110: 2014/02/23(日) 01:56:08 ID:Q1rQu6Rg

前回
【モバマス】みくにゃんクエスト 第四章『本心を聞く猫耳』

猫耳族の里

P「誕生日おめでとうみくにゃん!」

みく「え? いきなりなに?」

P「………ごめん。少し過ぎてたわ。ごめん」

みく「いや、だから、何にゃ?」

P「にしても、猫耳族の土地に来たのはいいけど………中途半端に俺たちの街と変わんないわね。自動販売機とか置いてあるし」

みく「テレビはないけどラジオはあるにゃ。と言っても全部猫の番組だけどね」

P「最初に言われた取り外し可能な猫耳並みに落胆したわ。メザシあげる」

みく「と言うより、何で猫耳族の里に来たにゃ? みんなウサ耳族に連れてかれちゃったけど、ウサ耳族の監視はいるんだよ」

P「この猫学習したわね。確かにいるでしょ。もうここは完全にウサ耳族の縄張りになってるわよ」

みく「そんな、敵に捕まりに行くようなことして………Pちゃんだから何か考えがあってのことだろうけど」

P「考えあってなんてあるわけないじゃない。こんな堂々と歩いてたら、とっ捕まるに決まってんでしょ」
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111: 2014/02/23(日) 02:51:38 ID:Q1rQu6Rg
みく「………捕まってから何かするの?」

P「最初みたいに無駄に慌てることがなくなったのは成長したって考えていいのかしらね。まあ言っちゃえば捕まることが目的じゃあない。見つかることが目的なの」

みく「見つかって、ウサ耳族の内部に侵入するの?」

P「それは無理よ。どうせ私たちを見つけるのは………」

バチバチバチバチ

みく「この電気のはじける音………!」

のあ「来たのね………みく」

みく「のあにゃん!」

P「『猫耳族』ののあだからね」

みく「のあにゃん! 聞きたいことがあるにゃ!」

のあ「………あなた、Pと言ってたわね」

P「その通りで」

のあ「プロデューサー業をしてるみたいだけど、その子にかまかけて本業をおろそかにしてていいのかしら?」

P「ごもっともで。ちょっとみくにゃんだけに構いすぎなのはわかってるわよ」

112: 2014/02/23(日) 02:53:21 ID:Q1rQu6Rg
みく「え、迷惑だったの?」

P「いいや全然。むしろこの旅が終わって初めて俺は全力で業務に努めることができる。みくにゃんは猫耳族を救うまでアイドルをしないって言った。だから、とっとと猫耳族を救って、みくにゃんをスカウトする。それが俺の旅の目的なのよ。だからみくにゃんの願い事をとっととかなえることが今の俺の業務なのよ」

みく「Pちゃん………みくを、スカウトするために? 何でみくに黙ってたの?」

P「騙してたってのは人聞きが悪いわね。無償で手伝ってる以上、何かしらの理由があると思わなきゃ」スッ

みく「っ! なに肩に手を置いてるにゃ!」

P「確かに俺は君に本当の目的を黙ってた。でも、俺はみくにゃんの『猫耳族を救う』ってニーズにはきちんと答えるつもりよ。そして、目の前に目的がいる。俺を恨むのは結構。この後あなたをスカウトするけど断るのも結構。でも俺は君の依頼を完遂する。みくにゃんは、どうしたいの?」

みく「………文句の一つは後で言うにゃ。のあにゃん! のあにゃんは何でウサ耳族の手先になったにゃ!」

のあ「………そのままアイドルになっておけば、苦しい思いもしなかった」スッ

みく「のあにゃんはみくに乗られた時に猫耳をつけていたにゃ! 本心では猫耳族のままのはずにゃ! だから、」

のあ「恨むのなら、おとなしくしなかった自分のお転婆さ加減を恨みなさい」バチン!

P「そうはいかないわよ! 来なさい>>114!」

>>114①一之瀬志希(フレングランスランプ)②梅木音葉(音の腕)③高森藍子(真実を写すカメラ)

114: 2014/02/24(月) 13:44:25 ID:YBmfKpw2
1

115: 2014/03/01(土) 01:21:04 ID:JfvYFi0A
P「この子を呼ぶのは初めてだけど………志希!」

志希「にゃは♪ 呼ばれましたー! 初めて呼ばれたけど、これが召喚されるって感じなんだ。どんな感じかと思ってたけど………良い匂いはしなかった!」

のあ「!」バチィ!

志希「のぎゃ!?」バタン

みく「あ」

P「………またこのパターン? また出落ち!?」

志希「うわぁ! びっくりしたぁ! 呼び出されて突然バチチィって、刺激的!」

P「あ、無事だった」

志希「大丈夫だよぉ。言っちゃうとこの白衣は自前なんだー♪ だからちょっと特殊なんだよね。というより、何でのあちゃんとみくちゃんがここにいるの?」

P「え? 知り合い?」

みく「知り合いも何も、志希にゃんは猫耳族にゃ! 何で志希にゃんがアイドルしてるの!?」

116: 2014/03/04(火) 22:13:43 ID:A3smKpw.
志希「何って、スカウトされたからアイドルしてるんだよにゃふふ~。のあちゃん久しぶり~………ウサ耳? 新しい実験か何かなの?」

みく「違うに、」

P「状況説明は後、まずは志希の力でのあの動きを止めてほしい」カブッタニャ!

志希「のあちゃんを………むりげーだなぁ。でも、不可能じゃないよ。これを、ドン!」

P「試験管を叩きつけた………何この匂い?」

のあ「………この匂い、しまっ………た」バタリ

志希「にゃふふ~。猫耳族はマタタビが大好きなんだ♪ でも過剰摂取すると酔っぱらったみたいにふらふらするんだけど、これは三十倍に濃くしたあたしのオリジナルなんだ~」バタリ

P「あんたも倒れんの!? まあ、これ嗅いだ猫耳族はフラフラになるってことなら」

のあ「うぅ………」

P「………意外とあっけない幕切れだけど。これで終わりね。みくにゃん。全てに決着をつけるわよ」

みく「うにゃん………ぐるるるるる」ゴロゴロ

P「まあ、至近距離で嗅いだならそうなるわよね。みくにゃんでも」

117: 2014/03/05(水) 00:51:45 ID:Lu5GlsBk
みく「Pちゃぁ~ん………ふわふわするにゃあ」

P「マジで酔っぱらってるわねこの子………志希手伝ってっていない!? あの子また失踪しやがった」 

みく「Pつぁん。みくってそんなに猫っぽいにゃあ?」

P「セリフがめちゃくちゃじゃない………ほら、立ちなさい」

みく「お尻叩かないでセクハラにゃあ」

P「じゃあ担いであげる」

みく「片腕に収まるのはいやにゃもっと女の子の扱いをしてほしいにゃあ」

P「わかったわよ。ほら捕まって」

みく「何か、抱っこされてる猫の気分にゃ………」

P「まんま猫ね。さてのあ。今からあなたにこの猫を置きます。すると何故か何故か自白したくなります。何でこんなことをしたか、洗いざらい吐いてもらうわよ」

のあ「まだ、話すわけにはいかない」

P「それはそっちの都合よ。みくにゃんは何でお前がこんなことをしでかしたか知りたがってる。何かしら事情があるとしてもこれ以上、みくにゃんを悲しい顔は俺も見たくないんでね」

118: 2014/03/06(木) 03:24:06 ID:tXt9lJRw



みく「っは。目が覚めたにゃ………ここどこ? 隣にのあにゃん?」

P「おはようみくのすけ~。覚えてないの? のあの上に乗った後あんたすごい勢いで抱きついて、そのまま二人とも気を失ったのよ。道端に置いとくのもあれだったから適当な民家に入ったから。まあ誰もいないからいいよね」

みく「いや、偶然だけどここはみくの家にゃ。みくとのあにゃんと………あーにゃんの家」

P「あーにゃん? 誰それ?」

みく「のあにゃん起きるにゃ! 何でのあにゃんがこんなことしたか教えてにゃ!」

のあ「………まさか、負けちゃうなんてね」

みく「美玖は何もしてないにゃ。それより、みんなはどこにゃ! 何でこんなことをしたの?」

のあ「………」

P「強情っ張りな人ね。もう一回乗っかったほうがいいんじゃない?」

みく「のあにゃん………何で何にも話してくれないの? やっぱり、あーにゃんが関係してるの? あーにゃんがいなくなった日から、おかしくなったにゃ」

P「もしかして………よくある話だけど、そのあーにゃんって子がいなくなったのはウサ耳族が関係してて、人質に取られてるなんて………マジ?」

みく「本当なの?」

のあ「………ごめんなさい。私は逆らえなかった。みんなをアーニャ一人のために、ウサ耳族に魂を売ってしまった。だけど、あなただけは逃げてほしかった。崖から落とすなんて荒っぽいことをしてしまって、本当に心配だった」

119: 2014/03/06(木) 03:33:42 ID:tXt9lJRw
みく「あーにゃんは、みんなはどこにいるの?」

のあ「みんなの居所はセブンテイィンが………いや、セブンテイィンなんて存在しない」

P「ん? 存在しない? 待ちなさいよ。それじゃあ、みくにゃんから聞いた話は、何だったの?」

のあ「セブンテイィンは存在しないけど、セブンテイィンを名乗るものがいる。名前は、」

???「そこまでですよ。のーあちゃん♪」

のあ「!?」バチィ!

みく「のあにゃん! 大丈夫!? 突然倒れたけど………のあにゃん?」

のあ「みく、アーニャ。おかえり………やっと、やっと帰ってきてくれた」

P「幻覚? 夢を見せる力? 誰だ………あ、あぁ」

みく「誰にゃ! でっかいウサ耳を付けた………もしかして、セブンテイィンにゃ!?」

セブン「フフフ~そのとーり。ナナはセブンテイィン。のあちゃんが全部ゲロっちまいそうになったので強行手段でやってきましたー」

みく「め、メイド服? ちっちゃいし、ほんとにセブンテイィンなの? Pちゃん?」

P「なんでだよ………なんで」

セブン「ふんふふー………ん? ゲェ!? あなたは!」

P「何でこんなとこにいるんだ!? 菜々!」

120: 2014/03/06(木) 03:44:15 ID:tXt9lJRw
みく「Pちゃん、知り合いなの!?」

P「知り合いも何もないわよ。菜々は、シンデレラプロのアイドルよ。俺が初めてスカウトして、プロデュースをした、始まりのアイドル」

みく「セブンテイィンが? Pちゃんのアイドル?」

セブン「え、えっと。ダレノコトデスカー。ナナはセブンテイィンで、菜々なんて名前じゃないですよー………きゃは」

P「ふざけてるの? 四年前、唐突にいなくなった思ったら、何してんのよあんたは!」

セブン「ほんとに人違いです! 今思うとナナの知ってる人はそんな口調じゃなかったですし」

P「しらばっくれる気。なら告白してやる。俺が安倍菜々をスカウトしたとき17歳と偽ってたけど、実は本当の年齢を偽ってた。本当はさ、」

セブン「そんなどうでもいい話やめてください! せっかくクライマックスなのに台無しですよ!」

みく「な、何にゃこいつ………でも、セブンテイィンなら、みんなをどこにやったにゃ! 何でこんなことをしたにゃ!」

セブン「なんでって………人探しですよ。人探し。猫耳族にいるといわれる特殊な力持ちを探しているんですよ。そして見つけました。みくちゃん。あなたが私が探してた真実の力持ちです」

121: 2014/03/06(木) 03:54:47 ID:tXt9lJRw
みく「真実の、力持ち?」

セブン「はい。あなたの力は特別なものです。乗ることで相手を素直にする力。この力は別に生物が相手じゃなくても発動するんですよ。埋もれた歴史から未知への探求。今の今まで明かされていないことの解明からコンピューターに施された強固なセキュリティまで、何でも素直にしてしまう。乗るという動作だけで万物を懐柔させてしまうとっても恐ろしい力。その力を求めているんですよ」

みく「じゃあ、猫耳族のみんながひどい目にあったのは………みくが、原因なの?」

セブン「はい♪ かと言って正面から仕掛けても猫耳族にはのあちゃんっておっそろしい人がいましたから、まずは家族をだしに使って利用しようと思ったんです。もっともあちらを連れてかず、あなたを誘拐すれば最初からミッションコンプリートだったんですけどねぇ」

みく「そんな………みくが、みんなを」

P「あんたは悪くない」

みく「Pちゃん………でも、みんなは」

P「菜々。ひとつ聞きたいことがある」

セブン「菜々じゃないです。セブンテイィンです」

P「こんな惨事を起こしたのは………本当にあんたの意思?」

セブン「はい。全てはウサミンの名のもとにです」

122: 2014/03/08(土) 02:54:36 ID:IL8bBENY
P「ウサミン、ねぇ」

セブン「というより、いつまでもせまーい家の中で話し合ってもるのもあれなので、この杖を使って………うーさみん★」キャールルン

みく「うわぁなんか痛々しい………あれPちゃん? どこいっちゃにゃ?」

のあ「どうしたのみく?」

みく「あ、え? のあにゃん起きたの?」

アーニャ「ダー…どうしました? みく」

みく「え? え? 何であーにゃんがいるの!?」

アーニャ「? おかしなみくですね。いるも何も今から晩御飯を買いに行くんじゃないですか」

みく「晩?」

のあ「今日はお刺身でいいのが入ったらしいから、ぜひみくにも食べてもらいたいわね」

みく「さ、魚はいやにゃ! ハンバーグがいいにゃ!」

アーニャ「ほんと、猫耳族で魚が苦手なんて前代未聞ですね」

のあ「仕方ないわね。一緒に作ってあげるから。行くわよ」

みく「う、うん! 行くにゃ! 今行くにゃ~!」

123: 2014/03/08(土) 03:24:05 ID:IL8bBENY
P「はいドーン!」

みく「みぎゃ! 何するにゃ! あ、あれ? 何で外にいるの? のあにゃんとあーにゃんは?」

P「寝ぼけてんじゃないわよスカタン。のあは家の中でお寝んねしてるし、あーにゃんに至っちゃ最初からいないわよ」

みく「でも、確かにいたにゃ! みくの手を引いたにゃ!」

P「それが菜々の力持ち。相手の一番の幸福を見せる『メルヘンチェンジ』。見せられたんでしょ。自分が思う幸せを」

みく「………見た、にゃ」

セブン「だったら何であなたは平気なんですか? というより菜々じゃないですセブンテイィンです」

P「みくにゃん。あんたも仇だからって積もる思いはあると思うけど、まずは俺が行く」

みく「Pちゃん?」

P「菜々~。何で平気か? そんなの決まってんじゃない」

セブン「こっちに………来ないでください! てりゃ!」

P「杖を振り回して幻覚見せようったって意味ないわよ。なんたって今がまさに幸福なんだからねぇ」

124: 2014/03/08(土) 03:37:58 ID:IL8bBENY
セブン「今がしあわせ?」バシュン

P「俺は元々、遠方にスカウト活動をするなんてことはしてなかった。だけど四年前から始めたのよ。菜々がいなくなってからね」

セブン「っく!」バシュン

P「菜々が行方不明になったのは、どこか遠く、俺の知らない土地に行ってしまったからだと思った。だから、遠方の出張は、菜々を探すことを兼ねてだったのよ」

セブン「やめてください!」バシュン

P「ああ、なんて幸せなんだろう。その探してた求めた人が目の前にいる。これ以上の幸福はない。なのに」

セブン「こ、の………!」バシュン

P「何でこんなことしてんのよ。菜々ぁ………」

125: 2014/03/08(土) 03:48:46 ID:IL8bBENY
セブン「………プロ、デューサー」

P「でも聞かない。聞いたところできっとわからない。どうせあんたも操られているだろうから」

セブン「何で、そう思うんですか?」

P「………菜々は、ウサミンをキャラに売り出しはしてたけど。ウサミンを別人のように扱うことはなかった」

セブン「………確かめる方法はありませんよ」

P「ないなら、作るだけ」

セブン「そんなことできるはず、」

みく「今にゃあああ!」

セブン「うわっ! いつの間に」

P「最初から、指示しといたのよ。俺が引き付けて横から隙をみて被されって。さあ、吐いてもらうわよ。一連の事件の真相を」

みく「! 黒い何かが………モヤ? セブンテイィンになったにゃ」

菜々「うぅ………プロデューサー………」

P「最初からわかってた。菜々が人を悲しませることをするはずがない。裏で糸を引く何かがいるのはわかってた。ウサミンと名乗り、菜々に憑りつく何かの存在を。だから、これが最後の召喚。終わらせて>>127!」

>>127①佐久間まゆ(運命の血染め糸)②鷺沢文香(コレクションブック)③本田未央(スリーラインメテオ)

127: 2014/03/09(日) 01:22:00 ID:qfnddzas
3

128: 2014/03/09(日) 14:16:10 ID:kRS5ESGQ
未央「うーん。久しぶりに呼ばれた! いいねぇ。外の空気はおいしい………ん? これって話に聞いてたウサミン先輩じゃん! ちっちゃいなー」

P「未央。ターゲットはあっち。黒い菜々を殲滅して」

未央「ん? うおっ!? なんか黒い人がいる! しかも宙浮いてるし。わかったよ。じゃあみんな伏せてて。一つ目!」ヒュー…

みく「何の音にゃ? って、隕石!?」

未央「二つ目!」

P「うちの看板ユニットニュージェネレーションの本田未央。アイドルとして実力としてももちろん。能力もプロダクションの中で一番ド派手。隕石を三回落とす、通称『ミツボシ☆☆★』」

未央「三つ、目ぇ!」

みく「おっきい………大丈夫なの?」

P「まあ、セブンテイィン殲滅って言ったし………ちょ、ストップ! 未央!」

未央「え?」

みく「い、隕石がなくなったにゃ。セブンテイィンは?」

P「いなくなったみたいだけど………だけど」

みく「猫耳族のみんなは、どうなるにゃ」

未央「ん………何の話かわかないなー」

第五章『猫耳娘の奪還』終わり
登場人物 みくにゃん P のあ セブンテイィン(安部菜々) 本田未央

【モバマス】みくにゃんクエスト 最終章『猫耳の決意』