1:◆bAt3E3sVXo 2008/06/12(木) 20:57:59.08 ID:oMlh/G7bP
大変お待たせしました。
それじゃあいきます
前スレ:ニートギアス 引きこもりのルルーシュ

6: 2008/06/12(木) 21:05:19.47 ID:oMlh/G7bP
ネット界は揺れていた。
それまで完全なる権力をもって、ネットの頂点に立っていたブリタニアちゃんねる。
かつてはその王座に座り、今復興の兆しを見せている日本ちゃんねる。

歯向かう黒の無職団。

受けたつニート・オブ・ラウンズ。

ネットユーザー達は、答えを求めた。
黒の無職団を支持するもの。ブリちゃんを支持するもの。第三者となり傍観するもの。
しかし、その誰もがゼロという人間に注目していた。

ゼロはなにかを起こす。

ネットの世界は、音を立てずに動き始めた。
コードギアス 復活のルルーシュ(購入版・限定特典付き)
73: 2008/06/12(木) 22:18:08.44 ID:oMlh/G7bP





     SATGE 5 囚われのナナリー 特区板・日本






77: 2008/06/12(木) 22:20:27.60 ID:oMlh/G7bP
キョウトを仲間にひきいれたのは大きかった。
彼らは独自の巨大な鯖を所持しており、そこに日本ちゃんねる(仮)を立てようということになった。
今はまだ力頼りないので、ブリちゃん側に見つからないように、幹部のみアクセスできるようになっている。

ゼロ 「神楽耶様、協力感謝します」

神楽耶 「夫のために尽くす、それが妻です! さあ、ゼロ様。用事も住んだことだし、お茶でも飲みませんか?」

ゼロ 「え、あ、あ、あ、あああ、あ、あ」

藤堂 (俺より女性に免疫の無いやつがいるとは……) 

驚きの発見も束の間、藤堂はC.C,がいないことに気づく。
最近、彼女は自室に篭りきりだ。

藤堂 (一体、なにをやっているんだ……)

80: 2008/06/12(木) 22:22:40.96 ID:oMlh/G7bP
C.C,はやはりパソコンと向かい合わせになっていた。
彼女はここ数日、ある人物とメッセンジャーのやり取りをしていた。

そいつは、日本ちゃんねるの古参コテの一人、超絶天才的爆裂運動神経倫理的完璧人間。
コテ名が長いので、以下絶倫と略させてもらう。

彼もまた、かつてC.C.に誘われた一人だった。
最初カレン達が集まったときに、唯一来なかった男。
しかし黒の無職団の活躍を見てか、今更になって再びC.C.とコンタクトをとるようになっていた。

C.C. (この男、なかなか利用しがいがありそうだ)

黒の無職団については、だいたい彼に情報を教えてある。
それを得て、果たして彼はどう動くだろうか。
C.C.は少なからず彼に期待をかけ始めていた。

81: 2008/06/12(木) 22:24:10.00 ID:oMlh/G7bP
一方その頃、ブリタニアちゃんねるに勤めるスザクの元に、意外な顔が揃っていた。

リヴァル 「よお、スザク!」

シャーリー 「ひさしぶり! って、この間会ったばっかか」

ミレイ 「元気ー?」

スザク 「みんな、どうして……」

ニーナとルルーシュを抜いた、生徒会のメンバーが来ていたのだ。
しかも驚くことに、彼らは全員ブリちゃん職員の制服を着ている。

リヴァル 「実は俺たち、ブリちゃんから内定もらったんだ!」

シャーリー 「リヴァルが就職したいけど、一人じゃ怖いって言うから、冗談半分でみんなで面接受けたの」

スザク 「はは、そしたら受かっちゃったのか」

ミレイ 「ルルーシュとミレイはやりたいことがあるようだったから誘わなかったの。これからよろしくね」

スザク 「はい!!」

彼らとの再会は、これから重要な任務をやるであろうスザクの張り詰めた心を、
温かく解していった。

84: 2008/06/12(木) 22:26:05.73 ID:oMlh/G7bP
――「ニート・オブ・ラウンズ」。
この世のニートを消し去るための、ユーフェミア削除人直結の部隊だ。

彼らは今日、ある重要な任務を行う。
それはスザクの提案した――人工知能・ナナリーの強奪だ。
あまり気の進まない彼らだったが、スザクの進言を受けたユーフェミアがGOサインを出せば、従うほかなかった。

ジノ 「ユフィとスザクさー、絶対出来てるって」

ニヤニヤと笑うジノは、
右手で輪を作り、その間に左手の人差し指を出し入れする。
それを見たアーニャは不快の念を示すと、携帯電話をいじりはじめた。

丁度そのときだった。
スザクが現れたのは。

ジノ 「遅かったな、スザク」

スザク 「ああ、ちょっとしたことがあってね」

さきほどの出来事を思い出すと、自然と頬が綻ぶ。
しかしスザクはすぐさま顔を引き締めた。

スザク 「それじゃあ始めようか――」

88: 2008/06/12(木) 22:28:20.78 ID:oMlh/G7bP
会議を終えてから、神楽耶に振り回され続けて、
ルルーシュの体と心はすっかり疲労困憊となっていた。

ルルーシュ 「こんな日はナナリーたんに癒してもらうに限る」

ルルーシュはパソコンを起動させ、ナナリーのお帰りの挨拶を待った。
しかし、そこにナナリーはいなかった。

ナナリーがいたはずのそこには、たった一文、小さなプロジェクトが残されていた。

「 人工知能は我々が頂いた ブリちゃん運営部」

ルルーシュ 「そ、そんな……」

ナナリーが、我が最愛の妹・ナナリーが……。
そんな……。そんな……。

93: 2008/06/12(木) 22:33:19.02 ID:oMlh/G7bP
no title

99: 2008/06/12(木) 22:36:32.29 ID:oMlh/G7bP
ジノ 「これはすげえ……」

アーニャ 「写メとってブログに載せたい……」

ナナリー 「あの、ここはどこですか?」

スザク (人工知能……まさかここまでとは)

まるで生きているような人工知能の完成度に、彼らも舌をまいた。
ましてや、ルルーシュがこれを作ったとは想像できる由もない。

スザク (ルルーシュってけっこうすごいんだな……)

妙なところで彼を見直してしまった。
さて、これからが本番だ。
ルルーシュには申し訳ないが、ナナリーはこちらで利用させてもらう。

スザクは携帯電話を取り出した。


105: 2008/06/12(木) 22:40:01.95 ID:oMlh/G7bP
一方、その頃黒の無職団は幹部が全員集まるという事態がおこっていた。
彼らを招集したのは、ゼロ。
その憤怒の形相は仮面越しには確認できないが、ここにいる誰もがゼロの迫力に気圧されていた。

ゼロ 「諸君、ブリタニアを攻めるぞ」

黒の無職団がざわつく。
それもそうだろう、今まで慎重に動いてきた彼らの過程を、まるまる無視するような発言だったからだ。

カレン 「ゼロ! なんで急にそんなことを!?」

ゼロ 「今が好機である、と私が判断したからだ」

藤堂 「急ぎすぎではないか?」

ゼロ 「そのようなことを言っていると、我々はいつまでも行動を起こせまい!」

108: 2008/06/12(木) 22:42:26.55 ID:oMlh/G7bP
みなそれぞれ、胸中で葛藤をしていた。
ゼロの言うことならば、きっと勝算あってのことなのだろう。
しかし、今までゆっくりと着実に準備をしてきた彼らに、今のタイミングは早すぎた。

そんな彼らの思いを察してか、カレンが口火を切った。

カレン 「ゼロ、いくらなんでも今回は……」

C.C. 「いいじゃないか」

カレン 「C.C.!?」

C.C. 「もちろんゼロのことだから、なんらかの作戦は敷いてあるのだろう」

C.C. 「それともカレン、ゼロを信用できないのか?」

カレン 「そ、そんなことは……」

110: 2008/06/12(木) 22:44:15.72 ID:oMlh/G7bP
C.C.のゼロ支持表明に、黒の無職団のするべきことは決まった。
ブリタニアちゃんねるに対し、二度目の攻撃をしかけるのだ。

藤堂 (一見、無茶苦茶な計画にも思える)

藤堂 (しかし……)

ゼロから発せられるオーラが、本気であると物語っていた。
それを見せられただけで、彼に従う理由になる。

藤堂 (きっとゼロは、なにか強い思いを抱いているのだろう……)

藤堂はゼロという男に、改めて敬意を抱いた。
彼の本心など知らずに。

ゼロ (絶対ナナリーたんを取り返す!!)

こうして、黒の無職団はブリちゃんに対し、奇襲を仕掛けることとなった。

114: 2008/06/12(木) 22:47:32.17 ID:oMlh/G7bP
ユーフェミア削除人。
彼女はブリタニアちゃんねるの看板娘となっており、専用のスレもたくさん立っていた。
それゆえ、ユーザー達は彼女をただのマスコットととして捉えている一面もある。

ユーフェミア 「スザク、はい紅茶」

スザク 「ありがとう、ユフィ」

彼女は優しい性格の持ち主だった。
誰に対しても気遣いを忘れず、決して笑顔を絶やさない。
そんな彼女だからこそ、ブリちゃんねらー達から愛されてるのかもしれない。

そして彼女とスザクは、男女の関係にあった(苦笑)。

119: 2008/06/12(木) 22:52:20.14 ID:oMlh/G7bP
ユーフェミア 「ねえ、スザク」

スザク 「なんだい?」

ユーフェミア 「私があれを発表したら、みんな驚くかしら」

スザク 「ああ、驚くだろうし、みんな喜ぶに決まってるさ」

ユーフェミア 「そう……嬉しい」

彼女のいう「あれ」の話を持ちかけられたときは、スザクも驚いた。
彼女のそれだけの頭脳があり、そしてそれだけの決断力を持っていたこと。
そしてなにより、彼女の平和を願う心に。

彼女の提案した「あれ」は、ブリちゃんとにちゃんを和解へと向かわせることのできるものだ。
これが成功すれば……。
スザクは、グッと拳を握った。

122: 2008/06/12(木) 22:57:02.27 ID:oMlh/G7bP
黒の無職団が作戦を開始したのは、それからすぐのことだった。
ゼロの指揮をもとに、ラクシャータ中心に幹部たちが動く。
千人ばかりの新団員たちはまだ実践不足と判断し、今回は参加を見逃した。

とってつけたようなゲリラ戦だったが、勢いは黒の無職団にあった。
それというもの、ゼロからの寸分狂いない指示が出されているからだ。

ゼロ 「P1はA地点で敵をおびき寄せ、P2P3Pで周りを包囲しろ!」

ゼロ 「P4は相手の情報をぬきとり、私に送れ。……よし、計算どおりだ」

突然の侵入者に、ブリちゃん側は焦っていたのだろう。
明確な目的をもった行動をせず、ただ侵入者たちの侵攻を阻もうとするだけ。

ゼロの的確な指示は、いとも簡単に彼らの防壁を崩していく。

C.C. (まさかルルーシュにこんな才能があるとは……。なにがあったんだ)

C.C. (なんにせよ、まさかこんなに早くゼロの資質を発揮するとは……)


126: 2008/06/12(木) 23:01:59.54 ID:oMlh/G7bP
ゼロの指示通り動けば、やれる。
団員たちは、はっきりとゼロへの信頼感を示していた。

ゼロ (ナナリーたん! すぐに助け出すからね! 帰ったらいーっぱいお話しようね!!)

こんなことを考えているゼロに、だ。

そして、とうとうラクシャータがブリちゃんの管理鯖を特定した。
そこを叩けば、ブリちゃんは大きなダメージを受けるだろう。

ゼロ 「全員、管理鯖へ向けて前進! ここさえ潰せば――」

そのとき、彼らのゆく手を三本の回線が阻んだ。



129: 2008/06/12(木) 23:05:10.91 ID:oMlh/G7bP
ジノ 「たくっ、俺らがいないと何もできねーのか!」

アーニャ 「しょうがないじゃない。雑魚しかいないんだから」

スザク 「二人とも、そう言うな。今はここを守ることに徹するんだ」

そう言いながらも、スザクは背中に大量の冷や汗をかいていた。

まさかこのタイミングで攻撃されるなんて……。
ここを守り通さないと、ユフィの「あれ」が実行できないのだ。
ユフィは世界へ向けて、動画で「あれ」の宣言をする。
その動画の発信をするのが、この管理鯖だ。ここを突破されるわけにはいかない。

スザク 「ジノ、アーニャ! ゼロは僕に任せてくれ!!」

ジノ 「おっけー、二対四なんて丁度良いハンデだ」

130: 2008/06/12(木) 23:09:28.48 ID:oMlh/G7bP
ゼロ 「くそ! なんでこいつはいつも邪魔をするんだ!!」

三つの回線の内、一つは前回黒の無職団を打ち砕いたやつに違いなかった。
光の速さをもつ奴は、黒の無職団にとっては大きな障害だ。

ゼロ以外の四人に、別の二回線が攻撃を仕掛け始めている。
そいつと対峙したゼロは、これは相手が作った場なのだと察した。

そしてそのとき、相手からボイスチャットが申し込まれた。
ゼロは一瞬目を疑ったが、承認して相手の言葉を待つ。

スザク 「お前がゼロだな」

ルルーシュ 「ああ、そうだ」

132: 2008/06/12(木) 23:14:12.99 ID:oMlh/G7bP
スザク 「まさかこのタイミングで再び仕掛けてくるとは思わなかった。その行動力に、敬意を示そう」

ゼロ 「おべっかはいい。さっさと人工知能を渡してもらおうか」

スザク 「なに……。なんで、人工知能がこちらにあると知っているんだ?」

ゼロ 「我々の情報網を見くびってはいけない。君らがそのA.I.の力を欲するように、我々も望んでいるのだ」

スザク 「なるほど、君もこれが目的か……」

全てはでまかせだった。
本当のことを言ってしまうと、ゼロの面目が丸つぶれになってしまう。

すると、しばらく黙り込んでいたスザクが、驚きの提案をしてきた。

134: 2008/06/12(木) 23:18:26.43 ID:oMlh/G7bP
スザク 「ゼロ、取引をしないか?」

ゼロ 「……なんだ?」

スザク 「こちらの条件を呑んでくれれば、人工知能はそちらに引き渡そう」

罠か?ゼロはまずそう考えた。
しかし条件を聞いてみないことには、なんとも言いがたい。

ゼロ 「その条件とは?」

スザク 「これから一週間――停戦してほしい」

ゼロ 「なに……」

スザク 「どうしても今やらなければいけないことがあるんだ。ある人の想いを、完遂させたいんだ」

相手の言葉は、何故かゼロの胸に響いた。
きっと相手の心の奥底に触れたのだろう。感じたのだ、彼の心からの想いを。

ナナリーさえ返ってくれば……。
ルルーシュは、決断を下したのだった。

137: 2008/06/12(木) 23:21:35.93 ID:oMlh/G7bP
「全員退却だ! 直ちに退却しろ!」

その言葉を聞いたとき、カレンは耳を疑った。
このタイミングで撤退?なにかがおかしい。
確かにこちらは劣勢だった。しかし、あれほど強行的に作戦を実行した彼が、容易く諦めてしまうのか?」

カレン 「なんなの、一体……っ」

そう考えているうちに、相手はどんどん攻めてくる。
いかんせん、スペックに徹底的な差があった。
とうとうカレンは防戦一方になり、仕方なくゼロの言葉に従うことにした。
もやもやとした気持ちを抱えながら。

みなが退き、安全を確保したとき、
カレンはその不信感を真っ先にゼロにぶつけようとした。

しかし、その行動は突如画面に現れた女性のよって遮られたのだった。

138: 2008/06/12(木) 23:23:55.09 ID:oMlh/G7bP
ユーフェミア 「みなさん、初めまして。私はブリタニアちゃんねる削除人、ユーフェミアです」

ユーフェミア 「こうして大規模にネットの回線をお借りしているのは、ある重大な発表があるからです」

無事放送が始まったのを見て、スザクはほっと溜め息をついた。
ゼロが要求を呑んでくれたのは本当にありがたかった。
こうなったら男の約束だ、ナナリーはあちらに引き渡そう。

スザクはそう誓い、動画に再び目をやった。
そこには健気に、平和を訴える女性の姿があった。

ユーフェミア 「今、ネット界は不安に揺れています!」

ユーフェミア 「それというもの、私たちブリちゃんとにちゃんとの間に大きな溝が出来たからです」

ユーフェミア 「今、関係は悪化しています。戦争という名の、暴力によって」

ユーフェミア 「私たちはこのような結果を招いたことを非常に残念に思っています」

ユーフェミア 「そして、それと同時に……和解と平和を願っているのです」

139: 2008/06/12(木) 23:27:13.10 ID:oMlh/G7bP
突然始まった放送に、ルルーシュは目を奪われた。
なにを言おうとしてるんだ。この女。
まさか……。嫌な予感が胸をよぎる。

そして、その不安は的中してしまうのだった。

ユーフェミア 「私たちは日本ちゃんねるのかたがたと仲良くすることを、いや、仲間になりたいと切に願っています」

ユーフェミア 「私の勝手な思いに、憤りを感じるかたもいるかもしれましれません」

ユーフェミア 「しかし、私は平和を望んでいます。そこで、私は――」


ユーフェミア 「ブリタニアちゃんねるに――特区板・日本の創設を宣言します!!」

ネット界が、再び震えた瞬間だった。

143: 2008/06/12(木) 23:32:07.00 ID:oMlh/G7bP
C.C. 「やられた……」

ブリタニアからの、まさかの切り札だった。
突然にして最強の、切り札。

ブリタニア側からは干渉しないこと、特区・日本からブリタニアへの干渉は認める……。
ユーフェミアが宣言の内容を説明すればするほど、C.C.の心に曇がかかる。
その全容は、日本ちゃんねるを最大に優遇したものだったから。

黒の無職団の目的は、日本ちゃんねるの復興。
もちろん支持者もそれを望んでいるだろう。
それをまさかブリちゃん側が先手を打ち――しかもほぼ完璧な条件のもとで――、こちらの目論見を破壊しにかかるとは。
このままでは恐らく、日本ちゃんねるの支持者たちは特区板・日本に参加してしまうだろう。

C.C. (どうするんだルルーシュ……)

145: 2008/06/12(木) 23:32:38.69 ID:oMlh/G7bP
ナナリー 「ただいま、お兄様」

ルルーシュ 「良かった……。本当に良かった」

ナナリー 「なんで泣いてるんですか!?」

相手の男は約束を守ってくれたのだった。
ナナリーが無事帰ってきたことに安堵し、しかしルルーシュはすぐに動画に目を戻す。

ルルーシュ (特区板・日本か)

正直、ルルーシュは受け入れてもいいのじゃないかと考えていた。
あくまで自分たちの目標は「日本ちゃんねるの復活」。
それが平和的解決の条件化で達成されるなら、いかにゼロといえど文句はつけられない。

ナナリーが戻ってきたことで、ルルーシュの心は緩んでいたのだ。
それとは反対に、黒の無職団の幹部たちは固まっていた。

148: 2008/06/12(木) 23:35:29.60 ID:oMlh/G7bP
カレン 「なんてこと……」

三十分前に設置された、特区板・日本。
最初こそ動きを見せなかったが、今では大量のにちゃんねらーで溢れていた。

藤堂 「ゼロはなにをしているんだ……」

ラクシャータ 「……」

カレン 「ゼロッ……」

彼らは次第に増えていく、特区板・日本ユーザーを、ただ眺めていることしかできなかった。

149: 2008/06/12(木) 23:36:15.80 ID:oMlh/G7bP
スザク 「素晴らしい演説だったよ。ユフィ」

ユーフェミア 「本当?」

スザク 「ああ、もう書き込みもあっという間に一万を超えた。大成功だ!!」

ユーフェミア 「ねえ、スザク。今もとにちゃんのあった場所はどうなってるの?」

スザク 「どうやら管理人も、特区に参加したから、もう掲示板は閉鎖しているようだよ」

ユーフェミア 「そう……」

少し心を痛めながらも、彼女は笑顔を浮かべていた。
やはりみんなも平和を望んでいたのだ。あとは――黒の無職団がどう動くか。

153: 2008/06/12(木) 23:39:20.88 ID:oMlh/G7bP
ルルーシュはその頃、既に傍観者となっていた。
ナナリーのこともあってか、もう黒の無職団のことは頭にない。
ただただ、ナナリーとの会話を楽しんでいた。

ナナリー 「特区板・日本、成功みたいですね」

ルルーシュ 「ここでもし俺が、ギアスを使ったらどうなるかな?」

ナナリー 「どんな風にですか?」

するとルルーシュはギアスのプログラムを開き、送り先をブリちゃん管理部にし、そこに命令を打ち込んでいく。
「全にちゃんねらーを、アク禁にする」。

167: 2008/06/12(木) 23:43:24.82 ID:oMlh/G7bP
ナナリー 「お兄様!?」

ルルーシュ 「はは、冗談だよナナリー。でももしこれを送ったら、大変なことになるよ」

ルルーシュ 「旧日本ちゃんねるはもう潰れた。そして特区板からアク禁をくらったら……ネット難民が大量にあふれ出す」

ナナリー 「もー、お兄様ったら。送っちゃだめですよ?」

ルルーシュ 「ははは、もちろんさ」

そのとき、たまたま蝿がとんできた。
そして、たまたまマウスの上に乗った。
そして、たまたまルルーシュはなにも考えずに蝿を潰しにかかった――

ルルーシュ 「あ……」

181: 2008/06/12(木) 23:50:13.13 ID:oMlh/G7bP
no title

187: 2008/06/12(木) 23:56:08.18 ID:oMlh/G7bP
no title

193: 2008/06/13(金) 00:00:37.21 ID:IXhd7akcP
特区板・日本には沢山のにちゃんねるユーザーがアクセスしていた。
彼らはユーフェミアの宣言を受け入れたのだ。

彼らは、新しい日本に期待をかけているのだ。

――そのときだった。

特区板・日本から、彼らは一斉にはじきだされた。
彼らはなにが起こったのか理解できず、何度もリロードする。
そのときだった、再び映像が流れたのは。

看板娘であるユーフェミアを可愛らしくグラフィック化したキャラクターが、銃を片手に持っている。

そして、その口を開いた。

197: 2008/06/13(金) 00:04:42.00 ID:dX58qXMFP
no title

201: 2008/06/13(金) 00:08:45.58 ID:dX58qXMFP
ユーフェミア 「なに……これ」

スザク 「なんだ、なにが起こっている!?」

スザクはすぐさま管理鯖を確認する。
そこには――「ギアス」というウイルスがあった。

スザク 「ゼロ……っ!」

一方、黒の無職団もまた、事態を把握できないでいた。

カレン 「なにこれ……ひどい」

藤堂 「このままでは行き場を失ったにちゃんねらーが大量発生するぞ」

ラクシャータ 「早くキョウトに連絡をとらないといけないわ!」

そのときだった。
ユーフェミアを映した映像が突如、別の映像に入れ替わった。

203: 2008/06/13(金) 00:11:23.82 ID:dX58qXMFP
カレン 「ゼロ!!」

画面に映し出された男を見て、カレンが叫ぶ。
その目には、微かな敵意が浮かんでいた。

ゼロ 「にちゃんねらー達よ、この有様を見よ!!」

ゼロ 「ブリちゃんの人間たちは、私たちを騙したのだ!!」

ゼロ 「我々を甘い蜜で誘い出し、灼熱の炎で焼ききる。これがブリちゃんのやりくちだ!」

ゼロ 「私は断固としてこれを認めない! 私はブリちゃんに全面戦争をしかける」

ゼロ 「そして――」

ゼロ 「新・日本ちゃんねるの創設を、ここに宣言する!!」

215: 2008/06/13(金) 00:15:16.38 ID:dX58qXMFP
カレン 「ゼロはここまで考えていたの……?」

藤堂 「流石だ……」

事態の逆転に、歓喜するものたち。

扇 「なんだ、なにが起こってるんだ……」

玉城 「わけわからんぜぇ」

事態の急変に、戸惑うものたち。

スザク 「ゼロ……。よくもぬけぬけと」

ユーフェミア 「私の、私の特区板・日本が……」

真実を把握し、怒るものたち。

216: 2008/06/13(金) 00:17:57.41 ID:dX58qXMFP
この日、ゼロの宣戦布告に対し、ブリちゃん側は全面戦争の意を示した。
事実上の、最終決戦が迫っていた。

一度は解決しかけた問題は、一気に空中分解し、
全てを巻き込み、混乱に陥れて。

ブリタニア側は総力を尽くし、黒の無職団を潰しにかかるだろう。
もしそれを打ち破ることができれば――時代は変わるはずだ。

たった一人の、たった一つのドジから
まさかのネット界全面戦争が始まりを告げた。

ただ一人真実を知るニートの罪は、限りなく大きい。

217: 2008/06/13(金) 00:20:39.29 ID:dX58qXMFP
スザク 「いいか、この戦争には勝つ。いや、勝たなければならない」

ジノ 「ああ!」

アーニャ 「勝ったら私、このことをブログに書くんだ……」

スザク 「ユーフェミアの意志と名誉にかけて、我々は黒の無職団を殲滅する!!」

彼らの結束は、強まった。
彼らは間違いなく、全力で戦場を駆け抜けるだろう。

スザク (僕らには……まだ切り札がある)

225: 2008/06/13(金) 00:24:37.15 ID:dX58qXMFP
カレン 「全面戦争よ! 最低なブリタニアに、屈するわけにはいかないわ!」

藤堂 「そうだ。我々は勝たなければならん」

ラクシャータ 「でも、勝算はあるの?」

C.C. 「心配はいらない。もう既に、新たな作戦を展開している」

黒の無職団もまた、全面戦争に向けて着実に準備を重ねていた。
キョウトとの連結。
新型ナイトメアパソコンの導入。
そして、C.C.が水面下で展開してきた作戦――

ぬかりは、なかった。

231: 2008/06/13(金) 00:30:53.44 ID:dX58qXMFP
ブリちゃんの管理部に、一人の少年がやってきていた。
その少年はブリちゃんの制服を身につけ、癖のある髪の毛を指にまいている。

管理部員 「君かね、本日付で配属されたきたというのは」

?? ? 「はい、僕は……」

ロロ 「ロロ――ロロ・ランペルージです。」

少年はにこりと微笑んだ。
しかしそれに対し男は、不審なまなざしを向ける。

管理部員 「それしても妙だな。何故この時期に、一体誰の推薦でここへやってきたんだ?」

ロロ 「それは――」

その瞬間、少年の左目が赤く輝いた。

236: 2008/06/13(金) 00:32:44.63 ID:dX58qXMFP
no title

239: 2008/06/13(金) 00:35:05.34 ID:dX58qXMFP
ネット中が湧き上がる中、ただ一人うな垂れている男がいた。

ルルーシュ 「なんてことをしてしまったんだ……」

ナナリー 「……」

ルルーシュ 「勢いで宣戦布告しちゃったけど、ごまかせたかなぁ?ナナリーたん」

ナナリー 「黙れカス」

ルルーシュ 「……」

戦争の火蓋は既に切って落とされたというのに、
ルルーシュはまだ覚悟を決めていなかった。

それに対し、この時を待っていた男が一人……

242: 2008/06/13(金) 00:36:18.75 ID:dX58qXMFP
スザク 「今度の全面戦争、あなたの力が必要不可欠です」

ジェレミア 「な、なんと……」

スザク 「あなたは我々の切り札です。是非、協力お願いします」

ジェレミア 「うむ、承知した」

まさかのラスボスにヘッドハンティング。
これまであまり登場せず、出番も少なかった俺がここへきて主役だと!?

ジェレミア 「もしかするとこれは……」

245: 2008/06/13(金) 00:38:09.64 ID:dX58qXMFP
no title
SATGE 5 囚われのナナリー 特区板・日本  TURN END

250: 2008/06/13(金) 00:40:56.36 ID:dX58qXMFP
STAGE5 終わりです
実はもう一話投下しながら書き上げたので投下します
夜も更けてきたので眠いかたは寝て構わないですよー

物語りも終盤で、一話からシリアス路線だったのに、STAGE6ギャグ風味になっちまった
緊迫した展開を期待している方々に謝罪し、そして投下します

254: 2008/06/13(金) 00:42:49.78 ID:dX58qXMFP





          STAGE 6 幕開け







257: 2008/06/13(金) 00:43:55.63 ID:dX58qXMFP
時は近づいていた。
ゼロの宣戦布告から一ヶ月が経った。
それからというもの、ユフィはメンヘラ気味になってしまって少々気が病んでしまっている。

ユーフェミア 「ねえ、スザク。行かないで……」

スザク 「ごめんね、ユフィ。これから会議なんだ」

ユーフェミア 「やだやだ、行っちゃだめ!」

スザク 「大人しく、待っていてくれ」

ユーフェミア 「もーいいよ、馬鹿! ウザクなんか氏んじゃえ!」

ウザク 「……」

こんなことになってしまったのも、全部ゼロのせいだ。
ウザクは憎悪の念を抱きながら、部屋をあとにした。

262: 2008/06/13(金) 00:45:49.60 ID:dX58qXMFP
ニート・オブ・ラウンズの面々は既に集まっていた。
ジノ、アーニャ、その他もろもろ。

スザク 「待たせてすまない」

スザクが席に着くと、ジノが早速作戦の確認を始めた。

ジノ 「いいか、みんな。ゼロ達は頃してやりたいほど憎いが、戦場では冷静でなければいけない」

ジノ 「やつらの作戦は絞られている。十中八九、近日中にまたブリちゃん鯖へ奇襲をかけるだろう」

ジノ 「そのとき俺らは、ひたすら守りを固めていればいい。どうしようもない場合は、相手の回線を焼いても構わない」

ジノ 「それから……ゼロはスザクに任せるように」

一同がうなずいたのを見て、ジノは満足げな表情をし、スザクを見やる。
スザクはそれを確認すると、「それじゃあ行こうか」と先陣を切ったのだった。

264: 2008/06/13(金) 00:47:24.02 ID:dX58qXMFP
一方、黒の無職団は最終調整に入っていた。
ジノの予想通り、今日ブリタニアに奇襲をかけることになっているのだ。

C.C. 「カレン、これをお前に託そう」

カレン 「これは……」

燃えるような真っ赤なフォルム。
外面には、大きく「紅蓮」の二文字。
ちなみに今流行の光回線だ。

C.C. 「それだけ期待してるってことだ。頼むぞ、切り込み隊長」

カレン 「はい!!」

C.C. 「それからゼロ」

265: 2008/06/13(金) 00:48:47.74 ID:dX58qXMFP
ゼロ 「なんだ?」

C.C. 「お前にも一台用意しておいた」

黒のボディに、神秘的に光が反射している。
そして「ガウェイン」の文字――ちょっと格好悪かった。
無論、光回線。

C.C. 「これにはギアスだけでなく、特別な能力も備えてある」

C.C. 「きっとランスロットとやるのはお前なんだ。最低限、スペックだけは負けないようにしておいて」

ゼロ 「後は俺しだい……か」

ゼロは軽く目線を伏せると、フッと微笑んだ。
そして待機している団員たちに向かって、「会議を始める!!」と叫んだ。

266: 2008/06/13(金) 00:49:43.24 ID:dX58qXMFP
ゼロ 「みなのもの、よく聞け!!」

ゼロ 「我々はこれより、ブリタニアに奇襲をしかける!!」

ゼロ 「それにあたり、黒の無職団を三つの部隊にわける」

ゼロがそう言うと、カレン・藤堂・ラクシャータが前に立った。

ゼロ 「まずは、カレン率いる戦闘部隊!」

カレン 「みんなー、びびんじゃないよ!!」

「おー!!」と野太い声が返される。
戦闘部隊には、やはり血の気の多い輩が多い。

ゼロ 「それからラクシャータ率いる情報部隊!! お前たちは、主に情報で我らを援護する」

ラクシャータ 「みんな頑張りましょーねぇ」

さきほどとはうってかわり、「はい!!」と鋭い返事が返された。

272: 2008/06/13(金) 00:51:16.94 ID:dX58qXMFP
ゼロ 「そして藤堂の援護射撃部隊。君たちの任務は辛いが、頑張ってくれ」

藤堂 「俺たちの結束力をなめてはいけない」

藤堂の自信ありげな口ぶりに、四人の男女が頷いた。

ゼロ 「それから私とC.C.は別行動をする。我々は向こうの頭を潰しに行く」

C.C. 「私は既に、向こうに手土産を送ったのだがな」

ゼロ 「まったく、ぬかりのないやつだ」

そこでゼロは、パチンと手を鳴らす。
すると大きなモニターが出てきて、そこにナナリーが映っていた。

ゼロ 「それでは、我々の勝利を願って、ナナリーからエールだ!」

人工知能であるにも関わらず、ナナリーは大きく深呼吸をする。
そして、彼らにエールを送った。

279: 2008/06/13(金) 00:58:05.57 ID:dX58qXMFP
管理部員 「スザクさん!!」

スザク 「どうした?」

管理部員 「また一人、パソコンが何者かに破壊されました」

スザク 「また…だと…?」

管理部員 「くそ、ロロとか言うやつがきてからなにかがおかしい……」

スザク 「口を慎め。同じ仲間だぞ」

管理部員 「はっ! すいません! では!」

気をつけをしたまま、回り右をして走り去っていく男の背中には、
そのロロの顔がぼんやりと浮かんでいた。

スザク (確かにロロが来てからなにかがおかしい……)

スザク (もしかして……黒の無職団のスパイ!?)

283: 2008/06/13(金) 01:00:00.23 ID:dX58qXMFP
ゼロ「さて、いくか」

C.C. 「ああ、そうだな」

ゼロ 「俺……この戦いに勝ったらナナリーたんと結婚するんだ」

C.C. 「私……この戦いに勝ったら東京ドームサイズピザを食べるんだ」

それぞれフラグを立て、自分にプレッシャーをかける。
そしてゼロの一声。

ゼロ 「作戦開始! ブリタニアをぶっ潰せ!!」

最終戦争が、幕を開けた。

286: 2008/06/13(金) 01:02:13.73 ID:dX58qXMFP
第一陣は、カレンの部隊だった。
紅蓮操るカレンが戦闘をとり、他のものが後に続く。

カレン 「いっけえええええええええええ!!」

扇 「はやすwwwwww」

玉城 「カレンさん追いつけねえっすwwwwwww」

カレン (すごい……これが光通信)

そして一人だけ鯖に辿り着いたカレンは、待ち構えていたザコ軍団相手に輻射波動を放つ。

289: 2008/06/13(金) 01:05:39.08 ID:dX58qXMFP
no title

293: 2008/06/13(金) 01:08:08.24 ID:dX58qXMFP

カレン 「――雑魚は氏ぬ」

その言葉とともに、第一陣を守っていた回線は全て焼ききれた。
これが紅蓮の力――。
カレンは確かな手ごたえを感じていた。

そして、扇たちが追いついてきたのを確認すると、すぐさま鯖に入り込んだのだった。

295: 2008/06/13(金) 01:09:18.53 ID:dX58qXMFP
藤堂 「……出番か」

カレンから合図が送られてきた。
これからが藤堂達の役割――援護射撃の出番なのだ。

朝比奈 「やってやりますか」

千葉 「私たちのチームワーク見せてやるよ!」

仙波 「そうだな」

卜部 「おう!!」

彼らはフォーメーションを展開し――
援護射撃を始めた。

301: 2008/06/13(金) 01:11:40.57 ID:dX58qXMFP
F5 F5  F5 F5 F5 F5 F5  F5 F5 F5 F5 F5  F5 F5 
F5( ゚д゚)  F5  F5( ゚д゚)  F5 F5( ゚д゚)  F5 F5 ( ゚д゚)  F5 ( ゚д゚) (……こんなことやってて意味あるのかな)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/ _(__つ/ ̄ ̄ ̄/(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ (__つ/ ̄ ̄ ̄/(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
    / 藤堂 /     / 仙波 /   / 千葉 /     / 朝P /   / 卜部 /
F5.\/    / F5 \/    / F5.\/    / F5 \/    / F5.\/    /
 F5  F5 F5 F5  F5  F5 F5 F5  F5  F5 F5 F5  F5  

313: 2008/06/13(金) 01:16:00.85 ID:dX58qXMFP
雑魚A 「く、くそ! 救援要請が出てるのに鯖に回線がつながらない!」

雑魚B 「なにが起こっているんだ!?」

ブリタニアちゃんねるの関係者たちは、藤堂達にしてやられていた。
彼らのF5アタックは毎秒1600回だ(嘘)

カレン 「敵が来ないところを見ると、藤堂さんたちうまくやってるみたいね」

カレン 「さあ、みんな! 思い切り暴れまわるわよ!!」

扇 「はい!!」

玉城 「おう!!」

315: 2008/06/13(金) 01:17:05.04 ID:dX58qXMFP
カレンたちはただひたすらブリちゃんの内部を破壊していった。
もちろん破壊そのものが目的ではない。本当の目的は――。

ジノ 「そこまでだ!」

アーニャ 「……頃す」

カレン 「……出たわね」

ランスロットの側近を、おびき出すことだった。

316: 2008/06/13(金) 01:18:09.78 ID:dX58qXMFP
ゼロ 「よし、うまく行ってるみたいだな」

C.C. 「さて、そろそろ私たちもやつのもとへ向かうか」

ゼロ 「そうだな……。ラクシャータ」

ラクシャータ 「なにかしら?」

ゼロ 「お前は俺たちのサポートを、ディートハルトはカレン達のサポートを頼む」

ラクシャータ 「了解よ~」

ディートハルト 「承知いたしました」

さて、行くか。
ゼロはC.C.と共に、ガウェインを発進させた。

320: 2008/06/13(金) 01:19:44.22 ID:dX58qXMFP
一方、スザクは内部調査を行っていた。
もちろん、ロロについてだ。

スザク 「みなさん、こんにちは」

シャーリー 「あ、スザク君!」

スザク 「実はロロのことでたずねたいことが……彼の行動で、おかしいところはあるかい?」

リヴァル 「あー確かにあいつはおかしいよ。単独行動が多いし、なにより馴染もうとしない」

シャーリー 「なんか人の荷物漁ってたりするしね。嫌だー」

322: 2008/06/13(金) 01:21:12.58 ID:dX58qXMFP
スザク 「わかった。ありがとう」

裏は取れた。
そう確信し、スザクは廊下へと戻る。
そのときだった、目の前からロロがやってきたのは。

ロロ 「僕がどうかしたんですか、スザクさん?」

スザク 「え、なんで――」

ロロの左目が赤く光ったのは、その直後のことだった。

324: 2008/06/13(金) 01:22:30.62 ID:dX58qXMFP
ゼロ 「ふむ、やはり敵は誰もいないか」

当然だろう。
カレン達があれほど注意をひきつけ、藤堂たちが鯖を混雑させたのだから。

このままなら、スザク戦まで体力を保てるかもしれない。
そう思った矢先だった。

ラクシャータ 「ゼロ! 一本の回線が、そっちに近づいている!!」

ゼロ 「了解した」

そして、やがてその回線は具体化してゼロの前に立ちはだかった。
その禍々しい姿に、ゼロは冷や汗をかく。

327: 2008/06/13(金) 01:24:41.61 ID:dX58qXMFP
no title

338: 2008/06/13(金) 01:28:37.83 ID:dX58qXMFP
もはや人間でさえないその姿に、ゼロは恐怖を覚えた。
あれは一体なんなんだ? そこへ更にラクシャータが追い討ちをかける。

ラクシャータ 「ゼロ! 相手は果汁100%よ! 手ごわいわよぉ」

ゼロ 「な、なんてこった……」


ブリちゃんの研究員施設。
そこで二人の男女が、ジェレミアの後を追っていた。

ロイド 「やっぱり僕って天才かな~?」

セシル 「ええ、サザーランドを果汁100%オレンジにできる変人は、あなたぐらいです」

ロイド 「ありがとぉ~!! まあ僕のオレンジが負けるわけないけどねぇ」

眼鏡をかけた男は、自信たっぷりに微笑んだ。

345: 2008/06/13(金) 01:31:05.33 ID:dX58qXMFP
ゼロ 「ギアスはもう一度使った相手だ。どうすれば……」

C.C. 「ゼロ、大丈夫だ」

C.C.が余裕の笑みを見せる。
その指先には、一つのボタンがあった。

C.C. 「ガウェインには特別な機能があると言っただろ?」

ゼロ 「……そうだったな」

ゼロはそのスイッチを押す。
するとガウェインの回線から、大きな砲身が現れた。

ロイド 「あ、あれは……!」

ラクシャータ 「私のお手製よ~」

348: 2008/06/13(金) 01:33:12.31 ID:dX58qXMFP
no title

356: 2008/06/13(金) 01:37:42.00 ID:dX58qXMFP
ちゅどーん!!!

ガウェインに搭載された田代砲により、オレンジは粒粒オレンジとなった。
まさに圧倒的な力だった。

ロイド 「くそぉ~!! 僕が先に完成させるつもりだったのにぃ!!」

ラクシャータ 「やっぱりいいわぁ。私の田代砲」


ゼロ 「素晴らしい。素晴らしいぞ、田代砲」

ゼロ 「田代砲とギアスさえあれば……やつに勝てる!!!」

ゼロは高笑いをあげた。
田代に後ろから覗かれていることも知らずに。

362: 2008/06/13(金) 01:42:22.11 ID:dX58qXMFP
最終戦争が黒の無職団優位に進む中、ある場所である勢力が動き出していた。

シンクー 「そろそろ私たちの出番のようだ」

天子 「頑張ってください……」

チャンリン 「行きましょうか」

グ 「うむ」

シンクー 「さあ、我らニコ厨華連邦! いざ参る!!」

371: 2008/06/13(金) 01:45:43.32 ID:dX58qXMFP
天子 「このあと神展開wwwwwwwww」

チャンリン 「職人wwww神wwwwwwwww」

シンクー 「どーまんwwwwせーまんwwwwwwwwwww」

グ (もう嫌だ……ここ)

ニコ厨華連邦。
果たして彼らの実力はいかに。

快進撃を進める黒の無職団にとって、脅威的な存在となるのだろうか?

最終戦争の行方は、誰も知らない。

STAGE 6 幕開け  TURN END

621: 2008/06/14(土) 16:24:02.28 ID:7oHWdjs/P





          STAGE 7 最後の戦い





 

623: 2008/06/14(土) 16:29:18.82 ID:7oHWdjs/P
廊下に一人立ち尽くすスザク。
微動だにしない彼は、まるでそこだけ時が止まっているかのようだ。

スザク 「……はっ」

途端、スザクが意識を明瞭とさせる。
そして周囲を見渡すと、さきほどまでいたロロがいないことに気づいた。

スザク (何だったんだ一体……)

彼がなにかをしたとは思えないが、やはり何らかの不自然さを感じる。
しかし、今はそれどころではない。着実にゼロは自分のもとへ向かってきている。
早くランスロットを起動させなくては……。

そのとき気づいた。
ランスロット専用の鍵が無くなっていることに。

スザク 「……くそっ」

スザクはその驚異的な運動神経を駆使し、光の速さで壁走りしだした。

630: 2008/06/14(土) 16:32:58.06 ID:7oHWdjs/P
一方、その頃ロロはランスロットのある部屋へと来ていた。
もう少しだ。もう少しで……。

ロロ 「……兄さんに会える」

震える手でランスロットにキーを差し込む。
あとはロックを解除させるだけだ……。

そのときだった。
部屋の扉を力任せに叩く音がしたのは。

スザク 「ロロッ! ここを開けろ!」

ロロ 「……ちっ」

部屋に鍵をかけておいたのは正解だった。
少々耳障りだが、それでもなんら問題はない。

ロロはスザクを無視してロックを解いたのだった。

632: 2008/06/14(土) 16:37:16.16 ID:7oHWdjs/P
スザク 「……くそっ!」

もしランスロットを破壊されでもしたらまずい。いや、まだそれならましだろう。
もしランスロットを操られ、ブリちゃん鯖を攻撃でもされたら……。

スザク (やはりロロは黒の無職団の手先かっ!)

思い切り扉に頭を打ち付けたそのとき、人の気配を感じた。

スザク 「誰だっ!?」

リヴァル 「どーした、スザク。怖い顔をして」

シャーリー 「そーよ。どうしたの?」

スザク 「あ、いや……ごめん。そうだ!」

スザク 「誰かマスターキーを持っていないか?」

ミレイ 「私が持ってるわ」

ヒラヒラと鍵をひらけかすミレイから、鍵を受け取ると、
スザクはすぐに行動を始めたのだった。

634: 2008/06/14(土) 16:41:09.75 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「厳しい戦いだった……」

朽ち果てたオレンジの残骸を見て、ぽつりと呟く。

田代 「俺がいなきゃやられてたな」

いつの間にか機内に乗り込み、
右手にビデオカメラを持った田代が言う。

C.C. 「それよりカレン達は頑張ってるだろうか……」

ゼロ 「……」

カレン達がやられたとき、即ちこちらの負けだ。
スザクとのタイマン最中に、相手の援軍がきてゲームオーバー。
しかしまだ追っ手の反応がないところを見ると、頑張っているのだろう。

ラクシャータ 「ゼロ。来たわ、奴よぉ」

ゼロ 「とうとう来たか……。行くぞC.C,、覚悟はいいか!」

C.C. 「ああ」

田代 「もちろんだ」

ゼロは覚悟を決め、ランスロットを待ち受けた。

640: 2008/06/14(土) 16:46:13.99 ID:7oHWdjs/P
光の速さでそいつはやってきた。
前回はその速度の前にやられてしまったが、今回はそうはいかない。
こちらも光通信、しかも田代砲もある。

すると相手がボイスチャットを送ってきた。
ゼロは訝しがったが、とりあえず承認をした。

「……」

しばらく沈黙が続いた。
そしてしばらくして聞こえてきた声は、予想外のものだった。

ロロ 「兄さん……?」

ゼロ 「誰だっ!?」

ロロ 「僕だよ、ロロだよ。ロロ」

ゼロ (ロロって誰……?)


642: 2008/06/14(土) 16:51:21.15 ID:7oHWdjs/P
どこかで聞いたような名前だった。
しかし、霞がかかったように顔は思いだせない。

ロロ 「兄さんとのアキバ探索、楽しかったなぁ」

ゼロ (ああ、あのときのか……)

その昔、ゼロがルルーシュであり引きこもりだったころ(今もそうだが)
なにを思ったか、ブリちゃんのオフ会に参加したことがあった。
そのときにロロというやつが自分の後をやたらと追ってきたっけ。

そのときに「兄さんって呼んでもいいですか」って言ってきたやつだな。
連絡先と名前を教えたら、やたらとしつこく連絡をしてきたので、気持ち悪くて無視するようになったが。

ゼロ (確か……)

髪の毛に少し癖があり、背もそんな高くなくて、顔は……。
ゼロの脳裏に、ゆっくりとロロの残像が思い浮かんできた。

644: 2008/06/14(土) 16:55:33.91 ID:7oHWdjs/P
no title

648: 2008/06/14(土) 17:00:25.48 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「……なんだただの雑巾か」

ロロ 「雑巾!? なんのことだい?」

ゼロ 「いや、なんでもない。それより、ロロはここへなにをしにきたんだ」

ロロ 「だって全然兄さんと話せてないじゃないか。朴達兄弟なのに……そんなの寂しすぎるよ」

ゼロ 「……」

そんな理由で……。ゼロは溜め息をつく。
しかし、こいつは使えるかもしれない。
自分のことを慕っているし、どうやってやったのかは知らないがランスロットを奪うような能力も持っている。

ゼロ (……よし)

ゼロの頭の中で悪知恵が働いたときだった。
不意にボイスチャットの向こう側で、騒ぐような声がした。

649: 2008/06/14(土) 17:05:00.10 ID:7oHWdjs/P
スザク 「貴様!」

ロロ 「スザクさん! どうやって……」

後ろで鍵を持っているミレイが目に入った。
なるほど、どうりで早いわけだ。しかし、ここを譲るわけにはいかない。

スザク 「早くそこをどけ! さもないと、痛いめにあうぞ!」

ロロ 「違うんだ。ただ兄さんと話しているだけなんだ!」

スザク 「うるさいっ! この黒の無職団のスパイが! お前は今誰と話しているんだ!」

ロロ 「何を訳のわからないことを……。誰って僕の兄さんだよ。黒の無職団のリーダー・ゼロさ」

ゼロ……。兄さん……?
ロロ、ロロ・ランペルージの兄さんがゼロ?
――ランペルージ。

スザク 「まさかルルーシュかっ!?」

657: 2008/06/14(土) 17:10:01.75 ID:7oHWdjs/P
C.C. 「今、ルルーシュとか言わなかったか?」

ゼロ 「……ああ」

確かに言った。
いや、それより気になるのは……この声に聞き覚えがある、ということだ。
そして俺の考えが間違っていなければ……。

ゼロ 「まさか、スザクか!?」

スザク 「……やはりルルーシュか」

思わぬ場所での親友との対面に、二人は息を呑んだ。
なんだお前が……。
一瞬の戸惑いは、しかしすぐに強い意志によって遮られた。

ゼロ 「いくら親友であるお前でも、立ちふさがるなら痛い目にあうぞ」

スザク 「それはこちらも同じだ。行くぞ!!」

スザクはミレイ達がロロを拘束するのを確認すると、
キーボードを高速で打ち始めた。

662: 2008/06/14(土) 17:15:01.47 ID:7oHWdjs/P
ズペックは同等のはずだった。
しかしいざ蓋を開けてみると、明らかにスザクの優勢だった。

ゼロ 「くそっ……」

原因はその速さだった。
やつは以前より、格段に早くなっている。
そのせいで鈍重な田代砲はもちろん、ギアスさえ届かない。

二つの切り札を押さえられたゼロが捕まるのは早かった。

スザク 「さあ、捕まえたぞ……」

ゼロ 「くそ……」

スザク 「すぐさま回線を焼き頃したいところだが、その前に一つ聞きたいことがある」

ゼロ 「なんだ?」

スザク 「何故……こんなことをした」

その言葉はあまりに正当で、あまりに愚かだった。
引き込もりを脱したものの、驕りの言葉。

664: 2008/06/14(土) 17:18:52.65 ID:7oHWdjs/P
それを聞いた瞬間、ゼロの脳裏にはたくさんの仲間の姿が浮かんだ。
カレン、藤堂、ラクシャータ、神楽耶、沢山の団員たち。そして……C.C.。

そしてゼロではなく、ルルーシュとして、自分の日々を振り返っていた。
引きこもりネット漬けの生活。母に辛くあたったこともあった。
そして……いつも支えてくれたナナリーがいた。

その瞬間気づいたのだ。

無職としての自分と、無職の仲間たちをすごく大事に思っていることに。
その途端、言葉は熱を帯びて発せられた。

ゼロ 「我々は無職だ! 世間から蔑まれ、人からは馬鹿にされた!!」

スザク 「自分たちでなんとかしようとしないからだろ」

675: 2008/06/14(土) 17:24:18.13 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「うるさい!! でも私たちにも、励ましてくれるものあった」

スザク 「……」

それが……日本ちゃんねるだ。

ゼロ 「傷の舐めあいだと笑ってくれてもいい! しかし、それは大切なものだ」

ゼロ 「それを――自分たちの居場所を守ろうとするのは、そんなに悪いことなのか!!」

それは――全てが篭った言葉だった。

679: 2008/06/14(土) 17:29:31.01 ID:7oHWdjs/P
ゼロの言葉を聞いたスザクは沈黙する。
過去に自分も、思い当たる節があった。
しかし自分はそこから脱却した。人間は、強い生き物なんだとそのとき実感した。

スザク 「ルルーシュ。君の気持ちは伝わった……でも」

スザク 「他の人たちの場所を、思いを潰してまで得た場所に――」

スザクの脳裏に、特区板・日本の成功を喜ぶユフィの笑顔が蘇る。

スザク 「間違った方法で得た結果に、価値はないと思う」

スザク 「だからルルーシュ。……じゃあな」

スザクはかつての友人のために、一瞬手を合わせる。
そして人差し指を、エンターキーの上に置いた。

682: 2008/06/14(土) 17:34:10.22 ID:7oHWdjs/P
全てが終わった――。
そう思い、相手の攻撃がこっちに届くのかと身構えていた。
……しかし、それはやってこなかった。相手の動きが、止まっていた。

ゼロ 「なんだ、なにが起こったんだ?」

隣で、C.C.がニヤリと微笑んだ。


思いがけない出来事だった。

スザク 「貴様ら……!」

リヴァル 「スザク、そこまでだ」

かつての生徒会メンバー達が、三人ががりでスザクを拘束しているのだ。
裏切ったのか? 何故……思いは、自然と言葉に出る。

リヴァル 「いやー、ひやひやもんだったぜ」

シャーリー 「そーね。いつ私たちが黒の無職団側の人間だと気づかれるか」

スザク 「なん……だと……」

692: 2008/06/14(土) 17:39:24.04 ID:7oHWdjs/P
C.C. 「間に合ったようだな」

ゼロ 「C.C!どういうことだ!?」

C.C. 「向こうに手土産を送ってあるといっただろう? それが彼らだ」

黒の無職団からブリちゃんに潜入操作としてあの三人を向かわせた。
ブリちゃん側からマークされていなくて、接触できるのは彼らしかいなかったのだ。


ミレイ 「いつ作戦を実行させるか迷っていたわ」

リヴァル 「ああ、ロロが俺らの邪魔をするしな。荷物を漁ったり、尾行してきたり」

スザク 「なに!?」

シャーリー 「ロロのせいで行動を起こしにくかったのは確かだったけど、逆にいいところもあったわ」

リヴァル 「スザクがロロをスパイと勘違いして、俺らをノーマークにしてくれたからね」

ミレイ 「パソコンが壊れたり、不審なところは全部ロロのせいだと思ってくれた……」

スザク 「そんな……それじゃあロロは一体」

今はロロの行動の真意を知っても意味が無い。
事実上、無職たちがスザクを上回った瞬間だった。
スザクはなんども「くそっ!」と叫ぶと、がっくりとうな垂れたのだった。

694: 2008/06/14(土) 17:43:38.28 ID:7oHWdjs/P
C.C. 「さあいこうルルーシュ。我々の勝利だ」

ゼロ 「ああ……」

ゼロは勝利を噛み締めながらも、かつての親友に申し訳なさも感じていた。
ずっと騙していて悪かった……。

ゼロはギアスを立ち上げると、命令をうちこみ、ランスロットに送った。

ゼロ 「スザク……。お疲れだったな」

そしてゼロは、管理鯖の手前までいった。
そしてそこに田代砲を打ち込もうとした、そのときだった。

シンクー 「待ちたまえゼロ!!」

701: 2008/06/14(土) 17:47:53.99 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「何者だ?」

シンクー 「我々はニコ厨華連邦! このブリちゃんの鯖を引き渡していただきたく、ここに参上した」

ゼロ 「だが断る」

シンクー 「うほっ」

チャンリン 「阿部さんwwwww ニコニコオールスターwwwwww」

C.C. 「勘違いしすぎだろ常考……。ニコ厨きめえな……」

702: 2008/06/14(土) 17:52:04.01 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「私はここを破壊し、全てを終わらす。そして日本ちゃんねるを復興させる。他は関係ない」

シンクー 「それは私たちも困る。ニコ厨華連邦も、大きな鯖を必要としている。それに……」

シンクー 「これを見ても、断ることができるかな?」

そういってデータが送られてきた。
それを見て、ゼロは驚愕した。

ゼロ 「ナナリー……」

なんとブリちゃんの管理鯖と、ナナリーが連結されていたのだ。

708: 2008/06/14(土) 17:56:15.72 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「ナナリー!!」

ナナリー 「お兄様!?」

シンクー 「もし君たちが私を無視し、鯖を破壊するようなtら、君の愛しの妹も破壊される」

ゼロ 「……!!」

シンクー 「全く、あの馬鹿なロロもしくじったしな。貴様に会わせると約束したら、喜んで私たちの仲間に入った。兄弟愛とは素晴らしいものだ」

ゼロ 「この外道が……!」

715: 2008/06/14(土) 18:00:48.56 ID:7oHWdjs/P
シンクー 「まあ私たちは鯖さえもらえれば良い。そうすれば、ネット上の流行は全て我らニコ厨が起源となるからな……」

シンクーの高笑いが胸に響いた。
きりきりと胸が痛むゼロへ、ナナリーが声をかける。

ナナリー 「お兄様、やってください」

ゼロ 「できるわけないだろっ!!」

ナナリー 「黒の無職団たち、全国の無職たちが待っているんですよ!!」

ゼロ 「しかしっ!!」

718: 2008/06/14(土) 18:05:30.22 ID:7oHWdjs/P
ナナリー 「私は今まで無職のお兄様を励ましてきました」

ナナリー 「そのうち、私には人を励ますことができるのだと気づきました」

ナナリー 「ただの人工知能でしかない私にもできることがある。とても嬉しかった」

ナナリー 「もし私の命と引き換えに、全国の無職たちが生きる糧を見つけられるなら……私はそれを望みます」

ゼロ 「……」

ナナリー 「お兄様、今まで楽しかったです。だから――お願いです」

ナナリー 「全国の無職たちの思いと、私の思い……見捨てないでください」

722: 2008/06/14(土) 18:13:17.33 ID:7oHWdjs/P
ゼロ 「くそっ、くそおおおおおおおおおおお!!!」

人工知能として生を受けたナナリー。
無職の自分に対しても、いつでも笑顔を向けてくれたナナリー。
どんなに落ち込んでいる自分がいても、本気で励ましてくれたナナリー。
Tシャツにプリントされたナナリー。等身大抱き枕のナナリー……。

ナナリーは、本当に最高の妹だった。
ナナリーが消えるなんて、考えられない。氏にたくなる。
しかし、全国の無職たちが俺を待っている――。

ゼロは、田代砲の準備を始めた。
そして照準を管理鯖にあわせる。
ニコ厨華連邦の連中がなにかを叫んでいるが、耳に入らない。

ありがとう、ナナリー。
さようなら、ナナリー……。

ゼロ――ルルーシュは、涙で濡れたエンターキーをそっと押した。

724: 2008/06/14(土) 18:17:16.17 ID:7oHWdjs/P
no title
            ルルーシュが最後に見たのは、笑顔のナナリーだった。

731: 2008/06/14(土) 18:22:09.82 ID:7oHWdjs/P
「戦いは終わった。我々の勝利だ」

その通信がC.C.から入ったとき、カレンはアーニャを追い詰めたところだった。
最後の一撃を決めようとしたその瞬間、勝利を掴んだのだ。

カレン 「命拾いしたわね……」

アーニャ 「……ふん」

カレン 「あなたなかなか強かったわ。今度は違うところで会いたいわね」

アーニャ 「これで私もクビかな。あーあ」

カレン 「あなたもやっぱり仕事を愛していたの?」

アーニャ 「ううん……」

アーニャは首を横にふると、あっさりと答えた。

732: 2008/06/14(土) 18:25:26.31 ID:7oHWdjs/P
no title

736: 2008/06/14(土) 18:29:26.57 ID:7oHWdjs/P
no title

そのときカレンは、戦いでは感じられなかった恐怖を確かに感じたのだった。

738: 2008/06/14(土) 18:34:49.31 ID:7oHWdjs/P
その日、ネット界は新たな歴史を迎えた。
今まで王座にいたブリちゃんが潰れ、かわりににちゃんが頂点に立った。

全国の無職たちは歓喜し、祭りだと騒いだ。
新・日本ちゃんねるはその日かつてないほどの勢いをみせ、
様々な名スレ・糞スレが生まれた。

無職たちはこの日を楽しんだ。
そして心から彼らに感謝した。
この日を幸せに思わない無職はいなかった――。



ただ一人、今回の主役いがいは。


STAGE 7 最後の戦い TURN END

743: 2008/06/14(土) 18:45:38.27 ID:7oHWdjs/P
よし、再開

744: 2008/06/14(土) 18:48:49.45 ID:7oHWdjs/P





          LAST STAGE それから





 

745: 2008/06/14(土) 18:51:50.80 ID:7oHWdjs/P
ネット界の改革から三年が経った。
あれからいろいろとあったものの、一応の収束はついた。

ニコ厨華連邦がにちゃんを攻撃したり、ブリちゃんから追い出されたユーザーたちが路頭に迷ったり。
しかしC.C.率いる管理部が頑張りをみせた。
そしてやがてブリちゃんユーザー達はにちゃんに住み着くようになり、ニコ厨華連邦は自国へ逃げた。

結果、我らが黒の無職団の完全勝利だった。

カレン 「みんなー、ひさしぶり!!」

藤堂 「カレンじゃないか、久しぶりだな」

748: 2008/06/14(土) 18:55:51.88 ID:7oHWdjs/P
カレンは二年ぶりに黒の無職団の本部へやってきていた。
カレンは勝利を収めた一年ののち、夢を追うためにここをやめたのだ。

藤堂 「おいおい、俺らはもう黒の”無職”団じゃないぞ」

カレン 「あ、あそうだった。みんなにちゃんの従業員だもんね」

そう、黒の無職団の一員は、そのままにちゃん運営部に入り、
はれて職持ちとなったのだ。

カレン 「そうだ、藤堂さんにプレゼント!」

藤堂 「なんだ?」

藤堂はカレンに渡された包み紙を、そっと開けた。

749: 2008/06/14(土) 18:58:32.41 ID:7oHWdjs/P
no title

754: 2008/06/14(土) 19:04:16.22 ID:7oHWdjs/P
カレン 「あら、あんたもうここにいついたの?」

スザク 「君は……」

スザクもまた、このにほんちゃんねるで働いていた。
肩書きは、副管理人だ。

カレン 「どう? ここ思ったより楽しいでしょ?」

スザク 「ああ、最初は気が狂いそうだったけどね……」

769: 2008/06/14(土) 19:33:29.22 ID:7oHWdjs/P
終戦直後、スザクは惨めさを全身に背負っていた。
憎悪のあまり、ランスロット単身でにほんちゃんねるを潰そうかと無謀なことを思ったが、無理だった。
「日本ちゃんねるのために生きろ」――そうギアスがかけられていたからだ。

スザク 「そのときは本当に絶望したよ。僕からなにもかも奪うのかってね。でも……」

ランスロットが言うことを聞かなくなり、職も無いのでしかたなくにちゃんへとやってきた。
そしてゆっくりとみんなと打ち解け、みんなの優しさに触れた。
今ではもう、ここはスザクの居場所だった。

スザク 「ルルーシュは、きっとこうなることを知っていたんだろう。彼には感謝してる」

そういって笑うスザクは、ちょっとだけ格好良く見えた。

770: 2008/06/14(土) 19:35:24.40 ID:7oHWdjs/P
カレン 「C.C.!」

C.C. 「カレンじゃないか? どうした?」

カレン 「いやー、ちょっと久しぶりに寄ろうかなって」

C.C. 「へえ、夢は掴む事はできたのか?」

カレン 「うん!」

C.C. 「そうか良かった」

カレンがあたりを見渡す。
そこで、目的の顔がいないことに気づいた。

カレン 「あれ? ゼロは?」

C.C. 「ああ……」

771: 2008/06/14(土) 19:37:34.52 ID:7oHWdjs/P
C.C.は全ての真相を話した。
ナナリーのこと。ゼロのこと。ルルーシュのこと。

カレン 「ナナリーが……」

C.C. 「あれ以来、完全に引きこもってしまった」

カレン 「C.C. 、あいつはどこにいるの?」

C.C. 「行ってくるのか?」

カレン 「うん。だってあんな引きこもりでも、私たちのヒーローだから」

C.C.は一瞬驚きで目を見開き、それから笑顔になった。
カレンもつられて微笑んだ。そして二人は、久しぶりに声をあげて笑ったのだった。

773: 2008/06/14(土) 19:40:25.61 ID:7oHWdjs/P
カレン 「ここか……」

カレンは豪邸に来ていた。
なるほど、今流行の親の遺産を食い潰すニートか。

とりあえず両親に挨拶をし、ルルーシュのいる部屋に向かった。
そしてノックをするが、返事は無い。

何度も何度もノックを繰り返すが、やはり返事は無い。
そしてとうとう痺れを切らしたカレンは、扉に体当たりをした。

すごい音をたて、扉が破壊される。

カレン 「いつつ……」

真っ暗な部屋の電気をつけ、部屋を見渡す。
そしてその目的の人物は、布団の上で寝息を立てていた。

783: 2008/06/14(土) 19:48:10.02 ID:7oHWdjs/P
恐らくオXXーの最中に眠ってしまったのだろう。
男なら誰でも体験する、不可抗力の世界。
しかしそれに免疫のないカレンは――

カレン 「きゃああああああああああああああ!!」

叫んだ。

ルルーシュ 「うおっ!!」

その声で飛び起き、寝ぼけなまこでカレンの姿を確認する。
そして「なんでここにいるんだ」という前に、自分の格好に気づいた。

ルルーシュ 「うわああああああああああ!!」

カレン 「きゃあああああああああああああああ!!」

ルルーシュ 「ほわあああああああああああああ!!」

791: 2008/06/14(土) 19:52:18.78 ID:7oHWdjs/P
ルルーシュ 「そそそそそそれで、何のよう……ですか?」

やっと服をきた仮面をとったルルーシュが、布団の上で体育すわりをする。
その不自然な動作は、対人恐怖症を思わせる。

カレン 「いや、ゼロが元気がないって聞いたんで来たのよ」

ルルーシュ 「そっか、ありがとう……」

カレン 「ゼロ、いやルルーシュ」

ルルーシュ 「……なに?」

カレン 「もう一度、外に出てみない?」

ルルーシュ 「……」

ルルーシュが目を伏せる。
それを見たカレンは、扉の向こう側にいる人物に合図を送った。

795: 2008/06/14(土) 19:54:48.41 ID:7oHWdjs/P
神楽耶 「ゼロ様……」

ルルーシュ 「か、神楽耶たん!!」

カレン 「あんたが愛するナナリーを失って、元気ないのはわかる」

カレン 「でも、ここにそんなあなたを愛してくれる子がいるのよ?」

神楽耶 「ゼロ様。私ではナナリーさんの代わりにならないかもしれませんが……」

ルルーシュ 「あ、ああ。……ありがとう」

797: 2008/06/14(土) 19:56:50.01 ID:7oHWdjs/P
ナナリーを失ったときは絶望した。
しかし約三年の引きこもり生活をへて、ルルーシュは実感した。
やはり、人と話すのは楽しいことなのだ。外に出る事は楽しいことなのだ。

それを、黒の無職団たちが教えてくれた。

なあ、ナナリー。
お兄ちゃんは、ここを出ようかと思う。
ナナリーのことは決して忘れないけど、俺を待ってくれている人たちがいるんだ。
ありがとう、ナナリー。さようなら、ナナリー。

ルルーシュ 「神楽耶たん」

ルルーシュがにこっと微笑む。
そして一言。

ルルーシュ 「うひょひょひょ新婚初夜でっせ~!!」

神楽耶に飛びつこうとしたルルーシュを、カレンが蹴りで吹っ飛ばした。

カレン 「馬鹿!!」

ルルーシュ 「ひでぶっ!」

803: 2008/06/14(土) 20:01:12.43 ID:7oHWdjs/P
ルルーシュ 「そういえばカレン。今にちゃんはどうなってる?」

カレン 「いや、実は私だいぶ前に辞めたんだ」

ルルーシュ 「じゃあ今なにやってるんだ?」

カレン 「漫画家……」

カレンが恥ずかしそうに俯く。
その手には彼女の著書である「どっきどきラブ☆ゼロ~私の彼は甲斐性ゼロ~」が握られていた。

ルルーシュ (うわぁ~……流石の俺でもひくわ)

810: 2008/06/14(土) 20:05:06.80 ID:7oHWdjs/P
カレン 「それでね、実は今度新連載で……四年前のことを書こうと思うんだ!」

ルルーシュ 「ブリちゃんと、にちゃんの戦争をか?」

カレン 「そう、でもね、私が書くのは健全な少女雑誌。だから濃いネット世界の物語は書けない」

カレン 「だから舞台だけ現代に移すの。ナイトメアフレームは、パソコンじゃなくて駆動兵器にするわ!」

ルルーシュ 「それじゃあ女の子は読まないんじゃないか?」

カレン 「大丈夫、主人公の男二人はとてつもない美形だから。それだけで今の少女達にはOK」

ルルーシュは、見たくない世間の事実を知ってしまった。

817: 2008/06/14(土) 20:07:47.25 ID:7oHWdjs/P
ルルーシュ 「はは……」

カレンの元気な姿を見ていると、自然と笑みがこぼれてしまった。
彼女は今も、一生懸命新連載の漫画について語っている。

カレン 「二人の主人公はね、小さい頃親友だったんだ。けど戦争で引き裂かれ――少年は国に復讐を誓うの」

カレン 「○○をぶっ潰してやる! ってね。けど運命は残酷、やがて出会った二人は敵対同士になり……」

なんだそりゃ、どこかで見たような内容だな。
でもきっとカレンが書くんなら、面白くなるんだろう。

目を輝かせて語るカレンを見ていると、今まで引きこもっていた自分がばかみたいだった。
カーテンを開け、窓を開放し、空を見る。

しばらくぶりに見た、青空が澄み切っていく。
ルルーシュは、心の窓がゆっくり開いていくのを感じた。

820: 2008/06/14(土) 20:10:25.02 ID:7oHWdjs/P
ルルーシュ 「そうだ、カレン」

カレン 「なに?」

ルルーシュ 「その新連載の漫画の原稿とか、今ある?」

カレン 「あるけど……なんで?」

ルルーシュ 「いや、ちょっと見てみたいなって思ってね」

カレン 「え……! 見せてあげるからちゃんと感想言いなさいよ! 別にあんたに見てもらいたいわけじゃないんだからね!」

顔を真っ赤にして、カレンが原稿をルルーシュに手渡す。
それを受け取ったルルーシュは、さっそく1ページを見てみた。

そこにいるのは二人の少年。
恐らく、友達、いや親友だろうか。このあと二人は離れ離れになり、やがて再び出会う。

まるで俺たちみたいだな――ルルーシュかつての親友の顔を思い浮かべた。
ひさしぶりに会ってみようかな……。
ルルーシュは、ふっと微笑んだのだった。

1ページめを開いた原稿は、風に吹かれても決して微動だにしなかった。

LAST STAGE それから TURN END

一番最初のレスへ続く……?

866: 2008/06/14(土) 20:43:30.07 ID:7oHWdjs/P
やっと終わったー
火曜日から続いたけど、見てくれた人ありがとー

本当にお疲れ様でした

一応酉つけておく。見てもわからないと思うけどねー
ちょっと前に童話風のルルーシュとか、他のとか書いてたんだけど

みんなありがとねー

867: 2008/06/14(土) 20:43:55.77 ID:9udVOnc20
おつー
楽しませてもらいました。

894: 2008/06/14(土) 20:56:08.41 ID:7oHWdjs/P
たくさんの乙サンクス
まあ質問あれば適当に書いておいてくれ
適当に返事しておく

ながらでずっと書いたから矛盾たくさんあったよね
ごめんね

引用: ニートギアス 引きこもりのルルーシュ R2