388: 2011/04/21(木) 23:05:21.95 ID:rT0bMHVX0

389: 2011/04/21(木) 23:07:32.35 ID:rT0bMHVX0

Great Teacher Amata

第1話「マイ・モーニング・ライフ」 


アサダヨーアサダヨー


「ん……」ポチッ


(5時半か……)


「さて……起きるかな……」



俺の名前は木原数多。
数が多いとかいてあまたと読む。
とある高校の教師をしているナイスガイだ。



「うし、散歩行くか! アクセラ!」


「わん!」
『三沢塾(かがくすうはい)』
385: 2011/04/21(木) 22:26:27.46 ID:rT0bMHVX0

ちょっと妹迎えにいってくるんで投下11時くらいになりまっす!

ではノシ

390: 2011/04/21(木) 23:08:32.61 ID:rT0bMHVX0

俺の一日は犬の散歩で始まる。
おっと、紹介が遅れたな。こいつの名前はアクセラ。
教師になった記念にアレイスターから頂いたマルチーズだ。
新たな門出を祝って、だとよ……たくっ、粋なことをしやがるぜ、おい。



「ちっ、3月でもまだ寒いな」


「わん!」



一緒に暮らし始めて2ヶ月。アクセラは俺にとってペット以上の存在だ。
いや……相棒と言っても過言じゃねぇ。



「あら、木原先生。おはようございます」


「おはようっす!」



この人は、近所の八百屋のよねさん。
わざわざアレイスターが赤羽からスカウトしたスーパー八百屋さんの奥さんだ。
俺も野菜はいつもここで買っている。
安い、上手い、強いの3拍子が揃ってるいいお店だぜぇ。

391: 2011/04/21(木) 23:09:33.20 ID:rT0bMHVX0


「今日も頑張ってね!」



よねさんから無造作に木原にりんごが投げられる。



「うっす! 毎朝ありがとうございます!」



そう、俺は毎朝この八百屋を通る度によねさんからりんごを貰っている。
このりんごをかじりながらアクセラの散歩をするのが日常になってきている。



「ふぅ……今日も沢山歩いたな、アクセラ!」


「わん! わん!」



時刻は6時半。毎朝約1時間は散歩に費やしている。
歩くだけでも結構運動になるもんだぜ。
教師にもある程度の体力は必要なんだぜ?

392: 2011/04/21(木) 23:10:40.94 ID:rT0bMHVX0

「ふぅ……朝シャン最高だぜぇ」



運動の後のシャワー程気持ちいいもんはないだろう。
俺もいつも朝シャンをする度にそう感じている。



「うし、アクセラ。朝ご飯だ!」


「わん!」



今日のメニューはフレンチトーストにベーコンエッグ。
最初は朝食作るのは大変だったが、慣れればそんなに大したことはねぇ。



「うし、戸締りよし! ガス元栓よし! 水道よし!」


「それじゃあー、行って来るぜ! アクセラ!」


「わん!」



7時45分。身支度を整え俺の愛する生徒達が待つ学校にいざ出勤だぜぇ!



第1話 おわり

393: 2011/04/21(木) 23:11:07.83 ID:rT0bMHVX0

本編投下します!

394: 2011/04/21(木) 23:12:23.53 ID:rT0bMHVX0

~ 3月7日 ~



季春。それは卒業の季節でもある。
第一七七支部のメンバー達も例外なく、卒業を迎える者達がいた。



~ 霧が丘女学院高等部 ~



教頭「これより約二十五回私立霧が丘女学院高等部卒業式を始めます」


麦野「……」


麦野(卒業式だけ参加ってどうなのかしら?)


麦野(先生も生徒も誰も名前わからないわ……)


麦野(まー、いっか)


395: 2011/04/21(木) 23:14:08.44 ID:rT0bMHVX0

~ 同時刻 わかめ高校 ~



垣根(だりぃ……早く帰りてぇ……)


教頭「では、まず校長挨拶。全員起立!」


全員「」ガタッ


スーザン「……」


垣根(あれが校長か……初めて見たな……)


スーザン「うっふ~ん」


垣根「!?」


スーザン「み、みなしゃん……ご卒業……お、おめで――――」


垣根「?」

396: 2011/04/21(木) 23:14:49.36 ID:rT0bMHVX0

スーザン「」バタン


垣根「」


全員「」


スーザン「……」


教頭「校長ぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!」


先生「救急車だ!! 救急車を早くぅぅぅぅうう!!」



ザワザワ



垣根(おい、急に倒れたぞ?)

397: 2011/04/21(木) 23:15:27.62 ID:rT0bMHVX0



ピーポーピーポー







教頭「……ではアクシデンツがありましたが続いて卒業生挨拶。卒業生代表、磯辺強君」


キャシャリン「はい!」ガタッ テクテク


垣根(随分、細い奴だな……)


キャシャリン「」ドキドキ


キャシャリン「ほ……本日は……」


キャシャリン「お日柄もよ……よく……」


垣根(変な奴……)


キャシャリン(駄目だ、これ飲まないと緊張しちゃうよ……)

398: 2011/04/21(木) 23:16:06.77 ID:rT0bMHVX0

キャシャリン「」ゴクゴク


垣根(何を飲んでやがんだ?)


キャシャリン「お、お、お――――――――」


全員「!?」


キャシャリン「オクレ兄さぁぁぁぁぁあああん!!!!」


垣根「」


全員「」


キャシャリン「……」


キャシャリン「」バタリ

399: 2011/04/21(木) 23:18:20.26 ID:rT0bMHVX0

教頭「い、磯辺君!?」


先生「救急車だ!! 救急車を早くぅぅぅぅうう!!」


垣根「……」


垣根(な、なんつー学校なんだ……ここは……)


垣根は驚愕した。自分以上に常識が通用しない者がいたことに。
確かに彼らはいたのだ。そう……垣根と同じ学校に。



垣根(まさか……)


垣根(ここは常識が通じねぇ連中が集まる学校だったのか!?)

400: 2011/04/21(木) 23:19:01.22 ID:rT0bMHVX0

―――――― 1時間半後 卒業式後



垣根(さてと昼飯食って第一七七支部に行くとすっか)


垣根(しかし……)


垣根(ものの見事に誰からも話掛けられなかったな……)


垣根「……」


垣根(まっ、初登校が卒業式だしな……)


垣根(別に寂しいってわけじゃねーよ……って俺誰に言ってんだ?)


垣根(……とりあえず吹寄にメールでも送っとくか)

401: 2011/04/21(木) 23:20:29.99 ID:rT0bMHVX0

~ 同時刻 霧が丘女学院 ~



麦野(さて、卒業式も終わったことだし帰るかにゃーん)



女子A「ねーねー、皆でカラオケ行こうよ」


女子X「うん!」


ワイワイガヤガヤ



麦野「……」


麦野(羨ましく感じてるのかしらね……)


麦野(元暗部組織のリーダーが……笑っちゃうわね)クスッ

402: 2011/04/21(木) 23:21:05.75 ID:rT0bMHVX0

麦野「さてと、行くかな」



「あっ、麦野ー!」



麦野「え?」


絹旗「ご卒業超おめでとうございます!」


滝壺「おめでとう、むぎの」


麦野「あんた達……どうして?」


絹旗「どうしてって……普通に卒業を祝いに来ただけですが?」


滝壺「うん」

403: 2011/04/21(木) 23:21:34.30 ID:rT0bMHVX0

麦野「……その為にわざわざ学校に?」


滝壺「そうだよ?」


絹旗「麦野が一人で超寂しがってるっと思ってですね」


麦野「……」


絹旗「!?」


絹旗(しまった……超調子に乗ってしまいました……)アセアセ


麦野「あはははははははは!!!!」


絹滝「!?」


麦野「……ありがとね。感謝するわ」

404: 2011/04/21(木) 23:22:05.52 ID:rT0bMHVX0

滝壺「むぎのが……」


絹旗「珍しく素直にお礼を……」


麦野「あん?」ピクッ


絹旗「いえ! 超何でもないです!!」アセアセ


滝壺「お腹も空いたし、お昼に行こう?」


麦野「そうね」


絹旗「麦野、今日はお祝いに私達で奢りますよ?」


滝壺「」コクリ


麦野「え? いいの?」

405: 2011/04/21(木) 23:24:11.94 ID:rT0bMHVX0

絹旗「はい!」


麦野「それじゃー……超高級なお店に……」


絹旗「!?」


絹旗「超高級ですか……」


麦野「冗談よ、冗談」


絹旗「……脅かさないで下さいよ」


麦野「ごめん、ごめんって」


滝壺「」グー


麦野「それじゃー、行きましょうか」


滝壺「うん」


絹旗「はい!」


学園都市第2位、垣根帝督。
学園都市第4位、麦野沈利。
学園都市が誇るレベル5の2人は、この春高校を卒業し大学生になるのであった。

406: 2011/04/21(木) 23:25:08.10 ID:rT0bMHVX0

~ 1週間後 空港 ~



「四ヶ月ぶりの日本か。まさかこんなに早く戻ってくるとはな」


「私は日本に来るのは初めてです。早く観光しに行きましょう」


「今回、俺様は仕事で来たのだ。観光する時間などあるわけないだろう」


「えー!? それじゃあー私はホテルでずっと待ってることになるんですか?」


「そもそも、勝手についてきたのは貴様だろうが……」


「……それは貴方を説得させるまでは離れるつもりはないので♪」


「……しつこい奴だ」

407: 2011/04/21(木) 23:25:57.79 ID:rT0bMHVX0

「あっ、お手洗いに行ってくるので待ってて下さいね」


「……さっさとして来い」


「はい。覗かないで下さいよ?」


「……頃すぞ?」


「冗談ですよ、冗談♪」







「お待たせしました」

408: 2011/04/21(木) 23:26:37.38 ID:rT0bMHVX0

「やっと来たか……では行くぞ……」






















「レッサー」

420: 2011/04/22(金) 22:25:06.77 ID:cZQFB8Yq0

とある男女の2人組が日本に来日した3月14日。
話はその6日前にさかのぼる。


~ 3月8日 第一七七支部 ~



上条「新規風紀委員の……」


滝壺「研修……」


絹旗「合宿ですか……」


固法「ええ、そうよ」


垣根「でもよ……何で今更俺達が?」


固法「貴方達は特例だったからね。着任した時期も異例だったし」


海原「なるほど。それで4月から風紀委員になる新人さん達と合同で研修するわけですね」

421: 2011/04/22(金) 22:25:45.20 ID:cZQFB8Yq0

固法「その通りよ。もちろん私も以前に参加してるわ」


土御門「俺達全員参加するのかにゃー?」


固法「流石に全員だと第一七七支部が人手不足になってしまうわ……なので4人選出して参加してもらうことになったわ」


浜面「4人か……」


青ピ「その4人とやらは決まってるん?」


固法「」ニッコリ


一同「?」


固法「今からくじ引きで決めてもらいまーす!」


一同「……」

422: 2011/04/22(金) 22:26:21.08 ID:cZQFB8Yq0

一同(だから今日は全員出勤だったのか……)


上条(これは俺の不幸スキルが働く予感が……)


固法「初春さーん」



ドタドタ



初春「はーい♪ では皆さんこの中から一枚ずつ紙を取ってくださーい!」







上条(や、やっぱり……)


固法「それじゃー決まったわね! では参加するのは……」

423: 2011/04/22(金) 22:27:10.40 ID:cZQFB8Yq0

固法「上条君、垣根君、フレンダさん、絹旗さんの4人で決定ね!」


垣根「ちっ、面倒くせぇーな……」


フレンダ(上条君と一緒なら……いいっか……)


絹旗(ぬぬ……これでは今週、深愛に会えませんね)ションボリ


固法「じゃあー、参加する4人には研修合宿の概要を説明するわね。他の人は……」チラッ


土御門「」コクリ


土御門「……んじゃー研修を免れた俺達は仕事に取り掛かるぜよー!」


一同「はーい」







固法「――――――――――――――以上で説明は終わりよ」

424: 2011/04/22(金) 22:28:23.35 ID:cZQFB8Yq0

固法「簡単にまとめると第7学区の研修センターで1泊2日で警備員や先輩風紀委員達の話などを聞くくらいよ」


絹旗「……まさか2日間、話を聞いてるだけなんですか?」


固法「基本はそうね……」


垣根「絶対寝るな」


フレンダ「私も自信あるわけよ」


上条「不幸だ……」


固法「でも17時以降は自由時間になるから、他の支部の風紀委員とも交流が出来て楽しいわよ?」


絹旗「はぁ……」

425: 2011/04/22(金) 22:29:24.59 ID:cZQFB8Yq0

フレンダ「交流ね……」


垣根「絶対、俺話かけられることないわ……」


上条「だろうな……」


垣根「少しはフォローしろよ!」


固法「」クスッ


固法「まー、いい機会だと思って楽しんできてらっしゃい」


一同「はーい……」


固法「それじゃー、お仕事に戻るわよー」

426: 2011/04/22(金) 22:30:14.63 ID:cZQFB8Yq0

~ 3月15日 研修センター ~



フレンダ「おはよー」


絹旗「おはようです」


フレンダ「上条君と垣根は?」


絹旗「まだ来てませんよ」


フレンダ「そっか」


絹旗「そういえばフレメアちゃんは大丈夫なんですか? 帰り明日になるじゃないですか」


フレンダ「フレメアなら知り合いに預けたから大丈夫なわけよ」


絹旗「フレンダにアイテム以外に頼れる人がいるとは……超びっくりです」

427: 2011/04/22(金) 22:31:05.26 ID:cZQFB8Yq0

フレンダ「どんだけ知り合い少ないと思われてるわけよ……」








上条「おっーす!」


垣根「ねみぃ……」


フレンダ「おはようー!」


絹旗「おはようございます」


上条「待たせて悪かったな! んじゃー中行きますか」


フ絹「うん(はい)」


垣根「」ムニャムニャ







絹旗「えっと……受付はあっちですね」

428: 2011/04/22(金) 22:31:49.11 ID:cZQFB8Yq0


受付「研修に来た風紀委員さん?」


フレンダ「はい。受付お願いします」


受付「それじゃーお名前をお願いね」


上条「はーい」



カキカキ



受付「はい。受付完了です。では指定されたお部屋に荷物を置いて下さい」


受付「研修は8時55分からなので遅れないようにお願いします」


一同「はい」







上条「んじゃ、俺達あっちだからまたな」

429: 2011/04/22(金) 22:32:22.45 ID:cZQFB8Yq0

フレンダ「うん。また後でね」


絹旗「はい」



上条「えっと……250号室か」


垣根「何人部屋だっけ?」


上条「4人部屋だよ」


垣根「うげ!? 男4人って最悪じゃねーか……」


上条「仕方ねーだろう……」


上条「おっと……ここか」



ガチャン



上条「失礼しま―――――――――――」

430: 2011/04/22(金) 22:32:56.23 ID:cZQFB8Yq0

上条「……まだ同部屋の奴は来てないみたいだな」


垣根「どうでもいいわ……それより研修何時からだっけ?」


上条「8時55分。まだ30分以上あるな」


垣根「んじゃー、少し寝るから後で起こしてくれ……」


上条「はいはい……」


垣根「」スースー


上条「寝るのはやっ!!」



――――― 10分後



「よろしく頼むぜぇぇぇぇぇえ!!」ガチャン



上条「!?」ビクッ

431: 2011/04/22(金) 22:33:50.58 ID:cZQFB8Yq0

垣根「!?」ガバッ


削板「ん?」


原谷「ちょっと削板さん、声でかすぎ……」


上条「」ポカーン


削板「おっ、同部屋の人か?」


上条「た、多分……」


削板「俺は削板軍覇! 今日から2日間よろしく頼むぜ!」


原谷「原谷矢文です。よろしくお願いします」ペコリ


上条「俺は上条当麻。上条って呼んでくれ。こちらこそよろしくな」

432: 2011/04/22(金) 22:34:48.03 ID:cZQFB8Yq0

垣根「……」


削板「おう! ってそこの兄ちゃんはこないだの!?」


垣根「気づくのおせぇぇぇよ!!」


原谷「どうもー」


垣根「お、おう。お前も大変だな……」


原谷「いえいえ。もう慣れましたから」タハハ


上条「垣根、知り合いか?」


垣根「知り合いって程じゃねーけどな……」


削板「おいおい、冷たいじゃねーか! 兄ちゃん」


433: 2011/04/22(金) 22:35:32.94 ID:cZQFB8Yq0

垣根「朝からうるせーんだよ、ナンバーセブン!!」


削板「これでもトーン抑えてる方だぞ? 根性足りてねーんじゃねーか?」


垣根「また根性かよ……」


原谷「す、すいません……」


上条「垣根……ナンバーセブンって?」


垣根「あー……この熱くるしい奴が学園都市第7位なんだよ」


上条「えっ!?」


削板「いかにも! 俺が学園都市の第7位、削板軍覇だぁぁ!!」


原谷「いや……再度自己紹介しなくていいから」

434: 2011/04/22(金) 22:36:18.44 ID:cZQFB8Yq0

上条(こいつが前に滝壺が言っていた奴か……)


上条(俺と同じ……生まれつき特殊な能力があるという……)ジー


削板「ん? 何だ? そんなに見つめて?」


原谷「まー……削板さんみたいな人種は誰でも珍しがるよ」


削板「そ、そっか///」


原谷「褒めてないですよ……」


垣根「そういえばお前達、ここにいるってことは……」


原谷「はい」


削板「俺達も4月から風紀委員だ!!」

435: 2011/04/22(金) 22:37:07.95 ID:cZQFB8Yq0

垣根「……自分から志願したのか?」


削板「いや、統括理事会から要請があってな! それで快く承ったわけだ」


削板「まー正式な風紀委員ってわけじゃないんだけどな」


原谷「自分はその付き添いみたいなもので……」


垣根「はーん。お前達にも要請があったのか。何支部?」


削板「俺達は……えっと……何支部だっけ?」


垣根「覚えておけよ!!」


上条(面白い奴だなー……)


原谷「僕達は第一八○支部ですよ」


436: 2011/04/22(金) 22:38:01.94 ID:cZQFB8Yq0

削板「そうだ! 第一八○支部だ!」


垣根「いや、もう原谷から聞いたから……」


上条「えっと削板さん達の支部は―――――」


削板「上条、俺のことも呼び捨てでいいぞ?」


上条「んじゃー削板で。削板達の支部の参加メンバーは2人だけ?」


原谷「いえ。他に女子が1人いますよ」



―――― 10分後



上条「そろそろ移動しようぜ」


垣根「だな」

437: 2011/04/22(金) 22:39:28.92 ID:cZQFB8Yq0

原谷「大会議室ですよね?」


上条「おう。これから2日間話聞いてるだけか……」


削板「じっとしてるのは苦手だ……」


垣根「だろうな」


原谷「見た目でわかりますよね」









ゾロゾロ



原谷「……結構いますね」


上条「卒業して風紀委員を引退する人も多いからなー」


垣根「まっ、入れ替わりが多いわけだな」

438: 2011/04/22(金) 22:40:04.14 ID:cZQFB8Yq0

フレンダ「あっ、上条君」


上条「おっす」


絹旗「どうも」


垣根「お前ら、中入ってなかったの?」


フレンダ「まーね。上条君達がくるのを待とうと思って」


上条「サンキューです」


フレンダ「……上条君、そちらの人達は?」


上条「あー……紹介遅れたな。俺達と同部屋の……」


削板「削板軍覇だ! よろしく頼むぜ」


439: 2011/04/22(金) 22:40:35.90 ID:cZQFB8Yq0

原谷「原谷矢文です。よろしく」


フレンダ「フレンダ=セイヴェルンよ。よろしくね」


絹旗「どうも、超お久しぶりです」


削板「おう! 最愛か! 元気そうで何よりだ」


絹旗(んなっ!? また最愛って!!)


原谷「お久しぶりです」


フレンダ「なんだ、絹旗知り合いなわけ?」


絹旗「えー、ちょっと……」


原谷「そういえば心理定規さん、もう中入ってるんですかね?」

440: 2011/04/22(金) 22:41:16.42 ID:cZQFB8Yq0

削板「あいつは団体行動が苦手みたいだからな……」


垣絹フ「っ!?」


垣根「……ちょっと待て」


原谷「はい?」


垣根「今……心理定規って言ったか?」


原谷「? はい。言いましたけど?」


絹旗「まさか……」


垣根「そいつも……」



心理定規「そのまさかよ」

441: 2011/04/22(金) 22:42:11.17 ID:cZQFB8Yq0


一同「!?」


心理定規「お久しぶりね。垣根」


垣根「てめぇ……お前が風紀委員ってギャグか?」


心理定規「あら? その言葉そのまま貴方に送り返すわ」


垣根「うぐっ……」


心理定規「それにあなたと同じで正式な風紀委員ってわけじゃないわ」


心理定規「それと……アイテムの方達もお久しぶり」ニコッ


フレンダ「……」


絹旗「……まさか貴方とこんなところで会うとは……超ついてないです」

442: 2011/04/22(金) 22:42:59.61 ID:cZQFB8Yq0

心理定規「そんな寂しいこと言わないでよ」


上条「垣根」ヒソヒソ


垣根「何だ?」


上条「お前の知り合い? それと絹旗とフレンダと険悪なムードなんだが?」ヒソヒソ


垣根「……まー色々あったんだよ。それ以上は聞くな」


上条「はぁ……」


原谷「心理定規さん、もう中に行ってると思いましたよ」


心理定規「あまり人が多いところは好きじゃないのよ」


削板「根性が足りないぞ、心理定規!」

443: 2011/04/22(金) 22:43:43.27 ID:cZQFB8Yq0

心理定規「はいはい、そうね」チラッ


上条「?」


心理定規(この人が『幻想頃し』……実際に見るのは初めてね)ジー


上条「えっと……俺の顔に何かついてるでせうか?」


心理定規「いいえ。前から貴方に興味があったから見つめてるだけよ」


上条「…………へ?」


フレンダ「んなっ!?」


心理定規「私は心理定規。よろしくね、上条当麻君」


上条「お、おう。よろしく……って何で俺の名前知ってるんだ?」

444: 2011/04/22(金) 22:44:39.60 ID:cZQFB8Yq0

心理定規「あら? 『幻想頃し』ってかなり有名よ」


削板(幻想頃し!? なんじゃそりゃ?)


上条「そうなの?」


心理定規「ええ。貴方が思ってる以上に……ね」


上条「そうなのか?」チラッ


垣根「……まーな」


心理定規「それじゃー、私は先に行くわね」


上条「お、おう」


原谷「あっ、待ってよ。心理定規さーん」

445: 2011/04/22(金) 22:45:38.59 ID:cZQFB8Yq0

削板「本当に単独行動が好きな奴だ……じゃあー、またな!」


上条「また後でな」


垣根「じゃーな」



フレンダ(ぬぬぬぬ!! またライバル出現ってわけ!?)


フレンダ(しかもスクールの女じゃない!!)ムキー


絹旗「まったく……あの女と出くわすとは……」


絹旗「ってフレンダ?」


フレンダ(負けないわよ!!)フンスッ


絹旗「……」

446: 2011/04/22(金) 22:49:23.32 ID:cZQFB8Yq0


垣根(まさかあいつも風紀委員に協力するとはな……)


垣根(上の連中め……元暗部メンバーに声かけまくりじゃねーか!)


垣根(まー……例の変なバイトよりかはマシか……)


垣根(しかし……)


垣根(初めてドレス姿以外の心理定規を見たな……)


上条「それじゃー、俺達も席座るか?」


垣根「おう」


絹旗「はい」


フレンダ「う、うん!」

453: 2011/04/24(日) 22:32:17.07 ID:D57v6fCl0

~ 8:55 大会議室 ~



黄泉川「それじゃー、風紀委員新人研修合宿を始めるじゃんよ」


黄泉川「まずは――――――――――――――――」


アックア「……」



フレンダ「上条君、あれウィリアム先生じゃない?」


上条(何でアックアが……)


フレンダ「上条君?」


上条「」ビクッ


上条「な、何だ?」


フレンダ「もう話聞いててよー。あれウィリアム先生よね?」

454: 2011/04/24(日) 22:33:06.52 ID:D57v6fCl0

上条「そ、そうだな」


フレンダ「黄泉川先生と同じ服着てるってことは、警備員になったのかな?」


上条「!?」


上条(なるほど。そういうことか……)


上条「みたいだな……」



アックア(あれは上条当麻。そうか、あやつは風紀委員であったな)


アックア(しかし……)


アックア(元ローマ正教の私が、学園都市の治安を守る警備員になるとは……)


アックア(自分でもびっくりなのである)

455: 2011/04/24(日) 22:33:44.64 ID:D57v6fCl0

垣根「もう眠い……」


絹旗「まだ始って1分ですよ……」



―――――12時



警備員「それでは13時半までお昼休みとする。各自食事を取るように」


一同「ありがとうございましたー」



ワイワイガヤガヤ



上条「ちょっくらアック……ウィリアム先生と話してくるから先に食堂行っててくれ!」


フレンダ「う、うん」


垣根「」ボケー


絹旗「」ボケー

456: 2011/04/24(日) 22:34:37.57 ID:D57v6fCl0

上条「おーい!」


アックア「!?」


アックア「ぬ? 上条であるか。どうしたのである?」


上条「どうしたもこうしたもねーよ」


上条「……お前、警備員になったの?」ヒソヒソ


アックア「うむ。黄泉川先生に誘われたのである」


上条「なるほど。いきなり研修にアックアがいたからびっくりしてよ……」


アックア「それは驚かせてすまなかった」


上条「いや、俺こそ。それじゃー俺お昼行くから」

457: 2011/04/24(日) 22:35:25.18 ID:D57v6fCl0

アックア「うむ。しっかり食事を取るのである」


上条「アックアもなー!!」ダダダッ


アックア「あまり大声でその名を言うな!!」



~ 食堂まで移動中 ~



上条(しかしアックアが警備員とは……)


上条(五和達に教えたらびっくりするだろうな)ククク


心理定規「あら、上条君じゃない?」


上条「ん? えっと……」


心理定規「心理定規よ。お名前くらい覚えてちょうだい」


458: 2011/04/24(日) 22:36:13.97 ID:D57v6fCl0

上条「悪い、悪い。心理定規も今からお昼か?」


心理定規「そうね……一緒にどうかしら?」


上条「おう。いいぞ」


心理定規「それじゃあー行きましょう」


上条「おう」







上条「心理定規って垣根達の知り合いなのか?」


心理定規「そうね。お友達ってわけじゃないけど」


上条「へー。あいつも結構知り合いいるんだな……」

459: 2011/04/24(日) 22:37:03.69 ID:D57v6fCl0

心理定規「たまたまよ。垣根はそこまで知り合い多くないわ」


上条「……やっぱり」


心理定規(幻想頃し……試しに私の能力が通じるか試してみようかしら)


上条「あー腹減った……」


心理定規(距離単位を10に……)


心理定規「ねー、上条君」


上条「ん?」


心理定規「いきなりなんだけど……私と付き合ってみない?」


上条「…………へ?」

460: 2011/04/24(日) 22:37:48.25 ID:D57v6fCl0

心理定規(どうかしら? この距離単位なら断られることはないはず……)


上条「別にいいけど?」


心理定規「!?」


心理定規(あっさり効いたわね……)


心理定規(精神系の能力は打ち消せないのかしら……)


上条「付き合うって昼飯以外に何に付き合えばいいんだ?」


心理定規「」


心理定規「…………え?」


上条「いや、昼飯はさっき付き合うって言ったし……他に何か付き合うものあるのかな? ってさ」

461: 2011/04/24(日) 22:38:23.54 ID:D57v6fCl0

心理定規「」ポカーン


心理定規(効いてない? 何なのこの人……)


上条「って聞いてますかー?」


心理定規「」ハッ


心理定規「え、ええ。えっと……食後の後にお話相手でも付き合ってくれるかなって……」


上条「おう、全然いいぞー。皆もいるし楽しくお喋りしようぜー」


心理定規(え? みんな?)


上条「そんじゃー、お腹も減ってることだし食堂へ急ごうぜ!」


心理定規「あっ、待ってよ!!」

462: 2011/04/24(日) 22:39:18.89 ID:D57v6fCl0

~ 同時刻 研修センター屋上 ~



アックアは一人、屋上のベンチに座り自家製手作り弁当を食べていた。



アックア(うむ。今日は満点の出来であるな)


アックア(特にこの野菜炒め……絶品である!)


アックア「」モグモグ


「お隣いいかな?」


アックア「うむ」


「では……」


アックア「」チラッ


アックア「!?」

463: 2011/04/24(日) 22:39:53.61 ID:D57v6fCl0

アックア「き、貴様は………………」



























アックア「フィアンマ!!??」ガタッ

464: 2011/04/24(日) 22:40:39.48 ID:D57v6fCl0

フィアンマ「久しぶりだな。アックア」


フィアンマ「いや……今はウィリアムと呼ぶべきかな……」ニヤリ


アックア「……何しに来た?」ギロッ


フィアンマ「そう警戒するな。アレイスターに頼まれただけだ」


アックア「アレイスターに? 何をである?」


フィアンマ「……」


フィアンマ「この研修合宿の講師だ」


アックア「」


アックア「な……何だと……」

465: 2011/04/24(日) 22:43:12.34 ID:D57v6fCl0

フィアンマ「アレイスターに俺様のリーダー性とカリスマ性を買われてな……」



~ 1日前 窓もドアもないビル ~



フィアンマ『今度は一体何のようだ? 俺様は多忙なんだがな……』


レッサー(この人が……アレイスター=クロウリー……)ゴクリ


アレイスター『ふむ。君に是非頼みたいことがあってな』


フィアンマ『俺様にだと?』


アレイスター『君にしか頼めないことだ』


フィアンマ『いいだろう。まず話だけでも聞いてやる』


アレイスター『実は―――――――――――――――』

466: 2011/04/24(日) 22:43:45.88 ID:D57v6fCl0

フィアンマ『ほう……それで俺様に講師をしろと?』


アレイスター『君は曲者ばかりの神の右席のリーダー的存在だった男だ』


アレイスター『あの連中を従える者は数少ないだろう』


フィアンマ『当然だ。俺様だから出来たことだ』


レッサー(相変わらず自信の塊ですね……)


アレイスター『そこで君のリーダー性……そしてカリスマ性を風紀委員の新人達にも伝えて欲しいのだよ』


フィアンマ『……』


アレイスター『やってくれるか?』


フィアンマ『いいだろう……ただし条件がある』

467: 2011/04/24(日) 22:44:31.07 ID:D57v6fCl0

アレイスター『なんだ?』


フィアンマ『今度は道がわかりやすいホテルを用意しろ』


アレイスター『…………え?』


フィアンマ『前回、予約してくれたホテルはとてもわかりずらい場所にあった』


フィアンマ『そのせいで2時間も迷ったんだぞ! 最後は上条当麻に案内してもらったがな』


レッサー『……』


アレイスター『……』


アレイスター『……わかった……努力しよう』


フィアンマ『努力ではない。俺様は結果を求めてるのだよ』


468: 2011/04/24(日) 22:45:11.67 ID:D57v6fCl0

アレイスター『わ、わかった……』


フィアンマ『では頼んだぞ』


アレイスター『ああ。そういえば……』


フィアンマ『なんだ?』


アレイスター『隣にいる女の子は君の恋人かな?』


レッサー『なっ!?』


フィアンマ『馬鹿を言え……俺様がこんな乳臭いガキを相手にするわけないだろうが』


レッサー『ぬ!? レディーに対して失礼な物言いですね……』


フィアンマ『俺様は事実を言ったまでだ』


レッサー『』イラッ


レッサー(こうなったら、後で痛い目に会わせてやりましょう……)


アレイスター(仲いいな……)

469: 2011/04/24(日) 22:46:19.94 ID:D57v6fCl0







フィアンマ「――――――――というわけだ」


アックア「……なるほど。しかし……」


フィアンマ「信じられんか? だが俺様もお前が警備員とやらをしていることも信じられんぞ?」


アックア「……お互い様であるな」


フィアンマ「まさか神の右席の2人がこうして学園都市に協力することになるとはな……」


アックア「人生何が起こるかわからないのである」


フィアンマ「そういえばアックア、聖人の力は戻ったそうだな?」


アックア「うむ。2週間前に起きたら直ってたのである」

470: 2011/04/24(日) 22:47:05.69 ID:D57v6fCl0

フィアンマ「よかったな」


アックア「ダンケシェーン」


アックア「いつ講師をするのだ?」


フィアンマ「明日の午後からだ。今日は施設の見学をしにきただけだ」


フィアンマ「それよりアレイスターに聞いたが、教師というのはどうなんだ?」


アックア「うむ。中々いいものである。教師とは生徒に教える立場であるが……逆に生徒から教えてもらえることも多いのである」


フィアンマ「ほほう。それは興味深いな……では俺様はホテルに帰るとするか」


アックア「もう行くのであるか?」


フィアンマ「……じゃじゃ馬娘がホテルに待ってるのでな」


471: 2011/04/24(日) 22:48:22.49 ID:D57v6fCl0

アックア「そうであるか。明日の講師、楽しみにしてるのである」


フィアンマ「ほざけ」



アックア「……」


アックア(む? から揚げが1つなくなってるのである!!)


アックア(フィアンマの奴め……)



フィアンマ「」モグモグ


フィアンマ「……」


フィアンマ「まぁまぁだな」

472: 2011/04/24(日) 22:49:19.23 ID:D57v6fCl0

――――― 17時半



黄泉川「以上で今日のプログラムは終了じゃん」


一同「ありがとうございましたー」


アックア「夕食は19時からである。お風呂は22時までしか入れないであるので気をつけるのである」


一同「はい!」


黄泉川「それじゃあー……解散!」



上条「ね、眠い……」


フレンダ「聞くだけだとかなり辛いわけよ……」


絹旗「」スースー


垣根「」スピカースピカー

473: 2011/04/24(日) 22:49:54.88 ID:D57v6fCl0

上条「垣根、絹旗、終わったぞー」


絹旗「ふにぃ……」


垣根「うーん……」


――――


原谷「削板さーん、起きてくださいよー」


削板「」グーグー


心理定規「豪快な寝息ね」


原谷「心理定規さんも起こすの手伝ってくださいよー」


心理定規「私は先に部屋に戻ってるわ」


原谷「あっ……」


削板「」グーグー


原谷「はぁ……」

474: 2011/04/24(日) 22:50:48.00 ID:D57v6fCl0

~ とあるホテル ~



レッサー「フィアンマさん、私暇なので出かけてきますね」


フィアンマ「勝手にしろ。くれぐれも問題は起こすなよ?」


レッサー「私がいつ問題でも起こしましたか?」


フィアンマ「……北京で一般人をボコボコにしてただろうが……」


レッサー「うぐっ!?」


レッサー「あれはですね! あっちが私にセクハラを!!」


フィアンマ「……だがやりすぎだ」


レッサー「いいえ! 私のスカートを捲ったんですからあれでも優しいほうです!」

475: 2011/04/24(日) 22:51:30.72 ID:D57v6fCl0

フィアンマ「……」


レッサー「私のスカートの中を見たかったら言って下さい。仲間になってくれればいつでも見せますので」


フィアンマ「……」


レッサー「そこから先は多少、卑猥な想像をして頂いても構いません」


フィアンマ「……早く行け」


レッサー「ではいってきます!」



ギー バタン



フィアンマ「……」


フィアンマ「上条当麻もロシアで大変だったのだな……」ハァー

484: 2011/04/25(月) 22:13:43.97 ID:zPHr6zAW0

ちゃす!

皆さん、コメントありがとうございます!

ではGTAから投下します。

485: 2011/04/25(月) 22:15:29.81 ID:zPHr6zAW0
Great Teacher Amata

第1話>>389-392

第2話「キープ・レフト!」



時刻は7時45分。
俺はいつもこの時間に家を出る。
学校までは車で20分かかる。朝礼が8時25分だから余裕のよっちゃんだぜ!



「うし、今日も頼むぜ! レータ」



そう、レータとは俺の第2の相棒の名前だ。レータにするかハリケーンソニックにするか迷ったがアクセラに合わせてレータと命名した。
レータは一般的には車と呼ばれている。車種はマーチ。カラーはイ工口ー。
購入する時にピンクにするかイ工口ーにするか迷ったがイ工口ーにして正解だった。
何故かだと? それは小萌先生がピンクの車に乗ってるからに決まってるだろうがぁ!
俺みたいな新米教師が小萌先生と同じカラーの車に乗るなんざ15年は早い……
ちなみにウィリアム先生はキックボードで通勤しているようだ。若いぜぇ。



「バックミラーよし! シートベルトよし! 俺よし!」

486: 2011/04/25(月) 22:16:32.78 ID:zPHr6zAW0

「おっしゃー、出発だぜい!!」



学校までの所要時間は20分。俺は毎朝、優雅に音楽を聴きながら通勤している。
今日の1曲目は……



「迷え! その手を引くものなどいない~♪」



『No buts!』だ。1曲目からテンション上がるぜぇい。くぅ~!!
基本、朝はテンション上げるためにアップテンポな曲をメインに流している。
朝からバラード聴いてもしょうがねぇしな……



「今日も空いてるなぁ、おい」



そう、ここは学園都市。人口の8割は学生である。
それが故、車の交通量も一般の都市に比べたら非常に少ない。
だだ、交通量が少ないが俺の通勤する道路は途中に片道2車線のところがある。



(あん? 隣のスクーター随分と真ん中寄りになってやがんな……)


(たくっ、大学生か?)


「おい!」


「」ビクッ


「キープ・レフト!」


「す、すいません……」

487: 2011/04/25(月) 22:17:24.96 ID:zPHr6zAW0

たまに俺はこのように他のドライバーに注意することがあるが、皆しっかり言うこと聞いてくれる。
これも教師になった力なのだろうか?
たくっ、教師ってのは凄い影響力があるもんだぜい、って思う今日この頃だ。



「うし、今日も無事故で学校に到着と」



8時5分。無事、自分の職場に到着。



「帰りも頼むな! レータ!」


「おう! 任せろ!」



そんな言葉が俺に聞こえるような気がする。
おっと、薬はやってねーぞ? 俺は正常だ。
そんなこんなで学校に着いたら、職員室に爆走兄弟レッツ&ゴーだ!!



第2話 おわり

488: 2011/04/25(月) 22:18:49.73 ID:zPHr6zAW0

本編投下しやす

489: 2011/04/25(月) 22:19:49.08 ID:zPHr6zAW0

~ 18時 研修センターロビー ~



上条「まだ晩飯まで1時間もあんのかー」


絹旗「超お腹空きました……」


フレンダ「」ポチポチ


垣根「妹にメールか?」


フレンダ「まーね」


絹旗「本当、仲良いですよね」


フレンダ「姉妹なんだから当たり前なわけよ」


絹旗(……姉妹ですか……)


絹旗(私もきっといつか……深愛に……)


上条「そういえばフレンダと絹旗は同部屋の人と仲良くなれたか?」

490: 2011/04/25(月) 22:20:46.08 ID:zPHr6zAW0

フレンダ「え?」


絹旗「私達は二人部屋ですよ?」


垣根「え?」


上条「男とは違うんだな」


フレンダ「そういえば上条君と垣根は四人部屋だったわね」


垣根「これが男女差別って奴か……」



(ここが研修センターですか。学園都市に来て"あの方"に会わないで帰るわけにはいかないですからね)


(さて、どこにいますかね、って……)



上条「それはちょっと違うような―――――」

491: 2011/04/25(月) 22:21:22.42 ID:zPHr6zAW0


「お久しぶりです!」ギュ



上条「うお!? って……」


上条「レッサー!!??」


レッサー「はい、あなたのベストパートナーのレッサーです」


垣フ絹「」キョトン


上条「何でお前がここにいるんだよ!?」


上条「ってか俺にのしかかるな!」


レッサー「ぬ? 感動の再会だというのに随分素っ気ないですね」


上条「どこが感動の再会だ!?」


レッサー「まー、いいでしょう」

492: 2011/04/25(月) 22:22:11.23 ID:zPHr6zAW0

上条「んで、なんでレッサーが学園都市にいるわけ?」


レッサー(……本当のことを話してもつまらないのでフィアンマさんのことは黙っておきますか)


レッサー「プライベートで観光です」


上条「観光?」


レッサー「はい。それに将来の嫁として夫の様子を見たかったですし」


上条「だれが将来の嫁だ!!」


垣根「上条……」


上条「ん?」


フレンダ「その子は……」


絹旗「誰ですか?」

493: 2011/04/25(月) 22:22:52.52 ID:zPHr6zAW0

上条「えっと……(魔術師とは言えないしな……)」


レッサー「私はレッサーと申します。私の将来の夫がお世話になってます」ペコリ


垣フ絹「」


絹旗「し、将来の……」


垣根「夫だぁ!?」


フレンダ「」ポカーン


上条「おい、レッサー! 何ほざいてやがる!」


レッサー「何か問題でも?」


上条「問題だらけじゃ!」

494: 2011/04/25(月) 22:23:47.62 ID:zPHr6zAW0

垣根「上条、お前まさか……」


絹旗「その子と……」


上条「!?」


上条「まてまて! お前らは勘違いしているぞ! そもそも俺はレッサーとは何も……」アセアセ


レッサー「酷いじゃないですか……」


上条「……え?」


レッサー「私とあんなに熱い一夜を過ごしたと言うのに……」


垣根「熱い……」


絹旗「一夜」ゴクリ


フレンダ「……」

495: 2011/04/25(月) 22:24:19.04 ID:zPHr6zAW0

上条「レッサーさぁぁぁぁん!?」


レッサー「あの時は凄かったです///」


上条「何、頬を赤くしてやがるぅぅぅぅぅぅうう!!」


レッサー「もちろん、多少卑猥な想像をして頂いて構いません」


絹旗「ひ、卑猥な///」


垣根「想像だと……」ゴクリ


垣根「上条、お前って奴は……」


絹旗「私と同じくらいの年の子と……」


フレンダ「……」

496: 2011/04/25(月) 22:24:58.15 ID:zPHr6zAW0

上条「お前ら……何をかんちが……」



上条に鋭い視線が突き刺さる。
そう、それはまるで汚物を見るような目つきだ。
上条はそう感じていた。



フレンダ「」グスッ


フレンダ「上条君のばかぁぁぁぁぁああ!!」ダダダッ


上条「フ、フレンダ!?」


絹旗「フレンダ!」


上条「き、絹旗!」スッ パシッ


絹旗「触ンな、この口リコンがァ!」ギロリ


上条「」


上条「…………え?」ガーン

497: 2011/04/25(月) 22:25:46.94 ID:zPHr6zAW0

絹旗「フレンダ、待って下さい!」ダダダッ



その時、上条の心の中で何かが砕け散った音がした。



垣根「お、俺は部屋に戻ってるから、嫁さんと二人で仲良くしててくれ!!」アセアセ


上条「……」


レッサー「あら、随分と気が利く方達ですね」ニッコリ


上条「レッサー君、ちょっとこっちにこようか……」


レッサー「はい?」



上条の今世紀最大の説教がレッサーに見舞わされた。
その後、垣根、フレンダ、絹旗への誤解も何とか解け、上条達は晩御飯にありついたのであった。

498: 2011/04/25(月) 22:26:35.13 ID:zPHr6zAW0

~ 食堂 ~



垣根「しかし、さっきはびっくりしたぜ」


絹旗「本当ですよ、さっきは超すみませんでした」


上条「いや、もういいって」


フレンダ「結局、あの子は学園都市の人間じゃないわけ?」


上条「まーな」


垣根「でも第三次世界大戦で一緒に行動してたんだろ?」


絹旗「能力者でもない女の子が戦争中のロシアで生き残れるとは超思えませんが……」


上条「まー、大事なのは能力だけじゃないってわけだよ」


フレンダ「……再度、確認なんだけどあの子は仲間であって、恋人ってわけじゃないってことよね?」

499: 2011/04/25(月) 22:27:27.29 ID:zPHr6zAW0

上条「ああ、そうだよ」


フレンダ「」ホッ


絹旗「よかったですね、フレンダ」ヒソヒソ


上条「?」


垣根「しかし青髪がいなくてよかったな」


フレンダ「え?」


垣根「あいつがいたら速攻で襲い掛かってたかもしれねぇ……」


上条「否定できねーな……」


絹旗「あの人のストライクゾーンは超広範囲ですからね……」


フレンダ(流石にちょっと青髪がかわいそうなわけよ……)

500: 2011/04/25(月) 22:28:06.12 ID:zPHr6zAW0

――――――



その頃、当の青髪ピアスは……



青ピ「へっくしょん!」


浜面「花粉症か?」


海原「今年は例年より花粉の量が多いみたいですからね」


滝壺「花粉は嫌い」


青ピ「いや、きっと何処かの美少女がボクの噂でもしてるんや」


海原「それは」


浜面「ない!」


滝壺「大丈夫。そんなポジティブ妄想マシーンのあおがみを私は応援する」


青ピ「……」

501: 2011/04/25(月) 22:28:51.45 ID:zPHr6zAW0

――――――



垣根「明日は15時で終わりだっけか?」


上条「ああ」


フレンダ「流石に2日連続で17時まで話だけを聞いてるのは……」


絹旗「超無理ってことです」


上条「明日は外部から講師招いてるみたいだぞー」


垣根「理事会もそんなことに金使ってんじゃねーよ」


絹旗「ですね。そんなことより私の給料を上げて欲しいです」


フレンダ「十分貰ってるでしょう……」


絹旗「将来の為の貯蓄もあるのです」


上条「貯蓄か……絹旗は若いのに先のこと考えて偉いな」

502: 2011/04/25(月) 22:29:40.78 ID:zPHr6zAW0

絹旗「そ、そうですかね?」


垣根「ああ。俺なんか2年間通帳記入してねぇからな」


上条「しなさすぎだろ!」


垣根「面倒くせぇんだよ」


フレンダ「確かにその気持ちは少しはわかるわけよ」



「隣いいかー?」



上条「ああ、どうぞ、って削板か?」


削板「おう!」


原谷「どうもー」


垣根「お前ら今から飯かよ? おせーな」

503: 2011/04/25(月) 22:30:36.95 ID:zPHr6zAW0

削板「ちょっくら2人でランニングしてたからな」


絹旗「ランニングなんて何年もしてませんね」


フレンダ「私も」


削板「なら今度一緒に走るか? 気持ちいいぞ?」


フレンダ「いや」


絹旗「超遠慮しときます」


削板「つれねーな、おい!」


上条「そういえば……心理定規は?」


原谷「心理定規さんなら一人で食べてるんじゃないんですか?」


削板「誘ったんだけどな断られてしまった」

504: 2011/04/25(月) 22:31:35.94 ID:zPHr6zAW0

上条「ふーん……」


フレンダ(なんで上条君、彼女のことを……)ジー


削板「うし、飯食うか! いただきます!」


原谷「いただきまーす」


削板「」バクバクバク


削板「」モグモグモグ


削板「うし! おかわり持ってくる! 原谷もいるか?」


原谷「僕はいいですよ」


削板「そっか!」


削板「ご~はん♪ ご~てん♪ ご~くう♪」

505: 2011/04/25(月) 22:32:34.31 ID:zPHr6zAW0

一同「」ポカーン


原谷「ん? どうしたんですか?」


上条「いや……その……」


垣根「すげぇ食いっぷりだな……」


原谷「ははは。見慣れれば大したことありませんよ」


絹旗「見慣れればって……」


フレンダ「見慣れてる方もどうかしてるわけよ」


垣根「まるでどっかのサイヤ人みたいだな……」


上条「だな……」


原谷「……何を隠そう削板さんは……サイヤ人の血をひいてますからね」

506: 2011/04/25(月) 22:33:19.19 ID:zPHr6zAW0

一同「えっ!!??」


垣根「マジかよ! すげーな!」


絹旗「通りで学園都市の研究者達でも能力が解明できなかったわけですね!」


原谷「すいません、冗談です」ニッコリ


一同「」ガクッ


一同「冗談かよ!!!!」


原谷「すいません」テヘヘ



削板「ん? みんなどうした?」



垣根「何でもねーよ、バーダック!」


削板「バーダック?」

517: 2011/04/28(木) 23:00:21.97 ID:31yLXLbt0

~ 20時 男性用大浴場 ~



垣根「結構いい風呂じゃねーか」


上条「そうだな。こんなに大きい湯船は上条さん初めてでありますよ」


垣根「ふーん……あっ、シャンプーとリンス忘れたから貸して」


上条「あいよ」



垣根「明日でこのくそつまんねー研修も終わりか」ゴシゴシ


上条「お前、寝すぎなんだよ」ゴシゴシ


垣根「生理現象なんだから仕方ねーだろうが」

518: 2011/04/28(木) 23:01:37.95 ID:31yLXLbt0

上条「ちょっと違うぞ……」



ガラガラ



削板「うぉー! でげー風呂だな!」


原谷「声大きいですよ……あと……」


上垣「……」


削板「おー、上条に垣根の兄ちゃんじゃねーか!」


上垣「……」


削板「ん? どうしたんだ?」


上垣「てめぇ、前隠せよ!!」

519: 2011/04/28(木) 23:02:14.22 ID:31yLXLbt0

削板「何故だ!?」


垣根「人のあれなんか見たくもねぇんだよ!!」


上条「お前、恥ずかしくないのか?」


削板「何を恥ずかしがらないといけないんだ? 男なら全員ついてるものだろうが」


原谷「この人に何を言っても無駄ですよ……」


削板「お前らも恥ずかしがってないでタオルを取れ!! ほら!!」ポイッ


上条「うわっ!!」


垣根「てめぇ!!」


原谷「ひぃぃぃ!!」

520: 2011/04/28(木) 23:03:27.51 ID:31yLXLbt0

~ 同時刻 女性用大浴場 ~



フレンダ「ふぅ~、いい湯ってわけよ」


絹旗「ちょっとおばさんくさいですよ、フレンダ」


フレンダ「私のどこがおばさんくさいわけよ!?」



「お隣いいかしら?」



フレンダ「?」


絹旗「あなたは……」



心理定規「こんばんは。アイテムの皆さん」ニッコリ



フレンダ「……わざわざ私達の近くに来なくてもスペースなら沢山あるわけよ」

521: 2011/04/28(木) 23:04:43.78 ID:31yLXLbt0

心理定規「あら、いいじゃない。元暗部者同士の裸のお付き合いも」


絹旗「」ジー


フレンダ「暗部ね……」


絹旗「……」


フレンダ「絹旗? どうしたの?」


心理定規「あら? 元気ないわね」


絹旗(私より確実に大きいです……)


絹旗(私のはいつ大きくなるんでしょうか……)ウーン


522: 2011/04/28(木) 23:05:28.21 ID:31yLXLbt0

フ心「?」







心理定規「いい湯加減だわ」


絹旗「ところで……」


心理定規「何かしら?」


絹旗「何故、貴女も風紀委員に超協力することにしたんですか?」


心理定規「……簡単なことよ」


絹フ「簡単なこと?」


心理定規「暇つぶしよ。暇つぶし」


絹旗「暇つぶし?」

523: 2011/04/28(木) 23:05:55.26 ID:31yLXLbt0

心理定規「そう。暗部もなくなったし、いつものアルバイトも飽きてきたしね」


フレンダ「風紀委員はそんなに甘くないわけよ」


心理定規「アイテムの皆さんで出来てるわけなのだから、私でも問題ないはずだけど?」


絹旗「」イラッ


フレンダ「」ムッ


心理定規「……なんてね。冗談よ。それに私達の支部には"あの馬鹿"がいるから実戦に関しては彼一人で十分なわけだしね」


絹旗「あの馬鹿?」


フレンダ「ナンバーセブンのこと?」


心理定規「そうよ」

524: 2011/04/28(木) 23:06:49.61 ID:31yLXLbt0

絹旗「そんなに強いんですか?」


心理定規「一度だけ彼の戦いを見たけど……少なくともあなた達のリーダーよりは強いはずよ」


フレンダ「麦野より!?」


絹旗「でも麦野は第4位ですよ。その麦野が第7位に負けるなんて……」


心理定規「忘れたのかしら? その順位が超能力者の強さに比例してるわけじゃないってことを」


フ絹「……あっ」


心理定規「……そういうことよ。それに無能力者がレベル5に勝つことだってあるわけだし」


絹旗「……」


フレンダ(無能力者……あっ、そういえば……)


525: 2011/04/28(木) 23:07:27.79 ID:31yLXLbt0

フレンダ「ねぇ……」


心理定規「何かしら?」


フレンダ「……朝、上条君に以前から興味あるって言ってたけど……それって……」


心理定規「あら、貴女彼のことが好きなの?」


フレンダ「!?」


フレンダ「……ええ、そうよ!」


絹旗(おー! フレンダ超男らしいです! あれ? 男?)


フレンダ「貴女も上条君に気があるの!?」

526: 2011/04/28(木) 23:09:08.37 ID:31yLXLbt0

心理定規「……さー、どうかしらね」クスッ


フレンダ「……」


心理定規「そろそろ失礼するわ」ジャボ


フレンダ「あっ、ちょっと!!」


心理定規「またね、アイテムのお二人さん」ニッコリ


フレンダ「むぅぅ……」


絹旗「軽くあしられましたね……」


フレンダ「あの態度が気に入らないわけよ!!」


絹旗「まー、そこは同感です」

527: 2011/04/28(木) 23:09:41.33 ID:31yLXLbt0

~ 21時 上条達の部屋 ~



削板「なぁー、上条」


上条「何だ?」


削板「朝、心理定規が言っていた『幻想頃し』って何のことなんだ?」


原谷(あっ、そんなこと言ってたような……)


上条「あー、これのことか」


そう言いながら、上条は自分の右手を握り締める。


上条「俺の右手は異能の力なら何でも打ち消すことが出来るんだ」


原谷「……え?」

528: 2011/04/28(木) 23:10:08.90 ID:31yLXLbt0

削板「そんな能力初めて聞いたぞ!」


垣根「そりゃーそうだろうが。なんせ上条もお前と同じ能力開発で得た力じゃないんだからな」


削板「何?」


原谷「そうなんですか!?」


上条「ああ。多分生まれた時から備わってたと思うけど……削板も同じなんだよな?」


削板「……ああ。俺も学園都市に来る前から今の力を持っていた。いつからかは覚えてないけどな!!」


原谷「いや、そこは覚えておいて下さいよ」


垣根「相変わらず適当な奴だな……」


原谷「しかし……本当に何でも打ち消せるんですか?」

529: 2011/04/28(木) 23:10:47.79 ID:31yLXLbt0

上条「ああ。見てみるか?」


原谷「……是非!!」


上条「垣根、悪いんだけど未元物質で適当に出してくれない?」


垣根「てめぇ……そんなんで俺の未元物質使うな」



と文句を言いながらも、垣根はある物体を生み出した。



削板「……これは何だ?」


垣根「そうだな……『未元座布団』とでも言っておくか」


原谷「座ってみてもいいですかね?」


垣根「ああ」

530: 2011/04/28(木) 23:12:52.41 ID:31yLXLbt0

原谷「うぉ!! 凄い座り心地がいい!!」


上条「よし、俺の右手で触れてみるぞ」



上条の右手が、垣根が生み出した物質に触れた瞬間、パーンっと音がしその物質は跡形もなく消え去った。



削板「座布団が……」


原谷「消えた……」


上条「――――まー、こんな感じだ」


原谷「す、す、す……」


削板「すげぇぇぇぇええな!! おい!!」


上条「え? そうか?」

531: 2011/04/28(木) 23:13:34.40 ID:31yLXLbt0

原谷「そうですよ!! こんな力初めて見ましたもん!!」


垣根「お前ら、目輝きすぎだろ……」


削板「……上条、今度俺と勝負してくれないか?」


上条「え、何の勝負だ? ウイイレ?」


原谷「あっ、ウイイレなら僕持ってきてますよー」


垣根「おっ、いいねぇ」


原谷「しかもリモコン4つ」ジャジャーン


上条「準備いいな! おい!」


上条「よし、削板! 勝負しようぜ!!」


削板「おっしゃー!! ウイイレやったことないけど根性で勝ってやる!!」

532: 2011/04/28(木) 23:14:04.07 ID:31yLXLbt0

―――― 2時間後



垣原「イエーイ!! 圧勝!!」


上条「削板、お前いい加減パスしろよ!!」


削板「何だと!? 男はいつでもシュートだ!!」


上条「……」


上条「いいぜ、削板……お前がパスをしないってんなら……」


上条「まずはそのふざけた幻想をぶっ頃す!!」


削板「上等だ!!」


削板(あれ? 何か違うような?)

533: 2011/04/28(木) 23:14:58.49 ID:31yLXLbt0









~ 同時刻 第10学区の路地裏 ~



「例の準備は出来たか?」


「ああ。これで能力者達はいないも同然だ」


「よし。やっとあいつらに復讐できるわけだ」


「研修合宿ならあいつらもそんなに武器も持ってないだろ」


「一気に警備員もむかつく能力者達も倒せるわけだな」


「よし、明日作戦を実行するぞ」


「「「「おう」」」」

544: 2011/04/29(金) 21:21:12.25 ID:RePDY/G50

毎度、コメント有難く思う今日この頃。

投下致します。

545: 2011/04/29(金) 21:22:25.46 ID:RePDY/G50

~ 研修合宿2日目 3月16日早朝 ~



ピピピー



上条「むぅ……」


上条(6時半か……そろそろ起きるか……)


上条「さて今日は15時までだし、もう少し頑張るとしますか」


削板「」グーグー


上条「ん?」


上条「……こいつ、何で床で寝てるんだ?」


原谷「ん……」ムクッ


上条「原谷、おはよう」

546: 2011/04/29(金) 21:24:48.19 ID:RePDY/G50

原谷「あ、おはようございます……」


上条「なんか削板が床で寝てるんだけど……」


原谷「あー……削板さんは寝相が悪いんで気にしないで下さい」メガネメガネ


上条「寝相が悪いって……」


削板「」グガァーグガァー


上条「こいつ、二段ベッドの上で寝てたはずだよな……」


垣根「」スピカースピカー


上条「この男も、へんな寝息してやがる」


原谷「未元寝息ってやつですか?」


上条「……なんでも未元つければいいってもんじゃねーぞ」

547: 2011/04/29(金) 21:25:18.77 ID:RePDY/G50

そして、2日目も順調に研修プログラムは続いていき、いよいよあの男の講演の時間になった。



上条「あと、1時間で終わりか」


垣根「……そろそろ起きるとするかな」


絹旗「長かったですね」


フレンダ「」ウトウト



削板「」グーグー


原谷「もう駄目だ、この人……」


心理定規「その馬鹿を起こすのは諦めた方がいいわ」


原谷「そうします……」



黄泉川「そんじゃー、最後はわざわざこの研修合宿の為にローマから来日して下さった方のお話じゃん」

548: 2011/04/29(金) 21:26:20.53 ID:RePDY/G50

アックア「……」


上条(ローマ? ローマと聞くと何か嫌な予感がするのですが?)


黄泉川「元ローマ正教、神の右席の右方のフィアンマさんじゃん!」


上条(なにぃぃぃぃぃぃぃい!?)


アックア(黄泉川先生、何故そのことを知ってるのである!? それに神の右席のポジションまで!?)アセアセ



ガラガラ



フィアンマ「……」スタスタ


アックア(本当に来たのである……)


黄泉川「んじゃー、フィアンマさん。よろしくじゃん」


549: 2011/04/29(金) 21:27:24.89 ID:RePDY/G50

フィアンマ「ふむ。俺様に任せろ」


黄泉川「頼もしいお言葉じゃん」



ナンダ?
ガイジンサンダ



一同(とりあえず……)


一同(赤い!!)


上条(なんで、フィアンマが講師を……)


フィアンマ「俺様は元ローマ正教、神の右席、右方のフィアンマだ」



ローマセイキョウ?
アレ、センソウアイテッテ



アックア(自分でローマ正教と名乗るな!!)


フィアンマ「貴様ら、幸福に思え」


一同「?」

550: 2011/04/29(金) 21:28:08.85 ID:RePDY/G50

フィアンマ「何故なら……この俺様の話を聞けるのだからな!!」


一同「」


垣根「なんだぁ……あの偉そうな奴は……」


絹旗「神のなんちゃらとか言うくらいですから、実際超偉いんじゃないんですか?」


フレンダ「キャラが濃すぎるってわけよ……」



心理定規(知らない顔ね……)


原谷「……赤い彗星……」


削板「」グーグー



おいおい。勘弁してくれよ、と言わんばかりに頭を抱える上条。



上条(フィアンマ……頼むから問題起こさないでくれ……)

551: 2011/04/29(金) 21:28:54.99 ID:RePDY/G50

フィアンマ「それでは早速、俺様の話を始めてやる」


フィアンマ「まずは―――――――――」



ドォォォォォン!!とフィアンマが何か言いかけた瞬間、会議室内に大きな爆発音が響き渡った。



「!?」


ナンダ?
ナニガオキタ?



黄泉川「まずは状況確認するじゃんよ!」


警備員「はい!」


黄泉川「風紀委員達はそのまま待機!!」



上条「な、何だ?」


フレンダ「爆発音がしたわね」


絹旗「殴りこみですかね?」


垣根「警備員と風紀委員がいる所に殴りこむ馬鹿はいねーだろ」

552: 2011/04/29(金) 21:30:00.04 ID:RePDY/G50

心理定規「あら、物騒ね」


削板「ん?」ムクッ


原谷「またトラブルに巻き込まれる予感が……」



原谷の予感は的中した。
再度、ドォォォォォン!!と大きな音がしたと同時に大会議室の壁が大きく破壊された。



不良A「復讐しにきたぜ!! クソ警備員どもぉぉぉ!!」


黄泉川「お、お前は……以前連続暴行事件で拘束した……」


不良A「そうだ、お前らのせいで少年院に行くハメになっちまった」


不良A「今日はその復讐にしにきたわけだぁぁぁ!! お前ら入ってこい!!」



ぞろぞろとスキルアウト達が、自分達で破壊した壁の大きな穴から大会議室へ侵入してくる。



不良A「丁度よく、風紀委員達もいやがんなぁ」ニヤリ

553: 2011/04/29(金) 21:31:37.64 ID:RePDY/G50

警備員「馬鹿か、お前!! 警備員とこれだけの風紀委員相手に勝てると思ってるのか!?」


不良A「勝てるさ、オイ!」


不良B、C、D、E「おう!」



スキルアウトの複数の少年達が、音響機器と思われる機械を自身の鞄の中から取り出した。
そして、少年達がスイッチらしきものを押すと異音が会議室内に鳴り響く。



絹旗「……うぐっ!?」


フレンダ「うぅぅ……頭が……」


垣根(あれは……)


上条「絹旗、フレンダ、どうした!?」



心理定規「うぅ……」


原谷「……これは……ゼロシステム?」


削板「原谷、心理定規、どうした!?」


554: 2011/04/29(金) 21:32:25.51 ID:RePDY/G50

次々と風紀委員の者達が苦悶の表情を浮かべ、頭を抱える。
黄泉川は、その光景を目の当たりにし一つの兵器を思い出した。



黄泉川「あれは……まさか!?」


不良A「そうだよ、キャパシティーダウンだ!!」


黄泉川「何故お前達が!? それにあれはもっと大きく……」


不良A「おいおい、科学は日々進歩しているんだぜ。いつまでも同じ大きさなわけがないだろう」


アックア「黄泉川先生、あれは何なのである?」


黄泉川「キャパシティーダウン。音響を利用し能力者達の演算能力を大幅に抑える兵器じゃんよ」


アックア「そんなものがあったのであるか……」


黄泉川「詳しくはウィキペディア参照じゃん!」

555: 2011/04/29(金) 21:33:31.03 ID:RePDY/G50

アックア「うむ。了解したのである」



そう返答すると、アックアは会議室に置かれているノートパソコンに手をかけ、
同僚の木原に教わったネットサーフィンをしだした。
動作はぎこちないながらも、アックアは自身のPCスキルが上がっていることを感じた。



アックア(まずはインターネットエクスプローラーをダブルするのであったな)


アックア(今日はスムーズに開けたのである!! IEのバージョンは127であるか。最新であるな)


アックア(む? トップページはグーゲルであるか。ヤヒーの方が好みなのだが……)


アックア「」ポチポチ


黄泉川「いや、調べるのは後ででいいじゃんよ……」


不良達「」ポカーン


不良A「まーいいや……というわけで、警備員、風紀委員共々叩き潰してやるぜぇぇぇ!!」


黄泉川「くっ!?」


黄泉川(まさかここが狙われるなんて予想外じゃんよ! 武器も……)

556: 2011/04/29(金) 21:35:12.35 ID:RePDY/G50

上条(くそっ!! スキルアウト相手じゃ俺の幻想頃しも役に立たねぇ……)


上条(あの人数相手に拳だけってのも無理がある……相手は拳銃やら凶器も持ってやがるし……)


上条(あれ、そういえば何か忘れてるような……)



フィアンマ「おい、貴様ら」


不良A「あん?」


フィアンマ「誰の邪魔をしていると思っている?」


不良B「は? 何だこの赤いの?」


フィアンマ「質問に答えろ。誰の邪魔をしていると思っているのだ?」


不良C「うっせーよ! 警備員でもねーなら邪魔だ! どっかいってろ!!」


フィアンマ「……」

557: 2011/04/29(金) 21:36:08.51 ID:RePDY/G50

フィアンマ「ふむ。どうやら言葉が通じる相手ではなさそうだな」



そう言い終えると、フィアンマの右肩辺りから『第三の腕』が突如として出現される。
スキルアウト、警備員、風紀委員達はこの世のものとは思えない、不思議な物質を目の当たりにし驚愕した。



不良A「……な、なんだ……それは……」


黄泉川「……」



心理定規(垣根と同じ未元物質? でもそれとは違うような……)


削板「すげー……すげーよ、おい」


原谷「」REC



垣根「なんなんだ、ありゃ……」


絹旗「ち、超ありえないです……」


フレンダ「気味が悪いわけよ……」

558: 2011/04/29(金) 21:37:00.93 ID:RePDY/G50

上条(フィアンマの奴、まさか!?)


上条「フィアンマ!!」



フィアンマ「ん?」


フィアンマ「……安心しろ、上条当麻。命は取らん。少々痛い目にあってもらうだけだ」


上条「そっか」ホッ


フィアンマ「……アックア、いつまで遊んでいる? お前も手伝え」


アックア「……うむ」



不良A「……お前、能力者か? 何故キャパシティーダウンが効かねー?」


フィアンマ「ふっ、滑稽だな」


不良A「何だと?」


フィアンマ「俺様のこの力を、超能力"如き"と一緒にするなよ」


不良A「なんだと?」

559: 2011/04/29(金) 21:40:00.23 ID:RePDY/G50

フィアンマ(敵は50人程か……殺さないよう力加減をしなければな……)


フィアンマ「アックア、お前は風紀委員達を守れ」


アックア「了解した」



フィアンマ「さて……俺様の講演を潰した罪は重いぞ。少年よ」


不良A「っち……」


不良A「てめぇぇら! やっちまぇぇぇぇええ!!」



リーダーの少年の号令と共に、凶器を持った少年達が一斉にフィアンマを狙う。



フィアンマ「ふん」



元ローマ正教最強の魔術師は、軽く吐き捨てるとゆっくりと第三の腕をスキルアウト達に向け軽く振りかざした。
たったそれだけで、大勢のスキルアウト達が吹っ飛ばされていく。
彼の前では拳銃やナイフなどは凶器としての役割を全く果たせず意味のない物に過ぎなかった。



フィアンマ「力加減はこのくらいか……」


アックア(相変わらず、理解不能な攻撃である)

560: 2011/04/29(金) 21:41:20.62 ID:RePDY/G50

不良A「」


不良A(何なんだ……こいつは!!)



垣根「すげーな、おい」ゴクリ


上条(よく勝てたな、俺……)



不良A「ちっ……おい、風紀委員達もやっちまえ!!」


「「「おう」」」


無数の拳銃が風紀委員達に向けられる。
その瞬間、スキルアウトと風紀委員達の間に一人の警備員が立ち塞がる。



アックア「風紀委員をやりたいのなら、この私を倒してからにするのである」


不良F「氏ね、おっさん」



ズキューン、と1発の拳銃の弾が警備員に放たれる。
その警備員は回避行動をせず、ただ立ち塞がっているだけだった。
その結果、拳銃の弾は警備員にこめかみに命中した。
だが、拳銃で撃たれたはずの警備員の男はまるで何事もなかったかのようにスキルアウトの少年に告げた。



アックア「ふむ。そんな物騒な物を人に向けてはいけないのである」


不良F「」


561: 2011/04/29(金) 21:42:16.01 ID:RePDY/G50

不良F「…………は? 何で生きてやがる……」


アックア「私をこんな物で倒せると思ったのなら、既に貴様達の負けは確定しているのである」



そうい言い放つと、一人の警備員の男はスキルアウトの少年の目の前までゆっくりと進んだ。
スキルアウトの少年は恐怖を感じていた。
それもそうだろう。拳銃の弾がこめかみに命中しているのに、目の前の男は無傷のまま自分に向かって来ているのだから。



不良F「あ、あ……」


アックア「お仕置きである」



スキルアウトの少年の額に、警備員の男の手の甲がかざされる。
ポン、と音がしたと同時にスキルアウトの少年は後方10メートルまで吹き飛ばされた。



不良F「ぐがぁぁぁぁぁぁあ!!??」


アックア「ぬ? 少し強すぎたか……」


不良F「…………」


不良達「」ポカーン

562: 2011/04/29(金) 21:43:04.23 ID:RePDY/G50

フレンダ「で、デコピンであそこまで……」


垣根「肉体強化系の能力者か」


絹旗「……ですかね」



フィアンマ「おい、少しは手加減をしてやれ」


アックア「十分したつもりだったんだが……力加減が難しいのである」


不良A(なんなんだ……こいつらは一体……何なんだよぉぉぉぉぉ!!)



削板「」ワナワナ


心理定規「ど、どうしたの?」


削板「……」


削板「駄目だ、我慢できねぇ……」


心理定規「え?」



削板はそう言うと、苦痛の表情を浮かべている心理定規の言葉を無視して一気に机から飛び降り、フィアンマの隣に降り立った。



削板「すげーな、おい! こんなすげーのは"あいつ"以来だぜ」


フィアンマ「……なんだ?」

563: 2011/04/29(金) 21:44:59.56 ID:RePDY/G50

削板「俺も助太刀するぜ!! 悪者を退治だぜぇぇぇぇええ!!」


フィアンマ「貴様はあのキャパシティーダウンとやらは効いていないのか?」


削板「おう! ちょっとうるさいくらいだ!」


不良A「何!?」


不良A(機械の故障か!? いや、他の風紀委員達にはちゃんと効いている……)


不良A(キャパシティーダウンが効かない能力者……)


不良A「てめぇ……レベル5か?」


削板「いかにも。俺が学園都市第7位の削板軍覇だぁぁぁぁああ!!」


不良A「……まさかこんな大物が風紀委員にいるとはな! くそったれが!!」


不良A(しかし、レベル5にだって多少の演算能力は奪えるはずだ……だが奴は……)


フィアンマ(面白い奴だな……削板軍覇か。削板? ん?)


フィアンマ(そういえば以前オッレルスが……)


564: 2011/04/29(金) 21:46:07.96 ID:RePDY/G50

フィアンマ「そうか……お前が世界最高の原石か」


削板「ん? そういえば、そんなことあの外人が言ってたな」


フィアンマ(面白い……まさかここでオッレルスが言っていた逸材に出会えるとはな)


フィアンマ「助太刀するのは構わないが……俺の足を引っ張るなよ?」


削板「ん? 何で味方の足を引っ張る必要があるんだ? そんなことしたら立ってられないだろ」


フィアンマ「……」


フィアンマ「まー、いい……ではいくぞ」


削板「おう!」


不良A「くそっ!! あいつら頃したって構わねぇ!! やっちまぇぇええ!!」


「「「「「「おう」」」」」」


フィアンマ「学習しない連中だ」

565: 2011/04/29(金) 21:46:44.75 ID:RePDY/G50

削板「うぉぉぉぉぉぉっぉおおお!!」


削板「改すごいパーンチ!!」



削板の右拳がスキルアウトの集団に向けて突き出される。
たったそれだけで数人のスキルアウトが吹っ飛ばされ壁に激突される。



不良達「ぐがぁぁぁああ!!?」


フィアンマ「ほほう。これが説明ができない力というものか」


削板「これが俺の新念動砲弾だぁぁぁああ!!」



不良A(……ここは一旦逃げるしかねぇぇぇ!!)ダダダッ


上条(あ、あいつ!!)


上条「垣根、ちょっと……」


垣根「あん?」



黄泉川「……とりあえず私らは風紀委員達を保護するじゃん」


警備員「はい」


黄泉川(悔しいけど、今の私達はそれくらいしか出来ないじゃんよ……)

566: 2011/04/29(金) 21:47:37.91 ID:RePDY/G50


フィアンマ、アックア、削板がスキルアウトの集団を一方的に潰している頃、
リーダー格の少年は一人研修センターを飛び出していた。



不良A(クソッ! 入念に計画したのによ……)


「おい!」



空から髪がツンツンの少年とホスト風の少年の二人が舞い降り、リーダー各の少年の目の前に立ちふさがった。
片方の男の背中には大きく、真っ白な翼が生えていた。



不良A「くっ!?」


上条「逃がさねーぞ!!」


不良A「てめぇら……風紀委員か……」ギロッ


垣根「情けねぇな、主犯が尻を揺らして逃げるとはな」ニヤリ


上条「それを言うなら尻尾を巻いて逃げるだ」


垣根「……」

567: 2011/04/29(金) 21:48:37.97 ID:RePDY/G50

不良A「どけ……邪魔だ……」


上条「……逃げんのかよ?」


不良A「……はぁ?」


上条「目的はどうであれ、お前らの仲間はあの中にいる。お前はそれを置いて逃げるのかって聞いてるんだよ!!」


不良A「……」


不良A「逃げるさ……当たり前だろ」


上条「!?」


不良A「仲間なんかいくらでもいる。あいつらを見捨てたってまた代わりを探せばいいんだしな」


上条「てめぇ……」


垣根「根性が腐ってやがんな」


上条「いいぜ、お前が仲間を見捨ててまで逃げ出したいってんなら……」


上条「まずは……そのふざけた幻想をぶっ頃す!!」

578: 2011/05/01(日) 22:13:05.48 ID:fUPKLwBM0

不良A「はん! やってみろよ!! 風紀委員!!」


上条「垣根、お前は手出さないでくれ。俺が一人でやる」


垣根「あいよ」


不良A「……一人できやがるか……いちいちむかつく野郎だ」



リーダー格の少年が、上条に向けて左手を振りかざす。
不適な笑みを浮かべて……



不良A「一撃で終わらせてやる」


上条「!?」



そう言うと、上条に向けた左手に小さなプラズマが生み出された。
生み出されたプラズマは徐々に大きさを変えていく。



上条「発電能力者か!?」

579: 2011/05/01(日) 22:13:59.21 ID:fUPKLwBM0

不良A「そうだ。俺はレベル3の電撃使いなんだよ」


上条「なに?」


垣根「……さっきのキャパシティーダウン作動させた時は、影響なさそうに見えたが」


不良A「はんっ! 対策用のイヤホンをしてたんだよ。能力者の俺が何の対策もしないでキャパシティーダウンを使うわけねーだろうが」


上条「対策用のイヤホンだと?」


垣根「流石、学園都市。くだらねぇ物がどんどん作られてきやがる」


不良A「……さてと、無駄話はここまでにしとくか。くたばれ!!」



上条に向け、サッカーボール程の大きさの塊りの電撃が放たれる。
その衝撃で、砂嵐が巻き散りリーダー各の少年の視界を埋め尽くす。

580: 2011/05/01(日) 22:15:09.01 ID:fUPKLwBM0

不良A「…………へっ、ざまぁみやがれ」



笑みを浮かべ、リーダー各の少年は、勝利の余韻に浸った。
だが、次の瞬間その余韻は一気に吹き飛んだ。



上条「……結構やるじゃねーか」


垣根「おいおい、口に砂が入っちまったじゃねーか」


垣根「ちょっとうがいしてくる!」


不良A「――――――ッ!?」


不良A「……何故だ……何故、無傷で立ってやがる!?」


上条「……こちとら、もっと強烈な電撃をよく浴びされてたもんでな」


上条「次はこっちの番だな!」

581: 2011/05/01(日) 22:15:53.17 ID:fUPKLwBM0

不良A「ちっ!?」


垣根「がらがら~、ぺっ!!」



上条は笑みを浮かべ、己の右拳を強く握り締めリーダー各の少年に向け一気に迫る。
対するリーダー格の少年も上条に向かい、前に踏み込む。
そして、垣根は入念にうがいを繰り返す。
拳と拳がそれぞれの顔面に叩き付けられた。リーダー格の少年がぐらりとバランスを崩し倒れこんだ。
勝負は一発で決着がついた。



上条「しばらく、頭を冷やして来い」


不良A「く、くそったれが……」



そういい残すと、リーダー格の少年は上条を睨みつけながら意識を失っていった。



垣根「終わった?」


上条「……ああ。終わったよ」



582: 2011/05/01(日) 22:17:18.83 ID:fUPKLwBM0








上条「いててて……」


フレンダ「はい、動かないの」



研修センター内のスキルアウトによる暴動は、元ローマ正教最強の魔術師、最強の警備員、世界最高の原石により完全に沈下していた。
フレンダと絹旗は、上条達を追い研修センターの外に出ていた。
上条は軽く唇を切っただけだったが、フレンダに手当てを受けていた。



絹旗「結局、上条さんがおいしいところどりですか……」


垣根「だな」


上条「いや、おいしいところどりって……」


フレンダ「はい、これでおしまい」


上条「ありがとな、フレンダ」

583: 2011/05/01(日) 22:18:01.34 ID:fUPKLwBM0

フレンダ「ううん」


絹旗「」ニヤリ


フレンダ「な、なによ?」


絹旗「別に……超なんでもないです」クスッ


フレンダ「その微笑がむかつくわけよ」


上条「ははは」



ヒュン



「「「「!?」」」」



青ピ「あれ、もう終わってるやん」

584: 2011/05/01(日) 22:18:50.59 ID:fUPKLwBM0

固法「本当ね」


麦野「ちっ、つまらないわね……久々に暴れると思ってたのに」


黒子「……久々にって、ついこの間も暴行魔を病院送りにしたのは誰ですの?」


麦野「うぐっ!?」



絹旗「あれ、どうしたんですか?」


固法「どうしたもこうしたも、第7学区内で事件が起きたんだから私達が出向くのは当たり前でしょ?」


絹旗「あっ、そうでしたね」


垣根「固法さんが現場に出向くなんて、珍しいな」


固法「たまにはね。支部は土御門君と海原君に任せてあるし」

585: 2011/05/01(日) 22:20:01.57 ID:fUPKLwBM0

固法「……と言っても、もう解決済のようね」


フレンダ「まーね。ありえない怪物達がいたわけよ」


絹旗「」コクリコクリ


固法「怪物? とりあえず、現在の状況を詳しく教えてくれるかしら?」


絹旗「は、はい」









固法「――――――――そう。では私達は黄泉川先生の所に参りましょう。上条君達はここで待機ね」

586: 2011/05/01(日) 22:20:36.86 ID:fUPKLwBM0

青ピ「了解や」


麦野「はいよー」


黒子「はいですの」



ヒュン



上条「相変わらず便利な能力ですこと」


垣根「そういえばよ……」


上条「ん?」


垣根「お前、あの赤い奴の知り合いなのか?」


上条「」ドキッ


垣根「あいつが変な物質出したとき、お前大声で名前叫んでたよな?」

587: 2011/05/01(日) 22:21:24.78 ID:fUPKLwBM0

フレンダ「あっ、確かに」


絹旗「上条さん、あの怪物と超お知り合いなんですか?」


垣根「あれって、どんな能力なんだよ?」


上条「……」


上条(やばい!! どう説明する……魔術って言うわけにもいかねーし……)


上条(うーん……)


上条「えっと……フィアンマは俺の父さんのお友達なんだ」


垣根「お前の父親の?」


上条「ああ。俺の父さんは仕事で世界を駆け巡っててな。ローマで知り合ってから仲がいいんだよ」

588: 2011/05/01(日) 22:22:08.21 ID:fUPKLwBM0

フレンダ「世界を駆け巡る仕事ってかっこいいわけよ」


上条「んで俺も父さんを介して、フィアンマと交流があるわけだ」


絹旗「なるほど。超グローバルコミニケーションですね」


上条(ほっ……我ながらよく思いついたぜ……)


垣根「なるほどな……んであの力は一体何なんだ?」


上条「」ギクッ



「そいつに聞いても無駄だぞ」



一同「!?」


フィアンマ「久しぶりだな。上条当麻」


上条「フィアンマ……」

589: 2011/05/01(日) 22:22:54.39 ID:fUPKLwBM0

フィアンマ「そこの茶髪の奴」


垣根「あん?」


フィアンマ「俺様の力を知りたいか?」


垣根「……いちいち、自分のことを俺様って言うんじゃねーよ」


フィアンマ「自分称くらい俺様の好きにさせろよ、少年」


垣根「……ムカつく野郎だな、おい」


フィアンマ「カルシウムが足りないんじゃないか?」ニヤリ


垣根「……この野郎」ギロッ


フレンダ(ひぃぃぃぃぃ!!)


絹旗(あわわわわわ!!)

590: 2011/05/01(日) 22:23:45.33 ID:fUPKLwBM0

上条(なんで喧嘩モードになってんだよ……)



「やめ、やめー!!」



垣フ「ん?」


削板「せっかく事件が解決したんだし、野暮なことはなしにしようぜ!」


フィアンマ「何だ、貴様か」


垣根「邪魔すんな、ナンバーセブン。こいつは一回殴らないと気がすまねぇ」


フィアンマ「貴様では俺様に触れることさえできやせんよ。身の程を知れ」


垣根「んだとぉぉぉぉ!!??」


削板「だぁぁぁぁぁぁあああ!!」


フ垣「っ!?」

591: 2011/05/01(日) 22:24:27.82 ID:fUPKLwBM0

削板「余計な争いはやめろ!! どうしてもやるってんならこの俺を倒してからにしろぉぉぉ!!」


垣根「……」


フィアンマ「……」


上フ絹「」ドキドキ


垣根「……ちっ、わーったよ。やらねーよ」


フィアンマ「ふむ。ここは貴様の言うことを受け入れてやる」


削板「わかってくれてよかったぜ! 流石、根性ある奴らだ!!」


上フ絹「」ホッ


フィアンマ「おい、茶髪の少年」


垣根「あ?」

592: 2011/05/01(日) 22:25:07.80 ID:fUPKLwBM0

フィアンマ「俺様の力を教えてやる。そこの白い奴と一緒だ」


垣根「ナンバーセブンと一緒? どういう意味だ?」


フィアンマ「ようは……説明できない力だ(ふむ、こんな説明でいいだろう)」


垣根「ちっ、てめぇも原石って奴かよ」


削板「おー、赤い兄ちゃんも俺と一緒だったのか!!」


フィアンマ「……そういうことだ」


フィアンマ「……さて、俺は行くとする」


上条「……また旅に出るのか?」


フィアンマ「じゃじゃ馬娘が一匹、ついてくるがな」

593: 2011/05/01(日) 22:28:09.36 ID:fUPKLwBM0

上条「フィアンマ」チョイチョイ


フィアンマ「なんだ?」


上条「魔術のこと言わなかったの気使ってくれたの?」ヒソヒソ


フィアンマ「……まだ学園都市に魔術の存在を明かすのは、時期尚早みたいだからな」ヒソヒソ


一同「?」


上条「そっか……ありがとな」


フィアンマ「何がだ?」


上条「俺達を助けてくれたことだよ」


フィアンマ「ふっ、そんなのお前に比べたら大したことはないだろ」

594: 2011/05/01(日) 22:28:51.60 ID:fUPKLwBM0

上条「そんなことねーよ。感謝するよ、フィアンマ」


フィアンマ「……まさか、お前に感謝される日が来るとはな」フッ


上条「んじゃー、またな」


フィアンマ「またな、か……」


削板「じゃあーな! 赤い兄ちゃん!!」


垣根「けっ!!」


フィアンマ「さらばだ、科学で無知な少年達」


一同「?」


上条(おい!!)



そう言い残し元ローマ正教最強の魔術師の男は、その晩一人の少女を連れ学園都市をあとにした。
新たなる目的地を目指して。

595: 2011/05/01(日) 22:29:58.21 ID:fUPKLwBM0


削板「さて、帰るとするかな」


原谷「そうですね。とんでもない研修合宿になっちゃいましたけど、また会いましょう」


上条「おう! 暇な時は遊ぼうぜ」


原谷「はい!」


垣根(また電話帳の登録が増えた……)ニヘラ



心理定規(全く……とんでもない目にあったわね)


心理定規(さっさと帰りましょ)



フレンダ「あっ」


心理定規「あら?」

596: 2011/05/01(日) 22:30:32.44 ID:fUPKLwBM0

心理定規「あなた達も今からお帰りかしら?」


フレンダ「ま、まーね」


心理定規「そう……お互い災難だったわね」


フレンダ「もうキャパシティーダウンはこりごりってわけよ」


心理定規「……同感だわ」


心理定規「……じゃあー、私は帰るから。また機会があればお会いしましょ」


フレンダ「あっ……」


心理定規「……あっ、そうそう」


フレンダ「?」

597: 2011/05/01(日) 22:31:05.96 ID:fUPKLwBM0

心理定規「『幻想頃し』のことなんだけどね」


フレンダ「」ドキッ


心理定規「安心して。異性として興味があるわけじゃないから」


フレンダ「…………え?」


心理定規「それに私には……」チラッ



削板「おーい! 心理定規帰ろうぜ!!」



心理定規「…………何でもないわ」


心理定規「それじゃーね。絹旗さんにもよろしく」


フレンダ「う、うん」

598: 2011/05/01(日) 22:31:49.98 ID:fUPKLwBM0

削板「置いてくぞー!!」


心理定規「……なら先に帰ってればいいじゃない」


削板「可愛くない奴だなー」


心理定規「せっかちな男は嫌われるわよ」


削板「俺のどこがせっかちなんだ!!」


原谷「ははは……」




フレンダ「……」


絹旗「フレンダ、お待たせです」


フレンダ「あっ、うん」


絹旗「あの女と何、話してたんですか?」

599: 2011/05/01(日) 22:32:37.15 ID:fUPKLwBM0

フレンダ「……」


フレンダ「内緒」


絹旗「ぬ!? 気になりますね」


フレンダ「……とりあえず、思ったより悪い人じゃないかもね」


絹旗「……え?」



上条「お、フレンダと絹旗来たか」


垣根「おせーよ!」


フレンダ「女子には、準備にそれなりに時間がかかるわけよ」


絹旗「そういうことです」

600: 2011/05/01(日) 22:33:30.12 ID:fUPKLwBM0

上条「よし、それじゃー……帰りますか」


垣根「おう」


フレンダ「うん」


絹旗「はい」



その後、元ローマ正教の魔術師、最強の警備員、世界最高の原石が暴れた研修センターの復興には1ヶ月かかった。
噂によると暴れすぎて施設を滅茶苦茶にした結果、最強の警備員は当月の給料の2割をカット。
世界最高の原石は一番暴れたらしく3ヶ月間、ただ働きをしたとかしなかったとか……



アックア「ちなみに私は、そこまで暴れていないのある」


黄泉川「ウィリアム先生、誰に言ってるじゃんよ」



削板「なぜだぁぁぁぁぁぁぁああ!!」


心理定規「急に叫ばないでよ」


614: 2011/05/02(月) 21:21:25.30 ID:8SGExZ8/0

最近気づいたんだ

では投下します!

今日はGTA第3話から

615: 2011/05/02(月) 21:22:19.18 ID:8SGExZ8/0

Great Teacher Amata

第3話「マイ・リスペクツ・ティーチャー」



職員室。その名のとおり学校の職員達がいる所だ。
先生の数は、30名程。このレベルの学校なら妥当な数だろう。
正直、この武里高校は学園都市の中でも下の上位のレベルだ。
この学校は、レベル0やレベル1の生徒を少しでも上のレベルに上げるようなカリキュラムがメインだ。
こう言っちゃ失礼だが、大体の先生達は長点上機や霧が丘女学院で教師をやれるレベルではない。
ただ、この武里高校の教師の中にもトップクラスの高校の教師をしていても不思議じゃない先生がいる。
それがこの……



「木原先生、おはようなのですよー」


「おはようございます! 小萌先生!!」



そう、この方こそ俺の憧れの教師、月詠小萌先生だ。
見た目は小学生にしか見えねーが、大学も卒業しており、俺よりも酒豪だ!
どの位憧れてるかというとだな、一方通行⇒上条当麻位に憧れているんだよ、ってキハラはキハラは上手く例えてみる!
……くそったれがぁ、自分で言っておいて、自分に殺意が芽生えてきやがる!!
まー、そんなことはどうでもいい。とにかく生徒達の小萌先生に対する信頼感がものすげぇんだ。
例えるなら、そうだな……日本ハムのダルビッシ○みたいな感じだ。



「今日も早いっすね。小萌先生は」


「もう少しでシステムスキャンですからね」

616: 2011/05/02(月) 21:23:57.33 ID:8SGExZ8/0

「あー、もうじきっすね。今度こそレベル2か3くらいの生徒が出てくれるといいっすね」


「それを毎日、祈ってるのですよ」



小萌先生は、職員室の中で存在が天空まで浮いてた俺に声を掛けてくれた方だ。
最初は、おいおい、何小学生が高校にいるんだよ!って突っ込んじまったがな……
だが、小萌先生が声を掛けてくれたおかげでなんとか上手くやっている。



「おはようなのである」


「ウィリアム先生、おはようなのです」


「おはようっす」


「……今日も二人に負けたであるか」


「そりゃー、車通勤の俺達がキックボード通勤のウィリアム先生には負けるわけないぜ」


「ウィリアム先生は、車の免許持ってないのです?」


「……科学にちょっと疎くて、免許は取得していないのである」



このナイ○のゴルフウェアをいつも着ている渋い方がウィリアム・オルウェル先生だ。
俺と同時期に赴任した英語教師だ。
イギリス人で、ここに来る以前はローマで『神の右席』という飲み屋でオーナーをしていたらしい。
うたい文句は「その涙の理由を酒と金に変える者」だそうだ。
寡黙な人だが、中々天然なところがあって面白いんだぜ?

617: 2011/05/02(月) 21:24:57.11 ID:8SGExZ8/0


「そういえば、木原先生もウィリアム先生も一時限目の授業の準備しないでいいのですかー?」


「おっと、やべー!!」


「ぬ、忘れてたのである」


「せっかく早く来たんですから、準備も早くすませるのですよー」


「うぃーっす」


「了解なのである」


「ぬ!?」


「どうしたんだ?」


「英語の教科書ではなく……間違って『けいおん』第1巻をを持ってきてしまったのである」


「……」


「……」


「まいったのである……」


「だから、教科書は机の中に入れておけばいいって言ったのによー」


618: 2011/05/02(月) 21:26:30.87 ID:8SGExZ8/0

「……ウィリアム先生は、後で『すけすけ見る見る』の刑なのです」


「「なっ!?」」



『すけすけ見る見る』言葉にすれば卑猥に聞こえるが、内容は半端じゃねぇ。
『すけすけ見る見る』とは透視能力用の時間割りで、目隠しポーカー10連続勝利がクリア条件のゲームだ。
以前、興味本位で俺とウィリアム先生は、小萌先生に『すけすけ見る見る』をお願いしたが、クリアできなく一晩帰して貰えなかったことがある。
そのせいで、俺は『IS 正式名称インフィニット・ストラトス』の11話が見れなかったんだ。くそったれが!! ラウラ!!



「それは勘弁して欲しいのである……」


「小萌先生、俺からもお願いするぜ」


「……」



小萌の手から、傭兵出身の教師に英語の教科書が渡される。



「これは……」


「冗談なのですよー。これはウィリアム先生が私の机に置き忘れていったものなのです」


「いや、しかし私は自分の家に……」


「私は何も聞こえないのですよー」



流石、小萌先生……粋なことをするぜ。
いわば、アメとムチって奴だな。俺もここは見習わないといけねーな。
なんせ、『猟犬部隊』にいたときはムチ! ムチ! ムチ! だったからな。
あいつら、元気に農作やってっかな?
……おっと、感傷に浸ってる場合じゃねー!! そろそろ朝礼の始まりだぜ!!



第3話 おわり


619: 2011/05/02(月) 21:28:06.56 ID:8SGExZ8/0

本編投下するんだよ!

620: 2011/05/02(月) 21:30:28.44 ID:8SGExZ8/0

~ 3月20日 ~



滝壺(今日もぽかぽかして暖かい)



滝壺理后はセブンスミスト前で一人の少年を待っていた。
街中は、春休みということもあり多くの人達が行き交っていた。



滝壺(お腹が空いてきたかも……あっ、来た)


「遅くなりまして申し訳ございません」


滝壺「私もさっき来たところだから」


「そうでしたか。では早速行きますか」


滝壺「……その前に、お昼に行きたいかも」


「……11時半ですからね。ではそうしましょう」


滝壺「ありがとう」

621: 2011/05/02(月) 21:31:25.70 ID:8SGExZ8/0

「場所は……」


滝壺「流石に、いつもあそこだと悪いからうなばらに任せる」


海原「かしこまりました。では参りましょう」


滝壺「うん」



その頃、滝壺と海原の同僚である青髪ピアスと絹旗最愛はセブンスミストに向っていた。



絹旗「次は午後1時半からなので1時にはお店を出ましょう」


青ピ「了解や」


絹旗「……しかし、今日は朝からいいB級映画に巡り会えて超ラッキーでした」


青ピ「ははは……それはよかったやん」

622: 2011/05/02(月) 21:32:17.80 ID:8SGExZ8/0

絹旗「ぬ? あまり興味がなさそうなお返事ですね」


青ピ「」ビクッ


青ピ「そ、そんなことあらへんで?」アセアセ


絹旗「……ならいいんですが」


青ピ(一瞬でもデートを期待したボクが馬鹿やったな……浜面もよう付き合ってたわ……)



絹旗「あれ? あれは滝壺さんと海原さんじゃないですか?」


青ピ「あれ、本当や」


絹旗「……2人っきりみたいですね」


青ピ「仲ええな~」

623: 2011/05/02(月) 21:33:16.21 ID:8SGExZ8/0

絹旗「……これは臭いますね」


青ピ「え!?」ビクッ


青ピ(しもーた……昨日『とある裸族』見たまま風呂入らんで寝てしもうたからな……)


青ピ「……そんな臭う?」


絹旗「青髪さん、忘れたんですか? 滝壺が大晦日に上条さんのお家で言った寝言を……」


青ピ(あっ、ボクの体臭やなかったんや……)


青ピ「あー……そういえば……」


絹旗「上条さんには、海原さんには他に好きな人がいるからありえないと言われましたが怪しい臭いがプンプンします」


青ピ「……つまり、滝壺ちゃんが二股をしていると?」


絹旗「そこまでは断言はしてませんが……」

624: 2011/05/02(月) 21:34:10.42 ID:8SGExZ8/0

青ピ「まー、ビジュアル的に浜面より海原君の方が滝壺ちゃんにはお似合いやからな……」


絹旗「そこは超同感です」


絹旗「よし! 今日はこのままあの2人を尾行しましょう!!」


青ピ「……面白そうやね……でも映画はいいん?」


絹旗「その映画はDVDも持ってるので超大丈夫です」


青ピ「なら、わざわざ映画館に見に行かなくてもいいやん」


絹旗「雰囲気が大事なんです。これだから超素人は困ります」


青ピ「……す、すんまへん」


絹旗「では行きますよ、青髪さん」


青ピ「了解や!」

625: 2011/05/02(月) 21:35:04.96 ID:8SGExZ8/0

同僚の二人が自分達を尾行していることを知らぬまま、滝壺と海原は飲食店に入っていった。



滝壺「ここは……」


海原「和食がメインのお店です。ファーストフードばかりではなく、たまにはこういうのもいいかと思いまして」


滝壺「わたし、こういうお店初めて」


海原「そうでしたか。和食は大丈夫ですか?」


滝壺「うん。基本好き嫌いはないから」


海原「それは安心しました。ここは量が少ないメニューもありますし、滝壺さんでも完食できるかと思いまして」


滝壺「ありがとう、うなばら」


海原「いえいえ。何頼みますか?」

626: 2011/05/02(月) 21:35:50.93 ID:8SGExZ8/0

滝壺「うーん……よくわからないから、うなばらにお任せする」


海原「かしこまりました。では」ピンポーン


店員「お待たせ致しました。ご注文は。」


海原「軽食Aコースとさんまの竜田揚げに白米とお味噌汁のセットでお願いします」


店員「かしこまりました。ご注文を繰り返します――――――」


店員「では。何かありましたら。魔法のボタンでお呼び下さい」


海原「は、はい……」


滝壺(魔法のボタン?)

627: 2011/05/02(月) 21:36:54.32 ID:8SGExZ8/0

その頃、青髪ピアスと絹旗は向かいのファーストフード店で滝壺と海原の様子を伺っていた。



青ピ「あれ、姫やんやん」


絹旗「あの店員さんとお知り合いですか?」


青ピ「クラスメイトや。フレンダちゃんとも仲良しやで」


絹旗「へー……あの美人さんがフレンダと……」


青ピ「金髪美少女に大和撫子……上やんばっかりずるいで……」


絹旗「……どういうことですか?」


青ピ「あの子も上やんに惚れてる子の一人や」


絹旗「……そうなんですか!?」

628: 2011/05/02(月) 21:37:55.91 ID:8SGExZ8/0

海原「お味はどうですか?」


滝壺「おいしい」


海原「それはよかったです」ニッコリ


滝壺「うなばらは和食好きなの?」


海原「ええ。もちろん、マッ○もですけどね」


滝壺「そっか」ニコッ


海原「……しかし、自分なんかでよかったんですかね?」


滝壺「」コクリ

629: 2011/05/02(月) 21:41:59.80 ID:8SGExZ8/0

滝壺「私はこういうのよくわからないから、うなばらのセンスを頼りにする」


海原「……これは責任重大ですね」


滝壺「期待してるよ、うなばら」


海原「ご、ご期待に沿えるよう頑張ります」


滝壺「……さんまの竜田揚げ、美味しい?」


海原「ええ。美味しいですよ」


滝壺「一口貰っていい?」


海原「ええ、どうぞ」

630: 2011/05/02(月) 21:43:03.09 ID:8SGExZ8/0

滝壺「あーん」


海原「はい?」


滝壺「あーん」


海原「……」


海原「」ヒョイ


滝壺「」モグモグ


海原「ど、どうでしょう?」


滝壺「うん、美味しい」


海原「それはよかったです……」



青ピ「あーんしたで! あーんを!!」


絹旗「これは決定的じゃないですか!?」

631: 2011/05/02(月) 21:43:58.96 ID:8SGExZ8/0

―――― 1時間後



滝壺と海原は、これといった買い物はせずに洋服店、本屋、雑貨屋などを渡り歩いていた。



青ピ「さっきから、色んなお店に入っては何も買わないで出てるけどなんなんやろね?」


絹旗「うーん……謎です」


青ピ「ショップ巡りというやつやろか?」


絹旗「かもしれないですね。滝壺さんは暇つぶしの天才ですから」


青ピ「それは初耳やね」



海原「色々、見てきましたがどうでしたか?」


滝壺「うーん……いまいちピンとこないものばかりだった」

632: 2011/05/02(月) 21:44:39.72 ID:8SGExZ8/0

海原「そうですか。では次に行きましょう」


滝壺「うん」



青ピ「また、何も買わないで出てきたで」


絹旗「これで4件目ですか……」



「なーに、やってんだ? お前ら」



「「」」ビクッ



青髪ピアスと絹旗が声を掛けられた方に振り向くと、そこにはツンツン頭の少年と10歳くらいの金髪の少女が手を繋いでいた。



青ピ「な、なんや……上やんか。驚かせんといてや」


上条「そっちが勝手に驚いたんだろうが」


633: 2011/05/02(月) 21:45:21.10 ID:8SGExZ8/0

絹旗「どうも。フレメアも超こんにちはです」


フレメア「絹旗、こんちには」


青ピ「か、上やん……」


上条「何だ?」


青ピ「その可愛い美少女は誰やねん!?」


フレメア「」ビクッ


上条「何って……あー、お前は会ったことなかったか」


青ピ「え?」


上条「この子の名前はフレメア。フレンダの妹だよ」

634: 2011/05/02(月) 21:45:54.80 ID:8SGExZ8/0

青ピ「」


青ピ「何やてぇぇぇぇぇぇええ!!??」


フレメア「」ビクッ


絹旗「あれ、青髪さんは知らなかったんですか?」


青ピ「初耳やで!! ボクは青髪ピアスや! よろしゅうな!!」


フレメア「ひぃぃぃ!!??」


上条「おい、フレメアが完全に怖がってるぞ」


絹旗「がっつきすぎなんですよ、超口リコン」


青ピ「口リコン? ちゃうちゃう、ボクは落下系ヒロインのみならず――――――」


635: 2011/05/02(月) 21:46:40.55 ID:8SGExZ8/0

絹旗「青髪さんは放って置くとして……上条さんとフレメアが二人でなんて、超見ない光景ですね」


上条「あー、前々から一緒に買い物するって約束してたんだよ」


フレメア「フレンダお姉ちゃんは、お仕事だから……大体、上条と2人で来たの」


絹旗「そうだったんですか」


上条「んじゃー、俺達もう行くからまたな」


フレメア「ばいばい」


絹旗「はい。フレメアもばいばいです」フリフリ


青ピ「今度はボクも誘ってやぁぁぁ」クネクネ



気味が悪い動作をしている青髪ピアスに苦笑いしながら、上条とフレメアは去って行った。

636: 2011/05/02(月) 21:47:41.35 ID:8SGExZ8/0

青ピ「しかし、フレンダちゃんとそっくりやね」


絹旗「皆、そう言いますよ」


青ピ「上やんは外人口リまで……もう女性完全制覇寸前やな」


絹旗「何言ってるんですか……って、あっ!?」


青ピ「どないしたん?」


絹旗「滝壺さんと海原さんがお店にいません!!」


青ピ「なんやて!? 見失ってしもうたか」


絹旗「そんなに遠くにいないはずです。超探しましょう」


青ピ「了解やで!」

637: 2011/05/02(月) 21:48:34.86 ID:8SGExZ8/0

―――― 2時間後



滝壺「これどうかな?」


海原「いいんじゃないですかね」


滝壺「それじゃー、これにする」


海原「ようやく見つかりましたね」


滝壺「会計してくるね」


海原「はい」



青ピ「これで2つ目やな」


絹旗「……しかし男物の……プレゼントですかね?」

638: 2011/05/02(月) 21:49:21.44 ID:8SGExZ8/0

青ピ「滝壺ちゃんから海原君への?」


絹旗「それはまだわかりませんよ」









滝壺「うなばら、今日はどうもありがとう」


海原「いえいえ。明日渡すんですよね?」


滝壺「うん。喜んでくれるかな?」


海原「絶対喜びますよ。自分が保障します」


滝壺「そっか」

639: 2011/05/02(月) 21:50:08.09 ID:8SGExZ8/0

海原「それでは自宅までお送りします」


滝壺「ありがとう」



青ピ「どうやら、帰るみたいやね」


絹旗「ついていきましょう」



~ 滝壺宅前 ~



絹旗「あそこは……滝壺さんのマンションです」


青ピ「なんやて!?」


青ピ「……ということは、家まで……」


絹旗「滝壺さん……そんな……」


640: 2011/05/02(月) 21:50:49.29 ID:8SGExZ8/0

海原「では自分はこれで失礼します」


滝壺「うん。また明日、支部でね」


海原「はい。後……これを」



海原から滝壺に小さな綺麗にトッピングされた小包が渡される。



滝壺「うなばら、これ……」


海原「自分からもプレゼントです。趣味に合うかわかりませんがお渡し下さい」


滝壺「うなばらから渡さなくていいの?」


海原「……正直、こういうのは初めてで少々恥ずかしいんですよ」


滝壺「……わかった。ありがとう、うなばら」ニッコリ

641: 2011/05/02(月) 21:51:55.02 ID:8SGExZ8/0

海原「いえいえ。ではまだ早いですがお休みなさい」


滝壺「うん。おやすみ」



ギー バタン



海原「さてと……」



青ピ「あれ? 部屋に入っていかへんね?」


絹旗「ですね。何か海原さんが滝壺さんに渡してたような……」


青ピ「あれ? なんかこっちに向ってくるで」


絹旗「え? そんな……私達の尾行は超完璧なはずです」


642: 2011/05/02(月) 21:52:43.52 ID:8SGExZ8/0

海原「何処が完璧なんですか」



「「」」ビクッ



海原「尾行とは……あまり好ましい趣味ではありませんね」



海原光貴。正体はアステカの魔術師のエツァリという少年である。
彼の"普段の行動"を知る者からしたら、これほど説得力がない言葉もないだろう。
しかし、青髪ピアスと絹旗最愛は彼の正体を知らない。



青ピ「……えっと……」


絹旗「その……あの……」


海原「言い訳は後ほどお聞きしましょう。お二人とも、目を瞑って下さい」


青ピ「あはは……ちょっ……待っ」

643: 2011/05/02(月) 21:53:29.78 ID:8SGExZ8/0

言いかけた青髪ピアスの言葉が途中で途切れた。
理由は簡単。青髪ピアスのお腹へ強烈な右拳が炸裂したからだ。



青ピ「ごふぅぅぅぅぅぅ!!??」


絹旗「ひっ!?」


海原「さて、次は……」


絹旗「あ、あ、あ…………」ガクガク



絹旗は恐怖を感じていた。
いつもは相手に安心感を与える海原の笑顔が、この時ばかりは恐怖感を与えていたのだ。



海原「では……」スッ


絹旗「っ!?」


絹旗「……」

644: 2011/05/02(月) 21:54:19.02 ID:8SGExZ8/0

絹旗「……あれ?」


海原「冗談ですよ。それくらいで自分は怒りませんよ」ニッコリ


絹旗「……え?」


青ピ「……ちょっと待ってや……なら何故ボクは……」



よろよろしながら青髪ピアスが海原に問いかける。
海原は、適当に理由を思い浮かべながら答えた。



海原「あー……青髪さんには日頃のボケに突っ込んであげてるので、いわばツッコミ料です」


青ピ「そ、そんな理不尽や……」


絹旗「えっと……いつから気づいてたんですか?」


海原「……雑貨屋からですね」


645: 2011/05/02(月) 21:54:57.03 ID:8SGExZ8/0

絹旗「そんなに早く!? 何でわかったんですか?」


海原「これでも自分は以前からグループにいる人間ですよ。絹旗さんならおわかりになるでしょう?」


絹旗「っ!?」


青ピ「?」


絹旗「とりあえず……尾行したことに関しては謝ります。超ごめんなさい!!」ペコリ


青ピ「ボクも悪かったで……ごめんな、海原君」ペコリ


海原「いや、もういいですって」







海原「―――――――――――それで自分と滝壺さんが?」


絹旗「は、はい」

646: 2011/05/02(月) 21:55:58.84 ID:8SGExZ8/0

絹旗は海原へ尾行をしていた理由を告げた。
それを聞いた海原は、腹を抱えて大笑いした。



海原「それはないですよ。ありえないです」


青ピ「でも周りから見たら、完全にカップルに見えるで」


絹旗「はい。美男美女カップルで超お似合いでした」


海原「それはどうも(思いっきり借り物の顔なんですけどね……)」


海原「実は今日はですね、滝壺さんに頼まれたんですよ」


絹旗「滝壺さんに?」


海原「はい。実は――――――――――――――――――」

647: 2011/05/02(月) 21:57:31.13 ID:8SGExZ8/0

今日はここまでです。

次は5/5(木)に超投下予定です!

いちゃいちゃは次に持ち越しでした

653: 2011/05/03(火) 08:14:21.74 ID:NBhfwj+DO

引用: 土御門「新グループ結成だにゃー」R2