479: 2011/11/10(木) 15:37:57 ID:MdxLGGAA0
作者です。本日、21:00から投下します(=゚ω゚)ノ

最初から:( ^ω^)ドラゴンクエストのようです('A`)【Lv.1】

前回:( ^ω^)ドラゴンクエストのようです('A`)【Lv.14】

486: 2011/11/10(木) 21:03:01 ID:MdxLGGAA0

488: 2011/11/10(木) 21:04:29 ID:MdxLGGAA0


森は、葉の多い木々が少なくなり、辺りは枯れ木が目立つ様になる。
そして冷たい風に乗る、鼻につく苦々しい臭い。

“毒の沼地”に、近づいて来ている。



( ^ω^)



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ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書 (デジタル版SE-MOOK)
489: 2011/11/10(木) 21:06:43 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)(・・・・・・――――――)




( ^ω^)『ジョルジュ、一緒に旅をしないかお?』

( ゚∀゚)『ん?』

( ^ω^)『ブーンはこれから、竜王の島へ向かうつもりだお』

( ^ω^)『ジョルジュも、竜王を倒す事も、一つの目標にしてるんだおね?だったら』

( ^ω^)『共に戦ってくれると、嬉しいお』

( ゚∀゚)『・・・・・・』

( ^ω^)『もちろん・・・過酷な、全てを賭けた戦いになるはずだお』

( ^ω^)『奴に挑むブーンだって、確実に竜王を倒す力を持っているとは言い切れない』


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491: 2011/11/10(木) 21:11:45 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)『でも、でもだからこそ――――――』

( ^ω^)『ジョルジュの拳があれば、こんなに心強い事は無いお!』

( ゚∀゚)『ブーン・・・』

( ^ω^)『氏地に友を誘うような事かもしれないけど・・・』

( ^ω^)『君がいてくれれば、絶対に竜王を討てるとブーンは信じるお』

( ^ω^)『どうだろうかお・・・』

( ゚∀゚)『・・・・・・』


.

492: 2011/11/10(木) 21:13:14 ID:MdxLGGAA0


( ゚∀゚)『悪いが・・・その話はのれねえ』

( ^ω^)『ジョルジュ』

( ゚∀゚)『俺は修行中の身。いや、それはお前も同じ。だが・・・』

( ゚∀゚)『俺は・・・俺にははまだ、やらなきゃいけない事があるんだ』

( ゚∀゚)『そいつを成すまでは・・・俺は』

( ^ω^)『・・・そうかお』


( ゚∀゚)『言っとくが、臆した訳じゃないからな!』

( ^ω^)『わかってるお。ジョルジュはそんな奴じゃないお』

( ゚∀゚)『しかしブーン、お前の勇気は買うぜ』

( ゚∀゚)『もともと単身であの竜王に歯向かおうなんて考える事自体が凄えんだ』

( ゚∀゚)『お前の冒険の成功を・・・俺は祈っているぞ』

( ^ω^)『ありがとうだお、ジョルジュ!』



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493: 2011/11/10(木) 21:15:30 ID:MdxLGGAA0








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494: 2011/11/10(木) 21:16:49 ID:MdxLGGAA0




( ^ω^)


ブーンは単身――――――ぬるりとした風に吹かれながら
枯れた木の多い森の中をゆく。



この先に、以前にも苦心した、“毒の沼地”がある。
またあの過酷な毒沼に身を投じねばならないが・・・


( ^ω^)「以前は、毒の沼地に手こずったけど」

( ^ω^)「今回は良いアイディアがあるお」


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495: 2011/11/10(木) 21:18:34 ID:MdxLGGAA0


沼地が見えた。
異臭放ち、その禍々しさは以前と変わらず。

沼に殺された獲物の氏肉を漁ろうとでもしているのだろうか。
辺りでは、鳥がガアガアと叫び、飛び交う。


( ^ω^)「なんというか、懐かしさすら感じるおね」


ブーンは、やはり少しでも軽くなるよう、荷物の整頓を始める。

どうせ沼地に入れば台無しになってしまうので、
食料などはここで片付けてしまおう。


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496: 2011/11/10(木) 21:20:17 ID:MdxLGGAA0


焚き火を起こし、残りの食料であった
木の実、干し蛇肉、塩豆を、その場でぺろりとたいらげ、己の熱量に換える。

食料の余分などを一切気にせずに、
一気に食べてしまえるのは、少し気持ちが良い。


( ^ω^)「げふ。さて、いくかお」


荷袋から筒状の物を取り出す。
それは、ブーンが竹を加工して作った手製の物だった。


( ^ω^)「こいつがあれば、水面から出して呼吸ができるお」

( ^ω^)「もしまた泥に埋まってしまった時の為にと、用意してたんだお」

( ^ω^)「同じ轍は踏まんお」


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497: 2011/11/10(木) 21:23:13 ID:MdxLGGAA0


旅で恐ろしい目に遭えば、次のそれを避けるためにと学習してゆく。
自分がどういう状況になり得るか、どんな危険が待ち構えているか。

常にあらゆる危機を想定し、それに対し保険をうっていく慎重さが、
冒険者には求められる。

それが出来ぬ者は氏ぬ。
もちろん最善の手を尽くしたとしても、天命に逆らえぬときもある。


( ^ω^)「準備できたお」

( ^ω^)「よし・・・」



そうして、ブーンは沼地へ飲み込まれるように入っていった。

周りの黒鳥共が、葬送歌の如く気味の悪い声で泣き続ける中を。



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498: 2011/11/10(木) 21:24:39 ID:MdxLGGAA0






( ^ω^)


ブーンは、毒の沼地と、洞窟を超えた。


一度看破した事があるのに加え、自身の実力も
あの時とは段違いに上がっている。

今回はドラゴンとの対峙が無いとは言え、
思っていた程の苦労はしなかった。

それが、自分が冒険者として成長している証だと思うと、
少し誇らしくも思える。

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499: 2011/11/10(木) 21:26:09 ID:MdxLGGAA0


そしてリムルダールの街に立ち寄る。

一旦ここで疲れを癒し、必要な物の補充をする。

市場の方に向かった。


( ^ω^)


ここに来るのが随分と遠い昔のように思える。
冒険という、密度の濃い日常を過ごしてきているから、そう感じるのだろうか。


リムルダールの街は、あの戦禍の傷跡を残しながらも、
少しずつ再興の兆しをみせていた。


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500: 2011/11/10(木) 21:27:34 ID:MdxLGGAA0


あの忌まわしい事件を乗り越えようとする人々の意志を、ブーンは確かに感じ取る。
終戦直後には無かった、人々の笑顔が、そこにはあったからだ。

そうだ。
悲観的なばかりでは、生きる事など出来はしない。


( ^ω^)「この笑顔を守る為にも・・・」

( ^ω^)「これからが正念場だお」



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501: 2011/11/10(木) 21:29:08 ID:MdxLGGAA0








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502: 2011/11/10(木) 21:30:47 ID:MdxLGGAA0




<ゴンゴン


重い扉を、叩く音と声がする。



瓜゚∀゚)「む。どなたじゃ。入りなされ」


扉がギィギィと軋んで開く。


( ^ω^)「失礼しますお、お久しぶりですお」


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503: 2011/11/10(木) 21:31:46 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「おお。君か」


瓜゚∀゚)「名は、ブーンといったかね」

( ^ω^)「見知り置き頂き、光栄ですお」

瓜゚∀゚)「確か、太陽の石を求め、ラダトームに向かったと記憶しているが・・・」

( ^ω^)「ええ、ですお。そうして、ここに・・・」


瓜゚∀゚)「あいやちょっと待った!」

( ^ω^)「おっ」


.

504: 2011/11/10(木) 21:35:16 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「まあ、そう本題に入る前に・・・」

瓜゚∀゚)「何か、土産物でもなかろうか。お茶は入れるぞい」

( ^ω^)「・・・と、言われると思いまして」 ガサゴソ

( ^ω^)「リムルダール名産、鮎の乾物と、角砂糖ですお」

瓜゚∀゚)=3 「うひょー!さ、砂糖とな!こりゃええわい!早速茶を入れるわい!」


ブーンとづーは、茶菓子と湯を囲み、むしゃぶりつき始めた。
特に砂糖の甘みなど、滅多に味わえるものではない。

我れ先と、手を伸ばす。




( ^ω^)「・・・それで、どうでしょうか」ガツガツ

瓜゚∀゚)「うむ・・・君のもって来た太陽の石じゃが」ズズ・・


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505: 2011/11/10(木) 21:36:51 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「これは・・・“小さ過ぎる”」


( ;゜ω゜) ピタ


づーは、机に置かれた“太陽の石”の欠片をつまんで言う。


瓜゚∀゚)「太陽の石を溶かし、それを雨雲の杖でかき混ぜることで
     “虹のしずく”が完成する訳じゃが・・・」

瓜゚∀゚)「この大きさでは・・・ぬぅ。流石にしずくの結晶化には至らんかもしれん」 パク

( ;^ω^)「・・・・・・」

瓜゚∀゚)「とりあえずやっては見よう。
     だが、もしや出来ぬ・・・という可能性も高い事を承知してくれ」

瓜゚∀゚)「茶が済んだら、すぐにでも“しずく”の生成にかかる」 ズズー パクパク

( ;^ω^)「は・・・はい。お願いしますお」


.

506: 2011/11/10(木) 21:38:51 ID:MdxLGGAA0



――――――数刻後。






( ;゜ω゜)「そ、そんな・・・どうしても駄目ですかお?」


瓜゚∀゚)「ううむ・・・」

瓜゚∀゚)「やはりあの大きさでは、しずくを作る事は叶わんかったようじゃ」

( ;゜ω゜)「・・・・・・」


.

507: 2011/11/10(木) 21:42:43 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「わざわざ遠方まで足労させて申し訳ないが・・・」

瓜゚∀゚)「うむ・・・」


( ; ω )「そ・・・んな・・・」

瓜゚∀゚)(・・・・・・ブーン・・・)


懸念していた通りの事態が起こった。


ブーンの運んだ太陽の石は、その大きさから――――――
魔の島への架け橋となる“虹のしずく”の素材足り得なかったのだ。


これで、あの島へ渡る方法は途絶えた。


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508: 2011/11/10(木) 21:45:09 ID:MdxLGGAA0


( ; ω )「・・・・・・」


瓜゚∀゚)「君の気持ちは、痛いほどよく解る。ここまで、本当によくぞやった」

瓜゚∀゚)「だが・・・虹のしずくが無いとなると・・・」

瓜゚∀゚)「人の力で彼処に辿り着く事は、もはや・・・」


( ;^ω^)「本当にもう・・・方法は無いんですかお?」

( ;^ω^)「あの・・・船とか、オヨグとか」

瓜゚∀゚)(オヨグ?)「それは厳しいのう・・・」


.

509: 2011/11/10(木) 21:46:38 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「今まで国家レベルの大艦隊が出撃した例はあるが」

瓜゚∀゚)「それも虚しく、海屑に散ったのは、君も知っておろう」

瓜゚∀゚)「竜王の魔力により、あの辺りは嵐呼ばれ、渦潮が巻き、
     危険な乱海流帯となっているからじゃ」

( ;^ω^)「・・・・・・う」


瓜゚∀゚)「あの島の周囲には、魔力の結界が張られておる」

瓜゚∀゚)「それは同じ魔力による効果でしか弱められぬ。
     その役目も、虹のしずくは担っているのだ」


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510: 2011/11/10(木) 21:47:40 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「後は、以前にも言ったかもしれんが」

瓜゚∀゚)「ロトの使用した虹のしずくを手に入れる事」

瓜゚∀゚)「一度使ったものに魔力を注ぎ足して使う訳じゃから、
     魔除けの効力などは落ちざるを得んかもしれんが・・・」

瓜゚∀゚)「橋を渡す事は理論上はできよう。だが・・・」

瓜゚∀゚)「それも恐らく無理じゃろうて。広い海の底に沈んでしまっている。
     見つけ出すのは、無理じゃ」


( ;^ω^)



.

511: 2011/11/10(木) 21:50:28 ID:MdxLGGAA0







( ^ω^)「・・・・・・」



岸壁に立ち、海を望む。

その先には、巨大な竜王の城がそびえる島が見える。


今、ブーンはリムルダール付近の
ロトの勇者が虹のしずくを使ったと言われる、魔島へ一番近い岬に来ていた。

崖に大きな音を立てて、荒波が打ち寄せる。

ガライとはまた異なる潮風は、
どことなく今のブーンの心情を表し、荒んでいるのか。


ここに来たのは、特に何か当てがあるわけでは無い。
ただ、こうしてフラリときているだけだ。


.

512: 2011/11/10(木) 21:52:06 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)


自分がこれまでやって来た事のすべてが、ここに来て潰える。

ここから見れば、目的の島までは、もう本当に目と鼻の先なのだ。

だからこそ、本当に悔しかった。



( ^ω^)「ブーンの今までの冒険の辛さは」

( ^ω^)「全部、無駄だったのかお・・・」


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513: 2011/11/10(木) 21:53:41 ID:MdxLGGAA0


これまで超えてきた、幾多の試練を思い返す。
拳を握り固める力が、強くなる。


しかし、どうあれ竜王のもとへ行く術は、失われた。

自分に出来る事は、無い。


こうなったら、一縷の望みにかけて、筏(いかだ)でもこしらえて、
海を無理矢理に超えてやろうか。

まず確実に無理だろうが・・・・・・

実際自分に出来る事と言えば、もうそれ位しかない。


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514: 2011/11/10(木) 21:55:36 ID:MdxLGGAA0


もしくは・・・帰る事。



( ^ω^)


何もかもを諦めて、故郷に帰るか。


ラダトームでは無く・・・あの街へ。
あの人の待つ、ガライへ。


――――――――――――――――――

       从 ゚∀从

――――――――――――――――――


.

515: 2011/11/10(木) 21:57:19 ID:MdxLGGAA0


そういう選択肢だってあり得る。

驕りでなく、今の自分ほどの力があれば、
少なくとも自分の身近にいる大切な人を、守り通すだけの事くらいはできる筈だ。


もともと全てを、世界を救おうなんて考える方が突拍子も無い事だったのか。
自分の大切な人だけを、守り支えていければ良いではないか。

静かに、暮らしていければそれでいいのかもしれない。
愛する人との、温もりに触れながら穏やかに、穏やかに。

彼女と共に店を切り盛りすれば、悲願であった料理人の道も開ける。
それだけで、確かに自分は十分に幸せだろう。


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516: 2011/11/10(木) 21:58:25 ID:MdxLGGAA0


それに自分が冒険で命を落とせば、あの人を守る人間はいなくなる。
彼女は心から悲しむだろう。
いや、知る術も無い。永遠に帰らぬ人を待ち続けるのだ。



しかし、それでも。



( ^ω^)「・・・・・・」


――――――――――――――――――

       ('A`)

――――――――――――――――――


.

517: 2011/11/10(木) 21:59:44 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)


――――――――――――――――――

    *(‘‘)*   (´・_ゝ・`)

――――――――――――――――――


( ^ω^)


――――――――――――――――――

       ξ゚⊿゚)ξ

――――――――――――――――――


.

518: 2011/11/10(木) 22:01:07 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)


――――――――――――――――――

  J( 'ー`)し (,,゚Д゚) (*゚ー゚)

――――――――――――――――――



( ^ω^)「・・・・・・ふー・・・・・・」

( ^ω^)

( ^ω^)


( ^ω^)「やるしかねえお」

( ^ω^)「イカダ・・・作るかお」


.

520: 2011/11/10(木) 22:02:59 ID:MdxLGGAA0


そのとき。


ブーンの胸元が、緑色の光を放ち、輝き始めた。


( ;^ω^)「!」


懐をまさぐる。暖かみを帯びて、光る物がある。


( ;^ω^)「これは・・・」

( ;^ω^)「ツンにもらった――――――ペンダントだお」


それは、ラダトームで別れの前夜、ツンに貰った片割れのペンダントであった。
王家の魔力が込められたそれを、“王女の愛”と呼ぶのだと言う。


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522: 2011/11/10(木) 22:03:52 ID:MdxLGGAA0


――――――ラダトーム城



ξ゚⊿゚)ξ「!」



ツンの持つ片割れのペンダントが、光り輝く。
まるで何かに共鳴しているかのように。


.

523: 2011/11/10(木) 22:05:00 ID:MdxLGGAA0


( ´W`)「む、どうした? ローラや」

ξ゚⊿゚)ξ「わかる・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが・・・私の力を必要としているわ」


ξ゚⊿゚)ξ(わたしと貴方は、いつも一つ)

ξ゚⊿゚)ξ(そうよ・・・ブーン。貴方はただ願えばいい。それだけでいい)

ξ゚⊿゚)ξ(そうすれば、きっとあなたの求める先へと――――――)


ξ゚⊿゚)ξ(  わたしの“愛”が、いざなうわ  )



.

524: 2011/11/10(木) 22:06:03 ID:MdxLGGAA0


――――――リムルダール大陸沿岸




( ;゜ω゜)「 こ・・・ これは・・・! 」



ブーンの握るペンダントから、一条の光が伸びてゆく。

それが、海の中へと繋がっているのだ。

まるで何かを誘い導くかの様に。


.

525: 2011/11/10(木) 22:07:16 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)「・・・・・・」


これが、いったい何を意味しているのか。

それがブーンには、心で理解出来た。
確信めいたものを感じる。


鎧を脱ぎ、重りを外す。

そして、荒波へと飛び込んだ。

光の指し示す方へと。


.

526: 2011/11/10(木) 22:08:20 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)。°(・・・・・・)



ブーンは潜る。ひたすらに潜ってゆく。

暗く冷たい、水の中を。

泳ぎが得意だとは言え、急流の中。

かなり体力を消費する。



( ^ω^)。°(きっと――――――)

( ^ω^)。°(あるはずだお。きっと)


.

527: 2011/11/10(木) 22:09:32 ID:MdxLGGAA0


光をなぞり、導かれてゆく。

息が苦しくなってきた。

帰りの分を考えると、そろそろ戻らねば厳しい。


深淵の海中でも、指し示す光は失われない。

そして、その光の当たる先に・・・

光り煌めく、“何か”を見つけた。


( ^ω^)(!!)


ブーンは、それをしっかりと手に取る。

そうして、すぐに浮上していく。


.

528: 2011/11/10(木) 22:10:33 ID:MdxLGGAA0


、.;(;;^ω^);.; 「ぷはッ・・・!!」 ザバッ!


(;;^ω^)「・・・綺麗だお」


(;;^ω^)「これが・・・・・・」



ブーンの手の中には・・・キラキラと光り輝く、
美しく透き通った、結晶のような物が握られていた。



.

529: 2011/11/10(木) 22:11:58 ID:MdxLGGAA0






(*^ω^)「づーさん!づううさあああん!!」



扉を、景気よく開ける。


瓜゚∀゚)「おや、ブーンじゃないか。一体どうした、そんな慌てて」

(*^ω^)「これ!見て下さいお!」

(*^ω^)「これがづーさんの言う・・・“虹のしずく”じゃないですかお?!」


.

530: 2011/11/10(木) 22:13:14 ID:MdxLGGAA0


ブーンはづーに、透き通ったそれを見せた。


瓜゚∀゚)「む・・・」

瓜;゚∀゚)「・・・・・・おおっっ!? こ・・・これは」

瓜;゚∀゚)「紛うかたなき・・・ “虹のしずく” ではないか!」

瓜;゚∀゚)「これは・・・ 一体どうしたものだ!」



( ^ω^)「海から、ロトの勇者が使ったものを、探してきたんですお!」

瓜;゚∀゚)「な・・・なんと真か? そんな馬鹿な・・・いやはや」


.

531: 2011/11/10(木) 22:15:11 ID:MdxLGGAA0


瓜゚∀゚)「いや・・・しかしどうあれ・・・これで」

瓜゚∀゚)「これに魔力を注ぎ込めば、魔島へと続く“虹の橋”を架ける事が出来る」

瓜゚∀゚)「よくやった、ブーン!」


瓜゚∀゚)「すぐにでも、これに魔力を注入する作業に入る。少々待っておれ」

( ^ω^)「お願いしますお!」


づーは、しずくの結晶をお持ち奥の部屋へと篭る。
ブーンは落ち着かず忙しない様子で、ただづーが出てくるのを待った。


.

532: 2011/11/10(木) 22:16:18 ID:MdxLGGAA0


数刻後――――――。



瓜゚∀゚)「ふぅ」


( ^ω^)「づーさん。どうですかお!?」

瓜゚∀゚)「うむ、完成じゃ」

瓜゚∀゚)「 “虹のしずく” 、確かにここに再現じゃ」


( ;゜ω゜)「おお・・・」

( ;゜ω゜)「う・・・美しいお・・・!」


.

533: 2011/11/10(木) 22:17:11 ID:MdxLGGAA0


ブーンは、づーから七色に煌めく石を受け取る。

古今東西のあらゆる美術品も、
これの輝きの美しさには、到底及ぶまいと思わせる程に。


瓜゚∀゚)「ただし、これは一度使用したものに魔力を継ぎ足したもの」

瓜゚∀゚)「橋をかける事は可能じゃが、本来もつ魔除けの効果は薄いかもしれん」

瓜゚∀゚)「橋を渡る最中に、空の魔物に襲われるという事も、十分に考えられる」

瓜゚∀゚)「そしてそれは、一つの難関になるであろうな・・・」

瓜゚∀゚)「それは覚悟しておくのじゃ」

( ^ω^)「・・・わかりましたお」


.

534: 2011/11/10(木) 22:18:16 ID:MdxLGGAA0



しかしともあれ、こうして念願の虹のしずくを手に入れた。

ブーンのこれまでの苦労が、今ここに実る。



( ^ω^)「・・・・・・やったお!」


( ^ω^)「これで・・・竜王の島に・・・!!」




    「おっと、そうはいかないぜ」



.

535: 2011/11/10(木) 22:20:04 ID:MdxLGGAA0


( ;゜ω゜)「!?」



扉がギィと、ゆっくりと開き――――――ユラリと人影が現れた。



( ;^ω^)「あ・・・」

( ;^ω^)「お、おまえは・・・!」


.

536: 2011/11/10(木) 22:21:35 ID:MdxLGGAA0





               (・∀・ )





( ;^ω^)  「――――――モララー・・・・・・!!」




to be continued...!!


.

538: 2011/11/10(木) 22:23:06 ID:MdxLGGAA0


( ^ω^)ブーンの今のステータス

LV23

ほのおのつるぎ
まほうのよろい
みかがみのたて


今回登場した敵:なし


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565: 2011/11/14(月) 21:05:40 ID:5YlGSxwM0


第30話


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566: 2011/11/14(月) 21:07:44 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)「・・・・・・」



「・・・・・・」(・∀・ )





(♯^ω^)「・・・・・・ハァッッ!!」 シュザッ!!


(♯・∀・)「おおおッッ・・・!!」 ギィンッ!!


両者の持つ木刀が、激しい音を立てて、合を刻む。



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567: 2011/11/14(月) 21:09:02 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)「モララー・・・お前に・・・負ける訳には行かないお・・・!」

( ・∀・)「フッ・・・一度俺に土をつけられている事を忘れたか」

( ^ω^)「あの時は本気じゃなかったおッ!!」 ギュリッ!

( ・∀・)「いや、俺も本気じゃ無かったけどね・・・!」 カギッ!



その様子を、離れて見ている老人。


瓜゚∀゚)「ふむ・・・」



それは前日、づーの家にて_――――――。



.

568: 2011/11/14(月) 21:11:06 ID:5YlGSxwM0





( ;^ω^)『お、おまえは・・・!』


( ;^ω^)『モララー・・・・・・!!』


( ・∀・)『やあ。しばらく』


( ;^ω^)『なんで、お前が、ここに・・・』


.

570: 2011/11/14(月) 21:14:10 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)『いやね、君の持っている、その“虹のしずく”・・・』

( ・∀・)『この俺に、預けてもらおうと思ってね』

( ;゜ω゜)『な、なんだとお?!』


( ・∀・)『そのアイテムは、竜王の島へ渡る為の必須アイテム・・・』

( ・∀・)+ 『それならば、実力のある人間に渡した方が為だと思うけどね』キラン

( ;^ω^)『な・・・・・・』


.

571: 2011/11/14(月) 21:15:43 ID:5YlGSxwM0


瓜゚∀゚)『モララーは、つい先日から、ワシのところにきておった』

瓜゚∀゚)『あの竜王の島へ渡る方法は無いかとね。
     君と同じ様に訪ねてきたんじゃよ』 ズズ...

( ;^ω^)『お・・・・・・』


づーは、茶をすすりながら横から説明を加えた。


.

572: 2011/11/14(月) 21:16:31 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)『お前も・・・あの島に渡る気なのかお?』

( ・∀・)『・・・・・・』

( ^ω^)『それがどういう事なのか、解ってるのかお?』

( ^ω^)『あそこに行くってことは、つまり竜王と対峙するって事だお』

( ^ω^)『お前は確か、そんな“馬鹿な真似”はしない筈じゃ無かったのかお・・・?』

( ・∀・)『・・・気の変わる事もあるさ』

( ^ω^)『・・・・・・』


.

573: 2011/11/14(月) 21:18:55 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)『でも・・・竜王討伐には、人は少しでも多いに越した事は無いお』

( ^ω^)『それなら、一緒にあの島へ・・・』

( ・∀・)『いや・・・』


瓜゚∀゚)『それは無理じゃ』


( ;^ω^)『えっ?』

瓜゚∀゚)『虹のしずくで作られる虹の橋は、それを使用し橋を架けたものしか許容せぬ』

瓜゚∀゚)『それを複数の人間で渡る事は不可能なのじゃ』

瓜゚∀゚)『もしそれが可能なら、いかに勇者モナーとて、
     最終戦を単身で乗り込みはしなかったろう』

( ^ω^)『お・・・』


.

574: 2011/11/14(月) 21:20:40 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)『そう。だから、向かう人間は厳選しなければならない』

( ・∀・)+ 『俺と君とじゃ、俺の方が強い。だから俺にそいつを渡して、
        後はこの容姿端麗、天下無敵のモララー様に任せる事だ』 キラリ

(( ;゜ω゜)) 『ぐおおお!相変わらず勝手でキザで嫌みな奴だお!』 ワナワナ


( ;゜ω゜)『ブーンがこれまでどれだけ苦労して、アレを手に入れたか解ってるのかお!?』

( ・∀・)『関係ないね。優れた者の方が、道を切り開くものさ』


.

575: 2011/11/14(月) 21:22:50 ID:5YlGSxwM0


( ;^ω^)『づーさん!づーさんも何か言ってやって下さいお!』

瓜゚∀゚)『ふむ・・・』

瓜゚∀゚)『魔島にゆけるのは只一人・・・。
     ならば、少しでも実力のある者が行くというのは、確かに道理じゃ』

( ;゜ω゜)『そんな・・・づーさんまで!』

( ・∀・)『フフフ』



瓜゚∀゚)『じゃが、そう決めたものでもないわい』

瓜゚∀゚)『単純にどちらの力の方が勝っているかは、解らんのう』

( ・∀・)『む・・・』

( ^ω^)『・・・・・・』


.

576: 2011/11/14(月) 21:24:45 ID:5YlGSxwM0


瓜゚∀゚)『ううむ』

瓜゚∀゚)『・・・あいやわかった。こうしよう』



瓜゚∀゚)『二人とも・・・凌ぎを削り合い、己の全力をもってして立ち会うのじゃ!』



( ^ω^) 『 !! 』 (・∀・ )



瓜゚∀゚)『立ち会い人は、わしが務めよう』

瓜゚∀゚)『その勝負に勝利した者が、魔島へいく権利を得る。・・・それでどうじゃ?』


.

577: 2011/11/14(月) 21:29:14 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)『ほう・・・なるほどね』

( ^ω^)『・・・・・・』

( ・∀・)『おもしろいじゃないか。そうでもしなければ、おさまりもつくまい』

( ・∀・)『ここは一つ、ご隠居の意見をきくのでどうかな?』

( ^ω^)『・・・お』


ブーンは、今一度モララーを見る。

軽口は依然そのままだが、放つ空気が違う。


.

578: 2011/11/14(月) 21:33:36 ID:5YlGSxwM0


以前は、戦士としては華奢な方だった。
それが今では、一回り程大きい気もする。

以前のモララーにはない、体中の肌についた細かい傷は、
恐らく魔物との戦闘でついたものだ。

それも、凄まじい数の戦闘をこなさなければ、これ程にはならぬ。

何よりも、隙の無さが今までとは、違った。

昼夜気を削り、常に臨戦の時の中。
あくなき冒険の不断によって鍛え上げられた、そういう強さだ。


数多の試練を超え、同じように冒険の中で磨かれてきたブーンだからこそ、
モララーの成長もまた感じ取れるのだった。


( ^ω^)(・・・・・・)


.

579: 2011/11/14(月) 21:35:30 ID:5YlGSxwM0


モララーが何故、ここまで己を磨き上げたのか。
何が彼の人生観を変え、巨悪に挑ませようとしているのか。


( ・∀・)


その理由が、何となくブーンには解る気がした。

だが、それでも。


( ^ω^)


自分とて、ここで降りる訳にはいかない。

必ずや竜王を討つという人々との誓いが、ここまで自分を奮い立たせてきたのだ。

譲る理由など、何処にも無い。
両雄ここに並び立たず。 ならば。


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580: 2011/11/14(月) 21:37:33 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)『・・・・・・望むところだお。いつかお前とは、
      決着をつけたいと思っていたところだお!』

( ^ω^)『その勝負、受けてたつお!』

( ・∀・)『よくいったね。その勇気だけは買うよ』

瓜゚∀゚)『うむ、異論は無いようじゃな』


瓜゚∀゚)『では、立ち会いは明日(みょうにち)としよう。
     今晩は、ワシの家でゆっくりと休み、備えるが良い』



( ・∀・)『クク。やあ、明日が楽しみだね』

( ^ω^)『ブーンの真の実力を見せてやるお』

( ・∀・)+ 『完膚なきまでに、叩きのめしてあげよう、美麗にね』 キラキラ

( ^ω^)『そいつぁ、こっちの台詞だお!』



.

581: 2011/11/14(月) 21:38:27 ID:5YlGSxwM0












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582: 2011/11/14(月) 21:39:54 ID:5YlGSxwM0






((♯・∀・)「ハァッ・・・!!」 ビヒュッ!

(♯^ω^))「フンっ・・・・・・!!」 バシッ!

三( ・∀・))「・・・しっ・・・!」 ヒュヒュンッ!

(( ;゜ω゜)「おっ・・・おおッッ!?」 ビシッ!


( ・∀・)《・・・・・・ギラッ!!》ボウッ!!

( ;゜ω゜)))「うわおっ・・・!」サッ!


モララーの手から、閃光の炎熱が走る。


.

583: 2011/11/14(月) 21:41:19 ID:5YlGSxwM0


( ;^ω^)「そ、それ反則だお!魔法は無しじゃないのかお!」

( ;^ω^)「真剣封印で立ち会いしてるのに・・・」

( ・∀・)「フフフ。自分の持てる武器は、最大限活用するのが戦士たるものさ」

( ・∀・)《竜王が火を噴かない保証なんて無いぜ》 シュバー

(♯;゜ω゜)))「くおおおああ」



瓜゚∀゚)「うむ」

瓜゚∀゚)「しかしあの二人、やはり相当の手練だったようだな・・・」

瓜゚∀゚)「何が起こっとるのか。ワシには全然見えんわ」


.

584: 2011/11/14(月) 21:47:52 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)「それに・・・木剣だからといって油断していると、命を落としかねないぞ」

( ・∀・)「はっきり言って、この闘いのレベルは非常に高い」

( ・∀・)「それなりに拮抗しているのも癪だがね。だが・・・」

(( ・∀・)「俺が、勝つ。絶対に」バウッ!

(♯^ω^))「くおおお・・・ッッ!」


((♯^ω^)「おおおおッッ・・・!!」 ザヒュッ!

( ;・∀・))「ち・・・」サッ!

(♯・∀・)《・・・ギラ・・・!

(♯^ω^)「させないお!」


.

585: 2011/11/14(月) 21:48:44 ID:5YlGSxwM0


ブーンは、すかさず間合いを詰め、モララーの懐に飛び込む。

魔力が収束しつつある相手の腕を、押さえつけ、体当たりを喰らわせた。
二人とも、束なったまま身ごと転がる。


((メ;-∀・)));. 「グハ・・・・・・っ!?」 ダァン!!

,;(メ ^ω^)「フッ・・・!」 ピタ・・


瓜゚∀゚)「 それまで!! 」


(メ;・∀・)「う・・・・・・」

(メ ^ω^)


.

586: 2011/11/14(月) 21:49:40 ID:5YlGSxwM0


瓜゚∀゚)「ふむ。どうやら、勝負あったようじゃな」


二人は、地に伏す。

しかし、ブーンがモララーの上に乗り、剣を突きつけていた。
木刀が、モララーの首筋に添え当てられる。



(メ;・∀・)「グ・・・」

(メ ^ω^)「これで、ブーンの勝ちだお」


ブーンは、起き上がり、体の土を払う。


.

587: 2011/11/14(月) 21:50:40 ID:5YlGSxwM0


(*^ω^)「やっぱり、ブーンの方が強かったお!やったお!」

(メ; ∀ )「・・・・・・レ・・・くそ・・・」


モララーはしばらくその場で倒れていたが、
やがて起き、同じく土を払う。


(  ∀ )「・・・ふー・・・・・・」

(  ∀ )


.

588: 2011/11/14(月) 21:51:55 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)「・・・仕方ない。負けは負けだ」

( ・∀・)「悔しいが、認めよう・・・」

( ^ω^)「おっおっ」

( ^ω^)「あのモララーが素直に負けを認めたお。こりゃ明日は晴れるお」

( ・∀・)「やかましい。俺は潔くないのは、美徳としないんでね」


( ・∀・)

( ・∀・)「しかしな・・・この俺程度にここまで手こずるようで、竜王に勝てると思うかい?」

( ・∀・)「おそらく奴は、俺なんかの比じゃないくらい強い筈だ」

( ^ω^)「む・・・」


.

589: 2011/11/14(月) 21:53:47 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)「君は瞬発力や腕力はあるが、剣の技量に限っては、まだ俺の方が上と見た」

( ・∀・)「まだまだ、研鑽の余地がある」

( ^ω^)「・・・・・・」


( ・∀・)「少なくとも、今の俺と同じレベルにまで、剣を磨いてから挑むんだ」

( ・∀・)「君は世界の存亡を賭けた、いわば人類代表」

( ・∀・)「少しの妥協も許してはいけない。・・・そうだろう?」

( ^ω^)「お・・・」


.

590: 2011/11/14(月) 21:57:05 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)「 “次に月が満ちるまで”――――――だ」

( ・∀・)「それだけ、この地で修行をするんだ」

( ・∀・)「この地方の魔物は、幸いかどうか、比類してもかなり強い」

( ・∀・)「鍛錬の場としては、いいだろう」

( ^ω^)「・・・・・・」


( ・∀・)「焦って気が逸り、心身ともに万全でないまま敵に挑むのが、一番怖い事だ」

( ・∀・)「俺の代わりに行く訳だ。これくらいの事は聞いてもらうからな」

( ^ω^)「・・・」

( ^ω^)「わかったお」

( ・∀・)「よし」


.

591: 2011/11/14(月) 21:58:08 ID:5YlGSxwM0


モララーは、自分の荷物などを背負い始める。


( ^ω^)「どこへ行くお?」

( ・∀・)「こっちの勝手さ。負けた相手におめおめ姿を晒し続けられる程、
      矮小なプライドを持ち合わせてる訳じゃないんでね」

( ・∀・)「それに、いつまでもこんな陰気なところに居たら、どうにかなってしまう」

瓜゚∀゚)「陰気とはまた言葉じゃな」


.

592: 2011/11/14(月) 22:02:02 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)「・・・剣の修行に付き合ってくれてもいいんじゃないかお?
      あんだけ言っといて、自分はじゃあオサラバかお」

( ・∀・)「フン・・・ここまできて対人の剣の理合などいくら学んでも意味が無い」

( ・∀・)「対魔物で鍛える方がまだ効率的さ」

( ^ω^)「・・・まあね」


モララーは、まるで急くように、手早く身支度をする。
それが終わると、溜め息をついた。

そして、ブーンに目もくれないまま、
言葉だけを投げかけた。


.

593: 2011/11/14(月) 22:03:05 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)「俺は、もう出る。アディオス」

( ^ω^)「モララー・・・デレさんの無念も、ブーンが果たしてくるお。必ず」

( ・∀・)「・・・・・・フ。そう気負うな。余計な事は考えるなよ」

( ・∀・)「とにかく、お前に全てが、かかってるんだ」

( ・∀・)「返り討ちになんて無様な事にはならないようにしてくれよ」

( ^ω^)「わかってるお」


.

594: 2011/11/14(月) 22:04:37 ID:5YlGSxwM0


( ・∀・)「それじゃあな」

( ・∀・)「いいな・・・“満月の日まで”・・・だ。 必ずだぞ・・・守れよ」


モララーは、足早にづーの家を発っていく。




( ^ω^)「最後まで、あっさりマイペースな野郎だったお」

瓜゚∀゚)「いや・・・最後ではなかろう」

瓜゚∀゚)「またいずれ、会う事もあろう。そうじゃろうて?」


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595: 2011/11/14(月) 22:09:22 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)「・・・そうですおね」



自分は“意志を継ぐ者”だ。


モララーだけではない、全ての人々の。


怒り。悲しみ。期待。矜持。


何もかもを、受け継いで。


今、己だけが、挑む事を許された。



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597: 2011/11/14(月) 22:15:32 ID:5YlGSxwM0


今生の別れには、決してしない。必ずや竜王を討ち、生還してみせる。


風が、吹いた。

吹き荒ぶ風の冷たさとは対照的に、

ブーンの瞳には、燃える様な信念が宿る。


( ^ω^)「また、いつか――――――」



ブーンは、去りゆくモララーの後ろ姿が見えなくなるまで、見つめていた。




to be continued...!!


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600: 2011/11/14(月) 22:20:28 ID:5YlGSxwM0


( ^ω^)ブーンの今のステータス

LV23

ほのおのつるぎ
まほうのよろい
みかがみのたて


今回登場した敵

( ・∀・)モララー:剣と魔法を扱う、万能型の孤独な戦士。その技量は極めて高く、
           歴戦のブーンも苦戦を強いられた。今のモララーに比肩し得る
           戦士は、そうはいないだろう。ブーンとの誇りを賭けた勝負を
           分けたのは、超えてきた冒険の時間の差だけであった。


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603: 2011/11/14(月) 22:26:39 ID:5YlGSxwM0
30話おわりです
次回は、一週間以内くらいに投下できるかと思います
( ^ω^)なんか風邪ひいたっぽい この部屋寒過ぎワロタ

では、また次回。( ・∀・)乙かれさまでしたん!ζ(゚ー゚*ζ

604: 2011/11/14(月) 22:51:17 ID:K5G15/ekO
光あれ!

605: 2011/11/14(月) 22:55:33 ID:otz7xShg0

次回:( ^ω^)ドラゴンクエストのようです('A`)【Lv.16】


引用: ( ^ω^)ドラゴンクエストのようです('A`)