8: 2012/02/25(土) 22:01:59.12 ID:/qHGTx9n0




前回までのあらすじ
QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」第九話


田楽マン「まあ今回も私の作戦が上手くいったおかげ……って感じですかね?」

田楽マン「彼らは皆個性的ですからね(笑) それを一つの目標の為にまとめあげるのは苦労しましたよ」

田楽マン「美樹くんが戻ってくれてホッとしてます。何せ大切な仲間ですから」

田楽マン「あの瞬間は感動的でしたね……。皆が『田楽先生ありがとう!』って駆け寄ってくるんです。そこから勝利の胴上げ!」

田楽マン「常にトップとして采配を振るうことは勿論プレッシャーを感じますけど、やりがいがあります」

田楽マン「あ、もう取材終わりですか? あ、はい、最後に写真? カッコよく撮ってくださいね(笑)」

田楽マン「はい、この後もテレビ局からインタビューですよ。いやぁ、最近環境がガラッと変わってビックリしてます」

田楽マン「それではお疲れ様でしたー」



まどか「田ちゃん、ボーボボが話があるから来いって……」

田楽マン「ヒッ!?」



  第十話 「もう誰もが頼りない」

真説ボボボーボ・ボーボボ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

9: 2012/02/25(土) 22:04:06.11 ID:/qHGTx9n0



 ~マミホーム~


さやか「ねぇねぇ、もう始めちゃおーよ」

ほむら「あなたの為に開いてるのよ? 少しは堪えなさい」

杏子「アタシも腹減ったし、そろそろ食いてぇ!」

マミ「もう、佐倉さんったら」クスクス 

まどか「それじゃ、開会の言葉を……天の助君!」

天の助「えっ!? で、でも、俺こんなの司会なんてやったことないし~、上手く出来ないかも~…」モジモジ

首領パッチ「いいからさっさと始めろ」

天の助「仕方ねぇーな! コホンッ」イソイソ

天の助「えっと、司会をつとめさせて頂きます、ところ天の助でございます。この度は皆様、お忙しいところお集まり…」イソイソ


10: 2012/02/25(土) 22:05:44.32 ID:/qHGTx9n0



首領パッチ「『さやかお帰りパーティ』開幕じゃあああぁぁーーーーッッ!!」つマイク グイッ




     全員『イエエエエエェェーーーーッ!!』


       ガヤガヤ ワーイワイワイマールケンポウ



まどか「さやかちゃん、お帰りっ!」

ほむら「ほら、ぐいっといきなさい。主役でしょ」グイグイ

さやか「えへへ、何か照れるなぁ~!」つコーラ

ボーボボ「ビールと枝豆を一つずつ」

マミ「い、居酒屋じゃないんで…」

杏子「流石マミの料理! うまうまっ!」モグモグ



天の助「あ……、あぁ……!」ガクガク…



.

11: 2012/02/25(土) 22:06:59.99 ID:/qHGTx9n0

まどか(今、みんなでマミさんのお家に集まっています)

まどか(何をしているかというと、見ての通りさやかちゃんの『お帰りパーティ』!)

まどか(みんなで学校をサボってパーティなんて、なんだか新鮮っ!)ティヒヒ!

天の助(も、持っていきおった……。俺が積み上げてきたモノ、全部横から持っていきおった!)プルプル



天の助「首領パッチてめぇ!」ガバッ

首領パッチ「まあまあ、これで許してくれや」つダイヤモンド スッ

天の助「嘘、ダイヤモンド!? も、貰っていいのでございましょうか!?」

首領パッチ「これで文句ねーだろ?」

天の助「も、文句なんてそんな、へへへ…」つダイヤモンド

天の助(バカめ、首領パッチ! これで俺は大金持ち! こんなシケた町さっさとおさらばしてやるぜ)ククク…


天の助「あッ!? しまった、このダイヤ、MOTHER2のダイヤだ! トンズラ助ける為にしか使えん!!」つダイヤモンド ガガーーン!

首領パッチ「フッ、今頃気づいたか」

さやか「あんたらもバカやってないで、こっち来て食べよーよ」

13: 2012/02/25(土) 22:10:23.99 ID:/qHGTx9n0



さやか「にしても、マンションの一室にたくさん来たね……。結構ギュウギュウだよ」 ワイワイ>

まどか「みんな、さやかちゃんの為に頑張ってくれたんだよ!」 ガヤガヤ>



マミ「えっ!? ソフトンさんってソフトクリーム屋をしてるんですか!?」

ソフトン「ああ」

杏子「アタシもたまに手伝ってんだよ」



魚雷ガール「いい? 恋ってのはとにかくアタックよ! それはもう、相手の内臓を損傷させるくらい突っ込んで…」

仁美「な、なるほど…」

恭介「志筑さん、あんまりそれは信用しないほうが……」



ほむら「ちょ、それは私のクッキー…」

絶望君「クッキー! クッキー!」モグモグ

田楽マン「諦めな、お嬢ちゃん」モグモグ

KING鼻毛「Nーー、諸行無常だぜぇ!」モグモグ

ほむら「ていうか、何で私の周りはあなたたちなの!?」ホムーン!



さやか「……最後の方の奴らって何かしてくれたの?」

まどか「えっ!? あ、あの、うん、色々…。そう! 色々してくれたよっ!」

さやか「色々……そうなんだ……」

ほむら「さやか」ヌッ

さやか「うわっ、ビックリした!? いきなりどーしたの、ほむら」

ほむら「アイツらの近くは御免だから、こっちに来たわ。まどかもいるしね」

さやか「ああー、さいですか。で、あたしに何か用?」

ほむら「用があるに決まってるでしょ。魔女になってしまった時のことを詳しく知りたいの」

14: 2012/02/25(土) 22:16:04.98 ID:/qHGTx9n0


ボーボボ「それはあちきも知りたいでありんす」

さやか「ボーボボも?」

ほむら「当たり前でしょ。魔女から人間に戻ったのなんて、おそらくあなたが初めてなのよ。自分の稀少性を理解してる?」

ボーボボ「おまはんの話を聞けば、魔女化を防ぐヒントを見つけられるかも知れんばい」

ほむら「それに、魔女の精神状態や思考回路……。魔法少女の関係者なら大金を積んででも知りたいもの」

ボーボボ「その通りザマス」

さやか「そ、そっか……。てかさっきから何でボーボボのしゃべり方安定しないの?」

ボーボボ「……」



ボーボボ「キャラを立てようと……////」ポッ

さやか「まだ立てるつもりなの!? もう十分立ってるよ!!」サヤーン!?

ほむら「欲張りにも程があるわ!」ホムーン!?

15: 2012/02/25(土) 22:19:01.29 ID:/qHGTx9n0



さやか「う、うーーん……。あの時のことってホントに思い出せないんだよね」

さやか「何か自分じゃない何かが動いてたっていうか……」

首領パッチ「操られてた人間は皆そう言うんだよ」

さやか「でも、みんなの声はハッキリと聞こえたよ。それで嬉しくなって、体が熱くなって……、ガァーーーッてなって、ドオォーーンって感じ」

ほむら「致命的に語彙力が無いということだけが分かったわ」

さやか「な、何をーーう!」プンプン!

ボーボボ「つまりこういうことだな」スッ



     <渋谷100人に聞いた! さやかの印象は?>
 
 ほんとバカ …… 80人
               
   青  …… 14人

「どこ見てんのよ」だけだったよね …… 匿名票3000人



さやか「何このアンケート!?」

ほむら「明らかに100人を越えている……」

まどか「コレ、ほとんど芸人の話してない?」


ほむら「収穫ナシか……。まあそんなものかもね」

ボーボボ「元に戻ったこと自体が奇跡だからな。もう一度出来るかどうか、確証は持てん」

さやか「え、そーなの?」

ボーボボ「ああ。アレは小さな奇跡が組み合わさって起きたものだ」

ボーボボ「『聖鼻毛領域』を完全に破壊されずに、結界を上塗りされたのが幸いした。そのおかげで皆の声がさやかに届きやすくなったんだからな」

さやか「へぇー……。そう考えると何だか怖くなってきたな……。魔女になってたとはいえ、みんなを殺そうとしてたんだし……」

17: 2012/02/25(土) 22:24:11.91 ID:/qHGTx9n0


ほむら「あら、さやかにしては繊細なことを言うじゃない」

さやか「どういう意味よ」

まどか「あっ! さやかちゃん!」

さやか「ん、何よ?」

まどか「ほ、ほらっ! 上条くんのこ、告白……!」

さやか「うぅ!? い、いいいい今はその話はナシ!」カアァッ!

ほむら「茹でダコみたいに真っ赤になったわね」

さやか「と、とりあえずは保留! 今はパーティを楽しむの!」

天の助「ということはパーティが終わったら……」

まどか「帰り道で……キャッ!」

首領パッチ「青春の甘い思い出だな」ウンウン

さやか「み、みんなイジメないでよぉ……」



仁美「さやかさん…」

さやか「あっ、仁美」

仁美「少し…、二人だけの内緒のお話があります。よろしいですか?」

天パチ((内緒……?))ピクピクッ

さやか「う、うん。そりゃもちろん」スクッ

仁美「ではこちらへ……」

首領パッチ「……」ソ~ッ…

まどか「ダメだよ、首領パッチ君」ガシッ

首領パッチ「なっ!? 思わぬ伏兵! 俺にかまわずに行け、天の助!」

天の助「お、おう!」ダッ


門番ボーボボ「フシュー! フシュー!」ゴゴゴゴゴゴ…

門番ボーボボ「オレ、ココ、トオサナイ……」ゴゴゴゴゴゴ…

天の助(これ氏んだわ、俺)

18: 2012/02/25(土) 22:25:56.97 ID:/qHGTx9n0



さやか「それで……、話って?」

仁美「……」

仁美「申し訳ありませんでしたっ!」ペコリッ!


さやか「うぇっ!? ちょちょちょっと!? どーしたのよ、いきなり!?」

仁美「私はさやかさんのことも考えずに……!」

さやか「頭を上げてよー、何で謝られるのか全然分かんないんだけど……」

さやか「……えっと、もしかして恭介のこと?」

仁美「はい……。私はあんな方法で……」

さやか「いやいや、仕方ないって! だってさ、あんたも恭介が好きだったからやったことなんでしょ?」

さやか「恋する乙女は手段を選ばないものだよ。そりゃいきなり告白するって言われてビックリしたけど、あたしはそれを責めるつもりなんて……」

仁美「いえ、違うんです! 確かに私は上条君に好意を寄せていましたが、それは決してさやかさんに並び立つようなものではないんです」

さやか「??? ますます意味が分かんないんだけど…」


さやか「仁美! ここは省略も出来るあの便利な言葉を使うよ!」

仁美「は、はい!」

19: 2012/02/25(土) 22:27:49.02 ID:/qHGTx9n0



仁美「かくかくひとひと!」

さやか「しかじかさやさや!」



さやか「な、なるほど、そんなことがねぇ」

仁美「本当に申し訳ありません……!」

仁美「あんな方法ではさやかさんは余計に思い詰めてしまうと分かっていたはずなのに……」

仁美「それに、今回さやかさんが魔女になってしまったのも元はと言えば私の責任……!」

仁美「どうにかお詫びをさせて頂きたく思います!」

さやか「……そっか」

さやか「仁美、分かったよ。ちょっとこっちに来て」

仁美「は、はい……」スッ

さやか「……」


      ぎゅっ…


仁美「あっ……?」

さやか「ありがとね、仁美」

さやか「形はどうあれ、あたしと恭介の為にやったことなんでしょ?」

さやか「それに、お詫び? とんでもないよ!」

さやか「仁美は危険な魔女の結界に入って来て、あたしに呼びかけてくれたじゃん。それだけでも十分過ぎるよ」

さやか「どんなことがあってもあんたは親友なんだからさ」ギュッ

仁美「さやかさん……」

20: 2012/02/25(土) 22:30:46.01 ID:/qHGTx9n0



まどか「仁美ちゃん……よかったね」

ほむら「これでさやかと仁美の確執がなくなったわね」

ボーボボ「いい話やの~!」グスグス…

天の助「」チーン…



     そして、楽しい時間はすぐに過ぎていき…



ボーボボ「や、やっちゃった……。やっちゃったよぉ……!」つ包丁 プルプル…

首領パッチ「」氏~ん

天の助「お、落ち着け! とりあえず氏体をどうにかしないと……!」


        楽しいパーティの幕引きとなりました


さやか「ナレーションと絵が全く噛み合ってねぇーーーーッ!?」サヤーン!?

21: 2012/02/25(土) 22:33:38.23 ID:/qHGTx9n0



ほむら「あんなにあった料理を全てたいらげるなんて…」

マミ「作り甲斐があったわ」

絶望君「えっ! クッキーもう無いの!?」

マミ「え、ええ。みんなが食べちゃったし……」

絶望君「ガーーーーン!!」ガーン!


首領パッチ「選手の方はスタート位置にお着きください」

絶望君「……」

首領パッチ「よーい……どん!」つピストル ドン!

絶望君「―――ッ!!」ダッ!

絶望君「ウオオオォォォッ!」ダッダッダッ!


       窓 < パリィーーーーンッ!


まどか「クラウチングスタートから流れるように自頃したぁーーーッ!?」マドーン!

絶望君『クッキーの 無き世に未練は とうにない』ヒューーー…

さやか(一句詠んだ!?)

ボーボボ「余興にはちょうどいい」

杏子「ひでぇ!?」


23: 2012/02/25(土) 22:35:21.98 ID:/qHGTx9n0



マミ「さて、そろそろお開きなわけだけど……」

さやか「はいはいっ! ちょっといいですかー?」ノ

マミ「なぁに、美樹さん?」

さやか「このパーティの主役ってやっぱ私な訳でしょ? じゃあ、やっぱりあたし、最後に言いたいことがあるんです!」

マミ「いいわよ、さあどうぞ」

さやか「首領パッチ、マイクちょうだい!」

首領パッチ「ほらよ」

Mike「ハローエブリワン!」

さやか「そんなありがちなギャグはいいから、さっさと寄越せ!」つマイクガバッ

Mike「オーマィガッ」

首領パッチ「本当はハーフナーを出したかったけど、よく考えたらサッカーそんなに詳しくなかった……」ズーン…

まどか「な、何言ってるの首領パッチ君……!?」


24: 2012/02/25(土) 22:37:34.11 ID:/qHGTx9n0



さやか「え、えーと、どうも主役のさやかちゃんです」コホン

さやか「今日はあたしの為に集まってくれて、いや違うなー……。あー、今日はお日柄もよく……って何言って……」



さやか「と、とにかく! みんなありがとぉーーーーッ!!」



さやか「やっぱりちゃんとお礼を言わなきゃって思ってさ……」エヘヘ

さやか「みんなのおかげであたし、戻って来れました! 何度お礼を言っても足りません!」

さやか「迷惑かけてごめんなさい! そしてありがとう!」ペコリ!

さやか「これで終わりです!」


まどか「いいんだよ、さやかちゃん。みんなさやかちゃんを助けたくてしたことなんだもん」

ほむら「当たり前よ」

Mike「オォ、ビューティフォー!」パチパチ

杏子「また魔女になったらぶん殴ってやるからな!」

マミ「あはは、それはやっぱり遠慮したいわね…」

さやか「みんな……!」



25: 2012/02/25(土) 22:39:18.62 ID:/qHGTx9n0



  ~マミ'sマンション前~


マミ「じゃあ、さようならみんな」

杏子「ああ、アタシらはこっちだから」

ソフトン「うむ」

魚雷ガール「ええ」

杏子「ナチュラルについてくんじゃねーよ、魚雷野郎」

まどか「バイバイ、杏子ちゃん!」

さやか「またね!」

首領パッチ「一人でバクバク食いやがって! 塩まいてやる、塩!」パッパッ!

杏子「テメーもコーラを独り占めしてただろうが!」



OL「あ、すいませーん」

マミ「あら、この前の……」

OL「やっぱりここにいた、絶望君さん。急に消えちゃって、多分ここにいるんじゃないかと……」

絶望君「クッキ~……」シクシク

OL「はいはい、クッキーですね。じゃあ帰りましょうか」

マミ「さようなら~」

絶望君「クッキ~…」ズルズル…

27: 2012/02/25(土) 22:42:16.97 ID:/qHGTx9n0



KING鼻毛「Nーーー…。俺も帰りますか」

ボーボボ「……」アフロ < パカッ

KING鼻毛「チャオ☆~」ゴソゴソ

まどか(ボーボボのアフロの中に帰るんだ……)

ボーボボ「入店拒否!!」ボキャッ!

KING鼻毛「NOooo!?」ズサー!

KING鼻毛「ちょっ、えっ? What!? 俺だよ、KING鼻毛本人だよ!?」

ボーボボ「郷里のおっかさんが言ってたぞ……」

KING鼻毛「えっ?」

ボーボボ「お前のような親不孝鼻毛は、JACK鼻毛に格下げされなさい!!」ブワァッ!

KING鼻毛「  」ガーーーーーン!!



田楽マン「んじゃ、俺も愛車で帰るか」

まどか「田ちゃん車持ってたの?」

田楽マン「いや、ロボだけど」

さやか(あのアゴ長ロボかよ…)

田楽マン「おーい、出番ゲリオーン! どこ行った~? 出番だぞ……あっ!?」


  レッカー車『出番ゲリオン「マジ勘弁してください……」』ブオオオオン…


田楽マン「ぎゃああぁぁ!? レッカー移動受けてるーー!? ショック!!」ガーン!


28: 2012/02/25(土) 22:44:07.24 ID:/qHGTx9n0



まどか「それじゃあ、私たちもそろそろ……」

さやか「そだね」

まどか「あっ、私たち仁美ちゃん達と帰るから」

仁美「行きましょう、まどかさん」

首領パッチ「帰りにゲーセンか保健所寄ろうぜ」

ほむら「な、何よその2択……」

さやか「えっ!? な、何でよ、あたし達みんな帰り道同じじゃんかっ!」

さやか「何であたしだけ除け者に……」

まどか「さやかちゃん、後ろ」

さやか「えっ?」クルッ


恭介「さやか……」←車椅子


さやか「あ」

まどか「上条君、車椅子だし誰かが押してあげないとね~」ニヤニヤ

仁美「それにさやかさんに『お話』があるようですし~」ニヤニヤ

ほむら「腹を括りなさい」

さやか「あ、あんた達~…」カアアァッ


29: 2012/02/25(土) 22:46:39.24 ID:/qHGTx9n0



まどか「私たち、邪魔にならないように仁美ちゃんちの車で帰るから」

志筑家執事「お嬢様」


     リムジン「プップー!」


仁美「あら、ご苦労」

首領パッチ「かっけーー!」

天の助「おお、金持ちの車……」

さやか「いやいやいや!? どう考えてもそれで恭介を乗せて送ってあげたほうが…」

仁美「出発」

志筑家執事「はっ」

リムジン「ブオオオオオオオオォォン!!」ゴォーーー!

さやか「い、いっちまいやがった……」


さやか「ま、マミさん!」

ボーボボ「それで、ザムザはサナギから成虫になり、地球侵略に乗り出す訳だ」スタスタ

マミ「なるほど」スタスタ

さやか「OH…」



さやか「……」ポツーン

恭介「……」ポツーン


さやか「……帰ろっか、恭介」

恭介「ああ……。その、さやかは一緒に帰るのがイヤなのかい?」

さやか「違うよ、あのー……。心の準備ってもんが……ね?」

恭介「それもそうだね」

30: 2012/02/25(土) 22:49:16.69 ID:/qHGTx9n0



       カラカラカラカラカラカラ…


車椅子の移動している音だよ 親をロケット団に殺されたカラカラが亡骸の前で慟哭している音じゃないよ



さやか「まだお尻痛いの?」

恭介「ああ、ダイレクトに刺さったからね……。せっかく足も治ったのにしばらくは立てそうにないや」

さやか「そっか、足も治ったの……。よかった……!」

恭介「……」

恭介「さやか、僕の手のことなんだけどさ……、君が願いを」

さやか「待って恭介」

恭介「えっ?」

さやか「その願いはあたしが勝手にしたことなの。恭介に感謝してもらう為にとか、そういうのが目的でやった訳じゃないの」

さやか「それに、マミさんやボーボボみたいに町の安全を守るヒーローに憧れてた節もあるし…」アハハ…

恭介「……」

さやか「だからさ、願いを叶えてもらった恩があるから付き合うってのなら、それは……」


恭介「さやかはさぁ……僕を苛めてるのかい……?」

31: 2012/02/25(土) 22:50:23.30 ID:/qHGTx9n0


さやか「……えっ?」


恭介「事故にあった後に真っ先に来てくれて、僕が無事って聞いて泣いてくれて、でも手に後遺症が残るって聞いたらまた泣いて……」

恭介「毎日のようにお見舞いに来てくれて、退屈しないように本やCDを持ってきてくれて……」

恭介「キツイ事を言ってもそれでも側にいてくれて、いつも笑顔でいてくれて……」

恭介「その上、僕に奇跡を起こしてくれた……。そんな君に礼を言うなだって? ふざけないでくれよ」

恭介「頼むから、お礼を言わせて欲しい。そして、告白の返事も聞きたい」


恭介「『ありがとう、大好きだよ』って僕は言いたいんだ」

さやか「恭介……」

32: 2012/02/25(土) 22:53:37.57 ID:/qHGTx9n0


さやか「ごめんね、あたしまた恭介のことを考えずに……」

恭介「いいんだよ、そこがさやかの良いところでもあるし、さやかだから仕方がないし」

さやか「ちょ、ちょっとそれどういうこと?」

恭介「冗談さ、冗談」


恭介「それじゃ、直球で言わせてもらうよ。君のことが好きだ、さやか」

恭介「返事を聞かせてもらえるかい?」

さやか「……」


さやか「よろこんでっ!」ニッ!



    ガサガサガサッ!


さやか「うわっ!? な、何? 草むらから…!?」

     ガサガサッ!

恭介「し、白い影……ダニー!?」


33: 2012/02/25(土) 22:55:03.00 ID:/qHGTx9n0


      ガサッ!


QB「やあ、さやか久しぶり」

恭介「違った! 全然違った!」

さやか「キュゥべえ……!」

QB「まあまあ、怒らないでよ。ひとまず再会を喜び合おうじゃ…」

QB「」さやかちゃんソード < ドスッ!

恭介「うわわっ! さ、さやか! これは動物愛護団体が黙っていないよ!」

さやか「大丈夫、こいつエイリアンだから」

恭介「はあ!?」


QB「ヒドいなぁ。まるでほむらみたいじゃないか」ヒョコッ

恭介「に、2匹目!?」

さやか「さっさと消え失せてくれる? つか氏ね」

QB「何でこんなに嫌われちゃったかな? 僕は祝福に来ただけなのに」

さやか「祝福?」

QB「そうだよ。魔女から魔法少女に戻れて嬉しいだろう? まあ寿命が少し延びただけで、遅かれ早かれみんな魔女になるんだけどね」

さやか「ホント腹立つわね、あんた」

恭介「さ、さやか、何なんだこのしゃべる生き物は……」

さやか「全ての元凶だよ。見つけたら一発殴っていいから。……つーか」


34: 2012/02/25(土) 22:57:12.99 ID:/qHGTx9n0


さやか「何で恭介にあんたの姿が見えてるのよ?」

QB「彼は魔法少女のことを知ってしまった。ならばもう部外者ではない」

QB「こちらから見えるようにしてあげたのさ。何か利用できるかもしれないしね」

さやか「そう……。よかった、>>1が設定を忘れたのかと思った」ホッ…

恭介「話についていけない……」

QB「僕は争うつもりはないよ。むしろ感謝してるくらいさ」

さやか「は?」


QB「僕達だって、リスクと効率を考えたうえで、一番犠牲の少ない方法をとっているつもりさ」

QB「でも君のおかげで、新しい道が開けるかもしれない。犠牲を減らせるなら、それに越した事はない」

QB「だからさやか、システムの改良に協力してくれないかい? データを取る為にもう一度魔女に…」さやかちゃんソード < ブスッ


QB「」チーン

さやか「帰ろ、恭介」

恭介「あ、ああ……」

35: 2012/02/25(土) 22:59:41.52 ID:/qHGTx9n0



  ~ほむほーむ~


まどか「バイバイ、ほむらちゃーん」手フリフリ

仁美「さようなら」

首領パッチ「アバヨ」

天の助「ダチ公」

ほむら「ええ、また明日」

リムジン「ブオオオオン!」ゴオォーーッ!


  ドア < ガチャッ

ほむら「…………」

ほむら「~~~~~~!!」プルプル


36: 2012/02/25(土) 23:00:22.03 ID:/qHGTx9n0


ほむら「~~~~やった! やったわ!」ホムン!

ほむら「さやかが戻ってきた……これは奇跡と言わざるをえない!」ホムホム!

ほむら「長い間夢見てきた未来が、今まさに目の前にある!」

ほむら「これなら<ワルプルギスの夜>の撃破も、もしかすると……!」

ほむら「……」


ほむら「いや、もしかするとではダメね。よく考えれば、私はここまでボーボボ達に頼りっぱなしだわ……」

ほむら「もちろん皆の力を合わせて勝利を掴めるのならば、それに越したこともないけれど…」

   バサッ>

ほむら「ん?」


     『資料』


ほむら(これは……、私が今まで必氏に集めてきた<ワルプルギスの夜>についての資料……)



  『キュゥべえに騙される前のバカな私を、助けてあげてくれないかな?』



ほむら「……」ギュッ


38: 2012/02/25(土) 23:04:52.13 ID:/qHGTx9n0



  ~翌日 通学路~


さやか「おはよう、まどか!」

恭介「やあ、みんな」カラカラ

まどか「あ、さやかちゃんに上条君! おはよっ!」

仁美「おはようございます」

天の助「二人で登校か、妬けるねぇ」

首領パッチ「キィー! 見せつけてくれちゃって! 天の助さん、私達も愛の深さを確かめ合いましょう!」

天の助「……いや、遠慮しとく」

首領パッチ「!?」

首領パッチ(て、天の助がギャグにノって来ない!? な、何故!?)

天の助「……」ポケーッ

首領パッチ(しかも、心ここにあらずといった様相……! まるで脳が腐ってるような反応!)

首領パッチ(こ、これはまさか……ハッ!)

            スッ
首領パッチ「ドキドキ」つ 天の助「ポケー」



    ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!


   ペラッ
   つ『賞味期限 1973.7.27』ゴゴゴゴゴゴ!


首領パッチ「!!!」ガガーーン!



首領パッチ「さっぱり分からねぇ!!」ガン!

さやか「いや、今おもいっきり原因分かったじゃん!」サヤーン!?

天の助「どーしたんだよ?」ポケー

まどか「そ、そろそろ学校に行こうよ……」ティヒヒ…

恭介「鹿目さんの言う通りだよ……」アハハ…

39: 2012/02/25(土) 23:10:00.55 ID:/qHGTx9n0



  木陰 < ガササッ



木|杏子「……」コソッ

杏子「さやかの奴、大丈夫そうだな……あいつも元の生活に戻れて嬉しいだろうね」

杏子「また変に負い目を感じてたら…って見に来たけど、これなら心配なさそうだ!」


      アハハハハ~ >


杏子「……」ジーー…

杏子(制服か……。そういやアタシ、一度も着たことがない……)

杏子(アイツら学校に行って何してんだろう? どんな勉強してるのかな)

杏子(難しいのかな? でもやっぱ毎日笑いながら通ってるし、楽しいのかも……?)

杏子「アタシもあの輪に入れれば……」ボソッ


杏子「!」ハッ!

杏子「な、何考えてるんだろ、アタシ!? ああ~! 何か恥ずかしい!!」アンアン!

杏子「止めだ、止めっ! さやかも大丈夫そうだし、さっさとズラかろう!」クルッ



ともだち楽マン「きょ~う~こちゃん……、あ~そび~ましょ~……(低音)」ズオオオオン…


杏子「ぎぃやああぁぁーーッ!?」アンアーーン!?



            ギャァーーー>

恭介「な、何か悲鳴が?」

仁美「ホントですわ、何だか不気味……」

首領パッチ「サウンドノベルで油断してたところに悲鳴のSEが急に鳴ったら超ビビるよな」

まどか「だね」

さやか「今はマジで遅刻の危機だし、学校に急ごうよ」

40: 2012/02/25(土) 23:13:29.42 ID:/qHGTx9n0



杏子「で、で、田楽テメぇぇぇ!!」ギュウウウゥ!

ともだち楽マン「引っ張らないでぇ! このマスク自前なの!」イヤー!

杏子「いきなり何すんだ!?」つ友達マスク スポン!

田楽マン「きょ、杏子を見つけたからちょっと驚かしただけなのら! そんなに怒らないで!」

杏子「次やったらマジで潰すからね!(……ん?)」

杏子(……じゃあ、コイツさっきのアタシの話聞いたんじゃ?)タラー…

田楽マン「のら?」


杏子「お、おい、田楽。テメーさっきの話聞いてたのか?」アセアセ…

田楽マン「……ふっふふ」

田楽マン「そりゃ、もうバッチリ!」ニヤリ!

田楽マン「『な、何考えてるんだろ、アタシ!?』から聞いてたのら!」ババーーン!

杏子(あ、思ったより聞いてないコイツ)


杏子「ならいいよ。んじゃ、アタシ帰るから」スタッ

田楽マン「あ、僕もついてくのら」

杏子「いや、来んなうっとうしい。これやるからどっか行け」つポッキー スッ

田楽マン「くっ! 俺が犬だからって、そんな汚い手を!!」

杏子「オメー、犬だったのかよ……。ほら、シッシッ!」シッシッ!

田楽マン「ヒドい奴なのら」トボトボ

杏子「ソフトンのとこにでも行くか。ソフトクリームでも奢ってもらお」スタスタ


田楽マン「……」トボトボ

田楽マン「……ふっ」ニヤリ

田楽マン「ちゃーんと聞かせてもらったぜ、杏子ちゃんよぉー」ニタニタ


41: 2012/02/25(土) 23:15:05.09 ID:/qHGTx9n0




  ~学校~


魚雷ガール「別に一日くらい休んでもいいでしょ? 文句ないわね? ん?」グググ!

教師「そ、それはもちろん……」ガクガク

まどか「あ、先生おはようございます」

さやか「ちわーーっす」

魚雷ガール「あらあら元気ね」ニコニコ

教師「く、首! 絞まっ!!」バンバン!

天の助「おはようございます」ニコニコ

魚雷ガール「朝から変なもん見せんじゃねぇーーーッ!!」ブン!

天の助「ぶへぇッ!?」ゴバァッ!

教師「ぐばぁッ!?」グフッ!

魚雷ガール「先生は! 朝は低血圧なの! 魚雷だから!」バッバッバ!

恭介(ひでぇし、魚雷関係ねぇ……)

42: 2012/02/25(土) 23:15:49.05 ID:/qHGTx9n0


さやか「はい、到着だよ!」

恭介「ありがとう、さやか」カラカラ

中沢「おぉっ!? おやおや!」

中沢「上条と美樹が一緒に登校……、しかも心なしか距離が近い! これはついに二人が結ばれたって訳か!」

さやか「もー、中沢ったら……」

恭介「でも、間違ってはないよね、さやか」

さやか「ねー♪」サヤサヤ♪

クラス全員「「「!?」」」


クラス全員(((あ、あの超奥手の美樹さやかと……!)))

クラス全員(((超鈍感な上条恭介が……!?)))

クラス全員(((そんなバカな!?)))ガガガーン!

首領パッチ「マジでショック~♪」


中沢「ななな、何があったんだお前ら!? ありえねー! マジでつき合うなんて!?」

恭介「そんなこと言ったって、つき合ってるしね」

さやか「ねー♪」サヤサヤ♪

中沢(う、うぜぇ……)プルプル…


43: 2012/02/25(土) 23:17:31.41 ID:/qHGTx9n0



ほむら「うっとうしいカップルね」

まどか「あ、ほむらちゃんおはよう!」

ほむら「おはよう、まどか」ニコッ

まどか「?」

ほむら「……」つナデナデ

まどか「わわっ? 急にどうしたのほむらちゃん!?」マドッ!?

ほむら「なんとなくよ。気にしないで」つナデナデ

まどか「気にしないでって……。は、恥ずかしいよぉ」マドマドォ…

ほむら「……」つナデナデ


ほむら(まどか……、あなたとの約束は必ず守るわ。私の命と引き替えにでもね)

ほむら(今回のさやか救出作戦のおかげで、私は自分の目的を改めて思い出せたわ)

ほむら(必ず明るい未来を手に入れてみせる!)


ほむら「まどか……私は…」つナデナデ

まどパッチ「何、ほむらちゃん?」

ほむら「」



まどか「さやかちゃん、2時間目の数学の宿題のことなんだけどさ……」つノート

さやか「あれ、さっきほむらといなかったっけ?」

まどか「うん、恥ずかしかったから首領パッチ君とすり替わって来ちゃった」テヘマド☆


ほむら「ま、まどか~……。ひっ、何か手がヌルヌルする!?」つヌルヌル~…

首領パッチ「これぞ東京名物ハジケ汁。雨に濡れた犬の臭いで有名だぜ」

ほむら「さ、最悪だわ……」ホムーン…

44: 2012/02/25(土) 23:20:33.35 ID:/qHGTx9n0




  ~三年教室~


マミ(きっと今頃鹿目さん達はハシャいでるのでしょうね)

マミ(ああ、3年生であることをこれほど後悔したことはないわ……)

ボーボボ「なら留年すればいいじゃな~い」ウフフ

マミ「」

クラスメイト「」


マミ「ぼ、ぼ、ボーボボさん!? どうしてここに!?」アワワ!

ボーボボ「俗世を見て回ってる。皇族にはこんな機会が滅多にないからな」

マミ「皇族!? しれっとウソをつかないでください!!」

クラスメイトA「と、巴さん、そのアフロさんは?」

クラスメイトB「すげぇアフロ……?」

クラスメイトC「何だあのグラサン、どう見ても怪しいな」

クラスメイトD「ま、まさかあの優等生の巴さんの知り合い!?」

マミ(し、しまった、どう言い訳すれば!? 正直、魔法少女がバレることよりキツイ気が……)

クラスメイトE「ていうか、不審者っぽいし先生に言ったほうが……」

マミ(どどどどどーしよ!?)マミミミ…!

ボーボボ「落ち着け! 同じ学び舎で奮励努力してきた仲じゃねーか!」

ボーボボ「一年間家族同様に過ごしてきたのに、何が原因でいがみ合っているんだ!?」



        『お前が原因だよ……』



   ドア < ガラッ

校長「おい、騒ぎを聞いて来てみれば何だ君は!?」

ボーボボ「父さん!?」

校長「えぇっ!? いや違う、絶対違う!」

担任教師「と、とにかく来なさい! 暴れるな!」グイグイ!

ボーボボ「や、止めろ、俺は無実だぁーーッ!!」ジタバタ!

校長「こ、このアフロ野郎……!」グググ!

担任教師「校長、警察呼びましょう!」

ボーボボ「うおおおぉぉッ!?」

45: 2012/02/25(土) 23:22:09.58 ID:/qHGTx9n0


   ドア < ガラッ


クラスメイツ「「「……」」」

マミ(……視線が痛い)マミーン…

クラスメイトA「あの~、巴さん。あの人と知り合いのように見えたんだけど……」

マミ(止めてお願い、話を振らないで!)


    ドア < ガララッ


ボボ八先生「はい、席につけお前ら~」

担任教師・校長「ぐ、ぐふぅッ…」ボロボロ…

マミクラスメイツ「「「ええええぇぇぇーーーーッ!?」」」マミーーン!


ボボ八先生「今日からここの担任になったボボ八だ。ちなみに担任と校長との話し合いは平和的に解決した」

クラスメイツ(((絶対ウソだ……)))

ボボ八先生「俺は今までの担任とは違ってスパルタ教育でいくからな」

クラスメイトB「あ、あの~、先生は巴さんとどういう関係で……?」

ボボ八先生「そのことについてはNOコメントだ。罰としてお前、70日間日直な」

クラスメイトB「えぇーー!?」ガーン!

ボボ八先生「マミを困らせる奴は俺が許さん。他の奴らも同じ質問したらぶっ飛ばす」

マミ(ボーボボさん、私のこと考えて……)ジーン…!

マミ「……」


マミ「いや、これ逆効果じゃない?」マミーン…

46: 2012/02/25(土) 23:23:03.36 ID:/qHGTx9n0



ボボ八先生「授業が始まるまでまだ少し時間がある。今から自由にしてよし」


      ざわざわざわざわ


マミ「もう、ボーボボさん! 一体どういうことですか!?」

ボーボボ「まあ落ち着け。何もただのおふざけで来たわけじゃない」

ボーボボ「学校の時間帯はマミや他の魔法少女との連絡が取りづらい。キュゥべえの行動も注意しなければならない今、この方が何かと動きやすい」

マミ「本音は?」

ボーボボ「家で一人は寂しいもん」ウルウル…

マミ「はぁ……、分かりましたよ。あんまり目立った行動はしないでって、もう十分目立ってる……」


    トコトコトコ


田楽マン「やっほー、ボーボボ~、マミ~」トコトコ

ボーボボ「田楽マン」

クラスメイツ「「こ、今度は何アレ? また巴さんの知り合い?」」ザワワ

マミ「どんどん私の交友関係が怪しくなっていく……」マミーン…

マミ「どうしたの田ちゃん?」

ボーボボ「何の用だ」

田楽マン「へっへっへ、耳寄りの情報があるんですよ、旦那~」ニヤニヤ

ボーボボ「情報?」


47: 2012/02/25(土) 23:25:38.92 ID:/qHGTx9n0



   ~昼休み 屋上~


さやか「恭介、あ~ん」つタコさんウインナー

恭介「は、恥ずかしいよさやか! 大体、手は治ってるんだから食べさせてもらわなくても…むぐっ!」

さやか「もう~、恭介ったら~!」サヤサヤ


ほむら「……ウザイわ」

まどか「お、思っても言っちゃダメだよ…」

仁美「……ウザイですわ」

まどか「ひ、仁美ちゃんまでぇ……」


まどか「あれ、首領パッチ君と天の助君は?」

首領パッチ「いやぁ、遅れちった。売店が込んでてよぉ」

まどか「あ、首領パッチ君。天の助君は?」

首領パッチ「いや、知らん」つ袋『焼きそばパン 天の助「……」 コーラ』ガサゴソ

まどか「購入されてるーー!?」マドーン!?

まどか「え、え!? まさか、賞味期限が切れてたから新品の天の助君を購入……!?」

 天の助「……」

 天の助「いや、これ俺の寝袋だけど?」

まどか「そうなの!?」



   ドア < ガチャッ


マミ「やっぱりここにいたのね」

ボボ八先生「お前らは腐りきったボンタンだ」

さやか「マミさん!」

まどか「ボーボボ、その格好どうしたの?」

ボボ八先生「今日からここに赴任した。学校ではボボぱっつぁん、もしくはイヴァン雷帝と呼べ」

ほむら「ら、雷帝?」

さやか「へー、ボーボボが先生か~! 学校が賑やかになって今まで以上に楽しくなっちゃうな!」

48: 2012/02/25(土) 23:27:23.40 ID:/qHGTx9n0



ボボ八先生「今日は面白い情報を持ってきたぜ」

田楽マン「俺がリークマンね!」

仁美「情報?」

まどか「一体なんなの、イヴァン雷帝?」

ほむら「そっちで呼ぶの、まどか!?」

ボボ八先生「ああ、実はな」ゴゴゴゴゴ…

ほむら(……ん? ボーボボの後ろに何か気配が…)

ボボ八先生「杏子のことなんだが…」


    イヴァン雷帝『……』ゴゴゴゴゴゴゴ!!


ほむら「本人が憑いてるぅーーーッ!?」ホムーン!

マミ「しかもかなりお怒りのよう!!」マミーン!


ボーボボ「ん、何だ? 俺の後ろを見て……?」クルッ


    イヴァン雷帝『……』ズドドドドドド!


ボーボボ「……」


ボーボボ「/////」キュン!

さやか「惚れた!?」


イヴァン雷帝『/////』キュン!

恭介「向こうも!?」


ボーボボイヴァン「『/////』」スタスタ


          エンダァーーーイヤァーーー♪


さやか「ちょちょちょ、どこいくの!?」

マミ「帰ってきてください、ボーボボさん!」

田楽マン「しゃーねーな! んじゃ、俺が代わりに説明してやる!」バッ

田楽マン「耳の穴かっぽじってよく聞けよーーッ!!」つマイク

49: 2012/02/25(土) 23:29:14.27 ID:/qHGTx9n0



まどか「イヴァン雷帝ー!」

ほむら「だから、それで呼んだらどっちがどっちか……」

マミ「ボーボボさん!」

仁美「あらあら」

恭介「こんなに賑やかなのも久しぶりな気がするなぁ」

さやか「そだね」

承の助「俺だって背後霊くらいいるぜ!」ゴゴゴゴ

花京院パッチ「幽波紋? 幽波絞?」ゴゴゴゴ



田楽マン「……」

田楽マン「俺だって、こんな扱い……」

田楽マン「イヤだぜ!!」バッ!

田楽マン「花火ッ! 花火ッ! 俺は花火ッ!」ピョーンピョーン!

ほむら(ついに壊れた……)

まどか「やっぱり可哀想だから話聞いてあげようよ、みんな」ウェ、ウェヒヒ…

さやか「仕方ないわねぇ…」

田楽マン「まるで線香花火のような人生ッ!」ピョーン!

まどか「ねえ、田ちゃん話聞かせて?」

田楽マン「……」


田楽マン「誠意が足りんなぁ~……。『聞かせてください、田楽マン様』だろうが? あ"?」ギリリッ


ほむら「さっさと話しなさい」つベレッタ < シュウ~

田楽マン「喜んで……」ボロッ


50: 2012/02/25(土) 23:30:22.39 ID:/qHGTx9n0




  ~田楽説明中 しばらく田楽でお待ちください~


田楽マン「あれッ!? 俺が説明してんのにこのシーン俺を徴用すんの!? 意味無くない!?」


         ~意味はない~


田楽マン「えぇーーーッ!?」ガーン!




         ~田楽説明終了~


まどか「きょ、杏子ちゃんが学校に!?」

仁美「まあ!」

マミ「話を聞く限り、そうみたいね」

ほむら「聞き間違いじゃないかしら。杏子が自分から学校に行きたがるなんて……」

田楽マン「いーや、間違いないね! この耳でちゃんと聞いたのら!!」

恭介「耳どこだよ」

まどか「でもスゴく素敵なことだと思うな! 杏子ちゃんとも一緒に学校に行けたら、それはとっても嬉しいなって!」

マミ「確かに楽しくなるし、魔法少女のコミュニティが発展するのは喜ばしいことだわ」


ほむら「でもやっぱり腑に落ちないわね。あの杏子が……」

天の助「まあまあ。不良だった奴が急に学校に通い出すことってよくあるぜ?」

首領パッチ「そうそう!」


   杏子『オ…オレ…故郷に帰ったら学校にいくよ…。 頭悪いって他のヤツにバカにされるのもけっこういいかもな…』


ほむら「それ氏亡フラグじゃない!」

51: 2012/02/25(土) 23:30:56.48 ID:/qHGTx9n0



ボーボボ「俺は大いに歓迎だ」

まどか「ボーボボ! あの人はどこにいったの?」

ボーボボ「遠距離恋愛という形で決着がついた」

  イヴァン雷帝「故郷は極寒の地(ハート)」

さやか「付き合うんだ!?」サヤーン!?


ボーボボ「<ワルプルギスの夜>の発生までもうあまり時間は無い。それまでの間、出来るだけ同じ時間を共有するのが望ましいな」

さやか「息の合ったコンビネーションを出す為には、そういうのも必要だもんね!」

ボーボボ「そして杏子自身の為でもある」

マミ「確かに……。あの年で教育機関に所属していないっていうのは色々と問題があるわね。あの子の未来にも……」



ボーボボ「よし、俺から学校に掛け合ってみよう」

まどか「本当に!?」

骸骨ボーボボ「杏子を学校に通わす為だ。人肌脱ぐぜ」ハラリ…

さやか「脱ぎすぎ! 骨見えてる!」

ほむら「そ、そんなに勝手に話を進めていいものかしら? 杏子に一度確認を取ったほうが……」

田楽マン「甘いのら、ほむら」チッチッチ

田楽マン「杏子のことだからそんな話すれば、恥ずかしくてすぐに拒絶するのら。ここは多少強引でもサプライズという形で遂行するのが一番なのら!」

ほむら「うっ…(コイツに正論を吐かれるとは……)」

52: 2012/02/25(土) 23:31:53.22 ID:/qHGTx9n0


さやか「サプライズ! いいね、それ! 杏子の驚く顔が目に浮かぶなぁ!」

仁美「お友達が増えるのはとてもいいことですわ」

恭介(あのポニーテールの子か? 僕の分までツッコミをいれてくれるかも……)

天の助「まあ、パシらせてやるか」

首領パッチ「下っ端だしな」

まどか「じゃあじゃあ、杏子ちゃんには秘密ってことだね!」

さやか「ボーボボ、あたしも手伝うよ! 杏子にはたくさん恩があるからね」

マミ「それじゃあ私も!」

まどか「あ、私も~。 ほむらちゃんは?」

ほむら「じゃ、じゃあ私も……」

ボーボボ「さっそく放課後に校長室に襲げ…話し合いに行こう!」



       「おおおおおぉぉーーーーッ!」


.

53: 2012/02/25(土) 23:32:40.83 ID:/qHGTx9n0



   ~風見野市~


杏子「ぶぇっくしょいッ!!」クシュン!

杏子「あ"あ"ー、ちくしょいっ! 花粉症か?」ズルズル

ソフトン「誰かが噂をしているのかもな」

杏子「一体誰が……って、あのバカどもしかいねーか」

杏子「つうか、ソフトン風見野まで戻って何してんだ?」

ソフトン「<ワルプルギスの夜>に向けて、しばらくはボーボボ達のいる見滝原に本拠地を移すだろう?」

ソフトン「だから家財道具、もとい店を取りに来た」


     『ソフトクリーム屋ワゴン車』


杏子「あー、そっか、そうだよな~」

ソフトン「お前も忘れ物があるのなら取りに行ったらいい。当分風見野には戻らないだろうからな」

杏子「うーん、別に忘れ物も何もねーな。あの協会に何か残してた訳でもないし。つーか家財道具は親父達が持って行っちゃったし」

ソフトン「そうか」

杏子「にしても、ソフトンはすげぇな。最初は地面に埋まるアルバイトだったのに、今では店長にまで登りつめちゃったんだからな」

ソフトン「暖簾分けをしたようなものだ。それにお前が手伝ってくれたお陰でもある」

杏子「そうか? そうかな? へへへ~」テレテレ

54: 2012/02/25(土) 23:33:24.13 ID:/qHGTx9n0


杏子「ん? あっしまった、ポッキー買い忘れてた!」ハッ!

ソフトン「……必要な物か?」

杏子「モチ! アタシのチャームポイントだぞ!」

杏子「ちょっと買ってくる! 出発は待ってね!」タタタタ!

ソフトン「そんなに急がなくてもいいものを」



ソフトン「……」

ソフトン「出来ることなら杏子にも普通の中学生の生活をさせてやりたいものだ……。さやか達と同じような」

ソフトン「しかしそれも難しい話だろう。今は目の前の闘争に集中しなくては……」

55: 2012/02/25(土) 23:34:17.10 ID:/qHGTx9n0



  ~放課後 校長室~


さやか「えー、ダメなんですか!?」

ボボ八先生「は?」

校長「ぼ、ボボ八先生……いくら何でもそれはムチャクチャですよ……」

ボボ八先生「は?」ギロッ

校長「ひぃッ!? そ、そもそもアンタこの学校の教師じゃな…」

ボボ八先生「(エヴァ)破?」

校長「ひぃぃ!?」ガクガク

マミ「ぼ、ボーボボさん、あまり威圧したら……」

まどか「校長先生、どうして杏子ちゃんはダメなんですか?」

校長「どうしても何も当然だろう」

校長「君たちと同じ2年生に編入させる為には、少なくとも1年生の学習、それ以前に小学校の教育を受けていないといけない」

さやか「あー、あいつ勉強なんかしてなさそうだなー……」

校長「その子だってロクに素性が知れないんだろう? 学校の管轄外の書類だって必要になる。それが揃わない内は無理だ無理!」

ボボ八先生「テメー……、そんなに俺の『ぱっつぁんナックル』を喰らいたいのか?」ゴゴゴゴゴ!

校長「だ、ダメなものはダメだ!!」

さやか「今日は諦めようよ」

まどか「そうだよ、ボーボボ」

ボーボボ「チッ。しかたねー」

56: 2012/02/25(土) 23:34:46.80 ID:/qHGTx9n0


    スタスタスタ…



校長「や、やっと行ったか……。やれやれ、とんでもないことになった」

校長「これ以上訳の分からない連中を学校に入れられるか…」

    パサッ…

ハゲ校長「ん?」


首領パッチ「……」つヅラ


ハゲ校長「……」

首領パッチ「……」つヅラ


首領パッチ「全校生徒の皆さあああぁぁぁん!!」ダッダッダッダッダッダ!

ハゲ校長「待って! マジで待って! お願い止まってぇぇ!!」


57: 2012/02/25(土) 23:36:17.42 ID:/qHGTx9n0




  ~ファーストフード店~


ボーボボ「やはり俺たちだけで杏子を入学させるのは難しそうだな……」

まどか「そんな……」

ボーボボ「判子や家族状況の確認書類……その他諸々が必要になるな」

仁美「杏子さんの家族……ですか?」

まどか「杏子ちゃんのお父さんやお母さんって何してるんだろう? 杏子ちゃん、あまり自分のことは話さないから……」

まどか「さやかちゃん、杏子ちゃんと仲がいいし何か知ってる……、ってさやかちゃんは?」

仁美「上条君と一緒に病院に行きましたわ。上条君のお尻の検査をするとか……」


     さやか『ごめんねー☆』


まどか「えぇー……」

ほむら「あの青……」

まどか「マミさんは?」

マミ「ごめんなさい、確かに一緒に戦ったりもしてたけど、お互いにそういうプライベートなことは不干渉にしてたのよ」

まどか「そう……ですか」


58: 2012/02/25(土) 23:37:21.00 ID:/qHGTx9n0


まどか「そうだ! 首領パッチ君と天の助君って、あの時(第7話)杏子ちゃんと一緒に居たでしょ。何か知ってるんじゃない?」

首領パッチ「……何ソレ?」

天の助「知らんけど」

まどか「うわ、もう忘れてる……」

首領パッチ「あ、そういえば!」

まどか「思い出した!?」

首領パッチ「『杏子』ってキョウコって読むんだな」

まどか「そこからぁーーーッ!?」マドーーン!

男「!?」ビクッ

女「!?」ビクッ

子「!?」ビクッ

まどか「あ、すいません、大声出して……」ペコペコ

男「い、いえ……」

まどか「もう! 首領パッチ君のせいで、隣の人に変な目で見られたじゃない!」

首領パッチ「アンコじゃないんだなー」シミジミ

59: 2012/02/25(土) 23:40:06.24 ID:/qHGTx9n0



ボーボボ「手がかりはナシか」

田楽マン「ダメダメなのら~」

まどか「どうしよっか? 何とかしてあげたいんだけど、これじゃあ……」

仁美「う~ん、悩みますわ……」ムムム…


  仁美「むむむむ、むむむ……!」ムムムム…!

       ポワポワポワ…

  まどか「うわぁ! すごくいい匂い!」

  首領パッチ「説明しよう! 仁美は悩み過ぎると頭が熱を発して、昆布だしのようないい匂いが辺りに漂うのだ!」

  まどか「すごいよ、仁美ちゃん! これで万事解決だね!」

  仁美「て、照れますわ~」

 ~~~~~~~~~~~~
       O
      0
     。
仁美「なーんて、うふふふ……」ホワンホワン

まどか「ど、どうしたの、仁美ちゃん……?」

60: 2012/02/25(土) 23:41:49.31 ID:/qHGTx9n0



まどか「ほむらちゃんは何か知ってる? 杏子ちゃんの家族のこと……」

ほむら「……」

ほむら(知っている……けれど、話していいものかしら?)

ほむら(一家心中で一人だけ生き残ってしまったなんて……、やはり私が勝手に話していいことじゃないわ)

ほむら(話すのならば杏子自身が自ら話すべきね)


ほむら「いえ、力になれなくて残念だけど。私も大して知らないの」

まどか「そっか……」


ボーボボ「取りあえず、今日は解散しよう。今夜の対<ワルプルギスの夜>訓練では杏子にこの事を悟られないようにしろ」

ほむら「えっ? そ、そんな訓練するの!?」

まどか「あれ、知らなかったのほむらちゃん?」

仁美「せっかくの訓練ですのに」

ほむら「な、何で仁美が知ってて、私が知らないのよ……」

天の助「あ、悪い、メール送り忘れてた」

ほむら「」


ボーボボ「ソフトンには俺が秘密裏に相談しとこう」つ鳩 < ポッポー

まどか「……もしかして伝書鳩で?」

ボーボボ「なっ!? 秘密の筈なのにどうして!?」

まどか「いや、だってそれ、鳩が……」

61: 2012/02/25(土) 23:42:53.28 ID:/qHGTx9n0



ボーボボ「それじゃ、支払い任せたぞ、天の助」

ほむら「よろしくね」

天の助「!?」

まどか「ありがとう、天の助君!」

マミ「助かるわ」

天の助「ちょ、ちょ、何で俺なの!?」

首領パッチ「諦めろパシり君」


天の助「た、頼むよ首領パッチ! お前も少しくらい払ってくれよ!」

首領パッチ「ふんふ~ん♪」つipod スチャッ

天の助「い、一瞬の内にイヤホンを装着するとは、やはりただ者ではない!?」

男「……」ジロッ

まどか「あっごめんなさい、うるさかったですよね」アセアセ

男「い、いえ……」


ボーボボ「おい、そろそろ行くぞ」

まどか「あ、はーい」

天の助「ちくしょう! しかたねー、払ってやるよ!」つ財布

      財布 < 二千円札s ゴバッ!

ほむら「二千円札しか入ってない!?」

天の助「日本中で押しつけ合っている二千円札は巡り巡って僕の財布に来るんです……」シクシク

ほむら「な、何だか悲惨…」


62: 2012/02/25(土) 23:49:30.79 ID:/qHGTx9n0


    ワイワイガヤガヤ


男「……」

子「お父さん、どうしたの?」

女「あなた……?」

男「いや……。ちょっとあのイヤホンの絡まりが気になってな」

女「もう、本当に変わってないわね、あなた」

子「お父さんったら~」クスクス

男「いや、もうあの時ほど熱中はしてないさ。何せ……」



杏子父「私たちは帰ってきたんだからな。ついに」

杏子母「ええ……」




92: 2012/03/22(木) 00:15:47.28 ID:3N6NQXId0



  ~町中~


まどか「あ」

さやか「お、まどかじゃん」

まどか「上条君と病院に行ってたんじゃないの?」

さやか「うん。結構あっさり診察終わっちゃってさ。家に送って帰ってきたよ。あんたらは?」

まどか「みんなで杏子ちゃんの事を話してたよ。でも、話がまとまらなくてね」

首領パッチ「ムダナカイギザウルス~♪」

天の助「んで、マミ達と分かれて帰る途中って訳」

さやか「そっか。じゃ、一緒に帰ろうよ」


    テクテク


まどか「……っていう感じで、書類とか色々必要ってボーボボが言ってたんだ」

さやか「ふ~ん、やっぱり簡単にはいかなそうだね」

まどか「そうだ! さやかちゃん、杏子ちゃんの家族のこと何か知らない?」

さやか「えっ、杏子の家族? あー……」


   『変な宗教』『何か残念な親父』『埋蔵金を追え!』モヤモヤ~


さやか「う、うん、ちょっと色々事情があるみたいだよ……」

まどか「そうなんだ……」

杏子「アタシがどーしたって?」

まどさや「「」」ギョッ

さかなクンの助「ギョギョッ!」

93: 2012/03/22(木) 00:17:13.78 ID:3N6NQXId0



さやか「きょきょきょ、杏子!? あんたいたの!?」

杏子「何でそんな驚いてんだ? アンタらの姿が見えたからちょっと声かけただけだよ」

まどか「も、もしかして聞いてた?」

杏子「 ? 何をだよ? つーかアタシの話してたろ、何の話だよ」

さやか<ど、どーしよ、どーやって誤魔化そう!?>テレパスィー

まどか<バレちゃったら大変だよぉ!>アセアセ

天の助<……>


天の助<みんなで……歌いましょう>



   交わした約束忘れないよ

            目を閉じ確かめる


           押し寄せた闇

                 振り払って進むよ



杏子「おい、何歌ってんだてめーら」

94: 2012/03/22(木) 00:17:52.04 ID:3N6NQXId0



       いつになったらなくした未来を



杏子「いつまで続けるつもりだ、コラ」



    変わらない思いをのせ 扉閉ざされた扉開けよう

      バカサバイバー 生き残れこれ バカサバイバー


杏子「おい、バカサバイバーになってるぞ」

首領パッチ「……」つ『J○SRAC』スッ

杏子「いらん気をつかわんでいい!」

95: 2012/03/22(木) 00:19:24.77 ID:3N6NQXId0



杏子「ホント、意味わからねーなお前ら」

さやか「は、ははは、あたしもこいつらに入れないでよ(誤魔化せたみたい……)」

杏子「一緒に歌ってた癖によく言うぜ」

まどか「ティヒヒ…」


さやか「そ、そうだ、杏子! あんた今からヒマ?」

杏子「あん? まあ、ソフトンの手伝いも終わったし、ヒマっちゃあヒマだけど?」

さやか「じゃあさ、ゲーセンいこ、ゲーセン! 一度杏子と一緒に遊びたかったんだ!」

杏子「ゲーセンかー。言っとくけどアタシ、かなり強いよ?」ニヤリ

さやか「ふっふふ、望むところよ!」


まどか「さやかちゃん? ゲーセンって……」

さやか<杏子にそれとなく聞いてみない? 学校のこととかをさ>テレパスィー

まどか<なるほど…>

首領パッチ「目から鱗だぜ……」鱗ポロポロポロ

さやか「ほ、ホントに鱗が落ちてる!?」

首領パッチ「はい、記念品」つ鱗 スッ

さやか「いらないよ、気持ち悪い!」


天の助「あ、金の鱗だ! おじさーん、『ハジケの缶詰』と交換してー!」つ金の鱗

まどか「どこぞのチョコ菓子!?」

首領パッチ「金なら100枚、銀なら500枚だよ。出直して来な」

さやか「難易度高ッ!?」

杏子「なー、そろそろ行こうぜ」

96: 2012/03/22(木) 00:21:37.32 ID:3N6NQXId0




  ~学校~


ボーボボ「お前は先に帰ってもよかったんだぞ」

マミ「ボーボボさんの用事なら手伝いますよ。でも、どうしてまた学校に戻ってるんですか?」

ボーボボ「俺は教職に就く者だ。受験生一人一人の進路の事を考えないとな」

マミ(ボーボボ、佐倉さんだけじゃなくクラスのみんなのことも……!)

ボーボボ「こいつはシベリア送りで……、こいつはマグロ漁だな。あとこいつは闇払いに推薦しよう」つ名簿パラパラ

マミ(…………やっぱ心配)マミーン…


マミ「ところで、ボーボボさん。佐倉さんのことなんですけど……」

ボーボボ「何だ?」

マミ「昔、私は佐倉さんと一緒に行動してたことがあるんですけど、その時にあの子は家族のことを全く教えてくれなかったんです」

マミ「おそらく、何か複雑な事情があると思うんです。だから、家族状況などの書類を揃えるのはかなり難しいんじゃ……」

ボーボボ「そのことも想定内だ」

マミ「えっ、それじゃあ何か作戦でもあるんですか?」

ボーボボ「ああ……」スッ



父ボーボボ「杏子のヤツも随分成長したなぁ、母さん」ババン!

マミ「……」

ボーボボ「……」

マミ「ノリませんよ?」

ボーボボ「ガーン…」シュン…

97: 2012/03/22(木) 00:23:23.07 ID:3N6NQXId0




  ~ゲームセンター~


     ワイワイガヤガヤ

さやか「ゲーセンに着いたよー!」

まどか「わーい!」

杏子「そーいや久々だな、ここ来るのも」

パチ天「「うおおおぉぉーーー、遊ぶぜぇーー!!」」ダッダッダ!

さやか「ちょっと、どこ行くの!?」

首領パッチ「決まってんだろうが! ゲーセンに来たら真っ先にすることはーーー!!」ダッダッダ!

天の助「ゲーセンと言えば、腕相撲マシンだろうがーーー!!」ダッダッダ!


 腕相撲マシン『フン、デカくなったな小僧』ウィーーン


まどか「まだそのゲーム置いてる店あったの!?」


首領パッチ「オラァーー!! 勝負じゃ、コラぁーー!」つガシッ!

      ボキィッ!

首領パッチ「うわぁーーーん、折れたぁーー!?」ギャァァァァ!

 腕相撲マシン『俺に後退は無い!』

天の助「コノヤロー、首領パッチの仇!!」つガシッ!

      パアァンッ!!

天の助「ひいいぃぃ、僕ちゃんの腕が木っ端微塵にぃーー!?」

 腕相撲マシン『天空の鳳凰は落ちぬ!』

さやか「何やってんのよ……」

98: 2012/03/22(木) 00:25:39.76 ID:3N6NQXId0


首領パッチ「杏子~、俺たちの代わりに戦ってくれよ~!」ウルウル

天の助「悔しいよぉ~!」ウルルンタイザイキ

杏子「何でアタシが……」つガシッ

さやか「とか何とか言って、やる気マンマンじゃん」

杏子「うっせぇ」


杏子「ふんぬ~!」グググ…

 腕相撲マシン『俺との戦いを避けてきたのではなかったのか?』ウィーーン

首領パッチ「行けー! やれ、杏子ー!」

天の助「そこだぁー! 秘孔を突けー!」

まどか「頑張って杏子ちゃん!」

      ワイワイヤンヤヤンヤ!!

さやか「いいぞー! ……あ(いけない、当初の目的を忘れるとこだった!)」

さやか(それとなーく、話を聞かなきゃ!)

99: 2012/03/22(木) 00:27:35.98 ID:3N6NQXId0


さやか「ねぇ、杏子……」


 腕相撲マシン『お、お師さん……』ガシャーーン


杏子「勝ったぁーー!」

首領パッチ「次! こっちに行こうぜ!」グイグイ

まどか「あ、待ってよ!」

杏子「おい引っ張るな!」グイグイ

天の助「次はガンシューティングだ!」

さやか「あ、ちょっと話が!」

     タッタッタッタッ…


  ドア < ウィーーン

モモ「うわぁ、ゲームがいっぱい!」

杏子母「あなた、どうして突然ゲームセンターに……?」

杏子父「杏子を見つけたんだ……」

杏子母「えぇっ!? ほ、ホントに? 見間違いじゃ…」

杏子父「確かに見たんだ、あの赤髪を……。あんな赤髪、私達の娘以外にあり得ない」

杏子母「た、確かに!」

杏子父「しかも、隣に青い子やピンクの子とかが居て、すごく目によろしくなかった」

モモ「お姉ちゃんいるの?」

杏子父「取りあえず探そう。離れないようにしなさい」

100: 2012/03/22(木) 00:31:17.05 ID:3N6NQXId0




  ~ほむら邸~


ほむら「ど、どういうこと!?」

ほむら「少し気になって杏子の家のことを調べてみたら……」


ほむら「どこにも一家心中の記録がない!」


ほむら「当時の新聞も週刊誌もインターネットでも調べてみたけれど、どこにも見あたらない」

ほむら「私の知らないところで一体何が起こっているというの……!?」

テレビ『続いてのニュースです……』

ほむら「まさか、佐倉一家はまだ生きている? それなら何故杏子が……でも、もしかして……いや……」

ほむら「何らかの理由で風見野を離れているのかしら。もし見つけることが出来れば、杏子を学校に通わせることも……」

ほむら「でも、そう簡単に見つかる訳が……」


テレビ『織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、明智光秀、武田信玄、歴史に名だたる武将の埋蔵金を次々と発見したことで知られる佐倉さんが……』

ほむら「見つかったぁーーーーーッッ!?」ホムーーン!?


ほむら「って、埋蔵金!? 娘ほっぽって何してるのあのエセ神父!?」

ほむら「しかも、どんだけ見つけてるのよ埋蔵金!」


テレビ『佐倉さんは、見つけた埋蔵金の多くを恵まれぬ子供達への寄付、及びコードが絡まらないイヤホンの開発費にあてると発表しています』

ほむら「絡まらないイヤホン!? ますます意味が分からない……」

ほむら「見つかったのはいいけど、何だかイヤな予感がするわ……」

ほむら「とりあえずは杏子を探しにいきましょう」スッ


102: 2012/03/22(木) 00:33:10.69 ID:3N6NQXId0




  ~ゲーセン~


首領パッチ「コレやろう、コレ! 絶対面白いぜ」つ100円 チャリン


  『カッパ君と遊ぼう! わくわくゲーム』<ピロリロリン♪


さやか「絶対つまんないでしょ、それ」

 カッパ君『僕はキュウリが大好きかっぱ~。君と一緒に遊ぶかっぱ!』

パチ天「「うおおぉぉ、楽しそう~~!」」ワクワク!

杏子「おい、それよりあっちのリズムゲーを……」

   『襲い来るゾンビをせん滅せよ!!』

   ゾンビ『ウガアアァァ!』

   カッパ『チッ、もう嗅ぎつけて来やがった!!』

杏子「そういうゲームなのか、それ!?」アンアン!?


まどか「あ……」

さやか「どうしたの、まどか?」

まどか「あのお人形がカワイイなぁ…って」


    『UFOキャッチャー』ウィーーン

.

103: 2012/03/22(木) 00:34:59.55 ID:3N6NQXId0

さやか「あー、確かにまどかが好きそうなぬいぐるみだね」

まどか「お小遣いあるし、やってみようかな……」

杏子「止めといた方がいいよ」

まどか「えっ?」

さやか「何でよ?」

杏子「ありゃあ、取れないよ。店員がわざと取りにくい位置に置いてやがる。よっぽどの腕じゃないと無理だな」

さやか「な、何それ! 腹立つ店!」

杏子「まどかなら30回位やれば取れるんじゃない?」

まどか「そ、そんなお金ないよぅ……。それじゃ諦めよっかな」

杏子「ようし、安心しな。アタシが取ってやる!」

さやか「おっ? 出来るの?」

杏子「アタシを誰だと思ってんだい?」

天の助「ゲームセンターあらし」

杏子「出っ歯じゃねぇ、ふざけんな」

104: 2012/03/22(木) 00:36:43.90 ID:3N6NQXId0


杏子「アンタ達とはゲーセン歴が違うの。まあ、ちょっくらお手本ってのを見せたげるよ」スッ

杏子「どれが欲しいの?」

まどか「えっと……、あの黒猫のお人形がいいな!」

杏子「任せな!」

まどか「頑張ってね杏子ちゃん!」

さやか「いったれー!」

首領パッチ「どれ、私もその勝負に参戦しましょうか……」スッ

杏子「は? 勝負?」

首領パッチ「先にまどかのお目当ての人形を取った方が勝ちだぜ! 幸い同じ商品のUFOキャッチャーが二台ある!」

杏子「そんな下らないことしなくても……」

首領パッチ「おやおや、杏子さんは負けるのが怖いんですか? とんだ魔法少女ですねぇ」ニヤニヤ

杏子「な、何ィ!? 上等だ、コラ! ぶっ潰す!」

首領パッチ「望む所じゃボケェーー!!」

まどか「何だか大事になっちゃった……」

さやか「杏子も乗せられやすいね」


天の助「両者、位置について……」

天の助「よーい…ドン!!」


首領パッチ「うおおおおぉぉぉぉーーッ!!」

杏子「おりゃああああぁぁーーーッ!!」

105: 2012/03/22(木) 00:37:55.88 ID:3N6NQXId0




 UFOキャチャー < ウィン、ウィーーーーン…


さやか「うわ、絵面地味っ……」

杏子「おらおらおらぁーーーーーッ!!」

首領パッチ「うらららららぁーーーーーッ!!」

まどか「でもスゴく白熱して……してるのアレ?」

さやか「いや、叫びの割に動きが無いからよく分かんない」

まどか「だよね」


杏子「奥義『ヤマクズシ』!!」ウィーーン!

さやか「杏子、あんた……!」

まどか「上の方の人形を狙った!?」

さやか「UFOキャッチャーは穴近くの人形を引っかけて落とすのが定石でしょ!? どうしてそんな無茶を……」

杏子「へっ、見てなって」


   人形 < コテッ


まどか「掴めずに掠っただけ……、これじゃダメだよ!」

さやか「いや、よく見て!」


   人形 < コロコロコロッ!


まどか「こ、これは!? 引っかけた人形が斜面を転がっている!?」

さやか「しかも、他の人形も巻き込んで……! それはさながら極寒の雪山の雪崩の如く……!!」

まどか「これが、『ヤマクズシ』……!」

106: 2012/03/22(木) 00:39:30.19 ID:3N6NQXId0



天の助「不味いぞ、首領パッチ! このままじゃ負ける!」

首領パッチ「分かっている。こっちも奥義を使おう」

まどか「首領パッチくんも!?」

首領パッチ「奥義『暴虐の帝王 ~ネロ~ 』!!」ゴゴゴゴゴ!

さやか「ぼ、暴虐ぅ!?」


首領パッチ「オラララララぁーーーッ!!」ドガガガガガッッ!!


   UFOキャッチャー < ガンガンガンガンガン!!!


まどか「ただ単に筺体を殴ってるだけだぁーー!?」マドーン!?

首領パッチ「落ちろぉーーー! 落ちろぉーー!!」ガンガンガン!

さやか「それルール違反でしょ! 店員に怒られるよ!?」

店員「あのー、お客様……」

さやか「ほら来た!」

首領パッチ「む! ならば、第2奥義!!」


首領パッチ「奥義『クレーマー・クレーマー』!!」


首領パッチ「オカシくねぇか、おい? コレ絶対取れねぇだろコラ、あ゙ぁ゙ん!?」

店員「そ、それはお客様……」

首領パッチ「慰謝料払え! 慰謝料としてあの人形ヨコせ!!」グイグイ

店員「お、お客様ぁ~……」

まどか「ガラの悪い客になった……」

107: 2012/03/22(木) 00:41:54.14 ID:3N6NQXId0


  ぬいぐるみ < ボトボトボトッ!


さやか「あっ」

杏子「っしゃあ! 5個ゲット!」

まどか「杏子ちゃんが先に取った!」

首領パッチ「どうやら引き分けか」

さやか「あれ、あんたも同時に取ったの?」

首領パッチ「ああ、ゴネまくったぜ」

杏子「反則だろそれ」


杏子「ほらよ、アンタのもんだよ。黒猫以外にも色々取れたけど」つ ぬいぐるみs スッ

まどか「ありがとう! スゴい……、1回で5個も……! あっ、お金払うね」ゴソゴソ

杏子「100円位いいって」

まどか「でも……そうだ! それじゃ、ハイ!」つ ぬいぐるみ

杏子「 ? アタシが取った人形……どういう意味?」

まどか「ティヒヒ、人形5個は流石に多いから。みんなにお裾分け! さやかちゃんにも!」つ ぬいぐるみ

さやか「あ、ありがと」つスッ

杏子「相変わらずだね。まあ、その人形はアンタのもんだし、どうしようがアンタの勝手だよ」

108: 2012/03/22(木) 00:43:28.20 ID:3N6NQXId0


まどか「はい、首領パッチ君、天の助君!」つ ぬいぐるみ

天の助「おう」

首領パッチ「んだよ、俺もせっかく取ってやったのに」

まどか「あ、首領パッチ君もありがとう!」

首領パッチ「せっかくお前の言ってた奴を取ったのによ」つ『きんにくピーマン』 スッ

まどか「何この人形!? 私コレ取ってって言った覚えこれっぽっちも無いよ!?」マドーン!

きんにくピーマン「喰らえ……」

まどか「しゃべった!?」

首領パッチ「ほらやる」

きんにくピーマン「喰らうがいい……」

まどか「い、いらない…」

109: 2012/03/22(木) 00:44:48.29 ID:3N6NQXId0


さやか(……はっ! 楽しすぎてまたまた目的を忘れてた! これじゃ、ただ遊んだだけで終わっちゃう!)

さやか「ねぇ、杏子。あんたさ学校に……」 ガンガン!>

杏子「あん? ん、何だこの音……?」 ガンガン!>

さやか「えっ?」チラッ



 UFOキャッチャー『田楽マン「……」』ジーーーッ



さやか「……」

杏子「……」


 UFOキャッチャー『田楽マン「し、しまった、コレは罠か!? 世界カワイイキャラ選手権の会場と間違えちまった!!』

 UFOキャッチャー『田楽マン「出してくれぇ! このままじゃ悪徳バイヤーに人身売買されちゃう~~!!」』ガンガンガン!!



さやか「……」

杏子「……」

さやか「向こう行こっか」

杏子「ああ」

UFOキャッチャー『田楽マン「ああっ、ちょっと待って! 助けてくれよ、ほらさっきみたいに俺をゲットしてよ!!』ガンガン!

さやか「えぇ~~……」

杏子「テメーの為に100円使うのはちょっと……」

UFOキャッチャー『田楽マン「ひ、ヒドい!!」』ガガーーン!



 「あっ! あのお人形さんかわいい!」


.

110: 2012/03/22(木) 00:46:00.36 ID:3N6NQXId0

さやか「え?」

UFOキャッチャー『田楽マン「ほ、ほら見ろ! 俺の可愛さが分かる人間はちゃんといるんだよ!」

女の子「いや、あなたじゃなくて横のクマのお人形なんだけど……。あなたなんか怖いし」

UFOキャッチャー『田楽マン「おぶぇぐばああぁぁぁッ!!」』ゴバァッ!

まどか「しょ、ショックのあまり血を吐いた!?」マドーン!?

さやか「他のぬいぐるみも血まみれに……!」

首領パッチ「ば、バイオハザードだぁ……」ガタガタ

杏子「……」

さやか「ん、どうしたの杏子?」

杏子「……モモか?」

さやか「えっ?」


モモ「……お姉ちゃん?」


まどか「え……」

まどさや「「えええぇぇーーー!?」」

111: 2012/03/22(木) 00:47:03.23 ID:3N6NQXId0



杏子父「モモ! 勝手に走ったら……なっ!?」

杏子母「あ……!」


杏子「お、父さん……お母さ…ん?」


まどか「え、えぇっ!? これって……!?」

さやか「杏子! 本当に……!?」

天の助「誰こいつら?」

首領パッチ「安田大サーカスじゃね?」サンニンダシ

まどか「まったく違うよ!!」

さやか「ねぇ、杏子!」

杏子「……」



   キィィーーーーーーン!!



まどさや杏「「「!!」」」

112: 2012/03/22(木) 00:48:10.03 ID:3N6NQXId0


まどか「これって!」

さやか「魔女……!? す、すごく近い!!」

モモ「な、何?」



  結界 < ガパァッ!



モモ「きゃあぁぁぁぁッ!?」ゴオォォーー!

杏子父「モモ! うっ、うわああぁぁ!?」ゴォーー!

杏子母「あなたっ、きゃああぁぁーーーッ!?」ゴォーー!


まどか「ああッ! 取り込まれた!?」

さやか「すぐに追おう!」ダッ

杏子「くっ!」ダダッ!

首領パッチ「暴れるぜぇーーーッ!!」ダッ!

天の助「な、何だって娘が誘拐された!? 分かったすぐに帰るぞ」

天の助「ちょっと急用が出来たから、さようなら」エ、エヘヘ

首領パッチ「はい、散歩しましょうねポチ~♪」ガシッ

天の助「ぐえええぇぇ~~!? ごめんなさい、逃げないから首輪はやめてぇーーーッ!!」

首領パッチ「オラッ、走れ!」

天の助「ひいぃーーーッ! わんわーーん!!」


  結界 < ゴゴゴゴゴ…



UFOキャッチャー『田楽マン「……」』

UFOキャッチャー『田楽マン「えっ、俺置いてけぼり?」』

113: 2012/03/22(木) 00:49:34.24 ID:3N6NQXId0




  ~町中~


ほむら「この感じは……魔女!」

マミ「そうね!」

ほむら「と、巴さん!? いつの間に背後に!」

マミ「あなたの知らぬ間によ」ファサッ

ほむら「それは私の真似ですか……?」

ボーボボ「場所はどこか分かるか」

ほむら「ボーボボも居たのね」

ボーボボ「俺たちはちょうど学校から帰る途中かもしれん」

ほむら「そこはハッキリしてくれないかしら……」

マミ「魔女の気配は向こうからですよ、ボーボボさん!」

ボーボボ「よし、俺の愛車に乗れ!」


  ベンツ『ププー!』


マミ「スゴいセレブぅーーーッ!?」マミーン!

ボーボボ「ボーナスで買ったんだ。傷は付けるなよ」ドアガチャッ

ほむら「この高級車なら一瞬で目的地に付けるかも……」ドアガチャッ

ボーボボ「みんな乗ったな? 全力でペダルを漕げ!!」キコキコキコキコキコ!!

ほむマミ「「人力ィーーーッ!?」」


ボーボボ「急げ! 間に合わなくなるぞ!」

マミ「で、でもこれ走った方が早いんじゃ……」

ボーボボ「とにかく漕ぐんだぁーーー!!」

114: 2012/03/22(木) 00:50:48.29 ID:3N6NQXId0



      キコキコキコキコキコキコ……


ボーボボ「うおおおぉーーー! 音速じゃぁーーー!!」キコキコキコ!


       ザワザワ… ナニアノクルマ…


マミ(は、恥ずかしい……)キコキコ…

ほむら「どんなに漕いでもやっぱり遅いわ! 大体この車ホントにベンツなの!?」チラッ


   『メロスです-Benz』チーン


ほむら「メロスですぅ!? メルセデスじゃなくて!?」ホムーン!?

マミ「ぱ、パチモンじゃない!!」

  ベンツ『待ってろセリヌンティウス!!』プップー

マミ「ホントにメロスだった!!」

ほむら「ちょっとボーボボ! こんな車じゃいくら漕いでも……」


ボーボボ「うるせぇ!! 一度本気でやってみろ! 熱意が伝われば必ず道は開ける!」

ボーボボ「うおおおおぉぉーー!!」キコキコキコキコ!

  ベンツ『私は友情の為に氏にに行くのだ!!』プップー

ボーボボ「うおおぉぉ! 頑張れ! 頑張れメロス! 暴君に友情を見せつけるんだ! 頑張れ頑張れ頑張れ頑張れ~~~!!!」キコキコキコキコ!!

ボーボボ「って、バカぁーーーーーッ!!!」鼻毛ズパァーン!!

  ベンツ『ぐわああぁぁーー!?』ゴシャッ!

  ベンツ『』ドサァ…

ボーボボ「フー……」スッキリ

ボーボボ「じゃ行くか」スタスタ

ほむら「」


ほむら「……と、巴さん」

マミ「いつものボーボボさんよ。気にしないで……」

ほむら「そう……」

115: 2012/03/22(木) 00:53:41.67 ID:3N6NQXId0




  ~結界内~


まどか「杏子ちゃん、さっきの人たちってホントに……」

杏子「ああ」


杏子「アタシの両親と妹……だよ」

まどか「!!」


父パッチ「嘘だ! 杏子の本当の家族は俺たちだ!」

妹の助「お姉ちゃん!!」

母さやか「杏子……」

杏子「フザケてんじゃねーぞオイ!! あれはオメーらがしつこかったから付き合ってやっただけだ!!」アンアーン!

まどか「な、何があったのかな……?」


さやか「でも、何で杏子のお父さん達がここに? まさか……」

杏子「な、何だよ」

さやか「埋蔵金……」

杏子「……いやいやいや、あり得ないでしょ」

さやか「だけどあの書き置き……。帰ってくる時は埋蔵金を発掘した時とかって」

杏子「あり得ないって。いくら何でも埋葬金なんてさ、ないないない」


まどか「あっ!」

さやか「どうしたの?」

まどか「あの人達どこかで見たことあると思ったら……」

まどか「ニュースに出てたよ! 確か埋蔵金を発見して億万長者になったとか……!」

杏子「ま、マジかよ……?」

首領パッチ「杏子、困ったことがあったら何でもおじさんに言いなさい」ポンポン

天の助「杏子さん肩揉みますよ、へへへ」モミモミ

杏子「急にひっつくな! 親父が金持ちって知った途端コレかよ!」

116: 2012/03/22(木) 00:55:16.03 ID:3N6NQXId0


さやか「この近くにお父さん達はいないみたいだね。どこに行っちゃったんだろう?」

まどか「もしかしたら、結界の奥に飛ばされてたりして……!」

さやか「速く助けにいこう! 一般人が生身では危ないよ!」

杏子「そうだね、まずは親父達の救出だ」


まどか「それにしても、この結界ってなんか不思議だね、豪華っていうか……」

さやか「ケバイね。趣味の悪い金持ちの家みたいな感じ」

杏子「的を得てるな」

首領パッチ「金だ、金だぁーーー!!」ヌスミヌスミ!

天の助「これは俺のもんだバカヤロー!」ヌスミヌスミ!

さやか「一応、他人の物だし止めなよ」

杏子(つーか、結界から出たらそれ消えるだろ)


使い魔「キキー!!」ガバッ!

さやか「 ! 使い魔!」

使い魔「キッキー!」ヌスムナ!

   バキィッ!

天の助「ぐっばぁッ!?」ゴバッ!

首領パッチ「ひいぃ、許してぇ~!!」ボカッ!

杏子「言わんこっちゃねぇ」

117: 2012/03/22(木) 00:56:26.36 ID:3N6NQXId0


使い魔「キッ?」クルッ

まどか「えっ」

使い魔「キッキーー!」ダッダッダ

まどか「きゃあぁぁーっ!?」


さやか「ま、まどか!」

杏子「ちっ!(バカ共に気を取られてた!)」


使い魔「キキー!」スカッ

まどか「きゃぁぁ……ってあれ?」


さやか「 !? まどかを素通りした……!?」

杏子「いや、よく見ろ」

さやか「えっ?」


使い魔「キキキー♪」つサイフ

まどか「あっ私のサイフ! 返してよ!」

使い魔「キキー!」ダッダッダッダ!!

まどか「行っちゃった……」

さやか「ガメツい奴ね。ということは魔女本体はよっぽどの守銭奴か」

まどか「私のサイフが……、ママが買ってくれたのに……」

首領パッチ「どんまいどんまい」

天の助「久々にストレッチマンを見たら、まいどんとかいうのが居てビビった」

118: 2012/03/22(木) 00:58:03.25 ID:3N6NQXId0


さやか「それじゃ、杏子のお父さん達が引き込まれたのは、金持ちオーラを感じ取ったからかな?」

杏子「フザケた魔女だな、ますます腹が立ってきたよ」

まどか「でもさ……」

杏子「あん?」



まどか「でも、その魔女も元は魔法少女なんでしょう……?」



さやか「まどか……」

杏子「……」

まどか「その魔女だって、さやかちゃんの時と同じように元に戻せるかもしれないんだよね?」

杏子「かもな」

杏子「だけどな、今アタシの家族が危ない目に遭ってるんだ。そんなできるかどうか分からないもんに賭けられるか。さやかの時は奇跡だったわけだし」

まどか「それは、分かるよ……。でも魔女を含めてみんなを助けられる可能性があるんだよ?」

杏子「もしかすると、使い魔が成長した魔女かもしれないよ。今更そんなこと考えてどうするの」

杏子「元は同じ仲間だったかもしれないけどさ、奴らを倒さないとアタシらも魔女になるわけ」

まどか「確かにそうだけど……」

119: 2012/03/22(木) 00:59:31.50 ID:3N6NQXId0


さやか「まどか」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「あのね、前のあたしだったらまどかの意見に賛成してたと思うよ」


さやか「でもさ、一回魔女になって実感したよ。もうあんなのになりたくないって……」

さやか「自分が何かも分からずに、ただただ絶望し続けるんだよ? 辛いなんてもんじゃない。知らず知らずの内に親友も傷つけてたりするし」

さやか「だからさ、もう絶対に絶望しない。そして、魔女は倒す」


さやか「魔女もキュゥべえの被害者ってことは分かる。だけどあの子達も本心ではこんな事したくないって思ってるよ」

さやか「だから、魔女が新たな絶望を生む前に倒す。それこそが魔女の為だし、あたし自身の為でもある」


まどか「さやかちゃん……」

さやか「このやり方も無理があるだろうけどね。でも今はこれしか方法がないと思う」

杏子「よく言ったなさやか!」

さやか「まどか……、これじゃダメかな? あんたにとってはスゴく辛いだろうけど、お願い」

まどか「……」

まどか「……分かったよ。ごめんね、呼び止めちゃって」

杏子「いいって、気にしてないよ。ちゃちゃっと倒して、親父達を助ければいいだけだし」

さやか「じゃ、行こっか」

首領パッチ「あ、話終わった?」ジャラジャラ

天の助「全自動の卓買おうぜ」ジャラジャラ

杏子「何麻雀してんだよ!」

まどか「……」

まどか(さやかちゃんの言ってることは理解できるけれど……やっぱり……)

まどか(考えてみれば、倒してきた魔女も元は魔法少女なんだよね……)


まどか(今まで倒した魔女も、これから倒さないといけない魔女も、魔女になる前の魔法少女も……)

まどか(みんなを助けることは本当に出来ないのかな……?)

120: 2012/03/22(木) 01:00:31.84 ID:3N6NQXId0




  ~結界・再深部~


魔女「ウケケケケケェーーッ!!」

さやか「いた! 魔女!」

杏子「親父達は……」キョロキョロ


佐倉一家「「「」」」キゼツ


まどか「あそこだよ! みんな気を失っているみたい……」

さやか「先に助けよう!」

杏子「おう……、あっ!」


使い魔s「「キキー!」」


佐倉一家「「「」」」ズルズル


杏子「親父達を引きずって……、どこに連れてくつもりだ!!」

さやか「杏子、アレ!」


使い魔「キキッキー!」

  金庫 < バッターーン!


まどか「き、金庫の中に入れちゃった!?」

杏子「 フザケやがって!!」

魔女「ウケケケケェーーー!!」

121: 2012/03/22(木) 01:03:03.64 ID:3N6NQXId0


天の助「よしっ、杏子の家族は俺に任せろ! お前らは魔女の相手だ!」

さやか「大丈夫なの、天の助?」

天の助「安心しろ、こういうのは慣れてる!」


  プルプル真拳奥義<ピッキング天ちゃん>!


天の助「うおおおぉぉーーーッ!!」カチャカチャ!

金庫(く、くやしい……でも……!)カチャカチャ!

まどか(犯罪だ……)

天の助「俺が救出しているうちに速く!!」カチャカチャカチャ!

金庫▓░▓▒(んほおおおおぉぉーー!!)カチャカチャ!

さやか「あ、テレビのピッキングの防犯講座みたいにちゃんとモザイクかかるんだ」

杏子「というより雰囲気オカシいだろ、あれ」

122: 2012/03/22(木) 01:03:59.59 ID:3N6NQXId0



魔女「ウガアアァァーー!!」

さやか「いくよ、杏子!」

杏子「おう!」

首領パッチ「この成金野郎がぁーーッ!」


魔女「ウケケェーーー!!」ゴォッ!

   コイン < ヒュン! コイン < ヒュン! コイン < ヒュン!

さやか「お金を飛ばしてきた! 銭形平次!?」

杏子「下らねー技だな!」

首領パッチ「馬鹿め! そんな攻撃、屁でもねーぜ!」


首領パッチ「うおおおぉぉぉーー!!」つ100円 シャカシャカ!

首領パッチ「おりゃりゃーーーー!!」つ10円 シャカシャカ!

首領パッチ「おおお、大玉ゲットぉ!」つ500円 シャカシャカ!

杏子「何してんだ貧乏人!!」ドガッ!

首領パッチ「ウゲェッ!?」チャリンチャリーン!

杏子「これも敵の攻撃だぞ、アホか!」

首領パッチ「お前に貧乏人呼ばわりされるとか無いわ~……」

杏子「うっせぇ!」アンアン!


魔女「ウケケケ~!」ギャハハハ!

さやか「魔女にも笑われてるよ」

首領パッチ「んだとぉ!? 俺を怒らせたらどうなるか、その身に教えてやるぜーーー!」

首領パッチ「うおおぉぉぉぉーーーッ!!」ダダダッ

魔女「ウケッ!?」

首領パッチ「うおおおぉぉーーーッ!」ババッ

123: 2012/03/22(木) 01:05:22.24 ID:3N6NQXId0


   スチャッ!


首領パッチ「肩凝ってるね、お婆ちゃん!」トントントン!

魔女「???」

さやか「お小遣いをそれとなくせびる孫になった!?」

杏子「まだまだ金を搾り取る気じゃねーか!!」

魔女「ウケケ……♪」

まどか「ま、魔女もいい気分になってる……」

首領パッチ(くっくっく、シメたぜ!)トントン

魔女「ウケケェ……♪(これ、駄賃だよ)」つ スッ

首領パッチ(キタキタキタァーーー!!)グッ!



       つ『干し柿』



首領パッチ「いらんわ糞ババアーーー!! 通帳よこせやぁーーッ!!」ボキャッ!


      奥義<ハジケ流超劇場型詐欺>!!


魔女「ウゲェーーッ!?」ゴバァッ!

さやか「ここまでが奥義だったぁーーー!?」サヤーン!?

首領パッチ「てめぇらの年金はな、全部俺たち孫のもんなんだよ」つタバコ スパー

まどか「む、むごい……」


魔女「ウギギギ……」

魔女「ウケーーッ!!」ブワァッ

     コインs < ジャラジャラジャラ!

首領パッチ「ぶげぇッ!?」

杏子「魔女の反撃っ……!」

さやか「首領パッチが金に埋もれた……」

首領パッチ「久しぶり!! この感覚久しぶりぃーーーッ!! ハレクラニ以来!!」アップアップ!

    ドゴォーーーン!!

まどか「首領パッチくーーーん!?」


124: 2012/03/22(木) 01:07:12.64 ID:3N6NQXId0



     しゅうぅ~~~

首領パッチ「  」

杏子「無事か、首領パッチ!?」

さやか「首領パッチ……? ちょっと、何とか言いなさいよ!」

首領パッチ「キ……」

杏子「き?」


首領パッチ「キキキーー!」キー!


杏子「!?」

さやか「!?」

まどか「ど、首領パッチくんが使い魔みたいに……!?」



魔女「ウケケケ♪」ニヤニヤ

杏子「あの馬鹿、操られやがった!」

首領パッチ「キキッキー!」

さやか「ていうことは『魔女の口づけ』が!? ってどこにあんの!?」

杏子「あそこじゃね? ほらあの首……いや、首無かった! じゃあ、どこだ!?」

まどか「ほら、あの上から三番目のトゲの端っこに……」

さやか「アレ違くない? つーか地肌がオレンジだから見つけにくい!」

125: 2012/03/22(木) 01:07:56.34 ID:3N6NQXId0


首領パッチ「キキキー!」ポカポカポカ!

さやか「いたたた! 正気に戻りなさいよ!!」

首領パッチ「キキッキー!」

杏子「マズいな。洗脳されたっつーことは本体を倒さねーと……」

天の助「ふん、どいつもこいつも。お前らは首領パッチのことを何も分かってないな」スッ

さやか「どういう意味よ」

天の助「奴はあの程度の敵に洗脳されるほどフヌケちゃいない。あれはいつものボケの延長線上だ」

杏子「じゃあ、全部演技っつーのか?」

首領パッチ「キキー!」

天の助「当たり前だ。なあ、首領パッチ!?」

首領パッチ「キ……キキ……」


首領パッチ「いや、洗脳されてるけど?」


さやか(普通にしゃべった!?)

天の助「ガーーン!」ガーン!

杏子「おい、見当外れじゃねーか」

まどか「天の助君……」

さやか「あんなに偉そうに言ったのに恥っずかしー」プププ

天の助「……」ダラダラ…


パチ天「「キキキー!」」キー!

杏子「何一緒に洗脳されてんだよ」

126: 2012/03/22(木) 01:08:40.17 ID:3N6NQXId0



さやか「というか、天の助! あんた金庫の方はどうなったの!?」

天の助「ああ、見事に打ちひしがれたぜ」

  金庫 < シャッキーン☆

杏子「ダメだったんじゃねーか!」

まどか「自信満々に言うことかな……?」


魔女「ウケー!」シュバッ

使い魔s「「「キキキー!!」」」ダッダッダ

首領パッチ「キキー!」ダッダッダ

さやか「げっ! 使い魔の奴らが来た!」ツイデニバカモ!

杏子「迎え打つぞ!」スッ


さやか「てぇーーい!」ブン!

使い魔「ウギャーー!」ズバァッ!

首領パッチ「あぶなっ」スカッ!

杏子「オラァッ!」ヒュン!

使い魔「グエェー!」ズブッ

首領パッチ「おっとっと」ヒョイッ

まどか(あれって絶対理性あるよね……)

127: 2012/03/22(木) 01:10:06.11 ID:3N6NQXId0


使い魔s「「「キッキー!」」」ダッダッダ!

首領パッチ「ヒャッハッハー!」ダッダッダ!

まどか「あっ!?」

さやか「しまった、あっちには金庫が!」

杏子「人質をとるつもりか!」

天の助「俺に任せろ!」


     プルプル真拳奥義『旅先の免税店ってワクワクするよね?』!!


天の助「安いよ、安いよ~」『50パーセントOFFセール』

まどか「なに店開いてんの!? こんなんで使い魔が引っ掛かる訳が……!」



                 『使い魔s』<ウオオオオォォーー!!
                   │
                   │ダ
                   │ダ
                   │ダ
                   │ッ
.    \ヤスイヨ~/       │
     『天の助』 ←────┘カクンッ!
            ダダダダッ!

                 『金庫』



使い魔「「ヤスーイ!!」」キキー

首領パッチ「ちょっとコレはアタシのよ!」

まどか「全員が吸い込まれるように特売に向かったぁーーッ!?」マドーーン!


天の助「ウチは優良店だからね~」

首領パッチ「ブランド品がこんなに安いなんて信じられないわー! ……ん?」


       ヴィ ト ・ ン
            ↑
       拡大(コロテ)



首領パッチ「パチモンはいらんわぁーーー!!」ドゴォッ!

天の助「ぐへぇ!? バレるとはぁーー!?」ゴバァッ

まどか「お粗末すぎるコピー商品だった……」


首領パッチ「こんなシケたところに居れるか! 金持ちの所に行くぞ!」

使い魔s「「「キキキー!」」」オー!

さやか「使い魔たちのリーダーみたいになってる!?」


128: 2012/03/22(木) 01:10:57.55 ID:3N6NQXId0



首領パッチ「金庫についたぜ! さあ、開けるぞ!」

使い魔s「「「キキー!」」

さやか「くそう、あいつら速い!」ハァハァ

杏子「ちくしょう!」


首領パッチ「鍵無くしたぁーーー!!」ウワァァン!

使い魔s「「「キキ~!!」」」ウワァァン!

さやか「想像以上にバカだったこいつら!」

首領パッチ「ちくしょう力技だ! 開け開け開けー!!」ドガガガガ!

使い魔s「「「キキキキー!!」」」ドガガガガッ!

     ボキィッ!!

首領パッチ「腕が折れたぁーーー!?」ギャアアァァ!

使い魔s「「「ギギィーーッ!?」」」ウギャアァァ!

杏子「敵なのに、こっちが心配になってくる……」


さやか「あの金庫、思ったよりも頑丈らしいね」

杏子「あれなら中の親父たちも無事だろうな」

129: 2012/03/22(木) 01:12:12.33 ID:3N6NQXId0



まどか「大丈夫かな……、ん?」キラッ

まどか「何だろうコレ? 鍵……?」つ鍵 スッ


使い魔「キキー!」

首領パッチ「そうか、あれが金庫の鍵か!!」

まどか「えぇっ!?」

首領パッチ「それをよこせぇーーーッ!!」ダッダッダッダ!!

使い魔s「「キキキーー!!」」

まどか「ひっ!? こっち来ないでぇーー!」ダッダッダッダ!

首領パッチ「待ちやがれぇーー!!」


さやか「まどか!」

まどか「助けて、さやかちゃーん!」

さやか「アゴを引いて脇を締めると速く走れるよ!」

まどか「そんなアドバイスはいいから助けてぇ!!」


130: 2012/03/22(木) 01:13:16.34 ID:3N6NQXId0


天の助「おい、この金庫を利用するぞ!」

杏子「どうやってだよ!」

天の助「今奴らは金庫に背を向けている。そこで、この馬鹿デカイ金庫を滑らせてブツケる!」

さやか「こんなデカくて重いモノ無理でしょ!」

天の助「やってみなくちゃ分からないだろ!」



天の助「この前ね、太平洋に会ったのよ、太平洋に」

天の助「最近会ってなかったから聞いたんだよ。『仕事忙しいんですか?』って」

天の助「そしたら何ていったと思う?」


    太平洋「太平洋は大変よ(太平洋とかけている)」



金庫「ズコーーーーッ!!」スッテーーン!


さやか「ホントに滑ったぁーーーッ!?」サヤーーン!

  金庫 < ズガガガガガガッ!

杏子「しかもすげぇ勢いで! 止まんねぇ!」


131: 2012/03/22(木) 01:14:41.65 ID:3N6NQXId0


まどか「来ないで~~!!」ダッダッダッダ!

首領パッチ「どこに逃げるつもりだ、小娘ー!!」ダッダッダ!

使い魔s「「「キキー!」」ダッダッダ!

まどか「いやぁ~~!」

首領パッチ「はっはっはっは~~!!」 ズガガガッ!

首領パッチ「んだよ、うっせぇな!」クルッ


    金庫 < ズガガガガガ!!!


首領パッチ「ええええぇぇーーーッ!?」ガビーン!



     ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!




           小さき者よ……



                  首領パッチ「あ、ああ……!!」ガタガタ



                                    力の差を知るがいい……!




首領パッチ「あああああーーーッ!!」ガタガタガタ

      金庫 < ブチッ

首領パッチ「ぶっ!!」

さやか(潰された……)

使い魔s「「「ギギー!?」」」ブチブチッ!

杏子「よっし、他の使い魔も潰した!」

132: 2012/03/22(木) 01:16:33.37 ID:3N6NQXId0


まどか「ありがとう、みんな! もう金庫を止めていいよ!」ダッダッダッダ!

   金庫 < ズガガガガガガッ!


さや杏「「え……」」

まどか「え?」ダッダッダッダ!

さや杏「「……」」

まどか「ね、ねぇ何で黙ってるの? このままじゃ私もあの金庫に潰されちゃうんだけど……」ダッダッダッダ!

さやか「大丈夫安心して、まどか!」

杏子「おい、天の助……」

天の助「あっしは滑らせる担当ですぜ」

さや杏「「……」」


まどか「だ、黙らないでよ! 足も限界だし、早く止め……!」ダッダッダッダ!

さやか「まどか」

まどか「えっ?」ダッダッダッダ!

さやか「アゴを引いて脇を締めると速く走れるよ」

まどか「そのアドバイスさっきも聞いたよーッ!? これ本格的にヤバいんじゃないの、ねえ!」

杏子「落ち着け、まどか! ギャグ漫画なら団子みたいにコネたら元に戻るもんだよ!」

まどか「何でぺっちゃんこになった後のことを考えてるのぉーーーーッ!?」ダッダッダッダッダ!


133: 2012/03/22(木) 01:18:29.17 ID:3N6NQXId0


   金庫 < ズガガガガガガガッッ!


まどか「いやあぁぁー! 本当の意味で二次元の住人になっちゃう~~!!」ダッダッダッダ!

魔女「ウゲェッ!?」ビクッ!

さやか「まどか!? そっちには魔女が!」

まどか「ひいぃーーーッ!!」ダッダッダッダ!

魔女「ウケケェッ!?」アセアセ

杏子「ありゃ、聞こえてないよ」


   金庫 < ズガガガガガガッ!


    ドゴオォーーーーーン!!


まどか「きゃああぁぁッ!?」ドゴォーーン!

魔女「ウゲゲェーーーーーーッッ!?」ドゴォーーン!


杏子「魔女にブチ当たった!!」

さやか「まどかぁーーッ!?」


魔女「ウググ……」ピクピク

杏子「相当のダメージだ!」

さやか「で、でもまどかが……! まどかは!?」

134: 2012/03/22(木) 01:19:27.98 ID:3N6NQXId0


    しゅうぅ~~……


まどか「うぅ……、あれ? 無事? どうして……あっ!?」

???「……」ゴゴゴゴ…

さやか「だ、誰かがまどかの前に……! あの人がまどかを守ったの!?」

まどか「あなたは……! どうしてあなたが!?」

???「……」ゴゴゴゴ…




きんにくピーマン「……」ゴゴゴゴゴ!




杏子「オメーかよ!?」

まどか「ど、どうして私の身代わりに……!?」

きんにくピーマン「気がついたら体が動いていただけさ……ゴフッ!」

まどか「ああっ! ヒドい怪我!」

きんにくピーマン「まどか……一つだけ、願いを聞いてくれないか……」

まどか「それ以上しゃべったら体が……!」

きんにくピーマン「最期の願いだ……! ……喰ってくれ、俺を……喰らってくれ!」

まどか「それは無理」

きんにくピーマン「先っちょだけ…」

まどか「無理」

さやか「何にせよ、まどかが無事で良かった」ホッ

135: 2012/03/22(木) 01:20:36.05 ID:3N6NQXId0



魔女「ウギギギギギ……」ボロボロ

さやか「見て! 魔女が弱っている!」

杏子「よしっ!」

首領パッチ「ウググググ……」ボロボロ

天の助「見ろ! 首領パッチが唸っている!」

杏子「よしっ……、ってどうでもいいわ!」

天の助「あれは首領パッチがサナギから成虫になる合図だ」

杏子「あの状態でサナギなのかよ」


首領パッチ「ううぅぅ!」バリバリッ

まどか「体にヒビが……! まさか本当に蝶になるの!?」

首領パッチ「うああぁーーーッ!」ピキピキピキ!


     バリン!


パチニューラ「キシャアアァァ!!」バタバタバタ!

まどか「きゃああぁぁ!? ゴジラに群れをなして戦いそうな怪獣に進化したぁーー!?」

さやか「ぐ、グロイ……」

136: 2012/03/22(木) 01:21:33.24 ID:3N6NQXId0


パチニューラ「キシャアアァァーー!」バタバタ!

天の助「こ、これが首領パッチの真の力……!」

パチニューラ「キシャシャァーー!」バタバタ!

杏子「こんなやつ倒せるのかよ……」

まどか「ひぃ、怖い……! すごく凶暴になってる……」ガタガタ


     ウワー  ヤベー コワイー


パチニューラ「キシャ……アぁ……」



パチニューラ「あ、あの自分、場違いなら帰りますけどっ……?」

まどか「思ったより気が弱い!?」マドーーン!

首領パッチ「何なら幼虫にもどりますし……」イソイソ

さやか「意外と話が通じる奴だったね……」


杏子「つーか、オメー洗脳解けたのか?」

首領パッチ「ああ、あの<江戸 金庫の乱>でな」

さやか「さっきの騒動に変な名前付けとる!」

首領パッチ「恐ろしかったぜ。まるで<呪いのローラー>を喰らったかのような衝撃……」

  サンシャイン『アパッチのおたけび? うん、オッケー☆』テヘペロッ

まどか「ローラ違いだよ」


首領パッチ「しかし、俺を洗脳するとは氏ぬ覚悟は出来てんだろうな、成金野郎?」ゴゴゴゴゴゴ!

天の助(首領パッチがキレた! こうなったアイツはもうブルドーザーを止めることも出来ないぜ……)

杏子「出来ないのかよ」

137: 2012/03/22(木) 01:22:31.11 ID:3N6NQXId0



魔女「ウギギギ~~!」プルプル

さやか「今がチャンスだね。使い魔は皆始末したし、後は魔女一人!」

杏子「4人で力を合わせて、ソッコーで終わらそうよ」

首領パッチ「ならば、連続奥義でケリを付ける!」

天の助「私たちのカルテットをご馳走させて差し上げましょう」フフフ!


魔女「ウケケケェーーー!!」

天の助「金、金、金とウルサいワガママBOYめ!」ダッダッダッダ!

首領パッチ「金以外にも目を向けろ! その考えを叩き直して有り金全部頂く!!」ダッダッダッダ!

まどか「前半と後半が噛み合ってない!」


魔女「ウケケーーーッ!!」

    コインs < ヒュンヒュンヒュン!!

さやか「わわっ! またこの攻撃ぃ!?」キン! キン!

杏子「ショボイもんだけど、こうも数が多いとしんどいな!」キン! キン!

天の助「ならば、その必氏に集めた金も重みとなることを教えてやろう!」プルプルプル~!

魔女「ウケェ!?」プルプル!

杏子「何だ!? ところてんが魔女の体に絡まった!?」



     プルプル真拳奥義<衝撃吸収! ところてん貯金箱!>


                 ズンッ!!

.

138: 2012/03/22(木) 01:29:06.55 ID:3N6NQXId0


魔女「ウグググ……!?」オモイー!

まどか「魔女の背中に巨大な貯金箱が!」

さやか「中にはお金がぎっしり詰まってる!」

天の助「へへへ! その貯金箱はちょっとやそっとじゃ壊れねーぜ!」

天の助「どうだ、動きにくいだろ! それが金の重さだ!」

魔女「ウゲゲゲェ……!」ググググ…


首領パッチ「でかした、天の助! これならあの奥義を使えるぜ!」

天の助「おう、元よりそのつもりよ! 行くぜ首領パッチ!」


    協力奥義<氷河期を勝ち抜いたエリート新入社員>!!


 『ウィッチ・コーポレーション』

首領パッチ「社長! ともに世界規模の会社を作りましょう!」

天の助「新しい企画なんですが!」

魔女「???」


さやか「変な会社を立ち上げたぁーーーッ!!」

杏子「それのどこが奥義だよ!?」

まどか「よく見て二人とも!」

さや杏「「へ?」」


首領パッチ「海外への展開も視野に入れて、社内公用語は英語に……」セッセ!

天の助「はい! 我が社のスポンサーになっていただくと……」セッセ!

まどか「才気溢れる社員が汗水垂らして働くことによって……!」


首領パッチ「やったGoogleを抜いたぞぉーー!!」

天の助「社長! ついに我が社が世界1の企業に!」

   貯金箱 < チャリンチャリンチャリンチャリン……!

魔女「ギギギギギギィ~~!?!?」グググググ!!

まどか「稼いだお金がそのまま魔女に!!」

さやか「そんな規模のデカい奥義だったのぉーーーッ!?」サヤーーン!

139: 2012/03/22(木) 01:31:27.91 ID:3N6NQXId0



魔女「ウゲェアァーーーッ!!」ブン!

首領パッチ「グヘェッ!?」ズサーー!

天の助「ゴバァッ!?」ズサーー!

まどか「ああっ! 殴り飛ばされた!」

首領パッチ「チッ! まだあんな力が残っているとはな!」

天の助「一生懸命尽くしてきたのにリストラかよ~~!」


魔女「ウガアアァァァーーッ!!」ダッダッダッダ!

首領パッチ「せっかく億万長者になったのに、まだ金の正しい価値が分からねーのか!」

天の助「お前のような分からず屋は……!」

首領パッチ「分からず屋は……!」

魔女「ウガガガーーーッ!!」


パチ天「「アフリカに行って恵まれぬ子供達と触れ合ってきやがれーーーッ!!」」メキャァッ!


    バッキィーーーーンッ!!


魔女「ウゲバァーーーーッ!?!?」ヒューーーーン!


140: 2012/03/22(木) 01:33:06.75 ID:3N6NQXId0


杏子「魔女が飛んでいく……。まさかたった一発のパンチで本当にアフリカに飛ばすつもりか!?」


       ヒューーーーーン……


          ドスン!


魔女「ウグググ……」シュウゥ~…

コパッチ「アンニョンハセヨ!」

まどか「韓国!?」

さやか「大陸ですらない!」

杏子「でもなんで韓国に……」


コパッチ「飛行機に乗せるハムニダ」ズルズル…

魔女「グググ……」ズルズル


    『ソウル国際空港』


まどか「あぁッ!? 一端ハブ空港を経由してアフリカに送るつもりだぁーーー!!」

さやか「旅行気分かよ!!」



     そして、アフリカについた


魔女「ウグググ……」ピクピク…

141: 2012/03/22(木) 01:35:25.27 ID:3N6NQXId0


まどか「で、でもここからどうするの? 魔女はアフリカにいるし攻撃できないよ?」

杏子「魔女がアフリカの暮らしを見て改心するとは思えねーしな……」

天の助「そこで、お前らの出番だ!」

さやか「へ? あたしら何するの?」

首領パッチ「…………」



首領パッチ「……寄付をしよう」




  100円でもいい 10円でもいい

  その小銭で救える命がる

  あなたの小さな優しさが、いずれ大きな愛を生むでしょう

  恵まれぬ子に愛の手を  すべての人々に愛の手を……




    貯金箱 < チャリリリリーーーンッ!!

魔女「ウギャアアァァァーーーーー!?」バキバキベキッ!!


まどか「世界中の寄付がアフリカに集まって魔女の重しになってる!!」

首領パッチ「これぞ、究極奥義<ピースフル・地球>!!」

杏子「無駄に壮大だな」

さやか「あたしも徹子の方のユニセフに寄付したよー!」



魔女「ウギャギャギャギャーーー!?」ベキベキバキィッ!

天の助「どうだ、普通の小銭でも桁違いに重いだろう! 100円で救える命……、それは命の重さだ!」


魔女「ウグググ……!!」

日本人「アフリカに来たら変なのが居た……。何だアレ?」

魔女「ギギャギャーー!」ブンブン

日本人「え? ここ掘れワンワン? まあ俺は元からそのつもりで来たんだけどね……」

142: 2012/03/22(木) 01:38:13.47 ID:3N6NQXId0



天の助「ヒャッハッハ! これで買ったも同然だぜ!」ガッサガッサ!

首領パッチ「戦利品を頂くとするかー!」ガッサガッサ!

さやか「うわ……、さっきまで金の重さがどうとか言ってた癖に……」


      地面 < プシュッ!


パチ天「「ん?」」


      地面 < ブシュウゥゥゥゥーーー!!


パチ天「「ぶべぇらぁーーーッ!?」」ドゴーーン!

まどか「首領パッチくん、天の助くーーん!?」

杏子「き、急に地面から水柱が……!?」


魔女「ウケケケェ~」ズルリッ


さやか「アフリカに居るはずの魔女も一緒に出てきた!? これは……」

首領パッチ「あの野郎……! アフリカにボランティアで来ている日本人井戸掘り職人に穴を掘らせてここまで戻って来やがった!」

まどか「ええぇぇーーーッ!? すごくまどろっこしい!!」マドーーン!

魔女「ウケケケッ!」ニヤニヤ

143: 2012/03/22(木) 01:40:03.96 ID:3N6NQXId0



天の助「ううぅ……、足の骨が折れちまったぁーー!」エグエグ…

さやか「落ち着いて天の助! 落ち着いて自分の言葉に疑問を持って!!」


魔女「ウケケケーーーッッ!」ブンブン!


杏子「うおっ!? 金の攻撃から素手にシフトしやがった」

まどか「これ以上背中の貯金箱を重くしない為だ!」


魔女「ウケケケェーーー!!」ブンブン!


さやか「うわ、こっち来た!? 天の助、早く起きあがってよ、邪魔!」

天の助「無理だ~、もう俺は二度と立ち上がれねぇ! これ絶対骨だけじゃなくてアキレス腱もイッてる!」

さやか「言いたいこと山ほどあるけど、逃げないとブチ殺されるよ!」グイグイ

天の助「おい、重傷人を引っ張るな! 見ろよこの足! 指が全部消失してんだぞ!」

さやか「あー、うっとおしい!! ツッコミたいけど早く逃げないと……」

魔女「ウケェーー!!」ブン!

さやか「うぇっ!? 危なっ……」グラッ

さやか「きゃあぁーー!?」ビターーン!

天の助「ぎゃあッ! 重い!」

さやか「ちょっと、失礼でしょ!」

天の助「だって勢いよく乗られたら……ハゥッ!」ピキーーン!


天の助(そうだ、この感覚……久しく忘れていた。上に乗られるこの感覚……!)


天の助「俺ってバカだなぁ……。そうだよ、例え足がモゲても手がチギレても……!」

さやか「て、天の助?」



            風と同化出来る胴体があるじゃないか……!!



天の助「うおおぉぉーー! そうだ、俺にはこの技がある!!」

天の助「ところてんジェットぉーーーーッッッ!!!」ゴオォッ!

144: 2012/03/22(木) 01:41:50.01 ID:3N6NQXId0




魔女「……」

さやか「……」

天の助「……」

天の助「あ、動力がなかった」

さやか「何がしたいのあんた!?」サヤーン!

天の助「さやか、ちょっとその状態でオナラこいてくんない? ぶっ飛ぶくらいのデカイヤツ」

さやか「失礼すぎるわ!!」


魔女「ウケェーー!!」ドゴォッ!

天の助「ぐわあぁーーッ!!」ズサー!

さやか「きゃあぁぁッ!?」ズサー!

まどか「さやかちゃーーーん!!」

天の助「ううぅぅ……、まさかこんなことになるとは……!」


    敗因:さやかのオナラがデカくなかったから


さやか「何であたしのせいになってんの!? しかもあたしが一応オナラしたみたいになってるし!」

145: 2012/03/22(木) 01:43:08.20 ID:3N6NQXId0



魔女「ウケケケケケッ!!」ニヤニヤ

杏子「ちっ、あのヤロー調子に乗ってやがるな」

首領パッチ「ハイ、先生! ここは一発お見舞いしてやった方がいいと思います!」

杏子「珍しく意見が会うな。こっちに気づいてない内にちょっくらヤルか」つ槍 スッ

首領パッチ「お供しますぜ!」

杏子「なるべく音を立てるなよ」

首領パッチ「イエッサー!」



       終了条件1:「魔女」を倒す



まどか「うわぁ、急にSirenっぽくなった!?」

さやか「なるほど、これなら隠密行動に適してるね!」


杏子「よっしゃ行くぜ!」

堕辰パッチ「ウウウウウウウウウゥゥゥゥーーーーッッ!!!!!」

まどか「全然適してなぁーーーーい!?」マドーン!

さやか「何でよりによってそれに……」

146: 2012/03/22(木) 01:45:14.09 ID:3N6NQXId0


魔女「!!」

杏子「魔女に気づかれた!?」

堕辰パッチ「ウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーッッッ!!!!」

さやか「当然だね」

魔女「ウケケケェーー!!」ブン!

杏子「ぐおッ!?」ガキン!

堕辰パッチ「ウウウウウ……ぐばぁっ!?」ゴバァッ!

堕辰パッチ「ぐふぅ! 頭を刈られちまった!」ズサーー!

杏子「元から頭だけだろ」

堕辰パッチ「この世界はダメだ杏子。俺の首を持って過去のお前に渡すんだ……!」ハアハア

杏子「いや、アタシ確かに協会の人間だけど、ループできる訳じゃねーし……」



魔女「ウケケケケケケェーーーーッ!!」ゴゴゴゴゴゴ!

まどか「な、何なのこのオーラ!?」

さやか「魔女を見て! とんでもない量の魔力が魔女に集まってる!」

杏子「次の一撃でケリをつけるつもりか」

天の助「あの威力……やべぇ……!」

首領パッチ「そうはさせるかぁーーーッ! 行くぞ杏子!」バッ

杏子「お、おう」ダッ


       協力奥義<正月路地裏の風物詩>!!


杏子「大人しく金出しなよ」グググ!

首領パッチ「お年玉もらってんだろ、坊っちゃんよーーーッ!!」ゲシゲシッ!

魔女「ホンマカンベンシテクダサイ……」オドオド…

まどか「カツアゲだぁーーーー!?」


さやか「これで魔女の攻撃は中断され……」

天の助「あの馬鹿! カツアゲなんてしやがったら……!」

さやか「えっ!?」

147: 2012/03/22(木) 01:48:47.62 ID:3N6NQXId0


首領パッチ「へへへ、中々持ってるじゃねーか!」

杏子「お、おい首領パッチ!」

首領パッチ「ん?」


魔女「ウケケケケケッ!!」ミガル!


まどか「ああっ!? 魔女の背中の貯金箱がほとんどカラに!」

天の助「カツアゲしちまったからだ」

さやか「で、でもカツアゲで取られる金の量なんてたかが知れてるじゃん! あの貯金箱をカラにするほどの大金を、首領パッチがカツアゲしたとでも言うの!?」

首領パッチ「しまったぁーー! 小切手でカツアゲするんじゃなかったぁーーーーッ!!」


  首領パッチ『えぇッ!? こんなにくれるの!? ホントにいいの!?』

  魔女『ウケケ』つ小切手 カキカキ


さやか「どんなカツアゲの仕方だぁーーーーッ!?」サヤーン!?


魔女「ウケェーーー!!」ブン!

首領パッチ「ぐへえぇーーーーッ!?」ズサーー!

杏子「拘束が外れたから魔女が素早くなりやがった!」

さやか「どーすんの、首領パッチ! あんたのせいで……!」

首領パッチ「分かってる、テメーのケツはテメーで拭くぜ」つ小切手 スッ

148: 2012/03/22(木) 01:50:22.31 ID:3N6NQXId0



首領パッチ「この小切手を換金してぇーーー!」つ札束



      違法カジノでざわざわしてやるぜぇーーー!!



首領パッチ「ククク……倍プッシュだ……!」


           ざわ…

                      ざわ…


   ~五分後~


首領パッチ「うわぁーーーん、ボロ負けしたぁーー!!」ウワァァン!

ヤクザ「兄ちゃん、ここまでしでかしてどう落とし前つけるつもりだ?」

さやか「何やってんのーー!?」

杏子「つーか、遊んでんじゃねーー!」


ヤクザ「どっちの腎臓を執ってほしい?」

首領パッチ「ひいぃぃ! 勘弁してぇ! 違うんです、あっちの人のお金なんです! あの人が払ってくれます!」

魔女「!?」ビクッ

まどか「魔女に責任転嫁した!?」


     極道奥義<プロフェッショナル・YAKUZA>!!


ヤクザ「なかなか活きのいい腎臓だ」ヒュバッ!

魔女「ウギャァーーー!?」グシャ!

ヤクザ「角膜もいただくぞ」シュバッ!

魔女「ウゲゲェーーーーッ!?」ブシュッ!ブシュッ!

まどか「ヤクザがスゴいスピードで次々と魔女の内蔵を抉り取っていく……」

さやか「ヤクザ怖ええぇぇーーーーッ!?」サヤーン!

149: 2012/03/22(木) 01:51:22.15 ID:3N6NQXId0



魔女「ウギギギ…ギギ……!」ピクピク…

天の助「弱っている! 今がチャンスだ!」ダッダッダ!

首領パッチ「みんなでトドメの一撃をお見舞いするぜ!」ダッダッダ!

杏子「りょーかい!」ダッダッダ!

さやか「任せて!」ダッダッダ!

ヤクザ「やってやろうじゃないか」ダッダッダ!

さやか「あんたも!?」ダッダッダ!



       究極奥義<ヤクザのケジメ>!!



杏子「オラァーー!」ザクッ!

魔女「ウゲェーーッ!?」ブシュッ!

さやか「てぇーーいっ!」ズバァッ!

魔女「ウガァーーーーーッ!?」ドガッ!

ヤクザ「組に泥を塗ったんだ、覚悟は出来てるだろうな?」ゴシャッ!

魔女「ウギャァーーー!?」ズサー!

ヤクザ「フン、ゲスい鳴き声だ」シュババッ!

ヤクザ「二度と、裏の世界を嗅ぎ回るんじゃねーぞ……」ゴゴゴゴ…

魔女「ウギャギャギャァーーーーーーッ!!」ドゴォッ!



       ドゴオオォォーーーーン!!



まどか「奥義名から何から何までほとんどヤクザの奥義だぁーーーーッ!?」マドーーン!



         しゅううぅぅ~~…


  グリーフシード < カランッ


天の助「よっしゃー!」

首領パッチ「ありがとうございます、ヤクザさん!」

ヤクザ「残りの3000万円……ちゃんと返せよ」

首領パッチ「」ぐにゃぁ~


150: 2012/03/22(木) 01:52:50.48 ID:3N6NQXId0




   ~ゲーセン~


さやか「結界が消えた!」

杏子「お、おい、親父たちはどこだ!? 魔女が氏んだなら解放されてるハズだろ!?」

まどか「あれっ? ホントだ、居ない……!」

首領パッチ「ああぁ、しまった!!」

杏子「何か分かったのか、首領パッチ!?」

首領パッチ「人質が金庫に入ったまま魔女を倒してしまったから、現実世界でも不都合が生じた! アレを見ろ!」

まどさや杏「「「えっ!?」」」チラッ


 UFOキャッチャー『佐倉ファミリー「「「う~ん…」」」キゼツ』


首領パッチ「UFOキャッチャーの中に入っちまってる!」

天の助「な、なるほど、納得いったぜ!」

杏子(納得出来ねぇ……)アンアン…

151: 2012/03/22(木) 01:54:10.68 ID:3N6NQXId0


首領パッチ「杏子! いまこそ家族を救出するときだ!」

天の助「さあ、得意のUFOキャッチでGETするんだ!」

杏子「いや、流石に無茶がねーか!?」

首領パッチ「やってみなくちゃわからねぇぶれぼひゃぎゃーー!!」

天の助「これは首領パッチが熱くなっている時特有の噛み方! 早く助けねぇとどんどん奴が何言ってるか分からなくなるぞ!!」

杏子「元から何言ってるか分からねーだろ……」

首領パッチ「いいからさっさとしろじゅびぎゃどんべーーーー!!!」

杏子「ちっ、分かったよ……」



杏子「……」カチャカチャ…

   キャッチャー < ウイィーーン…

 UFOキャッチャー『杏子父「」』

   キャッチャー < ウィーーン、ガシィッ!

 UFOキャッチャー『杏子父「痛てててててぇッ!? なに!? 何コレ!?」』


 UFOキャッチャー『杏子父「私は何を……? ってどこここ!? 何で周りに人形が……、あっ』

杏子「……」

 UFOキャッチャー『杏子父「杏子……」』

杏子「お、おう、親父……」

さやか「何この再会……」サヤーン…

152: 2012/03/22(木) 01:56:13.72 ID:3N6NQXId0



 UFOキャッチャー『杏子父「本当に杏子なのか……?」』

杏子「ああ……」

 UFOキャッチャー『杏子父「大きくなったな……。いや、育児を放棄した私なんかに言われたくはないか」』

杏子「……」

 UFOキャッチャー『杏子父「お前はきっと私を恨んでいるだろう。許してくれ……とは言わない」』

さやか「え、ええぇーーッ!? このまま話を始めちゃうの!? 一回出ようよ! 何かすごくマヌケな絵面だよ!」

 UFOキャッチャー『杏子父「む、そうか、すまない……」』

杏子「ちょっと退いててよ。今開けるから」つ槍 ズパッ!

まどか「あれが本当に杏子ちゃんのお父さんなの? 何だか雰囲気が違うような……」

天の助「ぬ~ん、俺たちも再現VTRでしか知らぬから分からないな」

まどか「再現……?」



杏子父「モモ、気をつけなさい」スッ

モモ「うん、ありがとうお父さん」ヨイショッ

杏子母「あ、あなた……手!」

杏子父「うん? 手がどうし……た」つぬいぐるみs <プラーン…

さやか「あ、腕に人形のヒモが絡まってる」


杏子父「ふ……ふぅん……! ううぅぅ……!!」プルプルハァハァ……!


さやか「あ、ああぁ~~~~ッ!? 興奮してるぅーーーッ! これは間違いなく杏子のお父さんだぁーーーッ!!」

杏子「頼むから止めてくれ……」

153: 2012/03/22(木) 01:57:27.10 ID:3N6NQXId0



杏子母「あなた! 気をしっかり持って!」

杏子父「す、すまない。禁断症状が……」

杏子「親父」

杏子父「あ、杏子……」

杏子「今頃ノコノコと、何しに帰ってきたんだよ」

モモ「お、お姉ちゃん……?」


杏子「アンタ、自分が何したか分かってる? 自分の娘を捨てたんだよ」

杏子父「……」

杏子「埋蔵金を探しに行く? ふざけんな」

杏子「運良くお目当てのモノを見つけたみたいだけどさ……、それでどうなるの?」

杏子「金持ちになって帰ってきたから許してくれってか?」


杏子「それでも親か」



さやか「杏子……、そんな言い方……」

杏子「さやかは黙っててくれ……、これは家族の問題だよ」

首領パッチ「杏子……、どんな言い方……?」

杏子「聞くなよ」


杏子父「杏子……」

杏子「話しかけないで」

杏子父「聞いてくれ」

杏子「聞きたくない」

杏子父「……ならば勝手に話させてもらう」

154: 2012/03/22(木) 02:00:46.89 ID:3N6NQXId0



杏子父「私は馬鹿だった。どうしようもない大馬鹿者だった」

杏子父「下らないプライドに囚われて、家族のこともロクに考えていなかった」

杏子父「あの日、協会を離れるとき、お前も連れていくかどうか悩んだ。だが、前日にあんなことを言った手前、お前と話すのが怖かった」

杏子父「悩みに悩んで、置いてきてしまった。心のどこかで、お前の力に恐怖していたんだ」

杏子父「家族に非難されても譲ることは出来なかった。家族を守る為と自分に言い聞かせていた」

まどか「そんな……」

さやか「最低……」

杏子「……」


杏子父「そこからは後悔の日々だった。許されぬ罪を背負った罪人になったかのようだった」

杏子父「私は考えた。どうすれば罪が許されるのか? そして私はあの書き置きを実行することにした」

杏子父「私が不甲斐なかったから、家が貧しかったから……。だから娘は魔女になってしまった」

杏子父「なら、ちゃんと家族を養えるようになれば、お前も許してくれるんじゃないか……と」


杏子父「埋蔵金を探している時、生きているという実感を感じられた。この時になってようやく私は、下らない宗教に魅せられていたと気づいたよ」

さやか「遅せぇ」

杏子父「しかし、一つ埋蔵金を見つけてもまだ心は満たされなかった。私はいつの間にかトレジャーハンターが職業となっていた。これでは神父をしていた時と少しも変わらない」

杏子父「もっと大きな価値のあるものを発掘しようと、次々と新たな埋蔵金を堀り尽くした。家族までも巻き込んで……」

杏子父「そんな馬鹿な私が、何故今になって帰ってきたと思う?」

杏子「……さあね」

杏子父「悪魔が……現れたんだ……」

杏子「悪魔……?」



杏子父「白い獣が……モモに甘言を囁いてきたのだ」

155: 2012/03/22(木) 02:03:25.82 ID:3N6NQXId0



杏子「白いっ……、キュゥべえか!?」

まどか「えぇっ!?」

さやか「アイツ、どこにでも湧くのね……!」

杏子「そ、それでモモは……!? まさかお前っ!」ガシッ!

モモ「い、痛いよ、お姉ちゃん……!」

杏子「言えっ! お前まさか、魔法少女に……!」

杏子母「杏子……」

杏子父「その子は拒んだ」

杏子「えっ……」


杏子父「叶えたい願いもあった筈だ。願いさえすれば、お前に会うことや、元の家庭に戻ることも出来たのに、モモはそれを望まなかった」

杏子父「本能的に理解していたんだろうな。甘い言葉には裏があることを……」

杏子「そうかぁ……、お前強いなぁ……。お姉ちゃんよりずっと賢いよ」

モモ「えへへ、ありがとう。それにね……」

杏子「ん?」

モモ「お願いは、やっぱり自分の力で叶えたいもん!」

杏子「モモ……」

156: 2012/03/22(木) 02:05:19.00 ID:3N6NQXId0


杏子父「モモから悪魔のことを聞いてやっと理解したよ、杏子。お前は何も悪くはなかった」

杏子父「ただ、貧しくても幸せな家庭が欲しかったんだな……」

杏子「親……父……」

杏子父「これは都合のいいワガママだとは分かっている。だが私は、私たちは心から望んでいるんだ」

杏子父「私に出来る罪滅ぼしはこれしかない」



杏子父「お前の願いを叶えるよ、杏子。もう一度、あの協会でみんな一緒に暮らそう」



杏子「お……お……」

杏子「お父さん……!」

杏子母「杏子……!」

モモ「お姉ちゃん!」

杏子「お母さん……モモ!」




さやか「杏子……良かったね……!」

まどか「杏子ちゃん……!」ウルウル

天の助「これで一件落着か」

首領パッチ「ハンカチ無しでは見れねぇ~~!」

 UFOキャッチャー『田楽マン「ふ、困った奴らだ」』

まどか「田ちゃん、まだそこにいたの!?」

157: 2012/03/22(木) 02:06:37.32 ID:3N6NQXId0



       コソコソ…

 ボーボボ「あれが杏子ズファミリーか」コソコソ

 マミ「まさか、佐倉さんの家族がトレジャーハンターだったとは……。でも、いい雰囲気ね」コソコソ

 ほむら「まさか、到着した時にはもう終わっていたなんてね」コソコソ

 マミ「私たちはもうちょっとしたら出てきましょう」コソコソ

 ほむら「そうですね、数年ぶりの家族の団らん……邪魔しないほうがいいわ」コソコソ



さやか「そうだ! ねぇ、杏子! 学校のことなんだけどさ!」

杏子「あ? 学校?」


 マミ「……」

 ほむら「……」

 ほむら「…………空気読めよ青が」チッ

 マミ「あ、暁美さん!?」


さやか「あんた、学校に行きたくない? 私たちと同じ学校にさ!」

杏子「え、えぇッ!? で、でもアタシ全然勉強できないし……それに……」

さやか「グズグズ言わないの! あんたが本当は学校に行きたがってるっていうネタは挙がってるんだから!」

杏子「なぁっ!? 何で知ってるんだよ!」

首領パッチ「みんなにバレてるぞ」

天の助「そーそー」

まどか「ご、ごめんね」

杏子「ななな何で……アレは独り言で……ハッ!」チラッ

 UFOキャッチャー『田楽マン「ぷぷぷ」ニヤニヤ』

杏子「田楽てめええぇぇぇ!!」

158: 2012/03/22(木) 02:07:49.86 ID:3N6NQXId0


杏子「コノヤロー! よくも!!」ガンガン!

 UFOキャッチャー『田楽マン「おいおい、店のモノに暴力を振るうんじゃねーぜ~」ギャハハハ!』

杏子「ならば!」つ100円 チャリン!

 UFOキャッチャー『田楽マン「え」』


   キャッチャー < ギャルルルルルッ!!


 UFOキャッチャー『田楽マン「え、ええぇぇーー!? 何この動き!?」』


杏子「オラオラオラオラァーーーッ!!」カチャカチャカチャッ!!

   キャッチャー < ガシィッ!!

 UFOキャッチャー『田楽マン「ぐえぇッ!?」』

   キャッチャー < グルングルングルングルン!!

 UFOキャッチャー『田楽マン「ぎゃああぁぁーー!? 殺されるぅ!! UFOキャッチャーに殺されるぅーーッ!!」』

   キャッチャー「地獄の断頭台!!」ゴシャァッ!

 UFOキャッチャー『田楽マン「ぶうぅッ!? 悪魔将軍!?」』


まどか「でも、さやかちゃん、言って良かったの? 学校のことは杏子ちゃんへのサプライズって…」

さやか「よく考えてよ、まどか。数年ぶりに家族と再会したんだよ? これを超えるサプライズなんてあたし達には無理だってば」

さやか「だから、杏子への祝福として……ね?」

まどか「そっか……そうだよね!」

159: 2012/03/22(木) 02:10:14.22 ID:3N6NQXId0



杏子「オラァーー! 調子乗ってんじゃないよコラァ!」

田楽マン「ひいぃぃ、許してぇ!」プルプル

杏子父「杏子」

杏子「あ、親父」

杏子父「学校に……行きたいのか? いや、それも当然だろうな」

杏子「え……、いや、その、それは……」

杏子母「杏子、遠慮しなくてもいいのよ?」

杏子「遠慮なんて……。でもさ、学校に入学って書類とかお金とか色々必要に……」

杏子父「子供がそんな心配するものではない」

杏子「魔法少女だって……」

さやか「はいはい! あたし魔法少女だけど、ちゃんと女子中学生やってますよー!」

杏子「ぐっ!」

杏子父「ああ言ってるが……」

杏子「で、でもさ……」


杏子父「お前はどうなんだ?」

杏子「えっ……?」

杏子父「お前は行きたくないのか、学校に」

杏子「……」


杏子「……行きたい」


杏子父「そうか……任せておけ」ナデナデ

杏子父「お父さんの力でどうにかしよう」

まどか「え、でもどうやって……?」

杏子父「安心したまえ、杏子は必ず入学する。……そして」

杏子父「そして、君の学校の設備はモロモロが向上するよ。記念碑と記念樹が出来て、図書室の寄贈書は数百万を越え、学食の食べ物も全て無料になるはずだ」

さやか(金だ……! 金の力を使うつもりだ……!!)ガタガタ

160: 2012/03/22(木) 02:11:42.44 ID:3N6NQXId0



ボーボボ「俺も協力しよう」スッ

まどか「あっ、ボーボボ!」

杏子父「君は……?」

ボーボボ「彼女達の学校の支配者だ」

杏子父「えッ!?」

ほむら「良かったわね、杏子」

マミ「佐倉さん!」

杏子「ほむら……マミ……、あ、ありがとな」

杏子「そうだ、さやかもまどかも首領パッチも天の助も! ありがとう!」

さやか「いいっていいって!」

まどか「うんうん!」

パチ天「「礼には及ばん、小娘」」


杏子父「この子達も、お友達かい?」

ほむら「どうも」

マミ「初めまして!」

モモ「わあ、お姉ちゃんがいっぱい!」

杏子「みんな、いい奴だよ。仲間だし友達」

杏子「あと、その、もう一人世話になった奴がいるんだけど……」

杏子父(話し方が少し変わった……、ということは)

杏子父「そうか、その人はお前の大切な人か……」

杏子「た、大切って何言ってんだよ!? そ、そりゃ大切といっちゃ大切だけどさ……」

さやか「やーい、赤くなってるー」

杏子「止めろコラ! ……あっ、いた! おーい、ソフトーン!」手フリフリ

杏子父「え?」チラッ

161: 2012/03/22(木) 02:13:48.79 ID:3N6NQXId0



ソフトン「杏子、ここにいたのか。荷物のことだが……ん?」

杏子「おう、紹介するよ。アタシの家族で、さっき帰ってきたところで……」

杏子父「!! あ、あぁ……!」


杏子父「う、ウンコ……!」ガタガタ


杏子父「と、父さんは認めんぞぉーーーーッッ!!!」

杏子「何を!?」アンアン!?



         語り継ぐ 人もなく

                 吹きすさぶ 風の中へ



まどか「何か流れ始めた!?」

杏子父「認めん、認めんぞぉーーーッ!!」ダッダッダッダッ!

マミ「あっ、そっちには……!」

      ブギュゥッ!

田楽マン「ウギャァッ!?」グバァッ!

杏子父「うわあぁッ!? 何か踏んだ……!?」グラッ



          紛れ散らばる  星の名は  忘れられても



 UFOキャッチャー < ガッシャァーーーーンッ!!

162: 2012/03/22(木) 02:17:20.66 ID:3N6NQXId0


杏子父「ウギャアアアァァーーーーッ!?」バリリーーン!

杏子「親父ぃーーーーーッ!?」

杏子母「あなたーーー!?」

モモ「お父さぁーーーん!?」



         ヘッドライト・テールライト

                       旅はまだ終わらない



         ヘッドライト・テールライト

                       旅はまだ終わらない



まどか「何でいい話で終わらそうとしてるの!?」マドーン!?

さやか「ヘッドライト・テールライト勿体ねえぇぇーーーッ!!」サヤーン!?



佐倉杏子―――家族と再会し学校に通い出す 
  
杏子母・モモ―――再び杏子と生活する

杏子父―――再起不能
                                    ___________|\
                                   [|[||  To Be Continued....!    >
                                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/



まどか「あれぇ、ジョジョっぽい!?」



  第十話「もう誰もが頼りない」 完

163: 2012/03/22(木) 02:20:36.93 ID:3N6NQXId0


第十話終了 今回は完全オリジナルの誰得回でした
またもや、予想以上に長くなりました
計画性の無さが滲み出ていますね

駄文を量産してる癖に、書くスピード自体は全く上がらない…
とりあえずは、さっさと十一話を書く作業に戻る……前に寝ます

それでは

167: 2012/03/22(木) 02:25:45.14 ID:3N6NQXId0

それでは、今回はこの辺で

168: 2012/03/22(木) 02:29:24.36 ID:EUdmJMhMo

久々にリアルタイムで読んだが、相変わらずのクオリティだった
ちゃんとボーボボの空気になってて、深夜なのに1人布団に籠ってバカ笑いしてる不審者だった俺

169: 2012/03/22(木) 07:29:35.51 ID:DXSK/rvAO
乙です!
今回は魔女もオリジナルなんですね。どんな姿してたんだろ?
首領パッチと天の助が久しぶりに戦いの中心に入ってて面白かったです!
次はいよいよワルプルギスの夜ですね。

引用: QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」3