1: 2015/05/10(日) 02:40:38.69 ID:BiqOOEvv0



最初から:【艦これ】提督「ウチは平和だなぁ」艦娘「表面上は」

前回:【艦これ】提督「ウチは平和だなぁ」艦娘「表面上は」第七話


基本的には書き貯めてるモノに加筆したり、
修正したりして時間が空いた時に投稿するスタイル。
忙しいと更新が少し止まるかも・・・

前作がss初書きでして
お手柔らかにお願いして貰えると嬉しいです。

艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録 (カドカワデジタルコミックス)

2: 2015/05/10(日) 02:41:48.60 ID:BiqOOEvv0
鎮守府 正門付近


提督「いやー 帰ってきた帰ってきた」

鈴谷「たった2日離れただけなのに懐かしい感じがするね」

提督「確かにな。それだけ愛着があるんだろう」

熊野「・・・提督?」

提督「熊野か。今帰ったよ」

熊野「今頃ご出勤?のろまなのねぇ・・・」

提督「・・・色々あってな」ハァ・・・

熊野「何かあったんですの?」

鈴谷「来るまでに色々面白おかしい謎なことが・・・」

熊野「・・・?」

提督「まぁあれだ。少し遅くなったが、ただいま」

鈴谷「ただいまー」

熊野「お帰りなさい」ニコッ

鈴谷「あー楽しかったぁ」

3: 2015/05/10(日) 02:42:42.12 ID:BiqOOEvv0
熊野「・・・所で」

提督「なんだ?」

熊野「・・・何故2人は手を繋いでいるのでしょう?」ハイライトオフ

熊野(それも・・・これは恋人繋ぎ・・・)

提督「鈴谷が手を繋ごうと言いだしてな・・・」

鈴谷「別に意味はないよー ん?どうしたの? 恐い顔して」ニコッ

熊野「いいえ、なんでもありませんわ・・・」ギリッ

提督「・・・熊野?」

熊野「ねぇ提督・・・私とも手を繋いでくださらない?」

提督「構わないのだが、生憎荷物で塞がっててな・・・」

熊野「その荷物は私が持ちますわ」ヒョイッ

提督「あっ・・・分ったよ。ほらっ」ギュー

熊野「・・・♪」

提督(なんで女の子って手を繋ぐと指を絡めてくるんだろう)

鈴谷「・・・なんで熊野も繋ぐかなぁ」

熊野「いけませんこと? 貴女一人だけずるいじゃない」

鈴谷「・・・私の(出張)特権なんだけど?」

熊野「敷地内に入った時点で無効ですわよ?」

提督「なんだか知らんが早く戻るぞ2人共」

2人「はーい」

4: 2015/05/10(日) 02:43:26.66 ID:BiqOOEvv0
執務室

電「・・・この気配。司令官さんが戻ってきたのですっ」

雷「え?・・・あっ本当だわ! 正門の方に司令官の気配を感じるわ!」

金剛「本当デースっ!! やっと戻ったんですネ!!」

天龍(なんでみんな気配とか読めるんだよ・・・)

天龍(めっちゃカッコいいじゃねーか・・・)

金剛「では、その捕虜はとりあえず来賓室へ、提督の判断を仰ぎマスから」

比叡「地下牢ではないのですか?」

大淀「あそこは鎮守府に提督が着任してから使ってないんですよ」

金剛「だからどこに鍵があるか提督しか分からないデース」

南方棲鬼「・・・・・・」

金剛「とりあえず榛名、比叡、霧島は捕虜の監視を」

比叡「了解です」

霧島「分かりました」

榛名「では行きますよ。南方棲鬼さん、どうしました?」

南方棲鬼が見ていたのは執務室の本棚に飾ってあった1枚の写真立て。

榛名(確か・・・提督のお父様とお母様の写真・・・)

南方「・・・・・・」

榛名「なんで貴女は泣いているのですか?」

南方「・・・分からない。私は泣いているのか?」

榛名「ええ、泣いていますけど・・・理由が分からないのですか?」

南方「分からない・・・」

写真立てに写る男を南方棲鬼は見ていた。

何か懐かしい感じがした。

愛しい感じがした。

それが何なのかワカラナイ。

ただ、気が付けば泣いていた。

南方(なんだ・・・この感情は・・・)

5: 2015/05/10(日) 02:44:03.54 ID:BiqOOEvv0
榛名「行きますよ?」

南方「ああ、分かった」

金剛「ああああっーーーーーーー!!?」

天龍「どうした!?」

電「資材でも溶けましたか?」

金剛「提督が鈴谷と熊野と恋人繋ぎをしてマス!?」

榛名「・・・え」ハイライトオフ

金剛「じーざす・・・」ハイライトオフ

電「・・・ダメなのですよ」ハイライトオフ

雷「・・・・・・」ハイライトオフ

天龍「え? ええ?・・・」

天龍(なんでこの距離で見えるんだよ・・・こいつ等)

天龍(超かっこいいじゃねーか・・・)

天龍(しかし恋人繋ぎね・・・俺も2回やったけ・・・ふふ・・)カオマッカ

雷(詳しく聞かせて貰えないかしら)

天龍(なんで脳内に声が!?)

電(電も聞きたいのですよ)

天龍(ひっ!?)

大淀「・・・今週の解体任務は2でいきましょうか」ボソッ

榛名「・・・・・・どうして私じゃないんですか」ブツブツ

南方(なんだ?この殺気・・・)ブルッ

6: 2015/05/10(日) 02:44:44.14 ID:BiqOOEvv0
提督「なぁ・・・今日こんなに寒かったけ?」

鈴谷「え? 暖かい方じゃないの?」

熊野「ええ、春ですものね」

提督(冷房でも効かせてるのかな・・・)

提督「そろそろ建物の中だし、手を離してくれないか?」

鈴谷「だーめ。執務室につくまでこのままです」

熊野「ですわね」

2人(この機会に鎮守府の他の娘に見せ付ける・・・)

提督「なんか合う艦娘みんな悲壮な顔で理由聞いてくるし・・・」

提督(しかも後ろから皆ぞろぞろ付いてくるし・・・)

艦娘達「ブツブツ・・・」ゾロゾロ

提督「いい加減、説明が面倒になってきたんだが・・・」

鈴谷「大丈夫大丈夫」

間宮「提督さんっ! 戻られたんですね!!」

提督「ええ、ただいま戻りました」

間宮「お疲れ様でした。今夜はごちそうにしましょうか」

提督「嬉しいけど、大げさですよ」ハハハ

間宮「所でなんで熊野さんと鈴谷さんと手を繋いでるのですか?」ハイライトオフ

提督「自分でもよく分からなくなって来ました」

間宮「そろそろ離した方がいいんじゃないですかね」

鈴谷「執務室ついたら離しますよ」

間宮「誤解を生みますし、今すぐがいいですね。今すぐ離しましょう」

熊野「別にいいじゃないですか。誤解したければお好きにどうぞ?」

間宮(そう・・・それが狙い・・・)ギリッ

7: 2015/05/10(日) 02:45:29.15 ID:BiqOOEvv0
皐月「司令官! 帰ったなら帰ったって言ってよね」

提督「ああ、今帰ったぞ皐月。ごめんな」

皐月「ダメだね。罰ゲームだ」ピョンッ

提督「ちょっ!? 危ないじゃないか・・・」

間宮(子供である立場を利用して提督の背中に抱きつくなんて・・・)

皐月「執務室までおんぶね」

提督「・・・ったく。執務室までだぞ?」ヤレヤレ

睦月(・・・皐月ちゃん・・・裏切ったね)ハイライトオフ

如月(・・・ずるいわぁ)ハイライトオフ

卯月(そういうのは卯月のお株ぴょんっ・・・)ハイライトオフ

提督「早く執務室へ行かないと・・・書類が溜まる・・・」

陽炎「あの・・・間宮さん」

間宮「どうしたの?」

陽炎「付いてくるなら包丁置いてきてください」

間宮「それじゃあ切れないじゃない」ハイライトオフ

陽炎「何を!!?」

間宮「冗談よ。置いてくるわね」

不知火(顔が本気でした・・・)

8: 2015/05/10(日) 02:46:22.04 ID:BiqOOEvv0
執務室

提督「ただいま。金剛、代理ありがとうな」

金剛「提督ぅぅぅぅ!!!!!・・・」

提督「ぶごぉふぉっ!?」

金剛「提督!提督!提督ぅぅぅ!!」スリスリ

提督「いきなり飛びつくな・・・」

金剛「つい・・ソーリ」

提督「まぁ色々あったが、今回の出張は終わりだ。皆も留守中ありがとう」

天龍「おみやげは?」

提督「ああ、そこに」

暁「わぁあっ♪ お菓子が沢山っ!」

北上「なんで生魚がこんなにあるの?」

提督「漁港通ったときに貰ったんだ」

足柄 「・・・刺身・・・いいわね」ジュルリ

隼鷹「酒に会いそうだなぁ」ジュルリ

千歳「ええ・・・熱燗と一緒に」ジュルリ

提督「今はどんな感じだ?」

大淀「本日の書類は全て片付いていますので書類仕事はないですよ」

提督「すまん。助かった」

大淀「いえ、大丈夫ですよ」(いずれ婚約して子宝をもらえれば)

金剛「殆どやったの私じゃないデスか!」

提督「ありがとうな金剛。君に代理を任せて良かった」ニコッ

金剛「っ!!!」

天龍「大丈夫か? 顔真っ赤だけど?」

金剛「ええ、問題ありません。今日も良い天気ですわね///」

電(金剛さんの口調が・・・)

9: 2015/05/10(日) 02:47:08.08 ID:BiqOOEvv0
提督「ふむ、書類は無しか・・・」

大淀「少しお休みになられては?」

提督「いや、そういう訳には・・・」

金剛「提督に判断を仰ぎたい案件がひとつありマス」

提督「重要なことか?」

電「捕虜が1名、別室に居ますので処遇を決めて欲しいのです」

提督「・・・捕虜?」

電「深海棲艦の南方棲鬼なのです。どう始末するか判断してほしいのですよ」

提督「・・・!!!!???」

鈴谷「え? どうやって捕らえたの?」

提督「どういうことだ? 詳しく聞きたい」




来賓室

提督「すまん、今戻った。話は聞いたよ」

霧島「お帰りなさい提督」

比叡「司令、お帰りなさーい」

榛名「・・・提督」

提督「榛名には後で話があるから少し時間をくれ」

榛名「はい」

提督「で・・・貴女が深海棲艦・・・」

南方「ああ、そうだ南方棲鬼だ」

提督「少し会話がしたい。いいか?」

比叡「ええ、大丈夫です。不穏な動きをすれば私達が対処しますので」

霧島「もっとも現状、彼女に戦う力はないですけどね」

10: 2015/05/10(日) 02:47:48.61 ID:BiqOOEvv0
南方「話す? 何を? 有益な情報など持ち合わせていないぞ?」

提督「いや、ただ色々話をしたいんだ」

南方「何故? そこになんの意味があるの?」

提督「お互いを理解する為に・・・」

南方「何のために?」

提督「何故、争いが起きると思う?」

南方「人間と我々との戦いのこと? 知らないわよ」

提督「意見や考え方が違う者が2人以上居れば争いは起きる」

提督「それも君達と我々は種族すら違う。争いが起きるのは必然だ」

南方「ええ、だから何?」

提督「では戦いを終わらすにはどうすればいい?」

南方「決まっている。争う相手を滅ぼせばいい」

提督「それもひとつの手だ。途方もないことだがな」

南方「他に手があると?」

提督「ああ。それは相手を知り、互いに認めることだ」

提督「そうやって妥協点を少しづつ模索していく・・・」

提督「だから知りたい。貴女達、深海棲艦側の理由を」

提督「何故戦うのか、何故人類を襲うのか、その理由を」

提督「我々は貴女達を知らなすぎるから・・・」

南方「それを知った所で何が変わる? 変わらないよ何も」

提督「変えなきゃダメなんだ。どこかで・・・」

提督「じゃないと永遠にこの戦いは終わらない」

南方「戦いを終わらせる? それが望み?」

提督「ああ、その通りだ」

南方「それが出来るとでも?」

11: 2015/05/10(日) 02:48:26.39 ID:BiqOOEvv0
提督「出来るか出来ないかじゃないんだ」

提督「出来ないとしても可能性が僅かでもあるなら・・・」

人類側は深海棲艦が何故敵対し、人類を襲うか分かっていない。

提督「相手が人間なら国家間での話し合いで解決策を模索することも出来る」

提督「それがこちらに不利であったとしても、とりあえず話しに持ち込むことはできる」

提督「だが、君達は人間の社会とは別の所に居る存在だ」

提督「法も秩序も人間の作ったルール。それは君達には通じない」

提督「話合いのテーブルに着くことすら今まで出来なかった」

提督「それが今、目の前に居るんだ。だから・・・」

提督「まずは話をしたいんだ」

南方「言い分は分かった。だが、別に私がそちらの言う所の・・・」

南方「深海棲艦側の意思決定機関ではないぞ? 私個人と話しても意味はないと思うけど?」

提督「ああ、そうだろうね。でも、それでも・・・」

提督「そこから一歩、前に進むことが出来るかもしれない」

思い出す。かつての事件を。

出会った人達を・・・

霧の艦隊と呼ばれる勢力がこの世界に来て、

一部が深海棲艦側に付き、各海域で暴れまわった事件。

人類側に味方した霧の艦隊も居た為、比較的早くに鎮圧できた。

その時、一時的に艦隊に入り、協力してくれたイオナ達を向かえに来た人物。

それが千早群像だった。

彼らが元居た世界に戻るまでの僅かな間、賓客として過ごしてもらったが、

千早群像とは気が会い、彼が帰るまでの間は仕事が終わると、

よくお互いの世界の話をしたり、色々と他愛のない話をした。

2人で居ると何故か吹雪が喜んで居たが理由は分からない。

そして再び異界と通じ、彼らが帰る時が来た。

12: 2015/05/10(日) 02:48:59.86 ID:BiqOOEvv0
群像「俺達は元居た世界に戻ります・・・提督、貴方に会えて良かった」

提督「それはこちらも同じです。群像殿。どうかご武運を」

群像「ありがとうございます。こちらこそ、面倒を見てもらい助かりました」

提督「いえ、こちらも戦闘では助かりました」

群像「では、お互いの世界で頑張りましょう」

提督「そうですね。お互いこれからが大変だ」

2人は握手を交わす。

イオナ「超重力砲はどう?」

榛名「ちゃんと動きましたよ」

ハルナ「・・・」ガクブル

ハルナ(まさか・・・生きたまま・・・)

ハルナ(そりゃ倒しちゃうと機能が停止するけど・・・)

ハルナ(半頃しにして、捕らえて生きたままバラして移植とか・・・)ガクブル

ハルナ(メンタルモデルを持たないハズのナガラの断絶魔の悲鳴が・・・)

ハルナ(頭から離れない・・・)

ハルナ(最後なんてここの連中は皆、我先にとナガラ狩りをするし・・・)

ハルナ(初めてだよ顔真っ青で戦意喪失したコンゴウなんて見るの)

ハルナ(深海棲艦だったか? 気の毒に・・・)

ハルナ(射程外から一方的に6隻の艦娘の放った超重力砲で消し炭になってたなぁ)トオイメ

ハルナ(6つの大きな光が・・・ばぁーーーって・・・あはは・・・)

ハルナ(早く蒔絵に会いたい。会って安心したい・・・癒されたい)

イオナ「じゃあ元気で。この世界での私」

しおい「うん。ばいばい。別の世界の私」

タカオ「じゃあね。提督」

提督「ああ、ありがとうなタカオ」

タカオ(!!・・・だめ・・・私には既に心に決めた人がっ!・・・でもっ)

ハルナ「どうしたんだ悶えて・・・? 早く行くぞ」

タカオ「分かってるわよっ!!」

そして協力してくれたイオナ達や、戦闘で捕らえたコンゴウ達は元居た世界へ戻っていった。

ようやく事件は終結したのだった。

13: 2015/05/10(日) 02:49:36.80 ID:BiqOOEvv0
群像との会話の中で聞いた言葉がある。

――――閉鎖された世界に風穴を開ける。その為に戦う。

彼らの世界の事情を知り、いたく感心したものだ。

そうだ。彼らのように。

現状を変えたいなら進まなくては・・・

もう俺みたいな親を無くした子供を増やさない為に。

大事な人が氏んでしまうことのないように。

これから先の未来のためにも。

戦争は終わらせなくては行けない。

提督「だから貴女と話をして少しでも何かを掴みたい」

南方「まぁいいでしょう。何が知りたいの?」

提督「何故人を襲うのか、根本的な戦う理由を知りたい」

南方「・・・理由ね」

南方「しいて言うなら・・・憎悪かしらね」

提督「憎悪?」

南方「ただ憎い。それだけのことよ。他の理由なんてしらない」

提督「たったそれだけなのか・・・?」

南方「そうよ」

提督「その憎しみは・・・人間に対する憎悪なのか?」

南方「わからない」

提督「分からない? 自分達のことなのに?」

南方「確かに、憎しみはあったハズなんだ・・・」

提督「その言い方だと、今の貴女にはないと?」

南方「ええ、驚くくらいに・・・」

南方「あの黒い感情が今は私にはない・・・」

提督「では貴女個人は人間に敵対する意思はもう無いと?」

14: 2015/05/10(日) 02:50:25.00 ID:BiqOOEvv0
南方「・・・私は一度、氏んだのかもね」

提督「・・・・?」

南方「あの戦いで私は氏んだ。氏んだのよ」

南方「その娘にやられてね・・・」

榛名「・・・私ですか?」

南方「ええ、貴女の采配で生かされただけ。本来は氏んでるのよ」

南方「そう思ったら何か吹っ切れたみたい」

提督「では、他の深海棲艦からも憎しみが消える可能性もあると言うことか?」

南方「さぁね。他の固体のことは分からないわ」

提督「君達は誰かの指示で動いているのか?」

南方「どういうこと?」

提督「例えば人間で言う所の国のお偉いさんが居て・・・」

提督「そういう者が居るなら戦争を終結へ導けるのではないかと思ったんだが」

南方「リーダーね。皆各々好き勝手にやってるからね」

南方「ただ、そういう全体への大体の方向性を示唆する者は居るわ」

提督「・・・それは誰だ?」

南方「言う必要あるのかしら? 仲間の情報を出すわけ無いでしょう」

霧島「貴女は捕虜なんですよ? 状況分かってます?」

南方「だったら殺せば? 別に生きようとは思わないしね」

霧島「・・・あ? やんのかワレ?」ギロッ

比叡「・・・抑えて霧島」

提督「話す気はないと?」

南方「別に話してこちらに何の特もないしね」

提督「分かった。部屋を用意させる。今日は休んでくれ」

南方「はぁ? 部屋を用意? 私は敵よ? 捕虜よ?」

15: 2015/05/10(日) 02:51:16.51 ID:BiqOOEvv0
提督「生憎、地下牢は今は使ってなくてね・・・」

南方「・・・ここに居る連中を頃して逃げるかもよ?」

提督「本気でそんな事を考えてる奴は、わざわざ口にしないと思うが?」

南方「・・・甘いわね。何時か氏ぬわよ?」

提督「・・・気をつけるさ」

南方「でも、悪い気はしないわね」

提督「また話をして欲しい」

南方「私に拒否権なんて無いんでしょ? 好きにすればいい」

比叡「では連れて行きますね」

提督「ああ、頼む」

霧島「では何名かで持ち回りで監視しておきます」

提督「・・・すまん助かる」

霧島「司令、お一つ、お聞きしてよろしいでしょうか?」

提督「なんだ?」

霧島「貴方のご両親は深海棲艦に殺された・・・と聞きました」

提督「・・・何故知ってる?」

霧島「少し耳に挟んだだけです。それは事実ですか?」

榛名(鎮守府の娘は皆知ってますよ・・・)

提督「ああ、事実だ」

霧島「深海棲艦が憎くはないのですか?」

提督「・・・本音を言うと分からない」

提督「憎くないと言えば嘘かもしれないが・・・」

提督「正直、あまりそういう感情は大きくないかな?」

提督「まだ物心付く前のことだからあまり実感が無いと言うか・・・」

提督「それよりも、自分みたいな人達を増やさない方法ばかり考える」

霧島「戦争を終わらせることですか?」

16: 2015/05/10(日) 02:52:02.29 ID:BiqOOEvv0
提督「ああ、そうだ。こんなこと何時まで続くのかなってさ・・・」

提督「深海棲艦にも聞いたが戦争ってどうやれば終わると思う?」

霧島「・・・完膚なきまで徹底的に相手を滅ぼしてですかね?」

提督「過激だなぁ・・・しかも深海棲艦と同じ回答か」

霧島「まぁ実際はそんなこと難しいですけどね」

提督「そうだな。人間同士の戦いであれば、戦争の目的ってなんだと思う?」

榛名「・・・植民地として利益を得たりですかね?」

霧島「資源やお金や利権ですよね」

提督「ああ、だから分かりやすい。でも深海棲艦だとどうなる?」

霧島「・・・目的が憎いだけですからね」

提督「ああ、だからどうやって終わらせるかってことだ」

榛名「そうですね。負の感情だけが行動理由でしたら終わりが見えないです」

提督「だが、深海棲艦全体に指示を出している上に立つ存在が居るなら・・・」

霧島「とりあえず話し合いの席に着かせることが出来るかもしれないと?」

提督「ああ、もうしかしたら・・・ってレベルの雲を掴むような話だけどな」

提督「それでも、この現状を変える道が見えてくるかもしれない」

提督「この戦いを終わらせる方法が・・・」

榛名(良かった・・・南方棲鬼を殺さなくて)

提督「だから、暫く彼女には監視付きだがここで過ごして貰おう」

提督「ある程度、信頼関係を築かないと話してはくれないだろうしな」

霧島「話さなければどうします? 消しますか?」

提督「・・・本当に物騒だなぁ」

17: 2015/05/10(日) 02:52:42.34 ID:BiqOOEvv0
霧島「すいません。ですが提督に、もしものことがあれば困るのです。貴方を失いたくないです」

提督「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ」

榛名「私もです! 私も24時間365日心配してますっ!! 何時だって!!」

霧島「榛名、落ち着いてっ!」

提督「榛名もありがとうな?」ナデナデ

榛名「っ!!!」ビクンッビクンッ

霧島(榛名・・・立ったままイッてる・・・)

提督「それと南方棲鬼については、監視付きであれば重要施設以外は好きに出歩いて貰って構わない」

霧島「しかし、危険では? 既に戦う力がないとはいえ、鬼クラスですよ?」

提督「夕張の話では彼女の武装は完全に破壊されていて、艤装を展開してない艦娘と変わらないそうだ」

榛名「つまり、一般的な女性くらいの力しか今は出せないと?」

提督「そうなるね。まずは我々を知ってもらおう。人間を知り、こちらには敵意がないと知ってもらう」

霧島「防衛上は納得出来かねますが・・・分かりました」

霧島(なんだかんだで提督のやることは大体後で何かに繋がるし・・・問題はないかな)

提督「折角、会話が出来る機会が来たんだ。これはチャンスだ」

霧島「・・・何か糸口が見つかればいいですけどね。これが正解だといいんですけど」

提督「最初から正解なんて世の中に無いさ・・・」

提督「俺達に限らず、生きている者は常に何かを選択し続けなければならない」

提督「そして、選択したことを一つづつ、正解にしていくしかないんだ。そうやって未来へ繋いでいくんだよ」

提督「後から選択したことを後悔しないように、今は前だけを見て、少しづつでも前に進もう」

2人「はいっ!!」

18: 2015/05/10(日) 02:53:22.85 ID:BiqOOEvv0
夜・・・

執務室

コンコンッ

提督「どうぞ」

榛名「失礼します」

提督「来たか・・・呼ばれた理由は分かるか?」

榛名「・・・無断出撃のことですか?」

提督「ああ、俺は危険だからするな。そう言っただろう?」

榛名「・・・ごめんなさい」

提督「何故、そんなことを?」

榛名「少しでも・・・貴方の役に立ちたかったんです。もっと強くなりたかったんです・・・」

提督「・・・気持ちは嬉しいよ。でもさ、もしもそれで榛名が沈んだら?」

提督「俺はどうすればいい?」

榛名「・・・提督」

提督「悲しいし、後悔するし、俺は自分を許せなくなる」

榛名「これは榛名が勝手にやったことです!提督のせいでは・・・」

提督「同じだよ。部下の行動を管理できず、頃してしまったことになる」

榛名「そんなっ・・・」

提督「単独での出撃は危険だと分かって欲しい。そして君が沈めばどうなる?」

榛名「・・・・・・」

提督「俺は悲しいよ。こうやって話すことも出来なくなる。氏んだら終わりなんだ・・・」

提督「話すことも、笑いあうことも・・・もう何も出来なくなるんだ」

提督「この世から消えるって残酷なことなんだよ?」

榛名「・・・ごめんなさい」

提督「別に榛名が嫌いで叱っているワケじゃないんだぞ?」

19: 2015/05/10(日) 02:54:02.52 ID:BiqOOEvv0
提督「榛名が大切だから、大好きだから、だから氏んで欲しくない」

榛名(私が好きっ!!!?)

榛名「私も大好きですっ!!! 提督が大好きですっ!! だから・・・少しでも・・・強く・・・強く・・・」グスッ

提督「ありがとうな。本当に嬉しい。だけど今後は無断で出撃は控えて欲しい」

提督「何かあるなら言ってくれ。それに合わせて編成し、艦隊としてなら出撃を許可するから」

提督「約束できるか?」

榛名「はい・・・榛名、もう二度と無断で出撃致しません!」

提督「よし。でも無断出撃の罰を与えないとな・・・」

榛名「罰ですか?」

榛名(罰・・・提督の寝室に連れてかれて・・・×××を私の・・・ぶち込まれて・・・)

榛名(・・・これじゃご褒美じゃないですか!?)

提督「顔真っ赤にしてクネクネしてどうしたんだ・・・?」

榛名「はいっ!! 榛名は大丈夫ですっ!!」

提督「何が!?」

20: 2015/05/10(日) 02:54:51.43 ID:BiqOOEvv0
榛名「何時でもどうぞっ!!」

提督「そうか? じゃあこれが罰な・・・」パツンッ

榛名「へ? デコピンですか?」

提督「はい。懲罰はおしまい」

榛名(それも全然痛くなかったですが・・・いいんでしょうか?)

提督(大丈夫かな? 痛くなかったかな?)

提督「じゃあ、この話はこれでおしまいっ」

榛名「はぁ・・・分かりました」

提督「じゃあもう一つの用件な」

榛名「・・・もう一つの用件?」

提督「これを・・・」

榛名「これは・・・ケッコンカッコカリの・・・」

提督「ああ、失礼するよ?」スッ

榛名(指に直接・・・はうっ・・・)ビクンッビクンッ

提督(なんか前に直接指につけるのが正しい付け方と皆が言ってたがこれでいいのかな)

提督「レベル99達成おめでとう。これからも活躍を期待している」

榛名「・・・うっ・・・ああ・・・」グスンッ

提督「ちょっ!? なんで泣く!? 嫌だったか? すまん・・・すぐに外・・・」

榛名「違うんです・・・嬉しくて・・・やっと・・・私は・・・」

それから榛名はわんわん泣いた。提督に抱きついて泣いた。

嬉しくて嬉しくて。ようやく目的の一つが叶ったから。

提督はちょっと困った顔をしつつも笑いながら

榛名を優しく抱きしめて泣き止むまで付き合った。

一部始終を盗聴、盗撮をしていた者達は榛名自身の頑張りを知っていたので

今回だけは仏の気持ちで許すことにした。

40: 2015/05/14(木) 02:34:23.12 ID:sxhuT9pq0
執務室

提督「今日は少し早めに仕事が終わったな」

愛宕「そうですね。でしたら鎮守府を見回ってきたらどうです?」

提督「そうだなぁ・・・最近遊んでくれないって駆逐艦の子達が不満を言ってたしな」

愛宕「要望箱に入ってましたね」

提督「少しは時間を作るか」

愛宕「ふふっ・・・まるで父親みたいですね」

提督「ははは・・・そういう愛宕もお母さんみたいだな」

愛宕「ふふふ・・・あ・な・た♪」

提督「なんだソレ?」

愛宕「結婚したばかりの奥さん?」

提督「愛宕なら良いお嫁さんになれるよ」

愛宕「提督も良い旦那様になれると思いますよ?」

提督「・・・止してくれ。反応に困る///」

愛宕「ふふっ・・・」

大淀「・・・オホンッ」

愛宕「あら? 大淀さん、居たんですか?」

大淀「ええ、居ましたよ。さっきから」

愛宕「ごめんなさいね。視界に入らなかったもので」ハイライトオフ

大淀(嘘。居るの分かってて見せ付けた癖に・・・)ギリッ

提督(また寒気が・・・)ブルッ

大淀「大本営からの新たな作戦の概要が届きましたので持って来ました」

提督「ありがとう。大規模な作戦があると聞いていたが・・・ついにか」

大淀「はい。我が鎮守府も出撃命令が出ております」

41: 2015/05/14(木) 02:35:17.28 ID:sxhuT9pq0
大淀「それと今月の解体任務ですが・・・」

提督「悪いが、我が艦隊には不要な艦は居ない。だからその任務は受けれない」

大淀「しかし・・・これは大本営の・・・(嘘ですけど)」

提督「責任は俺が取るから構わん」

愛宕「うふふ・・・」

提督「皆、この鎮守府に必要な子達だからな。解体するつもりはない」

大淀「・・・本当に? ホントウニ ヒツヨウデスカ?」ハイライトオフ

提督「ああ。無論、君もだ。大淀」

大淀「・・・へ?」

提督「何時も、何時も、苦労ばかりかけてすまないな。嫌な役だろうに」

大淀「いえ、そのようなことは!!」

提督「感謝している。ありがとう、大淀」ニコッ

大淀「っ!!」ヌレッ

大淀(そんなこと言われたら・・・もう何も言えないじゃないですか・・・)

大淀「大丈夫です。貴方のお役に立てるなら・・・私は・・・」

愛宕「提督? そろそろ鎮守府を見回ってきたらどうですか?」

提督「え? ああ、そうだな。じゃあ言ってくるか・・・何かあれば呼んでくれ」

ガチャ バタンッ

愛宕「あんまり自分勝手な行動はいけませんよ? 大淀さん」

大淀「気をつけますよ・・・私達仲間ですものね」

愛宕「ええ、そうね。仲間ですもの私達。今はね」

愛宕(新しい作戦・・・少しは強い敵がいるのかしら)

愛宕(皆が本気出しても中々壊れないような・・・)

42: 2015/05/14(木) 02:35:56.87 ID:sxhuT9pq0
深海のどこか・・・

深海棲艦達(((なんだろう・・・すごい悪寒が・・・)))

戦艦水鬼「であるからしてだな、我々は~ 一丸となって~」

泊地水鬼「もう・・・働きたくないの・・・もう働きたくないよ・・・分かる? ねぇ・・・」

ル級「何を言いますか。あなたは第五海域の責任者でしょう」

泊地水鬼「・・・めんどくさい」

リ級「私が・・・第一海域の責任者に・・・? 本当ですか!?」

泊地水鬼「良かったね。 第五も兼任する?」

リ級「え?」

ル級「働いてくださいよっ!!」

軽巡棲鬼「納得いかないっ!! なんで私はボス降格なの!?」

軽巡棲鬼「補給艦ですらボスなのにっ!!」

泊地水鬼「・・・変わる?」

軽巡棲鬼「いいの!?」

リ級「ダメですよっ!!?」

装甲空母姫「あなたは先の戦いで管理能力を疑われたでしょ。だからよ」

軽巡棲鬼「だって!!めちゃくちゃな奴らだったんだよ!? 素手で海面割ったり!」

装甲空母姫「嘘を付くならもっとマトモな嘘を付きなさい」

軽巡棲鬼「本当なのに・・・」

43: 2015/05/14(木) 02:36:47.02 ID:sxhuT9pq0
港湾水鬼「“事故”る奴は・・・・“不運(ハードラック)”と”踊(ダンス)”っちまったんだよ・・・」

ル級「言ってることは良く分からないけど頼もしいです港湾水鬼様」

装甲空母姫「今回の作戦で人間と艦娘共に恐怖を与えてあげましょう」

ル級「楽しみですね。え・・・と配置は・・・私は第五海域の門番か・・・」

泊地水鬼「では作戦開始まで・・・」

皆(訓練でもするのかな)

泊地水鬼「ゴロゴロ寝ましょう」

ル級「しゃきっとしてくださいっ!」

泊地水鬼「だるーい」グテー

ワー ワー キャー キャー

戦艦水鬼「と言う訳で・・・あれ? 皆どこ?」

イ級「皆さん帰られましたが・・・」

戦艦水鬼「人が大事な話をしているのに!?」

イ級「なんでも、話が長いから3行でまとめてくれとのことです」

戦艦水鬼「役にたたぬ忌々しいガラクタどもめっ!!」グスッ

イ級「・・・泣いてます?」

戦艦水鬼「泣いてないっ!!」

イ級「それで作戦は予定通りに?」

戦艦水鬼「ああ、あの方にもお伝えしたし問題はない。多分」

44: 2015/05/14(木) 02:37:39.56 ID:sxhuT9pq0
再び鎮守府・・・

娯楽室

ここは待機中や非番の子が交流したり、遊んだり出来る部屋である。

ちょっとしたお茶会を開ける程度の机や椅子、寝転がれるようなソファーや、ふかふかの絨毯がある。

テレビやトランプ、将棋やオセロ等のゲームも置いてあり、

駆逐艦に限らず、戦艦や空母と、ここを利用する艦娘も多かった。

卯月「司令官ぴょんっ!」

睦月「あれ? お仕事はもういいんですかぁ?」

提督「ああ、今日はもう大丈夫だ」

皐月「じゃあ遊ぼうよ! 最近全然、遊んでくれないんだもん」

提督「いいぞ。そのつもりで来たからな」

春雨「え?本当ですか!?」

漣「おおっ! ご主人様が遊んでくれるんですか? 久しぶりですね」

如月「ふふ・・・ナニして遊ぶぅ?」

弥生「言い方がいやらしいよ・・・」

三日月「トランプとかどうですか?」

暁「この前やったじゃない。嫌よ」

睦月「暁ちゃんはすぐ顔に出るからね」

漣「ババ持ってるの丸分かりwww」

暁「そんなことないわよっ! 失礼しちゃうわ!」

菊月「オセロはどうだろうか」

長月「それだと1人づつしか司令官と遊べないだろう」

暁「一人前のレディに相応しい遊びがいいと思うのです」

提督「あれ? 今更だが暁、今日は遠征だったハズじゃ?」

暁「うっ・・・」

不知火「一人前のレディが寝坊したので他の者が代わりに行きました」

45: 2015/05/14(木) 02:38:27.13 ID:sxhuT9pq0
漣「一人前のレディーはよく寝るんですねww」

暁「・・・ごめんなさい」

提督「・・・代わってくれた子にお礼を言うんだぞ?」

暁「・・・はい」

提督(そういえば遠征の問題があったけど処理したので問題ないと愛宕が朝に言ってたな)

睦月「じゃあアレはどうかな? 人生ゲーム」

皐月(それ前に誰が司令官と結婚するかで揉めたような・・・)

望月「じゃあこれはどうかな」スッ

長月「なんだったか・・・これ」

如月「超エキサイティングするってゲームだったかしら?」

菊月「しかし、それのプレイ人数は4人だぞ」

春雨「じゃあこれはどうです?」スッ

弥生「魚雷を撃つゲーム? 普段本物を撃ってるし・・・」

卯月「それは2人プレイぴょん」

雪風「じゃあこれはどうですかねぇ」スッ

浜風「ワニの歯を押していくゲームですね・・・」

不知火「ハズレを引くと口が閉じる奴ですか」

陽炎「でも、この人数で順番で押してもすぐ終わっちゃうじゃない」

黒潮「じゃあ同じ理由でこれもアカンな」スッ

浜風「タルに剣を刺すゲームですか・・・ハズレで海賊が飛ぶ奴ですね」

三日月「じゃあこれもダメかしらね」

文月「あ~ 骨取ってハズレだと犬が起きる奴だねぇ」

提督「中々決まらないな」

46: 2015/05/14(木) 02:39:05.37 ID:sxhuT9pq0
金剛「微笑ましい光景ですねぇ」

扶桑「・・・ええ、まるで夫が子供と遊んでいるみたい」

榛名「そうですね・・・私の旦那様が子供と遊んでいるみたいです」

金剛「ええ、私のダーリンが子供をあやしているみたいデース」

翔鶴「そうですね。早く提督との子供・・・欲しいなぁ」ボソッ

瑞鶴「子供に優しい旦那っていいよね」

金剛「でも提督はダメデスよ? 私が貰いますので」

扶桑「おもしろい冗談ですね・・・」ハイライトオフ

山城「本当ですねお姉さま」ハイライトオフ

翔鶴「まだ夜じゃないですよ? 寝てるんですか? 夢でも見てます?」ハイライトオフ

瑞鶴「喧しい似非外国人が勝利とかありえなくないですか?」プッ

金剛「ふふふ・・・じーざす」ハイライトオフ

扶桑「演習でもやりません? 金剛さん、轟沈判定にしてあげますよ」

金剛「返り討ちにしてやるネーっ!!」

山城「榛名、貴女のお姉さまを轟沈しちゃってもいいかしら?」

榛名「はいっ! 榛名は大丈夫ですっ!!」

金剛「榛名ぁぁぁっ!!?」



提督「よく聞こえないが、あっちの机が騒がしいなぁ・・・」

卯月「そうだ、司令官っ!」

提督「お? 決まったか?」

卯月「おままごとやるぴょんっ」

提督「・・・ままごと?」

卯月「お嫁さんはうーちゃん、提督は旦那さんぴょんっ」

全員「・・・・・・・っ!!!!!!!!???」ガタッ

47: 2015/05/14(木) 02:39:59.45 ID:sxhuT9pq0
提督「別に構わんが・・・どうすればいい?」

卯月「おかえりなさいアナタ♪」

提督「え? ああ、もう始まってるのか。ただいま卯月」

他一同(((しまった!! 出遅れた!!)))

如月「くっ・・・私も奥さんをやるわ!!」

卯月「ダメぴょん。早いもの勝ちぴょん」フフンッ

如月「アナタ・・・前の奥さんとは別れるって言ったじゃないっ!!」ハイライトオフ

提督「え? え?」

弥生「不倫!!」

如月「どういうことなの!? 私のお腹の中には貴方の子供が・・・」

提督「なんで、ままごとなのに、こんなドロドロしてるのぉ!?」

皐月「パパ。どういうこと? パパはボクと結婚するって・・・」

皐月「ボク・・・パパの子供を授かってるのに・・・」

漣「まさかの近親相Oキターーーー!!!」

提督「!!!?」

浜風「じゃあ私は愛人! 愛人やります!!」

弥生「え?」

浜風「私は一番に慣れなくてもいい・・・貴方と居られるなら・・・」ダキッ

提督「ちょっ!?」

卯月「何、本妻差し置いて夫に抱きついてるぴょんっ!!」

如月「離れなさいよ!! 泥棒ネコッ」

浜風「嫌です! 離しませんっ!!」

睦月「あなた・・・よりを戻したいの・・・」

提督「今度は何の役!?」

48: 2015/05/14(木) 02:40:43.47 ID:sxhuT9pq0
睦月「もう一度やりなおしましょう・・・子供達も待ってるから・・・」

陽炎「前妻!! しかも子持ち!?」

春雨「お兄ちゃん? なぁに? その女達・・・」ハイライトオフ

提督「え・・・と・・・俺の妹の役?」

春雨「お兄ちゃんを誑かした悪い人達は消えてもらわないと・・・」(本音)

漣「この妹、病んでやがる・・・」

長月「カオスになってきたな・・・」

菊月「私も奥さんがいいなぁ」ボソッ

長月「そうだな。正妻が一番いい」

菊月「聞こえていたのか///」

暁「私は・・・なんの役をやろうかしら」

三日月「あの人を返してよ!! 私が一番理解しているんだからっ!!」

漣「・・・それはなんの役?」

三日月「将来を誓い合ってたけど、すれ違いで別れちゃって、それでも忘れられなくて・・・

意を決して戻ってきたら他の女に大切な人を取られちゃってた元恋人の役よ」

初霜「一人でも二人でも、提督の子を生めれば私は、それで満足なの」(本音)

若葉「なんの役だ?」

初霜「別の愛人よ?」

浜風「愛人が増えた!」

漣「私は・・・私も妹やろ」

春雨「もう私が居ますよ!」

漣「じゃあ双子の妹ってことで」

黒潮「うちは・・・」

浜風「タコヤキ屋さんとかどうでしょう」

皐月「お好み焼き屋さんはどう?」

如月「食い倒れ人形はどうかしら」

黒潮「おのれら関西を馬鹿にしとんかいっ!!」

49: 2015/05/14(木) 02:41:32.83 ID:sxhuT9pq0
陽炎「私は・・・よし! ねぇ・・・やっぱり私・・・」

陽炎「貴方のことが好きみたい」(本音)

陽炎「子供の頃からずっと・・・気付いたの! 大切な存在だって!」

陽炎「だから・・・私とずっと一緒に居てください!」(本音)

提督「え・・・と何の役だい?」

陽炎「子供の頃からずっと一緒だった幼馴染」

不知火「私は・・・後妻の後妻で行きましょうか」

卯月「まだ別れてないぴょんっ!! 別れるつもりもないぴょんっ!!」



金剛(・・・落ち着きなサイ私。あれはただのごっこ遊び・・・本当じゃない・・デス)

榛名「・・・・・・」ハイライトオフ

扶桑「・・・なんて羨ましい」ボソッ

山城「姉さま・・・落ち着いてください」

扶桑「山城? 貴女も落ち着きなさい」

山城「え? 私は別に・・・」

扶桑「ずっとお茶を飲んでるけど、そのティーカップ、さっきから空よ・・・?」

山城「・・・・・・」ハイライトオフ

翔鶴「私も愛人の役で・・・」ガタッ

瑞鶴「落ち着いて翔鶴姉・・・私も落ち着こうとしてるから」ハイライトオフ

卯月「ああーーーーーーーっ!!!」

如月「え? ちょっとぉっ!!!?」

金剛(なんデス?)チラッ

金剛「・・・・え?」

榛名「ああ・・・ああ・・・あ・・・」

他一同「「「!!!!!!!!!????」」」

50: 2015/05/14(木) 02:42:11.98 ID:sxhuT9pq0
不知火「んっ・・・」

提督「おい・・・ごっこだろ!?」

不知火「不知火はなんでも本気でやる子なので」フンスッ

漣「なんでご主人様にキスしたの? ねぇ・・・?」ハイライトオフ

不知火「後妻として当然の行為です」

陽炎「貴女ねぇ・・・(なんて羨ましいことを・・・)」ハイライトオフ

卯月「なら私も正妻としてキスするぴょんっ!!」

浜風「愛人としてっ!!」

如月「2番目の妻として!!」

皐月「娘としてっ!!」

一同(((それはおかしい!!!)))

提督「ちょっ!?おまえらっ一斉に群がってくんなって!! 危なっ!?」

バタンッ ドテッ ツカマエロー キスサセロー

翔鶴「私もっ!!」

瑞鶴「私だってっ!!」

金剛「提督ぅぅぅ!! 私とキスするデースッ!!」

榛名「私も・・・したいです」

扶桑「お願いできますか?」

山城「どうしてもって言うならしてあげてもいいわよ///」

提督「お前ら・・・止めろよっ!!? 悪乗りしやがって!」

艦娘達「大丈夫!! すぐ終わるから!!」

提督「遊びといえどモラルはあるよっ!!!」ダッ

ニゲタゾー オエー ワー ワー キャー

51: 2015/05/14(木) 02:43:01.40 ID:sxhuT9pq0
執務室

提督「・・・ただいま」ボロッ

愛宕「提督!? どうしたんですか!?」

提督「いや・・・ままごとでな・・・」

愛宕「ままごと? あの女児がよく遊ぶあの?」

提督「そうだ。そのままごとだ」

愛宕「なんで、そんなにボロボロに?」

提督「ままごとと言う遊びは・・・恐ろしいものだな・・・」

愛宕(どんなままごとをしたんだろ・・・)

提督「最後は皆、満足そうではあったが・・・」

愛宕「今コーヒー入れますね」

提督「しかし遊びとはいえ風紀がな・・・」

愛宕「どうしたんです? はいどうぞ」

提督「ありがとう・・・旨い・・・」

愛宕「インスタントですけどね」

提督「しかし、何時もと味が若干、違う気がするよ」

愛宕「お湯で溶かす前に少量の水で溶かすんですよ」

愛宕「匂いや味の元になる、でんぷん質がお湯だと溶けづらいんですよね」

愛宕「でも水だとよく溶けるんで、風味が良くなるんですよ」

提督「へぇ・・・確かに何時もより美味しく感じる」

愛宕「そう言って貰えると嬉しいですね」

提督「すごいな。こんなこと初めて知ったよ」

愛宕「ありがとうございます。それで? 何があったんです?」

提督「ああ、実はな・・・」

提督は先ほどまでのことを話した。

52: 2015/05/14(木) 02:43:45.85 ID:sxhuT9pq0
愛宕「・・・キス。おままごとで・・・ですか・・・へぇ」

提督「ああ、愛宕・・・? どうしたんだ?」

ガチャンッ

提督「え? なんで執務室の鍵を閉めたの?」

愛宕「邪魔が入らないようにですよ」

提督(なんだろう。室内が急激に寒く・・・)ブルッ

愛宕「皆さんにしたんですよね? ねぇ?」

提督「したというか・・・されたと言うか・・・(強制的に)」

愛宕「じゃあ 私もしていいですよね?」ハイライトオフ

提督「え? いや・・・あれは遊びで・・・無理やりされただけで・・・」

愛宕「艦隊は家族。そう普段から仰ってますよね?」

提督「ああ、それが・・・?」

愛宕「海外では家族同士のキスは当たり前です」

愛宕「これは親愛の証なのです」

愛宕「普通のことなんですよ」

提督「いや、ここは日本だからっ! え?ちょまっ・・・」

結局キスされた。舌を入れられた。

その後・・・

愛宕(・・・しちゃった。キス・・・ふふっ)

高雄(妹に先を越された・・・)

摩耶「はっ くだらねぇ・・・どうかしてるぜ」

摩耶(・・・いいなぁ。アタシも提督としたいな・・・キス)

鳥海(なんとしても私も司令官さんとキスを・・・)

ままごとに参加してなかった他の娘にも伝わり大騒動になった。

53: 2015/05/14(木) 02:44:52.95 ID:sxhuT9pq0
南方「ここは騒がしいわね・・・何時もこうなの?」

榛名「たまたまですよ。 こんな平和な鎮守府は他にありませんよ」ハイライトオフ

南方「そうなのか・・・」

長門「王手だ」パチンッ

南方「まっ・・・待て・・・待ってくれ!」

長門「戦場に待ったは無いっ!!」

長門「これがビックセブンの実力だ!!」

南方「・・・くっ もう1回だ!ビックリセブンッ!」

長門「ビックセブンだっ!! いいだろう!来い!!」

陸奥(長門・・・将棋のコマの動かし方間違ってる・・・)

南方「しかし何故・・・最近、皆ピリピリしてるの?」

長門「大規模作戦が近いからな・・・」

陸奥「MVPを多く取ったら提督からご褒美があるって噂よ」

榛名「皆、出し惜しみ無しで全力で敵を潰そうとウォーミングアップしてますよ」

南方(全力・・・? かつての仲間達に同情する・・・)

南方(今まで弱いと思ってた・・・まるゆですら・・・ここでは戦闘力が恐ろしい)

長門「どうした? 顔が青いぞ」

南方「なんでもないわ。よし、王手」パチンッ

長門「なん・・・だと!? 待て! 待ってくれ!!」

南方「戦場に待ったは、ないんじゃなかった?」クスッ

長門「・・・くっ」

南方棲鬼も段々と、この環境になれつつあった。

既に彼女の中に艦娘に対する敵対心は完全に無くなっていた。

そして自分が何をすればいいのか、その存在意義を見失っていた・・・

54: 2015/05/14(木) 02:55:01.44 ID:sxhuT9pq0
投下完了。
何時も感想ありがとうございます。
以前、アルペジオの話があったので少し捻じ込みました。
まだ先ですが新作映画楽しみですねー

夜曾野提督との演習はそのウチ・・・
既に書いてたのが諸事情で使えなくなり直してます。

ショートで色々なネタですか・・・
少し考えて見ますね。(出来るかわからないけど)

現在、仕事帰宅後はイベント周回中。
イベントは大分前にクリア出来てるんですが掘りが終わらない・・・
酒匂と清霜ぉぉぉぉぉぉ
去年の夏を終わらせるんだ・・・

ローマ、磯風、雲龍、高波、矢矧は無事掘り当てたので
そのウチssに出してあげたいですねぇ

ではまた近いうちに・・・おやすみなさいませ



55: 2015/05/14(木) 03:09:37.95 ID:3Xpf4qPro
今日も鎮守府は平和ですね(白目)

56: 2015/05/14(木) 07:59:29.05 ID:9M206peC0
乙でございます


引用: 提督「ウチは平和だなぁ」艦娘「表面上は」 その2