バタ


剣道部

イヴ「めぇぇん!」シュ!

香澄「わ、っと、この」ガ、ツゥ

イヴ「ここです!」ザ!

香澄「この~、武器なんているか!」ポイ、ガシ

イヴ「へ?」

香澄「とりゃ!」バシ

イヴ「ぐう!」ブシドー



茶道部


花音「それでね、こうゆっくりと回して」クルクル

香澄「まどろっこしいですね」バチャバチャ

花音「ああ! その、強すぎるよぉ~!」

香澄「ありゃ、液体なくなっちゃった」

花音「ふぇぇぇ!」

190: 2018/08/19(日) 10:32:48.42 ID:FITOF7gj0
香澄「みたいな」

有咲「それ、お前がダメじゃね?」



たえ「あ、そうだ。グループの名前と掛け声は決まったけど、リーダーとか決めてないよね」

有咲「あー、まあそうだけど」

香澄「別に決めなくても。それに名前に関しては少し反対だし」

たえ「ここは言いだしっぺの私がリーダーをやるべきだよね?」

有咲「いやいや! お前やりたいだけだろ!」

沙綾「たいていは一番強い人、だよね」

りみ「だったら」チラ

香澄「もう、しょうがな...

たえ「だったら有咲の家で誰が一番強いか決めよう!」

有咲「私の家かよ。まあいいけどさ」

沙綾「誰が強いか、ってのは決めたかったし、香澄にもリベンジできるのはいいね」

たえ「じゃあ行こっか」


香澄「はぁ、りみりん、いこ」

りみ「う、うん」

191: 2018/08/19(日) 10:38:01.55 ID:FITOF7gj0
有咲 家

りみ「や、やあ!」バシン!

香澄「うお! っと」ガ!、、ズズ

りみ「香澄ちゃん、大丈夫!?」

香澄「いたた、大丈夫、大丈夫」

りみ「よかった」ホッ

香澄「それにしてもりみりん、すごいパワーだね」

りみ「あ、ありがとう。けど」

香澄「回避や、ガードが甘い。それにどんなに強くても当たらないと意味がない、ね」

りみ「うん。そうだよね」

香澄「....りみりんの場合、カウンターを狙った戦い方がいいかも」

りみ「カウンター?」

香澄「うん。意外と形になってるしね」

192: 2018/08/19(日) 10:41:58.45 ID:FITOF7gj0
りみ「そう、かな?」

香澄「初めての喧嘩もそうやって勝ったんでしょ?」

りみ「う、うん」

香澄「だったら、とことん磨いてみようよ」

りみ「香澄ちゃん...うん! がんばる!」

香澄「よし! まずは.....」




有咲「おら!」シュ!

たえ「ふん!」ザ!

沙綾「はぁ!」ダッ!


ガツン!


たえ「ぐっ」グラ

沙綾「っと」フラ

有咲「うげ」バタ

193: 2018/08/19(日) 10:47:27.03 ID:FITOF7gj0
有咲「くそー! ここまでか。悔しい!」


たえ「へへ、そこで寝てな」

沙綾「馬鹿なこと言ってないで、続き!」ダシ!

たえ「ほっと、ほっ!」クル、シュ!

沙綾「と、は!」ベシ、ザザ!

たえ「ぐぐ...」ダ、ダ

沙綾「ふぅ、これで!」ダッダ、バシン!

たえ「私、も!」タッタ、パンチ!

沙綾「っ!」スッ

たえ「!?」

沙綾「やあ!」バン!

たえ「ぐはぁ!」クル、ズドン

194: 2018/08/19(日) 10:54:10.24 ID:FITOF7gj0
沙綾「よし!」

たえ「く、くやしい~」

沙綾「次! 香澄!」



香澄「あー、だめだめ! まだ目閉じちゃってるよ。ここは...っとお呼びだ。ちょっと行ってくるね」

りみ「あ、うん」


香澄「おまたせ、へえ、沙綾が一番?」

沙綾「そ。香澄を倒して、ね!」ダッダ

香澄「やってみなよ!」ザ!



沙綾「は!」シュ!

香澄「ほっ!」クル

沙綾(甘い!)

沙綾「ここ!」シュ、シュ

香澄「おわ!」ダシ

沙綾「やぁ!」シュ、バシ!

香澄「うっ、ぐふ!」チ、ダシ!

195: 2018/08/19(日) 10:59:17.83 ID:FITOF7gj0
沙綾(チャンス!)

沙綾「はぁぁ!!」シュ、シュ、シュ!

香澄「っ!、く!、がは!」ダッ、ベシ、ドゴ!



有咲「おお! 沙綾がおしてるぞ!」

たえ「いっけー! 沙綾!」


沙綾「ど、どうさ!」ハァ、ハァ

香澄「いてて、へへ、やるね。前より全然強いよ」

沙綾「当たり前だよ!」シュ!

香澄「けど」ガシ!

沙綾「!?」

香澄「動きは早いけど、一撃は少し軽いかな」

沙綾「ぐぬぬ...」

沙綾(ほどけない!)

香澄「さあ、おかえしだよ!」ダ!

196: 2018/08/19(日) 11:04:34.13 ID:FITOF7gj0



沙綾「あー、もう!」バタ

香澄「よし、私の勝ちっと」フゥー


りみ「お疲れ様、二人共」

有咲「沙綾なかなかやったじゃん」

沙綾「嫌味にしか聞こえない」

香澄「そこそこ苦戦したよ、うん」

沙綾「そこそこ、ね」

たえ「香澄ならもしかして」

りみ「おたえちゃん?」

たえ「みんな! 明日暇?」

有咲「なんだよ、いきなり?」



たえ「明日みんなをスペースに連れて行こうと思って!」

197: 2018/08/19(日) 11:10:10.87 ID:FITOF7gj0
花咲川 とある教室


美咲「聞いてきたよ」ガラガラ

花音「お疲れ様、美咲ちゃん」

美咲「いえいえ、このくらいは」

はぐみ「みーくん! それでどうだった?」

美咲「明日やってるって、スペース。どうする? 行く?」





こころ「当たり前よ! スペースも笑顔でいっぱいにしてみせるわ!!」

198: 2018/08/19(日) 15:25:01.56 ID:FITOF7gj0
翌日 スペース前

たえ「ここがスペースだよ!」

沙綾「へー」

有咲「ここが」

香澄「んで? ここは何するところなの?」

たえ「ここはね、喧嘩を見たり、やったりする場所なの」

りみ「え? どういうこと?」

たえ「どういうってそのままの意味だよ」

有咲「待て、全然意味わかんねーぞ」

たえ「いいから、入って入って」

沙綾「大丈夫、かな」

199: 2018/08/19(日) 15:29:12.34 ID:FITOF7gj0
りみ「中、は」

香澄「ライブハウス?」

有咲「みたいだな」

たえ「こっち、こっち」

沙綾「ちょ、大丈夫なの?」


たえ「オーナー!」

オーナー「ん? 花園かい。後ろの連れは?」

たえ「同じ仲間です!」

オーナー「そうかい、それで?」

たえ「地下に連れて行きたくて」

有咲「地下!?」

りみ「大丈夫なの!?」

オーナー「全員見るだけかい?」

200: 2018/08/19(日) 15:37:26.67 ID:FITOF7gj0
たえ「いえ、えっと、この香澄が出場します!」

香澄「え? え?」

オーナー「わかった。おい、こいつをつれてきな」


まりな「はーい、ほら、こっちこっち」

香澄「え? そ、その! 大丈夫なんですか!?」

まりな「それは、あなたの腕っ節しだいだね」

香澄「なんですか!? それ! ちょっとー!」


有咲「香澄が」

沙綾「連れてかれちゃった」

りみ「ど、どうしよう」

たえ「この四人は観客で!」


オーナー「一人500円だよ」

201: 2018/08/19(日) 15:45:22.82 ID:FITOF7gj0
オーナー「確かに。花園、アンタが案内しな」

たえ「はい! みんなこっちだよ」テクテク


有咲「なあ、急展開過ぎてついていけないんだが」

沙綾「右に同じく」

りみ「香澄ちゃん、大丈夫かな」

たえ「ここ、ここ」ガチャ


ワアァァァァ!!!


有咲「うお!」ビク

沙綾「う、うるさい」

りみ「ここは?」


たえ「ここはスペース、簡単にいうとお金をかけて喧嘩をするの」


三人「「え、ええ!?」」

202: 2018/08/19(日) 15:54:12.23 ID:FITOF7gj0
控え室

まりな「ここで試合開始まで待っててね」

香澄「試合? ちょ、本当にここどこなの?」

香澄「もしかして、私おたえに売られた!?」

香澄「そ、そんな~! 嘘だよね? おたえー!」



有咲「おいおい! お金って!」

沙綾「大丈夫なの!?」

りみ「法律、とか」

たえ「大丈夫。お金っていっても入場料の500円が帰ってくるかどうか、だけだから」

有咲「それなら、いい、のか?」

沙綾「いやー、それでもダメなんじゃ」

りみ「捕まらない、よね?」

たえ「上でライブやってるし、ここのことはまずバレないから安心だよ」

有咲「バレないって言ってる時点で」

沙綾「ヤバいって認めてるんだね」

203: 2018/08/19(日) 16:06:34.69 ID:FITOF7gj0
りみ「ここの仕組みは?」

たえ「ここはね、参加者を集めて一対一のトーナメントをするの」

有咲「内容は喧嘩、ってことか?」

たえ「そう、それで大会開始五分前までに誰が優勝するか予想してその人が優勝したら入場料が帰ってくるって感じ」

りみ「仕組みはなんとなくわかったけど」

沙綾「それで香澄を出場させたと」

たえ「うん。ちなみに私の最高は準優勝。あと少しだったんだけどね」

有咲「よく来るのか?」

たえ「喧嘩したい時にね。それでもこの大会自体、多くて週一だし」

りみ「よく見ると、花咲川の人もちらほら」

たえ「花咲川ってなぜかあまり堂々と喧嘩する人いなくて」

有咲「そりゃ、あの氷川先輩が風紀委員だしな」

沙綾「皆どうどうと喧嘩できないでしょ」

204: 2018/08/19(日) 16:28:34.06 ID:FITOF7gj0
りみ「だから皆ここで満足に出来ない喧嘩を見たり、やったりってことかな?」

たえ「多分そういうことだと思うよ」

有咲「なるほどな」

沙綾「おたえ、それでも香澄にもっと説明しないと」

たえ「やっぱり、やばかったかな」

有咲「....大丈夫じゃね? 香澄なら」

りみ「有咲ちゃん、そういう問題じゃ」



控え室

オーナー「それじゃ、簡単に説明するよ」

香澄(なんの!?)

オーナー「ルールはいつも通り、一対一のトーナメント戦。組み合わせはこのあとくじ引きをしてもらう。格好は自由だが武器や飛び道具はいっさいなし。自分の拳一つで戦いな。負けの基準は気を失うか、降参するか。制限時間は十分。これまでに決着がつかなければ引き分けでどっちも敗退。一方的な攻撃、あからさまなやりすぎはこちらで判断するよ。優勝者には1000円。どうせアンタラは金のために来てるんじゃないだろ? ルールは以上だ。何か質問は?」

香澄(かなり一気に言われたけど、ようはここにいるやつらと順に喧嘩して勝てってことでしょ?)

オーナー「ないならくじ引きからだ。近くの奴から引きな!」



香澄(あれ? お金発生してるけどいいの?)

205: 2018/08/19(日) 16:40:02.53 ID:FITOF7gj0
まりな「さあ! それでは今日もやっていきましょー!」


イエーイ! ガヤガヤ!


たえ「いえーい!」

りみ「大丈夫かな」

有咲「香澄って書いたし、金なら大丈夫だろ」

沙綾「香澄の身を心配しようよ」


まりな「なお、ステージは二つあるから参加者は二つのブロックに分かれてるよ。出てる人を確認してね」


有咲「香澄は....第二ブロック、あっちか」

たえ「行こう」

沙綾「うん」

りみ「....」

りみ(気のせいならいいけど、もう一つの方にとんでもない名前が)

有咲「りみー、いくぞ」

りみ「あ、う、うん!」



ココロハ? ダイイチブロック ナラソッチダネ フェェェ

206: 2018/08/19(日) 16:50:58.57 ID:FITOF7gj0
香澄「おりゃ!」ドシ!


モブ「ぐふ!」バタ


まりな「勝者、戸山香澄~!」


わぁぁぁl!!


有咲「いいぞ! 香澄!」

たえ「いえーい!」

りみ「ナイス!」

沙綾「まあ、まだ一回戦だしね」



わぁぁぁぁ!!


有咲「あっちも盛りやがってんな」

たえ「ね? 意外といいでしょ?」

りみ「けど心配だよ」

沙綾「ま、喧嘩なら香澄の望むとこ、でしょ」

207: 2018/08/19(日) 16:55:16.38 ID:FITOF7gj0
二回戦

香澄「ふん!」ベシ!

モブ「ぎゃふん!」バタ


三回戦

香澄「ほっ!」ベシ!

モブ「なん、だと」バタ


四回戦

香澄「あーらよっと」クルクル、シャ!

モブ「こいつ! ふざ....がは!」バタ


準決勝

香澄「夏の、ドーン!」アッパー!

モブ「....]バコ!

208: 2018/08/19(日) 17:02:35.16 ID:FITOF7gj0
沙綾「滅茶苦茶」

有咲「余裕」

りみ「だね」

たえ「準決勝までは来れるんだよ、うん」

有咲「まあ、優勝も余裕そうだけどな」

沙綾「あっちのグループも決まったみたい」




まりな「さあ! それでは決勝戦です! まずは右側、花咲川女子学園、一年生! 戸山ぁぁぁl、香澄!!」


イエーーーーーイ!!!!


「頼むよ!!」

「あんたにかけてんだから!」

「初でここまではスゲーぞ!」

「香澄ちゃーん!!」



有咲「歓声すご!」

沙綾「さすがのカリスマ、なのかな?」

りみ「実際、ここまでほぼダメージないしね」

たえ「まだ! 油断しちゃダメ!」


香澄「どーも、どーも」

香澄(ふう、ようやく最後か)

209: 2018/08/19(日) 17:10:58.59 ID:FITOF7gj0
まりな「そして左は、なんと同じく花咲川女子学園、一年生! 弦巻ぃぃぃ! こころ!!」


こころ「イエーーーーーイ!!」


イエーーーーーイ!!


「こころちゃーん!!」

「こっちも今日初じゃね?」

「初めて勝負か?」

「きゃあ!! こっちむいて! 笑ってぇぇl!!」



有咲「なぁ!! 嘘、だろ?」

沙綾「は、『花咲川の異空間』」

りみ「『笑顔の波状攻撃』弦巻こころ、ちゃん。そんな...」

たえ(...え? 誰? わからない...)


こころ「今日もみんなを笑顔にするわよ!」

213: 2018/08/21(火) 07:05:59.57 ID:lH36nOD20

花音「ふぇぇぇ、こころちゃん、本当に決勝まで来ちゃったよ」

はぐみ「こころんなら優勝も間違いなしだね!」

美咲「いやー、どうだろうね」

美咲(とはいえ、ここまでほぼ一撃できてるわけだし、普通に優勝すると思うけど)

美咲「こころー! やりすぎないでねー!」




たえ「りみ、相手の人、どんな人なの?」

有咲「おま!? 知らねーのか!?」

沙綾「私たちの学年ならある意味一番の有名人、だと思うけど」

たえ「知らない....」

りみ「『花咲川の異空間』弦巻こころ、ちゃん。その常時高いテンションや常人では思いつかないような行動、ううん、思いついてもやらないようなことをするためこの二つ名がついた、って話だよ」

有咲「授業中に、昼寝したいわ! っとか言って教室を抜け出したり」

沙綾「中学の修学旅行前日になって、やっぱり海外がいいわ! って言って一人だけ外国に行ったり」

りみ「中学の時の体育祭で学年ごとの対決だったのに気づけば三学年全てと一人で争ってたり」

有咲「立ち入り禁止の場所にも普通に入ったり」

沙綾「下校時間になっても校内を走り回ったり」

りみ「鍵が掛かっていても、関係ないわ! って言って鍵を壊して入ったり」


有咲、沙綾、りみ「「などなど....」」

214: 2018/08/21(火) 07:24:02.59 ID:lH36nOD20
たえ「....なんか大変そうだね」

有咲「ちゃんと伝わったか?」

りみ「こころちゃんの家はあの弦巻財閥だからね、先生も強く出れないとか。噂ではこころちゃんを叱った先生は次の日から学校に来なくなったとか」

沙綾「何それ、怖い」

有咲「そういえば、笑顔の波状攻撃ってのは?」

りみ「世界を笑顔に! っていうのが口癖らしくて、みんなを笑顔にするため喧嘩してることから呼ばれているらしいよ」

沙綾「それ、本気なの?」

りみ「少なくとも本人はそう思ってるらしいよ。喧嘩で皆が笑顔になると思ってるんだって。あなたを笑顔にするわ! っていいながら喧嘩を仕掛け、あげく相手を泣かせ、うーん、今日はうまくいかなかったわ! なんて言ってるとか。さらに噂だと倒した相手を『ほら、笑いなさいよ』っと言って脅したりとか」

沙綾「うそ、だよね?」

有咲「やばい! やばすぎだろ!」

沙綾「喧嘩の方は? やっぱり強いんでしょ?」

りみ「本人の異常性のおかげで誰も喧嘩は挑まないらしいからよくわからないんだけどね。ただ自分から仕掛けて、返り討ちにあったことはないって」

たえ「強いんじゃない?」

りみ「一年生で、いや、学校で最も関わってはいけない人、なんて呼ばれてるとも」

有咲「恐ろしい、マジで」

215: 2018/08/21(火) 15:19:43.75 ID:lH36nOD20
まりな「さあ! それでは始めたいと思います! どちらも今日初参加にして圧倒的なと強さで勝ち上がってきた二人! どんな戦いをみせてくれるのでしょうか!」


香澄(決勝まで来てるわけだし、弱い、なんてことはないよね。少し集中して、っと)

こころ「さあ! はじめましょ!」



まりな「それでは~、決勝はじめ!」



こころ「えい!!」回し蹴り!!

香澄「え......



ガツン!!

216: 2018/08/21(火) 15:45:39.18 ID:lH36nOD20
りみ「!?」

たえ「!?」

沙綾「!? か、」

有咲「香澄!!」



「ね、ねえ、いまのやばくない?」

「頭、だったよね」

「しかもノーガード、だったような」

「すごい音したし」


まりな「こ、これは...開始早々強烈な回し蹴りが...」

まりな(え? だ、大丈夫なの? あの子...)



オーナー「....」



はぐみ「だ、大丈夫かな。相手の人...」

花音「や、やばいんじゃ。お、起き上がらない、し」

美咲「.....」

美咲(やばいよ。頭、だし。もしかして)

217: 2018/08/21(火) 16:01:13.81 ID:lH36nOD20
りみ「か、か、香澄ちゃん!!」

たえ「ど、どうしよう。香澄が起き上がらない」

沙綾「いや、それより試合を中断して」

有咲「病院に連れてかねーと!」



こころ「あら? 大丈夫、かしら?」



まりな(これは、もう...)

まりな「と、戸山香澄ちゃんが意識不明、なので決勝はつる....






香澄「いたた..」ムクリ




まりな「!?」



りみ「香澄ちゃん!」

たえ「よ、よかったー」

沙綾「ふぅー、よかった、本当に。香澄はやっぱりタフだね」

有咲「マジでな。けど、大丈夫か? あいつ」




はぐみ「よかったー。立ち上がったよ!」

花音「うん、一安心だね。けど、」

美咲「頭ですからね、安静にしたほうが」

218: 2018/08/21(火) 16:14:12.81 ID:lH36nOD20
香澄「ふぅー」

香澄(いった、マジで痛い。....それにしても反応しきれなかった。油断しすぎたのもあるけど、この人、速い)

こころ「あなた、大丈夫かしら? 倒れたけど?」

香澄(カッチーン!!)

香澄「おかげさまで! けどもう食らわないから!」

まりな「か、香澄ちゃん? その、大丈夫? 頭だったけど...」

香澄「大丈夫です! いいから続けさせてください!」

香澄(このまま舐められたままじゃ終われない!)


まりな「オーナー、いい、ですか?」

オーナー「本人がやる、てんだ。やらせときな」

まりな「はぁ、わかりました」



まりな「なんとか起き上がた香澄ちゃん、ここからどう戦ってくれるのでしょうか!?」

219: 2018/08/21(火) 16:37:00.76 ID:lH36nOD20
有咲「おいおい、香澄のやつ大丈夫か?」

沙綾「ど、どうだろう。何か話してたっぽいけど」

たえ「香澄、負けず嫌いだし、やられっぱなしで終わらないんじゃない?」

りみ「けれど不安、だよ」



花音「続ける、らしいね」

はぐみ「いけー!! こころーん!」

美咲「大丈夫かな?」



香澄「さ、続けよっか」

こころ「ええ! もちろん! まだ全然動き足りないわ!」

香澄「...」イラ

香澄「それは悪かった、ね!」シュッ

こころ「ほっ!」グル、タン

香澄「!?」



有咲「おい! 今の!」

たえ「香澄の蹴りを」

沙綾「バク転でかわしたよ」

りみ「すごい...」

220: 2018/08/21(火) 16:49:07.65 ID:lH36nOD20
香澄「はあ! た!」シュ、ザ!

こころ「ほ!」クル、シュタ

香澄「この! とりゃ!」シュ!!



はぐみ「またこころんが回ったよ!」

花音「今度はバク宙...」

美咲「こころ、相変わらずだよ」



香澄「体操選手、じゃん!!」パンチ、ケリ

こころ「おっと! 今のは危なかったわ!」ヒョイ、クルクル

香澄「このぉ! 人を煽る天才だね!!」イライラ

こころ「そろそろ反撃させてもらうわ! たあ!」シュ!!

香澄「なぁ! ぐっ」チィ、ダン

こころ「ほ! はぁ!」シュ!、シュ、シュ

香澄「く、と、うぐ!」チ、バシ、ドガ!

こころ「とりゃぁ!」ス、パンチ!

香澄「っと、がは!」ザ、ドゴ!!

221: 2018/08/21(火) 17:16:30.90 ID:lH36nOD20
りみ「香澄ちゃんが!」

沙綾「完全におされてる!」


花音「すごいね、あの子。こころちゃん相手にあそこまで耐えてる」

美咲「はい、しかも同じ学校の同じ学年、だなんて」



香澄「ぐっ..この!」

こころ「あなた、すごいわね! とっても楽しいわ!」

香澄「へん、ここまで一方的に殴れればそりゃ楽しいだろうね!」

こころ「ふふ、さあ! もっと! もっと! 笑顔にしていくわよ!」ザ!

香澄「意味がわからないよ!」ダッダ!



まりな「こころちゃんがしかける! 香澄ちゃん、それをこらえつつ反撃! あっと! しかしまたもやこころちゃんがいなしていく!」


こころ「とりゃ! はっ!」シュッ、ザ

香澄「うぐ! く!」バシ、ダダ

こころ「たぁ!」バシン!

香澄「こ、のお!」バシン!

222: 2018/08/21(火) 17:26:35.05 ID:lH36nOD20
りみ「ああ! ふう...ああ!」

沙綾「りみ、少しおちつ....

有咲「ああ! あっぶねぇー!!」

沙綾「うるさい!!」

たえ「けど香澄...」



はぐみ「今! ああ、惜しい!」

花音「あれ? けど」

美咲(こころの動きについてきてる?)



こころ「とお!」シュ、シュ

香澄「ぐっ、っと」スッ、ヒョイ

香澄(少しずつだけどだんだん動きがとらえられるようになってきた)

香澄「おりゃ!」シュ、シュ

こころ「ほお! とお!」クルリ、クルリ

香澄「そのかわし方は腹立つけど!!」

223: 2018/08/21(火) 17:34:52.43 ID:lH36nOD20
「いいよー! 二人共!」

「がんばれー!」

「そこだ! 」

「こころちゃーん!」

「おら! いけや! 香澄!」


まりな「おーと! お互いにお互の攻撃を受け止め、躱して、防いでいく! ここにきて香澄ちゃんがこころちゃんの動きに合ってきたか!?」


香澄「お、ら!」シュ、ダ

こころ「っと、てりゃ!」ヒョイ、シュ

香澄「ぐ、は!」チ、ザザ

こころ「っ! っと!」ヒュ、クル



香澄「はぁ、はぁ、や、やるね」ハァ、ハァ

こころ「あなたも強いわね!」ハァ、、フゥ

224: 2018/08/21(火) 17:50:48.33 ID:lH36nOD20
りみ「さすが、香澄ちゃん!」

たえ「相手の人もすごい」

有咲「前から思ってたんだが香澄のやつ本気、ってかスイッチ入るまで時間かかんのか」

沙綾「最初殴られるのも油断してるからだろうしね。おそらくある程度やり合わないとやる気が起きないんじゃない?」

有咲「段々強くなっていく、か。相手としたらたまったもんじゃねーな」



はぐみ「みて! こころん、笑ってる! 嬉しそうだよ!」

花音「こころちゃんはいつも笑ってるような」

美咲「けど相手の人も心なしか笑ってるように見えますね」

花音「....こころちゃん、勝てるかな?」

美咲「....こころの攻撃の手数が減ってます。躱すことに無意識に集中してるのかもしれません。対してあの戸山さん、って人。攻撃を受けてはいるものの最小限におさえ、カウンター狙いでどんどん攻めていってます。これは戸山さんの攻撃がこころに届くか、その前にこころが戸山さんをノックアウトできるか、その勝負になりそうです」

花音「こころちゃん...」



香澄「はぁぁ!!」

こころ「てりゃぁぁ!!」


225: 2018/08/21(火) 18:07:17.75 ID:lH36nOD20
まりな「あつい!! あつい勝負になってきました! まさに一進一退! これはどちらが勝つのでしょうか!? 最初に攻撃を受けてた香澄ちゃんの方がやや不利か!?」


香澄(この! ここまで苦戦したのはマジで久しぶりだよ。けど!)

こころ「りゃ! っと」シュ、クル

香澄「ぐ、とりゃ!」シュ、ガシ!

こころ「うわぁ!」

香澄「へへ、ようやく捕まえた、よ!!」パンチ!

こころ「うぐ!」ドゴ!!

香澄「今までの、お返し! だ!」バシ、ドゴ、バキ

こころ「うぐ! っつ! だは!」バッシーン!



まりな「あーーと! ここでこころちゃんが捕まる! その隙に香澄ちゃんのラッシュ! ラーシュ!! こころちゃん耐えられるか!?」



りみ「やった!」

たえ「そのまま一気に」

有咲「いっちまえ!」

沙綾「香澄!!」



はぐみ「ああ! 逃げて! こころん!」

花音「あっ! よ、良かった。なんとか脱出できたみたいだね」

美咲「けどこころは戸山さんと違って、受けて戦うってタイプではないですからね。どちらかといえばヒットアンドアウェイスタイル。あんまり攻撃は受けてられないですよ」

226: 2018/08/21(火) 18:17:36.90 ID:lH36nOD20
こころ「はぁ、はぁ、いたたた..」

香澄「へへ、ようやくまともに当てられたよ。いちち...」

こころ「あなた、本当に強いわ! ふふ、どっちが勝つか、ワクワクするわね!」

香澄「....あなたは他の不良とは少し違うく感じるよ。あなたとの喧嘩はどこか清々しさ、というか純粋に戦える、なんてね」フッ

こころ「!! いい笑顔になってきたわね! けどまだよ! もっと、もーっと! 笑顔になってもらうんだから!」

香澄「なにさ、それ。けど、いいよ。こうなったらとことん付き合ってあげる!」

こころ「望むところだわ!」



ピィィーーーーーーーーー!!!


香澄「ん?」

こころ「何かしら?」



まりな「あーっと! 何と言うことでしょう! なんとここでタイムアップだぁ!」



香澄、こころ「「え?」」

227: 2018/08/21(火) 18:23:14.29 ID:lH36nOD20
有咲「タイムアップ?」

沙綾「時間制限、なんてあったの?」

たえ「うん。あのタイマー見て。試合時間は10分」

りみ「ってことは」


はぐみ「この勝負...」

花音「引き分けってことになる、のかな?」

美咲「そう、なると思いますけど...」



まりな「な、なんということでしょう! この接戦の結末は引き分け、引き分けです!」



「ええ!?」

「そんな!」

「賭け金はどうなるんですか!?」

「私の500円!」

「決着つくまでやらせなよ!」







オーナー「うるさいよ、小娘ども」


ビク!!!!!

228: 2018/08/21(火) 18:31:21.13 ID:lH36nOD20
オーナー「ルールの説明はしたはずさ。時間内に終わらなかった試合は引き分け。両者敗退。よって今日の試合は優勝者なし、そういうことさ」

まりな「オーナー...」

オーナー「ルールは守ってもらう。それとも何かい? 反対する奴でも...



こころ「なっとくいかないわ!」

香澄「私も!」



たえ「ま、まままずいよ、香澄! オーナーには逆らわない方が...」

有咲「お、おたえが怯えてる!」



花音「ふぇぇぇ、こころちゃん」

美咲「こ、こころ! やめなって!」



こころ「これからがいいところなのよ!」

香澄「お金とか賭けとか、そういうのはいいから喧嘩だけさせてもらいます!」



オーナ「.....」

まりな(あわわわ...これはやばい! 私、しーらないっと)

229: 2018/08/21(火) 18:37:40.19 ID:lH36nOD20
こころ「さあ! 続きよ! 香澄!」

香澄「望むところだよ! こころん!







オーナー「調子に乗るんじゃないよ、小娘が」


バシン!!  バシン!!



香澄「がはっ!」バタン

こころ「ぐふ!」バタン





オーナー「それで? まだ文句ある奴はいるかい?」


シーーーーーーーーン


オーナー「もういい時間さ。帰りな」


「「は、はい!」」

230: 2018/08/21(火) 19:25:26.04 ID:lH36nOD20
有咲「か、香澄!」タッタ


美咲「こころ!」タッタ


オーナー「連れかい? ちょうどいい、連れて帰んな」


沙綾「香澄! 香澄!」

香澄「....」チーン

たえ「だめだ、完全に気を失ってる」

りみ「香澄ちゃんが気を失うなんてはじめてだね」



はぐみ「こころん! こころん!」

こころ「....」チーン

美咲「こりゃ、だめだ」

花音「とりあえず運ぼう、か」


オーナー「あんたら」


「「は、はい!」」

オーナー「そいつらが起きたら伝.....




香澄「...う、うん」パチクリ


有咲「香澄!」

りみ「よかった~」

たえ「おはよう」

香澄「わたしは..いつつ!」

沙綾「あー、とりあえず安静にしてね」

231: 2018/08/21(火) 19:34:38.67 ID:lH36nOD20
オーナー(.....しばらくは目を覚ませないくらい強めにやったんだが)

オーナー「まあ、いい。おい、あんた」

香澄「わたし? ですか?」

オーナー「そうだ。 今日のところはいい喧嘩だったから見逃すが、次あんなことしたらただじゃおかないよ」

香澄(あんなこと? やばい、頭がクラクラして全く思い出せない)

オーナー「いいね!?」

香澄「は、はい!!」

オーナー「そっちのやつにも伝えときな。話は終わりさ」テクテク



たえ「すごいよ、香澄! オーナーが試合を褒めるなんてなかなかないよ!」

香澄「へ、へえ。どうでもいいけど疲れた」

沙綾「とりあえず、ここを出ようか」

232: 2018/08/21(火) 19:42:25.72 ID:lH36nOD20
とある公園

美咲「....なるほど、あ! こころの迎えがきましたね」

有咲「へ? ええ!! なんだこれ?」

はぐみ「こころんの家はね! とーってもお金持ちなの!」

沙綾「みたいだね。っていうかはぐが不良、か」

花音「それじゃあ、先に失礼するね」

おたえ「はい、おつかれさまでした!」

りみ「こころちゃんもお大事に」

こころ「....」チーン

香澄「もしかしたら明日会うかも、だけどね」


ブーーン


りみ「いっちゃったね」

たえ「いい人達で良かった」

有咲「ほんとな」

有咲(同じクラスはいなかったけど)シュン

233: 2018/08/21(火) 19:49:42.33 ID:lH36nOD20
沙綾「それで? 香澄は大丈夫なの?」

香澄「うーん、まだ頭はジンジンするよ」

有咲「まあ、だろうな」

たえ「香澄にしては珍しく、今日ボロボロだもんね」

りみ「仕方ないよ」

香澄「今日はゆっくり休みたい」

有咲「仕方ねえ、家まで着いてくか」

りみ「家知ってるの有咲ちゃんだけだもんね」

香澄「ごめんね」

有咲「いいって、気にすんな」

沙綾「それじゃ、今日は解散かな」

たえ「うん。今日は皆、スペースに来てくれてありがとね」

香澄「おかげで大変な目にあったけど」

沙綾「まあ、まあ」

234: 2018/08/21(火) 19:58:15.06 ID:lH36nOD20
香澄「それじゃあね~」


りみ「あしたね」

たえ「おやすみ~」

沙綾「ゆっくり休みなよ」


香澄「うん、わかってるよ」

有咲「よし、いくか」



香澄「う~、まだクラクラする」

有咲「しっかりしろ、二日酔いみてーだぞ」

香澄「そんなこと言ったって~」

有咲「まあ、仕方ねーか」



有咲「なあ、あのままやってたらお前、弦巻さんに勝ってたか?」

香澄「いきなりなにさ」

有咲「まあ、その、なんとなくだよ。それで、どうだ?」

235: 2018/08/21(火) 20:12:21.31 ID:lH36nOD20
香澄「....あのまま、こころんが何も切り札がなかったら、ね」

有咲「つまり普通にやってれば勝ってた、てことか?」

香澄「まあ、否定はしないけど」

有咲「そっか」

香澄「自分でもなんとなく思ってるけど、私は多分やられたり、殴られたり、血を流したりすると段々と動きが良くなってく、と思うんだよね」

有咲「まあ、そうかもな」

香澄「対してこころんは反対に最初がピークでそこから下がっていくタイプ、だと思う」

有咲「へー、そっか」

香澄「まあ、不良の喧嘩なんて意識がなくなってからが本当の勝負なんだけどね」

有咲「そ、そうか...」

香澄「っというわけで、最初のうちに倒されなかったからあのままやってたら多分私が....いや間違えなく私が勝ってたね」

有咲「......ふふ、そっか」

236: 2018/08/21(火) 20:20:38.96 ID:lH36nOD20
香澄「....なにさ」

有咲「いや、な。話半分に聞いてほしんだが、私はな、お前が負けるところを、その、見たくない、というか」

香澄「.....」

有咲「プレッシャーを与えてるわけじゃねーぞ!? ただな、もし、負けそうなら私たちを頼ってほしい、というか」

香澄「一対一の勝負で?」

有咲「ちげーよ! 一対一なら負けねーんだろ?」

香澄「....さあね」

有咲「そこは、うん、って言えよ」

香澄「嘘は付きたくないからね」

有咲「とにかくだ! 私が言いたいのはお前を倒すのはポピパの誰かなんだからそれまで負けんなよ、ってことだ」

香澄「そこで、私が、って言わないんだね」

有咲「嘘は付きたくねーからな」

香澄「...ふふ、そうだね」

237: 2018/08/21(火) 20:25:30.81 ID:lH36nOD20

香澄 家

有咲「着いたな」

香澄「泊まってく?」

有咲「泊まりたいけど、今日はいいかな。お前もゆっくり休みたいだろうし」

香澄「私は別に」

有咲「いいから、いいから。それより明日、病院行けよな」

香澄「はい、はい。わかったよ」

有咲「んじゃ、おやすみ」

香澄「ん、おやすみ」

238: 2018/08/22(水) 11:38:09.52 ID:8ag3rmzi0
翌日  学校

香澄「あ~あ、病院行ってたら午後になっちゃた」

香澄(途中からって、教室に入りずらいんだよね~)


香澄「こ、こんにちわ~」ガラガラ


沙綾「!? か、香澄!?」

香澄「あ、さーや! 良かった~。持つべきものはやっぱりともだ.....

沙綾「今すぐ逃げて!」

香澄「へ?」

りみ「あ、香澄ちゃん! よかった~、じゃなくて! 今すぐ隠れて!」

香澄「え? え? なんで?」

はぐみ「ああ! 昨日の! って、かーくん?」

香澄「へ? その呼び方、もしかしてはぐみ?」

たえ「二人って知り合い?」

239: 2018/08/22(水) 11:53:06.41 ID:8ag3rmzi0
香澄「まあ」

はぐみ「昔よく遊んだよね!」

沙綾「そうなんだ。あれ? それならなんで今更気づいたの?」

香澄「うーーん、そう言われても」

はぐみ「かーくんの頭のちょこんとしたやつがあってわからなかったよ!」

沙綾「それだけで!?」

香澄「っていうか、それで? なにかあったの?」

りみ「ああ! そうだった!」

沙綾「そうだよ! 香澄今すぐ....


ガラガラ!

有咲「おい! 弦巻さんが...って、香澄! 来てたのか!」

美咲「本当だ! ああ、まずいですよ。このタイミングで」

香澄「まずい? え? なにが?」


ガラガラ! ピシャ!

240: 2018/08/22(水) 11:59:17.92 ID:8ag3rmzi0
こころ「香澄!? どこかしら~!!!」


香澄「こころん?」

有咲「ああ! やべー!」

美咲「お、追いつかれちゃった」

沙綾「香澄、ドンマイ」

香澄「へ?」

こころ「あ! 香澄じゃない!」

香澄「あ、うん。こんにち...



こころ「昨日の続きよ!!」シュ!


香澄「へ?.....ぐへ!」バシ

有咲「か、香澄!!」

はぐみ「かーくん!」

241: 2018/08/22(水) 12:32:08.95 ID:8ag3rmzi0
香澄「いっつつ...」

香澄(あー! もう! やっぱりこころんもどっかネジ外れてるよ!)

香澄「わかった! こうなったらほうかご....


こころ「じゃあ、えい!」シュ

香澄「へ? うわ!」スカ

こころ「やあ!」シュ、シュ

香澄「わあ! ちょっ!」スカ、スカ


たえ「香澄! 大変!」

美咲「これは! 仕方ありません! こころを止めて、戸山さんを逃がしましょう」

有咲「このままじゃ他の人の迷惑になる、仕方ねえ」

はぐみ「こころん、とまって!」ガシ

りみ「香澄ちゃん、逃げて!」

沙綾「ああ、もう! 仕方ない!」

242: 2018/08/22(水) 12:39:13.07 ID:8ag3rmzi0
香澄「ぐ、こめん。みんな!」タッタ


香澄「はぁ、こころん。思ってた以上にやばい人なんじゃ....」


ガタン!


香澄「へ?」


こころ「待ちなさい! 香澄!」


香澄「ちょ、うそ!」

こころ「勝負よ!」ダッダ

香澄「わわ!」ダッダ


有咲「弦巻さん」

たえ「パワフルだね」グデー

沙綾「香澄、ごめん」

美咲「戸山さん、ドンマイ」



こころ「まちなさーい!!」ダッダ


香澄「勘弁してよーーーー!!!」

243: 2018/08/22(水) 12:41:14.64 ID:8ag3rmzi0
ここで一段落で

更新時間バラバラですみません

245: 2018/08/22(水) 15:00:56.10 ID:8ag3rmzi0

氷川家

ピリリーー


紗夜「....」ムクリ




紗夜「おはよう」

日菜「あー! おはよう! おねーちゃん!」

紗夜「日菜、朝からうるさいわ」

日菜「えー! いいじゃん!」



日菜「それでね! その時麻弥ちゃんがね!」モグモグ

紗夜「食べながら喋らないの」

日菜「はーい」モグモグ



日菜「おねーちゃん、今日土曜だけどどうするの?」

紗夜「今日は白金さんと約束があるから学校に行ってくるわ」

日菜「えー、そっか~。一緒にどっか行きたかったのに~」

紗夜「今度、ね」

日菜「約束ね!」

246: 2018/08/22(水) 15:10:47.45 ID:8ag3rmzi0
登校中

紗夜「....」チラ


燐子『ごめんなさい、紗夜さん。今日は付き合っていただいて』メール

紗夜『いえ、白金さんの頼みでしたら』

燐子『ありがとうございます。それでは弓道場の前で』

紗夜『はい』



紗夜「さて」

紗夜「....羽丘女子学園との、友希那さんとの喧嘩が迫っていますが」

紗夜「今のままで、はたして勝てるかどうか」

紗夜(友希那さんとのタイマンならチャンスがあるかもしれませんが)

紗夜「学校同士での対決、となると」

紗夜(それにおそらく、日菜ともやりあうことに)



紗夜「......ふぅ。今考えても仕方ありませんね。とりあえず学校に行きましょう」

247: 2018/08/22(水) 15:17:47.71 ID:8ag3rmzi0
学校

香澄「もー、あっちゃんったら弁当忘れるなんて」

香澄「せっかくの土曜日、家でゴロゴロしてたいのに」





香澄「はい、これ」

明日香「うっ、ごめんね。お姉ちゃん」

香澄「うーん、ま、そのお礼に免じて許してあげるよ」

明日香「ありがと」

香澄「いーから、いーから。部活頑張ってね」




香澄「さーて、帰ろ」テクテク

香澄「ん? 弓道場の前に誰かいる? しかもキョロキョロしてるし、大丈夫かな?」



燐子「....」キョロキョロ

燐子(紗夜さん、まだかな?)

香澄「あの」

燐子「!? は、は、はい!?」ビク

香澄「そんな驚かなくても」

燐子「そ、そ、それで、何の用....でしょうか?」

248: 2018/08/22(水) 15:27:19.85 ID:8ag3rmzi0
香澄「いえ、何か困ってそうだったのですが、どうかしました?」

燐子「い、いえ。なんでも...ない、です」

香澄「そう、ですか。てっきり部活の見学、体験でもしたいのかと思いまして」

燐子「いえ。その、弓道部の方、ですか?」

香澄「いえ、何部にも入ってないですよ。ただ私も見学の時どこから入ればいいかわかんなくて、そんな風にキョロキョロしてましたから」

燐子「そう、なんですか。自分に、合わなかった、んですか?」

香澄「いえ...まあ、そんな感じですかね、やっぱり。全部の部活に行ってみたんですけど、これ! というのがなくて」

燐子「全部の!? それは、すごい、ですね」

香澄「いえいえ、結局見つからなかったわけですし」

燐子「....あの、もしかして、不良....ですか?」

香澄「あー、えーと、まあ、周りから見たらそういう風に見えちゃいますよね」

燐子「あ、いえ! その、そういう風に見えて言ったわけじゃなくて。この学校そういう人多いから、そうなのかな、って」

香澄「そういうことですか。それなら別に。すみません、ちなみに先輩の方ですか?私は一年の戸山香澄、です」

燐子(すごいグイグイくる子、だ。あこちゃんみたい)

249: 2018/08/22(水) 15:34:14.12 ID:8ag3rmzi0
燐子「あの、わた....



紗夜「あなた、白金さんに何をしているの?」ゴゴゴ



香澄「!?」ビク

香澄(このプレッシャー! あの時の風紀委員!)

燐子「あ、紗夜さん」

紗夜「遅くなってすみません、白金さん。理由は後ほど。それよりそちらの方は?」

燐子「えっと、その」

紗夜「少し前に校庭で騒ぎを起こしてた生徒、ですね?」

香澄「ま、待ってください! あの時は一方的に殴られただけで! それに今だってただ話しかけただけです!」

紗夜「...白金さん、本当ですか?」

燐子「う、うん。この子は良かれと思って私に話しかけてくれたの」

紗夜「.....そうですか」

香澄(ふぅー、よかった)

250: 2018/08/22(水) 15:42:24.89 ID:8ag3rmzi0
紗夜「変に疑ってしまってすみません」ペコ

香澄「!? あ、い、いえ!」

香澄(驚いた。不良って変なプライドがあるから例え間違っても押し通して来るのに。間違いを認め、しかも頭を下げて謝るなんて)

紗夜「それで? どうしたのですか?」

香澄「あ、この人が困ってるようだったので話しかけてのですが、もしかして待ち合わせ、でしたか?」

燐子「そう、です。紗夜さんと」

香澄「紗夜、さん」

香澄(そういえば、そんな名前だった気が)

紗夜「そういうことでしたか。困っているようだったから話しかけた、ですか」

香澄「は、はい」

紗夜「いい心がけです。どうか続けてくださいね。えっと...」

燐子「一年生の戸山香澄、ちゃん、だって」

紗夜「戸山、さん。これからも頑張ってください」

香澄「は、はい。頑張ります」

香澄(頑張るって、なにを?)

251: 2018/08/22(水) 15:51:31.97 ID:8ag3rmzi0
香澄「あ、それじゃ、白金先輩も大丈夫のようですし、私は帰りますね」

燐子「うん。ありがと、ね」

紗夜「気をつけて」

香澄「はい。失礼します」スタスタ




紗夜「さて、それで白金さん、どうしたのですか?」

燐子「あ、その前に、今日は休みなのにありがとう、ございます」

紗夜「言ったはずです。白金さんの頼みなら別にいいと」

燐子「それで、その」

紗夜「?」



燐子「わたしを、弟子にしてください!!!」




香澄「紗夜先輩、か」

香澄「皆が思ってるより全然いい人、っぽいね」

香澄(喧嘩も強そうだし、てか間違いなく強いでしょ)

香澄「グループなり、チームなり組めば間違いなく敬られるのに」

香澄「けどりみりんの話だとずっと一人、って」

香澄「...まあ、流石に友達くらいはいるか」

252: 2018/08/22(水) 16:11:00.38 ID:8ag3rmzi0
違う日


りみ「っ!、いた!....これで、いちコロネ!!」バシ!

ふりょー「ほら! ほら!.....ぐは!」バタ

りみ「いたた、やった! みんなは?」



有咲「てて、ちょっと食らっちまったか。しかもたった二人だし」

たえ「私3にーん」

沙綾「私も」

香澄「私も三人だけど一人リーダーっぽいし、二人分でいいよね」

有咲「はぁ!? そんなのねーよ!」

たえ「みてみて、この人バック高そう。多分リーダーだよ!」

沙綾「ここに半額のタグが」


りみ「さ、流石だね、みんな」

香澄「りみりんもお疲れ様。もっと特訓が必要みたいだけどね」

りみ「うん!」

有咲「それよりどうしたんだ? こいつら。急に、勝負だ! って」

沙綾「もしかして。....ねえ、皆知ってる? 私達が一年生のトップ、って噂されてるのを」

たえ「やった!」

香澄「いや、なんでそうなってるのさ」

りみ「今の一年生って横並び、というか飛び抜けてる人がいなかったんだよね。皆同じくらい、というか」

有咲「そうなのか。確かにこの学年のトップは? って聞かれてもな」

りみ「例外としてはこころちゃんだったんだけど、香澄ちゃんをここ最近追い回してることから、こころちゃんが香澄ちゃんに負けたっていう話が出てきて」

沙綾「あー、そういう」

たえ「つまり?」

有咲「それで私たちがこの学年のトップって思われてるってことか」

253: 2018/08/22(水) 16:20:19.17 ID:8ag3rmzi0
たえ「やったじゃん! 目標の一年生制覇! 次は二年生だよ!」

香澄「まあ、落ち着いてよ」

沙綾「そうだよ。ってかそれならますますグリグリに挨拶に行かないと...



イヴ「たのもぉー、です!!」



有咲「な、なんだ!?」

たえ「い、いつからそこに!?」

香澄「いや、曲がり角から来たよね」

沙綾「....あれ? 同じクラスの....」

イヴ「貴方たちが一年生の長、補っ稟覇ー鄭ー、ですね!?」

有咲「ちげー!! 色々と違うぞ!!」

たえ「よく気づいたね。そのとおり!」

有咲「おたえ!!」

イヴ「貴方たちはもう一年生を制覇したつもりかもしれませんが、まだ私がいます!」

沙綾「いや、べつにしてないよ」

イヴ「一年生最強を名乗るのなら、まずは私を倒してからにして下さい!」

香澄「いや、別に名乗りたいわけじゃ」

254: 2018/08/22(水) 16:26:16.52 ID:8ag3rmzi0
たえ「わかった」

りみ「おたえちゃん?」

たえ「私がやる、いいでしょ?」

沙綾「まあ」

香澄「売られた喧嘩は買わないと」

有咲「お前が言うと納得するわ」


たえ「私は一年A組、花園たえ!」

イヴ「私も一年A組、若宮イヴ、です!.....あれ?」


香澄「私たちと」

りみ「同じクラス!!?」

沙綾「やっぱり」

有咲(どうして私のクラスには誰もいないんだ)


たえ「なるほど。でも手加減はしないよ!」

イヴ「もちろんです! 武士の情けはいりません!」


有咲「なんか使いどころ違うくね?」

沙綾「まあ、まあ」

255: 2018/08/22(水) 16:36:08.99 ID:8ag3rmzi0
たえ「よし、いくよ!」ダッ

イヴ「いざ! 真剣に勝負! です!」ダッ


バシ、シュ、ドシ、ガッ!


たえ「た! くっ!」バシ、シュ

イヴ「はぁ! せぇ!」ダシ、ダダ!



有咲「なんかあの若宮さん? めっちゃいい声出してね?」

沙綾「気合が入ってるって言いなよ」

香澄「...でもなんか動き変だね」

りみ「おたえちゃん! がんばれ!」


イヴ「はぁ! っく!」シュ!、ベシ

たえ「っぐ! こ、の!」バッ!、ズシ!

イヴ「今です!」ガシ!

たえ「なぁ!」ガシリ


有咲「おたえの襟と制服の端を掴んだ!?」

沙綾「まさか、超至近距離で殴り合おう、っての!?」

香澄「....い、いや。あの動きは!」


イヴ「はぁぁぁ!!」背負投!!

たえ「え、ちょ、うわぁ!」グルン、ズドン!




四人「「背負投!?」」

256: 2018/08/22(水) 16:42:44.03 ID:8ag3rmzi0
ズドン!!

たえ「ぐへ!」

イヴ「ふふーん! どうです!」


有咲「なぁ...マジかよ」

沙綾「喧嘩で」

りみ「背負投って」

香澄「いや、確かに武術を取り入れる人はいるけど」


イヴ「さあ! 次はどなたが....


たえ「この!」パンチ!

イヴ「ぐふ!!」ドゴ!


有咲「あーあ、いいのはいったな」

沙綾「油断するほうが悪い」


イヴ「なぁ! あなたは...」フラフラ

たえ「あんなんじゃやられないよ。必殺! 花園サンダー電気パーンチ!!」パンチ!

イヴ「がは!」ブシドー



有咲「いや、サンダーと電気ってかぶってんだろ」

沙綾「ネーミングセンス...」

香澄「ま、どうであれおたえの勝ち、だね」

りみ「よかった、の、かな?」

257: 2018/08/22(水) 16:48:04.58 ID:8ag3rmzi0
イヴ「....」チーン

たえ「ふぅ」

有咲「おつかれさん」

沙綾「手ごわかったんじゃない?」

たえ「背負投の後、油断してなかったらこんなにあっさり勝てなかったよ」

香澄「そうだね。この子まるで技を決めたら勝ち、みたいな感じだったし」

りみ「確かに」

有咲「話を聞くためにも少し待つか」

沙綾「そうだね」



二年 教室

彩「どうしよう、千聖ちゃん! イヴちゃんがいないよ!」

千聖「まさか、本当に喧嘩に行ったんじゃ」

彩「ええ!? ど。どうしよう!?」

千聖「とにかく探しましょう! 学校の敷地内、喧嘩スポットも」

258: 2018/08/22(水) 16:58:57.34 ID:8ag3rmzi0
イヴ「....」チーン


たえ「起きない。私のパンチが強すぎた?」

有咲「自惚れるな」

沙綾「にしても喉渇いたね」

香澄「ほんと、放課後すぐだったし」

りみ「飲み物買いに行こうか?」

香澄「いーや、ここは一人で行かせるために.....」



じゃんけんぽん!!



香澄「.....マジか」マケ

たえ「ジュースおっごり~」

香澄「お金は払ってよ!」

りみ、有咲((こういうのしてみたかった///))

沙綾「私昆布茶、ね」ヒョイ

香澄「しっぶ! てか、売ってるの?」

たえ「私コーヒー! ブラックで!」

有咲「飲めんのかよ? ふ、普通のお茶で」

りみ「私は、うーん、甘いもので」

香澄「なにそれ。どんなのでも文句言わないでね!」タッタ



たえ「行ったか」

りみ「五本もだけど、大丈夫かな?」

有咲「大丈夫だろ」

沙綾「いいだしっぺだしね」

259: 2018/08/22(水) 17:04:43.85 ID:8ag3rmzi0
香澄「うわー、売り切れじゃん。仕方ない、少し遠くへ」タッタ


たえ「香澄おそーい」

有咲「子供かよ」

沙綾「けどそろそろ帰ってきてもいいと思うけど」

りみ「なにかあったのかな?」



彩「ねえ! ちょっといいかな?」


たえ「? はい?」

有咲「知り合い?」ボソボソ

沙綾「いや、そもそも一年じゃないんじゃ」ボソボソ

りみ「あの、なにか?」

彩「あのね、えーと、一年生の若宮イヴちゃん、って見なかった?」

有咲「あ、えーと」

沙綾「それは」チラ


千聖「彩ちゃん! ってあら? そちらは?」

彩「あ、千聖ちゃん、今この子達に聞いてて...」



たえ「その子ならここです」

イヴ「....」チーン

260: 2018/08/22(水) 17:11:20.32 ID:8ag3rmzi0
彩「!?」

千聖「イヴちゃん!」


有咲「あ、いや、その、これは」

沙綾「事故、というか」

千聖「誰がやったの?」ゴゴゴ

りみ「!? そ、それは、その」

たえ「私です! 勝ちました!」

有咲(ちょ! おたえ!)

沙綾(空気を読んで!)

彩「だ、大丈夫!? イヴちゃん!」

たえ「それが中々起きなくて....


ガツン!!


たえ「ぐっ!」ググ

沙綾「うっ!」ググ

有咲「いてぇ」ググ

りみ「!?」

彩「!! 千聖ちゃん!?」

261: 2018/08/22(水) 17:19:22.14 ID:8ag3rmzi0
千聖「彩ちゃんは下がってて。私一人でやるから」

彩「そんな! 待って!」

千聖「いずれにしろ、イヴちゃんの敵をとらないと」



たえ「いったい」ジンジン

沙綾「三人で防いだのにあの重さ」

有咲「あの金髪の人つええ」

りみ「だ、大丈夫?」

沙綾「りみは下がってて、あのピンク髪の人がきたらお願い」

有咲「まったく、話を聞いて欲しいぜ」

たえ「勘違いも不良の特徴、ってね」



彩「わ、私もやるよ!」

千聖「何言ってるの? あなたは..」

彩「4対1なんて卑怯じゃん! わたしも加勢するよ! 話はそのあとにしよう!」

千聖「ちょ、待ちなさい! 彩ちゃん!」

彩「大丈夫! ちゃんとアイドルのお仕事には支障のないようにするから!」

262: 2018/08/22(水) 17:24:14.08 ID:8ag3rmzi0
彩「それに知ってるでしょ? 私、二年生の中では正義の味方、なんて。えへへ///」

千聖「何言ってるのよ」

千聖(貴方、自覚ないだけで、喧嘩滅茶苦茶弱いのよ!?)

彩「よし! 頑張ろう!」


有咲「あの人もやるみたい、だな」

沙綾「りみ、お願い。やばかったら呼んで」

りみ「う、うん! よーし!」

たえ「こっちも集中しないとね」






香澄「昆布茶ないんですけど....」

香澄(さーやめ、騙したな)

263: 2018/08/22(水) 17:32:09.07 ID:8ag3rmzi0
千聖「はぁ!」ビュン!

有咲「うわ!」チィ

沙綾「うっ」チッ

たえ「ぐっ、だりゃ!」ベシ、シュッ

千聖「ふっ、たぁ!」ヒョイ、ダシ!

たえ「ぐふ!」ドン!

有咲「おたえ! く、そ!」シュ、シュ

千聖「おっと」ガシ

有咲「なぁ!?」

千聖「遅いわね、はぁ!」ドシ!

有咲「がはっ!」ドン!

沙綾「ふっ!」ザ、ズ!

千聖「っと!」チッ

沙綾(今のを躱し、ますか)スタ

千聖(隙を突いたいい攻撃。だけど)

千聖「ワンテンポ遅かったわね」クル、ダシ!

沙綾「ぐっ!」ガズン!

沙綾(おっもい!)ゴロ

264: 2018/08/22(水) 17:38:07.06 ID:8ag3rmzi0
りみ「う、うう」グ

彩(私と同じく喧嘩苦手そうな子、けど!)

彩「ごめんね、後で謝るから!」ザッ!

りみ「き、きた!」

りみ(しゅ、集中しないと!)


彩「うわぁ!」ツルリン、グル

りみ「え?ころん...

ザ!

りみ「うっ!」

りみ(目に土が!)


彩「うっ!」ズドン

りみ「え....いた!!」バタン

りみ(そん、な。転んで、一回転して、踵が、頭に当たる、なんて...)バタ

265: 2018/08/22(水) 17:44:55.28 ID:8ag3rmzi0
彩「いたた...お尻から落ちちゃった、てあれ?」

りみ「....」チーン


有咲「やべえ! りみが!」

沙綾「いつの間に! あっちの人も強い! けど!」

たえ「こっちも人数をさけな.....


千聖「よそ見、とはね。油断大敵、よ」グル、シュバン!!


たえ「がっ! ぐふ!」シュ、、、ダン!

有咲「おたえ!?」

沙綾「吹き飛ばされた!?」


千聖「ふぅ」チラ

千聖(よかった、持ち前の運で何とかしたようね)

千聖「彩ちゃん、もういいわ。2対1で十分よ! 下がって!」

彩「ううん! 2対2に!」

千聖「お願いだから下がって!!」

266: 2018/08/22(水) 17:55:03.86 ID:8ag3rmzi0
有咲「やべえぞ、どうする」

沙綾「一対一、にしよう。有咲、そっちの人頼める?」

有咲「大丈夫か? 一人で?」

沙綾「やるしかないでしょ。香澄が戻ってきた時に皆やられてました、は恥ずかしいし。そっち倒したら直ぐに戻ってきてね」

有咲「ああ! 直ぐに倒してくる!」ダッダ



彩「千聖ちゃん、一人は任せて!」

千聖「ああ、もう!」

千聖(私が速攻で一人を倒して彩ちゃんを助けるしかない!)

千聖「いい!? 無理しないのよ!」ダッダ



沙綾「よし、こい!」

千聖「悪いけど、時間はかけられないから!」ビュン!

沙綾「はや!」


ダシン!!


香澄「.....」ググ


沙綾「香澄!?」

千聖(私のパンチを止めた!? 片手一本で!?)



香澄「はぁ!!」ビュン!!!

千聖「っ!」バシン!!、ズズズ


千聖(なんて威力、それにパワー)ジンジン

香澄「今のを受け止めますか」

沙綾「か、香澄...」

267: 2018/08/22(水) 18:01:02.00 ID:8ag3rmzi0
香澄「...」チラ


たえ「....」

りみ「....」

香澄「...」グッ!


千聖(この子....強いわね。リーダー、かしら? 彩ちゃんの方も気になるっていうのに)

香澄(さっきの一撃といい、さっきの反応といい、すぐには倒せそうにない。ここはさーやを有咲の方へ)


香澄「さーや、有咲を助けに....




彩「あれ? 香澄ちゃん?」

香澄「.....へ? 彩先輩?」

271: 2018/08/23(木) 16:28:28.03 ID:uSMqKICO0
彩、千聖「「ごめんなさい!!」」


香澄「いや、あの、えーと」

沙綾「まあ、悪気があったわけじゃないというか」

有咲「勘違いだし、その」

千聖「いえ、よくよく考えれば、ちゃんと話も聞かずに喧嘩をふっかけたのは悪かったわ」

彩「そ、そうだよ! 千聖ちゃん!」

千聖「.....彩ちゃん、あなたね」

有咲「誤解が解けたようなのでなによりです」

千聖「詳しい話は後日にしましょう。私達このあと用事があって」

沙綾「そういうことでしたら」

彩「イヴちゃんは連れて帰るね」

香澄「どーぞ、どーぞ」

274: 2018/08/23(木) 16:44:18.06 ID:uSMqKICO0
翌日

イヴ「皆さん! 誠にすみません!」ペコリ


沙綾「ちょ、頭あげて!」

香澄「そうだよ!」


ウワー、ナニアレ? オソロシイ タテシャカイ?


香澄(うわー、最悪)

イヴ「皆さんには多大なご迷惑を。それにあろうことかあのお二人にまで....」

たえ「私達はもう気にしてないよ」

りみ「それよりあの二人って、昨日の先輩のこと?」

イヴ「はい! そうです! 私の憧れです!」

沙綾「憧れ...ピンチを助けてもらった、とか?」

イヴ「いえ、そういうのではありませんが」

275: 2018/08/23(木) 17:30:10.50 ID:uSMqKICO0
イヴ「皆さんはアヤさんとチサトさんのことをご存知ですか?」

香澄「彩先輩のことはわかるけどその、千聖先輩? とは昨日初めて会ったよ」

りみ「『正義のアイドル』丸山彩先輩、『微笑みの鉄仮面』白鷺千聖先輩、だよね」

沙綾「せ、正義」

たえ「かっこいいね」

イヴ「そうなんです!!」

香澄「うわ!」ビク

イヴ「アヤさんはかっこいいんです! 困ってる人、やられている人がいたらすぐに助けに行きます!」

沙綾「それで正義、か」

イヴ「はい! それにチサトさんもすごいんです!」

たえ「二つ名、少し変だけど」

276: 2018/08/23(木) 17:54:50.74 ID:uSMqKICO0
イヴ「チサトさんはアヤさんの師匠なんです! さらにはアヤさんがピンチの時に駆けつけて、サポートしてくれるんですよ!」

りみ「そ、そうなんだ」

沙綾「それじゃあ、千聖先輩の方が強い、ってこと?」

イヴ「今のところはそうです! けれど弟子はいずれ師匠を超えるもの。アヤさんもいずれはチサトさんを超えるかもしれません!」

たえ「なんか熱いね!」

香澄「少年漫画じゃん」

香澄(嫌いじゃないけどね。むしろ羨ましい!)

沙綾「あはは....」

りみ「なんというか、すごいね。同学年で師弟関係って」

277: 2018/08/23(木) 18:03:38.49 ID:uSMqKICO0
彩「ヘクチ!」

千聖「クシュ!」

彩(風邪、かな。お仕事に響かないようにしなきゃ)

千聖(誰かが噂でもしてるのかしら。なんて。それよりイヴちゃん、しっかり説明できてるかしら)


2年モブ「彩ちゃん! あっちでまた喧嘩が!」

彩「わかった! 今行くね!」ダッダ

千聖「!? ま、待ちなさい! 彩ちゃん! あなたいい加減に自分の強さを...

花音「千聖ちゃん、一緒にご飯食べない?」

千聖「花音!! ええ! 喜んで! 今すぐ食べましょう!」

花音「うん」



モ「が!」ブシ!

ブ「は!」ドシ!

紗夜「あまり廊下のど真ん中で喧嘩など、迷惑です」


彩(さ、さすが紗夜ちゃん。私来なくてもよかったね)


燐子「ひ、氷川さん、行きましょう」

紗夜「そうですね、授業に遅れてはいけませんし」

278: 2018/08/23(木) 18:15:50.56 ID:uSMqKICO0
放課後

有咲「と、いうわけで」

沙綾「いよいよ挨拶に行くわけだけど」

たえ「三年生の教室に?」

香澄「そうだよね? りみりん」

りみ「うん。来れば歓迎するって」

沙綾「歓迎、ね」

有咲「どういう意味なのやら」

たえ「お菓子とかジュースおごってくれたり!」

香澄「教室入った瞬間殴ってきたりね。殴り返してやるけど」

有咲「香澄、お前もう完全に不良の考えに戻ってるんじゃ....」

279: 2018/08/23(木) 18:24:48.94 ID:uSMqKICO0
テクテク

二年生の階

二年「....」ギロ

二年「....」ジー


有咲「めっちゃ見られてんな」ボソ

沙綾「そりゃーね」ボソ


花音「あ、香澄ちゃん達」

香澄「ん? ごめんなさい。どなたですか?」

有咲「そっか、お前ちゃんと話してなかったか」

沙綾「えーと、こころ達と一緒にいた花音先輩、だよ」

たえ「お疲れ様です。花音先輩」

りみ「お疲れ様です」

花音「うん。皆もね」

香澄「なるほど......こころん、と」

花音「あはは、こころちゃんが迷惑かけちゃったみたいで、ごめんね」

香澄「いや、まあ」

有咲(実際、かなり追い回されたみたいだしな)

280: 2018/08/23(木) 18:29:31.06 ID:uSMqKICO0
花音「それで皆どうしたの? こんなところで」

りみ「それが...」



花音「ええ!? ポピパの皆も!?」


沙綾「へ?」

有咲「私達、も?」

香澄「それって...」



こころ「かのーん! 待ったかしら!?」

美咲「すみません、花音さん。こころが....って」

はぐみ「かーくん! それにみんなも!」



有咲「マジか」

たえ「奇遇だね!」

りみ「本当だね」

281: 2018/08/23(木) 18:42:19.93 ID:uSMqKICO0
こころ「あら? 香澄じゃない!」

香澄「げ、こころん」

こころ「こんなところで会うなんて奇遇ね!」

香澄「う、うん。そうだね」

こころ「こうなったらしょう....

美咲「だーめ! ほら! 戸山さん、嫌そうにしてるでしょ」

こころ「大丈夫よ! 喧嘩し始めればきっと笑顔に....

美咲「ならないから!」

香澄「....なんか、ごめんね。美咲ちゃん」



有咲「相変わらず大変そうだな、奥沢さん」

沙綾「もしかして、はぐみたちも三年生に挨拶に?」

はぐみ「うん!そうだよ! あ、それとね! はぐみ達もグループ作ったんだ!」

たえ「そうなんですか?」

花音「うん。名前は」

こころ「ハロー、ハッピーワールド! よ!」

有咲「いきなり来たな、弦巻さん」

たえ「いい名前ですね」

282: 2018/08/23(木) 19:37:36.67 ID:uSMqKICO0
香澄「けど不良、って感じの名前じゃないよね」

香澄(私たちが言えないけど)

沙綾「それで、えーと、ハロハピさん達も呼び出しくらったんですか?」

美咲「いや、違うんですけどね。こころが」

こころ「この学校で一番喧嘩が強いのだから、きっととんでもない笑顔の人よ! 会いに行きましょう!」

美咲「という、意味不明な解釈を」

有咲「流石、異空間」

たえ「あ、すみません。皆さんの二つ名、聞いていいですか?」

有咲「お前、それ聞くの好きだな!」

たえ「え? おもしろくない?」

美咲「うーん、私の二つ名、なんて」

花音「わたしもない、かな」

はぐみ「はぐみもわからないや」

たえ「りみ、わかる?」

283: 2018/08/23(木) 20:08:25.57 ID:uSMqKICO0
りみ「えっと、はぐみちゃんが『北沢印は元気印」。花音先輩が『迷宮のジェリーフィッシュ』かな?」

たえ「なるほど」

はぐみ「ええ!? はぐみにそんな二つ名があったの!?」

花音「ふぇぇぇぇ! 私にも!?」

有咲「なあ、りみ。お前、その情報どこからきてるんだ?」

香澄「りみりんは物知りだね」

美咲(も、もしかして私にも?)

美咲「....」ソワソワ

りみ「えーと.....ごめんなさい。美咲ちゃんのはちょっとわからない、かな」

美咲「.....そうですか」

美咲(いや別に? 気にしてないし?)

こころ「大丈夫よ、美咲! 二つ名なんてなくてもあなたはあなたよ!」

美咲「こころ.....」

284: 2018/08/23(木) 20:14:56.22 ID:uSMqKICO0
沙綾「さて、そろそろ行こう? けっこう待たせちゃってるんじゃない?」

香澄「それもそっか」

こころ「そうね! 行きましょう!」







燐子「あれ? 戸山、さん? どうして三階に?」




三年教室


りみ「えっと....あ、この教室だよ!」

有咲「ふぅ、いざ入るってなると」

美咲「なんか緊張する、というか」

花音「だ、大丈夫、かな」

たえ「なんとかなりますよ。多分」

沙綾「最後...」

はぐみ「は、早く挨拶して帰ろう!」

香澄「どーかな。歓迎するって言ってたんでしょ?」

香澄(それに周りに三年生がいなさすぎる。流石に不自然でしょ)

香澄「やっぱり扉開けたらいきなり....


こころ「失礼するわ!!」ピシャ!

285: 2018/08/23(木) 20:31:17.38 ID:uSMqKICO0




ゆり「随分元気だね。今年の一年生は」


七菜「.....」

リィ「....」

ひなこ「ふふーん」ドヤ



たえ(あの真ん中の人)

有咲(なるほど、確かに似てるな、りみに)

沙綾(ってことはこの人達が)

香澄(紗夜先輩とは違うもう一つのトップ。グリッターグリーン。か)

りみ(お姉ちゃん....)


こころ「あなた達がこの学校で一番強い人たちなのかしら!?」


美咲「ちょ、こころ!」

花音「直接すぎるよぉ」



ゆり「恐いもの知らず、だね? まあ、いずれにしてもその質問の答えはイエス、だけどね」

こころ「やっぱりそうなのね!」

ひなこ「だったら、どうなのかな~?」

こころ「あら? けれど四人もいるわ。誰が一番強いのかしら?」キョトン


有咲(ちょま!)

沙綾(踏み込むね)

たえ(わたしも気になる)

香澄(流石こころん)


リィ「ふふ、だってさ」

七菜「誰、か。ちょくちょくやり合うけどいまいち結果ははっきりしないよね」

ひなこ「それは勿論! このひーなちゃんだよ!」

ゆり「ひなこ、その冗談笑えないよ」

リィ「自惚れすぎ、だぞ」

七菜「まあ、真面目に答えると」




リィ、七菜、ゆり「「私、かな(だね)」」




リィ、七菜、ゆり「「はぁ?」」

ひなこ「はい! はい! 私も!」

286: 2018/08/23(木) 20:38:40.39 ID:uSMqKICO0
ゆり「どうしたの、みんな?」

リィ「お前こそ。妹の前で意地はりたくなったのか?」

七菜「いつもはそんなのどうでもいい、って」

ひなこ「ちょっと!? 私も!」




ゆり「上等じゃん! 今日こそ決着付けてあげるよ!」

リィ「望むところ、だぞ」

七菜「別に付き合ってあげてもいいけど」

ひなこ「ねえ!? わたしも!」



ガヤガヤ!!



有咲「なんつーか」

沙綾「仲いいね」

美咲「そういう解釈します?」

たえ「結局誰が一番強いの?」

りみ「おたえちゃん! それは」

花音「ふぇぇぇ」

はぐみ「喧嘩始まりそう、だね」

こころ「私も混ざるわ!!」

香澄「.....」

287: 2018/08/23(木) 20:43:13.30 ID:uSMqKICO0
ゆり「コホン......見苦しい所見せちゃったね」

リィ「ホントだぞ」

沙綾「い、いえ。そんな、気にしてませんから」



ゆり「さて、改めて、だけど」ジー


ポピパ「「?」」

ハロハピ「「?」」


ゆり「.....なるほど、ね」

美咲「あの、なにか?」

七菜「どう?」

ゆり「うーん、半々、かな。やっぱり直接見るしかないよ」

ひなこ「さんせーい!」

香澄「直接、見る?」

288: 2018/08/23(木) 20:51:41.98 ID:uSMqKICO0
ゆり「その前に、と」

有咲「?」



ゆり「あなたたちは、私達、花咲川と羽丘の因縁、というか関係について知ってる?」

沙綾「まあ」

有咲「ある程度なら」

美咲「知ってます、けど」


香澄、こころ、たえ、はぐみ「「ん? なにそれ?」」


有咲「うん、知ってた。お前らがわからない、ってことは」

沙綾「羽丘っていうのは」

ゆり「ああ、いいよ。私たちが説明するから」

こころ「それは、助かるわ!」

リィ「....」

ひなこ「えーと、こころちゃん、だっけ? ちょーとさっきから口のきき方がなってないんじゃんないかな?」

こころ「そうかしら?」

ひなこ「おーと、一年のころの私よりやばいかもね」

289: 2018/08/23(木) 21:01:20.34 ID:uSMqKICO0
こころ「それよりその羽丘っていうのについておし....



ビュン!!.......ピタ



七菜「....次はないよ」シュン


美咲(こころの顔スレスレ!)

有咲(なんつー、速い蹴りだよ)

花音(全然見えなかったよぉ)

沙綾(なるほど、やっぱり強い、よね)

たえ(寸止め。上手だね)

りみ(やっぱり、七菜さんもすごい!)

はぐみ(あわわ、こころん、大丈夫かな?)

香澄(うーん、手ごわそうだな。このレベルが四人。それも連携してくる、か。私一人じゃ勝てないかも。っていうかこの四人と渡り合える紗夜先輩ってやっぱり....)


こころ「今の! すごかっ.....

美咲「す、すみません! 後で言って聞かせますので!!」ガシ


花音(ナ、ナイスだよ! 美咲ちゃん!)

290: 2018/08/23(木) 21:13:36.68 ID:uSMqKICO0
リィ「どうする?」

ゆり「話が進まないよ。後で」

七菜「わかった」

ゆり「それじゃ、話を続けるけど」



ゆり「私達、花咲川と羽丘はね、ぶっちゃけて言えば滅茶苦茶仲が悪いの」

香澄「はぁ、仲が悪い、ですか」

ゆり「そう。それで年に一度こっちとあっちの不良全員で学校のメンツをかけて勝負するの」

たえ「初めて知った...」

有咲「中学校の頃からそんな話はあったけどな」

七菜「例年通りだと来月、かな」

美咲「けっこう早いんですね」

リィ「勝負の内容は簡単に言えばこっちとあっち、どっちが先にトップを倒せるか、っていうシンプルなもの」

はぐみ「うっ、勝負、勝ち負け....」

ひなこ「なんとビックリ! 今年で第100回目!」

こころ「そんなにやってるのね!」

291: 2018/08/23(木) 21:22:52.41 ID:uSMqKICO0
たえ「ちなみに勝率、とか」

ゆり「49勝49敗1引き分け」

沙綾「見事に」

有咲「引き分けてる、な」

七菜「だから節目の今年の喧嘩、絶対に負けるわけにはいかないの」

りみ「なるほど...」

ゆり「だからこそ私たちは力を合わせる必要がある。そこで一年のトップと言われる貴方たちに来てもらった、というわけよ」

リィ「お前達がどれだけ強いか、使えるか、確かめるためにな」

香澄「使える、ですか」

ひなこ「そうなんだよ。あっちは一年にアフターグロー、なんて強い子達が入ったってのに、こっちはチスパだか、パスタだかでしょ? まずそこで一歩不利なんだよね~」

沙綾「....」ギリ

香澄「....」

ゆり「そこであなたたちを試させてもらうよ」

たえ「ためす?」

292: 2018/08/23(木) 21:33:17.36 ID:uSMqKICO0
ゆり「入って」


ゾロゾロ


有咲「ちょ!」

美咲「30人、くらい?」

花音「そ、そんなぁ」

花音(そもそも私、二年生なのにぃ~)

りみ「ど、どうしよう!」

たえ「は、はめられた」

はぐみ「ま、まさか戦え、なんて.....」

沙綾「くっ! そういうこと!」

香澄「はぁ、結局こうなるんだね」

こころ「あら! みんなお友達かしら?」


ゆり「別に勝てる、なんて思ってないよ。ただどこまでできるか見せてね」

リィ「安心しろ。私たちは参加しないから」

七菜「力見る前に終わっちゃうしね」

ひなこ「みんな、がんばってね~」



ゆり「それじゃ、スタートだよ」

293: 2018/08/23(木) 21:43:39.81 ID:uSMqKICO0
三年モブ「わるいね、一年」

三年不良「グリグリの命令だし、悪く思わないでね!」

三年子分「そら! いくよ!」ダッダ



花音「ふぇぇぇぇ!」チッ!

美咲「花音さん、こっちに! はぐみは右側、こころは正面を....って、こころ!」

こころ「勝負よ~!」ザ!



りみ「わ、わわ!」

香澄「くっ! りみりん! 今そっちに!」ダッ

三年モブ「おっと、私とやってもらうよ」ザ

香澄「この、邪魔!」ダシ!

三年モブ「ぐっ! こ、の!」ドゴ、シュ

香澄「ふっ、はぁ!」スカ、ダダ!

三年モブ「がは! ち、やるな」ッザ

香澄「しぶとい!」



たえ「ほわっちゃ!」シュルシュル、ザ!

三年不良「おっと、危ないね」ダ、スカ

たえ「おたえトルネードが!」

三年不良「なにそ、れ!」シュウ!

たえ「ぐっ!」バイン!

294: 2018/08/23(木) 21:51:36.10 ID:uSMqKICO0
はぐみ「や、やぁ!」シュ!

三年モブゥ「おっと、早いじゃん。けど!」チイ、ヒョイ

はぐみ「やぁ! たぁ!」シュ、ザ

三年モブゥ「ワンパターン過ぎ、よ!」ガシ、ダン!

はぐみ「いた!」ドシ!



有咲「おら!」シュ

三年子分「ぐっ! お返し!」ドゴ、シュ!

有咲「がは!」ドゴ!!

沙綾「有咲!」ザ

三年子分2「おっと」ザ!

沙綾「この! たぁ!」シュウ、ザザ

三年子分2「と? おわ!」スカ



こころ「はぁぁ!!」シュ、ドシ、バシ!

モブ「ぐ!」ドシ

不良「がは!」ドシ

子分「つえ!!」ドシ

こころ「ふふーん!」

295: 2018/08/23(木) 22:02:47.88 ID:uSMqKICO0
有咲「ぐ、いってー」

有咲(くそ、こいつら一人一人がつえー。これが三年生か)



美咲「はぐみ! 離れすぎないで! 花音さん後ろ! ってかこころ、戻てきて!」シュ、チッ

美咲(しかも数が多い! このままじゃ時間の問題だよ!)


有咲「ぐふ! くそ!」ガツン、シュ!

有咲(それに弦巻さんはともかく、香澄が本気になるのには時間が! このままじゃ間に合わねーぞ)


りみ「これでいちコロネ!」シュウ!!

三年子ブ「とお! いちち...」シュウウ

りみ「そんな!?」

三年子ブ「へへ、おら!」シュウ!

りみ「きゃあ!」バシン!



香澄「いいかげん、しつこいよ!」クル、バシン!

三年モブ「がは!」バタン


三年モ分「やるね」

三年不分「次は私らとやりな」

香澄「この! ゴキブリみたいにうじゃうじゃと!」

296: 2018/08/23(木) 22:07:43.94 ID:uSMqKICO0
ゆり「....」

リィ「どーだ?」

七菜「うーん、まあまあ?」

ひなこ「お!? あの生意気な子、やるじゃーん」

ゆり「あの変な髪型の子もそこそこ」

リィ「それにしても効率のいいやり方だな」

七菜「どれだけできるか確かめつつ、三年生に逆らわないように体に叩き込む、ね」

ひなこ「まあ、いんじゃない?」

ゆり「....」

リィ「妹が心配か?」

ゆり「....別に」

七菜「心配しなくてもそこまでひどくはやらないでしょ」

ひなこ「そうそう、ちょーっと痛い目にあってもらってるだけだよ」

ゆり「わかってるよ」

297: 2018/08/23(木) 22:20:57.42 ID:uSMqKICO0
花音「きゃあ!」ベシ!

美咲「花音さ...ぐ!」ダシ

三年子分3「へへ、少しねて、な!」シュ!

こころ「おっと!」ガシ

三年子分3「な!?」

こころ「残念だけど、あなたのやり方じゃ、笑顔にできないわ! こうするのよ!」シュ、シュバ!

三年子分3「へ!? ぐふ! がは!」ドドド!

こころ「ふふーん、どうかしら!」ハァ、、ハァ



香澄「と、りゃぁぁぁ」シュ、シュ、ダシン!

三年モ「この子!」バタ!

三年「段々!」バタ!

三「強く!」バタ!


香澄(くそ、みんなと離れちゃった! 急がないと!)





ガラガラ......ドゴン! バゴン! ガゴン!



香澄「!?」

298: 2018/08/23(木) 22:25:24.16 ID:uSMqKICO0
沙綾「ぐ....って、え?」

はぐみ「はぁ、はぁ、今」

たえ「いつつ.....十人くらい、吹き飛んだような...」

有咲「だ、誰だ?」フラフラ




ゆり「.....三年の教室に何の用? 










ゆり「氷川紗夜!!」





紗夜「......」

299: 2018/08/23(木) 22:31:29.30 ID:uSMqKICO0
美咲「は、花咲川のばん、ちょう?」フラフラ

花音「紗夜、ちゃん?」クラクラ

こころ「? 誰かしら?」

香澄「....紗夜先輩」



モブ1「この!」

モブ2「何しに!」

モブ3「きたのさ!」

モブ4「二年の!」

モブ5「分際で!」



紗夜「....邪魔です」シュ!


ガツン!


モブ12345「「....」」チーン


美咲「一瞬で...」

有咲「五人、も」


たえ「なんか扱い雑だね」

沙綾「モブだから」

300: 2018/08/23(木) 22:36:45.99 ID:uSMqKICO0
紗夜「....」チラ

香澄「?」

紗夜「一年生相手に倍の人数で集団リンチ、ですか。やることが随分と汚いですね」

ゆり「.....」

ひなこ「ん~、挑発? 喧嘩売ってるのかな?」

紗夜「思ったことを言っただけです。他意はありません」

リィ「いまここでやりあってもいんだぞ?」

紗夜「....そちらがお望みとあらば」

七菜「へぇ、本気?」

紗夜「....」

ゆり「....」




紗夜「いえ、やめておきます」

301: 2018/08/23(木) 22:44:39.42 ID:uSMqKICO0
ひなこ「あれ~?」

七菜「なに? 逃げるの?」

紗夜「私の目的はこの一年生たちの安否の確認、そして救出、ですから」

リィ「なんだそれ?」



燐子「と、戸山さん!」

香澄「!? 白金先輩?」

燐子「よ、よかった。無事で」

香澄「まさか、先輩が?」

紗夜「白金さんが教えてくれたのよ、礼なら彼女に」

燐子「いや、そ、その、助けたのは氷川さん、ですから」

紗夜「とにかく、この場はここまでよ。一年生の皆さん、立てますか?」



有咲「な、なんとか」

沙綾「ふぅ、危なかった」

香澄「よいしょっと。大丈夫? りみりん」

りみ「んっしょ、あ、ありがとう。香澄ちゃん」

たえ「さーや、こっちも」

302: 2018/08/23(木) 22:49:48.71 ID:uSMqKICO0
美咲「こころ、手伝って」

こころ「ええ! はっ!」

美咲「ちょ! いたた!」

はぐみ「みーくん、大丈夫そうだね!」



紗夜「松原さん、大丈夫ですか?」

花音「え、あ、う、うん」

紗夜「私が支えますから、よっと」

花音「あ、っと。ありがとうね」



リィ「このまま返していいのか?」

ひなこ「なーんかおもしろくないよ?」

ゆり「....」

七菜「ゆり?」

ゆり「はぁ、今日はいいよ。興がそれた」

リィ「....お前がそういうなら」

303: 2018/08/23(木) 22:53:36.04 ID:uSMqKICO0
紗夜「...」テクテク


ゆり「氷川紗夜」

紗夜「...」クル

ゆり「いずれどっちが本当のトップか、決着をつけるよ」

紗夜「...どちらでもいいですよ」

七菜「なに?」

紗夜「私はただ.....羽丘に負けたくないだけです。絶対に」

ひなこ「....」


紗夜「失礼します」ペコ

304: 2018/08/23(木) 23:03:24.63 ID:uSMqKICO0
美咲「この度は、その」

有咲「本当に助かりました」


皆「「ありがとうございました!」」ペコ


燐子「お、お礼なら氷川さんに。助けたのは氷川さん、ですから」

紗夜「いえ、だから今回の件は白金さんの...」

香澄「助かりました。紗夜先輩」ペコ

紗夜「....戸山さん」

燐子「ふふ、ですって。氷川さん」

紗夜「....はぁ、風紀委員として当然のことをしただけです。それでは」クル、スタスタ

燐子「あ、ま、待ってください」

香澄「白金先輩も!」

燐子「!?」

香澄「助かりました」ペコ

燐子「そ、そんな。わたしは、なにもしてないし。そ、それじゃ!」タッタ

305: 2018/08/23(木) 23:09:56.43 ID:uSMqKICO0
沙綾「....なんというか」

たえ「つかれた」

はぐみ「はぐみ、早く帰って、ねたいや」

有咲「あー、マジでいてー」


千聖「花音!!」ダッダ


花音「千聖ちゃん!?」

千聖「だいじょ....ってその傷!」

花音「えへへ、やられちゃった」

千聖「....誰?」

花音「え?」

千聖「誰にやられたの?」ゴゴゴ

花音「いや、これは、その」


彩「花音ちゃーん! って、大丈夫!?」


花音「彩ちゃん。うん、なんとか」

彩「それはよかった。って千聖ちゃん!?」

千聖「....」メラメラ

306: 2018/08/23(木) 23:18:48.92 ID:uSMqKICO0
イヴ「みなさん! ご無事ですか!?」


沙綾「イヴまで。どうしてまだ学校に?」

イヴ「実は私お二人に弟子入りしたのです!」

たえ「弟子入り?彩先輩と千聖先輩に?」

イヴ「そうです! お二人のようになりたくて一緒に特訓をしていたら、皆さんが三年生にやられた、という話を聞きまして」

りみ「そういうことだったんだね」

有咲「おいまて。おまえらいつの間にそんなにイヴと仲良く?」

香澄「クラスで」

有咲「だぁー! 羨ましい!」



美咲「なにはともあれ、酷い目にあった」

こころ「あの人たちとまだ勝負してないわ!」

美咲「今はやめときなよ、こころ」

307: 2018/08/24(金) 12:03:07.23 ID:2pq/6JiF0
マッ○

彩「この前のお詫びも含めて奢るからなんでも注文してね!」

香澄「わぁ! ありがとうございます!」

花音「従業員割引、あるからね」

千聖「さすが花音ね!!」











有咲「つまり今日のやつはなんというか、毎年あること、なんですか?」

千聖「そうね。三年のトップが呼び出して、使えるかどうか見て、その上三年に逆らえないようにするのが目的らしいわ」



こころ「次こそあの人たちと勝負よ!」

香澄「本当になめたマネしてくれたよね。今度あったらぶっ飛ばす」



美咲「まあ、二名ほど効果がないようですが」

りみ「....ごめんね、みんな」

たえ「りみは悪くないでしょ」

はぐみ「そうだよ! あっちが完全に悪いよ!」

イヴ「そうです! 大人数で攻める、なんて卑怯です!」

308: 2018/08/24(金) 12:16:01.74 ID:2pq/6JiF0
沙綾「先輩方も去年、呼ばれたんですか?」

彩「いや、呼ばれてないよ」

千聖「基本、グループを呼ぶらしいわ。私たちはグループ、なんて結成してないもの」

花音「それでも、紗夜ちゃんが呼ばれたらしい、よね」

彩「そうだったの?」

千聖「まあ、あの人はね。おそらく三年生を脅かすかもしれなかったからじゃないかしら?」

有咲「一年生で、ですか?」

千聖「有名だったのよ。中学から。ロゼリア、って知ってる?」

りみ「は、はい! 知ってます!」

たえ「?」

香澄「わかんないや」

沙綾「かなり有名、だったよ」

こころ「そうなの? 美咲?」

309: 2018/08/24(金) 12:31:38.84 ID:2pq/6JiF0
美咲「中学校の時ね。一つ上の学年にものすごいグループがあったの。高校生にも平然と向かっていく五人組。それが...」

有咲「ロゼリア。...けどそれって」

沙綾「羽丘中学、の話ですよね」

千聖「そうね。けど高校になってなぜか聞かなくなったでしょ。理由は、知ってる?」

美咲「いえ」

有咲「噂で解散した、くらいしか知らないです」

千聖「うーん、まあ、そう言われればそうなんだけど」

たえ「あの、そのロゼリアがどうして今出てくるんですか?」

千聖「紗夜ちゃん、実はロゼリアだったの。中学は羽丘よ」



一年「「ええーーーー!?」」

310: 2018/08/24(金) 12:42:27.54 ID:2pq/6JiF0
有咲「へ? え? どういうことですか?」

千聖「そのままの意味よ。高校を機に花咲川に来たの」

沙綾「え!? でもあっちも中高一貫ですよね?」

千聖「そうだけど、必ずそうしないといけないわけではないでしょ?」

香澄「うん、うん」

千聖「それで他の人、まあ全員ではないけど、残りのロゼリアの人はそのまま羽丘に。それによってロゼリアは今二つに割れてる、らしいわよ」

美咲「そう、なんですね」

千聖「それで紗夜ちゃんは目をつけられてたらしいわよ」

たえ「あの強さ、ですしね」


彩「千聖ちゃん」

花音「よく知ってるね」

千聖「....まあ、本人と少し、ね」

311: 2018/08/24(金) 12:53:39.18 ID:2pq/6JiF0


千聖『はぁ、はぁ、』

紗夜『はぁ、ふぅ、』

千聖『あなた! なんのつもりよ! 花音が怪我をしたの、あなたのせいらしいじゃない!』

紗夜『こちらのセリフです。よくも白金さんに!』


燐子『ま、待てください!!』





千聖(昔、ガチの喧嘩をしたことがある、なんてね)

千聖(しかも理由が、当時のトップからの紗夜ちゃんへ対する嫌がらせを互いに勘違いしてた、なんていうね)

花音「へー、いつの間に」

千聖「あ、ちなみにこのことは広めないでね。今回のことで紗夜ちゃんが噂のような人じゃないってわかっただろうし」

香澄「りょーかいです」

こころ「わかったわ!」

312: 2018/08/24(金) 18:48:52.37 ID:2pq/6JiF0
千聖「とまあ、話を戻すけど今日のやつは、なんでもその年の三年トップがやるおきまり、みたいなものってこと」

有咲「ひぇ~、怖い」

沙綾「こっちからしたらたまったもんじゃないですけどね」

彩「けど、もうないんじゃないかな?」

花音「だったら、いいな」

千聖「花音、また呼ばれたら言いなさい。私も行くから」

りみ(.....お姉ちゃん)

たえ「私、ポテトおかわりしていいですか?」

彩「もちろん!」

こころ「私も!」

はぐみ「はぐみも!」

313: 2018/08/24(金) 18:54:08.44 ID:2pq/6JiF0
ゆり「それじゃ」

リィ「ん」

七菜「また明日」

ひなこ「バイバーイ!」



ゆり「....」テクテク

ゆり「....はぁー」

ゆり「りみに、嫌われちゃった、かな」




去年

元トップ「ゆり! これからの花咲川は任せたよ!」

ゆり「先輩....私にできるでしょうか」

元トップ「大丈夫、さ。お前なら」

ゆり「....でも」

元トップ「それに、そのためのグループ、グリッターグリーン、だろ?」

ゆり「!?」

元トップ「四人で引っ張ってけばいいさ。学校を、な」

ゆり「はい!!」

314: 2018/08/24(金) 19:03:30.12 ID:2pq/6JiF0
元トップ「にしても懐かしいね。一つ上を倒してトップになったアタイたちはあんたらにも洗礼、みたいなのをやったけど、よくもまあ、食ってかかってきたもんだよ」

ゆり「そ、それは、当たり前ですよ! あんな大人数で! 卑怯です!」

元トップ「だけど、やるやつってのは最後まで向かってくるもんさ。あんたらみたいにね」

ゆり「そういわれると...」

元トップ「来年もやるかどうかはあんたが決めな。ただ」

ゆり「?」

元トップ「羽丘のやつらには負けんじゃないよ。」

ゆり「....わかってます。負け続きだった花咲川を去年、勝利に導いてくれた先輩の思いは無駄にはしません!」

元トップ「へへ、よけいな心配、だったかな?」

ゆり「いえ」

元トップ「ゆり、あんたは正しいことがわかるはずだ。なにが正しいのか、な」

ゆり「そうでしょうか?」

315: 2018/08/24(金) 19:07:32.19 ID:2pq/6JiF0
元トップ「そうさ、だから自分が正しいっと思ったことをやりな。いいね?」

ゆり「わかりました。先輩がそうおっしゃってくれるなら」

元トップ「んじゃ! この学校は任せたよ!」





現在

ゆり「....」

ゆり「私は、この学校のためにも」ググ

316: 2018/08/24(金) 19:18:00.83 ID:2pq/6JiF0
香澄「あの、いいですか?」

彩「ん? どうしたの?」

香澄「羽丘と花咲川の因縁の喧嘩? 勝負? についても教えて欲しいです」

たえ「私も」モグモグ

こころ「知りたいわ!」モグモグ

美咲「遠慮しなさすぎでしょ、二人共」

有咲「あー、できれば私も」

沙綾「中学校の頃から仲悪いのは知ってたけど、その喧嘩のことはよく知らなかったので」

千聖「って言われても、私も詳しいことはよく知らないの」

彩「その日はお仕事あったしね! お仕事!」

花音「私も参加してなかったから、よくわからないんだ。ごめんね」

香澄「いえ、そういうことなら」

イヴ「仕方ないです」

317: 2018/08/24(金) 19:22:37.73 ID:2pq/6JiF0
帰り

彩「それじゃあ皆、気をつけてね~」

千聖「また学校で」フリフリ

イヴ「お疲れ様です!」



こころ「あ! 車が来たみたいね!」

美咲「もう私達の家を含めた帰りのルートが」

花音「設定されてるんだね」

はぐみ「みんな~、またね!」



有咲「はぁー、今日は本当に疲れた」

りみ「....」

たえ「帰っておっちゃんで癒されたい」

りみ「....」

沙綾「げ、帰ったら洗濯しないと」

りみ「....」

香澄「...りみりん、大丈夫?」

りみ「あ、うん」

318: 2018/08/24(金) 19:27:13.54 ID:2pq/6JiF0
有咲「お姉ちゃんと、仲いいのか?」

りみ「うん。家だととっても優しいの」

沙綾「お姉さん、だものね」

たえ「なら帰ったら聞いてみればいいよ。今日のこと」

香澄「ま、それが一番かもね」

りみ「だよね、うん! 聞いてみる!」

沙綾「その意気だね」

有咲「そうだな、がんばれ!」

319: 2018/08/24(金) 19:32:06.00 ID:2pq/6JiF0
りみ 家

りみ「た、ただいま」ガチャ

ゆり「あ....おかえり」

りみ「う、うん。.....あのね!」

ゆり「ご飯、できてるよ」スタスタ

りみ「あ、うん」




ゆり「....」パクパク

りみ「.....」パク

ゆり「....ごちそうさま」

りみ「あ....」




りみ「ふぅ...いっ!」チャプン

ゆり「! ....さき、あがるね」バザー

りみ「....お姉ちゃん」

320: 2018/08/24(金) 19:38:00.30 ID:2pq/6JiF0
ゆり「おやすみ」

りみ「....お姉ちゃん」

ゆり「....」

りみ「あれって、伝統行事、なんでしょ?」

ゆり「.....今日のやつ?」

りみ「うん」

ゆり「違うよ、わたしがやれって」

りみ「けど、去年もやったとか」

ゆり「今年やるかどうかは私が決めたの」

りみ「そっか....」

ゆり「.....そう」

りみ「お姉ちゃん、真面目だからね。それに伝統は大事、だよね」

ゆり「.....怒ってないの?」

321: 2018/08/24(金) 19:49:14.78 ID:2pq/6JiF0
りみ「怒ってるよ。自分の弱さに」

ゆり「!?」

りみ「今日も皆の足を引っ張って、皆の迷惑になっちゃったこと。すっごくね」

ゆり「....これからだよ。一年なんだし」

りみ「そうは言ってられないんでしょ? 羽丘と喧嘩だって...」

ゆり「そうだけど! それは私たちがなんとかするから、りみ達は来なくていいよ」

りみ「ふふ」

ゆり「...なに?」

りみ「やっぱりお姉ちゃんは優しいな、って」

ゆり「それは....」

りみ「ねえ、お姉ちゃん。皆でもっと仲良くできないかな?」

ゆり「どういうこと?」

322: 2018/08/24(金) 20:00:24.35 ID:2pq/6JiF0
りみ「目標は羽丘に勝つこと、なんでしょ? 私はまだ全然役に立てないけど、ポピパのみんなは多分力を貸してくれるよ」

ゆり「さあ、どうかな」

りみ「ほかにもきっといるし、あの紗夜先輩だって、きっと」

ゆり「っ!」



紗夜『私はただ.....羽丘に負けたくないだけです』



ゆり「ちがうよ。私がやらなきゃ...]

りみ「だから、あんなことしなくても....」

ゆり「.....あんなこと?」

りみ「え?」

ゆり「....りみ。りみが言ってることは綺麗事、だよ。実際は力で示すしかない」

りみ「そんな...」

ゆり「もう寝るね。おやすみ」バサ

りみ(お姉ちゃん)

323: 2018/08/24(金) 20:12:47.44 ID:2pq/6JiF0
有咲「ええ!?」

沙綾「グリグリと紗夜先輩が!?」

たえ「勝負?」

はぐみ「皆、さわいでるよ!」

りみ(お姉ちゃん、どうして)

イヴ「まさに、頂上決戦! です!」

有咲「い、いつ!?」

はぐみ「それが、放課後、なんだけど」

沙綾「もう放課後でしょ!」

イヴ「場所はわからないのですか?」

はぐみ「うう、ごめん」シュン

有咲「ああ! いや、違うぞ!」

沙綾「み、みんなで探そう! そうしよう!」



たえ「そういえば、香澄は?」キョロキョロ

りみ「たしかに。いないね」





こころ「それー!」ダッダ!

香澄「ちょ! マズいって! さすがの私でもヤバいってわかる!」ダッダ

美咲「だよね! 止まって! こころ! このままいったら私達三人だけで羽丘に殴り込んじゃうことになるから!」

324: 2018/08/24(金) 20:35:22.81 ID:2pq/6JiF0
校舎 隠れスポット


ザ!


ゆり「ここなら余計な邪魔も、野次馬も来ない」

リィ「いきなり呼び出して悪かったな」

紗夜「いえ、昨日は一年生を助けることが目標でしたので。私は基本、売られた喧嘩は買います」

七菜「だから今日は呼び出しに従った、と」

紗夜「私は花咲川のトップになりたいわけではありません」

ゆり「...」ギリ

紗夜「昨日も言った通り、羽丘との勝負い勝ちたいのです。なんとしても」

ひなこ「けどけどぉ~、花咲川の番長、なんて呼ばれてるじゃん?」

七菜「昔はロゼリアの番犬、だっけ?」

紗夜「他人が勝手にそう呼んでるだけです。自ら名乗ってるわけではありません」

ゆり「私達も羽丘には負けたくない」

紗夜「....」

ゆり「けど、それはそれとしてトップとしての意地と誇りがある」

リィ(ゆりがこんなことを言うなんて)

ゆり「羽丘との決戦の時、どっちがトップか、なんて下の奴らに聞かれても面倒でしょ? だから」

紗夜「今日ではっきりさせよう、と?」

325: 2018/08/24(金) 20:41:14.35 ID:2pq/6JiF0
リィ「悪いが、付き合ってもらうぞ」

紗夜「いえ、丁度私も次のステージに行きたいと思ってましたから」

七菜「....どういう意味?」

紗夜「今日、この場で皆さんと戦えることは幸運、っという意味です」

ひなこ「私にはいいレベルアップ相手、って聞こえるけど」

紗夜「想像に任せます」

七菜「生意気だね」

ゆり「もういいよ、やろう。さっそく一対一で一人ずつ....」

紗夜「いえ、







紗夜「四人一斉に来てください」




ゆり「あなた....本当に生意気だね」

326: 2018/08/25(土) 14:41:33.58 ID:p+4RZknr0
有咲「マジで見当たらねー」

沙綾「ほんとだね」


「おい、いたか?」

「いや」

「屋上は?」

「いなかったよ」


たえ「みんな探してるね」

有咲「そりゃそうだろ」

はぐみ「とっても気になるもんね!」



りみ「もしかして」

りみ(昔教えてもらったあの場所かも)

327: 2018/08/25(土) 14:56:34.65 ID:p+4RZknr0
一方その頃


こころ「もうすこしね!」

香澄「こころん! さすがに引き返そうよ!」ググ

こころ「あら? せっかくここまで来たのにもったいないわ! そうよね? 美咲!」

美咲「い、いや。はぁ、はぁ、それより二人共早いんだけど」

こころ「きっと楽しいわよ? あ! あそこに羽丘の生徒がいるわ! 話してくるわね!」ダッダ

香澄「うそ!? タイミング!」ダッダ

こころ「そこのあなた! ちょっといいかしら!」








薫「おや? 私かな?」

麻弥「あれ? 花咲川の生徒、っスね」

328: 2018/08/25(土) 15:06:33.52 ID:p+4RZknr0
花咲川 校舎

紗夜「はぁ!!」ザ!!

七菜「っ!」ダシン!

リィ「ぐっ!」ダシン!


ひなこ「とお!」シュ!!

紗夜「くっ!」シュ

ゆり「ふん!」グル、バ!

紗夜「うっ!」バシ


紗夜「はっ、だ!」シュ、、、ババ!

ゆり「この!」ジュウ

ひなこ「おも!」ガツン!


リィ「そこ!」シュシュ!

紗夜(止めれる)バシ

七菜「ふっ!」グル、バシン!

紗夜「ぐっ!」ドシ

紗夜(囮、でしたか)

329: 2018/08/25(土) 15:18:12.75 ID:p+4RZknr0
ひなこ「ふぅ、やっぱりやるね」

リィ「言うだけはある。けど」

七菜「さすがにこっちが押し始めたね」

ゆり「こっちは四人だもん。当然だよ」

七菜「....」

リィ「....なあ、ゆりちゃん、今日はいったいどうしたんだ?」

ゆり「今は勝負に集中してよ」



紗夜「はぁ、はぁ、ふぅ」

紗夜(流石に強い、ですね)

紗夜(私の攻撃を二人が防いで、二人が攻撃。しかも誰がどの役割、というわけではなくその場で各自が瞬時に判断する。加えて連携も見事)

紗夜「これは、キツイですね」

ゆり「今から一人ずつでもいんだよ?」

紗夜「いえ、だからこそ」

紗夜(私が強くなるために、湊さんに勝つためにも)

紗夜「ここで引くわけにはいきません」

330: 2018/08/25(土) 15:31:14.96 ID:p+4RZknr0
ゆり「そう。なら続きね」

紗夜(ただ)

紗夜「その前に一つ聞いてもよろしいでしょうか?」

ゆり「いいよ。なにかな?」

紗夜「あなたたちは、いえ。ゆりさん、あなたは花咲川のトップになりたいのですか? それとも羽丘に勝ちたいのですか?」

ゆり「? 何その質問? そんなの両方に決まってるじゃん」

紗夜「....そうですか。うまく言えませんが、あなたの攻撃が一番軽かったので気になりまして」

ゆり「それなら、あなたにとってはラッキーじゃん」

紗夜「いえ、私としては全力のあなた達と戦いたいのですが。なにか迷いがあって、それを無理やり解決するために私と勝負している、というのであれば迷惑だと思いまして」

ゆり「っ!」

ひなこ「...ゆりちゃん」

七菜(...そう。今まで氷川紗夜と喧嘩をしようとしなっかたゆりがどうしていきなり今日やろうと言ったのか。そこが気がかりではあった)

331: 2018/08/25(土) 15:38:41.79 ID:p+4RZknr0
ゆり「悩みなんてない! あるとすればあなたとどちらがトップなのか気になっていた、ということ! だから今日、決着をつけようとしたの!」

紗夜「....そうですか。わかりました。これ以上は無粋ですね。つづけま....



りみ「お姉ちゃん!!!」ザ



ゆり「りみ!? どうしてここが!?」

りみ「昔お姉ちゃんの喧嘩を見るためにここに連れてってもらったことがあって」

ゆり「...そっか。そんなこともあったね」

りみ「い、今、喧嘩してるのって、もしかして昨日私がなにか変なこと言っちゃったから、なのかな?」

ゆり「りみは関係ないよ。いずれ決着をつけようと思ってたの。それが今日だった、ってだけ」

りみ「そ、そんな」

ゆり「わかったら離れてるか、いや、いっそもう帰って」

七菜「いや、私も気になるね」

りみ「!?」

ゆり「七菜?」

332: 2018/08/25(土) 15:48:12.29 ID:p+4RZknr0
七菜「ゆり、なんであんたが今日、いきなり喧嘩しようとしたのか、ね」

ゆり「だ、だからそれは」

リィ「氷川紗夜、何度も悪いけど少し待ってもらっていいか?」

紗夜「私は別に構いませんよ」

ゆり「リィまで」

ひなこ「まぁ、まぁ、ここまでいったら気になるしね」

七菜「ゆり、私たちの間で隠し事はなし、そうでしょ?」

ゆり「それは、そうだけど」

リィ「りみちゃん、昨日のゆりとの会話、教えてもらっていいか?」

りみ「あ、はい! えっと」

ゆり「待って! りみは関係ない!」

ひなこ「だったらゆりちゃんが教えてよぉ」

七菜「....」ジー

ゆり「....はぁ、わかったよ」

紗夜「いったん離れましょうか?」

ゆり「いいよ、別に」

ゆり「簡単にいうけどね。私は......

333: 2018/08/25(土) 16:14:31.17 ID:p+4RZknr0
一方その頃

こころ「なるほど、つまり二年生ってことね!」

薫「つまり君はわざわざ私に会いいに来てくれたと? ああ! 儚い!」

麻弥「つまり、そういうこと、ですね!」


美咲「話、ついていけてる?」

香澄「ごめん、わかんない」


こころ「それじゃあさっそくやるわよ!」

薫「デートのお誘いかい? 困ったね。これから用事があるんだけど」

麻弥「そうっスね。それが終わってからにしてもらったらどうですか?」

こころ「いくわよ! えい!」シュ!

薫「!! っと、ふふ、危ないじゃないか」

麻弥「いやいや! ほんとに危ないっスよ!」


美咲「こころー! 本当にやめて!」

香澄(あの距離の攻撃を躱すなんて。すごい反射神経)

336: 2018/08/26(日) 01:46:26.43 ID:U/Kpjgpm0
こころ「はぁ! たぁ!」シュ、シュ

薫「おっと、っと」スカ、ヒョイ


美咲「こころにはやめてほしいけど」

香澄「あの羽丘の人、こころんの攻撃をあんなに簡単にいなす、なんて」



麻弥「はっ!」ビュン!



美咲「!?」

香澄「くっ!」ドシン!

麻弥「む、やるっスね」

美咲「い、いきなになにするんですか!」

麻弥「悪いですけど、3対1を黙って見てるだけはできないっスよ」ググ

美咲「そ、そんなつもりは...」

香澄「美咲ちゃん、下がって。私がやる」

美咲「戸山さん。けど」

香澄「どの道、こころんが仕掛けちゃたのは事実だしね。幸い二人だけ。他の羽丘に知られる前に悪いけど倒させてもらいます」ググ

麻弥「できればいいですけど、ね!」シュ!

香澄「は!」シュ!

337: 2018/08/26(日) 01:58:52.32 ID:U/Kpjgpm0



ゆり「....ってなわけ。簡単に言うとね」


七菜「....そう」

リィ「去年の先輩からのエール。それを受けての」

ひなこ「ゆりちゃんなりに学校のためにできること」

七菜「どうすれば羽丘に勝てるか、ね」

りみ「....」

紗夜「....」



七菜、リィ、ひなこ「「馬鹿なの?」」



ゆり「!? どういうこと!?」

七菜「まずさ、なんで悩んでたこと、黙ってたわけ?」

ゆり「それは...」

リィ「大方、先輩に言われた通り、正しいことをしなきゃ! とか勝手に自分を追い込んでたんだろ?」

ゆり「うっ」

ひなこ「バレバレだよね」

338: 2018/08/26(日) 02:07:21.06 ID:U/Kpjgpm0
リィ「だいたい、四人で頑張れ、って言われたんだろ?」

ひなこ「頑張れてないじゃん!」

ゆり「ぐっ」

七菜「それと、あの一年生を呼び出して攻撃する奴、反対だったんでしょ?」

りみ「え?」

ゆり「...まあ」

七菜「だったらそう言いなよ」

リィ「てっきり先輩にやられた腹いせを後輩にやるのかと思って」

ひなこ「まあ、私たちも賛成したけどね」

ゆり「そんなこと、しないよ」

七菜「それの後ろめたさにりみちゃんにも強く当たっちゃった、と」

ゆり「はい....」

ひなこ「ダメお姉ちゃんじゃん」

ゆり「ううっ!」グザ!

リィ「お? 一番ダメージ食らってるぞ?」

りみ「お姉ちゃん! 私、気にしてないから!」

339: 2018/08/26(日) 02:16:26.06 ID:U/Kpjgpm0
ひなこ「終いには、パニクって今日、紗夜ちゃんに喧嘩を挑んだ、と」

ゆり「おっしゃる通りです」

紗夜(おや? なぜか私がちゃん付けされてますが?)

七菜「やれやれ」

リィ「これは」

ひなこ「罰ゲーム、だね」

ゆり「うう...」


七菜「ゆり、あんたには三つの罪がある。それは....」

リィ「一つ! このリィちゃんに相談しなかったこと!」

ひなこ「二つ! このひーなちゃんに相談しなかったこと!」

七菜「三つ、この私に相談しなかったこと」


ゆり「全部、同じじゃん」


ひなこ「問答無用!」ベチン!

ゆり「いった!」

リィ「ふん!」ベチン!

ゆり「っ!」

七菜「はぁ!!!」ベチン!

ゆり「ちょ、気合はいりす....ぐふ!」

340: 2018/08/26(日) 02:21:33.14 ID:U/Kpjgpm0
りみ「あわわ、いたそう」


ゆり「....」ジーン

七菜「実際、言った通りだよ」

リィ「私たちが怒ってるのはその一点」

ひなこ「それ以外のことはどうでもいい。だって私たちに相談してくれてたら全部解決してたんだもん」

リィ「.....それは、どうだろう?」

七菜「ひなこが関わると、どうだろうね?」

ひなこ「え!? なんでさー!」

七菜「とにかく! 私たちの言いたいこと、伝わったでしょ?」

ゆり「....まあね」

リィ「だったら、まず言うことあるだろ?」

ひなこ「りみちゃんにも、ね」

341: 2018/08/26(日) 02:29:07.25 ID:U/Kpjgpm0
ゆり「みんな、その、ごめん」ペコ


七菜「ふう、まあ、ゆりばかりに任せた私たちもね」

リィ「私たちも少し反省だな」

ひなこ「うん、うん」

ゆり「....みんな」

七菜「ただし、もうこんなことはなしね」

ゆり「わかってるよ。それと、りみ」クル

りみ「?」

ゆり「ごめんね。昨日は強く当たっちゃって。それに昼間もボコって」

りみ「そんなことないよ! 私もお姉ちゃんの気持ち、全く知らなかったし。私の方こそ、ごめんなさい!」ペコ

ゆり「りみ....」

七菜「いい妹さんだね」

リィ「これに懲りたら、気をつけるんだぞ」

ゆり「わかったって」

ひなこ「ほんとかなぁ~?」

342: 2018/08/26(日) 02:37:55.15 ID:U/Kpjgpm0
アハハハ


紗夜「....」


~中学~

あこ「聞いてください! 紗夜さんがなんと! 昨日フライドポテトを食べてました!」

紗夜「な!? 宇田川さん!? なぜそれを!?」

あこ「えへへ、実は家族でいるとこを見ちゃって」アハハ

リサ「あら~、紗夜、それは、ねえ」

紗夜「待ってください。昨日は家族で行ったので、その、私だけ何も頼まない、というのも、あれでして」

燐子「その、それなら」

あこ「ダメですよ! ねえ! 友希那さん!」

友希那「そ、そうね。私としては別にどうでもいいのだけど」

あこ「なら罰ゲームですね! えーと、あこはなにしてもらおっかな~」

燐子「わ、私はでは、ゲームに付き合ってもらう、というので」

紗夜「そ、それでしたらなんとか」

リサ「私は~、そーだ! 紗夜に買い物でも付き合ってもらおっかな~」

紗夜「そ、それも別に問題ありません」

343: 2018/08/26(日) 02:44:58.30 ID:U/Kpjgpm0
あこ「えー! リンリンもリサ姉も普通だよ! 罰ゲームなんだからもっとこう、バーン! ドーン! って感じのやつ! ですよね! 友希那さん!」

友希那「え? いえ、別に」

あこ「そんな~!」

友希那「私は別に付き合って欲しいことなどないから、そうね....なら、ビンタ一発、というのでどうかしら?」


紗夜「....本気ですか」

燐子「ひぃっ!」

リサ「友希那、それは...」

あこ「あわわわ」ブルブル


友希那「罰、ということだし、妥当なところだと思うわ」

紗夜「いえ、その、湊さんのビンタは冗談にならないというか」

友希那「では、いくわよ、紗夜」

紗夜「い、今ですか!?」

友希那「はっ!」シュ!


ベチン!!!

344: 2018/08/26(日) 02:51:52.32 ID:U/Kpjgpm0
~現在~

紗夜「...ふふ」



リィ「とりあえず、これで一件落着、かな」

ゆり「.....いや、まだ、だよね」チラ

紗夜「.....」

ひなこ「待たせてごめんね。紗夜ちゃん」

紗夜「いえ、大丈夫ですよ。それでどうしましますか?」

七菜「喧嘩を続けるか? ってこと?」

紗夜「そうです」

リィ「ゆり」チラ

ゆり「うん。みんな、今日はもう少し私のわがままに付き合ってね」

七菜「...まあ、今日は、ね」

リィ「実際はっきりはさせたいしな」

ひなこ「どっちが強いか、ね」

紗夜「望むところです」

りみ「....」ゴクリ

ゆり「りみ、もう少し下がってて」

りみ「う、うん!」タッタ

345: 2018/08/26(日) 02:56:18.32 ID:U/Kpjgpm0
ゆり「さて」

七菜「もう一回、集中しないとね」

リィ「大丈夫」

ひなこ「グリグリの力、改めて思い知らせてあげよう!」


紗夜(先程までの感じであればおそらく勝てない、でしょう)

紗夜(しかし、これから先のため、強くなるためには、絶対に負けられません)

紗夜「ふぅーー」ググ

紗夜「....全力でいきます」ゴゴゴ



ゆり「....」ダッ!

紗夜「....」ダッ!


ザ!!

346: 2018/08/26(日) 10:30:46.66 ID:U/Kpjgpm0
こころ「たぁ!」シュ、パンチ

薫「おっと」シュン、クル

こころ「あなたすごいはね! 一度も当たらないわ!」

薫「そういう子猫ちゃんこそ、激しい攻撃だよ」


香澄「ふっ、ほ!」シュ、ズバ!

麻弥「ん、とお!」ベシ、ガン!

香澄(んー、やりずらいな、この人。あまり攻撃はすごくないけど、守りがうまい、っと言うか。踏み込みすぎたら、なんかヤバそうな感じ)

麻弥(ジブンのカウンター狙いに気づいてるんスかね? なかなか踏み込んでこないっス)

香澄(私もまだ全開じゃないし、あっちも守り重視。こりゃ長引きそうだね)





美咲(私だけ......足手まとい、だよね)

347: 2018/08/26(日) 10:56:14.58 ID:U/Kpjgpm0
こころ「とお!」キック!

薫「っ!」スカ

こころ「ここね!」クル、バシン!

薫「くっ!」ドシ!

こころ「やっと、当たったわ!」

薫「この短時間でもう私の動きに対応してくるとは。すばらしい対応力だね」

こころ「あなたもすごいわ! こんなに攻撃が当たらないのは初めてよ!」

薫「ふふ、軽く流そうと思ってたが仕方がない。私も攻撃するとしよう」

こころ「ええ! 望むところよ!」

348: 2018/08/26(日) 11:08:55.91 ID:U/Kpjgpm0
麻弥(こうなったら)

香澄「ふん!」シュバン!

麻弥「おっと」クル、シュ

香澄「甘いです!」ザ、シュ!

麻弥「残念ながらそっちがっスよ」シュ、ガシ!

香澄「な! ぐう!」ガシ!


美咲「あれは! 首絞め!?」


麻弥「絞め技、っス。少し苦しいですが気づけば意識を失ってるっスよ」ググ

香澄「冗談じゃ、ないよ」ググ

香澄(な、なんて力、なのさ)

349: 2018/08/26(日) 11:32:31.06 ID:U/Kpjgpm0
薫「ふっ!」ザ!

こころ「!! ほっ!」シュン!

薫「は!」ビュン、ビュン

こころ「っと! わあ!」シュ、バシ!

薫「はぁ!」シュバン!

こころ「うっ!」ドゴ!


薫「やれやれ、こんなに攻撃してやっと一発か。やはりすばらしいね」

こころ「いたた、殴られるとやっぱり痛いわ」

薫「本来なら美しいお姫様を攻撃はしたくない。この辺で引いてくれないかな?」

こころ「いいえ! まだあなたを笑顔にしてないもの! 続けるわ!」

薫「やれやれ、強引なお姫様だね」

350: 2018/08/26(日) 11:42:03.69 ID:U/Kpjgpm0
香澄「ぐう、う」ググ

香澄(やばい! 本当に意識が!)

麻弥(中々しぶといですね。けど)

麻弥「そろそろですね。これで!」ググ!

香澄(さらに強くなって!? こうなったら!)

香澄「う、りゃぁぁ!」ダッダ!

麻弥「へ? ちょ! うわ!」


ドシン!


美咲「!! 近くのコンクリートの壁にぶつかっちゃった。...って大丈夫!? 戸山さん!」

麻弥「驚いた。まだあんな力が。って...」

香澄「いっつ...」ポタポタ

美咲「頭から血が!」

麻弥「うわ! そ、その、大丈夫ですか?」

香澄「ええ、大丈夫です。気にしないでください」

麻弥「そ、そうですか」

香澄「それより続けましょう。いきますよ」

麻弥「え!? いや、病院に行ったほうが....



ビュン!!

351: 2018/08/26(日) 11:56:49.71 ID:U/Kpjgpm0
美咲「!?」

麻弥「!?」ピタ

麻弥(す、寸止め!?)

香澄「いいですから、早く続きやりましょうよ」

麻弥「わ、わかりました」

麻弥(ふ、雰囲気が変わった?)

香澄「それでは、さっそく」ダッダ!

麻弥「!?」





こころ「っく、やぁ!」バシ、シュ!

薫「ぐ! はぁ!」ドシ、バン!

こころ「あなた! はぁ、はぁ、本当にすごいわ!」

薫「はぁ、はぁ、ふふ、そちらも本当に強い。ああ、敵同士であるのがもったいないよ」

薫(やれやれ、千聖に向けての特訓はまだまだ必要みたいだね)

こころ「そうだわ! あなた、私達、ハロハピに入らないかしら!」

薫「ハロハピ? なんだい、それは?」

こころ「私たちのグループよ! 香澄たちは五人なのに私たちは四人なの! 一人必要だったのよ!」

薫「なるほど、つまに私は口説かれてる、っということかな?」

こころ「? ええ! きっとそうよ!」

352: 2018/08/26(日) 12:06:48.36 ID:U/Kpjgpm0
薫「そうか。まったく、私は罪深い。こんなお姫様の心も盗んでしまうのだから」

こころ「それでどうかしら!?」

薫「残念だがすまない。私にはやることがある。それに敵同士。まさにロミオとジュリエットさ」

こころ「? 敵とか味方とか関係あるかしら? やりたい! って思ったらやるべきよ! 周りとか、環境とか、そんなの関係ないわ!」

薫「.....君は眩しいね。いいだろう! 考えておこう!」

こころ「入ってくれるのね! ありがとう!」

薫「さあ、ひとまず、決着を付けようじゃないか!」

こころ「ええ! いいわよ!」






美咲「戸山さん....強い」



香澄「はぁぁ!!」シュ! ドゴ!

麻弥「ぐ! がは!」バキ、ドシ!

香澄「ふっ!」シュ、シュ!

麻弥「こ、の!」シュ。スカ

香澄「そこ!」タッタ、ビュン!

麻弥(さっきより全然速い!)

麻弥「うう!」ドシ!

353: 2018/08/26(日) 12:19:44.85 ID:U/Kpjgpm0
香澄「ふぅ」

香澄(やっと力出てきた。ほんと、ある程度やられないと力でないっていう自分の体質、というかやる気の問題なのかもしれないけど、めんどくさい)

麻弥「ぐっ」

麻弥(絞め技をやる前とは全然違う。手を抜いてた、ってわけっスか。舐められたものですね)

麻弥「それが本気ですか?」

香澄「さあ、どうでしょうね」

麻弥「まあ、どうでもいっス。それじゃあこっちもそれ相応の対応させてもらいます」

香澄「そうしてください。出し惜しみで負けた、なんてやめてくださいね」

麻弥「....」ザッ

香澄「....」グッ










リサ「なーにしてるの♪」

354: 2018/08/26(日) 12:38:04.87 ID:U/Kpjgpm0
美咲「!?」

香澄「!?」

こころ「?」



薫「リサ、えーと、これは」

リサ「薫と麻弥は帰ってこないから掃除終われない~、って蘭がごねてたよ」





蘭「ごねてないです。変なこと言わないでください」

日菜「やっほ~、およ? なんか楽しそうなことしてるね、二人共」




美咲(やばい...これは)

こころ「お友達、かしら?」

香澄「....」

香澄(羽丘の二年生? 全員かなり....)



蘭「ん?」

蘭(あの麻弥さんとやりあってる奴、どこかで...)

日菜「いーなー、私もやりたい!」

リサ「だーめ! とりあえず掃除終わらせるよ。麻弥も薫も続きはその後ね」

薫「いや、それだと」

麻弥「さすがにそこから仕切り直すのは....」


こころ「そうよ! ここからが...」モガモガ

美咲「ほ、ほんとやめて! 今日はもういいでしょ!」

香澄「ふぅ、そうだね。どうします? 仕切り直します?」


麻弥「あー、いえ、ジブンもなんというか。今日はいいです」

薫「やれやれ、私もいいかな。それにまたやりあうことになりそうだ」

リサ「んじゃ、そういうことで! 帰るよ!」

日菜「はーい。仕方ないや。帰ってお姉ちゃんの写真でも整理してよっと」

蘭「....」

蘭「ねえ、あんたたち」

355: 2018/08/26(日) 12:48:52.71 ID:U/Kpjgpm0
こころ「ん? なにかしら?」

蘭「一年? 名前は? 見逃すんだからそんくらい答えてよ」

リサ「ちょっと、蘭?」

薫「私も気になるな」

麻弥「ジブンも知りたいっス」


こころ「そのくらいいいわよ! 私は一年の弦巻こころ、よ!」

美咲「あー、いらないと思いますけど、同じく一年、奥沢美咲、です」

香澄「...同じく一年、戸山香澄、です」


蘭「!?」

蘭(戸山、香澄!)

蘭「そう。つぐが言ってたことは本当だったってわけね」

香澄「?」

蘭(星のカリスマ、ようやく)


こころ「そっちも教えてくれないかしら!」

薫「もちろんだ。二年生、瀬田薫、だ」

麻弥「同じく二年、大和麻弥、です」

リサ「えーと、私たちも、かな? 同じく二年の今井リサ、だよ」

蘭「....一年、美竹蘭」

日菜「はいはーい! 二年生の氷川日菜、でーす!」

356: 2018/08/26(日) 13:02:53.94 ID:U/Kpjgpm0
美咲(氷川? もしかして)

香澄「もしかして、紗夜先輩の親戚、とかですか?」

リサ「!!」

日菜「お姉ちゃんを知ってるの!」

美咲「お姉ちゃん?」

こころ「姉妹なのね!」

香澄「同い年、ですよね? ということは....」

リサ「紗夜と日菜は双子の姉妹だよ」

日菜「ねえ、ねえ! お姉ちゃんはそっちではどんな感じなの!」

こころ「そうね、うーん....」

美咲「普段はだれともつるまない人、ですね」

日菜「へー、そうなんだ!」

香澄「けど白金先輩と話したりしてますし、千聖先輩と喧嘩したりとか、ってわかります?」



リサ「燐子と、そっか」

リサ(良かった)

薫「へー、あの千聖が。意外だね」

香澄(意外と交友関係あるんですね。お互い)

香澄(それにしてもさっきからこっちにガン飛ばしてきてる、あの人)

蘭「....」ジー

香澄(どこかで)

357: 2018/08/26(日) 13:15:27.93 ID:U/Kpjgpm0
日菜「そっかー、お姉ちゃんが、そっかー」

美咲「すごい、なんとも言えなそうな顔してますね」

香澄「あとは...一応うちのトップ? なのかな? どうなんだろ?」

日菜「お姉ちゃんが一番に決まってるじゃん!」

美咲「あ、それと昨日は氷川先輩に助けられました。どうもです」

日菜「.....なにそれ? 私だってまだ助けられたことないのに」

香澄「へ?」

日菜「私だってお姉ちゃんに助けられたい! 大勢の不良に囲まれ時、次々とその不良をなぎ倒して登場するお姉ちゃん! そして私をお姫様抱っこして連れ去っていくの! キャー! お姉ちゃん!」

こころ「素敵ね!」

日菜「でしょー!」

美咲「確かに大勢に囲まれた私たちの前に」

香澄「不良をなぎ倒して現れたけど」

麻弥「日菜さんなら囲んでる大勢の不良も自分で倒せるのでは?」

日菜「もー! そういうことじゃないんだよ!」

358: 2018/08/26(日) 13:35:53.96 ID:U/Kpjgpm0
蘭「あの、そろそろ本当に帰っていいですか?」

リサ「そうだね。日菜、そろそろいくよ」

日菜「ええー! まあいっか。帰ったら聞こっと!」


美咲「私たちも帰るよ」

こころ「そうね! 楽しかったし!」

香澄(実は頭がめちゃくちゃ痛い...)


薫「それではいずれまた会おう!」

麻弥「今度こそ決着をつけるっス」

リサ「紗夜によろしく~」

日菜「お姉ちゃんによろしくね~」

蘭「...」スタスタ






美咲「....よかったぁ~」

こころ「さあ、帰りましょう! って私たち、何しに来たのだったかしら?」

美咲「こころが行こうって言い出したんでしょ!」

こころ「そうだったかしら?」

美咲「そうだよ!」

香澄「どうしよ、本当に頭痛い。病院だ、これ」

359: 2018/08/26(日) 13:49:37.06 ID:U/Kpjgpm0
花咲川


有咲「ああ! りみ!」

沙綾「どこいってたの?」

りみ「その、ちょっとね」

たえ「それより見た? グリグリの人たちも、紗夜先輩も滅茶苦茶ボロボロだったの」

りみ「う、うん。そうだね」

イヴ「もしかしてリミさん、見てたんですか? その喧嘩を」

りみ「え!! い、いやそんなことは...」

はぐみ「ええ! ずるい!」

沙綾「ねえ! どっち勝ったの?」

有咲「教えてくれ!」

りみ「うー.....ごめん!」

たえ「ひどい」シクシク

沙綾「嘘泣き、バレバレ」

有咲「結局香澄たちもどこに行ったのやら」

360: 2018/08/26(日) 14:02:34.15 ID:U/Kpjgpm0
次の日

お昼

香澄「や、やっほー」

りみ「香澄ちゃん!」

たえ「昨日の放課後ぶり。頭大丈夫?」

香澄「あはは、おたえ喧嘩売ってる?」

沙綾「香澄、しっかり説明してもらうよ」

香澄「はーい」




香澄「グリグリと紗夜先輩が喧嘩!? それで!?」

沙綾「どっちが勝ったかは、わからないの」

香澄「えー、なにそれ?」

たえ「結果は本人たちも言わないの」

イヴ「引き分け、という話が多いです」

はぐみ「それより、こころんとみーくんと一緒に羽丘に?」

沙綾「それでそんなボロボロに?」

りみ「香澄ちゃんがそんなにやられるなんて」

香澄「いや、これは自分で...」

361: 2018/08/26(日) 14:23:31.74 ID:U/Kpjgpm0
香澄「それにしても、そっか。そんなことが」

りみ「でも」

香澄「?」

りみ「強くなった、と思うよ。グリグリの人達も、紗夜先輩も」

香澄「?.....ま、いっか」

香澄(問題は向こうの人達....)

香澄(こんなこと考えたくないけど)

香澄「学校対抗、勝てるかどうか、ね」

たえ「? どうしたの?」

香澄「いや、なんでも」

香澄(とりあえず、向こうの人について先輩たちに聞いてみよ、っと)






美咲家 前

こころ「それじゃね、美咲!」

美咲「はいはい、また明日ね」

美咲(にしても私たちが羽丘に行ってる間にそんなことが)

美咲「....はぁ」

美咲(このままで私、こころ達の役に立てるのかな)


プルルル


美咲「!?」

美咲(こころの黒服さん達から?)ガチャ

美咲「はい..........え? 着てもらいたい着ぐるみがある?」

362: 2018/08/26(日) 14:33:48.31 ID:U/Kpjgpm0
ここで一段落です

自分が考えてる構成としては

ポピパ結成 編

花咲川 編 ←今終わりました 

羽丘 編

全面対決 編

といった感じです。ようやく半分ですがお付き合いして下されば嬉しいです。

364: 2018/08/26(日) 16:02:14.20 ID:wgHLTy9Zo

引用: 【バンドリ】香澄「綺羅綺羅怒気怒気する!」