悟空「おいヤムチャ、この葉書なんだ？」

ヤムチャ「あぁ、エスポワールってギャンブル船のことか」

悟空「ギャンブル船？」

ヤムチャ「そうだ。何でも勝てば一晩で何千万と稼げるそうだが負ければ一生日の目を拝めずに労働させられるらしい」

悟空「なんだぁ、ヤムチャこれに乗ればいいじゃねぇか！」

ヤムチャ「バカ言え、もう俺はギャンブルには懲りたんだよ」

悟空「そうかぁ。なぁヤムチャ、これもらっていってもいいか？」

ヤムチャ「構わんが・・・お前、乗るつもりか？」

悟空「おう！金稼がねぇとチチに叱られっからな！」

ヤムチャ「お前の頭じゃ到底無理だ、やめとけ」

悟空「そんなのやってみなきゃわかんねぇだろ。明日の22時出発だな！じゃあなー」

ｼｭﾝｯ

ヤムチャ「マジかよあいつ・・・」

―○○埠頭―

悟空「ほー、これがエスポワールかー」

黒服「身分証明書を」

悟空「保険証でいいか？」

黒服「確認しました。孫悟空様ですね。どうぞ」




悟空「おー、いっぺぇ人がいるもんだなぁ。この人数でギャンブルすんのかー」

悟空「お、なんか前にオッサンが出てきたぞ」

悟空「何だこの封筒は？ジャンケン？え？なんかオラ眠くなってきたぞ・・・zzZ」

悟空「zzZ」

利根川「FUCK　YOU！ぶち頃すぞゴミめら！」

悟空「ﾋﾞｸｯ!　ん？ん？」




悟空「結局なんもわかんねぇまま話が終わっちまったぞ・・・。なぁ、あんた、結局これなにすんだ？」

カイジ「は？何って聞いてなかったのか！？」

悟空「すまねぇ、寝ちまって」

カイジ（バカな・・・命がかかる大勝負がこれから始まるというのに・・・まさか、ブラフ！？
　　　　　油断させるために、俺を狩るために種を蒔いてるのか・・・。いや、それにしては・・・）

悟空「なー、頼むよー。この通り！」

カイジ（なんだこいつのこの顔は・・・何も考えてない、そんな顔してるぞ・・・。まぁいいか）

カイジ「オッサンも封筒もらったろ？その封筒の中身出してみろ」

悟空「お、おう。なんだこれ？ジャンケンのカード？」

カイジ「そうだ。今からこれらのカードを使ってジャンケンをして星を取り合うんだ。
　　　　　星がすべてなくなったら別室行き。カードを使いきって星を3つ以上集めれば開放だ」

悟空「なんだ、えれぇ簡単だな！ようはジャンケンして勝てばいいんだろ？昔っからオラ運には自信あんだ！」

カイジ「運・・・ね。それだけで勝てれば苦労しねぇよ・・・」

船井「ほう・・・あの筋肉男、脳まで筋肉なんやないか？」

船井「あいつに決定やな・・・」




船井「あんさん！ちょっと話しさしてくれへんか？」

悟空「おう、なんだ？」

船井「あんな、このゲーム、必勝法があんねん」

悟空「本当か！？どうすんだ？」

船井「全部あいこにするんや。そうすれば星3つのまま船を出れんねん。どうや？」

悟空「どうや？ってそれじゃあ儲からねぇだろ」

船井「なっ、借金がチャラになるんだぞ！？」

悟空「オラ借金なんてねぇしなー」

船井（なん・・・だと・・・）

船井（こいつ・・・まさかリピーター？だとしたらうなづける、今までの態度・・・。
　　　　何も知らないフリをして初心者を狩ろうってわけか・・・）

船井「いや、すまんかった。あんさんも同業者やったとはな。まぁお互い頑張ろうや」

悟空「同業者？何言ってんだ？まぁいいか」



悟空「話してても仕方ねぇし、いっちょやってみっか！おーい勝負しねぇか！？」

男「・・・わかった」

悟空「まずはどれ出そっかなー・・・。これにすっか！」

男「・・・決まった」

悟空・男「チェック！」

悟空・男「セット！」

悟空・男「オープン！」

悟空　グー　　男　パー

男「やったーーー！！」

悟空「あちゃー、やっちまったぞ！」

ﾍﾞﾘﾍﾞﾘ

悟空「これで星はあと二つかー・・・どうにか勝てる方法はねぇかなぁ・・・」

悟空「そうだ！みんなにはワリィがこうすりゃぜってぇ勝てるじゃねぇか！」


―――――――――――


悟空「おい、さっきのオッサン！ちょっと勝負してくれねぇか？」

船井「あんたか。なんで俺らがやりあわんとあかんのや」

悟空「なんでって、相手は誰でもいいんだろ？」

船井（コイツさっきから・・・ホンマになんも知らんのやないか？）

悟空「オッサンいっぱい稼いでるんだしいいじゃねぇかよー」

船井（うーん、まぁいい、様子見や。今後こいつとやりあった時の策も考えんとあかんしな）

船井「しゃぁないなぁ。1回だけやで」

悟空「サンキュー！」

船井（なんにしよか・・・偏るのもよろしくない、これにしよか）

悟空（オラはさっきグー出しから・・・これだな）

船井・悟空「チェック！」

船井（ん？なんや一瞬・・・気のせいか）

船井・悟空「セット！」

船井・悟空「オープン！」

悟空　グー　　　船井　チョキ

悟空「やったぞー！」

船井「な、なんやちょっと待て！お前何をした！？」

悟空「え？何かしたように見えたか？」

船井「だって、俺の出したカードはグーやぞ！開いたらﾁｮｷになってたんや！おかしいやろ！」

悟空「そんなこと言われたってなぁ・・・黒服のおっちゃん、オラなんかしたか？」

黒服「・・・」

船井「なにもみてなかったんかこのボンクラ！」

黒服「見ていたが・・・全く不正はなかった。お前が出すカードを間違えたんじゃないのか？」

船井「アホか！間違えるか！」

黒服「さぁ、星の移動を行うんだ」

船井「グググ・・・絶対に見抜いてやるからな！」

ﾍﾞﾘｯ　ﾎﾟｲｯ

悟空「へへへ・・・これで2つか」

カイジ「あ、あんた本当に何したんだ・・・？」

悟空「あぁ、さっきオラにルールを教えてくれた・・・」

カイジ「カイジ、伊藤開示だ」

悟空「カイジか。オラは孫悟空って言うんだ」

カイジ「孫さん、か。で、何をしたんださっき。あんたチェックの時チョキを持ってたじゃないか」

悟空「あちゃー、見られてたか。まぁカイジは親切だし教えてやるよ！」

悟空「まぁ、簡単なことだ！カードをすり替えただけだ！」

カイジ「・・・はぁ？」

悟空「セットの時に置いてあるカードを入れ替えたんだ」

カイジ「いや、そんなことしたらすぐにバレるだろ・・・」

悟空「うーん、そうだ、ちょっとこっち見ててくれ！」

カイジ「？」

ﾋｭﾝｯ!

悟空「ジャーン！」

カイジ「ジャーンって、あぁ！？星が増えた！？」

悟空「へっへっへ！」

カイジ「てことは・・・俺の星が！？」

悟空「ほれ、返すよ」

ﾎﾟｲﾎﾟｲｯ

カイジ「な、なんで一瞬のうちに・・・？」

悟空「見えねぇくれぇ速くやればバレねぇだろ！な、これ、内緒だぞ！」

カイジ（なるほど、チェックの際に相手の札を一瞬で後ろに回り込んで確認し、
　　　　　自分の札が負けていればセットの時に一瞬ですり替える・・・考えたな・・・）

カイジ「いや、考えてもできねぇよ！！」

悟空「？まぁオラは行くぞ。カイジもガンバレよ！」

カイジ「あ、あぁ・・・」（バケモンだ。しかし・・・いつまで持つか・・・）



悟空、引き分けを２回挟んで６連勝。残りカード、チョキ２枚


男１「おい、あいつどうやってるかしらねぇがもう８回負けてねぇらしいぞ・・・」

男２「なんでもいつの間にか持ってる札がすり替わってることがあるらしい・・・」

男３「あんなヤツとは勝負しない方がいいな・・・」

悟空「なんだよあと２枚なのに誰も勝負してくんなくなっちまったぞ・・・」

ﾊﾅｾｸｿｯﾀﾚｰ!　ﾊﾅｾｰ!!

悟空「なんだ？聞き覚えのある声だな・・・」

？？「このサイヤ人の王子を裸にするとはいい度胸だ！」

悟空「まさかベジータ！？」

ベジータ「ご、悟空！？」

悟空「おめぇまさか・・・負けたのか！？」

ベジータ「・・・フンッ！少ししくじっただけだ！」

悟空「かーっ！おめぇアホなんだな！」

ベジータ「う、うるさい！」

黒服「さっさとこい！」

ベジータ「ちょ、ちょっとまって・・・ｸｿｯﾀﾚｰ!!」

ﾊﾞﾀﾝ

悟空「あいつもブルマに叱られたんかな。まぁいいや、あいつなら自分でなんとかするだろ」

悟空「それよりもあと２枚、どうすっかだな・・・」

船井（あいつの勝負ずっと見とったが・・・数戦チェックとオープンでカードがすりかわっとった・・・）

船井（ほんであいつの持っとるカードはあとチョキ２枚）

船井（どうやっとるかわわからんがもうイカサマなんかさせへん。目にもの見せてくれるで）

船井「あんさん！景気がよろしいな！」

悟空「おー、あん時のおっちゃん！」

船井「どうも様子を見るに、誰もあんさんの勝負に乗ってくれへんのやなぁ」

悟空「そうなんだよー参っちまうなー」

船井（それだけ派手に稼げば誰も寄り付かなくなるに決まっとるやないか）

船井「そりゃ困ってはりますな。カードが処理出来なければすべてパーやさかい」

船井「そこでや、ワシなら勝負に乗ってもかまいまへんで」

悟空「本当か！？そりゃ助かる！」

船井「ただし条件がある」

悟空「ん？なんだ？」

船井「一勝負星２つ、チェックの時に黒服に確認してもらうことや。これが飲めんのならワシは勝負には乗らんで」

船井（ｸｸｸ･･･時間はあと僅か。コイツは警戒されて誰とも勝負をしてもらえない・・・
　　　　コイツはもうこの話に乗るしかあらへんのや）

船井（もうワシにイカサマがバレとるのは向こうも気づいとるやろ。しかし一勝負星２つであれば
　　　　２連敗してもこいつの星は残り４つ・・・。負けても十分生き残れる・・・。）

船井（コイツもバカなりに気づくやろ。それしか生き残る道がないことを・・・。）

悟空「うーん・・・」

船井（悩んどるヒマはないやろ、さっさとせい！）

悟空「じゃあ、やめとく！」

船井「なにー！？」

船井「お前そのまま星をパーにするつもりか！？」

悟空「星で思いついたんだよ。誰かに一枚につき星一つでカード押し付けりゃいいんじゃねぇかって」

船井（その手があったかー！！）

船井「し、しかしそんなことルールとして・・・」

悟空「まぁダメならダメって言われるだろ。おーい！誰かこのカード一枚につき星ひとつで買わねぇか？」

男１「え・・・？」

男２「カード１枚を星１つで・・・？」

男２「・・・買う！俺は買うぞ！」

いや俺が！俺が！俺だ！

船井「ま、またんかい！落ち着け！」

船井「俺はこいつの勝負を見とった！他に見とったやつもおるはずや！」

船井「気づいたやろ！こいつと勝負すると、カードがすりかわっとることがあんのや！」

船井「もしかしたら売ったカードに細工をしてるかもしれへん！」

船井「そんなカードで負けたらどうする？」

男１「しかし、負けても星の損失は１つだから実質プラマイゼロ・・・」

船井「アホウ！最後切羽詰ったとき、おまえらはどんな勝負を挑む！？」

船井「捨て身や！星ひとつの勝負で満足するんか？一勝負で星２つ、３つの勝負をするかもしれへん！」

船井「そんなときに細工されたカードで負けてみぃ！大損やで！」

男２「た、確かに・・・」

船井「そんなカード、買わん方がええ！」

そうだよな・・・　あんなよくわからんやつの・・・　やめとくか・・・

悟空「お、お前・・・」

船井「どうや、これでもうお前のカードは星で処分できへん。あんたはこの勝負に乗るしかないんや」

悟空「く、くっ・・・。わかった、のりゃいいんだろ？別に負けると決まったわけじゃねぇしな」

船井「フッ、そうや・・・それが懸命や・・・」（バカめ、お前のカードは俺にはわかっとるんや！）

悟空「まずはこっちから・・・」

船井（こっちも何もお前のカードはどっちもチョキやろ・・・下手な芝居打っても意味あらへん）

船井「じゃあワシはこれや。黒服！ちゃんと見とけや！」

悟空・船井「チェック！」

悟空・船井「セット！」

悟空・船井「オープン！」

悟空　チョキ　　船井　グー

悟空「くっ・・・ほれ、星だ」

ﾎﾟｲｯﾎﾟｲｯ

船井「まいど」

悟空「次の勝負だ・・・」

船井「あんさん、もしワシが次の勝負受けんといったらどうなると思う？」

悟空「まさか・・・裏切る気じゃ！？」

船井「裏切る？あんさんはワシにそんなことを言える立場じゃないことわかってへんなぁ」

悟空「っ・・・。どうしたら受けてくれるんだ？」

船井「そうやなぁ、次の勝負は負けた方が星全部を渡すんや。」

悟空「なっ・・・？」

船井「負けたら、の話や。あんさんもワシに勝てば大金が得られるんや。
　　　　悪い話やあらへんやろ？」

悟空「・・・わかった。乗ってやるよ！」

船井（バカめ・・・）

悟空・船井「チェック！」

船井「黒服はん、ちゃんと確認しとくれよ」

悟空・船井「セット！」

悟空・船井「オープン！」

悟空　パー　　船井　グー

悟空「うひょー！やったやった！」

船井「な、なんやて！？黒服はん！ちゃんと見とったんか！？」

黒服「見ていたが、チェックの時もこの男の札はパーだった」

船井「そんな！こいつの手札は２枚ともチョキやったはず・・・！」

悟空「ごちゃごちゃうるせぇなぁおめぇ。さっさと星渡せよ」

船井「誰が渡すか！イカサマだ！認めんわこんなもん！」

黒服ｓ「・・・」

船井「はなせ！はなせー！」

悟空、星計１５個

カイジ（しかし、どういうことだ・・・？俺も孫さんの勝負はずっと見ててカードもチョキ２つと知ってたが・・・）

カイジ（なぜパーを・・・？）

悟空「おう、カイジ！お前はどんなかんじなんだ？」

カイジ「いや、３人で星５つ・・・」

悟空「そうかぁ、じゃあおめぇには世話んなったし、これやるよ！」

カイジ「ほ、星４つ！？」

悟空「おう！そんなにいらねぇしな！」

カイジ「世話って言ったって、ルール教えたくらいしか・・・あっ！？」

悟空「じゃあな！」

カイジ「世話になったって、そういうことか・・・」

カイジ「俺の手札のグーがいつの間にかチョキになってやがる・・・」

カイジ（つくづく化物だなあの人は・・・）



――――――――――――



悟空「チチ！金持ってきたぞ！」

チチ「悟空さか！？どこからそんなもの持ってきただ！？」

悟空「ジャンケンに勝ってもらったんだ」

チチ「ほー、いまどきそんな良い人がいるもんなんだなぁ・・・」

悟空「今夜はたらふく食うぞー！」




そのころ地下帝国では・・・

ｸｿｯﾀﾚｰ　ｻｲﾔｼﾞﾝﾉｵｳｼﾞｦｺｹﾆｼｵｯﾃｰ　ﾌｧｲﾅﾙﾌﾗｰｯｼｭ　ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

あの地下帝国の完成より先に地球がなくなりそうなんですが

帝愛終わったな

よし、次は鉄骨渡りだ