1: 2011/08/21(日) 18:13:53.28 ID:Y8FnaNv8O
萌郁「……」

岡部「……」

萌郁「あの……」

岡部「お前ジブリ映画見てきただろ」

萌郁「……」コク

岡部「面白かったか?」

萌郁「なんだか……よく、解らなかった……」

岡部「そうか……」

萌郁「……」コク
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4: 2011/08/21(日) 18:19:38.52 ID:Y8FnaNv8O
萌郁「岡部君は……まだ、見てない……?」

岡部「俺は興味が無いのでな変形ロボットの方を見てきた」

萌郁「そっちは……面白かった……?」

岡部「なかなか良かったぞ、見終わった時は俺様も変形できるのではないかと思ってしまった」

萌郁「そう、なんだ……」

岡部「あぁ、特に玄田さんが武器を振り回すあたりとかな」

萌郁「吹き替え、だったんだ……」

岡部「3Dで字幕は疲れるからな、作品も長かったし」

萌郁「そう……」

5: 2011/08/21(日) 18:25:33.48 ID:Y8FnaNv8O
萌郁「私も……そっちにすれば……良かったかな……?」

岡部「あれは男が楽しむものだろうから、女のお前にはどうかな」

萌郁「そう、なんだ……」

岡部「それにお前は前作を見てないんだろ?」

萌郁「うん……」

岡部「ならばジブリで良いのではないか?」

萌郁「そう、だね……」

岡部「よく解らなかったと言っていたが、何が解らなかったんだ?」

萌郁「あの…………」

岡部「ん?」

萌郁「何が……したかったのかが……」

岡部「どういう意味だ?」

萌郁「中身が……無くて…………」

岡部「おっとそこまでだ!!」

岡部「この会話も機関に盗聴されているかもしれん、迂闊な発言は慎めよ」

7: 2011/08/21(日) 18:34:20.05 ID:Y8FnaNv8O
岡部「たしか監督はまた息子だったか?」

萌郁「うん……」

岡部「そうか……ダルの奴が息子がなんたらと言っていたな」

萌郁「有名……なの……?」

岡部「どうだろうな、某原作者は『これは私の作品では無い』と言ったとか言わないとか」

萌郁「そう、だったんだ……」

岡部「今回はどうなるかと噂はされていたが……そうか……」

萌郁「うん……よく、解らなかった……」

岡部「たしか助手も見に行くとか言っていたな」

萌郁「牧瀬、紅莉栖も?」

岡部「ああ、俺が映画を見に行くと言った時だったかな」

萌郁「岡部君は……変形ロボットでしょ……?」

岡部「あぁ、空中で人が回転した時は撮影方法を色々と考えてしまった」

萌郁「凄かった……?」

岡部「あぁ、実際に跳ばしたとは聞いていたがどこまでが本物かスタジオか解らなかったぞ」

8: 2011/08/21(日) 18:39:55.53 ID:Y8FnaNv8O
萌郁「実は、他にも見たいのが……ある……」

岡部「ん?どれだ?」

萌郁「あの……パンダ、の……」

岡部「ああ、あれか、前作は見たが今回のはまだ見ていないな」

萌郁「なら……一緒に……行く……?」

岡部「そうだな」

萌郁「……」コク

岡部「そうなると前作を見直したくなってきたな」

萌郁「DVD……持ってる……」

岡部「なに!?是非貸してくれ」

萌郁「じゃあ……取ってくる、ね……」

岡部「あぁ待っているぞ」

9: 2011/08/21(日) 18:44:31.16 ID:Y8FnaNv8O
……………………

萌郁「ただいま……」

岡部「早かったな」

萌郁「少し……急いだ……」

岡部「今日はダルやまゆりは来ていないから、ここでゆっくり見てしまおうかな」

萌郁「あの……」

岡部「ん?」

萌郁「ポップコーン……」

岡部「なに!?買ってきてくれたというのか?」

萌郁「……」コク

岡部「おお、素晴らしいぞ指圧師よ」

萌郁「……食べると……思って……」

岡部「では早速見始めるぞ」

萌郁「……」コク

10: 2011/08/21(日) 18:47:51.13 ID:Y8FnaNv8O
萌郁「……」

ガガーン

岡部「……」

ジャキーン

萌郁「……」ポリポリ

岡部「指圧師、ドクペとってくれ……」

萌郁「……」スッ

岡部「さんきゅ……」

グワーン

岡部・萌郁「!!」

ギャーン

岡部「おお……」ポリポリ

萌郁「……」ポリポリ

12: 2011/08/21(日) 18:54:10.39 ID:Y8FnaNv8O
岡部「うむ……なかなか面白かったな」

萌郁「……」コク

岡部「気が付いたらポップコーンも食べ終わってしまった」

萌郁「自然と……手がのびる……」

岡部「だな……さて、そろそろ助手が来るころか?」

萌郁「もう、そんな時間……?」

岡部「そろそろだと思うぞ」

萌郁「そう……」

ガチャ

助手「岡部!!」

岡部「ん?」

助手「岡部……落ち着いて聞いて……実は私達……」

岡部「兄妹では無いぞ?」

助手「!!」

岡部「まったく……お前もか」

14: 2011/08/21(日) 18:57:50.30 ID:Y8FnaNv8O
助手「お前もかって……あ、桐生さん、来てたのね」

萌郁「……」コク

岡部「お前のネタは指圧師と被っているぞ」

助手「え……桐生さんも……?」

萌郁「……」コク

助手「そっか……」ガッカリ

岡部「まったく……他に何か無かったのか?」

助手「えっと……」

岡部「いや、いい……危険な発言になりそうだ……」

ガチャ

まゆり「トゥットゥル~」

助手「あら、まゆり。今日は来れないんじゃ」

15: 2011/08/21(日) 19:03:49.64 ID:Y8FnaNv8O
まゆり「ルカ君と映画の約束だったんだけどルカ君急用で」

助手「そうなの、残念ね」

岡部「因みに何を見る予定だったんだ?」

まゆり「えっとねー何とか坂とかってやつだったかなぁ」

助手「あぁ……」

萌郁「……」

岡部「そうか、また別の日に見に行くと良い」

まゆり「うん♪」

岡部(すまんな、まゆり……)

まゆり「紅莉栖ちゃんは見てきたんだっけ?」

助手「え!?あ、うん……」

まゆり「どうだった~?」

助手「えっと……お、面白かった……かな」

まゆり「そうか~楽しみなのです☆」

助手(まゆり、ごめん……!!)

16: 2011/08/21(日) 19:08:57.10 ID:Y8FnaNv8O
今日もラボは平和でした。
            おわり



人居ないけど本編始める
PCから書く

19: 2011/08/21(日) 19:16:38.17 ID:gqfiLbw80
岡部「な、何を言っている……」

萌郁「岡部君と私は……姉弟、なの……」

岡部「な、そんな事……そんなはず……」

萌郁「本当の、こと……」

岡部(なんだ、なんなのだこの世界線は……)

萌郁「お姉ちゃんって、呼んで……いい……」

岡部「お前は……何を…………」

岡部(どういうことだ?俺はルカ子のDメールを取り消そうとして……)

萌郁「お姉ちゃんって……呼んで…………」

岡部「少し黙っていてくれ!!」

萌郁「あ……ごめん、なさい…………」

岡部(何故、俺とコイツが…… 姉弟だと!?ふざけるな、なんだこれは!!)

20: 2011/08/21(日) 19:22:13.62 ID:gqfiLbw80
萌郁「あの……お、弟君…………」

岡部「お、弟君だと!?貴様は何を!!」

萌郁「あ、ごめんなさい…………姉弟なら、こう呼ぶって……」

岡部「な、なんだその偏った知識は……」

萌郁「ち、違った、かな……?」

岡部「やめてくれ、お前は俺の姉などではない……」

萌郁「そう、だよね……突然いわれても……信じられない……よね……」

岡部「そういう意味ではない!!」

萌郁「ご、ごめんなさい……」オドオド

岡部「お前が姉など……ありえないだろう!」

萌郁「でも……本当だって……言われた、から……」

岡部「誰に!?」

萌郁「岡部君の……お母さん……」

岡部「なん……だと……」

21: 2011/08/21(日) 19:25:53.19 ID:gqfiLbw80
萌郁「戸籍も……確認した……」

岡部「それで……?」

萌郁「姉弟……だった…………」

岡部「そんな……そんなはず…………」

萌郁「でも……」

岡部「やめてくれ!!おかしくなりそうだ!!」

萌郁「…………今日は…………帰る、ね…………」

岡部「………………なんなのだ…………」

~岡部宅~

岡部「ただいま……」

萌郁「お、おかえり…………」

岡部「なっ!なんでお前がここに!!」

萌郁「今日から……一緒にって……」

岡部「なんだと…………」

22: 2011/08/21(日) 19:31:16.16 ID:gqfiLbw80
萌郁「姉弟なら……当然、だって…………」

岡部「やめろ!!姉弟って言うな!!」

萌郁「でも……事実、だから…………」

岡部「こんなの……こんな世界……俺は認めない!!」

萌郁「…………」グス

岡部「んな!何故泣く!!」

萌郁「どうしたら……どうしたら信じてくれる……?」

岡部「こんな事信じられるわけないだろう!!」

萌郁「信じて…………」

岡部「お前なんて!お前なんて認めない!!俺とお前が姉弟だと!?」

岡部「そんな馬鹿な話……信じられるわけ…………」

萌郁「もう少し……時間をかけよう……?」

岡部「黙れ!!お前が!!お前が姉だと!?ふざけるな!!」

24: 2011/08/21(日) 19:36:51.62 ID:gqfiLbw80
萌郁「…………」

岡部「もう寝る……」

萌郁「あ…………」

岡部「まだ何かあるのか」

萌郁「あの……部屋が…………」

岡部「なんだ」

萌郁「きょ……今日は……同じ…………」

岡部「な、なに?何を……お前は何を言っている!?」

萌郁「まだ……荷物が…………」

岡部「だ、ダメだ!!お前と一緒に寝るというのか?」

萌郁「でも……」

岡部「もういい……今日からラボに泊まる」

27: 2011/08/21(日) 19:41:54.41 ID:gqfiLbw80
~ラボ~

岡部「な……なんだこれは…………」

助手「岡部、あのね……」

岡部「何だこれは!何故電話レンジが壊れている!!」

助手「ご、ごめんなさい……」

岡部「お前が……やったのか……?」

助手「改良しようとしたら……ショートして……」

岡部「な……なんで……こんな…………」

助手「ごめんなさい!!」

岡部「修理にどれくらいかかる……?」

助手「橋田が居ないから、詳しくは解らないけれど……三日は……」

岡部「三日……だと……」

助手「あ、あの、岡部……」

岡部「今日はもう遅い……お前は帰れ……」

助手「うん…………」

29: 2011/08/21(日) 19:56:16.20 ID:gqfiLbw80
岡部「三日……三日か……」

岡部「大丈夫だ……三日経てば終わる……」

岡部「この狂った世界をなったことにできる……」

岡部「たった三日だ……そう、今までと変わらない……三日だ」

岡部「俺は大丈夫、そう、大丈夫だ……」

ガチャ

萌郁「あの……」

岡部「な!何しにきた!!」

萌郁「えっと……心配で……」

岡部「く、来るな!!お前など姉ではない!!」

萌郁「うん……それで、いい……から…………」

岡部「あ……ああ…………」

萌郁「でも……嫌いに……ならないで、ほしい……」

岡部「なんで……お前は……お前は…………」

岡部「…………もういい……寝る」

31: 2011/08/21(日) 20:01:05.12 ID:gqfiLbw80
岡部「…………」

萌郁「……」

岡部「………………」

萌郁「…………ね、寝た?」

岡部「…………ああ」

萌郁「……そう…………」

岡部「……なんだ」

萌郁「…………岡部君は……いや?」

岡部「何がだ」

萌郁「私みたいなのが……お姉ちゃん、なのは……」

岡部「…………」

萌郁「そう、だよね…………ごめんなさい…………」

岡部「…………寝る」

33: 2011/08/21(日) 20:03:42.52 ID:gqfiLbw80
岡部「ん……朝……か…………」

萌郁「おきた……?」

岡部「ん、ああ…………あ……?」

萌郁「おはよう……」

岡部「…………」

萌郁「あの……朝ごはん…………」

岡部「お前が作ったのか?」

萌郁「お惣菜……とか、だけど……」

岡部「そうか……」

萌郁「……」コク

岡部「ありがとう……」

萌郁「…………うん」

35: 2011/08/21(日) 20:08:29.30 ID:gqfiLbw80
萌郁「じゃあ、帰る、ね……」

岡部「あ、ああ……」

萌郁「あの…………」

岡部「ん?」

萌郁「今日は、家にいるから……」

岡部「…………俺の部屋でか……?」

萌郁「あ、うん……借りる、ね……」

岡部「勝手にしろ……」

萌郁「うん……」

岡部「………………」

萌郁「…………」

36: 2011/08/21(日) 20:12:18.44 ID:gqfiLbw80
岡部「あいつ……帰るって言ったな……」

岡部「ふ、まるで自分の家だな……」

岡部「こんな世界……」

岡部「遅いな、ダルの奴…………」

岡部「助手もまだ来ないか…………」

岡部「………………」

岡部「だめだな、少し外に出よう」

~ラボ前~

岡部「ん?早いなバイト戦士よ」

鈴羽「あ、岡部倫太郎」

38: 2011/08/21(日) 20:14:59.78 ID:gqfiLbw80
鈴羽「なんだか疲れた顔してるね?」

岡部「ああ、少しな」

鈴羽「何かあった?まさか牧瀬紅莉栖が!?」

岡部「あ、いや……姉が、な……」

鈴羽「お姉さん?」

岡部「姉が……できたらしい……」

鈴羽「えっと~なに?」

岡部「訳、わかんないよな……」

鈴羽「うん」

岡部「俺も、解らんのだ……」

鈴羽「ん~?」

40: 2011/08/21(日) 20:20:34.47 ID:gqfiLbw80
岡部「はあ、少し歩くかな……」

~秋葉原駅前~

岡部「この時間はあまり人がいないな……」

岡部「気温もそんなに高くない……」

岡部「ああ、心地いいものだな……」

ルカ子「おか、あ、凶真さん……」

岡部「ん?ルカ子か……」

ルカ子「おはようございます凶真さん」

岡部「ああ、おはよう」

ルカ子「疲れた顔をしていますけど、なにかあったんですか?」

岡部「ああ、姉がな……」

44: 2011/08/21(日) 20:24:18.12 ID:gqfiLbw80
ルカ子「お、お姉さん……?」

岡部「姉が……できたらしいんだ……」

ルカ子「できた、ですか……?」

岡部「ああ、俺にもよく解らんのだ……」

ルカ子「そう……なんですか」

岡部「お前は……女か……?」

ルカ子「え!?な、何を!?」

岡部「いや、いいんだ……」

ルカ子「そう、ですか……」

岡部「やはり、失敗したのだな……」

ルカ子「?」

46: 2011/08/21(日) 20:31:19.17 ID:gqfiLbw80
岡部「そろそろラボに戻るかな……」

~ラボ~

ダル「あ、オカリン」

助手「あ……」

岡部「ああ、ダルに助手、来ていたのか……」

助手「うん……」

ダル「電話レンジを修理しようと思ったけど、これダメっぽいお」

岡部「え……」

助手「あの、損傷が酷いみたいで……ごめん」

岡部「なんとか、なんとかならんのか?」

ダル「ん~、パーツを一から組みなおさないと……」

岡部「な、直りはするのだな!」

ダル「直るけど……時間かかるお」

助手「岡部……本当にごめん……」

岡部「いい!直るのならいいんだ!!だから早く!!」

48: 2011/08/21(日) 20:35:49.00 ID:gqfiLbw80
ダル「オカリンそんなに実験したかったの?」

岡部「あ、いや……」

ダル「そんなにゲルバナ作りたかったなんて知らなかったお」

岡部「……は?」

ダル「ゲルバナでしょ?」

岡部「な、何を言って……Dメールは……?」

助手「Dメール?」

岡部「な、知らないというのか!?」

ダル「なんぞ?」

岡部(この世界線ではDメール実験をしていないのか?)

助手「岡部……?」

岡部「すまん……とりあえず直してくれ……」

ダル「うーい」

助手「岡部……」

50: 2011/08/21(日) 20:41:13.26 ID:gqfiLbw80
岡部「……」

ダル「ん~これが、こうで……」

助手「……」

ダル「ここが……こうか」

助手「ね、ねえ、岡部……」

岡部「なんだ?」

助手「……なにか……あった……?」

岡部「いや……」

助手「そう……」

ダル「ん~」

岡部「姉ができたんだ……」

助手「え?」

ダル「は?」

51: 2011/08/21(日) 20:46:14.18 ID:gqfiLbw80
岡部「桐生萌郁は、俺の姉、らしい……」

助手「え、それってどういう……」

ダル「その工口ゲ終わったら貸して」

岡部「俺もわけが解らないんだ……」

岡部「突然言われたんだ……」

助手「えっと……桐生さんが、岡部の……姉?」

ダル「何がなんだか」

岡部「姉、らしい……」

ダル「どどど、どういうことだってばよ!!」

岡部「俺にも解らないってばよ!!」

助手「ききき桐生さんが岡部のお姉さん!?」

助手「な、なに、それ、何?」

ダル「マジなん?」

岡部「ああ……」

助手「そんな……」

52: 2011/08/21(日) 20:50:31.11 ID:gqfiLbw80
助手「す、素敵なことじゃない!」

ダル「うらやましぃぃぃぃぃぃ!!」

岡部「な、お前ら何を言って……!」

助手「離れ離れだった姉弟がようやくだなんて……」

ダル「オカリン爆発しろ!爆発しろ!!」

岡部「な、何がいいことか!!」

助手「なんだかドラマみたいねー」

ダル「くそ……なんでオカリンばっか……」

岡部「そんなに、良いことなのか?」

助手「あたりまえでしょー!?」

ダル「姉だぞ!!姉!!ああ!姉ぇぇぇぇぇ!!」

岡部「…………」

54: 2011/08/21(日) 20:53:33.52 ID:gqfiLbw80
助手「じゃあ、今は一緒に住んでるの?」

岡部「あ、ああ、家に居るが……」

ダル「これはラッキースOベフラグ!!」

岡部「な、何を……」

助手「一緒に暮らせるなんて、素敵じゃない岡部!!」

ダル「くそ!オカリン氏ね!!氏ねじゃなくて氏ね!!」

岡部「わけがわからん……」

助手「はー素敵ねー」

ダル「くそ……くそ!!」ガンガン!

岡部「今日は、帰るな……」

55: 2011/08/21(日) 20:58:20.07 ID:gqfiLbw80
~岡部宅~

岡部「はあ、ラボに居づらくて帰ってきてしまった……」

岡部「…………た、ただいま…………」

萌郁「あ……、おかえり……なさい…………」

岡部「…………あ、ああ……」

萌郁「あの……、今日は……、部屋……使わないから…………」

岡部「あ、ああ」

萌郁「私の部屋……できたから…………」

岡部「…………そうか……」

萌郁「岡部く…………、あ、えっと……弟、君の……隣……」

岡部「弟君はやめろと……」

萌郁「じ、じゃあ、なんて……?」

岡部「いつも通りでいいだろ……」

萌郁「う、うん……」

57: 2011/08/21(日) 21:01:44.89 ID:gqfiLbw80
~岡部部屋~

岡部「……」

萌郁「……」

岡部「何故居る……」

萌郁「あの……」

岡部「なんだ」

萌郁「あの……聞きたい、事が……」

岡部「なんだ」

萌郁「あの…………」

岡部「はっきり言え!」

萌郁「!!」ビクッ

萌郁「あの……お、お姉ちゃん……です…………」

岡部「…………」

萌郁「……」オドオド

72: 2011/08/21(日) 21:35:07.38 ID:gqfiLbw80
岡部「だからなんだ?」

萌郁「あ、あの……私がお姉ちゃんなのは、迷惑……かな?」

岡部「……、仕方が無いだろうそうなのだから」

萌郁「……うん」

岡部「聞きたいことはそれだけか?」

萌郁「あ、あの……」

岡部「なんだ?」

萌郁「私は……岡部君のこと……嫌いじゃ、ないから……」

岡部「そ、そう、か……」

萌郁「……」コク

岡部「…………」

萌郁「じゃあ、部屋に、戻るね……」

岡部「ああ……」

74: 2011/08/21(日) 21:39:03.24 ID:gqfiLbw80
岡部「なんなのだアイツ……」

岡部「姉……か……」

岡部「わかっているんだ……アイツは、何もしていない……」

岡部「それでも俺は……俺は…………」

………………………………

岡部「考えていてもどうにもならない、か……」

岡部「風呂にでも入るかな」

~風呂場~

岡部「はぁ……」

岡部「疲れているな……」

ガラッ

77: 2011/08/21(日) 21:41:46.76 ID:gqfiLbw80
萌郁「!!」

岡部「…………」

萌郁「…………」

岡部「あ、あの……」

萌郁「………………」

岡部「すまん!!」

ピシャッ!

岡部「ななな、は、入っていたのか……!」

岡部「落ち着け、落ち着け、落ち着け……」

岡部「俺は何も見ていない、見ていない見ていない!」

岡部「よし…………」

80: 2011/08/21(日) 21:45:13.59 ID:gqfiLbw80
~部屋~

岡部「……」モンモン

岡部「……」

岡部「はっ!」

岡部「俺は何を思い出して!」

岡部「…………」

岡部「大きかった、な……」

岡部「…………だぁぁぁぁ!!」

岡部「忘れろ!わすれるんだぁぁぁぁぁ!!」

岡部「はぁはぁ……」

コンコン

萌郁「あの……、岡部、君…………」

82: 2011/08/21(日) 21:48:19.50 ID:gqfiLbw80
岡部「あ……あ、ああ、居るぞ……」

萌郁「あの……入っても……いい……?」

岡部「あ、ああ……」

ガチャ

萌郁「……」

岡部「……」

萌郁「あの……」岡部「すまん!!」

岡部「覗くつもりなどなかったのだ!!」

岡部「そもそも俺はお前が入っているなど知らなくて……」

岡部「とにかく!すまなかった!!」

萌郁「別に……、気にして……ない、から…………」

岡部「あ、ああ…………」

84: 2011/08/21(日) 21:50:52.80 ID:gqfiLbw80
萌郁「……」

岡部「……」

萌郁「あの……、私は……お姉ちゃん……だから……」

岡部「あ、ああ……」

萌郁「お風呂も…………平気……だから…………」

岡部「なっ!」

萌郁「弟と入るのは……普通だって……」

岡部「お前は何をっ……」

萌郁「普通の、ことらしい……から……」

岡部「しかしだな……」

萌郁「お姉ちゃん……だから……」

89: 2011/08/21(日) 21:54:22.80 ID:gqfiLbw80
萌郁「じゃあ……戻る、ね……」

岡部「ああ……」

萌郁「お風呂……、入って……」

岡部「あ、ああ……」

~再び風呂~

岡部「…………」

岡部「ここに、萌郁が……」

岡部「いやいや、俺は何を」

岡部「そうだ、ラボのシャワールームだって助手やまゆりが使っているのだから……」

岡部「自宅だからと言ってそんな意識しなくとも……」

岡部「お湯は……変えて無い……のか……?」

91: 2011/08/21(日) 21:59:12.00 ID:gqfiLbw80
岡部「ええい!余計なことは考えるな!!」

岡部「早く済ませてしまおう……」

コンコン

岡部「!!」

萌郁「あの……岡部、君……」

岡部(ななな、何だこの展開は!何をする気だ!まさか!!)

萌郁「あの……」

岡部(はっ!無防備な俺に何かをする気か!?)

岡部(そうだ!きっと裸の俺を襲ってこの俺様を機関に引き渡す気なのだな!!)

岡部(そうだ!そうに決まっている!!なんだ、そうだな……そうだよな!!)


94: 2011/08/21(日) 22:05:57.87 ID:gqfiLbw80
萌郁「シャンプー、切れてたから……」

岡部「…………ああ、なんだ、そんな事か……」

萌郁「ここ、置いておくね……」

岡部「ああ…………」

岡部(ふう、取り乱してしまったようだな、落ち着かねば……)

萌郁「あの……」

岡部「ひゃい!!」

岡部「ななな、なんだ?」

萌郁「背中……流す……?」

岡部「んな!お前は何を言って!!」

萌郁「お姉ちゃん……だし……」

岡部「どどど、どこにそんな事をする姉がいる!?」

萌郁「居ない、の……?」

岡部「そんなのはダルや@ちゃんねらーの頭の中だけだ!!」

萌郁「そう、なんだ……」

95: 2011/08/21(日) 22:09:27.74 ID:gqfiLbw80
~部屋~

岡部「まったく、アイツは何を……」

岡部「余計に疲れてしまったな……」

岡部「さっさと寝てしまおう……」

…………………………………………

ブーンブーン……

岡部「ん?」

カチカチカチ……

岡部「隣の、萌郁の部屋からか……」

ブーンブーン……

岡部「相変わらずメール魔なんだな……」

ガチャ

岡部「ん?」

岡部「トイレ……か……?」

………………………………

96: 2011/08/21(日) 22:12:30.24 ID:gqfiLbw80
~翌朝~

岡部(ん…………)

「お……て…………」

岡部(ん?)

「おき……て…………」

岡部(なんだ?)

萌郁「起きて……」

岡部「うわ!!」

萌郁「!!」ヒビクッ!

岡部「お前、何を!!」

萌郁「朝……だから…………」

岡部「だからなんなのだ!?」

萌郁「お姉ちゃんは……起こす……から…………」

岡部「はぁ?な、何を…………」

萌郁「違った……かな……?」

98: 2011/08/21(日) 22:15:40.88 ID:gqfiLbw80
岡部「あ、えと、それくらいは……ある、かもしれん……」

萌郁「よかった……」

岡部「いや、しかしな」

萌郁「?」

岡部「俺は……起こさなくていい……」

萌郁「そう……」シュン

岡部「あ……すまん……」

萌郁「次は……がんばる、から……」

岡部「?」

萌郁「……」

岡部「…………?」

萌郁「あの…………」

岡部「な、なんだ……?」

101: 2011/08/21(日) 22:20:03.07 ID:gqfiLbw80
萌郁「おはようの……」

岡部「そ、そんな姉は居ない!!」

萌郁「そう、なんだ……」

岡部「ああ……」

萌郁「また、間違えた……」

岡部「あ、ああ……」

萌郁「…………」

岡部「着替えるから出て行ってくれ……」

萌郁「うん……」

………………………………

岡部「アイツは何を見て学んだのだ……」

岡部「仕度してラボに行くか……」

104: 2011/08/21(日) 22:24:08.89 ID:gqfiLbw80
~ラボ~

岡部「はぁ」

ダル「どうしたん?」

岡部「いや、萌郁がな……」

ダル「あ、自慢ならけっこうです」

岡部「な!」

助手「で、どうなの?」

岡部「なにがだ?」

助手「岡部と桐生さんの生活よ」

岡部「別に、何も……」

助手「そうなの」

岡部「あいつの行動は訳がわからん」

助手「なによそれ」

105: 2011/08/21(日) 22:30:02.88 ID:gqfiLbw80
岡部「いや、風呂に入っていたら背中を流しにきたり、わざわざ起こしにきたり」

ダル「チッ」

助手「チッ」

岡部「え……?」

岡部「ちょっと待て、なんだその反応は!!」

ダル・助手「氏ねよ」

岡部「ああ、そうかぁ、俺に安息の地はないのかぁ」

岡部「知ってた知ってた…………」

岡部「なんだよこれ!!なんなんだよ!!」

まゆり「とぅっとぅる~」

助手「おはよう、まゆり」

まゆり「おはよう紅莉栖ちゃん、オカリン居る?」

108: 2011/08/21(日) 22:35:50.85 ID:gqfiLbw80
ダル「そこで拗ねてるお」

岡部「…………」ブツブツ

まゆり「オカリンオカリン、萌郁さんがお姉さんになったんだって?」

岡部「ああ……」

まゆり「わー本当だったんだー、まゆしぃは少し不安だよー」

岡部「まゆりまでもそんな事を言うのか……」

まゆり「だってオカリン、ラッキースOベでも訴えられたら負けちゃうよ?」

岡部「ああ、それもそうだな……」

岡部(ああ、早く元に戻りたい…………)

ダル「んーやっぱりここだなぁ」

助手「解ったの?」

ダル「うん、やっぱりこのパーツを買ってこないと」

助手「そう……」

110: 2011/08/21(日) 22:41:06.15 ID:gqfiLbw80
岡部「どれ、俺が行ってこよう」

ダル「おねがいするおー」

~街中~

岡部「さて、まずはあそこの店からだな」

岡部「ん?」

岡部「あれは……萌郁か?」

………………………………

岡部「何処に向かっているのだ?」

岡部「どんどん人気の無い所へ……」

岡部「ん?あの男は…………?」

岡部「なんだ、デートかなにかか……」

112: 2011/08/21(日) 22:45:58.50 ID:gqfiLbw80
~ラボ~

岡部「買ってきたぞ」

ダル「ういー」

まゆり「おかえり~」

岡部「後は取り付けるだけか?」

ダル「うん、チェックがすんだら終わり」

岡部「そうか……これでmようやく……」

助手「うまく行くといいけど……」

まゆり「早くからあげ暖めたいのです」

ダル「…………よし」

岡部「出来たか!!」

113: 2011/08/21(日) 22:49:59.99 ID:gqfiLbw80
ダル「じゃあ動かすお」

岡部「ああ、やってくれ」

カタカタ ピッ

岡部「…………」

ピー

まゆり「からあげ出来た~」

岡部「な、普通の、レンジ……?」

岡部「なんで放電しない!?どうして!!」

岡部「はっ!ブラウン管!!」ダッ

…………………………

岡部「な…………閉まって…………」

114: 2011/08/21(日) 22:53:57.71 ID:gqfiLbw80
岡部「おい!Mr.ブラウン!!居ないのか!?」ガンガン!

岡部「おい!!」ガシャガシャ

岡部「おい!!」

まゆり「店長さんなら今日は出掛けるってー」

岡部「鈴羽は!?」

まゆり「鈴さんも今日は休みなんだって」

岡部「な、せっかく直ったのに、これじゃあ……」

まゆり「明日になれば来るんじゃないかなー?」

岡部「くそ……」

~岡部宅~

岡部「ただいま」

萌郁「お帰り、なさい……」

115: 2011/08/21(日) 22:57:31.66 ID:gqfiLbw80
岡部「ん?どうした……?」

萌郁「何でも……ない…………」

岡部「?」

~部屋~

岡部「萌郁のやつ、なんだか元気が無かったな……」

ブーンブーン……

岡部「またメールしているのか……」

カチャ

岡部「ん?どこかへ行くのか……?」

コンコン

萌郁「あの、岡部君……」

岡部「なんだ?」

萌郁「少し……出掛ける、から…………」

116: 2011/08/21(日) 23:03:04.81 ID:gqfiLbw80
岡部(こんな時間に外出するのか……)

岡部(ん?この時間……?)

岡部「しまったっ!!」

岡部(何で忘れていた、今日は……今日はラボが……ラボが襲撃される日じゃないか!!)

岡部「まゆり!!」ダッ

………………………………

岡部「はぁ……はぁ……」

岡部(まゆり……まゆり……!)

岡部(止めなければ……また……また萌郁がまゆりを……!!)

岡部「まゆりーーーー!!!」

118: 2011/08/21(日) 23:10:43.08 ID:gqfiLbw80
~ラボ~

岡部「まゆり!!」

岡部「あ、れ……?」

岡部「居ない……」

岡部「何処に……はっ!ケータイ!!」

プルルルプルルル

岡部「くそっ!出ない!!」

岡部「どうするっ?街中を探すか?」

岡部「でも何処を…………」

「……は……め…………!」

岡部「ん?」

岡部「外から声…………まさか!!」

120: 2011/08/21(日) 23:15:48.47 ID:gqfiLbw80
岡部「まさかもう襲撃が……、まゆりは居ないが、どうする……どう逃げる……」

岡部「Dメールを送ろうにもブラウン管攻防は閉まっている……」

岡部「こうなったら直接……!!」

パンッ!! パンッパンッ!

岡部「銃声!?」

岡部「向こうの路地か!」ダッ

岡部「……この道か…………」

岡部「…………」

岡部「………………なんだ、これは…………」

岡部「なんで…………なんだ…………これ…………」

萌郁「………………」

岡部「なんで…………萌郁が……」

122: 2011/08/21(日) 23:23:03.05 ID:gqfiLbw80
萌郁「岡部……君…………?」

岡部「萌郁!!」

萌郁「…………撃たれ……ちゃった…………」

岡部「なんで、なんでお前が!!」

萌郁「お姉ちゃん…………だからっ…………」

岡部「何を……言って…………」

岡部「こんなときに……何を…………?」

萌郁「岡部……君は…………弟、君……だから…………」

パサ

岡部「これは…………」

『姉弟 ~禁断の関係~』

萌郁「お姉ちゃんは……弟を……守るって…………」

岡部「な、何を馬鹿な……こんな……こんなくだらないマンガで!! お前は……」

萌郁「お姉ちゃんに……なれた……かな……?」

123: 2011/08/21(日) 23:28:10.13 ID:gqfiLbw80
岡部「馬鹿な……奴だな、お前は…………」

萌郁「…………」

岡部「こんなマンガで……何を言って…………」

萌郁「………………」

岡部「こんな事になるって、お前だって解っていたのだろう!?」

萌郁「…………うん……………うん………」

萌郁「…………ごめんね…………」

………………………………………………………

岡部「お前を……お前を氏なせない……氏なせないからな……」

萌郁「」

岡部「絶対に氏なせないからなっ!!」

萌郁「」

126: 2011/08/21(日) 23:33:28.20 ID:gqfiLbw80
~ブラウン管工房前~

岡部「…………っ!!」

ガン!!

岡部「………………っ!!」

ガン!!

岡部「開けよ…………開けよおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ガンッ!!

岡部「はぁ……はぁ……」

岡部「42型ブラウン管!!」

ブゥン

岡部「氏なせないぞ!こんな、こんな形で、氏なせない!!」

129: 2011/08/21(日) 23:39:15.68 ID:gqfiLbw80
~ラボ~

岡部「……」カタカタ

岡部「…………」

岡部「萌郁…………姉さん…………」ピッ

岡部「ぐっあ!ああぁぁぁぁぁぁ!!」

2.573629

岡部「はっ!!」

助手「岡部?」

岡部「萌郁はっ!!」

萌郁「?」

岡部「あ、ああ…………ああ…………」

助手「ちょっと!?なに泣いて……!!」

岡部「すまん……すまんな…………」

萌郁「………………?」

                       おわり

140: 2011/08/21(日) 23:45:06.22 ID:gqfiLbw80
~第二部~

助手「ちょっと岡部」

岡部「なんだ?」

助手「今日も桐生さんからお弁当預かったわよ」

岡部「ん?ああ、悪いな」

助手「ったく、アンタは何回忘れれば気が済むのよ」

岡部「すまんな」

助手「まったく、お姉さんに迷惑かけるんじゃないわよ」

岡部「ああ」

ブーンブーン

岡部「……」カタカタ

岡部「……はいはい」ニヤニヤ

145: 2011/08/21(日) 23:48:48.44 ID:gqfiLbw80
助手「また桐生さん?」

岡部「ん?ああ……」カタカタ

助手「本当に良いわよね」

岡部「そんなでもないぞ」カタカタ

ダル「あーあ、オカリン爆発すればいいのに」

岡部「……」カタカタ

助手「岡部が氏んだら大変よ?」

ダル「それもそうだねー、混乱した桐生氏が何をしでかすか……」

岡部「……」ニヤニヤ

ブーンブーン

岡部「……」カタカタ

147: 2011/08/21(日) 23:54:18.91 ID:gqfiLbw80
萌郁が撃たれた世界線は無くなった。けれど萌郁は相変わらず俺の姉だった。
けれどあの世界線とは何もかもが違う。

萌郁はラウンダーではないし、そもそもこのラボが襲撃されることも無い。
何もかもが順調に進んでいる。
けれど。俺は何かを忘れているきがするんだ。

助手「ほら、そろそろ桐生さんが迎えに来るんでしょ」

岡部「ん?もうそんな時間か……じゃ、また明日な」

ダル「うーい」

助手「また明日ね」

俺は幸福を感じている。誰も氏なない世界線。この世界では誰も氏なない。
俺が望んだ世界。けれど、何かがひっかかった。

149: 2011/08/21(日) 23:57:34.81 ID:gqfiLbw80
萌郁「……お、弟君……」

岡部「慣れないのなら普通に呼べ」

萌郁「……」コク

岡部「ほら、今日は買い物にいくんだろ?」

萌郁「うん……行く……」

岡部「じゃあ、行くか」

萌郁「……」コク

…………………………

岡部「あれ、こんな所に喫茶店あったっけ?」

萌郁「……?」

岡部「新しく出来たのか?」

萌郁「昔から……あった……」

岡部「ん?そうだったか?」

151: 2011/08/22(月) 00:02:22.87 ID:h60X88NF0
岡部「なんだ、改装でもしてわからなかっただけか」

萌郁「そう、かも……」

岡部「今度入ってみるか」

萌郁「うん……」

岡部「今日は何を買うんだ?」

萌郁「新しいケータイと……夕飯の、材料……」

岡部「今日のメニューは?」

萌郁「今日は……しょうが焼きを……」

岡部「お、良いな」

萌郁「……」コク

153: 2011/08/22(月) 00:07:04.80 ID:h60X88NF0
~萌郁宅~

岡部「ふう、ただいま」

萌郁「ただいま……」

岡部「ほら、冷蔵庫に入れておくからそっちの荷物も渡して」

萌郁「……」コク

俺たちはこの部屋で生活している。二人きりの家族、二人きりの生活。
それが今の俺たちの生活だ。

岡部「あれ、このフライパンいつ買ったんだ?」

萌郁「……?」

岡部「ほら、これ」

萌郁「それは……先週……」

岡部「そうだったか」

萌郁「一緒に……買った……」

岡部「あれ、そうだっけ?」

萌郁「……」コク

156: 2011/08/22(月) 00:14:00.01 ID:h60X88NF0
萌郁「ど忘れ……?」

岡部「そうみたいだな、すまん」

萌郁「いい……」

始めの頃は緊張したけれど、最近では慣れたものだ。
お互いに別々に生きてきたのだから慣れるまでには随分かかった。

萌郁「あの……おと、弟、君……」

最近の流行はお互いに姉、弟と呼び合う事。姉弟らしくしようなんていう幼稚な試みだ。

岡部「なんだ?……姉さん」

こんな風に緊張し合って呼んでいるのも楽しいものだ。

157: 2011/08/22(月) 00:18:34.51 ID:h60X88NF0
知らずに生きてきて突然姉弟となったのだから、お互いを意識してしまうのは当たり前だろう。
今まで知らなかったのだ、俺たちが男女の仲になるのも必然だたtのだろう。

萌郁「んっ……」

岡部「萌郁……」

萌郁「お姉……ちゃん…………」

岡部「こういう時くらいはいいだろ?」

萌郁「でも……」

岡部「今は恋人、だろ……?」

萌郁「んんっ……!!」

岡部「萌郁……」チュッ

萌郁「あ、んんっ……!!」

160: 2011/08/22(月) 00:24:25.09 ID:h60X88NF0
社会的には間違ったことなのだろう。
けれど自然界に目を向ければ近親相Oなど日常的に行われてることだ。
俺達の関係は間違っているのだろうけれど、人も生物だ。仕方が無いだろう?

萌郁「…………ん」スースー

岡部「萌郁……」ナデ

萌郁「…………んん」スリスリ クークー

岡部「おやすみ……姉さん…………」チュッ

……………………………………

リン…………オカ…………リン…………

……………………………………

岡部「はっ!!」

萌郁「起きた……?」

岡部「…………あ、ああ…………」

萌郁「どうか……した……?」

岡部「いや……、なんでもない…………」

162: 2011/08/22(月) 00:29:11.65 ID:h60X88NF0
またこの夢だ……誰かが俺を呼んでいる……。
萌郁かとも思っていたけれど、アイツは俺をあんなふうに呼ばない。
この夢は何なのだろうか……。

萌郁「朝ごはん……もう少し、だから……」

岡部「…………」

ギュッ

萌郁「あ…………」」

岡部「…………」

萌郁「どう、したの……?」

岡部「いや……」

萌郁「また、あの夢……?」

岡部「ああ……」

萌郁「そう……」ギュ

岡部「すまん…………」

萌郁「……いい…………」

163: 2011/08/22(月) 00:34:15.67 ID:h60X88NF0
~ラボ~

岡部「……」

助手「どうかした?」」

岡部「いや……」

助手「またお姉さん?」

岡部「なんでだよ」

助手「岡部はシスコンだからね」

岡部「なんだそれ……」

助手「さぁね」

岡部「なんなんだ、まったく」

ダル「そろそろ捥げないかな~」

岡部「ダルまでなんだ?」

助手「岡部、桐生さんと居るとデレデレだから」

岡部「なっ!」

助手「解るわよ」

164: 2011/08/22(月) 00:39:22.70 ID:h60X88NF0
こんな風に平和に過ごしているのに、何かがずれている気がする。
世界は俺の望んだ形になったはずなのに、何かが違う。
何が?何が違うというのだ。
何が足りないというのだろうか。

リン…………

岡部「!!」

岡部「今のは……?」

助手「何が?」

岡部「今の声だ!」

ダル「声?」

岡部「な、聞こえなかったのか?」

助手「何も聞こえないわよ?」

岡部「え……」

オカリン…………

岡部「!!」

岡部「また……」

助手「ちょっと、怖いこと言わないでよ」

166: 2011/08/22(月) 00:43:30.16 ID:h60X88NF0
岡部(夢の中で聞いた声に似ている)

岡部「なんだこれ、なんなのだ!?」

助手「ちょっと岡部?」

岡部「誰だ!だれなんだ!!」

ダル「ちょ、オカリン?」

岡部「誰なんだ!!」

助手「岡部!?」

ブーンブーン

岡部「!!」

件名:大丈夫?
「朝は元気が無かったけど、大丈夫?」

岡部「萌郁……」

助手「…………」

ダル「………………」

170: 2011/08/22(月) 00:48:02.03 ID:h60X88NF0
オカリン……!

岡部「!!」

岡部(今度ははっきり聞こえた……だれだ……誰か……大切な……)

助手「ちょっと岡部!?」

岡部「すまん、今日は帰る……」

助手「岡部……」

…………………………

~萌郁宅~

萌郁「大丈夫……?」

岡部「ああ……」

萌郁「夢が……気になる……?」

岡部「萌郁……」

萌郁「?」

岡部「俺は……いったい……」

萌郁「どう……、したの……?」

172: 2011/08/22(月) 00:54:21.20 ID:h60X88NF0
岡部「俺は……何か……忘れているのか?」

萌郁「なに……か……?」

岡部「この世界で俺は……なんで……お前が……」

萌郁「岡部……君……?」

岡部「お前は……俺の姉……だろう……?」

萌郁「そう、だよ……?」

岡部「なんで……、なんだこの感覚……」

…………オカリン……

岡部「ぐあ!!」

萌郁「岡部君!!」

岡部「ぐあ……あ、ああ!!」

…………………………………………

177: 2011/08/22(月) 00:58:44.26 ID:h60X88NF0
「くん……おか……」

岡部「う…………」

萌郁「岡部君!!」

岡部「俺は…………」

萌郁「岡部君……」グス

岡部「萌郁……」

萌郁「突然……倒れて…………私…………」

岡部「すまん……もう、平気だ」

萌郁「うん……」

岡部「平気……だから……」

萌郁「岡部君……?」

岡部「お前は……俺の姉じゃない……」

萌郁「……!!」

萌郁「なん……で……? なんでそんな事……言うの……?」

178: 2011/08/22(月) 01:02:23.55 ID:h60X88NF0
萌郁「お姉ちゃんに……なれて、ない…………?」

岡部「違うんだ……違う……思い出したんだ……」

萌郁「?」

岡部「なんで、忘れていたのだ……まゆり……」

萌郁「ま、ゆり……?」

岡部「椎名まゆりだ……」

萌郁「しい、誰……?」

岡部「お前が…………」

萌郁「私……?」

岡部「…………」

萌郁「私が……なに……?」

岡部「いや…………」

180: 2011/08/22(月) 01:10:17.93 ID:h60X88NF0
岡部(何故俺は忘れていた。幼馴染だろ……助けたい人の事だろう……)

岡部(リーディングシュタイナーが正常に発動しなかった?)

岡部(何故……)

萌郁「岡部君……?」

岡部「すまん……少し考えさせてくれ……」

萌郁「でも……」

岡部「いいからほっといてくれ!!」

萌郁「ごめん……なさい…………」

岡部(なんで俺は忘れていた……あんなにも大切に思っていたのに……)

岡部(まさか……電話レンジが壊れたからか?修理は完全じゃなかったのか?)

岡部(考えたらきりがない……とにかく元に戻さなければ……)

萌郁「岡部君…………」

181: 2011/08/22(月) 01:13:24.61 ID:h60X88NF0
岡部「すまん、行かねば……」

萌郁「どこ、に……?」

岡部「元に戻さなければならないんだ……」

萌郁「岡部君!!」

岡部「…………」

萌郁「待って岡部君!!」

岡部「すまない……」

萌郁「岡部君…………」

岡部(早くラボへ……)

萌郁「やだ……よ…………」

萌郁「岡部君!!」

萌郁「行かないで…………岡部君…………」

萌郁「行かないで…………」

184: 2011/08/22(月) 01:16:47.95 ID:h60X88NF0
~ラボ~

助手「ちょっと岡部!?」

岡部「いいから……」

助手「でも、Dメールは危険だって!!」

岡部「助けなければいけない人が居るんだ」

助手「でも!!」

岡部「いいから!!」

助手「岡部……」

岡部「…………」

助手「消えちゃうんでしょ……?」

助手「私たちの記憶も……桐生さんの事も!!」

岡部「それでも…………」

助手「岡部!!」

岡部「すまん紅莉栖……」

岡部(萌郁…………)

187: 2011/08/22(月) 01:24:59.41 ID:h60X88NF0
ブーンブーン

岡部「すまん……」

ブーンブーン

岡部「すまん萌郁……」

ブーンブーン

岡部「俺は……戻らなければならないんだ……」カチカチ

ブーンブーン……

岡部「ぐっ……ふ、ああぁぁ!!」

岡部(萌郁…………まゆり…………!!)

2.013325

………………………

188: 2011/08/22(月) 01:27:22.61 ID:h60X88NF0
まゆり「オカリン?」

萌郁「……?」

岡部「……、まゆり…………萌郁…………」

萌郁「大丈……夫……?」

岡部「ああ…………」

ダル「あ、オカリン起きたん?」

岡部「ああ、寝てたのか……」

萌郁「うなされ……てた…………」

岡部「夢を……見ていたんだ…………」

萌郁「夢……?」

岡部「ああ……幸せな…………夢だったよ…………」

萌郁「…………?」

189: 2011/08/22(月) 01:31:24.05 ID:h60X88NF0
ダル「オカリンも起きたし帰ろうか~」

ルカ子「そうですね」

フェイリス「にゃにゃ」

まゆり「楽しかったねー」

萌郁「行こう…………岡部君……」

岡部「ああ……帰ろう……」

萌郁「今日の晩御飯は……お姉ちゃんが、作るね…………」

岡部「ああ、頼む……」

萌郁「お、弟君の好物……作る……から…………」

岡部「ああ、楽しみにしてる……」

                        BESTEND

190: 2011/08/22(月) 01:34:16.57 ID:AFg/WcYu0

191: 2011/08/22(月) 01:34:29.30 ID:iWLXctMm0

227: 2011/08/22(月) 02:20:16.60 ID:h60X88NF0
>>225
たまに来るな、今回は姉属性もあったから期待して来ただろうに……
申し訳ない

348: 2011/08/22(月) 13:02:25.97 ID:h60X88NF0
おはようお前ら寝過ごしたぜ

351: 2011/08/22(月) 13:14:37.64 ID:h60X88NF0
>>350
終わりまでがんばれ、俺は夜あたりにもしもしから別のスレ立てる

引用: 萌郁「岡部君と私は……姉弟、なの……」