1: 2008/11/15(土) 16:08:02.81 ID:EuXhFN4WO

13: 2008/11/15(土) 16:15:31.36 ID:5Pm9r4Z/O
今北用

ナッパ「このスレは……2スレ目だ……クチャクチャ」

ナッパ「これまでのあらすじは…誰かがWikiを張るだろうから、それを読むんだな……クチャクチャ」

ナッパ「じゃァ、本編開始だ…サイバイマン喰いながら焼酎うめぇな……クチャクチャ」

22: 2008/11/15(土) 16:26:20.67 ID:9FqA0O33O

『ナッパ様の上級戦士的あらすじ』


ナッパ「いよう!みんな大好きナッパ様だ。サイバイマンをつまみに聞いてくれ!
ベジータはサイヤ人らしくサイバイマンが大好きだったんだ。だから息子にもその旨さを伝えようとした。泣ける話だぜ。
だけどな、地球人の女はそれを理解できなかったらしい。頭にきたベジータは『ブームを作る』と言って家を飛び出した。
向かった先はカカロットの家だ。だがあの野郎、地球色に染まってサイバイマンを拒みやがる。
だが、ベジータも大人になっていた。それぐらいじゃぁキレたりしねぇ、危険な頭をもぎとってあげるなど優しさを見せた。
しかし、カカロットの野郎はベジータの優しさをむげにしたんだ!
キレたベジータはカカロットに首無しサイバイマンを突っ込み、パンチ・パンチ・ファイナルフラッシュを喰らわしてやった。
まぁ、色々あって、とにかく血は争えなかったワケだ。
で、ベジータは家に帰ってサイバイマンを量産する事を思い付いた。
これにはベジータの息子も大喜びよ、ジャンプジャンプときたもんだ。
ま、結局、何かゴミが氏んでおじゃんになったが、俺は良い線行ってたと思うぜ?」


BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ) フィギュアライズスタンダード ドラゴンボール ベジータ (NEW SPEC Ver.) 色分け済みプラモデル

33: 2008/11/15(土) 16:47:52.46 ID:9FqA0O33O

『ナッパ様の上級戦士的あらすじ その2』

ナッパ「モキュモキュ…ゴクッ…サイバイマンと酒は旨めぇな。
おっと、それでな。
ベジータは地球人のサイバイマンに対する拒絶を見て、ブームを起こすのは自分一人じゃ無理だと思ったわけだ。
そこでベジータはドラゴンボールに頼る事を思い付いた。
しかし、ベジータは嫁さんと喧嘩しててな、家に帰れない……サイヤ人の王子の癖に情けない話だ。
そこでベジータはナメック星人の野郎に頼ろうとした。
いやぁ、そしたらウケるんだよ。ベジータの野郎めちゃくちゃ迷惑がられてるんだよ。
ついには、喧嘩になっちまった。
そんとき何かピンクの化物が出てきてよぉ、ブヨブヨしててベジータとナメック星人を跳ねかえすんだ。
つえぇつえぇ、ま、色々あって氏んだんだがよ。
したらカカロットの野郎が来た。したらアイツはサイバイマン中毒に掛っててよ。
もう大変よ。月も三回目の爆散よ。
で、また何かゴミが氏んで、そしたら英雄(ヒーロー)が来たんだよ。
神様も分裂して大興奮よ。」

ナッパ「……ゴキュゴキュ」

ナッパ「一気に話して疲れたぜ……そんなに興奮するな、このサイバイマンはサービスだからまずは落ち着いて食え」

ナッパ「再開」


45: 2008/11/15(土) 17:09:19.66 ID:9FqA0O33O

司会の人「しかし、大丈夫ですか?あの胴着の男、月を破壊したらしいですし……それに、何か浮かんでますよ」

サタン「ふん、そんなものトリックに決まっているだろう。大体、月を破壊したり空を飛んだり出来るわけが無いだろうが」

サタン「まぁ見ていろ」

そう言って、おもむろにサタンは悟空に近付いていく。

そして、悟空の真下まで来て言った。

サタン「おーい、貴様降りて来い。このサタン様が、くだらんトリックで世間騒がせた罪で成敗してやる!」

悟空「……」

サタン「おいコラ、無視するな!」

悟空「……」

サタン「まぁワシが怖いのは分かるが、今日は調子が良いから得意の蹴り技は無しにしてやる」

悟空「……」

サタン「分かった分かった。ついでに片手で戦ってやる。ホラッ、早くしろ」

悟空「……チッ」

悟空は無視するのを諦めたのか、ゆっくりとサタンの元に降りて来た。


51: 2008/11/15(土) 17:20:26.06 ID:9FqA0O33O

悟空「……」スタッ

サタン「よぉーし、降りて来やがったなぁ。ワシのダイナマイトキックを喰らわしてやる!」シュッシュッ

悟空が、ポツリと呟く。

悟空「……オメェ、サタンか」

サタン「あぁ?流石にこのサタン様の事は知って……て、お前、確かビーデルの友達の親御さん…」

悟飯とビーデルの関係で、悟空とサタンには面識があった。



58: 2008/11/15(土) 17:28:04.61 ID:9FqA0O33O

悟空「……」

サタン「ちっ、あー……ビーデル関係じゃ仕方がないな、ほら、許してやる。カメラに向かって土下座しろ」

悟空「……」

サタン「ほら、今世界の人に謝っとけばウヤムヤにできる」

悟空「……」

サタン「意地を張るな、嫁さんも子供もいるんだろうが……」

しかし、悟空は一向にその気配を見せない。


76: 2008/11/15(土) 17:44:46.34 ID:9FqA0O33O

悟空「……」

サタン「……」

悟空「……」

サタン「……」ブチッ

サタンは遂に痺れを切らした。

サタン「良いのかぁ!?謝らないのなら殴るぞぉッ!!」

悟空「……」

サタン「本当にいいのかぁ!?貴様も多少出来るのかもしれんが、ワシは世界チャンピオンだぞ!ボコボコにされるぞ!痛いんだぞッッ!!」

悟空「……」

悟空は、馬耳東風という具合で、全く聞いていない。


80: 2008/11/15(土) 17:54:19.45 ID:9FqA0O33O

――TV。

司会の人「おぉーっと、どうもサタンが説得を試みているようだ!」

司会の人「どんな悪党にでも優しさを忘れない。紳士ですサタン!」

スイーツ(笑)「さすが       サタン
       アタシ
       ヌれちゃう
       みたいな?」

VIPPER「サタンにならwwww掘られてもwwwいいwwwwうぇwwオェww」









――神の宮殿。



デンデ「「サーターン!サーターン!サーターン!」」デンデ



87: 2008/11/15(土) 18:07:17.90 ID:9FqA0O33O
サタン「ちぃ、コレだけ言っても分からんか!なら、後で後悔するんだなッッ!!」

悟空「……」

サタン「スーパーダイナマイトキイイイイイイイイイイックッッ!!」バキッ

悟空「……」

サタン「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ」バキドカグキゴキバキバキバキバキバキバッッッ

悟空「……」

サタン「どうしたどうしたッ!手も足も出んのかッッ!!ホレホレホレッッッ!!!」ドガッバキッバキバギッ

悟空「……」

サタン「ハッハァーッワシの優しさをムゲにするからだ」ズガッドガッ

悟空「……」

サタン「こいつでトドメ――」

悟空「……」ペシッ




――サタンの気が消えた。


98: 2008/11/15(土) 18:19:09.25 ID:9FqA0O33O

――TV。


司会の人「あ、サタンが……」

スタッフ一同「……」

ディレクター「ここ、カットな」

カメラマン「生放送です」






――神の宮殿。


デンデ「ちっ、なんだよ。サタンって弱っちぃんじゃん」

ポポ「ポポ、失望した」


デンデ達はそこで事の行方を見守るのを止めた。


100: 2008/11/15(土) 18:21:48.50 ID:9FqA0O33O





――その日、世界が沈黙した。






104: 2008/11/15(土) 18:25:42.58 ID:9FqA0O33O

ベジータ「……」

ピッコロ「……」

ベジータ「……ヤムチャよりもったな」

ピッコロ「口だけの事はあるぞアイツ」

ベジータ達はサタンが打ち込まれた残骸を見て、感心していた。



119: 2008/11/15(土) 18:50:02.51 ID:9FqA0O33O

悟空「ちぃーっと、シラケちまったなぁ」

そう言って、悟空はベジータ達の所へ歩み寄ってきた。

ベジータ達も、急いで戦闘体勢を取る。

ベジータ「…くっ」

ピッコロ「……」タラリ

悟空は不適に笑う。

悟空「オラも界王拳100倍ぇぐらいに落としてやるよ」

悟空「遊ぼうぜ」

ベジータ「ふざけやがってッッ!!」




地球(ほんとはサイバイマン)を賭けた氏闘が始まった。


159: 2008/11/15(土) 19:57:35.68 ID:9FqA0O33O

ナッパ「モキュモキュ……サイバイマンはカツにしてもうめぇな。酒に合う」

ナッパ「ちなみにサイバイマン中毒は、基本的にサイヤ人の下級戦士のみに見られる症状だ。他の人種に対しては見られない……ま、地球人は知らんがな」

ナッパ「つまり、上級戦士の血を引くベジータのガキに、症状が現れる事は無いだろう」モキュモキュ

ナッパ「あと、サイヤ人は会話出来るレベルの知能があるヤツは食料にはしない」モキュモキュ

ナッパ「サイバイマンに細菌がいるかは……まぁ、サイヤ人には関係無い事だと言っておく」

ナッパ「再開」


164: 2008/11/15(土) 20:01:18.23 ID:9FqA0O33O

それははじめ、何とも形容のつかない、暗黒の空間であった。

そこに、フワフワと私は漂っていた。

ボンヤリと、先程までの状況が思い返される。

(……あぁ、ワタシは氏ぬのか)

(負けて、氏ぬ…負けて……)

(負けてだとッッ!!?)

その言葉を反芻した瞬間、強烈な欲望が我が身を襲った。

すなわち、生への欲望。

(氏にたくない、負けて氏にたくはない。私は英雄なのだ。ヒーローなのだ。負けて氏ぬなど許される事ではない!)

もがく、必氏にもがいた。

が、この暗黒の空間では体などない。
何の意味もない。


173: 2008/11/15(土) 20:09:52.67 ID:9FqA0O33O

(それに、例え蘇ったとて……あの男は強い、私に何が出来るというのだ)

襲いかかる、絶望。

(力が欲しい……力があれば……)

『力が欲しいか?』

(!!?何だ、何だこの声はッッ!!!)

『答えろ、力が欲しいか?』

(…………)

何処からか聞こえてくる謎の声。
しかし、それは求めて止まぬ力強さを持っていて――

(……力が欲しい)

――気付けば、答えていた。



『力が欲しいのならば――』




188: 2008/11/15(土) 20:50:40.95 ID:9FqA0O33O






湯川専務「――くれてやるッッ!!」

サタン「ッッ!!?」






197: 2008/11/15(土) 20:58:12.41 ID:9FqA0O33O

それは、メガネをかけた、見知らぬ中年の男だった。

サタン「あ、あんたは……?」

湯川専務「そんな事は大した問題ではない!」

ピシャリ、と男は言いはなつ。

その姿はあまりに熱気に溢れ、何処までも力強い。

サタンは思わず言葉を失う。

湯川「サタンの名を冠する者よ。コレを背負うがいい!」

それは、白い、ハコの様な――

サタン「げ、ゲーム機……」


――ドリームキャストだった。


210: 2008/11/15(土) 21:11:36.89 ID:9FqA0O33O

湯川専務「我々は確かにあの時、破れた」

湯川専務「ドリームキャストの発売を阻止すべく放たれたミサイルと共に散ったあの偉大な男の犠牲まで払ったにもかかわらず、あの憎っくき ピ--- に我々は破れた」

湯川専務「氏して屍拾う者無し……」

湯川はメガネを取る。

湯川専務「しかし、君がその拾われるはずの無かった屍を拾い、立ち上がってくれるというのならば……」

湯川専務「君に、力を―」

サタンは、背負ったドリームキャストから溢れんばかりの力を感じる。

湯川専務「――あの男の名と共にッッ!!」


228: 2008/11/15(土) 21:27:39.01 ID:9FqA0O33O





湯川専務「セガ・サタン・四郎ッッ!!」






239: 2008/11/15(土) 21:49:55.16 ID:9FqA0O33O

『セガ・サタン・四郎のテーマ』by湯川



遊び(と武道)の道に 魂込めた
ひとりの男が 今日も行く
真面目に 遊ばぬ(戦わぬ) 奴らには
体で覚えさせるぞ
セガ・サタン・四郎 セガ・サタン・四郎
セガサターン、シロ!(ドリームキャストをよろしく!)

仙豆に舞空術 界王拳にサイヤ人
トリック技も いい加減にしろ
戦闘力 インフレ 起こす奴らには
超展開で対応するぞ
セガ・サタン・四郎 セガ・サタン・四郎
セガサターン、シロ!(ドリキャス、ギャルゲーまだ新作出てます!)

若者よ!そうそう空など飛べてたまるか!
エネルギー波などトリック以外で出せるものか!
セガサターン、シロ!(どっちかってーと、ドリキャスしろ!)
指が折れるまで! 指が折れるまで!




255: 2008/11/15(土) 22:15:43.79 ID:9FqA0O33O
湯川「行け、二代目よ!セガの栄光をこの手にッッ!!」

セガ・サタン・四郎「おぉ、力が湧いてくる!うぉおおお!!」

ベジータ「あ、アレはッ!?」

ピッコロ「せ、セガ・サタン・四郎ッ!!」

サタン「そうりゃぁあああ」ブゥン

悟空「ぐわぁあああ」

サタン「どうりゃぁあああ」ガシッ

ベジータ「ああっ、十の字硬めだッッ!!」

悟空「ま、参ったぁ。オラの負けだ!流石、セガ・サタン・四郎だ!敵わねぇッッ!!」

ピッコロ「か、勝った。勝ったぞ!セガ・サタン・四郎が勝った!」
トランクス「ワーイ、ワーイ!」

ブルマ「ドリームキャストって、当時としては画期的な本格的にネットゲームが出来るハードだったのよ!」

ヤムチャ「ギャルゲも豊富だったから、大きな子供達にも安心!」

未来トランクス「PSOっていうネットゲームが特に中毒性が高くて、サーバーが閉鎖されるまで続けてました!」

サイバイマン「ケェー!」

一同「セガ・サタン・四郎、万歳ッ!セガは永遠に不滅ですッッ!!」

289: 2008/11/15(土) 22:47:16.40 ID:9FqA0O33O
………………………
…………………
……………
………



サタン「……ん」ムクリ

サタン「夢か」

夢だった。



295: 2008/11/15(土) 22:56:23.00 ID:9FqA0O33O

サタンは、埋まっていた瓦礫から立ち上がる。

サタン「しかし、夢にしては随分と生々しい……」

サタンがそう呟いた時、手に感触を感じた。

サタン「コレは……それに!?」

手には『セガサターン、シロ!』のCDに、背にはドリームキャストを背負っていた。



304: 2008/11/15(土) 23:05:11.97 ID:9FqA0O33O

サタン「アレは……夢では無かったというのか!?」

だが、あの夢で感じていた様な不思議なパワーを感じる事は出来ない。

サタン「?」

しかし、サタンは違和感を感じた。

サタン(痛く……ない)

悟空に負わされたハズの体のダメージが無くなっている。
おそらく、あの不思議なパワーはコレに使われたのだろう。

ならば、やはり私はあのメガネの中年男に助けられたのだろう。

サタン「……」ギュッ

サタンは手元の『セガサターン、シロ!』のCDを握りしめた。


305: 2008/11/15(土) 23:10:55.77 ID:9FqA0O33O

その時、鈍い音がして二つの人影がサタンの方に飛んできた。

サタン「どわぁああ!」

サタンが慌てて引っ込めた頭の上を、スレスレの所で二人は通り。
隕石の様な音を立てて地面に激突した。

ベジータ「ぐ、ぐぐ……クソッタレ!」ガハッ

ピッコロ「くっ……ガ、たった一発で、もう動けん」

どうも、悟空に殴り飛ばされたらしい。

サタン「お、おい。大丈夫か?」

ベジータ&ピッコロ「黙ってろ!」

サタン「ヒィっ!」

サタンは恐れおののいた。


314: 2008/11/15(土) 23:31:38.88 ID:9FqA0O33O

ベジータ「大体、貴様生きていたのか……」

サタン「ま、まぁなあ」

ベジータ「珍妙な格好をしやがって……一体何の冗談だ?」

ピッコロ「……」

やはり夢の様にはいかないな、とサタンは思った。

ピッコロ「おい、サタン」

サタン「な、何だ?」

ピッコロ「俺達はちょっと回復に時間が掛かる。ちょっと時間稼ぎしろ」

サタン「いや、無理…」

ピッコロ「英雄(ヒーロー)なんだろ?」

サタン「ぐっ…」

ピッコロは有無を言わせない物言いである。

321: 2008/11/15(土) 23:39:40.69 ID:9FqA0O33O

ピッコロ「大丈夫だ。さっきみたいにやれば、多分氏なないから」

サタン「うぅ…」

サタンは渋々と言った感じで前に出ていく。

それを、ベジータはいぶかしげな顔で見送った。

ベジータ「おい…」

ピッコロ「……何かのついで生き返らせればいい」

ベジータ「……」

二人は、かなり追い詰められていた。


330: 2008/11/15(土) 23:54:17.76 ID:9FqA0O33O

サタン「うぅ、敵うわけないあんな化物に」
とぼとぼと、サタンは悟空の元へ歩いていく。

サタン「何がセガだ。何がゼガ・サタン・四郎だ。あんなのに十の字硬めなんて出来るか」

背中に背負うドリームキャストが、むやみに重い。
自分で勝手に見た夢であったが、サタンは逆恨みしはじめていた。

サタン「クソッ!」バシッ

サタン「こんなゲームしか出来ん様な白い箱、何の役にも立たな……ん?」

ドリームキャストの蓋が開き、中から何かがはみだしている。

サタン「こ、コレは!?」



サタンは、孫一家に対する重要な事を思い出していた。


346: 2008/11/16(日) 00:14:41.41 ID:qtFxjeaGO

――数分後。


ベジータ達はサタンに時間稼ぎをさせ、少し体力を回復しようと休んでいた。

ピッコロ「ちっ、仙豆が欲しいところだな……」

ベジータ「おいピッコロ、面白い事になっているぞ」

完全に横になっているピッコロと違い、上半身だけ起こしていたベジータがニヤニヤと笑いながらピッコロに呼びかける。

ピッコロ「何だ?人が殺される所を見てニヤつくなんて随分と趣味が悪…!!?ッッ」

ベジータ「……ニヤニヤ」


司会の人「おぉーっと、遂にサタンが謎の男を屈伏させたぁアアアアアアアアアアア!!」







悟空が、サタンに手を付いて謝っていた。


366: 2008/11/16(日) 00:48:03.60 ID:qtFxjeaGO

サタン「ほぉーれ、ホレホレ!どーしたどーしたっ!!」グリグリッ

言いながら、サタンは悟空の頭を足で踏みつけている。

悟空「ぐ、ぐぐ……」

サタン「ワーハッハッハッ、このサタン様のプレッシャーを前に手も足も出らんかぁ!?」

悟空「く、かっ……」

悟空はサタンの前に跪き、手を付いてうめいている。
はたから見れば、確かにサタンがプレッシャーで悟空を押し潰している様に見えなくもなかった。

ピッコロ「い、一体何が起こっていると言うんだ!」

ベジータ「クククッ」

ピッコロ「ま、まさか本当にサタンのプレッシャーでッ!?」

ベジータ「ハァーッハッハッハッ!」

混乱するピッコロをヨソに、ベジータは心底おかしそうに笑っている。

その様子に、ピッコロますます混乱した。


370: 2008/11/16(日) 00:59:56.21 ID:qtFxjeaGO

ピッコロ「おい、ベジータ!高笑いしてないで何があったのか教えろッッ!!」

ベジータはそんな慌てたピッコロの様子を見て、再度笑った。

ベジータ「ククッ、笑っちまうぜ。あれだよあれ」

そう言って、ベジータはサタンがヒラヒラさせている紙切れを指差す。

ピッコロ「何だアレは?」


ベジータ「全宇宙最強の男も、平和な時は単なる金食い虫って事だ」














――それで、ピッコロは全て合点がいった。


377: 2008/11/16(日) 01:18:08.09 ID:qtFxjeaGO

そう、サタンが持ってる紙。
それは、単なる借用書であった。

そう、

 孫 家 の 。


サタン「どーだ!サタン様のプレッシャーはッッ!!」

孫家は、悟空により食品の出費十倍、収入0というのが随分続いていた。

それに幾ら牛魔王が資産家と言えど、度重なる戦いで宝は紛失し紙幣は何度も紙切れになっていたし、田舎の土地では大した金にもならない。
悟飯の学費もある。

孫悟飯とビーデルの関係もあって、見かねたたサタンは何度も孫家に援助していたのである。
勿論、タダではない。

悟空「く、オメェ…」

サタン「良いんですか?チチさん怒りますよ」ボソッ

悟空「くっ……」

世界最強の男が最も恐れるのは、貧乏でも強敵でもサイバイマン中毒による飢餓でもない。

嫁(チチ)だった。


381: 2008/11/16(日) 01:35:31.82 ID:qtFxjeaGO

悟空「お、オラが悪かった……だから、もう勘弁してくれ」

その言葉を聞き、サタンはテレビカメラに目線を送りながらマイクで捉えられる様に大声で言った。

サタン「そこまで言うのなら仕方がない!このサタンは紳士であって鬼では無いからな、今回ばかりは許してやろうッッ!!」

司会の人「おおっと、Mr.サタンが寛大にもお許しになられた!流石サタン!紳士です!サタンは世界No.1の武道家ですが、世界No.1の紳士でもありますッッ!!」

地球を吹き飛ばそうとし、今の今まで自分をボコボコしていた敵を僅か数分足らずで従わせてしまった男がいたら、貴方はどんな反応をするだろうか?

その方法が如何に卑怯臭い方法であったとしても、その爽快感……腹の底から込み上げてくる物を抑える事が出来ないんじゃ無いだろうか?


386: 2008/11/16(日) 01:43:43.55 ID:qtFxjeaGO

そう、それは――

ベジータ「……サ…」

ピッコロ「………タン」

ベジータ「……サタン」

ピッコロ「サタン」

ベジータ「サタン!」

ピッコロ「サーターン!」

ベジータ「サーターンッ!」

ピッコロ「サーターンッッ!」



ピッコロ&ベジータ&全世界の人「「「サーターン!サーターン!サーターン!」」」





――この二人……もとい、全世界の人々にとっても同じ事であった。


395: 2008/11/16(日) 01:59:37.65 ID:qtFxjeaGO

――北の都。

男「サタンスゲェよ!」

女「やだ!アタシ濡れちゃう!」

男「「サーターン!サーターン!サーターン!」」女


――カメハウス。

亀仙人「やるのぉ、コヤツ」

亀「武天老師様より全然凄いですね」

亀仙人「「サーターン!サーターン!サーターン!」」亀


――神の宮殿。

デンデ「うぉおおお!やっぱサタン凄ぇッ!!」

ポポ「サタン すごい」


デンデ「「サーターン!サーターン!サーターン!」」デンデ



398: 2008/11/16(日) 02:05:06.65 ID:qtFxjeaGO

――世界中に、サタンコールが木霊する。

それは、大地が産声を上げる様なそんな歓声。

実際の所、大地は産声など上げていない。

だが――














――サタン伝説は産声を上げていた。


403: 2008/11/16(日) 02:20:27.05 ID:qtFxjeaGO

ピッコロ「本当に何とかしやがった…」

ベジータ「ふんっ」

一通りサタンコールを行った後、ベジータ達はサタンの後ろで佇んでいた。

ベジータ「なぁ、ナッメク……ピッコロ」

ピッコロ「何だ?」

ベジータ「巷で言われている様に、俺達や悟空などでなく、アイツが……本当の救世主なのかもしれんな」

そう言って、ベジータは悪戯っぽく笑う。

それに、ピッコロは何とも言えない微妙な顔を返した。

ベジータ「おい、サタン!こいつを悟空に刺せ」

そう言って、ベジータはサタンに小型の注射の様な物を渡した。

ベジータ「そいつで悟空の暴走を完全に止められるはずだ!王属のみが使っていいもの何だが……もう関係あるまい。ぶちこんでやれ」


621: 2008/11/17(月) 10:03:59.61 ID:0Dy7dT9RO

ナッパ「朝はサイバイマン納豆だな……」モキュモキュ

ナッパ「迎え酒にも良く合う」モキュモキュ ゴクリッ

ナッパ「待たせたな」

ナッパ「再開だ」


624: 2008/11/17(月) 10:10:17.26 ID:0Dy7dT9RO

その後、注射嫌いの悟空は暴れたが、サタンが脅してる間にベジータ達が隙を付いて注射してしばらくすると、悟空は大人しくなった。

悟空「……あれ、オラ。何かスッゲェワクワクしてた気がすっぞ」

注射のショックか、一部記憶を失っていた。


627: 2008/11/17(月) 10:21:45.39 ID:0Dy7dT9RO

司会の人「こ、これは……」

サタン「おそらく、セルの野郎のトリックか何かで操られたままだったのだろう」

サタン「だからこそ、私は彼に何もしなかったのだ」ニタリ

サタンはそんな適当な事を言いながら、意味深げに笑う。

司会の人「おぉ、さ、流石サタン!何もかもお見通しです!!」

サタン「ガッハッハッ、このサタン様が操られている者に手をあげたりは出来んからな」

サタン「指一本触れずに、正気に戻らせたワケだ」

サタン「ワーハッハッハッ!」











悟空「オラ……何か、スッゲェ痒かったきがすんだけど……うーん、覚えてねぇ」


630: 2008/11/17(月) 10:42:37.45 ID:0Dy7dT9RO
サタン「ソレでは諸君、また会おう!」

「「「サーターン!サーターン!サーターン!」」」

何処からともなくサタンコールを受けながら、サタンは颯爽とヘリに乗って去って行った。

ベジータ「……」

ピッコロ「……」

悟空「なぁ、オラ何かしたのかぁ?」グーッ

ベジータ「……」

ピッコロ「……」

悟空「お、オラ、腹減っちまったぞ//」グーッ

ベジータ「……」

ピッコロ「……」

悟空「いやぁー、そろそろメシの時間だな。そんじゃぁオラこれで帰るから―」

ピッコロ「待て」

ベジータ「カカロット、貴様に一つ言っておきたい事がある」

悟空「?」

636: 2008/11/17(月) 10:56:20.69 ID:0Dy7dT9RO




ベジータ「ファイナル―魔貫光―フラッ―殺砲シュッッッッ!!!!」ピッコロ




――光が、弾けた。


639: 2008/11/17(月) 11:06:06.93 ID:0Dy7dT9RO

光が、弾け、大地が揺れた。

悟空が居た場所を中心に、巨大なクレーターが出来る。

ベジータ「やったか!?」

ピッコロ「いや、まだだ」

爆煙の隙間から、悟空が這い出してきた。

悟空「ちょ、オメェら、止め――」

ピッコロ「ちぃぃ、流石に頑丈だ!」

ベジータ「消し飛べ――――ッッ!!」



641: 2008/11/17(月) 11:32:20.55 ID:0Dy7dT9RO

ピッコロとベジータが渾身のエネルギー波を放ち、悟空はソレをもろに喰らった――




ピッコロ&ベジータ「ッッ!!!?」


















――かに、見えた。


648: 2008/11/17(月) 11:58:42.65 ID:0Dy7dT9RO




――現れたのは、ヤムチャの氏体であった。


実は、悟空は最初の攻撃の時にさっさと瞬間移動で脱出してしまっており、爆煙から出てきたのは実は生きていたヤムチャであった。

胴着が似ていたため、満身創痍だったピッコロとベジータは間違えてしまったのだ。

ピッコロ「ちっ」

ベジータ「紛らわしいんだよ、クソッタレェエエエッッ!!」



650: 2008/11/17(月) 12:22:45.21 ID:0Dy7dT9RO

ピッコロ「……」

ベジータ「シラけちまったぜ」

二人は、ドサリとその場に座り込む。
もう、力が残っていなかった。

ベジータ「長かった…」

ピッコロ「……そう言えば」

ピッコロが、思い出した様に言う。

ピッコロ「貴様、何か頼みあって来たんだったな……せっかくだ。聞いてやる」

ベジータ「ほ、本当かっ!?」

ピッコロ「あぁ…一応、助けられもしたからな」

ベジータは目を輝かせた。

ベジータ「じ、実はだな…ドラゴンボールを探しているんだが、ブルマからレーダーを借りられなくてな、ドラゴンボールの場所を教えて欲しいんだ」

ピッコロ「何だ……そんな事か」

ピッコロは、さも簡単な頼みだ、という風に答えた。


656: 2008/11/17(月) 12:53:16.59 ID:0Dy7dT9RO

ベジータ「キッサマァアアアアアアアアアアア、ここまで引っ張っておいてそれはないだろうがッッ!!」

ピッコロ「お前が使うなんて、ろくな事になるはずがない」

ベジータ「何だとっ!?」

ピッコロ「そもそも、知らん。何故俺に尋ねようなどと思った」

ベジータ「そ、それは貴様がドラゴンボールを作ったから…」

ピッコロはため息を付きながら、ベジータが胸ぐらを掴んでいたのを外させた。

ピッコロ「馬鹿かお前は、ならばドラゴンレーダーをつい最近まで使う意味が無いだろうが」

ピッコロ「それに、今のドラゴンボールはデンデの手によるものだ。俺は全く関係ない」
ベジータ「!?」

ベジータ「ち、チクショォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」


658: 2008/11/17(月) 13:05:35.69 ID:0Dy7dT9RO

ピッコロ「大体お前……トランクスの事はどうでも良いのか?」

ベジータ「トランクスがどうした!?」

ピッコロ「だから、さっきのに巻き込まれたんじゃ……」

ベジータ「……」

ベジータは、タラリと汗を流した。
今の今まで、トランクスの事を忘れていたのである。

ベジータ「この、ナメック野郎!どうしてトランクスを守らなかったッッ!?」

ピッコロ「知るかッ!お前の息子だろうがッッ!!」


662: 2008/11/17(月) 13:25:02.52 ID:0Dy7dT9RO

ベジータ「キッマァアアアアアアアアアアアッッ!」

ピッコロ「ちっ、うっとうしい奴だな」

トランクス「パパー」グイグイ

ベジータ「トランクスを帰せぇ!!」

ピッコロ「だからそれはお前の責任だろ!」

トランクス「パパってばぁ」グイグイ

ベジータ「ハァアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

ピッコロ「うおおおおおおぇッッ!!」

トランクス「ねぇー!パパァっ!!」

ベジータ「うるさいっ!」バシッ

ピッコロ「……あ」

ベジータ「……あ」

トランクス「――」グデーン

ベジータが思わず弾き飛ばしたのはトランクスであった。


695: 2008/11/17(月) 17:27:45.14 ID:0Dy7dT9RO

ナッパ「今日のハイバイマンクッキングの時間だ」

ナッパ「まずは餅をオーブントースターでふんわりするまで焼く」

ナッパ「そして予め準備しておいたサイバイマンを、手頃な大きさに千切る」ブチブチ

サイバイマン「ケェー!」ブチブチブチブチャァ

ナッパ「氏なないうちに、熱い餅にくるんで食うんだ」ハフッモキュッ

ナッパ「うんめぇ!」テーレッテレー

ナッパ「再開」


700: 2008/11/17(月) 17:42:06.87 ID:0Dy7dT9RO

ベジータ「と、トランクスッ!」

ベジータは、慌ててトランクスに駆け寄っていく。

トランクス「――」グデーン

ベジータ「こ、これは!?」

気絶したトランクスは、手にドラゴンレーダーを持っていた。

ベジータ「で、でかしたぞトランクス!」

トランクス「――」グデーン

気絶しているトランクスを、ベジータは褒める。

ベジータ(正直なところ、もっと早く言えよと殴りたい所だが、ムチばかりではいかんからな)

王子なりの、父親論であった。


704: 2008/11/17(月) 18:01:29.53 ID:0Dy7dT9RO

ピッコロ「ふんっ、ただ馬鹿騒ぎをしただけか。くだらん」

そう言い残し、ピッコロは去って行った。

それを無視して、ベジータはドラゴンレーダーを操作する。

ベジータ「今、ドラゴンボールは……ん?一ヶ所に集まっているだと…」

ベジータ「ちぃ、急がんと一年越しになってしまうぞ!」

ベジータ「トランクス、起きろ」

トランクス「――」グデーン

ベジータ「クソッタレ、馬鹿がッッ!!」ガスッ

トランクス「フグェッ!――……・・  」グデーン

ベジータはトランクスを一発殴り、小脇に抱えて飛んで行った。

目指すは、ドラゴンボール。


710: 2008/11/17(月) 18:34:02.71 ID:0Dy7dT9RO

――所変わって、カメハウス。



クリリン「18号、結婚してくれ」

ベジータがトランクスをひっぱたいている頃、クリリンは一世一代の告白をしていた。

18号「クリリン、お前……」

言われた18号も、満更でもない様子である。

クリリン「あの時は一目惚れみたいな感じだったけど、セルゲームが終わってから今までお前と付き合って、やっぱり俺見かけとかだけじゃなく……18号の事好きみたいだ」

18号「……」

クリリン「俺、決めたんだ。悟空やベジータもいるし、武道家辞めて……今度は、その、お、お前を、幸せにする為の戦いをしたいんだ」

クリリン「だ、だから……結婚してくれ!」

自分でも、歯の抜ける様な台詞を言っているなぁとクリリンは思う。

でも、それだけ本気であった。


715: 2008/11/17(月) 18:46:43.50 ID:0Dy7dT9RO

18号「クリリン……分かってるのか?アタシは、人造人間なんだぞ?」

18号「認めたくないけど、アタシはDr.ゲロに作られた殺人マシーンだよ。それに……結婚してくれなんて……どういう事か分かってるのか?」

クリリン「違うよ」

クリリンは優しく、諭す様に言う。

クリリン「違うよ……18号はそんなんじゃない。確かに、名前も識別番号だし、Dr.ゲロがそういう目的で作ったのも確かかもしれない」

クリリン「けど、さ。18号はそんな事一回だってしてないじゃないか」

18号はそんなクリリンの言葉に、キッと睨みを返す。

そんな様子にも、クリリンは柔らかな笑みをもらした。

18号「違わない…よ。今までたまたま何もしてないだけで、今だって『悟空を殺せ』って命令が頭の何処かで引っかかってんだ」

クリリン「……」


729: 2008/11/17(月) 19:06:23.11 ID:0Dy7dT9RO

18号「今まで、たまたま何もしてないだけで。いつか人を頃しだすかもしれない……そんなの、殺人マシーンと変わらない」

18号「アタシ、自信ないよ。きっと、いつか頃しだす」

そう言って、18号はあさっての方向を見た。

月の光が、カメハウスの窓から差し込んでいる。

18号「その時、結婚なんかしててみろ。最初に頃すのは……クリリン、お前じゃないか!」

叫ぶ18号の横顔を照らす様に、ぼやけた月の光が差し込む。

その顔は、悲鳴を上げている様だった。


734: 2008/11/17(月) 19:15:51.88 ID:0Dy7dT9RO

18号「アタシは嫌だ」

18号は、打ち明けるにそう呟く。


18号「クリリン……あんたを頃すなんて、嫌だよ」

そい言って、18号は震える体を自ら抱きしめる。

それは、何処か脅えている様で――

18号「クリリン、ごめんな……今までお前と一緒に居たけど、本当はもっと早く離れるべきだったんだ。クリリンの気持は本当に嬉しいけど、今日で分かれ――」

――そっと、18号を包み込んだ。



738: 2008/11/17(月) 19:26:32.34 ID:0Dy7dT9RO

18号「――!?クリリン……」

クリリン「ごめんな」

18号の頭を包み込む様にして抱きしめながら、クリリンは呟く。

クリリン「俺、もう決めたんだ……この際、お前の意見は聞かない。俺と結婚してく…いや、結婚するんだ」

18「クリリンの癖に……随分強気だな」

クリリンは、へへっと笑う。

18号の声は、震えていた。

クリリン「18号がいくら嫌がっても、18号と結婚する。18号が逃げるなら、何処までも追いかける…………ありゃ?俺ストーカーになっちまうなぁ…」

言いながら、クリリンは困った様な声を出した。


744: 2008/11/17(月) 19:38:48.17 ID:0Dy7dT9RO
震えた声で、18号は言う。

18号「変態…」

クリリン「はいはい」

18号「ハゲ、鼻無し」

クリリン「はいはい」

18号「…アタシは、性格悪いよ?」

クリリン「知ってる」

18号「お金もかかるよ」

クリリン「身に染みてます」

18号「嫉妬深いし……浮気したら頃すよ?」

クリリン「有り得ない例えを出されても…」

18号「……そうじゃなくても、頃すかも」

クリリン「大丈夫、それを一生かけて証明するよ」

18号「バーカ」

言いながらも、18号はよりクリリンの胸に蹲った。

746: 2008/11/17(月) 19:42:27.67 ID:0Dy7dT9RO



――それは、女が自分より小さな男の胸に、わざわざしゃがんで蹲るという酷く不格好な光景だったけど――










――まるで何処かの芸術でもあるかの様に――










――美しかった。


759: 2008/11/17(月) 20:28:15.98 ID:0Dy7dT9RO

ナッパ「サイバイマンは1日何回食っても旨いもんだぜ」モキュモキュ


ナッパ「再開」


763: 2008/11/17(月) 20:35:59.54 ID:0Dy7dT9RO

しばらく抱き合ってから、クリリンは照れ臭そうに笑った。

クリリン「ゴメンな、背ぇ低くて」

18号「別に気にしてねぇーよ…………もう少し空気読みなよ」

クリリン「ははっ、ゴメンゴメン」

そこで、静寂に包まれていた空気は音を取り戻し、二人は離れる。

18号「……ふん」

言いながら、18号は鼻をすすった。
その目は赤い。

18号「その……なんだ、ありがと」

クリリン「ん?」

18号「色々、気にしてた事、楽になった」

その言葉に、クリリンは嬉しそうに笑う。


765: 2008/11/17(月) 20:45:30.65 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「そ、そうか?良かった良かった……じゃぁ、OKか?」

唐突なその言葉に、18号は眉をしかめた。

18号「聞くタイミングじゃぁ無いだろう……」

クリリン「あは、たははは//」

クリリンは恥ずかし気に頭をかく。
良くも悪くも、クリリンはこういう経験が浅い。

クリリン「でも、気になるじゃないか」

18号「あのなぁクリリン、慌てる乞食は貰いが少ないと言ってなぁ……」

クリリン「た、た、頼むよぉ。俺、間が持たないんだよ」

18号「はぁ……」

18号は仕方がないな、とため息を付き、答えてやる事にした。

18号「良いに決まって……やっぱ駄目だ」

クリリン「そうか、俺嬉しいよ――って、えぇぇッッ!?」

18号は、意地悪そうにニヤニヤ笑っている。


766: 2008/11/17(月) 20:54:36.33 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「18号ぉ、このタイミングでそれは無いよぉ…」

18号「言ったろう?アタシは性格悪いって……クククッ、やっぱ結婚を受けるからには何かして欲しいなぁ」

18号はククッと笑いながら、嬉しそうな猫なで声を出す。

小悪魔ってこういう事を言うんだなぁ、とクリリンは思った。

18号「そうだ!プレゼントだ!アタシが納得するプレゼントをくれるまで、結婚は延期な」

そう言って身を屈め、下から見上げながらウイングをしてくる。

クリリン(あぁ…可愛いなチクショウ!)

クリリンが翻弄される未来が、ありありと予想出来た。


769: 2008/11/17(月) 20:57:51.67 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「18号ぉ、このタイミングでそれは無いよぉ…」

18号「言ったろう?アタシは性格悪いって……クククッ、やっぱ結婚を受けるからには何かして欲しいなぁ」

18号はククッと笑いながら、嬉しそうな猫なで声を出す。

小悪魔ってこういう事を言うんだなぁ、とクリリンは思った。

18号「そうだ!プレゼントだ!アタシが納得するプレゼントをくれるまで、結婚は延期な」

そう言って身を屈め、下から見上げながらウインクをしてくる。

クリリン(あぁ…可愛いなチクショウ!)

クリリンが翻弄される未来が、ありありと予想出来た。


777: 2008/11/17(月) 21:12:40.84 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「ふふんっ」

クリリンは不敵に笑った。

クリリン「18号の性格くらい分かってる。そういう時もあるかと思って、ちゃんと準備して来たんだ」

18号「へぇ…随分手際がいいね。でもアタシの好みはうるさいからなぁ、クリリンじゃぁ期待出来ないなぁ」

クリリン「大丈夫、絶対大丈夫だよ」

クリリンはやけに自信有り気にそう言うと、ハンガーの奥から袋を取り出してきた。

クリリン「ほいっ」


――ガラガラガラガラッ。


中から出てきたのは……そう、ドラゴンボールが7つ。

18号はそれに驚いていたが、最終的にクリリンに笑みを返した。

18号「……やるじゃないか」

クリリン「へへっ」


782: 2008/11/17(月) 21:23:15.09 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「18号が何が欲しいか分からなかったから、ブルマさんにドラゴンレーダー借りて集めてきたんだ」

クリリン「これなら、何だって大丈夫だからね……さ、好きな願いを叶えてよ」

18号「ふふ」

18号は、心底嬉しそうに笑った。

18号「クリリンにしちぁ冴えてるな」

クリリン「でしょ?さ、何でも言ってよ」

18号「いや、もうこのボールは要らないな」

クリリン「え?」

18号「アタシの願いは……もう叶った、さ」









二人は口付けを交した。


785: 2008/11/17(月) 21:36:46.33 ID:0Dy7dT9RO
月の光の元、しばらく二人は口付けを交わす。

クリリン「……あのさぁ」

18号「何だよ?」

クリリン「流石にこれは俺も空気読めてないって、分かるんだけどさぁ」

クリリンは何処かソワソワしながら、ポリポリと頬をかいている。18号は、本日2回目の諦めのため息を付いた。

18号「本当にお前はKYな奴だな」

クリリン「いやっ、あははははは。ホラッ、今日は武天老師様も亀も居ないしさぁ、きっと気をつかってくれてると思うんだよねぇ」

18号「KYめ」

クリリン「いやぁ、最近出来なかったし!丁度良いなぁ、なんて……」

18号「救い様がないKYだな」

クリリン「あははははは……」

クリリン「……」

18号「……」

クリリン「良いよ、KYで!」

18号「きゃっ」

792: 2008/11/17(月) 22:00:34.72 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「よっ…と」

クリリンが、18号のスカートをずらし、パンツを下ろしていく。
割と、手慣れた感じである。


18号「ちょ、また……先ずはスカートからだろ?」

クリリン「いいじゃないか、俺は着たままが好きなんだ」

18号「変態め」

クリリンはそれには答えず、18号の秘部を覆っていた下着を左手で降ろしながらも、右手でシャツの下から胸へと手を伸ばす。

18号「あ、んんっ……」

揉みしだくと、18号は思わず声を漏らした。

その間に、クリリンの左手は秘部へとたどり着いている。

クリリン「やっぱり、18号は感度が良いよな」

18号「や、やめろよぉ……」

18号の顔は赤く上気し、羞恥に顔を歪めていた。


800: 2008/11/17(月) 22:18:17.72 ID:0Dy7dT9RO

クリリン「じゃぁ、いつも通り」

そう呟くと、クリリンは完全に秘部が露になった18号のスカートの中に頭を潜り込ませていく。

それに、18号は戸惑いを見せた。

18号「ちょっ、クリリンそれは……あっ」

クリリンの吐息によるものなのか、18号は僅かに嬌声をもらす。

18号「クリリン、そこは……汚いよ。きっと、臭うし…」

クリリン「大丈夫。俺、鼻無いから」

そう言って、クリリンは更にそのスカートの奥深くへと――



《この文章は省略されました。続きを閲覧する場合は『わっふるわっふる』と書き込んで下さい)

814: 2008/11/17(月) 22:31:56.17 ID:0Dy7dT9RO





ベジータ「グミくれよぉおおおお!!(byドラゴンボールグミ」

クリリン&18号「ッッ!!!?」

















――そんな叫び声と共に、窓をぶち破ってベジータが現れた。


822: 2008/11/17(月) 22:45:32.24 ID:0Dy7dT9RO

ベジータ「ハッ!?俺は一体何を叫んで……」

謎の絶叫を上げたベジータは、トランクスを小脇に抱えたまま正気に戻った。

18号「……」

クリリン「べ、ベジータ……ぐ、グミは無いぞ」

クリリンがやけに冷静に返す。

その言葉で、ベジータは近くにクリリン達がいる事に気が付いた。

ベジータ「ん?という事はここは……ってッ!貴様ら何をしているッッ!!」

流石の超絶空気読めないベジータ様も、パンツが床に転がっていて、クリリンが18号のスカートに頭を突っ込んでいれば状況が理解出来た。

ベジータ「クソッタレェッ!なんて羨ましいッッ!!」

俺様はブルマとは長い事ご無沙汰だって言うのに!



828: 2008/11/17(月) 22:58:15.83 ID:0Dy7dT9RO

一人だけ早く状況に立ち直ったクリリンは、コホンッと咳払いしてベジータ言った。

クリリン「なぁベジータ?」

ベジータ「何だ――ッッ!?」

クリリン「ここは一つ、何も言わずに帰ってくれないか?」

ベジータ「嫌だ――――ッッ!!」

クリリン(マジでウゼェ)



クリリンは、あの時殺さなかった事を非常に後悔した。


835: 2008/11/17(月) 23:13:42.24 ID:0Dy7dT9RO

ベジータは『コイツらの邪魔をしなければいけない』という何かの使命感に付き動かされる様に、頭をフル回転させる。

ベジータ(コイツらのこの状況を徹底的に破壊する為には……そうだ!)

ベジータ「おい、トランクス起きろ!」

トランクス「うゅ……あれ、パパ?」

ベジータ「よーし、よくやったトランクス、よく起きた!!」

トランクスはボヤけた目を擦りながら、状況を確認する。

トランクス「あれ…?クリリン、さん?それに18号のお姉ちゃん…」

クリリン&18号「……」

トランクスは、決定的な違和感を認めた。

トランクス「あれ?…お姉ちゃん何でパンツはいてないの?」

18号「ッッ!!?//」ガバッ

18号は慌てて足を閉じる。
そうして、恥ずかしそうに顔を伏せた。

ベジータ「ふふ、ふっふっふっふっ、フハハハハハハハハッッ!!」

勝ったッッ!!

843: 2008/11/17(月) 23:22:28.66 ID:0Dy7dT9RO

18号「やってくれたねぇ……ベジータッッ!!」

18号が恥ずかし気に顔を染めながらも、ベジータを睨みながら叫ぶ。

クリリン「ベジータ、お前わざわざ俺達の邪魔をする為に……」

ベジータ「そうだ!そうだとも!!フハハハハハハハハッッ!!!」


……ん?何かもっと大事な用事があった気がするが…………今はコレが一番大事だッッ!!


ベジータは、当初の目的をすっかり忘れていた。


852: 2008/11/17(月) 23:32:45.17 ID:0Dy7dT9RO

18号「サイヤ王子とやらはデリカシーが無い事の王子らしいねっ!」

ベジータ「何だとっ!?文句があるならかかって来いッッ!!」

18号「上等だよ!行くよ、クリリンッッ!!」

クリリン「いや、俺は留守番……」

18号「あんたも行くんだよッッ!」

そう言って、18号はクリリンを引きずりつつベジータと戦い場へ飛んで行く。

後には、トランクスだけが残された。


858: 2008/11/17(月) 23:44:19.43 ID:0Dy7dT9RO

トランクス「……パパ、行っちゃった」

トランクスは一抹の寂しさを感じた。
まだまだ子供なのだ。

人としておかしかろうが、すぐに殴ろうが、Mハゲだろうが、まだまだ親が必要なのである。

トランクス「何かないかな…」ゴソゴソ

寂しさを紛らわす為に、トランクスは辺りを物色し始めた。

トランクス「……何だコレ?」

床に、オレンジ色の球状の物が転がっている。

トランクス「これ……もしかして?」

そう、それはドラゴンボールであった。

トランクス「ワァー、これパパが言ってたヤツだぁ」

言いながら、トランクスはドラゴンボールを並べていく。


861: 2008/11/17(月) 23:50:37.38 ID:0Dy7dT9RO

トランクス「んーと、んーと、何て言うんだっけ?開けゴマだっけ?」

トランクス「んーと、あ、そうだ『いでよ、シェンロン』だ!」



――カッ!



トランクスが言うやいなや、ドラゴンボールが輝き出す。

暗雲立ち込め、カメハウスの天井を突き破り、神龍(シェンロン)が降臨した。











神龍「――さぁ、願いを言え」


865: 2008/11/17(月) 23:58:49.38 ID:0Dy7dT9RO

神龍「――どんな願いでも、二つだけ叶えてやろう」

トランクス「やった!パパが言った通りに本当に出た!!」

トランクス「ワァーイ、ワァーイ!」

トランクスは喜びのあまり、神龍を無視して踊っている。

神龍「あのー、願いを言って欲しいんですけど」

トランクス「あ、そっかぁ」

トランクスはハタと気が付いた。

トランクス「えっへへぇ、一個目は決まってるんだぁ」

トランクス「ヤムチャさんに殺されちゃった僕のサイバイマンを蘇らせて!」

神龍「お安い御用だ」


――カッ!



870: 2008/11/18(火) 00:06:56.71 ID:0Dy7dT9RO

眩い光の後に、トランクスの前にあの時ヤムチャと心中したサイバイマンが立っていた。

サイバイマン「ケェー!」

トランクス「サイバイマーンッッ!!」

サイバイマン「ケェー!」

トランクスとサイバイマンは抱き合って涙し、再会を喜び合う。

トランクス「良かったよ、良かったよサイバイマン。元気だったかい?」

サイバイマン「ケェー!」

トランクス「そっかそっか、君は良く戦ったよ。ヤムチャさんと引き分けたんだ、君は凄いよ」

サイバイマン「ケェー!」

トランクスとサイバイマンが意思の伝わっているか伝わっていないか良く分からない会話を交していると、神龍は次を促してくる。

神龍「――さぁ、二つ目の願いを言え」


875: 2008/11/18(火) 00:09:55.69 ID:LJ1jyLAUO
もう一人氏んだのがいるんだがwww

878: 2008/11/18(火) 00:17:17.15 ID:fn6Q9lnkO

トランクス「……」

そこで、トランクスは困ってしまった。

トランクス「別に、ないなぁ……」

トランクスには、サイバイマンが蘇ってくれれば十分であった。

神龍「何も無いのならば、私はここで消えるが」

トランクス「ちょ、ちょっと待ってよ!」

流石に消してしまうのは勿体無い。

トランクス「うーん、うーん……あ」

トランクスは一生懸命考え……浮かんで来たのはパパの顔であった。

トランクス「ねぇ、シェンロン。僕のパパ最近ずっと悩んでて、前よりMハゲが酷くなってる気がするんだ!お願い、パパの悩みを取ってあげて」

神龍「……それは、一部記憶を奪っても良いのか?」

トランクス「うん、多分良いよ」

神龍「――ならばお安い御用だ」

――カッ。


880: 2008/11/18(火) 00:19:55.11 ID:fn6Q9lnkO





――そうして、願いは叶えられた。






882: 2008/11/18(火) 00:31:32.76 ID:fn6Q9lnkO

――カメハウス側の海の上。


ベジータ「ハァハァ……勝ったぜ」

クリリンと、18号が、海の上に浮かんでいる。

氏んではいないが、ベジータの勝ちは明白だった。

ベジータ「よし、そろそろ戻って神龍にサイバイマンを――」


――カッ。


ベジータ「ん?神龍に何をして貰うんだ……というか俺は何でこんな事を?アレェ?」

ベジータ「まぁ、トランクスが居るから迎えに行くか」

ベジータはカメハウスへと向かう。






―そう、ベジータはサイバイマンに関する全ての記憶を失っていた。


887: 2008/11/18(火) 00:38:25.19 ID:fn6Q9lnkO

――カメハウス跡の残骸。



トランクス&サイバイマン「――キャッキャッ」

神龍が現れた事で吹き飛んだカメハウスの残骸の上で、トランクスとサイバイマンは仲良くじゃれあっていた。

そこに、ベジータが戻ってくる。

ベジータ「ん?何だあの気持悪い生き物はッ!?トランクスに襲いかかろうとしてやがるッッ!!」

ベジータが戻ってきた事に気付いたトランクスとサイバイマンは、ベジータの元に走り寄る。

トランクス「パパ、おかえり~」

サイバイマン「ケェー!」

ベジータ「……」


889: 2008/11/18(火) 00:41:10.47 ID:fn6Q9lnkO





ベジータ「――フンッ!!」グシャァッッ!



















――ベジータは、トランクスの側にいたサイバイマンの頭を握り潰した。


894: 2008/11/18(火) 00:54:15.96 ID:fn6Q9lnkO

サイバイマンの脳しょうが飛び散り、トランクスの顔にも僅かにかかる。

ジュッと、ほんの少しだけ、トランクスの頬を焼いた。

トランクス「え?……あ……パパ……あぁ……あ、あ、あれ?……サイバイマン……あれれ……」

ベジータ「ふぅ、全く危ないな、地球にも妙な生き物がいるもんだ……おい、大丈夫かトランクス?」

トランクス「う、う、ううぅぅぅ、うわぁああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!?」

余りのショックに、狂った様に泣きだす。

泣いているのか、驚愕しているのか、良く分からない顔だ。

ベジータ「お……怖かったのか、よしよし」

トランクス「うわぁああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!?」

ベジータ「大丈夫だ。もう大丈夫だぞ」

トランクス「うわぁああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!?」

ベジータが慰めるが、トランクスが泣きやむ様子はない。

……全く、まだまだガキだな。

と、ベジータは思った。


901: 2008/11/18(火) 01:03:56.68 ID:fn6Q9lnkO





――それから、ベジータがサイバイマンに関わる事は無かった。






905: 2008/11/18(火) 01:15:40.17 ID:fn6Q9lnkO

――その後、孫家。


悟空「いやぁ、やっぱチチの飯はうめぇな!」モキュモキュ

そう言って、悟空はメシをかき込む。
いつもと、同じ、十人前だ。

そんな悟空に、嫁のチチは心配そうな声をかける。

チチ「なぁ、悟空さは元に戻ったけど、悟飯ちゃと悟天が……」

悟空「あぁ、コイツらの事け?」

そう言って、悟空は自分の尻の方を指差す。

そこには、二人まとめて簀巻きにされ、悟空の椅子変わりにされている悟飯と悟天が居た。

悟飯「お父さん、僕にサイバイマンを食べさせてください!僕にサイバイマンを食べさせねば、この銀河が!!いや、コレは本当なんですよ、僕の計算によるとですねぇ……ウンタラカンタラ」

悟天「サイバイマンを食べさせてよー!食べさせてくれないとグレてやるぅッッ!!」ジタバタ

妄想と凶暴化の、典型的症状であった。


911: 2008/11/18(火) 01:28:07.96 ID:fn6Q9lnkO

悟空「心配ぇいらねぇ!オラ、人に聞いてきた!コレ、反抗期って言うんだそうだ!!」

チチ「まぁ!?これが噂の反抗期だか!!」

悟飯「聞いてください、ブラックホールとホワイトホールが……アーダコーダ」

悟天「うわぁああああああああああ!!」ジタバタジタバタ

悟飯はブツブツと何事かを呟き続け、悟天は暴れている。

悟空「コイツらも大人になっていくって事だ!チチ、メシおかわり!!」

チチ「ハァ……何だか複雑な気分だなぁ……悟空さ、それもう十杯めだから終りだ」

悟空「……」

チチ「……」

悟空&チチ「あっはっはっはっは!」

二人は、目を合わせて笑い合う。





――孫家は今日も平和だった。


912: 2008/11/18(火) 01:29:45.63 ID:w79FDEBu0
平和じゃねぇよwww

914: 2008/11/18(火) 01:35:16.86 ID:fn6Q9lnkO

――どっかの森。


ピッコロ「……」


――ガサッ。


ピッコロ「ッッ!!?――ベジータかッッ!?」ガバッ

野鼠「チューチュー」

ピッコロ「ベジータじゃないか」ホッ











――ピッコロは、眠れね夜が続いていた。



917: 2008/11/18(火) 01:43:13.08 ID:fn6Q9lnkO

――閻魔の所。(BGM推奨:ウルフハリケーン)


閻魔「おぉ、ヤムチャよ。氏んでしまうとは情けない!」

ヤムチャ「へへ……やっぱ無理でした」

ヤムチャ「もっかい生き返らせて貰えませんか?」

閻魔「そなたにはもうチャンスを与えた、地獄に落ちろ」

ヤムチャ「え!何で地獄!?」

閻魔「ただの腹いせだ!!」

ヤムチャ「ちょ、ま――」









――ヤムチャはしばらく地獄に居ました。


921: 2008/11/18(火) 01:51:26.35 ID:fn6Q9lnkO

――神の宮殿。

デンデ「え?サタン……あぁ、あのブロッコリー頭っすか?いやいや、あんなんダサいっすよ。今は断然、大作様っすよ。so-ka最高っすよ」

ポポ「そうかそうか」

デンデ「「大作!大作!大作!」」デンデ













――ポポは、神を新しく変えようかと思っていた。


930: 2008/11/18(火) 02:01:37.82 ID:fn6Q9lnkO

――壊れてない、カメハウス一階部分。


亀仙人「ほっほっ、アイツらこの間は楽しんだ筈じゃ、どれどれ」

亀仙人は、仕掛けてあった隠しカメラを取り出した。
ビデオにセットし、再生し始める。

亀仙人「ほっほっ、やっておるやっておる……んん?ベジータ…」

18号「おい、ジジイ」

亀仙人は、ピッとテレビの電源を切った。

亀仙人「さぁーて、海の見回りにでも……」

18号「ほぉ、こんな事してたのか。どうりで大人しく居なくなるワケだ」ガシッ

18号は亀仙人の首根っこを掴んだ。

亀仙人(クソ、ベジータが邪魔で重要な部分が見えんかった……)





――その後、亀仙人の生氏を知る者は居ない。


932: 2008/11/18(火) 02:14:01.74 ID:fn6Q9lnkO

――ブルマの自宅、子供部屋。


ブルマ「トランクス、出てきなさい、ご飯よ!」ドンドンッ

トランクス「……いらない」モグモグ

ブルマ「もう!そう言って丸3日立つわよ!!何か食べないと体に悪いわ!!」

トランクス「大丈夫、食べてるよ」モグモグ

そう言って、トランクスはまた一口サイバイマンの肉をかじった。

あの後、トランクスは泣きながらもサイバイマンの残骸を集め、それからそれだけを食べている。

それが一番の供養になるような、そんな気がトランクスはしていた。

トランクス「……」モキュモキュ

トランクスはサイバイマンの残骸を食べながら、ギュッと一冊のノートを握り締める。

――それは、彼との想出の一品。

トランクス「……」モキュモキュ

トランクスは、それを大事そうに机の引き出しにしまう。

――そのノートには、沢山の涙の跡が付いていた。

935: 2008/11/18(火) 02:17:13.39 ID:fn6Q9lnkO





――そして、未来では――






938: 2008/11/18(火) 02:26:29.26 ID:fn6Q9lnkO

未来トランクス「おはようございます!」

町の人「おぅ!おはよう、トランクス君!」

女の人「あ、トランクスさん!おはようございます!!」

トランクスは町を巡回しながら、笑顔で皆と挨拶する。

町は、以前程とはいかないが復興の兆しを見せていた。

女の子「トランクスお兄ちゃーん、おはよー!」

以前、両親を殺された少女も、笑顔を取り戻していた。

女の子「お兄ちゃん、だっこしてー」

トランクス「はいはい」

トランクスは片手で少女を軽々と持ち上げると、肩の上に乗せた。

女の子「えへへー」

あれ以来、トランクスはこの少女とは家族の様な付き合いをしていた。


941: 2008/11/18(火) 02:36:24.83 ID:fn6Q9lnkO

――だが、変わったのはそれだけじゃない。

ブルマ「トランクス、話が有るわ、ちょっと来て……『Sチーム』も集めといて」

トランクス「母さん……分かったよ」

そう言って、トランクスは少女を降ろした。

女の子「えぇー!トランクスお兄ちゃんもう行くのぉ!?」

トランクス「ゴメンね、今度は好きなだけ肩車してあげるから」

女の子「ちぇ~……ま、しょうがないか、男の人は放浪癖があるもんだもんね」

そう言って、少女は茶目っ気たっぷりに笑った。

トランクスはそれに笑顔で答え、その場を後にした。


947: 2008/11/18(火) 02:49:16.95 ID:fn6Q9lnkO

――町の外、一部森が開けた場所。


ブルマ「……」

ブルマは一人、そこで待っていた。

トランクス「母さーん、『Sチーム』も一緒に連れて来たよ!」

ブルマ「ありがと、トランクス」

『Sチーム』とは『サイバイマン討伐チーム』の略称で、あの一件後に素質がありそうなのをブルマ達が集めて組織したチームである。

このチームの活躍のお陰もあって、トランクス達の町は他の町と比べ大分被害を免れていた。

他の町は、未だに廃墟同然というのが多いのである。

トランクス「で、どうしたのさ、母さん?」

ブルマ「これを見て」
そう言ってブルマが指差した先の地面には、バスケットボール大の穴がいつも空いていた。

トランクス「ッッ!!?これは、サイバイマンの発芽した後じゃないかッッ!!!」

ブルマ「アイツら、どうも自然に増殖している様だわ」

溜め息を吐くかのように、諦めるかのように、ブルマは言った。


949: 2008/11/18(火) 02:58:58.56 ID:fn6Q9lnkO

トランクス「そんな……」

Sチームの男A「馬鹿な、トランクスさんと一緒に粗方倒した筈だったのに……増え続けるだなんてッッ!!」

ブルマ「……」

誰もが絶望に暮れた、その時だった。

Sチームの男B「お、おい皆、空を空をみてくれ!」

ブルマ&トランクス&その他「!?」

みんな、一斉に空を見上げる。

トランクス「空が……黒い……いや、アレはッッ!?」

Sチームの男「サイバイマンだ!サイバイマンの群れだぁあああッ!!ま、町に向かってるッッ!!!」



954: 2008/11/18(火) 03:12:21.30 ID:fn6Q9lnkO

黒いイナゴの大群の様な固まりが、町へ向かって飛んでいく。

Sチームの男A「1…10…100……200だ!200は居るぞ!!」

Sチームの男B「駄目だ!!もう終りだッッ!!!」

一人のメンバーは完全にやる気を無くし、へたりこんでしまっていた。

トランクス(いけない、今ここで諦めたら、僕らの町は全滅する!)

その時、ボソリと呟きが聞こえた。

Sチームの男C「アレだけいれば……町の食料半年分だな」

トランクス「ッ!?――そ、そうだよ、諦めたら駄目です!食料が自ら飛んで来たと、そう思うんです!!」

Sチームの男B「で、でもよ、トランクスさん……」

トランクス「どうせ氏ぬなら、弱音は氏んでから吐きましょう」

そう言って、トランクスは背中の剣を抜く。

町に近付く前に追い付けば、一発で半分位は消し飛ばせる筈だ。


961: 2008/11/18(火) 03:17:30.72 ID:fn6Q9lnkO

トランクス「うぉおおおおおおおおおおおおッッ!!」

トランクスは自慢の剣をふりかざし、サイバイマンの群れに向かっていく。

トランクスの運命や如何に――

















――トランクスの戦いは、これからも続く。


965: 2008/11/18(火) 03:28:34.22 ID:fn6Q9lnkO

――コトッ。

ブルマ「あら?」

トランクスの部屋を掃除中、トランクスの机から何かが落ちてきた。

ベジータ「どうした?」

そこに、ベジータが何処からともなく現れる。

ブルマ「いや、何か落ちてきて」

ベジータ「どれ……」ペラッ

ベジータは落ちてきたノートをパラパラとめくる。

ベジータ「サイバイマソ日き……ふんっ、くだらん妄言ばかりが書いてある。ゴミだな」

ブルマ「ちょっと、トランクスにとっては大事な物かもしれないでしょ?」

ベジータ「ふんっ、いずれにせよゴミだろうが……」ポイッ

ブルマ「もう……」

ベジータが捨てたそれは、綺麗にゴミ箱の中に入って底に落ち、

ダストシュートの中に飲み込まれて行った。


967: 2008/11/18(火) 03:30:03.91 ID:fn6Q9lnkO





『ベジータ「どうだ?美味いだろ、トランクス」 完 』






968: 2008/11/18(火) 03:31:28.72 ID:/MVKLpg8O
あ……れ?

969: 2008/11/18(火) 03:32:41.74 ID:id+FP5gjO
ひでぇwww
乙!

引用: ベジータ「どうだ? 美味いだろ、トランクス」 Z