7: 2008/11/13(木) 13:42:42.31 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「どうだ?美味いだろ、トランクス」

トランクス「うえぇ……パパァ、何かぐちゃぐちゃしてて、糸引くし……気持ち悪いよぉ」ブチッ、グチャグチャ

ベジータ「我慢しろ、そのうちそれが病み付きになるんだ」

サイバイマン「ケェー!」

トランクス「うぅ、緑の汁が……生臭いぃ……まだ生きてるよぉ」グチャクチャ

ベジータ「それが良いんじゃないか、踊り食いというヤツだ」

トランクス「うぅ……」グチャグチャ

サイバイマン「ケェー!」ジタバタ


8: 2008/11/13(木) 13:52:23.59 ID:Qnr3gAm9O

ブルマ「あれ、どうしたのこんな時間に二人して……って!?あんたトランクスになんてもの食わせてんのよ!!」

ベジータ「ん?……ブルマか、あいにくだがお前には食わせてやれんな、戦闘力が足りん」

ブルマ「いらないわよ!」

ベジータ「そうか?まぁ泣き虫ラディツの野郎も氏ぬまで食えなかったからな、賢明だ」

ブルマ「トランクス、やめなさい!早く吐き出して!!」

トランクス「うぅ……だって、食べないとパパが小遣い減らすって」グチャバギッ

サイバイマン「ケェー!」ジタバタ

ブルマ「って、コレまだ生きてんじゃないっ!!?」

ベジータ「当たり前だ」


10: 2008/11/13(木) 14:01:13.84 ID:Qnr3gAm9O
ベジータ「生きてる時が一番上手いんだろうが……これだから女は」

ブルマ「んな事知らないわよ!」

トランクス「あうぅ……白のが目に入ったようぅ」グチグヂャ

サイバイマン「ケェー!」

ベジータ「あー、トランクス。頭は食うな」

ベジータ「溶解粘液が詰まってるから、文字通り舌が溶けちまうぞ」

トランクス「分かったよ、パパ」

ブルマ「ちょっとトランクス、本当にやめなさい!小遣いなら私があげるから!」

ベジータ「ブルマ、貴様邪魔する気か!?コレはサイヤ人の上級戦士ならば誰もが通る道だぞ!!」


14: 2008/11/13(木) 14:08:20.80 ID:Qnr3gAm9O
ブルマ「あんたたちサイヤ人の風習なんてクソくらえよ!」

ベジータ「なんだとぉ!クソッタレェエエエエエエ!!」

トランクス「あ、でもママ。これ臭いに慣れると結構美味しいよ」グチグヂャモキャ

トランクス「塩の効いた枝豆みたいで」モッキュモキュキュッ

サイバイマン「ケェ-……」ピクビク

ブルマ「トランクス――――!!」


21: 2008/11/13(木) 14:18:54.55 ID:Qnr3gAm9O
ベジータ「ふんっ、さすがは俺の息子だ。やはりサイヤ人だな」

ベジータ「というか、ブルマが過剰に反応しすぎた。ただメシを食ってるだけだろうが」

ベジータ「そんなに生で食べるのが気に触るのか?」

ブルマ「違うでしょ、問題はソコじゃないっ!コレ生きてるじゃない!てか、人型じゃないっ!!」

ベジータ「食えて旨けりゃ問題ないだろう」

ブルマ「問題あるわよ!」







トランクス「……これ、確かに病み付きになるかも」バキッグシャグシャ

サイバイマン「――」


22: 2008/11/13(木) 14:31:17.15 ID:Qnr3gAm9O
ブルマ「やっぱり、アンタたちサイヤ人は頭おかしいわよ!」

ベジータ「なんだと!サイバイマンは旨いんだぞ!!お前ら地球人だって食べたら病み付きになるんだぞ!!!」

トランクス「……」モキュモキュ

ブルマ「ありえないわよ!」

ベジータ「いや、ありえる!ブームがくる!!」

トランクス「……」モキュモキュ

ブルマ「じゃぁやってみなさいよ!……ま、あんたみたいな戦闘馬鹿じゃどうしようも無いでしょうけどね」

ベジータ「!!!?」

ベジータ「クソッタレェエエエエエエ!!」

――ベジータはそう叫び、トーニングルームを破壊しつつ飛び去って行った。








トランクス「……あ、頭だけになっちゃった」モキュモキュ、ゴクッ


27: 2008/11/13(木) 14:47:30.49 ID:Qnr3gAm9O

――パオズ山、上空。

ベジータ「クソッタレ、ブルマの奴め。絶対にサイバイマンを流行らせてやる」

ベジータ「とりあえず、まずは同じサイヤ人のカカロット辺りに広めるのが良いだろう……ん?アレは、カカロットか」

川の辺りに悟空を見つけ、ベジータは降りて行った。


28: 2008/11/13(木) 14:57:51.06 ID:Qnr3gAm9O
――パオズ山、川。

悟空「んー、チチにデケェ魚捕まえて来いって言われてんだけど……」

悟空「オラ、もう尻尾付いてねぇからなぁ……面倒臭ぇなぁ」

そんな愚痴を漏らしていた悟空は、ふと背後に気を感じた。

悟空「誰だ!?」

ベジータ「久しぶりだな、カカロット」

それは、良く知っているMハゲ王子だった。
悟空「ベジータじゃねぇか!久しぶりだなぁ」

ベジータ「カカロット、お前食材に困ってるのか?」

悟空「おぉ、そうなんだよ。チチが夕飯取って来いって言うんだけど、魚取るの面倒でなぁ」

ベジータ「……ニタリ」


29: 2008/11/13(木) 15:10:08.27 ID:Qnr3gAm9O
ベジータ「それなら、良いのがあるぞ。カカロット」

悟空「本当か?」

ベジータ「あぁ、これだ」

そう言って、ベジータは懐から豆の入った袋を取り出した。

悟空「仙豆か?確かに腹いっぺぇにはなるけど、チチにはウケが悪いぞ」

ベジータ「違う、ちょっと待ってろ」

そう言うと、ベジータは悟空からちょっと離れて座り込み、足元の土をいじる仕草をする。

ベジータ「良い土だ。コレは良いサイバイマンが育つぜ」

言いながら、ベジータは袋から豆を一粒取り出し地面に埋めた。
そのまま、いつの間にか取り出していた容器から埋めた場所に不思議な色をした液体を注ぐ。

そのベジータの姿に、悟空は強烈な既視感を覚えた。

悟空「おい、ベジータ……それ、もしかして」

ベジータ「……クククッ」


33: 2008/11/13(木) 15:26:29.71 ID:Qnr3gAm9O

――モコ、、

急に、土が盛り上がる。

――モコモコモコッッ!

サイバイマン「ケェー!」

盛り上がった土からサイバイマンが飛び出した。

悟空「!!?」

とっさに悟空は身構える。

サイバイマン「ケェー!」

今、まさにサイバイマンが悟空に襲いかかろうとした瞬間。

ベジータ「ふんっ」

ムンズッっと、ベジータがサイバイマンの首根っこを掴んだ。

ベジータ「さぁ、食え!カカロット!!」

悟空「……」


37: 2008/11/13(木) 15:38:46.01 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「どうした!?食え!カカロット!!」

悟空「……え?食えって、コレをか?」

ジタバタと、ベジータの手の中でもがいているサイバイマンを、悟空は恐る恐る指さす。

ベジータ「そうだ!!」

自信満々に、ベジータは言い返す。
悟空は、久しぶりに他人の事で頭が痛くなった。

ベジータ「さぁカカロット、お前もサイヤ人だろう食え!旨いぞぉ!!」

そう言って、ベジータが突きだすその生き物は、
緑の二足歩行で人型で、時折割れた頭から白粘液を巻き散らし、『ケェー!』と鳴きながら元気に暴れている。

流石の悟空にも、食い物には見えなかった。

悟空「オラ、地球人だから……」

ベジータ「なんだと!カカロット、貴様サイヤ人の誇りを失ったのか!?クソッタレェエエエエエエエエエエエエ!!!」


40: 2008/11/13(木) 15:48:44.77 ID:Qnr3gAm9O
ベジータ「恐竜とか、プテラノドンは大丈夫なくせに、サイバイマンは駄目なのか!?」

ベジータ「サイヤ人のクセに、好き嫌いするな!!」

悟空「いや、だってよベジータこれ……何か目赤いし、気持ち悪いし、汁出してるし……どことなくピッコロに似てなくもないし、緑だから」

悟空「さすがにオラにはキチィよ」

ベジータ「パワーだけならラディツと同格なんだぞ――――!!」

悟空「……」


44: 2008/11/13(木) 16:01:57.51 ID:Qnr3gAm9O
ベジータ(ちぃっ、まさか同じサイヤ人のカカロットに、ここまで嫌がられるとはッッ!!)

ベジータ(どうする!?このままじゃブルマの思う壺だッ!!どうするんだッッ!!?)

その時、ベジータの頭に閃光の様な閃きが走った。

ベジータ(そうか!そういう事だったのか!!地球人ってヤツは妙な事を気にする奴らだからな、カカロットも染まっていたか……)

ふっ、と。ベジータは悟空に差し出していたサイバイマンを引き戻した。

ベジータ「分かったよ、カカロット。良く考えればお前は下級戦士だったな、いきなり食えと言っても難しい話か」

悟空「そ、そうそう。オラ、下級戦士だからさ……へ、へへへ」

ベジータ「仕方あるまい」

悟空「話分かるじゃねぇかベジータ、そうそう仕方な………なっ!!!?」



50: 2008/11/13(木) 16:19:10.50 ID:Qnr3gAm9O

――ブチッ、ブチチチチッッ!!……ゴロン。

ベジータ「ほら、これで良いんだろう?」

生々しい音と共に、ベジータが掴んでいたサイバイマンの首が千切れ落ちた。

いや、ベジータがもぎ取ったのだ。
まるで、カニの足を引き千切るかのように。

ベジータ「まったく、貴様も地球人も訳の分からない事を気にするな。生きていようが氏んでいようが、結局食うなら大した変わりなんかないぜ」

水道菅が破裂したかの様な大量の粘液性液体が、千切れた首から吹き出して、ベジータの首から下を緑色に染め上げていく。

いや、ベジータの顔も、結構な緑色だ。

ベジータ「息の根を止めてやったぜ、安心して食え」

そう言ってベジータはちょっと恥ずかし気に、未だ緑の液体を噴き上げ出し続けるサイバイマンだった物を悟空に差し出す。

サイバイマン(氏体)「――」ピクビク

痙攣を続けるその体に、頭は無い。

唯一食えず危険な部位である頭部をもぎ取ったのは、ベジータなりの優しさであった。


54: 2008/11/13(木) 16:31:17.95 ID:Qnr3gAm9O
悟空「……」

ベジータ「どうしたカカロット?遠慮する事はない、このサイヤ人の王子が貴様に食い物を恵んでやると言っているんだ」

言っているベジータの戦闘服も全身タイツも、既に緑色だ。

サイバイマンは未だに緑の液体を吐き出している。

ベジータ「さぁ遠慮するな、上の方からガブっといけ!!」

サイバイマン「――」ビュルビュル、ピクビクッ

言いながら、ベジータはズイッと悟空の方にサイバイマンを突き出す。

今にも口に無理矢理詰め込まれそうだった。

悟空「わ……った」

ベジータ「ん?」


59: 2008/11/13(木) 16:47:34.60 ID:Qnr3gAm9O
悟空「わ、悪かったベジータ!オラ頭悪りぃから何を怒ってるのか分かんねぇけど、とにかくオラが悪かった。オラが全面的に悪かった!!」

悟空「あ、アレだよな、オラ最近ちぃーっと強くなったてたからって調子に乗ってたよな!いや、やっぱサイヤ人の王子には敵わねぇや!!お、オメェがNo.1だッッ!!!!」

悟空「だ、だからもう許してくれ、勘弁してくれ!!」

そう言って、悟空は何やら土下座し始めた。

ベジータ「…………」

ベジータはしばらく何が起こったやら訳が分からず唖然としていたが、そう時間も掛らずに拒絶されているという事に気が付いた。

ベジータ(チクショウ!なっ、何故だ!?というか、サイバイマンを拒絶されたのみならず、俺自身の事を馬鹿にされた様な気がするッッ!!)

ベジータ(クソッタレェエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッ!!!!)

ベジータ「――え、」

悟空「え?」







ベジータ「食えぇェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッ!!!!」


66: 2008/11/13(木) 17:02:08.15 ID:Qnr3gAm9O

悟空「――!!?」

ベジータは一声叫ぶやいなや、悟空の口にサイバイマンを千切れた断面から押し込んだ。

ベジータ「食え!食うんだカカロットォオオオオオッッ!!」グリグリグリッ

悟空「モ、ガッァアアアアッッ!」

口に詰めた先から、溢れ出す緑の体液。

悟空「ブグッ、モガッ――!、モガガガガガッッ!!」
(訳:クッッセぇ―――!気持ち悪いぃぃ、ベジータ辞めてくれぇぇ!!)

ベジータ「フハハハハハッッ、どーだカカロットォ!?旨いだろう?旨いだろうがぁああああああ!!?」グリグリグリ

悟空「モッガァアアアアア!!」
(訳:クッセェ――――――!!)

叫びながら、ベジータはどんどん悟空の口の中にサイバイマンを詰め込んでいく。

そのあまりの力に、もはやサイバイマンは原型を保っていなかった。

ベジータ「食えぇエエエエエエエエエエエエ!!」


72: 2008/11/13(木) 17:09:13.76 ID:Qnr3gAm9O

悟空「オぇ、グエッ」

ベジータ「お残しは許さんぞ――ッッ!!」ビシッ、ドガッ

いつの間にかベジータはスーパーサイヤ人になっており、もう押し込むというよりは全力で殴りつけていた。

ベジータ「うぅおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオ、ファイルフラッ――シュッッ!!」








――光が、弾けた。


78: 2008/11/13(木) 17:29:25.24 ID:Qnr3gAm9O
………………………
…………………
……………
………



ベジータ「……流石にやり過ぎたか」

あまりにヒートアップしてしまった為か、ベジータは我を忘れてファイルフラッシュを片手を放ってしまい、辺りの地形が変わっていた。

確か河原だった気がするが、今は更地になっていた。

悟空「……」ブクブク

足元に、悟空が泡を吹いて倒れている。

ベジータ「……スマン」

聞こえていないだろが、ベジータは一応謝っておく。
ちょっと恥ずかし気だった。


79: 2008/11/13(木) 17:32:01.84 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「ま、片手では大したダメージも無いだろう。問題無い……むっ!?」

そこでベジータはある事に気付く。

そう言えば、食材も吹き飛ばしてしまったのでは無いだろうか。

ベジータ「……」

悟空「……」ブクブク

悟空を見ると、口から出る泡に緑の物が混じっていた。
どうも、悟空の中に入っていたから大丈夫だったらしい。

ベジータ「よし、確かに食わせたからな。病み付きになれよ」

そう言い残し、ベジータはいそいそとその場を立ち去った。


83: 2008/11/13(木) 17:42:32.45 ID:Qnr3gAm9O

――数時間後。

悟空「ん、んん……イッテェ―!アゴが痛てぇッッ!」

ベジータが立ち去った後、悟空が目を覚ました。

悟空「それに口が臭せぇ……あれ?何があったんだかなぁ~」

動かない頭を動かして、悟空が何があったのか思い出す。

悟空(ベジータが来て……そう!ベジータだッ!!アイツが何か訳が分かんねぇモンを食わせようとして、押し込まれて、光が弾けてッッ!!)

悟空「ファイルフラッシュはねぇだろ、ベジータの奴……アテテッ」

いくら悟空と言えど、スーパーサイヤ人でも無い状態で顔面にファイルフラッシュはキツかった。
片手じゃなきゃ瀕氏だったろう。

悟空「イテェよ、川もなくなっちまったし、魚取れねぇ、チチに何て言やぁ……ん?」



87: 2008/11/13(木) 17:52:10.64 ID:Qnr3gAm9O
ふと、良い臭いがした。

見ると、足元に焦げたサイバイマンの片足が転がっている。
消し飛ばなかったらしい。

悟空「……」グーッ

悟空の、腹が鳴った。

悟空「そういや、随分飯食ってねぇな……でも、帰ってもチチ作ってくんねぇだろうなぁ」

もう一度、サイバイマンの焦げた片足を見る。

悟空「……」

生きてた時の気持ちの悪い様子とは違って、良い臭いを漂わせている。

悟空「まぁ……なんだ。ちょっと、ちょっと味見するだけだ」

そう自分に言い訳して、悟空はそれにてを伸ばした。

悟空「ムシャ……モキュモキュ…………うめぇッ!」





――血は争え無かった。


94: 2008/11/13(木) 18:10:24.10 ID:Qnr3gAm9O

――空、雲の上辺り。

適当に飛び回りながら、ベジータは次に何処に行こうか悩んでいた。

ベジータ「カカロットに教えたは良いものの、アイツ田舎者だからな。ブームなど起こせまい」

ベジータ「大体、地球でブームを起こすならば、地球人に教えねばならん」

そんな風に呟きながら飛んでいると、近くに懐かしい気を感じた。

ベジータ「!?コレはッッ!」


100: 2008/11/13(木) 18:22:21.01 ID:Qnr3gAm9O

未来トランクス「父さん!!」

ベジータ「トランクス!?」

それは、未来に帰った筈のトランクスであった。

いつも見ている筈のトランクスの、未来の姿。
だが、その姿は、どうしようもなく懐かしい。

ベジータ「トランクスお前、未来に帰ったんじゃ……」

未来トランクス「えぇ……そうなんですけど、最近やっと未来の復興事業も終りに近付いて、セルも倒しまして……それで、皆さんにご報告しようかと思って戻ってきたんです」

ベジータ「そうか……だが、ここは家とは真逆の方向だぞ」

未来トランクス「はは……それが、予想以上に僕が大きくなってまして、流石にもう会うのは不味いかと思って帰ろうとしてたんです」

そう言って、トランクスは恥ずかしそうに頭をかいた。


104: 2008/11/13(木) 18:31:54.41 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「……そうか」

未来トランクス「でも、父さんにも会えたし……来て良かったです。それじゃ」

そう言って、トランクスは飛び去ろうとする。

ベジータ「待て!」

それを、ベジータが呼び止めた。

ベジータ「コイツを持って行け」

そう言って、ベジータは例の豆の袋をトランクスに投げた。

未来トランクス「これは……」

ベジータ「土産だ。庭にでも撒いて、ブルマとでも一緒に食え……旨いぞ」

未来ト?

107: 2008/11/13(木) 18:37:00.31 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「……そうか」

未来トランクス「でも、父さんにも会えたし……来て良かったです。それじゃ」

そう言って、トランクスは飛び去ろうとする。

ベジータ「待て!」

それを、ベジータが呼び止めた。

ベジータ「コイツを持って行け」

そう言って、ベジータは例の豆の袋をトランクスに投げた。

未来トランクス「これは……」

ベジータ「土産だ。庭にでも撒いて、ブルマとでも一緒に食え……旨いぞ」

未来トランクス「と、父さん」

トランクスの顔が、パァっと明るくなった。


120: 2008/11/13(木) 19:23:37.58 ID:Qnr3gAm9O
ナッパ「良い事を教えてやるよ。サイバイマンはなぁ、部位によって味が変わるんだ」

ナッパ「指は枝豆、足は手羽先って具合いにな、酒に合うんだぜぇ」

ナッパ「何が言いたいって?……再開だよ」


126: 2008/11/13(木) 19:30:54.33 ID:Qnr3gAm9O

未来トランクス「あ、ありがとう父さん」

ベジータ「ふんっ、礼はいらん……元気でな」

未来トランクス「う、うん!父さんもお元気で」

そう言って、未来トランクスは去って行った。

ベジータ「ふ、トランクスもデカくなって……俺も少しは父親になったらしい」

そんな風に自分を邪揄して、ベジータはその場を立ち去った。

しかし、その顔は何処か満足気であった。


131: 2008/11/13(木) 19:43:48.38 ID:Qnr3gAm9O
………………………
…………………
……………
………



未来トランクス「っていう事があったんだよ、母さん!」


未来ブルマ「へぇ……あのベジータがねぇ、変われば変わるものねぇ」

ここは未来のトランクス達の自宅である。
復興しつつある町並みの中心に、その家はあった。

それもその筈で、トランクスとブルマが中心になってこの町は復興して来たのである。

未来トランクス「やっぱり父さんは良い人なんだよ。恥ずかしがり屋だから、母さんがよく言うようなワガママな面もあったのかもしれないけどさ」

未来ブルマ「そうねぇ、アタシも歳とってきたから、愚痴っぽくなっちゃってたのかもね」

未来トランクス「やだなぁ、まだまだ母さんは若いじゃないか」

未来ブルマ「おやおや、おだてたって何も出ないよ」

未来のトランクス「知ってるよ。これから作って行くんだから」

そう言って、二人は笑いあった。


134: 2008/11/13(木) 19:54:57.50 ID:Qnr3gAm9O
未来トランクス「そうそう、コレだよ。父さんから貰ったの」

そう言って、トランクスは袋から豆を取り出してブルマに見せてみる。
その時、ブルマの顔が僅かに歪んだ。

未来トランクス「母さん?どうかした?」

未来ブルマ「いえ…コレ何処かで……仙豆……なわけないし……あれ……何か、ベジータが、自慢してたような」

未来トランクス「あははは、きっと母さんが好きだった植物とかじゃないかなぁ?母さんに食べさせたがってるみたいだったし、父さん素直じゃないから」

未来ブルマ「???」

町の人「おーい、トランクス君帰って来たんだってー?」

未来トランクス「はーい!母さん、ちょっと行ってくるよ」

未来ブルマ「あ、うん」

そう言って、トランクスは袋を持ったまま町へと出ていく。
ブルマは何故か、嫌な予感してしかたがなかった。


141: 2008/11/13(木) 20:08:47.42 ID:Qnr3gAm9O
町の人「おかえり、トランクス君。それで、例の奴は持ってきてくれた?」

未来トランクス「あ!?」

トランクスは過去に行く前に頼まれていた用事をすっかり忘れてしまっていた。

未来トランクス「すみません、忘れていました」

町の人「あー…ま、仕方ないよ。勝手に頼んだ事だしね」

町の人「でもどうしようか、畑に植える作物が無いんだよねぇ」

そう言って、町人は腕を組んだ。
今、町の食料は蓄えの分を使っている。
自給自足する為には、作物が欲しい所だった。

未来トランクス「……」

トランクスは、手元のベジータからの袋をみやる。

未来トランクス(良いよね?きっと、父さんも許してくれるよ)

未来トランクス「あの、コレ良かったら使ってください」

町の人「え?良いのかい?」

未来トランクス「えぇ!」

町の人「ありがとう!大事に育てさせて貰うよ!!」

149: 2008/11/13(木) 20:18:33.65 ID:Qnr3gAm9O
………………………
…………………
……………
………



――それから、一晩の後。



151: 2008/11/13(木) 20:20:01.30 ID:Qnr3gAm9O



――町は、崩壊していた。



156: 2008/11/13(木) 20:25:08.25 ID:Qnr3gAm9O

復興しつつあった町は、また元の瓦礫の山に戻っていた。

あちこちで、火の手が上がり悲鳴も聞こえる。

未来トランクス「ど、どうして……」

その時、聞き覚えのある悲鳴が聞こえた。

未来トランクス「この声は!?母さんッッ!!」


160: 2008/11/13(木) 20:34:30.75 ID:Qnr3gAm9O
サイバイマン「ケェー!」

緑の色をした化物が、母さんに襲いかかろうとしていた。

トランクス「ッッ!?ハァッ―――!」

とっさにエネルギー弾を飛ばし――

サイバイマン「ギギッ!!?」

――緑の化物を吹き飛ばした。

トランクス「か、母さん大丈夫!?僕が隣町の見回りに行ってる間に何があったの!?あの緑の化物は何!?」

ブルマ「……」

トランクス「母さん!?」

ブルマ「……思い出したわ」

ポツリ、とブルマは呟く。

トランクス「え?」

ブルマ「思い出したのよ!ベジータが寄越したあの種が何だったのか!?アレは、種よ。サイバイマン!さっきの化物の種なのよッッ!!」


164: 2008/11/13(木) 20:42:32.91 ID:Qnr3gAm9O
ブルマ「ベジータの奴、あんなの寄越して……せっかく復興した町が…うぅ」

ブルマは泣き出した。
その姿に、トランクスは驚く。

トランクスにとって、どんな窮地でも常に笑っていた母さんが……始めて見せた涙だった。

トランクス「ち、違うよ……」

ブルマ「え?」

トランクス「と、父さんじゃないよ……ほら、父さんおっちょこちょいだから……きっと、間違えて……」

ブルマ「……トランクス」

トランクス「ぼ、僕確かめてくる!」


175: 2008/11/13(木) 20:52:49.05 ID:0IpxpXV40
トランクスは、自宅裏に置いてあったタイムマシンへ向かう。

トランクス(父さん!違うよね?父さん!!)

が、


トランクス「!!?」

サイバイマン「ケェー!」

サイバイマン「ギキィーッッ!」


サイバイマン「ケケケケッ!」

三匹のサイバイマンによって、タイムマシンは破壊されていた。



189: 2008/11/13(木) 21:04:25.36 ID:Qnr3gAm9O
怒りに、我を忘れそうになった。
いや、忘れていたのかもしれない。

気が付くと、トランクスはスーパーサイヤ人になっていた。

サイバイマン「ギキッ!」

気を解放した衝撃で、トランクスのそばにいたサイバイマンの一匹が消しとんだ。

トランクス「貴様ら……許さんぞ」

サイバイマン×2「「ケェッ!?」」

サイバイマンはそれに驚いたのか、二匹同時にタイムマシンから飛びのき、一匹はそばで蹲っていた少女を盾にとった。

サイバイマン「ケケケケッ」

笑ってやがる……そう、トランクスは思った。

トランクス「畜生のクセしやがって、無駄な所で頭が働くようだな…屑が」

トランクスはペッと唾を吐き捨てる。

残りの一匹がトランクスに襲い掛ってきた。
両手にエネルギー弾。


197: 2008/11/13(木) 21:13:11.14 ID:Qnr3gAm9O


だが、ソレはブラフ。
本命は頭から放たれる溶解粘液である。

サイバイマン「ケケケケッ!」

が、

――グシャッ!

その頭が開かれるより、トランクスがその頭を握り潰す方が早かった。

サイバイマン「ケェーッッ!」

それに狙いすましていたかの様に、もう一匹のサイバイマンからエネルギー波が飛ぶ。


――音が、飛んだ。



201: 2008/11/13(木) 21:21:05.32 ID:Qnr3gAm9O

サイバイマン「ケケケケッ!」

サイバイマンが、高笑いするかの様に鳴く。
その鳴き声が響くのと……

トランクス「……」グシャッ

トランクスがそのサイバイマンの頭を踏み潰すのはほぼ同時だった。

少女「うっ、うぅ……トランクスお兄ちゃん」

トランクス「大丈夫かい?」

少女「お父さんもお母さんも居なくなっちゃったよ……コレから、これからどうすればいいの」

そう言って、少女は泣いた。


207: 2008/11/13(木) 21:32:23.21 ID:Qnr3gAm9O
トランクス「……」

トランクスは、それに答える事が出来なかった。

ただ、少女を優しく抱きしめる。

トランクス(…父さん)

去り際の、父の言葉をトランクスは思い出す。

『土産だ。庭にでも撒いて、ブルマとでも一緒に食え……旨いぞ』

トランクス「……」

少女「お兄ちゃん」

トランクス「――え」

少女「え?」


211: 2008/11/13(木) 21:42:24.89 ID:Qnr3gAm9O

トランクス「食え」

そう言って、トランクスはサイバイマンの残骸を拾い上げる。

少女「お、お兄ちゃん……どうしたの?」

トランクスは、真剣な眼差しで少女を見、言う。

トランクス「食料庫もやられている。おそらく、もう食料はない……食うんだ」

少女にサイバイマンの残骸を渡し、また新たに残骸を拾い上げる。

トランクス「食って……生き残るんだ」

そう言って、トランクスは残骸にかぶりついた。

トランクス(父さん……コレが故意なのか事故なのか分からない)

トランクス(でも、あんたがコレを食えと言うなら……僕は食うよ)

泣きながら、少女もトランクスに続いて食べ始める。

少女「う、うぅ……」

その姿に、トランクスは笑みを漏らした。


221: 2008/11/13(木) 21:54:26.20 ID:Qnr3gAm9O

トランクス(あぁチクショウ、確かに……確かに旨いよ父さん)

それは、父の言うとおり確かに旨いと言っても良いものだった。

しかし、食べなくて済むのなら、トランクスは決してそれを食べる事は無いだろう。

泣きたかった。
しかし、泣く事なくトランクスはそれを噛みしめる。

トランクス(父さんから貰った種は小粒だった……それが袋一杯)

トランクス(全部サイバイマンになったとして……数は百は超えるな)

トランクス(それが、色々な場所に散らばった)

――父さん、あんた言うのなら――

トランクスは、壊れたタイムマシンを一瞬見て、空を見上げる。

――僕は、全部、ボクハゼンブクッテヤル。




トランクスは、遠く離れた未来の地で、新たな決意を胸に抱くのであった。


225: 2008/11/13(木) 21:57:13.86 ID:Qnr3gAm9O



――その後、トランクスが過去に行く事は無かった。



233: 2008/11/13(木) 22:07:09.59 ID:Qnr3gAm9O

――現在、空、雲の上辺り。






ベジータ「ヘェークシッ!!…………ふん、トランクスだな。俺の土産に、舌鼓を打ってるって所だな」

ベジータ「ケッ、流石に250粒は奮発し過ぎたぜ」

そう言いながらも、ベジータは何処か嬉しそうに笑っている。

ベジータ「俺も甘くなったもんだ」

そうして、ベジータは何かを思い出したのか、

ベジータ「……ニタリ」

と笑った。


242: 2008/11/13(木) 22:17:47.09 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「さて、まだストックはあるが……そう多くはない」

ベジータ「さて……どうするか」

ベジータは悩む。

トランクスの事で大分満足したのか、段々帰ってもいいかな、とも思い始めていた。

ベジータ「よし、決めた」

ベジータ「>>245」


245: 2008/11/13(木) 22:19:29.75 ID:0shveqVe0
突然安価www
庭でサイバイマンを栽培して増やす

255: 2008/11/13(木) 22:29:30.29 ID:Qnr3gAm9O

ベジータ「よーし、ブームを起こすならまずはサンプルを大量に作らないとな」

ベジータ「ブルマの庭でサイバイマンを栽培するか」

ベジータはそう呟くと、家に向かって飛んでいった。


263: 2008/11/13(木) 22:40:13.85 ID:Qnr3gAm9O
――ブルマの家、自宅。

トランクス「あ、パパ帰って来た。パパァーッ!」

家に帰ると、トランクスが走り寄って来た。

ベジータ「おぉ、トランクスか」

トランクス「パパァ、また僕サイバイマン食べたい」

ベジータ「さっき大量にやっただろうが」

トランクス「え?」

トランクスは、キョトンとした顔をする。

その顔は、さっきまで話していたトランクスと比べて大分幼かった。

ベジータ「あ……違ったか、いや、何でもない。今から作ってやるから、一瞬に来い」

トランクス「ワーイ!」

トランクスがトコトコと駆けてくる。
何故かそれが、未来のトランクスの姿とダブった。

ベジータ「ふっ……子供とは、幾つであっても可愛いものだな」

そう呟いた後、『らしくないな』と付け加えて、ベジータは笑った。


267: 2008/11/13(木) 22:52:52.16 ID:Qnr3gAm9O

『さいばいマソかんさつ日き』サク:とらんくす

きょうから、ぱぱとさいばいマソをそだてます。
あいじょういっぱい、そだてます。
ぱぱがセツメイしてくれました。
さいばいマソは、タネからうまれます。
おやゆびでテキトーにあなをほります。
それに、さいばいマソのタネをいれて、みずをかけます。
パパがいいます。ふつうはふつうのおみずはつかわないけれど、い

268: 2008/11/13(木) 22:54:02.61 ID:Qnr3gAm9O

『さいばいマソかんさつ日き』サク:とらんくす

きょうから、ぱぱとさいばいマソをそだてます。
あいじょういっぱい、そだてます。
ぱぱがセツメイしてくれました。
さいばいマソは、タネからうまれます。
おやゆびでテキトーにあなをほります。
それに、さいばいマソのタネをいれて、みずをかけます。
パパがいいます。ふつうはふつうのおみずはつかわないけれど、いいさいばいマソをそだてる時(かけた!)はふつうのおみずで、時かんをかけてそだてます。
ふつうがいっぱいでよくわかりませんが、パパがやるのでだいじょうぶでした。


276: 2008/11/13(木) 23:13:51.49 ID:Qnr3gAm9O

『さいばいマソかんさつ日き』サク:とらんくす

二日め、きょうはようすをかんさつしながら、おみずをかけました。
さいばいマソのメがでてきて、ぼくはきゃっきゃとじゃんぷじゃんぷ。
ママがきました。
パパとけんかします。
…………………
……………
………


ベジータ「ふんふん、よく育てよ~♪」

ブルマ「…ベジータ?何を育ててるの?まさか…又あのばけ」

ベジータ「マ、マンドラゴラだ!トランクスに惚れ薬を作ってやろうと思ってな…」

ブルマ「……もう何も言わないけど、家だけは壊さないでよ」


………
……………
…………………

でも、ほんとはなかよしです。
ぼくもパパはすきです。
さいばいマソはおいしいです。たのしみです。

278: 2008/11/13(木) 23:20:38.73 ID:Qnr3gAm9O

『さいばいマソかんさつ日き』サク:とらんくす

パパが、あしたにはできるといいます。
さいばいマソは、もう土からあたまをだしていて、とてもげんきにそだっています。
パパが、しんしゅでうまくそだっているから、せんとうりょくもやむくちゃくらいはあるかもなとわらいます。
ほんと?ときくと、じょうだんだ、といわれました。
うそでした。
でも、じょうだんはわらううそです。
ぼくもパパもわらいました。


281: 2008/11/13(木) 23:33:19.22 ID:Qnr3gAm9O

『さいばいマソかんさつ日き』サク:とらんくす

さいばいマソができました。うれしいです。
ぼくがずっとせわをしていたせいか、ぼくのいうことをよくききます。
とてもかわいいやつです。たべたくありません。
やむちゃさんが、あそびにきていました。
ぼくはお父さんのじょうだんをおもいだしたので、さいばいマソとやむちゃさんをたたかわせました。
さすがに、やむちゃさんのほうがつよいです。でも、ぼくのサイバイマソはゆうしゅうなので、すきをついてじばくしました。
さいばいマソはバラバラになり、やむちゃさんはうごかなくなりました。ドローです。
ぼくはなきました。おかあさんもなきました。
きっとさいばいマソがいなくなって、さひしいんでしょう。
ぼくはなきながら、さいばいマソをたべました。やむちゃさんはたべませんでした。
やむちゃさんはきらいです。


290: 2008/11/13(木) 23:43:47.11 ID:Qnr3gAm9O

ナッパ「サイバイマンごときに殺されるとは、どれだけ下等なんだ地球人は?」モキュモキュ

ナッパ「あー、焼酎とサイバイマン美味ぇ……」モキュモキュ

ナッパ「あ?あぁ、サイバイマン氏んで丁度良いし、日を跨ぎそうだからトリップ付けるぜ」

ナッパ「……モッキュ、モキュ」


298: 2008/11/13(木) 23:57:38.59 ID:Qnr3gAm9O

ブルマ「ちょっとぉ、ヤムチャ氏んじゃったわよぉおおお!どーすんのよ!!ちょっと、トランクス、それ食べるのやめなさいッッ!!」

ベジータ「落ち着け」

ブルマ「家も壊れるしぃいいいい!!」

ブルマがトランクスをはたきながらも混乱している。
無理もない。

かくいうベジータも、かなり混乱していた。

ベジータ(ペットと戯れてる感覚でほおっておいたが……サイバイマンなんぞに殺されるヤツがあるがクソッタレメェエエエエエエ!!)

トランクス「うぅ……サイバイマン……おいしいよぉ、うぅ」モキュモキュ

ブルマ「トランクス!食べないの!泣かないの!泣きながら食べないのッッ!」バシッバシバシッ

ベジータ「ブルマ……その辺にしておけ、トランクスだって辛いんだ」

ブルマ「辛いからって食べるのはおかしいでしょうが!!?」

ベジータ「……」

知らん。


302: 2008/11/14(金) 00:09:49.88 ID:8idYe4gLO

ブルマ「出てって」

ベジータ「む?」

ブルマ「とりあえずトランクスも連れて出てって!ゆっくりしたいの!一人になりたいの!!」

ベジータ「しかし……」

ブルマ「いーからッッ!」

ベジータ「分かった分かった。行くぞトランクス」

トランクス「うぅ…おいしいようぅ」

トランクスは、まだサイバイマンの残骸を食べている。
ベジータは特にソレを気にする様子もなく、トランクスのみぞおちに一杯入れた。

トランクス「フグッ…」ガクッ

ベジータ「じゃぁな、しばらく出るぞ」

ブルマ「……」

ベジータ「まぁ、そう気にするな」

ブルマ「うるさいっ!」

ベジータは余計な一言を残し、その場を後にした。

308: 2008/11/14(金) 00:25:28.04 ID:8idYe4gLO

ナッパ「ん?また俺か……ふん、軟弱な奴だ」

ナッパ「どうも、眠くなったらしい。けったくそ悪い奴だぜ、酒を飲みすぎたんだろう」

ナッパ「言い分としては、明日朝早いんだそうだ」

ナッパ「お前らの選択としては二つ、待つか、見捨てるか、無理矢理続けさせるか」

ナッパ「どうするね?」


317: 2008/11/14(金) 00:31:55.84 ID:8idYe4gLO
>>311
ナッパ「そこは空気嫁よ。最後は優しさで見えなくするんだ」


318: 2008/11/14(金) 00:37:02.92 ID:8idYe4gLO

ナッパ「ふんっ、お前ら下等な地球人の割には……中々の戦闘力してるじゃねぇか」

ナッパ「気に入った、寝てる間は任せる事にするぜ」

ナッパ「酒は適量なら良薬、過剰なら毒だ。寝酒はほどほどにしとけよ……じゃぁな」






ナッパ「っと、その前に」


319: 2008/11/14(金) 00:38:17.59 ID:8idYe4gLO

ベジータは気絶したトランクスを担いだまま、途方にくれていた。

ベジータ「さて……追い出されたな」

荷物としては、サイバイマンの種とトランクス。

ベジータ「ちっ、どちらも役に立たん」

ベジータ「どうするか……よし」

ベジータ「>>323」


374: 2008/11/14(金) 10:13:13.95 ID:8idYe4gLO

ナッパ「待たせたな、帰って来たようだぜ」

ナッパ「朝食はサイバイマンの煮付けと酒、コレで決まりだ」

ナッパ「再開」


375: 2008/11/14(金) 10:15:19.43 ID:8idYe4gLO

ベジータ「そうか、形が

380: 2008/11/14(金) 10:22:34.35 ID:8idYe4gLO

ベジータ「そうか、シェンロンだ。シェンロンに頼めばいいんだ」

ベジータ「シェンロンにサイバイマンを普通に食料として認識させるように頼めば、ブームなんて起こす必要はない」

ベジータはニヤリと笑う。
妙案である。

ベジータ「ついでにヤムチャの馬鹿を生き返らせてやれば、ブルマも機嫌を治すだろう」

ベジータ「……」

ベジータ「ぶ、ブルマの機嫌を治す為なんだだからなッ!」


ベジータは、何者かに言い訳した。



389: 2008/11/14(金) 10:42:36.14 ID:8idYe4gLO
ベジータ「さて……ドラゴンボールを集めるにしても、ブルマがああじゃドラゴンレーダーはちょっと借りれないしな」

ベジータ「……そういえば」

ベジータは思い出す。

ベジータ(確か、ドラゴンボールを作ったのは神様とか名乗るナメック星人だった。で、その神様とピッコロのヤツが融合したとかいう話を聞いたな)

ベジータ「ふんっ、ピッコロのヤツならドラゴンボールの場所ぐらいは分かるだろうぜ」

そう呟いて、ベジータはピッコロの気を探る。

ベジータ「……わかりずらいが、多分コレだな」

ベジータ「よし……おい、トランクスそろそろ起きろ」

トランクス「……」グデーン

ベジータ「ちっ、仕方がない奴だ」

舌打ちしながらも、ベジータはトランクスを抱えたままピッコロ(が居ると思われる)方向へ飛んで行った。


398: 2008/11/14(金) 11:02:08.65 ID:8idYe4gLO

――どっかの山奥、ピッコロの修行地。


……ドドドドドッッ。

ピッコロ「……」

そこには、無言で滝に打たれるピッコロの姿があった。

以前は孫一家と一緒に暮らし、チチの命令で悟空と一緒に車の免許を取りに行くなど俗世にまみれまくっていたピッコロであったが、基本的には孤独を好む。

ピッコロ「……」

俗世を嫌う山の奥で一人修行を続ける。

最近では学校が忙しいのか、悟飯もほとんど来ない。
当然、Z戦士達ともまったく合ってはいない。

ピッコロ「……」

しかし、それが本来のピッコロ。

正しい姿である。


399: 2008/11/14(金) 11:06:06.78 ID:8idYe4gLO

しかし、静寂が破られ様としていた。

ピッコロ「……」クワッ



……ドドドドドッッ。




滝の音、流れが、空気を揺らす。

ピッコロ「周囲に気の乱れがある……誰か来るな」

探りを入れてみると、それは――

ピッコロ「……あいつか」

――少し、頭が痛くなった。


401: 2008/11/14(金) 11:13:09.96 ID:8idYe4gLO

目的の場所に辿り着くと、既にピッコロが出迎える様に待っていた。

ベジータ「ふんっ、気付いていたか」

ピッコロ「まぁな、貴様は普段から気を抑えようともせんからな」

ベジータ「ちっ、貴様は抑え過ぎだぜ。あたりを付けるのに手間取った」

ピッコロ「ふんっ…」

二人はお互いに舌打ちし、お互いにそっぽを向きあった。


404: 2008/11/14(金) 11:30:06.35 ID:8idYe4gLO

ベジータ「それで、頼みが… ピッコロ「帰れ」

ベジータ「ま、まだ何も行って無いだろうがッッ!!」

言葉の途中で遮られた事に、ベジータは露骨に怒りを露にする。

だが、対するピッコロも不機嫌そのものだ。

ピッコロ「貴様の頼み事など、ろくな事になるはずかない。大体、貴様の頼みというだけで、もうろくでもない」

ベジータ「内容ぐらい聞けッッ!」

ピッコロ「断る。大方、嫁さん関係だろう。その辺はもう孫でこりごりしてるんだ」

ピッコロ「帰れ」

ベジータ「う、ウグッ」

ピッコロの言う事は当たらずとも遠からずだったので、ベジータは返事に詰まった。

ピッコロ「ふんっ、どうせ貴様が頭を一つ下げれば済む話なんだろうが。お前もう人の親だろ?王子だなどと、子供じみたプライドはさっさと捨てて、大人しく家でそのM字の毛根の心配でもしていろッ!」

ベジータ「貴っ様――ッ!口を慎めッッ!!」

ベジータ「ゆ、許さんぞぉオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」


407: 2008/11/14(金) 11:46:14.61 ID:8idYe4gLO

ベジータは、完全に頭に血が登っていた。

触れてはいけない所だったのである。

ベジータ「うぉおおおおオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

――雲が割れ、空気が割れた。

ピッコロ「むっ!」

周囲を吹き飛ばす衝撃波と共に、ベジータはスーパーサイヤ人へと姿を変える。

ピッコロ「クッ、言い過ぎたか」


410: 2008/11/14(金) 11:51:19.22 ID:8idYe4gLO

ピッコロも気を解放し、戦闘体勢を取る。

ベジータ「ふんッ!」

と、同時に、ベジータに何か投げつけられた。


トランクス「……」グデーン

トランクスである。

ピッコロ「何っ!?」

突然だったので避けるのが間に合わず、かと言って弾き飛ばすわけにもいかない。

ピッコロは仕方なくトランクスを受け止め――

ベジータ「ファイナルフラッ―――――シュッッ!!」






――光が、弾けた。


416: 2008/11/14(金) 12:07:17.75 ID:8idYe4gLO

ベジータ「ハァアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

――ズドドドドドドドッッ!!

トドメとばかりに、これでもかとエネルギー弾をベジータはぶちこむ。

そして、

ベジータ「ビッグ・バン・アタックッッ!!」

最後に一際大きな大きなエネルギー弾を打ち込んだ。


――ズズンッッ!!



大気が揺れる。



420: 2008/11/14(金) 12:16:12.18 ID:8idYe4gLO

ベジータ「ククッ、ふは、ハァッーハハハハハッッ!」

ベジータ「あの、生意気なナメック野郎を吹き飛ばしてやったぞッッ!」

大体、あのナメック野郎には前からムカついていたんだ。
自分は悪の根源のクセしやがって、妙に正論ばかり語りやがる。

俺は小難しい事は分からんのだ!

ベジータは高笑いを続ける。

ベジータ「ハァッーハハハハハッッ…………はっ!?」

高いをしながらも、ベジータは気が付いた。

ベジータ「しまった!?あのナメック野郎と一緒に、トランクスも吹き飛ばしてしまったッッ!!」

ベジータ「く、クソッ」

ベジータはトランクスを受け止めていたピッコロの姿を思い出す。

ベジータ「クソッタレッ!あのナメック星人、図りやがったなッッ!!」


428: 2008/11/14(金) 12:31:43.59 ID:8idYe4gLO

ベジータは怒りにうち震える。

べジータ「あのナメック野郎め、クソッタレェエエエエエエエエエエエ!!」

「いい加減にしろっ!」

ベジータ「ぐわっ!」

何者かの叫びと共に飛んできたエネルギー弾に、ベジータは打ち落とされた。

ベジータ「くっ、誰だっ!」

ピッコロ「俺だ」

ベジータが声の方を向くと、そこには残骸から出てくるピッコロの姿あった。

ベジータの猛攻の為、服は剥ぎ取れ傷だらけで、満身創意の様子だった。

しかし、

トランクス「……」グデーン

傍らで転がっているトランクスには傷一つ付いていなかった。

ピッコロ「ちっ、何故俺がやられた相手の息子をかばってやらねばならんのだ」

トランクスの無事を確認し、ピッコロはそう吐き捨てた。


440: 2008/11/14(金) 12:49:26.73 ID:8idYe4gLO

ベジータ「貴っ様――ッ、トランクスに何をしたッッ!!?」

ピッコロ「自分の胸に聞けっ!」

言いながら、ピッコロはまだ剥ぎ落ちていなかったローブの残骸を脱ぎ、首を鳴らす。

ピッコロ「……今日という今日はもう我慢がならん」ゴキゴキッ

ピッコロ「いずれ悟空とは雌雄を決っそうと思っていたが、先ずは目障りな貴様を黙らせる」

ベジータ「ハッ、貴様ごときがこのサイヤ人の王子であるこの俺様に敵うと思っているのかッッ!?」

ピッコロ「言ってろ」

そう言うと、ピッコロは足元にいたトランクスを掴み、ポイッとほおり投げる。

トランクスはゆうに100mは飛び、さらに転がっていった。

ベジータ「貴様、トランクスに何をする!」

ピッコロ「邪魔だったからどいて貰っただけだ。貴様がした事より随分マシだ」

ベジータ「ふざけるなっ!」

ピッコロ「ちっ、文句があるなら自慢の戦闘力とやらで語ればよかろう」

ベジータ「上等だぁッッ!!」


445: 2008/11/14(金) 12:56:40.06 ID:8idYe4gLO

ベジータ「「ハァァァァァァアアアアアアアアアアアッッ!!」」ピッコロ



二人の気が、何処までも高まっていく。

いつの間にか仙豆を食べていたピッコロも、全力だ。

森が震える、空が震える、大地が震える。

危険を察した動物達が粗方逃げ出した時、

ベジータ「ッッ!!」ピッコロ





戦闘は始まった。


454: 2008/11/14(金) 13:06:18.47 ID:8idYe4gLO
バキッ    ドガッ

    ドンッドトドドトドッッ


ズカガガガガッ  ハァッァァァ


ガシッ、カガガカッ クラエッ、 アマイッ

ウオオオオオオエッ



ズドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッ!!!!!!!




465: 2008/11/14(金) 13:16:41.11 ID:8idYe4gLO

ピッコロ「クッ、やはりパワーはベジータの方が上か!」

ベジータ「修行してやがったな、てこずらせやがる!」

ピッコロ「一気に決める!」

ベジータ「吹き飛ばしてやるぜ!」

二人は最大級のエネルギーをため――

ベジータ「ファイナルフラッ――――シュッッ!!」

ピッコロ「摩貫光殺砲―――――ッッ!!」

――同時に放った。



475: 2008/11/14(金) 13:27:51.41 ID:8idYe4gLO

――二つのエネルギー波が一直線を描き、激突する。

ピッコロ「ググッッ!」

ベジータ「ぐおぉッッ!」

しかし、どちらにも届く事は無かった。

ピッコロ「ちっ」

ベジータ「相撃ちかっ」

しかし、ちょっと様子がおかしい。
エネルギーが消えていない。

ぶつかった地点でエネルギーが収束し、球の様になっている。

まるで誰かが受け止めて……いや、誰かが受け止めている!


ベジータ&ピッコロ「お前はっ、>>480」


480: 2008/11/14(金) 13:29:47.70 ID:+sijdnUE0
ブヨン!

503: 2008/11/14(金) 13:53:46.90 ID:8idYe4gLO

ベジータ「な、何だあの気持ちの悪い化物は……」

ピッコロ「……」

ベジータ達は息を呑む。

ブヨン「……」ベロベローン

そこには舌をだし、ニタニタと笑う。
ピンクでイボイボの気持ちの悪い化物が居た。

ブヨン「……」ベロベローン

その名の通り、ブヨブヨしている。

二人はしるよしも無かったが、それは以前に悟空のカメハメ波をも跳ねかさたほどの強敵であった。


514: 2008/11/14(金) 14:11:35.52 ID:8idYe4gLO

ブヨン「……」ベロベローン

しかし、それは以前悟空が知っていたブヨンとも違う。
それは悟空に倒されたブヨンの細胞を元に作られた強化型ブヨン。ブヨンRXであった。

ブヨン「……」ベロベローン

ブヨンは掴んだエネルギー弾をおもむろに重ね合わせ、団子状にこねあげると。

ブヨン「……ゲヘヘ」

という笑い声と共に、一口でそれを平らげた。

ベジータ&ピッコロ「!!!?」


519: 2008/11/14(金) 14:20:38.23 ID:8idYe4gLO

ベジータ「く、コイツはヤベェぜ」

ピッコロ「……」

ブヨン「……」ベロベローン

ブヨンの内側からどんどん気が高まっていく。

ベジータ「な、何て気だっ!」ピッコロ

この時、ベジータ達は命の危険すら感じたという。

そして、ブヨンの内側からの気はどんどん、セルをも上回る勢いで高まっていき――



523: 2008/11/14(金) 14:26:27.71 ID:8idYe4gLO




――――弾けた。





690: 2008/11/15(土) 06:37:14.03 ID:9FqA0O33O

ナッパ「痛てぇ……つまみの為とはいえ、サイバイマンを捕獲するのも楽じゃないぜ」ムシャモキャ

ナッパ「あー、ビールにもサイバイマンだな……」モキュモキュ

ナッパ「……帰ってきたみたいだな」ニヤリ

ナッパ「再開だ」


693: 2008/11/15(土) 06:50:31.75 ID:9FqA0O33O

ベジータ&ピッコロ「くっ!」

間に合わない。地球が吹き飛ぶッッ!

ピッコロとベジータが、絶望に顔を歪める。

が、弾けたブヨンの気は……

ブヨン「――ヘボバッ」ピシャーンッ

ブヨンの頭部を弾き飛ばしただけだった。

――カッ!

光が瞬く。

そこにあるのは、ブヨンの吹き飛んだ頭があった場所から空を突き抜け、宇宙を引き裂く一条の光。







とにかく、爆発はしなかった。



696: 2008/11/15(土) 07:03:58.08 ID:9FqA0O33O

しばらくの間、空に向かってエネルギーを放ち続けたブヨンは、ドチャリと、その顔無しの体を地面に横たえた。

気は、既に無い。氏んでいた。

ベジータ「た、助かったぜ。だが、どういう事だ……」

ピッコロ「……」

冷や汗をかきながらも、ピッコロとベジータは首を傾げる。
その場に居る二人では、何も分からない。

が、答える者がいた。

悟空「界王様が言うには、改造で内側も強くした結果、溜めた気を上手く自爆に使えずに脆かった頭だけ吹き飛んだろうって話だぜ」

ベジータ「カカロット!」ピッコロ「悟空っ!」

いつの間にか、側に悟空が立っていた。



698: 2008/11/15(土) 07:12:08.24 ID:9FqA0O33O

悟空「へへっ、ベジータを追って瞬間移動してきたらいきなり地球のピンチだもんな……流石に、オラも焦っちまった」

悟空「また、セルん時みてぇに界王様ん所に世話にならないですんで良かったぞ」

そう言って、悟空はヘヘッと笑った。

ピッコロ「……悟空、この化物を知ってるのか?」

悟空「あぁ、ガキの頃に戦った事がある」

悟空「多分、Drゲロ辺りが何かしてたんだろ」

ピッコロ「ちっ、アイツ……セルで終りじゃなかったのか」

そう言って、ピッコロは舌打ちした。

ベジータ「……」

しかし、ベジータだけは険しい顔をして悟空を睨み続けている。



703: 2008/11/15(土) 07:43:14.86 ID:9FqA0O33O

ベジータ「カカロット、貴様俺を追ってきたと言ったな」

悟空「あぁ」

それを聞いて、ベジータは構えを取った。

ピッコロ「ベジータ……?何をやってるんだ」

ベジータ「ちっ、ナメック野郎、カカロットから離れてろ。用件言え、カカロット」

悟空「……ニタリ」

その邪悪な笑みに、ベジータは確信した。

悟空「実はな、ベジータ。サイバイma―」







「ファイナルフラッ―――シュッッ!!」


――光が弾けた。


706: 2008/11/15(土) 07:54:10.77 ID:9FqA0O33O

ピッコロ「お、おいベジータ貴様、孫に何をする!」

ベジータ「うるさい!黙ってろッッ!!」

ベジータ「ハァアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

ベジータは間髪入れずに連続エネルギー弾を叩き込む。

悟空が居た方向には、トランクスが転がっている事などお構い無しだ。

ピッコロ「ベジータ、やめ――」

ベジータ「ビッグ・バン・アタックッッ!!」

強大なエネルギー弾が、悟空が居た空間(トランクス含む)ごと大地をえぐる。

地球が揺れた。


708: 2008/11/15(土) 08:06:19.39 ID:9FqA0O33O

ベジータ「はぁ…ハァ…やったか?」

悟空「――甘めぇな、ベジータ」

ベジータ「!!?」

爆煙が晴れると、そこには何事もなく佇む悟空の姿があった。

いつの間にか、スーパーサイヤ人になっている。

悟空「用件を言い終わる前に攻撃されるなんてな……オラ、久しぶりにキレちまったぞ」バチバチッ

既に、悟空はスーパーサイヤ人2になっていた。


710: 2008/11/15(土) 08:14:19.20 ID:9FqA0O33O

唖然と見ていたピッコロであったが、ハッとした様子で悟空に尋ねる。

ピッコロ「孫、用件とは何なんだ?」

悟空「へっへ……ピッコロは分からねぇよな、だけどベジータは分かってるみたいだぜ」

ベジータ「断る」

ベジータはピシャリと言った。

悟空「ケチケチすんなよベジータ。ちょっと分けてくれれば良いんだよ」

ベジータ「……」

悟空「チチも悟飯も悟天もハマッちまって大変なんだよ。な、良いだろ?分けてくれよ」

ベジータ「……」

悟空「サイバイマンの種を……さ」

そう言って、悟空は笑った。


714: 2008/11/15(土) 08:21:07.94 ID:9FqA0O33O

ベジータ「ちょっと分ければ……か、そう言ったんだな?」

悟空「……あぁ」

ベジータ「分けるだけで良いんだな?」

悟空「あぁ、オラはそんなに強欲じゃねぇ」

ベジータ「幾らだ?」

悟空「……」

ベジータ「幾ら分ければ良いんだ?」

悟空の眉がピクッと動いた。

悟空「幾ら……だと?」









悟空「一つ残らずに決まってんだろうがぁああああアアアアアアアアアアアッッ!!」


721: 2008/11/15(土) 08:42:34.01 ID:9FqA0O33O

ベジータ「「とっても強欲じゃねぇかッッ!?」」ピッコロ

事情を知らないピッコロまで、思わずツッコミを入れてしまった。
前言撤回も甚だしい。

ベジータの予感は当たったのだ。

悟空「ケチケチすんなベジータぁアアアアアアアアアアア!オラ、ワクワクすっぞぉおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

ベジータ「駄目だ!もうストックは無いんだ!!」

悟空「うるせぇェエエエエエエエエエエエエッ!悟飯も悟天も暴れて手が付けられなくなってんだッッ!!オラ、まだチチに殺されたくねぇェエエエエエエエエエエエエッッッ!!!」

その悟空の目は、ジャンキーのそれだった。


ベジータ「ちぃっ、狂ってやがる!」



726: 2008/11/15(土) 08:49:04.65 ID:9FqA0O33O

ピッコロ「お、おい悟空。ど、どうしたんだ?」

いきなりの展開に付いていけないピッコロが、オタオタと悟空に近付いていく。

ベジータ「よせっ!カカロットに近付くなッッ!!」

悟空「邪魔だッッ!!」バキッ!

ピッコロ「!!?」

不用意に悟空に近付いたピッコロは、悟空に片手で弾き飛ばされ、

地面に埋まった。


悟空「サイバイマンを寄越すんだベジータァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

ベジータ「クソッタレ、やはりサイバイマン中毒かッッ!」


733: 2008/11/15(土) 09:10:19.77 ID:9FqA0O33O

食料管理項目―資料No.10285

『サイバイマン中毒』

サイバイマン中毒とは、主に惑星ベジータ原産のサイヤ人に見られる中毒症状。
中級~上級戦士層に好んで食べられているサイバイマンを、何らかの方法で下級戦士が摂取した場合に起りやすい症状である。
一般的に知られる症状として、圧倒的な飢餓感、錯乱、幻覚、妄言、凶暴化などがあげらる。
多くの場合、脳のリミッターが外れる為か戦闘力が上昇する事が多く、中級戦士レベルでは止めるのは危険である。
措置としては、上級戦士以上による速やかな抹殺が望ましい。
一時、その戦闘力が上がる症状の為、軍事利用が考えられていたが、味方を襲う事故が絶え間なく報告された為見送られた。
現在、サイバイマンを食せる程強くなった下級戦士に対しても許可なしに食す事は禁止されている。

by惑星ベジータ国立食料管理研究所。



追記:現在も特効薬の研究は続けられている。


735: 2008/11/15(土) 09:25:47.83 ID:9FqA0O33O

ベジータ「落ち着けカカロット!お前はサイバイマン中ど……」

悟空「かめはめ波ぁ―――――ッッ!!」

ベジータ「どわッ!」シュンッ

悟空の奇襲を、ベジータは高速移動でかわした。

ベジータ「クソッタレェ、カカロットが下級戦士だって事をすっかり忘れていた!」

悟空「ベジータァアアアアアアアアアアアア!寄越さねぇなら、閻魔のオッチャンの所に行って貰うぞッ!!」

ベジータ「ちぃっ……」

ヤバいな、とベジータが思った時、叫び声が聞こえた。

ピッコロ「悟空―――ッ!サイバイマンの種はもう無いぞッッ!!」

悟空「!?」

ベジータ「あの馬鹿ッ」

ベジータと悟空が言い争っているうちに、ピッコロが地面からはいだしてきていた。

ピッコロ「そのサイバイマンの種がどうとか良く分からんが、それなら俺が全部食った!だからもう無いッ!!」


739: 2008/11/15(土) 09:38:57.17 ID:9FqA0O33O

ベジータ「馬鹿がっ、止めろ」

ピッコロ「ふんっ、孫は何処か抜けているからな。話はよく分からんが、これでどうにかなるはずだ」

悟空「そんな……」

ピッコロは、結構自信があるようだ。
対して、ベジータは苦虫を噛み潰した様な顔をしている。

悟空「そんなそんな……」

悟空は意気消沈したのか、スーパーサイヤ人を解き、うなだれ、ぼんやりと地面を見つめている。

ピッコロ「ほら、言った通りだ……おい、悟空、落ち着いて俺の話を―」

ベジータ「最悪だな」

ピッコロ「―え?」


742: 2008/11/15(土) 09:44:27.55 ID:9FqA0O33O







悟空「――こんな地球(ホシ)」

















悟空は、躊躇する事なく特大のエネルギー弾を地球に放った。



752: 2008/11/15(土) 10:09:09.26 ID:9FqA0O33O



『えぇ、あの時は本当に地球 \(^o^)/オワタッ! っと思いました』


byピッコロ



754: 2008/11/15(土) 10:12:32.06 ID:9FqA0O33O

ベジータ「クソッタレェッ!まるで躊躇がない、末期だぜッッ!!」

ピッコロ「……」

ギリギリの所で、ベジータがエネルギー波をぶち当て、悟空のエネルギー弾を弾き飛ばしていた。

しかし、突然だった為エネルギーをためきれず、悟空のエネルギー弾を弾ききれずに半径1km程のクレーターを作ってしまったのである。

ピッコロ「そんな、悟空、どうして……」

ベジータ「馬鹿野郎、カカロットはサイバイマン中毒(説明略)の末期なんだ。サイバイマンを食べる事が全てだ」

ベジータ「貴様みたいな事を言ったらああなる!」

ベジータは、一際大きく舌打ちした。


758: 2008/11/15(土) 10:21:30.22 ID:9FqA0O33O

広大なクレーターの上空で、悟空もまた舌打ちしていた。

悟空「消えてねぇ……ベジータッ!何しやがんだッッ!!」

ベジータ「馬鹿野郎!いきなり地球を吹き飛ばそうとしやがって、クソッタレッッ!!」

悟空「オラが何度救ってやったと思ってんだ!いっぺんくれぇでケチケチすんなッ!!」

ベジータ「いっぺんで終りだろうがッッ!!」

ピッコロ「……」

悟空とベジータが言い争いをしている間、ピッコロはトランクスの気を探す。

ピッコロ「……」タラリ

とにもかくにも、状況は良く無かった。



762: 2008/11/15(土) 10:31:45.85 ID:9FqA0O33O

悟空は、ぷるぷると震えている。

悟空「おら……」

ベジータ「……」

悟空「オラァ……」

ベジータ「……」

悟空「オラぁ怒ったぞぉオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!」


――ゴウッ!


という音と共に、周囲の気が悟空の元に集まり急速に悟空の気が高まっていく。

悟空「ハァアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

こころなしか、悟空髪が伸び始めているような……。

ピッコロ「い、イカンッ!孫の奴何かするつもりだ、止めろッッ!!」

ベジータ「貴様に指図される謂われはないッッ!!」

言いながらも、ベジータもピッコロと一緒に悟空に向かってエネルギー弾放つ。


769: 2008/11/15(土) 10:45:32.53 ID:9FqA0O33O

悟空「ちっ」シュンッ

悟空は気を溜めるのを一旦やめ、それを避ける。

悟空「ピッコロ、オメェまでオラの邪魔をするのか……これじゃぁスーパーサイヤ人3には成れねえなぁ」

ベジータ「そんな物があるのかッッ!?」

ベジータは露骨に驚いたが、ピッコロはとりあえずそれを制して悟空を説得する。

ピッコロ「悟空、スーパーサイヤ人とやらにはさせんし、俺もベジータも修行したんだ。2対1なら貴様にも負けん」

ベジータ「一対一でも十分だッ!」

ベジータが何か言っているが、ピッコロは無視して続ける。

ピッコロ「だから、落ち着いて話を聞け」

それを、悟空は鼻で笑った。

悟空「甘めぇ、甘めぇなピッコロ……そんなんだからいつの間にかライバルからモブキャラにまで成り下がっちまうんだ」

ピッコロ「何だとッ!?」


772: 2008/11/15(土) 10:54:53.85 ID:9FqA0O33O

悟空「別に、オラはスーパーサイヤ人ばっかりが能じゃないんだぜ?」

そう不適に笑って、悟空はスーパーサイヤ人2になった。

ピッコロ「ふんっ、大層な口を叩く割には結局スーパーサイヤ人に頼るんだな」

悟空「こっからだ…」
















悟空「界・王・拳ッッ!!」


ベジータ&ピッコロ「ッッ!!?」


779: 2008/11/15(土) 11:06:07.05 ID:9FqA0O33O

ベジータ「す、スーパーサイヤ人のまま、界王拳だとッ!?」

ベジータは焦る。
悟空とはじめて戦った時の事を思い出していた。

ピッコロ「落ち着け、界王拳には制限があるんだ!俺達は二人だ。4・5倍程度ならどうにかなる」


















悟空「千倍ぇだぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

ピッコロ「「ッッ!!?」」ベジータ


783: 2008/11/15(土) 11:29:11.28 ID:9FqA0O33O

悟空が赤いオーラを纏い、まがまかしいばかりの気を放つ。

界王拳は熟練すると本来赤いオーラを出さなくなるが、そのあまりの倍数によりスーパーサイヤ人のオーラを覆い付くす程の赤に染まっていた。

悟空「消しとべぇ――ッッ!!」

悟空が、かめはめ波とは思えないとんでもない太さのかめはめ波を放つ。

その色は、まがまかしく、赤い。

ベジータ「ちっ!」

ピッコロ「くっ!」

間一髪、ベジータ達はそれを避ける。

運が良かった。
ベジータ達は悟空より上空に居た為め、避ける事が可能だったのだ。

悟空「ハァアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

そのかめはめ波は、ベジータ達に避けられた後もぐんぐん空に登っていき――



784: 2008/11/15(土) 11:30:44.13 ID:9FqA0O33O





――――月を粉砕した。






790: 2008/11/15(土) 11:46:43.08 ID:9FqA0O33O

――月面。


兎人参化「ん?何だあの光…」

兎人参化「は―」ジュッ


燃え尽きた。


792: 2008/11/15(土) 11:49:57.59 ID:9FqA0O33O

――都。

町の人A「つ、月が砕けた!」

町の人B「ヤバイ、月の残骸が降ってくるぞ!うわぁああああああッッ!!」



795: 2008/11/15(土) 12:01:05.25 ID:9FqA0O33O

――神の宮殿。


デンデ「――これは大変な事になりました」

Mr.ポポ「神様、今度こそ、地球おしまいかもしれない」

デンデ「うぅ、まさか悟空さんに滅ぼされるなんて……」

Mr.ポポ「神様、ポポ恐い」ブルブル



796: 2008/11/15(土) 12:08:57.67 ID:9FqA0O33O

――カメハウス。


亀仙人「うーむ、この気は悟空じゃ」

亀仙人「……氏ぬ時は、美女がはいたままのパンティーの中に潜り込んで氏にたかったのぅ」

亀「武天老師様、こんな時ぐらい下ネタは止めて下さいな」



801: 2008/11/15(土) 12:16:35.79 ID:9FqA0O33O

月が壊された影響が、世界中に出ている様だった。

ベジータ「クソッタレ、カカロットを止めないとヤバいぞ!」

ピッコロ「くっ」

二人とも慌てるが、しかし方法が無い。

悟空「面倒臭せぇぞ、もう地球ごと吹き飛ばすッッ!」

悟空が、地球に意識を向け始めた。

ピッコロ「や、ヤバい!」


>>810「そこまでだッッ!」


悟空&ベジータ&ピッコロ「!?」



817: 2008/11/15(土) 12:36:13.62 ID:9FqA0O33O

――颯爽と現れたる男。

――頬に傷を持ち、幾度の戦場を越え、幾度の氏体の上をあるき、またその氏体になり、誰よりも戦いという物を知る男。

地が、震える。

――亀の字を纏いしその男の登場に、大地までもが歓喜した。


ヤムチャ「待たせたなッ!」









そう、ヤムチャであった。


830: 2008/11/15(土) 12:53:07.84 ID:9FqA0O33O

ベジータ「や、ヤムチャ貴様生きていやがったのか……」

ベジータが露骨に驚く。

ヤムチャ「へっ、この俺がサイバイマンなんかに殺されるわけないだろ」

そう言って、ヤムチャは爽やかに笑ってみせた。

ベジータ「き、貴様っ、貴様が生きていたなら俺が追い出されたのは一体なんだったんだッッ!!」

そう言って、ベジータはヤムチャに掴みかかり。
それにヤムチャはへっぴり腰で応じる。

ヤムチャ「まぁまぁ、だからこうして来んじゃないか」

ヤムチャ(閻魔様に土下座で頼んだら『どうせ生き返るだろうから』ってサービスで生き返らせて貰ったのは内緒にしよ)

そうして、ヤムチャはヘラヘラと間抜けな顔で笑った。


834: 2008/11/15(土) 13:02:36.23 ID:9FqA0O33O

そんな二人の様子に、ピッコロが近付いてくる。


ピッコロ「ヤムチャ、何だか知らんが生き返っのか?」

ヤムチャ「ああ」

ピッコロ「そうか、良かったな」

ヤムチャ「おっ、ありがとよ。ピッコロも良いトコあるなぁ」

ピッコロ「じゃぁ帰れ」



837: 2008/11/15(土) 13:06:33.64 ID:9FqA0O33O

ヤムチャ「おい、俺来たばっかりだぞ、何だよその言い方は!?」

ピッコロ「分かった」

ヤムチャ「そうそう、分かれば……」


ピッコロ「言い方を変える。邪魔だから消えろ」



845: 2008/11/15(土) 13:20:05.71 ID:9FqA0O33O

ヤムチャ「……」

ピッコロ「状況見ろ、身の程を知れ」

ベジータ「……」

ベジータは、ちょっと言い過ぎじゃないかな?という顔をしている。

しかし、そこまで言われてもヤムチャはへこたれない。

ヤムチャ「へ……へへぇーんっ、お、俺が弱っちぃままだと思うなよ。さっき、か、神様の所で強くして貰ったんだからなぁー!」

ピッコロ「……」

シラッとした目で、ピッコロはヤムチャを見つめる。

ヤムチャ「な、何だよ…」

ピッコロ「そこまで言うならもう何も言わん、好きにしろ」クサレエンダカラ、イッテヤッタノニ

そう言い残して、ピッコロはヤムチャを無視してベジータと相談を始めた。

ヤムチャ「ち、ちくしょう……」



くそ、目から汗が出るぜ!

853: 2008/11/15(土) 13:39:10.72 ID:9FqA0O33O

ヤムチャ「く、クッソォー!俺はスーパーヤムチャなんだぞぉー!!」

そう捨て台詞を吐いて、ヤムチャは悟空の方へ突っ込んで行く。

ベジータ「お、おいっ!」

ピッコロ「ほっとけ」

ベジータ「……」

ヤムチャ(見てろ、俺はいつまでもモブキャラじゃないんだ!)


860: 2008/11/15(土) 13:46:56.30 ID:9FqA0O33O
ヤムチャは悟空の目の前まで行き、止まる。

ヤムチャ「よぉ、悟空久しぶりだな」

悟空「……」

ヤムチャ「何でこんな事してるのか分からんが、いますぐ止めれば許してやるぞ」

悟空「……」

ヤムチャ「そうか、やめる気は無いか……なら勝負だ!」

悟空「……」

ヤムチャ「覚えてるか?俺元々はお前のライバルだったんだぜ?」

悟空「……」

ヤムチャ「だから、お前のバカは俺が止める!狼牙風風け――」








悟空「馬鹿はオメェだヤムチャ」

895: 2008/11/15(土) 14:32:45.88 ID:9FqA0O33O

――神の神殿。


デンデ達は事の行方を見ていた。
ヤムチャをけしかけた張本人達である。


デンデ「……2秒ほどで、やられましたね」

ポポ「ヤムチャ、思ったよりも、ずっともった」

デンデ「あれ、ただの聖水なんですけどねぇ……暗示って、多少は効果あるんですね」

ポポ「ポポ、驚いた」

デンデ「まったくです」

そう言って、デンデ達は顔を見合わせて笑った。


903: 2008/11/15(土) 14:44:59.93 ID:9FqA0O33O

デンデ「まぁ、2秒じゃ全然足りないんですけどね。その前の会話部分でよく頑張りましたよヤムチャさんは」

ポポ「ヤムチャ、はじめて、役に立った」

デンデ「それで、間に合いそうですか?」

ポポ「もう、来る」

















――ヤムチャは時間稼ぎだった。



910: 2008/11/15(土) 14:53:19.57 ID:9FqA0O33O

ベジータ「クソッタレ、いつ殺されたかも分からなかったぞ!」

ピッコロ「確かに、スーパーヤムチャだな。2秒はよくもった」

ベジータ「ゴミがッ!」

ベジータ達は途方にくれていた。

と、そこに何処かで聞いた事があるテーマソングが。


「ワーッハッハッハッ!」



933: 2008/11/15(土) 15:11:37.62 ID:9FqA0O33O


「とうッ!」

上空から、そんな叫び声ともに一人の男が降ってくる。

――その男を知っているか?

誰もが、一度は憧れる男。

――その男が、何をしたというのか?

しれた事、世界を救ったのだ。

――つまり、その男とは?

あえて分かりきった事を言おう、英雄(ヒーロー)であると。

――英雄、その男とは――?――

その目でしかと確かめろッッ!!


935: 2008/11/15(土) 15:14:46.61 ID:9FqA0O33O



――クルクルクルクルクルッ――



何処までも美しい回転を描き。



――スチャッ。



誰にも真似出来ない華麗な着地を見せ。



―― そ の 男 は 降 り 立 っ た ――






サタン「待たせなッ!」


953: 2008/11/15(土) 15:22:30.39 ID:9FqA0O33O

実況の人「さぁ、サタンが来ました。サタンが来ればもう大丈夫です!」






全世界の人「「「「うおおおおおオオオオオオオオオオオオオオッッ!サーターンッ!サーターンッ!サーターンッ!」」」」






964: 2008/11/15(土) 15:30:38.95 ID:9FqA0O33O

ベジータ「またゴミが来た」

ピッコロ「もう知らん」

ピッコロとベジータはあきれ返っていたが、とうのサタンは意気揚々だ。
いつの間にか現れた司会の人に、色々と聞かれている。

司会の人「サタンさん、今日どうですか?」

サタン「はっは、すこぶる快調だな。今の私なら、あのセルでも2秒で倒せるだろう」

司会の人「皆様、聞きましたか?サタンから心強い言葉が聞けていますよ!」







世界の人「「「「サーターン!サーターン!サーターン!」」」」



968: 2008/11/15(土) 15:39:25.95 ID:9FqA0O33O

――神の神殿。



デンデ「さ、サタンが来たッ!ぼ、僕大ファンなんですよッッ!!サタンが僕の呼びかけ通り来ましたよッッッ!!!」

ポポ「ポポも、大好き」







デンデ「「サーターン!サーターン!サーターン!」」デンデ






970: 2008/11/15(土) 15:40:18.27 ID:HnN+76g70
デンデ落ち着けwwwwwwwwwwwwwwwwww

971: 2008/11/15(土) 15:40:31.05 ID:uvXUNrPy0
ワロタwwwwwwwwwwwwwwww

980: 2008/11/15(土) 15:50:47.66 ID:9FqA0O33O
>>973
ぶっちゃけパーは…途中で逃げたくなる。

が、どっちでもいいよ。荒されるのも辛いし。

>>979

今、気付いたよorz


983: 2008/11/15(土) 15:55:31.77 ID:0krbpcFw0
とりあえず本編だけ抽出した感じに…

続きます

985: 2008/11/15(土) 15:57:52.95 ID:7QZEcf14O
>>983
GJ

991: 2008/11/15(土) 16:03:54.49 ID:9FqA0O33O

引用: ベジータ「どうだ? 美味いだろ、トランクス」