1:◆L0dG93FE2w 2012/07/16(月) 11:13:47 ID:ZFPnVMdw
友「なのに何故、幼ちゃんはお前の彼女なんだ?」

男「え、相思相愛だからじゃない?」

友「何で俺には結婚の約束をした、可愛い幼馴染が居ないの?」

男「友、保育園の頃から、バカだったからなぁ…でもさ…」

友「バカって言うな、バカップルの片方が!」

男「バカップルって…」
江戸前エルフ(9) (少年マガジンエッジコミックス)
2: 2012/07/16(月) 11:14:08 ID:ZFPnVMdw
友「爆発しちゃえ、リア充」

男「いや、普通に爆発はしないけど」

友「それにしてもなぁ」

男「何?」

友「お前、幼稚園の頃の記憶とか、ある?」

男「俺は結構あるよ」

友「マジで?」

3: 2012/07/16(月) 11:15:05 ID:ZFPnVMdw
男「全部はっきり覚えてる訳じゃないけどさ」

男「友の武勇伝とか、言っちゃおうか?」

友「あぁ、いや、そう言うのいいから」

男「ん?」

友「どうせ面白話になるんだろ?」

友「俺って奴は、昔から爆笑王だったからな」

男「…」

友「何故黙る?ん?」

4: 2012/07/16(月) 11:15:32 ID:ZFPnVMdw
男「いやあ、さすが爆笑王だよな」

友「くそっ!ちょっとバカにしてるだろ?」

男「ちょっとじゃないけどね」

友「この野郎!よく平然とそんな事が言えるな!」

男「落ち着けよ、友。最近叫ぶ事多いぞ?」

友「主にお前が…お前らが原因だからな?」

男「俺ら?何の事だよ」

友「…いや、やっぱいい」

5: 2012/07/16(月) 11:16:09 ID:ZFPnVMdw
男「ん?」

友「これ、言い出したら、またノロケ話になって…」

友「俺が大声だすんだ。言わん!この話しは終わり!」

男「えー。ノロケ話、聞いてくれよー」

友「うっさい!」

幼「おーい、男。おまたせー」

男「委員会のお仕事ご苦労様、幼」

6: 2012/07/16(月) 11:16:51 ID:ZFPnVMdw
幼「それじゃ、帰ろうか?」

友「幼ちゃん、俺も一緒で良い?」

幼「良いけど…大声で叫ばないでよ?」

友「…」

幼「あの『リア充、爆発しろ!』って叫ばれるのって」

幼「結構恥ずかしいんだから」

友「…う」

7: 2012/07/16(月) 11:17:36 ID:ZFPnVMdw
友「お前らがイチャイチャしてるのを見てると」

友「何か叫びたくなっちゃうんだよ!」

男「ほら、また大声」

幼「友君、ただでさえ声大きいんだからさー」

友「むぅ…」

男「俺と幼は一緒に帰るけど」

男「どうする?絶対叫ばないって言うなら一緒に帰ろうぜ?」

8: 2012/07/16(月) 11:18:07 ID:ZFPnVMdw
友「叫ばない自信ないから、いいや…」

男「んじゃ、また明日なー」

幼「また明日ね、友君」

友「…はぁ」

9: 2012/07/16(月) 11:18:51 ID:ZFPnVMdw
委員長「…あ、あの、友君!」

友「んぁ?委員長?なんでしょか?」

委員長「ち、ちょっとお手伝いを、お願いしたいんだけど…」

委員長「もう帰るところ?」

友「あー。帰るところだったけど、いいよ」

友「どうせ帰ってもやる事ないし、手伝うよ」

10: 2012/07/16(月) 11:19:49 ID:ZFPnVMdw
委員長「お、ありがとう!それじゃあお願いします」

友「何すればいいの?」

委員長「えっと…父母会用のプリントを10枚ずつ閉じるの」

委員長「右から順番に、一枚づつ取って行って」

委員長「最後に閉じるっていう作業なんだけど」

友「おっけー。こっちから一枚ずつ取って…最後にカチャンと」

友「これでいい?」

委員長「うん。お願いします」

11: 2012/07/16(月) 11:20:23 ID:ZFPnVMdw
友「お安いご用なんだけど…これ、何部作るの?」

委員長「えっと…全部で200部なの」

友「おぅ。それじゃあと199部な」

委員長「あ、そうだね」

友「じゃあ、焦らず急いで片付けますか!」

委員長「うん!」

12: 2012/07/16(月) 11:21:03 ID:ZFPnVMdw



友「…委員長ってさぁ」

委員長「な、何かな?」

友「いつもこんな雑用してるよね?」

委員長「まぁ、委員長ですから!」

13: 2012/07/16(月) 11:21:47 ID:ZFPnVMdw
友「今日は俺が手伝ってるけど、いつもは一人でやってるの?」

委員長「みんな放課後は部活とか、色々あるでしょ?」

委員長「なかなか頼み辛くって」

友「はははっ。それで、暇そうな俺に白羽の矢が突き刺さった訳ね」

委員長「あっ、ごめんね。そう言うつもりじゃなかったんだけど」

友「いいよ。誰かに頼られるって、嬉しいしさ!」

委員長「…ありがとう、友君」

14: 2012/07/16(月) 11:22:34 ID:ZFPnVMdw


友「はー。やっと終わったなー」

委員長「ごめんね、こんな時間まで」

友「いいって、いいって。どうせ暇人だし」

友「それじゃ、これをダンボールに詰めて、職員室に持って行けばいいのかな?」

委員長「あ、そう。そうだね」

友「よっ…と。結構重いな、これ」

委員長「紙って意外と重いからね。私、こっち側持つから」

友「初めての共同作業だな。ははは」

委員長「…そ、そうだね、あはは」

友「それじゃ、足元に気をつけて、しゅっぱーつ!」

15: 2012/07/16(月) 11:23:02 ID:ZFPnVMdw


担任「お、二人ともありがとうな。助かったよ」

友「そう思ってるなら、ジュースくらい奢って下さいよー」

担任「ははは、そうだな。委員長にはいつも雑用頼んじゃってるし」

担任「友が手伝いするなんて珍しいからな」

担任「ほら、ジュース2本分」

友「現金支給っすかー。まあいいですけど」

16: 2012/07/16(月) 11:23:38 ID:ZFPnVMdw
委員長「先生、本当に頂いて良いんですか?」

担任「他の奴らには内緒な?内緒」

友「ご馳走になります!ありがとう先生!」

担任「おい、友。声でけーよ!」

友「すいません、良く言われます」

担任「それじゃ、時間も遅い。2人とも気をつけて帰れよ?」

委員長「はい。では先生。お先に失礼します」

17: 2012/07/16(月) 11:24:01 ID:ZFPnVMdw
友「せんせー、またあした。みなさん、またあしたー」

担任「何で幼稚園児みたいに言うんだ、友」

友「ちょっとした茶目っ気?」

担任「お前は本当に幼稚だなぁ」

友「はい!良く言われます!」

18: 2012/07/16(月) 11:24:39 ID:ZFPnVMdw
担任「お前、委員長を送って行ってやれよ?」

友「そのつもりでした。もう外暗いっすからね」

委員長「え?わ、悪いよそんなの」

友「遠慮すんなよ、委員長」

担任「そうだぞ、委員長」

19: 2012/07/16(月) 11:25:21 ID:ZFPnVMdw
担任「いざって時は、こんなのでも何かの役に立つはずだ!」

友「先生…こんなのって酷いっすね」

担任「とにかく、ちゃんと送ってやれよ、友」

友「はーい」

委員長「では、失礼します」

20: 2012/07/16(月) 11:25:55 ID:ZFPnVMdw



委員長「ホントに良かったの?」

友「気にしすぎだぜ、委員長」

委員長「手伝いしてもらった上に、送ってもらうなんて」

21: 2012/07/16(月) 11:26:33 ID:ZFPnVMdw
友「あ、そう言えば委員長の家ってどの辺り?」

委員長「商店街の近くだよ」

友「へえ。ウチ、商店街の中なんだ」

委員長「知ってるよ。八百屋さんでしょ?」

友「おう。何で知ってるんだ?エスパー?」

委員長「昔から、お使いでよく行ってるからね」

22: 2012/07/16(月) 11:27:22 ID:ZFPnVMdw
友「あら、これはお得意様でしたか。失礼しました」

委員長「ふふっ。友君が手伝ってるのたまに見かけるよ?」

友「小銭の為なら、何でもする。それが俺って奴なのさ!」

委員長「将来は八百屋さんになるの?」

友「それはどうかなー」

友「親父もお袋も、後継いでくれ~なんて言わないし」

友「俺も、将来の事、あんまり考えてないしな。ははは」

23: 2012/07/16(月) 11:27:57 ID:ZFPnVMdw
委員長「もう、高校3年生なんだから」

委員長「進路の事、ちゃんと考えないとね?」

友「あー、うん。前向きに善処します」

委員長「ふふ。それはあまり考えないって事?」

友「な、何故バレた!?」

委員長「友君、わかりやす過ぎ」

友「それが俺って奴なのさ!」

委員長「ふふふ」

24: 2012/07/16(月) 11:28:52 ID:ZFPnVMdw
友「へへへっ…そういや委員長とこんなに会話したの、初めてじゃね?」

委員長「そ、そうかな?そうかもね」

友「あ、ほら。そこの公園の自販機でジュース飲もうぜ?」

委員長「う、うん」



友「オレはもちろんコーラだぜ!っと」
ピッ
ガコン

25: 2012/07/16(月) 11:29:22 ID:ZFPnVMdw
友「委員長は…オレンジジュース?」

委員長「えっ?どうしてわかったの?」

友「あ、いやあ。なんとなく?」

ピロピロピー!

友「あ、当たった!イェーイ!」

26: 2012/07/16(月) 11:30:01 ID:ZFPnVMdw
委員長「えっ?あ、は、早く押さなきゃ!」
ヨロッ

友「おっと」
ドサッ


友「委員長、大丈夫?」

委員長「あ、あわわ。友君、ごめんなさいっ」

27: 2012/07/16(月) 11:30:39 ID:ZFPnVMdw
委員長「わ、私をかばって…」

友「オレの事はいいから、委員長は大丈夫?」

委員長「私は大丈夫」

友「なら良かった。よっと」
スッ

委員長「え?」

28: 2012/07/16(月) 11:31:03 ID:ZFPnVMdw
友「お手をどうぞ?お嬢様?」

委員長「ど、どうもありがと…」

友「あぁ、当たりの権利消えちゃったなー」

委員長「ごめんね…」

友「え?何で委員長が謝るの?」

委員長「わ、私のせいで、せっかくの当たりが…」

29: 2012/07/16(月) 11:31:36 ID:ZFPnVMdw
友「別にいいじゃん。先生からもらった駄賃があるしさ」

友「それっ」
ピッ
ガコン

委員長「あ」

友「ほい、委員長の分」

委員長「…ありがと、友君。優しいんだね」

友「そんな事言われた事ないから、照れちゃうぜ?」

委員長「ふふっ」

30: 2012/07/16(月) 11:33:05 ID:ZFPnVMdw
委員長「…ね、友君、そこのベンチでちょっとお話していかない?」

友「ん?いいよ、オッケー」

友「よいしょっとー」

委員長「…」

友「それにしてもかなり遅くなっちゃったなー」

友「ご両親が心配してるんじゃね?」

委員長「大丈夫、家には電話してあるから」

友「い、いつの間に?」

31: 2012/07/16(月) 11:33:50 ID:ZFPnVMdw
委員長「先生から用事を頼まれた時にね」

友「なるほど」

委員長「一人だと、もっと遅くなってたと思うから」

友「まさかこの俺が人の役に立つ日が来るなんてなぁ」

友「明日、きっと雨降るぜ?」

委員長「ふふっ。本当に照れ屋なんだから」

友「いやいやいやー。照れてないっすよ。ホント」

32: 2012/07/16(月) 11:34:32 ID:ZFPnVMdw
委員長「ふふ。友君が優しいって事、クラスのみんなが知ってるよ」

友「えー?オレってそんなキャラかなぁ?」

委員長「優しいよ。今日だって私を手伝ってくれたじゃない」

友「今日のは、まぁ…たまたまだよ、たまたま」

友「だいたいさぁ」

友「イチャついてる男と幼ちゃんを見て、大声で叫んで」

友「クラスのみんなから『友、うるさい!』って言われる」

友「それが俺って奴なのさ!」

33: 2012/07/16(月) 11:35:23 ID:ZFPnVMdw
委員長「ふふ。照れ屋さんって事は、私だけが知ってる事実?」

友「クラスの皆には内緒な?へへっ!」

委員長「ふふふっ」

友「そう言えば委員長ってさ」

委員長「何かな?」

友「なんでメガネなの?コンタクトとかにしないの?」

委員長「一応コンタクトも持ってるんだけどね」

委員長「メガネの方が慣れてるから」

34: 2012/07/16(月) 11:36:01 ID:ZFPnVMdw
友「そうなのかー」

委員長「どうして?」

友「いやぁ。俺の推理によると…」

友「委員長はメガネよりコンタクトの方が似合うと思うんだぜ!」

委員長「…そう?」

友「髪もさー」

委員長「え?髪?」

友「何か、ずっとお下げ髪じゃん?」

委員長「う、うん。そうだね」

35: 2012/07/16(月) 11:36:49 ID:ZFPnVMdw
友「普通に下ろしてみたら?」

委員長「えっ?」

友「コンタクトにして、髪を下ろしたら、随分印象変わると思うぜ?」

委員長「…」

友「あ、気にしてたんならごめんな?」

委員長「あ、気にしてないよ、大丈夫」

友「さーて、そろそろ帰りますか」

委員長「そ、そうだね。帰ろうか」

36: 2012/07/16(月) 11:37:47 ID:ZFPnVMdw


委員長「あ、私の家、ここだから」

友「えー。すっげぇ近いじゃん。ウチと」

委員長「そうだね。私は知ってたけどね」

友「おぉう。意外だったぜ!」

委員長「今日は本当にありがとうね、友君」

友「気にすんなよ、委員長」

37: 2012/07/16(月) 11:38:15 ID:ZFPnVMdw
友「気まぐれで手伝っただけだし、駄賃も貰ったし」

友「何より、委員長と結構話せたしな!」

委員長「そ、そうだね。私も友君とおしゃべり出来て、楽しかったよ!」

友「いつでも何でも手伝うから。気軽に声掛けてなー」

委員長「ありがとう、それじゃまた明日ね」

友「おう。お休み、委員長」



委員長「…はぁ」

38: 2012/07/16(月) 11:38:47 ID:ZFPnVMdw



友「おはよーっす」

男「おはよう、友」

幼「おはよう、友君」

39: 2012/07/16(月) 11:39:21 ID:ZFPnVMdw
友「相変わらずのイチャイチャぶりだのぅ」

男「いいじゃないかよー」

?「おはようございます」

友「ん?おはようございます?」

友(誰だ、この美人)

男「おはよー」

幼「おはよう委員長さん」

40: 2012/07/16(月) 11:40:41 ID:ZFPnVMdw
男「委員長さん、お下げ髪、やめたんだ?」

幼「コンタクトにして、髪下ろしたんだねー」

?「え、ええ。ちょっとね、気分転換にね」

友「んん?委員長?」

委員長「…友君、気付かなかった?」

友「えぇー。そんな…漫画かよ!」

男「声がデカイぞ、友。皆が見てるだろ」

友「で、でもお前」

41: 2012/07/16(月) 11:42:05 ID:ZFPnVMdw
男「え?マジで気付いて無かったの?」

友「お前は気付いたのかよ?」

男「当たり前だろ」

友「うぉう、当たり前か…」

友「あ、委員長、ごめんっ!」

委員長「えっ?何で謝るの?」

友「全然気付かんかった!別人に見えたよ!」

友「すげーな、委員長!」

42: 2012/07/16(月) 11:42:56 ID:ZFPnVMdw
委員長「あ、謝る事じゃないよ。ありがとう」

男「…はぁ」

幼「ん?どうしたの、男」

男「いや、俺の親友はつくづくアホなんだなぁと思って」

幼「アホって言うほどじゃないでしょ?」

男「いやいや、アホだよ。何も覚えてないんだから」

幼「まぁ、それはそうだけど」

43: 2012/07/16(月) 11:44:07 ID:ZFPnVMdw
友「聞こえてるぞ、二人とも!」

友「俺が何を覚えてないって言うんだ?あん?」

男「…気にするなよ、鳥頭」

幼「そうそう。気にしなくていいよ、友君」

幼「…委員長、私達は味方だからね?」

委員長「え、あ、ありがとう、二人とも」

友「むぅ。なんという疎外感」

44: 2012/07/16(月) 11:44:42 ID:ZFPnVMdw



友「お前らさぁ…」

男「何?」

幼「何よ?」

友「もう、生徒指導に呼ばれて、怒られてこい!」

45: 2012/07/16(月) 11:45:43 ID:ZFPnVMdw
男「普通に嫌だよ」

友「もう不純異性交遊だよ。学校で手繋ぐとか、犯罪だろ!」

友「逮捕されろ、リア充!」

幼「また、声大きくなってるよ、友君」

友「まぁいいや。それじゃ俺、購買でパン買ってくるわ…」

友「どうせお前らは手作り弁当をアーンとかするんだろ?」

男「アーンはどうだかわからんけど、手作り弁当ではあるな」

友「…くそう」

46: 2012/07/16(月) 11:46:12 ID:ZFPnVMdw
委員長「あ、あの、友君」

友「ん?委員長、どしたの?また何か手伝う?」

委員長「違うよ。…お昼ご飯、購買でパン買うんだよね?」

友「うん。ウチ、仕入れとかで朝忙しいからさー」

友「弁当作ってくれないんだよ」

友「だから毎日パン食だよ」

友「日本人なのにな!」

47: 2012/07/16(月) 11:47:15 ID:ZFPnVMdw
男「友、声デカイってば」

友「うっさい!」

委員長「あのね、友君。もし良ければなんだけどね」

友「うん?」

委員長「お弁当、作って来たんだけど、食べてくれる?」

友「マジで!?」

委員長「友君が毎日パン食べてるの見てたし」

委員長「昨日のお礼がしたくって、ね?」

48: 2012/07/16(月) 11:47:48 ID:ZFPnVMdw
友「…い」

委員長「…い?」

友「ぃぃぃいやったーーーーーーーーー!」

クラス一同「友!うるさい!」

友「はっ!?取り乱してしまったか?」

男「大丈夫だよ、いつも通りのお前だ」

幼「委員長さん、友君に何かされたの?」

友「…君たちは実に失礼だな?」

49: 2012/07/16(月) 11:49:27 ID:ZFPnVMdw
委員長「昨日、男君と幼さんが帰った後」

委員長「仕事の手伝いをしてもらったの」

委員長「そのお礼にと思って」

友「いやあ…男。俺はお前に言いたい事があるぞ?」

男「何だ?」

友「良い事って、してみるもんだなぁ!」

男「そうだな」

友「委員長、ほんとにありがとう!」

委員長「う、うん。喜んで貰えて、良かったよ」

50: 2012/07/16(月) 11:50:17 ID:ZFPnVMdw
友「食べていい?食べていい?」

幼「じゃあ、委員長さんも一緒に食べようよ」

男「おー!そうしようよ、委員長さん」

友「あぁ…お昼ご飯に、パンとサラダ以外の物を食べるのは久しぶりだぜ…」

委員長「サラダ?」

男「あぁ、委員長さんも知ってると思うけど」

男「こいつんち、八百屋だからさ」

51: 2012/07/16(月) 11:50:59 ID:ZFPnVMdw
男「休日の昼ご飯、サラダしか出てこないんだ」

委員長「ふふっ。そうなんだ?」

友「そうなんだよー」

友「もうドレッシングの味とか、嫌いになりつつあるよ…」

友「はっ!こんな話ししてる場合じゃない!」

友「食べよう!ご飯を!パンじゃない、ライスを!炭水化物を!」

男「友、パンも炭水化物だからな?」

友「…いただきまーす!」

52: 2012/07/16(月) 11:51:42 ID:ZFPnVMdw
男「俺たちも食べよう」

幼「そうだね。はい、男。これ」

男「いつもありがとな、幼」

幼「それじゃ、頂きます」

男「頂きます」

委員長「頂きます」

友「…クックック」

53: 2012/07/16(月) 11:52:51 ID:ZFPnVMdw
男「どうした?壊れたか?」

友「ある意味、壊れたかもしれない」

幼「わぁ…委員長さん、料理上手なんだねぇ」

男「ホントだ。凄く美味しそう」

友「一口たりとも、あげませんけど何か?」

男「別に取らないよ。俺には幼の手作り弁当があるし」

友「おお…美味しい…委員長!美味しいよ、コレ!」

委員長「と、友君、声が大きいよ」

54: 2012/07/16(月) 11:53:34 ID:ZFPnVMdw
友「あぁ、悪い。でもホント美味しい」

委員長「お口に合って、良かったよ」

友「こんなに美味しいお弁当が食べられるなら」

友「毎日手伝いでも良いなぁ」

委員長「…」

男「手伝いねぇ」

幼「面倒臭がりの友君にしては、珍しいわね」

55: 2012/07/16(月) 11:54:23 ID:ZFPnVMdw
委員長「あの、友君」

友「あぁ、委員長、凄く素敵なランチタイムをありがとう!」

友「踊りたくなっちゃうくらい、気分が良いね!」

委員長「あの…良ければ、毎日作ってこようか?」

友「え?いやいや、さすがにそれは悪いよ。手間だろ?」

委員長「一つ作るのも二つ作るのも、大して変わらないよ」

56: 2012/07/16(月) 11:55:08 ID:ZFPnVMdw
友「えぇー。昨日のあんな手伝いの事だけで」

友「毎日お弁当作ってもらおうなんて」

友「それはさすがに厚かましいだろ?」

委員長「そ、そんなんじゃなくて、ね」

委員長「友君に、食べてもらいたいなぁって」

友「え?え?」

57: 2012/07/16(月) 11:55:49 ID:ZFPnVMdw
委員長「あ、嫌なら、別に…」

友「いやいやいや!全っ然、嫌じゃないけどさ!」

男「…委員長さん、こいつアホだからさー」

幼「絶対覚えてないわよ、あの事」

友「あの事?」

委員長「うん。わかってるんだけどね」

委員長「最近まで、私もそうだったから…」

委員長「でも、もうこのままじゃ嫌だと思ったから…」

委員長「昨日、思い切って勇気出してみたの」

58: 2012/07/16(月) 11:57:02 ID:ZFPnVMdw
幼「そっかー。頑張ってね、委員長さん!」

友「えっ?何何?どういう事?」

友「気になる真相は…CMの後で!」

友「って、いやいやいや!そんなん言ってる場合か!」

幼「友君、また声がデカいよ?」

友「何で俺だけ蚊帳の外?」

59: 2012/07/16(月) 11:57:46 ID:ZFPnVMdw
委員長「いいの、友君。今はご飯食べよ?」

友「納得いかないんだけど…」

男「今のお前には理解できないさ」

友「む?どう言う意味だ?」

男「それよりさっさと食べようぜ、友」

友「…うん」

60: 2012/07/16(月) 11:58:18 ID:ZFPnVMdw
委員長「友君、今日の放課後、時間ある?」

友「あ、あぁ。毎日暇人!」

友「それが俺って奴だしな!」

委員長「じゃ、今日も一緒に帰らない?」

友「あぁ、い、いいぜ?」

委員長「そ、その時、色々話すね」

友「あぁ、うん。わかった…」

61: 2012/07/16(月) 11:59:09 ID:ZFPnVMdw


友(午後の授業が頭に入ってこねぇ…)

友(男と幼ちゃんは何か知ってるみたいだったけど…)

友(あの事?覚えてない?)

友(んぁーーーーー。意味わからん!)

62: 2012/07/16(月) 11:59:43 ID:ZFPnVMdw
トントン

友「ん?」

男「これ、幼から」

友「手紙?」

男「お前に回してくれって」

友「サンキュ」

友(何の手紙だろ)

ガサガサ

63: 2012/07/16(月) 12:00:41 ID:ZFPnVMdw
友(…)

友(…)

友(!)

友「マジで!?」

クラス一同 ビクッ!

担任「何がマジなんだ?友?」

友「あ、す、すんませんっ!」

64: 2012/07/16(月) 12:01:47 ID:ZFPnVMdw
担任「お前が最近急に大声で叫ぶって噂、本当だったんだな」

担任「放課後、ちょっと職員室に来い!」

友「…は、はい」


担任「ったく。お前は幼稚園児か?」

友「すんません、かなりびっくりする事が起きたんで」

65: 2012/07/16(月) 12:02:53 ID:ZFPnVMdw
担任「何があった?」

友「すみません、それはプライバシーの侵害なんで…」

担任「…」

友「あー、あのっすね。昔の事を思い出したんですよ、急に」

担任「ほう?」

友「それが、俺の人生を左右するような事だったんで」

友「つい叫んじゃったんすよ」

66: 2012/07/16(月) 12:03:34 ID:ZFPnVMdw
担任「詳しい内容については…?」

友「それは先生にも言えません!」

担任「そうか…言えないか」

友「絶対言いません!」

担任「はぁ…仕方ねぇな」

担任「今日の所は勘弁してやる」

友「ありがとうございます!」

67: 2012/07/16(月) 12:04:14 ID:ZFPnVMdw
担任「元気がいいのは良い事だけどな」

担任「授業中の奇声はもう勘弁な?」

友「はい!なるべく気をつけます!」


友「ちょっと時間取られちまったな」

友「委員長、もう帰っちゃったかな?」

ガラガラ

委員長「あ、友君」

友「あぁ、委員長、待たせて悪かった!」

68: 2012/07/16(月) 12:05:03 ID:ZFPnVMdw
委員長「ふふっ。怒られた?」

友「そうでもなかったぜ」

友「注意って感じだった!」

委員長「良かったね?」

友「おう。まぁ、奇声上げた俺が悪いしな!」

友「待たせてごめんな、委員長」

委員長「ううん。全然大丈夫だよ」

友「それじゃ、帰ろうかー!」

委員長「うんっ」

69: 2012/07/16(月) 12:05:42 ID:ZFPnVMdw


委員長「それで?」

友「ん?」

委員長「何で授業中、叫んじゃったの?」

友「あぁー。幼ちゃんからさー」

委員長「幼さん?」

友「衝撃的な内容の手紙が届いたんだよ」

70: 2012/07/16(月) 12:06:17 ID:ZFPnVMdw
友「叫ばずには居られないくらい!」

委員長「何て書いてあったの?」

友「んー」

委員長「…んー?」

友「あ、き、今日もそこの公園でジュース飲もうぜ」

友「今日は俺が奢るからさ!」

71: 2012/07/16(月) 12:06:52 ID:ZFPnVMdw


友「はい、オレンジジュース」

委員長「ありがとう、友君。ごちそうになります」

委員長「…ね、友君、そこのベンチでちょっとお話していかない?」

友「お、おう…」

委員長「…」

72: 2012/07/16(月) 12:08:07 ID:ZFPnVMdw
友「…あ、あのさ」

委員長「うん…」

友「俺達、幼馴染だったんだな」

友「幼ちゃんからの手紙に書いてあったんだ」

委員長「そうだね。保育園から高校まで、同じ学校だよ?」

委員長「それに、保育園と、幼稚園の時はすごく仲良しだったよ」

73: 2012/07/16(月) 12:08:59 ID:ZFPnVMdw
友「ごめんな、委員長」

友「全部忘れちゃってて…」

委員長「いいの」

委員長「友君は昔から…忘れん坊だもんね?」

友「耳が痛いぜ…」

友「そ、それでな?委員長…」

74: 2012/07/16(月) 12:10:17 ID:ZFPnVMdw
委員長「ちょっと待って、友君」

友「え?」

委員長「私から先に言わせて?」

友「う、うん」

委員長「幼稚園の時、男君と幼さんが約束してた事は知ってるよね?」

友「あぁ、大きくなったら結婚するって奴な」

75: 2012/07/16(月) 12:11:10 ID:ZFPnVMdw
委員長「…私と友君も、したんだよ?同じ約束」

友「なっ!マジで?」
ガタッ

委員長「マジなんです」

友「あぁ、あの、俺ほら、バカだから…」

76: 2012/07/16(月) 12:13:06 ID:ZFPnVMdw
友「幼ちゃんの手紙にはそこまで書いてなかったし…」

友「…」

委員長「あのね」

委員長「友君とは、小1から高3まで」

委員長「同じクラスになった事が無かったから」

委員長「話す機会も全然無くて」

委員長「実は、私も、ほとんど忘れてたの。約束の事」

友「…そ、そうなんだ」

77: 2012/07/16(月) 12:14:22 ID:ZFPnVMdw
委員長「でも、男君と幼さんがね」

委員長「お付き合いを始めたでしょう?」

友「あぁ、バカップルだな、あいつらは」

委員長「幼さんがね」

友「うん?」

委員長「付き合い始めた次の日、私にね」

委員長「『あの時の約束、覚えてる?』って」

友「…」

78: 2012/07/16(月) 12:14:57 ID:ZFPnVMdw
委員長「あの2人が約束した事と同じ事を」

委員長「私達も、同じ日にしてたんだって」

委員長「それで私もはっきり思い出したんだ」

委員長「あの日、4人でやった約束の事」

友「おぉう、そうだったか…」

委員長「でも…でもね、友君」

委員長「わ、私はね?」

79: 2012/07/16(月) 12:15:28 ID:ZFPnVMdw
友「え?委員長、泣いてるの?」

委員長「さ、最後まで聞いて?」

友「…」

委員長「高3で、同じクラスになった一人の男子に」

委員長「実は恋をしちゃってたんだ」

友「!」

80: 2012/07/16(月) 12:15:57 ID:ZFPnVMdw
委員長「私はその人の事をね」

委員長「小さい頃から…」

委員長「廊下ですれ違う度」

委員長「道ですれ違う度」

委員長「店先で手伝いをしているのを見かける度」

委員長「何故か目で追っていたの」

委員長「自分でも良く解らなかったんだけどね」

友「…」

81: 2012/07/16(月) 12:16:54 ID:ZFPnVMdw
委員長「高3になって、同じクラスになってね」

委員長「その人の事を観る機会が凄く増えてね」

委員長「いつの間にか好きになっちゃってたの」

委員長「その人はね」

委員長「いつでも明るくて」

委員長「クラスのムードメーカーで」

委員長「おどけてみせるけど、本当はとっても優しくて」

委員長「真面目で、ちょっぴり照れ屋さん」

友「…」

82: 2012/07/16(月) 12:17:47 ID:ZFPnVMdw
委員長「そ、そんな、あなたに…私は恋をしたんです、友君」

友「あ、あの、委員長…」

委員長「だから、昨日、思い切って声をかけたんです」

委員長「手伝って欲しいって言うのは、口実で」

委員長「あなたと居たかったんです」

委員長「帰り道、一緒に歩いて、公園でお話しして」

委員長「確信したんです」

委員長「昔の約束は関係なく、今のあなたの事が好きなんです」

委員長「友君」

83: 2012/07/16(月) 12:18:20 ID:ZFPnVMdw
友「あ、あのさ、委員長」

委員長「…はい」

友「気持ちはとってもとーっても嬉しいんだけどさ…」

委員長「…やっぱり、私なんかじゃ、駄目ですか?」

友「ち、違うよ!逆!逆!」

友「泣かないでよ、委員長!」

委員長「…逆?」

84: 2012/07/16(月) 12:18:55 ID:ZFPnVMdw
友「俺みたいな、いい加減な奴が、委員長につり合うとは思えねえよ!」

委員長「…」

友「俺、鳥頭だし、声デカいのしか、取り柄ないし」

友「顔もブサイクだからさ」

委員長「…」

友「真面目で、頭が良くて」

友「みんなの為に、面倒な雑用を、嫌な顔一つしないで、こなして」

友「…それに、こんなに美人な委員長にはさ…」

85: 2012/07/16(月) 12:19:37 ID:ZFPnVMdw
友「お、俺なんかより、お似合いの人が、どこかにさ」

友「…どこかに、居る、よ、きっと…」

委員長「…本当に、照れ屋さんだね、友君」

委員長「それに、ウソをつくのが、とっても下手だね?」

友「…」

委員長「友君。正直に答えてね?」

委員長「私の事、嫌い?」

86: 2012/07/16(月) 12:20:22 ID:ZFPnVMdw
友「…嫌いじゃない」

友「っていうか、好きだよ!」

友「高3に上がった時、委員長の事、一目見て」

友「こんな人が彼女になってくれたらいいなって思ったさ!」

友「でも、接点とかないし」

友「俺、ヘタレだから、自分からは話しかけられないし!」

87: 2012/07/16(月) 12:20:56 ID:ZFPnVMdw
友「幼ちゃんの手紙見て、実は幼馴染で」

友「しかも、け、結婚の約束とかしてたって知って」

友「正直、超ドキドキしてるさ!」

友「でも、俺だぜ?」

友「無理に決まってるじゃんk

ギュッ

88: 2012/07/16(月) 12:21:39 ID:ZFPnVMdw
友「なっ、何してんの、委員長!」

委員長「…つり合わない、とか、自分じゃ無理とか」

委員長「そう言う事じゃないの、友君」

委員長「私の事が好きなら、抱きしめて欲しい」

委員長「駄目なら、突き放して欲しい」

友「い、委員長…」

委員長「お願い、友君…」

友「お、俺は…俺は…」

89: 2012/07/16(月) 12:22:01 ID:ZFPnVMdw



友「なぁ、男」

男「何?」

友「俺達、幼馴染だよな?」

男「そうだな」

90: 2012/07/16(月) 12:22:36 ID:ZFPnVMdw
友「委員長も、俺達の幼馴染だったんだな?」

男「言っておくが、俺は覚えてたからな?」

友「マジで?」

男「幼稚園の頃の記憶は割と残ってるって言ったろ?」

友「約束の事もかよ?」

男「あんな大事な事、忘れる訳がない」

男「それに、俺は幼から毎年誕生日に言われてたからな」

友「18になったら結婚…か?」

男「友と委員長さんも、同じ約束してたからな?」

91: 2012/07/16(月) 12:23:00 ID:ZFPnVMdw
友「…なぁ、男」

男「何?」

友「俺に大声で『リア充、爆発しろ!』って言ってくれ…」

男「何それ、嫌だよ」

友「た、頼むよ!」

92: 2012/07/16(月) 12:23:44 ID:ZFPnVMdw
幼「お待たせ、2人とも…って何の話ししてるの?」

委員長「お昼食べましょう、友君」

友「おぉ…委員長。大声で言って欲しい事があるんだ…」

委員長「えっ?何を?」

友「リア充、爆発しろ!って…」

委員長「イヤです」

友「えー?いいじゃん、頼むよ!」

委員長「いくら恋人の頼み事でも、そんな事は言えません!」

93: 2012/07/16(月) 12:24:21 ID:ZFPnVMdw
友「…こ、恋人…恋人」

委員長「違いますか?だって、昨日…」

友「あぁっ!こ、この俺が…」

友「まさかリア充の仲間入りする日が来るなんて…」

男「いいじゃないか、リア充」

幼「2人ともハッピーで、良い事じゃない?」

94: 2012/07/16(月) 12:24:54 ID:ZFPnVMdw
友「…」

委員長「リア充、嫌なの?友君」

友「い、嫌じゃない!」

委員長「ちょ、友君、声大きいよ」

友「リア充!爆発するな!」

クラス一同「友!うるさい!」



おわり

95: 2012/07/16(月) 12:26:42 ID:ZFPnVMdw
これで終わりです
読んでくれた人が居たら嬉しいです

次スレは
幼馴染「今度引っ越す事に…」男「…」
ってタイトルでスレ立てたいと思います

見かけたら読んでくれると嬉しいです

では。

101: 2012/07/16(月) 21:08:54 ID:nDWfBkMM
いい話だった。乙!

引用: 友「俺も幼馴染だよな?」男「そうだな」