1:◆L0dG93FE2w   2012/10/14(日) 20:29:50 ID:vw4Z4/J.
男「まったく、幼は…」

幼「ご、ごめん」

男「今回は俺が見つけられたから良かったけど…」

男「こんな所で迷ったら、幼一人じゃどうにもなんないだろ」

幼「見つけてもらえてラッキー…だったね?」

男「まったく…電車から降りて5秒ではぐれるとは」

幼「えへへ。申し訳ないです」

男「…俺の手、しっかり握ってろよ」

幼「う、うん」


※このSSは
幼馴染「ラッキー!」男「また?」
の、続きの話しです

2: 2012/10/14(日) 20:30:12 ID:vw4Z4/J.
男(とっさに握っちゃったけど、なんかちょっと照れるな…)

幼(男に手、握られてる…)

幼(手を繋ぐのなんて、別に何ともないはずなのに…何か照れちゃうな)

幼「ま、まぁ日本語通じるんだからさー」

幼「迷っても、その辺歩いてる人に聞けばわかるよ、多分」

男「それでもだよ、俺が心配なんだよ」

幼「ありがとね、男」

3: 2012/10/14(日) 20:31:03 ID:vw4Z4/J.
男「しっかし、さすが大都会。人が多いなぁ」

幼「そうだねぇ。沖縄じゃ考えられないねー」

幼「男、道はわかるの?」

男「あぁ、一応ガイドブックは買ってきた」

幼「あとはスマホで何とかなるだろう」

幼「スマホ使いこなして、何か都会人みたいだよ、男」

男「ま、普段はあまり使わないんだけどなー」

男「こんな時くらいは役に立ってもらわんとなー」

男「ちょっと待っててな」
ピッピピッ

4: 2012/10/14(日) 20:31:37 ID:vw4Z4/J.
幼「あ、あんな所に…」
グイッ

男「ん?、幼どうした?」

幼「あ、ごめん、手握ってたんだった」

幼「あそこに、財布っぽい物が落ちてるから、拾おうかなーと思って」

男「ん、拾って、駅員さんに届けるべきだな」

幼「うん、ちょっと行ってくる。ね?」

5: 2012/10/14(日) 20:32:15 ID:vw4Z4/J.
男「俺、ちょっと道調べてるからさ」

幼「大丈夫だよ、ほんの数メートルだよ」

男「ん、人ごみに流されないようにしろよ?」

幼「大丈夫だよ。行ってくるね」
タタッ

幼「よっと…わぁ、可愛い財布だなぁ」

幼「革の財布かぁ…何か暖かい感じだなぁ」

幼「これって…手作りかな?」

幼「あっと駅員さん、駅員さん…」

6: 2012/10/14(日) 20:32:37 ID:vw4Z4/J.
幼「あのー、すみません。これ、落とし物です」

駅員「あぁ、どうもありがとう」

幼「いえいえ。それでは…」

息を切らした女「あ、あの、すんませんっ!」
ハアッハアッ

駅員「はい、なんでしょうか?」

息を切らした女「あ、あの…お、落とし物で…財布、届いてませんか?」
ハァハァ

7: 2012/10/14(日) 20:33:02 ID:vw4Z4/J.
駅員「どんな財布でしょうか?」

息を切らした女「えっと…現金は…そんなに…入ってなくて」
ハァハァ

息を切らした女「ディズニーリゾートの年間パスポートが入ってて…」

駅員「外見は?」

息を切らした女「あ、えっと、革で出来てて、茶色いです!」
ハァハァ

駅員「ひょっとして、これかな?」

息を切らした女「あ!それ!それです!」
ハァフゥ

8: 2012/10/14(日) 20:33:34 ID:vw4Z4/J.
駅員「一応中身を確認させてもらってもいいですか?」

息を切らした女「はい!どうぞどうぞ!」
ハァフゥ

幼「あの、大丈夫ですか?」

息を切らした女「あ、うん。大丈夫大丈夫」
ハァ

息を切らした女「久々にちょーっと走って、息が切れてるだけだから」
フゥ

9: 2012/10/14(日) 20:34:13 ID:vw4Z4/J.
駅員「…間違いなさそうですね。はい、どうぞ」

財布が見つかった女「良かったぁ…」

駅員「この子がたった今届けてくれたんですよ」

財布が見つかった女「あ、ありがとうございます!」

財布が見つかった女「お礼、しなきゃね!」

幼「あ、いえいえ。良かったですね見つかって」

財布が見つかった女「お礼するよ!遠慮しないで!」

10: 2012/10/14(日) 20:34:48 ID:vw4Z4/J.
財布が見つかった女「この財布、すっごく大切な物なんだー」

幼(すっごく嬉しそう…)

幼(ん?この人…どこかで会ったっけ?)

見覚えのある女「ん?何?私の顔に何か付いてる?」

幼「あ、じっと見ちゃってごめんなさい」

幼「あの、私とどこかで会った事ありませんか?」

見覚えのある女「んん?言われて見れば…どこかで会ったような?」

見覚えのある女「うーん?どこで会ったっけ?」

11: 2012/10/14(日) 20:35:29 ID:vw4Z4/J.
幼・見覚えのある女「…」

幼「あ!思い出した!」

幼「あの、てだこ祭りの浴衣コンテストで優勝した方ですよね?」

見覚えのある女「うん?ううん?そうだけど…」

幼「あ、私、あの時、2位だった者です!」

祭りで会った女「あ!あぁ!あぁ!思い出した!」

祭りで会った女「私にリゾートホテル宿泊券をくれた人!」

12: 2012/10/14(日) 20:36:05 ID:vw4Z4/J.
祭りで会った女「ごめんごめん!髪下ろしてるから、わかんなかった!」

祭りで会った女「あの時はありがとね!」

幼「あ、いえいえ、こちらこそ!」

幼「あの時はありがとうございました」
ペコッ

幼「おかげさまで今日、ココにに来られました!」

祭りで会った女「あ、そうなんだ?あの時の賞品で来てるんだ?」

幼「はい、友達と二人で…」

13: 2012/10/14(日) 20:37:06 ID:vw4Z4/J.
祭りで会った女「あ、今からランドに行く感じ?」

幼「はい、あそこで携帯いじってるのが、その…友達です」

祭りで会った女「へー。ね、あれって彼氏?彼氏?」

幼「あ、は、はい、そうですね。えへへ」

祭りで会った女「へー?へー!あ、私もね、彼氏と来てるんだ!」

祭りで会った女「あ!しまった!あいつの事、待たせてるんだった!」

祭りで会った女「行かなきゃ!それじゃ!」

祭りで会った女「拾ってくれてありがとね!」

幼「あ、はい!さようなら」

祭りで会った女「ばいばーい!」
タッタッタ

14: 2012/10/14(日) 20:37:40 ID:vw4Z4/J.


男「遅かったな、幼」

幼「ごめんね。財布の持ち主がすぐに見つかってね」

男「ほう。そりゃあ良かったな」

幼「それがねー、なんとてだこ祭りの時、旅行券をくれた人だったんだー」

男「はー?なんつー偶然!」

幼「ねー?結構凄い偶然だよねー?」

15: 2012/10/14(日) 20:38:20 ID:vw4Z4/J.
男「で、その人は?」

幼「彼氏さんを待たせてるからって、走って行っちゃった」

男「そっか。幼、また一つ良い事したな~」

幼「えへへ。財布見つけたのは偶然だけど良かったよ」

男「それじゃ、そろそろ行くかー」

幼「うんっ!」

16: 2012/10/14(日) 20:38:50 ID:vw4Z4/J.
男「まずはホテルに荷物預けてこよう」

男「時間が早いからチェックインはまだ無理だけど」

男「荷物は預かってもらえるはずだからさ」

幼「はーい」

幼「それにしても、リュックにして大正解だったね」

男「おう。姉ちゃんが言ってたんだ」

男「トランクより、リュックに入る分だけの荷物にしろって」

男「身軽に動けるし、両手自由だし」

ギュッ

男「こうやって手も繋げるし、な?」

幼「…うん!」

17: 2012/10/14(日) 20:39:28 ID:vw4Z4/J.


『ランド入口』

男「おぉ…」

幼「凄いね…」

男「おう、想像以上に夢の国だな…」

幼「私たち、場違いじゃない?」

男「そんな事ないだろうよ…多分」

男「さぁ、行くぞ!」

幼「う、うん!」

18: 2012/10/14(日) 20:39:50 ID:vw4Z4/J.
幼「何から行く?」

男「幼の好きな奴から行こう」

幼「うーん。私、どれが良いのかわからないよ?」

男「そんじゃ、適当に行くか!」

男「きっと行列出来てる奴が面白い!」

幼「うんっ!」

19: 2012/10/14(日) 20:40:23 ID:vw4Z4/J.
『120分待ち』

男「うぇー…2時間って…」

男「これがディズニーランドの洗礼か…」

幼「どうしよう、違うのにする?」

男「いやー、どっちにしろ並ばないとだろ?」

男「このまま並ぼうぜ」

幼「そうしようかー」

20: 2012/10/14(日) 20:41:12 ID:vw4Z4/J.
さっきの女「おーい!あなた達…」

幼「あ、さっきの!」

知らない男「誰?知り合い?」

さっきの女「この子だよ、さっき話してた子」

さっきの女「財布拾ってくれたの、この子なの」

しらない男「あー、それはそれは」

知らない男「あの時はありがとうざいました」

知らない男「あなたがくれたリゾートホテル宿泊券のおかげで」

知らない男「沖縄の旅が100倍楽しめました」

21: 2012/10/14(日) 20:41:55 ID:vw4Z4/J.
幼「えっと…いえいえ、こちらこそですよ」

さっきの女「あ、自己紹介まだだったよね!」

さっきの女「私は千葉女、こっちは千葉男」

千葉男「よろしくー」

幼「私の名前は幼って言います」

男「男です、どうも」

千葉女「よろしくね!幼さん!」

幼「こちらこそ、千葉女さん」

22: 2012/10/14(日) 20:42:19 ID:vw4Z4/J.
千葉男「で、今からこれに並ぶの?」

男「はい、人が並んでる奴なら面白いかと思って」

千葉女「ははーん、二人とも、初心者だね?」

幼「はい、初めて来ましたから」

千葉女「それじゃあ、私たちが案内してあげよう!」

千葉女「いいよね?千葉男!」

千葉男「いやだっつっても行くんだろ?良いよ」

千葉男「それに財布拾ってくれた恩も、きちっとかえさないとな」

23: 2012/10/14(日) 20:43:08 ID:vw4Z4/J.
幼「そ、そんな、悪いですよ」

千葉女「まぁまぁ、あの賞品券、確か3泊4日だったでしょ?」

千葉女「今日で回り方覚えて、明日と明後日、二人で楽しめばいいじゃん!」

千葉男「お礼がしたいんだよ、こいつ」

千葉女「こいつ言うな!」

幼「わかりました、それじゃ道案内お願いします!」

幼「良いよね、男?」

男「もちろん。よろしくお願いします!」

24: 2012/10/14(日) 20:43:50 ID:vw4Z4/J.
千葉女「うんうん!ダブルデートだね!」

幼「は、はいっ」

千葉女「それじゃまずねー」

千葉女「この列に並ぶの止めてー」


千葉女「わかった?」

男「こんな順番の取り方があるんですね」

千葉女「フフフ基本だよ、基本」

千葉女「さて!それじゃあ、待ってる間、一カ所行ってみようか!」

千葉男「えー、最初に観るのがアレって駄目じゃないか?」

千葉女「いいじゃん!すぐそこだよ、すぐ見れるし!」

25: 2012/10/14(日) 20:44:26 ID:vw4Z4/J.


千葉女「ね?どうだった?どうだった?」

男「あ、あの、正直に言っていいっすか?」

千葉女「うんうん!」

男「イマイチでした…」

千葉女「でしょでしょ?」

幼「え?」

26: 2012/10/14(日) 20:44:54 ID:vw4Z4/J.
千葉女「私、来る度にコレ見るんだけどさぁ」

千葉女「何回見ても、良さがわからないんだよねぇ」

千葉女「マイケルはカッコ良いんだけどさー」

男・幼「…」

千葉男「ほら、二人が引いてるだろ」

千葉男「ごめんな、二人とも」

男・幼「い、いえ」

27: 2012/10/14(日) 20:45:34 ID:vw4Z4/J.
千葉女「さぁ、最初に微妙な気分になったなら…」

千葉女「あとは上がるだけだよ!テンション上げて行こう!」

男・幼「は、はいー」

千葉女「私としては、マウンテンは全部制覇して欲しい!」

千葉女「レッツゴー!」

幼「はいー」

男「千葉女さん、テンション高いですね」

千葉男「いっつもこんな感じなんだよ、あいつ」

28: 2012/10/14(日) 20:46:04 ID:vw4Z4/J.


男「す、凄かったなー」

幼「そ、そうだね…凄かったね…」

千葉女「どう?初めてのディズニーランドは?」

幼「はい!凄いですねー」

千葉女「最初に軽いがっかり感を味わった事が」

千葉女「他のアトラクションをより一層輝かせてるんだよ!」

千葉男「それはどうかと思うがな…」

29: 2012/10/14(日) 20:47:09 ID:vw4Z4/J.
千葉女「さぁ、次はこっちだよ、こっち!」
グイッ

男「ちょ、千葉女さん?」

千葉女「いいじゃん!早く行かないと!」

幼(あ…腕、組んでる…)

幼(千葉女さん、楽しそうだなぁ)

千葉男「ごめんね、幼さん」

千葉男「あいつ、今、ちょっとおかしいんだ」

幼「え?い、いえいえ、別に私は何も…」

30: 2012/10/14(日) 20:47:57 ID:vw4Z4/J.
幼(あれ?…)

幼(何だろう、胸がモヤモヤする…)

幼(こんな気持ち、なった事ない…)

幼(いつもなら男に相談するけど…)

幼(…どうしてだろう、何か…怖い…怖い?)

千葉女「おーい!二人とも早く早く!」

千葉女「次のマウンテンに行くぞー!」

幼「は、はーい」

31: 2012/10/14(日) 20:48:23 ID:vw4Z4/J.
幼(…何だろう、やっぱりモヤモヤする)

幼(気持ちがざわついて…やっぱり怖い…)

千葉男「…」

千葉男「おい!ちょっとこっち来い!」

千葉女「な、何よ!」

千葉男「いいから、ちょっと来い!」
グイッ

32: 2012/10/14(日) 20:48:55 ID:vw4Z4/J.
男「ふぅ…やっと解放され…ん?どうした幼?」

幼「え?な、何が?」

男「何か、顔色悪いぞ?大丈夫か?」

幼「あ、うん。大丈夫だよ、男」

幼「ちょっと人ごみに酔っただけだよ、うん」

男「そうか…?きつくなったら言えよ?」

幼「ありがと、男」

33: 2012/10/14(日) 20:49:31 ID:vw4Z4/J.
幼(…ホッとした)

幼(でも何だったんだろう、さっきのモヤモヤ…)

男「しっかし凄いよなぁ」

幼「えっ?」

男「いや、沖縄にはこんなアトラクションとかないじゃんか?」

男「生まれて初めて乗ったけど、凄いもんだよなぁ」

幼「そ、そうだねー。ビューンってなったり、ガタンってなったりねー」

幼「どれも未知の感覚だよねー」

34: 2012/10/14(日) 20:49:53 ID:vw4Z4/J.
幼「…」ハァ

男「…幼、やっぱり調子悪い?」

幼「え?だ、大丈夫だよ?」

幼「全然平気だから、心配しないで?」

男「幼は無理するタイプだからなぁ」

幼「ホントに大丈夫だから!ね?」

男「…」

35: 2012/10/14(日) 20:50:24 ID:vw4Z4/J.


千葉男「待たせてごめんな、二人とも」

千葉女「…」

千葉男「ほら、言う事あるだろ?」

千葉女「う、その…はしゃいじゃって、ごめんなさい」

千葉男「まったく…はしゃぎすぎだ、お前は」

千葉女「ごめんね?」

36: 2012/10/14(日) 20:50:45 ID:vw4Z4/J.
幼「あ、こちらこそ、すみませんっ」

幼「逆に気を遣わせてしまって…」

千葉男「いやいや、謝るのはこっちだよ」

千葉男「振り回しちゃってごめんなー」

男「や、もうここはお互い、謝るのナシにしましょうよ」

男「せっかくの夢の国なんだから」

男「楽しまないと損ですよ!」

37: 2012/10/14(日) 20:51:28 ID:vw4Z4/J.
千葉女「そ、そうだよね!だよねー!」

千葉男「確かにそうだけど、お前が言うな」
ポカッ

千葉女「すいませんっ!調子のってホントすんませんっ!」

幼「ふふっ。お二人お似合いですねー」

千葉女「そう?そう?そう見える?」

幼「見えますよー。凄くお似合いです」

38: 2012/10/14(日) 20:52:03 ID:vw4Z4/J.
千葉女「えっへっへー。だってよ?千葉男?」

千葉男「…ありがとね、幼さん」

千葉女「照れてる照れてる!にへへー」

千葉男「ゴホン!まぁそんな訳でさ」

千葉女「どんな訳だー!」

千葉男「茶化すなよ!」

千葉女「サーセン!サーセン!」

39: 2012/10/14(日) 20:52:25 ID:vw4Z4/J.
千葉男「ここからはちょっとゆっくり見て回ろうぜ?」

千葉女「アトラクション以外にも、見て回るもの、いっぱいあるからね!」

千葉男「道案内するからさ」

男「そうしましょうか」

幼「宜しくお願いしますー」

40: 2012/10/14(日) 20:53:19 ID:vw4Z4/J.


男「いや、本当にまったく…想像以上です」

千葉男「初めてだもんな。色々ビックリだろ?」

男「ビックリだらけですよ」

幼「まさか、ミッキーとミニーにも会えるなんてー」

千葉女「たまーに歩いてるんだよ」

幼「はー…本当に、色々あるんですねー」

41: 2012/10/14(日) 20:53:46 ID:vw4Z4/J.
千葉女「ふふふー凄いでしょ?一日じゃ、絶対回りきれないよ!」

千葉男「なんでお前がドヤ顔なんだよ」

千葉女「いいじゃん別に!」

幼「ふふっ」

千葉女「えへへー楽しいね、幼さんっ」

幼「はい!とっても楽しいです!」

幼「本当に来て良かったです」

42: 2012/10/14(日) 20:54:42 ID:vw4Z4/J.
千葉女「そう言ってもらえると、旅行券あげた私も心晴れ晴れだよ!」

千葉男「その代わりに俺たちはリゾートホテルに泊まれたんだから」

千葉男「おあいこだろ」

千葉女「それはそうだけどさー」グゥ

全員「…」

幼「そ、そういえば、お昼食べてませんでしたね」

千葉女「お恥ずかしい…でもさすがにお腹空いたー」

男「楽しすぎて、時間経つの忘れてました…もう夕方なんですね」

千葉男「それじゃ、何か食べようか」

千葉女「賛成!賛成ー!」

43: 2012/10/14(日) 20:55:28 ID:vw4Z4/J.
千葉女「行きたいレストランは…って聞かれても解んないよね?」

幼「はい、全然わかりませんー」

千葉男「じゃ、カレー食べに行こう!」

千葉女「えー?またカレ-?違うやつにしようよー」

千葉男「いいじゃん、カレー。な?二人はどうよ?」

幼「えーっと…」

男「俺ら、全然わかんないんでお任せします!」

千葉女「いやいや!せっかくの旅行なのに!カレーとか!一番無い選択でしょ!」

千葉男「…じゃあ、ブルーバイユーとか?」

千葉女「いいねー!今日は奮発して、そうしちゃおうよ!」

44: 2012/10/14(日) 20:56:01 ID:vw4Z4/J.
千葉女「ちょこーっとお高いけど、カレーよりは良いよね?」

男「俺らは大丈夫です!」

男「観光地のご飯が少々お高いのはわかってますから!」

千葉女「なら、レッツゴー!」

千葉男「俺ら普段は軽いやつしか食べないんだよ」

千葉男「食費削る感じだからさ」

千葉女「でもでも!今日くらいは良いよね?」

千葉男「まぁ、そうだな。今日は特別だな」

幼「じゃあ、行きましょう!私もお腹空きましたー」

45: 2012/10/14(日) 20:56:37 ID:vw4Z4/J.


『レストラン』

千葉男「席、空いてて良かったなー」

男「なにせウチには、幸運の女神様がいますからね」

男「あ、そういえば、ちょっと質問が」

千葉男「ん?何?」

男「お二人、何歳ですか?」

千葉男「二人とも17歳、高2だよ」

男「おっと、同い年だったとは!?」

46: 2012/10/14(日) 20:57:54 ID:vw4Z4/J.
千葉男「え?」

千葉女「え?マジで?タメなの?」

幼「えー。お二人、年上だと思ってました」

千葉男「完全に年下だと思ってた…」

千葉女「同じ17歳…どうしてこんなに差が…」

幼「え?」

千葉女「ちょっと幼さん…こっち来て」

幼「はい?」

千葉男「おい、また変な事言ったりすんなよ?」

千葉女「うっさい!」

47: 2012/10/14(日) 20:58:32 ID:vw4Z4/J.


千葉女「ちょっと質問なんだけどさ」

幼「はい?」

千葉女「ね、男君とその…お付き合いして長いの?」

幼「いいえ。その、私と男は幼馴染なんですけど」

千葉女「マジで?私と千葉男も幼馴染なんだよ!」

幼「そうなんですか?」

49: 2012/10/14(日) 20:59:39 ID:vw4Z4/J.
千葉女「家もすぐ隣りなんだよっ」

幼「あ、私たちもそうなんですよー」

千葉女「へー!へー!私たちって、何か似てない?」

幼「そうですねー。なんだか、昔から知ってるような…そんな感じしますねー」

千葉女「ね、突然だけど、アドレス交換しない?」

幼「はい?」

千葉女「私たち、何か縁があるなぁと思って!」

50: 2012/10/14(日) 21:00:16 ID:vw4Z4/J.
千葉女「それで、友達になれるんじゃないかなと思って!」

幼「あ、は、はいっ」

千葉女「それじゃ、早速っ!」
ピッ

幼「はい!」
ピッ

千葉女「…これで良しっと」

千葉女「ねぇねぇ、それでさぁ?」

幼「はい?」

51: 2012/10/14(日) 21:01:07 ID:vw4Z4/J.
千葉女「さっきの質問に戻るんだけど」

千葉女「男君とお付き合いしだして長いの?」

幼「えっと、男女としての付き合いは、全然ですよ」

幼「あの…告白して、付き合い始めたのが、実は先週なんですよ」

千葉女「えー?そうなの?」

千葉女「あー、でも小さい頃からずっと一緒に居たんだよね?」

幼「はい。保育園からずっと一緒です」

52: 2012/10/14(日) 21:01:56 ID:vw4Z4/J.
千葉女「…来年受験でしょ?大学も一緒の大学に行く?」

幼「うーん、どうでしょう。まだ受験の事とか、考えてないです」

千葉女「将来の事とか、考えたりする?」

幼「えーと、まぁ、はい。それは考えたりします」

千葉女「男君のお嫁さん?」

幼「一応、はい。お嫁さん希望ですね、はい。えへへ」

千葉女「だよねだよね。やっぱりそうだよね」

53: 2012/10/14(日) 21:03:31 ID:vw4Z4/J.
千葉女「私もそうなんだけどさぁ」

幼「ん?」

千葉女「ちょっとね、将来について意見の相違があって」

千葉女「最近、実は喧嘩気味なんだよね」

幼「でも、お二人、もうすでに夫婦みたいな感じに見えますよ?」

千葉女「そうかな?へへへー。ありがと幼さん」

幼「ホントですからー」

54: 2012/10/14(日) 21:04:11 ID:vw4Z4/J.
千葉女「それと…さっきはごめんね?」

幼「え?」

千葉女「男君と腕なんか組んじゃって」

千葉女「私、ちょっとやり過ぎだったよね」

千葉女「ごめんっ」

幼「あ、あの…いいですから。大丈夫ですから」

千葉女「いーや!私にはわかるよ、幼さん!」

千葉女「あなた、優しいから、無理してるでしょ?」

55: 2012/10/14(日) 21:06:05 ID:vw4Z4/J.
幼「う…無理、してる様に見えますかね?私…」

千葉女「私と男君が、腕を組んでいるのを見て、何か思ったでしょ?」

幼「それは…ちょっと、モヤモヤした気分になって…」

幼「不安で、怖い気分に…なりました」

千葉女「それを人は嫉妬って言うんだよ!」

幼「嫉妬…」

千葉女「私たちもそうだったから、ちょーっと言わせてもらうけどさ」

56: 2012/10/14(日) 21:07:08 ID:vw4Z4/J.
千葉女「小さい頃からずーっと一緒に居て、もう周囲から見たらさ」

千葉女「恋人同士に見えてたと思うんだ」

幼「…」

千葉女「だからそんな二人の間にさ」

千葉女「割って入ってくる人なんて居なかったんじゃないかな?」

幼「…そうかもしれません」

千葉女「二人がお互いの事、大事に思ってるの、すっごく良くわかる」

千葉女「だから、本当に好きな人の事、疑っちゃダメだよ?」

57: 2012/10/14(日) 21:08:49 ID:vw4Z4/J.
千葉女「幼さんだけじゃなくて、男君も優しいからさ」

千葉女「私みたいなタイプの女の子が、男君の側に現れたらさ」

千葉女「グイグイ来られたら、あまり強く拒否出来ないと思うんだ」

千葉女「実際さっきもそうだったでしょ?」

千葉女「でも絶対、男君は、幼さんの事が好きだから」

幼「そうでしょうか…」

千葉女「絶対だから!見てれば解る!」

幼「は、はい…」

58: 2012/10/14(日) 21:09:20 ID:vw4Z4/J.
千葉女「それと、これを」
ゴソゴソ
ギュッ

幼「え?こ、これって…」

千葉女「あげる!今夜、同じ部屋で寝るんでしょ?」

幼「は、はい」

千葉女「…頑張って!」

59: 2012/10/14(日) 21:09:42 ID:vw4Z4/J.
千葉女「幼さんが今思ってる事、ちゃんと男君に話して!」

千葉女「後は成り行きに身を任せてれば良いと思うよ!」

幼「はい…」

千葉女「絶対!大丈夫だから!」

千葉女「それじゃ、そろそろ席に戻ろうか!」

幼「はいっ!」

60: 2012/10/14(日) 21:10:39 ID:vw4Z4/J.



千葉女「さぁ、お腹も膨れた所で!時間も丁度いい感じ!」

千葉女「最後はいよいよお待ちかねの!」

千葉男「パレードね。早めに行って場所取ろう」

千葉女「いい場所知ってるからね!付いて来て!」

幼「はいっ!」

61: 2012/10/14(日) 21:11:17 ID:vw4Z4/J.


千葉女「ここ!ここで待ってればよく見えるよ!」

幼「わぁ…凄い人の数…」

千葉男「びっくりするよ、きっと」

男「楽しみです」

ギュッ

男「ん?」

幼「はぐれない様に…ね?」

男「おぅ」

62: 2012/10/14(日) 21:11:53 ID:vw4Z4/J.


『パレード』

男「すっげー…」

幼「本当に、凄い…」

千葉男「何度見ても綺麗だな、千葉女」

千葉女「そ、そうだね…」

千葉女「本当に…綺麗だね…」

63: 2012/10/14(日) 21:12:37 ID:vw4Z4/J.
千葉女「…あと、何回、一緒にこのパレードを見られるのかな」

千葉男「はぁ?何だそれ。何回だって見られるだろ?」

千葉女「…うぐっ」

千葉男「ん?どうした?…おい、泣いてるのか?」

幼「千葉女さん?どうかしたの?」

千葉女「な、何でもない!何でもないからっ!」

千葉男「何でもない奴が泣くかよ!」

64: 2012/10/14(日) 21:13:12 ID:vw4Z4/J.
千葉女「今日のパレードはひときわ綺麗だなーって!」

千葉女「感動してたんだよっ!」

千葉男「おい…嘘つくなよ、千葉女」

千葉女「わ、私は…私はっ!」
ダッ

千葉男「おいっ!」

千葉男「あー、二人とも、ごめん!俺も行くわ!」

65: 2012/10/14(日) 21:14:37 ID:vw4Z4/J.
千葉男「パレード、楽しんでな!」

千葉男「縁が有ったらまた会おう!じゃな!」

幼「は、はい!千葉女さんによろしくって!」

男「また!」

幼「…行っちゃったね」

男「嵐の様な人たちだったな」

幼「うん、そうだねー」

66: 2012/10/14(日) 21:15:39 ID:vw4Z4/J.
男「浴衣コンテストの時も、漫才みたいな感じだったよ」

幼「ふふっ。夫婦漫才?」

男「そうだな。夫婦漫才だったな、あれは」

幼「…大丈夫かな?」

男「大丈夫だろう」

幼「だよね」

男「だよ」

67: 2012/10/14(日) 21:16:26 ID:vw4Z4/J.
幼「パレード、綺麗だね…」

男「手、離すなよ?」

幼「うん。絶対、離さないから」

男「…ずっと、傍に居ろよ」

幼「え?何?今何て言ったー?」

男「何でもない!しっかりパレード見ようぜ?」

幼「う、うん!」

68: 2012/10/14(日) 21:17:19 ID:vw4Z4/J.


『ホテルの部屋』

幼「はぁ…パレードも花火も綺麗だったねー」

男「あぁ、凄かったなー」

幼「楽しかったけど、ちょっと疲れちゃったね?」

男「そうだなー。今日は色々あったもんなー」

幼「へ、部屋の中もディズニー満載だね?」

男「そうだなー。何か楽しい部屋だな?」

幼「あ、汗かいちゃったし、私、先にシャワー浴びてくるね?」

69: 2012/10/14(日) 21:17:44 ID:vw4Z4/J.
男「あいよ、どうぞー」

幼「そ、それじゃ、ね?」

男「おー。俺は明日どこ行くか、ガイドブック見ながら考えるー」

幼「う、うん…」

幼(シャワー浴びたら、言うんだ…)

70: 2012/10/14(日) 21:18:36 ID:vw4Z4/J.


幼「シャワー空いたよー?」

男「お、おう。それじゃ俺もさっと浴びてくるかなー」

幼「う、うん。部屋の中だけじゃなくて、お風呂もこだわってるよ」

男(風呂上りの幼…別に見慣れてるはずなのに、何か…)

男(よ、よく考えたら、今日、同じ部屋で寝るんだぜ?)

男(…)

男(…ドキドキするな、オイ)

71: 2012/10/14(日) 21:19:01 ID:vw4Z4/J.


男「あー、さっぱりしたー」

幼「ね、ここから見る景色も凄いよー」

男「おー。確かに凄い綺麗だなー」

男「こんなところに無料で来られて、本当にラッキーだなー」

幼「ラッキーだよねー」

男「幼がな?」

72: 2012/10/14(日) 21:20:14 ID:vw4Z4/J.
幼「えへへ。そうかな?」

男「今日だって、財布拾ってからの、千葉女さんと再会とかさー」

男「奇跡的なラッキーだと思うぜ?」

幼「えへへ。言われて見ればそうかもねー」

男「あぁ、ラッキーでハッピーさー」

男・幼「…」

73: 2012/10/14(日) 21:20:58 ID:vw4Z4/J.
男「そ、それじゃ、明日も早いし、そろそろ寝るか!」

幼「それじゃ、私、こっちのベッドで寝るね?」

男「おう、俺こっちなー」

幼「それじゃ、おやすみ、男」

男「お休み、幼」

男・幼「…」

74: 2012/10/14(日) 21:21:48 ID:vw4Z4/J.
幼(い、言えない…一緒に寝ようって…)

幼(やっぱりちょっと怖い…)


男(な、何も…ないよな…)

男(ガッカリしたような、ホッとしたような…)

男(複雑な気分だぜ…)

男(俺から行くべき…か?)

男(でもなぁ…)

75: 2012/10/14(日) 21:23:18 ID:vw4Z4/J.


30分後

幼(…眠れない)

男(あぁ、悶々として、眠れねー)
モゾモゾ

幼「…ね、男、起きてる?」

男「んー?幼、眠れないの?」

幼「う、うん」

76: 2012/10/14(日) 21:23:53 ID:vw4Z4/J.
幼(今!今、言うんだ!)

幼「あの、ね?い、一緒に寝てもいい?」

男「ん?いいぞ。じゃあ、ベッド寄せるか」

幼「あ、あのちがくて…男のベッドで、一緒に寝ても、いい?」

男「え?」

幼「ダメ…かな?」

男「い、いや、良いけど…」

77: 2012/10/14(日) 21:24:18 ID:vw4Z4/J.
幼「…じゃ、じゃあそっちに移るね」

男「お、おぅ」

ゴソゴソ

幼「お邪魔しまーす…」

男「狭いところですけど、どうぞどうぞ」

男・幼「…」

78: 2012/10/14(日) 21:25:14 ID:vw4Z4/J.
男(ほわーーーーっ!)

男(…背中合わせだけど)

男(幼と同じ布団で、寝るなんて、何年ぶりだ?)

男(超ドキドキする!!)

男「…ぅ」

幼「……」

79: 2012/10/14(日) 21:25:39 ID:vw4Z4/J.
男「…幼、何かあった?」

幼「えっ?な、何かって?」

男「急に幼がこんな事言い出すなんてさー」

男「俺は未だかつて経験した事のない事態に」

男「…結構、うろたえてるんだぜ?」

幼「ご、ごめんね、急に」

男「謝らないでくれよ」

80: 2012/10/14(日) 21:26:32 ID:vw4Z4/J.
男「あー…ひょっとして千葉女さんに何か言われたとか?」

幼「え、あ、うん。確かに千葉女さんにちょっと言われたけど…」

幼「こ、これは…私の問題だから」

男「そ、そうか…」

幼「…」

男「…」

81: 2012/10/14(日) 21:27:43 ID:vw4Z4/J.
幼「あ、あのね、男!」

男「う、うん?」

幼「男は、将来の事とか、考えてる?」

男「将来?」

幼「来年、3年生になるじゃない?」

男「あぁ、進学の事かー」

幼「あの、それよりもう少し先の事とか、さ?」

82: 2012/10/14(日) 21:28:09 ID:vw4Z4/J.
男「先?就職の事?」

幼「…もうちょっとだけ、先」

男「…」

幼「…」

男「あ…その、え?そう言う話し?」

幼「あの、昔の約束の事だけど、どうなのかなー?って」

男「…幼、言っておくけどな」

幼「何?」

83: 2012/10/14(日) 21:29:03 ID:vw4Z4/J.
男「先週、商店の店先でも話したけどさ」

男「あれは、俺の方から、お願いしたんだぜ?」

男「幼に、俺のお嫁さんになって欲しいってさ」

男「それに俺の心は昔から変わらないよ」

男「俺、何の取り柄もないけどさ」

男「幼の事、好きだ」

男「幼の事を一番に想い続ける事だけは、世界一だって自信がある!」

幼「…」

84: 2012/10/14(日) 21:30:34 ID:vw4Z4/J.
男「進学や就職の事はまだ全然考えてないけどさ」

男「俺が進む隣りには、幼が居てほしいって思ってる」

男「でも、それは俺のワガママだから」

男「もし、幼の方が俺に付き合うつもりが無くなったら…」

男「そう思うと、怖くもなる」
ゴソゴソ
ギュウッ

85: 2012/10/14(日) 21:31:10 ID:vw4Z4/J.
男「お、幼?」

幼「わ、私が男以外の人を好きになるなんて、考えられないよ…」

男「そ、そうか?」

男(首筋に、幼の息が当たって、くすぐったい…)

幼「男、こっち向いて?」

男「ん」
クルッ

男「…幼、泣いてるのか?」

86: 2012/10/14(日) 21:32:04 ID:vw4Z4/J.
幼「わ、私、今日ね」

幼「千葉女さんと、男が腕組んでるの見て」

幼「モヤモヤして、不安になって、怖かった」

幼「こんな気持ち、今までなった事なかったから」

幼「すっごく怖かったんだ…」

男「…」

幼「千葉女さんに、これが嫉妬なんだよって言われたよ」

87: 2012/10/14(日) 21:33:01 ID:vw4Z4/J.
幼「私、こんな感情知らなくて」

幼「今まで、周囲にそんな人居なかったからだって」

幼「言われて気付いたよ」

幼「確かに、今まで男の隣りは私が独占してたけど」

幼「これから先も同じとは限らない…」

幼「男が誰か他の人と一緒に、遠くに行っちゃったらどうしようとか」

幼「…夕方、パレードが始まるまで、ずーっとそんな事考えてたんだー」

89: 2012/10/14(日) 21:35:02 ID:vw4Z4/J.
幼「えへへ…私ちょっと妄想が激しいよね?」

幼「…1週間前までは、ただ一緒に居られるだけで、幸せだったのにね」

幼「もっともっと、傍に居たくなっちゃったんだー」

男「…不安にさせてごめんな、幼」

男「でも、大丈夫だから。俺には幼しか居ないから」

男「昔からずっと好きだから」

男「これからもずっと好きだから」

90: 2012/10/14(日) 21:35:38 ID:vw4Z4/J.
幼「…うん、ありがとう男」

男「大丈夫、俺たち二人は大丈夫だ!」

男「この先、どんな事があっても!絶対っ!」

ギュッ

男「この手を、離さないぞ」

幼「うん!うんっ!」

91: 2012/10/14(日) 21:37:13 ID:vw4Z4/J.
男「それじゃ、そろそろ寝るか」
ゴソゴソ

幼「えへへ…男の腕枕、小六の時以来だね」

男「そうだったかな?」

幼「そうだよ。私は覚えてるよ?」

男「夏休み、台風の時だよな。俺も覚えてるさ」

幼「だよね。えへへ」

男「…」
ギュッ

92: 2012/10/14(日) 21:37:56 ID:vw4Z4/J.
幼「…ほっとする…凄く落ち着くよ、男の腕の中」

男「俺も、幼の体温が感じられて、落ち着くよ」

幼「…今、何考えてる?」

男「好きな人と抱き合うのって、気持ちいいんだなぁって」

幼「ふふふー。私も大体同じ事考えてたよー」

男「大体?…他にも何か考えてる?」

幼「もっと、安心させて欲しいなって、思ってる」

93: 2012/10/14(日) 21:39:15 ID:vw4Z4/J.
男「うん?」

幼「…好きだけじゃ、足りない、よ…」

男「…幼、愛してるぞ」

幼「私も、愛してるよ、男…」

男「…幼」

幼「男…いいよ?」

幼「わ、私は覚悟、出来てるよ?」

男「幼…」

幼「だ、大丈夫だから…ね?」

94: 2012/10/14(日) 21:40:08 ID:vw4Z4/J.
男「本当に、良いのか?」

幼「…うん」

男「じゃ、じゃあ…キス、するぞ?」

幼「うん…」

チュッ…チュッ…チュッ

幼「…んぅ」

チュ

幼(んっ…唇、離れない…?)

レロッ

幼(あっ…男の、舌が…)

幼(…)

95: 2012/10/14(日) 21:40:52 ID:vw4Z4/J.
男・幼「ぷはっ…」
ハァハァ

幼「大人の、キス…だね?」

男「おぅ…」

幼「キスって、気持ちいいね…」

男「そうだな…凄いな…」

幼「…今、何考えてる?」

男「幸せだなって」

幼「私もだよ、男」

チュッ

96: 2012/10/14(日) 21:41:45 ID:vw4Z4/J.
男「…幼」

幼「…うん」

ピロリロリ

幼「ん?私の携帯…」

男「メール?」

幼「そうみたい…でも、今は…ね?」

男「あぁ」

ピロリロリ

97: 2012/10/14(日) 21:42:14 ID:vw4Z4/J.
幼「またメールだ…」

男「こんな時間に…緊急の連絡かな?見た方がいいかも」

幼「うん…ちょっと見てみる」

ピッ

幼「あ…千葉女さんからだ」

男「アドレス交換したんだ?」

幼「うん。お昼にね…ふふっ」

98: 2012/10/14(日) 21:42:56 ID:vw4Z4/J.
男「どうした?なんだって?」

幼「千葉男さんと上手くいったんだって」

男「そっか、良かったな」

幼「二通目のメール『真っ最中だったらゴメンねー』だって。ふふっ」

男「ぶはっ…何て事書いてんだ、あの人」

男「…まぁ、当たってたんだけどな」

99: 2012/10/14(日) 21:43:32 ID:vw4Z4/J.
幼「実はね、お昼にこれ…渡されたの」

男「そ、それって…コンドーぉぅ…」

男「マジで、何考えてんだ、あの人は…」

幼「ねー?」

男・幼「…」

男「ふふっ…何だか、なぁ?」

幼「えへへ、そうだねー」

100: 2012/10/14(日) 21:44:04 ID:vw4Z4/J.
男「そんな空気じゃなくなっちゃったな?」

幼「ふふっそうだねー」

幼「何か、緊張感がなくなっちゃったよー」

男「やっぱり、ちょっと無理してたんだな?」

幼「えへへ…そりゃあねー」

幼「一大決心だったんだよー」

男「無理させてごめんな」

101: 2012/10/14(日) 21:45:13 ID:vw4Z4/J.
幼「謝らないでよ、男」

男「…まぁ、俺たちには俺たちのペースがあるよ、幼」

男「焦る事とか無いよ」

男「俺はいつでも、幼の傍に居るからさ」

幼「うんっ」

男「…本当に、もう寝るかー」

幼「うん、そうだねー」

102: 2012/10/14(日) 21:46:02 ID:vw4Z4/J.
男「取り敢えず、今日はこれで、な」
ゴソゴソ

幼「腕枕、再びー…えへへ」

男「明日も朝から一杯楽しもうな?」

幼「うんっ!」

男「それじゃ…」

幼「あ、最後に…」

男「ん?」

幼「お、お休みの、キス…ね?」

男「う、うん」
チュッ

幼「おやすみ、男…」

男「おやすみ、幼…」

103: 2012/10/14(日) 21:48:27 ID:vw4Z4/J.



『空港』

男「いやぁ、楽しかったなぁ」

幼「そうだねー。楽しかったねー」

男「3泊4日なんて、あっという間だなー」

幼「本当にそうだねー。時の経つのを忘れちゃうよね」

104: 2012/10/14(日) 21:48:59 ID:vw4Z4/J.
男「さすがは夢の国だったなー」

男「金も結構使っちゃったけど、これは仕方ないよなー」

幼「やっぱり凄かったよね。その分、サービスも凄かったけど」

男「まぁ、沖縄も観光地じゃ、観光フィーが付いてたりするもんな」

幼「それもそうだね」

男「さてと…荷物は全部宅急便で送ったから、身軽だし」

男「お互いの両親にお土産でも買って行くか?」

105: 2012/10/14(日) 21:49:28 ID:vw4Z4/J.
幼「あ、そう言えば頼まれてる物があったんだ」

男「え、大丈夫か?空港で買えるものか?」

幼「何かねー、空港限定のバウムクーヘンをお願いされたの」

男「はは、おじさんらしいな」

幼「お父さん、甘いもの大好きだからねー」

男「…そのバウムクーヘンの代金、俺が出すよ」

幼「え?何で?」

106: 2012/10/14(日) 21:50:03 ID:vw4Z4/J.
男「いやぁ…その…おじさんとおばさんに、挨拶に行こうと思って、さ」

幼「挨拶?」

男「む、娘さんを下さいーとか、そんな感じの?」

幼「…」

男「駄目かな?」

幼「駄目じゃない。駄目じゃないよ、男」

幼「お父さん、きっと喜ぶと思うよ」

107: 2012/10/14(日) 21:50:50 ID:vw4Z4/J.
男「そうかな?」

幼「内緒だったけどねー」

幼「ずっと息子が欲しいって言ってたんだよー」

幼「男みたいな息子が居たらなーって」

男「そ、そうか」

幼「だから、きっと喜んでくれると思うよ」

男「おう…そうだと良いな」

108: 2012/10/14(日) 21:51:34 ID:vw4Z4/J.
幼「私も嬉しいよ、男」

男「…おう。喜んでくれてなによりだ」

幼「えへへー。まったく私って、本当に幸運だなーと思う」

幼「その幸運は男からもらってるんだと思う」

幼「これからもずっと傍に居てね?」

男「おう!それだけは他の誰にも譲れないな」

109: 2012/10/14(日) 21:52:02 ID:vw4Z4/J.
幼「…手、繋いでいい?」

男「もちろん」
ギュッ

男「それじゃ、そろそろ行こうか」

幼「まず、バウムクーヘン売ってるお店を探さなきゃー」

幼「一応メモ持ってるんだけどね」

男「どんなバウムクーヘンなんだろうな?」

幼「なんかねー…」

ピロリロリ

110: 2012/10/14(日) 21:54:53 ID:vw4Z4/J.
幼「ん?メールだ」

ピッ

幼「あ、千葉女さんからだ」

男「なんだって?」

幼「『またね!』って」

男「何か、またいつか会えそうな気がするなぁ」

幼「ふふふ。私もそう思うよー」

男「取り敢えず、バウムクーヘン買いに行くか!」

幼「うん」

ギュッ!

男「この手、離さないぞ!」

幼「うんっ!」





ひとまずおわり

111: 2012/10/14(日) 21:58:12 ID:vw4Z4/J.
読んでくれた人、ありがとうございます

そのままこのスレで続きと言うか、別視線編、投下します

明日か明後日投下予定です



では。男「この手、離さねーぞ?」 幼馴染「う、うん?」

112: 2012/10/14(日) 21:59:00 ID:OwNzOSkc

やっぱこれだわ

113: 2012/10/14(日) 22:03:33 ID:DAEelyPs
乙乙
幼なじみの人、久しぶり

次は千葉の2人編かな?
楽しみにしてるよ

引用: 男「この手を、離さないぞ」幼馴染「う、うん」