670: 2011/05/05(木) 21:36:20.24 ID:mie88wxo0

671: 2011/05/05(木) 21:37:05.98 ID:mie88wxo0

~ 翌日19時 浜面宅 ~



浜面「俺ん家に来るの1週間ぶりか?」


滝壺「多分、そのくらい」


浜面「今週は風紀委員で休み少なかったもんな」


滝壺「そうだね。じゃあー、私準備してくるね」


浜面「俺も手伝うぞ」


滝壺「それじゃー、はまづらは食器の準備をして」


浜面「おう」







滝壺「それじゃー……」


浜面「……」
『三沢塾(かがくすうはい)』
672: 2011/05/05(木) 21:37:51.80 ID:mie88wxo0

滝壺「はまづら、お誕生日おめでとう」



パーン、っと勢いよくクラッカーが鳴らされる。
そして、ケーキの上に飾られてる蝋燭の灯りが、浜面の吹きかけた息により1個1個消されていく。



浜面「ありがとな! 滝壺」


滝壺「うん。それじゃー、電気つけるね」



パチッ



浜面「ははは。この歳でバースデイケーキの蝋燭の火を消すなんて、ちょっと恥ずかしいな」


滝壺「……嫌だった?」


浜面「そんなわけないだろ! 最高に幸せだよ!!」


滝壺「ならよかった」

673: 2011/05/05(木) 21:38:24.87 ID:mie88wxo0

滝壺「あっ、これ」



浜面に滝壺から紙袋が手渡される。
紙袋にはセブンスミスト内にある店舗名が印字されていた。



浜面「……これは」


滝壺「……」


浜面「財布に……腕時計……」


滝壺「はまづらの趣味に合えばいいんだけど……わたし、こういうの初めてだから」


浜面「……」


滝壺「はまづら?」


浜面「」グスッ

674: 2011/05/05(木) 21:39:08.14 ID:mie88wxo0

滝壺「ど、どうしたの?」アセアセ


浜面「いや……再認識したんだよ」


滝壺「何を?」


浜面「俺は幸せ者だってな」


滝壺「はまづら……」


浜面「……俺達さ、今まで学園都市でもロシアでも大変な目にあってさ……」


浜面「何度も氏にそうになった……生きるのも諦めた時もあった……」


滝壺「……」


浜面「でも、俺達は生き残れた。滝壺、お前が俺に生きる希望を与えてくれたんだ」

675: 2011/05/05(木) 21:39:52.64 ID:mie88wxo0

浜面「そして……こうして好きな女と、自分の誕生日を一緒に祝えるんだ」


浜面「こんな幸せなことってないだろ?」


滝壺「……うん、そうだね」


浜面「ありがとな、滝壺。一生大事にするよ」


滝壺「……うん。私のことも大事にしてね?」


浜面「当たり前だろ」



浜面は、滝壺をそっと抱き寄せた。
そして、少年と少女の唇がゆっくり重なり合った。



浜面「ははは……やっぱまだ照れんな」ポリポリ


滝壺「自分からしたくせに……」ボソッ

676: 2011/05/05(木) 21:40:21.15 ID:mie88wxo0

浜面「うっ!?」


滝壺「はまづら」


浜面「ん?」


滝壺「もう一回」


浜面「え?」


浜面「あっ……」









浜面「しかし、このケーキ滅茶苦茶うめーな!」


滝壺「うん。うなばらに教えてもらったお店で注文した」

677: 2011/05/05(木) 21:40:53.30 ID:mie88wxo0

浜面「海原か。そういえば昨日は海原と買い物しにいったのって……」


滝壺「うん。はまづらへのプレゼント選びに付き合って貰うため」


滝壺「時計は私が選んで、財布はうなばらが選んでくれた」


浜面「やっぱりな。あいつにもお礼言わないとな」


滝壺(あっ、そうだ……)


滝壺「はまづら」


浜面「何だ?」


滝壺「うなばらからのプレゼントだよ」


浜面「え? 海原からも?」

678: 2011/05/05(木) 21:41:50.72 ID:mie88wxo0

滝壺「うん」


浜面「……駄目だ……また泣きそうになった」


滝壺「大丈夫。そんな涙脆いはまづらを私は一生応援する」


浜面「」グスッ


浜面「開けてみるな」



浜面が綺麗に梱包された小包を開けると、そこには可愛らしいストラップが2つ入っていた。



浜面「……これは携帯のストラップだ」


滝壺「しかも2つ……」

679: 2011/05/05(木) 21:42:40.78 ID:mie88wxo0

浜面「あっ、何か紙が入ってる」


浜面「どれどれ……」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


浜面さんへ


この度は、お誕生日おめでとうございます。
これはささやかですが自分から浜面さん、そして滝壺さんへのプレゼントです。
気に入って貰えると幸いです。
では、一年に一度しかないこの日をお二人でゆっくりお楽しみ下さい。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



浜面「へっ、海原の奴……」


滝壺「お揃いだね」

680: 2011/05/05(木) 21:43:22.33 ID:mie88wxo0

浜面「そうだな。あんまりストラップは付けるタイプじゃねーんだけど……これは付けざるを得ないな」


滝壺「うん。私も付ける」


滝壺「あれ? はまづら、紙がまだ半分に折れてるよ」


浜面「ん? どれどれ……」ニコニコ



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


P.S.もし、滝壺さんを泣かすようなをことをした場合は容赦なく貴方の体を半分に切断します。
   冗談ではありません。覚悟しておいて下さいね。
   はま/づら←こんな感じです。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



浜面「」ゾクッ

681: 2011/05/05(木) 21:44:18.03 ID:mie88wxo0

浜面「こえぇぇぇぇぇぇぇよ!!」


滝壺「大丈夫。私を泣かさなければ、はまづらは生きられる」


浜面「いや、滝壺を泣かすようなことはしないけどさ!!」







滝壺「洗い物終わったよ」


浜面「おう、今日は何から何までありがとな」


滝壺「ううん」


浜面「滝壺は明日休みだっけか?」


滝壺「うん。はまづらもだよね?」


浜面「おう」

682: 2011/05/05(木) 21:44:58.70 ID:mie88wxo0

滝壺「……」


浜面「……」


浜面「……その……泊まってくか?」


滝壺「……」


滝壺「///」コクリ


浜面「」ドキッ


滝壺「……」


浜面「えっと……」


滝壺「……先にシャワー浴びてくる///」

683: 2011/05/05(木) 21:45:43.16 ID:mie88wxo0

浜面「……お、おう///」



ギー バタン



浜面「…………」


浜面(マジですかぁぁぁ!!)


浜面(ついに来たのか!? 来たんだなぁぁ!!??)


浜面(あの反応……OKってことだよな?)


浜面「…………」


浜面(よし、まずは落ち着け。落ち着くんだ、浜面仕上)

684: 2011/05/05(木) 21:46:25.79 ID:mie88wxo0

浜面(まずはラマーズ法で俺の心を落ち着かせる!)


浜面「」ヒーヒーフー ヒーヒーフー









滝壺「お待たせ。はまづらもどうぞ」


浜面「お、おう」



毎度お馴染みのピンクのジャージを着ている滝壺。
ただ、髪が完全に乾ききっていない彼女は、普段より色っぽく浜面の目に映った。



浜面「それじゃー、シャワー浴びてくるな……」


滝壺「うん」

685: 2011/05/05(木) 21:47:58.60 ID:mie88wxo0

浜面「」チラッ


滝壺「」ドキッ


浜面(なんなんだ、その反応は!!)







童OボーイHAMADURAはシャワーを浴びながら、期待感に胸を膨らませていた。
……世界一まぬけな顔をして。



浜面「…………」


浜面(とうとう……とうとう……)


浜面(この日が来ましたか……)

686: 2011/05/05(木) 21:48:49.88 ID:mie88wxo0

浜面(親父、お袋、俺は……)


浜面(いや、私、浜面仕上は今夜、男になります!!)


浜面(えっと……近藤さんは確かあそこに……)




浜面は、シャワーを浴びた後、入念にバスタオルで体を拭いた。
恐らく、ここまで入念に風呂上りに体を拭くのは生まれて初めてであろう。
体を拭き終わり、寝巻きを着終わると洗面所の鏡に映る自身の顔を見つめていた。
その表情はまるで、これから戦場に出向く戦士のような顔つきだった。



浜面(よし、行くか!!)キリッ



ギー バタン



浜面「滝壺、待たせたな」キリッ

687: 2011/05/05(木) 21:50:00.40 ID:mie88wxo0

浜面が精一杯キメ顔をして部屋に戻ると、そこにはベッドで横になっている滝壺の姿があった。



浜面(おいおい、緊張してるのか、マイハニー)


浜面「滝壺さーん、あなたの浜面がおま―――」


滝壺「」スースー


浜面「」


滝壺「」スースー


浜面(なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!)


浜面(滝壺さん、お約束ですかぁぁぁぁ!?)


浜面「……」

688: 2011/05/05(木) 21:50:39.22 ID:mie88wxo0

浜面(そげなぁぁぁぁぁぁあああ!!)


浜面(くそ、これで童O卒業はお預けか……)ガッデム


浜面「」チラッ


滝壺「」スースー


浜面「……たくっ、こんな可愛い寝顔しやがってよ」


浜面「ま、今日は一緒に誕生日を祝ってもらっただけでもよかったか」


浜面「誕生日プレゼントも貰ったしな」


滝壺「はまづら」


浜面「」ビクッ

689: 2011/05/05(木) 21:51:14.69 ID:mie88wxo0

滝壺「むにゃむにゃ」


浜面「んだ、寝言かよ……」


浜面「……ありがとな、滝壺」


滝壺「」スースー


浜面(……まだ22時か……あいつ起きてるよな……)



浜面は時計を見て時刻を確認すると、携帯電話を片手に取りベランダへと出ていった。
自身の友人に、感謝の言葉を告げる為に。



浜面「お、今日は綺麗な満月じゃん」


浜面「」ポチポチ トゥルルー


海原「はい、もしもし」


浜面「もしもし、海原か? 今日さ―――――――――――――――――――――――」

703: 2011/05/06(金) 22:11:36.63 ID:L3M85VFs0

~ 4月7日 上条宅 ~



アサダヨーアサダヨー



上条(んー……)ポチッ


上条(6時50分か……)


上条「……」


上条「今日から新学期か……」



そう、私、上条当麻は無事、2年生に進級できた。
1年次にあれだけ欠席してたので一時期は、留年も覚悟してたけど何とかなったようだ。
土御門が裏で、色々やってくれたそうだ。
俺は土御門に感謝しつつ、きっと俺の知らないところで人知れず苦労をしてるんだろうな、と思った。



上条「さて、パン焼くか」

704: 2011/05/06(金) 22:12:22.29 ID:L3M85VFs0


結局、インデックスはそのままイギリスにいることになった。
やはり、10万3000冊の魔道書を記憶しているインデックスと幻想頃しが一緒にいるのは色々まずいみたいだ。
インデックスはこの決定にかなりぐずってたけど、月に1回は学園都市に来ることを条件に納得した。
イギリス清教に完全に身を置くことになるが、神裂とステイルもいるから俺的には安心している。
インデックスが完全にこの部屋からいなくなって、寂しい気持ちもあるけどいつまでも引きずってはいられない。
前に進んでいかないといけないんだ。それに俺にはインデックス以外にも素晴らしい"友人達"がいる。



ピンポーン ガチャ



土御門「上やーん、おはようだにゃー」


上条「あんだ、土御門かよ」


土御門「あんだとは随分なご挨拶だぜい。禁書目録がいなくなって涙目な上やんを励まそうと思ったのにゃー」


上条「誰が涙目だ!」

705: 2011/05/06(金) 22:13:07.62 ID:L3M85VFs0

土御門「あれ、違うのかにゃー?」


上条「違うっつーの! ってか用件はそれだけか?」


土御門「いやいや、たまには一緒に学校に行こうと思ってにゃー」


上条「……珍しいな。準備するからちょっと待っててくれ」


土御門「了解だぜい」








上条「しかし、俺らも今日から2年生ですかー」


土御門「時が経つのは早いぜい」

706: 2011/05/06(金) 22:14:31.01 ID:L3M85VFs0

上条「本当だな。上条さん的には、今年は魔術絡みの揉め事が少ないといいんですけどね」


土御門「それは俺も同感だぜい。まっ、ローマ正教とも和解してるしそこまで問題は起きることはないと思うけどにゃー」


上条「アックアが学園都市で教師と警備員してるしな……」


土御門「神の右席が教師と警備員なんて1年前には考えられなかったぜい」


上条「俺は、まさかお前とフランスに行くとは思ってなかったよ」


土御門「飛行機から降りるとき気持ちよかったにゃー」


上条「はぁぁ!? 俺は氏ぬかと思ったんだぞ!?」


土御門「……まー、今となっちゃいい思い出だぜい」


上条「何、綺麗にまとめようとしてやがる!」

707: 2011/05/06(金) 22:15:21.15 ID:L3M85VFs0

―――― 20分後 高校の掲示板前



ワイワイガヤガヤ



上条「すげー、人だかりだな」


土御門「あれはクラス替えの発表だにゃー」


上条「あー、1年から2年次に上がる時だけクラス替えあるんだっけか」


土御門「だにゃー」



青ピ「上やーん、つっちー」



上条「ん、おっす」


土御門「おはようだぜい」

708: 2011/05/06(金) 22:16:12.75 ID:L3M85VFs0

青ピ「2人で登校なんて珍しいやん」


土御門「上やんが一人で登校するの寂しいって言ってたからにゃー」


上条「はい、そげぶ、そげぶ」


土御門「そういえば、青髪はクラス替えもう見たのかにゃー?」


青ピ「見たでー」


上条「どうだった?」


青ピ「ボク達、3人とも同じクラスやで」


上条「…………げっ、青髪と同じかよ」


土御門「……早退するかにゃー」

709: 2011/05/06(金) 22:17:04.09 ID:L3M85VFs0

青ピ「何やねん! その反応は!?」


上条「冗談だよ、冗談。フレンダ達は?」


青ピ「フレンダちゃん、姫やん、吹寄も同じクラスやで。しかも……」


土御門「しかも?」


青ピ「担任は、また小萌先生やー!!」


上土「おー!!!!」


青ピ「これで高校生活ずっと小萌先生のクラスや!」クネクネ


上条「嬉しいのはわかるがクネクネするな!」

710: 2011/05/06(金) 22:17:50.83 ID:L3M85VFs0

土御門「青髪の小萌先生に対する愛情は半端じゃないから、仕方ないぜよ」


青ピ「そうや! この愛は深海よりも深いでぇぇぇ!!」



フレンダ「あっ、上条君達おはよー」


姫神「おはよう」


吹寄「また、朝から貴様達は……」



上条「お、おはよーっす! 皆、同じクラスでよかったな」


フレンダ「そうだね!」


姫神「これは。きっと運命の赤い糸」ボソッ


一同「?」

711: 2011/05/06(金) 22:18:55.47 ID:L3M85VFs0

吹寄「貴様達、後輩も入ってくるのだからあまり問題起こさないでよね?」


上条「おいおい、それじゃー俺達が問題児みたいじゃねーか?」


土御門「だにゃー」


青ピ「そうや、少なくともボクは優等生やで?」


「「「「「どこがだ!!!!」」」」」


姫神「青髪君が。優等生なら。この学校の生徒全員が優等生」


フレンダ「姫神さんの言うとおりなわけよ」


青ピ「朝から姫やんの言葉責め! もっと言ってやぁぁぁ」ハァハァ


一同「」

712: 2011/05/06(金) 22:20:01.50 ID:L3M85VFs0

吹寄「……青髪、貴様は朝から変態地味たことをしてるんじゃない!」



吹寄の必殺、吹寄おでこDX"進級記念バージョン"が学園都市第6位へ襲い掛かる。
学園都市第6位の男は、なすすべもなく無様に頭突きをくらい倒れこんだ。



青ピ「ぐはぁぁぁぁぁ!!??」


上条「朝から吹寄おでこDX!?」


フレンダ「綺麗にきまったわけよ」


姫神「お見事」パチパチ


吹寄「まったく……」


土御門「……垣根もいつも、吹寄おでこDXくらってるのかにゃー?」


吹寄「…………なっ!?」

713: 2011/05/06(金) 22:20:49.67 ID:L3M85VFs0

吹寄「なんでそこに垣根が出てくるのよ///」


土御門「そりゃー」


フレンダ「ねー」


上条「吹寄の」


青ピ「彼氏やから」


吹寄「うぅぅぅ……」


姫神「照れてる。照れてる」


吹寄「姫神さんまで……」


土御門「さて、吹寄を弄ったところで教室に行こうぜい」


一同「おう(うん)」


吹寄「貴様ら、後で覚えておきなさい!」

714: 2011/05/06(金) 22:22:00.90 ID:L3M85VFs0

~ 教室 ~



上条「今日は始業式だけで終わりだっけか?」


土御門「だにゃー」


上条「んじゃー、支部行く前にどっかで昼飯食うか」


青ピ「せやなー。上やんのおごりで」


上条「なんで俺のおごりなんだよ!?」


青ピ「言い出しっぺが奢る。これ基本やん」


上条「そんな基本、初めて聞きましたけど!?」


フレンダ「私、焼肉がいいなー。よろしくね、上条君」

715: 2011/05/06(金) 22:22:50.95 ID:L3M85VFs0

上条「フレンダまで!?」


土御門「太っ腹だぜい、上やん」


上条「もう決定事項ですか!?」アセアセ


青ピ「せや」


上条「不幸だ……」


上条「……そういえば、"あいつら"は違うクラスなんだな」


土御門「まっ、都合よく全員一緒とはいかないにゃー」


フレンダ「そうね。ちょっと残念だけど」


青ピ「今頃、職員室かいな?」

716: 2011/05/06(金) 22:23:30.03 ID:L3M85VFs0

~ 職員室 ~



黄泉川「やっと、私のクラスにも問題児ができたじゃん」


浜面「おい、転入初日から問題児扱いすんな!」


黄泉川「……まずはその教師に対する口の聞き方をどうにかするじゃんよ」ゲンコツ


浜面「っ痛!? 暴力反対!!」


黄泉川「……あんたはうるさいからちょっと黙ってな」


浜面「……」


黄泉川「こいつ共々、これから2年間面倒見るからよろしくじゃん」


滝壺「よろしく……お願いします」ペコリ

717: 2011/05/06(金) 22:24:07.67 ID:L3M85VFs0

黄泉川「しかし……」ジー


浜面「あん?」


黄泉川「こんな可愛い子、お前にはもったいないじゃん」ニヤニヤ


浜面「……なっ!?」


黄泉川「まさに……美女と野獣?」


浜面「うぐっ!? 自覚してるけど人に言われるとイラっとするぜ……」


アックア「黄泉川先生、何をしてるであるか?」


黄泉川「あー、ウィリアム先生。転入生とお話してたじゃんよ」


アックア「転入生であるか」

718: 2011/05/06(金) 22:25:04.38 ID:L3M85VFs0

黄泉川「浜面、滝壺、紹介する。あんたらの副担任のウィリアム=オルウェル先生じゃん」


アックア「よろしくなのである」ペコリ


滝壺「よろしく……お願いします」ペコリ


浜面「よろしく……って、あんた?」


アックア「ぬ? 貴様は……」


浜面「ロシ――――」



浜面の言葉が途中で途切れる。
理由は、一人の教師が生徒の口を物凄い速さで塞いだからだ。



浜面「むぐむぐ……」

719: 2011/05/06(金) 22:28:08.92 ID:L3M85VFs0

アックア「ちょっと、2人で話があるのである」


滝黄「?」


アックア「少し、この男を借りるのである」


滝壺「どうぞ」


黄泉川「あまり時間もないから、すぐ戻ってくるじゃん?」


アックア「了解である」



ピューン ガラガラ



黄泉川「滝壺、知り合いか?」


滝壺「知らない……です」

720: 2011/05/06(金) 22:29:09.01 ID:L3M85VFs0








浜面「」ゼーゼー


浜面「急に何しやがる!?」


アックア「手荒な真似をして悪かった。まさかあの時の少年がこの学校に来るとは……」


浜面「いや、俺も驚いたよ。ロシアであった怪物がここの先生だったなんてよ」


アックア「……わけあって今はここで英語の教師をしているのである」


浜面「はぁ……」


アックア「とりあえず……」ギロッ


浜面「」ビクッ

721: 2011/05/06(金) 22:31:47.26 ID:L3M85VFs0

アックア「ロシアでの出来事は、他の人には内密にして欲しいのである」


浜面「……いいけどよ、何でだ?」


アックア「まー、色々理由があるのである」


浜面「ふーん……とりあえず内緒にしておけばいいんだな?」


アックア「うむ。理解が早くて助かるのである」


浜面「……もし、俺が口滑ったら?」


アックア「……あの時の、ヘリと同じ運命を辿ってもらうのである」


浜面「」

722: 2011/05/06(金) 22:32:59.96 ID:L3M85VFs0

あの時のヘリ、という言葉を聞いて浜面はロシアでのある出来事を思い出した。
そう、この教師が大きな武器を使いヘリを串刺しにしてたシーンだ。



浜面「」ゾクッ


浜面「り、了解しました!」アセアセ


アックア「うむ。では職員室に戻るのである」


浜面「イ、イエッサー!!」


アックア「理解が早くて助かるのである」


浜面(海原だけじゃなく……この怪物からも命狙われるのかよ!!)

723: 2011/05/06(金) 22:33:44.40 ID:L3M85VFs0

~ 同時刻 柵川中 ~



佐天「いやー、皆同じクラスでよかったね!」


春上「皆と離れ離れにならなくてよかったの」


初春「ですねー」


絹旗「本当よかったです……一人だけだったら超泣きそうになるところでした」


枝先「あはは。絹旗さんだよね? 私は枝先絆理です。よろしくね」ニッコリ


絹旗「絹旗最愛です。超よろしくお願いします」ペコリ


枝先「そんなかしこまらくてもいいよ~」

724: 2011/05/06(金) 22:34:24.38 ID:L3M85VFs0

絹旗「いえ……まだ教室というものに慣れてないので」タハハ


佐天「そのうち慣れて、授業中でも寝れるようになるよー」


初春「……それは、ただ佐天さんが怠けてるだけじゃないですか?」


佐天「うぐっ!? 痛いところ突くね、初春は……」



>アハハハ



絹旗(これなら何とかやっていけそうですね)


佐天「そういえば、5月にグリーンキャンプあるよね?」


初春「あー、そういえば2年の5月でしたね」


春上「今から楽しみなの」

725: 2011/05/06(金) 22:36:21.39 ID:L3M85VFs0

枝先「私も。キャンプなんてしたことないし」


絹旗「グリーンキャンプ? 何ですか、それ?」


春上「えっと、2年生全員で山梨のキャンプ場に行って、BBQやキャンプファイヤーしたりするの」


絹旗「へー、そんなのもあるんですか」


佐天「それだけじゃないよ? 来年には修学旅行もあるしね!!」


絹旗「修羅学旅行ですか?(超ハードな旅行みたいですね……)」


枝先「うん。学校の思い出として旅行するイベントなんだよ」


絹旗(学校の思い出として、修羅学を?)

726: 2011/05/06(金) 22:37:04.40 ID:L3M85VFs0

初春「今年の3年生は、確か北海道っていってましたよね」


春上「北海道……お馬さんに会って見たいの」


佐天「あはは! 牧場沢山あるもんねー」


絹旗(この余裕……レベルは0~2が多いようですが……)


絹旗(まさか、土御門さんのような能力に頼らない強者なのでしょうか?)


絹旗「」ウーン


佐天「絹旗さーん?」モシモーシ


絹旗「はっ……あ、何でもないです」

727: 2011/05/06(金) 22:37:34.17 ID:L3M85VFs0

春上「具合悪かったら、保健室行った方がいいの」


絹旗「いえ、ボーっとしてただけなので超大丈夫です」


春上「ならよかったの」


初春「そろそろ、体育館行きましょうか」


枝先「あ、始業式だね」


佐天「また校長先生の話、長いんだろーなー」


枝先「あはは……絹旗さん、行こう?」


絹旗「あ、はい!」

728: 2011/05/06(金) 22:38:42.97 ID:L3M85VFs0

~ 11:30 鎌地大学キャンパス ~



ワイワイガヤガヤ



垣根「あー、入学式だるかったー」


麦野「ずっと寝てたでしょうが」


垣根「うっせーよ、昨日オールして睡眠不足なんだよ!」


麦野「そんなの知らないわよ。それに……」


垣根「あん?」


麦野「何で、てめぇと同じ学部なんだよぉぉぉぉ!!」


垣根「いや、俺に聞かれてもよ……土御門に言ってくれよ」

729: 2011/05/06(金) 22:39:32.76 ID:L3M85VFs0

麦野「チっ!!」


垣根「おいおい、そんな怒ってばかりだとしわができんぞ?」


麦野「」ピキッ


麦野「黙れ、ホスト崩れ!!」


垣根「」イラッ


垣根「誰がホスト崩れだ、この妖怪厚化粧!!」


麦野「」プッチーン


麦野「だーれが、妖怪厚化粧だって……」


垣根「てめぇだよ、てめぇ」

730: 2011/05/06(金) 22:40:33.09 ID:L3M85VFs0

麦野「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね♪」


垣根「おいおい、前にも言っただろうが……俺に無駄な血を流させんな、ってな」


麦野「頃す……」



学生「すいませーん! 俳句サークルなんですけどどうですかー?」



垣麦「あん!!??」ギロッ


学生「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!?」


麦野「俳句だぁぁ!? 友蔵でも誘ってろやぁぁぁぁぁああ!!」


学生「す、すいませんでしたぁぁぁぁぁ!!」

731: 2011/05/06(金) 22:41:19.37 ID:L3M85VFs0


ピューン



麦野「……」


垣根「……」


麦野「はぁ……やめやめ、ばからし」


垣根「だな」


麦野「……」


垣根「あのよ」


麦野「なに?」

732: 2011/05/06(金) 22:42:00.38 ID:L3M85VFs0

垣根「……正直言うと、俺とお前は馬が合わない」


麦野「……そうね」


垣根「……が、同じ学部になった以上、仕方ねー……仲良くやろうぜ!」


麦野「……あんたさ、暗部時代と性格変わりすぎでしょ?」


垣根「……あん時は、俺が馬鹿だっただけだ」


麦野「……まっ、私も人のこと言えないけど」


垣根「とりあえず、昼飯でも行くか」


麦野「あー、お昼なんだけど初春さん、佐天さん、絹旗と約束してるのよね」

733: 2011/05/06(金) 22:42:33.84 ID:L3M85VFs0

垣根「んだよ、俺一人かよ……」ションボリ


麦野(なに、そんなションボリしてんのよ……)


麦野「…………だったらあんたも来る?」


垣根「!?」


垣根「しょうがねぇーな……行ってやるか」ニヤリ


麦野「しょうがないなら、来なくてもいいんだけど?」


垣根「すいません、調子乗りました。是非、行かせてもらいます」ペコリ


麦野(あっ、なんかこいつの扱い方わかってきたかも……)ニヤリ

734: 2011/05/06(金) 22:43:37.29 ID:L3M85VFs0

――――― 30分後 ファミレス



初春、絹旗、佐天と合流した垣根と麦野は、とある人物の服装を見て腹を抱えて笑っていた。
その人物とは……



垣根「ははははっ!! 腹いてぇぇぇ!!」


麦野「ちょっ!! くくくくく!!」


佐天「ちょっと、お二人さん笑いすぎですよ!」


初春「そうですよー、こんな可愛いじゃないですか」


絹旗「」プルプル


垣根「いや、だってよ! 絹旗のセーラー服姿って!!」イヒヒヒ


麦野「ごめん、ごめん!! だって絹旗の制服姿なんて初めて見るからさ!!」プププ

735: 2011/05/06(金) 22:44:18.59 ID:L3M85VFs0

絹旗「」ワナワナ


絹旗「うぁぁぁぁぁああ!!」


絹旗「そもそも学校に行け、と言ったのは麦野じゃないですかぁぁぁぁ!?」


麦野「……だからごめんって」


垣根「……わりぃ、わりぃ」


絹旗「わかってくれれば、いいんです」ムスッ


垣根「そう怒んなって! ここは俺が奢るからよ」


佐天「え? 垣根さん、いいんですかー?」


絹旗「……なら許してあげます」

736: 2011/05/06(金) 22:45:07.08 ID:L3M85VFs0

垣根「おう、好きなものじゃんじゃん頼めや!」


佐天「さっすがー! 今月お財布が厳しかったので助かります!!」


初春「洋服買いすぎなんですよ」


麦野「あー……確かに先月、結構買ってたものね」


佐天「うぅぅ……」


垣根「まー、女なんだからお洒落するのは当たり前だもんな」


佐天「!?」


佐天「そ、そうですよねー!!」


絹旗「うちには年中ジャージの人がいますけどね」


垣麦初「あー……」


747: 2011/05/08(日) 23:02:18.93 ID:mGcRDLRj0

今日は暑かったですの!

投下しますの!

748: 2011/05/08(日) 23:02:55.21 ID:mGcRDLRj0

――――― 13時 第一七七支部



浜面「だひゃははははは!!」


浜面「き、絹旗のセーラー服!! し、氏ぬぅぅぅ!!」イヒヒヒ


初春「浜面さん、笑いすぎです!」


絹旗「」ワナワナ


垣根(やっぱ笑っちまうよな)


麦野(気持ちはわかるわ)



大笑いする浜面のお腹に、レベル4の右拳が炸裂する。



絹旗「どっせい!!」

749: 2011/05/08(日) 23:04:17.41 ID:mGcRDLRj0

浜面「ぐぼぉぉぉぉぉお!?」


絹旗「超浜面の癖に生意気です!!」


浜面(い、胃液が逆流する……)


浜面「て、てめぇ……」


絹旗「全く……私のセーラー服姿をズリネタにしないで下さいよ?」


浜面「お前ね、前も言ったけど俺のワーストワード5位以内に入るからね?」


絹旗「ふん! それに浜面の学ラン姿なんですか? ゴリが制服着ていいんですか?」


浜面「誰がゴール下のキングコングだぁぁぁぁぁああ!?」

750: 2011/05/08(日) 23:04:55.00 ID:mGcRDLRj0

滝壺(きぬはた、可愛い)



ギー ガシャン



一同「?」


上条「お疲れ様ー」


土御門「だにゃー」


フレンダ「おつー」


青ピ「おつ――――― ん?」ピカーン


絹旗「?」


青ピ「絹旗ちゃん……」

751: 2011/05/08(日) 23:06:47.26 ID:mGcRDLRj0

絹旗「な、何ですか?」


青ピ「グッジョブやでぇぇぇぇぇ!!」


絹旗「…………へ?」


青ピ「絹旗ちゃんのセーラー服姿、最高やん!! 是非、写真とらせてーな!!」


絹旗「」ゾクッ


一同「」


絹旗「超お断りします!」


青ピ「ええやん、ええやん!! 絹旗ちゃんのい・け・ず~♪」


絹旗「ひぃぃぃぃぃぃ!!??」

752: 2011/05/08(日) 23:09:35.06 ID:mGcRDLRj0



上条「だな……」


土御門「だにゃー……」


フレンダ「とても第6位には見えないわけよ……」



ギー



固法「あら、皆もう来てたの? 早いわね」


黒子「お疲れ様ですの」


海原「お疲れ様です」


一同「お疲れ様でーす」

753: 2011/05/08(日) 23:11:41.82 ID:mGcRDLRj0



上条「だな……」


土御門「だにゃー……」


フレンダ「とても第6位には見えないわけよ……」



ギー



固法「あら、皆もう来てたの? 早いわね」


黒子「お疲れ様ですの」


海原「お疲れ様です」


一同「お疲れ様でーす」

754: 2011/05/08(日) 23:12:17.74 ID:mGcRDLRj0

滝壺「あおがみは、2年になってもあおがみだね」


上条「だな……」


土御門「だにゃー……」


フレンダ「とても第6位には見えないわけよ……」



ギー



固法「あら、皆もう来てたの? 早いわね」


黒子「お疲れ様ですの」


海原「お疲れ様です」


一同「お疲れ様でーす」

755: 2011/05/08(日) 23:17:00.72 ID:mGcRDLRj0

固法「なにか騒いでたけど、どうかしたの?」


青ピ「固法さん、あれや、あれ!!」


固法「え?」


絹旗「ど、どうもです」ペコリ


固法「あら、絹旗さん。セーラー服似合うじゃない」


絹旗「そ、そうですかね?」カァー


固法「ええ。とっても素敵よ。ね、白井さん、海原君」ナデナデ


絹旗「あぅ///」


756: 2011/05/08(日) 23:19:21.95 ID:mGcRDLRj0

黒子「はいですの。とてもお似合いですわ」


海原「ええ。とてもキュートですよ」ニッコリ


絹旗「あ、ありがとうございます///」


浜面「海原、キュートってそれ褒めすぎ……」


絹旗「」ギロッ


浜面「な、何でもありません……」


フレンダ(やっぱり、固法さんに撫でられると絹旗……でれまくりなわけよ)


滝壺(でれてるきぬはた……可愛い)


757: 2011/05/08(日) 23:24:45.65 ID:mGcRDLRj0

固法「それじゃー、全員集まってちょうだい」


一同「はーい」


固法「今日から新学期が始まりました。昨年は、皆のおかげで大幅に犯罪率が減りました」


固法「……が今年は、去年以上に犯罪率を減らして、平和な学園都市に一歩でも近づけるよう頑張りたいと思います」


固法「だから……今年も一年間よろしくお願いします」ペコリ


一同「おねがいしまーす」ペコリ


固法「ありがとう。それじゃー、皆仕事についてちょうだい!」


一同「はーい」

758: 2011/05/08(日) 23:28:39.48 ID:mGcRDLRj0



<ヨーシ、パトロールイクゾー
<ア、ホウコクショヲワスレテゼヨ
<ンジャー、イッテクル
<ダカラマドカラトンジャダメヨ



上条「」ボー


フレンダ「どうしたの? 上条君」


上条「」ビクッ


上条「いや、何か固法さん風格出てきたなー、って思ってさ」


フレンダ「……あー、確かにそうかも」


上条「とても一個上には見えないな」


フレンダ「まー、ここは化け物が沢山いるから嫌でも風格が身に付くわけよ」

759: 2011/05/08(日) 23:32:00.92 ID:mGcRDLRj0

麦野「フレンダ」


フレンダ「」ビクッ


麦野「化け物って誰のことかにゃーん?」


フレンダ「ひぃぃぃぃ!! パ、パトロールに行ってくるわけよ!!」ダダダッ


麦野「全く……」


上条「ははは……」


麦野「……でもフレンダの言うとおりかもね」


上条「ん?」


麦野「固法さんのこと」


上条「あぁ……」

760: 2011/05/08(日) 23:35:06.41 ID:mGcRDLRj0

麦野「確かに私や垣根を従える人なんて、今までいなかったしね」


上条「……麦野も固法さんには頭上がらないのか?」


麦野「……そうなのよね」


上条「年上なのにな」


麦野「そうなのよ、何故か固法さんには逆らえないのよね」


上条「実は固法さん、透視能力じゃなくて精神系の能力者だったりしてな」


麦野「あっ、それありかも。私も垣根もマインドコントロールされてるってわけね」


上条「ははは」

761: 2011/05/08(日) 23:39:09.31 ID:mGcRDLRj0


固法「だーれが、精神系能力者ですって?」



上麦「」ビクッ


上条「い、いや……なんでもないです」アセアセ


麦野「そうそう、何でもないわ」アセアセ


固法「そう……なら早くお仕事についてね」ギロッ


上麦「は、はい!!」


固法「それじゃー、よろしくね」ニッコリ


固法「♪」



上条「おい、何だ、あの目力は?」ヒソヒソ


麦野「私に聞かれても知らないわよ」ヒソヒソ

762: 2011/05/08(日) 23:43:04.69 ID:mGcRDLRj0


固法「上条くーん、麦野さーん」



上条「はい! パトロール行って参ります!!」ダダダッ


麦野「わ、私も!!」ダダダッ



ギー ガシャン



固法「全く……」


海原「大変ですね。どうぞ、コーヒーです」スッ


固法「あら、ありがとう」


固法「」ズズー


海原「でも彼らの言うとおりかもしれないですね」


763: 2011/05/08(日) 23:46:07.55 ID:mGcRDLRj0

固法「海原君まで、私のこと精神系能力者って言うの?」ムー


海原「いえいえ。風格のことですよ」


固法「……風格ね。私はそんな変わったつもりはないんだけどね」


海原「ですが、実際レベル5を3人も従える人間なんて、固法さん以外いませんし」


固法「従えてるつもりもないんだけどね……」


海原(実際、レベル5の3人以外にも魔術師2人と幻想頃しとレベル5を撃破した無能力者を従えてるんですけどね……)


海原「まー、結局のところ皆さん、固法さんを頼りにしてるということですよ」ニッコリ

764: 2011/05/08(日) 23:49:14.67 ID:mGcRDLRj0

固法「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」


海原「自分は事実を言ったまでですよ」


固法「そう……でもね、私も皆のこと頼りにしてるからね?」ニッコリ


海原「……光栄です」


固法「それじゃー、私達もお仕事に取り掛かりましょうか」


海原「ええ」



固法美偉。風紀委員達の間で、最強のレベル5達を従える"女王"がいると噂されていることを彼女は知る由もなかった。

765: 2011/05/08(日) 23:51:59.93 ID:mGcRDLRj0

~ 4月14日 フレンダ宅 ~



時刻は23時。フレンダはとある少年と電話越しで話をしていた。
少年と表現したが、彼の風貌は明らかに少年とはかけ離れていたが年齢的には少年なのだから仕方がない。



フレンダ「ちょっと、土曜来れなくなったわけ!?」


駒場「すまない。短大で職場体験学習が入ってな……」


フレンダ「職場ってどこなわけよ?」


駒場「……幼稚園」ボソッ


フレンダ「……本当に保育士目指してるわけね」


駒場「子供は天使だからな」

766: 2011/05/08(日) 23:53:09.71 ID:mGcRDLRj0

フレンダ「ふーん……何とか来れないわけ?」


駒場「すまん。必修なんだ……」


フレンダ「そっか……わかった、フレメアには私から言っておくわ」


駒場「本当にすまない……今度、お詫びする」


フレンダ「……それじゃー、フレメアにノートPCよろしく~」


駒場「え!? それはちょっと高――」



プチン ツーツー



フレンダ「……」

767: 2011/05/08(日) 23:54:08.87 ID:mGcRDLRj0

フレンダ「私、一人じゃ心細いわけよ……」


フレンダ「どうしようかな……」


フレンダ「駒場並にフレメアが懐いてる人……」


フレンダ「」ヒラメイタ


フレメア「よし、明日早速誘ってみよう!!」



ギー



フレメア「お姉ちゃん? 大体、何やってるの?」ムニャムニャ


フレンダ「あっ、起こしちゃった? ごめんね」

768: 2011/05/08(日) 23:55:18.95 ID:mGcRDLRj0

フレンダ「私、一人じゃ心細いわけよ……」


フレンダ「どうしようかな……」


フレンダ「駒場並にフレメアが懐いてる人……」


フレンダ「」ヒラメイタ


フレンダ「よし、明日早速誘ってみよう!!」



ギー



フレメア「お姉ちゃん? 大体、何やってるの?」ムニャムニャ


フレンダ「あっ、起こしちゃった? ごめんね」

769: 2011/05/08(日) 23:57:21.74 ID:mGcRDLRj0

フレメア「ううん」


フレンダ「何でもないわけよ。フレメア、寝てなさい」


フレメア「にゃあ」



ギー バタン



フレンダ「そろそろ、私も寝るかな……」


フレンダ(来てくれといいなー……)


フレンダ(でも彼なら……きっと、来てくれるよね……)


770: 2011/05/09(月) 00:01:02.76 ID:BcA8XabA0

今回はここまでです。
サーバー重たかったのか投下時間かかりましてすいませんでした!
また明日夜に投下します!

とうとう、フレンダとあの方に進展が!?

と次回予告風にしてみやしたw

788: 2011/05/09(月) 22:12:20.33 ID:BcA8XabA0

Great Teacher Amata

第4話「パーソナル・リアリティ」



朝の朝礼が終わると、各先生は自身が授業を行う教室へと向かっていく。
授業がない時間は、雑務を行っていることが多い。
先生っていうのは、授業以外にも沢山やることがある。
いや、逆に授業よりもやることが多いんじゃねーか?



そんなこんなで俺も1時限目を行う教室へ向かう。



「教科書よし! プリントよし! キハラよし!」



と教室のドアの前で、気合を入れるのが俺のちょっとした儀式になっている。
流石に、車の中と違い声の音量は抑えるがな!
だって、廊下でこんなことやってる奴がいたら引いちまうだろ?



「きりーつ!」


「礼!」



授業は、挨拶で始まり挨拶で終わる。
挨拶ってのは大事だ。
『猟犬部隊』の時は、「あー」とか「おー」とか「うぉんちゅー!」くらいしか言ってなかったな……
教師を始めて、挨拶の大事さを教わったぜ!

789: 2011/05/09(月) 22:13:22.46 ID:BcA8XabA0

「うし、早速、始めんぞー!」



俺の担当科目は、『能力開発』だ。
『能力開発』だからと言って、別に大それたことはやってねー。
学校によって内容が異なると思うが、俺の行う授業は『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の向上だ。
『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』っていうのを説明してやる。
簡単に言うと、「起こりえない」ことを「起こる」と自分の中で思い込むことだ。
この思い込みが強くなることにより、能力の向上にも繋がるってことだ。



能力には繋がらないが、簡単な例えを出してやる。
一方通行が、俺に満面の笑みで挨拶してくることを想像してみろ。



「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!! おっはよォォォォォォォ!!」



満面の笑みで、俺に挨拶をしてくる一方通行。
まず現実じゃありえねぇ! 現実だと「おっはよォォォォォォォ!!」の部分が「スクラップの時間だぜェェェェェェ!!」に変換されるのがおちだ。



……そう、この自分でありえねぇ! と思ってる時点でもう失敗だ。
必ず、一方通行は俺に笑顔で挨拶してくる! そう自分の中でまず信じることが『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の第一歩だ。

790: 2011/05/09(月) 22:14:52.58 ID:BcA8XabA0

言葉を別にしてみると、『妄想力』ともいえるかもしれねー。
今、画面を見てるお前ら! 今すぐ妄想をしてみろ!! 内容は何でもかまわねー!!




《イマージン・オン・ザ・ピーポー♪》



 
妄想したか? きっとお前らは「所詮、妄想だよ……」と思ってるだろう。
ところがぎっちょん!! それじゃー、駄目なんだなぁぁぁああ!!
信じろ!! その妄想は現実に起こりえるってな!!
妄想を現実に置き換える。それが、能力向上の第一歩なんだよ!!



ふぅ……つい、熱くなっちまったぜ。
最後に本当かどうかわからないが、耳寄りな情報を教えてやる。



学園都市が誇る超能力者(レベル5)の7人だが、全員が童O・処Oって噂だ。だから思い込みや妄想力が激しいんだってさ。
確かに、俺が知ってる限りレベル5の奴らは変人が多いわ。



791: 2011/05/09(月) 22:16:12.58 ID:BcA8XabA0

ちなみに、この7人は、学園都市、230万人の頂点に立つ超能力者(レベル5)と言われている。
こいつらに憧れたり、嫉妬したりする奴らもかなり多いだろう。



だがな、言い方を変えてみようぜ?
学園都市、230万人の中で最も思い込みが激しい7人……どうだ、随分かっこわるく聞こえるようになっただろ?
何が言いたかったと言うとだな……憧れていちゃ、そいつを超えることはできねー……
黒子のバスケにそう書いてあった。



何故、授業中にそんな語ってるのかだって?
そいつはよ……今日は小テストで10分は机に座ってて暇だったからだよ。
だから、その時間を使ってだな、このSSを読んでくれてる奴らに臨時授業を行ったわけだ!
……さて、小テストの終了時間までコンマ3秒か。
うし、テスト用紙を回収したら、今度こそ授業開始だぜぇぇぇぇぇぇぇ!!



第4話おわり

792: 2011/05/09(月) 22:18:22.27 ID:BcA8XabA0

本編いきやす!

793: 2011/05/09(月) 22:20:01.81 ID:BcA8XabA0

―――― 翌日 武里高校 屋上



上条「え? 俺にフレメアの授業参観に一緒に来て欲しい!?」


フレンダ「お願い! 上条君!!」


上条「えっと……何故、俺が?」


フレンダ「実は……私と一緒に行く人が来れなくなっちゃったわけよ……」


上条「はぁ」


フレンダ「私、一人だと心細いし……それに上条君が来てくれたらフレメアも喜ぶかなって……」モジモジ


フレンダ「……駄目……かな?」ジー


上条(……フレンダ……本当に妹思いな奴だな)

794: 2011/05/09(月) 22:20:44.43 ID:BcA8XabA0

上条「……よし、いいぜ」


フレンダ「ほんと!?」


上条「上条さんに二言はないでございますよ? それにフレメアが喜んでくれるなら、何処へでも行ってやるよ」ニッコリ


フレンダ「ありがとー!!」ギュッ


上条「いっ!?」


フレンダ(はっ、しまった……嬉しさのあまり、つい抱きついちゃった……)


フレメア「///」


上条「……えっと……その……フレンダさん?」


フレンダ「ご、ごめん///」

795: 2011/05/09(月) 22:21:32.44 ID:BcA8XabA0

上条「い、いや……俺の方こそ///」


フレンダ「そ、それじゃー、私教室戻るね///」


上条「お、おう……」



フレンダは、顔を紅潮させながら急ぎ足で教室へと戻っていった。
上条は、ただ呆然と立ち尽くしているだけだった。



上条「び、びっくりしたな……」


上条「しかし……いい匂いだったな……」


上条「って俺は、何言ってんだぁぁぁぁ!!」


上条「」ハーハー


上条「とりあえず、土御門達に見られてなくてよかったぜ……」


796: 2011/05/09(月) 22:22:27.68 ID:BcA8XabA0

上条「あいつがいたら、厄介な事になりそうだしな」


上条「さて、俺も教室に戻るか……」



上条が去った屋上に、金髪にサングラスをかけた少年とチンピラ臭がプンプンする少年が佇んでいた。
これ以上にない、不適な笑みを浮かべて。



浜面「いやいや、土御門さん。これはいいものを見せて貰いましたね」ニヤニヤ


土御門「だにゃー。屋上でサボろうしていたら、いいものを見てしまったぜよ」ニヤニヤ


浜面「とりあえず……二人だけの秘密にしておきますか?」


土御門「だにゃー……とりあえず……ぜよ?」


浜面「とりあえず……だな?」

797: 2011/05/09(月) 22:23:15.09 ID:BcA8XabA0


土御門「後、浜面」


浜面「何だ?」


土御門「確かフレメアの小学校には――――――――」


浜面「―――――――――――――マジか!?」


土御門「おおマジだにゃー。しかもあいつも授業参観に来るらしいぜい」


浜面「小学校であいつらが対面すんのかよ……」


浜面「ってか、お前は絹旗の妹といいどんだけ情報通なんだよ!!」


土御門「グループのブレインを舐めてもらっちゃ困るぜよ」


浜面「流石、グループ……」

798: 2011/05/09(月) 22:24:13.88 ID:BcA8XabA0

土御門「とりあえず……面白いことになりそうだにゃー」ニヤリ


浜面「だな」ニヤリ


土御門「くくくくく」


浜面「ふふふふふ」



土御門と浜面が、怪しい笑いをし始めたその時、突如として一人の男が彼らの前に舞い降りた。
その男の服装は、上はゴルフウェア、下はデニムのラフな格好だ。



アックア「もうすぐで昼休みは終わりである。早く教室に戻るのである」


土御門「ア、アックア!?」


浜面「何処からきやがった!?」

799: 2011/05/09(月) 22:24:59.31 ID:BcA8XabA0

アックア「ニワトリさんに餌を上げていたら、お前達の姿が見えたのである」


浜面「ニワトリ小屋って……正門近くから屋上まで飛んできたのかよ……」


土御門(相変わらず化け物だな……)


アックア「飛んだのではない。ホップ・ステップである」


土浜「」


アックア「……そんなことはどうでもいい。早く、教室に戻るのである」


土御門「り、了解だにゃー」


浜面「お、おう……」

800: 2011/05/09(月) 22:26:00.93 ID:BcA8XabA0







アックア「……」


アックア「上条当麻、頑張るのである」


アックア「……フィアンマにメールでもしておくか」


アックア「メールの題は、"上条当麻、金髪美少女と熱愛?"とでも書いておくか」



そう言うとアックアは、背中に仕込んでいたノートPCを取り出して、フィアンマへメールを作成した。
ちなみに、この男がワープロ検定3級と取得したのは、1年後の話であった。



アックア「ぬ!? 間違って題名に本文を入れてしまったのである!!」

801: 2011/05/09(月) 22:27:22.71 ID:BcA8XabA0

――― 土曜 第13学区のとある小学校前



上条「ここがフレメアが通う小学校か」


フレンダ「結構大きいね」


上条「だなー。確かにこの中を一人で入るのは勇気いるなー」


フレンダ「上条君を誘ってよかったわけよ」


上条「お役に立てて光栄だぜ」


フレンダ「うん、本当ありがとね」ニッコリ


上条「」ドキッ


上条「お、おう……」

802: 2011/05/09(月) 22:28:27.30 ID:BcA8XabA0

フレンダ「それじゃー、行こうか」


上条「そ、そうだな……」


上条(何を意識してんだ、俺は……)









フレンダ「……5年1組……ここがフレメアのクラスね」


上条「うし、行くか」


フレンダ「うん」



ガラガラ



上条「……うおー、結構親御さん来てるんだなー」

803: 2011/05/09(月) 22:29:18.18 ID:BcA8XabA0

フレンダ「授業参観は、年に一回しかないからわざわざ学園都市外からも来てる人が多いわけよ」


上条「なるほどね」


フレンダ「でも置き去りの子もいるから、全員が全員ってわけじゃないわけ」


上条「置き去り、か……」



フレメア「?」


フレメア(あっ、フレンダお姉ちゃんと上条だ!!)


フレンダ「」フリフリ



上条「あ、フレメアだ」フリフリ


フレンダ(凄い喜んでる……上条君を連れてきてよかった)フリフリ

804: 2011/05/09(月) 22:30:42.33 ID:BcA8XabA0

フレンダ(フレメアも喜んでるし、私も嬉しいし……一石二鳥なわけよ!)



上条「ん?」


上条「あのアホ毛、何か見覚えが……」ジロー



打ち止め「フレメアちゃん、お姉ちゃん来たの? って満面な笑みをしてるフレメアちゃんにミサカはミサカは質問してみたり」


フレメア「うん。それに上条も」


打ち止め「上条って、上条当麻のこと? ってミサカはミサカは再度、質問してみたり」


フレメア「うん。ミサカちゃん、上条とお知り合い?」


打ち止め「お知り合いというよりヒーローさんはミサカの命の恩人と言うべきかも、って間柄を訂正してみたり」


フレメア「命の恩人?」

805: 2011/05/09(月) 22:31:50.23 ID:BcA8XabA0

上条「あれ、打ち止めじゃねーか!!」


フレンダ「え? 慰安旅行に一緒に来てた子?」


上条「ああ」


フレンダ「ってことは、黄泉川先生か芳川さんも来てるのかな?」


上条「どうだろうな? 片方はニートだしここに来る資格ないだろ」


フレンダ「そうね」


上条「」クンクン


上条「うっ……」

806: 2011/05/09(月) 22:32:49.90 ID:BcA8XabA0

フレンダ「どうしたの?」


上条「いや、香水の臭いが……」ヒソヒソ


フレンダ「あー……」


上条「奥の方、人少ないしあっち行かないか?」


フレンダ「うん、いいよ」



テクテク



上条「ふー……結構スペース空いてるなって……」


一方通行「……」


上フ「」

807: 2011/05/09(月) 22:34:26.66 ID:BcA8XabA0

上フ「一方通行ぁぁぁぁぁぁ!!??」


親御達「」ギロッ


上条「あっ、すいません」


フレンダ「すみません」


一方通行「うるせェよ、てめェら」


上条「悪い、悪い、ってお前が何でここにいんだよ?」


一方通行「……そこに授業参観があるからだ、クソッタレが!!」


フレンダ「いや、意味がわからないわけよ」


上条「あれか、打ち止めの授業参観を見にきたわけだな?」

808: 2011/05/09(月) 22:35:24.95 ID:BcA8XabA0

一方通行「……それしかねェだろうが」


上条「黄泉川先生と芳川さんは?」


一方通行「黄泉川は警備員、芳川は仕事だ」


上条「へー、芳川さん就職できたんだ」


フレンダ「それはおめでたいわけよ」


一方通行「……ところで、てめェらは何でここにいンだ?」


フレンダ「それは私の妹がいるから。姉の私が授業を見に来たわけよ」


上条「んで、俺はその付き添い」


一方通行「妹だァ?」

809: 2011/05/09(月) 22:36:20.01 ID:BcA8XabA0

フレンダ「うん。打ち止めちゃんの隣にいる金髪の子が私の妹」


一方通行「あン?」


一方通行(打ち止めの隣にいる奴か……)


一方通行(どっかで見た面だな……)ジロー


一方通行(……スキルアウトの駒場って奴の、携帯の待ち受けのガキじゃねェか)


一方通行(まさかアイテムの奴の妹だっとはな……)


上条「あのさ……」


一方通行「あン?」


上条「打ち止めっていつから学校行ってたの?」

810: 2011/05/09(月) 22:36:58.56 ID:BcA8XabA0

一方通行「今月からだ」


上条「教えろよ!!」


一方通行「あァ!? 何で、てめェにいちいち教えねェといけねェンだよ!?」


上条「そりゃー、お祝いとかあげたかったしさ……」


一方通行「いらねェ気を回すんじゃねェよ」


上条「別にいいじゃねーか、めでたいことなんだしさ」


一方通行「ふン……」



ガラガラ



先生「はーい、皆さん、今日は待ちに待った授業参観ですよ」

811: 2011/05/09(月) 22:39:15.07 ID:BcA8XabA0

先生「お父さん、お母さんにしっかり自分のお勉強をしている姿を見てもらいましょー」


生徒「はーい」


先生「それでは、1時間目は算数です」









先生「では、この問題を黄泉川さん、お願いね」


打ち止め「はい、ってミサカはミサカは元気にお返事をしてみたり!」



上条「黄泉川?」


一方通行「そのまま打ち止めって名前じゃまずいだろォがァ……」


上条「なるほど」

812: 2011/05/09(月) 22:40:19.95 ID:BcA8XabA0

打ち止め「答えは"3"って、ミサカはミサカは自信満々に解答してみたり」


先生「はい、正解です。さすが黄泉川さんですね」



フレメア「ミサカちゃん、すごーい」


打ち止め「にひひ、ブイ!」



上条「へー、打ち止め凄いじゃねーか」


フレンダ「確実にフレメアよりは頭いいわね」


一方通行「たりめェだ……打ち止めならあンくらい楽勝だ……」


上条「」ジロー


フレンダ「」ジロー

813: 2011/05/09(月) 22:41:00.44 ID:BcA8XabA0

一方通行「あンだ?」


上条「親ばか」ボソッ


フレンダ「親ばか」ボソッ


一方通行「……てめェら……」



―――― 4時間目



先生「はーい、今日はこれで授業はおしまいでーす」


先生「皆さん、お父さん、お母さんにしっかり勉強している姿見せれましたねー」


生徒達「はーい」


先生「では気をつけて下校して下さい」


生徒達「はーい」

814: 2011/05/09(月) 22:41:46.90 ID:BcA8XabA0

先生「それではさようならー」


生徒達「さようならー」



ワイワイガヤガヤ



フレメア「フレンダお姉ちゃん、上条!」


上条「おっす! 勉強頑張ってたな」


フレメア「にゃあ。算数は苦手……」


フレンダ「フレメア、一回も手挙げてなかったもんね」


フレメア「」ギクッ


上条「そういえば、フレメア」


フレメア「にゃあ?」

815: 2011/05/09(月) 22:42:22.78 ID:BcA8XabA0

上条「お前、打ち止め……いや、黄泉川さんと仲いいのか?」


フレメア「大体、仲がいい」



「ふふふふ」



上フ「?」


打ち止め「フレメアちゃんとは親友なのだ! ってミサカはミサカは明言してみたり!」


上条「打ち止め、おっす」


フレンダ「こんちには」


打ち止め「こんちにはって、ミサカはミサカは元気に挨拶してみたり」


打ち止め「そして、何故あなたがここにいるの? ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」

816: 2011/05/09(月) 22:43:09.12 ID:BcA8XabA0

一方通行「その女の付き添いだとよ」


上条「そういうことだ」


打ち止め「付き添い……」ジロー


フレンダ「?」


打ち止め「ヒーローさんとフレンダは、恋人同士なの? ってミサカはミサカは二人の関係を探ってみたり」


上フ「ぶはっ!!??」


一方通行「探るどころか、ストレートに聞いてるじゃねェかァ」


フレメア「フレンダお姉ちゃん、上条と恋人なの?」

817: 2011/05/09(月) 22:44:24.78 ID:BcA8XabA0

フレンダ「ち、違う!! 上条君とはお友達なわけよ///」


上条「そ、そうだ!! 俺とフレンダはお友達だ///」


打ち止め「……2人共、焦って関係を否定するところが怪しいと、ミサカはミサカは疑ってみたり」ジロー


上条「だから違うって!!」


フレンダ「そ、そうよ! 私と上条君は恋人じゃないわけよ!」


フレンダ「……まだ」ボソッ


「「「「「!?」」」」」


一方通行「ほほゥ」

818: 2011/05/09(月) 22:45:23.35 ID:BcA8XabA0

打ち止め「まだ、ってことはいずれかは……ってミサカはミサカは頬を赤らてみたり」


フレンダ「あぅ……///」


上条「フ、フレンダ?」


フレンダ「ちょっと、お手洗い!!」ダダダッ


フレメア「フレンダお姉ちゃん?」


一方通行「おい、三下」


上条「……なんだ?」


一方通行「流石のお前でも、気づいたよなァ?」


上条「え、えっと……」

819: 2011/05/09(月) 22:47:28.38 ID:BcA8XabA0

打ち止め「うふふ、とうとうヒーローさんにも春が来たね、ってミサカはミサカは祝ってみたり」


フレメア「?」



上条が頭が混乱している頃、フレンダも同じく、女子トイレ内で頭が混乱していた。



フレンダ(あー!!!!)


フレンダ(私は何を口走ってるわけよぉぉぉぉぉ!!)


フレンダ(あれじゃ、流石の上条君も私の気持ちに気づいちゃうじゃない!!)


フレンダ(あれ? でも私の気持ちに気づいて貰えるチャンスなのに……)


フレンダ(何で……私は困ってるわけ?)


フレンダ(前はあれだけ積極的だったのに……)


フレンダ(いざとなったら怖がっちゃってるのかな……)

825: 2011/05/09(月) 22:58:30.99 ID:BcA8XabA0
>>824
描写なかったですが黄泉川ミサカって名前です!
記載不足でした、すいません!

では皆さん、おやすみなさいノシ

837: 2011/05/12(木) 22:50:42.65 ID:01fXKnc40







フレンダ「お、お待たせ……」


フレメア「フレンダお姉ちゃん、おかえり」


上条「お、おかえり……」


フレンダ「」ビクッ


フレンダ「う、うん……」


上条「……」


フレンダ「……」


一方通行「……」

838: 2011/05/12(木) 22:51:42.39 ID:01fXKnc40

一方通行(おいおい、なンですかァ? この空気?)


打ち止め「ねぇー」チョンチョン


一方通行「あン?」


打ち止め「この後、皆でデパートに行きたい、ってミサカはミサカは自分の希望を伝えてみたり」


一方通行「……皆って……こいつらもか?」



上条「」チラッ


フレンダ「」ビクッ


フレンダ「……」


上条「……」


フレメア「?」

839: 2011/05/12(木) 22:52:30.56 ID:01fXKnc40

打ち止め「うん」


一方通行「まァ、俺は別にいいけどよ」


打ち止め「それじゃー、決定! ってミサカはミサカは高らかに宣言しみたり!」


打ち止め「フレメアちゃん、一緒にデパート行こう、ってミサカはミサカは土曜の午後を有意義に過ごすために誘ってみたり!」


フレメア「うん、大体行く」


一方通行「ってなわけだァ……いいか?」


上条「……え?」


フレンダ「……何が?」


一方通行「」ハァー


一方通行「こいつは……重症だなァ……」

840: 2011/05/12(木) 22:53:26.09 ID:01fXKnc40

―――― 2時間後 デパート屋上



フレメア「ぞうさん、レッツゴー!!」


打ち止め「ぬぬぬ!? ミサカのお馬さんもレッツゴー、ってミサカはミサカは闘争心をあらわにしてみたり!!」


フレメア「負けない」


打ち止め「こっちこそ」



一方通行「たくっ、あンな乗り物のどこがいいンだか……」


上条「ま、まー子供はあういうの好きだからな」


フレンダ「そ、そうね。フレメアはあういうの大好きなわけよ」


上条「そ、そうだったんだ」

841: 2011/05/12(木) 22:54:28.26 ID:01fXKnc40

フレンダ「う、うん」


上条「それは知らなかったな」


フレンダ「そ、そう?」


上条「お、おう……」


フレンダ「……」


上条「……」


一方通行「」イライラ


一方通行(番外個体並にイライラさせてくれるぜェ……この2人はよォ……)


842: 2011/05/12(木) 22:55:23.74 ID:01fXKnc40

一方通行(……しかし)チラッ


上条「……」


一方通行(三下のこンな様子、初めて見ンな……)


一方通行(恐らく……こいつアイテムの女に気があンな)


一方通行(まァ、自分の気持ちに気づいていないだろうがよ)


上条「お、俺、飲み物買ってくるよ」


フレンダ「う、うん」


上条「一方通行はコーヒーだよな?」

843: 2011/05/12(木) 22:56:30.13 ID:01fXKnc40

一方通行「いや、俺はいらねェ」


上条「そ、そっか……フレンダは何がいい?」


フレンダ「え、えっと……コーヒーで……」


上条「わ、わかった」ダダダッ


フレンダ「……」


一方通行「……」


一方通行(こいつは、三下が自分に気あンの気づいてねェのか?)


一方通行(……まァ、俺は人の恋愛事に首突っ込める立場じゃねェか……)


844: 2011/05/12(木) 22:58:28.73 ID:01fXKnc40

フレンダ「あのさ……」


一方通行「あン?」


フレンダ「ごめんね、気使わせちゃって……」


一方通行「あンだ、自覚してたのかよ」


フレンダ「ま、まー……」


一方通行「ならさっさと、くっついちまえよ」


フレンダ「」


フレンダ「…………へ?」

845: 2011/05/12(木) 22:59:11.52 ID:01fXKnc40

一方通行「冗談だよ、冗談」ククク


フレンダ「な、な、な///」


フレンダ「か、からかわないでほしいわけよ!!」


一方通行「わりィ、わりィ」


フレンダ「まったく……」


一方通行「……俺達、先に帰るからまたな……」


フレンダ「え? もう帰るわけ?」


一方通行「こっちにも用事ってもンがあんだよ」


フレンダ「そ、そっか」

846: 2011/05/12(木) 23:00:56.70 ID:01fXKnc40

一方通行「打ち止めァァァァァァ!!」



打ち止め「!?」


打ち止め「フレメアちゃん、またね、ってミサカはミサカはお別れを惜しんでみる!」


フレメア「うん、またねー」


打ち止め「」テクテク



一方通行「……頑張れよ」ボソッ


フレンダ「…………え?」



わざと聞こえないように言い残し一方通行と打ち止めは、フレンダの前から去っていった。

847: 2011/05/12(木) 23:01:52.00 ID:01fXKnc40

~ フレメアの授業参観から4日後 ~



上条「き、今日も平和だな……」


フレンダ「そ、そうね……」


上条「……」


フレンダ「……」


上条(き、気まずい……)


フレンダ(ま、まさか今日のパトロールが上条君とだなんて……)


上条「……」


フレンダ「……」

848: 2011/05/12(木) 23:02:31.54 ID:01fXKnc40

垣根「……」


絹旗「……」


垣根「おい、こいつら喧嘩でもしたのか?」ヒソヒソ


絹旗「いえ、私にも超さっぱりです」ヒソヒソ


垣根「」ハァー


垣根「空気が重てぇんだが……」


絹旗「そ、そうですね……」


絹旗「垣根さん、後で上条さんに何があったのか聞いて下さいよ」


垣根「何で俺なんだよ?」

849: 2011/05/12(木) 23:03:32.92 ID:01fXKnc40

絹旗「……だって、上条さんと仲がいいじゃないですか」


垣根「まっ、まーな///」


絹旗「私もフレンダに問い詰めてみるので」


垣根「おう」


絹旗「超よろしくです」


上条「おい、お前ら歩くの遅いぞ?」


垣根(誰のせいだと思ってやがる?)


垣根「あいよ!」


絹旗「す、すみません!」

850: 2011/05/12(木) 23:04:30.10 ID:01fXKnc40

上条達が重たい空気の中パトロールしている最中、土御門、浜面、麦野も別の地区をパトロールをしていた。



土御門「しかし、何だにゃー……」


浜面「ああ……」


土御門「あれくらいで、あんなに気まずくなるとは思ってもみなかったにゃー」


浜面「だな」


麦野「……もしかして、フレンダと上条のことかしら?」


浜面「おう……って、何で麦野知ってんだ?」


麦野「知ってるも何も……あの2人の様子を見てたら誰でもわかると思うけど」


土御門「だにゃー……」


851: 2011/05/12(木) 23:05:16.43 ID:01fXKnc40

麦野「あんた達、あいつらに何かあったか知ってるの?」


浜面「えっと……」


浜面「おい、どうする? 麦野にも打ち明けてみるか?」ヒソヒソ


土御門「うーん、悩むところだぜい」ヒソヒソ


麦野「は・ま・づ・ら? つ・ち・み・か・ど?」


土浜「」ビクッ


麦野「第一七七支部に隠し事はなしよ」ニッコリ


土浜「」ゾクッ


麦野「さっさと言わないと、その大きな体に……」

852: 2011/05/12(木) 23:05:50.45 ID:01fXKnc40

浜面「お、大きな体に?」ダラダラ


麦野「風穴開けちゃうわよ? 大き目の♪」


土浜「」ゾクッ


浜面「わりぃ、土御門。もう無理みたいだ……」


土御門「俺もまだ氏にたくないぜよ……」


浜面「すまねぇ……」


麦野「浜面、土御門、話す気になった?」


浜面「……おう。実はな――――――――――――――」


853: 2011/05/12(木) 23:06:51.75 ID:01fXKnc40

麦野「――――――――――――――――はぁぁあ!?」


浜面「恐らく気まずくなってるのは、そのことが原因かと思う」


土御門「だにゃー。お互いを変に意識しちゃってるぜよ」


麦野「どんだけ純情なのよ、あいつら」


浜面「まー、上条はわかるけど……フレンダまでもな……」


土御門「会った当初は、イケイケだったのが信じられないにゃー」


麦野「イケイケって……」


浜面「とりあえず、俺達じゃどうしようもねーしな……」


土御門「だにゃー。上やんが自分の気持ちに気づくのを待つしかないにゃー」

854: 2011/05/12(木) 23:08:00.35 ID:01fXKnc40

麦野「……それで、上条はいつ頃気づくのかしら?」


土御門「……予想不可能だぜい」


浜面「……だな」


麦野「……そっ。なら私はフレンダと話してみるわ」


浜面「流石、頼りになるリーダーだぜ!」


麦野「褒めても何もでないわよ」


浜面「いやいや、頼みますよ、麦野お姉さま!」


麦野「気持ちわりぃこと言ってんじゃねぇよ!!」


土御門(フレンダの方は何とかなりそうだぜい……)


土御門(問題は上やんの方か……)

855: 2011/05/12(木) 23:08:58.41 ID:01fXKnc40

―――― 2時間後 第一七七支部



固法「今日もお疲れ様でした。皆、気をつけて帰ってね」


一同「お疲れ様でしたー」



垣根「上条」


上条「ん?」


垣根「今日、お前ん家行っていいか?」


上条「ああ、いいけど……」


垣根「それじゃあー、何か晩飯何か買ってくるからあとでな」


上条「晩飯? 俺が作るぞ?」

856: 2011/05/12(木) 23:09:54.95 ID:01fXKnc40

垣根「いや、いつも作ってもらってるし……たまにはな?」


上条「そっか……それじゃあー待ってるな」


垣根「おう」


上条「それじゃあー、皆お疲れさーん」



<オツカレー
<オツカレサマデス



垣根「んじゃー、絹旗頼んだぞ」


絹旗「了解です。垣根さんもよろしくです」


垣根「おう」

857: 2011/05/12(木) 23:10:46.84 ID:01fXKnc40


ガラガラ



垣根「それじゃー「それじゃー、じゃないでしょう!」」


固法「また、窓から帰ろうとして!」


垣根(やべぇ! つい考え事してて忘れてたぜ……)


垣根「す、すいませーん」


固法「まったく、もう……」


垣根「それじゃー、お先に失礼するぜ」



<オツカレー
<オツカレサマデス



絹旗(大丈夫ですかね? ちょっと不安になってきました……)

858: 2011/05/12(木) 23:11:52.98 ID:01fXKnc40

絹旗(さてと……フレンダを夜ご飯にでも誘いましょう)


絹旗「フレンダ」


フレンダ「なに?」


絹旗「たまには一緒にご飯でもどうですか?」


フレンダ「うーん、フレメアも外出してるしいいけど」


絹旗「どうもです! それじゃー、いつものファミレスでも行きましょう」



麦野「私も行っていいかにゃーん?」



絹旗「麦野?」

859: 2011/05/12(木) 23:12:40.96 ID:01fXKnc40

フレンダ「もちろんいいわけよ。ね、絹旗?」


絹旗「え、ええ……」


麦野「ありがとう」


フレンダ「どうせなら滝壺も誘う?」


絹旗(……この際、滝壺さんにもお手伝いしてもらいますか)


絹旗「そうですね。麦野もいいですか?」


麦野「もちろんよ」


フレンダ「それじゃー、滝壺を誘ってくるね」


絹旗「はい」

860: 2011/05/12(木) 23:13:49.64 ID:01fXKnc40

麦野「頼むわね」


フレンダ「うん!」ダダダッ


絹旗「…………麦野」


麦野「なーに?」


絹旗「実は……私がフレンダを誘ったのは上条さんとのことなんですが」


麦野「!?」


麦野「奇遇ね。私もフレンダにそのことを聞いてみたかったのよ」


絹旗「麦野もですか!?」


麦野「ええ。流石にあのままだと見てられないしね」

861: 2011/05/12(木) 23:14:47.13 ID:01fXKnc40

絹旗「超同感です。アイテムの皆で解決しましょう」


麦野「ええ。でも滝壺がいて大丈夫かしら?」


絹旗「滝壺さんは、相手が超浜面ですが一応恋人がいる方ですし……意見も参考になるかと思います」


麦野「なるほどね」



フレンダ「滝壺、今日ね、絹旗と麦野とファミレスに行くんだけど一緒にどう?」


滝壺「え? 私?」


フレンダ「うん」


滝壺「えっと、私は……」チラッ

867: 2011/05/12(木) 23:25:41.34 ID:01fXKnc40

浜面(麦野の奴、行動が早いぜ)


浜面「俺のことはいいぞ? たまにはアイテムの女4人で飯行って来いよ」


海原「ええ。自分達のことは気にしないで下さい」ニッコリ


滝壺「……ありがとう。それじゃー、行く」


フレンダ「ありがとう。浜面と海原君もありがとね?」


浜面「おう」


海原「いえいえ」


滝壺「それじゃー、また明日」フリフリ


浜面「おう、気をつけてな」フリフリ


海原「いってらっしゃい」フリフリ

868: 2011/05/12(木) 23:26:28.66 ID:01fXKnc40








浜面「さて……土御門はさっさと帰っちまったし、男2人で寂しく飯でも行くか?」


海原「たまにはいいんじゃないですか?」


浜面「そうだな」


海原「女性がいないので、たまには丼屋にでも行きますか?」


浜面「おっ、いいね」


海原「実は親子丼が絶品なお店を見つけまして」


浜面「親子丼か……大好物だ!!」


海原「では参りましょう」


浜面「おう!」

869: 2011/05/12(木) 23:27:31.35 ID:01fXKnc40

~ 30分後 ファミレス ~



フレンダ「それにしても、この4人で食事なんて久しぶりなわけよ」


滝壺「だね」


絹旗「確かに……」


麦野「風紀委員に協力してから初めてかもね」


絹旗「麦野」ヒソヒソ


麦野「」コクリ


麦野「フレンダ、今日は話したいことがあるの」


絹旗「私もです」


フレンダ「え? なに?」

870: 2011/05/12(木) 23:28:42.55 ID:01fXKnc40

麦野「上条のことなんだけど……」


フレンダ「っ!?」


絹旗「上条さんと最近ぎくしゃくしてますが……何かあったんですか?」


滝壺「……」


フレンダ「……えっと……その……」


麦野(屋上で抱きついてたことをこっちから言っちゃうわけにはいかないしな……)


絹旗「上条さんと超喧嘩でもしたんですか?」


フレンダ「喧嘩はしてないわけよ」


絹旗「なら、なんであんなにぎくしゃくしてるんですか?」

871: 2011/05/12(木) 23:29:31.74 ID:01fXKnc40

フレンダ「……」


麦野「フレンダ、話したくないなら構わないわ……」


麦野「……でも、私達は仲間なんだから、少しだけでもいいから頼ってくれないかしら?」


フレンダ「…………うん」コクリ


フレンダ「実はね――――――――――――――――――――」







麦野「―――――――――――――――――――なるほどね」


麦野(どうやら、土御門と浜面が言ってた"あれ"が直接の原因ではないみたいね)


絹旗「なるほど。そんなことがあったんですか」


滝壺「……」

872: 2011/05/12(木) 23:30:35.07 ID:01fXKnc40

フレンダ「あれから、今の状態にいたったわけよ」


絹旗「……でも、フレンダの気持ちを上条さんに気づいてもらえるなんて逆にチャンスじゃないんですか?」


麦野「そうよね。あの朴念仁に気持ちを気づいてもらえるだけでも快挙だって、土御門が言ってたわよ」


滝壺「フレンダは、かみじょうのことが好きなんだよね?」


フレンダ「」コクリ


絹旗「なら、なんでフレンダは困ってるんですか!?」


フレンダ「……それは……今の関係が壊れるのが怖いからよ……」


絹麦滝「!?」


フレンダ「実はね……私、今の上条君との距離感を結構気に入ってるわけよ」

873: 2011/05/12(木) 23:32:53.98 ID:01fXKnc40

フレンダ「彼女ではないけど……フレメアと3人でお出かけしたり、学校や支部でお喋りしたりね……」


フレンダ「昔と比べて、上条君との距離も結構縮まったと思うわけ……」


絹麦滝「…………」


フレンダ「けど、もし告白して振られちゃったら……今の関係が壊れちゃうのかな、って思ったりもするわけよ……」


絹旗「フレンダ……」


フレンダ「もし、告白して振られて……今の関係が崩れるなら……」


フレンダ「このままでもいいかな、って思ったりもしてるわけ……」


麦野「……なるほどね」


麦野「ようするに……フレンダは今の関係を崩したくないわけね?」

874: 2011/05/12(木) 23:36:37.32 ID:01fXKnc40

麦野「それでつい口が滑っちゃって、上条に自分の気持ちが伝わってしまったのを後悔してると……」


フレンダ「」コクリ


フレンダ「それから……お互い変に意識しちゃってるみたい……」


フレンダ「いや……私が避けちゃってるのかな……」


絹旗「お互いどう接すればいいかわからないと?」


フレンダ「」コクリ


滝壺「……フレンダは、このままのでいいの?」


フレンダ「……」


フレンダ「いやだよ……」


フレンダ「前みたいに仲良く話したいよ……」グスッ

875: 2011/05/12(木) 23:37:39.64 ID:01fXKnc40

麦野「フレンダ……」


絹旗「……」


滝壺「……なら、フレンダがやることは一つだと思う」


フレンダ「……え?」


滝壺「かみじょうに告白しよう」


麦絹「!?」


フレンダ「」


フレンダ「え!?」


滝壺「」コクリ


876: 2011/05/12(木) 23:38:46.96 ID:01fXKnc40

フレンダ「でも……もし……振られたら……」


滝壺「フレンダ」


フレンダ「……」


滝壺「フレンダは、かみじょうのことが好きなんだよね?」


滝壺「だったら逃げちゃ駄目。気持ちをちゃんと伝えないと」


フレンダ「……でも……振られて……前みたいに話せなくったら……」


絹旗「」イラッ


絹旗「フレンダ!!」


フレンダ「」ビクッ


絹旗「今のフレンダ、超かっこわるいです!!」

877: 2011/05/12(木) 23:39:56.01 ID:01fXKnc40

麦野「き、絹旗?」


絹旗「前に私に言ってたじゃないですか! 上条さんのハートを掴むって!」


絹旗「研修合宿でスクールの女にかっこよく宣言してたフレンダは、どこいっちゃったんですか!?」


フレンダ「絹旗……」


絹旗「わ、私は恋愛とかよくわかりませんが……好きなのに好きって言わないのはおかしいと思います!」


滝壺「絹旗の言うとおりだよ。フレンダは、かみじょうが他の女の人と付き合ってもいいの?」


フレンダ「……やだ……」ボソッ


フレンダ「上条君が、他の女の子と付き合うのなんていやなわけよ!!」


麦野「……やっと、本音出したか……」

878: 2011/05/12(木) 23:41:53.77 ID:01fXKnc40

フレンダ「……え?」


麦野「全く普段は調子がいいくせに、肝心なところで臆病になるんだから……」


フレンダ「麦野……」


麦野「上条に気持ちを伝えなさい。今、言わないと後で後悔するわよ? 後悔してもいいの?」


フレンダ(後悔……)


フレンダ「後悔は……したくない……」


滝壺「なら……頑張って思いを伝えよう?」


絹旗「私達、全員フレンダの味方ですから!」


フレンダ「……みんな……」

879: 2011/05/12(木) 23:44:29.35 ID:01fXKnc40

麦野「全く、手がかかる奴」クスッ


フレンダ「……ありがとう……」グスッ


フレンダ「」ゴシゴシ


フレンダ「私、上条君にきちんと告白する!!」


滝壺「うん」


絹旗「はい!」


麦野「それじゃあー、初期アイテムの4人で久々に作戦会議始めるわよ!!」


絹旗「超了解です!」

880: 2011/05/12(木) 23:46:38.81 ID:01fXKnc40

滝壺「懐かしいね」


麦野「んじゃー、まずは上条をデートにでも誘うわよ」


絹旗「デートですか!? ならお勧めの映画があります!!」


滝壺「却下」


絹旗「……」


フレンダ「えっと……」


麦野「何よ? またぐずってたら風穴開けるわよ?」


フレンダ「……そろそろ、ご注文した方がいいかな、って……」タハハ


麦滝絹「…………あっ」

897: 2011/05/13(金) 23:12:03.99 ID:gNx8FAU+0

~ 同時刻 上条宅 ~



上条「垣根が、牛丼買ってくるなんて予想外だったな」モグモグ


垣根「最近、はまってんだよ」モグモグ


上条「牛丼は、やっぱつゆだくじゃないとだな」


垣根「わかってんじゃねぇか」ニヤリ









垣根「上条」


上条「あん?」


垣根「実は、今日はお前に聞きたいことがあってな」


上条「あんだよ?」

898: 2011/05/13(金) 23:13:04.96 ID:gNx8FAU+0

垣根「お前、最近フレンダとぎくしゃくしてんだろ?」


上条「……」


垣根「お前さ……フレンダを押し倒したのか?」


上条「」


上条「はぁぁぁぁぁぁああ!!??」


上条「てめぇは、急に何言ってやがんだ!!??」


垣根「え? 違うの?」


上条「全然違うわっ!!」


垣根「おっかしいな……てっきり、押し倒して拒否られて気まずくなったのか思ったんだが……」

899: 2011/05/13(金) 23:13:52.95 ID:gNx8FAU+0

上条「垣根さんの頭は、どんな回路してるんですかー?」


垣根「いや、俺も前に吹寄を押し倒したら、似たようなことがあったからよ」


上条「…………へ?」


垣根「――――あっ」


垣根(しまったぁぁぁぁぁああ!! ついうっかり、口滑っちまいやがったぁぁぁぁああ!!)


上条「へー……垣根がね……」ジー


垣根「そ、そんな目で俺を見るんじゃねぇぇぇええ!!」


垣根「と、とりあえずだな……」コホン


垣根「フレンダと何かあったんなら相談してくれや」

900: 2011/05/13(金) 23:14:37.00 ID:gNx8FAU+0

上条「垣根……」


垣根「お前らも辛いと思うけど、見てる側も結構辛いんだわ」


上条「……そっか、周りにも迷惑掛けてたんだな……」


上条「実はな―――――――――――――――――」







垣根「―――――――――――――――なるほどな」


上条「一応、普段通りに接しようと思ってるんだけど、変に意識しちまってよ……」


垣根(おいおい、フレンダ、やったじゃねーか!!)


上条「フレンダにも少し避けられてる感じがしてよ……まいってんだよ……」


垣根「まー、お互い変に意識しちまって、今の状態になってるわけだな」

901: 2011/05/13(金) 23:15:23.81 ID:gNx8FAU+0

上条「まーな……」


垣根「んで、お前はどうなんだよ?」


上条「え?」


垣根「お前は、フレンダのことが好きなのか?」


上条「っ!?」


上条「えっと……」


垣根「……はん、顔を見ればわかるぜ」


上条「え? 顔?」


垣根「大方、自分の気持ちがよくわかってねぇんだろ?」


902: 2011/05/13(金) 23:16:06.75 ID:gNx8FAU+0

上条「……何でわかったんだ?」


垣根「……吹寄のことで相談してた時の、俺にそっくりだよ、お前」


上条「……」


垣根「きっと、前の俺も今のお前みたいな顔をしてたんだろうな」ククク


上条「……やっぱ、俺はフレンダのことが好きなのか?」


垣根「俺に聞くなよ」


上条「……だよな」


上条「……」


垣根「……」

903: 2011/05/13(金) 23:16:59.49 ID:gNx8FAU+0


垣根「たくっ、しょうがねーな」ポリポリ


垣根「おい、上条!」


上条「お、おう……」


垣根「今から俺がいくつか質問するから、○か×で答えろ」


上条「何を急に……」


垣根「いいから!!」


上条「わ、わかったよ……」


垣根「んじゃー、一つ目。フレンダと一緒にいて楽しいか?」


上条「○」

904: 2011/05/13(金) 23:17:58.97 ID:gNx8FAU+0

垣根「二つ目。フレンダが自分のことを好いてくれて嬉しいか?」


上条「○」


垣根「三つ目。フレンダとやりたいか?」


上条「ま……って、お前は何を言ってやがる!!」


垣根「少し、レベル上げすぎたか……」


垣根「四つ目。フレンダが、自分以外の男と付き合ってたら嬉しいか?」


上条「……×」


垣根「最後の質問な。俺とお前は親友か?」


上条「……○」

905: 2011/05/13(金) 23:18:39.72 ID:gNx8FAU+0

垣根「…………以上で終了だ///」


上条「……いや、最後の質問は関係なくねーか?」


垣根「気にするな」


垣根「……今の答えを聞くと、一般的に考えればお前はフレンダのことが好きなんだと思う」


上条「……」


垣根「だがな……それを決めるのお前自身だ」


上条「垣根……」


垣根「俺から言えることはそれだけだ。後は、自分で考えるんだな」


上条「……それ、前に俺がお前に言った台詞じゃねーか」

906: 2011/05/13(金) 23:19:26.60 ID:gNx8FAU+0

垣根「そうだったか?」


上条「そうだよ」フッ


垣根「んじゃー、俺は帰るわ」


上条「もう帰るのか?」


垣根「今日は、フレンダとのことを聞きたかっただけだからな」


上条「そっか。悪かったな」


垣根「別に」



ギー



垣根「上条」

907: 2011/05/13(金) 23:21:46.09 ID:gNx8FAU+0

上条「ん?」


垣根「もしかしたら、お前は一生治らない病を患ったのかもしんねーな……」


上条「……は? 病って?」


垣根「……恋だよ。お前は恋を患ってるのかもな」ニヤリ


上条「」


垣根「じゃーな」



垣根は、そう言い残し上条の家を後にした。
これ以上にない、ドヤ顔をして……



垣根(やっべ……俺、超かっこいいこと言ったんじゃね?)


垣根(今度、吹寄にも言ってみっかな)


908: 2011/05/13(金) 23:22:44.30 ID:gNx8FAU+0

垣根(さてと、今日は歩いて帰るとすっかな)



その頃、玄関越しでは、垣根的名台詞を言われた上条が玄関で固まっていた。
そして、上条は改めて認識した。やっぱこいつメルヘンだわ、って。



―――― 1時間後



上条「……」


上条(フレンダか……出会った初日に、いきなり飯に誘われたっけかな)


上条(そして、いきなり転入宣言だもんな……)


上条(あん時は、かなりびっくりしたな……)


上条(あれ? もしかして……あの時から俺ってフレンダに好かれてた?)


909: 2011/05/13(金) 23:23:25.50 ID:gNx8FAU+0

上条(……いや、出会った初日だぞ? ないない)


上条(大体、俺が一目惚れされるわけないだろ!! 調子乗るな、上条当麻!!)


上条「……」


上条(やっぱ好きなのかな、俺……)


上条(でも……こういう時はどうすればいいんだろうな……)


上条「……」


上条「あぁぁぁぁぁぁああ!!」


上条「考えてったって、らちあかねぇぇぇ!! 行動だ、行動!!」


上条「……」

910: 2011/05/13(金) 23:25:20.49 ID:gNx8FAU+0

上条「とりあえず、フレンダをデートに誘う!!」


上条「フレンダにメール……いや、ここは電話だな!!」


上条「」ゴクリ


上条「よし、かけるぞ、俺!!」ポチポチ



土御門(上やん……もろ、聞こえてるぜよ)


土御門(とりあえず、頑張るんだにゃー)ニッコリ


舞夏「上条の奴、青春してるなー」


土御門「だにゃー」

911: 2011/05/13(金) 23:26:19.90 ID:gNx8FAU+0

~ さかのぼること5分前 フレンダ宅 ~



フレンダ(麦野、滝壺、絹旗の言うとおりなわけよ)


フレンダ(何をうじうじしてたのよ、私は……)


フレンダ(よし! 上条君をデートに誘おう!!)


フレンダ(……まずは、行き先を考えないと……)



――― 5分後



フレンダ(うーん、遊園地が妥当かな~?)


フレンダ(動物園もいいけど、ここは遊園地なわけよね……)



I wanna hold you~♪



フレンダ(電話?)

912: 2011/05/13(金) 23:27:05.88 ID:gNx8FAU+0

フレンダ(か、上条君からぁぁぁぁぁああ!?)My skies are turning black~♪


フレンダ(こ、心の準備が……)Feels like a heart attack~♪


フレンダ「……よ、よし」ポチッ


フレンダ「も、もひもひ……」


フレンダ(うわっ!? 噛んだぁぁぁ!!)


上条「お、おっす!」


フレンダ「う、うん」


上条「いきなり電話して悪かったな。今、大丈夫か?」


フレンダ「だ、大丈夫よ」

913: 2011/05/13(金) 23:27:45.46 ID:gNx8FAU+0

上条「ならよかった。あのさ……」


フレンダ「う、うん……」


上条「……今度の日曜って予定空いてるか?」


フレンダ「」


フレンダ「…………え!?」


上条「いや……その……」


フレンダ「……」


上条「一緒に遊園地でもいかがかな……と思いまして……」


フレンダ(逆に上条君からお誘いがきたぁぁぁぁああ!!)

914: 2011/05/13(金) 23:28:32.28 ID:gNx8FAU+0

上条(あれ、返事が返ってこない……駄目だったか?)


フレンダ「う、うん!! 大丈夫よ!!」


上条「そ、そっか!! よかった!!」


フレンダ「日曜は風紀委員もお休みだしね!!」


上条「そっか、そっか」


上条(ほっ……)


上条「それじゃー、詳しい時間とかはまた学校で話すからさ」


フレンダ「うん。わかった」


上条「それじゃー、また明日な。おやすみ」

915: 2011/05/13(金) 23:29:19.62 ID:gNx8FAU+0

フレンダ「お、おやすみなさい」



プチッ ツーツー



フレンダ「……」


フレンダ「きゃいぃぃぃぃん!!」ドバッ


フレンダ(まさか、上条君の方からお誘いが来るなんて!!)


フレンダ(こ、これは脈ありってことでいいわけよね……)



フレメア「」ジー



フレンダ「はっ!?」


フレンダ「フ、フレメア……いつからそこにいたわけよ?」アセアセ

916: 2011/05/13(金) 23:30:06.41 ID:gNx8FAU+0

フレメア「大体、お姉ちゃんが、きゃいぃぃぃぃん!! って言いながらベッドにダイブしたところから」


フレンダ「あうぅぅぅぅ///」


フレメア「何かいいことあったの?」


フレンダ「ま、まーね///」


フレメア「よかったね、お姉ちゃん」ニッコリ


フレンダ「うん、ありがとう」


フレメア「それじゃー、おやすみなさい」


フレンダ「おやすみ」フリフリ

917: 2011/05/13(金) 23:31:55.62 ID:gNx8FAU+0



ギー バタン



フレンダ「……」


フレンダ「まさか……あんな姿を妹に見られるなんて……」


フレンダ「まっ、いいっか!!」


フレンダ「……」


フレンダ(土曜までに、新しい服を買っておこうっと……)


フレンダ「今日はもう寝ようっと」

918: 2011/05/13(金) 23:32:41.77 ID:gNx8FAU+0

~ 同時刻 上条宅 ~



上条(よし、デートOK貰えたぜ!!)


上条(後は、自分の気持ちを素直にフレンダに伝えるだけだ……)


上条「……」


上条「あー……緊張してきた……」


上条「情けないな、俺……」


上条(でも伝えないとな……自分の気持ちってやつをよ……)


上条「うし、今日は寝るか!!」

919: 2011/05/13(金) 23:33:23.63 ID:gNx8FAU+0

~ 日曜 遊園地 ~



フレンダ(ちょっと早く来すぎちゃった……)


フレンダ(ふ、服装問題ないわよね?)


フレンダ「……」


フレンダ(そういえば、上条君と二人っきりで遊ぶのは初めてなわけよね)


フレンダ(最初で最後にならなければいいんだけど……)


フレンダ(……って、ネガティブに考えちゃ駄目なわけよ!!)



上条「わりぃ! 待たせたな!」



フレンダ「あっ……」

920: 2011/05/13(金) 23:34:09.46 ID:gNx8FAU+0

上条「結構待ったか?」


フレンダ「ううん。5分くらいしか待ってないわけよ」


上条「そっか! んじゃー、早速行きますか」


フレンダ「うん」



上条とフレンダが、遊園地の入り口へ向かう頃、二人を遠くから見守る怪しげな人影があった。



「こちら、アロハ野郎。ターゲットが遊園地に入ったぜよ」


「こちら、C級窒素。了解です」


「こちら、鼻毛ピアス。了解だ……って俺のコードネーム酷くない!?」


「黙れ、鼻毛ピアス。俺達も行くぜよ」


「「了解!!」」

933: 2011/05/15(日) 22:37:19.03 ID:ZBIIo22c0

上条「フレンダは、この遊園地来たことあるのか?」


フレンダ「ううん。初めてなわけよ」


上条「じゃあー、俺と一緒だな」


フレンダ「上条君も来たことないんだ?」


上条「一緒に行く人もいなかったしな」


フレンダ「そうなんだ」


上条「だから……今日は二人でしっかり楽しもうぜ」


フレンダ「うん!」


上条「まずは手ごろな乗り物がいいよな」

934: 2011/05/15(日) 22:38:15.93 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「そうね……」


上条「ん……まずはあれにするか!」


フレンダ「☆ツアーズね」


上条「いいか?」


フレンダ「もちろん!」



「ターゲットは、☆ツアーズへ向かっているようだにゃー」


「あのアトラクションなら、後ろの席にいればばれないでしょう。私が行って来ます」


「頼むぜい。C級窒素」


「超了解です!」

935: 2011/05/15(日) 22:39:23.04 ID:ZBIIo22c0








上条「結構リアルだったな」


フレンダ「学園都市製の3Dだしね」


上条「次はジェットコースターでも乗るか?」


フレンダ「う、うん……上条君は絶叫系大丈夫なの?」


上条「全然大丈夫」


上条(あのめっちゃ速い飛行機や、アックアに飛ばされたことを思えばな……)


フレンダ「そ、そっか……」


上条「……もしかして、フレンダは絶叫系苦手? だったらやめとくか?」

936: 2011/05/15(日) 22:40:58.10 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「う、ううん!! 大丈夫なわけよ」


フレンダ(二人っきりのデートなわけだし、一つでも多くの乗り物を一緒の乗りたいし……)


上条「んじゃー、行きますか」


フレンダ「うん」



「ぬ? ターゲットが移動しだしたぜい」


「あっちの方は何だろうな?」


「まー、着いていけばわかるでしょう」


「よし、着いていくぜい」


「「了解!!」」

937: 2011/05/15(日) 22:41:54.29 ID:ZBIIo22c0

―――― 1時間後



フレンダ「」ゲッソリ


上条「だ、大丈夫か?」


フレンダ「ら、らいじょうぶ……」


上条(全然、大丈夫に見えないけどな……)


上条「少し座って休むか」


フレンダ「あ、ありがとう……」



「ターゲットが休憩するみたいだにゃー」


「鼻毛ピアス。今のうちにポップコーンとジュースを超お願いします」


「何で俺なんだよ!? って買ってきますけどね!!」

938: 2011/05/15(日) 22:43:25.69 ID:ZBIIo22c0

―――― 12時



上条「いやー、結構乗れたな」


フレンダ「意外と空いてたわけよ」


上条「そろそろ、お昼にするか」


フレンダ「……えっと……」


上条「ん?」


フレンダ「お、お弁当持ってきたんだけど……」


上条「……わざわざ、作ってきてくれたのか?」


フレンダ「う、うん……迷惑だった……かな?」

939: 2011/05/15(日) 22:45:22.11 ID:ZBIIo22c0

上条「そんなわけないだろ!! 凄い嬉しいぞ!!」


フレンダ「……ならよかった」ホッ


上条「んじゃー、適当に座れる場所探すか」


フレンダ「うん」









上条「そういえば、フレンダの弁当を食べるの去年以来だな」


フレンダ「皆と動物園行った時ね」


上条「懐かしいよな」


フレンダ「そうね……」

940: 2011/05/15(日) 22:48:54.96 ID:ZBIIo22c0

フレンダ(あの時は……美琴共々、上条君の鈍感さに心折れたわけよ……)


上条「それじゃー、頂きます!!」


フレンダ「お、お召し上がれ」


上条「」モグモグ


フレンダ「」ドキドキ


フレンダ(どうだろ……上条君のお口に合うかな?)


上条(美味いな。えっと……こういうときはどう褒めればいいんだっけな?)


上条(確か、原谷のアドバイスによると……)

941: 2011/05/15(日) 22:49:52.78 ID:ZBIIo22c0

~ さかのぼること2日前 ~



上条は、原谷にあるお願い事をする為に電話を掛けていた。



原谷「え? デートのアドバイスですか!?」


上条「あ、ああ……」


原谷「何で僕に?」


上条「いや、削板に聞いたら原谷が超詳しいって言ってたからさ」


上条「それにうちの支部の連中に相談するのも恥ずかしいしさ……」


原谷「はぁ……」


原谷(まいったな……詳しいのはアマガミとかクラナドとかヨスガノソラとかギャルゲ限定なんだけどな……)


原谷(……でも上条さんに頼られてるんだ、仕方ない!!)

942: 2011/05/15(日) 22:50:55.33 ID:ZBIIo22c0

原谷「……いいでしょう!! 僕の(二次元での経験の)全てを上条さんに伝授します!!」


上条「ありがとうございます!! 師匠!!」



~ そして今に至る ~



上条(相手が弁当の感想を聞いてきたら……)


上条「超うめぇよ!! お嫁さんにしたいくらいだぜ!!」


フレンダ「…………は?」


上条「えっ!?」


上条(あれ、俺とんでもないこと言ったんじゃ……)


フレンダ「あ、あの///」

943: 2011/05/15(日) 22:52:14.63 ID:ZBIIo22c0

上条「……」


フレンダ(え!? 私プロポーズされてるわけ!?)


上条(おぉぉぉい!! 原谷の野郎!! いきなり相手が困ってんじゃねーかぁぁぁあ!!)




原谷「あっ……」タラー


心理定規「いやーね……急に鼻から血出さないでちょうだい……」


原谷「す、すいません……」


削板「根性が足りん!!」


心理定規「貴方は黙ってて」




フレンダ「えっと……上条君?」

944: 2011/05/15(日) 22:53:35.29 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「……な、なんだ、ジョークなのね!! びっくりしちゃった」


上条「悪い、悪い!! でも凄い美味しいぜ?」


フレンダ「あ、ありがとう」


フレンダ(びっくりしたぁ……)




「ほほぅ。愛の手作り弁当作戦か」


「超きもいことを言わないで下さい」


「しかし、手作り弁当とはナイスだにゃー」




上条「フレンダは結構料理するのか?」


フレンダ「以前は全然なわけよ。料理し始めたのはフレメアと暮らし初めてからかな」

945: 2011/05/15(日) 22:54:38.63 ID:ZBIIo22c0

上条「へー」


フレンダ「……まっ、流石に上条君の手料理には負けちゃうけどね」


上条「そんなことねーよ。俺のより全然美味しいぞ?」


フレンダ「そ、そう?」ジー


上条「」ドキッ


上条(な、なんだ!? 上目遣いで見られるのってこんなドキっとするもんだったのか!?)


上条「そ、そのとおりでございますことよ!!」


フレンダ「なんか日本語が変になってるよ、上条君」クスッ

946: 2011/05/15(日) 22:55:35.52 ID:ZBIIo22c0

上条「そ、そうかっ!?」アセアセ


フレンダ「うん」コクリ


上条「周りに変な日本語使う奴らが多かったから、移っちまったかな?」タハハ


フレンダ「なに、それ」クスッ




(以前と違って、ナチュラルに会話できてるぜよ)


(フレンダ、この調子ですよ!!)


(……俺も今度、滝壺に手作り弁当作ってもらおうっと)



その後も上条とフレンダは、怪しい三人組に監視されていることを知らぬまま、遊園地を満喫した。

947: 2011/05/15(日) 22:57:15.16 ID:ZBIIo22c0

――――― 4時間後 遊園地内のとあるベンチ



フレンダ「今日は誘ってくれてありがとね。楽しかったよ」ニコッ


上条「お、おう。俺も凄い楽しかった」


フレンダ(上条君に……気持ち伝えなきゃ……)


上条(フレンダに……自分の気持ちぶつけるぞ……)


上フ「あのっ!!


上条「えっ」


フレンダ「あっ」


上条「……」


フレンダ「……」

948: 2011/05/15(日) 22:58:26.04 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「ご、ごめん……」


上条「い、いや俺の方こそ……」


フレンダ(気を取り直していくわよ!)


上条(やべー、被っちった……)


フレンダ「……あのね、上条君……」


上条「お、おう……」




「超真剣な顔で向かい合ってる二人……いよいよですね……」


「」ゴクリ


(頑張れ、上やん……)

949: 2011/05/15(日) 23:00:02.34 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「今日は最後にね……上条君に言いたいことがあるの……」


上条「お、おう」


フレンダ「わ、私は……」


上条「……」


フレンダ「上条君のことが好き……大好き!!」


上条「!?」


フレンダ「誰にでも優しい上条君が好き、世話好きな上条君が好き、いつも明るい上条君が好き……」


上条「……」


950: 2011/05/15(日) 23:00:48.10 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「できれば……ずっと傍にいたい……」


フレンダ「……上条君の気持ち、聞かせてくれる?」


フレンダ「」モジモジ


上条「……」


上条「はははははっ!!」


フレンダ「!?」


フレンダ「上条君!?」


上条「悪い、悪い」

951: 2011/05/15(日) 23:01:40.67 ID:ZBIIo22c0

上条「女の子に先に言われるなんて格好悪いな、俺……」


フレンダ「……え? それって……」


上条「……俺もフレンダの傍にいたい」


フレンダ「……」


上条「こんな俺でよければ……ずっと傍にいるよ。いや、傍にいさせてほしい」


フレンダ「上条君……」


上条「いいか?」


フレンダ「……それだけじゃ、一言足りない」


952: 2011/05/15(日) 23:03:23.62 ID:ZBIIo22c0

上条「わかってるよ」


フレンダ「えへへ///」


上条「……俺もフレンダが好きだ。ずっと俺の傍にいて欲しい」


フレンダ「……うん」ニコッ


上条「フレンダ」ギュー


フレンダ「あっ……」


上条「こんな俺だけど、よろしく頼むな」


フレンダ「う、うん」スッ


上条「!?」

953: 2011/05/15(日) 23:05:01.88 ID:ZBIIo22c0

上条(えっと、目を閉じて顔近づけてきたってことは……)


上条(……これはキスする流れなんだよな? 鼻ガブリってことはないよな?)


上条「」ゴクリ


上条「」チュッ


フレンダ「ん……」


上条「えっと……」


フレンダ「ふふふ、私のファーストキス……上条君にあげちゃった」ニッコリ


上条「」ドキッ


上条「お、俺も初めてだぞ……」

954: 2011/05/15(日) 23:05:51.55 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「ほんと?」


上条「本当だよ」


フレンダ「じゃあー……もう一回してくれたら信じてあげる……」


上条「」ゴクリ



フレンダが目を閉じ上条に顔を近づけた瞬間、パーンっと大きな音がした。
上条とフレンダが、音がした方を振り向くと、そこにはよく知っている顔が並んでいた。



「「「お二人さん、おめでとう!!」」」


上条「ク、クラッカー? ってお前ら!?」


フレンダ「なんでここにいるわけよ!?」

955: 2011/05/15(日) 23:06:56.90 ID:ZBIIo22c0

土御門「いやいや、見せ付けてくれるぜい」


絹旗「フレンダ、やりましたね!!」


浜面「お熱いこったぜ」


上条「お前ら、何でここに!?」


土御門「それはお二人さんの恋路を見守る為だにゃー」


絹旗「そういうことです」


浜面「」ウンウン


フレンダ「い、いつからつけてたわけ?」

956: 2011/05/15(日) 23:07:52.04 ID:ZBIIo22c0

「「「最初っから」」」


上条「全然気づかなかった……」


フレンダ「私も……」


土御門「いやー、それにしても」ニヤニヤ


絹旗「上条さんもやる時は超やるんですね」ニヤニヤ


浜面「熱い口づけだったな」ニヤニヤ


上条「うっ///」


フレンダ「あぅぅぅぅ///」


957: 2011/05/15(日) 23:09:47.29 ID:ZBIIo22c0

土御門「いやー、めでたい、めでたいぜい!!」


絹旗「フレンダ、GJです!!」


浜面「上条おめでとさん!!」


上条「お前ら……ありがとな……」


土御門「上やん……」


浜面「上条……」


絹旗「上条さん……」


上条「…………なんて言うと思ったかぁぁぁぁああ!!」


「「「」」」ビクッ

958: 2011/05/15(日) 23:11:36.30 ID:ZBIIo22c0

上条「人のデートを付回してんじゃねー!!!」


土御門「た、退散だにゃー!!」


絹旗「り、了解です!!」


浜面「お、おう!!」


上条「待ちやがれぇぇぇぇええ!!」


フレンダ「」ポカーン



フレンダは、三人を追い掛け回す上条をただじっと眺めていた。
自身の今までの行動を振り返りながら。



フレンダ(全部見られてたわけね……)


フレンダ(うぅぅぅぅ……恥ずかしい……)

959: 2011/05/15(日) 23:13:52.59 ID:ZBIIo22c0

フレンダ(でも……)


フレンダ(上条君と付き合えたし……いいっかな……)









上条「たくっ、あいつら逃げ足だけは速いな……」


フレンダ「お疲れ様」


上条「お、おう……しかし全部見られたとはな……」


フレンダ「は、恥ずかしいね……」


上条「そ、そうだな……」


960: 2011/05/15(日) 23:16:54.05 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「上条君」


上条「ん? ってその前に」


フレンダ「?」


上条「そ、そのさ……俺のこと名前で呼んでくれよ……」


フレンダ「…………え?」


上条「いや……俺、一応彼氏なわけなんだから……いつまでも名字ってのも……」


フレンダ「いいの?」


上条「あ、当たり前だろ!!」


フレンダ「じゃあー……と、当麻」

961: 2011/05/15(日) 23:19:32.38 ID:ZBIIo22c0

上条「は、はい!!」


フレンダ「……自分から呼ばせておいて、かしこまらないでほしいわけよ」


上条「わ、悪い……」


フレンダ「君付けした方がいい?」


上条「……いや、当麻でいいぞ」


フレンダ「そっか」


上条「うん」


フレンダ「……」


上条「……」

962: 2011/05/15(日) 23:22:53.90 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「……当麻」


上条「ん?」


フレンダ「呼んでみただけ」ニッコリ


上条「あんだよ、それ」


フレンダ「別に~」


上条「そろそろ帰るか?」


フレンダ「そうだね。はい!」スッ


上条「ん? 手どうかしたのか?」

963: 2011/05/15(日) 23:25:37.04 ID:ZBIIo22c0

フレンダ「……当麻の意地悪」ムスッ


上条「冗談だよ」クスッ


フレンダ「まったく……」


上条「悪い悪い」



上条はそう言うと、フレンダの右手を握り締めた。



フレンダ「改めて……これからもよろしくね、当麻」ニコッ


上条「こっちこそよろしくな、フレンダ」ニッコリ


フレンダ「うん!!」

979: 2011/05/16(月) 21:16:37.92 ID:Yj9nOpOt0
番外編で埋めさせて頂きます。

本編は次スレで投下します!

980: 2011/05/16(月) 21:17:14.43 ID:Yj9nOpOt0

これは上条と青髪ピアスがグループに加入する前のお話です。


~ とあるシOタコンの決意表明 ~



結標「……私、グループを抜けさせてもらうわ」


土御門「何?」


海原「これは急ですね」


土御門「……理由は、"あいつら"が釈放されたからか?」


結標「それもあるけど……」


土御門「何だ?」


結標「えっと……その……真面目に学校行こうと思って」


土御門「」


海原「」

982: 2011/05/16(月) 21:17:58.70 ID:Yj9nOpOt0

土御門「え? 何だって?」


海原「真面目に学校に行く?」


結標「そんな驚かないでくれる?」


土御門「悪いな。それで何で今更、学校に行く気になったんだ?」


結標「やりたいことができたの。だから学校に真面目に通うことにすることに決めたのよ」


土御門「……小萌先生に何か吹き込まれたか?」


結標「小萌は関係ないわ。私が自分で決めたこと」


海原「……その結標さんが、やりたいこととは?」


結標「……言いたくないわ」

983: 2011/05/16(月) 21:18:40.39 ID:Yj9nOpOt0

土御門「……なら駄目だな」


結標「……え?」


土御門「理由も言わずに、簡単に辞められるほどグループは甘くないぞ」


結標「……」


土御門「いくら学園都市が平和になったからといって、グループがそれで甘くなると思うなよ?」


海原「……ということみたいですが、どうします?」


結標「……笑わないでくれる?」


土御門「……いいだろう」


海原「ええ。約束しましょう」

984: 2011/05/16(月) 21:19:36.49 ID:Yj9nOpOt0

結標「……しよ」ボソッ


土御門「聞こえないんだが?」


結標「保育士になりたいのよ!!」


土御門「」


海原「」


結標「私は、短大に進学して保育士の資格を取るの!! だからグループを辞めて真面目に学校に行く!!」


結標「」ハァーハァー


土御門「……あひゃひゃひゃ!!」


海原「」ププッ

985: 2011/05/16(月) 21:20:21.21 ID:Yj9nOpOt0

結標「ちょっと!! 笑わないでって言ったでしょう!!」


土御門「いや、だって……保育士って……」ククク


海原「やはり、シOタコンでしたか」クスクス


結標「」イラッ



結標が、二人を睨めつけると二人の頭上にたるが落ちてきた。
もちろん原因は、事故ではなく彼女の能力によるものだ。
なんでアジトにたるがあることは気にするな。



土御門「っ痛!?」


海原「な、何ですか?」アセアセ


結標「約束を破った罰よ。これで辞めさせてくれるわね?」


土御門「……いいだろう。上には俺から報告しておく」

986: 2011/05/16(月) 21:21:09.84 ID:Yj9nOpOt0

結標「そういえば聞いてなかったのだけど、一方通行は何故グループを辞めたのかしら?」


土御門「知らん。そもそも潮岸のところに行ってから会ってないしな」


海原「自分もです」


結標「……そうなの」


結標「……それじゃあー、私は行くわ」



そう言うと、結標は土御門と海原の前から一瞬で姿を消した。



土御門「……どうやら、トラウマは完全に克服したいみたいだな」


海原「しかし……彼女が保育士とは大丈夫ですかね?」


土御門「……さーな。何も起きないことを祈るだけだ」


海原「それと……いいんですか? そんな簡単に辞めさせてしまって」

987: 2011/05/16(月) 21:21:48.09 ID:Yj9nOpOt0

土御門「仕事も全くないし、いいだろう」


海原「第三次世界大戦後、随分と暇になりましたね」


土御門「暗部が暇なことはいいことだ」


海原「そうですね」


土御門「それじゃあー、俺はアレイスターに呼ばれているから先に失礼するぞ」


海原「おや、統括理事長にお会いするのですか」


土御門「ああ。内容は恐らく新しい仕事のことだろうけどな」


海原「それじゃー、自分は御坂さんの監視に戻るとしますか」


土御門「……相変わらず、『超電磁砲』一筋だにゃー」

988: 2011/05/16(月) 21:22:29.76 ID:Yj9nOpOt0


海原(おや? 口調が)


海原「ええ。もちろん」ニッコリ


土御門「せいぜい、ばれないようにストーカーしてほしいぜい」


海原「んなっ!? 誰がストーカーですか!?」


土御門「……お前以外誰がいるぜよ?」


海原「じ、自分はですね!! 御坂さんの安全を守るために!!」


土御門「はいはい、そういうことにしておいてやるにゃー」ニヤニヤ


海原「……まー、シスコン野郎にはこの気持ちがわかりませんか」


土御門「シスコンの何処が悪いんだにゃー?」

989: 2011/05/16(月) 21:23:15.24 ID:Yj9nOpOt0

海原「ひ、開き直りましたね?」


土御門「俺は舞夏一筋だぜい」


海原「……ふっ、相思相愛ですか。羨ましいですね」


土御門「……それじゃー、お先に失礼するぜい。仕事が決まり次第連絡するぜい」


海原「かしこまりました」









海原(そろそろ、下校する時間ですね)


海原(では、本業に行きますか)



その日、土御門はアレイスターから風紀委員に協力することを命じられた。
そして、翌日に上条当麻と青髪ピアスがグループに加入したのだった。

990: 2011/05/16(月) 21:24:03.22 ID:Yj9nOpOt0

こっちは上条と青髪ピアスがグループに加入後のお話です。


~ とある少女の心情変化 ~



初春「ただいまでーす!」


春上「おかえりなの」


初春「」クンクン


初春「あっ、いい匂いがします」


春上「今日はビーフシチューなの♪」


初春「いつもありがとうございます!! 先に着替えてきますね」


春上「うん」









「「では頂きます!!」」


初春「うん、美味しいです」

991: 2011/05/16(月) 21:24:42.46 ID:Yj9nOpOt0

春上「我ながら完璧にできたの」ニコッ


初春「……そういえば、春上さん何かいいことありました?」


春上「なんでそんなこと聞くの?」


初春「えっと、何だかいつもより嬉しそうな顔をしてるので」


春上「……」


春上(初春さん、意外に鋭いの……)



話は3時間前に戻る。
春上と枝先は、近道をする為に暗い路地裏を通っていた。



ナンパA「お嬢ちゃんたち、お兄さん達とこれから遊びに行かない?」


ナンパB「そうそう、いい所連れてってあげる?」


春上「……」


枝先「いえ、急いでるんで遠慮しておきます。衿衣ちゃん、行こう?」


春上「う、うん……」

992: 2011/05/16(月) 21:25:23.87 ID:Yj9nOpOt0

ナンパA「まーまー、少しくらいいいじゃん」ガシッ


枝先「っ!?」


枝先「は、離して下さい!!」


ナンパB「俺達に付き合ってくれるなら、離してあげるよ」ニヤニヤ


枝先「っ!?」


春上(こ、困ったことになったの……)アセアセ



「おやおや、何事かと思えばこれはこれは」



現れたのは、15歳くらいのスーツを上品に身にまとい整った顔をした少年だった。



ナンパA「あ? なんだ、てめぇは?」


「自分ですか? 自分は……」


(腕章は家に置いて来てしまいましたか……)

993: 2011/05/16(月) 21:26:03.18 ID:Yj9nOpOt0

「そうですね……『軟派頃し』とでも名乗っておきましょうか」ニコニコ


ナンパB「はー? ふざけてんのか?」


「いえいえ、ふざけてなどおりませんよ。それより」チラッ


春枝「?」


「嫌がってる女性を無理矢理連れまわそうとするのは、どうかと思いますが?」


ナンパA「てめぇには関係ねぇだろうが!? 引っ込んでやがれ!!」


「……貴方方が、彼女達の前から姿を消したら引っ込んであげますよ」


ナンパB「むかつく野郎だな……おい、やっちまおうぜ?」


ナンパA「だな」


「……やはり、お話だけでは通じませんでしたか」









ナンパA,B「」チーン

994: 2011/05/16(月) 21:26:56.29 ID:Yj9nOpOt0

「お見苦しいところを見せてしまいましたね。大丈夫ですか?」


枝先「……あっ、はい。ありがとうございました!!」ペコリ


春上「」ボー


「いえいえ。ここは貴女方のようなか弱い女性が通るところじゃありませんので、次からは気をつけて下さいね」ニコッ


枝先「は、はい!!」


「では、自分はこれで」



そう言い残し、その少年は、枝先と春上の前から姿を消していった。



枝先「ふぅ……助かったね、衿衣ちゃん」


春上「」ボケー


枝先「衿衣ちゃん?」

995: 2011/05/16(月) 21:27:35.17 ID:Yj9nOpOt0

春上「……たの」ボソッ


枝先「え?」


春上「私の……王子様を……見つけたの」


枝先「」


枝先「……な、何ですと!?」



そして現在に至る。



春上「……内緒なの」クスッ


初春「なんですかー? 気になりますぅぅ」


春上(また、会えたら嬉しいの……)



996: 2011/05/16(月) 21:28:32.43 ID:Yj9nOpOt0

以上で番外編終わりです!

あとこのスレ埋めてくれると超助かります!!

次スレでも超よろしくですの!

997: 2011/05/16(月) 21:29:13.81 ID:57TSukXDO
乙!


998: 2011/05/16(月) 21:29:39.33 ID:bCet9p83o

引用: 土御門「新グループ結成だにゃー」R2