1: 2008/04/16(水) 03:26:25.64 ID:kGbfgOw00
ルル「ここは…日本なのか?俺は一体…」

「きゃあッ!やめてください!!」

ルル「!?」

「ぐぇっへっへ…いいじゃねぇかよ!」
「俺たちぁ、殺人をやっちまったんだ。どうせキラに殺されるくいなら、
目一杯、悪事を働いて氏んでやるぜぇ!!」

エリア11とは異なる街。その路地裏で少女が犯されようとしていた。
粗野な男たちは少女の口を塞ぐ為に暴行を加え、気絶させる。

ルル「おい、お前たち!」
「ああッ!?っんだよ、邪魔すんのか!?」

ルル「何時の世界でも争いは絶えないものだろうか?
   どの世界でも弱者は虐げられるだけものだろうか?」

「っせぇな、俺たちゃもうすぐ氏ぬかもしれないんだぜ?
冥土の土産ってやつをもらって何が悪いんだよ!おい、やっちまおうぜ」
「…おい、もしかしてこいつがキラの使いなんじゃ…」
「ああ?そ、そんなわけねーだろ、こんなコスプレみみたいな服着たガキが…」

ルル「どうした、かかってこないのか?それとも気付いたか?
   犯っていいのは、犯られる覚悟がある奴だけだと!」

「っちくしょぉ、やっちまえ!」

ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」

3: 2008/04/16(水) 03:27:12.77 ID:kGbfgOw00
ルル「お前たちは…」

「ぐっ!」 「うげっ!」 「ぎゃッ!」

ルルーシュがギアスの力を発動させるよりも前に、
暴行犯たちは胸を抑えて苦しみだした

ルル「!?な、なんだ…これは、どういうことだ?」

「キ、キラ…」

ルル「キラ!?」

暴行犯は聞きなれない単語を言い残すと、そのまま息絶えた。

5: 2008/04/16(水) 03:29:49.73 ID:kGbfgOw00
ついいつものノリで暴行犯の手から少女を助けたルルーシュ。
行く当ても無い彼は、とりあえずその少女、夜神粧裕の家で夕飯をご馳走になっていた。

ルル「へぇー、それじゃあ、今はお二人で暮らしてるんですか」
幸子「ええ、そうなのよ…家の人は警察官なんだけど、頑固でね…
   息子の、ああ、月っていうんだけどね。自由恋愛を認めようとしないの」
粧裕「そうそう、それでいて自分は捜査にかかりっきりだし。
   いくらキラ事件の責任者だからってさ、ピリピリしすぎだよねー」
幸子「コラッ、粧裕!初対面の方にそんなことまで…」

ルル「いえ、いいんですよ。それにしてもうらやましいです。
   僕なんか、小学生ぐらいの頃に母が氏んで父親に勘当されましてね、
目と足の不自由な妹とずっと二人暮らしだったんです。学園で」

粧裕「…」
幸子「…」

ルル「あっ、ごめんなさい。急に僕の事なんか話したりして…」
幸子「そう…あなたも大変だったのね…
その上、いつの間にか知らない国にまで迷い込んで…
   そうだわ、落ち着くまで、しばらく家に泊まっていけばいいわ」
粧裕「え?いいの、お父さんに相談しなくても?」
幸子「いいのよ、あんな人。
   たまには私たちのわがままも通してもらわなくちゃ、割に合わないわ。
   月の部屋が空いているから、好きに使ってね」

ルル(ひとまず、宿泊先を確保することはできたな…)

7: 2008/04/16(水) 03:42:46.15 ID:kGbfgOw00
夜神家、月の部屋

ルル「ひとまず、『キラ』とかいう奴の情報を集めなければ…」

ルルーシュはパソコンを起動し、キラについての情報をネットで検索する。

ルル「…世界の救世主?フン、くだらない…
   ただの殺人による正義など、一過性でしかない。
   やっていることは、ブリタニアと同じだ。恐怖による抑圧…」

犯罪者を裁き、平和な世界を築こうとするキラの理念にルルーシュは不快感を覚えた。

ルル「ん?この本棚にある辞書…カバーの厚さがあってないな…」

何か隠し事が書いてあるのかもしれない。
そう思ったルルーシュは颯爽と辞書のカバーから本を取り出し、ページをめくる。

ルル「なっ!?工口本だと!?どうしてこんなものをわざわざ…」

「童Oボーヤには刺激が強すぎるかもな」

後ろから、聞き慣れた声がする。
慌てて振り向くと、そこにはいるはずもない人物、C.Cが立っていた。

C.C「全く…そんなものを探して、どうするつもりだったんだ?」
ルル「ちっ違う!そんなことよりもお前、どうやってここに…」
C.C「お前一人だと、今みたいに何をしでかすかわからないからな。
  心配だから来てやった」
ルル「答えになってないぞ…」

8: 2008/04/16(水) 03:45:26.57 ID:kGbfgOw00
C.C「そんなことより、何処だここは?大分文明が遅れてるみたいだな」
ルル「俺が知るか…」
C.C「まあ、ここが何処にせよ。これからどうするか考えなければな。
  ルルーシュ、お前、どうするつもりだ?」

ルル「フッ…そんなことならもう決まっている…
   この世界で救世主と崇められているキラ。俺は、そいつを倒す!」

C.C「ほう?お前なりの正義感か?」

ルル「そんなんじゃないさ。
   現状では、このキラとかいう奴がギアス能力者である可能性が高い…
   こいつが俺をこの世界に飛ばしたのかもしれない。
   もし、俺がこの世界に呼ばれたというのなら、望んでいるはずだ…
   俺の手による、破壊と創造を!」

C.C「ルルーシュ、やっぱりお前は面白いな」

まずはキラに対する情報が必要だ…
もっとも情報が豊富な場所に潜り込むとしよう。
世界一の探偵、Lが指揮を執っているという日本捜査本部へ――

13: 2008/04/16(水) 03:51:13.22 ID:BNEZWYE+0
ルル「俺の名前はアイバー。詐欺師だ」
C.C「ウェディ。職業はドロボウだ、よろしく」

日本捜査本部…
ギアスの力を使って

アイバーとウェディに成り代わったルルーシュとC.Cは、
Lからの要請を受けて、あっさりと捜査本部の潜入へと成功した。


ルル(日本の高官をギアスで操り、Lの仲介人、ワタリと直にコンタクトをとる…

後はギアスでワタリから情報の全てを引き出し…それを利用するだけ…簡単なゲームだったな)

L「二人とも、よく来てくれました」

総一郎「しかし、二人とも犯罪者じゃないか…」
月「なるほど、キラを捕まえようとすれば、

  こういう人達の協力も必要となってくる。よろしく」

ルル(こいつがL、そしてこの二人が夜神親子か…)

ルル「ええ、Lの頼みとなれば、仕方ない。
   Lに握られた証拠を公表されたら、僕は一生刑務所の中ですからね」


L「アイバー、あなたにはキラがいると思われるヨツバ本社に
 コンタクトを取って貰います。なんとか、彼らと接触してみてください」


ルル「わかりました、L」 

16: 2008/04/16(水) 04:07:41.97 ID:kGbfgOw00

ヨツバ本社

非通知着信
樹多「ん、電話か…」
ルル「もしもし、探偵のエラルド=コイルというものですか」
樹多「!?」
ルル「Lの正体を突き止めろ…そのご依頼の件でお電話させて頂いたのですが」
樹多「…」
ルル「ああ、いきなりの電話だと困りますよね。心中、お察します。
   ですが…私のほうとしても、依頼人様との直のやり取りでないと仕事に
   取り掛かることができませんので…」
樹多「…用件を言ってくれ」
ルル「貴方と直接会ってお話がしたい。
   今日の夜11時半、横浜のYB倉庫でお待ちしています」
樹多「ま、待ってくれ。いきなりそんなことを言われても…」
ルル「これは私とあなた二人でのお話です。
   くれぐれも御内密に…
   さもなければ、あなた方が今何をやっているか、世間に公表することになるでょう」
樹多「……!!わかった、必ず行く」
ルル「では、お待ちしております」

プツッ

ルル(条件はクリアした。これで、Lよりも先にキラの情報を手に入れることができる
まあ、樹多がキラ本人であるということは依頼金を自分で捻出している以上、まずないだろう…
それに、ヨツバ本社には既にギアスで操った社員の手によって、
いたるところに俺だけの監視カメラを設置してある…妙な動きをすればすぐわかることだ…)

18: 2008/04/16(水) 04:25:14.93 ID:kGbfgOw00

YB倉庫

樹多「…」
ルル「ようこそ、樹多さん。早速ですが、
   ビジネスに入る前に、私の質問に答えて頂きたい」
樹多「…質問と言われても、私にも答えられるものと、答えられないものがある」
ルル「無駄だ。俺の前では、誰も嘘をつけない
  『キラについて知っていることを、全て話せ』」
樹多「キラは…氏の会議と称して我々を招集し、
   ヨツバの利益に繋がる人物を殺させている」
ルル「どうやって頃している?」
樹多「方法についてはわからないが、人を頃すにも色々ルールがあるようだ…
   そのルールとは――」
ルル「なるほど…ではキラは誰だ?」
樹多「それもわからない。だが、我々8人の中にいることは確かだ」
ルル「…こいつから聞きだせることはこのくらいか。わかった、もういい」

樹多「ハッ!…君の質問に答えるかどうかは、ビジネスの話の後にさせてもらおう」
ルル「わかりました。では報酬についてですが――」

日本捜査本部
ルル「もしもし、L。ヨツバの樹多とのコンタクトに成功しました」
L「よくやってくれました。次の作戦に取り掛かるので、一度本部へ来てください」

ルル(世界一の探偵の捜査も、随分とのんびりしているものだ…フフフ…)

21: 2008/04/16(水) 04:44:18.61 ID:kGbfgOw00

ヨツバキラ、海砂の面接
ルル「あなたは、キラに会いに行く、とお姉さんに言って家を出た…
   そうですね?」
海砂「それは…その…」

ルル(他人の筋書き通りに演じるというのも、難しいものだな…
   まあいい。後は成り行きを見守るだけでヨツバキラの正体は判明する。
   敵の能力さえ分かれば、この捜査本部にも用はないさ)

数日後、火口確保作戦

C.C「大丈夫なのか、ルルーシュ」
ルル「何がだ?」
C.C「今度の作戦では、お前も火口を捕まえるために動くのだろう?
  非力なお前に、そんな大任が務まるかな」
ルル「…いいか、C.C。相手はブリタニア軍人ではない。
   平和にだらけきった大人だ。そんな奴に俺が負けるはずは無いだろう?」
C.C「おお、そうか。なら期待しておこう。お前が火口を確保する瞬間をな」

ルル「信じてないだろう、お前」

22: 2008/04/16(水) 04:52:59.83 ID:kGbfgOw00
ヨツバキラ確保作戦、当日

火口「なっ、何を言ってるんだ…私は出目川プロデューサーに話があって…」

バッ!

ルル(拳銃だと!?)

総一郎「ぐっ…!!」
模木「局長ぉっ!」

模木「アイバー!そっちにいったぞ!!」

ルル(クッ…使えないポーンどもめ!ど、どうする!?ギアスを使うか?
いや、そんなことをしたら、Lにギアスのことを知られてしまう、
こうなったら俺も――)
ルル「火口!!」

ルルーシュは拳銃を取り出し、構えるが、

火口「どけっ!」

火口の射撃が手をかすめ、すんなりと拳銃を落としてしまう。

局長「大丈夫か!?アイバー!」
模木「追えッ奴を逃がすな!」

ルルーシュは完全に出遅れた。捜査員達は次々と車に乗り込み、火口を追っていく

C.C「…慣れないことはするものじゃないな、ルルーシュ」

23: 2008/04/16(水) 05:03:09.49 ID:kGbfgOw00

局長「L、化け物が現れましたが、なんとか火口を確保しました」
L「模木さん、そのノートをこちらへ」

L「氏神…ですね・・・ほ、んとうにいたんですね…」
月「本当か竜崎、僕にもノートを!?」

月「うっ、うわああああああああああああああああ!!」
L「だっ、大丈夫ですか月君」

月(勝った・・・計画通り!!)

ルル「クッ…後始末に戸惑って、すっかり遅れてしまった」
C.C「私の忠告を聞かないからそういうことになるんだ」
ルル「うるさい、そんなことより今は火口と、殺人の方法を…」

火口「グッ!?」

「火口意識不明!!」

月「何をやっているんだ父さん!?このままでは…」
総一郎「いや、しかし、これは…もう…」

月(ああ、氏んでいるさ…次は竜崎、お前だ…)

26: 2008/04/16(水) 05:22:25.68 ID:kGbfgOw00

C.C「火口が氏んだ今、当分お前の出番は無いようだな」
ルル「そんなことは分かっている!」
C.C「おいおい…私に当たったところで、どうにもならないだろう?」

ルル「それも分かっている…Lが駄目なら、外部から攻めるだけだ!
   今回、失敗した理由はただ1つ…」

C.C「お前が非力だからだろう?」

ルル「違う!この俺が、他人の指揮下で動いていからだ…」

C.C「相変わらずの負け惜しみだな」

ルル「創って見せるさ…Lにも負けない人を!組織を!力を!!」

27: 2008/04/16(水) 05:23:34.80 ID:kGbfgOw00
月「ウェディ!アイバー!」

ルル「!なんだい、月君」

月「Lからの指示を伝えに来たんだ。しばらくは火口の殺人方法の解析をするから、
  人目を避けるためにも、一度帰国して欲しい」

ルル「それなら、わざわざ君じゃなくて、松田さんが来ればいいじゃないか。
忙しいんだろう?今」

月「いや、僕の口から直接君たちにお礼をしたくて…特にアイバー。君にはね」

ルル「?」

月「君が何故詐欺をやっているかは聞かないよ。
だが君は、一度僕の妹を助けてくれた。」

ルル「知っていたのか…(あの口軽女どもが!)」

月「ああ、だから個人的にお礼が言いたかったんだ。ありがとう。
短い間だったが、ともにキラを追ったことは忘れないよ。
僕たちはもう、友達だ。」

ルル「友達…俺が…」

月「ああ。もう分かっているとは思うけど、僕の本名は朝日月ではなく、夜神月。
…よかったら、君の、本当の名前も教えてもらえないかな?」

ルル「…ルルーシュ。ルルーシュ・ランペルージだ」

33: 2008/04/16(水) 05:30:15.23 ID:kGbfgOw00
月「ルルーシュ…か。じゃあ、また会える日を楽しみにしているよ」

ルル「ああ…それじゃあな、月」

二人は固い握手交わし、それぞれ帰途へついた。

月「…ミサ。奴の本名は、今あいつが言ったとおりで間違いないな。」
ミサ「…うん」

物陰に隠れていたミサが顔を出す。

月(L…ワタリ…レム…邪魔者は全て氏んだ…
後始末としてヨツバキラを知るものは排除しなければならない…

せっかく友達になれたのに残念だよ、ルルーシュ…さようなら。)

月「僕は…新世界の神となる!」

リューク「友達宣言した奴を一瞬でKILL…やっぱり、人間って面白!」

37: 2008/04/16(水) 05:41:45.82 ID:kGbfgOw00
C.C「いいのか?ルルーシュ。名前なんか教えたりして…」

ルル「大丈夫だ。C.C。既に手は打ってある…」

C.C「ほう」

ルル「第2のキラと目されていた人物が弥海砂であることは、
   ミサとのヨツバ面接を行う前に手に入れていた情報だ。
   そんな危険人物を、俺が野放しにしておくはずもない。」

C.C「へぇ、ギアスでも使ったのか?」

ルル「そうだ、ヨツバ面接時にミサがトイレに行った時、俺もトイレに行く振りをして
   女子トイレ前で待ち伏せた…」

C.C「まるで変態だな、ルルーシュ」

ルル「うるさい、黙って聞け。奴がトイレから出てきた時、
『お前は俺の本名を誰にも言うことができない』というギアスをかけた
仮に、キラが名前だけで人を殺せ、名前を盗み見る能力があったとしても、
第2のキラはこれで無力…」

C.C「名前を書かれたら終わりじゃないか」

ルル「そこはもうテスト済みだ。
どのような手段であろうとも、俺の本名を伝えることはできない
俺のギアスの力は絶対だ」

40: 2008/04/16(水) 06:04:23.57 ID:kGbfgOw00
C.C「とすると…お前はキラが夜神月だと思っているのか?」

ルル「そういうわけではない。ミサは女子トイレで誰かとコンタクトを取っている様子だった。
   おそらく、そいつがキラだろう。あの時、夜神月はLの監視下にあった。
   キラの協力者の一人か、力で操られていた人間と考えるのが妥当だろう」

C.C「お前の二人目の友達が、キラだったら困るのか?」
ルル「…俺はまだ、奴を友達と認めたわけじゃない。
   それに飽くまで俺は、事実に基づいた推理をしているだけに過ぎない」
C.C「そうか。ま、何にせよ、捜査本部からは追い出され、
   結局は振り出しだな。ルルーシュ。」
ルル「何を言っている、C.C。今までのは下準備に過ぎない。
   これからが、俺の反逆の始まりだ」

C.C「反逆?」

ルル「Lが真のキラの逮捕に手間取れば手間取るほど、
   世論はキラへと有利なものになっていく…
   キラの崇拝者が、世界の正義。そんな時代も遠くは無いだろう」

  あの日から、俺は迷っていたのかもしれない。
  最悪の友達が、最悪の敵にもなったあの日から。
  迷いが断ち切れぬものなら、捨て去ってしまえばいい。
  俺を呼び込んだこの世界とともに…
  そうだ、俺はもう、前に進むしかない!

ルル「……だから」

 CODE NOTE~迷い子のルルーシュ~ 第一部編 完
                          第二部編へ続く

55: 2008/04/16(水) 07:37:41.30 ID:kGbfgOw00

侵略されていない日本はそのまま日本と呼ばれていた

だが、そこは「キラ」が世界を統制しようとする絶望の檻だった

望まぬ世界に迷い込み ナナリーへの想いの果てに

少年はキラに宣戦布告する

CODE NOTE~迷い子のルルーシュ~ R2

57: 2008/04/16(水) 07:38:46.08 ID:kGbfgOw00
2009年3月12日

世界各国全てのテレビに、一人の仮面の男が映し出された。
同時通訳はヨシダ・アンダーソン

「この放送をご覧になっているの全世界の皆さん!」

ゼロ「私はゼロ!」

ミサ「ねー、月。ダサい仮面の人がテレビに出てるよ」
月「…どうせ何かの特撮番組だろ。早くチャンネルを変えてくれよ、ミサ」
ミサ「それが…全部のチャンネルに映ってるんだよね、この人」
月「!?(なんだと…まさか!)」
リューク「ククク…まるでLだな」

ゼロ「今、全世界全ての放送局に、この映像を流してもらっている。
   それは何故か?今日、私は全世界に対して、
   重大な提案があるからだ!」

伊出「なんなんだこれは…Lがいる日本捜査本部になんの断りも無く…」
松田「そうっすよ。世界一の探偵であるLに断りを入れるのが筋ってもんっすよね」

総一郎「…我々の他にも、世界を動かす力がある、ということだろう」

58: 2008/04/16(水) 07:40:07.52 ID:kGbfgOw00
ゼロ「皆さんは世界の犯罪率が今、どうなっているかご存知だろうか?
   そう、あの頃に比べて世界の犯罪は6割減少し、戦争も激減した…
   私が何と比較して言っているのか…懸命な皆さんにはもうお分かりだろう?
   そう、キラだ!」

伊出「キラを持ち出してきて、何を言うつもりなんだ…」
松田「もしかして、キラの功績を皆で讃えよう、というのじゃないですかね」
相沢「松田!」

ゼロ「だが…ある1つの要素を足すと、犯罪件数は飛躍的に上昇する!
   キラによる殺人を含めれば!!」

月「こいつも僕を…キラを否定しようというのか」

ゼロ「私は、人頃しによる正義を否定はしない」

総一郎「馬鹿な!いかなることであろうとも人頃しは許されるものではない!」

59: 2008/04/16(水) 07:42:06.88 ID:kGbfgOw00
ゼロ「氏刑も、言い換えれば国家による人頃しだろう。
   しかし、それは『国家』が行ってこそはじめて人々に認められるものだ。
   どのような超人的な能力を得ようとキラは『個人』、一人の人間に過ぎない!」

ゼロ「誰が認めたのだ?彼に人を殺やる権利を…
   私は断言する!全世界にいるキラ支持者は、
   キラの力のみを見つめ、人間を神に祭り上げようとする狂信者だと!
   彼らのやっていることは、中世における悪魔崇拝と何ら変わりはない!!」

相沢「おい、松田、悪魔崇拝者だとさ」
松田「い、いやだなぁ、僕は違いますよ」

ゼロ「ゆえに私は、ここに宣言する!
   キラ、そして変わりゆく世界へ反逆する組織の設立を!
   その名も、『黒の騎士団』!」

月「黒の騎士団だと…!」
ミサ「うわっ、ネーミングセンス最悪…」

ゼロ「我々は既に、キラの殺人方法をある程度搾り出すことに成功している
   世界の混乱を招くゆえ、その方法をここで明かすことはできないが、安心してほしい。
   キラの殺人方法は、神の力や超能力の類ということは、全くない!」

相沢「次長、何故奴はそんなことまで…」
次長「わからん、しかし知っているのなら、何故それをほのめかすようなことを…」

ゼロ「私は、キラを必ず公の場に引きずり出し、
   諸君等にその正義の是非を問う!
   その時がくるまで、一人一人、自分が正しいと思う事を考えておいて欲しい
   また会おう、キラ!」

63: 2008/04/16(水) 07:52:51.56 ID:kGbfgOw00
月の部屋
ミサ「月…」
リューク「ククク…また新しい敵みたいだな。どうする月」
月「決まっている…奴が何をほざこうと、キラは正義…
  悪は…裁くだけだ!!ゼロ…僕に逆らったことを後悔させてやるよ…」

日本捜査本部
相沢「次長、キラを公の場に引きずり出すと、言っていましたが…」
総一郎「彼の真意は分からん…分からないが、
    キラを敵と認めている以上、
    我々の同志、ということになるのかもしれんな…」
松田「冗談じゃないっすよ。あんな仮面男なんて、
   真面目に捜査してる僕たちに失礼ですよ」
伊出「松田、お前は格好で捜査しているのか?」
松田「いや、決してそういうわけじゃ…」
総一郎「とにかく、月を呼んでくれ。
    一度、今後の捜査方針について話し合おう」


黒の騎士団 ゼロの部屋

C.C「『世界は、我々黒の騎士団が裁く!』と言っていた男が、
  よくもまああんなことが言えたものだな」
ルル「正義というものは、時代によって様々な形へと変貌する。
   それについていけないものは、正義の味方になる資格はないのさ」
C.C「あんなことをして組織を設立した悪党が、よく言う」
ルル「ククク…正義の裏側なんてものは、何時もあんなものだ」

74: 2008/04/16(水) 08:14:56.27 ID:kGbfgOw00
Lの氏より数日後
ワイミーズハウス

ロジャー「ニア…メロは出て行ってしまった…これからどうする気だ?」
ニア「私は、キラを捕まえることができる組織を設立します。
   そのために、キラ事件のことを自分でも調べてみるつもりです」

ロジャー「…そうか。ならこの施設から出て行くのだな?」
ニア「ええ、いずれ、メロもきっとそうするでしょう」

ゼロ「ならばその組織、私がもらいうけよう」

ニア「!?」
ロジャー「誰だ?ノックもなしに、無礼じゃないか」

ゼロ「これは失礼した。私はゼロ。キラを捕まえ、正すものだ」
ニア「…」
ロジャー「Lが氏んだことも…聞かれてしまったようだな…」

ゼロ「私も、彼と一緒に捜査をしたことがある。優れた人物だった…
   だが、彼のやり方を継いで行くだけでは、キラを捕まえることはできない」

ニア「…あなたにはそれができる、と?」
ゼロ「そうだ。君たちが私に全面的に協力してくれればな」

ニア「せっかくのお誘いですが、お断りします。
   これは、私とメロの問題でもあります」

75: 2008/04/16(水) 08:19:53.14 ID:kGbfgOw00

ゼロ「違うぞニア!そんな考え方では、キラを捕まえることはできない。
   これは『ゲーム』ではない、キラと我々の『戦争』なのだ」

ニア「戦争…?」

ゼロ「そうだ、肥大化するキラ信者をバックにつけたキラは、
   追い詰められたらどんな手段ででてくるかわからない。
   我々はそれに備えなければならない」

ニア「……」

ゼロ「もう一度言う!『私に従え』」

ニア「!!わかりました…あなたの下で、私の頭脳を生かすとしましょう」
ロジャー「ニア!それでいいのか君は!!」

ゼロ「ロジャー。こうなった以上、貴方も私のために尽力してもらおう
   まずはアメリカ大統領とコンタクトを取って欲しい」

ルル「――こうして、俺はニアという頭脳、ロジャーというコネクションを手に入れた。
俺がギアスでワタリから聞き出した情報は、キラ事件のことだけではない。
   Lという世界一の探偵の全てを、手に入れていた…」

C.C「そして、Lの後継者養育施設、ワイミーズハウスを利用することを考えた」

ルル「使えそうな人材を一人、二人引き抜くだけでいいと考えていたが…
   天は俺に味方していた…まさか、キラがLを頃してくれるとはね。
   まさに絶妙のタイミング、という奴だったよ。ハハハハハハハ!!」

77: 2008/04/16(水) 08:36:58.70 ID:kGbfgOw00

ルル「そして俺は…この世界で一番の強国、
   アメリカの力をバックに『黒の騎士団』を設立した…
   これで、日本捜査本部との条件は同じ…
   世界は変わる…変えられる!」

C.C「ご満悦のところ申し訳ないが、作戦会議があるそうだ。
   レスター指揮官が呼んでるぞ。」

ルル「…わかっている。キラは必ず、黒の騎士団の手で捕まえてやる!」

C.C「期待しているぞ、ルルーシュ」



黒の騎士団作戦本部

ゼロ「黒の騎士団諸君!我々は、ただのキラ対策組織とは違う!!
   キラの是非を世に正し、その所業を正すものだ!
   我々が正しいか…キラが正しいか…それは、世界が決めることであって
   我々が決めるべきことではない。
   だが私は信じている!正義は我ら、黒の騎士団にあると!
   キラを捕まえることが我々の正義を示す道標となるのだ!」

「おおー、ゼロの言う通りだ!」
「正義は我々の祖国と、黒の騎士団にあり!」

ルル(「お国柄」という奴だな…正義という言葉に酔いやすい連中だ)

81: 2008/04/16(水) 08:50:10.28 ID:kGbfgOw00

レスター「ゼロ、まずは日本捜査本部への対応についてですが…」

リドナー「待ってください!
      日本に殺人ノートを取りに行かせたジョンから緊急の通信が入っています」
ゼロ「よし、繋げ!」

ジョン「ゼロ、想定外の事態です」
ゼロ「どうした?」
ジョン「日本の警察庁長官が何者かに誘拐されたようです。
    犯人は殺人ノートとの交換を迫っているとのことで、
    私がノートの事を話したら、犯人はお前かと物凄い剣幕でつめよられましたよ」

ゼロ「…そうか。では君の携帯に私が電話をかける。
   それを夜神次長に渡してくれ。」
ジョン「わかりました、ゼロ」

夜神次長「また君か。悪いが我々は長官誘拐事件の対策を練らなければならないのだ
      悪いが後で…」

ゼロ「はじめまして。夜神次長、ゼロです」

夜神次長「ゼロ!?で、電話を貸してくれ!」

ゼロ「長官誘拐の件、お聞きしました。
   我々黒の騎士団も出来る限りの協力をお約束いたしましょう」

夜神次長「それは、ありがたい申し出だが、Lの指揮下で動く気は無い、ということかね?」

86: 2008/04/16(水) 09:00:55.04 ID:kGbfgOw00
ゼロ「流石は夜神次長、話の飲み込みが早い。
   そして、我々黒の騎士団の名前も表に出さないで頂きたい」
夜神次長「どうしてだ?」

ゼロ「我々までもが合同捜査で動いていることが知られたら、
   いたずらに犯人を刺激することになります。
   ですからこのことは、
   捜査本部でも信頼の置ける一部のものにしか話さないように」

夜神次長「…わかった、約束しよう」
ゼロ「ご協力、感謝します。
   では、何かご協力できることがありましたら、何時でもどうぞ。夜神次長」

ブツ

ジェバンニ「ゼロ、何故我々の名を出すことをやめさせたのですか?
       人質救出、我々黒の騎士団の活動を認めてもらうには
       絶好の機会じゃないですか」
ニア「失敗するからですよ」
ジェバンニ「!?」

ゼロ「そう、ニアの言う通りだ。この作戦は間違いなく失敗する。
   おそらく、長官はキラに殺されるだろう」
ニア「今は日本警察に協力する姿勢だけを見せておけば良い、ということですね…」

リドナー「つまり…日本警察内にキラのスパイがいると二人は読んでいるということ…」

ゼロ「下手に動いて、いたずらに名を傷つけることは無い。
   我々は常に、勝者でなければならないのだ!」

87: 2008/04/16(水) 09:13:24.95 ID:kGbfgOw00

ルル(そう…日本捜査本部に内通者がいなければ
   あのタイミングで火口とLを頃すことは不可能…
   むしろ、捜査本部にキラがいると考えたほうが自然だろう。
   ならばこの事件を観察し、そいつを炙り出す策を考えるのが最善手か…)


数日後、黒の騎士団作戦本部

リドナー「ゼロ、日本捜査本部から連絡が入りました」

L「黒の騎士団の皆さん、はじめして。Lです」

ゼロ「私がゼロだ。事は緊急を要する。挨拶は抜きにして、用件を伺おう」

ルル(フン、氏人を木偶が動かす、か…)

L「滝村長官が氏んだ、と犯人から連絡が入りました」

「おい、ゼロの予想通りだぞ」
「ああ、やはりゼロは凄い。常に二手三手先を考えて動いている」

ゼロ「それは…謹んでお悔やみ申し上げる。
   では、ノートの交換は中止、ということか?」

L「いえ、今度は夜神次長の娘、夜神粧裕さんが誘拐されました」

ルル(!!粧裕が…そうか…)

90: 2008/04/16(水) 09:24:05.55 ID:kGbfgOw00

ゼロ「そうですか。それで、我々に何をしろと?」

L「犯人はアメリカで殺人ノートの交換を行うといってきています。
 夜神次長がノートの引渡しに向いますので、現地での人員配置をお願いします」

ゼロ「1つ、答えていただこう。あなたがたは、ノートを犯罪者の手に渡すつもりなのか?」

L「…そんなつもりはありませんが、
 場合によっては人命を尊重することもやむを得ない、と考えています」

ゼロ「フ、フフフ…甘いなL!人命か、ノートか。
   どっちつかずの態度を取るものが、何を手にすることが出来よう!」

月(こ、こいつ…)

ゼロ「日本のことわざにこういうものがあるそうだな…
   二兎追うものは、一兎も得ず。この意味をもう一度、考えてみるのもいいだろう」

L「…ご忠告は胸に留めておきます」

ブツ

ゼロ「諸君!聞いただろう!!私の発言を!
   我々黒の騎士団は、人質の救出を最優先とする!」

レスター「何故ノートではなく、人質のほうを!?」

99: 2008/04/16(水) 09:56:15.82 ID:kGbfgOw00

殺人ノート交換の日、SE333便ハイジャック

犯人「夜神、安心しろ。お前と娘の命は保証する。日本警察がいくら無能といえど…
   復讐という動機は厄介だからな。わかったら安心して報道規制しくよう、Lに伝えろ」

夜神「分かった…」


後部座席には乗客の中に紛れて黒の騎士団員、ジェバンニの姿があった。

ジェバンニ「ゼロ、今のところ犯人が私に気付いた様子はありません。
       ここからでは音を拾うことは出来ませんが、
       犯人グループがミスター夜神に何か指示を出しているようです」

ゼロ「わかった。おそらく犯人グループの指示は
   報道規制かこちらには手を出さないという約定の取り決めといったところだろう
   だが、それは彼らとLとの間での約束。我々とは関係の無いことだ」

レスター「しかし、よろしいのですか。戦闘機を基地から持ち出すなど…」

ゼロ「長官もパイロットも、快く私に協力してくれた。問題は無いだろう。
   ジェバンニ、我々は現在、君に着けた発信機を下に追跡している。
   飛行機が着陸したらそのまま乗客に紛れて帰還してくれ」

ジェバンニ「了解しました。どうやらまもなく、着陸するようです。」

ゼロ「砂漠地帯か…間に合うか?パイロット君」

「任せてください、ゼロ」

106: 2008/04/16(水) 10:13:13.80 ID:kGbfgOw00

L「人質とノートとの交換が行われました…
 ゼロ、犯人の飛行機を見失わないようにしてください」

ニア「駄目ですね、やられましたL。
   どうやらあのミサイルに乗せてノートを運ぶようです」

月(ミサイル…馬鹿な…)

ニア(我々の行動はをキャッチされないよう、ご指示通り衛星からの映像の一部を
シャットダウンしています…ノートは残念でしたが、ゼロ、人質のほうは頼みましたよ)

レスター「ゼロ、ノートはミサイルで発射されてしまったようです」

ルル(ミサイル!?どんな組織が企てたんだ、この誘拐は!)

ゼロ「…ノートの事は諦めろ。我々の目的は人質の救出だ。
   犯人のヘリを逃すな!」

「ゼロ、敵はもう射程内に入っています。ご指示を」

ゼロ「よし、撃て!」
レスター「な!?そんなことをしてもし犯人に当たったら…」
ゼロ「あのヘリにはおそらく、自爆装置がついているはずだ。
   こちらの威嚇射撃で逆に敵の脱出を促す」

「くっくそっ!米軍か?Lめ、まさかこんな手はずを整えてやがるとは、クソッ!」

ゼロ「予想通り、犯人はパラシュートで脱出した!P2、手はず通り地上で犯人を確保しろ。」

109: 2008/04/16(水) 10:24:19.01 ID:kGbfgOw00
ゼロ「P3、夜神次長と人質の救出を行え!」

月(どういうことだ?何故戦闘機が犯人を…まさかゼロが!)

ゼロ「条件はクリアした。我々も帰還する」

レスター(ゼロの言った通り、犯人が脱出した瞬間にヘリは爆発した…
      これによって犯人は組織が自分を裏切ったことを知り、
      我々の聴取にも素直に答えるだろう)

L「ゼロ、あの戦闘機はどういうことでしょうか?ご説明願いますか」

ニア「あれ?言いませんでしたか?我々も独自に行動すると」

L「しかしあれでは、犯人の居場所が特定できなくなりました」

ニア「しかし、あのヘリは自爆してしまいました。
   結果的には、我々の方法が最善だったと思いますがね」

月(結果だと…)

111: 2008/04/16(水) 10:32:26.37 ID:kGbfgOw00

L「…わかりました。夜神次長とその娘については?」

ニア「お返ししますよ。ただし、こちらで2、3質問させていただいてからですがね
   もちろん、貴方にも聞こえるように配慮します」

L(聞くこと!?まさかこいつ、マジで犯人に当たりをつけているのか?)


数日後――黒の騎士団、記者会見

「では、あのハイジャック事件は、大掛かりな組織による誘拐事件の一端だった、
ということですね?」

ゼロ「そう、プライバシーの観点から、
   人質が誰だったかを話すことは禁じられているので、
   その件についてのコメントは差し控えさせていただきたい。
   とにかく!彼らは巨額の身代金とある情報を交換条件に誘拐を行い、
   さの取引先として、例の砂漠を選んだのだ」

「黒の騎士団が犯人の一人を捕らえたということですが…」

ゼロ「そのことについてだが…
   私は悲しい」

「!?それはどういうことですか!ミスターゼロ!」

112: 2008/04/16(水) 10:40:56.97 ID:kGbfgOw00

ゼロ「その犯人が今日、心臓麻痺で氏んだのだ…」

「つまりそれはキラの裁きということですか!!」

ゼロ「我々もFBI、そしてLが率いる日本捜査本部でも見解は一致している。
   本当に残念でならない…もう少しで、悪の組織の根拠地を聞き出し、
   一網打尽にすることができたというのに…」

「キラのせいで、その作戦が駄目になったとおっしゃりたいのですか?」

ゼロ「…残念ながら、そう言わざるを得ないだろうな!
   この現状では!」

記者団にどよめきが起こる。

ゼロ「この放送を見ている全国の皆さん!
   以前、私が言ったことがお分かりになっただろうか!
   『個人』が世界を裁くことが、どういう弊害を生むかということを!!
   安易に犯罪者を頃し、他の大勢の犯罪者をのさばらせる
   結果を作った今回の『キラの裁き』…
   私はキラに、皆さんに問いかけたい!
   このようなことが二度と起きないようにどうすればいいのかを!」

ゼロ「…会見は以上だ。これで失礼する」

以上、ニューヨークから生中継でお送りしました

118: 2008/04/16(水) 10:51:49.35 ID:kGbfgOw00
日本警察 アメリカ支部

松田「いいんですか!?こんなの放送させちゃって。
   まだキラがやったかどうかわからないでしょう」

相沢「マフィアのやったことかもしれないが…
   我々がノートを奪われたことを世間に公表するわけにもいかないだろう」

伊出「そうだな・・・真実とはまた違うかもしれないが、
   ゼロの言う通り、これが最善だと私は思う」

相沢「月君…いや、Lはどう思う?」

月「…そうですね。現状としてはこれが最善の策かと…」

月(くそっ!やられた!!
  黒の騎士団の力を誇示するだけではなく、
  世界にキラの存在意義を問うような話にまで持っていかれるとは…)

月(ゼロめ…ここまで悪くどくキラを非難した奴ははじめてだよ…
  頃す!ノートを奪ったマフィアの指導者、メロとともに必ず頃す!)

相沢「心配なのは夜神次長だ…責任をとるといって警察を辞職し、
   日本に帰ってしまった…」
松田「そうっすね…粧裕ちゃんも大丈夫かなぁ」

121: 2008/04/16(水) 11:07:32.82 ID:kGbfgOw00

黒の騎士団作戦本部

リドナー「おかえりなさい、ゼロ」

ゼロ「リドナー、団員リストの整理は済んだか?」

リドナー「ええ、氏亡者には遺族への充分な給付金と、事情説明をしたわ」

ゼロ「キラによって殺された、と?」

リドナー「はい。ゼロのご指示通り、『キラは自分を追うものは頃す』ということを」

ゼロ「それでいい。世界にはゆっくりだが、真実を見せ付けねばならん。
   キラが抱える闇の部分をな。そして闇に飲み込まれるキラに変わり、
   我々が正義の味方になるのだ」

ニア「すいません、ゼロ…私が本部を任されていながら、
   スパイの存在に気付かないとは…」

ゼロ「いや、私にも落ち度があった。マフィア、いやメロがここまでできるとは…
   君からの忠告を軽く見ていたようだ」

ルル(それに…この程度で名前が割れてるようなものは遅かれ早かれキラに殺されてしまうだろう…
   操られて襲ってくる心配が無くなった分、好都合というものだ。ここまでは俺の『計画通り』…
   フフフ…ハーハッハッハッハ!!)

129: 2008/04/16(水) 11:22:50.54 ID:kGbfgOw00

レスター「ゼロ、今後の活動についてですが…どのように?」

ゼロ「しばらくは、国内に蔓延るテ口リスト、マフィアの摘発を行い、我々の地盤固めをする」

レスター「キラ捜査のほうは?」

ゼロ「それはしばらく、二代目Lに任せるとしよう
   もちろん、我々の到達目標はキラであることに変わりはない。
   だが――」

ニア「日本警察を泳がせておけば、必ずキラが日本警察に接触してくる」

ゼロ「そう、日本警察にキラのスパイがいるとすれば、
   最も動かしやすいのは日本警察だからな」

レスター「わかりました。皆にそう伝えます」

ゼロ「それと、ジェバンニ!新たな入団志願者の名簿だ。一晩でやっておいてくれ」

ジェバンニ「わかりました。おまかせくださいゼロ」

ルル(そう…代わりなどいくらでもいるんだよ、キラ……)

134: 2008/04/16(水) 11:38:44.99 ID:kGbfgOw00

C.C「随分と急がしそうだな、ルルーシュ」
ルル「なんだ?構ってもらえなくて寂しいのか?」
C.C「馬鹿かお前。そんなわけ、あるわけないだろう」
ルル「可愛げのない奴だ」

C.C「で、どうなんだ新生黒の騎士団の御活躍は?」

ルル「今日までに、20を超える犯罪組織を叩き潰した。」

C.C「ほお、それは凄いな。ブリタニア相手よりも、大戦果じゃないか?」

ルル「この国の犯罪組織は、裏で政府高官と繋がっていることが多い。
   だから、場所は分かっていても摘発に踏み切ることが出来ないのさ。
   そんなクズどもに俺は、武力による脅しと、金を与えた。
   
C.C「これからは黒の騎士団が支援する代わりにマフィアと縁を切れ…
   さもなくばお前も逮捕するぞ、ということか」

ルル「そうだ」
C.C「だが、したがわない奴も、中には当然いるだろう?」

ルル「そういう方には、舞台から降りていただいた。キラの仕業ということにしてな…
   今なら日本警察にも、キラの仕業かメロの仕業かわからなくて都合がいい」

C.C「おやおや…よくそんな命令を聞く人物がいたものだ」

ルル「ククク…黒の騎士団にはギアスで従わせている俺に最も忠実な部隊を作ってある…」
C.C「相変わらず酷いやつだな…お前は」
ルル「何度も言わせるな…『正義の味方』さ」

139: 2008/04/16(水) 11:58:26.47 ID:kGbfgOw00

リドナー「ゼロ、大変です!!」

ルル「どうした、リドナー?」

リドナー「合衆国大統領が、自頃しました!」

ルル「!?」

C.C「フフフ、キラの反撃開始、ということか?」

ルル(クッ…大統領を、何故?メロか…奴が大統領をあやって何かを…
   それともC.Cが言うように)

ゼロ「わかった。すぐに作戦本部へ行く。
   任務についていないものは、作戦本部に集めておいてくれ」


黒の騎士団 作戦本部

ジェバンニ「ゼロ、たった今から副大統領から臨時の記者会見があると」
レスター「一体何を発表する気なんだ?」
ニア「…まさか」

日本警察 アメリカ支部

相沢「いつ見ても気弱そうな副大統領だな」
松田「一体何の発表ですかね」

144: 2008/04/16(水) 12:11:58.09 ID:kGbfgOw00

副大統領「大統領の氏を受け、我々アメリカ合衆国は――
      キラを認め、キラに逆らうことはしない
      次の先進国首脳会議によっても、他国にもこれを推奨していものとする」

ルル(馬鹿な!!)
月(やった!!)

月(黒の騎士団はよくやってくれたよ。
  奴らが国内のマフィアを次々と潰してくれたおかげで、
  メロの勢力は急激に弱まり、アメリカ大統領から借りた部隊による
  攻撃に、対処しきれなくなった…もっとも、想定外の新たな氏神が現れ、
  部隊は全滅してしまったが…最後のアジトを放棄した奴らにはウサギ小屋程度の
  隠れ家しか残されていなかった。そうなれば後は日本警察の面々だけでも逮捕できる…
  メロに逃げられてしまったのは残念だが、ノートは奪還し、氏神もノートを返すことで氏神界へ返すことが出来た…
  
  そして用済みの大統領は頃し、副大統領を脅迫…
  目障りな連中が出てきた以上、もはや手段は選んでいられない。
  ざまあみろ、ゼロ。これで黒の騎士団は非合法組織へと転落だ。)

相沢「何を言っているんだ…この副大統領…本気か?」
伊出「キラにビビってるのか…」

月(ついにアメリカもキラに屈した…できる!新世界!!)

149: 2008/04/16(水) 12:26:30.72 ID:kGbfgOw00

黒の騎士団 作戦総本部

リドナー「私たち…どうなってしまうのでしょう…」
ニア「…解散ですね…うじ虫チキン大統領のせいで…」

ニア(ふざけるな!キラを認めていいはずがない!)



ゼロ「それは違うぞ、ニア」
ニア「!?」
ゼロ「我々はキラに屈してはならない。
   アメリカから切り捨てられたぐらいで、正義は霧散してしまうのか?
   否!!正義とは、そんな生温い物ではない!
   例えいかなる迫害を受けよとも、
   我々はそれを受け止め、前に進まなければならないのだ!!」

レスター「それではゼロ!」

ゼロ「ああ、そうだ。我々黒の騎士団は、キラに屈したりはしない!
   活動は続行だ!!」

ジェバンニ「ゼロ!」
リドナー「ゼロ!」

ニア「…ですが、このままアメリカにいることは難しいでしょう」
ゼロ「ニア、案ずるな。私に策がある」

170: 2008/04/16(水) 13:41:22.29 ID:kGbfgOw00
>>149の続き

ゼロ「だが…策を実行に移す前に、私は君たちに問わなければならない。
   諸君にも、故郷に残した家族や友人、恋人がいるだろう。
   この策が成った暁には、それらの人々と、決別することになる…
   そうだとしてもなお!
   この黒の騎士団で正義を成そうという意思のあるものだけ、残れ!」

ゼロ「急に言われても、
   そう簡単に決められる問題ではないことは分かっている。
   今日のところは、各自、自分の家に戻るんだ。
   そして、明日までに聞かせてもらう。君たちの正義を!」


団員達は、それぞれがゼロの言葉を受け止めつつ、帰途についた。
そして、三時間後――

171: 2008/04/16(水) 13:42:13.11 ID:kGbfgOw00
ジェバンニ「ゼロ、リドナーが戻ってきました。後ろにいるのは――」
ニア「やはり、来ましたか、メロ」

ゼロ「ようこそメロ!我々黒の騎士団は君の来訪を歓迎しよう!!」

メロ「…ゼロ、お前にも言いたいことはあるが…
   今日、俺が用があるのは……ニア!!」
ニア「呼びましたか、メロ」

メロ「何故だ、何故お前はそんな奴の下についている!!
   俺たちの決着はどうした!?」

ニア「メロ、上には上がいる。そういうことです」
メロ「Lよりもか!?」
ニア「ええ、そうですね」
メロ「……!!」

ニア「メロが色々動いてくれたおかげで、大分キラが絞り込めました
   感謝しています」

メロ「ニア…俺は貴様らのパズルを解くための道具じゃなぁい!!」

拳銃を取り出すメロ、それと同時に黒の騎士団の面々も拳銃を引き抜く。

ゼロ「やめろ!」
ジェバンニ「しかしゼロ!こいつは我々の仲間を…」

ゼロ「過去の遺恨に何時までもこだわっていては、
   キラを倒すことなどできないぞ、ジェバンニ!」

173: 2008/04/16(水) 13:43:01.02 ID:kGbfgOw00
ジェバンニ「しかし…」

ゼロ「我々は『正義の味方』だ。
   犯罪者を憎み、頃すようではキラと変わらない」

ジェバンニ「わかりました…ゼロ」

リドナー「メロ、あなたもよ。ここでニアを撃って何になるの?
     キラが喜ぶだけじゃない」

メロ「フッ…そうだな。今日はニアが持っている俺の写真を貰いに来ただけだ」
ニア「それなら、既に用意してあります。はい、どうぞ」

メロ(この事もニアは予測していたというわけか…)

メロ「俺は借りをつくりのが好きじゃない。だからお前たちに教えてやる。
   氏のノート。あれは氏神のノートで、触った人間には氏神が見える」

レスター「なっなんだと!?」
ジェバンニ「そんなでたらめ…」

ゼロ「いや、信じよう」
ニア「ええ」

ニア「そんな馬鹿を嘘をついて我々を欺こうとするほど、
   メロは愚かではありません」

ルル(まあ、魔女がいるんだから氏神がいてもおかしくはないだろ…)

174: 2008/04/16(水) 13:49:17.69 ID:kGbfgOw00

メロ「ニア。お前が誰の下で働いていようと、
   俺はお前と組むつもりも、負けるつもりもない」

ニア「わかっています」

メロ「どちらが先にキラにたどり着くか…」
ニア「競争…ですね…」

メロ「それと、置き土産に日本警察の模木捜査員をここに招待しておいた」

ゼロ「なに!?」

メロ「ニア、お前は尋問が得意だったな、せいぜい有力な情報を引き出すんだな…」

レスター「な、なんて奴だ…携帯を使い、密かに模木を誘導していたなんて…」


模木「こ、ここは本当に…」

ゼロ「ようこそ模木!我々黒の騎士団は君の来訪を歓迎しよう!!」

ジェバンニ(あの挨拶は定型文なのか…?)

ニア「喋ってくれますよね。キラの情報を あなたの命をかけて」

模木(やはり月君の推測通り、黒の騎士団はメロと繋がって…
   な、何も喋っては駄目だ…)

181: 2008/04/16(水) 14:06:17.60 ID:kGbfgOw00
日本捜査本部 アメリカ支部

月(そうだ模木…これは罠だ。メロとニアが仕組んだ我々を陥れる為の罠だ…そう思うんだ)

松田「しかし、もしメロとゼロがグルだとしたら模木さんやばいっすよ…」

月「相沢さん、伊出さん 模木さんが入った施設の監視を緩めないようにしてください」

相沢「ああ、分かっている。今のところ、黒の騎士団は信用できないからな」

月(模木が何か喋ってしまったら厄介だ…いっそ頃すか?
いや、そんなことをしたら日本捜査本部にキラがいることを教えるようなもの…)

月(こうなったら、目標はいささか異なるが…メロがゼロに切り替わっただけのこと
  やってしまえ!)

二日後 黒の騎士団 作戦本部

相沢「L…まずいことになってきた…」
出目川「私、出目川。
ついに神・キラを侮辱する悪の組織・黒の騎士団のアジトを発見しました!!」

醜いブタを乗せたヘリコプターが、作戦本部に近づく。

L「ゼロ、これはどういうことだ?このままでは模木捜査員までもが…
黒の騎士団は民間人にもバレるようなシステムしかとっていなかったのか?
それとも…アメリカ合衆国に密告でもされたのでは?」

月(ククク…これで皆氏ねば僕の勝ちだ。ざまあみろ、ゼロ)
ルル(…この薄汚い大人がぁ!!)

188: 2008/04/16(水) 14:16:03.68 ID:kGbfgOw00

出目川「見よ!!この民衆の正義の力!!」

ジェバンニ「アメリカの民衆が、ここまでキラの手下になりさがっているとは…」

ゼロ「それは違うな。ジェバンニ」
ニア「そう…こいつらの半分は馬鹿騒ぎに参加したいだけの馬鹿か、
騒ぎにつられて暴れているだけの馬鹿です」

ルル(しかしまずいな…黒の騎士団が表立って彼らに攻撃するわけにはいかない)
月(そうだ、ゼロ…正義の味方を気取ってる以上、
暴徒達を武力で鎮圧するわけにはいかない…これは全国放送されているのだからな…)

ルル(ギアスの力が敵に知られるのを嫌って、模木を放置しておいた結果がこれか…!!
俺の読みが甘かったのか…いや、俺はゼロだ!!)

ニア「ゼロ、どうしますか?金をばら撒いている隙に逃走するという策がありますが…」

ゼロ「ニア、それには及ばない。私が行こう」

リドナー「まさかゼロ一人で!?」
ジェバンニ「危険です!!」
レスター「代わりに私が!」

ゼロ「優れた指導者は、必ずといっていいほど奇跡を起こした。
   これしきの苦難を乗り切れないようでは、私にキラを倒すことは出来ないだろう」

ニア「では…お任せして、いいんですね?」

ゼロ「ああ…ドアを開け!!私が出る!!」

189: 2008/04/16(水) 14:23:42.97 ID:kGbfgOw00

「おいゼロだ!!」
「ゼロ!?」
「替え玉じゃねぇのか!!」

出目川「この中継をご覧の皆さん!!なんとゼロです、
悪の組織の首領、ゼロが我々の前に姿を現しました!」

ゼロ「お前たち、私を否定するだけの正義は持ち合わせているのか!?」

「うるせぇ!!キラ様に逆らう奴はみんな悪党よ!」

ゼロ「愚かな…その考えこそが、悪を生み出す根源であることに気付かないのか!!」

「だまれ、お前が氏ねば、キラ様が正義の世の中になるんだぁっ!」

出目川「ああっと!勇敢なる我等が先鋒隊が、ゼロに切りかかったぁぁぁ!!」

リドナー「ああっ!!ゼロ!!」

月「なんて早まったことを…(勝った…!!)」

190: 2008/04/16(水) 14:25:18.68 ID:kGbfgOw00
no title

           『争 い を 止 め よ ! !』 

199: 2008/04/16(水) 14:37:08.41 ID:3/GQitzX0
ゼロ『争 い を 止 め よ ! !』

「え?あ、ああ…」

月「な、なんだ!?何が起こっている……」
出目川「……」


ジェバンニ「奇跡だ…ゼロが本当に奇跡を起こした…」

ゼロ「皆、よく聞け!!私を倒したところで、真実を求める声は止みはしない!

キラは、無実な民衆を犯罪に走らせてまで、
自分に逆らうものを、葬り去ろうとしているのだ!

そんな者に従うことはない、それよりも今は『私の声に従うのだ!!』」

出目川「ひ、ひぃぃぃ・・・そ、そんな…こんな、こんな…」


他局レポーター「信じられないことが起こっています!
          ゼロが声を発するたびに、

          群集は武器を捨て、言葉通り暴動を止めていきます!」

「ゼロの言う通りにする…」

「そうだよな…こんなことをしたって…」

他局レポ「群集の丁度真ん中を、ゼロが人の波を断ち切るように通っていきます!

      その姿は、まさにモーゼの『十戒』のようです!!」

「ゼロ…ゼロは神だ…神なんだ…」

「逃げろぉ、奴は普通じゃない!!」 

208: 2008/04/16(水) 14:54:30.63 ID:fqowstNXO

ゼロ「この放送をご覧全世界の皆さん!!
   お分かりになっただろうか?キラの悪辣な策謀を!!

   お分かりになっただろうか?ゼロの正義を!!
   
   そして、キラの卑劣な策略は、ゼロの手によって打ち砕かれた!!

   キラが世界を乱すのであれば、我々は何度でも立ち上がる!!

   キラに組するものよ!!我を怖れよ!

   正義を成すものよ!!我を求めよ!
   我が名はゼロ! キラに対する反逆者である!!」


この日を境に、世界の世論はキラ派とゼロ派に二分されることになる―― 

212: 2008/04/16(水) 15:00:31.01 ID:kGbfgOw00

黒の騎士団 作戦支部

ジェバンニ「ゼロ。ミスター相沢をお連れしました」

ゼロ「ようこそ相沢。私がゼロ、キラに対する反逆者である」

ジェバンニ(気に入っていたのか?あのフレーズ…)

相沢「ゼロ…私がここに来たのは日本捜査本部を裏切るわけではない」
ゼロ「分かっている。Mr模木はこちらで保護してある。
   一緒に帰るのが気まずいようなら、我々で調整するが?」
相沢「いや、もういい。私は、帰ったらここに来たことを仲間に話すつもりだ…」
ゼロ「…いい心がけだ。話を、聞こう」

相沢「実は…デスノートルールの中には嘘だと思われる箇所がある」

ゼロ「ほう?」

相沢「13日ルールは…知っているな?」

ゼロ「『このノートに名前を書き込んだ人間は最も新しく名前を書いた時から
    13 日以内に次の名前を書き込み人を頃し続けなければ自分が氏ぬ。』」

相沢「そうだ。50日以上、Lにキラと疑われて監禁されたものが、二人いる」

ニア「Lがそう判断したなら、もう決まりですよ。
   で、誰なんです?その二人…」

215: 2008/04/16(水) 15:08:26.41 ID:kGbfgOw00

相沢「悪いが…それだけはいえない。私も、日本捜査本部の一員だ」

ゼロ「…そうだろうな。もし、私が君と同じ立場なら同じ事をしただろう…」

C.C(嘘をつけ…)

ゼロ「わかった。相沢。私も無理強いはしない。だが、1つ約束してくれ。
   今後、君が疑っている人物が、不穏な動きを見せたとき…
   それを『私に知らせてくれるな?』」

相沢「……わかった。約束しよう」

ゼロ「協力に感謝する。ミスター相沢」

日本警察 アメリカ支部

相沢「…月君、ゼロに、話してきたよ…」
月「…ええ、構いませんよ。話すように薦めたのは僕なんですから」

月(相沢…どこまで話した?まあいい。
  今さら相沢が話せることなど、ゼロが予測している範囲内でしかない
  それに、今となってはノートはもうミサの手から魅上のところに…
  いくら調べても無駄な事だ……)

220: 2008/04/16(水) 15:20:01.51 ID:kGbfgOw00

月「それで、今後の捜査方針のことですが…
  当面、メロは頬って置いて、日本に潜伏していると思われる
  キラを捕まえる為に一度、日本に帰ったほうがいいと思いますが…」

松田「賛成!!こんなところ、ゼロの仮面ぐらいしかありませんよ、全く」

伊出「ああ、そうだな…それに、失態を犯した出目川に変わり、
新たなキラの代理人として選ばれた高田アナ…
彼女と接触する策も、月君にはあるらしい」

月「はい。彼女とは大学時代、かなり親しくしていた仲なんです。
  僕が会いたいといえば、必ず会ってくれます」

リューク(すっげー自信…)

相沢「うむ・・・そうだろうな。この状況では、日本で捜査したほうがいいだろう」
模木「私もそう思います」
松田「日本に帰れば、夜神次長もまた捜査に参加してくれるかもしれないっすね」

月「では、各々偽装しながら、誰にも気付かれないように日本へ帰りましょう」

相沢(ゼロから逃れる為でもあるのか?いや、考えすぎか…
   いや、しかし月の疑いが晴れていないのも事実…

   そうだ、後でゼロに報告しなくては……)

222: 2008/04/16(水) 15:25:57.57 ID:kGbfgOw00

 日本捜査本部

松田「はーっ、やっぱりここに帰ってくると、落ち着きますねー」
相沢「松田、ゆっくりしている暇はないぞ」

模木「月君、テレビを!ゼロが…」

月(ゼロだと!?くそっまたあいつが僕の邪魔を…!!)


☆全国同時放送生中継☆

ゼロ「全世界の皆さん!!しばらくぶりだな!
   アメリカ合衆国がキラを認めたことを受けて、
   我々はかねてより、新たな黒の騎士団本部を探し続けてきた!
   そして今日、ついに我々の正義を迎え入れてくる国が決定したのだ!!

   その名も…」



  /⌒\人/⌒ヽ
 ノ  \(○)/  ヽ
 Lノ⌒ ( ( ⌒\_」
     く \        先 進 国 日 本 ! !

231: 2008/04/16(水) 15:45:47.77 ID:kGbfgOw00

ゼロ「諸君等も見えているだろうか?
   私は今、東京タワーの展望台からこの放送を中継している。
   この美しい夜景守る為、我々黒の騎士団は、警察と協力して日々尽力することを誓おう!」

アナ「あの、ちょっといいでしょうか?ゼロさん」

ゼロ「なんだろうか?」

アナ「我々が掴んだ情報によりますと、他の、様々な国からも招聘があったようですが、
   何故日本を?」

ゼロ「お答えしよう!!黒の騎士団の度重なる捜査の結果…
    ここ、日本にキラがいることを確信したからだ!!」

アナ「ええ!?それでは、キラを捕まえる日も近いということですか!!」

ゼロ「…私はここに誓おう!!この日本から全ての雪が解けて、川のせせらぎに還る日…
   その日までに!キラを捕まえたことを諸君に報告することを!!」

アナ「それは、つまり!雪解けまでにキラを捕まえるということですか!!」

ゼロ「…まあ、言い換えればそういうことだな」

アナ「皆さんお聞きしましたか、ゼロはキラを春までには捕まえてくれるそうです!!」

「ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!」

アナ「東京タワーの下では、割れんばかりのゼロコールに包まれています!
   以上、東京タワーより、私、シャーリーがお送りいたしました!」

239: 2008/04/16(水) 16:01:15.52 ID:kGbfgOw00

日本捜査本部

月「……」
松田「す、凄い人気っすね…ゼロ…」
伊出「ああ・・・いまやメディアでさえキラとゼロ。
   その二大勢力の真っ二つに分かれているからな」
松田「メロ派ってのはいませんよね…ははは…」

月(くそっ…ゼロを否定してなり上がった男が!!
  早急に高田アナに接近し、魅上とのパイプ役とせねば…)

月「皆さん、我々もうかうかしてられません。
  キラを捕まえるための、捜査を開始しましょう!!」

相沢「…ああ」

黒の騎士団 新作戦本部

ゼロ「レクター、どうだったかな?今日の放送は」
レクター「上出来です、ゼロ。メディアも次第にゼロを支持する声が大きくなっています」
ジェバンニ「世論の上でもキラを攻め、圧倒する…
       我々の戦略がようやく実を結びましたね」
リドナー「ゼロ…おめでとうございます…」
ニア「私も座りっぱなしでモニターを見つめてた甲斐がありましたよ」

ゼロ「皆、よくやってくれた。だがこれからだ…
   いよいよ、キラを白日の下に晒すための作戦に取り掛かる!」

黒の騎士団「我等、ゼロの名の下に!!」

252: 2008/04/16(水) 16:20:00.27 ID:kGbfgOw00


ゼロ「キラは悪だろうか!私がその答えを世界に突きつける日は近い!!」

高田「見て…テレビを。キラを捕まえるって言ってるわよ」
夜神「それは困るな。キラが捕まってしまったら、
   清美…世界よりも、君のことのほうが心配だよ…」
高田「夜神君…」

伊出「いくらキラ捜査の為とはいえ、ここまで観るのはちょっとまずくないか?」
松田「何いってるんですか伊出さん、これからが本番なんですよ」
伊出「うわっお前本番とか…幼い顔してそんなこと言って…」
松田「いやだなあ、伊出さんったら邪推しちゃって。
    そんなんだから大恋愛の1つもできないんですよ」
伊出「なっなんだと俺だってなぁ、故郷のミヨちゃんとだな!!」

相沢「二人とも静かにしてくれ!!」

♪ノートに猛毒 煩悩に恐れ抱く
大嘘の妄想にヨダレが絶え間なく 裁き 犯罪統括…♪

高田「あら、ごめんなさい電話が…」

伊出「おっ、これぞ恋愛の伝統パターン」
松田「伊出さん……」

高田「キラ!?」

月「!?」

257: 2008/04/16(水) 16:25:01.61 ID:kGbfgOw00

相沢「キラだと!」
伊出「まずい、このままでは月君が…」

高田「ええ、ええ…ですから、あの提案は、私個人の意志で…」

月(魅上…悟れているのか?)

キラ「その者と電話を変われ」

高田君「夜神君…」

月「もしもし、電話を変わりました」

魅上「まさか…
    あなたが神か?」

月(よし!)

月(これで魅上とのパイプラインは繋がった…
  後は高田を介して魅上を操り、ゼロの抹頃する策を組み立てるだけ…)

魅上

267: 2008/04/16(水) 16:36:20.94 ID:kGbfgOw00

魅上(か、神だ!やっと神と…)

月(ククク…ゼロ。世界を変えるものはキラだと言う事を思い知るがいい…)

同日同時刻 黒の騎士団 新作戦本部

ゼロ「ニア、キラが殺人ノートを譲渡した相手が割り出せたようだな?」

ニア「はい。私、見るのは得意なんです
   Xキラは魅上…これでほぼ決まりですよ」

ゼロ「ククク…フッフッフ…ハーッハッハッハッハ!!
   倒せる、これでキラを倒すことが出来るぞ!!」

同日同時刻 波止場 第一倉庫

メロ「マット…すまないな。こんなところまで来てもらって」
マット「なぁに…」
メロ「計画通り。明日、高田清美誘拐作戦を実行する」
マット「…わかっている」

メロ「よし、それじゃあ、トラックの調達に向かうぞ、マッ!!」

メロ「マット…何故俺を…!」
マット「すまないな、メロ。俺はお前を気絶させなきゃならない。
    ゼロに頼まれたんだ…」
メロ「ゼ…ゼロ…」

メロの傷だらけの意識は、そのまま闇へと飲まれた

274: 2008/04/16(水) 16:52:59.90 ID:kGbfgOw00

日本捜査本部

松田「あれ?ゼロからの通信っすよ。珍しいっすね」
相沢「お互いにキラ捜査も大詰めという時に…一体何の相談だ!?」

L「なんでしょう?ゼロ」

ゼロ「久しぶりだな、日本警察の諸君!私は遂に、首謀者たるキラを突き止めた!」

相沢「!!」

ゼロ「それで、だ。キラ確保のため、是非君たち日本警察の協力を仰ぎたい」

L「…私たちは何をすればいいのでしょうか?」

ゼロ「まず…御見せしたいものがある、
   それをじっくりと見ていただいてから、決めていただこう!
   キラ確保に、参加するか、どうか…その真意を!!」

L「…皆さん異存ありませんね?」
松田「ゼロがキラを捕まえれるモンなら、見せてもらいましょうよ」
模木「私はそれで構いません」
伊出「いいだろう。我々にも見届ける義務があるはずだ」
相沢「・・・ああ」

277: 2008/04/16(水) 17:02:08.80 ID:kGbfgOw00



ゼロ「では…協議した内容を確認する。
   日時は三日後の午後一時。場所はYB倉庫。
   今より双方の捜査員を倉庫に派遣し、互いに監視カメラをつけさせて
   倉庫に仕掛けが施さないか監視する」

L「ゼロ、Lを含む互いの主要メンバーとこちらの
 捜査本部に保管してある殺人ノートの持ち出すこと」

ゼロ「…それでよろしいか?L…」

L「…いいでしょう、ゼロ」

ゼロ「では三日後に…」
L「お会いいたしましょう」

ゼロ「そこで…」
L「――全ての決着を」

二人は、ほぼ同時に通信を終えた

280: 2008/04/16(水) 17:15:53.26 ID:kGbfgOw00

日本捜査本部

月(ゼロ、僕の勝ちだ…お前がどう動くかは…はなから読めていた…
  所詮お前は液晶画面で叫ぶだけの男…
  
  お前に世界を率いる資格はない!
  邪魔者は全て消し、僕は新世界の神になる!
  消してやるよ、ゼロ…かつてLにそうしたように、お前もな…)

月が妄想にふけっていると、捜査本部のドアがゆっくりと開いた

相沢「次長!」

総一郎「相沢、もう次長とは呼ばないでくれ…私は警察を辞めた身だ…
     月、話しがあるんだが、ちょっと、いいか?」

月「・・・ああ、いいよ、父さん」

総一郎「なあ、月…」
月「なんだい?父さん」
総一郎「お前は、キラとゼロ。どっちが正義だと思う」

月「……正直なところ、わからないな。
  どちらも間違っているようにも見えるし、どちらにも理があるようにも見える」

総一郎「……そうか」

283: 2008/04/16(水) 17:28:52.43 ID:kGbfgOw00

総一郎「月、私は、お前がLにキラだと疑われたとき
     本当はな、ほんのすこしだけ、お前を疑ったんだ」
月「……」
総一郎「だが、お前が自ら監禁を望んだとき、
     私は、少しでもお前を疑った自分の身を恥じた…」

総一郎「自分の息子を疑う父親に、父親の資格があるだろうか?
     そう思って自分を責めもした…」

月「…僕はキラじゃないよ、父さん」

総一郎「ああ、分かっているさ…」  


黒の騎士団 ニューゼロの部屋

C.C「どうした?浮かない顔をして」

ルル「……」

C.C「友達を捕まえるのは、気が引けるか?」

ルル「…逆だよ、C.C」

C.C「そうか、ならいい」

ルル「来いよ、夜神月…
   なにせ俺たちは、『友達』だからな」 

370: 2008/04/16(水) 20:05:33.18 ID:kGbfgOw00
予想以上に長くなってしまったので、もうちょっと待ってください

387: 2008/04/16(水) 20:23:39.69 ID:kGbfgOw00
決着の日 YB倉庫

黒の騎士団主要メンバー
ゼロ、ニア、レスター、リドナー、ジェバンニ

日本捜査本部主要メンバー
夜神月、相沢、模木、伊出、松田

ニア「…こうして、一同に会するというのもはじめてですね…」

松田「おい、ニア!なんでゼロは仮面を取らないんだ!?
   約束と違うじゃないか!!」

ニア「松田さん、せっかちな人だ…
   その理由をこれから説明しようとしているんですよ」
松田「なっ、なんだと!!」
相沢「松田!抑えろ!」

ニア「ミスター相沢、ありがとうございます。
   …もうすぐノートを持った、
   いやキラから預けられたもう一人のキラが来ます。
   そして、彼が我々の名前をノートに書き込んだとき、全てが判明するでしょう」

伊出「ちょっと待ってくれ!そのノートというのは殺人ノートだろ!?
   名前を書き込まれたら、我々が氏んでしまうじゃないか!」

ニア「いえ、氏にません。ノートに細工をしておきました。
   偽のページのへ差し替えです。
   ですから、Xキラが書くのはただの紙くず…
   氏の効果なんてものはありません」

388: 2008/04/16(水) 20:24:56.57 ID:kGbfgOw00
月(ニア…
     思い通り!

          思い通り!

     思 い 通 り !)

月(お前の策ははじめから読めていた…
 今まで、魅上に持たせていたノートは偽者だ!
 日本に来てからのお前たちのやり口は、Lの模倣…
 つまり、ニアの作戦だとすぐわかった。
 Lのことは僕が一番知っている…Lの後継者を気取るニアの策など…
 ゼロ、お前の失敗は、馬鹿なタレント業にかまけて、策の整備を怠ったことだ…
 最後の最後で、醜態を晒してくれた…味気ない結末で本当に残念だよ、ゼロ…)


 まあいい…お前のせいで 皆が氏ぬ
 そして僕の キラの完全なる勝利)

月「ゼロ、もういいでしょう…仮面を外してください」
ゼロ「ああ、いいだろう…」

メロ「俺 が ゼ ロ だ ! ! 」

390: 2008/04/16(水) 20:26:24.30 ID:kGbfgOw00

松田「メロだろ!お前は!!」
伊出「どういうことだ、ニア!!約束と違うじゃないか!」

ニア「そうですか?おかしいですね…ミスター模木が、
   確かにゼロだと確認したはずでは?」

模木「…ええ、確かに、彼がゼロです」

月(馬鹿な!?模木が裏切るはずが…しかし、こんな幼稚な方法で…
 やはり…これは…)

ギ…ギギギ…

魅上(神!)
月(馬鹿!魅上、今は書くな!)


魅上「削除、削除、削除、削除、削除、さぁっくじょぉ!」

魅上「あっ…はぁ~…」

391: 2008/04/16(水) 20:27:22.93 ID:kGbfgOw00
月(…まあいい。
 ゼロの性格からして、必ずこの近くに来ているはず…
 策はまだある…この倉庫で、ゼロをしとめそこなうことは絶対にない!)

月「・・・外にいるもの、皆の名前を書きましたか?」
魅上「(かぁみぃ~)はい、書きました」

ニア「…おかしいですね、何故貴方の問いかけに素直に答えるんですか?」
伊出「おかしいのはそこにいるメロのほうだろ…」

月「さあ?正直者…それともこちらの策が見破られて…」
松田「えっ、じゃやばいっすよ僕たち…」


月「外にいるもの。一人目の名前を書いてから何秒ですか?」
魅上「松田桃太、25、26、27…」
松田「えっ僕!?」

月(ともかくここにいるこいつらが氏ねば、ゼロは手足を失うことになる…
 そうすれば世論を巻き返すのは時間の問題…
 しかもまだこの倉庫には僕の策が仕掛けられている…
 
 だ、だめだ…笑うな…こらえるんだ…さぁんじゅごびょぉう、
 三十五秒で勝ちを宣言しよう…)

魅上「33、34、35…」

月(37、38…)

393: 2008/04/16(水) 20:28:49.21 ID:kGbfgOw00
月「ニア、僕の勝」

ゼロ「 4 0 ! ! 」

突然、倉庫奥のガレージが開くと、ゼロが姿を現した!

月「……」
松田「……」
伊出「……」
相沢「……」
魅上「……」

松田「氏、氏なない…」
伊出「40秒立ったのに…」

魅上「何故…何故氏なない…」

月(馬鹿な…こんなはずは…いや…しかし)

ニア「レスター、ジェバンニ、魅上を!」

魅上「か、神……」

魅上照の腕に、手錠がはめられる。

ニア「ゼロ、このノートを見れば、夜神月の名前だけありませんね」
ゼロ「ほう、本当だな…これは一体どういうことだろうか?」
メロ「決まっている…夜神月。こいつが、キラということさ…」

ゼロ「弁明があるなら聞こう!夜神月!!」

394: 2008/04/16(水) 20:29:33.99 ID:kGbfgOw00
            わ、罠だこれは罠だ!!
                  ,. -─- .、, -─- .、    |
 __... --- 、     /~,不:::く`ヽ;::、:::`丶    `ヽ   l
´         ヽ  /  ハ:l::;;ヾ:ヽニヽ:ヽ::、ヾヽ    \ l
            | ./   ,':::i:トヾヽ::ヽ:トヾ、ヽヽヾ`ヽ    ヽl
            |/   l::i::|l::卞ムヽ:;ヾY.ェYl::ト::ヽ
               |::l::ト;:::Kさ'く:::f ,`  リヽヾ',
                ';:';ヾトヽu `r'- 、  u|::ト`、
                ヾヽヘu  |';二::!  入',
                 `トk   ヽ、zソ ./::| ヾ
           ___._,r、   Y:j` ‐ 、 ー´/ トj
         /`ヽ_j'、_ノ ̄l!'´ヾ- 、_`_¨   」、
          ∧ ,ノ  Yヽ  l  ヽ     7ヽ~ヘヽ.、
       /-'´「 ヽ ヽj_. l   ト、  /〃ハ  | ヽ `ヾ 、_
      r'´, イ ヽ、 `,__,ィ、__)| l  ヾヽ∧'〃ノ゙ヽl  ヽ  ヽj`ヽ
      / '´  ト、  Yrイ  ∧l ',  ヽ  Tヘ',   l _..ノ   l j ',
      ,′   .}、二ィ } /   l ヽ   ', |、、ヘ. | \  / }. ヘ
      i     トz'_ノ,イ    |   ',.  ', l、ヽヘ |   |     j/ l
     |   ノ \¨7/     l  ト、  ヾ 、ヽ ',.l   lー- //  |
     ゝ─'-- -r-`'      l  ',.ヽ ヽ ヽヽ!  | ̄  /j  

396: 2008/04/16(水) 20:31:15.07 ID:kGbfgOw00
夜神月「ゼロが僕を陥れる為に仕組んだ罠だ!!
    大体こんな正体も明かさない奴の言うことが信じられるか!?
    それが罠だという証拠!!」

相沢「月君…君はさっき、『ニア、僕の勝ちだ』と言い掛けた…
   あれは自供したも同じだ」

夜神月「き…聞き間違いだ…そんなっそんなものは!!」

相沢「もう遅いんだ…残念だよ、月君…
   私は次長になんてお伝えすればいいのか…」

松田「月君…なんで…」

模木「…逮捕する」

月「やっやめろ!」

月「はーっ、はーっ、はーっ…」

ニア「実際、私も途中までは騙されていましたよ。
   あなたの偽ノート作戦に…」

月(馬鹿な…こんな…こんなはずは…)

ニア「ゼロです。ゼロのおかげで、私たちは勝つことが出来ました
   ここまで言えば貴方なら分かるでしょう?」

399: 2008/04/16(水) 20:34:21.73 ID:kGbfgOw00

月(ゼロ…ゼロだと!?まさか!?)

ニア「そうです。貴方は騙されていたんですよ…
   最初から、ゼロの策略にね。
   ゼロが積極的にテレビに出た、その発言一つ一つが既に陽動…
   多忙であることを演出してキラ捜査の指揮は私が執っていると
   思い込ませた…
   作戦というものには必ず策士独自の色が出るもの…
   ゼロはその名の通り、自らの色を「無」にし、貴方を迎え撃ったのです!」

ゼロ「そして今我々は、あのLでも敵わなかったキラに…
   確固たる証拠を突きつけている!!
   夜神月…いや、キラ!!
   ゼロの正義に答えられるものならば、答えてみるがいい!!」





夜神月「ふっうふふふふ、ふははは、あははははははは
    ふひゃははは、はぁーはっはっはっはーっはっはっはー!!」






夜神月「そうだ、僕がキラだ」

403: 2008/04/16(水) 20:35:48.10 ID:kGbfgOw00

夜神月「そして、新世界の神だ」


夜神月「今の世界は腐っている…
    何故だが分かるか?
    そう、ゼロ…お前が現れたからだ
    お前が現れる前の世界…
    キラが法であり僕が秩序を守っていた…」

夜神月「頃すか?本当にそれでいいのか?
    お前たちは…キラよりゼロのほうが
    より良い世界を作り上げていけると思っているのか?
    
    無駄だ。その男…ゼロに世界は変えられない」

夜神月「奴は自分の名声欲しさに、
    世界の防衛を、ショーに作り変えた男だ!
    虚言で人々をたぶらかし、正義を行うと称して真の悪をのさばらせた
    その男こそ、この場で裁かれるべき大罪人だ!!」

夜神月「僕がノートを手にしたとき…いやその前から…
    世の中は腐りきり、落ちるところまで落ちていた…
    突き詰めればこの世に害のあるものか、ないものか…
    人の全てはこの分類に尽きる」

夜神月「奴は…ゼロはこの事実から逃げ、ただひたすら己の名声のみに執着した
    僕は違う!!僕はノートを私利私欲に使ったことなど一度もない!!
    そういう悪党こそ世の中の敵なんだ!!」

404: 2008/04/16(水) 20:37:36.35 ID:kGbfgOw00

夜神月「そうさ…僕にしか出来ない……新世界を創造し、
     人々を幸福に導けるのは…僕しかいない…

   今、お前たちの目の前にいるのはキラだが、新世界の神だ!!」





ゼロ「フッ…くだらんな」

夜神月「!!」

ゼロ「お前はその殺人ノートの力に頼り、溺れ、
   飲み込まれたちっぽけな人間、ただそれだけの存在だ…
   
   間違っているのは世界じゃない、お前のほうだ!!」

ニア「つまるところ。ここにいるものたちが何を正しいと考え、
   何を正義と考えるか…」



月(…言っても分からぬ馬鹿ばかり…)

406: 2008/04/16(水) 20:38:40.85 ID:kGbfgOw00
月(だが…時間は稼げた…20、19、18、17、16…)

松田「な…何だったんだ…今までの僕たちは…君の、お父さんまで欺いて…」

月「どうした?松田…拳銃なんかこっちに向けて?
  キラである僕を撃つのか?お前だけはわかっていたはずだ…
  キラが正義、キラが必要!
  さあ、思い出したろう?分かったなら撃て!!ゼロを!黒の騎士団を!!」

松田「ぐ…」
相沢「松田!よせ、撃つな。どちらも、だ!!」

月(3、2、1、…0!!)

魅上「うっうぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

レスター「魅上!!」

『魅上 照 自殺
2009年1月28日 午後2時50分
持っていたペンで胸を突き刺し、氏亡』

月「ははははははははははは!!血飛沫のシャワーだ!」

月(保険として、目くらましになるような
派手な始末方法を指定しておいてよかったよ…
魅上、お前は本当に役に立つ奴だった…)

ジェバンニ「しまった!キラが倉庫の外へ!!」
レスター「追え、追うんだ!!」

409: 2008/04/16(水) 20:39:37.61 ID:kGbfgOw00


横浜 倉庫外

倉庫外に止めてある真っ赤な車に駆け寄る月。

高田「夜神君!」
月「清美、作戦は失敗だ。だが、まだだ…策はもうある…わかってるな?」
高田「ええ…」

レスター「夜神月!!車で逃走しようとしても無駄な事だ!」

夜神月「自分たちの立場を理解していないようだな!レスター指揮官!!」

レスター「何だと!?」

月「僕は、倉庫でお前たちの名前を見た!
  これがどういうことかわかるか?お前たちなど何時でも殺せるということだ!」

月「そして、相沢が持っている日本捜査本部のノートは偽者…
  本物は、この清美が持っているノートだ!!」

相沢「!」

月「試してみるか?お互いの名前を書いて…
  もっとも、氏ぬのはそっちだろうが…」

412: 2008/04/16(水) 20:41:49.21 ID:kGbfgOw00

レスター「…要求は何だ!?」

月「ゼロだ!ゼロをつれて来い…僕たちはそこの倉庫で待っている…
  突き詰めれば、この戦い…ゼロとキラの一騎討ち…
  最後は二人で決着をつけるというのが、妥当だとは思わないか!」

ゼロ「いいだろう!キラとゼロ…
   どちらが世界の秩序たるに相応しいか、決着をつける!夜神月!!」


最後の倉庫

月「ゼロ…」
ゼロ「キラ…」

月「まずは…その仮面を取って貰おうか」

ゼロ「…」

月「お前は!?」

ルル「どうした?氏人にでも会ったような顔をして、フフフ…」

月「ルルーシュ…」

418: 2008/04/16(水) 20:44:19.34 ID:kGbfgOw00

ルル「そう、俺がゼロ!世界を破壊し、創造する男だ!!」

月「貴様に、新世界の神になる資格はない…」

ルル「ならばどうする?俺の名前をノートに書いてみるか?
   殺せなかった俺の名を!!」

月「ククク…奢るなよ、ルルーシュ…」

月「清美、氏神の目でこいつの名前を!!」

ルル「なっ何!!貴様その女に目の取引を!?」

月「お前のそれ…目を見た相手を服従させる力か?
アメリカの本拠地を襲撃した時にお前が使った奇跡を見て、
その能力は理解した…」

月「この暗い倉庫の中、清美が何処にいるかわからなけば、目を見ることは出来ない!
  対する、目の取引をした清美の視力は2.0…貴様の名前を見ることも容易…
  

  同じ目を使った能力でも、基本スペックで遥かに劣るお前に勝ち目はない!!
  氏ね、ルルーシュ!!」


ルル「やめろ!書くなッ!!やめてくれぇぇぇぇ!!

   
   ナ、ナナリー……」

425: 2008/04/16(水) 20:48:15.48 ID:kGbfgOw00

月「…清美?もう名前は書き終わったか?」

「ああ」

月「あっ、はははははは!!さよなら、ルルーシュ!中々楽しめたよ…」

ルル「………フッ…それはどうかな?」

バンッ、バンッ

月「うげっうがあッ!!」

銃弾が新世界の神様の体を撃ち抜く。



月「うぐっ…ううう…ぶぁかやろぉぉぉ、清美、誰を撃っている!?
  ふざけるなぁぁぁぁ!!」


月(まさか…清美が裏切って…いや、そんなはずは…
なら奴の能力!?いや、清美にそんなことをする暇など…)

428: 2008/04/16(水) 20:50:45.68 ID:kGbfgOw00
C.C「あいにくだな。私はそんな野暮な名前じゃない」

月「おっお前は…そんな…お前は氏んだはすだ!!」

月(そうだ…、
YB倉庫付近をうろついていたお前の名前を清美が書いて頃したはず…)


C.C「残念ながら、私も氏神と同じで不氏身なんだ」

月「うっぐ…魅上ー!!魅上はどうした!?
  書け、お前の仕事だろう、殺せ!!」

ルル「お前が派手に頃したろう?そのノートで…」

月「はぁーっ、はぁーっ、ミサ――!!ミサはどうしたぁ!!
  書け、殺せ!!」

C.C「おいおい、自分の捨てた女にまですがるとは…」

月「高田、高田、高田はどうした!?」

ルル「よくは見えないが、そこに転がってるんだろう?氏体として…」

月「氏んだ!?誰か、誰か…誰か…こいつらを…殺せ……」

ルル「お前の敗因を1つ、教えてやろう。いい『共犯者』に恵まれなかったことだ」

430: 2008/04/16(水) 20:52:22.06 ID:kGbfgOw00

リューク「ククク…」

月「そうだ…リューク!書け、あいつらの名前をお前のノート書くんだ」

リューク「…」

月「どうした何故黙っている!?書け、頃すんだ、ゼロを!
  ルルーシュを!!」

リューク「みっともないぞ月、いやお前らしくもない」

ルル「どうやらその氏神も、今となっては俺のほうに興味があるらしい…」

月「ルルーシュ…くっ、くっ来るなぁ!!くるなぁ!」

433: 2008/04/16(水) 20:53:47.19 ID:kGbfgOw00
ルル「お前が言っていた能力…
    王の、ギアスの力…お前にも与えてやろう」

月「どっ、どうするつもりだ…はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ、」

ルル「家畜としての奴隷の人生、それとも、このまま永遠の闇に葬るか…
   さて、どうしようかな?」

C.C「フフフ…」

月「寄るなッ!?はぁーっ、や、やめろっ!!いやだ…」

ルル「どうしてだ?『友達』だろう?俺たちは…
   

   ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!!」

月「やめろぉぉぉぉぉぉッ!!」

ルル「お前は――――」




CODE NOTE 迷い子のルルーシュ R2 
                         END

444: 2008/04/16(水) 20:58:29.69 ID:RqptqC0uO

448: 2008/04/16(水) 21:00:36.40 ID:eG5WUK5J0
乙、楽しかったよ

450: 2008/04/16(水) 21:01:37.51 ID:WxT8Peqd0
乙ーおもしろかったぜ

でもこれ結局ルルは迷子のままwww

引用: ルルーシュがデスノ世界に迷い込んだようです