162: 2008/08/21(木) 20:28:15 ID:htH3wt+T
エイラーニャ(サーニャイラ?)SS投下します。

『Greeting?』

事の発端は、シャーリーのある行動だった。

「やーおはよ、ルッキーニ」
「おはようシャー……んっ!?」

キスだ。リベリオンじゃキスは挨拶レベルで頻繁に行われると聞いたことはある。
けど……全く、皆が見てる前でいきなり何をやらかしてるんダヨ。このバカップルめ。

「な、何すんのさーっ!?み、みんな見てるじゃん!!」
「あはは、ただの挨拶だって……そうカッカすんなよルッキーニ」
「みんなの前じゃ、は……恥ずかしいよバカーッ!!」

そう叫び、ルッキーニは走り去って行った。
当然、周りの空気が一変する。特に宮藤なんか顔が茹でダコみたいに真っ赤ダナ。

「し、シャーリーさん……今の、挨拶…なんですかぁ~っ!?」
「ん?リベリオン(ウチ)じゃ割と普通だよ。こんな風に、友達とかにもさ」

そう言うと、シャーリーが宮藤の頬に口づけた。
おい、大胆すぎるダロ……その勇気、少し私にも欲しいくらいダ。
もっと勇気があれば私だってサーニャと……!!
おっと、今ので確実に皆の間に変な空気が流れ始めたゾ……。

「シャッ、シャッ、シャーリーさんっ……今っわたしのほっぺにっ!?」
「まあこれくらいリベリオンじゃよくあること♪もっとも唇にするのはルッキーニぐらい親密になってからだけどさ」
「うう……恥ずかしいですよぅ……」
「そうか?う~ん、扶桑の感覚ってよく分かんないな~」

宮藤は恥ずかしさのあまりにうつむいてしまった。
一方シャーリーはあっけらかんと笑っている。リベリアン恐るべし。
ストライクウィッチーズ 501部隊発進しますっ!続 (角川コミックス・エース・エクストラ)
163: 2008/08/21(木) 20:29:45 ID:htH3wt+T
一方周りでは……

「よ、芳佳ちゃんに……キスを……」

うつむきがちにそう呟くリーネから何か黒いオーラみたいなのを感じる。
ありゃ完全に嫉妬ダナ……正直怖い。

『挨拶にキスか……私もこう、宮藤と……ああ、でもあくまでリベリオンの風習だし……でも頬くらいなら……』

横でバルクホルン大尉がカールスラント語で何かブツブツ言ってる。
何を言ってるのか分からないが、顔が赤い。それに……微妙にニヤニヤしてる?…内容が気になるナ。

「あら、随分と楽しそうね。トゥルーデ、後でゆっくりお話しましょうか……」
「ミッ、ミーナ……いつの間に!?」
『まるで変態よ、貴方は』
「……orz」

いつのまにか現れた中佐は、ニコニコしてるけど目が笑ってない……。
最後のカールスラント語、意味は分からないが大尉がすっごい落ち込んでる。何を言ったんダ中佐。

そして他のメンバーはというと……

「うわ、シャーリーだいたーん」

相変わらずマイペースなハルトマン中尉。

「わたっ、わたくしも坂本少佐とあんな事……」

あー、ペリーヌは妄想中か。

「はっはっはっはっ……」

その坂本少佐についてはもはや何も言うまい。

そして、サーニャはいつもと変わらず私の横で眠そうにしていた。
何か、騒がしくなってきたし部屋に戻るカナ。

「サーニャ、部屋に戻るか」
「……うん」

いつもと変わらないおとなしい返事。
サーニャはさっきの事、気にしてないのカナ……?

164: 2008/08/21(木) 20:31:01 ID:htH3wt+T
サーニャの部屋に行き、いつもの様にベッドに腰かける。
さて、これからどうしよう……。
あんな事があった後では、なかなか平常心を保てない。

「……エイラ」
「ん?」

サーニャが私を呼んだので、振り返る。

「挨拶……まだだったね」
「え、何言ってんダ━━」

それ以上の言葉は、サーニャに唇を塞がれて発せない。
え、今キスされた……!?
ほんの一瞬、本当に軽いキスだったけど、私の意識が吹っ飛ぶには十分すぎる破壊力で。

「ササササササーニャッ!?な、な、な、何を」
「さっきシャーリーさんがしてた挨拶……嫌だった?」

なんだかんだでサーニャもさっきの…気にしてたのか!?
それに、上目遣い……反則すぎるダロ!
とにかく落ち着け私!!

「い、嫌なわけ……ないダロ!!……嬉しかったヨ」

そう言うと、サーニャは優しい笑みを浮かべて呟いた。

「あのね、私……エイラが…好き」

こ……これは夢なのか!?
その言葉に心臓が破裂しそうになる。ああああ落ち着け私!!

「わ、私も……ダゾ」

今の私にはこれが精一杯の返事だった。
一応頬をつねってみたけど、ヒリヒリ痛いのでちゃんと現実のようだ。
私のそんな様子を見てサーニャは、クスリと微笑んでいた。


165: 2008/08/21(木) 20:32:23 ID:htH3wt+T
「もう……エイラったら」
「ごめん……なんか本当に夢なんじゃないかって……」
「……ねえ、エイラ」
「な、何だヨ……」
「あのね、もう一回……キス、したいの……」
「え、ええええええっ!?」
「……嫌?」

サーニャは眉をハの字にしてこちらを見上げてくる。
う……駄目だ、サーニャには一生敵わないなァ。

「い、嫌じゃない……ちょっと、ビックリしただけダ」
「そう……あのね、エイラ」
「ん? サーニャ何を…!?」

サーニャは私の右手を自分の左胸に当てさせた。
控え目だけどやわらかな彼女の胸からは、私と同じくらいテンポの速い鼓動が伝わってくる。

「サーニャ……?」
「わたしね、ドキドキしてるの……」
「う、うん……そうだナ」

今度は、サーニャの手が私の左胸に伸びる。

「エイラも、おんなじだね」
「そ、そりゃあ私もさっきからドキドキだヨ……」
「エイラ……」
「サ、サーニャ……」

ぎこちなく互いの顔が近付き、その距離が0になる。
さっきのような一瞬だけ、というようなものではなくじっくりと時間をかけたキスだ。
そんな夢のような感覚に、思考がドロドロに溶けてしまいそうになる。

私は口付けを交わしながら、今回ばかりはシャーリーに感謝ダナ…と考えていた。

(おわり)


以上です。スレ汚し失礼しました…。

166: 2008/08/21(木) 20:46:36 ID:qdmQ+GMg
イイヨイイヨー

引用: ストライクウィッチーズpart2