361: 2015/04/30(木) 03:15:42.27 ID:YUCRUkrL0
ここから以後は本編も今までのような連続したお話ではなく、順序も時系列もてんでばらばらの断片的な物語になると思います
ご了承ください

最初:提督「安価で艦娘に甘えよう」
前回:提督「安価で艦娘に甘えよう」【8】


362: 2015/04/30(木) 03:17:11.39 ID:YUCRUkrL0


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――――――
―――


提督「…朝潮」

朝潮「はい!」

提督「ちょっと聞きたい事があるんだが」

朝潮「なんでしょうか」

提督「……なんでメイド服なんか着てるの?」

   (しかもご丁寧にイギリス式かよ…)

朝潮「はい、普段お世話になっている司令官になにかご恩返しはできないかと思いまして…」

   「そうしたら漣ちゃんが、そういうときはこの格好をして、相手に尽くしてあげるのが慣わしだと」フリフリ

提督「やっぱあいつの入れ知恵だったかぁ…」

朝潮「それで、司令官!なにか私にできることはないでしょうか!」

提督「んー、そうだなぁ…」

   (つーか…似合ってんなー、この格好)

朝潮「……」ジー

提督「……申し訳ないけど今は特に何も無いかなぁ」

朝潮「…そうですか…」シュン

提督(可愛い)

   「…あー…そうだな、お茶淹れてくれると助かる。加賀が今出張中だから淹れてくれる人がいないんだ」

朝潮「…!」パァァァ

提督(アカン)キュンッ

朝潮「はい!えっと…あ、精一杯、ご奉仕します!」ビシッ

提督「……それも漣に教わったの?」

朝潮「はい、そうですが」カチャカチャ

提督(…後であいつをシバくべきか、褒美を取らせるべきか悩む)

朝潮「~♪」コポポポポ

提督「…それって確か、今流行ってる歌だよな」

朝潮「ふぇ?あ、そ、そうです!司令官もご存知なのですか?」

提督「ん、ちょっとだけな。確か歌ってるのって女の人だったよな、そんでラブソングなんだっけか…やっぱ朝潮もそういうの聴いたりするのか?」

朝潮「私はあまり音楽は聴かないです。ただ、大潮たちがよく聴いているので私も覚えてしまって…はいどうぞ、司令官」コトッ

提督「ありがとう。なるほどなー、確かにああいうのって妙に耳に残るんだよな」ズズーッ

   「ふー…うん、おいしい」

朝潮「…!」パァァァ

提督「ふふっ…かわいいなぁ朝潮は」

朝潮「へっ!?」///

提督「あっ しまった」

朝潮「え、と、その…あ! こっ、このへん、片付けておきますね!」/// アセアセ

提督(…露骨に話題逸らしにきやがったな)
艦隊これくしょん -艦これ- おねがい!鎮守府目安箱 1 (電撃コミックスNEXT)
363: 2015/04/30(木) 03:25:36.39 ID:YUCRUkrL0
朝潮「えーとこれはこっちでこれはあっちでー…」///

   「…? この耳かきはどこにしまえばいいですか?」

提督「ん?あぁそれはあっちの棚の中でいいよ」

朝潮「はい、わかりました!」

提督「…そういえばしばらく耳掃除してなかったなぁ」

朝潮「!」ピクッ

提督「今度するかー…」

朝潮「…あの、司令官」

提督「うん、どうした?」

朝潮「…その…それなら、私が耳かき…しましょうか…?」スッ

提督「……んー……」

   「…うん、じゃあ…お願いしようかな」

朝潮「…! はい、私にお任せください!」スチャッ

提督「んじゃ、よろしくっ」ポスン

朝潮「はい!それでは、ご奉仕しますね」スッ

提督「なんだ、その言い回し気に入ったのか?」

朝潮「んー…そうかもしれませんね♪」

   「それでは、耳に入れますよ」ソッ

がさっ、がそがそ、ごそ。

提督「うへぇ、がさがさ鳴ってるよ」

朝潮「どれだけ放置していたんですか…もう」クイクイ

がさがさ、もそもそもそっ、ごしょり。

朝潮「わー…」コンモリ

提督「…我ながら酷いレベルだなぁ…今度からこまめに耳掃除しよ…」

朝潮「そうするべきです。命令してもらえれば今みたいに私がやりますので」フキフキ

提督「命令って…やだよそんなん、するなら『お願い』って形だな」

朝潮「…ふふ、そうですか」スッ

がそがそっ、もそっごしゅごしゅこしゅ…ごそり。

朝潮「……」フキフキ

提督(てか妙に上手いな!)

   「…朝潮って、普段からこういうことしてるのか?」

朝潮「はい?えぇとそうですね…妹たちに。霰や大潮、荒潮がよくせがんできます」スッ

提督「荒潮が?意外だな」

朝潮「あの子、あぁ見えて結構甘えん坊なんですよ?」コシュコシュ

提督「へぇー…本当に意外だ」

364: 2015/04/30(木) 03:26:43.98 ID:YUCRUkrL0
朝潮「あ、意外と言えば…あ、これ言ってもいいのかしら…まぁ、いいかな」コリコリ

   「実は、満潮もたまにせがんでくるんです」ゴソリ

提督「……ふふっ、そっかぁ」

朝潮「あ、笑わないであげてくださいよ…あの子も色々あったんですから…」フキフキ

提督「うん…それは分かってるよ。いや、あまりに予想通りだったから、ふふ」

朝潮「もう……あの子も、もっと素直になってくれればいいんですけどね」カリカリ

提督「あいつが素直になっちゃったらそれはそれでつまらん気もするがな」

朝潮「そうですか?変わってますね、司令官」コシュコシュ

提督「自覚はある」

朝潮「……うん、あらかた取れたかな…」フキフキ

   「はい、それでは次は綿棒で仕上げますね」カパッ

提督「ん」

朝潮「……」スーッ

ごしゅごしゅごしゅ、ごそごそもそそ…

朝潮「……はいっ、こちらの耳は掃除完了です!反対側を向いてください」

提督「はいよーっと…」ゴロンッ

   「おー、なんだか新鮮な眺め」

朝潮「言われてみるとこちらも新鮮ですね、いつもは司令官のこと見上げてますから」

提督「こっちはいつも見下ろす格好だからな…」

朝潮「…ではこちらの耳もきれいにしていきましょう」スッ

提督「よろしくー」

がさがさっ、ぱりり、もごそそそ…ごそり。

朝潮「……」フキフキ

提督「……」

朝潮「……」スッ

がさっ、ごそっごそっ、ぐぐ…もそっ。

提督「……」ウトウト

朝潮「…眠いのでしたら寝てもかまいませんよ」フキフキ

提督「ん……」

   「……」Zzz

朝潮「……」スッ


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――――――
―――


朝潮(…こっちの耳もこれで終わり、っと……司令官、もうぐっすり寝ちゃってる?)ナデ…

提督「すー…すー…」Zzz

朝潮「…ふふっ」

   (起きてらっしゃるときと違って寝顔はけっこう可愛らしいのね)

   (……可愛、らしい…)

   (……ううん、そんな意味ではないと思うけど…)///

   (…ラブソングなんでしたっけ。子守唄代わりになるかしら?)///

   「…~♪」

365: 2015/04/30(木) 03:30:34.75 ID:YUCRUkrL0
というわけでメイド服朝潮ちゃんによる耳かきでした
真面目過ぎてニブチンの朝潮ちゃんですが、2年も経てばいい加減思春期も到来するのかな?というわけでこのような話の運びとなりました

それではお次の安価は↓×2!
ちょっと安価の間隔を短くしてみます

367: 2015/04/30(木) 03:33:21.80 ID:BMCjpgTmO
春雨

370: 2015/05/03(日) 00:51:32.99 ID:J6N5ImDo0
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―――


提督「……」

こつ、こつ、こつ、じゃりっ。

春雨「…司令官? こんなところのベンチに腰掛けて、どうしたんですか?」

提督「おぉ春雨か…ちょっとね、天気いいから散歩してたんだよ」

春雨「なるほど…あの、司令官」

提督「どうした?」

春雨「私もお隣、失礼してよろしいですか?」

提督「もちろん」

春雨「ありがとうございます…♪」ストン

提督「…ここ最近あったかいなぁ、もうすっかり春なんだなぁ…」

春雨「そうですね…日差しがぽかぽかで気持ちいいです」

提督「……あー…眠くなってくるなぁ、これだと」

春雨「お膝、お貸ししましょうか?」

提督「…んー…じゃあ…お言葉に甘えて~……」ポスッ

   「…春雨、前よりちょっと足の筋肉付いたか?」

春雨「あ、そうですか?最近鍛え始めた成果が出てきてるのかも…」

提督「そうか…みんな頑張ってるんだなぁ、俺も気を引き締めんとなぁ…」ウトウト

春雨「ふふ、そんな気持ち良さそうなお顔じゃあ説得力無いですよ?」ナデナデ

提督「んー…だってあったかいんだものー…」

春雨「それじゃあ仕方無いですね」ナデナデ

371: 2015/05/03(日) 00:58:02.61 ID:J6N5ImDo0
提督「……しかし春雨も随分と打ち解けたよなぁ」

春雨「へっ?」ナデナデ

提督「前はさ、俺と会話するときっていつも緊張したような感じだったろ」

春雨「…言われてみれば、そうでしたね。いつからでしょうか、司令官とここまで仲良くお話できるようになったのって」ナデナデ

提督「いつくらいからだっけ?」

春雨「…やっぱりあれでしょうか、電ちゃんが司令官さんに甘えてこられたって話してるのを聞いたとき…」ナデナデ

提督「あぁー…そんなこともあったっけなぁ」

春雨「私、それを聞いて、えぇ!?あのしっかり者の司令官がそんなことするの!?って、とってもびっくりしたんです」ナデナデ

   「…それで、私…その、司令官との距離を縮めるチャンスなんじゃないか、って思って…」ナデナデ

提督「なるほどねー…嫌ってたとかじゃなくて、元々、仲良くしようとは思ってくれてたわけだ」

春雨「……そう、ですね、はい。そうです」ナデナデ

   「……」

提督「…?」

春雨「…でも、同じ事しようとしてる人がいっぱいいたのには驚きましたけど…」ナデナデ

提督「そうだなぁ…あのあたりから…みんな…俺への態度…変わったからなぁ…威厳…無くなって…」

春雨「……」ナデナデ

提督「……」

   「…すー…すー…」

春雨「…? 司令官?」ナデナデ

   「…寝ちゃったんですか?」

   「……」

   「……」///

   「…………」/// ソーッ

   「……っ!だ、だめ…!」/// ブンブン

   「……はぁ……」

   (…私もお昼寝しちゃお…)

374: 2015/05/03(日) 01:03:35.54 ID:I4sqS5QJO
秋月 シチュはおまかせで

376: 2015/05/04(月) 06:21:44.62 ID:IieQt+E90


―――――――――
――――――
―――


秋月「…し、司令?その…」

提督「……」ジー

秋月「そんなに見つめられると、その、ご飯、食べづらいのですが…」

提督「…おいしそうだね」

秋月「え、あっ、た…食べたいんですか?」

提督「その大和煮おいしそうですね」

秋月「やま…あ、牛缶ですか……ど、どうぞ?」

提督「お箸が無い」

秋月「えっ、あ、そうですね、お箸無いと食べられませんよね!今取ってきますね…」ガタッ

提督「お箸なんて取ってきてくれなくていいから今すぐ食べたいなぁ」

秋月「……え、っと……」

提督「…そこでね、自分から『はい、あーん♪』なんて出来たらね、世の雄共なんてイチコロなんですのよ秋月さん」

秋月「いちっ…え"っ、あっ、そっそういうことですか!?」

提督「Exactly(そのとおりでございます)」

秋月「は、はぁ…」

提督「まぁ、せっかくだし『あーん』してほしかったよね」

秋月「そうですか…」

提督「し て ほ し か っ た よ ね」

秋月「…ぅー…分かりましたよ、もう!はい…あ、あーん……」スッ

提督「あー…あぐっ」

秋月(あ、お箸に口付けないようにはしてくれるのね…)

377: 2015/05/04(月) 06:22:48.09 ID:IieQt+E90
提督「…ん、やっぱ大和煮は美味いね」モグモグ

秋月「ええ、ご飯が進む味ですよね」

提督「…前に自分でこの味を再現しようとしたんだがどうも上手くいかなくてなぁ…」

秋月「え、これって個人で作れる物なんですか?」

提督「うん、調べると一応作り方は出てくる。ただ2回ほど作ってみたんだがどーにもただの『やたら味付けの濃い煮物』になってしまう」

秋月「なるほどー…難しい料理なんですね、わりと」

提督「だからって缶詰のほうは買うと高いんだよなー」

秋月「そうなんですよねぇ、だから私もこれは大事に食べるようにしてますし…」

提督「お前らは定期的にタダで支給されてるんだからいいだろ、ケチケチしないでガーっと食え」

秋月「あはは、そうなんですけどやっぱりほら、どうしても節約してしまうというか…」

提督「まだ成長期なのにそうやって粗食ばっかだと体が出来上がらんぞ」

秋月「うー…やっぱりそうですよね…」

提督「どっかの誰かさん達みたいにはなりたくないだろ?」ニヤリ

秋月「あ!それ!司令がそういうこと言ってたって本人にチクっちゃいますよ?」

提督「え、本人~? 本人って誰だよ」

秋月「え?あっ……」アセッ

提督「なぁ…正直に言いなさいよ、君も少なからず『そう』だと思ってる人らがいるんだろう?おじさん怒んないからほら…」ニヨニヨ

秋月「え、え、っと……も、黙秘!黙秘します!」アセアセ

提督「ちえー、つまらん」

秋月(ごめんなさい……)ヒキツリ

提督「あ、お肉ありがとうな。後でどっか美味しい店連れてってやるからそれで貸し借り無しってことで」ガタッ

秋月「えっ!?そ、そんな!私のためになんか、わざわざそんな、贅沢…」

提督「察してくれよ、そういう口実でも無けりゃわざわざ他所に飯食いになんて行けないんだよ…!」ボソボソ

秋月「ぁ……ふふ、そういうことでしたら…秋月、ご一緒させていただきますね♪」

   (司令…お気遣い、ありがとうございます!)

378: 2015/05/04(月) 06:26:12.12 ID:IieQt+E90
甘えるっていうか、ただ単に仲良くつるんでるだけになってしまいましたね
秋月に甘える、という状況がどうもイメージできなくて・・・



次回:提督「安価で艦娘に甘えよう」【10】





引用: 提督「安価で艦娘に甘えよう」