1: ◆hAKnaa5i0. 2017/07/06(木) 22:58:37.95 ID:YDfXAmrJ0

2: 2017/07/06(木) 22:59:18.22 ID:YDfXAmrJ0
ボンッ! ちゃっちゃら~♪

志希「んー…これはこれは…またクレイジーでマッドな劇薬ができちゃったね~♪」

志希「飲んだら親しい人にイタズラがしたくなっちゃう薬~♪」

志希「むぅ~…でも、プロデューサーに見せたら『さすがにこれはダメ。没収だよ』なんて言われちゃうしにゃ~」

志希「でも…せっかくだから使いたい…」

志希「…♪」

志希「内緒で投薬していくっきゃないよね~♪」

志希「にゃはははは♪」

3: 2017/07/06(木) 23:00:02.05 ID:YDfXAmrJ0
ケース5.「島村卯月」

ガサゴソ…ガサゴソ…

志希「よーし♪ セッティング完了~♪」

カチャッ

卯月「あ、おはようございます♪ 志希ちゃん♪」

志希「うん。おっはよー♪ 卯月ちゃん♪ いいところに来たねぇ♪」

卯月「いいところ、ですか?」

志希「ううん。なんでもにゃーい♪ ところで今日も笑顔が眩しいねぇ♪」

卯月「はいっ♪ ありがとうございます♪」

卯月「…ところで志希ちゃんは…何をしているんです? 冷蔵庫を見たりして珍しいですね?」

卯月「もし、お腹空いているなら簡単なものでも作りましょうか?♪」

志希「んふふ~♪ 心配ご無用♪ 今日はみんなのために飲み物を用意しただけなんだ~♪」

スッ

志希「ほら。卯月ちゃんも一本どうかな?♪ 炭酸タイプも、お茶タイプも、清涼飲料水タイプもあるよ~♪」

卯月「たいぷ?」

志希「や、気にしないで♪」

卯月「じゃあ…せっかくですのでお茶を…♪」

志希「♪」

プシュッ…くぴくぴくぴ…

志希「あ、そうだ。プロデューサーが卯月ちゃんのことを探してたから声かけてあげてね~♪」

志希「あたしは避難しまーす♪」

卯月「(避難?)」

くぴくぴくぴ…ぷぅ

卯月「…?」

卯月「…」(むずむず)

4: 2017/07/06(木) 23:02:19.25 ID:YDfXAmrJ0
カチャッ

P「おはよう。卯月。用意は出来てるかー? 車に乗って、握手会の仕事行くぞ~」

卯月「はいっ♪ 行きましょう♪」

P「今日も笑顔が可愛いな」

卯月「えぇ~…それ、もしかして口説いてるんですか? プロデューサーさん♪」(ジッ)

P「ん…? あ、い、いや、そうじゃないけど…」

卯月「冗談ですよ、冗談です♪ わかってますから♪」

P「お、おう」

卯月「さ、行きましょう。今日も1日ガンバリますっ!♪」

P「…?」

志希「(んふふ…♪ 今回の薬は『親しい人にイタズラがしたくなっちゃう薬』なんだよね~…♪)」

志希「(好きな子にちょっかいを出したくなっちゃう、的なコンセプトってこと♪)」

志希「(さて、小悪魔になった卯月ちゃんに振り回されるプロデューサー…どんな反応になるのかにゃ~♪)」(コソッ)

志希「(卯月ちゃんに仕掛けた超小型カメラで~…実況を楽しませてもらいまーす…♪)」

5: 2017/07/06(木) 23:03:04.37 ID:YDfXAmrJ0
【握手会終了後】

卯月「ふぅ…終わりましたね♪」

P「お疲れ様。ファンのみんなも喜んでたよ」

卯月「わぁ♪ 嬉しいですっ♪」

P「卯月の人気もずいぶん安定してきたなぁ…。結構大きなショップだったのに握手整理券も全部なくなっちゃったみたいだし」

卯月「えへへ~♪ プロデューサーさんのおかげですよ♪」

P「いやいや、卯月の努力のおかげだろ」

卯月「ん~…♪ 私1人じゃここまでこれませんでしたよ…♪」(ズイッ)

P「おおっ…急に目の前に来て…どうした」

卯月「えへへ…プロデューサーさんに改めてお礼がしたくて♪」

P「うん。そっか。でも、そんなにかしこまって言わなくてもーーー」

ぎゅっ

卯月「プロデューサーさん♪ 大好きですっ♪」(だきっ)

P「ーーーっぅ!?」(ビクゥ)

卯月「…えへへ…感謝の気持ちです…島村卯月の精一杯の…お礼ですよ…♪」

ぎゅぅぅ…

P「ち、ち、ちょい待ち!? ど、ど、ど、どうしたイキナリ!?」

卯月「あ…プロデューサーさん…私のお礼は…嫌でしたか…?」(しょぼーん)

ジッ…

P「…」

P「…い、嫌じゃない…よ?」

卯月「…わぁ♪ 嬉しいですっ♪」(にこっ)

ぎゅぅぅ…

P「ぐぅ」

P「(やべぇ…落ち込み顔からの満面の笑顔って…ギャップがやべぇ…可愛い…可愛すぎるぞ…っ!)」

P「(じゃなくてっ!)」

P「(今日の卯月は何かおかしいぞ!?)」

卯月「(えへへ…♪ プロデューサーさん…ドキドキしてるみたいですっ…可愛い…♪)」

卯月「(もっと…もーっと…プロデューサーさんに悪戯してみましょう…♪)」

6: 2017/07/06(木) 23:04:16.50 ID:YDfXAmrJ0
今日は寝ます。おやすみなさい~

9: 2017/07/08(土) 20:46:06.41 ID:/Mw7n9/L0
【帰りの車内】

ブロロロロ…

P「助手席に座るなんて珍しいじゃないか」

卯月「えへへ。隣に座りたかったんですよ♪」

P「そ、そうか」

卯月「プロデューサーさん…なんだか嬉しそうじゃないですね」

卯月「…もしかして…私が隣にいるのは…嫌、ですか?」

P「そ、そんなことないぞ!?」

卯月「じゃあ、嬉しいですか?」

P「…」

P「う、嬉しいよ」

卯月「…♪」(ニコッ)

P「ぐふぅ」

P「(なんだこの恐ろしい『可愛い』攻撃は…)」

P「(『キュート』という概念そのものに身を焼かれているような…不思議な感覚だぜ…)」

卯月「ほら、運転にも集中してくださいね♪」

P「お、おうっ」

10: 2017/07/08(土) 20:47:03.08 ID:/Mw7n9/L0
ブロロロロ…きぃぃ…(赤信号)

卯月「そういえばプロデューサーさん」

P「うん?」

卯月「結婚とか考えてないんですか?」

P「ぐう」

卯月「独身でしたよね。毎日、私たちに囲まれていますけど、誰か気になる子とかいないんですか?♪」

P「ど、ドストレートに聞いてくるな」

卯月「つい♪」

ズイッ

卯月「ちょっとだけ…気になってたんです♪」

卯月「私だけに…ナイショで教えてくれませんか?」(こそっ)

卯月「ふぅー…」

P「ひょっ!?」

P「な、な、なんでっ!? 耳元で囁くように聞くのかなぁ!?」

P「ナイショ話でも耳元でこっそり言う必要はないよね!? 車内だし!?」

卯月「えへへ…♪ 嫌なら…やめますよ…♪」(こそっ)

P「う、う、運転に支障が出るからやめよう?」

卯月「わかりました…事故は怖いですからね」

P「わ、わかってくれたか」

卯月「はい。じゃあ…赤信号の時だけ…こうして話しますね…♪」(こそっ)

P「…」(ゾクッ)

卯月「あと1時間…たくさん耳元でお話しできますね…♪」(こそっ)

P「(あかん…吐息の生暖かいくすぐったさと、卯月の顔が近いのとで…異常にドキドキするぞ…)」

P「(天国のような、地獄のような…なんだこれは…っ!?)」

P「(というか、卯月。絶対に何かおかしいぞ!?)」

11: 2017/07/08(土) 20:47:56.54 ID:/Mw7n9/L0
ブロロロロ…

卯月「ところでさっきの質問の続きはどうなるんですか?♪」

卯月「こっそり、教えてくれませんか?♪」

P「うーん…みんないい子だからなぁ…」

P「全員、大切に想ってるよ」

卯月「では、仮に全員と結婚できることになったら全員にOKを出すんですね♪」

P「話が飛躍しすぎてやしないかい」

卯月「でも、そういうことですよね」

P「…」

卯月「『仮にアイドルにプロポーズされたらOKを出す』と」

P「ま、まあそれくらい大切ってことだな」

卯月「えへへ…♪ つまり私が結婚して欲しいって言ったらOKしてもらえるってことでもありますよね♪」

P「ん?」

卯月「だってそうでしょう? 全員OKなんですから♪」

卯月「…あ…でも、みんなの中に私は含まれていないかもしれませんね…」

卯月「私…あんまり特徴がないですし…あはは…」

P「そんなことはない」

P「卯月も俺の大切な担当に決まってるだろ」

卯月「…嬉しいです♪」

卯月「逆プロポーズしたら…受け入れてくれるってことですね♪」

P「…ま、待て。話が飛びすぎてるぞ?」

卯月「そうでしょうか?」

卯月「…♪」(じっ)

卯月「いま、ここで逆プロポーズしたら…受け入れてもらえるんでしょうか?♪」

P「ど、どうかナー…」

卯月「…♪」

ブロロロロ…きぃぃ…

卯月「…『まだ』しませんけど…プロデューサーさんにだったら…いつでもできちゃいますよ…♪」(こそっ)

卯月「…ナイショですけど…本音ですよ?」(こそっ)

P「…おぅ」

P「(やばい…やばいぞ…なんだこれ…冷や汗やら…幸福感やら…危機感で…気が変になりそうだ…)」

P「(ボディタッチ以上に心が揺さぶられる…)」

P「(持ってくれ…! 俺の理性!)」

卯月「(…えへへ♪ 楽しいですっ♪)」

12: 2017/07/08(土) 20:49:00.75 ID:/Mw7n9/L0
ブロロロロ…

卯月「…名残惜しいですけど…そろそろ事務所に着いちゃいますね」

P「…そうだな」

P「…普段の100倍疲れた」(ボソッ)

卯月「…プロデューサーさん。今日は…少し疲れちゃいました…」

P「そっか。寝ててもいいぞ」

卯月「…」

ポスッ…

P「ちょっ!?」

卯月「すみません。肩にもたれかかっちゃって。迷惑でしたか…?」

P「や、迷惑ってことはないけど…」

卯月「♪」

P「…」

ブロロロロ…

P「…ん? 事務所の前に…何人かが…」

卯月「すぅ…すぅ…」

P「…寝てる?」

【事務所前】

凛「…」

まゆ「…」

奏「…」

美優「…」

ブロロロロ…ブォーン…

P「…」

P「思わず事務所を通過しちゃったけど…」

P「…何さっきの!? こわっ!?」

P「完全に俺の肩にもたれかかる卯月を睨んでたよこわっ!!」

P「鬼のような表情だったよこわっ!!」

13: 2017/07/08(土) 20:49:35.02 ID:/Mw7n9/L0
卯月「うぅ…ん…あれ? どうしたんですか? プロデューサーさん?」

P「ごめん。悪夢のような光景が事務所の前に広がってて、ついスルーしちゃった」

P「怯んだけど、次はちゃんと止まるよ」

P「何もやましいことはしてないわけだしね」

卯月「そうですね。みんなのことを大切に想ってるプロデューサーさんにやましいことなんてありませんよね」

ピッ(録音機再生)

『仮にアイドルにプロポーズされたらOKを出す、と?』

『ま、まあそれくらい大切ってことだな』

P「…ん? なに今の?」

卯月「プロデューサーさんがいかにみなさんを大切に想ってるのかということを録音してみたんです」

P「ほー」

卯月「ちゃんとLINEでみなさんにも送信しましたから、想いは伝わってますよ♪」

P「ほー…」

P「ほぉ!?」

卯月「さ、帰りましょう♪」

P「…」

P「つまり事務所の前のヒトタチは…」

卯月「…♪」(にっこり)

P「…」

凛・まゆ・奏・美優「…」(じゅるる)

P「ヒェッ…肉食獣が…」


ケース5.「島村卯月」end

14: 2017/07/08(土) 20:51:37.62 ID:/Mw7n9/L0
P「…」(ボロッ)

P「(正気に戻って平謝りしてきた卯月に問いただしてみたところ、犯人は志希だとわかったわけだが…)」

P「(きやつめ…今回は許さんぞ…!)」

P「(とっちめて薬を没収してやる!!)

P「(これは奴と俺の戦争だ…!)」

15: 2017/07/08(土) 20:52:10.64 ID:/Mw7n9/L0
休みます

次回:ケース6.「塩見周子」

引用: 志希「なんと!! イタズラッコニナールが出来てしまったよ~!♪」