1: 2010/01/13(水) 19:19:56.39 ID:dOOORdw0
このスレは、キョン「放課後ティータイム?」というSS第三部投下用のスレです。
過去のスレ
キョン「放課後ティータイム?」【前編】
キョン「放課後ティータイム?」【後編】
キョン「放課後ティータイム?」第二部【前編】
キョン「放課後ティータイム?」第二部【中編】
キョン「放課後ティータイム?」第二部【後編】
過去のスレ
キョン「放課後ティータイム?」【前編】
キョン「放課後ティータイム?」【後編】
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キョン「放課後ティータイム?」第二部【後編】
15: 2010/01/28(木) 19:59:42.90 ID:XhgOjZs0
「あけましておめでとうございます!!!」
キョン「今年もよろしく頼むよ」
澪「こちらこそ」
紬「よろしくお願いします」
律「唯。新年早々、見せつけるなよな」
唯「え、なにがあ?」
律「べったりじゃんか」
唯「恋人の特権だよお。ねー」
キョン「誰に同意を求めてんだ」
梓「はぁ…」
律「梓、元気だせよ」
梓「はい」
唯「あずにゃん、元気出して」
梓「唯先輩には言われたくないですよ」
唯「ええ!?」
澪「そりゃあ、敵だからな」
梓「敵ですね」
律「おいおい」
キョン「今年もよろしく頼むよ」
澪「こちらこそ」
紬「よろしくお願いします」
律「唯。新年早々、見せつけるなよな」
唯「え、なにがあ?」
律「べったりじゃんか」
唯「恋人の特権だよお。ねー」
キョン「誰に同意を求めてんだ」
梓「はぁ…」
律「梓、元気だせよ」
梓「はい」
唯「あずにゃん、元気出して」
梓「唯先輩には言われたくないですよ」
唯「ええ!?」
澪「そりゃあ、敵だからな」
梓「敵ですね」
律「おいおい」
16: 2010/01/28(木) 20:07:49.35 ID:XhgOjZs0
キョン「眠い」
梓「寝てないんですか?」
キョン「寝てたところを起こされたんだよ、コイツに」
唯「えへへ~照れるよお」
律「いや、誰も誉めてないから」
澪「え、ってことはキョンさん、唯の家で年を越したんですか?」
唯「いやあ、どうしても泊まりたいって言うからあ」
キョン「無理矢理だろうが」
唯「で、一緒に初日の出見に行ったんだよお」
律「へえへえ、ようござんしたね」
梓「それで寝てないんですね」
紬「みんな、お御籤引かない?」
澪「そうだな」
梓「寝てないんですか?」
キョン「寝てたところを起こされたんだよ、コイツに」
唯「えへへ~照れるよお」
律「いや、誰も誉めてないから」
澪「え、ってことはキョンさん、唯の家で年を越したんですか?」
唯「いやあ、どうしても泊まりたいって言うからあ」
キョン「無理矢理だろうが」
唯「で、一緒に初日の出見に行ったんだよお」
律「へえへえ、ようござんしたね」
梓「それで寝てないんですね」
紬「みんな、お御籤引かない?」
澪「そうだな」
17: 2010/01/28(木) 20:13:55.26 ID:XhgOjZs0
律「どうだったー?」
澪「末吉」
律「あたしなんか凶だったよ」
紬「わたしは吉でしたー」
梓「わたしは中吉です」
唯「大吉です!」
澪「キョンさんは?」
キョン「…これだ」
律「うわあ…」
梓「なんとも言えませんね」
紬「大凶…不吉だわ」
唯「だいじょーぶだよ。キョンくんの傍には大吉のわたしがいるんだから」
キョン「縋らせてもらうよ」
澪「末吉」
律「あたしなんか凶だったよ」
紬「わたしは吉でしたー」
梓「わたしは中吉です」
唯「大吉です!」
澪「キョンさんは?」
キョン「…これだ」
律「うわあ…」
梓「なんとも言えませんね」
紬「大凶…不吉だわ」
唯「だいじょーぶだよ。キョンくんの傍には大吉のわたしがいるんだから」
キョン「縋らせてもらうよ」
18: 2010/01/28(木) 20:30:52.56 ID:XhgOjZs0
唯「ねーねー、写真撮ろうよお」
紬「わたし、カメラ持ってきてないわ」
律「じゃーん! こういう時に気が利くのがあたしだな」
澪「それ、わたしのだから」
梓「誰かに撮ってもらいましょう」
律「すいませーん、カメラお願いしていいですか?」
?「カメラか。構わないが、上手く撮れる保証はないぞ。ああ、岡崎はそこで待っていてくれ」
律「適当に撮ってもらえれば大丈夫ですよ」
紬「みんな、笑顔でね」
唯「ねー、キョンくん」
キョン「なんだ」
唯「振袖、似合ってるかなあ?」
キョン「似合ってるぞ……唯」
こうしてキョン達の新年は始まった。
紬「わたし、カメラ持ってきてないわ」
律「じゃーん! こういう時に気が利くのがあたしだな」
澪「それ、わたしのだから」
梓「誰かに撮ってもらいましょう」
律「すいませーん、カメラお願いしていいですか?」
?「カメラか。構わないが、上手く撮れる保証はないぞ。ああ、岡崎はそこで待っていてくれ」
律「適当に撮ってもらえれば大丈夫ですよ」
紬「みんな、笑顔でね」
唯「ねー、キョンくん」
キョン「なんだ」
唯「振袖、似合ってるかなあ?」
キョン「似合ってるぞ……唯」
こうしてキョン達の新年は始まった。
19: 2010/01/28(木) 20:37:20.45 ID:XhgOjZs0
というわけで、今日から不定期で始めようと思います
まあ、内容がないので100レス以内で終わるんじゃないかと
気がついたら更新されてた程度で見ていただけたらと思います
とりあえず、今日はここまでで
まあ、内容がないので100レス以内で終わるんじゃないかと
気がついたら更新されてた程度で見ていただけたらと思います
とりあえず、今日はここまでで
23: 2010/02/07(日) 10:48:55.06 ID:T3BcTzw0
プルルルルルルルルルルル
キョン「ん? 電話か。って、ハルヒかよ」
ハルヒ『あんた、なにしてんのよ』
キョン「なにって、初詣だが。前もって言っといただろ」
ハルヒ『誰が許可したのよ? あたしはSOS団で集まるって言ったはずだけど』
キョン「なんでわざわざお前に許可をとらねばならん。俺がどこに行こうが俺の勝手だろうが」
ハルヒ『団長命令よ。今すぐ、こっちに来なさい。そしたら、少しはペナルティを軽減してあげてもいいわよ」
キョン「なんだペナルティって」
ハルヒ『いいわね、早く来なさいよ』
キョン「だから……相変わらず切るのが早い奴だ」
唯「どうしたの?」
キョン「いんや、なんでもないさ(しかし、これは関係ないよな)」
キョン「ん? 電話か。って、ハルヒかよ」
ハルヒ『あんた、なにしてんのよ』
キョン「なにって、初詣だが。前もって言っといただろ」
ハルヒ『誰が許可したのよ? あたしはSOS団で集まるって言ったはずだけど』
キョン「なんでわざわざお前に許可をとらねばならん。俺がどこに行こうが俺の勝手だろうが」
ハルヒ『団長命令よ。今すぐ、こっちに来なさい。そしたら、少しはペナルティを軽減してあげてもいいわよ」
キョン「なんだペナルティって」
ハルヒ『いいわね、早く来なさいよ』
キョン「だから……相変わらず切るのが早い奴だ」
唯「どうしたの?」
キョン「いんや、なんでもないさ(しかし、これは関係ないよな)」
24: 2010/02/07(日) 10:56:49.68 ID:T3BcTzw0
昨年 12月25日
キョンは公園で朝比奈みくると会ったことを思い出す。
朝比奈(大)「久しぶりね、キョンくん」
キョン「朝比奈さん。お久しぶりですね。どうかしたんですか?」
朝比奈(大)「ううん。今までみたいに何かしなければいけないというわけじゃないわ」
キョン「それじゃあなぜ」
朝比奈(大)「会いたくなったからじゃ駄目?」
キョン「それは…(なんだ、俺はこれから告白でもされるのか)」
朝比奈(大)「ごめんなさい、冗談です」
キョン「ですよねー」
朝比奈(大)「でも多少はその気持ちはあったのは本当よ」
キョン「多少…ね」
キョンは公園で朝比奈みくると会ったことを思い出す。
朝比奈(大)「久しぶりね、キョンくん」
キョン「朝比奈さん。お久しぶりですね。どうかしたんですか?」
朝比奈(大)「ううん。今までみたいに何かしなければいけないというわけじゃないわ」
キョン「それじゃあなぜ」
朝比奈(大)「会いたくなったからじゃ駄目?」
キョン「それは…(なんだ、俺はこれから告白でもされるのか)」
朝比奈(大)「ごめんなさい、冗談です」
キョン「ですよねー」
朝比奈(大)「でも多少はその気持ちはあったのは本当よ」
キョン「多少…ね」
25: 2010/02/07(日) 11:11:06.41 ID:T3BcTzw0
キョン「それで、本当のところはどうなんです」
朝比奈(大)「キョンくん。特別、してもらいたいことがあるわけじゃないの。けど」
キョン「けど?」
朝比奈(大)「この先、あなたは決断を迫られることになるの」
キョン「朝比奈さんが言うと、洒落にならないんですが」
朝比奈(大)「あなたに身の危険はないわ。けど、わたしが言いたいのは“後悔しないで”ということだけ」
キョン「後悔ですか?」
朝比奈(大)「自分自身で考えて、未来を選択して」
キョン「未来を……。なんです、言葉だけ聞くと深刻な問題に聞こえますが」
朝比奈(大)「わたしから言えるのは、これくらい」
キョン「まあ、なんとかしてみますが。俺の決断は未来にどのくらい影響を与えるんです?」
朝比奈(大)「それは日常生活での選択と変わらないわ」
キョン「はあ」
朝比奈(大)「そういえば、こっちのわたしももうすぐ卒業なのね」
キョン「朝比奈さんはそれからどうするんですか?」
朝比奈(大)「禁則事項です♪」
それが朝比奈みくるとの会話だった。
朝比奈(大)「キョンくん。特別、してもらいたいことがあるわけじゃないの。けど」
キョン「けど?」
朝比奈(大)「この先、あなたは決断を迫られることになるの」
キョン「朝比奈さんが言うと、洒落にならないんですが」
朝比奈(大)「あなたに身の危険はないわ。けど、わたしが言いたいのは“後悔しないで”ということだけ」
キョン「後悔ですか?」
朝比奈(大)「自分自身で考えて、未来を選択して」
キョン「未来を……。なんです、言葉だけ聞くと深刻な問題に聞こえますが」
朝比奈(大)「わたしから言えるのは、これくらい」
キョン「まあ、なんとかしてみますが。俺の決断は未来にどのくらい影響を与えるんです?」
朝比奈(大)「それは日常生活での選択と変わらないわ」
キョン「はあ」
朝比奈(大)「そういえば、こっちのわたしももうすぐ卒業なのね」
キョン「朝比奈さんはそれからどうするんですか?」
朝比奈(大)「禁則事項です♪」
それが朝比奈みくるとの会話だった。
26: 2010/02/07(日) 11:14:45.25 ID:T3BcTzw0
唯「キョンくーん?」
キョン「あ、ああ、なんだ?」
唯「帰るよお。あ、みんなはうちでお雑煮食べるって。キョンくんも食べるよね」
キョン「正月早々、憂ちゃんも大変だな」
唯「偉いなあ、憂は」
キョン「少しは手伝ったらどうだ」
唯「ごめんなさい」
キョン「俺に謝るな」
ペチ
唯「あうぅー」
キョン「あ、ああ、なんだ?」
唯「帰るよお。あ、みんなはうちでお雑煮食べるって。キョンくんも食べるよね」
キョン「正月早々、憂ちゃんも大変だな」
唯「偉いなあ、憂は」
キョン「少しは手伝ったらどうだ」
唯「ごめんなさい」
キョン「俺に謝るな」
ペチ
唯「あうぅー」
27: 2010/02/07(日) 11:25:00.54 ID:T3BcTzw0
平沢家
憂「お待たせしました」
律「悪いね、ご馳走になっちゃって」
澪「しかも元旦に」
憂「いえ、お姉ちゃんとキョンさんの熱々ぶりを見てるだけというのもなんですから」
律「たしかにな」
梓「ムギ先輩って、お雑煮食べたことあるんですか?」
紬「えっと、実は一度もないの。年末年始は旅行に行くことが多いし」
律「お雑煮対海外旅行か…」
澪「お雑煮の立ち位置がおかしい」
唯「キョンくん。口をお開け」
キョン「こうか」
唯「もっとだよ、あーん」
キョン「熱っ!」
律「はあ、見てるこっちが熱いわ」
憂「お待たせしました」
律「悪いね、ご馳走になっちゃって」
澪「しかも元旦に」
憂「いえ、お姉ちゃんとキョンさんの熱々ぶりを見てるだけというのもなんですから」
律「たしかにな」
梓「ムギ先輩って、お雑煮食べたことあるんですか?」
紬「えっと、実は一度もないの。年末年始は旅行に行くことが多いし」
律「お雑煮対海外旅行か…」
澪「お雑煮の立ち位置がおかしい」
唯「キョンくん。口をお開け」
キョン「こうか」
唯「もっとだよ、あーん」
キョン「熱っ!」
律「はあ、見てるこっちが熱いわ」
28: 2010/02/07(日) 11:31:18.86 ID:T3BcTzw0
唯「ふーふーして」
キョン「あのな、それくらい」
唯「えー、駄目?」
キョン「ぐっ(上目遣い!)」
梓「キョンさん、あれに弱いんですよね」
澪「そうなのか?」
梓「だって、あれを見ると」
キョン「ほれ、貸してみろ」
梓「ああなりますから」
澪「おお(わたしも練習しとけばよかったな)」
律「なんか言ったか?」
澪「な、なにも」
キョン「あのな、それくらい」
唯「えー、駄目?」
キョン「ぐっ(上目遣い!)」
梓「キョンさん、あれに弱いんですよね」
澪「そうなのか?」
梓「だって、あれを見ると」
キョン「ほれ、貸してみろ」
梓「ああなりますから」
澪「おお(わたしも練習しとけばよかったな)」
律「なんか言ったか?」
澪「な、なにも」
29: 2010/02/07(日) 11:43:02.09 ID:T3BcTzw0
キョン宅前
キョン「(しょっぱいもんが食いたいな)」
古泉「明けましておめでとうございます」
キョン「ああ、おめでとさんだな」
古泉「今年もよろしくお願いします。と、言いたいのですが、新年早々、やってくれましたね」
キョン「やってくれた?」
古泉「初詣ですよ」
キョン「なんだ、ハルヒの奴。そんな怒ってるのか」
古泉「そりゃあ、もう。次に会う時は覚悟しておいた方がいいかもしれませんよ。本当に氏刑になりかねませんから」
キョン「自衛ぐらいはするぜ」
古泉「あなたの存在を[ピーーー]くらいは、涼宮さんには造作もないことです」
キョン「おいおい、いくらなんでも勘弁してくれ」
古泉「まあ、その可能性は皆無に近いですがね」
キョン「お前はそれだけを言う為に来たのか?」
古泉「もう一つ、あなたのプライベートに干渉するつもりはないのですが、涼宮さんのことを頭に入れた上で行動してもらいたいんですよ。要はバランスですよ」
キョン「バランスねえ。俺はハルヒの呪縛からいつになったら抜け出せるんだ」
古泉「あなたは……」
キョン「ん」
古泉「いえ……。今日のところはこの辺で。今年も良い年になると良いですね」
キョン「平和が一番さ」
キョン「(しょっぱいもんが食いたいな)」
古泉「明けましておめでとうございます」
キョン「ああ、おめでとさんだな」
古泉「今年もよろしくお願いします。と、言いたいのですが、新年早々、やってくれましたね」
キョン「やってくれた?」
古泉「初詣ですよ」
キョン「なんだ、ハルヒの奴。そんな怒ってるのか」
古泉「そりゃあ、もう。次に会う時は覚悟しておいた方がいいかもしれませんよ。本当に氏刑になりかねませんから」
キョン「自衛ぐらいはするぜ」
古泉「あなたの存在を[ピーーー]くらいは、涼宮さんには造作もないことです」
キョン「おいおい、いくらなんでも勘弁してくれ」
古泉「まあ、その可能性は皆無に近いですがね」
キョン「お前はそれだけを言う為に来たのか?」
古泉「もう一つ、あなたのプライベートに干渉するつもりはないのですが、涼宮さんのことを頭に入れた上で行動してもらいたいんですよ。要はバランスですよ」
キョン「バランスねえ。俺はハルヒの呪縛からいつになったら抜け出せるんだ」
古泉「あなたは……」
キョン「ん」
古泉「いえ……。今日のところはこの辺で。今年も良い年になると良いですね」
キョン「平和が一番さ」
35: 2010/02/11(木) 00:14:25.32 ID:C69OAQA0
冬休みは終わりを告げた。
高校が再開して、最初の休日。
秋山宅
澪「あ、あのさぁ」
唯「なぁにー」
澪「なんでキョンさんまでいるんだ」
唯「恋人だからあ」
キョン「あ、来ては駄目だったか? 嫌なら拒否してもらって構わないが」
澪「あ、いや、そういうことじゃなくて(部屋を見せるなんて恥ずかしいよなー)」
唯「???」
澪「はぁ、仕方無い。上がって」
唯「おじゃましまーす」
キョン「本当にいいのか?」
澪「だって、追い返すわけにもいかないし」
唯「ほらほらー、早くお上がりになって」
キョン・澪「お前の家じゃないだろ」
唯「はう」
高校が再開して、最初の休日。
秋山宅
澪「あ、あのさぁ」
唯「なぁにー」
澪「なんでキョンさんまでいるんだ」
唯「恋人だからあ」
キョン「あ、来ては駄目だったか? 嫌なら拒否してもらって構わないが」
澪「あ、いや、そういうことじゃなくて(部屋を見せるなんて恥ずかしいよなー)」
唯「???」
澪「はぁ、仕方無い。上がって」
唯「おじゃましまーす」
キョン「本当にいいのか?」
澪「だって、追い返すわけにもいかないし」
唯「ほらほらー、早くお上がりになって」
キョン・澪「お前の家じゃないだろ」
唯「はう」
36: 2010/02/11(木) 00:15:12.19 ID:C69OAQA0
澪部屋
キョン「(あ、最近の女子の部屋というのは結構簡素なのだろうか)」
澪「(何を見てるんだろ)」
唯「澪ちゃん、ハイ、借りてたCD」
澪「ああ、どうだった?」
唯「えっと、激しかったです!」
澪「激しいねー」
キョン「何を借りてたんだ?」
唯「オーシャンパシフィック太平洋!」
澪「アジカンな」
キョン「ほー、アジカンとか聴くのか」
澪「ま、まあ」
キョン「(あ、最近の女子の部屋というのは結構簡素なのだろうか)」
澪「(何を見てるんだろ)」
唯「澪ちゃん、ハイ、借りてたCD」
澪「ああ、どうだった?」
唯「えっと、激しかったです!」
澪「激しいねー」
キョン「何を借りてたんだ?」
唯「オーシャンパシフィック太平洋!」
澪「アジカンな」
キョン「ほー、アジカンとか聴くのか」
澪「ま、まあ」
37: 2010/02/11(木) 00:16:05.96 ID:C69OAQA0
キョン「(えーと、ソルファってアルバムか。知ってる曲もいくつか入ってるな。
12曲目は聴いたことないが)」
澪「よかったら、貸しますよ」
キョン「いいのか?」
澪「はい」
キョン「では、遠慮なく」
唯「あ、じゃ、わたしも」
澪「借りる気満々だな」
プルルルルルルルルルルルルルルル
キョン「ん、俺のか(……ハルヒか)」パカッ
澪「出ないんですか?」
キョン「あ、ああ、知らない番号からだった(明日、うるさいだろうけどな)」
唯「ねえねえ、澪ちゃん。これはー」
澪「あー、それは――」
12曲目は聴いたことないが)」
澪「よかったら、貸しますよ」
キョン「いいのか?」
澪「はい」
キョン「では、遠慮なく」
唯「あ、じゃ、わたしも」
澪「借りる気満々だな」
プルルルルルルルルルルルルルルル
キョン「ん、俺のか(……ハルヒか)」パカッ
澪「出ないんですか?」
キョン「あ、ああ、知らない番号からだった(明日、うるさいだろうけどな)」
唯「ねえねえ、澪ちゃん。これはー」
澪「あー、それは――」
38: 2010/02/11(木) 00:17:09.18 ID:C69OAQA0
2時間後
澪「じゃあ、また」
キョン「おう」
唯「うおー」
澪「はぁ(まったく、何しに来たのかな)」
唯「はぁ~、あったかあったか」ギュウ
キョン「寒くないか?」
唯「あったかいよぉ~」
キョン「そうか」
唯「ねえねえ、なにか甘い物でも食べいきませんこと」
キョン「いいぞ。どこがいい」
唯「コンビニ!」
澪「じゃあ、また」
キョン「おう」
唯「うおー」
澪「はぁ(まったく、何しに来たのかな)」
唯「はぁ~、あったかあったか」ギュウ
キョン「寒くないか?」
唯「あったかいよぉ~」
キョン「そうか」
唯「ねえねえ、なにか甘い物でも食べいきませんこと」
キョン「いいぞ。どこがいい」
唯「コンビニ!」
39: 2010/02/11(木) 00:18:10.30 ID:C69OAQA0
コンビニ
キョン「決まったか」
唯「これとこれとこれ」
キョン「一つぐらいに絞った方がいいんじゃないか」
唯「ええ~、悩ましい、とても悩ましや。うう~む」
キョン「……」
唯「うう」
キョン「…………」
唯「うーん」
キョン「………………」
唯「あー」
キョン「はい、ストップ。時間切れだ。俺が選ぶ」
唯「ええ!?」
キョン「決まったか」
唯「これとこれとこれ」
キョン「一つぐらいに絞った方がいいんじゃないか」
唯「ええ~、悩ましい、とても悩ましや。うう~む」
キョン「……」
唯「うう」
キョン「…………」
唯「うーん」
キョン「………………」
唯「あー」
キョン「はい、ストップ。時間切れだ。俺が選ぶ」
唯「ええ!?」
40: 2010/02/11(木) 00:19:14.32 ID:C69OAQA0
店員「240円になります」
唯「に、に、にひゃく……あ~れ~」
店員「……」
唯「……ちょ、ちょっと、待って下さい」
店員「(可愛いなー)」
唯「ぎょ、ギョンくん!?」
キョン「あ、なんだそのMSみたいな名前は」
唯「お、お金がないです!」
キョン「はあ? お前、あれ300円ぐらいだろ」
唯「あると思ったんだけど、財布を見たら37円しか入ってませんでした」
キョン「おいおい。わかったよ」
唯「持つべきは恋人だね」
キョン「まったく」
唯「に、に、にひゃく……あ~れ~」
店員「……」
唯「……ちょ、ちょっと、待って下さい」
店員「(可愛いなー)」
唯「ぎょ、ギョンくん!?」
キョン「あ、なんだそのMSみたいな名前は」
唯「お、お金がないです!」
キョン「はあ? お前、あれ300円ぐらいだろ」
唯「あると思ったんだけど、財布を見たら37円しか入ってませんでした」
キョン「おいおい。わかったよ」
唯「持つべきは恋人だね」
キョン「まったく」
41: 2010/02/11(木) 00:19:56.54 ID:C69OAQA0
店員「(なんだよ、彼氏持ちかよ。腕なんか組みやがって)」
キョン「あとで返せよ」
唯「体で返します!」
キョン「なっ!?」
店員「(なん…だと…)」
キョン「ば、馬鹿、なに言ってんだ」
唯「へ?」
キョン「お、お前は先に外で出ていなさい」
唯「えー」
キョン「ほれほれ」
唯「ちぇー」
キョン「すいません」
店員「(クッソ! リア充、クッソ!)」
キョン「あとで返せよ」
唯「体で返します!」
キョン「なっ!?」
店員「(なん…だと…)」
キョン「ば、馬鹿、なに言ってんだ」
唯「へ?」
キョン「お、お前は先に外で出ていなさい」
唯「えー」
キョン「ほれほれ」
唯「ちぇー」
キョン「すいません」
店員「(クッソ! リア充、クッソ!)」
42: 2010/02/11(木) 00:22:09.84 ID:C69OAQA0
キョン「ほれ」ガサッ
唯「あ、ありがと」
キョン「お前なー、周囲に人がいる時にまで変なこと言うな」
唯「わ、わたし、そういう意味で言ったわけじゃにゃいよ!」
キョン「噛んだな」
唯「噛みました」
キョン「そういう意味って」
唯「だから、その、えーと、あう///」
キョン「……あー、そういうことか。いや、なんか、すまん///」
唯「駄目、心の準備が」
キョン「ああ、はいはい、この話は終わりな」
唯「うんうん///」
キョン「帰るぞ」
唯「はい」
唯「あ、ありがと」
キョン「お前なー、周囲に人がいる時にまで変なこと言うな」
唯「わ、わたし、そういう意味で言ったわけじゃにゃいよ!」
キョン「噛んだな」
唯「噛みました」
キョン「そういう意味って」
唯「だから、その、えーと、あう///」
キョン「……あー、そういうことか。いや、なんか、すまん///」
唯「駄目、心の準備が」
キョン「ああ、はいはい、この話は終わりな」
唯「うんうん///」
キョン「帰るぞ」
唯「はい」
55: 2010/03/05(金) 19:45:30.12 ID:dsYRPqU0
ハルヒ「キョン?」
キョン「ハルヒ!?」
唯「涼宮さん…」
ハルヒ「あんた、なんで手なんて…繋いで…」
キョン「いや、これはだな」
ハルヒ「どういうことよ」
唯「あ、あのゥ」
ハルヒ「あなたは黙ってて。キョン、はっきり言いなさい」
キョン「俺と平沢はだな。その……付き合ってるんだ」
キョン「ハルヒ!?」
唯「涼宮さん…」
ハルヒ「あんた、なんで手なんて…繋いで…」
キョン「いや、これはだな」
ハルヒ「どういうことよ」
唯「あ、あのゥ」
ハルヒ「あなたは黙ってて。キョン、はっきり言いなさい」
キョン「俺と平沢はだな。その……付き合ってるんだ」
56: 2010/03/05(金) 19:46:02.64 ID:dsYRPqU0
ハルヒ「付き合ってる……」
キョン「ああ」
ハルヒ「いつから?」
キョン「去年のクリスマスからだ」
ハルヒ「……そう」プイッ
キョン「ハルヒ。別に隠してたわけじゃ――」
ハルヒ「聞いてない」
キョン「なっ。お前から聞いて」
ハルヒ「うっさい!」
キョン「……(なにを怒ってるんだ、ハルヒは)」
キョン「ああ」
ハルヒ「いつから?」
キョン「去年のクリスマスからだ」
ハルヒ「……そう」プイッ
キョン「ハルヒ。別に隠してたわけじゃ――」
ハルヒ「聞いてない」
キョン「なっ。お前から聞いて」
ハルヒ「うっさい!」
キョン「……(なにを怒ってるんだ、ハルヒは)」
57: 2010/03/05(金) 19:46:56.70 ID:dsYRPqU0
唯「行っちゃったね」
キョン「ん、ああ」
唯「……」
キョン「ふー。帰らないとな」
唯「うん」ギュッ
キョン「どうしたんだ?」
唯「なんとなく」
キョン「そうか」
キョン「ん、ああ」
唯「……」
キョン「ふー。帰らないとな」
唯「うん」ギュッ
キョン「どうしたんだ?」
唯「なんとなく」
キョン「そうか」
58: 2010/03/05(金) 19:47:30.10 ID:dsYRPqU0
翌々日 北高
キョン「よお」
ハルヒ「……」
キョン「まだ怒ってるのか?」
ハルヒ「……」
キョン「言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれ」
ハルヒ「……」
キョン「といっても、受け入れられるかは別だがな」
ハルヒ「……」ダッ
キョン「おいっ。もうすぐHR始まるぞ……(なんだってんだ)」
キョン「よお」
ハルヒ「……」
キョン「まだ怒ってるのか?」
ハルヒ「……」
キョン「言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれ」
ハルヒ「……」
キョン「といっても、受け入れられるかは別だがな」
ハルヒ「……」ダッ
キョン「おいっ。もうすぐHR始まるぞ……(なんだってんだ)」
59: 2010/03/05(金) 19:49:01.33 ID:dsYRPqU0
国木田「涼宮さん、どうかしたのかな? 朝は来てたのに」
キョン「さあな」
谷口「どうせまた、どっかで変なことやってんじゃねえか」
国木田「そうなのかな」
谷口「涼宮が普通にしてることの方が珍しいぜ」
国木田「それもそうだね」
谷口「巻き添えを喰らわない為にも俺達は関わらないことだ」
キョン「さあな」
谷口「どうせまた、どっかで変なことやってんじゃねえか」
国木田「そうなのかな」
谷口「涼宮が普通にしてることの方が珍しいぜ」
国木田「それもそうだね」
谷口「巻き添えを喰らわない為にも俺達は関わらないことだ」
60: 2010/03/05(金) 19:49:32.76 ID:dsYRPqU0
放課後 文芸部室
キョン「お久しぶりです。朝比奈さ…ん…(なんだ?)」
朝比奈「あ、キョンくん。明けましておめでとうございます」
キョン「え、ええ(何かが引っかかる)」
古泉「どうかしましたか?」
キョン「古泉…」
古泉「はい」
キョン「いや、なんでもない。ハルヒは来てないのか?」
古泉「ええ。あなたとご一緒だと思ったのですが」
キョン「そうか」
長門「……」
キョン「お久しぶりです。朝比奈さ…ん…(なんだ?)」
朝比奈「あ、キョンくん。明けましておめでとうございます」
キョン「え、ええ(何かが引っかかる)」
古泉「どうかしましたか?」
キョン「古泉…」
古泉「はい」
キョン「いや、なんでもない。ハルヒは来てないのか?」
古泉「ええ。あなたとご一緒だと思ったのですが」
キョン「そうか」
長門「……」
62: 2010/03/06(土) 01:55:25.84 ID:ghGKqWg0
朝比奈「キョンくん、どうぞ」
キョン「ありがとうございます、朝比奈さん(そうか。大きい朝比奈さんの言っていたことは、この事なんじゃないのか。ハルヒの機嫌が悪いのは珍しいことでもないが、今までとは別な異質なものに感じる)」
古泉「なにかあったのではないですか?」
キョン「……」
古泉「僕の方では大体見当が付くのですが」
キョン「……言ってみろ」
古泉「昨晩。あなたと例の彼女、平沢さんが二人揃って歩いているところに涼宮さんが出くわした」
キョン「相変わらず、ハルヒを追っ掛けてるんだな」
古泉「それは勿論です。涼宮さんに何かがあってからでは遅いですからね」
キョン「ありがとうございます、朝比奈さん(そうか。大きい朝比奈さんの言っていたことは、この事なんじゃないのか。ハルヒの機嫌が悪いのは珍しいことでもないが、今までとは別な異質なものに感じる)」
古泉「なにかあったのではないですか?」
キョン「……」
古泉「僕の方では大体見当が付くのですが」
キョン「……言ってみろ」
古泉「昨晩。あなたと例の彼女、平沢さんが二人揃って歩いているところに涼宮さんが出くわした」
キョン「相変わらず、ハルヒを追っ掛けてるんだな」
古泉「それは勿論です。涼宮さんに何かがあってからでは遅いですからね」
63: 2010/03/06(土) 01:56:10.81 ID:ghGKqWg0
キョン「それで」
古泉「涼宮さんの機嫌が悪くなったのはそれからなのでは?」
キョン「そうかもしれんし、そうじゃないかもしれん。初詣のことだということも考えられる。去年の場合ではバレンタインだって」
古泉「しかし、バレンタインはまだ先です。となると、初詣か昨晩のどちらかに絞られるのではないでしょうか。初詣の件は冬休み明けて最初の登校日に、あなたはお叱りを受けているので除外してもいいのかもしれません」
キョン「つまりは昨晩が原因だと言いたいのか?」
古泉「ええ。他に原因となるものに心当たりがなければですが」
古泉「涼宮さんの機嫌が悪くなったのはそれからなのでは?」
キョン「そうかもしれんし、そうじゃないかもしれん。初詣のことだということも考えられる。去年の場合ではバレンタインだって」
古泉「しかし、バレンタインはまだ先です。となると、初詣か昨晩のどちらかに絞られるのではないでしょうか。初詣の件は冬休み明けて最初の登校日に、あなたはお叱りを受けているので除外してもいいのかもしれません」
キョン「つまりは昨晩が原因だと言いたいのか?」
古泉「ええ。他に原因となるものに心当たりがなければですが」
64: 2010/03/06(土) 01:57:00.87 ID:ghGKqWg0
キョン「昨晩の何がいけない? 俺は平沢と歩いていただけだぞ」
古泉「女心ですよ」
キョン「女心」
古泉「お分かりになりませんか?」
キョン「つまり、ハルヒが嫉妬をしたとでも言いたいのか?」
古泉「僕はそう考えます。昨年の事件を思い出してください。鶴屋さんを使い、あなたとデートするかのように偽装したことがありましたね」
キョン「……ああ」
古泉「あの時の涼宮さんと同じような反応だと思いませんか」
キョン「(だが、そうだとしても、朝比奈さんの言う選択の問題がこれなのだろうか)」
古泉「女心ですよ」
キョン「女心」
古泉「お分かりになりませんか?」
キョン「つまり、ハルヒが嫉妬をしたとでも言いたいのか?」
古泉「僕はそう考えます。昨年の事件を思い出してください。鶴屋さんを使い、あなたとデートするかのように偽装したことがありましたね」
キョン「……ああ」
古泉「あの時の涼宮さんと同じような反応だと思いませんか」
キョン「(だが、そうだとしても、朝比奈さんの言う選択の問題がこれなのだろうか)」
65: 2010/03/06(土) 01:57:29.26 ID:ghGKqWg0
古泉「とにかくフォローをお願いします。閉鎖空間の復活、なんてことにでもなれば大事ですから」
キョン「俺はなにをすればいい」
古泉「お教えしましょうか」
キョン「……」
古泉「平沢唯。彼女とお別れになればいい」
キョン「なっ!? そんなこと」
古泉「そんなことはできない……ですか? この方法が一番手っ取り早いのですがね」
キョン「なんでそんなことをしなくちゃならん。ハルヒの機嫌が悪いだけじゃないか」
キョン「俺はなにをすればいい」
古泉「お教えしましょうか」
キョン「……」
古泉「平沢唯。彼女とお別れになればいい」
キョン「なっ!? そんなこと」
古泉「そんなことはできない……ですか? この方法が一番手っ取り早いのですがね」
キョン「なんでそんなことをしなくちゃならん。ハルヒの機嫌が悪いだけじゃないか」
67: 2010/03/06(土) 18:54:05.22 ID:ghGKqWg0
古泉「しかし、それが世界の命運を少なからず握っているという事実をお忘れなく」
キョン「くっ」
古泉「朝比奈さん、お茶の御代わりを頂いてもよろしいですか」
朝比奈「ふぇ、は、はぁ~い」
キョン「(どうせ、大したことないはずだ。ハルヒだって色々と経験して精神的にも成長しているのだから」
古泉「僕個人としてはあなたの恋路を邪魔する気はありませんが、機関に所属している以上そういうわけにはいきません」
キョン「分かってるさ。おまえの立場ぐらい」
古泉「ええ」
キョン「くっ」
古泉「朝比奈さん、お茶の御代わりを頂いてもよろしいですか」
朝比奈「ふぇ、は、はぁ~い」
キョン「(どうせ、大したことないはずだ。ハルヒだって色々と経験して精神的にも成長しているのだから」
古泉「僕個人としてはあなたの恋路を邪魔する気はありませんが、機関に所属している以上そういうわけにはいきません」
キョン「分かってるさ。おまえの立場ぐらい」
古泉「ええ」
68: 2010/03/06(土) 18:55:03.07 ID:ghGKqWg0
キョン宅
キョン「(はぁ。ハルヒが嫉妬ねえ。それは団員という見方なのか、それとも俺を……いやいや、そんなことはないだろう。あって欲しくない。今更、そんなことを言われても、俺にはどうすることも出来ないんだ)」
プルルルルルルルルルルルル
キョン「ん、唯」
唯『あ、キョンくん~』
キョン「どうかしたのか?」
唯『ううん、別に用はないんだけどね。その……』
キョン「その」
唯『心配だったから』
キョン「心配?」
キョン「(はぁ。ハルヒが嫉妬ねえ。それは団員という見方なのか、それとも俺を……いやいや、そんなことはないだろう。あって欲しくない。今更、そんなことを言われても、俺にはどうすることも出来ないんだ)」
プルルルルルルルルルルルル
キョン「ん、唯」
唯『あ、キョンくん~』
キョン「どうかしたのか?」
唯『ううん、別に用はないんだけどね。その……』
キョン「その」
唯『心配だったから』
キョン「心配?」
69: 2010/03/06(土) 18:55:29.69 ID:ghGKqWg0
唯『うん。なんとなくだけど』
キョン「なんだそれ。心配してもらうことなんて何もないぞ」
唯『う~ん、そうなのかな~』
キョン「ああ」
唯『あ、そうそう、今日ねぇ――』
キョン「なんだそれ。心配してもらうことなんて何もないぞ」
唯『う~ん、そうなのかな~』
キョン「ああ」
唯『あ、そうそう、今日ねぇ――』
70: 2010/03/06(土) 18:56:13.59 ID:ghGKqWg0
唯『――なんだぁ』
キョン「なあ」
唯『ん~』
キョン「悪いんだが、もう切っていいか」
唯『ええ~、もう切っちゃうの』
キョン「すまん、少し疲れてるんだ。また今度話そうぜ」
唯『ぶ~。しょうがないなぁ~』
キョン「じゃあな」
唯『あっ、待っ――』
キョン「はぁ……」
キョン「なあ」
唯『ん~』
キョン「悪いんだが、もう切っていいか」
唯『ええ~、もう切っちゃうの』
キョン「すまん、少し疲れてるんだ。また今度話そうぜ」
唯『ぶ~。しょうがないなぁ~』
キョン「じゃあな」
唯『あっ、待っ――』
キョン「はぁ……」
73: 2010/03/07(日) 00:43:36.76 ID:NHVBBps0
翌日 北高
ザワザワ
キョン「国木田、なんかあったのか?」
国木田「あ、キョン、おはよう。なんか、席替えをするらしいよ」
キョン「席替えって、この時期にか」
国木田「うん、突然だよね」
キョン「そうか。たしかに突然だな」
国木田「なんで今やるんだろう」
キョン「さあな」
ザワザワ
キョン「国木田、なんかあったのか?」
国木田「あ、キョン、おはよう。なんか、席替えをするらしいよ」
キョン「席替えって、この時期にか」
国木田「うん、突然だよね」
キョン「そうか。たしかに突然だな」
国木田「なんで今やるんだろう」
キョン「さあな」
74: 2010/03/07(日) 00:44:47.02 ID:NHVBBps0
キョン「(ハルヒの席は変わらず、対する俺は窓際の一番前。一気に遠くなっちまったな。まあ、別にそれでどうこうというわけでもないが)」
谷口「なんだなんだ、涼宮と離れて落ち込んでんのか?」
キョン「なわけねえだろ」
谷口「それにしては暇そうじゃねえか」
キョン「俺はいつもこんなもんだ」
谷口「でも、これで涼宮にちょっかいだされずに済むな。前だから寝るのは難しいけどよ」
キョン「お前なら前でも寝れるんだろうがな」
谷口「おっ、やっと俺様の偉大さがわかってきたか」
キョン「お前が偉大ならそれ以外は神にでもなれるんじゃないか」
谷口「なんだなんだ、涼宮と離れて落ち込んでんのか?」
キョン「なわけねえだろ」
谷口「それにしては暇そうじゃねえか」
キョン「俺はいつもこんなもんだ」
谷口「でも、これで涼宮にちょっかいだされずに済むな。前だから寝るのは難しいけどよ」
キョン「お前なら前でも寝れるんだろうがな」
谷口「おっ、やっと俺様の偉大さがわかってきたか」
キョン「お前が偉大ならそれ以外は神にでもなれるんじゃないか」
75: 2010/03/07(日) 00:45:17.29 ID:NHVBBps0
放課後 部室
キョン「長門だけか」
長門「…」コク
キョン「そうか(今日はハルヒの奴は来るんだろうか)」
朝比奈「遅れてすみま……す、涼宮さんは?」
キョン「アイツならまだ来てませんよ」
朝比奈「そうですか」
キョン「では、俺は外で待機してますんで」
朝比奈「ごめんね、キョンくん」
キョン「いえ」
長門「……」
キョン「(ハルヒも遅いが、古泉の奴も姿を見せないというのはどういうことだ)」
キョン「長門だけか」
長門「…」コク
キョン「そうか(今日はハルヒの奴は来るんだろうか)」
朝比奈「遅れてすみま……す、涼宮さんは?」
キョン「アイツならまだ来てませんよ」
朝比奈「そうですか」
キョン「では、俺は外で待機してますんで」
朝比奈「ごめんね、キョンくん」
キョン「いえ」
長門「……」
キョン「(ハルヒも遅いが、古泉の奴も姿を見せないというのはどういうことだ)」
76: 2010/03/07(日) 00:47:15.96 ID:NHVBBps0
朝比奈「結局、涼宮さんも古泉くんも来なかったけど、どうかしたのかな」
キョン「古泉もハルヒも何か用事があったんでしょう」
朝比奈「用事ですか?」
キョン「ともかく、今日は帰るとしましょう」
長門「……」
朝比奈「あの、キョンくん。涼宮さんと何かあったんですか?」
キョン「何もありませんよ、何も」
朝比奈「そう」
キョン「さあ、帰りましょう」
キョン「古泉もハルヒも何か用事があったんでしょう」
朝比奈「用事ですか?」
キョン「ともかく、今日は帰るとしましょう」
長門「……」
朝比奈「あの、キョンくん。涼宮さんと何かあったんですか?」
キョン「何もありませんよ、何も」
朝比奈「そう」
キョン「さあ、帰りましょう」
78: 2010/03/07(日) 19:20:14.37 ID:NHVBBps0
キョン宅
キョン「(何なんだ、この胸のざわめきは。嫌な予感がするのはなぜだ)」
プルルルルルルルルルルルルルルルル
キョン「電話か……古泉……もしもし」
古泉「大変な事態が発生しました」
キョン「大変って、何がだ」
古泉「詳しいことはあとで、お迎えの車を向かわせましたので、それにお乗りください」
キョン「おい、古泉」
古泉「緊急事態ですので、これで」
キョン「緊急? クソッ、切りやがった」
キョン「(何なんだ、この胸のざわめきは。嫌な予感がするのはなぜだ)」
プルルルルルルルルルルルルルルルル
キョン「電話か……古泉……もしもし」
古泉「大変な事態が発生しました」
キョン「大変って、何がだ」
古泉「詳しいことはあとで、お迎えの車を向かわせましたので、それにお乗りください」
キョン「おい、古泉」
古泉「緊急事態ですので、これで」
キョン「緊急? クソッ、切りやがった」
79: 2010/03/08(月) 22:23:40.52 ID:Oj1fCWM0
新川「お待たせしました」
キョン「新川さん、一体何が起こったっていうんです」
新川「わたくしの口から言うことは出来ません」
キョン「そんなことないでしょう」
新川「いいえ。あなた自身の目で確かめてください」
キョン「……ハルヒですか?」
新川「参ります」
キョン「くっ(閉鎖空間が発生したんじゃないのか)」
キョン「新川さん、一体何が起こったっていうんです」
新川「わたくしの口から言うことは出来ません」
キョン「そんなことないでしょう」
新川「いいえ。あなた自身の目で確かめてください」
キョン「……ハルヒですか?」
新川「参ります」
キョン「くっ(閉鎖空間が発生したんじゃないのか)」
80: 2010/03/08(月) 22:24:08.51 ID:Oj1fCWM0
キョン「ここは長門のマンション?」
新川「連絡済みです」
キョン「長門!?」
長門「話は聞いている」
新川「お乗りください」
長門「……」コク
キョン「長門、何があった!?」
長門「……」
キョン「だんまりか。何か厄介なことが起こったんだろ」
長門「……」
キョン「はぁ……」
新川「連絡済みです」
キョン「長門!?」
長門「話は聞いている」
新川「お乗りください」
長門「……」コク
キョン「長門、何があった!?」
長門「……」
キョン「だんまりか。何か厄介なことが起こったんだろ」
長門「……」
キョン「はぁ……」
81: 2010/03/08(月) 22:24:34.46 ID:Oj1fCWM0
病院
古泉「お待ちしておりました」
キョン「古泉!」
古泉「怒鳴らなくても、直ぐに状況は分かるでしょう。こちらです」
キョン「ハルヒがどうかしたんだろ」
古泉「……」
キョン「どいつもコイツも肝心なことは言わないんだな」
古泉「何をそんなにカリカリなさっているんですか」
キョン「だから、言ってるだろうが、何が起こったかさっさと言いやがれ」
古泉「お待ちしておりました」
キョン「古泉!」
古泉「怒鳴らなくても、直ぐに状況は分かるでしょう。こちらです」
キョン「ハルヒがどうかしたんだろ」
古泉「……」
キョン「どいつもコイツも肝心なことは言わないんだな」
古泉「何をそんなにカリカリなさっているんですか」
キョン「だから、言ってるだろうが、何が起こったかさっさと言いやがれ」
82: 2010/03/08(月) 22:24:53.87 ID:Oj1fCWM0
古泉「ちょっと失礼」
バシッ
キョン「ぐぉっ!」
古泉「あなた以上に僕は怒っているということを理解しておいてください」
キョン「その割には落ち着いてみえるが!」グッ
パシュッ
キョン「長門?」
長門「今は先を急ぐべき」
古泉「ええ、そうですね」
バシッ
キョン「ぐぉっ!」
古泉「あなた以上に僕は怒っているということを理解しておいてください」
キョン「その割には落ち着いてみえるが!」グッ
パシュッ
キョン「長門?」
長門「今は先を急ぐべき」
古泉「ええ、そうですね」
83: 2010/03/08(月) 22:25:28.75 ID:Oj1fCWM0
古泉「この病室です。長門さんは話がありますので僕と一緒にきてください。どうぞ」
キョン「ああ」
ガチャリ
朝比奈「キョンくん……」
キョン「朝比奈さん」
朝比奈「あの、キョンくん。涼宮さんが、涼宮さんがあ、うぇーん」グスッ
キョン「ハルヒがどうしたんです。見たところ、元気そうじゃないですか」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ、どこか痛めたのか?」
ハルヒ「……」
キョン「おい、こんな時ぐらい無視することないだろ」
キョン「ああ」
ガチャリ
朝比奈「キョンくん……」
キョン「朝比奈さん」
朝比奈「あの、キョンくん。涼宮さんが、涼宮さんがあ、うぇーん」グスッ
キョン「ハルヒがどうしたんです。見たところ、元気そうじゃないですか」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ、どこか痛めたのか?」
ハルヒ「……」
キョン「おい、こんな時ぐらい無視することないだろ」
84: 2010/03/08(月) 22:26:13.41 ID:Oj1fCWM0
ハルヒ「……」
キョン「ふざけるのも大概にしろよ」
ハルヒ「……」
朝比奈「キョンくん……ぐひっ、しゅじゅみやさんは、しゅじゅみやさんは」
キョン「ハルヒがどうしたんです」
朝比奈「わたしや古泉くんのことも気付いてくれなくて、まるで声が聴こえないみたいで……っぐしゅ」
キョン「そんな……馬鹿みたいなこと」
ハルヒ「……」
キョン「おい! ハルヒ! なんとか言えっ! 聴こえてるんだろ!」
ハルヒ「……」
キョン「(コイツ、瞬きすらしてないじゃないか!)」
キョン「ふざけるのも大概にしろよ」
ハルヒ「……」
朝比奈「キョンくん……ぐひっ、しゅじゅみやさんは、しゅじゅみやさんは」
キョン「ハルヒがどうしたんです」
朝比奈「わたしや古泉くんのことも気付いてくれなくて、まるで声が聴こえないみたいで……っぐしゅ」
キョン「そんな……馬鹿みたいなこと」
ハルヒ「……」
キョン「おい! ハルヒ! なんとか言えっ! 聴こえてるんだろ!」
ハルヒ「……」
キョン「(コイツ、瞬きすらしてないじゃないか!)」
85: 2010/03/08(月) 22:26:49.31 ID:Oj1fCWM0
古泉「どうです、何か進展はありましたか」
キョン「古泉、一体どうなってるんだ」
古泉「僕にも詳しいことは何も分かりません」
キョン「機関はいつでも監視しているはずじゃないのか。何の為の監視だ」
古泉「監視はしてましたよ。ですが、ご覧の通り外から異常を確認するのはとても難しい」
キョン「ハルヒの力の所為なのか」
古泉「ほぼ、間違いないでしょう。他の力、攻撃等だとしたら長門さんが気付くはずですから。問題はどのように涼宮さんの意識を戻すかで、あなたを呼んだのはその助けになると思ったからです」
キョン「助けに?」
古泉「ええ。しかし、実際はこうして涼宮さんの状態は何も変わっていません」
キョン「古泉、一体どうなってるんだ」
古泉「僕にも詳しいことは何も分かりません」
キョン「機関はいつでも監視しているはずじゃないのか。何の為の監視だ」
古泉「監視はしてましたよ。ですが、ご覧の通り外から異常を確認するのはとても難しい」
キョン「ハルヒの力の所為なのか」
古泉「ほぼ、間違いないでしょう。他の力、攻撃等だとしたら長門さんが気付くはずですから。問題はどのように涼宮さんの意識を戻すかで、あなたを呼んだのはその助けになると思ったからです」
キョン「助けに?」
古泉「ええ。しかし、実際はこうして涼宮さんの状態は何も変わっていません」
86: 2010/03/08(月) 22:27:21.59 ID:Oj1fCWM0
キョン「どうしてこんなことに……」
古泉「……」
キョン「長門は……長門はどうしたんだ」
古泉「長門さんは別の用事があるそうで、少し時間がかかると」
キョン「別の用事だ? 今はそんな場合じゃねえだろ」
古泉「ええ、それは分かってはいますが、必要なことですので」
キョン「……それで、どうすりゃ元のハルヒに戻るんだ」
古泉「現時点ではなんとも言えません。時間が必要です」
古泉「……」
キョン「長門は……長門はどうしたんだ」
古泉「長門さんは別の用事があるそうで、少し時間がかかると」
キョン「別の用事だ? 今はそんな場合じゃねえだろ」
古泉「ええ、それは分かってはいますが、必要なことですので」
キョン「……それで、どうすりゃ元のハルヒに戻るんだ」
古泉「現時点ではなんとも言えません。時間が必要です」
87: 2010/03/08(月) 22:28:23.80 ID:Oj1fCWM0
キョン「……」
古泉「今は現状を認識していただければ結構です。詳しい話は明日にしましょう。朝比奈さんもそれでよろしいですね」
朝比奈「は……い」
古泉「何にせよ、最終的にはあなたの力が必要になると思います。あなたは涼宮さんの鍵ですからね」
キョン「形が合わないんじゃ意味がない」
古泉「合わせることだって出来るはずですよ。長門さんはあとで僕が送っていきますからご心配なく」
キョン「ああ」
朝比奈「キョンくん……」
キョン「大丈夫ですよ、ハルヒは元通りになりますって」
古泉「今は現状を認識していただければ結構です。詳しい話は明日にしましょう。朝比奈さんもそれでよろしいですね」
朝比奈「は……い」
古泉「何にせよ、最終的にはあなたの力が必要になると思います。あなたは涼宮さんの鍵ですからね」
キョン「形が合わないんじゃ意味がない」
古泉「合わせることだって出来るはずですよ。長門さんはあとで僕が送っていきますからご心配なく」
キョン「ああ」
朝比奈「キョンくん……」
キョン「大丈夫ですよ、ハルヒは元通りになりますって」
88: 2010/03/08(月) 23:35:20.87 ID:Oj1fCWM0
朝 平沢宅
唯「キョンくん、起きてぇ」
キョン「んー、なんだ」
唯「出掛けるよー」
キョン「出掛ける? どこに?」
唯「着いてからのお楽しみー」
キョン「行かないと駄目なのか」
唯「だーめだーめだよ」
キョン「はあ」
唯「キョンくん、起きてぇ」
キョン「んー、なんだ」
唯「出掛けるよー」
キョン「出掛ける? どこに?」
唯「着いてからのお楽しみー」
キョン「行かないと駄目なのか」
唯「だーめだーめだよ」
キョン「はあ」
89: 2010/03/08(月) 23:35:56.47 ID:Oj1fCWM0
キョン「それで、こんな夜も明けてない時間に山なんてきてどうすんだ」
唯「いいからいいから」
キョン「大体、まだ二時間くらいしか寝てないってのに」
唯「ヒマラヤほど~の~♪」
キョン「相変わらず、元気な奴だ」
唯「消しゴムひとつ~♪」
唯「いいからいいから」
キョン「大体、まだ二時間くらいしか寝てないってのに」
唯「ヒマラヤほど~の~♪」
キョン「相変わらず、元気な奴だ」
唯「消しゴムひとつ~♪」
90: 2010/03/08(月) 23:36:17.30 ID:Oj1fCWM0
唯「じゃーん」
キョン「何がじゃーんだ。何にもないじゃないか」
唯「ふっふっふー、これからですよ」
ビュッー
キョン「くそっ、さみいーぞ」
ギュッ
唯「これであったかあったか」
キョン「ああ、たしかに温かいな」
キョン「何がじゃーんだ。何にもないじゃないか」
唯「ふっふっふー、これからですよ」
ビュッー
キョン「くそっ、さみいーぞ」
ギュッ
唯「これであったかあったか」
キョン「ああ、たしかに温かいな」
91: 2010/03/08(月) 23:36:49.33 ID:Oj1fCWM0
キョン「ん? あれって」
唯「そう、初日の出!」
キョン「だからこんなところまで来たのか」
唯「とっておきの場所なんだあ、ここ」
キョン「特等席だな」
唯「キョンくんとわたし専用だねえ」
唯「そう、初日の出!」
キョン「だからこんなところまで来たのか」
唯「とっておきの場所なんだあ、ここ」
キョン「特等席だな」
唯「キョンくんとわたし専用だねえ」
92: 2010/03/08(月) 23:37:25.75 ID:Oj1fCWM0
唯「ちょっと屈んで」
キョン「こうか」
唯「うん。め~を閉じてえ~」
キョン「ん」
唯「じゃあ、行くよお~」
キョン「(ちょっと待て、前にもこんなことをしなかったか)」
唯「どうかしたの?」
キョン「いいや(デジャブなのだろうか)」
唯「キスって何回やってもドキドキするよねえ」
キョン「(まあ、珍しいことでもないが、前例があるだけに怖いもんだ)」
唯「う~、やっぱり寒いなあ。もう、帰ろっか」
キョン「あ、ああ(朝比奈さんの忠告もあるし、注意した方がいいな)」
キョン「こうか」
唯「うん。め~を閉じてえ~」
キョン「ん」
唯「じゃあ、行くよお~」
キョン「(ちょっと待て、前にもこんなことをしなかったか)」
唯「どうかしたの?」
キョン「いいや(デジャブなのだろうか)」
唯「キスって何回やってもドキドキするよねえ」
キョン「(まあ、珍しいことでもないが、前例があるだけに怖いもんだ)」
唯「う~、やっぱり寒いなあ。もう、帰ろっか」
キョン「あ、ああ(朝比奈さんの忠告もあるし、注意した方がいいな)」
95: 2010/03/22(月) 19:35:35.49 ID:GsSnObw0
平沢宅
唯「あ、メール……りっちゃんからだ」
憂「お姉ちゃん、キョンさん帰るって」
唯「あ、憂。うちに振袖あったよね?」
憂「振袖? あるけど、着ていくの?」
唯「うん。りっちゃんたちも着てくるって」
憂「そうなんだ。ちょっと待っててね、いま出してくるから」
唯「はーい」
唯「あ、メール……りっちゃんからだ」
憂「お姉ちゃん、キョンさん帰るって」
唯「あ、憂。うちに振袖あったよね?」
憂「振袖? あるけど、着ていくの?」
唯「うん。りっちゃんたちも着てくるって」
憂「そうなんだ。ちょっと待っててね、いま出してくるから」
唯「はーい」
96: 2010/03/22(月) 19:38:02.38 ID:GsSnObw0
キョン「で、なんだって」
唯「だからあ、初詣行くでしょキョンくんも」
キョン「途中で抜けていいならな」
唯「どっか行くの?」
キョン「ああ、もう一つの初詣にも顔を出さないとな」
唯「でも、一緒に行けるんだからよかったあ」
憂「おねーちゃーん、ちょっときてー」
キョン「呼んでるぞ」
唯「ほんとだ。キョンくんは帰っちゃ駄目だよ」
キョン「ああ、ここで待ってる」
唯「だからあ、初詣行くでしょキョンくんも」
キョン「途中で抜けていいならな」
唯「どっか行くの?」
キョン「ああ、もう一つの初詣にも顔を出さないとな」
唯「でも、一緒に行けるんだからよかったあ」
憂「おねーちゃーん、ちょっときてー」
キョン「呼んでるぞ」
唯「ほんとだ。キョンくんは帰っちゃ駄目だよ」
キョン「ああ、ここで待ってる」
97: 2010/03/22(月) 19:38:29.31 ID:GsSnObw0
唯「じゃじゃーん」
キョン「おお!」
唯「どお! どお!」
キョン「よく似合ってるぞ、憂ちゃん」
唯「へ?」
憂「あ、ありがとうございます///」
唯「わ、わたしは~」
キョン「準備が出来たんなら早く行こうぜ」
唯「ぶ~」
キョン「おお!」
唯「どお! どお!」
キョン「よく似合ってるぞ、憂ちゃん」
唯「へ?」
憂「あ、ありがとうございます///」
唯「わ、わたしは~」
キョン「準備が出来たんなら早く行こうぜ」
唯「ぶ~」
98: 2010/03/22(月) 19:39:06.71 ID:GsSnObw0
唯「到着~」
憂「皆さんはどこだろうね」
キョン「見当たらんな」
律「ゆいー!」
唯「りっちゃん!」
律「こっちこっち」
憂「皆さんはどこだろうね」
キョン「見当たらんな」
律「ゆいー!」
唯「りっちゃん!」
律「こっちこっち」
99: 2010/03/22(月) 19:40:10.32 ID:GsSnObw0
「あけましておめでとうございます!!!」
キョン「今年もよろしく頼む」
澪「こちらこそ」
紬「よろしくお願いします」
律「唯。新年早々、見せつけるなよな」
唯「え、なにがあ?」
律「べったりじゃんか」
唯「恋人の特権だよお。ねー」
キョン「誰に同意を求めてんだ」
梓「はぁ…」
憂「梓ちゃん、どうかした?」
梓「うん、ちょっとね」
唯「あずにゃん、元気出して」
梓「唯先輩には言われたくないです」
唯「ええ!?」
澪「そりゃあ、敵だからな」
梓「敵ですね」
律「おいおい」
キョン「今年もよろしく頼む」
澪「こちらこそ」
紬「よろしくお願いします」
律「唯。新年早々、見せつけるなよな」
唯「え、なにがあ?」
律「べったりじゃんか」
唯「恋人の特権だよお。ねー」
キョン「誰に同意を求めてんだ」
梓「はぁ…」
憂「梓ちゃん、どうかした?」
梓「うん、ちょっとね」
唯「あずにゃん、元気出して」
梓「唯先輩には言われたくないです」
唯「ええ!?」
澪「そりゃあ、敵だからな」
梓「敵ですね」
律「おいおい」
100: 2010/03/22(月) 19:42:55.80 ID:GsSnObw0
キョン「眠い」
梓「寝てないんですか?」
キョン「寝てたところを起こされたんだよ、コイツに」
唯「えへへ~照れるよお」
律「いや、誰も誉めてないから」
澪「え、ってことはキョンさん、唯の家で年を越したんですか?」
唯「いやあ、どうしても泊まりたいって言うからあ」
キョン「無理矢理だろうが」
唯「で、一緒に初日の出見に行ったんだよお」
律「へえへえ、ようござんしたね」
梓「それで寝てないんですね」
紬「ねえ、みんなでお御籤引かない?」
澪「そういえばまだだっけ」
梓「寝てないんですか?」
キョン「寝てたところを起こされたんだよ、コイツに」
唯「えへへ~照れるよお」
律「いや、誰も誉めてないから」
澪「え、ってことはキョンさん、唯の家で年を越したんですか?」
唯「いやあ、どうしても泊まりたいって言うからあ」
キョン「無理矢理だろうが」
唯「で、一緒に初日の出見に行ったんだよお」
律「へえへえ、ようござんしたね」
梓「それで寝てないんですね」
紬「ねえ、みんなでお御籤引かない?」
澪「そういえばまだだっけ」
101: 2010/03/22(月) 19:45:46.74 ID:GsSnObw0
律「どうだったー?」
澪「末吉」
律「あたしは吉だったよ」
紬「わたしも吉でしたー」
梓「わたしは中吉です」
唯「やったあ! 大吉!」
憂「キョンさんは?」
キョン「…これだ」
律「うわあ…」
梓「なんとも言えませんね」
紬「大凶…不吉だわ」
唯「だいじょーぶだよ。キョンくんの傍には大吉のわたしがいるんだから」
キョン「合わせたら吉にはなるかもな」
澪「末吉」
律「あたしは吉だったよ」
紬「わたしも吉でしたー」
梓「わたしは中吉です」
唯「やったあ! 大吉!」
憂「キョンさんは?」
キョン「…これだ」
律「うわあ…」
梓「なんとも言えませんね」
紬「大凶…不吉だわ」
唯「だいじょーぶだよ。キョンくんの傍には大吉のわたしがいるんだから」
キョン「合わせたら吉にはなるかもな」
102: 2010/03/22(月) 19:52:08.07 ID:GsSnObw0
唯「ねーねー、折角振袖着てるんだから写真撮ろうよお」
憂「お姉ちゃん、わたしはカメラ持ってきてないよ」
紬「わたしも、カメラは持ってきてないわ」
律「じゃーん! こういう時に気が利くのがあたしだな」
澪「それ、わたしのだから」
梓「誰かに撮ってもらいましょう」
律「すいませーん、カメラお願いしていいですか?」
?「お、おう!? 俺が……あ、大河の奴先に行きやがった」
律「すいません、適当に撮ってもらえればいいので」
紬「みんな、笑顔でね」
唯「ねー、キョンくん」
キョン「なんだ」
唯「振袖、似合ってるかなあ?」
キョン「ああ……似合ってるぞ」
憂「お姉ちゃん、わたしはカメラ持ってきてないよ」
紬「わたしも、カメラは持ってきてないわ」
律「じゃーん! こういう時に気が利くのがあたしだな」
澪「それ、わたしのだから」
梓「誰かに撮ってもらいましょう」
律「すいませーん、カメラお願いしていいですか?」
?「お、おう!? 俺が……あ、大河の奴先に行きやがった」
律「すいません、適当に撮ってもらえればいいので」
紬「みんな、笑顔でね」
唯「ねー、キョンくん」
キョン「なんだ」
唯「振袖、似合ってるかなあ?」
キョン「ああ……似合ってるぞ」
103: 2010/03/22(月) 19:55:59.60 ID:GsSnObw0
プルルルルルルルルルルル
キョン「ん? 電話か。って、ハルヒかよ」
ハルヒ『あんた、なにしてんのよ』
キョン「なにって、集合時間にはまだだろ」
ハルヒ『こっちはあんた以外揃ってるんだからね』
キョン「なに、なんだってそんな早くに」
ハルヒ『団長命令よ。さっさと支度をして、こっちに来なさい。そしたら、少しはペナルティを軽減してあげてもいいわよ」
キョン「ペナルティも糞もあるか、時間通りに行きゃいいだろうが」
ハルヒ『いいわね、早く来なさいよ』
キョン「相変わらず切るのが早い奴だ」
キョン「ん? 電話か。って、ハルヒかよ」
ハルヒ『あんた、なにしてんのよ』
キョン「なにって、集合時間にはまだだろ」
ハルヒ『こっちはあんた以外揃ってるんだからね』
キョン「なに、なんだってそんな早くに」
ハルヒ『団長命令よ。さっさと支度をして、こっちに来なさい。そしたら、少しはペナルティを軽減してあげてもいいわよ」
キョン「ペナルティも糞もあるか、時間通りに行きゃいいだろうが」
ハルヒ『いいわね、早く来なさいよ』
キョン「相変わらず切るのが早い奴だ」
104: 2010/03/22(月) 20:00:11.85 ID:GsSnObw0
唯「どうかしたあ?」
キョン「ああ、もう時間みたいなんだ。悪いがこれで俺は外れる」
唯「もお!? 早いよお」
キョン「また近いうちに会おうぜ」
唯「うーん、しょがないなあ」
キョン「それじゃ、他の人達にもよろしく言っといてくれ」
唯「うん、わかったあ」
キョン「じゃあな」
唯「行ってらっしゃーい」
キョン「ああ、もう時間みたいなんだ。悪いがこれで俺は外れる」
唯「もお!? 早いよお」
キョン「また近いうちに会おうぜ」
唯「うーん、しょがないなあ」
キョン「それじゃ、他の人達にもよろしく言っといてくれ」
唯「うん、わかったあ」
キョン「じゃあな」
唯「行ってらっしゃーい」
105: 2010/03/22(月) 20:06:36.03 ID:GsSnObw0
ハルヒ「遅い!」
キョン「遅くねえ、時間には間に合ってるんだ。ああ、朝比奈さん遅れてすいません」
朝比奈「いえー」
ハルヒ「いいわ、ちゃっちゃと済ませましょ」
古泉「明けましておめでとうございます」
朝比奈「明けましておめでとうございまあす」
長門「あけおめ」
キョン「――まあ、なんというか今年もよろしく……だな」
古泉「ええ、こちらこそ」
キョン「遅くねえ、時間には間に合ってるんだ。ああ、朝比奈さん遅れてすいません」
朝比奈「いえー」
ハルヒ「いいわ、ちゃっちゃと済ませましょ」
古泉「明けましておめでとうございます」
朝比奈「明けましておめでとうございまあす」
長門「あけおめ」
キョン「――まあ、なんというか今年もよろしく……だな」
古泉「ええ、こちらこそ」
106: 2010/03/22(月) 20:15:08.27 ID:GsSnObw0
ハルヒ「みくるちゃん、じゃんじゃんお願いしちゃいなさい」
朝比奈「じゃんじゃんですかあ、ええとおええとお」
キョン「一つだけでいいんですよ、朝比奈さん」
ハルヒ「なに言ってるのよ、お願いするなら纏めてやっちゃうほうがいいじゃない」
キョン「アホか! そんな欲張り野郎の願いを誰が聞くか」
ハルヒ「ふんっ、いいわよ。わたしだけいっぱいお願いするわ」
キョン「ああ、勝手にやってくれ。長門さん、お辞儀を何回してるんだ」
長門「……」
古泉「あの、後ろがつかえてますので」
朝比奈「じゃんじゃんですかあ、ええとおええとお」
キョン「一つだけでいいんですよ、朝比奈さん」
ハルヒ「なに言ってるのよ、お願いするなら纏めてやっちゃうほうがいいじゃない」
キョン「アホか! そんな欲張り野郎の願いを誰が聞くか」
ハルヒ「ふんっ、いいわよ。わたしだけいっぱいお願いするわ」
キョン「ああ、勝手にやってくれ。長門さん、お辞儀を何回してるんだ」
長門「……」
古泉「あの、後ろがつかえてますので」
107: 2010/03/22(月) 20:21:42.57 ID:GsSnObw0
ハルヒ「打ち上げにいくわよ、おー!」
朝比奈「お、お、ほお~」
キョン「(どうして初詣のあとに打ち上げなんだかな)」
古泉「ちょっといいですか」
キョン「なんだ」
古泉「……」
キョン「おい、言いかけてやめるな」
古泉「そうですね、言っておいたほうがいいでしょうね。終わらない八月をお覚えですよね」
朝比奈「お、お、ほお~」
キョン「(どうして初詣のあとに打ち上げなんだかな)」
古泉「ちょっといいですか」
キョン「なんだ」
古泉「……」
キョン「おい、言いかけてやめるな」
古泉「そうですね、言っておいたほうがいいでしょうね。終わらない八月をお覚えですよね」
113: 2010/03/23(火) 20:13:02.22 ID:POXMKaI0
キョン「終わらない…八月」
古泉「ええ、八月三十一日を境にループを繰り返す」
キョン「忘れろと言われても無理なことだ」
古泉「あのときの僕らはデジャブを感じることがありました」
キョン「ああ」
古泉「実はここ最近、あの頃感じたものと似たデジャブを感じるのですが、あなたはどうでしょう」
キョン「デジャブ……そういや山で」
古泉「感じましたか」
キョン「いや、デジャブなんて大して珍しいもんでもないだろ」
古泉「ええ、八月三十一日を境にループを繰り返す」
キョン「忘れろと言われても無理なことだ」
古泉「あのときの僕らはデジャブを感じることがありました」
キョン「ああ」
古泉「実はここ最近、あの頃感じたものと似たデジャブを感じるのですが、あなたはどうでしょう」
キョン「デジャブ……そういや山で」
古泉「感じましたか」
キョン「いや、デジャブなんて大して珍しいもんでもないだろ」
114: 2010/03/23(火) 20:13:52.89 ID:POXMKaI0
古泉「たしかにデジャブ自体は珍しくありません。ですが、あの八月のことを鑑みれば注意するに越したことはないのではないでしょうか」
キョン「(朝比奈さんが言っていた選択……)」
古泉「そこで提案ですが、長門さんに訊いて見るのがよろしいかと思います」
キョン「……そうだな、早いほうがいいだろうし」
古泉「ええ。そのお役目はあなたにお任せしてよろしいですか」
キョン「ああ」
古泉「ありがとうございます。それでは打ち上げのあとにでもよろしくおねがいします」
キョン「(朝比奈さんが言っていた選択……)」
古泉「そこで提案ですが、長門さんに訊いて見るのがよろしいかと思います」
キョン「……そうだな、早いほうがいいだろうし」
古泉「ええ。そのお役目はあなたにお任せしてよろしいですか」
キョン「ああ」
古泉「ありがとうございます。それでは打ち上げのあとにでもよろしくおねがいします」
115: 2010/03/23(火) 20:18:32.14 ID:POXMKaI0
打ち上げ後
朝比奈「あの~どうかしたんですか~」
古泉「詳しい話は長門さんに訊いてからにしましょう」
キョン「長門、訊きたいことがある」
長門「…」コク
キョン「もしかして、またループしていたりしないか?」
朝比奈「ふぇええ!?」
キョン「どうなんだ」
長門「そう」コク
朝比奈「あの~どうかしたんですか~」
古泉「詳しい話は長門さんに訊いてからにしましょう」
キョン「長門、訊きたいことがある」
長門「…」コク
キョン「もしかして、またループしていたりしないか?」
朝比奈「ふぇええ!?」
キョン「どうなんだ」
長門「そう」コク
116: 2010/03/23(火) 20:30:30.69 ID:POXMKaI0
古泉「やはり、そうでしたか」
朝比奈「ど、じょうゆうことなんでしゅ、しゅ、か~」
長門「今回で11874回目。言い直せばいいはなし」
キョン「おい、いつからそんなくだらんことを言うようになったんだ」
古泉「ループの期間はいつからいつまでなんでしょう」
長門「ループに至る日時は一定ではないが、ループ後の日付は1月1日で固定されている」
古泉「一定ではないとなると、前回は必ず三十一日がポイントでしたからね。僅かながら違っていますね」
キョン「どうせ、ハルヒが原因なんだろう」
古泉「その原因がどこにあるかが判ればよいのですが」
朝比奈「ど、じょうゆうことなんでしゅ、しゅ、か~」
長門「今回で11874回目。言い直せばいいはなし」
キョン「おい、いつからそんなくだらんことを言うようになったんだ」
古泉「ループの期間はいつからいつまでなんでしょう」
長門「ループに至る日時は一定ではないが、ループ後の日付は1月1日で固定されている」
古泉「一定ではないとなると、前回は必ず三十一日がポイントでしたからね。僅かながら違っていますね」
キョン「どうせ、ハルヒが原因なんだろう」
古泉「その原因がどこにあるかが判ればよいのですが」
117: 2010/03/23(火) 20:38:12.85 ID:POXMKaI0
キョン「古泉、ハルヒに変わったところはなかったのか? 機関は監視してるんだし、異変に気付いてたりするだろ」
古泉「いえ、そのような報告は上がっていません。それに前回とて、外から見てわかる異変はなかったと記憶していますし、今回も外面だけを見て判断することは出来ないでしょう」
キョン「長門は知らないのか」
長門「……」コク
キョン「そうか」
古泉「前回はあなたの家で夏休みの宿題をすることでループから脱出した。今回もそれに似たものなのかもしれませんね」
キョン「おいおい、それだってはっきりしているわけじゃないだろう。大体、アイツは家に来て遊んでただけじゃねえか」
古泉「いえ、そのような報告は上がっていません。それに前回とて、外から見てわかる異変はなかったと記憶していますし、今回も外面だけを見て判断することは出来ないでしょう」
キョン「長門は知らないのか」
長門「……」コク
キョン「そうか」
古泉「前回はあなたの家で夏休みの宿題をすることでループから脱出した。今回もそれに似たものなのかもしれませんね」
キョン「おいおい、それだってはっきりしているわけじゃないだろう。大体、アイツは家に来て遊んでただけじゃねえか」
118: 2010/03/23(火) 20:51:58.93 ID:POXMKaI0
古泉「あなたの家で遊ぶことが鍵だったのかもしれませんよ。それはともかく、明日からこちらを最優先でお願いします」
キョン「こちら?」
古泉「この頃は平沢唯さんと一緒にいることの方が多いですからね。ループしていると分かった以上、涼宮さんを最優先に気に掛けて頂かないと」
キョン「はぁ・・・・・・わかったよ」
古泉「それにそれが原因ということもなきにしもあらずですよ」
キョン「そんな仕様もないことでループしてたまるか」
古泉「兎に角、積極的に涼宮さんとコンタクトをとってください。僕らよりもあなた自身が動いた方が打開の可能性はあるでしょう」
キョン「積極的ねえ」
古泉「今日はここまでにしましょう。朝比奈さんにも大まかには理解していただけたでしょうし」
朝比奈「ループしているってことはわかりました~」
キョン「(どうなるんだかな)」
キョン「こちら?」
古泉「この頃は平沢唯さんと一緒にいることの方が多いですからね。ループしていると分かった以上、涼宮さんを最優先に気に掛けて頂かないと」
キョン「はぁ・・・・・・わかったよ」
古泉「それにそれが原因ということもなきにしもあらずですよ」
キョン「そんな仕様もないことでループしてたまるか」
古泉「兎に角、積極的に涼宮さんとコンタクトをとってください。僕らよりもあなた自身が動いた方が打開の可能性はあるでしょう」
キョン「積極的ねえ」
古泉「今日はここまでにしましょう。朝比奈さんにも大まかには理解していただけたでしょうし」
朝比奈「ループしているってことはわかりました~」
キョン「(どうなるんだかな)」
121: 2010/03/26(金) 00:03:44.25 ID:dY7vB7A0
高校が再開して、最初の休日
澪宅
唯「聞いてよ澪ちゃん」
澪「んー」
唯「最近、キョンくんが冷たいんだよ」
澪「ふーん」
唯「まさか浮気とかじゃないよね」
澪「うーん、そうかもなあ」
唯「ええ!? そんなあ」
澪「んー、いいんじゃないかな」
唯「え?」
澪宅
唯「聞いてよ澪ちゃん」
澪「んー」
唯「最近、キョンくんが冷たいんだよ」
澪「ふーん」
唯「まさか浮気とかじゃないよね」
澪「うーん、そうかもなあ」
唯「ええ!? そんなあ」
澪「んー、いいんじゃないかな」
唯「え?」
122: 2010/03/26(金) 00:04:19.05 ID:dY7vB7A0
澪「え、あ、ごめんごめん。なんだって?」
唯「もー、人が話してるのに何を読んでんのさ」
ザッ
澪「ああ!? 駄目!」
唯「いいじゃんいいじゃん、何を読んでるのか見せてよお」
澪「あああああ///」
唯「モテモテになる秘訣……」
澪「そ、それは……たまたまで///」
唯「ふふふふふふふ」
澪「ゆ、唯?」
唯「澪ちゃんもお年頃ですのね」
澪「ち、違う! 違うぞ! それは借り物だからな」
唯「もー、人が話してるのに何を読んでんのさ」
ザッ
澪「ああ!? 駄目!」
唯「いいじゃんいいじゃん、何を読んでるのか見せてよお」
澪「あああああ///」
唯「モテモテになる秘訣……」
澪「そ、それは……たまたまで///」
唯「ふふふふふふふ」
澪「ゆ、唯?」
唯「澪ちゃんもお年頃ですのね」
澪「ち、違う! 違うぞ! それは借り物だからな」
123: 2010/03/26(金) 00:04:44.80 ID:dY7vB7A0
唯「誰に借りたの?」
澪「それは……その」
唯「まあまあ、別にいいじゃん」
澪「うー」
唯「ここは彼氏持ちのわたしが指南をしてあげるねえ」
澪「なんか複雑だ」
唯「なんか言ったあ」
澪「なんにも」
澪「それは……その」
唯「まあまあ、別にいいじゃん」
澪「うー」
唯「ここは彼氏持ちのわたしが指南をしてあげるねえ」
澪「なんか複雑だ」
唯「なんか言ったあ」
澪「なんにも」
124: 2010/03/26(金) 00:05:11.93 ID:dY7vB7A0
市内探索
ハルヒ「んじゃ、午後の組み合わせを決めるわよ。はい、みくるちゃんから」
朝比奈「は、は~い」
長門「……」
古泉「では」
キョン「んー」
ハルヒ「さっさと引きなさいよ」
キョン「うーん」
ハルヒ「あら、あたしのは印有りだわ」
キョン「はぁ」
古泉「おめでとうございます」
ハルヒ「んじゃ、午後の組み合わせを決めるわよ。はい、みくるちゃんから」
朝比奈「は、は~い」
長門「……」
古泉「では」
キョン「んー」
ハルヒ「さっさと引きなさいよ」
キョン「うーん」
ハルヒ「あら、あたしのは印有りだわ」
キョン「はぁ」
古泉「おめでとうございます」
125: 2010/03/26(金) 00:05:35.16 ID:dY7vB7A0
ハルヒ「古泉くん、デートじゃないのよ。みくるちゃんもしっかりやりなさいよね」
古泉「心得てます」
ハルヒ「キョン、あたしたちも行くわよ」
キョン「ああ(よりによって、ハルヒとなんてな)」
ハルヒ「何か言った?」
キョン「何も言ってねえぞ」
ハルヒ「ふんっ」
古泉「心得てます」
ハルヒ「キョン、あたしたちも行くわよ」
キョン「ああ(よりによって、ハルヒとなんてな)」
ハルヒ「何か言った?」
キョン「何も言ってねえぞ」
ハルヒ「ふんっ」
126: 2010/03/26(金) 00:06:06.53 ID:dY7vB7A0
ハルヒ「喉渇いたわ。ここで待ってるからよろしくね」
キョン「あ? なにをだ」
ハルヒ「自販機に決まってるじゃない」
キョン「つまり俺がお前の代わりに飲み物を買ってくるのか」
ハルヒ「バカキョンにしては物分りがいいわね」
キョン「はあ(怒るのも面倒だ)」
ハルヒ「さっさと行ってきなさい」
キョン「何を買ってくるんだ」
ハルヒ「任せるわ」
キョン「あ? なにをだ」
ハルヒ「自販機に決まってるじゃない」
キョン「つまり俺がお前の代わりに飲み物を買ってくるのか」
ハルヒ「バカキョンにしては物分りがいいわね」
キョン「はあ(怒るのも面倒だ)」
ハルヒ「さっさと行ってきなさい」
キョン「何を買ってくるんだ」
ハルヒ「任せるわ」
127: 2010/03/26(金) 00:08:33.59 ID:dY7vB7A0
キョン「(どっからどう見てもいつものハルヒだったが、本当に関係あるのかね)」
唯「キョンくん、なにしてるのお」
キョン「んなっつ!」
唯「ああ、そっか、もう用事終わったんだね」
キョン「いや、そうじゃないぞ。現在進行形で用事を済ませているところなんだ。お前はなにしてんだ」
唯「わたしは澪ちゃん家の帰りだよ。キョンくんは、何の用事?」
キョン「それは……部活動みたいもんだ」
唯「部活かあ? そういえば、キョンくんって何部だっけ?」
キョン「言ってなかったか?」
唯「多分、聞いてないよお」
唯「キョンくん、なにしてるのお」
キョン「んなっつ!」
唯「ああ、そっか、もう用事終わったんだね」
キョン「いや、そうじゃないぞ。現在進行形で用事を済ませているところなんだ。お前はなにしてんだ」
唯「わたしは澪ちゃん家の帰りだよ。キョンくんは、何の用事?」
キョン「それは……部活動みたいもんだ」
唯「部活かあ? そういえば、キョンくんって何部だっけ?」
キョン「言ってなかったか?」
唯「多分、聞いてないよお」
128: 2010/03/26(金) 00:09:13.13 ID:dY7vB7A0
キョン「……そう、俺が入っている部活は文芸部だ」
唯「文芸部ってなにをするの?」
キョン「……文、文章を書く部活だ」
唯「おお! なんか凄いね!」
キョン「あ、ああ(すまん、今の説明からどう凄みが伝わったのだろうか)」
唯「あ、そういえば澪ちゃんもなんかそんなことを言っていたよないないような」ブツブツ
キョン「凄さで言えば、放課後ティータイムも凄いじゃないか」
唯「いやあ、照れるよお、ふへへ」
キョン「照れたいだけ照れていいぞ」
唯「文芸部ってなにをするの?」
キョン「……文、文章を書く部活だ」
唯「おお! なんか凄いね!」
キョン「あ、ああ(すまん、今の説明からどう凄みが伝わったのだろうか)」
唯「あ、そういえば澪ちゃんもなんかそんなことを言っていたよないないような」ブツブツ
キョン「凄さで言えば、放課後ティータイムも凄いじゃないか」
唯「いやあ、照れるよお、ふへへ」
キョン「照れたいだけ照れていいぞ」
129: 2010/03/26(金) 00:09:36.43 ID:dY7vB7A0
ハルヒ「キョン!」
キョン「ハルヒ!?」
ハルヒ「遅いと思ったらナンパなんかしてたわけね」
キョン「お前と一緒にするな、ナンパなんかしていない」
ハルヒ「あっそ」ジッー
唯「ひぃ!」ビクッ
ガッシリ
キョン「おい、なに隠れてんだ」
唯「だってぇ」
キョン「ハルヒ!?」
ハルヒ「遅いと思ったらナンパなんかしてたわけね」
キョン「お前と一緒にするな、ナンパなんかしていない」
ハルヒ「あっそ」ジッー
唯「ひぃ!」ビクッ
ガッシリ
キョン「おい、なに隠れてんだ」
唯「だってぇ」
138: 2010/03/28(日) 21:55:47.78 ID:ZdtivWI0
ハルヒ「あなた、前に見たことあるわね」
キョン「前に紹介しなかったか?」
ハルヒ「覚えてないわよ」
唯「ひ、平沢唯です! えっと、キョンくんの」
キョン「と、友達だぞ。な、なあ」
唯「へっ……」
ハルヒ「そうなの。あんた、意外と女の子の友達多いのね」
キョン「谷口よりは多いな」
唯「……」
キョン「おい、どこいくんだ唯」
唯「しらない」
ハルヒ「……」
キョン「(流石に悪いことしたか。あとで謝っておかないとな)」
キョン「前に紹介しなかったか?」
ハルヒ「覚えてないわよ」
唯「ひ、平沢唯です! えっと、キョンくんの」
キョン「と、友達だぞ。な、なあ」
唯「へっ……」
ハルヒ「そうなの。あんた、意外と女の子の友達多いのね」
キョン「谷口よりは多いな」
唯「……」
キョン「おい、どこいくんだ唯」
唯「しらない」
ハルヒ「……」
キョン「(流石に悪いことしたか。あとで謝っておかないとな)」
139: 2010/03/28(日) 22:04:23.96 ID:ZdtivWI0
ハルヒ「あの娘、本当に友達なの?」
キョン「な、何言ってるんだ、そうだって言っただろ。中学のときの同級生さ」
ハルヒ「佐々木さんは?」
キョン「佐々木だってそうさ。同級生だぞ」
ハルヒ「さっきの娘、名前なんていったかしら」
キョン「唯。平沢唯。名前ぐらい覚えやがれ」
ハルヒ「あんたの友達ねえ」
キョン「おい、嘘じゃないぞ」
ハルヒ「嘘ね! 大嘘よ!」
キョン「なーに言ってるんだ、ハルヒ」
ハルヒ「あたしに嘘吐いてバレないとでも思ってるわけ」
キョン「ぐっ」
ハルヒ「あんたの嘘くらいお見通し。発見器も必要いらずなぐらいよ」
キョン「な、何言ってるんだ、そうだって言っただろ。中学のときの同級生さ」
ハルヒ「佐々木さんは?」
キョン「佐々木だってそうさ。同級生だぞ」
ハルヒ「さっきの娘、名前なんていったかしら」
キョン「唯。平沢唯。名前ぐらい覚えやがれ」
ハルヒ「あんたの友達ねえ」
キョン「おい、嘘じゃないぞ」
ハルヒ「嘘ね! 大嘘よ!」
キョン「なーに言ってるんだ、ハルヒ」
ハルヒ「あたしに嘘吐いてバレないとでも思ってるわけ」
キョン「ぐっ」
ハルヒ「あんたの嘘くらいお見通し。発見器も必要いらずなぐらいよ」
140: 2010/03/28(日) 22:11:57.34 ID:ZdtivWI0
ハルヒ「あんた、なんか隠してるわね」
キョン「なんも隠してねえぞ」
ハルヒ「顔に書いてあるわ」
キョン「朝の洗顔はきっちりやってきたんでな」
ハルヒ「いいから言っちゃいなさいよ」
キョン「言わん」
ハルヒ「団長命令よ、言いなさい」
キョン「あのな、なんでもかんでも命令が通用すると思うな」
ハルヒ「どうして隠すのよ」
キョン「何にも隠してねえぞ」
ハルヒ「じゃあなに」
キョン「さあな」
キョン「なんも隠してねえぞ」
ハルヒ「顔に書いてあるわ」
キョン「朝の洗顔はきっちりやってきたんでな」
ハルヒ「いいから言っちゃいなさいよ」
キョン「言わん」
ハルヒ「団長命令よ、言いなさい」
キョン「あのな、なんでもかんでも命令が通用すると思うな」
ハルヒ「どうして隠すのよ」
キョン「何にも隠してねえぞ」
ハルヒ「じゃあなに」
キョン「さあな」
142: 2010/03/28(日) 22:37:04.31 ID:ZdtivWI0
ハルヒ「あの娘のこと、なんて呼んでた」
キョン「え?」
ハルヒ「名前で呼んでたでしょ」
キョン「あ、ああ」
ハルヒ「佐々木さんは?」
キョン「あ……」
ハルヒ「あ、じゃないわよ。つまりは佐々木さん以上に親しいってことじゃない」
キョン「いや、まて」
ハルヒ「佐々木さんだって、結構親しい間柄だし、なにより佐々木さんは親友って言ってたわ」
キョン「(いちいち細かいことを覚えてやがる奴だ)」
ハルヒ「その佐々木さんを名前で呼んでないのに、あの娘のことは名前で呼んでる。おかしいと思わない」
キョン「……」
ハルヒ「そうね……もしかして、付き合ってるんじゃないの?」
キョン「え?」
ハルヒ「名前で呼んでたでしょ」
キョン「あ、ああ」
ハルヒ「佐々木さんは?」
キョン「あ……」
ハルヒ「あ、じゃないわよ。つまりは佐々木さん以上に親しいってことじゃない」
キョン「いや、まて」
ハルヒ「佐々木さんだって、結構親しい間柄だし、なにより佐々木さんは親友って言ってたわ」
キョン「(いちいち細かいことを覚えてやがる奴だ)」
ハルヒ「その佐々木さんを名前で呼んでないのに、あの娘のことは名前で呼んでる。おかしいと思わない」
キョン「……」
ハルヒ「そうね……もしかして、付き合ってるんじゃないの?」
143: 2010/03/28(日) 22:46:31.29 ID:ZdtivWI0
キョン「(なんて奴だ。普通、そんなこと考えつかないだろ)」
ハルヒ「図星ね」
キョン「お、俺はまだなにも」
ハルヒ「付き合ってるんでしょ」
キョン「……」
ハルヒ「はっきりしろ!」
キョン「ああ、付き合ってる」
ハルヒ「だと思った。あんた、前に言ってたものね。彼女を作っても大丈夫かって」
キョン「そんなことも覚えてるのか」
ハルヒ「団員の小言は余すことなく耳に入れてるわ」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「久しぶりに聞いたわ、それ」
キョン「……そうかい」
ハルヒ「図星ね」
キョン「お、俺はまだなにも」
ハルヒ「付き合ってるんでしょ」
キョン「……」
ハルヒ「はっきりしろ!」
キョン「ああ、付き合ってる」
ハルヒ「だと思った。あんた、前に言ってたものね。彼女を作っても大丈夫かって」
キョン「そんなことも覚えてるのか」
ハルヒ「団員の小言は余すことなく耳に入れてるわ」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「久しぶりに聞いたわ、それ」
キョン「……そうかい」
144: 2010/03/28(日) 23:28:30.51 ID:ZdtivWI0
ハルヒ「それで何で隠してたのよ」
キョン「(何故。何故に俺は隠そうとしていたのだろう。ハルヒに言ったら、SOS団を追い出されるからか?
ループが起こっている今、やたら滅多なことを言ったら影響するからか。
いいや、違うね。そんなものじゃない。
北高に進学し、俺は涼宮ハルヒと出会った。
ハルヒと出会えてよかったと思う。
ハルヒと出会わなかったら、きっと平凡な怠惰な毎日を過ごすだけで高校生活を送っていただろう。
そして、これまでの間、俺とハルヒはSOS団の中で色々なことを一緒にやってきた。
その過程で、少なからずとも俺らは影響を与えあっていたと思う。
でなければ、閉鎖空間の中であのようなことをすることもなかったはずだし、未だにこうして顔を合わせていることもないだろう。
俺は涼宮ハルヒのことが好きなのかもしれない。
いや、そうなのだろう。
SOS団の中で、誰よりもハルヒのことが好きなんだと思う。認めたくはないが。
ただ、その好意の形は唯に対するものとは違っている。
俺は、俺は、ハルヒに、ハルヒに言えなかったんだ。
どうして? 何故か? 決定的なことは俺にも解らない。
言ってしまったら、何かが変わってしまいそうだからという曖昧とした理由かもしれない。
もしかしたら、俺はどこかで――)」
キョン「(何故。何故に俺は隠そうとしていたのだろう。ハルヒに言ったら、SOS団を追い出されるからか?
ループが起こっている今、やたら滅多なことを言ったら影響するからか。
いいや、違うね。そんなものじゃない。
北高に進学し、俺は涼宮ハルヒと出会った。
ハルヒと出会えてよかったと思う。
ハルヒと出会わなかったら、きっと平凡な怠惰な毎日を過ごすだけで高校生活を送っていただろう。
そして、これまでの間、俺とハルヒはSOS団の中で色々なことを一緒にやってきた。
その過程で、少なからずとも俺らは影響を与えあっていたと思う。
でなければ、閉鎖空間の中であのようなことをすることもなかったはずだし、未だにこうして顔を合わせていることもないだろう。
俺は涼宮ハルヒのことが好きなのかもしれない。
いや、そうなのだろう。
SOS団の中で、誰よりもハルヒのことが好きなんだと思う。認めたくはないが。
ただ、その好意の形は唯に対するものとは違っている。
俺は、俺は、ハルヒに、ハルヒに言えなかったんだ。
どうして? 何故か? 決定的なことは俺にも解らない。
言ってしまったら、何かが変わってしまいそうだからという曖昧とした理由かもしれない。
もしかしたら、俺はどこかで――)」
147: 2010/03/29(月) 00:15:36.50 ID:Evycrc20
ハルヒ「遠慮してたの?」
キョン「さあな。俺にもよくわからんよ。言いたくなかっただけかもしれんな」
ハルヒ「この際だから言っておくけど、別にあんたが誰と付き合おうが構わないのよ」
キョン「そうなのか?」
ハルヒ「変な女に引っかからなければね。まあ、あの娘はあんたに勿体ないくらい可愛いし、問題なさそうだけど」
キョン「たしかに俺には勿体無い奴だな」
ハルヒ「それと!」
キョン「ん?」
ハルヒ「あたしは別にあんたのことは何とも思ってないからね。団長として団員が健全な生活を送れるように気を使ってるだけだから」
キョン「なんも聞いてないだろ」
ハルヒ「うるさい、バカキョンの癖に」
キョン「はあ……」
キョン「さあな。俺にもよくわからんよ。言いたくなかっただけかもしれんな」
ハルヒ「この際だから言っておくけど、別にあんたが誰と付き合おうが構わないのよ」
キョン「そうなのか?」
ハルヒ「変な女に引っかからなければね。まあ、あの娘はあんたに勿体ないくらい可愛いし、問題なさそうだけど」
キョン「たしかに俺には勿体無い奴だな」
ハルヒ「それと!」
キョン「ん?」
ハルヒ「あたしは別にあんたのことは何とも思ってないからね。団長として団員が健全な生活を送れるように気を使ってるだけだから」
キョン「なんも聞いてないだろ」
ハルヒ「うるさい、バカキョンの癖に」
キョン「はあ……」
149: 2010/03/29(月) 23:24:29.83 ID:Evycrc20
ハルヒ「キョン、今日はもう帰っていいわよ」
キョン「今日は早上がりなんだな」
ハルヒ「違うわよ。彼女を追いかけてあげるの。自分の彼女を友達呼ばわりとは最低なことをしたもんよね。あたしなら殴ってるわよ」
キョン「ああ」
ハルヒ「それと、今度彼女と会わせてよね」
キョン「なんでだ」
ハルヒ「細かいことはいいのよ。ほら、さっさといけ!」
バシッ
キョン「っう! わかったから、叩くな」
キョン「今日は早上がりなんだな」
ハルヒ「違うわよ。彼女を追いかけてあげるの。自分の彼女を友達呼ばわりとは最低なことをしたもんよね。あたしなら殴ってるわよ」
キョン「ああ」
ハルヒ「それと、今度彼女と会わせてよね」
キョン「なんでだ」
ハルヒ「細かいことはいいのよ。ほら、さっさといけ!」
バシッ
キョン「っう! わかったから、叩くな」
155: 2010/03/31(水) 19:00:51.94 ID:jMMRTQY0
ハルヒ「はあ……」
パカッ
プルルルルルルルルルル
ハルヒ「あ、みくるちゃん。今日はもうおしまいにするわ。駅前にすぐに集合して頂戴。古泉くんと有希にも言っといてね」
キョン「(ハルヒの目に俺はどう映っているかを、俺は知りたかったのかもしれない。
自惚れでもいい、アイツが俺のことを好きだという可能性。
もちろん、俺だってそんな推論を全面的に支持するわけじゃない。
だが、俺がハルヒに抱いていた気持ちと同じものをハルヒが持っていたとしても不思議ではないんじゃないか。
だって、そうだろ。何の特徴もない俺が長い間SOS団にいる理由はどこにある。ジョン・スミスだからか? 一般人属性? どれも違う気がする。
妙な能力を獲得した美少女、涼宮ハルヒ。
ハルヒがもし俺と出会わなかったら、どうなっていただろうか。
俺はハルヒと出会わなかったら、どうなっていただろうか。
それは誰にもわからないが、俺はお互いにもたらしたであろう見えない何かの存在を信じたいと思う。
なあ、ハルヒ。お前は俺のことをどう思ってるんだ? 俺に会ったことを後悔しているか?
俺はお前に出会えたことを後悔していない。
俺はお前のことが好きだ。
アイツはそれを聞いたら、殴りかかってきそうだが、でもこれだけは言っておきたいと思う。
ハルヒよ、今までありがとう。
そして、これからもよろしく頼むぜ、団長さん)」
パカッ
プルルルルルルルルルル
ハルヒ「あ、みくるちゃん。今日はもうおしまいにするわ。駅前にすぐに集合して頂戴。古泉くんと有希にも言っといてね」
キョン「(ハルヒの目に俺はどう映っているかを、俺は知りたかったのかもしれない。
自惚れでもいい、アイツが俺のことを好きだという可能性。
もちろん、俺だってそんな推論を全面的に支持するわけじゃない。
だが、俺がハルヒに抱いていた気持ちと同じものをハルヒが持っていたとしても不思議ではないんじゃないか。
だって、そうだろ。何の特徴もない俺が長い間SOS団にいる理由はどこにある。ジョン・スミスだからか? 一般人属性? どれも違う気がする。
妙な能力を獲得した美少女、涼宮ハルヒ。
ハルヒがもし俺と出会わなかったら、どうなっていただろうか。
俺はハルヒと出会わなかったら、どうなっていただろうか。
それは誰にもわからないが、俺はお互いにもたらしたであろう見えない何かの存在を信じたいと思う。
なあ、ハルヒ。お前は俺のことをどう思ってるんだ? 俺に会ったことを後悔しているか?
俺はお前に出会えたことを後悔していない。
俺はお前のことが好きだ。
アイツはそれを聞いたら、殴りかかってきそうだが、でもこれだけは言っておきたいと思う。
ハルヒよ、今までありがとう。
そして、これからもよろしく頼むぜ、団長さん)」
156: 2010/03/31(水) 19:01:47.33 ID:jMMRTQY0
梓「あ、キョンさん」
キョン「梓か」
梓「偶然ですね、こんなところでなに――」
キョン「唯を見なかったか?」
梓「先輩ですか、見てませんけど」
キョン「そうか……」
梓「何かあったんですか?」
キョン「それがな――」
キョン「梓か」
梓「偶然ですね、こんなところでなに――」
キョン「唯を見なかったか?」
梓「先輩ですか、見てませんけど」
キョン「そうか……」
梓「何かあったんですか?」
キョン「それがな――」
157: 2010/03/31(水) 19:02:25.84 ID:jMMRTQY0
梓「それはキョンさんが悪いと思います」
キョン「それはわかってるさ。だから、謝ろうと探しているわけでだな」
梓「携帯には出ないんですか?」
キョン「……」
梓「まさか、忘れてたとか」
キョン「なあにを言ってるんだ。そんなことはないぞ」ヒクヒク
梓「はあ」
キョン「よし、早速」ゴクリ
プルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル
キョン「繋がらん」
キョン「それはわかってるさ。だから、謝ろうと探しているわけでだな」
梓「携帯には出ないんですか?」
キョン「……」
梓「まさか、忘れてたとか」
キョン「なあにを言ってるんだ。そんなことはないぞ」ヒクヒク
梓「はあ」
キョン「よし、早速」ゴクリ
プルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル
キョン「繋がらん」
158: 2010/03/31(水) 19:03:26.26 ID:jMMRTQY0
梓「ま、まさか、あまりのショックにとんでもないことを……」
キョン「とんでもないこと?」
梓「いえ、なんでもありません」
キョン「弱ったな」
梓「家に帰ったのかもしれませんよ」
キョン「家か」
梓「行きましょう」
キョン「いや、俺一人で十分だぞ。行くところがあるんだろ」
梓「わたしも先輩の家に行くところでしたから」
キョン「とんでもないこと?」
梓「いえ、なんでもありません」
キョン「弱ったな」
梓「家に帰ったのかもしれませんよ」
キョン「家か」
梓「行きましょう」
キョン「いや、俺一人で十分だぞ。行くところがあるんだろ」
梓「わたしも先輩の家に行くところでしたから」
159: 2010/03/31(水) 19:03:51.81 ID:jMMRTQY0
平沢宅
憂「お姉ちゃん? 帰ってきてないよー」
梓「そっか」
憂「どうかしたの?」
梓「ううん。そうだ、あれ持ってきたんだよ」
憂「あれ?」
梓「はい、これ」
憂「お姉ちゃん? 帰ってきてないよー」
梓「そっか」
憂「どうかしたの?」
梓「ううん。そうだ、あれ持ってきたんだよ」
憂「あれ?」
梓「はい、これ」
160: 2010/03/31(水) 19:04:20.56 ID:jMMRTQY0
キョン「(どこに行ったんだろうな)」
梓「お待たせしました」
キョン「もういいのか」
梓「はい、行きましょう」
キョン「それで唯が行きそうな場所に心当たりあるか」
梓「うーん、そう言われると困りますけど、商店街が無難じゃないでしょうか」
キョン「商店街か、行ってみるか」
梓「お待たせしました」
キョン「もういいのか」
梓「はい、行きましょう」
キョン「それで唯が行きそうな場所に心当たりあるか」
梓「うーん、そう言われると困りますけど、商店街が無難じゃないでしょうか」
キョン「商店街か、行ってみるか」
161: 2010/03/31(水) 19:05:08.40 ID:jMMRTQY0
商店街
梓「先輩、どこにいるんだろ」
キョン「隅から隅まで、ローラー作戦で行くしかないな」
梓「でも、流石に魚屋さんにはいないと思いますけど」
魚屋「モナコにはまけねえー! シーシェパードにはまけねえ!」
キョン「それもそうだな」
梓「わたしは向こう側から探してきますね」
キョン「向こうまで行くの大変だろう。俺が行くよ」
梓「そうですか……わかりました」
キョン「見つけたら、教えてくれ」
梓「はい」
梓「先輩、どこにいるんだろ」
キョン「隅から隅まで、ローラー作戦で行くしかないな」
梓「でも、流石に魚屋さんにはいないと思いますけど」
魚屋「モナコにはまけねえー! シーシェパードにはまけねえ!」
キョン「それもそうだな」
梓「わたしは向こう側から探してきますね」
キョン「向こうまで行くの大変だろう。俺が行くよ」
梓「そうですか……わかりました」
キョン「見つけたら、教えてくれ」
梓「はい」
162: 2010/03/31(水) 19:12:36.67 ID:jMMRTQY0
DQN1「おい、おとなしくついてこいよ」
唯「ううう」ブルブル
DQN2「兄貴、どこに連れていきましょう」
DQN1「あそこのカラオケボックスに決まってるだろうかが、タコス!」
DQN2「へ、へい! おら、立てよ!」
唯「や、やだ」
DQN2「てめえ、ぶっ頃すぞおらあ!」
唯「ひぃ!」ビクッ
DQN1「たっぷり可愛がってやるからな、ひひひ」
唯「ううう」ブルブル
DQN2「兄貴、どこに連れていきましょう」
DQN1「あそこのカラオケボックスに決まってるだろうかが、タコス!」
DQN2「へ、へい! おら、立てよ!」
唯「や、やだ」
DQN2「てめえ、ぶっ頃すぞおらあ!」
唯「ひぃ!」ビクッ
DQN1「たっぷり可愛がってやるからな、ひひひ」
164: 2010/03/31(水) 19:26:13.10 ID:jMMRTQY0
キョン「おい」
DQN2「え? あ、兄貴!」
DQN1「ああん? 誰だてめえ」
唯「キョンくんっ!」
キョン「んなこたあどうでもいい。おまえら生きて帰れると思うなよ」
DQN1「面倒くせえ、2やっちまえ」
DQN2「へい」
キョン「おいおい、北高の銀さんをあまり舐めないほうがいい」
DQN2「るせえっ!」
ズバコンッ
キョン「っぎゃっ!」
DQN2「かっかかかか。こいつ糞弱いっすよ兄貴」
DQN1「そいつはお前に任せるわ、俺はこの女を連れていく」
唯「あ…あ…」
DQN2「え? あ、兄貴!」
DQN1「ああん? 誰だてめえ」
唯「キョンくんっ!」
キョン「んなこたあどうでもいい。おまえら生きて帰れると思うなよ」
DQN1「面倒くせえ、2やっちまえ」
DQN2「へい」
キョン「おいおい、北高の銀さんをあまり舐めないほうがいい」
DQN2「るせえっ!」
ズバコンッ
キョン「っぎゃっ!」
DQN2「かっかかかか。こいつ糞弱いっすよ兄貴」
DQN1「そいつはお前に任せるわ、俺はこの女を連れていく」
唯「あ…あ…」
165: 2010/03/31(水) 22:18:01.27 ID:jMMRTQY0
キョン「ま…待て」
DQN2「お前の相手は俺がしてやるよ」
ゲシッ
キョン「うぎっ!」
梓「キョンさんっ!」
DQN2「おう、これは二人目の獲物発見かかかかか」
梓「大丈夫ですか?」
キョン「なんとかな。俺より唯が」
DQN2「おらあ!」
ゲシッ
キョン「おがっ!」
DQN2「かかか、女っちはこっちいきましょね~!」
梓「やだ、離してください!」
DQN2「かかか、離しませ~ん」
DQN2「お前の相手は俺がしてやるよ」
ゲシッ
キョン「うぎっ!」
梓「キョンさんっ!」
DQN2「おう、これは二人目の獲物発見かかかかか」
梓「大丈夫ですか?」
キョン「なんとかな。俺より唯が」
DQN2「おらあ!」
ゲシッ
キョン「おがっ!」
DQN2「かかか、女っちはこっちいきましょね~!」
梓「やだ、離してください!」
DQN2「かかか、離しませ~ん」
166: 2010/03/31(水) 22:29:44.30 ID:jMMRTQY0
梓「キョンさん! いやです!」
キョン「梓……」
DQN2「最後に一発いれとくか」
ゲシッ
キョン「…………」
DQN2「かかかかか」
梓「いや! 誰か!? 誰か助けてください!」
DQN2「あんまりうるしないほうが身の為だぜ」
梓「ううう」
キョン「梓……」
DQN2「最後に一発いれとくか」
ゲシッ
キョン「…………」
DQN2「かかかかか」
梓「いや! 誰か!? 誰か助けてください!」
DQN2「あんまりうるしないほうが身の為だぜ」
梓「ううう」
168: 2010/03/31(水) 23:03:07.52 ID:jMMRTQY0
キョン「(クソッ! クソッ! 好きな奴一人まともに守れんのか俺は。
結局他人に頼らねえとなんにもできやしねえ。
こんなんじゃ、アイツの隣に立つ資格なんてない。
そうだ。
唯が俺の横を歩いてるのも、アイツが勇気を出して俺に好きだと言ってくれたからじゃないか。
俺は何一つしていない。
待っていただけだ。
ここで守ってやらなきゃ、一生後悔する。
そう、俺が守ってやるんだ。
ヒーローでもなんでもない。
ヒーローになれるわけでもない。
だが、それでも、俺はやらなくちゃならん。
立て。
立て。
立ち上がれ。
立ち上がってみせろ)」
結局他人に頼らねえとなんにもできやしねえ。
こんなんじゃ、アイツの隣に立つ資格なんてない。
そうだ。
唯が俺の横を歩いてるのも、アイツが勇気を出して俺に好きだと言ってくれたからじゃないか。
俺は何一つしていない。
待っていただけだ。
ここで守ってやらなきゃ、一生後悔する。
そう、俺が守ってやるんだ。
ヒーローでもなんでもない。
ヒーローになれるわけでもない。
だが、それでも、俺はやらなくちゃならん。
立て。
立て。
立ち上がれ。
立ち上がってみせろ)」
171: 2010/03/31(水) 23:16:39.58 ID:jMMRTQY0
キョン「……待て!」
梓「キョンさん!」
DQN2「か? もうあきらめろよ」
キョン「お兄さん、勝負はまだ終わってねえぜ…(とは言ったものの、どうすりゃいい。まともにやって勝てる相手じゃないぞ)」
DQN2「かかか、諦めが悪いじょ~」
スカッ
キョン「あぶんっ! 諦められないもんがこの世にはあるんだよ。梓っ!!!」
梓「は、はい!」ドキッ
キョン「唯はそっちに行った、後を追いかけて場所を教えてくれ。俺も後でいく」
梓「わ、わかりました!」
DQN2「誰が行っていいって言ったよ」
キョン「させんよ!」
ズカッ
DQN2「ぎょえ!」
キョン「(なんだかんだいって、梓に頼ってるな俺は)」
梓「キョンさん!」
DQN2「か? もうあきらめろよ」
キョン「お兄さん、勝負はまだ終わってねえぜ…(とは言ったものの、どうすりゃいい。まともにやって勝てる相手じゃないぞ)」
DQN2「かかか、諦めが悪いじょ~」
スカッ
キョン「あぶんっ! 諦められないもんがこの世にはあるんだよ。梓っ!!!」
梓「は、はい!」ドキッ
キョン「唯はそっちに行った、後を追いかけて場所を教えてくれ。俺も後でいく」
梓「わ、わかりました!」
DQN2「誰が行っていいって言ったよ」
キョン「させんよ!」
ズカッ
DQN2「ぎょえ!」
キョン「(なんだかんだいって、梓に頼ってるな俺は)」
172: 2010/03/31(水) 23:24:03.85 ID:jMMRTQY0
キョン「はぁはぁ」
DQN2「おまっ…や、やるじゃねえが」
キョン「(風呂に入ったら傷がしみるだろうな)」
DQN2「手加減してやってたのに調子乗りやがって」
チャキン
DQN2「これが何かわかるだろ、かかか」
キョン「(またナイフか。流石に今度はなしだな)」
DQN2「降参するなら今のうちだぞ」
谷口「よお、キョンじゃね…え…か……えっと、どうしたんだ」
国木田「キョン!? 酷い顔してるよ」
キョン「谷口、国木田!」
澪「あれ、キョンさん」
DQN2「おまっ…や、やるじゃねえが」
キョン「(風呂に入ったら傷がしみるだろうな)」
DQN2「手加減してやってたのに調子乗りやがって」
チャキン
DQN2「これが何かわかるだろ、かかか」
キョン「(またナイフか。流石に今度はなしだな)」
DQN2「降参するなら今のうちだぞ」
谷口「よお、キョンじゃね…え…か……えっと、どうしたんだ」
国木田「キョン!? 酷い顔してるよ」
キョン「谷口、国木田!」
澪「あれ、キョンさん」
174: 2010/03/31(水) 23:34:02.87 ID:jMMRTQY0
律「お、澪、何してんの?」
紬「偶然ね」
澪「律、ムギも」
佐々木「おや、キョン。なにやら、大変そうだね」
橘「お手伝いしましょうか」
キョン「佐々木まで……」
谷口「おお、楽園かここは」
DQN2「ちっ、人が集まってきやがったか」
キョン「(こんな大勢の前なら人を刺すなんてことできんだろ)」
DQN2「かかか……ばいばいきーん!」タッタッタ
橘「行っちゃいました」
佐々木「キョンが無事でよかった」
キョン「(待ってろ、唯。今、助けに行くからな)」
ガシッ
キョン「佐々木?」
紬「偶然ね」
澪「律、ムギも」
佐々木「おや、キョン。なにやら、大変そうだね」
橘「お手伝いしましょうか」
キョン「佐々木まで……」
谷口「おお、楽園かここは」
DQN2「ちっ、人が集まってきやがったか」
キョン「(こんな大勢の前なら人を刺すなんてことできんだろ)」
DQN2「かかか……ばいばいきーん!」タッタッタ
橘「行っちゃいました」
佐々木「キョンが無事でよかった」
キョン「(待ってろ、唯。今、助けに行くからな)」
ガシッ
キョン「佐々木?」
175: 2010/03/31(水) 23:50:04.32 ID:jMMRTQY0
佐々木「落ち着いて」
キョン「悪いが、今は時間がないんだ」
佐々木「時間はある。もう、いいんだよ」
キョン「佐々木、離してくれ」
佐々木「君の探している人なら無事だから安心してほしい」
キョン「なに?」
佐々木「君と親しい友人方が助けたそうだよ。今、こちらへ向かっていると思う」
キョン「……無事」
佐々木「そう、無事。怪我もないと聞いているよ。平沢さんと言ったかな? キョンが伴侶を得るなんてね。あとで僕にも紹介してくれないかな」
キョン「そうか……よかった」
律「ひっでえ顔をしてるなあ」
澪「だ、大丈夫ですか」
紬「救急車を読んだほうが」
佐々木「……これは驚きだね」
谷口「くそおおおおおお、なんでキョンだけ!」
キョン「悪いが、今は時間がないんだ」
佐々木「時間はある。もう、いいんだよ」
キョン「佐々木、離してくれ」
佐々木「君の探している人なら無事だから安心してほしい」
キョン「なに?」
佐々木「君と親しい友人方が助けたそうだよ。今、こちらへ向かっていると思う」
キョン「……無事」
佐々木「そう、無事。怪我もないと聞いているよ。平沢さんと言ったかな? キョンが伴侶を得るなんてね。あとで僕にも紹介してくれないかな」
キョン「そうか……よかった」
律「ひっでえ顔をしてるなあ」
澪「だ、大丈夫ですか」
紬「救急車を読んだほうが」
佐々木「……これは驚きだね」
谷口「くそおおおおおお、なんでキョンだけ!」
178: 2010/04/01(木) 23:00:01.86 ID:ovyAwBA0
古泉「お待たせしました」
キョン「古泉……」
古泉「ご無事のようでなによりです。なにかあっては涼宮さんが黙ってはいませんからね」
キョン「唯は?」
古泉「もうすぐ来ると思いますよ」
キョン「梓も一緒なんだな」
古泉「ええ」
澪「唯と梓になにかあったんですか」
キョン「実は俺の不注意で二人に迷惑をかけてしまって」
古泉「詳しいことはわかりませんが、お二人共ご無事なんですから気を落とさないでください」
キョン「……」
古泉「それに彼女なら許してくれると思いますよ」
梓「ありがとうございました」
森「いいえ、足元にお気を付けて」
唯「キョンくん……」
キョン「古泉……」
古泉「ご無事のようでなによりです。なにかあっては涼宮さんが黙ってはいませんからね」
キョン「唯は?」
古泉「もうすぐ来ると思いますよ」
キョン「梓も一緒なんだな」
古泉「ええ」
澪「唯と梓になにかあったんですか」
キョン「実は俺の不注意で二人に迷惑をかけてしまって」
古泉「詳しいことはわかりませんが、お二人共ご無事なんですから気を落とさないでください」
キョン「……」
古泉「それに彼女なら許してくれると思いますよ」
梓「ありがとうございました」
森「いいえ、足元にお気を付けて」
唯「キョンくん……」
179: 2010/04/01(木) 23:11:55.19 ID:ovyAwBA0
唯「……ううううわああああはははああああん」
ギュッ
キョン「もう大丈夫だ」
唯「うううう」
梓「全く、先輩方の所為で大変でしたよ」
キョン「梓、ありがとな」
梓「それより、唯先輩にちゃんと謝ってくださいね」
キョン「わかってるさ。唯」
唯「うう……ぐすっ」
キョン「すまん。俺が悪かった。もう二度とあんなこと言わないと約束する。俺は誰よりもお前のことが好きだぞ」
唯「知ってる……よぅ……だって……キョンくんは……わたしにメロメロだからね」
キョン「ああ、メロメロだ」
ギュッ
キョン「もう大丈夫だ」
唯「うううう」
梓「全く、先輩方の所為で大変でしたよ」
キョン「梓、ありがとな」
梓「それより、唯先輩にちゃんと謝ってくださいね」
キョン「わかってるさ。唯」
唯「うう……ぐすっ」
キョン「すまん。俺が悪かった。もう二度とあんなこと言わないと約束する。俺は誰よりもお前のことが好きだぞ」
唯「知ってる……よぅ……だって……キョンくんは……わたしにメロメロだからね」
キョン「ああ、メロメロだ」
180: 2010/04/01(木) 23:18:29.18 ID:ovyAwBA0
谷口「キョンの奴、いつの間にいいいいいい!」
澪「梓、大丈夫なのか」
梓「はい……怖かったですけど」
紬「澪ちゃんの胸で泣いてもいいのよ」
梓「い、いえ」
キョン「……」
唯「……ん……」
律「ぶちゅう」
澪「変な効果音はやめろ」
ゴンッ
律「ってええええ!」
谷口「えんだああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
国木田「谷口、近所迷惑だからね」
澪「梓、大丈夫なのか」
梓「はい……怖かったですけど」
紬「澪ちゃんの胸で泣いてもいいのよ」
梓「い、いえ」
キョン「……」
唯「……ん……」
律「ぶちゅう」
澪「変な効果音はやめろ」
ゴンッ
律「ってええええ!」
谷口「えんだああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
国木田「谷口、近所迷惑だからね」
181: 2010/04/01(木) 23:24:32.18 ID:ovyAwBA0
キョン宅前
キョン「(今日はさっさと風呂に入って寝たいところだな)」
長門「……」
キョン「んー、気のせいだよな。長門がこんなところにいるわけないよな」
長門「気のせいではない。わたしはあなたの目の前に存在している」
キョン「そうかそうか……」
長門「……」
キョン「……」
長門「……」
キョン「わかったよ。なんだ、なんか用があって来たんだろ」
長門「あなたに話がある」
キョン「話ねえ。上がってくか?」
長門「いい。ここで話すことに支障はない」
キョン「(今日はさっさと風呂に入って寝たいところだな)」
長門「……」
キョン「んー、気のせいだよな。長門がこんなところにいるわけないよな」
長門「気のせいではない。わたしはあなたの目の前に存在している」
キョン「そうかそうか……」
長門「……」
キョン「……」
長門「……」
キョン「わかったよ。なんだ、なんか用があって来たんだろ」
長門「あなたに話がある」
キョン「話ねえ。上がってくか?」
長門「いい。ここで話すことに支障はない」
182: 2010/04/01(木) 23:53:56.47 ID:ovyAwBA0
キョン「んで、話ってのは」
長門「ループを発生させたのはわたし」
キョン「……何を言ってるんだ。本当なのか、長門」
長門「……」コク
キョン「なんでそんなこと」
長門「涼宮ハルヒとあなたの為」
キョン「ハルヒと俺の為?」
長門「未来に多大な影響を及ぼす高レベルなイレギュラー因子を現時点で排除する必要があった。その為に、あなたに対する涼宮ハルヒの認識を調整した。ループの発生においては古泉一樹が関与しているが、その進言がわたしの意思決定に与えた影響は五パーセント未満だと思われる。よって、ループの発生原因、責任はわたしにある」
キョン「……いまいち、話が理解出来ないんだが。ループを起こしたのは長門で、その理由は俺とハルヒの為だってことだな」
長門「そう」
キョン「それで結果どうなったんだ?」
長門「本件ではあなたの意思決定が重要だった」
長門「ループを発生させたのはわたし」
キョン「……何を言ってるんだ。本当なのか、長門」
長門「……」コク
キョン「なんでそんなこと」
長門「涼宮ハルヒとあなたの為」
キョン「ハルヒと俺の為?」
長門「未来に多大な影響を及ぼす高レベルなイレギュラー因子を現時点で排除する必要があった。その為に、あなたに対する涼宮ハルヒの認識を調整した。ループの発生においては古泉一樹が関与しているが、その進言がわたしの意思決定に与えた影響は五パーセント未満だと思われる。よって、ループの発生原因、責任はわたしにある」
キョン「……いまいち、話が理解出来ないんだが。ループを起こしたのは長門で、その理由は俺とハルヒの為だってことだな」
長門「そう」
キョン「それで結果どうなったんだ?」
長門「本件ではあなたの意思決定が重要だった」
184: 2010/04/02(金) 20:08:09.25 ID:A9Kvcow0
キョン「意思決定?」
長門「あなたの意思決定は、涼宮ハルヒがあなたに対し所持する認識を変容させる要素だった。ループ後の時間流において、あなたの意思は適切に涼宮ハルヒに受容され、直近の未来における不安要素は排除されたと判定。本日、当次元空間を固有接続位置へ修正した」
キョン「つまり?」
長門「涼宮ハルヒは――」
キョン「ん?」
長門「あなたが注意すべき要素はない」
キョン「なんだ、その、解決したってことなのか?」
長門「そう」
キョン「……まあ、よく解らなかったし、古泉がいるときにもう一度頼む。それと、長門はそんなことをやって大丈夫なのか。また熱を出したりするんじゃないか」
長門「問題はない……因みにループの実行回数11874回は嘘であり、正確に言えば今回で4回目。よって、本件における身体的負担、能力的負担も今後の活動に影響は無いとみられる」
キョン「長門が無事ならそれでいい」
長門「……」
長門「あなたの意思決定は、涼宮ハルヒがあなたに対し所持する認識を変容させる要素だった。ループ後の時間流において、あなたの意思は適切に涼宮ハルヒに受容され、直近の未来における不安要素は排除されたと判定。本日、当次元空間を固有接続位置へ修正した」
キョン「つまり?」
長門「涼宮ハルヒは――」
キョン「ん?」
長門「あなたが注意すべき要素はない」
キョン「なんだ、その、解決したってことなのか?」
長門「そう」
キョン「……まあ、よく解らなかったし、古泉がいるときにもう一度頼む。それと、長門はそんなことをやって大丈夫なのか。また熱を出したりするんじゃないか」
長門「問題はない……因みにループの実行回数11874回は嘘であり、正確に言えば今回で4回目。よって、本件における身体的負担、能力的負担も今後の活動に影響は無いとみられる」
キョン「長門が無事ならそれでいい」
長門「……」
185: 2010/04/02(金) 20:13:23.33 ID:A9Kvcow0
キョン「話は終わりか?」
長門「……」コク
キョン「なら、悪いが今日は早いとこ寝床に着きたいんでな。この辺で失礼……って送っていこうか?」
長門「いい。一人で問題はない」
キョン「じゃあな、長門」
長門「……」コク
長門「――涼宮ハルヒは
――独り
――独り
――孤独?
――私は
――孤独?」
長門「……」コク
キョン「なら、悪いが今日は早いとこ寝床に着きたいんでな。この辺で失礼……って送っていこうか?」
長門「いい。一人で問題はない」
キョン「じゃあな、長門」
長門「……」コク
長門「――涼宮ハルヒは
――独り
――独り
――孤独?
――私は
――孤独?」
186: 2010/04/02(金) 20:21:31.58 ID:A9Kvcow0
数日後
喫茶店
ハルヒ「キョン、あんたは外で待ってなさい」
キョン「ちょっと待て。俺は喫茶店に行くと聞いて付いてきたんだぞ」
ハルヒ「あたしはこの娘と話がしたいの。それに男のあんたがいたんじゃ色々と話し難いでしょ」
キョン「そんな話し難いことを話す必要ないだろうが」
ハルヒ「そんな長い時間は居ないから安心して頂戴。ここを出たらあんたみたいなバカでも入れる店を探してあげる」
キョン「(お前が入れて俺が入れない理由なんて、この世には性別の違いしかないと思うが)」
ハルヒ「ふっふーん! じゃあ、行くわ」
キョン「おい、あんまり苛めるなよ」
ハルヒ「あんたじゃないんだから、わかってるわよ」
喫茶店
ハルヒ「キョン、あんたは外で待ってなさい」
キョン「ちょっと待て。俺は喫茶店に行くと聞いて付いてきたんだぞ」
ハルヒ「あたしはこの娘と話がしたいの。それに男のあんたがいたんじゃ色々と話し難いでしょ」
キョン「そんな話し難いことを話す必要ないだろうが」
ハルヒ「そんな長い時間は居ないから安心して頂戴。ここを出たらあんたみたいなバカでも入れる店を探してあげる」
キョン「(お前が入れて俺が入れない理由なんて、この世には性別の違いしかないと思うが)」
ハルヒ「ふっふーん! じゃあ、行くわ」
キョン「おい、あんまり苛めるなよ」
ハルヒ「あんたじゃないんだから、わかってるわよ」
187: 2010/04/02(金) 20:43:47.56 ID:A9Kvcow0
キョンはハルヒの言いつけ通り、喫茶店の外で待つことにした。
春が近いとはいえ、まだまだ冬を感じさせる冷風が服の隙間に入り込んで身震いさせる。
たまたま喫茶店の前にあった公園のベンチに腰を下ろす。
窓際に座るハルヒ達の様子をここから観ることができた。
――なんだ、良い雰囲気みたいじゃないか。
声は聞こえないが、店内で展開されている会話の様子を見て、キョンはそう思った。
注文したであろう飲み物がテーブルに並べられると、視線に勘づいていたのか、ハルヒがこちらを見た。
ニヤリと口元を緩めたと思いきや、すぐに対面に向き直り、口を動かす。
そして、ハルヒの向かいに座る少女がこちらを見る。
その少女、平沢唯が顔を全体を大きくほころばせて大胆に手を振ってみせた。
キョンはそれを見て、手を振り返してやる。
同じように微笑みながら、手を振り返す。
好きな人に手を振り返す。
その手は確かに彼女の手を握り、抱きしめたものだった。
春が近いとはいえ、まだまだ冬を感じさせる冷風が服の隙間に入り込んで身震いさせる。
たまたま喫茶店の前にあった公園のベンチに腰を下ろす。
窓際に座るハルヒ達の様子をここから観ることができた。
――なんだ、良い雰囲気みたいじゃないか。
声は聞こえないが、店内で展開されている会話の様子を見て、キョンはそう思った。
注文したであろう飲み物がテーブルに並べられると、視線に勘づいていたのか、ハルヒがこちらを見た。
ニヤリと口元を緩めたと思いきや、すぐに対面に向き直り、口を動かす。
そして、ハルヒの向かいに座る少女がこちらを見る。
その少女、平沢唯が顔を全体を大きくほころばせて大胆に手を振ってみせた。
キョンはそれを見て、手を振り返してやる。
同じように微笑みながら、手を振り返す。
好きな人に手を振り返す。
その手は確かに彼女の手を握り、抱きしめたものだった。
188: 2010/04/02(金) 20:58:22.47 ID:A9Kvcow0
枯葉が落ち、雪が融け、桜が散り、雨が降り、太陽が照る。
季節はそう、夏である。
とある駅前のベンチに、一人の少年が暑さに顔を歪ませながら座り、一人の少女を待っていた。
少女の名前は平沢唯。
少年の記憶に大きく刻まれた名前。
あなたが見た真実はその名と同一だろうか?
あなたが選ぶ真実はその名と同一だろうか?
それはあなた自身が決めるもの。
そして、少年が選んだものはたった一つ。
「ごめんねぇ、遅れちゃって」
「構わんさ、まだ時間はあるからな」
少年は少女の手をとって、握る。
少女は一瞬、驚いた表情を見せるが、すぐにその手を握り返す。
二人は笑顔をみせながら、歩き始める。
同じ道を好きな人と一緒に歩く。
それは彼と彼女が選択した、たった一つの真実。
お わ り
季節はそう、夏である。
とある駅前のベンチに、一人の少年が暑さに顔を歪ませながら座り、一人の少女を待っていた。
少女の名前は平沢唯。
少年の記憶に大きく刻まれた名前。
あなたが見た真実はその名と同一だろうか?
あなたが選ぶ真実はその名と同一だろうか?
それはあなた自身が決めるもの。
そして、少年が選んだものはたった一つ。
「ごめんねぇ、遅れちゃって」
「構わんさ、まだ時間はあるからな」
少年は少女の手をとって、握る。
少女は一瞬、驚いた表情を見せるが、すぐにその手を握り返す。
二人は笑顔をみせながら、歩き始める。
同じ道を好きな人と一緒に歩く。
それは彼と彼女が選択した、たった一つの真実。
お わ り
189: 2010/04/02(金) 21:00:05.63 ID:A9Kvcow0
やっと終わったなう。
長い間、付き合ってくれた方本当にありがとうございました。
あの夏と比べると人も少なくなったけど、それでも読んでくれる人がまだいてよかった。
正直、こんだけならもっと早く書けよという人もいるだろうけど、これが俺の最高スピードゥだっ。おせえええええええええええええええええええええ。
続編は書く気ないので正真正銘これで完結です。
では、また会う日まで。ヴィーダー・ゼーエン!
長い間、付き合ってくれた方本当にありがとうございました。
あの夏と比べると人も少なくなったけど、それでも読んでくれる人がまだいてよかった。
正直、こんだけならもっと早く書けよという人もいるだろうけど、これが俺の最高スピードゥだっ。おせえええええええええええええええええええええ。
続編は書く気ないので正真正銘これで完結です。
では、また会う日まで。ヴィーダー・ゼーエン!
引用: キョン「放課後ティータイム?」
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