1: 2008/04/08(火) 11:06:53.45 ID:tm2gTv510
大家「あんた何ヶ月滞納してると思ってるんだい。半年だよ半年!」

長門「……」

大家「来週までに家賃払えなかったら出てってもらうからね!」

長門「……コク」

バタムッ!!

115: 2008/04/08(火) 16:51:24.21 ID:VsJc/luO0
長門「お金・・・・ない・・・・」

長門「・・・空腹・・・」

長門「・・・・」

長門「・・・どうしよう・・・」

117: 2008/04/08(火) 16:53:13.29 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

長門「・・・彼に来てもらえば・・・」

長門「・・・・」

長門「・・・携帯が止められている・・・・」

118: 2008/04/08(火) 16:54:58.28 ID:VsJc/luO0
長門「ふうふう」

長門「空腹・・・いや・・・お金が無いということが・・・」

長門「こんなに辛いことだと知らなかった」

長門「ふうふう」

121: 2008/04/08(火) 16:56:50.63 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

 ガチャリ

長門「・・・なんとか・・・彼の家まで・・・」

長門「ふう・・・ふう・・・」

122: 2008/04/08(火) 16:58:43.33 ID:VsJc/luO0
────

長門「・・・・」

長門「彼の家まで残り600m」

長門「あと少し・・・」

長門「ふうふう」

123: 2008/04/08(火) 16:59:31.33 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

長門「・・・着いた」

 ピンポーン

長門「・・・・」

 ピンポーン

124: 2008/04/08(火) 17:01:06.29 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

長門「・・・・」

 ピンポーンピンポーン

長門「・・・・・」

 ピンポピンポピンポピンポピンポーン

長門「・・・・」

長門「・・・留守・・・」

126: 2008/04/08(火) 17:03:00.79 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・う・・・・」

 ドサリ

長門「・・・・」

長門「・・・朝倉涼子の姿が見える・・・・」

朝倉「はい長門さん、アーン」

長門「・・・・」

長門「・・・彼女のおでんが恋しい・・・」

127: 2008/04/08(火) 17:04:17.70 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

長門「・・・意識が遠のく・・・」

長門「・・・・」

長門「・・・・」

129: 2008/04/08(火) 17:06:42.36 ID:VsJc/luO0
 ガチャ

キョン「ん、なんだ?」

長門「・・・・!」

キョン「長門じゃないか。何やってんだ」

長門「・・・・」

キョン「なんで俺ん家の前で寝てんだ。大丈夫か?そんなに眠いのか?」

長門「・・・・」

130: 2008/04/08(火) 17:08:47.55 ID:VsJc/luO0
キョン「おい長門」

 だきっ

キョン「!! な、なんだ!?」

長門「・・・・」

長門「・・・あなたに会えてこんなに嬉しかったことは初めて」

キョン「え、え?」

131: 2008/04/08(火) 17:10:48.62 ID:VsJc/luO0
キョン「・・・・」

キョン「・・・長門・・・泣いてるのか?」

長門「泣いてない」

 ぐすっ

キョン「(泣いんじゃねーか)」

キョン「ま、なんだ・・・とりあえず家に入れ。な」

132: 2008/04/08(火) 17:12:29.71 ID:VsJc/luO0
長門「いい」

キョン「え?」

長門「それよりも、まず先にしなくてはならないことがある」

キョン「?なんだ?」


長門「ココイチのカレーが食べたい」

133: 2008/04/08(火) 17:12:45.27 ID:VsJc/luO0

136: 2008/04/08(火) 17:27:48.61 ID:VsJc/luO0
長門「ガツガツガツ」

キョン「・・・・」

長門「・・・・」

長門「・・・おいしい」

キョン「そうか。そりゃよかった」

長門「あなたは食べないの?」

キョン「今腹減ってないんだ。長門が満腹になってくれりゃいいさ」

137: 2008/04/08(火) 17:28:52.20 ID:VsJc/luO0
長門「そう」

長門「ありがとう」

キョン「ん」

長門「ガツガツガツ」

キョン「・・・・で」

キョン「何があったんだ?」

139: 2008/04/08(火) 17:30:17.37 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

長門「・・・実は」

キョン「うん」

長門「お金が無くなった」

キョン「え?」

長門「一銭もなくなった」

141: 2008/04/08(火) 17:33:45.52 ID:VsJc/luO0
キョン「・・・・」

キョン「・・・マジか」

長門「マジ」

キョン「そうかー・・・・」

キョン「・・・って、その前に今まではいったいどうやって金手に入れてたんだ?」

長門「今までは情報統合思念体からある程度の生活費を与えられていた」

142: 2008/04/08(火) 17:38:25.26 ID:VsJc/luO0
キョン「(ある程度って、充分いいマンションに住んでるじゃねーか)」

長門「しかし、この不景気のご時世によって、今までの生活費の70%がカットされることになった」

キョン「いきなり随分カットするな」

長門「その程度じゃ、全てに食費に消えてしまう」

長門「(おまえはちょっと食い過ぎだ)」

143: 2008/04/08(火) 17:40:36.87 ID:VsJc/luO0
長門「そういうこと」

キョン「なるほどな」

長門「・・・それで」

長門「ここの支払いをすることもできない。申し訳ない」

キョン「ああ。いいよそんなこと」

長門「・・・さらに困ったことに」

145: 2008/04/08(火) 17:42:48.71 ID:VsJc/luO0
キョン「うん」

長門「私が今住んでるマンションの家賃が払えなくなった」

キョン「なに?」

長門「今日にはもうあそこを出なくてはならない」

キョン「出なくてはならない・・・って、じゃあこれからいったいどうする気だよ」

長門「・・・・」

146: 2008/04/08(火) 17:45:15.02 ID:VsJc/luO0
長門「・・・・」

長門「あなたにお願いがある」

キョン「お願い?」

長門「そう」

長門「今日からしばらくの間、あなたの家に住む許可が欲しい」

キョン「・・・・」

キョン「お、俺の家?」

長門「コクリ」

149: 2008/04/08(火) 17:47:29.02 ID:VsJc/luO0
キョン「ちょ、ちょっとちょっと待った」

長門「ダメ?」

キョン「(いや、そんなかわいい顔で言われてもな・・・)」

キョン「いくら長門の頼みだからといって、こればっかりはそう簡単に許可するわけにはいかないぞ。悪いが無理だ」

長門「・・・・」

長門「なら、私はどうしたら・・・・」

キョン「う・・・・」

154: 2008/04/08(火) 17:55:18.08 ID:VsJc/luO0
キョン「おまえなら他にいくらでも方法あるだろ」

長門「それ以外に方法はない」

キョン「・・・・」

キョン「・・・・そんなこと言われてもなぁ・・・・」

キョン「俺は別にいいけど、親に何て言えばいいかわからんし。妹は気にしないだろうけど・・・」

長門「大丈夫。情報操作は得意」

長門「あなたの両親と妹には、私がもともと家族だったという記憶を植え付ける」

キョン「そんなこともできるのか・・・?」

155: 2008/04/08(火) 18:00:28.30 ID:VsJc/luO0
─────

キョン「ただいま」

妹「おかえり~キョン君有希ちゃん」

キョン「ああー、・・・実はだな妹よ」

妹「なあに?」

キョン「その・・・しばらくの間、長門がいっしょにうちに住むことになったんだ。構わんな」

156: 2008/04/08(火) 18:03:02.51 ID:VsJc/luO0
妹「何いってるの?」

キョン「え?」

妹「ここもともと有希ちゃんの家じゃない。変なキョンくーん」

 トテトテトテトテ…

キョン「・・・・」

長門「すでに情報操作は完了してある」

キョン「さすがとしか言いようがないな・・・」

157: 2008/04/08(火) 18:07:42.06 ID:VsJc/luO0
キョン「あー、母さん・・・」

母「おかえり、キョン。有希」

キョン「・・・・」

キョン「ただいま・・・」

長門「ただいま」

158: 2008/04/08(火) 18:10:28.80 ID:VsJc/luO0
キョン「なあ長門・・・・」

長門「ダメ」

キョン「え?」

長門「長門と呼んではダメ。今私はあなたと同じ苗字になっている。なので有希と呼んでほしい」

キョン「あ、ああそうか・・・わかった」

キョン「それより、おまえの部屋ってもんがうちにはないぞ。どうする気だ?」

161: 2008/04/08(火) 18:15:17.23 ID:VsJc/luO0
長門「私の部屋はあなたの部屋といっしょということにする」

キョン「な!?」

長門「何か問題?」

キョン「問題大ありだ!」

長門「妹と兄が同じ部屋なのは別に変ではない」

キョン「い、妹・・・?おまえ俺の妹って設定なのか?」

長門「姉の方がよかった?」

キョン「できれば・・・・いやそんなことよりな」

164: 2008/04/08(火) 18:22:51.24 ID:VsJc/luO0
キョン「まあおまえが妹というのはいいとして、それでもおかしいだろ。それなら妹の部屋といっしょになるべきだ」

長門「妹さんは多感な年頃。プライバシーは大切。その点あなたなら問題ない」

キョン「俺だって多感な年頃だ!」

長門「私がいたらどうしてダメ?」

キョン「いや・・・その・・・一人でいろいろすることだってあるだろ」

長門「マスターベーションなどの行為は遠慮しないでやってもらっても平気。思春期の男子にとって当然の行動」

キョン「・・・!」

167: 2008/04/08(火) 18:25:47.29 ID:VsJc/luO0
長門「ただ一日二回以上の自慰は身体に悪いと聞く」

キョン「そんなこと聞いてない!」

長門「そう」

170: 2008/04/08(火) 18:29:05.80 ID:VsJc/luO0
─────

母「あんたらそろそろ寝なさいよ。明日も学校でしょ」

長門「了解した。ママ」

キョン「マ・・・」

長門「もう寝ようお兄ちゃん」

キョン「お、お兄ちゃん・・・?」ゾクッ

 ボソッ

長門「そう呼ばないと不自然」

キョン「・・・」

173: 2008/04/08(火) 18:32:20.29 ID:VsJc/luO0
──────

キョン「ふう・・・」

キョン「(なんだか恐ろしく疲れる一日だった)」

キョン「あ・・・そういえば布団持ってこなきゃな。ベッド一つしかないし」

キョン「長門。ベッド使っていいぞ。俺布団で寝るから」

長門「その必要はない。二人でベッドを使えばいい」

キョン「そんなことできるか!」

174: 2008/04/08(火) 18:34:06.29 ID:VsJc/luO0
長門「どうして」

キョン「どうしてって・・・あたり前だろ」

長門「いや?」

キョン「いやじゃないけど・・・ああもう、なんでもいいから布団は別だ!」

長門「・・・・」

175: 2008/04/08(火) 18:35:02.10 ID:VsJc/luO0
 カチカチッ

キョン「・・・おやすみ」

長門「・・・・」


 ヒュオオオオオオオオオ…

176: 2008/04/08(火) 18:36:36.80 ID:VsJc/luO0
─────

キョン「うーん・・・・」

 モソモソ

キョン「うーん・・・ん・・・なに・・・?」

キョン「・・・・」

キョン「うわっ!!」

長門「・・・・」

178: 2008/04/08(火) 18:38:23.63 ID:VsJc/luO0
キョン「なんで長門が俺の布団の中にいるんだ!」

長門「寒い」

キョン「いやそりゃ寒いけどおまえ・・・布団別にした意味ないだろ!」

長門「いっしょに寝たい」

キョン「・・・!」

182: 2008/04/08(火) 18:42:15.85 ID:VsJc/luO0
キョン「おまえな・・・わかってるのか?俺も一応男なんだぞ?」

長門「問題ない」

キョン「は?」

長門「別にあなたは私に何しても構わない。むしろ私はしてもらいたいと感じている」

キョン「・・・!!!」

長門「・・・でも」

 ぎゅっ

長門「・・・今は眠たいから・・・できれば明日にしてほしい・・・」

キョン「・・・・」

186: 2008/04/08(火) 18:44:55.76 ID:VsJc/luO0
キョン「(・・・ああもう・・・どうでもいいや)」

 ぎゅっ

キョン「・・・・おやすみ長門」

長門「・・・おやすみなさい」

 ヒュオオオオオオオオオ…



おしまい

188: 2008/04/08(火) 18:46:49.96 ID:hjqoMnWE0
情報統合思念体「お父さんは同棲なんて認めないからな!」

引用: 長門「……家賃……来週まで待って」