29:◆GWARj2QOL2   2017/05/12(金) 22:30:59.58 ID:I0aTLmJBO


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前回:チェイス「雛見沢…」その1



梨花「…」モグモグ

沙都子「…」モグモグ

チェイス「…」

梨花「…」モグモグ

沙都子「…」モグモグ

チェイス「…」

沙都子「…ン、ン゛ン゛!!」

チェイス「…」

沙都子「…ン゛ッ!!…ン゛ン゛ッン゛!!!」

梨花「…」モグモグ

沙都子「ン゛ン゛!!!」

チェイス「どうした?」

沙都子「その言葉そっくりそのままお返ししますわ」

チェイス「…?」

沙都子「何が悪いみたいな顔されても困るんですのよ」

梨花「…」モグモグ

沙都子「…まず、左之助?…さん。貴方はこの村の住人ではない」

チェイス「そうだ」

沙都子「そして、私は貴方を知らない」

チェイス「俺はお前を知っている」

沙都子「清々しい変態ですわね」

30: 2017/05/12(金) 22:32:21.00 ID:I0aTLmJBO
梨花「…」モグモグ

沙都子「…というより、も!!まず!!」バン!

チェイス「…」

沙都子「常識的に考えて下さいまし!普通、そのような方が!レディーの家に転がり込んで!おかしいと思いませんの!?」

チェイス「…」

沙都子「梨花も梨花ですわよ…何か事情があるとはいえ、大人の、それも男の方をスッと家に上げて…」

梨花「…左之助は、悪い人ではないのですよ」

沙都子「悪い人ではないのかもしれませんわよ。でも!常識的にどうかという話!ですわ!!」

梨花「いきなりだったので、仕方ないのですよ…」

沙都子「…はぁ…」

梨花「…」モグモグ

沙都子「梨花も何だか元気が無いようですし…とりあえずしばらくは良いですわ。…しかし!」

チェイス「?」

沙都子「も・し・も!!私達に何かしようものなら…その時は叩き出しますわよ!」

チェイス「了解した」

沙都子「それと!家に居候するだけなんてこの私が許しませんわ!」

チェイス「…」

沙都子「働かざるもの食うべからず。ここに居たいというならば、それなりに家事はやって頂きますわよ」

チェイス「了解した」

沙都子「…本当に大丈夫ですの?この人…」

梨花「…大丈夫なのですよ」

…。

31: 2017/05/12(金) 22:33:06.92 ID:I0aTLmJBO
梨花『羽入が…いない…?』

チェイス『33年という月日を戻し、俺を送り込む。羽入の力ではそれが限界だった』

梨花『…』

チェイス『羽入の話では、前原圭一という子供がまず事件を起こしたと聞いた』

梨花『…』

チェイス『それを無くしても、次は園崎魅音、園崎詩音が発端となる』

梨花『…』

チェイス『それを回避すると、次は北条沙都子。そして竜宮レナ』

梨花『…』

チェイス『そこからは、まだ見ていない。そう聞いた』

梨花『…羽入は、どうなるの?』

チェイス『…』

梨花『私達が、運命を乗り越えられても、それを羽入は見ずに終わるの?』

チェイス『…』

梨花『…そんなの、何の意味も…無いじゃない…』

チェイス『…』

梨花『私には、諦めるなって言っておいて、自分は…』

チェイス『…』

梨花『…何の為に、世界を戻したのよ…!!』

チェイス『…』

32: 2017/05/12(金) 22:33:43.97 ID:I0aTLmJBO
チェイス『…羽入は、俺にこう言った』

梨花『…』

チェイス『お前達に、未来を与えてやりたい、と』

梨花『…』

チェイス『そこに、羽入は含まれていなかった』

梨花『…!…何を…!』

チェイス『自分を犠牲にして、羽入はお前達の未来を選んだ』

梨花『ッ…!知った風な口、聞いてんじゃないわよ!!』

チェイス『…』

梨花『羽入はね!!もうずっと前から一緒に居るの!!ずっと!!』

チェイス『…』

梨花『ただの仲間なんかじゃない!!一心同体でやってきたの!!』

チェイス『…ダチ、というやつか』

梨花『それを…っ…』

チェイス『…』

梨花『…そんな…顔で…そんな、淡々と…!!』

チェイス『…』

梨花『言わないで…!!』

チェイス『…』

梨花『…!!』

33: 2017/05/12(金) 22:34:24.98 ID:I0aTLmJBO
チェイス『お前は、羽入が大事か?』

梨花『…』

チェイス『大事か?』

梨花『…大事に、決まってるでしょ…!』

チェイス『…羽入も、同じだ』

梨花『…!』

チェイス『…羽入は、そんな大切なお前の為に、世界に一人取り残される事を覚悟して俺を送り込んだ』

梨花『…』

チェイス『…その覚悟を、台無しにさせるな』

梨花『…』

チェイス『…』

梨花『…アンタも…』

チェイス『…』

梨花『…アンタも、全部、犠牲にしてきたの?』

チェイス『…』

梨花『一人で、ここに…』

チェイス『俺の目的は、生きとし生けるもの全てを守る事』

梨花『…』

チェイス『何処に居ても、それは変わらない』

梨花『…』

チェイス『俺はお前達を守る。羽入の為に、お前の為に』

梨花『…チェイス…』

チェイス『左之助だ』

梨花『今はチェイスで良いのよ!!』

…。

34: 2017/05/12(金) 22:35:20.86 ID:I0aTLmJBO
沙都子「良いですこと?先ずはお風呂の掃除ですわ!」

チェイス「了解した」

沙都子「…全く、素直ですわね。圭一さんにも見習って欲しいものですわ」

チェイス「…圭一…」

沙都子「どうかされましたの?」

チェイス「…いや」

…。

……。

羽入『圭一が雛見沢症候群を発症する発端は13日、学校の帰りにレナと近くのゴミ処理場に宝探しに行った時にあります』

チェイス『…』

羽入『レナと離れ、一人でいた時に、近くを通りかかったフリーカメラマン、富竹ジロウに声をかけられ、そこで過去の事件の事を知ります』

チェイス『バラバラ殺人、の話か』

羽入『はい。それをひた隠しにするレナや魅音に、疑心暗鬼になっていくのです。そして、富竹ジロウの氏を皮切りに…』

チェイス『…』

羽入『そして全てを信用出来なくなった圭一は、たまたま遊びに来た二人を…』

チェイス『…』

…。

……。

チェイス「…」

梨花「…」

沙都子「それが終わったら、お風呂を沸かして下さいまし。…ぬるめで」

チェイス「…沙都子」

沙都子「…いきなりレディーを呼び捨てとは、遠慮の無い殿方ですわね」

梨花「…」

チェイス「…」

沙都子「…それで?何ですの?真剣な顔をして…」

チェイス「…お前は、俺の全てを、知りたいと思うか?」

沙都子「…」

梨花「…」

チェイス「…」

沙都子「は?」

35: 2017/05/12(金) 22:36:04.49 ID:I0aTLmJBO
沙都子「は?」

チェイス「知り合いの、過去や、普段の事、全てを知りたいと思うか?」

沙都子「…ああ、そういうことですの。…そうですわね…」

梨花「…」

沙都子「…思いませんわね」

梨花「!」

沙都子「知って、どうするんですの?それに話して嫌な気分になることもあるでしょうし…無理に聞こうとは思いませんわ」

チェイス「…」

沙都子「貴方のきちんとした情報を知りたいとは思いますわよ?いくつで、何処から何故ここに来たのか、とか…」

梨花「…沙都子…」

沙都子「誰しも話したくないことはあるものですわ。なら聞かないのが1番。違いますの?」

チェイス「…」

沙都子「…ま、そんなところですわね」

チェイス「…沙都子」

沙都子「はいはい…何ですの?」

チェイス「…見ず知らずの、俺を受け入れてくれて…」

沙都子「…」

チェイス「…ありがとう」

沙都子「さほど受け入れてませんわよ」

36: 2017/05/12(金) 22:37:46.09 ID:I0aTLmJBO
沙都子「zzz…」

チェイス「…」

梨花「…」

チェイス「今日、夕方。圭一は富竹ジロウと出会い…」

梨花「知ってるわ。このまま行けば圭一は雛見沢症候群を発症する」

チェイス「…」

梨花「発症したが最後、治る事はない」

チェイス「…」

梨花「とは言っても、悪化を止める事は出来るわ」

チェイス「…リビングの棚に、梱包された注射器が入っていた」

梨花「あら、プライベートを覗いたの?」

チェイス「2人の箸を出す時に、間違って開けてしまった」

梨花「…それで?」

チェイス「沙都子には、兄がいると聞いた」

梨花「ええ。それも症候群の中でも1番。Lv5よ」

チェイス「…」

梨花「でも行方不明のまま。結局見つかることはなかったわ」

チェイス「…」

梨花「叔母を金属バットで撲殺。その後…」

チェイス「…お前が、雛見沢症候群にかかっているとは思えない」

梨花「…」

チェイス「感染者は、沙都子か」

梨花「…ご明察。あの子は今Lv3よ」

チェイス「…あの注射器は、それを抑える薬か」

梨花「一時的にだけどね。定期的に打たないと、直ぐに発症よ」

チェイス「…沙都子は、知っているのか?」

梨花「…沙都子はまだ小学生よ。そんな子に、どうやって伝えるの?」

チェイス「…」

37: 2017/05/12(金) 22:38:23.54 ID:I0aTLmJBO
梨花「…沙都子には、無害な薬の治験と伝えてあるわ。…あの子がもう少し大人になったら直ぐにバレるだろうけど」

チェイス「…」

梨花「…まだ圭一は発症していない」

チェイス「…今からなら、まだ間に合うということか」

梨花「あの注射器を、圭一に使う。そうすれば少なくともこの惨劇は回避出来る」

チェイス「…」

梨花「貴方、圭一を取り押さえられる?」

チェイス「造作も無い」

梨花「もし圭一が惨劇を回避出来ないのなら、その時は…」

チェイス「だが、それでは感染者を増やすだけだ」

梨花「…?」

チェイス「もし惨劇を回避したいのなら、1人の犠牲も出してはならない」

梨花「…」

チェイス「誰も傷つけさせない。そうでなくては羽入を裏切ることになる」

梨花「…甘いのね」

チェイス「…だが、不可能ではない筈だ」

38: 2017/05/12(金) 22:39:07.52 ID:I0aTLmJBO
沙都子「zzz…」

梨花「…」

チェイス「…この子は、誰とも分からない俺を受け入れてくれた。怪しい存在だと分かっていながら」

梨花「…」

チェイス「そして言った。抱える秘密は聞くべきではないと」

梨花「…」

チェイス「感染しているのにも関わらず、沙都子は既に乗り越えている」

梨花「…」

チェイス「この子に出来たのなら、圭一にも出来る筈だ」

梨花「…そうね」

チェイス「…」

梨花「…そう思ってた時が、私にもあったわ…」

チェイス「…?」

梨花「…圭一はね、そんじょそこらの人間とは違う」

チェイス「…」

梨花「何があっても諦めない、強い意志を持った人間よ」

チェイス「…」

梨花「運命なんて、平気な顔で捻じ曲げられそうな…頼り甲斐のある男だったわ」

チェイス「なら、何故…」

梨花「…解き方の分からない問題は、何度やっても無理なのよ」

チェイス「…」

梨花「運命を乗り越えても、待っていたのは氏」

チェイス「…」

梨花「…理不尽よね。どう頑張っても、7月を迎えられないんだから」

チェイス「…お前は、諦めたのか?」

梨花「…」

チェイス「諦めたのならば、何故時間を戻させた」

梨花「…」

チェイス「俺がここに来たのは、お前が助けを求めたからだ」

梨花「…」

チェイス「そのお前が諦めるということは、羽入の覚悟を裏切ることになる」

梨花「…」

チェイス「ダチの思いを、裏切るな」

梨花「…」

チェイス「…」

梨花「…簡単に、言ってくれるのね」

チェイス「…」

梨花「…でも、ありがとう」

チェイス「…」

梨花「…今の私には、それくらいが一番嬉しい」

39: 2017/05/12(金) 22:39:50.38 ID:I0aTLmJBO
…。

……。

知恵「…」

梨花「…」

チェイス「…」

知恵「…あの、私言いましたよね?」

チェイス「分かっている」

知恵「…分かっていると言われましても…」

チェイス「だが、何とかして欲しい」

梨花「ボクからもお願いしますですよ。知恵」

知恵「…いくら古手さんの頼み事と言われましても…」

チェイス「…」

知恵「…この方を、ここで雇うのは…」

梨花「でも、人手が足らないといつもボヤいていたのを知っているのです」

知恵「…ですが…資格の無い方に教鞭を執らせる事は…」

チェイス「報酬はいらない。それならば仕事とは言わない筈だ」

知恵「…ボランティア、だと…?」

チェイス「そうだ」

知恵「・・・」

梨花「…」

知恵「…校長先生。どうされますか?」

校長「…そうですなぁ…」

知恵「本人はボランティアでも構わないと言っていますし…」

梨花「その上ボクのお墨付き、なのですよ」

校長「ううむ…」

梨花「それにチェ…左之助はとっても強いのです。悪い奴なんか一瞬でぱーん☆なのです」

知恵「この人の方がよっぽど悪そうに見えるんですよ」

チェイス「…服か。生憎これ以外は…」

校長「…」

40: 2017/05/12(金) 22:40:33.33 ID:I0aTLmJBO
校長「…左之助…さん…で、よろしいのかな?」

チェイス「何だ」

校長「…確かに、貴方からは悪人の気配はしません」

チェイス「…」

校長「…しかし、ですな。それよりも…」

チェイス「…」

校長「…何故、ここを選んだのですか?」

チェイス「…志望動機というやつか」

校長「他にも教鞭を執る事が出来る場所はいくらでもある筈です」

梨花「…」

校長「貴方が、ここを選んだ理由は?」

チェイス「…」

校長「…貴方の言葉で、説明してはもらえませんかな?勿論、嘘偽り無く…」

チェイス「…」

梨花「そ、その…」

チェイス「…」

梨花「ぼ、ボクが代わりに…」

校長「いえ。彼に説明してもらわねばなりません」

知恵「…」

校長「身分も怪しい。目的も不明。そのような者をここに入れるのは私が許しません」

チェイス「…」

校長「ですから。貴方に聞きたい」

チェイス「…」

校長「ここに、何をしに来たのですか?」

41: 2017/05/12(金) 22:41:17.65 ID:I0aTLmJBO
チェイス「…」

梨花「…」

校長「…」

チェイス「俺の名は、左之助ではない。チェイスだ」

知恵「!」

梨花「!?…ちょっ…!」

チェイス「そして俺は、古手梨花とは何の関係も無い」

校長「…ほう…」

チェイス「俺は、ここに呼ばれた」

梨花「…!!?」

チェイス「この村を守れと、人間を守れと言われた」

知恵「…」

校長「…」

チェイス「…信用は、出来ないか」

知恵「…」

校長「…」

梨花「・・・」

チェイス「…ならば、こうするのが一番早い」スッ

校長「む…?」

知恵「?」

チェイス「…」

梨花「え…?」

チェイス「…」グッ

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梨花「…え…?」

『Break up』

校長「!?」

知恵「…!」

42: 2017/05/12(金) 22:42:13.83 ID:I0aTLmJBO
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チェイス「…」

梨花「…あ…」

知恵「…こ、ここ…校長…先生…!!」

校長「…!!」

チェイス「…俺は、人間ではない」

校長「…」

チェイス「人間に作られた機械生命体、ロイミュード」

梨花「…本当…だったの…?」

チェイス「俺の使命は、この村を襲う「何か」から、お前達を救うことだ」

知恵「…」

校長「…チェイス、さん…」

チェイス「それが何かは分からない。だが少なくとも、こうすることで守る手段は増える」

校長「…」

チェイス「…俺を、此処で雇ってくれ」

校長「…」

知恵「…」

梨花「…」

校長「わ…」

チェイス「…」

校長「…分かり…ました…」

第2話 終

43: 2017/05/12(金) 22:42:40.47 ID:I0aTLmJBO
続きまたそのうち書きます

44: 2017/05/12(金) 23:11:10.00 ID:4HPebB9cO
乙……と労うのが人間のルールではないのか

46: 2017/05/12(金) 23:26:44.76 ID:A+0fNtPko

000じゃなくてチェイサーになるのか、まぁシグナルチェイサーは剛に渡してるし仕方ないといえば仕方ないか
ライノがあるか、プロトスピード持ってるかは気になるけどまぁ素のチェイサーでも負けないだろ


引用: チェイス「雛見沢…」